JPWO2014013577A1 - シートパイプ用シート及びその成形装置 - Google Patents
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Abstract
Description
しかし、成形されたパイプを埋設するには輸送コストも含む総コストが嵩むうえ、暗渠完成までの施工スピードが遅いといった課題があった。そのため、成形されたパイプではなく、柔軟性を有するプラスチックシートを現地でパイプ状に成形しながら、順次これを地盤に埋設する技術が開発され実施されるようになった。なお、プラスチックシートをパイプ状に成形するには、シートを湾曲させた場合の対向する端部同士を接着又は圧着して連結することにより行われていた。
しかし、このような接着又は圧着では、やはり施工コストや時間がかかり、前述した課題を十分に解決することができなかった。
そこで、このような課題を解決する目的で、近年、シートの端部同士を「はぜかけ方式」等で連結してパイプを成形する技術が開発され、それに関して既にいくつかの発明が開示されている。
以下、特許文献1に開示された考案について説明する。特許文献1に開示されたプラスチックスシート連続筒体成形装置に関する考案は、帯状プラスチックスシートの筒状湾曲用ガイドの上部に、筒状湾曲シート継目縁の圧下具を設け、この圧下具に引続いて筒体成形環を設け、帯状プラスチックスシートをその長手方向に筒状湾曲用ガイドから筒体成形環の内部を通過させるよう形成したことを特徴とする。
さらに、この帯状プラスチックスシートについて図8を参照しながら説明する。図8において、帯状プラスチックスシート27は、ポリエチレン等の弾力性のある基材28に、複数の小孔29と、継目縁30aに沿って直列される複数の逆止舌片31と、継目縁30bに沿って逆止舌片31を挿入可能に直列され,左右端に逆止用切れ込み32aが備えられる複数の逆止孔32と、が穿設されている。
このような特徴を備えたプラスチックスシート連続筒体成形装置においては、帯状プラスチックスシート27を筒状湾曲用ガイドに挿入すると、帯状プラスチックスシート27はガイドに案内誘導されて筒状に湾曲して継目縁30a,30bが近接する。次に、この継目縁30a,30bが圧下具により圧下されることで逆止舌片31は逆止孔32に挿入され、帯状プラスチックスシート27が湾曲された筒状となる。さらに、帯状プラスチックスシート27が筒体成形環の内部へ誘導されることにより、その外径が縮小して逆止舌片31が逆止孔32に完全に進入し、筒体が完成するという作用を有する。従って、簡便かつ連続的に帯状プラスチックスシート27を筒体へと成形することができるという効果を有する。
以下、特許文献2に開示された発明について説明する。特許文献2に開示された線等の地中埋設方法に関する発明は、穿孔機によって進行する穿孔体に、高分子材料のシートと,その筒状の内部を通過する曳索と,を連結して土中に配設し、穿孔体を進行させてシートをもとの平板状にもどらないようにして筒状成形体に成形するとともにこれらを地中に敷設した後、筒状成形体及び曳索を穿孔体から取り外し、さらに曳索に線等の先端を結着し、曳索のみを牽引することを特徴とする。
このような特徴を備えた線等の地中埋設方法においては、穿孔機の走行により穿孔体の後方に穿孔が掘削される。穿孔体には高分子材料のシートが連結されているので、穿孔体の進行に伴ってシートが次々に繰出されて筒状成形体が成形されるとともに穿孔に沿って敷設される。また、筒状成形体内部には曳索が通過しているため、地中には筒状成形体と曳索が敷設される。その後、筒状成形体及び曳索を穿孔体と切り離して曳索の後端に線等の先端を結着し、さらに曳索を引く抜くことによって筒状成形体の内部に線等が敷設されるという作用を有する。従って、容易、迅速かつ安価に線等を地中に敷設することが可能である。加えて、これらの線等の寸法、数量を自在に選択することができるという効果を有する。
しかしながら、逆止舌片が逆止孔へ挿入困難なために継目縁30a,30bが互いに不十分な連結状態となってこの部分が外れる事態が頻発し、筒状を維持することができないという課題があった。また、逆止舌片31を挿入する際に逆止用切れ込み32aに応力が集中することから、この部分が裂けてしまうという課題もあった。
上記構成のシートパイプ用シートにおいて、「撓んだ舌片部の挿入部の外周が撓んだ切込部の内周に沿って挿入可能」とは、舌片部が撓んでいない場合においては撓んでいない切込部への挿入が困難であるという意味である。しかし、例えば圧力を加えて舌片部及び切込部を変形させることにより、挿入部は切込部へ容易に挿入される。従って、繋ぎ目部分が全体に亘って連結され、完全な筒状のシートパイプが成形されるという作用を有する。
さらに、舌片部は切欠部を備えることから、舌片部が完全に切込部に挿入されると、切欠部が切込部に係止されて互いに離脱困難な状態になるという作用を有する。これに加えて、「舌片部が切込部の上方から挿入されて筒状に成形される」ことから、シートパイプが埋設された場合における地層の荷重は舌片部が切込部へより進入するように作用するので、舌片部と切込部は埋設後さらに離脱困難な状態になる。
