JP5928884B2 - 内燃機関の排ガス浄化装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の排ガス通路に還元触媒を配設し、還元剤として尿素水から生成されたアンモニアを供給することにより、NOx(窒素酸化物)を還元して排ガスを浄化する内燃機関の排ガス浄化装置に関する。
ディーゼルエンジン等の内燃機関の排ガス中に含まれるNOxを浄化するための排ガス浄化装置として、内燃機関の排ガス通路に配置された還元触媒を有し、還元剤としてアンモニアを供給することにより、NOxを還元して排ガスを浄化する排ガス浄化装置が用いられている(例えば、特許文献1)。
このような排ガス浄化装置では、尿素水を排ガス中に供給するのが一般的であり、尿素水インジェクタなどを用いて排ガス中に尿素水を噴射する。尿素水インジェクタから排ガス中に噴射された尿素水は排ガスの熱により加水分解し、その結果生成されるアンモニアが還元触媒に供給される。こうして還元触媒に供給されたアンモニアと排ガス中のNOxとの間の脱硝反応が還元触媒によって促進されることによりNOxが還元されて排ガスが浄化される。
ところで、排ガス浄化装置に異常が発生して所定の排ガス浄化性能を発揮しなくなると、NOxの一部が大気中へ放出されてしまう。このため、例えば米国や欧州のOBD(On Board Diagnosis)に関する法規制では、排ガス浄化装置の異常を検出して検出情報を保存すると共に、運転者への修理を促すべく排ガス浄化装置の異常警告を行う診断機能を車両に装備することが義務付けられている。そこで、排ガス浄化装置の異常警告を行うだけでなく、排ガス浄化装置の異常の原因となる還元触媒の劣化や尿素水の異常(濃度低下、供給量不足、尿素の堆積)等を検出することが望まれている。
例えば、特許文献2には、還元触媒の劣化及び尿素水の異常を検知可能な排ガス浄化装置が開示されている。この排ガス浄化装置では、以下に示す3つの知見に基づいて還元触媒の劣化及び尿素水の異常を検知している。具体的には、図8に示すように、まず、還元触媒が正常な状態のときには触媒温度の上昇に伴い浄化率は上昇し、触媒温度が所定値以上で、曲線Aの如くNOx浄化率はほぼ一定値を示す。しかし、還元触媒が劣化したときには、NOx浄化率が曲線Bの如く触媒温度の上昇に伴い浄化率の上昇は緩やかとなり、同一触媒温度における浄化率は低下する。さらに、尿素水の濃度や供給量に異常があるときには、NOx浄化率が正常な状態を示す曲線Aよりも曲線Cの如く一律に低下する。そして、これらの知見に基づいて、NOx浄化率を各触媒温度TC1、TC2、TC3でそれぞれ検出し、触媒温度の上昇に伴いNOx浄化率が上昇すれば触媒劣化が生じていると判定する。一方、触媒温度が上昇しても予め設定された浄化率の閾値に達せず、且つ浄化率の値にほとんど変化がない場合に、尿素水に異常があると判定する。
特開2003−301737号公報 特開2009−138624号公報
排ガス中に噴射された尿素水に含まれる尿素の一部は、排ガス通路内の壁面に付着して堆積する場合がある。これにより、本来NOxの還元に必要とされるアンモニアの量が不足し、NOx浄化率が低下してしまう。ところが、特許文献2に記載の排ガス浄化装置では、各触媒温度TC1、TC2、TC3におけるNOx浄化率の値が閾値よりも低くなった場合に尿素水がノズル口に詰まったか濃度の低下であると判定する。係る場合に、NOx浄化率の値が閾値よりも低くなるまでに時間がかかるため、尿素水の詰まりや濃度低下の検知が遅くなるという問題点があった。また、複数の温度領域(TC1、TC2、TC3)で触媒温度を測定しなければならないが、還元触媒の温度がこれらの温度領域(TC1、TC2、TC3)となるように変化することは現実的ではないという問題点があった。
そこで、本発明は、このような問題を解決するものであって、尿素の堆積を早期に検出可能で、且つ還元触媒の劣化を検出可能な排ガス浄化装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決する本発明に係る内燃機関の排ガス浄化装置は、内燃機関の排ガス通路に設けられ、排ガスに含まれるNOxを還元する還元触媒と、前記排ガス通路の前記還元触媒よりも上流の部分に尿素水を供給する尿素水供給手段と、
前記尿素水供給手段から前記排ガス通路に供給された尿素水に含まれる供給尿素量を算出する供給尿素量算出手段と、
前記還元触媒で浄化されたNOx量を算出するNOx量算出手段と、前記NOx量算出手段により算出されたNOx量の浄化に必要な有効尿素量を算出する有効尿素量算出手段と、
前記供給尿素量算出手段により算出された供給尿素量に対する前記有効尿素量算出手段により算出された有効尿素量の割合である尿素利用比率を算出する尿素利用比率算出手段と、
前記尿素利用比率算出手段により算出された尿素利用比率の値の経時的な変化率を算出し、当該変化率の値に基づいて前記排ガス通路への尿素の堆積を判定する堆積判定手段と、
前記尿素利用比率算出手段により算出された尿素利用比率の値に基づいて前記還元触媒の劣化を判定する劣化判定手段と、を備えることを特徴とする。
上記内燃機関の排ガス浄化装置によれば、NOx量算出手段及び有効尿素量算出手段を備えているため、還元触媒にてNOxの浄化に使用された有効尿素量を算出することができる。そして、供給尿素量算出手段を備えているため、排ガス中に供給した尿素水に含まれる供給尿素量を算出することができる。
また、NOxの浄化に必要なアンモニアを発生させるために、排ガス通路内に尿素を供給すると、尿素の一部が還元触媒に到達する前に排ガス通路に堆積する場合がある。本発明の排ガス浄化装置は、堆積判定手段を備えているため、排ガス通路内に供給された供給尿素量及び実際に還元触媒でNOxの浄化に使用された有効尿素量に基づいて尿素利用比率を算出して、尿素利用比率の値の経時的な変化率に基づいて尿素の堆積を検出することができる。
