JP5929302B2 - 地下灌漑用部材の敷設装置および敷設方法 - Google Patents

地下灌漑用部材の敷設装置および敷設方法 Download PDF

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Description

この発明は、地下灌漑用部材の敷設装置および敷設方法に関し、特にたとえば、耕作地の地中に地下灌漑用部材を敷設するための、地下灌漑用部材の敷設装置および敷設方法に関する。
本件出願人は、平成23年7月21日付で特許出願された特願2011−159957号において、耕作地に適用する地下灌漑システムを提案している。この地下灌漑システムでは、たとえば遮水性のシートを屈曲ないし湾曲させて細長い溝状に形成した遮水部材が地中に埋設され、その内部に保水部材などを介して給水部材が設置される。そして、給水部材から遮水部材の内部に水を供給して、保水部材に吸収させた水分を上方の土壌に毛細管現象によって吸い上げさせることにより、適切な水分量を有する毛管水状態の土壌部を耕作地に形成している。
このような地下灌漑システムを大規模な圃場などに適用するためには、その圃場の全体に遮水部材や給水部材などの地下灌漑用部材を埋設しなければならない。しかしながら、地下灌漑用部材を埋設する作業には手間と時間がかかってしまうため、施工の効率化が求められていた。
そこで、施工の効率化を実現させるためには、トラクタなどで牽引して使用する専用の施工装置を準備し、それを利用して地下灌漑用部材を埋設することが考えられる。
たとえば、圃場などでトラクタなどによって牽引して使用する施工装置の一例として、地下灌漑システムを施工することを目的としたものではないが、根の地中への伸長を制限したり、周囲の土から栽培床への病害虫の侵入を抑止するためにシートを浅埋するシート埋設栽培床形成装置が特許文献1に開示されている。このシート埋設栽培床形成装置では、切削刃が土壌の表面を削り取って、浅くて幅広の溝部を形成するとともに、削り取った土を無端コンベアによって押し上げて後方に搬送する。そして、溝部にシートロールからシートを進行方向後方に巻き出しつつ、そのシートの上側に切削刃が削り取った土を落下させて、そこに栽培床を形成するようにしている。
特開2004−305212号公報 [A01G 13/00]
特許文献1の技術では、切削刃によって土壌を掘り起こすようにしているので、耕作地を深く掘ることが困難である。このため、シートを地表面の近くに浅く埋設することしかできず、シートから地表面までの距離が限定されてしまう。よって、特許文献1のシート埋設栽培床形成装置を、根の地中への伸長を制限しない通常の地下灌漑システムへ転用しようとしても、地下灌漑システムに必要な深さに遮水部材を埋設することができない。
また、特許文献1のシート埋設栽培床形成装置によって耕作地を深く掘削しようとすると、非常に大きな動力によって掘削を行う必要が生じるため、装置の設備がかなり大掛かりなものになってしまう。そうすると、その分だけ地下灌漑システムを施工するためのコストが嵩んでしまう。
それゆえに、この発明の主たる目的は、新規な、地下灌漑用部材の敷設装置および敷設方法を提供することである。
この発明の他の目的は、地下灌漑システムの施工に好適に用いることができ、しかも低コストで施工することが可能な、地下灌漑用部材の敷設装置および敷設方法を提供することである。
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の構成を採用した。なお、括弧内の参照符号および補足説明などは、本発明の理解を助けるために後述する実施の形態との対応関係を示したものであって、本発明を何ら限定するものではない。
第1の発明は、耕作地の地中に地下灌漑用部材を敷設するための、地下灌漑用部材の敷設装置であって、地上に設置され、シート状の遮水部材を連続的に供給可能に保持する第1保持手段、遮水部材を地中に送り出す第1空間部および第1空間部に連通して第1保持手段から供給されるシート状の遮水部材を第1空間部へ導入する第2空間部を有する本体部、断面が所定形状の空隙を耕作地の地中に形成する空隙形成手段、および空隙形成手段によって形成された空隙に第1空間部から送り出された遮水部材を敷設する第1敷設手段を備える、地下灌漑用部材の敷設装置である。
第1の発明では、地下灌漑用部材の敷設装置(10)は、地下灌漑システム(100)を耕作地(200)に施工するために、耕作地の地中に遮水部材(44,102)を敷設するものであり、たとえば作業機(210)の進行方向に沿って牽引される。空隙形成手段(16,24,26)は、たとえば断面溝形状の空隙(206)を耕作地の地中に形成する。また、第1保持手段(42,46,48)は、地上に設けられ、たとえば、シート状の遮水部材をロール状に巻き取って連続的に供給可能に保持する。本体部(16)は、第1保持手段から供給されたシート状の遮水部材を地上から導入する第2空間部(38)と、第2空間部に導入された遮水部材を地中に送り出す空間部(28)を有し、第1保持手段から引き出された遮水部材が第1空間部から送り出され、第1敷設手段(24,32)によって耕作地の地中の空隙に敷設される。
第1の発明によれば、耕作地の地中に形成した空隙に、地上に設置された第1保持手段によって地上から供給される遮水部材を敷設するようにしているので、たとえ地表面から深い位置に遮水部材を設ける場合であっても、大きな動力を必要とせずに、遮水部材を簡単に敷設することができる。このため、耕作地の土壌成分や気候条件などに応じて、遮水部材を好適な深さに埋設することができるようになり、地下灌漑システムに汎用性を持たせることができる。
また、地下灌漑システムを低コストで施工することも可能である。
第2の発明は、第1の発明に従属し、第1空間部に設けられ、第2空間部を経て導入されたシート状の遮水部材を水平横方向に方向転換するための方向転換手段をさらに備える
第2の発明では、地上から第2空間部を通して導入されたシート状の遮水部材を、第1空間部に引き込み、方向転換手段(54)によって、そのシート状の遮水部材を水平横(左右方向)向きに方向転換する。
第3の発明は、第1または第2の発明に従属し、地上に設置され、給水部材を連続的に供給可能に保持する第2保持手段、および第2保持手段から供給された給水部材を、第1敷設手段によって敷設された遮水部材の上側の地中に敷設する第2敷設手段をさらに備える。
第3の発明では、第2保持手段(58,64,66)は、地上に設置され、給水部材(62,104)をたとえば多列多段に巻き取って連続的に供給可能に保持する。そして、第2保持手段から引き出された給水部材が、第2敷設手段(60,68,70)によって遮水部材(44,102)の上側の地中に敷設される。
第4の発明は、耕作地の地中に地下灌漑用部材を敷設するための、地下灌漑用部材の敷設装置であって、断面が所定形状の空隙を耕作地の地中に形成する空隙形成手段、シート状の遮水部材を連続的に供給可能に保持する第1保持手段、空隙形成手段によって形成された空隙に第1保持手段から供給された遮水部材を敷設する第1敷設手段、給水部材を連続的に供給可能に保持する第2保持手段第2保持手段から供給された給水部材を、第1敷設手段によって敷設された遮水部材の上側の地中に敷設する第2敷設手段、シート状の防根部材を連続的に供給可能に保持する第3保持手段、および第3保持手段から供給された防根部材を給水部材に巻き付ける巻き付け手段を備える、地下灌漑用部材の敷設装置である