上記構成のシートパイプ用シートにおいて、円弧形状とは円弧と弦で囲まれる部分を意味しており、他の端部と弦は平行を成している。このような構成のシートパイプ用シートにおいては、請求項1に記載の発明の作用に加えて、例えば舌片部の最大幅が弦の長さよりも長くかつ円弧の内周よりも短い場合では、舌片部の下方に切込部を重ね、舌片部の上方から圧力を加えると、円弧形状に沿うように舌片部が湾曲し舌片部が切込部に挿入されるという作用を有する。
上記構成のシートパイプ用シートにおいて、T字は水平画(かく)と垂直画(かく)からなる文字であって、他の端部と水平画は平行を成している。このような構成のシートパイプ用シートにおいては、請求項1記載の発明の作用に加えて、舌片部の下方に切込部を重ね、舌片部の上方から圧力を加えると、湾曲した舌片部によってT字の水平画と垂直画との交点における直角部が押さえられる。その結果、直角部が折れ曲がりT字形状は円弧形状に変形する。従って、例えば舌片部の最大幅が水平画の長さよりも長くかつ舌片部の最大幅が変形によって生じた円弧の内周よりも短い場合では、舌片部が切込部に挿入されるという作用を有する。なお、T字形状が変形する形状は、円弧形状の他、水平画を底辺とする三角形状も含まれる。
上記構成のシートパイプ用シートにおいて、「舌片部の挿入部の最大幅」及び「切込部の最大幅」とは、何らかの圧力によって変形されていない舌片部の挿入部の最大幅及び切込部の最大幅を意味している。従って、このシートパイプ用シートにおいては、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の発明の作用に加えて、例えば圧力が加えられて舌片部及び切込部が変形し、舌片部が切込部に挿入された後に加圧を停止すると、舌片部及び切込部が元の変形されていない形状に戻る。従って、舌片部は、切込部から引き抜き困難になるという作用を有する。一方、再び加圧して舌片部及び切込部が変形されることに加えて両側方向へシートを引っ張る力が加えられると、舌片部は切込部から引き抜き可能になるという作用を有する。
上記構成のシートパイプ成形装置において、第1のガイド部の通過孔部の横径は、一対の翼部間の最大間隔以下となっている。また、垂直回転ローラーは筒状のシートパイプを先端方向に向けて送り出し可能な方向に回転する。
このような構成のシートパイプ成形装置は、シート巻回部に保持されるシートパイプ用シートが導入部の上部に隙間を有して縮径しながら対向する一対の翼部を通過することで、その両側部が上方に湾曲される。そして、舌片部側の翼部の曲率が切込部側の翼部の曲率よりも大であるために、舌片部側の側部の下方に切込部側の側部が潜り込み可能な形状に変形される。
次に、変形されたシートパイプ用シートは、第1のガイド部の通過孔部を通過している間に、舌片部側及び切込部側の側部が互いに重複して継ぎ目部分が形成され、シートが筒状に変形され始める。なお、この継ぎ目部分は、筒状の最上部付近に形成される。これと同時に継ぎ目部分は垂直回転ローラーによって上方から圧接されることから、舌片部が下方へ突出した形状に湾曲されて切込部に挿入され始める。この時点では、切込部に対し、舌片部の全体が完全に挿入されなくても良い。
次に、第2のガイド部は通過孔部の径よりも小さい径の環状孔を備えることから、ほぼ筒状となったシートパイプが縮径し、舌片部は切込部へさらに深く押し込まれる。そしてシートパイプ用シートがその先端方向へ送られることで、複数直列した舌片部がこれに符合する複数直列の切込部に順次押し込まれる。すなわち、継ぎ目部分が連結された筒状のシートパイプが完成する。
上記構成のシートパイプ成形装置において、一対の水平回転ローラーは筒状のシートパイプを先端方向に向けて送り出し可能な方向に回転する。
このような構成のシートパイプ成形装置におけるこの他の作用は、請求項5に記載の発明と同様である。
また、成形されたシートパイプは、第2のガイド部により、ほぼ筒状となったシートパイプの舌片部が切込部へ深く押し込まれることから、継ぎ目部分の強度が高い。そのため、埋設作業中にこの部分が開く可能性が殆んどなく、作業効率が良好である。また、埋設後においてシートパイプの上方から大きな荷重が掛かる場合にも継ぎ目部分が外れるという不具合が発生しない。なお、埋設後においては、シートパイプの両側面には地層が迫ってきているので、この方向にパイプが拡張可能なスペースが存在しない。従って、この点からも継ぎ目部分の外れは起こらず、耕作用機械の通過にも筒形状を安定的に維持することができるという効果を有する。
図1(a)及び図1(b)は、それぞれ本発明の第1の実施の形態に係るシートパイプ用シートの平面図及び成形後の外観図である。
舌片部4には、略三角形状の挿入部4aと、略三角形状の底辺の両端に相当する位置に切欠部4b,4bが備えられる。また、切込部5は、舌片部4を挿入するために設けられており、円弧5a及び弦5bによって囲まれた略半径形状を成す。この円弧5aは端部6b寄りに位置し、弦5bは端部6bと平行である。なお、挿入部4aの最大幅は、円弧5aの内周よりも短くかつ弦5bの最大幅より広いものとなっている。
図1(b)に示すように、端部6aと端部6bが互いに対向するようにシートパイプ用シート1を湾曲させ、さらにこれらを近接させて繋ぎ目6を形成すると、シートパイプ用シート1は径がおよそ50mmの筒状となる。繋ぎ目6においては、端部6aが端部6bに上方から覆い被さった状態となっている。また、切込部5には舌片部4が挿入されている。