そして、劣化判定手段を備えているため、尿素利用比率の値に基づいて還元触媒の劣化を検出することができる。
記堆積判定手段は、
前記尿素利用比率算出手段により算出された尿素利用比率の値の経時的な変化率を算出し、当該変化率の値が第1閾値以上の場合に尿素が前記排ガス通路内に堆積していると判定することとしてもよい。
このように、尿素利用比率算出手段を備えているため、供給尿素量に対する有効尿素量の割合である尿素利用比率を算出することができる。
そして、堆積判定手段にて変化率の値が第1閾値以上か否かを判定することで、尿素の堆積を短時間で精度良く検出するこができる。これにより、尿素の堆積によって還元触媒に供給されるアンモニアの量が不足して排ガス浄化率が低下することを防止できる。また、尿素が堆積して排ガス通路が閉塞することを防止できる。なお、本明細書では、経時的とは時間の経過及び車両の走行距離の増加を含むものとする。
記劣化判定手段は、
前記尿素利用比率算出手段により算出された尿素利用比率の値が第2閾値以下の場合に前記還元触媒が劣化していると判定することとしてもよい。
このように、尿素利用比率算出手段を備えているため、供給尿素量に対する有効尿素量の割合である尿素利用比率を算出することができる。
そして、劣化判定手段にて尿素利用比率の値が第2閾値以下か否かを判定することで、還元触媒の劣化を短時間で精度良く検出することができる。
また、前記劣化判定手段は、
前記尿素利用比率の値が所定回数以上連続して前記第2閾値以下となる場合に前記還元触媒が劣化していると判定することとしてもよい。
還元触媒の還元能力は、排ガス流量、排ガス温度、供給される尿素水の濃度等により変動する。このため、尿素利用比率の値が、所定回数以上連続して第2閾値以下となる場合に、還元触媒が劣化していると判定することで、還元触媒の劣化をより正確に判定することができる。
また、前記NOx量算出手段により算出されたNOx量の浄化に必要な消費アンモニア量を算出する消費アンモニア量算出手段を更に備え、前記有効尿素量算出手段は、前記消費アンモニア量算出手段により算出された消費アンモニア量の生成に必要な尿素量を加水分解反応のモル比に応じて算出して前記有効尿素量とすることとしてもよい。
このように、有効尿素量算出手段は、消費アンモニア量の生成に必要な尿素量を加水分解反応のモル比に応じて算出するため、正確な有効尿素量を短時間で算出することができる。
また、前記NOx量算出手段は、前記内燃機関の直下流のNOx量から前記還元触媒よりも下流のNOx量を減算して前記還元触媒で浄化されたNOx量を算出することとしてもよい。
このように、前記NOx量算出手段は、前記内燃機関の直下流のNOx量から前記還元触媒よりも下流のNOx量を減算して算出するため、浄化されたNOx量を正確に取得することができる。
また、前記堆積判定手段によって前記尿素が堆積していると判定された際及び前記劣化判定手段によって前記還元触媒が劣化していると判定された際の少なくとも何れか一方に、運転者に対して警報を発する警告手段を更に備えることとしてもよい。
このように、警告手段を備えているため、運転者は尿素の堆積及び還元触媒の劣化を直ちに検知することができる。
本発明によれば、尿素の堆積を早期に検出可能で、且つ還元触媒の劣化を検出可能な排ガス浄化装置を提供することができる。
本発明の実施形態に係る排ガス浄化装置が適用されたエンジンシステムの概略全体構成図である。 判定ユニットの各部にて算出される算出結果及びその出力先を示す図である。 総走行距離と尿素利用比率との関係に基づいて尿素の堆積を判定する判定方法を説明するための図である。 総走行距離と尿素利用比率との関係に基づいてSCR触媒の劣化を判定する判定方法を説明するための図である。 尿素水の濃度を算出するフローを示す図である。 総走行距離と尿素未利用比率との関係に基づいて尿素の堆積を判定する判定方法を説明するための図である。 総走行距離と尿素未利用比率との関係に基づいてSCR触媒の劣化を判定する判定方法を説明するための図である。 従来の排ガス浄化装置におる異常検出方法を示す図である。
以下、本発明に係る内燃機関の排ガス浄化装置について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下の実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
<排ガス浄化装置の構成>
図1は、本発明の実施形態に係る排ガス浄化装置が適用されたエンジンシステムの概略全体構成図である。また、図2は、判定ユニットの各部にて算出される算出結果及びその出力先を示す図である。
図1及び図2に示すように、ディーゼルエンジン(以下、エンジン1という)の排ガス浄化装置2は、前段酸化触媒4と、パティキュレートフィルタ(以下フィルタ6という)と、SCR(Selective Catalytic Reduction)触媒8と、後段酸化触媒10と、を備えている。
エンジン1は、燃料の噴射時期及び噴射量がECU(Electronic
Control Unit)12によって電子制御されており、かかる噴射時期及び噴射量にて燃焼室5毎に設けられた燃料噴射弁3から、燃焼室5内に燃料が噴射される。
ECU12は、図示しない中央処理装置(CPU)、制御プログラムや制御マップ等を格納する記憶装置、走行距離カウンタ及びタイマカウンタ等を備えている。そして、ECU12は、エンジン1の運転条件や運転者の要求に応じてエンジン1の運転状態を制御する。
エンジン1の各燃焼室5から排気が排出される排気ポート(図示せず)は、排気マニホールド9を介して排ガス通路16に接続されている。
排ガス通路16は、ターボチャージャ7のタービン7aを経由して排ガス浄化装置2に接続されている。また、タービン7aはコンプレッサ7bと機械的に連結されており、タービン7aが排ガス通路16内を流動する排気を受けてコンプレッサ7bを駆動する。
