以下、本遊技機の構成と動作について詳細に説明する。
[外観構成について]
図1は、本実施の形態である遊技機1の外観斜視図である。本実施形態の遊技機1は、いわゆるパチスロ機である。この遊技機1は、コイン、メダル、遊技球又はトークンなどの他、遊技者に付与された、又は付与される遊技価値の情報を記憶したカード等の遊技媒体を用いて遊技する遊技機であるが、以下では遊技媒体としてメダルを用いるものとして説明する。
遊技機1の前面ドア2の正面には、略垂直面のパネル表示部2a、液晶表示部2b、及び固定表示部2cが設けられている。また、前面ドア2の背後には、複数種類の図柄が各々の外周面に表示された3個のリール3L,3C,3R(左リール3L、中リール3C、右リール3R)が、回転自在に横一列に配置されている。この各リール3L,3C,3Rは、一定の速度で回転する(例えば、80回転/分)。また、液晶表示部2bには表示装置となる透過型の液晶表示装置5(図3、図4参照)が設けられている。この液晶表示装置5はリール3L,3C,3Rの前面においても画像の表示が可能である。
パネル表示部2a、液晶表示部2b、及び固定表示部2cの下方には略水平面の台座部4が設けられている。台座部4向かって右側と中央には、メダルを投入するためのメダル投入口10が設けられている。投入されたメダルは、クレジットされるか、ゲームに賭けられる。また、台座部4の左側には、押下操作により、クレジットされているメダルを賭けるための1−BETスイッチ11、2−BETスイッチ12、及び最大BETスイッチ13が設けられている。
1−BETスイッチ11は、1回の押下操作により、クレジットされているメダルのうちの1枚がゲームに賭けられ、2−BETスイッチ12は、1回の押下操作により、クレジットされているメダルのうちの2枚がゲームに賭けられ、最大BETスイッチ13は、1回のゲームに賭けることが可能な最大枚数(本実施形態では3枚)のメダルが賭けられる。
これらのBETスイッチ11〜13を操作することで、後述の表示ラインが有効化される。BETスイッチ11〜13の操作及びメダル投入口10にメダルを投入する操作(遊技を行うためにメダルを投入する操作)を、以下「BET操作」という。
台座部4の左下方向には、遊技者がゲームで獲得したメダルのクレジット/払出しを押しボタン操作で切り換えるC/Pスイッチ14が設けられている。このC/Pスイッチ14の切り換えにより、正面下部のメダル払出ロ15からメダルが払出され、払出されたメダルはメダル受け部5に貯留される。メダル受け部5の上方の左右には、遊技の演出に関する効果音などを出力するスピ−カ21L,21Rが設けられている。
C/Pスイッチ14向かって右側には、遊技者の操作によりリール3L,3C,3Rを回転させ、図柄表示領域21L,21C,21R(図2)内での図柄の変動表示を開始するためのスタートレバー6が取り付けられている。
台座部4の前面部中央でスタートレバー6の右側には、3個のリール3L,3C,3Rの回転をそれぞれ停止させるための3個のストップボタン7L,7C,7R(左ストップボタン7L、中ストップボタン7C、右ストップボタン7R)が設けられている。なお、本実施の形態では、1ゲーム(単位遊技)は、基本的に、スタートレバー6が操作されることにより開始し、全てのリール3L,3C,3Rが停止したときに終了する。
また、本実施の形態では、全てのリール3L,3C,3Rが回転しているときに行われるリールの停止操作(ストップボタンの操作)を第1停止操作、第1停止操作の次に行われる停止操作を第2停止操作、第2停止操作の次に行われる停止操作を第3停止操作という。また、各ストップボタン7L,7C,7Rの裏側には、それぞれ停止スイッチ(図示せず)が配置されている。これらの各停止スイッチは、対応するストップボタンの操作(停止操作)を検知する。
操作部17は、遊技者から各種操作を受け付ける。
[表示部について]
次に、図2を参照して、パネル表示部2a、液晶表示部2b、及び固定表示部2cについて説明する。
パネル表示部2aは、ボ−ナス遊技情報表示部16、BETランプ9a〜9c、払出表示部18、及びクレジット表示部19により構成される。ボ−ナス遊技情報表示部16は、7セグメントLEDからなり、ボーナス中の遊技情報を表示する。1−BETランプ9a、2−BETランプ9b及び最大BETランプ9cは、1ゲームを行うために賭けられたメダルの数(以下「BET数」という)に応じて点灯する。
1−BETランプ9aは、BET数が1枚のときに点灯する。2−BETランプ9bは、BET数が2枚のときに点灯する。最大BETランプ9cは、BET数が3枚のときに点灯する。払出表示部18a及びクレジット表示部18b(併せて情報表示部18)は、それぞれ7セグメントLEDからなり、入賞が成立したときのメダルの払出枚数及びクレジットされているメダルの枚数を表示する。
液晶表示部2bは、図柄表示領域21L,21C,21R、窓枠表示領域22L,22C,22R、及び演出表示領域23により構成される。この液晶表示部2bの表示内容は、リール3L,3C,3Rの回転及び停止態様、及び液晶表示装置5(図3、図4参照)の動作により変化する。
図柄表示領域21L,21C,21Rは、各リール3L,3C,3Rに対応して設けられ、リール3L,3C,3R上に配置された図柄の表示や、種々の演出表示を行う。
図柄表示領域21L,21C,21Rには、表示ラインとして、水平方向にトップライン8b、センターライン8c及びボトムライン8d、並びに、斜め方向にクロスアップライン8a及びクロスダウンライン8eが設けられている。これら5本の表示ラインは、遊技者が、BETスイッチ11〜13を押下操作すること、又はメダル投入口10にメダルを投入することにより、BET数に応じた数のものが有効化される(「有効ライン」となる)。表示ラインが有効化されたか否かは、BETランプ9a,9b,9cの点灯、不点灯で表示される。この表示ライン8a〜8eは、入賞の成否に関わる。
ここで、表示窓となる各図柄表示領域21L,21C,21Rには、それぞれ縦方向(垂直方向)に3ヵ所(上段、中段、下段)の図柄停止位置が設けられている。各図柄表示領域21L,21C,21Rにおける図柄の変動表示(移動表示)が停止した場合には、各図柄表示領域21L,21C,21Rに設けられた図柄停止位置の各々に図柄が停止表示される。各表示ラインは、各図柄表示領域21L,21C,21R内の図柄停止位置を結んでいる。
図柄表示領域21L,21C,21Rは、少なくとも、対応するリール3L,3C,3Rが回転中のとき、及び対応するストップボタン7L,7C,7Rが押下操作可能なとき、遊技者がリール3L,3C,3R上の図柄を視認できるように、透過状態となる。
窓枠表示領域22L,22C,22Rは、各図柄表示領域21L,21C,21Rを囲むように設けられ、リール3L,3C,3Rの前面に配置された図柄表示領域21L,21C,21Rの窓枠を表したものである。
演出表示領域23は、液晶表示部2bの領域のうち、図柄表示領域21L,21C,21R及び窓枠表示領域22L,22C,22R以外の領域である。固定表示部2cは、予め定めた図や絵などが描かれている領域である。この固定表示部2cに描かれた図や絵などと、演出表示領域23に表示された画像とを連接させることにより、一つの静止画像又は動画像を表示できるようにしても良い。