図2に示すように、本実施例の変形例に係るシートパイプ用シート1aは、シートパイプ用シート1における切込部5が切込部7に置換されたものである。切込部7は、切込部5と同様に舌片部4を挿入するために設けられており、水平画7aに垂直画7bが組み合わされた略T字形状を成す。この垂直画7bは端部6b寄りに位置し、水平画7aは端部6bと平行である。なお、挿入部4aの最大幅は、水平画7aの幅よりも広いものとなっている。
この他の構成は、実施例1に係るシートパイプ用シート1と同様である。
本実施例のシートパイプ用シート1においては、挿入部4aの最大幅は円弧5aの内周よりも短くかつ弦5bの最大幅より広いものとなっていることから、挿入部4aが平板状態にあっては舌片部4が切込部7へ完全に挿入されない。そこで、繋ぎ目6を形成後に挿入部4aの上方から加圧すると、円弧5aの内周に沿うように挿入部4aが湾曲し切込部5に挿入される。そのまま加圧を継続すると、切欠部4b,4bが弦5bの両端部に当接した状態となる。その後加圧を停止すると、湾曲していた挿入部4aが元の平板な状態に戻って、切欠部4b,4bが弦5bの両端部に係止され、舌片部4と切込部5は互いに離脱困難な状態になるという作用を有する。なお、繋ぎ目6には、それぞれ複数の舌片部4及び切込部5が直列することから、繋ぎ目6に沿って連続的に圧力が加えられると、繋ぎ目6が全体に亘って連結され、完全な筒状のシートパイプが成形されるという作用を有する。
一方、繋ぎ目6を連結後に、再び加圧して舌片部4及び切込部5が変形されることに加えて端部6a,6bを互いに離脱する方向へ引っ張ると、舌片部4は切込部5から引き抜き可能になるという作用を有する。
また、繋ぎ目6においては端部6aが端部6bに覆い被さった状態となっていることから、切込部5に対し舌片部4が上方から挿入される。従って、繋ぎ目6に上方から荷重が掛かると、舌片部4が切込部5へより深く進入することとなるため、さらに繋ぎ目6は離脱困難な状態になるという作用を有する。この作用に関し、以下詳細に説明する。
図3(a)は本発明の第1の実施の形態に係るシートパイプ用シートにおいて、繋ぎ目部分の位置を変化させた場合の強度試験結果であり、図3(b)乃至図3(e)はそれぞれ横断面の模式図である。
図3(a)において、横軸はシートパイプ用シート1の鉛直上方から加えられた圧力(kN/m2)であり、縦軸はこの圧力によるシートパイプ用シート1の鉛直方向に沿った直径のつぶし量(mm)である。つぶし量の測定は、0.7mm厚と1.0mm厚の柔軟性平板2について、いずれも繋ぎ目6の位置を変化させて行った。
この繋ぎ目6の位置は、繋ぎ目6と鉛直方向とのなす角度θによって表わされる。繋ぎ目6が鉛直方向に沿って上方に位置している場合の角度θを基準とすると、図3(b)乃至図3(d)に示すように、それぞれ角度θ=0度、90度、180度である。なお、いずれの角度においても繋ぎ目6では舌片部4が切込部5へ上方から挿入されている。また、比較例として、図3(e)に示すように、従来技術における舌片部4が切込部5へ下方から挿入されている場合であって、角度θ=90度におけるつぶし量の測定を行った。
また、カーブd〜f,hはいずれも1.0mm厚の柔軟性平板2についての測定値であり、繋ぎ目6の位置はそれぞれ上方(図3(b)参照)、側方(図3(c)参照)、下方(図3(d)参照)、側方(図3(e)参照)である。このうち、カーブhは比較例である。なお、カーブgとカーブhにおいては圧力が0kN/m2の場合で既につぶし量が10mm程度発生しているのは90度にした時点で自重でつぶれたためである。
そして、ラインiは土圧を示し、ラインjはシートパイプ用シート1を地中に設置する際に作業に供するブルドーザや設置後に地上で作業する際に用いられるトラクター等による載荷重を示すものであり、その大きさ(矢印の長さ)は重機の重量やシートパイプが設置される地中の深度による。
カーブg,hによれば、土圧i(約7(kN/m2))がかかるとつぶし量が10mm〜17mm程度発生しており、土中に埋設した段階でシートパイプがつぶれてしまうことが理解できる。
カーブa〜cによれば、圧力が約7(kN/m2)程度であればほとんどつぶし量が発生しておらず、土中に埋設した場合にシートパイプがつぶれてしまうことはないことが示されている。これらのカーブa〜cは、土圧程度では同じ0.7mm厚の柔軟性平板2に関する比較例のカーブgよりも常に下側に分布しており、従って、舌片部4が切込部5へ上方から挿入されている場合では、下方から挿入されている場合に比較して高い強度を発揮している。
ところが、載荷重jを考えると、その大きさによってはつぶし量が増加してしまい、地中でシートパイプがつぶれてしまう可能性がある。そこで、カーブd〜fに示されるような1.0mm厚の柔軟性平板2が優位になる。この1.0mm厚の柔軟性平板2に関するカーブd〜fでは、圧力が20(kN/m2)程度でもつぶし量がほとんど発生しておらず、埋設されたシートパイプ上の地面を重機が通過などしてもシートパイプがつぶれる可能性が低い。これらのカーブd〜fは、同じ1.0mm厚の柔軟性平板2に関する比較例のカーブhよりも常に下側に分布しており、1.0mm厚の柔軟性平板2においても、舌片部4が切込部5へ上方から挿入されている場合に高い強度を発揮している。
