JP5926562B2 - 眼鏡用プラスチックレンズの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、眼鏡用プラスチックレンズの製造方法に関し、特に熱による硬化に伴い収縮する組成物を成形型に充填して加熱し、この組成物を硬化させるという眼鏡用プラスチックレンズの製造方法に関する。
近年、光学材料において、ガラスレンズに代わってプラスチックレンズの普及が急速に進んでいる。プラスチックレンズには軽量、耐衝撃性、易加工性及び易染色性等々の長所がある。そのためプラスチックレンズは、光学材料とりわけ眼鏡レンズの分野で急速に普及している。
この普及の中、眼鏡レンズの見栄えを良くするため、眼鏡レンズの厚さを薄くするという要請は、ガラスレンズの時代から続いている。一般に、眼鏡レンズの厚さを薄くするためには、高屈折率の材料を用いる必要がある。
ここでプラスチックレンズがガラスレンズよりも優れている点がある。例えば、ガラスレンズだと屈折率に比例して比重が著しく増加し、眼鏡レンズの重量が著しく増加する。そうなると、眼鏡レンズの装用感も著しく低下することになる。
その一方、プラスチックレンズだと屈折率が高くなっても比重はさほど増加せず、眼鏡レンズの重量もさほど増加しない。そのため、眼鏡レンズの装用感の低下を抑制することができる。
屈折率が高いプラスチックとしては、ジアリルカーボネートやエポキシメタクリレートやジアリルフタレート(DAP:Di Allyl Phthalate 以降、「DAP」とも言う。)等が知られている。一方、プラスチックレンズは軟らかく、ガラスレンズに比べてその表面に傷が付きやすいという性質もある。この性質を加味して高屈折率のプラスチックレンズを選ぶとすると、DAPが好適である。なお、このDAPは熱硬化性組成物としても知られている。
この熱硬化性組成物(DAP)を採用した技術としては、例えば特許文献1に、プラスチックレンズ成形用成形型及びプラスチックレンズの製造方法が開示されている。具体的には、DAPを単量体として用い、成形型内にこの単量体を充填した後、加熱により重合して硬化させ、レンズを得る方法が開示されている。
また、熱硬化性組成物を採用したプラスチックレンズの製造方法としては、プラスチックレンズの基となる組成物を成形型に注入し、成形型を加熱することにより組成物を加熱・硬化させる技術が知られている(例えば特許文献2〜5参照)。
なお、本明細書における「組成物」とは、熱硬化性という特性を有する又は有していた組成物を含む。つまり、熱硬化前の組成物を表すこともあるし、熱硬化させた後の組成物を表すこともある。なお、本明細書において、後述のD)離型工程及びE)その他の工程を経た組成物については、「眼鏡用プラスチックレンズ」又は単に「レンズ」と言う。
特開平6−339938号公報 特開2005−107192号公報 特開2005−131799号公報 特開2007−261054号公報 国際公開第09/017191号パンフレット
プラスチックレンズは、通常、成形型内に充填された組成物を硬化させることで形成されている。ところが、組成物を重合させて硬化する場合、重合速度は温度によって変化する。そのため、組成物内でのわずかな温度分布が局所的な重合速度の上昇・低下を発生させるおそれがある。
局所的な重合速度の上昇・低下が発生してしまうと、例えば、重合速度が上昇した部分は、他よりも分子量が増大することになる。この部分は、組成物内において下方へ沈降、又は、上方へ浮上することになる。更に、成形型の内部(即ち組成物内)で対流が発生する場合もある。そして、これらの形跡が残ったまま組成物が硬化すると、プラスチックレンズに光学歪や脈理が発生するおそれがある。
このような光学歪や脈理の発生を抑えるべく、特許文献2〜5では、20時間以上という長い時間をかけて組成物を加熱している。
そのような中、上述の「見栄え」「装用感」という装用者側からの要望に加え、プラスチックレンズに対する旺盛な需要に応えるべく「プラスチックレンズの増産」言いかえると「製造時間の短縮化」というプラスチックレンズ製造業者側からの要望も強くなっている。この要望に応えるためには、組成物に対する硬化工程を短縮化しなければならない。
硬化工程を短縮化させる手法としては、触媒を用いて、組成物の硬化可能な温度を低下させるという手法も考えられる。しかしながら、触媒を用いて硬化工程を短縮化させることができたとしても、ここで得られたプラスチックレンズに対してハードコートや染色を行う場合、ここで用いた触媒がハードコートや染色に用いられる化合物に対して悪影響を及ぼすおそれがある。
その結果、硬化工程を短縮化できたとしても、ハードコートや染色を行うことができない可能性があり、最終製品への応用の幅を狭めてしまうことになる。
かといって、むやみやたらに硬化工程を短縮化すると、上記の光学歪や脈理に加え、組成物を成形型から離型する際にプラスチックレンズ表面にムラが生じてしまうという欠陥が発生するおそれがある(以降、この欠陥を「ダレ」とも言う)。
そうなると、ダレを除去するためにプラスチックレンズに対して別途研磨、アニーリング又はARコーティングを追加しなくてはならない。それだけではなく、脈理については、プラスチックレンズの内部に発生していることから、研磨等により除去することができない。そのため、プラスチックレンズそのものを廃棄せざるを得なくなる。
その結果、硬化工程を短縮化させようとしたばかりに、歩留まりの低下を招来してしまい、上述の要望に応えることができなくなってしまうのが現状であった。
本発明の目的は、組成物の硬化に伴う欠陥発生のおそれを抑制する眼鏡用プラスチックレンズの製造方法を提供することにある。
本発明者は、硬化工程の短縮化に伴う欠陥発生のおそれを抑制すべく、従来の硬化工程について再検討した。その際、本発明者は特に「ダレ」「脈理」の欠陥に着目して、硬化工程における新たな温度変化方法について検討した。
この検討の末、本発明者は、「ダレ」の欠陥は、硬化工程における昇温の仕方(温度変化率)によって主として発生する一方、「脈理」の欠陥は、その後の更なる昇温の仕方(温度変化率)によって主として発生しているという知見を得た。
以上の知見に基づいて成された本発明の態様は、以下の通りである。
本発明の第1の態様は、
ジアリルフタレート化合物を含有する組成物を成形型に充填する充填工程と、