後述の液晶表示装置5(図3、図4参照)は、リール3L,3C,3Rの表示領域より遊技機1の正面から見て手前側(表示面よりも手前側)に設けられている。また、リール3L,3C,3Rと液晶表示装置5とは別体で(例えば所定の間隔をあけて)設けられている。
[ハードウェア構成について]
次に、図3を参照して、主制御回路71、副制御回路72、主制御回路71及び副制御回路72と電気的に接続する周辺装置(アクチュエータ)を含む遊技機1の回路構成について説明する。
主制御回路71は、回路基板上に配置されたマイクロコンピュータ30を主たる構成要素とし、これに乱数サンプリングのための回路を加えて構成されている。マイクロコンピュータ30は、CPU31、記憶手段であるROM32及びRAM33により構成されている。ROM32には、CPU31により実行される制御プログラム、後述の各種テーブル等の固定データが記憶されている。RAM33には、後述の各種格納領域等が設けられ、種々のデータが記憶される。
CPU31には、クロックパルス発生回路34、分周器35、乱数発生器36及びサンプリング回路37が接続されている。クロックパルス発生回路34及び分周器35は、基準クロックパルスを発生する。発生させた基準クロックパルスに基づいて、後述の割込処理などが行われる。乱数発生器36は、一定の範囲の乱数(例えば、0〜65535)を発生する。サンプリング回路37は、乱数発生器36により発生した乱数から1つの乱数値を抽出(サンプリング)する。
図3の回路において、マイクロコンピュータ30からの制御信号により動作が制御される主要なアクチュエータとしては、ベットランプ9a、9b、9c、情報表示部18、ホッパー40、ステッピングモータ49L、49C、49R等がある。また、マイクロコンピュータ30の各出力ポートには、CPU31から出力される制御信号を受けて、各アクチュエータの動作を制御するための各回路がそれぞれ接続されている。各回路としては、モータ駆動回路39、ランプ駆動回路45、表示部駆動回路48及びホッパー駆動回路41がある。
ランプ駆動回路45は、ベットランプ9a、9b、9cの点灯や消灯の制御を行う。表示部駆動回路48は、情報表示部18による各種情報(払出枚数、クレジット枚数等)の表示の制御を行う。ホッパー駆動回路41は、ホッパー40によるメダルの払い出しの制御を行う。モーダ駆動回路39は、主制御回路71からのパルスをステッピングモータ49L、49C、49Rに対して出力することによって、ステッピングモータ49L、49C、49Rの駆動を制御し、リール3L、3C、3Rの回転及びその停止の制御を行う。
ここで、本実施の形態では、リールが一回転したことを示すリールインデックスが後述のリール位置検出回路50により検出されてから、ステッピングモータ49L、49C、49Rに対してパルスを出力した回数を計数することによって、リールインデックスが検出される位置を基準とするリールの回転角度を検出することとしている。また、ステッピングモータ49L、49C、49Rの回転を所定の減速比をもってリール3L、3C、3Rに伝達するギア(図示せず)が設けられており、ステッピングモータ49L、49C、49Rに対して16回のパルスの出力が行われることによって、リールの周囲に配された図柄1つ分のリールの回転が行われる構成となっている。
具体的には、前述のステッピングモータ49L、49C、49Rに対して出力されたパルスの数は、RAM33のパルスカウンタによって計数され、パルスカウンタにより16回のパルスの出力が計数される毎に、RAM33の図柄カウンタが1ずつ加算される。また、図柄カウンタは、リールインデックスが検出される毎にその値がクリアされる。
ここで、前述のリールの周面に配された各図柄には、リールの回転方向から順に、夫々を識別するための図柄位置「0」〜「20」が規定されている。そして、図柄位置「0」に対応する図柄がセンターライン8b(より正確には、各図柄表示領域21L,21C,21R内の縦方向における中段の領域の中心部)に位置するように、後述のリール位置検出回路50によってリールインデックスが検出される構成となっている。即ち、リールインデックスの検出により図柄カウンタの値が「0」になる際に、図柄位置「0」に対応する図柄がセンターライン8bに位置することとなり、この結果、図柄カウンタと図柄位置とが対応付けられる。従って、図柄カウンタを参照することにより、センターライン8bに位置する図柄を特定することが可能となる。
また、マイクロコンピュータ30の各入力ポートには、スイッチ類等がそれぞれ接続されており、前述のアクチュエータ等の制御が行われる契機となる所定の信号を入力する。具体的には、スタートスイッチ6S、ストップスイッチ7S、1‐ベットスイッチ11S、2‐ベットスイッチ12S、最大ベットスイッチ13S、C/Pスイッチ14S、設定変更スイッチ19S、リセットスイッチ20S、メダルセンサ22S、リール位置検出回路50、払出完了信号回路51が接続されている。また、図示を省略しているが、電源ボタンに対する管理者の操作に基づいて、遊技機1に対する電源の供給及び遮断を行うための電源スイッチも設けられている。
スタートスイッチ6Sは、スタートレバー6に対する遊技者の傾動操作(即ち、開始操作)を検出し、検出した信号をマイクロコンピュータ30に出力する。ストップスイッチ7Sは、各ストップボタン7L、7C、7Rに対する遊技者の押圧操作(即ち、停止操作)を夫々検出し、検出した信号をマイクロコンピューク30に出力する。1‐ベットスイッチ11S、2‐ベットスイッチ12S及び最大ベットスイッチ13Sは、1‐ベットボタン11、2‐ベットボタン12及び最大ベットボタン13の夫々に対する遊技者の押圧操作(即ち、投入操作)を検出し、検出した信号をマイクロコンピューク30に出力する。メダルセンサ22Sは、遊技者の操作によりメダル投入口22に投入されたメダルを検出し、検出した信号をマイクロコンピュータ30に出力する。
C/Pスイッチ14Sは、C/Pボタン14に対する遊技者の押圧操作を検出し、検出した信号をマイクロコンピュータ30に出力する。リール位置検出回路50は、例えば発光部と受光部とを有する光センサにより、リールが一回転したことを示すリールインデックスをリール3L、3C、3R毎に検出し、検出した信号をマイクロコンピュータ30に出力する。払出完了信号回路51は、メダル検出部40Sの動作により、払出枚数が所定枚数に達したか否かを検出し、検出した信号をマイクロコンピュータ30に出力する。
設定変更スイッチ19Sは、設定変更ボタンに対する管理者の操作を検出し、検出した信号をマイクロコンピュータ30に出力する。リセットスイッチ20Sは、リセットボタンに対する管理者の操作を検出し、検出した信号をマイクロコンピュータ30に出力する。設定値は、遊技者にとっての有利さの度合いを区別するための指標となるデータである。即ち、後述の内部当籤役の当籤確率等に関わり、遊技者及び遊技店舗の利益に関わるデータである。特典の付与に係る内部当籤投の当籤確率等が高いほど、より多くのメダルを獲得することができる可能性が生じるので、遊技者にとっては有利となる。本実施の形態では、設定値として「1」〜「6」の6段階が設けられており、スタートスイッチ6S、設定変更スイッチ19S及びリセットスイッチ20Sの入力に基づいて、これらのうち何れかがRAM33の設定値格納領域に格納される。