また、載荷重の大小によってシート厚を変える必要があることも理解できる。
本実施例のシートパイプ用シート1aにおいては、挿入部4aの最大幅は水平画7aの幅よりも広いものとなっているために、実施例1に係る切込部5の場合と同様に舌片部4が切込部7へ完全に挿入されない。そこで、繋ぎ目6を形成後に挿入部4aの上方から加圧すると、湾曲した挿入部4aによって水平画7aと垂直画7bとの交点における直角部が押さえられる。その結果、直角部が折れ曲がり切込部7は切込部5と同様な円弧形状に変形する。なお、この円弧形状の内周が挿入部4aの最大幅よりも広くなるように、水平画7a及び垂直画7bの長さが設計されているため、挿入部4aが湾曲し切込部7に挿入されるという作用を有する。そして、さらに加圧を継続すると、切欠部4b,4bが水平画7aの両端部に当接した状態となる。その後加圧を停止すると、切欠部4b,4bが水平画7aの両端部に係止され、舌片部4と切込部7は互いに離脱困難な状態になるという作用を有する。
この他の作用は、実施例1に係るシートパイプ用シート1と同様である。
そして、加圧を停止すると切欠部4b,4bが弦5bの両端部に係止されて互いに離脱困難な状態になることから、繋ぎ目6は強固に連結されて埋設作業中に繋ぎ目6が外れる事態とならない。また、切込部5に対し舌片部4が上方から挿入されて繋ぎ目6は土圧よりも遙かに高い耐圧性を発揮するため、埋設後の長期的な使用に耐え良好な排水機能を維持することができる。
また、繋ぎ目6を連結後に、再び加圧等することで、舌片部4は切込部5から引き抜き可能になるという作用を有することから、自在かつ容易にシートパイプ用シート1を筒状又はシート状のいずれかに形成することができる。
本実施例のシートパイプ用シート1によれば、繋ぎ目6に対する加圧及び加圧停止により、舌片部4と切込部7は互いに離脱困難な状態になることから、容易な操作によって繋ぎ目6を確実に連結することができる。
この他の効果は、実施例1に係るシートパイプ用シート1と同様である。
図4は、本発明の第2の実施の形態に係るシートパイプ成形装置の平面図である。
シート巻回部10は、円弧状を成す一対の保持枠10a,10aが固定ネジ10c,10cによって端部をそれぞれ台座9に固定され、保持枠10a,10aの最上部間に亘って取り付けられる保持軸10bによってシートパイプ用シート1の巻体を回転可能に保持する。一方、保持軸10bを挟んだ反対側における保持枠10aの端部は、同様に固定ネジ10cによって台座9に固定されている(図示せず)。すなわち、シートパイプ用シート1の端部6a,6bがそれぞれ導入部11の側部に配置されて供給される構造となっている。なお、シートパイプ用シート1は、これを長軸方向へ引っ張る力(図中矢印Y)によって導入部11の方向へ誘導される。
図5に示すように、本実施例の変形例に係るシートパイプ成形装置8aは、シートパイプ成形装置8の第2のガイド部19に代えて、一対の水平回転ローラー24,24が設けられる。水平回転ローラー24,24は、それぞれ支持盤15によって支持され懸架材26によって懸架された回転軸25,25を中心として回転する。シートパイプ用シート1は、回転軸25と回転軸25との間隙を通過する。なお、この間隙の距離は、通過孔部17の径よりも小さくなっている。このため、シートパイプ用シート1は、回転軸25と回転軸25との間隙を通過する際に左右両端から縮径されるような圧力(図中矢印X3)を受ける構造である。
この他の構成は、実施例2に係るシートパイプ成形装置8と同様である。
保持軸10bによって保持されるシートパイプ用シート1の巻体から、図4中矢印Y方向の力によって1枚のシートパイプ用シート1が引き出され、入口開口端12aより一対の翼部13a,13bに導入される。翼部13a,13bはそれぞれラッパ管状に形成されることから、端部6a,6bはそれぞれ上方に向けて湾曲される。また、翼部13a,13bは出口開口端12bに向けて縮径するとともに、翼部13a方が13bよりも曲率よりも大となっているため、端部6aは端部6bに常に上方から覆い被さるように重複し、繋ぎ目6が形成され始めるという作用を有する。端部6a,6bにはそれぞれ舌片部4及び切込部5が備えられているので、この後垂直回転ローラー18が上方から圧接する(図4中矢印Z)ことにより舌片部4が切込部5へその上方から挿入され始める。
図6(a)及び図6(c)においては、第1のガイド部16へ実施例1に係るシートパイプ用シート1の端部6a,6bが送り込まれている。この時点では、端部6a,6bのうち、主に端部6aが垂直回転ローラー18に圧接されているため、主に挿入部4aが下に突出する方向へと湾曲される。挿入部4aは、幅が円弧5aよりも短くなって円弧5aの内周とほぼ一致する形状となる。従って、挿入部4aは幅方向について、円弧5aに進入容易な形状に変形されるという作用を有する。
図6(b)においては、第1のガイド部16へ実施例1の変形例に係るシートパイプ用シート1aの端部6a,6bが送り込まれている。このとき、垂直回転ローラー18に圧接される箇所は挿入部4a及び垂直画7bであることから、挿入部4a及び垂直画7bが下に突出する方向へと湾曲される。従って、水平画7aと垂直画7bの交点における直角部が押され、直角部が折れ曲がって実施例1における円弧5aと同様な円弧形状へと変形する。従って、挿入部4aは幅方向について、変形により発生した円弧に進入容易な形状に変形されるという作用を有する。