前記充填工程後、前記成形型を加熱することにより前記組成物を硬化させる硬化工程と、
を有し、
前記硬化工程は、前記組成物に対する昇温、又は、昇温と温度維持とを組み合わせることによって、前記充填工程後の温度から前記組成物を昇温させる昇温工程を有しており、
前記昇温工程は、
前記充填工程後の温度から前記組成物を昇温する第1昇温工程と、
前記第1昇温工程後、前記第1昇温工程よりも温度変化率を上げて前記組成物を昇温する第2昇温工程と、
を有しており、
前記第1昇温工程の温度変化率は2.5℃/時間を超え5℃/時間未満であり、前記第2昇温工程の温度変化率は12℃/時間未満であることを特徴とする眼鏡用プラスチックレンズの製造方法である。
ただし、前記昇温工程において最大の温度変化率となる工程を第2昇温工程とする。
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載の態様であって、
前記硬化工程の開始から終了までの時間を100%とした場合、少なくとも、前記硬化工程の開始から80%の時間までの間は前記昇温工程が行われることを特徴とする。
本発明の第3の態様は、第1又は第2の態様に記載の態様であって、
前記硬化工程は10時間以内で行うことを特徴とする。
本発明によれば、組成物の硬化に伴う欠陥発生のおそれを抑制することができる。
実施例1における温度調節機の設定温度又は組成物の実際の温度と時間との関係を示す図である。 実施例2における温度調節機の設定温度、温度調節機の実際の温度又は組成物の実際の温度と時間との関係を示す図である。 (a)比較例1における温度調節機の設定温度又は組成物の実際の温度と時間との関係を示す図である。(b)比較例1において作製した眼鏡用プラスチックレンズの写真である。 (a)比較例2における温度調節機の設定温度又は組成物の実際の温度と時間との関係を示す図である。(b)比較例2において作製した眼鏡用プラスチックレンズの写真である。 眼鏡用のプラスチックレンズを製造するために使用可能な成形型の概略図であり、影欠陥(セパ)が発生するメカニズムを説明する図である。
まず、[実施の形態1]においては、熱硬化性組成物の温度変化に焦点を当てて説明する。
次に、[実施の形態2]において、[実施の形態1]の1.C)b)乖離抑制工程を細分化した好適例について説明する。
その後、[実施の形態3]において、熱硬化性組成物が内部に充填されている成形型に対して温度変化を与える温度調節機、即ち温度調節機の設定温度に焦点を当てて説明する。
最後に[実施の形態4]において各種変形例について説明する。
[実施の形態1]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
本実施形態においては図5を用いつつ、次の順序で説明を行う。なお、以下に記載の「ステージI〜V」については、後述する実施例における表1に記載の温度変化の段階のことを指す。
1.眼鏡用プラスチックレンズの製造方法
A)熱硬化性組成物の準備
B)充填工程
C)硬化工程(ステージI〜V)
a)昇温工程(ステージI〜III)
i)第1昇温工程(ステージII)
ii)第2昇温工程(ステージIII)
b)乖離抑制工程(ステージIV〜V)
i)降温工程(ステージIV)
ii)温度復帰工程(ステージV)
D)離型工程
E)その他の工程
2.実施の形態による効果
<1.眼鏡用プラスチックレンズの製造方法>
A)熱硬化性組成物の準備
本実施形態においては、眼鏡用のプラスチックレンズを製造する場合について説明する。なお、上述の通り、本明細書における「組成物」とは、熱硬化性という特性を有する又は有していた組成物を含む。つまり、プラスチックレンズの原料段階のもの(熱硬化前の組成物)を表すこともあるし、熱硬化させた後且つD)離型工程前のもの(熱硬化後の組成物)を表すこともある。また、説明の便宜上、眼鏡用プラスチックレンズのことを短縮化して単に「レンズ」とも言う。
本実施形態においては、ジアリルフタレート化合物を含有する組成物について述べる。このジアリルフタレート化合物は、比較的高い屈折率を有することから、比較的高い屈折率のレンズを作製するときに好適である。また、ジアリルフタレート化合物は、単量体として用いて重合させた場合、熱硬化性樹脂となる。また、ジアリルフタレート化合物は、熱による硬化に伴い収縮する。
もちろん、ジアリルフタレート化合物以外の化合物を組成物に適宜加えてもよい。更に、この組成物に対し、適宜、重合開始剤等を加えてもよい。詳しくは後述の[実施の形態4]にて説明する。なお、本実施形態においては、硬化工程前の組成物は液状のものを用いる。
B)充填工程
上記の組成物を十分に撹拌混合した後、図5(a)に示す成形型1の内部にこの組成物4を充填する。以下、この成形型1について説明する。
成形型1は、第一モールド21及び第二モールド22並びにガスケット3を有している。なお、第一モールド21及び第二モールド22をまとめて単に「モールド2」とも言う。第一モールド21の使用面21aは、レンズの前面(即ち眼鏡装用者から見て前方にある対象物側の面)の形状となる面である。そして、第二モールド22の使用面22aは、レンズの後面(即ち眼鏡装用者側の面)の形状となる面である。第一モールド21及び第二モールド22は、互いに対向するように配置されている。そして、モールド2の周囲に環状のガスケット3を配置している。これにより、モールド2とガスケット3によって、レンズの型となる空間を形成する。そして、ガスケット3の一部に設けられた組成物注入口31から組成物4がこの空間へと注入される(図5(b))。
なお、本実施形態においては、完成されたレンズの前面が凸面を有するように第一モールド21の形状は設定されている。逆に、完成されたレンズの後面が凹面を有するように第二モールド22の形状は設定されている。また、ガスケット3は、モールド2の外周保持部としても機能し、レンズの厚さを決める役割も果たしている。
また、モールド2及びガスケット3の材料としては、上記組成物4を成形型1に注入し、組成物4を重合することが可能なものならば使用することができる。ただ、モールド2としては、破損及びキズをつきにくくするために化学強化処理を施したガラス製モールドを使用することが好ましい。
C)硬化工程(表1におけるステージI〜V)
