JP5926796B2 - リーク検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、リーク検出装置に関する。
電気自動車等に搭載されたバッテリおよび電源装置は、感電を防止するため、車体や他の回路に対して絶縁されている。こうしたバッテリや電源装置の絶縁に関して、絶縁不良による漏電(リーク)を検出するリーク検出装置が従来提案されている。特許文献1には、組電池を用いたバッテリとグラウンドの間における絶縁抵抗の一部の抵抗値を変化させ、このときの絶縁抵抗を検出することにより、リークの有無を検出する技術が開示されている。
日本国特開2010−19603号公報
上記特許文献1に記載されている従来技術では、実使用時のバッテリ電圧の変動が想定されていない。そのため、インバータの動作等によりバッテリ電圧が変動すると、リークの有無を正しく検出することが困難な場合がある。
本発明の一態様によるリーク検出装置は、バッテリとグランドの間のリークを検出する装置であって、バッテリの正極側に接続されている正極接続線およびバッテリの負極側に接続されている負極接続線に所定のパルス信号をそれぞれ出力するパルス信号出力部と、正極接続線に出力されたパルス信号に対する正極応答波形と、負極接続線に出力されたパルス信号に対する負極応答波形とを検出する応答波形検出部と、正極応答波形および負極応答波形に基づいて振幅比率を算出する振幅比率算出部と、振幅比率に基づいて、バッテリとグランドの間のリークを検出するリーク検出部とを備え、振幅比率算出部は、正極応答波形の振幅Vap、負極応答波形の振幅Van、正極応答波形の極大値と負極応答波形の極大値との差分V1、および正極応答波形の極小値と負極応答波形の極小値との差分V2を基に、下記の式により、振幅比率Rvを算出する
Rv=(Vap+Van)/(V1+V2)
本発明の他の一態様によるリーク検出装置は、バッテリとグランドの間のリークを検出する装置であって、バッテリの正極側に接続されている正極接続線およびバッテリの負極側に接続されている負極接続線に所定のパルス信号をそれぞれ出力するパルス信号出力部と、正極接続線および負極接続線とパルス信号出力部との間をそれぞれ絶縁する絶縁回路と、パルス信号出力部から絶縁回路を介して正極接続線に出力されたパルス信号に対する正極応答波形と、パルス信号出力部から絶縁回路を介して負極接続線に出力されたパルス信号に対する負極応答波形とを検出する応答波形検出部と、正極応答波形および負極応答波形に基づいて、バッテリとグランドの間のリークを検出するリーク検出部と、パルス信号出力部から正極接続線および負極接続線にパルス信号がそれぞれ出力されたときの絶縁回路の出力電圧波形を、正極モニタ波形および負極モニタ波形として検出するモニタ波形検出部と、正極モニタ波形および負極モニタ波形に基づいて絶縁回路の状態を診断する絶縁診断部とを備える。
本発明によれば、バッテリ電圧が変動しても、リークの有無を正しく検出することができる。
本発明の一実施形態に係るリーク検出装置を含む電源装置の構成を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係るリーク検出装置の構成を示す図である。 リークなし時の応答波形の例を示す図である。 正極側にリークが生じた時の応答波形の例を示す図である。 負極側にリークが生じた時の応答波形の例を示す図である。 リーク検出処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態に係るリーク検出装置の構成を示す図である。 フォトモスリレーが正常状態で正極側にリークが生じた時の応答波形の例を示す図である。 フォトモスリレーが短絡状態でリークが生じていない時の応答波形の例を示す図である。 フォトモスリレーが正常状態でリークが生じていない時の応答波形の例を示す図である。 正極側のフォトモスリレーが短絡している時のモニタ波形の例を示す図である。 負極側のフォトモスリレーが短絡している時のモニタ波形の例を示す図である。 フォトモスリレーが正常な時のモニタ波形の例を示す図である。 リークおよびリレー状態検出処理の流れを示すフローチャートである。
(第1の実施形態)
以下、本発明の一実施形態について図面を用いて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るリーク検出装置を含む電源装置の構成を示す図である。この電源装置は、たとえば車両内に搭載されて使用されるものである。図1の電源装置は、モータ9と接続されており、バッテリ1および2、サービスディスコネクト(SD)スイッチ3、メインリレー4および5、プリチャージリレー6、プリチャージ抵抗7、インバータ8、およびリーク検出装置100を備える。
バッテリ1、2は、モータ9を駆動するための直流電力を発生してインバータ8に供給する。さらに、モータ9を発電機として動作させることにより発生された回生電力をバッテリ1、2に蓄電してもよい。たとえば、リチウムイオン電池等を用いた電池セルを複数個接続して、バッテリ1、2をそれぞれ構成することができる。バッテリ1とバッテリ2は、保守点検用のSDスイッチ3を介して互いに接続されている。保守点検時には、作業者の感電を防止するため、SDスイッチ3を開くことによりバッテリ1とバッテリ2の間の接続が遮断される。
バッテリ1、2とインバータ8は、メインリレー4、5およびプリチャージリレー6を介して接続される。メインリレー4、5およびプリチャージリレー6の開閉状態は、不図示の制御装置によりそれぞれ制御される。バッテリ1とプリチャージリレー6の間には、プリチャージ抵抗7が設けられている。バッテリ1、2からインバータ8への通電開始時には、最初にメインリレー5とプリチャージリレー6が閉じられることにより、バッテリ1、2とインバータ8がプリチャージ抵抗7を介して接続される。これにより、バッテリ1、2からインバータ8へ流れる突入電流が制限され、メインリレー4、5およびプリチャージリレー6の接点が保護される。その後、メインリレー4が閉じられると共にプリチャージリレー6が開放されることで、バッテリ1、2とインバータ8がプリチャージ抵抗7を介さずに接続される。このようにして、メインリレー4、5およびプリチャージリレー6の開閉が制御されることにより、バッテリ1、2とインバータ8の接続状態が切り替えられる。