図7(a)に示すように、垂直回転ローラー18による圧縮直前においては、舌片部4の下方に切込部5が重複している。このとき円弧5aと弦5bは同じ高さに存在するので、高さ方向について切込部5は拡張していない。次に、図7(b)に示すように、圧縮が開始されると挿入部4aが下方に屈曲されて円弧5aに当接する。これにより端部6bも下方に湾曲され、円弧5aは弦5bの下方に移動する。よって、高さ方向について切込部5が拡張することとなる。
また、図7(c)に示すように、圧縮直前においては、水平画7aと垂直画7bは同じ高さに存在し、高さ方向について切込部7は拡張していない。しかし、図7(d)に示すように、圧縮によって挿入部4aが下方に屈曲されると、その先端が垂直画7bに当接し、垂直画7bが下方に屈曲される。従って、高さ方向について切込部7が拡張することとなる。
このように、切込部5,7は、高さ方向についても拡張されるので、舌片部4が容易に挿入されるという作用を有する。そして、舌片部4が切込部5,7に挿入されることにより、シートパイプ用シート1は上方にわずかな隙間を有する略円筒形状に変形される。
さらに、略円筒形状のシートパイプ用シート1は、第2の環状孔22を通過する際に縮径されて、切欠部4b,4bが弦5bの両端部に当接した状態となる。この時点において継ぎ目6は完全に連結され筒形状のシートパイプ23が完成する。
また、第1のガイド部16乃至第3のガイド部21を通過することによって、シートパイプ23は埋設の方向性が確保される。すなわち、台座9の長手方向がシートパイプ23の埋設方向を反映するものとなる。
この他の作用は、実施例2に係るシートパイプ成形装置8と同様である。
また、垂直回転ローラー18により円弧5aの内周とほぼ一致する形状となった挿入部4aが、高さ方向について拡張した切込部5,7に容易に挿入されるので、確実に端部6aと端部6bを連結することが可能である。さらに、挿入部4aが切込部5,7内周に衝突しないので、切込部5,7の破損も回避することができる。
さらに、第1のガイド部16以降は繋ぎ目6を上方から圧接する部材が存在しないことから、埋設作業中に繋ぎ目6が再度開く可能性がなく、作業を速やかに完了することができる。また、台座9の長手方向がシートパイプ23の埋設方向を反映したものとなることから、台座9を所望する方向に沿って設置すればシートパイプ23を正確にこの方向に沿って埋設可能である。
以上のように、シートパイプ成形装置8によれば、シートパイプ23を自動的かつ迅速に成形可能であることから、従来技術に比較して作業効率を大幅に向上させることができるとともに、完成品のパイプを輸送して埋設するよりも輸送効率が高く低コストによる設置が可能である。また、台座9のサイズは約800mm×150mmであることから、シートパイプ成形装置8は全体的にコンパクトであって、容易な持ち運びが可能である。従って、複数のシートパイプ23を順次埋設するための移動においても負担が軽い。さらに、シートパイプ成形装置8は、電動によって駆動する部分を有しないため、電源が不要である。従って、広大な耕作地において設置場所を選ばないことから、シートパイプ成形装置8は利便性が高い。
1a…シートパイプ用シート
2…柔軟性平板
3…小孔
4…舌片部
4a…挿入部
4b…切欠部
5…切込部
5a…円弧
5b…弦
6…繋ぎ目
6a…端部
6b…端部
7…切込部
7a…水平画
7b…垂直画
8…シートパイプ成形装置
8a…シートパイプ成形装置
9…台座
10…シート巻回部
10a…保持枠
10b…保持軸
10c…固定ネジ
11…導入部
12a…入口開口端
12b…出口開口端
13a…翼部
13b…翼部
14…傾斜面
15…支持盤
15a…枕部
16…第1のガイド部
17…通過孔部
18…垂直回転ローラー
19…第2のガイド部
20…第1の環状孔
21…第3のガイド部
22…第2の環状孔
23…シートパイプ
24…水平回転ローラー
25…回転軸
26…懸架材
27…帯状プラスチックスシート
28…基材
29…小孔
30a…継目縁
30b…継目縁
31…逆止舌片
32…逆止孔
32a…逆止用切れ込み
する際に逆止用切れ込み32aに応力が集中することから、この部分が裂けてしまうという課題もあった。
[0007]
また、特許文献2に開示された考案においては、「シートをもとの平板状にもどらないようにして筒状成形体に成形する」とされているものの、具体的な成形方法に関する詳細な記載がなく、不明確である。また、ガイドは上方に開放部を備え、この開放部は同一形状をなす一対のラッパ状を成していることから、巻回されたシートの先端同士が衝突するおそれがある。そのため、巻回速度の低下や筒状成形体の成形不全が発生する可能性がある。
[0008]
本発明はこのような従来の事情に対処してなされたものであり、確実かつ容易に筒状に成形可能なシートパイプ用シート及び低コストかつ時間効率の良好な施工が可能なシートパイプ用シートの成形装置を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
[0009]