排ガス浄化装置2は、排ガス通路16に設けられた筒状の上流側ケーシング14及び当該上流側ケーシング14よりも下流に設けられた筒状のSCR用ケーシング18を備えている。
上流側ケーシング14内には、前段酸化触媒4が収容されると共に、この前段酸化触媒4よりも下流にはフィルタ6が収容されている。
フィルタ6は、排ガス中のPM(Paticulate Matter:粒子状物質)を捕集する。このフィルタ6はハニカム型のセラミック体からなり、上流側と下流側とを連通する通路が多数並設されると共に、この通路の上流側開口と下流側開口とが交互に閉鎖されており、エンジン1の排ガスが内部を流通することによって排ガス中のPMが捕集される。
前段酸化触媒4は排ガス中のNO(一酸化窒素)を酸化させてNO(二酸化窒素)を生成する。このため、前段酸化触媒4の下流にフィルタ6を配置することにより、フィルタ6に捕集され堆積しているPMは、前段酸化触媒4から供給されたNOと反応して酸化し、これによってフィルタ6の連続再生が行われる。また、前段酸化触媒4で生成されたNO(二酸化窒素)は、NOxのNO比率を増大しNOxの浄化効率の向上に貢献している(最も浄化効率が高くなるNO比率は50%)。
また、SCR用ケーシング18内には、NH(アンモニア)を還元剤として、排ガス中のNOxを選択還元して排ガスを浄化するSCR触媒8が収容されている。
そして、SCR用ケーシング18よりも下流の排ガス通路16には、後段酸化触媒10を収容するための筒状の下流側ケーシング38が設けられている。
後段酸化触媒10は、SCR触媒8を通過したNHを排ガス中から除去する機能を有している。また、後段酸化触媒10は、フィルタ6の強制再生でPMが焼却される際に発生するCO(一酸化炭素)を酸化し、CO(二酸化炭素)として大気中に排出する機能も有している。
また、排ガス浄化装置2は、SCR触媒8と後段酸化触媒10との間の排ガス通路16に設けられ、排ガス中に含まれるNOxの濃度を計測するNOxセンサ46と、SCR触媒8の直上流に設けられ、SCR触媒8に流入する排ガスの温度を検出する温度センサ28と、排ガス通路16のフィルタ6とSCR触媒8との間の部分に尿素水を噴射する噴射装置20と、を備えている。噴射装置20の噴射量及び噴射時期等は、ECU12に備えられている尿素水制御部22にて制御される。
温度センサ28による計測結果は、温度センサ28から尿素水制御部22へ向けて出力される。尿素水制御部22は、温度センサ28による計測結果に基づいて、噴射装置20から尿素水を供給するか否かを決定する。
噴射装置20は、排ガス通路16のフィルタ6とSCR触媒8との間の部分に設けられた尿素水インジェクタ24と、尿素水インジェクタ24に尿素水を供給する尿素水供給用ポンプ25と、尿素水供給用ポンプ25から供給される尿素水の流量を調整する制御弁21と、尿素水供給用ポンプ25から供給される尿素水の流量を計測する尿素水流量計23と、尿素水を貯留する尿素水タンク26と、を備えている。
尿素水制御部22は、温度センサ28の計測結果に基づいて、排ガスの温度が尿素水を加水分解可能な温度以上か否かを判定する。そして、排ガスの温度が加水分解可能な温度以上であると判定した場合に、尿素水供給用ポンプ25を稼働させて尿素水を排ガス中に供給する。このとき、尿素水供給用ポンプ25から供給される尿素水量を制御弁21により制御することにより、NOxを還元するために必要な量の尿素水を供給する。この制御弁21は、尿素水制御部22により制御される。
そして、尿素水流量計23による計測結果は、尿素水流量計23から尿素水制御部22及び判定ユニット13へ向けて出力される。なお、本実施形態では、尿素水供給用ポンプ25から供給される尿素水の流量を計測する尿素水流量計23を設けた場合について説明したが、これに限定されるものではなく、尿素水の供給量を計測可能なメータリングユニットを備えた尿素水供給用ポンプを用いてもよい。要は、尿素水供給用ポンプから供給される尿素水の流量を計測できる機能を備えていればよい。
尿素水供給用ポンプ25から供給された尿素水は、ミキシングチャンバー29にて圧縮エアと混合され、供給管31を通過後、尿素水インジェクタ24からSCR触媒8よりも上流の排ガス通路16の部分に供給される。
使用すべき正規の尿素水の濃度は、予め定められており、本実施形態では、尿素の飽和状態である32.5%とした。以下、濃度32.5%を規定濃度という。なお、本実施形態では、規定濃度を32.5%としたが、この値に限定されるものではなく、32.5%未満としてもよいが、尿素水の消費量が増加するため、32.5%に近い値であることが望ましい。
次に、SCR触媒8の劣化を判定する判定ユニット13について説明する。
判定ユニット13は、ECU12内に備えられている。そして、判定ユニット13は、NOx量算出部15、消費アンモニア量算出部30及び有効尿素量算出部17を備えている。
NOxセンサ46による計測結果は、NOxセンサ46から判定ユニット13へ向けて出力される。判定ユニット13のNOx量算出部15は、NOxセンサ46により計測されたNOx濃度及びエンジン1から排出される排ガスに含まれる第1NOx量(後述する)に基づいて、SCR触媒8にて浄化された浄化NOx量を算出する。浄化NOx量を算出する算出方法について以下に説明する。
まず、エンジン1から排出される単位時間当たりのNOx量として第1NOx量を決定する。エンジン1から排出されるNOx量は、エンジン1の回転速度や燃料噴射量、即ちエンジン1の運転状態から決定することができる。具体的には、エンジン1の運転状態とNOx量との関係を示すマップ等に基づいて第1NOx量を決定する。エンジン1の運転状態とNOx量との関係が示されたマップ等はECU12内の上記記憶装置に格納されている。