第4の発明では、地下灌漑用部材の敷設装置(10)は、地下灌漑システム(100)を耕作地(200)に施工するために、耕作地の地中に遮水部材(44,102)を敷設するものであり、たとえば作業機(210)の進行方向に沿って牽引される。空隙形成手段(16,24,26)は、たとえば断面溝形状の空隙(206)を耕作地の地中に形成する。また、第1保持手段(42,46,48)は、たとえば、シート状の遮水部材をロール状に巻き取って連続的に供給可能に保持する。そして、第1保持手段から引き出された遮水部材が、第1敷設手段(16,24,32)によって耕作地の地中の空隙に敷設される。第2保持手段(58,64,66)は、給水部材(62,104)をたとえば多列多段に巻き取って連続的に供給可能に保持する。そして、第2保持手段から引き出された給水部材が、第2敷設手段(60,68,70)によって遮水部材(44,102)の上側の地中に敷設される。第3保持手段(78,86)は、シート状の防根部材(84,106)をロール状に巻き取って連続的に供給可能に保持する。また、巻き付け手段(76,80)は、第2保持手段(58,64,66)から引き出した給水部材(62,104)を第2敷設手段(60,68,70)によって地中に敷設する前に、給水部材に防根部材を巻き付ける。
第4の発明によれば、施工時に給水部材に防根部材を巻き付けるようにすることにより、予め給水部材に防根部材を巻き付けておく必要がなくなる。
第5の発明は、第4の発明に従属し、巻き付け手段は、給水部材との間に防根部材を挟んだ状態で、防根部材に送風する送風手段を含む。
第5の発明では、巻き付け手段(76,80)は、送風手段(80)を含む。送風手段は、給水部材(62,104)との間に挟んだ状態の防根部材(84,106)に送風し、それによってたとえば防根部材の両側端が給水部材の奥側で重なり合うことにより、防根部材が給水部材に巻き付く。
第5の発明によれば、防根部材がシワになりにくく、防根部材を給水部材に均一に巻き付け易くなる。
第6の発明は、耕作地の地中に地下灌漑用部材を敷設するための、地下灌漑用部材の敷設装置であって、断面が所定形状の空隙を耕作地の地中に形成する空隙形成手段、シート状の遮水部材を連続的に供給可能に保持する第1保持手段、および空隙形成手段によって形成された空隙に第1保持手段から供給された遮水部材を敷設する第1敷設手段を備え、空隙形成手段は、後方に向かって上り勾配で傾斜する傾斜板が前方端に設けられた筒形状の本体部分を含み、この本体部分を耕作地の地中に打ち込むことによって空隙を形成する。
第6の発明では、地下灌漑用部材の敷設装置(10)は、地下灌漑システム(100)を耕作地(200)に施工するために、耕作地の地中に遮水部材(44,102)を敷設するものであり、たとえば作業機(210)の進行方向に沿って牽引される。空隙形成手段(16,24,26)は、たとえば断面溝形状の空隙(206)を耕作地の地中に形成する。また、第1保持手段(42,46,48)は、たとえば、シート状の遮水部材をロール状に巻き取って連続的に供給可能に保持する。そして、第1保持手段から引き出された遮水部材が、第1敷設手段(16,24,32)によって耕作地の地中の空隙に敷設される。空隙形成手段(16,24,26)は、本体部分(16)を耕作地(200)の地中に打ち込むことによって空隙(206)を形成する。たとえば、本体部分は、一定以上の硬度を有する金属などによって矩形の筒形状に形成され、その底板(18)の上側には、傾斜板(26)が設けられる。そして、本体部分(16)を耕作地(200)の地中に打ち込んだ際には、たとえば傾斜板の上り傾斜部(26a)によって空隙の上側の土が持ち上げられる。
第7の発明は、第6の発明に従属し、傾斜板の背面側には、第1保持手段から供給された遮水部材を第1敷設手段に向けて引き出すための空間が形成される。
第7の発明では、傾斜板(26)の背面側には、空間(28)が形成される。この空間は、たとえば、第1保持手段(42,46,48)から本体部分(16)の側板(22)に沿って引き出された遮水部材(44,102)を水平方向に方向転換させて第1敷設手段(16,24,32)に向けて引き出すためのスペースとして利用される。
第8の発明は、第1ないし7のいずれかの発明に従属し、第1敷設手段は、第1保持手段から供給された遮水部材を空隙に敷設する前に空隙の形状に対応した形状に変形させる変形手段を含む。
第8の発明では、第1敷設手段(16,24,32)は、第1保持手段(42,46,48)から供給された遮水部材(44,102)を、空隙(206)に対応した形状に変形させてから、空隙に敷設する。
第9の発明は、耕作地の地中に地下灌漑用部材を敷設するための、地下灌漑用部材の敷設方法であって、(a)断面が所定形状の空隙を耕作地の地中に形成するステップ、および(b)ステップ(a)で形成した空隙にシート状の地下灌漑用部材を敷設するステップを含遮水部材を敷設するステップを含み、シート状の遮水部材を連続的に地上から供給可能に保持しておき、ステップ(b)では、第1空間部および第1空間部に連通する第2空間部を有する本体部を用いて、シート状の遮水部材を地上から第2空間部を経て第1空間部に導入し、第1空間部から地中に送り出すようにして、地上から供給されたシート状の遮水部材を空隙に敷設する、地下灌漑用部材の敷設方法である。
第9の発明では、ステップ(a)において、断面がたとえば溝形状の空隙(206)を耕作地(200)の地中に形成する。そして、ステップ(b)において、ステップ(a)で形成した空隙に、たとえば第1保持手段(42,46,48)から引き出したシート状の遮水部材(44,102)を敷設する。ステップ(b)では、第1空間部(28)および第1空間部に連通する第2空間部(38)を有する本体部(16)を用いて、シート状の遮水部材を地上から第2空間部を経て第1空間部に導入し、第1空間部から地中に送り出すようにして、地上から供給されたシート状の遮水部材を空隙に敷設する、
第9の発明によれば、第1の発明と同様の効果を奏する。
第10の発明は、第9の発明に従属し、第2空間部を経て導入されたシート状の遮水部材は、第1空間部において水平横方向に方向転換された後ステップ(b)で敷設される
第11の発明は、第9または第10の発明に従属し、c)ステップ(b)で敷設した遮水部材の上側の地中に、地上から供給した給水部材を敷設するステップを含む。
第11の発明では、ステップ(c)において、ステップ(a)で敷設した遮水部材(44,102)の上側の地中に、たとえば第2保持手段(58,64,66)から引き出した給水部材(62,104)を敷設する。
第12の発明は、第10または11の発明に従属し、ステップ(a)とステップ(b)とステップ(c)とが並行して行われる。
第12の発明では、ステップ(a)の耕作地(200)の地中に空隙(206)を形成する作業と、ステップ(b)の空隙に遮水部材(44,102)を敷設する作業と、ステップ(c)の給水部材(62,104)を敷設する作業とが、並行して連続的に行われる。
第13の発明は、(a)断面が所定形状の空隙を耕作地の地中に形成するステップ、(b)ステップ(a)で形成した空隙にシート状の遮水部材を敷設するステップ、(c)ステップ(b)で敷設した遮水部材の上側の地中に給水部材を敷設するステップ、および(d)ステップ(c)の前に、シート状の防根部材を給水部材に巻き付けるステップをさらに含む。
第13の発明では、ステップ(a)において、断面がたとえば溝形状の空隙(206)を耕作地(200)の地中に形成する。そして、ステップ(b)において、ステップ(a)で形成した空隙に、たとえば第1保持手段(42,46,48)から引き出したシート状の遮水部材(44,102)を敷設する。ステップ(c)において、ステップ(a)で敷設した遮水部材(44,102)の上側の地中に、たとえば第2保持手段(58,64,66)から引き出した給水部材(62,104)を敷設する。ステップ(d)において、給水部材(62,104)を遮水部材(44,102)の上側の地中に敷設する前に、給水部材に防根部材(84,106)が巻き付けられる。
第13の発明によれば、給水部材の細孔などに植物の根が侵入することによって、その細孔が閉塞されてしまうことがなくなる。