成形型1に組成物4を充填した後、本工程にて成形型1を温度調節機にて加熱することによりこの組成物4を重合させ、硬化させる。本工程では、前半に昇温工程(表1におけるステージI〜III)を行い、後半に乖離抑制工程(表1におけるステージIV〜V)を行うことになる。以下、硬化工程について説明する。
a)昇温工程(ステージI〜III)
本工程においては、組成物4に対する昇温、又は、昇温と温度維持とを組み合わせることによって、B)充填工程後の温度から組成物4を昇温させる。本工程において、液状の組成物4をゲル化させ、そして硬化させていく。なお、本実施形態における「昇温」とは、温度を連続的に上昇させることを指し、「温度維持」とは温度変化を行っていないことを指す。そのため「昇温と温度維持とを組み合わせ」とは、段階的に昇温していくことを指し、「あるステージでは昇温し、その直後のステージでは温度維持を行う」場合、また、その逆に、「あるステージでは温度維持を行い、その直後のステージでは昇温する」場合を指す。まとめて言うと、本工程は、降温を行わない工程のことを指す。
その上で、本実施形態においては、このa)昇温工程を、i)第1昇温工程及びii)第2昇温工程という少なくとも2段階に分けて、組成物4を昇温する。
i)第1昇温工程(ステージII)
まず、第1昇温工程では、温度変化率を2.5℃/時間を超え5℃/時間未満とする。このような温度設定にすることにより、硬化工程の前半の温度変化に起因して発生するダレの発生を抑制することができる。
ii)第2昇温工程(ステージIII)
第1昇温工程後、上記第1昇温工程よりも温度変化率を上げて上記組成物4を昇温する。その際、温度変化率は12℃/時間未満とする。第1昇温工程を行った上で、このような温度設定にすることにより、組成物4内に発生する過度の対流を抑制することができる。その結果、ダレを抑制した上で、同じく硬化工程の前半の温度変化に起因して発生する脈理の発生を更に抑制することができる。
このとき、本実施形態においては、C)a)昇温工程において最大の温度変化率となる昇温工程をii)第2昇温工程とする。こうすることにより、C)a)昇温工程全体から見てどのステージを見ても温度変化率は12℃/時間未満とすることができ、i)第1昇温工程にて主としてダレを抑制した上で、急激な温度変化率に伴う脈理の発生を抑制することができる。
以上のように、少なくとも2段階の昇温工程を設けることにより、ダレや脈理の発生を抑制することができる。
なお、第1及び第2昇温工程以外にも、充填工程後の温度から組成物4を昇温させられるのならば、昇温及び/又は温度維持からなる別の工程(例えば表1のステージI)を設けても良い。ただし、段階に分けて昇温を行うとしても、上記のi)第1昇温工程後に引き続いてii)第2昇温工程を行うのが好ましい。
更に、成形型1から組成物4が乖離しないようにするという観点からは、a)ii)第2昇温工程後に引き続いて後述のb)乖離抑制工程を行うのが好ましい。ただ、それら2つの工程の間に、成形型1から組成物4が乖離しない程度の昇温及び/又は温度維持工程を行っても良い。
なお、硬化を十分に行い、硬化時間を短縮するという観点からみると、C)a)昇温工程全体において組成物4を昇温し続けることが好ましい。
以上の工程により、本発明が目的とするところの「組成物の硬化に伴う欠陥(特に「ダレ」や「脈理」)発生のおそれを抑制」を達成することができる。
以下、本実施形態において、上記欠陥以外の欠陥の発生のおそれを更に抑制する手法について説明する。
まず、この上記欠陥以外の欠陥について説明する。
上述のように、組成物に対する硬化工程の短縮化が要望されている。とはいえ、むやみやたらに硬化工程を短縮化すると、光学歪、ダレや脈理が発生するおそれがある。
更に悪いことに、硬化工程を短縮化させようとすると、「ダレ」「脈理」に加え、レンズを成形型から離型する前に発生する欠陥である「セパレーション不良」が発生するおそれがある。この「セパレーション不良」とは、組成物を硬化していく最中ないし硬化後に、組成物が成形型から乖離して、重力により下側の成形型と再接触することにより発生する欠陥である(以降、この欠陥を「セパ」とも言う。セパ発生のメカニズムについては図5(c)(d)に示す)。
本実施形態のように、レンズの単量体としてDAPを用いる場合、硬化により組成物4自身が収縮することになる。そうなると、図5(c)に示すように、組成物4を成形型1から離型する前にもかかわらず、成形型1から組成物4が乖離(即ち、第一モールド21の使用面21a及び第二モールド22の使用面22aから組成物4が乖離)する可能性が高まる。特に、従来のレンズの単量体だと成形収縮率が1%未満であるところ、DAPにおいては成形収縮率が10%近くになる程の高い収縮率を有する。そのため、DAPを用いると、成形型1からの組成物4の乖離が従来に比べて非常に起こりやすい状況を生み出すことになる。
成形型1から組成物4が乖離した後、図5(d)に示すように、この組成物4は、少なくとも下側の成形型1(即ち第二モールド22の使用面22a)に対し、重力によって再接触する。まず、この再接触により、組成物4に傷が発生することになる。
更に、組成物4がレンズとなったときのレンズ後面側の部分の曲率は、収縮により、成形型1の第二モールド22の曲面とは異なる曲率となっている(図5(c))。そして、この乖離及び再接触が起きたまま硬化工程を進めると、組成物4と第二モールド22が接触したまま硬化工程が行われることになってしまう(図5(d))。そうなると、組成物4の内部に円形型の傷(即ち第二モールド22の一部の形状を模した傷)が形成されることになってしまう。
ちなみに、このセパは、硬化工程を短縮化させようとすると、より顕著になる欠陥である。なぜなら、硬化工程を短縮化させるということは、仮に硬化工程全体の温度変動の幅を従来と同じようにするのならば、組成物4に対する温度変化率を上げなければならないことを意味するためである。そうなると、組成物4を急激に昇温するとともに、同じく急激に降温しなければならない。そうなると、本発明において抑制の目的となっているダレや脈理のみならず、セパの発生のおそれが高くなってしまう。
なお、これらの欠陥はプラスチックレンズに光を照射したときに影を形成することから、以降、これらの欠陥をまとめて「影欠陥」とも言う。