インバータ8は、ノイズ除去や電流平滑化のためのコンデンサ10、11および12と、IGBT回路13とを有する。IGBT回路13は、スイッチング素子としての複数のIGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)を内蔵している。各IGBTのスイッチング動作は、不図示の制御装置により制御される。これにより、バッテリ1、2から供給された直流電力が交流電力に変換され、モータ9へ出力される。また、モータ9により発生された交流回生電力が直流電力に変換され、バッテリ1、2において蓄電される。
リーク検出装置100は、バッテリ1、2とシャーシグランドとの間のリークを検出するための装置である。リーク検出装置100は、バッテリ1、2の正極側に接続されている正極接続線21と、バッテリ1、2の負極側に接続されている負極接続線22とを介して、バッテリ1、2とインバータ3との間に接続されている。
図2は、本発明の一実施形態に係るリーク検出装置100の構成を示す図である。リーク検出装置100は、トランジスタ回路101および102、フォトモスリレー103および104、リーク抵抗105および106、マイコン200、分圧抵抗部301および302、オペアンプ303および304、および差動アンプ305を備える。リーク抵抗105、106および分圧抵抗部301、302は、コネクタ110、111を介して、上記の正極接続線21、負極接続線22とそれぞれ接続されている。
マイコン200は、パルス信号出力部201、応答波形検出部202、振幅比率算出部203およびリーク検出部204を機能的に有する。マイコン200は、不図示のメモリに予め記憶された所定のプログラムを実行することにより、これらの各部に対応する機能を実現することができる。
パルス信号出力部201は、トランジスタと複数の抵抗素子を用いて構成されているトランジスタ回路101、102に対して、所定のパルス信号を正極パルス信号および負極パルス信号としてそれぞれ出力する。トランジスタ回路101、102は、これらのパルス信号がオン(Hレベル)の期間に応じて、フォトモスリレー103、104の入力側に設けられた発光ダイオードに所定の動作電流をそれぞれ流す。
フォトモスリレー103、104は、入力側に発光ダイオード、出力側にフォトMOSFETがそれぞれ設けられており、これらの間は電気的に絶縁されている。フォトモスリレー103、104の入力側は、トランジスタ回路101、102を介して、マイコン200のパルス信号出力部201と接続されている。フォトモスリレー103、104の出力側は、リーク抵抗105、106およびコネクタ110、111を介して、正極接続線21、負極接続線22とそれぞれ接続されている。すなわち、リーク検出装置100において、フォトモスリレー103、104は、正極接続線21、負極接続線22とパルス信号出力部201との間をそれぞれ絶縁する絶縁回路として機能している。
前述のように、パルス信号出力部201からトランジスタ回路101、102へ正極パルス信号および負極パルス信号が出力されると、これらの各パルス信号に応じた動作電流がフォトモスリレー103、104の発光ダイオードにそれぞれ流れる。この動作電流により、フォトモスリレー103、104において入力側の発光ダイオードが間欠的に発光すると、出力側のフォトMOSFETは、リーク抵抗105、106と制御グランドとの間の接続状態を発光タイミングに応じて切り替える。その結果、正極接続線21、負極接続線22は、リーク抵抗105、106を介して、断続的に制御グランドにそれぞれ接続される。このような動作により、パルス信号出力部201は、トランジスタ回路101、102、フォトモスリレー103、104およびリーク抵抗105、106を介して、正極パルス信号と負極パルス信号を正極接続線21、負極接続線22へそれぞれ出力することができる。
上記のようにして、パルス信号出力部201から正極接続線21へ正極パルス信号が出力されると、正極接続線21では、正極パルス信号に応じた電圧変動が生じる。この電圧変動の波形(正極応答波形)は、バッテリ1、2の正極側とシャーシグランドとの間の絶縁抵抗に応じて変化する。同様に、パルス信号出力部201から負極接続線22へ負極パルス信号が出力されると、負極接続線22では、負極パルス信号に応じた電圧変動が生じる。この電圧変動の波形(負極応答波形)は、バッテリ1、2の負極側とシャーシグランドとの間の絶縁抵抗に応じて変化する。
正極接続線21における正極応答波形と、負極接続線22における負極応答波形とは、分圧抵抗部301、302およびオペアンプ303、304を介して、マイコン200の応答波形検出部202にそれぞれ入力される。このとき、分圧抵抗部301、302により正極接続線21と負極接続線22の電圧をそれぞれ分圧することで、これらの電圧がオペアンプ303、304の動作範囲内となるようにする。さらに、分圧抵抗部301、302の各抵抗値を適切に選択することで、オペアンプ303、304を介してマイコン200へ入力される正極応答波形および負極応答波形が、いずれもマイコン200の入力電圧範囲内に収まるようにする。なお、分圧抵抗部301と分圧抵抗部302の間の電圧は、マイコン200に対する入力電圧範囲の上限であるVcc電圧の1/2となるように設定されている。
応答波形検出部202は、A/D変換器210を内蔵しており、このA/D変換器210を用いることで、分圧抵抗部301、302およびオペアンプ303、304を介して入力された正極応答波形および負極応答波形をデジタル値としてそれぞれ取り込む。これにより、応答波形検出部202において正極応答波形および負極応答波形を検出することができる。さらに、応答波形検出部202は、A/D変換器210を用いて、差動アンプ305から出力される正極応答波形と負極応答波形の差分、すなわち正極接続線21と負極接続線22の間の電圧を取り込むことで、バッテリ1、2の総電圧を検出することもできる。
振幅比率算出部203は、応答波形検出部202により検出された正極応答波形および負極応答波形に基づいて、バッテリ1、2とシャーシグランドとの間のリーク状態に応じた振幅比率を算出する。リーク検出部204は、振幅比率算出部203により算出された振幅比率に基づいて、バッテリ1、2とシャーシグランドとの間のリークを検出する。なお、振幅比率算出部203による振幅比率の算出方法と、リーク検出部204によるリークの検出方法については、後で詳細に説明する。