第14の発明は、第10ないし13のいずれかの発明に従属し、ステップ(a)では、遮水部材を第1深さ位置に敷設し、ステップ(c)では、第1深さ位置よりも所定高さだけ上方の第2深さ位置に、遮水部材との間に耕作地の土を介在させた状態で給水部材を敷設する。
第14の発明では、ステップ(c)において、給水部材(62,104)を、遮水部材(44,102)をよりも所定高さだけ上方に、その遮水部材との間に耕作地(200)の土を介在させた状態で敷設する。
第14の発明によれば、給水部材によって給水した水を土に吸収させて、その土が保水した水を毛細管現象によって土壌に供給するようにできるので、遮水部材を傾斜させて敷設していても、作土層の水分量を可及的均等に保つことが可能である。したがって、傾斜地での施工など、遮水部材を水平に敷設することが困難な場合であっても、地下灌漑システムを好適に用いることができるようになる。
第15の発明は、第9ないし14のいずれかの発明に従属し、(e)ステップ(b)の前に、地下灌漑用部材を前記空隙の形状に対応した形状に変形させるステップをさらに含む。
第15の発明では、ステップ(e)において、たとえば、遮水部材(44,102)を空隙(206)に敷設する前に、遮水部材を空隙の形状に対応した形状に変形させる。
第16の発明は、第9ないし15のいずれかの発明に従属し、ステップ(a)では、耕作地の地中で土を少なくとも上下に分断して、そのうちの上側の土を持ち上げることによって空隙を形成する。
第16の発明では、ステップ(a)において、耕作地(200)の地中の土をたとえば上下に分断し、そのうちの上側の土を持ち上げることによって空隙(206)を形成する。
第17の発明は、耕作地の地中に地下灌漑用部材を敷設するための、地下灌漑用部材の敷設方法であって、(a)断面が所定形状の空隙を耕作地の地中に形成するステップ、および(b)ステップ(a)で形成した空隙にシート状の地下灌漑用部材を敷設するステップを含み、ステップ(a)では、少なくとも底板と底板から立ち上がる側板とを有する本体部分を耕作地の地中に打ち込むことによって耕作地の地中で土を少なくとも上下に分断して、そのうちの上側の土を持ち上げることによって空隙を形成し、(f)地下灌漑用部材を側板に沿って底板の上側に引き出し、そこで反転させて本体部分の後方側に引き出すステップを含み、ステップ(b)では、ステップ(f)で本体部分の後方側に引き出した地下灌漑用部材を空隙に敷設する。
第17の発明では、ステップ(a)において、たとえば底板(18)とその両端から立ち上がる側板(22)と天板(20)とを有する筒形状の本体部分(16)を耕作地(200)の地中に打ち込むことによって耕作地の地中で土を少なくとも上下に分断して、そのうちの上側の土を持ち上げることによって空隙を形成し、そして、ステップ(f)において、たとえば、遮水部材(44,102)を本体部分の側板に沿って底板の上側に引き出し、そこで反転させて本体部分の後方側に引き出す。さらに、ステップ(b)において、本体部分の後方側に引き出した遮水部材を空隙に敷設する。
第18の発明は、第17の発明に従属し、本体部分の底板の上側には、後方に向かって上り勾配で傾斜する傾斜板が設けられ、ステップ(a)では、底板を耕作地の地中に打ち込むことによって土を上下に分断した後、底板の上側の土を傾斜板によって持ち上げる。
第18の発明では、ステップ(a)において、耕作地(200)の地中の土を本体部分(16)の底板(18)および側板(22)を打ち込むことによって上下に分断し、そのうちの上側の土を本体部分の底板の上に設けられた傾斜板(26)によって持ち上げる。
第19の発明は、第18の発明に従属し、ステップ(f)では、傾斜板の背面側に形成された空間で地下灌漑用部材を反転させる。
第19の発明では、ステップ(f)において、たとえば、本体部分(16)の側板(22)に沿って底板(18)の上側に引き出した遮水部材(102)を、傾斜板(26)の背面側に形成された空間(28)で反転させて本体部分の後方側に引き出す。
この発明によれば、耕作地の地中に形成した空隙に地下灌漑用部材を敷設するようにしているので、低コストで地下灌漑システムを好適に施工することができる。
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
この発明の背景となる地下灌漑システムの一例を示す図解図である。 図1の地下灌漑システムの遮水部材の周辺の様子を示す概略断面図である。 図1の地下灌漑システムの遮水部材の周辺の様子を示す概略断面図である。 この発明の一実施例の地下灌漑用部材の敷設装置によって地下灌漑用部材を敷設する様子を示す図解図である。 図4の地下灌漑用部材の敷設装置を示す側面図である。 図4の地下灌漑用部材の敷設装置を示す正面図である。 図4の地下灌漑用部材の敷設装置を示す上面図である。 図5の本体部材を示す図解図である。 図5の遮水部材敷設ユニットにおいて合成樹脂シートを引き出す様子を示す図解図である。 図5の遮水部材敷設ユニットにおいて合成樹脂シートを引き出す様子を示す図解図である。 図5の給水部材敷設ユニットを示す図解図である。 図5の給水部材敷設ユニットにおいてコルゲート管に防根部材を巻き付ける様子を示す図解図である。 合成樹脂シートが変形する様子を示す図解図であり、図10のA−A線、B−B線、C−C線に対応した合成樹脂シートの断面を示す図解図である。 図4の地下灌漑用部材の敷設装置によって地下灌漑用部材を敷設する様子を示す図解図である。 図4の地下灌漑用部材の敷設装置によって地下灌漑用部材を敷設する様子を示す図解図である。 (a)は、耕作地の地中に空隙および切り目を形成した様子を示す図解図であり、(b)は、空隙の上側の土を持ち上げた様子を示す図解図である。 耕作地の地中の空隙に遮水部材を敷設するとともに、切り目を通して給水部材を敷設した様子を示す図解図である。 この発明の他の実施例の地下灌漑用部材の敷設装置の給水部材敷設ユニットを示す図解図である。 図18の敷設装置によって耕作地の地中に地下灌漑用部材を敷設した様子を示す図解図である。
この発明の一実施例である地下灌漑用部材の敷設装置10(以下、単に「敷設装置10」ということもある。)は、地下灌漑システム100を耕作地200に施工することを目的として、耕作地200の地中に地下灌漑用部材を敷設するものである。
ただし、この実施例における「耕作地」とは、農作地のみならず、植物の栽培場や公園緑地などを含む概念である。
先ず、後述するこの発明の理解に必要な範囲で、地下灌漑システム100について簡単に説明する。
図1−3を参照して、地下灌漑システム100は、地下から水を供給して土壌中の水分を植物の生育にとって適切な状態に保つことを主たる目的として、耕作地200に設けられるものであり、遮水部材102と給水部材104とを備えている。
図1−図3に示すように、遮水部材102は、ポリエチレンやポリ塩化ビニル等の合成樹脂やステンレス等の金属などの遮水性を有する材質によって、上面に開口を有する細長い溝状に形成され、その長手方向を水平方向として、耕作地200の地中に埋設される。たとえば、遮水部材102は、植物の根圏に沿うように畝立てされた畝202ごとに配置され、畝202に沿って耕作地200の両端付近まで延びる遮水部材102が、所定の間隔を隔てて並ぶように配置される。
なお、図1では、図解のために、耕作地200内に4つの遮水部材102を並べて配置しているが、これは単なる例示であり、必要に応じて遮水部材12の配置個数は適宜変更され得る。また、遮水部材102を畝202ごとに配置する必要もなく、複数の畝202がある耕作地200では、2−3本の畝202に1つの割合で遮水部材102を配置するようにしてもよい。