そこで、本実施形態においては、図5(c)(d)のような状態にならないように、組成物4がモールド2から乖離することを抑制すべく、以下の工程を行うのが好ましい。
b)乖離抑制工程(ステージIV〜V)
本工程においては、まず、組成物4の昇温を停止する。そして、この組成物4に対し、C)a)昇温工程後の温度を出発してから再びC)a)昇温工程後の温度域の温度となるまで、温度の高低において往復変動させる。具体的に言うと、本工程はi)降温工程及びii)温度復帰工程という2つの工程から形成されている。
i)降温工程(ステージIV)
本工程では、組成物4の温度を一旦降温させることにより、成形型1の表面から組成物4が乖離してしまうおそれを抑制する。本工程までに行われたC)a)昇温工程により、組成物4の硬化は進行している。
上述の通り、組成物4の硬化が進行すると、組成物4の発熱量はピークを迎え、そして減少し、組成物4自体は降温しようとする。しかしながらこの瞬間においても、成形型1を加熱する温度調節機は従来だと、組成物4を昇温するように稼働していた。そこで、本工程においては、その際に発生する温度ギャップを埋めるべく、組成物4の温度を降温する。つまり、温度の往復変動を低温側から行う。
上記の工程を行うことにより、組成物4が硬化することによって組成物4の表面が滑らかとなりすぎるのを抑制でき、ひいては成形型1から組成物4が乖離しやすくなってしまうことを抑制することができ、セパの発生を抑制することができる。
セパ発生の抑制メカニズムについて、以下、説明する。
まず、熱による硬化に伴い収縮する組成物は、通常、自己発熱を生じることになる。この自己発熱の熱量は、硬化工程において増加し、ピークを迎え、その後低下する。これは、組成物が硬化していく度合いとほぼ同じである。つまり、熱量が上記のように変化していくのと同様に、組成物は硬化していき、その速度がピークを迎え、そして硬化速度は低下していく。
そして本発明者は、組成物の自己発熱量がピークを迎えた後について着目した。そして本発明者は、成形型内(即ち組成物)においては組成物の発熱量が低下して組成物が降温する一方、成形型外(即ち温度調節機)の設定温度においては従来だと昇温させていることに気付いた。その結果、成形型内外において温度ギャップが生じることになり、この温度ギャップこそが、表面が滑らかとなった組成物を成形型から乖離させる要因となっているのではないかという知見を得た。
この知見に基づき、本発明者は、昇温工程にて組成物の硬化の大半を行った後、組成物の発熱量の低下に追従させるがごとく組成物の温度を一旦降温させると、少なくともセパの発生の抑制という点では効果的なのではないかと推測した。その結果、上記のi)降温工程、そして下記のii)温度復帰工程を行い、上記の温度ギャップを解消することを見出したのである。
ii)温度復帰工程(ステージV)
本実施形態においては、上記のi)降温工程を行った上で、降温させた組成物4を再び元の温度に戻す。即ち、組成物4の温度をC)a)昇温工程後の温度域の温度(本実施形態だとC)b)i)降温工程の直前の温度でもある。)に再び戻す。このような温度の高低における往復変動を行うことにより、組成物4と成形型1との間の密着性を維持しつつ組成物4を硬化させることができる。つまり、i)降温工程により一旦硬化を抑えて組成物4の表面が滑らかになりすぎるのを抑制し、組成物4と成形型1との間にはある程度の密着性が存在するようにする。ただ、そのまま組成物4を降温して離型すると、硬化度合いが足りない可能性もある。そのため、硬化度合いを従来に比べてそん色ない程度とするためにも本工程を行うのが好ましい。
なお、本工程においては、組成物4に対する単なる昇温ではなく、組成物4の温度を「昇温工程後の温度域の温度」に復帰させることに一つの特徴がある。このように温度を復帰させることにより、昇温させすぎてセパの発生のおそれを再び増加させることもなくなるし、上述のように硬化度合いを従来に比べてそん色ない程度とすることができる。
ここで「昇温工程後の温度域の温度」とは、好ましくは昇温工程後の温度と同一の温度であるが、厳密に同一の温度でなくとも良く、組成物4を後述の離型工程にて離型し、レンズを製造したとき、実用に耐えうる硬化度合いを有し且つセパによる傷が発生していない程度の温度幅は許容される。本実施形態のように単量体にDAPを用いる場合ならば、昇温工程後の温度に比べて±3℃程度なら許容される。
以上のi)降温工程及びii)温度復帰工程という2つの工程にて、組成物4の温度を往復変動させることにより、組成物4が成形型1から乖離するのを抑制することができる。その結果、上記のようにセパの発生を抑制可能としつつも組成物4の硬化を完了させ、硬化度合いを従来に比べてそん色ない程度のものとすることができる。
なお、本実施形態のようにDAPを用いた場合、C)b)乖離抑制工程における温度の往復変動は、3℃を超えた温度の幅で行うのが好ましい。温度の幅が3℃を超えていれば、組成物4の硬化を十分に抑制することができ、セパの発生を効果的に抑制することができる。
また、C)b)乖離抑制工程は、少なくとも、C)a)昇温工程において上記組成物4の硬化に伴う上記組成物4の自己発熱のピークを迎えてから開始するのが好ましい。こうすることにより、C)a)昇温工程にて組成物4の硬化の大半を行った後、確実に、組成物4の発熱量の低下に追従させることができ、セパの発生を効果的に抑制することができる。
また、セパの発生は、組成物4が硬化に伴い収縮することに起因している。そのため、成形収縮率が高ければ高いほど、成形型1からの組成物4の乖離が本来は発生しやすくなるはずであった。ところが、本実施形態のようなC)b)乖離抑制工程を行うことにより、成形収縮率が高くとも組成物4の乖離の発生を抑制することができる。そのため、従来だと成形収縮率が高いことによって敬遠されてきた化合物についても、本実施形態を用いればレンズ等を作製することも可能となる。つまり、成形収縮率が高い物質における製品への適用範囲を拡大することができる。
また、成形収縮率が高ければ高いほど、本実施形態がもたらす効果の価値は増大する。その結果、本実施形態において用いられる組成物4の成形収縮率が1%以上であれば、成形型1からの組成物4の乖離の抑制、ひいてはセパの発生の抑制という効果を増大させることができる。