次に、副制御回路72の回路構成について説明する。主制御回路71は、遊技の進行など遊技全体を制御するものであるのに対し、副制御回路72は、画像の表示や音・ランプの出力などにより遊技に関する演出を制御するものである。主制御回路71と副制御回路72とはハーネスなどにより電気的に接続されており、副制御回路72は、主制御回路71から送信された各種コマンド(後述するスタートコマンドなど)に基づいて演出内容の決定や実行などの各種処理を行う。
副制御回路72は、詳細は後述するが、シリアルポートを介して主制御回路71から送信されたコマンドに基づき、サブROM内に記憶された制御プログラムに従って、演出データの決定や、その出力などの各種処理を行う。
副制御回路72により動作が制御される主要なアクチュエータとしては、液晶表示装置5、スピーカ21L、21R、LED101及びランプ102がある。副制御回路72は、決定した演出データに基づいて、液晶表示装置5に画像の表示を行わせ、LED101やランプ102に点灯パターンの出力を行わせ、スピーカ21L、21Rに演出音や効果音の出力を行わせる。また、副制御回路72には、操作部17と音量調節部103が接続されており、これらから出力される信号に基づいて画像や音の出力を行う。
図4は、副制御回路72の電気的な接続を示すブロック図である。副制御回路72は、画像制御回路201と音・ランプ制御回路202とからなる。
画像制御回路201では、主制御回路71から送信されるコマンドはシリアルポート211を介して画像制御マイコン212が受信する。画像制御マイコン212は、CPUを備え、液晶表示装置5の画像表示を制御する。プログラムROM213は、画像制御マイコン212が実行する各種制御プログラムを格納しており、ワークRAM214は、画像制御マイコン212のワークエリアとなる。カレンダIC215は、カレンダ機能を有する回路である。
画像制御IC221は、画像制御マイコン212の制御により液晶表示装置5の画像表示を制御する駆動回路である。画像ROM222には、液晶表示装置5に表示する演出などの動画像データが格納されている。画像制御IC221は、制御RAM223、ビデオRAM224をワークエリアとして使用し、画像ROM222に格納されている各種動画像データを液晶表示装置5に表示する。
操作部17で行う各種の操作は画像制御マイコン212に伝えられる。
主制御回路71から送信されるコマンドはシリアルポート231を介して音・ランプ制御回路202の音・ランプ制御マイコン232でも受信する。音・ランプ制御マイコン232は、CPUを備え、LED類232、ランプ類233、スピーカ類21L,21Rを制御する。プログラムROM233は、音・ランプ制御マイコン232が実行する各種制御プログラムを格納している。ワークRAM234は、音・ランプ制御マイコン232のワークエリアとなる。
音源ROM235は、スピーカ類21L,21Rから出力する各種音声データを格納している。音源IC236は、スピーカ類21L,21Rから音を出力するパワーアンプ237の駆動回路である。音量調節部103で行う各種の操作は音・ランプ制御マイコン232に伝えられ、スピーカ類21L,21Rの音量調節を行うことができる。
[主要な各種テーブル、各種格納領域について]
次に、主制御回路71で使用する主要な各種テーブル、各種格納領域などについて説明する。
図5を参照して、図柄配置テーブルについて説明する。
図柄配置テーブルは、各リール3L、3C、3Rの周囲に配された図柄の構成をデータとして表したものである。図柄配置テーブルには、リールインデックスが検出されたときに、各図柄表示領域21L,21C,21Rの中段に位置する図柄を図柄位置「0」として、前述の図柄カウンタと対応する図柄位置「0」〜「20」と、各図柄位置に対応する図柄の種別とが規定されている。各図柄の種別は、1バイトのデータにより表される。従って、図柄配置テーブルと図柄カウンタとに基づいて、各リール3L、3C、3Rの図柄表示領域21L,21C,21Rの中段に位置する図柄や、これに隣接する図柄なども特定可能となる。
次に、図6を参照して、主制御回路71の内部抽籤テーブル決定テーブルについて説明する。
内部抽籤テーブル決定テーブルでは、RAM33の遊技状態格納領域に格納されている遊技状態の種別に応じて決定される内部抽籤テーブルの種別と抽籤回数とが規定されている。一般遊技状態では、一般遊技状態用内部抽籤テーブルが決定され、基本的に、抽籤回数が8に決定される。RB(レギュラーボーナス)遊技状態では、RB遊技状態用内部抽籤テーブルが決定され、抽籤回数が4に決定される。
ボーナスゲームとしては、RBの他にMB(ミドルボーナス)と、CB(チャレンジボーナス)とがある。RBにはいわゆるボーナスフラグ間が存在するのに対して、MBはボーナスフラグ間がなく、MBが成立したゲームでただちにMBが作動する。MBは、第2種特別役物にかかる役物連続作動装置である。CBは、1ゲームのみ継続する。CB中は中リール3Cについて停止制御位置が停止開始位置から0〜1コマの範囲で決定され、ほぼ遊技者が停止させたい位置で中リール3Cを停止させることができ、所定の小役に入賞しやすくなる。MBが作動中のときをMB遊技状態と呼び、CBが作動中のときをCB遊技状態と呼ぶ。なお、本実施の形態では、MB中にCBが自動で作動する。
次に、図7〜図10を参照して、主制御回路71の内部抽籤テーブルについて説明する。
内部抽籤テーブルにおいては、当籤番号ごとに割り当てられた抽籤値及びデータポインタが規定されている。データポインタは、小役・リプレイ用のものとボーナス用のものの2種類が規定されている。
内部抽籤テーブルでは、前述の内部抽籤テーブル決定テーブル等に基づいて決定される抽籤回数と同じ数の当籤番号が最初に選択される。そして、「0〜65535」の数値範囲より抽出された乱数値から現在の当籤番号に対応している抽籤値を減算し、これにより桁かりが行われれば当該当籤番号に対応している小役・リプレイ用とボーナス用のデータポインタを選択する。桁かりが行われなければ現在の当籤番号に「1」を加算して、当該加算後の当籤番号に対応している抽籤値を減算後の値からさらに減算し、これにより桁かりが行われれば当該当籤番号に対応している小役・リプレイ用とボーナス用のデータポインタを選択する。桁かりが行われなければ現在の当籤番号に「1」を加算する。以下、同様の処理を桁かりが行われるか、抽籤回数まで減算が行われるまで繰り返す。このように、内部抽籤テーブルは、小役・リプレイ用とボーナス用のデータポインタを決定するための抽籤を行うためのテーブルである。そして、小役・リプレイ用とボーナス用のデータポインタは、後述の内部当籤役決定テーブルによって当たり要求フラグを特定するためのデータであり、当たり要求フラグは内部当籤役を特定するためのデータである。
図7は、一般遊技状態において使用する一般遊技状態用内部抽籤テーブルを示す。図7は、前述の設定値が1の場合の内部抽籤テーブルであり、一般遊技状態でのメダルの投入枚数は3となる。一般遊技状態用内部抽籤テーブルでは、小役、リプレイの他、ボーナスゲームの作動にかかるBB(ビッグボーナス)1、BB2、MBの抽籤も行う。