次に、応答波形検出部202により検出される応答波形の例について説明する。図3は、正常時、すなわちリークなし時の応答波形の例を示す図である。一方、図4、5は、異常時、すなわちリーク発生時の応答波形の例をそれぞれ示している。図4は、正極側にリークが生じた時の応答波形の例を示す図であり、図5は、負極側にリークが生じた時の応答波形の例を示す図である。ここでは、正極パルス信号および負極パルス信号として、オン(Hレベル)とオフ(Lレベル)を0.5秒ごとに繰り返すパルス信号を、パルス信号出力部201から正極接続線21、負極接続線22へそれぞれ出力した場合の応答波形例を示している。
図3〜5の各応答波形において、上側の波形は正極応答波形を、下側の波形は負極応答波形をそれぞれ示している。また、正極応答波形の振幅をVap、負極応答波形の振幅をVanとそれぞれ表している。さらに、正極応答波形の極大値(最大値)と負極応答波形の極大値(最大値)との差分をV1、正極応答波形の極小値(最小値)と負極応答波形の極小値(最小値)との差分をV2とそれぞれ表している。
図3〜5の各応答波形を比較すると、図3のリークなし時の応答波形に比べて、図4、5のリーク発生時の応答波形では、正極応答波形の振幅Vapおよび負極応答波形の振幅Vanが減少している。一方、上記の差分V1およびV2については、図3のリークなし時の応答波形と、図4、5のリーク発生時の応答波形との間で、特に変化は見られない。すなわち、リーク発生時には、正極応答波形と負極応答波形において振幅のみがそれぞれ変化し、これらの間の差分、すなわち正極接続線21と負極接続線22の間の電位差については変化しない。
振幅比率算出部203は、図3〜5の各応答波形に示した正極応答波形の振幅Vapおよび負極応答波形の振幅Vanと、差分V1およびV2とに基づいて、下記の式(1)により、振幅比率Rvを算出する。算出された振幅比率Rvは、振幅比率算出部203からリーク検出部204に送られる。
Rv=(Vap+Van)/(V1+V2) ・・・(1)
ここで、リーク発生時には前述のように、正極応答波形の振幅Vapおよび負極応答波形の振幅Vanがリークなし時に比べて減少する。一方、差分V1およびV2については変化しない。したがって、上記の式(1)で算出される振幅比率Rvは、バッテリ1、2とシャーシグランドとの間のリーク状態に応じて変化し、リーク発生時には正常時よりも小さな値となることが分かる。これを利用することで、リーク検出部204において、振幅比率Rvの値からバッテリ1、2とシャーシグランドとの間におけるリークの有無を検知することができる。
図6は、上記のようにしてリークの有無を検出する際に、マイコン200において実行されるリーク検出処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS10において、マイコン200は、パルス信号出力部201により、正極パルス信号および負極パルス信号として、所定のパルス信号を出力する。パルス信号出力部201から出力された正極パルス信号は、トランジスタ回路101、フォトモスリレー103およびリーク抵抗105を介して、正極接続線21へ出力される。また、パルス信号出力部201から出力された負極パルス信号は、トランジスタ回路102、フォトモスリレー104およびリーク抵抗106を介して、負極接続線22へ出力される。
ステップS20において、マイコン200は、応答波形検出部202により、ステップS10で出力された正極パルス信号および負極パルス信号に対する応答波形を、正極応答波形および負極応答波形として検出する。このとき、正極応答波形は、正極接続線21から分圧抵抗部301およびオペアンプ303を介してA/D変換器210に入力され、応答波形検出部202において検出される。また、負極応答波形は、負極接続線22から分圧抵抗部302およびオペアンプ304を介してA/D変換器210に入力され、応答波形検出部202において検出される。
ステップS30において、マイコン200は、振幅比率算出部203により、ステップS20で検出された正極応答波形および負極応答波形から、正極応答波形の振幅Vapおよび負極応答波形の振幅Vanを算出する。たとえば、ステップS20で検出された所定周期分の正極応答波形および負極応答波形において、各周期での振幅をそれぞれ求め、これらの平均値をそれぞれ算出することにより、正極応答波形の振幅Vapおよび負極応答波形の振幅Vanを算出することができる。このとき、ステップS10で出力された正極パルス信号および負極パルス信号におけるオンオフのタイミングから、正極応答波形および負極応答波形におけるオンオフのタイミングを決定してもよい。
ステップS40において、マイコン200は、振幅比率算出部203により、ステップS20で検出された正極応答波形および負極応答波形から、正極応答波形の極大値(最大値)と負極応答波形の極大値(最大値)との差分V1と、正極応答波形の極小値(最小値)と負極応答波形の極小値(最小値)との差分V2とを算出する。たとえば、ステップS20で検出された所定周期分の正極応答波形および負極応答波形において、各周期での正極応答波形の極大値および極小値と、各周期での負極応答波形の極大値および極小値とを求め、これらの差分を各周期について算出する。そして、算出された各周期の差分に対して平均値を算出することにより、上記の差分V1、V2を算出することができる。
なお、ステップS30とステップS40を分けずに、一連の処理で同時に実行してもよい。たとえば、ステップS20で検出された正極応答波形および負極応答波形から、正極応答波形の極大値(最大値)および極小値(最小値)と、負極応答波形の極大値(最大値)および極小値(最小値)とを求める。そして、正極応答波形の極大値(最大値)と極小値(最小値)の差分から正極応答波形の振幅Vapを算出すると共に、負極応答波形の極大値(最大値)と極小値(最小値)の差分から負極応答波形の振幅Vanを算出する。また、正極応答波形の極大値(最大値)と負極応答波形の極大値(最大値)の差分V1と、正極応答波形の極小値(最小値)と負極応答波形の極小値(最小値)の差分V2とを算出する。このとき、前述のステップS30、S40と同様に、所定周期分の正極応答波形および負極応答波形を用いて、各周期の平均値を算出してもよい。
ステップS50において、マイコン200は、振幅比率算出部203により、ステップS30、S40の算出結果を基に、前述の式(1)を用いて振幅比率Rvを算出する。
ステップS60において、マイコン200は、リーク検出部204により、ステップS50で算出された振幅比率Rvを所定の閾値Rthと比較し、振幅比率Rvが閾値Rth未満であるか否かを判定する。この判定に用いられる閾値Rthは、リークが生じていない正常時の振幅比率Rvよりも小さな値であり、図4、5で例示したようなリーク発生時の応答波形に応じて予め設定される。ステップS60の判定の結果、振幅比率Rvが閾値Rth未満であると判定した場合はステップS70へ進み、そうでない場合は図6のフローチャートに示すリーク検出処理を終了する。