更に、レンズの厚みにおいて、レンズ中央部分とレンズ周縁部分との厚さの差が大きいほど、本実施形態の効果は増加する。例えば、レンズ中央部分が極めて薄く、それに比べるとレンズ周縁部分が相当厚い場合、レンズ全体としての成形収縮率が同じだとしても、レンズ中央部分とレンズ周縁部分とでは収縮量が大きく異なる。つまり、レンズ周縁部分の収縮量がレンズ中央部分に比べて極めて大きくなる。その結果、モールド2の使用面21a,22aにおけるレンズ周縁部分に相当する部分において、組成物4と成形型1との乖離の可能性が非常に高くなってしまう。それに対し、本実施形態のC)b)乖離抑制工程を行うことにより、上記のような形状のレンズであっても、セパの発生を抑制しながら製造を行うことができる。なお、この効果は、レンズ中央部分(光学中心部分ないし幾何中心部分)の厚さが、レンズ周縁部分の厚さよりも薄ければ更に発揮される。
なお、C)b)ii)温度復帰工程に際し、組成物4の温度を維持する段階を形成してもよい。つまり、組成物4の温度を一定時間略一定に保った後、組成物4の温度をC)a)昇温工程後の温度に戻してもよい。ただし、C)b)乖離抑制工程は組成物4の硬化を一時的に抑えるという意味合いもあることから、この「一定時間」は、最終的に製造されるレンズの硬化度合いに支障がない程度の長さの時間とするのが好ましい。
また、C)b)乖離抑制工程は、C)硬化工程の開始から終了までの時間を100%とした場合、C)硬化工程の開始から少なくとも80%の時間が経過した後に開始されるのが好ましい。別の言い方をすると、C)a)昇温工程は、C)硬化工程の開始から終了までの時間を100%とした場合、C)硬化工程の開始から少なくとも80%の時間行うのが好ましい。
先にも述べたように、本工程の意義の一つは、C)硬化工程において組成物4が収縮することにより、使用面21a,22aから組成物4が乖離するのを抑制することにある。つまり、本工程は、使用面21a,22aから組成物4が乖離するか否かが問題となる段階、即ち硬化がある程度進んだ段階で行うことになる。また、昇温工程にて組成物4の硬化の大半を行った後、組成物4の発熱量がピークを迎えた後に低下する際の組成物4の温度低下に追従させるように温度調節機の設定温度を降温することも、上記の時間の条件設定に関係する。
以上の通り、本実施形態においては、硬化工程の開始から少なくとも80%の時間が経過した後にC)b)乖離抑制工程を行うのが好ましい。こうすることにより、成形型1から組成物4が乖離するのを更に効果的に抑制することができる。
更に、C)硬化工程は10時間以内で行うのが好ましい。また、C)硬化工程を10時間で行うという条件下であっても、C)b)i)降温工程に費やす時間は1時間以上確保するのが好ましい。そしてその際には3℃を超えた温度の幅で降温工程を行うのが好ましい。そうすることにより、組成物4を十分に降温することができ、組成物4の表面が滑らかになりすぎるのを抑制でき、セパの発生を更に抑制できるためである。
なお、C)硬化工程は10時間以内で行う代わりに、後述する実施例に示す図1が如く、C)硬化工程全体から見たときの温度変化率を40℃(即ち組成物4の温度変化における温度最大値80℃と温度最小値40℃との差)/10時間以上、つまり4.0℃/時間以上としても良い。
D)離型工程
その後、成形型1から組成物4を離型する離型工程を行うことになる。その際、C)b)乖離抑制工程後、昇温工程後の温度域の温度となっている組成物4を降温し、成形型1から組成物4を離型するのが好ましい。
E)その他の工程
上記の工程を行った後、必要があれば組成物4に対して表面処理、アニーリング、切削又は洗浄等を行う。こうして、製品となるレンズを製造する。
<2.実施の形態による効果>
本実施形態によれば、以下の効果を奏する。即ち、レンズを製造する際に組成物4の硬化工程を短縮しようとしたとき、ダレや脈理の発生を抑制することができる。その結果、従来だと20時間以上必要としていたところ、ダレや脈理の発生を抑制しつつも、硬化工程を10時間以下へと大幅に短縮化することが可能となる。
その結果、比較的高い屈折率を有するレンズを製造する場合の、レンズの周辺厚を小さくするという「見栄え」についての要望、及び、レンズの重量の増加を抑制する「装用感」という装用者側からの要望に応えつつも、レンズに対する旺盛な需要に応えるべく「プラスチックレンズの増産」というレンズ製造業者側からの要望にも応えることができる。
[実施の形態2]
本実施形態においては、[実施の形態1]のC)b)乖離抑制工程を細分化した好適例について説明する。具体的には、C)b)乖離抑制工程のi)降温工程を、少なくとも2段階に分けて、組成物4を降温する場合について述べる。
C)b)乖離抑制工程
i) 降温工程
イ)第1降温工程
まず、第1降温工程では、組成物4の温度変化率を0℃/時間を超え4℃/時間未満とする。本来、実施の形態1の条件を満たせば影欠陥の発生は抑制できるが、C)b)i)降温工程にて急激に組成物4を降温しすぎない方が、予期せぬ影欠陥が発生するリスクを減らせるという点で更に好ましい。上記のような温度設定にすることにより、急激な温度変化に起因する影欠陥の発生を抑制することができる。
ロ)第2降温工程
第1降温工程後、上記第1降温工程よりも温度変化率を上げて上記組成物4を降温する。その際、温度変化率は第1降温工程を超える程度とする。このような温度設定にすることにより、本来の目的即ちセパの発生を抑制することができる。
以上のように、2段階に分けた降温工程を設け、初めに緩やかな降温を行い、その後、それよりも急な降温を行うことにより、予期せぬ影欠陥の発生を抑制しつつも、更に効果的に本来の目的即ちセパの発生を抑制することができる。
なお、第1及び第2降温工程以外にも、C)a)昇温工程後の温度から上記組成物4を降温させられるのならば、降温及び/又は温度維持からなる別の工程を設けても良い。ただし、段階に分けて降温を行う場合、上記のイ)第1降温工程後に引き続いてロ)第2降温工程を行うのが好ましい。
また、温度変化率を0℃/時間を超え4℃/時間未満とする温度変化のステージをイ)第1降温工程とし、その後に引き続き行われる降温工程をロ)第2降温工程とし、上記の温度変化率の条件を満たすように設定するのが好ましい。
