JP5846490B2 - 内燃機関の排ガス浄化装置 - Google Patents
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このような排ガス浄化装置では、尿素水を排ガス中に供給するのが一般的であり、尿素水インジェクタなどを用いて排ガス中に尿素水を噴射する。尿素水インジェクタから排ガス中に噴射された尿素水は排ガスの熱により加水分解し、その結果生成されるアンモニアが還元触媒に供給される。こうして還元触媒に供給されたアンモニアと排ガス中のNOxとの間の脱硝反応が還元触媒によって促進されることによりNOxが還元されて排ガスが浄化される。
前記還元触媒で浄化されたNOx量を算出するNOx量算出手段と、
前記NOx量算出手段により算出されたNOx量の浄化に必要な必要尿素水量を算出する必要尿素水量算出手段と、
前記尿素水供給手段から前記排ガス通路に供給された尿素水消費量を算出する尿素水消費量算出手段と、
前記必要尿素水量算出手段により算出された必要尿素水量、及び前記尿素水消費量算出手段により算出された尿素水消費量に基づいて、前記排ガス通路内に供給された尿素水の濃度を算出する尿素水濃度算出手段と、
尿素水濃度算出手段により算出された尿素水の濃度が、予め規定した規定値未満か否かを判定する尿素水濃度判定手段と、を備えることを特徴とする。
また、高価な尿素水濃度センサを用いることなく、尿素水の濃度を算出することができるので、排ガス浄化装置の製作コストを低減することができる。
前記還元触媒よりも上流側の排ガスに含まれるNOx量を所定期間にわたって積算した第1NOx量から、前記還元触媒よりも下流側の排ガスに含まれるNOx量を前記所定期間にわたって積算した第2NOx量を減算して、前記還元触媒で浄化されたNOx量としてもよい。
なお、本明細書において、所定期間とは、予め設定された所定時間、車両の走行距離、仕事量等を含むものとする。
前記NOx量算出手段により算出されたNOx量の還元に必要なアンモニア量を還元反応のモル比に応じて算出し、当該アンモニア量の発生に必要な前記規定値の濃度の尿素水量を算出して、前記必要尿素水量としてもよい。
前記必要尿素水量算出手段により算出された必要尿素水量を、前記尿素水消費量算出手段により算出された尿素水消費量で除算して尿素水比を算出し、当該尿素水比に尿素水の濃度の規定値を乗算して、尿素水の濃度としてもよい。
図1及び図2に示すように、ディーゼルエンジン(以下、エンジン1という)の排ガス浄化装置2は、前段酸化触媒4と、パティキュレートフィルタ(以下フィルタ6という)と、SCR(Selective Catalyst Reduction)触媒8と、を備えている。
排ガス通路16は、ターボチャージャ7のタービン7aを経由して排ガス浄化装置2に接続されている。また、タービン7aはコンプレッサ7bと機械的に連結されており、タービン7aが排ガス通路16内を流動する排気を受けてコンプレッサ7bを駆動する。
フィルタ6は、排ガス中のPM(Paticulate Matter:粒子状物質)を捕集する。このフィルタ6はハニカム型のセラミック体からなり、上流側と下流側とを連通する通路が多数並設されると共に、この通路の上流側開口と下流側開口とが交互に閉鎖されており、エンジン1の排ガスが内部を流通することによって排ガス中のPMが捕集される。
なお、本実施形態では、エンジン1の運転状態から第1NOx量を定める場合について説明したが、この方法に限定されるものではなく、例えば、タービン7aの直上流の排ガス通路16にNOx濃度センサを設け、当該NOx濃度センサにより計測された計測値に、単位時間当たりの排ガス流量を乗算して、エンジン1から排出される単位時間当たりの第1NOx量を算出してもよい。
浄化NOx量=第1NOx積算量−第2NOx積算量・・・式(1)
算出された浄化NOx量は、NOx量算出部15により、後述する必要尿素水量算出部17に出力される。
温度センサ28は、計測結果を電気信号としてコントロールユニット13へ出力する。コントロールユニット13の尿素水制御部22は、温度センサ28により計測された排ガスの温度に基づいて、噴射装置20から尿素水を供給するか否かを決定する。