ステップS70において、マイコン200は、リーク検出部204により、バッテリ1、2とシャーシグランドとの間のリークを検出する。ここでは、バッテリ1、2の正極側と負極側を区別せずに、これらの少なくとも一方とシャーシグランドとの間にリークが生じたものとして検出する。さらにこのとき、リーク発生を車両内のユーザに報知するための所定の警告信号を出力してもよい。ステップS70を実行したら、マイコン200は、図6のフローチャートに示すリーク検出処理を終了する。
以上説明した本発明の一実施形態によれば、次の作用効果を奏する。
(1)リーク検出装置100は、マイコン200において、パルス信号出力部201により、バッテリ1、2の正極側に接続されている正極接続線21およびバッテリ1、2の負極側に接続されている負極接続線22に、所定のパルス信号をそれぞれ出力する(ステップS10)。そして、応答波形検出部202により、正極接続線21に出力された正極パルス信号に対する正極応答波形と、負極接続線22に出力された負極パルス信号に対する負極応答波形とを検出する(ステップS20)。この正極応答波形および負極応答波形に基づいて、振幅比率算出部203により振幅比率を算出し(ステップS50)、算出された振幅比率に基づいて、リーク検出部204により、バッテリ1、2とシャーシグランドとの間のリークを検出する(ステップS60、S70)。このようにしたので、バッテリ電圧が変動しても、リークの有無を正しく検出することができる。
(2)振幅比率算出部203は、ステップS50において、ステップS30で算出した正極応答波形の振幅Vapおよび負極応答波形の振幅Vanと、ステップS40で算出した正極応答波形の極大値と負極応答波形の極大値との差分V1および正極応答波形の極小値と負極応答波形の極小値との差分V2とを基に、前述の式(1)により、振幅比率Rvを算出する。このようにしたので、正極応答波形および負極応答波形から、バッテリ1、2とシャーシグランドとの間のリーク状態に応じた振幅比率を算出することができる。
(3)リーク検出部204は、ステップS60において振幅比率Rvが所定の閾値Rth未満であるか否かを判定し、閾値Rth未満となったときに、ステップS70において、バッテリ1、2の正極側と負極側の少なくとも一方とシャーシグランドとの間にリークを検出する。このようにしたので、リークの発生を容易かつ確実に検出することができる。
(4)リーク検出装置100は、正極接続線21および負極接続線22とパルス信号出力部201との間をそれぞれ絶縁する絶縁回路としてのフォトモスリレー103、104を備える。パルス信号出力部201は、このフォトモスリレー103、104を介して、正極接続線21および負極接続線22にパルス信号をそれぞれ出力する。このようにしたので、パルス信号出力部201を有するマイコン200と正極接続線21および負極接続線22との間の電位差に関わらず、パルス信号出力部201から正極接続線21および負極接続線22へパルス信号を出力することができる。さらに、フォトモスリレー103、104を用いて絶縁回路を構成しているため、高電圧のバッテリ1、2を使用した場合でも、正極接続線21および負極接続線22とパルス信号出力部201との間を適切に絶縁することができる。
(5)リーク検出装置100は、正極接続線21および負極接続線22の電圧をそれぞれ分圧する分圧抵抗部301、302を備える。応答波形検出部202は、この分圧抵抗部301、302を介して、正極応答波形および負極応答波形を検出する。このようにしたので、正極応答波形および負極応答波形を適切な電圧範囲内でそれぞれ検出することができる。
(第2の実施形態)
次に本発明の第2の実施形態について説明する。上記の第1の実施形態では、バッテリとシャーシグランドとの間の接続線に対して、正極および負極側にそれぞれパルス信号を入力したときの応答波形に基づいてリークを検出するリーク検出装置について説明した。これに対して、以下に説明する第2の実施形態では、第1の実施形態で説明したのと同様のリーク検出に加えて、パルス信号の入力に用いられる絶縁回路の状態検出を行うリーク検出装置について説明する。
図7は、本実施形態に係るリーク検出装置100aの構成を示す図である。図7に示すリーク検出装置100aは、図2に示した第1の実施形態に係るリーク検出装置100と比べて、マイコン200内にモニタ波形検出部205および絶縁診断部206がさらに設けられている点と、フォトモスリレー103、104に分圧回路107、108がそれぞれ接続されている点とが異なっている。なお、このリーク検出装置100aを含む電源装置は、図1に示したリーク検出装置100を含む電源装置と同様の構成を有している。
分圧回路107、108は、フォトモスリレー103、104の出力側のフォトMOSFETと制御グランドとの間にそれぞれ接続されている。そして、パルス信号出力部201からフォトモスリレー103、104を介して正極接続線21および負極接続線22に正極パルス信号および負極パルス信号がそれぞれ出力されたときのフォトモスリレー103、104の出力電圧を、それぞれ所定の分圧比により分圧して出力する。これらの出力電圧の波形は、正極モニタ波形および負極モニタ波形として、分圧回路107、108からマイコン200のモニタ波形検出部205へそれぞれ出力される。
モニタ波形検出部205は、A/D変換器211を内蔵しており、このA/D変換器211を用いることで、分圧回路107、108から入力された正極モニタ波形および負極モニタ波形をデジタル値としてそれぞれ取り込む。これにより、モニタ波形検出部205において、正極パルス信号および負極パルス信号が出力されたときの正極モニタ波形および負極モニタ波形を検出することができる。
絶縁診断部206は、モニタ波形検出部205により検出された正極モニタ波形および負極モニタ波形に基づいて、フォトモスリレー103、104の状態が正常であるか、それとも短絡状態や開放状態等の異常な状態であるかを診断する。なお、絶縁診断部206によりフォトモスリレー103、104の状態診断を行う具体的な方法については、後で詳細に説明する。