更に、成形型1から組成物4が乖離しないようにするという観点からは、b)i)ロ)第2降温工程後に引き続いてb)ii)温度復帰工程を行うのが好ましい。ただ、それら2つの工程の間に、影欠陥が発生しない程度の降温及び/又は温度維持工程を行っても良い。
なお、過度の硬化を抑制し、組成物4が成形型1から乖離するのを効果的に抑制するという観点からみると、C)b)i)降温工程全体においては組成物4を降温し続けることが好ましい。更に言えば、C)b)乖離抑制工程までには、組成物4に対する降温を行わないのが好ましい。
[実施の形態3]
本実施形態においては、[実施の形態1]のように組成物4から見た温度変化ではなく、組成物4が内部に充填されている成形型1に対して温度変化を与える温度調節機、即ち温度調節機の設定温度に焦点を当てて説明する。
基本的には、組成物4が上述の実施の形態の温度条件になるように、温度調節機の温度設定を行う。ただ、実際にレンズを製造する際、温度調節機の設定温度と実際の組成物4の温度に差が生ずることもある。本実施形態においては、その差を勘案して、温度調節機の温度設定を行う。
この温度調節機の温度設定は、特にC)b)i)降温工程で重要になる。上述の実施の形態において、組成物4に対し降温工程を2段階に分けて行うことが効果的であることは既に述べたところである。その一方、本実施形態における温度調節機では、1段階の降温工程を行うように温度の設定を行うのが好ましい。更に詳しく言うと、この1段階の降温工程の温度変化率を20℃未満とし、更には1時間以上かけて組成物4を降温するのが好ましい。
上述のように、温度調節機の設定温度と実際の組成物4の温度との間には差が生じる。そのような状況下で、温度調節機の設定温度の温度変化率を急激にしすぎると、組成物4が十分に降温しないまま次の温度復帰工程へと移行してしまう。そうなると進行している硬化を十分に抑制することができず、その結果、セパが発生するのを抑制することができなくなる。
そこで本実施形態においては、降温工程における温度調節機の設定温度の温度変化率を20℃未満とし、1時間以上かけて組成物4を降温している。そうすることにより、時間をかけて硬化を十分に抑制することができ、ひいてはセパの発生を更に効果的に抑制することができる。
これは、C)硬化工程を10時間以内に抑えようとする場合、特に有効である。一般にC)硬化工程全体を短縮化しようとすると、その中のC)b)i)降温工程も短縮化しようとするのが常である。しかしながら、本実施形態ではそれとは逆に、いわば「急がば回れ」が如く、温度調節機の設定温度の温度変化率を20℃未満とし、1時間以上かけて十分に組成物4を降温する。
なお、この温度変化率及び時間の条件は、温度調節機の設定温度のみならず組成物4に対してもあてはまる。即ち、C)b)i)降温工程において、組成物4の温度変化率を20℃未満とし、1時間以上かけて十分に組成物4を降温するのも好ましい。このとき、[実施の形態2]のように2段階に分けて降温工程を行っても良いし、1段階の降温工程でも良い。
[実施の形態4]
なお、本発明の技術的範囲は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、発明の構成要件やその組み合わせによって得られる特定の効果を導き出せる範囲において、種々の変更や改良を加えた形態も含む。
DAPのような単量体に、紫外線吸収剤を更に加えても良い。紫外線吸収剤として例示すると、ベンゾフェノン系及びベンゾトリアゾール系から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。そして、このベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−アセトキシエトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ−5,5’−ジスルホベンゾフェノン・2ナトリウム塩、2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン及び2,2’,4’−トリヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノンなどが挙げられ、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(2,4,6−トリヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、5−クロロ−2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、5−クロロ−2−(2,4,6−トリヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、5−ブロモ−2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、5−ブロモ−2−(2,4,6−トリヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、ジクロロ−2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、ジブロモジクロロ−2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−べンゾトリアゾールなどが挙げられる。なかでも2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン、2,2’,4’−トリヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン及び2−(2’−ヒドロキシ−5−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾールから選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、特に2,2’,4’−トリヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノンが好ましい。もちろん、上記以外の公知の紫外線吸収剤であっても、熱硬化性組成物4の種類に応じて適宜選択することができる。