なお、本実施形態では、エンジン1の運転状態から第1NOx量を定める場合について説明したが、この方法に限定されるものではなく、例えば、タービン7aの直上流の排ガス通路16の部分にNOxセンサを設け、当該NOxセンサにより計測された計測値に、単位時間当たりの排ガス流量を乗算して、エンジン1から排出される単位時間当たりの第1NOx量を算出してもよい。
また、NOx量算出部15は、NOxセンサ46により計測された計測値に、単位時間当たりの排ガス流量を乗算して、SCR触媒8を通過した排ガス中に含まれる単位時間当りの第2NOx量を算出する。
第1NOx量及び第2NOx量をそれぞれ、予め設計等により決定された所定の走行距離(例えば、30km)にわたって積算する。車両の走行距離は、ECU12の上記走行距離カウンタにより計測される。第1NOx量及び第2NOx量を所定の走行距離にわたって積算することで、SCR触媒8に貯蔵されるNH量を無視することができる。以下の説明では、所定の走行距離にわたって積算された第1NOx量及び第2NOx量をそれぞれ第1NOx積算量及び第2NOx積算量という。
次に、SCR触媒8にて浄化された所定の走行距離当たりの浄化NOx量を次式(1)より算出する。
浄化NOx量=第1NOx積算量−第2NOx積算量・・・式(1)
この浄化NOx量は、所定の走行距離毎に算出される。
所定の走行距離毎に算出された浄化NOx量は、ECU12の上記記憶装置に格納される。記憶装置には、所定の走行距離を積算した総走行距離情報(例えば、30、60、90・・・(km))が格納されている。そして、総走行距離情報に対応する浄化NOx量(即ち所定の走行距離毎に算出された浄化NOx量)が、各総走行距離情報のそれぞれに紐付けられて記憶装置に格納される。なお、総走行距離情報は、SCR触媒8を再生又は交換する際にリセットされる。
そして、算出された浄化NOx量は、NOx量算出部15から消費アンモニア量算出部30に向けて出力される。
消費アンモニア量算出部30は、NOx量算出部15により算出された浄化NOx量に基づいて、当該浄化NOx量の浄化に必要な消費アンモニア量を算出する。NOx浄化量とNHの関係はNO比率に依存するため、詳細の値を算出することは困難である。このため、NO比率を50%と仮定して簡易的に1モルのNOxは、1モルのNHと反応して浄化されることとする。即ち、NO1モルに対してNH1モルが1当量となるため、浄化NOx量の浄化に必要な消費アンモニア量Nnを、次式(2)により算出する。なお、NOxをNOとして分子量は46g/mol、NHの分子量は17g/molとした。
Nn=(浄化NOx量/46)×17 ・・・式(2)
ここで、Nnは消費アンモニア量(g)であり、浄化NOx量は上記式(1)から算出される値(g)である。また、値46はNOの分子量(g)、値17はNHの分子量(g)である。
そして、算出された消費アンモニア量は、消費アンモニア量算出部30から有効尿素量算出部17へ向けて出力される。
有効尿素量算出部17は、上記式(2)により算出された消費アンモニア量Nnを生成するのに必要な有効尿素量Anを算出するとともに、当該尿素量の発生に必要な必要尿素水量Unを算出する。具体的に1モルの尿素から2モルのNHが生成されるため、消費アンモニア量Nnを発生させるのに必要な有効尿素量Anを、次式(3)により算出する。なお、尿素の分子量を60g/molとした。
An=(Nn/(17×2))×60×β ・・・式(3)
ここで、Anは有効尿素量(g)であり、Nnは上記式(2)から算出される消費アンモニア量(g)である。また、値17はNHの分子量(g)、値2はモル数、値60は尿素の分子量(g)である。さらに、βは実験等から求められる係数である。係数βの値は予め決定されている。
なお、本実施形態では、上記式(2)から算出した消費アンモニア量Nnに基づいて有効尿素量Anを算出した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば有効尿素量算出部17は、上記式(1)により算出された浄化NOx量を還元するのに必要な有効尿素量を直接、算出してもよい。具体的に1モルの尿素は、2モルのNOと反応して浄化される(即ち、尿素1モルに対してNO2モルが1当量となる)ため、有効尿素量Anを、次式(4)により算出してもよい。
An=(浄化NOx量/(46×2))×60×β ・・・式(4)
ここで、Anは有効尿素量(g)であり、浄化NOx量は上記式(1)から算出される値(g)である。また、値46はNOの分子量(g)、値2はモル数、値60は尿素の分子量(g)である。そして、βは実験等から求められる係数である。
続いて、有効尿素量算出部17は、上記式(3)又は(4)により算出された有効尿素量Anに基づいて、当該有効尿素量Anの発生に必要な規定濃度の必要尿素水量Unを次式(5)により算出する。
Un=An×(1/0.325) ・・・式(5)
ここで、Unは、必要尿素水量(g)であり、値0.325は、尿素水の規定濃度である。算出された有効尿素量An及び必要尿素水量Unは、有効尿素量算出部17からそれぞれ尿素利用比率算出部33(後述する)及び尿素水制御部22に向けて出力される。
尿素水制御部22は、有効尿素量算出部17により算出された必要尿素水量に基づいて噴射装置20の尿素水供給用ポンプ25及び制御弁21を制御し、必要尿素水量の尿素水をフィルタ6とSCR触媒8との間の排ガス通路16内の排ガス中に供給する。
排ガス中に供給された尿素水は霧化し、排ガスの熱により加水分解してNHとなってSCR触媒8に供給される。SCR触媒8は、NHと排ガス中のNOxとの脱硝反応を促進することにより、NOxを還元して無害なNとする。なお、このときNHがNOxと反応せずにSCR触媒8から流出した場合には、このNHが後段酸化触媒10によって排ガス中から除去される。
ところで、尿素水タンク26内の尿素水の濃度が規定濃度よりも低い場合、尿素水と間違って水等が補充されている場合等、SCR触媒8のNOx浄化率が低下してしまう。