ここで、フォトモスリレー103、104が短絡状態となった場合に検出される応答波形について説明する。たとえば、フォトモスリレー103が故障等により短絡状態となると、パルス信号出力部201からの正極パルス信号の出力の有無に関わらず、正極接続線21や負極接続線22が常に制御グランドに接続された状態となる。この場合、バッテリ1、2とシャーシグランドの間にリークが発生していなくても、応答波形検出部202においてリーク発生時と同様の応答波形が検出されてしまうため、応答波形からリーク発生の有無を判断できなくなってしまう。
上記の具体例を図8、9に示す。図8は、フォトモスリレー103が正常状態で正極側にリークが生じた時の応答波形の例を示す図である。一方、図9は、フォトモスリレー103が短絡状態でリークが生じていない時の応答波形の例を示す図である。これらの図から、フォトモスリレー103が短絡状態のときには、リーク発生時と同様の応答波形が検出されることが分かる。なお、図10は、フォトモスリレー103が正常状態でリークが生じていない時の応答波形の例を示す図であり、図3に示した第1の実施形態におけるリークなし時の応答波形と同様である。
負極側についても同様に、フォトモスリレー104が故障等により短絡状態となると、パルス信号出力部201からの負極パルス信号の出力の有無に関わらず、正極接続線21や負極接続線22が常に制御グランドに接続された状態となる。この場合、バッテリ1、2とシャーシグランドの間にリークが発生していなくても、応答波形検出部202においてリーク発生時と同様の応答波形が検出されてしまうため、応答波形からリーク発生の有無を判断できなくなってしまう。
以上説明したような問題点を解決するために、本実施形態では、分圧回路107、108から出力される正極モニタ波形および負極モニタ波形をモニタ波形検出部205により検出し、これらの波形に基づいて、絶縁回路であるフォトモスリレー103、104がそれぞれ正常な状態にあるか否かを絶縁診断部206により診断する。この診断結果を第1の実施形態で説明した応答波形に基づくリーク状態の検出結果と合わせて用いることで、正極接続線21および負極接続線22におけるリークの有無を正しく検出できるようにしている。
モニタ波形検出部205により検出されるモニタ波形の例について説明する。図11は、正極側のフォトモスリレー103が短絡している時のモニタ波形の例を示す図であり、図12は、負極側のフォトモスリレー104が短絡している時のモニタ波形の例を示す図である。一方、図13は、フォトモスリレー103、104が正常な時のモニタ波形の例を示す図である。
図11〜13の各モニタ波形において、実線で示した波形は正極パルス信号のオンオフに応じた正極モニタ波形を、破線で示した波形は負極パルス信号のオンオフに応じた負極モニタ波形をそれぞれ表している。なお、図11〜13において、上段に示した「ON」および「OFF」は正極パルス信号のオンオフのタイミングを表しており、下段に示した「ON」および「OFF」は負極パルス信号のオンオフのタイミングを表している。このように、モニタ波形検出部205においてモニタ波形を検出する際には、パルス信号出力部201から正極パルス信号と負極パルス信号とを交互に出力する。すなわち、正極パルス信号と負極パルス信号のオンオフのタイミングを相互にずらして、これらが交互にオンされるようにする。
図11〜13の各モニタ波形では、8秒付近および10秒付近において、正極パルス信号がオンからオフに切り替えられると共に、負極パルス信号がオフからオンに切り替えられている。この直前のタイミング、すなわち正極パルス信号の立ち下がり開始点および負極パルス信号の立ち上がり開始点に対応するタイミングを、以下では第1基準時点と称する。図11〜13において、Vmp1、Vmn1は第1基準時点における正極モニタ波形と負極モニタ波形の電圧をそれぞれ表している。
また、9秒付近においては、正極パルス信号がオフからオンに切り替えられると共に、負極パルス信号がオンからオフに切り替えられている。この直前のタイミング、すなわち正極パルス信号の立ち上がり開始点および負極パルス信号の立ち下がり開始点に対応するタイミングを、以下では第2基準時点と称する。図11〜13において、Vmp2、Vmn2は第2基準時点における正極モニタ波形と負極モニタ波形の電圧をそれぞれ表している。
絶縁診断部206は、図11〜13の各モニタ波形に示した電圧Vmp1およびVmn1に基づいて、下記の式(2)により、第1基準時点における正極モニタ波形と負極モニタ波形との電圧差Vm1を算出する。
Vm1=Vmp1−Vmn1 ・・・(2)
また、図11〜13の各モニタ波形に示した電圧Vmp2およびVmn2に基づいて、下記の式(3)により、第2基準時点における正極モニタ波形と負極モニタ波形との電圧差Vm2を算出する。
Vm2=Vmp2−Vmn2 ・・・(3)
さらに、下記の式(4)により、正極モニタ波形と負極モニタ波形の立ち上がり開始点での電圧差Vdを算出する
Vd=Vmp2−Vmn1 ・・・(4)
絶縁診断部206は、上記の式(2)〜(4)で求められた各電圧差を基に、フォトモスリレー103、104がそれぞれ正常な状態にあるか否かを診断するための指標を算出する。具体的には、式(2)〜(4)の各電圧差Vm1、Vm2およびVdと、前述の第1の実施形態で説明した正極応答波形の極大値と負極応答波形の極大値との差分V1および正極応答波形の極小値と負極応答波形の極小値との差分V2とに基づいて、下記の式(5)〜(7)により、診断指標としての第1モニタ比率Am1、第2モニタ比率Am2およびモニタ差分比率Adを算出する。
Am1=2Vm1/(V1+V2)
=2(Vmp1−Vmn1)/(V1+V2) ・・・(5)
Am2=2Vm2/(V1+V2)
=2(Vmp2−Vmn2)/(V1+V2) ・・・(6)
Ad=2Vd/(V1+V2)
=2(Vmp2−Vmn1)/(V1+V2) ・・・(7)
上記のようにして第1モニタ比率Am1、第2モニタ比率Am2およびモニタ差分比率Adを算出したら、絶縁診断部206は、これらの診断指標を所定の閾値とそれぞれ比較することにより、フォトモスリレー103、104の状態を診断する。たとえば、第2モニタ比率Am2とモニタ差分比率Adが以下の条件式(8)を満たす場合は、フォトモスリレー103が短絡していると判断する。なお、条件式(8)において、Tha、Thbは、ソフトウェアのデータ設定値として予め定められた閾値である。
Am2≧Tha かつ Ad≧Thb ・・・(8)
また、第1モニタ比率Am1とモニタ差分比率Adが以下の条件式(9)を満たす場合は、フォトモスリレー104が短絡していると判断する。なお、条件式(9)において、Thc、Thdは、ソフトウェアのデータ設定値として予め定められた閾値である。これらの閾値Thc、Thdの値は、前述の条件式(8)における閾値Tha、Thbとそれぞれ同じであってもよいし、異なっていてもよい。