その際、色調を整えるために、色調を整えるための機能を有する公知の金属粒子又は金属化合物を加えても良い。一例を挙げると、成分であるCoO・Al及び/又はCo・Alで表されるコバルト化合物やAu微粒子等が挙げられる。
更に、DAPのような単量体に、重合開始剤を加えてもよい。重合開始剤としては、単量体を重合させるものであれば、特に限定されるものではなく、公知のものを用いることができるが、有機過酸化物及び有機アゾビス化合物から選らばれる少なくとも1種であることが好ましい。この有機過酸化物としては、ベンゾイルパーオキシド、メチルエチルパーオキシド、メチルエチルケトンパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、アセチルパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等が挙げられ、有機アゾ化合物としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオン酸メチル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)等が挙げられる。これらのうち、ベンゾイルパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、及びt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートから選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
また、上述の実施の形態においてはC)硬化工程前の組成物4を液状としたが、液状ないし固体状の組成物4を用いても良い。本発明は、成形型1内にて液状となった組成物4が硬化し、その後、成形型1と組成物4とが乖離しないようにする状況ならば、適用可能である。つまり、B)充填工程にて例えば固体状であったとしても、B)充填工程後に組成物4を溶解する処理を行った後、C)硬化工程を行っても良い。
また、上述の実施の形態においてはC)b)乖離抑制工程において、一往復の温度変動を行ったが、二往復以上の温度変動を行っても良い。ただし、その場合、組成物4を一度降温した後は、C)a)昇温工程後の温度域の温度に復帰させる必要がある。そして、その温度から、再び組成物4に対する降温を行うことになり、同様に、C)a)昇温工程後の温度域の温度に復帰させる。
なお、上述の実施の形態においては、完成されたレンズの前面が凸面を有するように第一モールド21の形状は設定したが、それとは逆に、完成されたレンズの前面が凹面を有するように第一モールド21の形状を設定してもよい。同様に、第二モールド22についても、上述の実施の形態と逆の形状に設定してもよい。また、第一モールド21及び第二モールド22を共に、完成されたレンズの両面が凸面を有するように設定しても良いし、完成されたレンズの両面が凹面を有するように設定しても良い。
また、上述の実施の形態で作製したレンズに対し、フォトクロミック性を付与するために、レンズ基材上にフォトクロミック色素を含むコーティング(フォトクロミック膜)を設ける方法、レンズ基材によってフォトクロミック膜を被覆する方法、2枚のレンズ基材間にフォトクロミック膜を配置する方法等を用いても良い。
次に実施例を示し、本発明について具体的に説明する。もちろん本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
A)熱硬化性組成物の準備
ジアリルフタレートに、重合開始剤としてIPP−27(日本油脂製)を加え、紫外線吸収剤としてUV−5411(サンケミカル株式会社製)を加え、常温で撹拌し、減圧して撹拌しながら脱気を行った。その後、攪拌した液に対しフィルタリングを行い、本実施例にて用いる組成物を作製した。
B)充填工程
図5(a)に示す成形型1に対し、フィルタリング済みの液を充填した。具体的には、組成物注入口31から上記の組成物を成形型1内に充填するよう注入した。なお、注入時は大気雰囲気下とし、成形型1の温度を調節する温度調節機の設定温度は42℃とした。
C)硬化工程
このように成形型1内に充填した組成物4に対し、下記の表1に示すような温度変動を各ステージにて行った。また、表1の温度変動について、温度調節機の設定温度又は組成物4の実際の温度と時間との関係を示すグラフを図1に示す。なお、本工程は、従来だと20時間要するところ、10時間で行った。
また、各ステージにおいては、設定温度、各ステージに要する時間、設定温度及び時間から導き出される温度変化率(℃/時間)が、互いのステージで異なる。なお、以降の各ステージの温度及び温度変化率については、温度調節機の設定における数値を示す。実際の組成物4の温度及び温度変化率については、その都度特記する。
a)昇温工程
本実施例においては、昇温工程としてステージI〜IIIを設定した。なお、本実施例においては表1におけるステージII(温度変化率4.7℃/時間)がi)第1昇温工程に該当する。また、ステージIII(温度変化率10℃/時間)がii)第2昇温工程に該当する。
b)乖離抑制工程
本実施例においては、乖離抑制工程としてステージIV〜Vを設定した。なお、本実施例においては表1におけるステージIV(温度変化率−20℃/時間)がi)降温工程、ステージV(温度変化率15℃/時間)がii)温度復帰工程である。
D)離型工程
上記のC)硬化工程を終了させた後、昇温工程後の温度域の温度となっている組成物4を降温した。そして、モールド2とガスケット3を取り外し、組成物4を離型した。
E)その他の工程
この組成物4に対し、アニール処理を行った。こうして、本実施例における眼鏡用プラスチックレンズを得た。
<実施例2>
実施例2では、C)硬化工程において、下記の表2に示すような温度変動を各ステージにて行った。また、表2の温度変動について、温度調節機の設定温度又は組成物4の実際の温度と時間との関係を示すグラフを図2に示す。それ以外は、実施例1と同様の工程を行った。
なお、実施例2においては、組成物4に対し、b)i)降温工程において、イ)第1降温工程及びロ)第2降温工程を行っている。その一方、温度調節機においては、1段階の降温工程を設定しており、温度変化率を20℃未満とし、更には降温時間を1時間以上に設定している。