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明に係るシートパイプ用シートは、複数の小孔が穿設された合成樹脂製の柔軟性平板が筒状に成形され,地層内に埋設されて地下水を誘導又は排水するシートパイプに用いられるシートパイプ用シートであって、シートパイプ用シートの端部のうち,平行する一対の端部は筒状に成形された場合に繋ぎ目部分を形成し、このうち一方の端部は挿入部とこの挿入部に比較して幅が狭まる切欠部を備えた舌片部が一定間隔を空けて複数直列に成形され、他方の端部はこの複数の舌片部に符合して複数直列に切込部が設けられ、舌片部と切込部は、互いに撓みつつ舌片部が切込部の上方から挿入されて筒状に成形される際に、撓んだ舌片部の挿入部の外周が撓んだ切込部の内周に沿って挿入可能に構成され、舌片部の挿入部の最大幅は、切込部の最大幅より広いことを特徴とする。
上記構成のシートパイプ用シートにおいて、「撓んだ舌片部の挿入部の外周が撓んだ切込部の内周に沿って挿入可能」とは、舌片部が撓んでいない場合においては撓んでいない切込部への挿入が困難であるという意味である。しかし、例えば圧力を加えて舌片部及び切込部を変形させることにより、挿
入部は切込部へ容易に挿入される。従って、繋ぎ目部分が全体に亘って連結され、完全な筒状のシートパイプが成形されるという作用を有する。
さらに、舌片部は切欠部を備えることから、舌片部が完全に切込部に挿入されると、切欠部が切込部に係止されて互いに離脱困難な状態になるという作用を有する。これに加えて、「舌片部が切込部の上方から挿入されて筒状に成形される」ことから、シートパイプが埋設された場合における地層の荷重は舌片部が切込部へより進入するように作用するので、舌片部と切込部は埋設後さらに離脱困難な状態になる。
また、「舌片部の挿入部の最大幅」及び「切込部の最大幅」とは、何らかの圧力によって変形されていない舌片部の挿入部の最大幅及び切込部の最大幅を意味している。従って、このシートパイプ用シートにおいては、例えば圧力が加えられて舌片部及び切込部が変形し、舌片部が切込部に挿入された後に加圧を停止すると、舌片部及び切込部が元の変形されていない形状に戻る。従って、舌片部は、切込部から引き抜き困難になるという作用を有する。一方、再び加圧して舌片部及び切込部が変形されることに加えて両側方向へシートを引っ張る力が加えられると、舌片部は切込部から引き抜き可能になるという作用を有する。
[0010]
そして、請求項2に記載の発明に係るシートパイプ用シートは、請求項1記載のシートパイプ用シートにおいて、切込部は、他の端部側に円弧を形成する円弧形状であることを特徴とする。
上記構成のシートパイプ用シートにおいて、円弧形状とは円弧と弦で囲まれる部分を意味しており、他の端部と弦は平行を成している。このような構成のシートパイプ用シートにおいては、請求項1に記載の発明の作用に加えて、例えば舌片部の最大幅が弦の長さよりも長くかつ円弧の内周よりも短い場合では、舌片部の下方に切込部を重ね、舌片部の上方から圧力を加えると、円弧形状に沿うように舌片部が湾曲し舌片部が切込部に挿入されるという作用を有する。
[0011]
次に、請求項3に記載の発明に係るシートパイプ用シートは、請求項1記載のシートパイプ用シートにおいて、切込部は、他の端部側に垂直画を形成するT字形状であることを特徴とする。
上記構成のシートパイプ用シートにおいて、T字は水平画(かく)と垂直画(かく)からなる文字であって、他の端部と水平画は平行を成している。このような構成のシートパイプ用シートにおいては、請求項1記載の発明の作用に加えて、舌片部の下方に切込部を重ね、舌片部の上方から圧力を加えると、湾曲した舌片部によってT字の水平画と垂直画との交点における直角部が押さえられる。その結果、直角部が折れ曲がりT字形状は円弧形状に変形する。従って、例えば舌片部の最大幅が水平画の長さよりも長くかつ舌片
部の最大幅が変形によって生じた円弧の内周よりも短い場合では、舌片部が切込部に挿入されるという作用を有する。なお、T字形状が変形する形状は、円弧形状の他、水平画を底辺とする三角形状も含まれる。
[0012]
[0013]
請求項5に記載の発明に係るシートパイプ成形装置は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のシートパイプ用シートを導入して、シートパイプを成形する装置であって、台座に支持具を介して長軸方向に沿って直列に設置されるシート巻回部と,導入部と,第1のガイド部と,第2のガイド部とを備え、シート巻回部は、シートパイプ用シートの舌片部と切込部がそれぞれ側部に形成されるようにシートパイプ用シートを巻いて保持すると共に、導入部へシートパイプ用シートを供給し、導入部は、シートパイプ用シートをその長軸方向に沿って導入する入口開口端と、この導入されたシートパイプ用シートを送り出す出口開口端と、入口開口端から出口開口端に向けて上部に隙間を有して縮径しながら対向する一対の翼部であって,シートパイプ用シートの舌片部が切込部の上方から挿入されて筒状に成形されるように舌片部側の翼部の曲率が切込部側の翼部の曲率よりも大である一対のラッパ
シートパイプ成形装置において、第2のガイド部に代えて、第1のガイド部を通過した筒状のシートパイプの両側面に当接する一対の水平回転ローラーが備えられることを特徴とする。
上記構成のシートパイプ成形装置において、一対の水平回転ローラーは筒状のシートパイプを先端方向に向けて送り出し可能な方向に回転する。