そこで、排ガス浄化装置2は、尿素水の濃度を常時計測している。具体的に、排ガス浄化装置2は、尿素水タンク26に設けられ、尿素水の濃度を計測する尿素水濃度センサ11を備えている。尿素水濃度センサ11による計測値は常時、監視されており、尿素水の濃度が所定値よりも小さくなったら警告ランプ等により直ちに濃度低下を検知することができる。
尿素水濃度センサ11による計測値は、尿素水濃度センサ11から後述する供給アンモニア量算出部27へ向けて出力される。
判定ユニット13は、供給アンモニア量算出部27と、供給尿素量算出部19とを更に備えている。
供給アンモニア量算出部27は、尿素水濃度センサ11により計測された尿素水濃度に基づいてSCR触媒8を通過した供給アンモニア量SAnを算出する。具体的に1モルの尿素から2モルのNHが生成されるため、供給アンモニア量SAnを次式(6)により算出する。
SAn=((Wu×Cu)/60)×2×17 ・・・式(6)
ここで、SAnは供給アンモニア量(g)であり、Wuは排ガス通路16内に供給された尿素水量(g)であり、尿素水流量計23により計測された値である。また、Cuは尿素水濃度センサ11により計測された値(%/100)である。そして、値60は尿素の分子量(g)、値2はモル数、値17はNHの分子量(g)である。
算出した供給アンモニア量SAnは、供給アンモニア量算出部27から供給尿素量算出部19に向けて出力される。
供給尿素量算出部19は、供給アンモニア量算出部27により算出された供給アンモニア量SAnの生成に必要な供給尿素量Qnを算出する。
具体的に1モルの尿素から2モルのNHが生成されるため、上記式(6)により算出された供給アンモニア量SAnを生成するのに必要な供給尿素量Qnを、次式(7)により算出する。
Qn=(SAn/(17×2))×60 ・・・式(7)
ここで、Qnは供給尿素量(g)であり、SAnは上記式(6)により算出された供給アンモニア量(g)である。また、値17はNHの分子量(g)、値2はモル数、値60は尿素の分子量(g)である。
なお、尿素水濃度センサ11により計測された尿素水濃度から供給尿素量Qnを算出する過程において、式(6)及び式(7)をそれぞれ計算した場合について説明したが、次式(8)にて、供給尿素量Qnを算出してもよい。
Qn=Wu×Cu ・・・式(8)
算出された供給尿素量Qnは、供給尿素量算出部19から後述する尿素利用比率算出部33に向けて出力される。
ECU12の判定ユニット13は、尿素利用比率算出部33と、堆積判定部34と、劣化判定部35と、を更に備えている。
尿素利用比率算出部33は、供給尿素量算出部19により算出された供給尿素量Qn及び有効尿素量算出部17により算出された有効尿素量Anに基づいて、次式(9)にて尿素利用比率Ruを算出する。
Ru =An/Qn ・・・式(9)
ここで、Ruは供給尿素量Qnに対する有効尿素量Anの割合である。また、Qnは供給尿素量算出部19より算出された供給尿素量(g)であり、Anは有効尿素量算出部17より算出された有効尿素量(g)である。
算出された尿素利用比率Ruは、ECU12の記憶装置に格納されている総走行距離情報に紐付けられて記憶装置に格納されるとともに、尿素利用比率算出部33から堆積判定部34及び劣化判定部35に向けて出力される。
<尿素の堆積判定について>
堆積判定部34は、尿素利用比率算出部33により算出された尿素利用比率Ruに基づいて、総走行距離と尿素利用比率Ruとの関係を示すマップを作成するとともに、尿素利用比率Ruの値の変化率を算出する。
図3は、総走行距離と尿素利用比率との関係に基づいて尿素の堆積を判定する判定方法を説明するための図である。図3に示すように、堆積判定部34は、ECU12の記憶装置に格納されている総走行距離情報、及び当該総走行距離情報に紐付けられた尿素利用比率Ruに基づいてマップを作成する。
そして、互いに隣接する総走行距離情報に対応する尿素利用比率Ru同士の変化率αを算出する。具体的には、変化率αを次式(10)により算出する。
α =|(Y2−Y1)/(X2−X1)| ・・・式(10)
ここで、Y2及びY1は、それぞれ互いに隣接する総走行距離情報のうち、総走行距離情報が長い方の尿素利用比率Ru及び短い方の尿素利用比率Ruである。また、X2及びX1は、それぞれ互いに隣接する総走行距離情報のうち、総走行距離情報の長い方及び短い方の値(km)である。なお、本実施形態では、互いに隣接する総走行距離情報同士の2点の変化率αを算出する場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、移動平均値や移動加重平均値等を求め、当該移動平均値や当該移動加重平均値を変化率αとしてもよい。
そして、式(10)より算出された変化率αが第1閾値αth未満である場合、尿素は堆積していないと判定して、この判定結果を記憶装置に格納する。判定結果は、互いに隣接する総走行距離情報のうち、総走行距離が長い方の総走行距離情報に紐付けられて格納される。なお、第1閾値αthは、予め実験等により決定される値である。
一方、変化率αが第1閾値αth以上である場合、尿素が堆積していると判定して、この判定結果を記憶装置の対応する総走行距離情報に紐付けて格納するとともに、運転席付近に設置された尿素堆積警告ランプ36を点滅又は点灯させて、尿素が堆積していることを表示する。
<SCR触媒8の劣化判定について>
次に、SCR触媒8の劣化の判定方法について説明する。
劣化判定部35は、尿素利用比率算出部33により算出された尿素利用比率Ruに基づいて、総走行距離と尿素利用比率Ruとの関係を示すマップを作成するとともに、尿素利用比率Ruが第2閾値Rth以下か否かを判定する。