Am1≧Thc かつ Ad≧Thd ・・・(9)
さらに、第1モニタ比率Am1および第2モニタ比率Am2と、第1の実施形態で説明した式(1)で求められる振幅比率Rvとが以下の条件式(10)を満たす場合は、フォトモスリレー103または104のいずれか少なくとも一方がオープン状態であり、正極パルス信号または負極パルス信号がフォトモスリレー103または104において遮断されていると判断する。なお、条件式(10)において、The、ThfおよびThgは、ソフトウェアのデータ設定値として予め定められた閾値である。これらの閾値The、ThfおよびThgの値は、前述の条件式(8)における閾値Tha、Thbや、条件式(9)における閾値Thc、Thdとそれぞれ同じであってもよいし、異なっていてもよい。
Am1≦The かつ Am2≦Thf かつ Rv≦Thg ・・・(10)
図14は、リークの有無を検出すると共に上記のようにしてフォトモスリレー103、104の状態を診断する際に、マイコン200において実行されるリークおよびリレー状態検出処理の流れを示すフローチャートである。なお、図14において、図6に示した第1の実施形態のリーク検出処理と同じ内容の処理を実行する部分には、図6と同一のステップ番号を付している。
ステップS10〜S70において、マイコン200は、図6と同様の処理をそれぞれ実行することにより、リーク検出処理を行う。
ステップS80において、マイコン200は、モニタ波形検出部205により、ステップS10で正極パルス信号および負極パルス信号がそれぞれ出力されたときのフォトモスリレー103、104の出力電圧波形を、正極モニタ波形および負極モニタ波形として検出する。このとき、正極モニタ波形は、フォトモスリレー103から分圧回路107を介してA/D変換器211に入力され、モニタ波形検出部205において検出される。また、負極モニタ波形は、フォトモスリレー104から分圧回路108を介してA/D変換器211に入力され、モニタ波形検出部205において検出される。
ステップS90において、マイコン200は、絶縁診断部206により、ステップS80で検出された正極モニタ波形および負極モニタ波形から、前述の第1基準時点における正極モニタ波形の電圧Vmp1および負極モニタ波形の電圧Vmn1と、第2基準時点における正極モニタ波形の電圧Vmp2および負極モニタ波形の電圧Vmn2とを求める。そして、これらの電圧を基に、前述の式(2)〜(4)を用いて、第1基準時点における正極モニタ波形と負極モニタ波形との電圧差Vm1、第2基準時点における正極モニタ波形と負極モニタ波形との電圧差Vm2、および正極モニタ波形と負極モニタ波形の立ち上がり開始点での電圧差Vdを算出する。
ステップS100において、マイコン200は、絶縁診断部206により、ステップS90で算出された電圧差Vm1、Vm2およびVdと、ステップS40で算出された差分V1、V2とに基づいて、前述の式(5)〜(7)により、第1モニタ比率Am1、第2モニタ比率Am2およびモニタ差分比率Adを算出する。
ステップS110において、マイコン200は、絶縁診断部206により、ステップS100で算出された第2モニタ比率Am2およびモニタ差分比率Adを所定の閾値Tha、Thbとそれぞれ比較し、前述の条件式(8)を満たすか否かを判定する。その結果、条件式(8)を満たす場合はステップS120へ進み、満たさない場合はステップS130へ進む。
ステップS120において、マイコン200は、絶縁診断部206により、正極接続線21とパルス信号出力部201の間にあるフォトモスリレー103が短絡していると判断し、フォトモスリレー103のショートを検出する。このとき、フォトモスリレー103が短絡していることを車両内のユーザに報知するため、所定の警告信号等を出力してもよい。
ステップS130において、マイコン200は、絶縁診断部206により、ステップS100で算出された第1モニタ比率Am1およびモニタ差分比率Adを所定の閾値Thc、Thdとそれぞれ比較し、前述の条件式(9)を満たすか否かを判定する。その結果、条件式(9)を満たす場合はステップS140へ進み、満たさない場合はステップS150へ進む。
ステップS140において、マイコン200は、絶縁診断部206により、負極接続線22とパルス信号出力部201の間にあるフォトモスリレー104が短絡していると判断し、フォトモスリレー104のショートを検出する。このとき、フォトモスリレー104が短絡していることを車両内のユーザに報知するため、所定の警告信号等を出力してもよい。
ステップS150において、マイコン200は、絶縁診断部206により、ステップS100で算出された第1モニタ比率Am1および第1モニタ比率Am1と、ステップS50で算出された振幅比率Rvとを、所定の閾値The、ThfおよびThgとそれぞれ比較し、前述の条件式(10)を満たすか否かを判定する。その結果、条件式(10)を満たす場合はステップS160へ進み、満たさない場合は図14のフローチャートに示す処理を終了する。
ステップS160において、マイコン200は、絶縁診断部206により、フォトモスリレー103または104のいずれか少なくとも一方がパルス信号出力部201からのパルス信号を遮断していると判断し、これらのリレーがオープン状態であることを検出する。このとき、フォトモスリレー103または104がオープン状態であることを車両内のユーザに報知するため、所定の警告信号等を出力してもよい。ステップS160を実行したら、マイコン200は、図14のフローチャートに示す処理を終了する。
以上説明した本発明の第2の実施形態によれば、第1の実施形態で説明した(1)〜(5)の各作用効果に加えて、さらに次の作用効果を奏する。
(6)リーク検出装置100aは、マイコン200において、モニタ波形検出部205および絶縁診断部206を備える。モニタ波形検出部205は、パルス信号出力部201から絶縁回路としてのフォトモスリレー103、104を介して正極接続線21および負極接続線22にパルス信号がそれぞれ出力されたときのフォトモスリレー103、104の出力電圧波形を、正極モニタ波形および負極モニタ波形として検出する(ステップS80)。絶縁診断部206は、モニタ波形検出部205により検出された正極モニタ波形および負極モニタ波形に基づいてフォトモスリレー103、104の状態を診断する(ステップS90〜S160)。このようにしたので、フォトモスリレー103、104の状態を考慮して、正極接続線21および負極接続線22におけるリークの有無を正しく検出することができる。