たとえば、この実施例では、遮水部材102は、合成樹脂シートを屈曲ないし湾曲させて変形させることによって、底面102aの両側端から側面102bがやや外側に傾斜して立ち上がる溝形状に形成される。一例として、遮水部材12の底面102aの幅は、たとえば120mmであり、側面102bの高さ(つまり、遮水部材102の深さ)は、たとえば150mmである。また、遮水部材102の底面102aから地表面204までの距離は、たとえば200mm−800mmとされる。ただし、遮水部材12の寸法や配置深さなどは、これらの数値に限定されず、この地下灌漑システム100を適用する耕作地200の面積、土壌成分および気候条件などに応じて、適宜設定される。
遮水部材12の内部には、耕作地200の土壌と同様の成分によって構成される土が充填されるとともに、給水部材104が配設される。ただし、上述のように、遮水部材12は上面に開口を有する溝状に形成されるため、この場合の遮水部材102の内部とは、遮水部材102の上側に含まれる概念となることに留意されたい。
給水部材104は、給水タンク108などから供給された水を遮水部材102の内部に供給(給水)するための管部材である。たとえば、この実施例では、給水部材104は、ポリエチレンなどの合成樹脂によって形成されるコルゲート管であり、その管壁には、複数の細孔(図示せず)が分散配置されている。給水部材104は、遮水部材102との間に一定量の土を介在した状態で底面102aに沿って延び、遮水部材102の内部に水路を形成する。そして、この水路の水が細孔などを通して遮水部材102内に供給される。一例として、給水部材104の外径は、たとえば10−60mmである。なお、図1−3では、図面の簡素化のために、給水部材104の外面を滑らかな平面状に示していることに留意されたい。以下、同様である。
また、給水部材104の外面は、防根部材106によって覆われている。たとえば、この実施例では、防根部材106として、不織布などが用いられる。これにより、たとえば給水部材104の細孔に植物の根が侵入することによって、その細孔が閉塞されてしまうことがなく、水路の水を適切に遮水部材102内に供給することが可能である。
給水部材102の上流側端部は、配水管110を介して、給水タンク108などの給水源に接続される。たとえば、給水タンク108は、農業用水配管(図示せず)などと接続されて、農業用水配管から送られてくる水をその内部に貯留する。また、配水管110は、給水タンク108から供給された水を給水部材104まで送る管路であり、複数の直管、可撓管および継手などを適宜連結して形成される。
このような地下灌漑システム100では、灌漑時には、たとえば給水タンク108に設けられているバルブ(図示せず)を手動または電動制御等で開け閉めすることによって、給水タンク108から配水管110に対して水が供給される。そして、給水タンク108から配水管110に供給された水は、給水部材104に流れ込み、給水部材104内を通って遮水部材102の全長に亘るように搬送されるとともに、各細孔から給水部材104の外に出て、遮水部材102の内部に給水される。給水部材104から遮水部材102の内部に給水されると、その水は土中に浸透していき、毛管水または重力水となって遮水部材102の内部に留まることによって、遮水部材102の内部に、毛管水状態または重力水状態の土壌部112が形成される。そして、遮水部材102内の毛管水や重力水、つまり土壌部112の水分が、その上側の土壌に毛細管現象によって吸い上げられて浸透していき、上側の土壌に毛管水が常に補充される毛管水状態の土壌部114を形成する。
なお、耕作地200が保水力が弱い砂地などでなければ、傾斜地での施工など、遮水部材102を水平に敷設することが困難な場合であっても、給水部材104から遮水部材102の内部に供給された水は、遮水部材102と給水部材104の間に介在されている土中に吸収されて、それから、土が保水した(含んだ)水が時間の経過とともに徐々に上側の土壌に毛細管現象によって吸い上げられるので、遮水部材102の内部に留まる水の量が傾斜の上側と下側とで偏ってしまうことはないので、このような地下灌漑システム10は傾斜地に対してもを好適に用いることが可能である。
以上で、耕作地200に施工される地下灌漑システム100について説明した。
以下に、このような地下灌漑システム100を前提にして、必要に応じてそれらを援用しながら、本発明の実施例または実施形態について説明する。
敷設装置10は、上述した地下灌漑システム100を耕作地200に施工するために、耕作地200の地中に遮水部材102と給水部材104とを敷設するものである。図4に示すように、敷設装置10は、遮水部材敷設ユニット12および給水部材敷設ユニット14を備えており、バックホーなどの作業機210の進行方向に沿って牽引される。たとえば、この実施例では、バックホーのアームに連結された敷設装置10が、バックホーを後ろ向きに進行させることによって、水平方向に牽引される。
ただし、ここでいう「水平方向」とは、厳密にその方向が水平と一致するか否かを定義するものではなく、耕作地200が多少傾斜している場合の傾斜方向を含む概念であることに留意されたい。
遮水部材敷設ユニット12は、バックホーのアームに連結される本体部分16、および第1ロール部42を含む。
本体部分16は、一定以上の硬度を有する金属からなり、全体として矩形の筒形状に形成される。本体部分16は、耕作地200の地中に空隙206を形成するための空隙形成手段として機能し、地下灌漑システム100の施工時には、その下部が地中に埋まった状態で前方(つまり、作業機210の進行方向)に水平移動されて、耕作地200の地中に打ち込まれる。
図5−7に示すように、本体部分16は、正面視で逆台形状に形成され、底板18が左右方向(つまり、図5でいう奥行き方向)に短く、天板20が左右方向に長い形状を有している。また、本体部分16の側板22は、底板18から天板20にかけて外向きに傾斜するように設けられ、その前方側の端縁は、後方側に向かって略三角形状に窪むように湾曲している。一例として、底板18の左右方向の長さは、0.5mであり、天板20の左右方向の長さは、0.8mであり、側板22の上下方向の長さ(つまり、高さ)は、1mである。詳細は後に説明するように、本体部分16の内部の空間は、耕作地200の土の通路として利用される。また、本体部分16の底板18は、左右方向のほぼ中央部に溝部24を有しており、たとえば、この実施例では、溝部24は、底面24aの両側端から側面24bがやや外側に傾斜して立ち上がる溝形状に形成される。
図8に示すように、本体部分16の底板18の上には、第1傾斜板26が設けられる。第1傾斜板26は、上り傾斜部26a、水平部26b、および下り傾斜部26cからなる板状体であり、溶接などによって底板18の前方側に接合される。
上り傾斜部26aは、溝部24の底面24aの前方端から後方に向かって上り勾配で傾斜する。上り傾斜部26aは、溝部24の側面24bの上端の位置に達すると、底板18の左右方向の全体に拡がって、側板22とも接合される。水平部26bは、溝部24の側面24bの上端よりも高い位置(つまり、本体部分16の底板18よりも高い位置)で、上り傾斜部26aの後方端(上端)から連続して後方に形成され、水平方向に一定距離延びる。下り傾斜部26cは、水平部26bの後方端から連続して後方に形成され、水平部26bの後方端から下り勾配で傾斜する。下り傾斜部26cの後方端(下端)は、本体部分16の底板18よりも高い位置に配置されており、この下り傾斜部26cと底板18との間には、隙間が形成されている。
第1傾斜板26の背面側には、底板18との間に第1空間28が形成される。第1空間28には、詳細は後述する第2ローラ54および第3ローラ56が設けられ、地下灌漑システム100の施工時には、この第1空間28が本体部分16の側板22に沿って底板18の上側に引き出した合成樹脂シート44を水平方向に方向転換させるためのスペースとして利用される。そして、上述した下り傾斜部26cの後方端と底板18との間の隙間は、第1空間28と外部(つまり、本体部分16の後方)とを連通しており、ここが第1空間28で方向転換させた合成樹脂シート44を本体部分16の後方側に引き出す出口30となる。