図8は、RB遊技状態において使用するRB遊技状態用内部抽籤テーブルを示す。図8は、前述の設定値につき全設定値共通の内部抽籤テーブルであり、RB遊技状態でのメダルの投入枚数は2となる。RB遊技状態用内部抽籤テーブルでは、後述の小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルに示すように、ほとんどの場合に小役・リプレイ用データポインタ5の白チェリーと黒チェリーに重複当籤する。
図9は、リプレイタイム(以下、「RT」と略記する)1作動中用内部抽籤テーブルを示す。本実施の形態では、RTとしてRT1とRT2の2種類を規定している。RT1は、BB1又はBB2が成立するまで継続するRTであり、RT2は、BB1又はBB2が成立してから入賞するまでのいわゆるボーナスフラグ間に作動するRTである。
RT1作動中用内部抽籤テーブルは、RT1の作動中に使用する内部抽籤テーブルである。図9は、前述の設定値につき全設定値共通の内部抽籤テーブルであり、RT中でのメダルの投入枚数は3となる。一般遊技状態用内部抽籤テーブルでは当籤番号1の抽籤値は「8964」に規定されているのに対し、RT1作動中用内部抽籤テーブルでは当籤番号1の抽籤値はこれよりも相当大きい「43690」に規定されている。即ち、RT1作動中用内部抽籤テーブルでは、一般遊技状態用内部抽籤テーブルと比べて、当籤番号1の小役・リプレイ用データポインタ1(後述のリプレイに内部当籤する場合である)の当籤確率が相当高い構成となっている。すなわち、RT1作動中用内部抽籤テーブルでは、約3回に2回はリプレイに内部当籤する。図9において、当籤番号2〜8については一般遊技状態用内部抽籤テーブルと同一の構成であるため、図示を省略している。
このように、RT1作動中は、再遊技の作動に係るリプレイの当籤確率が非常に高くなるので、一般遊技状態中において同じ回数の単位遊技が行われる場合と比べて、メダルの消費を抑えることが可能となる。
図10は、RT2作動中用内部抽籤テーブルを示す。図7は、前述の設定値が1の場合の内部抽籤テーブルであり、メダルの投入枚数は3となる。RT2作動中用内部抽籤テーブルでは当籤番号1の抽籤値は一般遊技状態より大きいが、RT1より小さい「21845」に規定されている。即ち、RT2作動中用内部抽籤テーブルでは、一般遊技状態用内部抽籤テーブルと比べて、当籤番号1の小役・リプレイ用データポインタ1(後述のリプレイに内部当籤する場合である)の当籤確率が高いが、RT1作動中用内部抽籤テーブルより低い構成となっている。RT2作動中用内部抽籤テーブルにかかるRT2は、いわゆるボーナスフラグ間RT(ボーナス成立でRT2に突入するボーナスゲームに内部当籤してから当該ボーナスゲームにかかる図柄の組み合わせが表示役として揃うまでの間のRT)であるため、ボーナスゲームの抽籤は行なわない。
ここで、各内部抽籤テーブルにおいて、所定の当籤番号に当籤することで1つの小役・リプレイ用のデータポインタが決定したときに、当該小役・リプレイ用のデータポインタで複数種類の小役(又はリプレイ)に内部当籤しうる構成とすることで、複数種類の小役(又はリプレイ)の同時当籤も可能としている。本実施の形態では、後述のとおり、小役・リプレイ用データポインタの5で白チェリーと黒チェリーとの同時当籤を可能としている。これにより遊技者が期待を抱く機会を多く提供すること等が可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
次に、図11、図12を参照して、主制御回路71の内部当籤役決定テーブルについて説明する。
内部当籤役決定テーブルとしては、図12に示す小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルと、図13に示すボーナス用内部当籤役決定テーブルとが用意されている。これらの内部当籤役決定テーブルでは、前述の小役・リプレイ用やボーナス用のデータポインタと、当たり要求フラグのデータとが関連付けて規定されている。当たり要求フラグは、内部当籤役を特定するための識別子である。
小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルにおいて、例えば、小役・リプレイ用データポインタが「1」のときは、再遊技の作動にかかるリプレイが内部当籤役となり、小役・リプレイ用データポインタが「2」のときは、白チェリーが内部当籤役となり、小役・リプレイ用データポインタが「5」のときは、白チェリー、黒チェリーが重複して内部当籤役となる。小役・リプレイ用データポインタが「0」のときは、何れの役にも内部当籤せず、「ハズレ」となる。
ボーナス用内部当籤役決定テーブルにおいては、ボーナス用データポインタの「1」、〜「3」にそれぞれ対応して「BB1」、「BB2」、「MB」の3種類のボーナスが規定されている。ボーナス用データポインタの「0」は「ハズレ」であり、いずれのボーナスにも内部当籤しない。
次に、図13を参照して、主制御回路71の図柄組合せテーブルについて説明する。
図柄組合せテーブルでは、特典の付与に係る図柄の組合せと、これに対応する表示役と、格納領域種別及びメダルの払出枚数とが規定されている。表示役は、図柄表示領域21L,21C,21Rに表示される図柄の組合せの種別を識別するためのデータである。
左リール3Lに白チェリー、中リール3CにANY(「ANY」はいかなる図柄も許容する意味である。以下同様。)、右リール3RにANYが表示されると、表示役が白チェリーと決定される。白チェリーに対応するメダルの払出枚数はメダルの投入枚数が2枚のときに8枚、3枚のときに15枚である。左リール3Lに黒チェリー、中リール3CにANY、右リール3RにANYが表示されると、表示役が黒チェリーと決定される。黒チェリーに対応するメダルの払出枚数はメダルの投入枚数が2枚のときに8枚、3枚のときに15枚である。以下同様に、図柄組合せテーブルでは、特典の付与に係る図柄の組合せと、これに対応する表示役、格納領域種別及び払出枚数とが規定されている。図柄表示領域21L,21C,21Rに「スイカ‐スイカ‐スイカ」が順次有効ラインに沿って表示されると、小役のスイカが表示役として決定される。
小役の黒チェリーと白チェリーについては、図5の図柄配置停止テーブルに示す図柄配置と停止制御とにより、停止開始位置によっては当該小役について図柄組み合わせテーブルに規定している図柄の組み合わせを有効ライン上に停止できない場合がありうる。また、図5の図柄配置停止テーブルに示す図柄配置により、小役の黒チェリーと白チェリーとは同時に表示役となることはない。すなわち、本実施の形態では、停止操作がなされたときに、各リール3L,3C,3Rは、停止開始位置から0〜4コマの範囲ですべるが、各リール3L,3C,3Rの図柄配置(図5参照)は、停止操作のタイミングによっては黒チェリーや白チェリーの小役にかかる図柄を有効ライン上に停止できない場合のあるものとなっている。また、黒チェリーの小役と白チェリーの小役とが同時に有効ライン上に表示されることもない図柄配置となっている。小役の黒チェリーと白チェリーは、メダルの払い出し枚数が最も多い小役である。
リプレイに入賞すると、次回のゲームにおいて再遊技が行われる。即ち、これらが表示役として決定されたゲームにおける投入枚数と同数のメダルが、次回のゲームにおいて、遊技者による投入操作に基づかずに、自動的に投入される。これにより、遊技者はメダルを消費することなく次回のゲームを行うことができる。