(7)パルス信号出力部201は、正極接続線21に対する正極パルス信号と、負極接続線22に対する負極パルス信号とを交互に出力する。絶縁診断部206は、これらのパルス信号が出力されているときにモニタ波形検出部205により検出された正極モニタ波形および負極モニタ波形を基に、ステップS90において、正極パルス信号の立ち下がり開始点および負極パルス信号の立ち上がり開始点に対応する第1基準時点における正極モニタ波形の電圧Vmp1および負極モニタ波形の電圧Vmn1と、正極パルス信号の立ち上がり開始点および負極パルス信号の立ち下がり開始点に対応する第2基準時点における正極モニタ波形の電圧Vmp2および負極モニタ波形の電圧Vmn2とを算出する。そして、算出されたこれらの電圧と、ステップS40で算出された正極応答波形の極大値と負極応答波形の極大値との差分V1および正極応答波形の極小値と負極応答波形の極小値との差分V2とを基に、前述の式(5)〜(7)により、第1モニタ比率Am1、第2モニタ比率Am2およびモニタ差分比率Adを算出する。ステップS110〜S160では、こうして算出した第1モニタ比率Am1、第2モニタ比率Am2およびモニタ差分比率Adに基づいて、フォトモスリレー103、104の状態を診断する。このようにしたので、フォトモスリレー103、104の状態を正確に診断することができる。
(8)絶縁診断部206は、ステップS110、S120において、第2モニタ比率Am2が所定の閾値Tha以上であり、かつモニタ差分比率Adが所定の閾値Thb以上となったときに、正極接続線21とパルス信号出力部201との間にあるフォトモスリレー103が短絡していると判断する。また、ステップS130、S140において、第1モニタ比率Am1が所定の閾値Thc以上であり、かつモニタ差分比率Adが所定の閾値Thd以上となったときに、負極接続線22とパルス信号出力部201との間にあるフォトモスリレー104が短絡していると判断する。このようにしたので、フォトモスリレー103、104が短絡しているか否かを確実に判断することができる。
(9)絶縁診断部206は、ステップS150、S160において、第1モニタ比率Am1および第2モニタ比率Am2がいずれも所定の閾値The、Thf以下であり、かつ振幅比率算出部203により算出された振幅比率Rvが所定の閾値Thg以下となったときに、フォトモスリレー103または104がパルス信号を遮断していると判断する。このようにしたので、フォトモスリレー103、104がオープン状態であるか否かを確実に判断することができる。
(10)リーク検出装置100aは、フォトモスリレー103、104の出力側に接続された分圧回路107、108をさらに備える。モニタ波形検出部205は、この分圧回路107、108を介して正極モニタ波形および負極モニタ波形を検出する。このようにしたので、モニタ波形検出部205において、適切な電圧範囲内で正極モニタ波形および負極モニタ波形を検出することができる。
なお、上記の第2の実施形態では、第1の実施形態と同様に振幅比率Rvを算出し、この振幅比率Rvに基づいてバッテリ1、2とシャーシグランドとの間のリークを検出すると共に、絶縁回路であるフォトモスリレー103、104の状態を診断する例を説明した。しかし、本願発明による絶縁回路の診断方法は、振幅比率を算出せずにリーク検出を行う場合にも適用可能である。たとえば、正極接続線および負極接続線に対して絶縁回路を介してパルス信号をそれぞれ入力し、このパルス信号に対する応答波形の形状変化に基づいてリーク検出を行うリーク検出装置においても、第2の実施形態で説明したような絶縁回路の診断方法を適用することにより、絶縁回路の状態を診断することができる。
なお、以上説明した第1および第2の各実施形態では、フォトモスリレー103、104を絶縁回路として用いることで、正極接続線21および負極接続線22とパルス信号出力部201との間をそれぞれ絶縁する例を説明した。しかし、これ以外のもの、たとえばフォトカプラやトランスなどを絶縁回路として用いてもよい。パルス信号出力部201から出力されるパルス信号の周期や、バッテリ1、2の電圧等に応じて、適切なものを絶縁回路として用いることができる。
以上説明した各実施形態や各種の変形例はあくまで一例であり、発明の特徴が損なわれない限り、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。

Claims (14)

  1. バッテリとグランドの間のリークを検出する装置であって、
    前記バッテリの正極側に接続されている正極接続線および前記バッテリの負極側に接続されている負極接続線に所定のパルス信号をそれぞれ出力するパルス信号出力部と、
    前記正極接続線に出力されたパルス信号に対する正極応答波形と、前記負極接続線に出力されたパルス信号に対する負極応答波形とを検出する応答波形検出部と、
    前記正極応答波形および前記負極応答波形に基づいて振幅比率を算出する振幅比率算出部と、
    前記振幅比率に基づいて、前記バッテリと前記グランドの間のリークを検出するリーク検出部とを備え
    前記振幅比率算出部は、前記正極応答波形の振幅Vap、前記負極応答波形の振幅Van、前記正極応答波形の極大値と前記負極応答波形の極大値との差分V1、および前記正極応答波形の極小値と前記負極応答波形の極小値との差分V2を基に、下記の式により、振幅比率Rvを算出するリーク検出装置。
    Rv=(Vap+Van)/(V1+V2)
  2. 請求項に記載のリーク検出装置において、
    前記リーク検出部は、前記振幅比率Rvが所定の閾値未満となったときに、前記バッテリの正極側および負極側の少なくとも一方と前記グランドとの間に前記リークを検出するリーク検出装置。
  3. 請求項1または2に記載のリーク検出装置において、
    前記正極接続線および前記負極接続線と前記パルス信号出力部との間をそれぞれ絶縁する絶縁回路をさらに備え、
    前記パルス信号出力部は、前記絶縁回路を介して、前記正極接続線および前記負極接続線に前記パルス信号をそれぞれ出力するリーク検出装置。
  4. 請求項に記載のリーク検出装置において、
    前記絶縁回路は、フォトモスリレーを用いて構成されるリーク検出装置。
  5. 請求項1または2に記載のリーク検出装置において、
    前記正極接続線および前記負極接続線の電圧をそれぞれ分圧する分圧抵抗部をさらに備え、