図4は、総走行距離と尿素利用比率との関係に基づいてSCR触媒の劣化を判定する判定方法を説明するための図である。図4に示すように、劣化判定部35は、ECU12の記憶装置に格納されている総走行距離情報、及び当該総走行距離情報に紐付けられた尿素利用比率Ruに基づいてマップを作成する。
そして、尿素利用比率Ruが第2閾値Rthよりも大きい場合、SCR触媒8が正常であるとして、この判定結果を記憶装置に格納する。判定結果は、対応する総走行距離情報に紐付けられて格納される。なお、第2閾値Rthは、NOxの平均浄化率に基づいて設計等により決定される値である。
一方、尿素利用比率Ruが第2閾値Rth以下である場合、SCR触媒8が劣化していると判定して、この判定結果を記憶装置の対応する総走行距離情報に紐付けて格納するとともに、第2閾値Rth以下であると判定した判定回数Naをカウントする。例えば、尿素利用比率Ruが第2閾値Rth以下であると最初に判定された場合、判定回数Naは1となる。そして、所定距離を走行した後、再び尿素利用比率Ruを算出したときに、新たな尿素利用比率Ruが第2閾値Rth以下であると判定された場合、判定回数Naは2となる。ただし、尿素利用比率Ruが第1閾値以下であると判定されて、所定距離を走行した後、再び尿素利用比率Ruを算出したときに、尿素利用比率Ruが第2閾値Rthよりも大きいと判定された場合、判定回数Naはリセットされて0(ゼロ)となる。
そして、劣化判定部35は、判定回数Naが予め設定された所定回数Nth(例えば、4回)以上になったら、運転席付近に設置された触媒劣化警告ランプ37を点滅又は点灯させて、SCR触媒8が劣化していることを運転手に警告する。
SCR触媒8を再生又は交換した後には、走行距離カウンタは車両の総走行距離を0(ゼロ)にリセットし、新たに総走行距離の計測を開始する。
<尿素の堆積判定フロー及びSCR触媒8の劣化判定フロー>
次に、上述した構成からなる排ガス浄化装置2を用いた尿素の堆積判定フロー及びSCR触媒8の劣化判定フローについて図5を用いて説明する。
図5に示すように、まず、第1閾値αth、第2閾値Rth及び連続して第2閾値Rth以上となった場合に触媒劣化警告ランプ37を点滅又は点灯させる所定回数Nthを設定する。また、判定回数Naを0(ゼロ)に設定する(ステップS2)。
次に、第1NOx量及び第2NOx量の積算を開始するとともに、尿素水濃度の計測を開始する(ステップS4)。
第1NOx量及び第2NOx量は、NOx量算出部15に向けて出力され、当該NOx量算出部15に格納される。また、尿素水濃度は、供給アンモニア量算出部27に向けて出力され、当該供給アンモニア量算出部27に格納される。
次に、NOx量算出部15は、第1NOx量及び第2NOx量に基づいて、第1NOx積算量及び第2NOx積算量を算出する。続いて、算出した第1NOx積算量及び第2NOx積算量に基づいて、上記式(1)より浄化NOx量を算出する(ステップS6)。
そして、算出された浄化NOx量は、NOx量算出部15から消費アンモニア量算出部30に向けて出力される。
消費アンモニア量算出部30は、NOx量算出部15により算出された浄化NOx量に基づいて上記(2)式より、当該浄化NOx量の浄化に必要な消費アンモニア量を算出する。
そして、算出された消費アンモニア量は、消費アンモニア量算出部30から有効尿素量算出部17にむけて出力される。
有効尿素量算出部17は、消費アンモニア量算出部30により算出された消費アンモニア量に基づいて上記式(3)より、当該消費アンモニア量を生成するのに必要な有効尿素量を算出する(ステップS8)。
そして、算出された有効尿素量は有効尿素量算出部17から尿素利用比率算出部33に向けて出力される。
次に、ステップS4で供給アンモニア量算出部27に格納された尿素水濃度に基づいて上記式(6)より、供給アンモニア量を算出する。
そして、算出された供給アンモニア量は供給アンモニア量算出部27から供給尿素量算出部19に向けて出力される。
供給尿素量算出部19は、供給アンモニア量算出部27により算出された供給アンモニア量に基づいて上記式(7)より、当該供給アンモニア量を生成するのに必要な供給尿素量を算出する(ステップS10)。
そして、算出された供給尿素量は供給尿素量算出部19から尿素利用比率算出部33に向けて出力される。
尿素利用比率算出部33は、供給尿素量算出部19により算出された供給尿素量、及び有効尿素量算出部17により算出された有効尿素量に基づいて上記式(9)より、尿素利用比率Ruを算出する(ステップS12)。
続いて、算出された尿素利用比率Ruは尿素利用比率算出部33から堆積判定部34及び劣化判定部35に向けてそれぞれ出力される。
堆積判定部34は、尿素利用比率算出部33により算出された尿素利用比率Ruに基づいて上記式(10)より、尿素利用比率Ruの値の変化率αを算出する(ステップS14)。
そして、堆積判定部34は、算出された変化率αが第1閾値αth以上か否かを判定する(ステップS16)。
堆積判定部34は、変化率αが第1閾値αth未満である場合、尿素は堆積していないと判定して、再び、ステップS4を実施する。
一方、堆積判定部34は、変化率αが第1閾値αth以上である場合、尿素が堆積していると判定する。そして、運転席付近に設置された尿素堆積警告ランプ36を点滅又は点灯させて、尿素が堆積していることを表示する(ステップS18)。
また、劣化判定部35は、尿素利用比率算出部33により算出された尿素利用比率Ruに基づいて、当該尿素利用比率Ruが第2閾値Rth以下か否かを判定する(ステップS20)。
劣化判定部35は、尿素利用比率Ruが第2閾値Rthよりも大きい場合、SCR触媒8が正常であると判定する。続いて、劣化判定部35は、判定回数Naをリセットして0(ゼロ)とする(ステップS22)。その後、再び、ステップS4を実施する。