図柄表示領域21L,21C,21Rに「青7‐青7‐青7」が順次有効ラインに沿って表示されると、表示役がBB1と決定される。BB1が決定された場合には、BB1のボーナスゲームの作動が開始される。図柄表示領域21L,21C,21Rに「青7‐青7‐白7」が順次有効ラインに沿って表示されると、表示役がBB2と決定される。BB2が決定された場合には、BB2のボーナスゲームの作動が開始される。図柄表示領域21L,21C,21Rに「JAC‐JAC‐JAC」が順次有効ラインに沿って表示されると、表示役がMBと決定される。MBが決定された場合には、MBのボーナスゲームの作動が開始される。
なお、図柄表示領域21L,21C,21Rにより表示される図柄の組合せが前述の図柄組合せテーブルに規定された図柄の組合せの何れにも該当しない場合には、表示役がハズレと決定される。
次に、図14を参照して、ボーナス作動時テーブルについて説明する。
ボーナス作動時テーブルには、ボーナスゲームの作動の開始時に、RAM33の所定領域に格納されるデータが規定されている。RBの作動時には、後述のRAM33の作動中フラグ格納領域におけるRB作動中フラグがオンされ、遊技可能回数カウンタに12が格納され、入賞可能回数カウンタに8が格納される。遊技可能回数カウンタは、RB作動中において行われた単位遊技の回数を計数するためのデータである。入賞可能回数カウンタは、RB作動中において入賞が決定された(例えば、メダルの払い出しに係る表示役が決定された)回数を計数するためのデータである。
MBの作動時には、後述のRAM33の作動中フラグ格納領域におけるMB作動中フラグがオンされ、ボーナス終了枚数カウンタに253が格納される。ボーナス終了枚数カウンタは、MBの作動中におけるメダルの払出枚数の総数を管理するためのカウンタである。
BB1の作動時には、後述のRAM33の作動中フラグ格納領域におけるBB1作動中フラグがオンされ、ボーナス終了枚数カウンタに345が格納される。同じく、BB2の作動時には、後述のRAM33の作動中フラグ格納領域におけるBB2作動中フラグがオンされ、ボーナス終了枚数カウンタに345が格納される。
次に、図15を参照して、主制御回路71のRAM33の内部当籤役格納領域の構成について説明する。
内部当籤役格納領域は、図16の(1)(2)に示す内部当籤役1格納領域、内部当籤役2格納領域に分かれ、この内部当籤役1格納領域、内部当籤役2格納領域は、それぞれ前述の内部当籤役決定テーブルの当たり要求フラグのデータに対応している。内部当籤役が決定されると、各内部当籤役格納領域に記憶される。
また、主制御回路71のRAM33には、表示役のデータを格納する表示役格納領域も格納されている。この表示役格納領域の構成は図16に示す内部当籤役格納領域と同様であり、同じく表示役1格納領域、表示役2格納領域に分かれている。
次に、図16を参照して、主制御回路71のRAM33の持越役格納領域の構成について説明する。
前述の内部当籤役決定テーブルによりボーナスゲームの作動に係る内部当籤役が決定されると、それを示す識別子(即ち、フラグ)が、この持越役格納領域に格納される。具体的に、ビット0、ビット1、ビット2の夫々は、BB1、BB2、MBの夫々に対応している。また、持越役格納領域に格納された識別子は、ボーナスゲームの作動が開始されることによりクリアされる。即ち、ボーナスゲームの作動に係る内部当籤役が決定されると、そのボーナスゲームの作動が開始されるまでの間、その識別子が記憶される構成となっている(いわゆる「持ち越し」と称され、格納されている識別子は「持越役」と称される)。そして、持越役格納領域に識別子が格納されている間は、抽出される乱数値にかかわらず、その格納されている識別子が内部当籤役として決定されるようになっている。また、持越役は、内部当籤役に基づいて決定されることから、内部当籤役の下位概念とも言える。
次に、図17を参照して、主制御回路71のRAM33の作動中フラグ格納領域の構成について説明する。
作動中フラグ格納領域には、現在作動中であるのが、BB1か、BB2か、MBか、RBか、RT1か、RT2か、CBかに応じて、その種別を示す識別子が格納される。具体的に、ビット0〜ビット6の夫々は、BB1作動中フラグ、BB2作動中フラグ、MB作動中フラグ、RB作動中フラグ、RT1作動中フラグ、RT2作動中フラグ、CB作動中フラグの夫々に対応している。
[主制御回路の制御動作について]
次に、図18以下に示すフローチャートを参照して、主制御回路71のCPU31が行う制御について説明する。
先ず、図18、図19を参照して、主制御回路71のCPU31により行われるメイン処理について説明する。CPU31は、電源が投入され、リセット端子に電圧が印加されることにより、リセット割込を発生させ、そのリセット割込の発生に基づいて、ROM32に記憶されたリセット割込処理を順次行うように構成されている。
電源が投入されると、初めに、CPU31は、初期化処理を行う(ステップS1)。この処理では、電源遮断時にRAM33に格納されたレジスタのデータや実行アドレスの復帰を行う処理などが行われる。また、この初期化処理では、設定スイッチ19Sの入力のチェックが行われ、設定スイッチ19Sがオンであると判別した場合には、設定値の変更が行われる。具体的には、リセットスイッチ20S及びスタートスイッチ6Sの人力に基づいて、設定値「1」〜「6」のうちの何れかがRAM33の設定値格納領域に格納される。次に、CPU31は、RAM33における指定格納領域のクリアを行う(ステップS2)。この処理では、RAM33の各種格納領域等に格納されたデータがクリアされる。
次に、CPU31は、後述するボーナス作動監視処理を行う(ステップS3)。次に、CPU31は、後述するメダル受付・スタートチェック処理を行う(ステップS4)。この処理では、投入メダルセンサ22S及びベットスイッチ11S、12S、13Sの入力のチェックに基づく投入枚数カウンタ等の更新や、スタートスイッチ6Sの入力のチェックが行われる。次に、CPU31は、乱数値を抽出し、乱数値格納領域に格納する(ステップS5)。この処理では、乱数発生器36とサンプリング回路37によって乱数値を抽出し、RAM33の乱数値格納領域に格納する。
次に、CPU31は、後述する内部抽籤処理を行う(ステップS6)。この処理では、抽籤により内部当籤役が決定される。次に、CPU31は、スタートコマンドを副制御回路72に対して送信する(ステップS7)。スタートコマンドには、内部当籤役や遊技状態などのデータが含まれている。
次に、CPU31は、全リールの回転回始を要求する(ステップS8)。尚、全リールの回転開始が要求されると、後述する割込処理においてリール3L、3C、3Rの回転を開始する処理が行われる。次に、CPU31は、後述するリール停止制御処理を行う(ステップS9)。この処理では、全てのリール3L、3C、3Rの回転を停止する処理が行われる。