このような構成のシートパイプ成形装置におけるこの他の作用は、請求項5に記載の発明と同様である。
発明の効果
[0015]
本発明の請求項1に記載のシートパイプ用シートによれば、舌片部が切込部に挿入されてシートパイプ用シートが筒状に成形されることから、現地において筒状に成形することが容易である。従って、すでに筒状に成形されたパイプを埋設するよりも輸送コストが安価である。また、舌片部が上方から切込部へ完全に挿入されるとこれらは互いに離脱困難な状態になることから、シートパイプを埋設後に継ぎ目部分が離脱するという事態となり難い。すなわち、シートパイプに周囲の泥が侵入して排水が阻害されないので、長期間に亘って良好な排水機能を発揮することができる。
さらに、舌片部の挿入部の最大幅は切込部の最大幅より広いため、加圧を停止することで舌片部は切込部から引き抜き困難又は引き抜き可能となる。一方、加圧及び側方へシートを引っ張ることで舌片部は引き抜き可能となる。従って、本請求項に記載のシートパイプ用シートにおいては、自在にシートパイプ用シートを筒状又はシート状のいずれかに形成することができる。
[0016]
本発明の請求項2記載のシートパイプ用シートによれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、舌片部の上方から圧力を加えると舌片部が湾曲し切込部に挿入されることから、特許文献1に開示された発明よりも容易かつ確実にこれらを連結することが可能である。従って、継ぎ目部分が外れるという事態を回避することができる。また、切込部は円弧形状であることから、舌片部挿入時の応力が集中する部分がないため、切込部の破損も回避することができる。
[0017]
本発明の請求項3に記載のシートパイプ用シートによれば、請求項1又は請求項2に記載の発明と同様の効果を有する。
[0018]
[0019]
本発明の請求項5記載のシートパイプ成形装置によれば、シート巻回部に保持されるシートパイプ用シートが導入部に導入された後、第2のガイド部を通過することで筒状のシートパイプが自動的に成形可能である。従って、手作業の負担がわずかである上に迅速にシートパイプを成形することができる。
また、成形されたシートパイプは、第2のガイド部により、ほぼ筒状となったシートパイプの舌片部が切込部へ深く押し込まれることから、継ぎ目部分の強度が高い。そのため、埋設作業中にこの部分が開く可能性が殆んどなく、作業効率が良好である。また、埋設後においてシートパイプの上方から大きな荷重が掛かる場合にも継ぎ目部分が外れるという不具合が発生しない。なお、埋設後においては、シートパイプの両側面には地層が迫ってきているので、この方向にパイプが拡張可能なスペースが存在しない。従って、この点からも継ぎ目部分の外れは起こらず、耕作用機械の通過にも筒形状を安定的に維持することができるという効果を有する。
[0020]
本発明の請求項6記載のシートパイプ成形装置によれば、請求項5に記載の発明と同様な効果を有する。
図面の簡単な説明
[0021]
[図1](a)及び(b)は、それぞれ本発明の第1の実施の形態に係るシートパイプ用シートの平面図及び成形後の外観図である。
[図2]本発明の第1の実施の形態における変形例に係るシートパイプ用シートの平面図である。
[図3](a)は本発明の第1の実施の形態に係るシートパイプ用シートの強度試験結果であり、(b)乃至(e)はそれぞれ横断面の模式図である。
[図4]本発明の第2の実施の形態に係るシートパイプ成形装置の平面図である。
[図5]本発明の第2の実施の形態における変形例に係るシートパイプ成形装置の平面図である。
[図6](a)及び(b)はそれぞれ本発明の第2の実施の形態に係るシートパイプ成形装置における第1のガイド部の平面図であり、(c)は(a)におけるA−A線矢視断面図である。
[図7](a)乃至(d)はそれぞれ本発明の第2の実施の形態に係るシートパイプ成形装置における第1のガイド部の動作前後の側面図であり、(b)は図6(a)におけるB−B線矢視図であって、(c)は図6(b)におけるC−C線矢視図である。
[図8]従来技術に係るシートパイプ用シートの平面図である。
発明を実施するための形態
実施例1
[0022]
本発明の実施の形態に係る実施例1のシートパイプ用シートについて、図1乃至図3を用いて詳細に説明する(主に、請求項1乃至請求項3に対応)。なお、図1で示した構成要素については、図2においても同一の符号を付して、その説明を省略する。
図1(a)及び図1(b)は、それぞれ本発明の第1の実施の形態に係るシートパイプ用シートの平面図及び成形後の外観図である。
[0023]
図1(a)に示すように、本実施例のシートパイプ用シート1は、1mm厚さを有するポリエチレン製の柔軟性平板2に複数の小孔3が穿設され、互いにおよそ150mm間隔を空けて平行する端部6a,6bが備えられる。この端部6a,6bには、それぞれ複数の舌片部4及び切込部5がおよそ10mm間隔を空けて直列して設けられ、切込部5は舌片部4に符合する位置に設けられる。
舌片部4には、略三角形状の挿入部4aと、略三角形状の底辺の両端に相当する位置に切欠部4b,4bが備えられる。また、切込部5は、舌片部4を挿入するために設けられており、円弧5a及び弦5bによって囲まれた略半径形状を成す。この円弧5aは端部6b寄りに位置し、弦5bは端部6b