さらに、本体部分16の底板18の上には、第2傾斜板32が設けられる。第2傾斜板32は、第1空間28の出口30から溝部24の底面24aの後方端に向かって下り勾配で傾斜する板状体であり、溶接などによって底板18の後方側に接合される。
さらに、第1傾斜板26の上面には、セパレータ板34が設けられる。セパレータ板34は、第1傾斜板26の左右方向のほぼ中央部から本体部分16の天板20まで垂直上方向に立ち上がる板状体であり、本体部分16の内部空間を2つに分断する。
さらにまた、第1傾斜板26の左右方向の一方端部には、側板22に沿って天板20まで立ち上がる立上り部36が設けられる。立上り部36は、側板22と協働して矩形の中空箱形状をなし、その内部には、第1空間28と連通する第2空間38が形成される。
図5−7に戻って、本体部分16の天板20の下面には、地表面204に対する本体部分16の高さ位置を調整するためのそり40が設けられる。たとえば、この実施例では、天板20には、セパレート板34を間に挟んで、左右方向に間隔を隔てた2つのそり40が設けられる。そり40は、本体部分16の前方端部に固定される脚40aを有し、この脚40aの長さは、施工時にそり40の下面(摺接面)が地表面204に接する長さに調整される。
さらに、本体部分16の天板20の上側には、上述した第1ロール部42が設けられる。
第1ロール部42は、ロール状に巻き取った合成樹脂シート44を連続的に供給可能に保持するものであり、軸部46と、その軸部46を支持する一対の支持部48とを含む。軸部46は、円柱棒状に形成され、一方の支持部48ともう一方の支持部48とに亘って延び、支持部48よって周方向に回動可能に支持される。軸部46には、平板状の合成樹脂シート44がロール状に巻き取られており、軸部46を周方向に回転させることによって合成樹脂シート44を連続的に引き出すことが可能である。支持部48は、本体部分16の天板20の上面から垂直上方向に立ち上がる矩形の板状体であり、前後方向に所定の間隔を隔てて配置される。支持部48どうしの間隔は、たとえば0.5mであり、その高さは、たとえば0.5mである。
また、本体部分16の天面20の上側には、第1ロール部42に隣接して、周方向に回動可能な第1ローラ50が設けられる。第1ローラ50は、第1ロール部42の左右方向の一方側、具体的には、上述した立上り部36と同じ側に設けられ、回転軸が第1ロール部42の軸部46と同方向になるように固定される。
さらに、本体部分16の天面20には、第1ローラ50に隣接して、開口部52が形成される。具体的には、開口部52は、第1ロール部42とは第1ローラ50を挟んで左右方向の反対側の、上述した立上り部36に対応した位置に配置される。開口部52は、前後方向に細長い長方形状に形成され、天面20を上下方向に貫通して、第2空間38と外部(つまり、本体部分16の上方)とを連通する。
そしてさらに、図9および10に示すように、第1傾斜板26と底板18との間の第1空間28には、周方向に回動可能な第2ローラ54および第3ローラ56が設けられる。第2ローラ54は、第2空間38のほぼ真下に設けられ、回転軸が第1ローラ50(つまり、第1ロール部42の軸部46)と同方向になるように固定される。また、第3ローラ56は、第2ローラ54よりも中央側に設けられ、回転軸が第2ローラ54に対して約45°傾斜した方向になるように固定される。
また、図11に示すように、給水部材敷設ユニット14は、第2ロール部58、およびガイド部材60を含む。
第2ロール部58は、本体部分16の天板20の上側に設けられ、天板20の後方側の端部に配置される。第2ロール部58は、多列多段に巻き取ったコルゲート管62を連続的に供給可能に保持するものであり、軸部64と、その軸部64を支持する一対の支持部66とを含む。軸部64は、円柱棒状に形成され、一方の支持部66ともう一方の支持部66とに亘って延び、それらよって周方向に回動可能に支持される。軸部64には、コルゲート管62が多列多段に巻き取られており、軸部64を周方向に回転させることによってコルゲート管62を連続的に引き出すことができる。また、支持部66は、本体部分16の天板20の上面から垂直上方向に立ち上がる矩形の板状体であり、左右方向に所定の間隔を隔てて配置される。支持部66どうしの間隔は、たとえば0.5mであり、その高さは、たとえば1mである。
ガイド部材60は、溝形状に変形させた合成樹脂シート44の上側にコルゲート管62を配置するためのものであり、このガイド部材60内に第2ロール部から引き出したコルゲート管62が挿通される。
たとえば、この実施例では、ガイド部材60は、チーズ継手68と曲管部材70とを組み合わせて形成される。チーズ継手68は3つの受口を有し、その1つの垂直上方向に向けて開口する受口68aにはコルゲート管62が挿入され、それと90度の位置にある受口68bには後述するシート巻き付けユニット76のブロワ80が接続され、垂直下方向に開口する受口68cには曲管部材70が接続される。
曲管部材70は、チーズ継手68の受口68cに接続され、本体部材16の天板20に形成された開口部72に挿通されて、そこから下方かつ後方に向けて円弧状に湾曲し、下側開口が水平方向に向けて開口する。この曲管部材70の下側開口は、ガイド部材60の出口74となる。たとえば、この実施例では、出口74は、コルゲート管62を合成樹脂シート44の底面部分44aを敷設する深さ位置(第1深さ位置)よりも所定高さだけ上方の位置(第2深さ位置)に配設することができるように、溝部24の底面部分24aよりも所定高さだけ上方に配置されている。
さらに、ガイド部材60を挟んで第2ロール部58と反対側には、シート巻き付けユニット76が設けられる。
防根シート巻き付けユニット76は、第2ロール部58から引き出したコルゲート管62に防根部材106を巻き付けるためのものであり、第3ロール部78、ブロワ80およびそれらを収容する収容部82を含む。
第3ロール部80は、ロール状に巻き取った防根シート84を連続的に供給可能に保持しており、軸部86を含む。軸部86は、円柱棒状に形成され、後述する収容部82の左右方向の側面に亘って延び、それらよって周方向に回動可能に支持される。軸部86には、防根シート84がロール状に巻き取られており、軸部86を周方向に回転させることによって防根シート84を連続的に引き出すことができる。そして、第3ロール部78から引き出された防根シート84が、第2ロール部58から引き出されたコルゲート管62とともにガイド部材60(のチーズ継手68)に引き込まれる。
ブロワ80は、コルゲート管62との間に挟んだ状態の防根シート84に対して風(たとえば、温風)を吹きかける送風機であり、チーズ継手68の受口68bに接続される。すなわち、ブロワ80から送風された風は、受口68bからチーズ継手68の内部に吹き込まれる。そして、図12に示すように、コルゲート管62とともにガイド部材60(のチーズ継手68)に引き込まれた防根シート84は、チーズ継手68の内部でブロワ80から送風された風によってコルゲート管62側に押しやられ、その両側端がコルゲート管62の奥側で重なり合って、コルゲート管62に巻き付く。このため、ガイド部材60の曲管部材70の出口72から引き出されたコルゲート管62の周囲には防根シート84が巻き付けられている。なお、このように、ブロワ80による送風によって、防根シート84をコルゲート管62に巻き付けることにより、防根シート84がシワになりにくく、防根シート84をコルゲート管62に均一に巻き付け易くなる。
さらに、図11に戻って、第3ロール部78、およびブロワ80は、上述したように、収容部82の内部に収容されている。収容部82は、後方側の側面が開放された矩形の中空箱状に形成され、第3ロール部78から引き出された防根シート84に外部の風(つまり、ブロワ80から送風された風以外の風)が作用して、防根シート84が変形してしまうことを回避するために設けられる。