次に、CPU31は、図柄組合せテーブルを参照し、有効ラインに沿って表示される図柄の組合せに基づいて表示役等を決定する処理を行う(ステップS10)。この処理では、図柄組合せテーブルに規定されている図柄の組合せと図柄表示領域21L,21C,21Rに表示される図柄の組合せ(有効ライン8a〜8cのいずれかに沿って並ぶ3個の図柄の組合せ)とが比較され、一致するか否かが判別される。そして、一致するときには、該当する表示役及びメダルの払出枚数が決定され、各表示役格納領域及び払出枚数カウンタが更新される。また、一致しないときには、各表示役格納領域に格納されるデータが「0」となり、表示役はハズレとなる。このようにして、停止制御により全てのリールの回転が停止されると、図柄表示領域21L,21C,21Rに表示される図柄の組合せに基づいて、入賞か否かが決定され、遊技者に対して特典の付与が行われる。
次に、CPU31は、表示コマンドを副制御回路72に対して送信する(ステップS11)。表示コマンドには、決定された表示役などのデータが含まれている。次に、CPU31は、メダル払出処理を行う(ステップS12)。この処理では、払出枚数カウンタに基づいて、ホッパー40の制御やクレジットカウンタの更新が行われる。次に、CPU31は、払出枚数に基づいて、ボーナス終了枚数カウンタを更新する(ステップS13)。この処理では、ボーナス終了枚数カウンタが1以上であることを条件に、当該カウンタから払出枚数に応じた値が減算される。
次に、CPU31は、RB作動中フラグ又はMB作動中フラグがオンであるか否かを判別する(ステップS14)。CPU31は、RB作動中フラグ及びMB作動中フラグのうちの何れかがオンであると判別したときには、後述するボーナス終了チェック処理を行う(ステップS15)。この処理では、ボーナスゲームの作動時にRAM33に格納される各種カウンタが0に更新されたか否かの判別に基づいて、ボーナスゲームの作動を終了する処理が行われる。CPU31は、ステップS15の後、又はRB作動中フラグ及びMB作動中フラグがオフであったときには、後述するボーナス作動チェック処理を行う(ステップS16)。この処理では、決定された表示役の種別に基づいて、ボーナスの作動を開始する処理が行われる。そして、以上の処理の後、ステップS2に戻る。
次に、図20を参照してボーナス作動監視処理(ステップS3)について説明する。
まず、CPU31は、BB1作動中フラグ又はBB2作動中フラグがオンで、BB1又はBB2が作動中であるか否かを判断する(ステップS21)。BB1作動中フラグ又はBB2作動中フラグがオンで、BB1又はBB2が作動中であるときは、ボーナス作動時テーブル(図14)に基づいてRBを作動させるRB作動時処理を行う(ステップS22)。また、BB1作動中フラグ及びBB2作動中フラグがオフであるときは、MB作動中フラグがオンで、MBが作動中であるか否かを判断する(ステップS23)。MB作動中フラグがオンで、MBが作動中であるときは、ボーナス作動時テーブルに基づいてCBを作動させるCB作動時処理を行う(ステップS24)。
次に、図21を参照して、メダル受付・スタートチェック処理(ステップS4)について説明する。
初めに、CPU31は、自動投入カウンタは0であるか否かを判別する(ステップS31)。自動投入カウンタはメダルを自動投入する枚数を管理するカウンタである。CPU31は、自動投入カウンタは0ではないと判別したときには、自動投入カウンタの値を投入枚数カウンタに複写し、自動投入カウンタの値をクリアする(ステップS33)。投入枚数カウンタはメダルの投入枚数を管理するカウンタである。一方、CPU31は、自動投入カウンタは0であると判別したときには、遊技者が投入するメダルの通過許可を行う(ステップS32)。
次に、CPU31は、メダルが通過したか否かを判別する(ステップS34)。具体的には、投入メダルセンサ22Sがオンである場合に、メダルが通過したと判別される。CPU31は、メダルが通過したと判別したときには、作動中フラグ格納領域(図17)に格納されているフラグに応じてメダルの投入枚数の最大値をセットする(ステップS35)。そして、投入枚数カウンタは最大値であるか否かを判別する(ステップS36)。CPU31は、投入枚数カウンタは最大値ではないと判別したときには、投入枚数カウンタに1を加算する(ステップS37)。次に、CPU31は、有効ラインカウンタに5を格納する(ステップS38)。有効ラインカウンタは有効化された表示ラインの数を保持するカウンタである。よって、5つ全ての表示ラインが有効化される。次に、CPU31は、メダル投入コマンドを副制御回路72に対して送信する(ステップS39)。メダル投入コマンドは、メダルの投入枚数のデータ等が含まれる。一方、CPU31は、ステップS49において投入枚数カウンタは最大値であると判別したときには、クレジットカウンタに1加算する(ステップS40)。クレジットカウンタは、クレジットされるメダルの枚数を計数するカウンタである。
CPU31は、クレジットカウンタに1加算したとき(ステップS40)、メダル投入コマンドを送信したとき(ステップS39)、又はメダルが通過しなかったときに(ステップS34のN)、メダルの通過途中でなければ(ステップS41のN)、ベットスイッチのチェックを行う(ステップS42)。具体的には、ベットスイッチ11S、12S、13Sがオンである場合は、その種別が特定され、投入枚数カウンタ、クレジットカウンタ及び投入枚数カウンタの最大値に基づいて、投入枚数カウンタに加算する値が算出され、投入枚数カウンタが更新される。
次に、CPU31は、投入枚数カウンタが最大値であるか否かを判別する(ステップS43)。CPU31は、投入枚数カウンタが最大値ではないと判別したときには、ステップS34に戻る。CPU31は、投入枚数カウンタが最大値であると判別したときには、スタートスイッチ6Sはオンであるか否かを判別する(ステップS44)。CPU31は、スタートスイッチ6Sはオンではないと判別したときには、ステップS34に戻る。CPU31は、スタートスイッチ6Sはオンであると判別したときには、遊技者の投入するメダルの通過を禁止し(ステップS45)、メダル受付・スタートチェック処理を終了する。
次に、図22、図23を参照して、内部抽籤処理(ステップS6)について説明する。
まず、CPU31は、内部抽籤テーブル決定テーブル(図6)に基づいて、内部抽籤テーブルの種別と抽籤回数を決定する(ステップS61)。次に、CPU31は、内部抽籤テーブル変更処理を行う(ステップS62)。
ここで、図24を参照して内部抽籤テーブル変更処理(ステップS62)について説明する。
まず、CPU31は、RT1作動中フラグがオンで、RT1が作動しているか否かを判断する(ステップS121)。RT1作動中フラグがオンであるときは、内部抽籤テーブルをRT1作動中用内部抽籤テーブル(図9)に変更する(ステップS122)。RT1作動中フラグがオフで、RT1が作動していないときは、RT2作動中フラグがオンか否かを判断する(ステップS123)。RT2作動中フラグがオンであるときは、内部抽籤テーブルをRT2作動中用内部抽籤テーブル(図10)に変更する(ステップS124)。
図22に戻り、以上の内部抽籤テーブル変更処理(ステップS62)の後に持越役格納領域の値が0か否か、すなわち持越役がないか否かを判断する(ステップS63)。持越役格納領域の値が0でなく、持越役が存在するときは抽籤回数を5に変更する(ステップS64)。