そして、尿素水流量計23は、計測結果を電気信号としてコントロールユニット13へ出力する。なお、本実施形態では、尿素水供給用ポンプ25から供給される尿素水の流量を計測する尿素水流量計23を設けた場合について説明したが、これに限定されるものではなく、尿素水の供給量を計測可能なメータリングユニットを備えた尿素水供給用ポンプを用いてもよい。要は、尿素水供給用ポンプから供給される尿素水の流量を計測できる機能を備えていればよい。
使用すべき正規の尿素水の濃度は、予め定められており、本実施形態では、尿素の飽和状態である32.5%とした。以下、濃度32.5%を規定濃度という。なお、本実施形態では、規定濃度を32.5%としたが、この値に限定されるものではなく、32.5%未満としてもよいが、尿素水の消費量が増加するため、32.5%に近い値であることが望ましい。
具体的にNO2は、1/2モル等量のアンモニア((NH2)2CO)と反応して浄化されるため、浄化NOx量を還元するのに必要なアンモニア量Anを、次式(2)により算出する。なお、NO2の分子量を46g/mol、アンモニアの分子量を60g/molとした。
An=(浄化NOx量/(46×2))×60 ・・・式(2)
ここで、Anはアンモニア量(g)であり、浄化NOx量は上記式(1)から算出される値(g)である。また、値46はNO2の分子量(g)、値2はモル数、値60はアンモニアの分子量(g)である。
Un=An×(1/0.325)×α ・・・式(3)
ここで、Unは、必要尿素水量(g)であり、値0.325は、尿素水の規定濃度である。また、αは、実験等から求められる係数(例えば、1.00〜1.10)である。係数αの値は予め決定されている。
算出した必要尿素水量は、必要尿素水量算出部17により尿素水制御部22及び尿素水濃度算出部33に出力される。
なお、本実施形態においては、浄化NOx量に基づいて必要尿素水量Unを算出する過程において、式(2)及び式(3)を別々に計算した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、式(2)及び式(3)をまとめた次式(4)にて、必要尿素水量Unを算出してもよい。
Un=(浄化NOx量/(46×2))×60×(1/0.325)×α ・・・式(4)
排ガス中に供給された尿素水は霧化し、排ガスの熱により加水分解してアンモニアとなってSCR触媒8に供給される。SCR触媒8は、アンモニアと排ガス中のNOxとの脱硝反応を促進することにより、NOxを還元して無害なN2とする。
UD =(Un/Ut)×32.5 ・・・式(5)
ここで、UDは実尿素水濃度(%)である。また、Unは必要尿素水量算出部17より算出された必要尿素水量(g)であり、Utは実尿素水消費量(g)である。そして、値32.5は尿素水の規定濃度(%)である。
算出された実尿素水濃度UDは、尿素水濃度算出部33により尿素水濃度判定部35に出力される。
そして、尿素水濃度判定部35により、実尿素水濃度UDが規定濃度未満であると判定された場合、尿素水濃度判定部35は運転席付近に設置された警告ランプ37を点滅させて、尿素水の濃度が規定濃度未満であることを運転手に警告する。
図3に示すように、まず、第1NOx量、第2NOx量及び連通路32に供給される尿素水量の積算を開始する(ステップS2)。
コントロールユニット13は、ステップS4において、積算時間が所定時間を経過していないと判定したら、ステップS2を継続する。
一方、コントロールユニット13は、ステップS4において、積算時間が所定時間を経過していると判定したら、NOx量算出部15は、格納している第1NOx量及び第2NOx量に基づいて、第1NOx積算量及び第2NOx積算量を算出する。続いて、算出した第1NOx積算量及び第2NOx積算量に基づいて、上記式(1)より浄化NOx量を算出する(ステップS6)。
そして、NOx量算出部15は、算出した浄化NOx量を必要尿素水量算出部17に出力する。
そして、必要尿素水量算出部17は、必要尿素水量を算出した旨を尿素水消費量算出部36に出力するとともに、算出した必要尿素水量を尿素水濃度算出部33に出力する。