ここで、図4、図9、図10、図13−17を参照して、このような敷設装置10を用いて耕作地200に地下灌漑システム100を施工する方法を以下に示す。
先ず、耕作地200における地下灌漑システム100の形成区間の一方端の地面を掘削して、耕作地200に立抗(図示せず)を設ける。立抗の深さは、遮水部材102の底面102aから地表面204までの距離に合わせて設定される。
それから、敷設装置10を準備し、図4に示すように、バックホーのアームにバケットの代わりに本体部分16をボルト締めなどの適宜な連結方法で連結し、その本体部分16を立抗内に配置する。具体的には、溝部24の底面24aが立抗の底に位置するように本体部分16を配置するとともに、そり40の下面が地表面204に接するように脚40aの長さを調整する。
次に、第1ロール部42から引き出した合成樹脂シート44を立抗内に固定する。
具体的には、図9および10に示すように、第1ロール部42から引き出した合成樹脂シート44の先端部分を、第1ローラ50を介して開口部52に下向きに挿通し、そのまま第2空間38を経由して第1空間28に引き込む。そして、第1空間28に引き込んだ合成樹脂シート44を、第2ローラ54を介して水平横(左右方向)向きに方向転換させ、そこからさらに、その合成樹脂シート44を、第3ローラ56を介して反転させて、出口30から後方に引き出す。続いて、合成樹脂シート44を第2傾斜板32に沿わせながら後方に引き出し、そのまま溝部24に押し付けて底面24aおよび側面24bに沿わせて屈曲ないし湾曲させる。これにより、図10および図13に示すように、平板形状の合成樹脂シート44が、後方に引き出されるにしたがって底面部分44aの両側端から側面部分44bがやや外側に傾斜して立ち上がり、溝部24に対応した溝形状に変形するので、その合成樹脂シート44の先端部分を立抗内で固定する。なお、合成樹脂シート44が自身の応力などによって元の平板形状に戻ってしまうことがないように、溝形状に変形した合成樹脂シート44の先端部分を、形状保持具(図示せず)などにより保持しておくと好適である。
続いて、合成樹脂シート44の上側に、第2ロール部58から引き出したコルゲート管62を配設する。
具体的には、先ず、第2ロール部58から引き出したコルゲート管62の先端部分に第3ロール部78から引き出した防根シート84を巻き付けて、そこで番線などの締め付け具で固定する。それから、ブロウ80を起動させて、先端部分に防根シート84を巻き付けた状態のコルゲート管62をガイド部材60内に挿通する。すると、第2ロール部58から引き出されたコルゲート管62が、第3ロール部78から引き出された防根シート84とともにガイド部材60に引き込まれる。そして、チーズ継手68の内部で上述した要領でコルゲート管62に防根シート84が順次巻き付けられて、図14に示すように、防根シート84が巻き付けられたコルゲート管62が出口74から引き出される。それから、コルゲート管62の先端部分を、溝形状に変形させた合成樹脂シート44よりも所定高さだけ上方の所定位置に配設し、立抗内で固定する。
次に、合成樹脂シート44の先端部分とコルゲート管62の先端部分とを立抗内で固定した状態で作業機210を前進させることによって、立抗から本体部分16を耕作地200の地中に打ち込んで(挿入して)、図15に示すように、耕作地200の地中で本体部分16を水平方向に移動させる。
すると、耕作地200の地中において、本体部分16が通過した部分の土が、本体部分16の底板18および側板22によって上下に分断され、そこに空隙206が形成されるとともに、それと同時に、セパレート板34によって左右に分断されて、そこに切り目208が形成される。
具体的には、図16(a)に示すように、溝部24の底面24aが耕作地200の地中を水平方向に移動することにより、耕作地200の地中には、土が上下に分断された底面部分206aが形成されるとともに、溝部24の側面24bが耕作地200の地中を移動することにより、底面部分206aの両端から立ち上がる側面部分206bが形成される。そして、底面部分206aや側面部分206bの上側の土が、図15および図16(b)に示すように、一旦、本体部分16の内部に入り込んで、第1傾斜板26に沿って持ち上げられる(上昇する)ことにより、そこに空隙206が形成される。また、それと同時に、セパレータ板34が耕作地200の地中を移動することにより、耕作地200の地中には、底面部分206aから地表面204まで上向きに立ち上がる切り目208が形成される。
それから、耕作地の地中に形成された空隙206に溝形状に変形させた合成樹脂シート44を送り出し、空隙206の上側の土と空隙206の下側の土とに挟み込むようにして敷設する。
具体的には、作業機210が前進することによって出口30から合成樹脂シート44が
に連続的に引き出されると、その合成樹脂シート44の上側に、第1傾斜板26に持ち上げられた土が下り傾斜部26cに沿って流れ落ちる。そして、流れ落ちた土の重量により合成樹脂シート44が溝部24に押し付けられることによって、合成樹脂シート44が溝部24に対応した溝形状に変形する。そして、そのまま溝部24よりも後方に引き出された合成樹脂シート44が、上述した下り傾斜部26cに沿って流れ落ちた土(つまり、空隙206の上側の土)と、空隙206の下側の土との間に挟み込まれた状態で敷設される。
さらに、合成樹脂シート44が敷設される作業と並行してそれと同時に、防根シート84が巻き付けられたコルゲート管62が出口72から連続的に引き出され、溝形状に変形された合成樹脂シート44の上側に敷設される。このとき、ガイド部材60の出口72を溝部24の後方端よりも後方に配置していることにより、空隙206の上側の土が合成樹脂シート44の上側に流れ落ちた後でコルゲート管62が敷設されることとなるが、コルゲート管62は、セパレート板34によって形成された(そして、ガイド部材60によって押し拡げられた)切り目208を通ることにより、合成樹脂シート44の上側にスムーズに敷設される。また、上述したように、溝部24の底面部分24aよりも所定高さだけ上方に出口72を配置していることにより、コルゲート管62は、合成樹脂シート44との間に耕作地200の土を介在させた状態で敷設される。
そして、作業機210をそのまま前進させることにより、耕作地200における地下灌漑システム100の形成区間の他方端まで到達させて、地下灌漑システム100の形成区間の全長に亘って合成樹脂シート44とコルゲート管62とを敷設する。
最後に、地下灌漑システム100の形成区間の他方端で、敷設装置10から合成樹脂シート44、コルゲート管62および防根シート84を切り離し、コルゲート管62を配水管110に接続して、作業を終了する。
このようにして、耕作地200の地下灌漑システム100の形成区間の全長に亘って合成樹脂シート44、コルゲート管62および防根シート84を敷設することにより、空隙206に敷設された合成樹脂シート44が遮水部材102を構成し、合成樹脂シート44の上側に配置されたコルゲート管62が給水部材104を構成し、コルゲート管62に巻き付けられた防根シート84が防根部材106を構成し、耕作地200に地下灌漑システム100が施工されることとなる。
以上のように、この実施例では、耕作地200の地中に空隙206を形成して、その空隙206に遮水部材102を敷設するようにしている。このため、たとえ地表面から深い位置に遮水部材102を設ける場合であっても大きな動力を必要とせず、簡単に遮水部材102を敷設することができる。すなわち、耕作地200の土壌成分や気候条件などに応じた好適な深さに遮水部材102を埋設することが可能になるので、地下灌漑システム100の施工に好適に用いることができる。