    前記応答波形検出部は、前記分圧抵抗部を介して、前記正極応答波形および前記負極応答波形を検出するリーク検出装置。
  6. 請求項に記載のリーク検出装置において、
    前記パルス信号出力部から前記絶縁回路を介して前記正極接続線および前記負極接続線に前記パルス信号がそれぞれ出力されたときの前記絶縁回路の出力電圧波形を、正極モニタ波形および負極モニタ波形として検出するモニタ波形検出部と、
    前記正極モニタ波形および前記負極モニタ波形に基づいて前記絶縁回路の状態を診断する絶縁診断部とをさらに備えるリーク検出装置。
  7. 請求項に記載のリーク検出装置において、
    前記パルス信号出力部は、前記正極接続線に対する正極パルス信号と、前記負極接続線に対する負極パルス信号とを交互に出力し、
    前記絶縁診断部は、
    前記正極パルス信号の立ち下がり開始点および前記負極パルス信号の立ち上がり開始点に対応する第1基準時点における前記正極モニタ波形の電圧Vmp1および前記負極モニタ波形の電圧Vmn1と、前記正極パルス信号の立ち上がり開始点および前記負極パルス信号の立ち下がり開始点に対応する第2基準時点における前記正極モニタ波形の電圧Vmp2および前記負極モニタ波形の電圧Vmn2と、前記正極応答波形の極大値と前記負極応答波形の極大値との差分V1と、前記正極応答波形の極小値と前記負極応答波形の極小値との差分V2とを基に、下記の式により、第1モニタ比率Am1、第2モニタ比率Am2およびモニタ差分比率Adを算出し、
    Am1=2(Vmp1−Vmn1)/(V1+V2)
    Am2=2(Vmp2−Vmn2)/(V1+V2)
    Ad=2(Vmp2−Vmn1)/(V1+V2)
    算出した前記第1モニタ比率Am1、前記第2モニタ比率Am2および前記モニタ差分比率Adに基づいて、前記絶縁回路の状態を診断するリーク検出装置。
  8. 請求項に記載のリーク検出装置において、
    前記絶縁診断部は、
    前記第2モニタ比率Am2が所定の閾値以上であり、かつ前記モニタ差分比率Adが所定の閾値以上となったときに、前記正極接続線と前記パルス信号出力部との間にある前記絶縁回路が短絡していると判断し、
    前記第1モニタ比率Am1が所定の閾値以上であり、かつ前記モニタ差分比率Adが所定の閾値以上となったときに、前記負極接続線と前記パルス信号出力部との間にある前記絶縁回路が短絡していると判断するリーク検出装置。
  9. 請求項に記載のリーク検出装置において、
    前記絶縁診断部は、前記第1モニタ比率Am1および前記第2モニタ比率Am2がいずれも所定の閾値以下であり、かつ前記振幅比率算出部により算出された前記振幅比率が所定の閾値以下となったときに、前記絶縁回路が前記パルス信号を遮断していると判断するリーク検出装置。
  10. 請求項に記載のリーク検出装置において、
    前記絶縁回路の出力側に接続された分圧回路をさらに備え、
    前記モニタ波形検出部は、前記分圧回路を介して前記正極モニタ波形および前記負極モニタ波形を検出するリーク検出装置。
  11. バッテリとグランドの間のリークを検出する装置であって、
    前記バッテリの正極側に接続されている正極接続線および前記バッテリの負極側に接続されている負極接続線に所定のパルス信号をそれぞれ出力するパルス信号出力部と、
    前記正極接続線および前記負極接続線と前記パルス信号出力部との間をそれぞれ絶縁する絶縁回路と、
    前記パルス信号出力部から前記絶縁回路を介して前記正極接続線に出力されたパルス信号に対する正極応答波形と、前記パルス信号出力部から前記絶縁回路を介して前記負極接続線に出力されたパルス信号に対する負極応答波形とを検出する応答波形検出部と、
    前記正極応答波形および前記負極応答波形に基づいて、前記バッテリと前記グランドの間のリークを検出するリーク検出部と、
    前記パルス信号出力部から前記正極接続線および前記負極接続線に前記パルス信号がそれぞれ出力されたときの前記絶縁回路の出力電圧波形を、正極モニタ波形および負極モニタ波形として検出するモニタ波形検出部と、
    前記正極モニタ波形および前記負極モニタ波形に基づいて前記絶縁回路の状態を診断する絶縁診断部とを備えるリーク検出装置。
  12. 請求項11に記載のリーク検出装置において、
    前記パルス信号出力部は、前記正極接続線に対する正極パルス信号と、前記負極接続線に対する負極パルス信号とを交互に出力し、
    前記絶縁診断部は、
    前記正極パルス信号の立ち下がり開始点および前記負極パルス信号の立ち上がり開始点に対応する第1基準時点における前記正極モニタ波形の電圧Vmp1および前記負極モニタ波形の電圧Vmn1と、前記正極パルス信号の立ち上がり開始点および前記負極パルス信号の立ち下がり開始点に対応する第2基準時点における前記正極モニタ波形の電圧Vmp2および前記負極モニタ波形の電圧Vmn2と、前記正極応答波形の極大値と前記負極応答波形の極大値との差分V1と、前記正極応答波形の極小値と前記負極応答波形の極小値との差分V2とを基に、下記の式により、第1モニタ比率Am1、第2モニタ比率Am2およびモニタ差分比率Adを算出し、
    Am1=2(Vmp1−Vmn1)/(V1+V2)
    Am2=2(Vmp2−Vmn2)/(V1+V2)
    Ad=2(Vmp2−Vmn1)/(V1+V2)
    算出した前記第1モニタ比率Am1、前記第2モニタ比率Am2および前記モニタ差分比率Adに基づいて、前記絶縁回路の状態を診断するリーク検出装置。
  13. 請求項12に記載のリーク検出装置において、
    前記絶縁診断部は、
    前記第2モニタ比率Am2が所定の閾値以上であり、かつ前記モニタ差分比率Adが所定の閾値以上となったときに、前記正極接続線と前記パルス信号出力部との間にある前記絶縁回路が短絡していると判断し、
    前記第1モニタ比率Am1が所定の閾値以上であり、かつ前記モニタ差分比率Adが所定の閾値以上となったときに、前記負極接続線と前記パルス信号出力部との間にある前記絶縁回路が短絡していると判断するリーク検出装置。
  14. 請求項11に記載のリーク検出装置において、
    前記絶縁回路の出力側に接続された分圧回路をさらに備え、
    前記モニタ波形検出部は、前記分圧回路を介して前記正極モニタ波形および前記負極モニタ波形を検出するリーク検出装置。
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