続いて、尿素水消費量算出部36は、算出した実尿素水消費量を尿素水濃度算出部33に出力する。
続いて、尿素水濃度算出部33は、実尿素水濃度UDを尿素水濃度判定部35に出力する。
そして、尿素水濃度判定部35は、実尿素水濃度UDが32.5%未満であると判定した場合、運転席付近に設置された警告ランプ37を点滅させて、尿素水の濃度が32.5%未満であることを運転手に警告する(ステップS16)。
一方、尿素水濃度判定部35は、実尿素水濃度UDが32.5%以上であると判定した場合、再び、ステップS2を実施する。
また、高価な尿素水濃度センサを用いることなく、尿素水の濃度を算出することができるので、排ガス浄化装置2の製作コストを低減することができる。
2 排ガス浄化装置
3 燃料噴射弁
4 前段酸化触媒
5 燃焼室
6 フィルタ
7 ターボチャージャ
7a タービン
7b コンプレッサ
8 SCR触媒
9 排気マニホールド
12 ECU
13 コントロールユニット
14 上流側ケーシング
15 NOx量算出部
16 排ガス通路
17 必要尿素水量算出部
18 下流側ケーシング
20 噴射装置
21 制御弁
22 尿素水制御部
23 尿素水流量計
24 尿素水インジェクタ
25 尿素水供給用ポンプ
26 尿素水タンク
28 温度センサ
29 ミキシングチャンバー
30 圧縮エア
31 供給管
32 連通路
33 尿素水濃度算出部
34 テールパイプ
35 尿素水濃度判定部
36 尿素水消費量算出部
37 警告ランプ
46 NOx濃度センサ
Claims (5)
- 内燃機関の排ガス通路に設けられ、排ガスに含まれるNOxを還元する還元触媒と、当該還元触媒よりも上流側の前記排ガス通路内に尿素水を供給する尿素水供給手段と、を備えた内燃機関の排ガス浄化装置であって、
前記還元触媒で浄化されたNOx量を算出するNOx量算出手段と、
前記NOx量算出手段により算出されたNOx量の浄化に必要な必要尿素水量を算出する必要尿素水量算出手段と、
前記尿素水供給手段から前記排ガス通路に供給された尿素水消費量を算出する尿素水消費量算出手段と、
前記必要尿素水量算出手段により算出された必要尿素水量、及び前記尿素水消費量算出手段により算出された尿素水消費量に基づいて、前記排ガス通路内に供給された尿素水の濃度を算出する尿素水濃度算出手段と、
尿素水濃度算出手段により算出された尿素水の濃度が、予め規定した規定値未満か否かを判定する尿素水濃度判定手段と、を備えることを特徴とする内燃機関の排ガス浄化装置。 - 前記尿素水濃度判定手段によって前記尿素水の濃度が前記規定値未満であると判定された際に、運転者に対して警報を発する警告手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排ガス浄化装置。
- 前記NOx量算出手段は、
前記還元触媒よりも上流側の排ガスに含まれるNOx量を所定期間にわたって積算した第1NOx量から、前記還元触媒よりも下流側の排ガスに含まれるNOx量を前記所定期間にわたって積算した第2NOx量を減算して、前記還元触媒で浄化されたNOx量とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の排ガス浄化
装置。 - 前記必要尿素水量算出手段は、
前記NOx量算出手段により算出されたNOx量の還元に必要なアンモニア量を還元反応のモル比に応じて算出し、当該アンモニア量の発生に必要な前記規定値の濃度の尿素水量を算出して、前記必要尿素水量とすることを特徴とする請求項1〜3のうち何れか一項に記載の内燃機関の排ガス浄化装置。 - 前記尿素水濃度算出手段は、
前記必要尿素水量算出手段により算出された必要尿素水量を、前記尿素水消費量算出手段により算出された尿素水消費量で除算して尿素水比を算出し、当該尿素水比に尿素水の濃度の前記規定値を乗算して、尿素水の濃度とすることを特徴とする請求項1〜4のうち何れか一項に記載の内燃機関の排ガス浄化装置。
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