一方、劣化判定部35は、尿素利用比率Ruが第2閾値Rth以下である場合、判定回数Naをカウントする(ステップS24)。具体的には、スリップ率Rsが第1閾値以上であると判定された場合、判定回数Naに1が加算される。例えば、スリップ率Rsが第1閾値以上であると最初に判定された場合、判定回数Naは1となる。また、所定距離を走行した後、再びスリップ率Rsを算出したときに、新たなスリップ率Rsが第1閾値以上であると判定された場合、判定回数Naに1が加算されて2となる。
次に、劣化判定部35は、判定回数Naが所定回数Nth以上か否かを判定する(ステップS26)。
劣化判定部35は、判定回数Naが所定回数Nth以上であると判定した場合、運転席付近に設置された触媒劣化警告ランプ37を点滅又は点灯させて、SCR触媒8が劣化していることを表示する(ステップS28)。
一方、劣化判定部35は、判定回数Naが所定回数Nth未満であると判定した場合、再び、ステップS4を実施する。
なお、本実施形態では、浄化NOx量等を算出(ステップS6)して有効尿素量を算出(ステップS8)し、その後、供給尿素量を算出(ステップS10)する順番で実施する場合について説明したが、この順番に限定されるものではない。例えば、供給尿素量を算出した後、浄化NOx量等を算出して有効尿素量を算出してもよい。また、浄化NOx量等を算出して有効尿素量を算出する工程と並行して供給尿素量を算出してもよい。
<排ガス浄化装置2による効果>
上述したように、本実施形態に係る排ガス浄化装置2によれば、NOx量算出部15と、消費アンモニア量算出部30とを備えているため、SCR触媒8にて消費された消費アンモニア量を算出することができる。そして、有効尿素量算出部17を備えているため、SCR触媒8で実際に浄化されたNOx量の浄化に必要な有効尿素量を正確に算出することができる。
また、尿素水濃度センサ11を備えているため、尿素水の濃度を正確に検出することができる。そして、計測値を常時、監視することで、尿素水の濃度低下を直ちに検出することができる。また、供給アンモニア量算出部27を備えているため、尿素水濃度センサ11による計測値に基づいて排ガス中に供給した供給アンモニア量を算出することができる。さらに、供給尿素量算出部19により排ガス中に供給された供給尿素量を算出するので、排ガス通路16内に供給した尿素量を正確に算出することができる。
そして、尿素利用比率算出部33と、堆積判定部34とを備えているため、尿素利用比率を算出するとともに、当該尿素利用比率の変化率を算出し、当該変化率の値が第1閾値以上の場合に尿素が堆積していると判定することができる。これにより、尿素が堆積したことを直ちに検出することができるため、尿素の堆積によってNH量が不足して排ガス浄化率が低下したり、尿素が堆積して排ガス通路16が閉塞したりすることを防止できる。
さらに、劣化判定部35を備えているため、尿素利用比率に基づいてSCR触媒8の劣化を判定することができる。SCR触媒8の還元能力は、排ガス流量、排ガス温度、供給される尿素水の濃度等により変動する。このため、供給尿素量に対する有効尿素量の割合である尿素利用比率の値が、所定回数以上連続して第2閾値以下となる場合に、SCR触媒8が劣化していると判定することで、SCR触媒8の劣化を正確に判定することができる。
また、供給尿素量算出部19は、供給アンモニア量の生成に必要な尿素量を加水分解反応のモル比に応じて算出するため、正確な尿素量を短時間で算出することができる。
そして、NOx量算出部15は、エンジン1の直下流のNOx量からSCR触媒8の直下流のNOx量を減算して算出するため、正確なNOx量を取得することができる。
さらに、尿素が堆積していること示す尿素堆積警告ランプ36及びSCR触媒8の劣化を示す触媒劣化警告ランプ37を備えているため、運転者は、尿素堆積やSCR触媒8劣化の点検等をすることなく、異常を検知することができる。
また、現在のOBDは、NOx値の絶対量に規制を設けており、NOx量が予め設定された値を超えたときに異常である旨を出力する。NOx値が異常となる原因は、SCR触媒8の劣化、尿素の堆積及び尿素水の異常(濃度低下又は供給量不足)等が考えられるが、OBD自体では異常の原因について特定することができない。そこで、本発明に係る排ガス浄化装置2を用いることで、SCR触媒8の劣化、尿素の堆積及び尿素水の濃度低下を検知することができる。
なお、本実施形態では、総走行距離を計測して所定の走行距離毎(例えば、30km毎)に尿素利用比率を算出する場合について説明したが、走行距離に限定されるものではなく、総走行時間を計測して所定の時間毎(例えば、1時間毎)に尿素利用比率を積算してもよい。かかる場合には、総走行時間は、SCR触媒8を再生又は交換する際に0(ゼロ)にリセットし、新たに総走行時間の計測を開始する。
また、本実施形態では、尿素利用比率算出部33にて、供給尿素量Qnに対する有効尿素量Anの割合である尿素利用比率(即ち、An/Qn)を算出し、当該尿素利用比率に基づいて尿素の堆積及びSCR触媒8の劣化を判定する場合について説明したが、尿素利用比率に限定されるものではない。例えば、尿素利用比率算出部33の代わりに尿素未利用率算出部を設け、当該尿素未利用率算出部にて、供給尿素量Qnから有効尿素量Anを減算して未利用尿素量を算出し、当該未利用尿素量を供給尿素量Qnで除算した尿素未利用比率(即ち、(Qn−An)/Qn)を算出して、当該尿素未利用比率に基づいて尿素の堆積及びSCR触媒8の劣化を判定してもよい。
かかる場合には、堆積判定部34は、図6に示すように、総走行距離と尿素未利用比率との関係を示すマップを作成するとともに、互いに隣接する総走行距離情報に対応する尿素未利用比率Puの値同士の変化率αを算出する。そして、変化率αが第3閾値未満である場合、尿素は堆積していないと判定し、変化率αが第3閾値以上である場合、尿素が堆積していると判定することとしてもよい。