動的かつ迅速に成形可能であることから、従来技術に比較して作業効率を大幅に向上させることができるとともに、完成品のパイプを輸送して埋設するよりも輸送効率が高く低コストによる設置が可能である。また、台座9のサイズは約800mm×150mmであることから、シートパイプ成形装置8は全体的にコンパクトであって、容易な持ち運びが可能である。従って、複数のシートパイプ23を順次埋設するための移動においても負担が軽い。さらに、シートパイプ成形装置8は、電動によって駆動する部分を有しないため、電源が不要である。従って、広大な耕作地において設置場所を選ばないことから、シートパイプ成形装置8は利便性が高い。
[0045]
次に、本実施例の変形例に係るシートパイプ成形装置8aの効果について説明する。このシートパイプ成形装置8aによれば、実施例1に係るシートパイプ成形装置8と同様な効果を有する。
[0046]
なお、本発明のシートパイプ成形装置の構造は本実施例に示すものに限定されない。例えば、第3のガイド部21は設けられなくても良い。また、台座9は、前述したサイズのものに限定されない。
産業上の利用可能性
[0047]
以上説明したように、本発明の請求項1乃至請求項3、請求項5及び請求項6に記載された発明は、地層内に埋設されて地下水を誘導又は排水するシートパイプに用いられるシートパイプ用シート及びその成形装置として利用可能である。
[0048]
符号の説明
1…シートパイプ用シート
1a…シートパイプ用シート
2…柔軟性平板
3…小孔
4…舌片部
4a…挿入部
4b…切欠部
5…切込部
Claims (6)
- 複数の小孔が穿設された合成樹脂製の柔軟性平板(2)が筒状に成形され,地層内に埋設されて地下水を誘導又は排水するシートパイプに用いられるシートパイプ用シートであって、
前記シートパイプ用シートの端部のうち,平行する一対の端部(6a,6b)は筒状に成形された場合に繋ぎ目部分(6)を形成し、このうち一方の端部(6a)は挿入部(4a)とこの挿入部(4a)に比較して幅が狭まる切欠部(4b)を備えた舌片部(4)が一定間隔を空けて複数直列に成形され、他方の端部(6b)はこの複数の舌片部(4)に符合して複数直列に切込部(5)が設けられ、
前記舌片部(4)と前記切込部(5)は、互いに撓みつつ前記舌片部(4)が前記切込部(5)の上方から挿入されて筒状に成形される際に、撓んだ前記舌片部(4)の挿入部(4a)の外周が撓んだ前記切込部(5)の内周に沿って挿入可能に構成されることを特徴とするシートパイプ用シート(1)。 - 前記切込部(5)は、前記他の端部(6b)側に円弧(6a)を形成する円弧形状であることを特徴とする請求項1記載のシートパイプ用シート(1)。
- 前記切込部(7)は、前記他の端部(6b)側に垂直画(7b)を形成するT字形状であることを特徴とする請求項1記載のシートパイプ用シート(1a)。
- 前記舌片部(4)の挿入部(4a)の最大幅は、前記切込部(5)の最大幅より広いことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のシートパイプ用シート。
- 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のシートパイプ用シートを導入して、シートパイプを成形する装置であって、
台座(9)に支持具(10a〜10c)を介して長軸方向に沿って直列に設置されるシート巻回部(10)と,導入部(11)と,第1のガイド部(16)と,第2のガイド部(19)とを備え、
前記シート巻回部(10)は、前記シートパイプ用シートの前記舌片部(4)と前記切込部(5)がそれぞれ側部に形成されるように前記シートパイプ用シートを巻いて保持すると共に、前記導入部(11)へ前記シートパイプ用シートを供給し、
前記導入部(11)は、前記シートパイプ用シートをその長軸方向に沿って導入する入口開口端(12a)と、この導入された前記シートパイプ用シートを送り出す出口開口端(12b)と、前記入口開口端(12a)から前記出口開口端(12b)に向けて上部に隙間を有して縮径しながら対向する一対の翼部であって,前記シートパイプ用シートの舌片部(4)が前記切込部(5)の上方から挿入されて筒状に成形されるように舌片部(4)側の翼部(13a)の曲率が切込部(5)側の翼部(13b)の曲率よりも大である一対のラッパ管状に形成された翼部(13a,13b)を備え、
前記第1のガイド部(16)は、前記出口開口端(12a)から湾曲され送り出された前記シートパイプ用シートを通過させて,筒状のシートパイプ(23)に成形する通過孔部(17)と、前記シートパイプ用シートを上方から圧接する垂直回転ローラー(18)を備え、
前記第2のガイド部(19)は、前記通過孔部(17)の径よりも小さい径を有して前記筒状のシートパイプ(23)を通過させる環状孔(20)を備えることを特徴とするシートパイプ成形装置(8)。 - 前記第2のガイド部(19)に代えて、前記第1のガイド部(16)を通過した前記筒状のシートパイプ(23)の両側面に当接する一対の水平回転ローラー(24,24)が備えられることを特徴とする請求項5に記載のシートパイプ成形装置(8a)。
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