また、大きな動力を必要としないので、敷設装置10に大掛かりな設備は不要であり、地下灌漑システム100を低コストで施工することが可能である。
なお、上述の実施例では、作業機210としてバックホーを例示し、バックホーのアームに連結した敷設装置10を、バックホーを後ろ向きに進行させることによって水平移動させたが、これに限定される必要はない。バックホーを前向きに進行させることによって水平移動させるようにしてもよい。また、作業機210として農業用トラクタやコンバインを利用するようにしてもよい。この場合には、農業用トラクタやコンバインの後方に連結した敷設装置10を、農業用トラクタやコンバインを前向きに進行させることによって水平移動させる。さらに、農業用トラクタやコンバインなどの作業機210に油圧式の昇降機などを介して敷設装置10を連結するようにしてもよい。さらにまた、作業機210と敷設装置10とを専用機として一体的に設けるようにしてもよい。また、敷設装置10に走行ユニットを取り付けて、自走式の敷設装置10としてもよい。
また、耕作地200の土の粘土質が強い場合などには、第1傾斜板26に持ち上げられた土が下り傾斜部26cに沿って合成樹脂シート44の上側に流れ落ちにくくなることも考えられるので、合成樹脂シート44との間に耕作地200の土を介在させた状態でコルゲート管62を敷設できるように、たとえば、カッターやモーターで起動するスクリュー等の砕土手段を設けて、その砕土手段によって第1傾斜板26に持ち上げられた土を細かく砕いて、合成樹脂シート44の上側に流れ落ち易くするようにしてもよいし、また、粘土質が低い土や砂を収容したホッパーを別途設けて、そこから合成樹脂シート44とコルゲート管62との間に土や砂を供給するようにしてもよい。
さらに、上述の実施例では、敷設装置10によって耕作地200の地中の空隙206に遮水部材102を敷設する作業と、遮水部材102の上側に給水部材104を敷設する作業とを並行して同時に行ったが、これに限定される必要はなく、各作業を個別に行うようにしてもよい。また、遮水部材敷設ユニット12のみを備えた敷設装置10によって耕作地200の地中に遮水部材102のみを敷設するようにしてもよい。また、敷設装置10によって、遮水部材102と暗渠排水用の排水部材などを同時に敷設するようにしてもよい。さらにまた、敷設装置10によって遮水部材102や給水部材104以外の地下灌漑用部材を敷設するようにしてもよい。
そしてさらに、耕作地200の地中に空隙206を形成する作業と、その空隙206に遮水部材102を敷設する作業とを並行して同時に行う必要もなく、各作業を個別に行うようにしてもよい。
さらにまた、上述の実施例では、給水部材104としてポリエチレンなどの合成樹脂によって形成されるコルゲート管62が用いられたが、これに限定される必要はない。周囲からの土圧に耐えることができ、かつ柔軟で自由自在に曲げることができる有孔管であれば、給水部材104として適宜の管部材を利用することができる。一例として、多孔質ゴム材料からなる管部材を給水部材104として利用してもよい。
さらに、上述の実施例では、第1ロール部42から引き出した合成樹脂シート44を、第1ローラ50、第2ローラ54および第3ローラ56を介して、出口30から溝部24に沿って引き出したが、これに限定される必要はなく、第1ロール部42から直接溝部24に向けて合成樹脂シート44を引き出すようにしてもよい。
さらにまた、上述の実施例では、シート巻き付けユニット76が、ガイド部材60を挟んで第2ロール部58と反対側に設けられた。そして、コルゲート管62とともにガイド部材60に引き込まれた防根シート84に対してブロワ80によって送風することで、防根シート84の両側端をコルゲート管62の奥側つまり後方側で重ね合わせることにより、防根シート84をコルゲート管62に巻き付けた。このため、上側(つまり、地表面204側)で防根シート84の両側端が重なり合ったコルゲート管62がガイド部材60の出口72から引き出され、そのコルゲート管62がそのまま地中に埋設された(図12および図17参照)。
しかしながら、これに限定される必要はなく、図18に示すように、シート巻き付けユニット76をガイド部材60に対して第2ロール部58と同じ側に設け、コルゲート管62とともにガイド部材60に引き込まれた防根シート84にブロワ80によって送風することで、防根シート84の両側端をコルゲート管62の前方側で重ね合わせるようにしてもよい。こうすることにより、下側で防根シート84の両側端が重なり合ったコルゲート管62がガイド部材60の出口72から引き出されるようになる。すなわち、図19に示すように、下側で防根シート84の両側端が重なり合った状態でコルゲート管62を敷設することが可能である。すなわち、防根シート84の重なり合った部分が、コルゲート管62のガイド部材60内の通過時には、コルゲート管62の重量によってガイド部材60の内面との間に挟まれることとなり、また、コルゲート管62の敷設時には、コルゲート管62の重量によって土との間に挟まれることとなるので、防根シート84の重なり合った部分が開いてしまうことで、防根シート84がコルゲート管62から外れることを防止できる。
また、たとえば、図18に例示した実施形態では、ガイド部材60の曲管部材70が、下方かつ後方に向けて円弧状に湾曲したが、この曲管部材70を、一旦、下方かつ前方に向けて円弧状に湾曲させた後で、下方かつ後方に向けて円弧状に湾曲させるようにしてもよい。この場合には、防根シート84を巻き付けたコルゲート管62が下方かつ前方に向けて円弧状に湾曲する曲り部を通過する際に、防根シート84の重なり合った部分にしわが形成される。したがって、そのしわによって防根シート84の重なり合った部分を開きにくくすることが可能である。
さらに、たとえば、図示は省略するが、コルゲート管62がガイド部材60内を通過する方向とは反対方向に回転するピニオンギアを設けるようにしてもよい。この場合には、ブロワ80の送風によって防根シート84をコルゲート管62に巻き付けた後で、防根シート84の重なり合った部分にピニオンギアを噛合させることによって、防根シート84の重なり合った部分にしわを形成する。そして、そのしわによって防根シート84の重なり合った部分を開きにくくする。
さらにまた、ブロワ80の送風によって防根シート84をコルゲート管62に巻き付けた後で、重なり合った防根シート84の両側端をシーラーによる熱融着などによって貼り合わせて、防根シート84を筒形状にするようにしてもよい。この場合には、防根シート84の重なり合った部分が開いてしまうことで、防根シート84がコルゲート管62から外れることを確実に防止できる。
さらに、予め防根シート84を巻き付けておいたコルゲート管62を第2ロール部58の軸部64に巻き取っておくようにしてもよい。
また、第1ロール部42から引き出した合成樹脂シート44を必ずしも溝部24に沿わせて溝形状に変形させる必要はない。すなわち、合成樹脂シート44を空隙206に敷設する前に、空隙206に対応した形状に変形させる必要はなく、第1ロール部42から引き出した合成樹脂シート44を直接空隙206に嵌め込むようにしてもよい。
なお、この実施例における「溝形状」とは、あくまで上面に開口を有する横長の容器形状を意味しており、合成樹脂シート44を略コ字状に屈曲変形したもののみならず、たとえば、合成樹脂シート44を略V字状に屈曲変形させたもの、合成樹脂シート44を略U字状に湾曲変形させたもの、および合成樹脂シート44を半割り管状に湾曲変形させたものを含む概念である。
また、上述した径や高さ等の具体的数値は、いずれも単なる一例であり、必要に応じて適宜変更可能である。
10 …地下灌漑用部材の敷設装置
16 …本体部分
18 …底板
20 …天板
22 …側板
24 …溝部
26 …第1傾斜板
28 …第1空間
34 …セパレータ板
42 …第1ロール部
44 …合成樹脂シート
58 …第2ロール部
60 …ガイド部材