さらに、劣化判定部35は、図7に示すように、マップを作成するとともに、尿素未利用比率が第4閾値以上か否かを判定する。尿素未利用比率が第4閾値よりも小さい場合、SCR触媒8が正常であると判定し、尿素未利用比率が第4閾値以上の場合、SCR触媒8が劣化していると判定することとしてもよい。
なお、第3閾値及び第4閾値は、予め設計等により決定される値とする。
内燃機関から排出される排ガス中に含まれるNOxの浄化に適用できる。
1 エンジン
2 排ガス浄化装置
3 燃料噴射弁
4 前段酸化触媒
5 燃焼室
6 フィルタ
7 ターボチャージャ
7a タービン
7b コンプレッサ
8 SCR触媒
9 排気マニホールド
10 後段酸化触媒
11 尿素水濃度センサ
12 ECU
13 判定ユニット
14 上流側ケーシング
15 NOx量算出部
16 排ガス通路
17 有効尿素量算出部
18 SCR用ケーシング
19 供給尿素量算出部
20 噴射装置
21 制御弁
22 尿素水制御部
23 尿素水流量計
24 尿素水インジェクタ
25 尿素水供給用ポンプ
26 尿素水タンク
27 供給アンモニア量算出部
28 温度センサ
29 ミキシングチャンバー
30 消費アンモニア量算出手段
33 尿素利用比率算出部
34 堆積判定部
35 劣化判定部
36 尿素堆積警告ランプ
37 触媒劣化警告ランプ
38 下流側ケーシング
46 NOxセンサ

Claims (8)

  1. 内燃機関の排ガス通路に設けられ、排ガスに含まれるNOxを還元する還元触媒と、
    前記排ガス通路の前記還元触媒よりも上流の部分に尿素水を供給する尿素水供給手段と、
    前記尿素水供給手段から前記排ガス通路に供給された尿素水に含まれる供給尿素量を算出する供給尿素量算出手段と、
    前記還元触媒で浄化されたNOx量を算出するNOx量算出手段と、
    前記NOx量算出手段により算出されたNOx量の浄化に必要な有効尿素量を算出する有効尿素量算出手段と、
    前記供給尿素量算出手段により算出された供給尿素量に対する前記有効尿素量算出手段により算出された有効尿素量の割合である尿素利用比率を算出する尿素利用比率算出手段と、
    前記尿素利用比率算出手段により算出された尿素利用比率の値の経時的な変化率を算出し、当該変化率に基づいて前記排ガス通路への尿素の堆積を判定する堆積判定手段と、
    前記尿素利用比率算出手段により算出された尿素利用比率の値に基づいて、前記還元触媒の劣化を判定する劣化判定手段と、を備えることを特徴とする内燃機関の排ガス浄化装置。
  2. 記堆積判定手段は、
    前記尿素利用比率算出手段により算出された尿素利用比率の値の経時的な変化率を算出した当該変化率の値が第1閾値以上の場合に尿素が前記排ガス通路内に堆積していると判定することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排ガス浄化装置。
  3. 記劣化判定手段は、
    前記尿素利用比率算出手段により算出された尿素利用比率の値が第2閾値以下の場合に前記還元触媒が劣化していると判定することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排ガス浄化装置。
  4. 前記劣化判定手段は、
    前記尿素利用比率の値が所定回数以上連続して前記第2閾値以下となる場合に前記還元触媒が劣化していると判定することを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の排ガス浄化装置。
  5. 前記NOx量算出手段により算出されたNOx量の浄化に必要な消費アンモニア量を算出する消費アンモニア量算出手段を更に備え、
    前記有効尿素量算出手段は、
    前記消費アンモニア量算出手段により算出された消費アンモニア量の生成に必要な尿素量を加水分解反応のモル比に応じて算出して前記有効尿素量とすることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排ガス浄化装置。
  6. 前記NOx量算出手段は、前記内燃機関の直下流のNOx量から前記還元触媒よりも下流のNOx量を減算して前記還元触媒で浄化されたNOx量を算出することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排ガス浄化装置。
  7. 前記堆積判定手段によって前記尿素が堆積していると判定された際及び前記劣化判定手段によって前記還元触媒が劣化していると判定された際の少なくとも何れか一方に、運転者に対して警報を発する警告手段を更に備えることを特徴とする請求項1〜6のうち何れか一項に記載の内燃機関の排ガス浄化装置。
  8. 内燃機関の排ガス通路に設けられ、排ガスに含まれるNOxを還元する還元触媒と、前記排ガス通路の前記還元触媒よりも上流の部分に尿素水を供給する尿素水供給手段と、
    前記尿素水供給手段から前記排ガス通路に供給された尿素水に含まれる供給尿素量を算出する供給尿素量算出手段と、
    前記還元触媒で浄化されたNOx量を算出するNOx量算出手段と、
    前記NOx量算出手段により算出されたNOx量の浄化に必要な有効尿素量を算出する有効尿素量算出手段と、
    前記供給尿素量算出手段により算出された供給尿素量に対する当該供給尿素量から前記有効尿素量算出手段により算出された有効尿素量を減算した値の割合である尿素未利用比率を算出する尿素未利用比率算出手段と、
    前記尿素未利用比率算出手段により算出された尿素未利用比率の値の経時的な変化率を算出し、当該変化率に基づいて前記排ガス通路への尿素の堆積を判定する堆積判定手段と、
    前記尿素未利用比率算出手段により算出された尿素未利用比率の値に基づいて、前記還元触媒の劣化を判定する劣化判定手段と、を備えることを特徴とする内燃機関の排ガス浄化装置。
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