<比較例1〜2>
比較例1では、C)硬化工程において、下記の表3に示すような温度変動を各ステージにて行った。更に、比較例2では、下記の表4に示すような温度変動を各ステージにて行った。また、表3及び表4の温度変動について、温度調節機の設定温度又は組成物4の実際の温度と時間との関係を示すグラフを各々図3(a)及び図4(a)に示す。それ以外は、実施例1と同様の工程を行った。
<評価>
実施例1〜2及び比較例1〜2で作製した眼鏡用プラスチックレンズについて、影欠陥が発生している様子又は影欠陥発生率について調べた。なお、この影欠陥については、高圧水銀ランプを用いて調べた。具体的には、上記の高圧水銀ランプから投射された光を眼鏡用プラスチックレンズに投下させ、映写幕に投影させた。この透過像を目視で観察した。また、影欠陥発生率については、同一手法で作製した眼鏡用プラスチックレンズのうち、上記の目視観察によってどの程度の量のレンズに影欠陥が発生したかを調査することにより算出した。
まず、実施例1については、影欠陥の発生は確認できなかった。また、実施例2についても、影欠陥の発生は確認できなかった。
一方、比較例1においては、図3(b)に示すように、大きなダレが発生していた。更に、比較例2においては、図4(b)に示すように、ダレに加え脈理が発生していた。
以上の通り、実施例については、硬化工程に要する従来の時間(20時間)と比して、1/2程度(10時間)に短縮化された硬化工程を有していながらも、ダレや脈理のような欠陥を効果的に抑制することができた。一方、本実施例を適用しなかった比較例においては、単に硬化工程を10時間に短縮化しただけでは、ダレや脈理のような欠陥の発生を抑制できないことがわかった。
以下、その他の好ましい形態を付記する。
[付記1]
前記第1昇温工程後に引き続いて前記第2昇温工程を行うことを特徴とする眼鏡用プラスチックレンズの製造方法。
[付記2]
前記昇温工程後、前記組成物の昇温を停止し、前記組成物に対し、前記昇温工程後の温度を出発してから再び前記昇温工程後の温度域の温度となるまで、温度の高低において往復変動させることによって、前記組成物の硬化に伴う収縮による前記成形型からの前記組成物の乖離を抑制する乖離抑制工程を更に有することを特徴とする眼鏡用プラスチックレンズの製造方法。
[付記3]
前記昇温工程においては、前記組成物を昇温し続けることを特徴とする眼鏡用プラスチックレンズの製造方法。
[付記4]
前記乖離抑制工程は、
前記組成物に対する降温工程と、
前記降温工程後、前記組成物に対して前記昇温工程後の温度に復帰させる温度復帰工程と、
を有しており、
前記降温工程は更に、
前記組成物を降温する第1降温工程と、
前記第1降温工程後、前記第1降温工程よりも温度変化率を上げて前記組成物を降温する第2降温工程と、
を有していることを特徴とする眼鏡用プラスチックレンズの製造方法。
[付記5]
前記降温工程を1時間以上行い、3℃を超えた温度の幅で前記組成物を降温することを特徴とする眼鏡用プラスチックレンズの製造方法。
[付記6](以下、温度調節機の設定温度)
前記硬化工程は、前記成形型を温度変化させる温度調節機を所定の温度条件に設定することにより行われ、
前記乖離抑制工程は、
前記温度調節機を降温する降温工程と、
前記降温工程後、前記温度調節機に対して前記昇温工程後の温度に復帰させる温度復帰工程と
を有しており、
前記降温工程は、
前記温度調節機を降温する第1降温工程と、
前記第1降温工程後、前記第1降温工程よりも温度変化率を上げて前記温度調節機を降温する第2降温工程と、
を有しており、
前記第1降温工程及び前記第2降温工程は、前記温度調節機における前記昇温工程の終了時の設定温度から、3℃を超え且つ10℃未満の幅で低く設定して、1時間以上行うことを特徴とする眼鏡用プラスチックレンズの製造方法。
[付記7]
前記硬化工程は、前記成形型を温度変化させる温度調節機を所定の温度条件に設定することにより行われ、
前記昇温工程においては、前記温度調節機を昇温し続けることを特徴とする眼鏡用プラスチックレンズの製造方法。
[付記8]
前記硬化工程は、前記成形型を温度変化させる温度調節機を所定の温度条件に設定することにより行われ、
前記昇温工程は、
前記温度調節機を昇温する第1昇温工程と、
前記第1昇温工程後、前記第1昇温工程よりも温度変化率を上げて前記温度調節機を昇温する第2昇温工程と、
を有しており、
前記第1昇温工程の温度変化率は2.5℃/時間を超え5℃/時間未満であり、前記第2昇温工程の温度変化率は12℃/時間未満であることを特徴とする眼鏡用プラスチックレンズの製造方法。
1 成形型
2 モールド
21 第一モールド
21a (第一モールドの)使用面
22 第二モールド
22a (第二モールドの)使用面
3 ガスケット
31 組成物注入口
4 組成物

Claims (2)

  1. ジアリルフタレート化合物を含有する組成物を成形型に充填する充填工程と、
    前記充填工程後、前記成形型を加熱することにより前記組成物を硬化させる硬化工程と、
    を有し、
    前記硬化工程は、前記組成物に対する昇温、又は、昇温と温度維持とを組み合わせることによって、前記充填工程後の温度から前記組成物を昇温させる昇温工程を有しており、
    前記昇温工程は、
    前記充填工程後の温度から前記組成物を昇温する第1昇温工程と、
    前記第1昇温工程後、前記第1昇温工程よりも温度変化率を上げて前記組成物を昇温する第2昇温工程と、
    を有しており、
    前記第1昇温工程の温度変化率は2.5℃/時間を超え5℃/時間未満であり、前記第2昇温工程の温度変化率は12℃/時間未満であり、
    前記硬化工程は10時間以内で行う
    ことを特徴とする眼鏡用プラスチックレンズの製造方法。
    ただし、前記昇温工程において最大の温度変化率となる工程を第2昇温工程とする。
  2. 前記硬化工程の開始から終了までの時間を100%とした場合、少なくとも、前記硬化工程の開始から80%の時間までの間は前記昇温工程が行われることを特徴とする請求項1に記載の眼鏡用プラスチックレンズの製造方法。
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