次に、乱数値格納領域に格納されている抽出された乱数値(ステップS5で格納)を判定用乱数値としてセットし、当籤番号の初期値として1をセットする(ステップS65)。そして、内部抽籤テーブル(図7〜図11)を参照して、当籤番号に基づいた抽籤値を取得する(ステップS66)。そして、判定用乱数値から当該抽籤値を減算し、この減算により桁かりが行われたか否かを判断する(ステップS67)。桁かりが行われたときはステップS71に進み、桁かりが行われなかったときは、前述の当籤番号を「1」加算し、前述の抽籤回数を「1」減算し(ステップS68)、これにより抽籤回数が0になったか否かを判断する(ステップS69)。抽籤回数が0になっていないときはステップS66に戻り、0になったときは小役・リプレイ用とボーナス用のデータポインタとして0をセットする(ステップS70)。
ステップS66〜S69の処理は、桁かりが行われるか(ステップS67のY)、抽籤回数が0になるまで(ステップS69のY)、繰り返される。この場合、2回目以降の処理では、乱数データからの抽籤値の減算(ステップS67)は、前回の抽籤値の減算の結果の余りから更に抽籤値を減算するものとする。よって、元の乱数データはステップS67の処理が繰り返されるたびに値が小さくなる。また、ステップS66〜S69の処理が繰り返されるたびに抽籤回数も1ずつ減少していくこととなる。
桁かりが行われたときは、その桁かりが行われた当籤番号に対応する小役・リプレイ用とボーナス用のデータポインタを取得する(ステップS71)。そして、内部当籤役1格納領域(図16)のアドレスをセットし(ステップS72)、小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルを参照し、取得した小役・リプレイ用のデータポインタに基づいて当たり要求フラグを取得する(ステップS73)。次に、この取得した当たり要求フラグをステップS72でアドレスがセットされている内部当籤役格納領域に格納する(ステップS74)。
次に、持越役格納領域(図16)の値が0か否か、すなわち持越役が存在しないのか否かを判断する(ステップS75)。そして、持越役格納領域の値が0で、BB1、BB2又はMBの持越役が存在しないときは、ボーナス用内部当籤役決定テーブル(図12)を参照し、取得したボーナス用のデータポインタに基づいて当たり要求フラグを取得し、この取得した当たり要求フラグを持越役格納領域に格納する(ステップS76)。すなわち、持越役格納領域のアドレスをセットして格納する。
そして、持越役格納領域(図16)の値が0か否か、すなわち持越役が存在しないのか否かを判断し(ステップS77)、持越役格納領域の値が0でなく、持越役が存在するときは、持越役格納領域に格納されている値が「00000001」又は「00000010」であるか否か、すなわち存在する持越役はBB1又はBB2であるか否かを判断する(ステップS78)。持越役格納領域に格納されている値が「00000001」又は「00000010」で、存在する持越役はBB1又はBB2であるときは、RT2作動中フラグをONにして、RT2を作動させる(ステップS79)。このように、RT2は、BB1又はBB2の成立により作動するボーナスフラグ間RTである。持越役格納領域の値が0で、持越役が存在しないとき(ステップS77のY)、又は、持越役格納領域に格納されている値が「00000001」及び「00000010」ではなく「00000100」であり、すなわち存在する持越役はMBであるときは(ステップS78のN)、ステップS80に進む。
次に、持越役格納領域と内部当籤役2格納領域との論理和を内部当籤役2格納領域に格納する(ステップS80)。そして、CB作動中フラグがオンであるか否かを判断し(ステップS81)、CB作動中フラグがオンでCBが作動中であれば、内部当籤役1格納領域(図16)のビット1〜3をセットする(ステップS82)。これにより、CBの作動中は黒チェリー、白チェリー、スイカの各小役に重複して内部当籤する。
次に、図25を参照してリール停止制御処理について説明する。
初めに、CPU31は、有効なストップボタンが押圧操作されたか否かを判別する(ステップS101)。有効なストップボタンが押圧操作されたときは、該当するストップボタン7L,7C又は7Rの押圧操作を無効化する(ステップS102)。そして、チェック回数として5をセットする(ステップS103)。
次に、CB作動中フラグがオンで、CBが作動しているのか否かを判断する(ステップS104)。CB作動中フラグがオンで、CBが作動しているときは、中ストップボタン7Cが押圧操作されたか否かを判断する(ステップS105)。そして、中ストップボタン7Cが押圧操作されたときは、チェック回数を2に変更する(ステップS106)。
そして、図柄カウンタに対応する図柄位置からの当該チェック回数の範囲内において、最も優先順位の高い図柄位置を検索する(ステップS107)。そして、この検索の結果に基づいて滑りコマ数を決定する(ステップS108)。前述のとおり、CBが作動しているときで中ストップボタン7Cを押圧操作したときは、チェック回数は2であり、それ以外の場合は、チェック回数は5であるため、前者の場合は0〜1コマの範囲で滑りコマ数を決定し、後者の場合は0〜4コマの範囲で滑りコマ数を決定することになる。すなわち、CBの作動中は、中ストップボタン7Cで停止制御する中リール3Cについては、0〜1コマの範囲で滑りコマ数を決定するため、目押しによりほぼ遊技者が停止させたいと思う図柄位置に停止制御させることができる。
次に、CPU31は、停止制御位置待ちに移行する(ステップS109)。例えば、決定された滑りコマ数が「2」であり、停止開始位置が「20」であれば、停止制御位置が「1」に決定される。そして、停止制御位置が決定されると、後述する割込処理(図25参照)において、当該停止制御位置に基づいて該当リールの回転を停止する処理が行われる。なお、滑りコマ数と停止制御位置は、一方が決定されれば、他方も決定される関係にあるため、等価の関係にあるといえる。そして、リールの停止がなされたことを報知するリール停止コマンドを副制御回路72に送信し(ステップS110)、押圧操作が有効なストップボタンがあるか否かを判断する(ステップS111)。そして、押圧操作が有効なストップボタンがあれば、ステップS101に戻る。
次に、図26を参照して、ボーナス終了チェック処理について説明する。
初めに、CPU31は、RB作動中フラグがオンで、RB遊技状態にあるか否かを判断する(ステップS131)。RB作動中フラグがオフで、RB遊技状態にないときは、ボーナス終了枚数カウンタが0か否かを判断する(ステップS132)。ボーナス終了枚数カウンタが0のときは、BB1、BB2又はMBの終了条件となる最大獲得メダル枚数に達している場合であるため、これらのボーナスゲームを終了させるBB・MB終了時処理を行う(ステップS135)。具体的には、RAM33の前述の作動中フラグ格納領域におけるMB作動中フラグ等のオフや、ボーナス終了枚数カウンタのクリアが行われる。
また、RB作動中フラグがオンで、RB遊技状態にあるとき(ステップS131のY)と、ボーナス終了枚数カウンタが0でないとき(ステップS132のN)、すなわち、BB1又はBB2の終了条件となる最大獲得メダル枚数に達していない場合には、入賞が成立したか否かを判別する(ステップS133)。CPU31は、入賞が成立したと判別したときには、ボーナス終了枚数カウンタは0であるか否かを判別する(ステップS134)。