62 …コルゲート管
74 …シート巻き付けユニット
78 …第3ロール部
84 …防根シート
100 …地下灌漑システム
102 …遮水部材
104 …給水部材
106 …防根部材
200 …耕作地
206 …空隙
208 …切れ目
210 …作業機

Claims (19)

  1. 耕作地の地中に地下灌漑用部材を敷設するための、地下灌漑用部材の敷設装置であって、
    地上に設置され、シート状の遮水部材を連続的に供給可能に保持する第1保持手段、
    前記遮水部材を地中に送り出す第1空間部および前記第1空間部に連通して前記第1保持手段から供給されるシート状の遮水部材を前記第1空間部へ導入する第2空間部を有する本体部、
    断面が所定形状の空隙を前記耕作地の地中に形成する空隙形成手段、
    および
    前記空隙形成手段によって形成された空隙に前記第1空間部から送り出された前記遮水部材を敷設する第1敷設手段を備える、地下灌漑用部材の敷設装置。
  2. 前記第1空間部に設けられ、前記第2空間部を経て導入されたシート状の遮水部材を水平横方向に方向転換するための方向転換手段をさらに備える、請求項1記載の地下灌漑用部材の敷設装置。
  3. 地上に設置され、給水部材を連続的に供給可能に保持する第2保持手段、および
    前記第2保持手段によって地上からから供給された給水部材を、前記第1敷設手段によって敷設された遮水部材の上側の地中に敷設する第2敷設手段をさらに備える、請求項1または2記載の地下灌漑用部材の敷設装置。
  4. 耕作地の地中に地下灌漑用部材を敷設するための、地下灌漑用部材の敷設装置であって、
    断面が所定形状の空隙を前記耕作地の地中に形成する空隙形成手段、
    シート状の遮水部材を連続的に供給可能に保持する第1保持手段、
    前記空隙形成手段によって形成された空隙に前記第1保持手段から供給された遮水部材を敷設する第1敷設手段、
    給水部材を連続的に供給可能に保持する第2保持手段
    前記第2保持手段から供給された給水部材を、前記第1敷設手段によって敷設された遮水部材の上側の地中に敷設する第2敷設手段、
    シート状の防根部材を連続的に供給可能に保持する第3保持手段、および
    前記第3保持手段から供給された防根部材を前記給水部材に巻き付ける巻き付け手段を備える、地下灌漑用部材の敷設装置。
  5. 前記巻き付け手段は、前記給水部材との間に前記防根部材を挟んだ状態で、前記防根部材に送風する送風手段を含む、請求項4記載の地下灌漑用部材の敷設装置。
  6. 耕作地の地中に地下灌漑用部材を敷設するための、地下灌漑用部材の敷設装置であって、
    断面が所定形状の空隙を前記耕作地の地中に形成する空隙形成手段、
    シート状の遮水部材を連続的に供給可能に保持する第1保持手段、および
    前記空隙形成手段によって形成された空隙に前記第1保持手段から供給された遮水部材を敷設する第1敷設手段を備え、
    前記空隙形成手段は、後方に向かって上り勾配で傾斜する傾斜板が前方端に設けられた筒形状の本体部分を含み、この本体部分を前記耕作地の地中に打ち込むことによって前記空隙を形成する、地下灌漑用部材の敷設装置。
  7. 前記傾斜板の背面側には、前記第1保持手段から供給された遮水部材を前記第1敷設手段に向けて引き出すための空間が形成される、請求項6記載の地下灌漑用部材の敷設装置。
  8. 前記第1敷設手段は、前記第1保持手段から供給された遮水部材を前記空隙に敷設する前に前記空隙の形状に対応した形状に変形させる変形手段を含む、請求項1ないし7のいずれかに記載の地下灌漑用部材の敷設装置。
  9. 耕作地の地中に地下灌漑用部材を敷設するための、地下灌漑用部材の敷設方法であって、
    (a)断面が所定形状の空隙を前記耕作地の地中に形成するステップ、および
    (b)前記ステップ(a)で形成した空隙にシート状の遮水部材を敷設するステップを含み、
    前記シート状の遮水部材を連続的に地上から供給可能に保持しておき、
    前記ステップ(b)では、第1空間部および前記第1空間部に連通する第2空間部を有する本体部を用いて、前記シート状の遮水部材を地上から前記第2空間部を経て前記第1空間部に導入し、前記第1空間部から地中に送り出すようにして、地上から供給されたシート状の遮水部材を前記空隙に敷設する、地下灌漑用部材の敷設方法。
  10. 前記第2空間部を経て導入されたシート状の遮水部材は、前記第1空間部において水平横方向に方向転換された後前記ステップ(b)で敷設される、請求項9記載の地下灌漑用部材の敷設方法。
  11. c)前記ステップ(b)で敷設した遮水部材の上側の地中に、地上から供給した給水部材を敷設するステップをさらに含む、請求項9または10記載の地下灌漑用部材の敷設方法。
  12. 前記ステップ(a)と前記ステップ(b)と前記ステップ(c)とが並行して行われる、請求項10または11記載の地下灌漑用部材の敷設方法。
  13. 耕作地の地中に地下灌漑用部材を敷設するための、地下灌漑用部材の敷設方法であって、
    (a)断面が所定形状の空隙を前記耕作地の地中に形成するステップ、
    (b)前記ステップ(a)で形成した空隙にシート状の遮水部材を敷設するステップ、
    (c)前記ステップ(b)で敷設した遮水部材の上側の地中に給水部材を敷設するステップ、および
    (d)前記ステップ(c)の前に、シート状の防根部材を給水部材に巻き付けるステップを含む、地下灌漑用部材の敷設方法。
  14. 前記ステップ(a)では、前記遮水部材を第1深さ位置に敷設し、
    前記ステップ(c)では、前記第1深さ位置よりも所定高さだけ上方の第2深さ位置に、前記遮水部材との間に前記耕作地の土を介在させた状態で前記給水部材を敷設する、請求項10ないし13のいずれかに記載の地下灌漑用部材の敷設方法。
  15. (e)前記ステップ(b)の前に、前記地下灌漑用部材を前記空隙の形状に対応した形状に変形させるステップをさらに含む、請求項9ないし14のいずれかに記載の地下灌漑用部材の敷設方法。
  16. 前記ステップ(a)では、前記耕作地の地中で土を少なくとも上下に分断して、そのうちの上側の土を持ち上げることによって前記空隙を形成する、請求項9ないし15のいずれかに記載の地下灌漑用部材の敷設方法。
  17. 耕作地の地中に地下灌漑用部材を敷設するための、地下灌漑用部材の敷設方法であって、
    (a)断面が所定形状の空隙を前記耕作地の地中に形成するステップ、および
    (b)前記ステップ(a)で形成した空隙にシート状の地下灌漑用部材を敷設するステップを含み、
    前記ステップ(a)では、少なくとも底板と前記底板から立ち上がる側板とを有する本体部分を前記耕作地の地中に打ち込むことによって前記耕作地の地中で土を少なくとも上下に分断して、そのうちの上側の土を持ち上げることによって前記空隙を形成し、
    (f)前記地下灌漑用部材を前記側板に沿って前記底板の上側に引き出し、そこで反転させて前記本体部分の後方側に引き出すステップをさらに含み、
    前記ステップ(b)では、前記ステップ(f)で前記本体部分の後方側に引き出した地下灌漑用部材を前記空隙に敷設する、地下灌漑用部材の敷設方法。
  18. 前記本体部分の前記底板の上側には、後方に向かって上り勾配で傾斜する傾斜板が設けられ、
    前記ステップ(a)では、前記底板を前記耕作地の地中に打ち込むことによって土を上下に分断した後、前記底板の上側の土を前記傾斜板によって持ち上げる、請求項17記載の地下灌漑用部材の敷設方法。
  19. 前記ステップ(f)では、前記傾斜板の背面側に形成された空間で前記地下灌漑用部材を反転させる、請求項18記載の地下灌漑用部材の敷設方法。
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