入賞の成立によるメダルの払出によりボーナス終了枚数カウンタは0になったときは、BB1,BB2、MBの終了条件となるので、RB遊技状態又はMB遊技状態を終了させるRB・MB終了時処理を行う(ステップS135)。具体的には、RAM33の前述の作動中フラグ格納領域におけるRB作動中フラグ等のオフや、入賞可能回数カウンタ及び遊技可能回数カウンタのクリアが行われる。このように、RB・MB終了時処理(ステップS135)を行ったときは、BB1の終了時であるか否かを判断する(ステップS136)。BB1が終了したときは、RT1作動中フラグをオンにセットし(ステップS137)、BB1の終了により開始し、回数制限がなく終了条件をBB1又はBB2の成立としているRTであるRT1を作動させる。そして、副制御回路72にボーナス終了コマンドを送信する(ステップS138)。
一方、ボーナス終了枚数カウンタは0でなかったときは(ステップS134のN)、入賞可能回数カウンタを1減算する(ステップS139)。そして、RBの終了条件である入賞可能回数カウンタは0であるか否かを判別する(ステップS140)。入賞可能回数カウンタは0であるときは、RB終了時処理を行ない(ステップS143)、RBを終了させる。
また、入賞可能回数カウンタは0でないとき(ステップS140のN)、あるいは、入賞が成立しなかったときは(ステップS135のN)、遊技可能回数カウンタを1減算し(ステップS141)、RBの終了条件である入賞可能回数カウンタが0であれば(ステップS140のY)、RB終了時処理を行ない(ステップS143)、RBを終了させる。
次に、図27を参照して、ボーナス作動チェック処理について説明する。
初めに、CPU31は、表示役はMBであるか否かを判別する(ステップS161)。CPU31は、表示役はMBであると判別したときには、ボーナス作動時テーブル(図14)に基づいてMB作動時処理を行う(ステップS162)。CPU31は、表示役はMBではないと判別したときには、表示役はBB1又はBB2であるか否かを判別する(ステップS163)。CPU31は、表示役はBB1又はBB2であると判別したときには、ボーナス作動時テーブルに基づいてRB作動時処理を行ない(ステップS164)、RBを作動させる。また、RT1、RT2作動中フラグをオフにセットして(ステップS165)、RT1、RT2の作動を終了する。
このように、表示役がMB、BB1又はBB2であったときは、持越役格納領域(図16)の値をクリアする(ステップS166)。また、副制御回路72にボーナスゲームの開始を報知するボーナス開始コマンドを送信する(ステップS167)。
一方、表示役がMB、BB1又はBB2でないときは、表示役がリプレイであるか否かを判断し(ステップS168)、表示役がリプレイであるときは、投入枚数カウンタの値を自動投入カウンタに複写する(ステップS169)。これにより、次のゲームではメダルを投入することなく遊技を行う再遊技を行うことができる。
次に、図28を参照して、主制御回路71のCPU31の制御により行われる、1.1173ms周期の割込処理について説明する。
初めに、CPU31は、レジスタの退避を行う(ステップS191)。次に、CPU31は、入力ポートチェック処理を行う(ステップS192)。具体的には、CPU31は、各スイッチなどからの信号の入力などをチェックする。次に、CPU31は、リール制御処理を行う(ステップS193)。具体的には、リールの回転開始要求がされた場合であれば、リール3L、3C、3Rの回転が開始され、一定速度での回転が行われる。また、停止制御位置が決定された場合であれば、該当リールの図柄カウンタが停止制御位置と同一の値に更新されるのを待って、その回転の減速及び停止が行われる。例えば、図柄カウンタが「0」であり、停止制御位置が「4」であれば、図柄カウンタが「4」に更新されたときにリールの回転が停止される。
次に、CPU31は、ランプ・7SEG駆動処理を行う(ステップS194)。具体的には、CPU31は、投入枚数カウンタに基づくベットランプ9a、9b、9cの点灯や、情報表示部18への払出枚数の表示などの処理を行う。次に、CPU31は、レジスタの復帰を行う(ステップS195)。この処理が終了すると、1.1173ms周期の割込処理を終了する。
[副制御回路の制御動作について]
次に、副制御回路72による制御動作について説明する。
最初に、図29を参照して、主基板通信タスクについて説明する。
まず、画像制御マイコン212は、主制御回路71からのコマンドの受信を行う(ステップS301)。そして、そのコマンドの種別を抽出する(ステップS302)。次に、このコマンドが前回受信したものと異なるものであるか否かを判断する(ステップS303)。受信したコマンドが前回と異なるものであるときは、当該コマンドの情報などのメッセージをワークRAM214のメッセージキューに格納して(ステップS304)、ステップS301に戻る。受信したコマンドが前回と同じものであったときも(ステップS303のN)、ステップS301に戻る。
次に、図30を参照して、演出登録タスクについて説明する。
まず、画像制御マイコン212は、前述のメッセージキューに格納されているメッセージを取り出す(ステップS321)。このメッセージが有るときは(ステップS322のY)、当該メッセージから様々な遊技情報を複写し(ステップS323)、後述する演出内容決定処理を行う(ステップS324)。演出内容決定処理では、実行する演出の内容の決定などが行われる。
そして、画像制御マイコン212は、アニメーションデータの登録を行う(ステップS325)。アニメーションデータは、演出を行うための演出データのうち、液晶表示装置5に表示する画像演出にかかる画像データであり、画像ROM222に格納されている。ここでは、演出内容決定処理で決定するアニメーションデータが登録されていて、これにより、画像制御IC221は登録されたアニメーションデータに基づく画像演出を行う。また、画像制御マイコン212は、LEDデータ、サウンドデータの登録を行う(ステップS326)。LEDデータは、演出を行うための演出データのうち、LED101を発光させるランプ演出にかかる発光パターンデータであり、プログラムROM233に格納されている。演出内容決定処理で決定したLEDデータを登録することにより、音・ランプ制御マイコン232は、当該LEDデータの発光パターンによりLED101を発光させる。また、サウンドデータは、演出を行うための演出データのうち、スピーカ21R、21Lから出音する音声演出にかかる音声データであり、音源ROM235に格納されている。演出内容決定処理で決定したサウンドデータを登録することにより、音・ランプ制御マイコン232は、音源IC236によりスピーカ21R、21Lから出音する。
次に、図31を参照して、演出内容決定処理(ステップS324)について説明する。演出内容決定処理は、メッセージから複写した遊技情報に基づいて、実行する演出の内容を決定する処理である。
まず、主制御回路71からスタートレバー6が操作されたことを報知するスタートコマンドを受信していたときは(ステップS341のY)、後述する演出抽籤処理を行い、抽籤により演出を決定する(ステップS342)。リール3L、3C、3Rのいずれかが停止したことを報知するリール停止コマンドを受信していたときは(ステップS343のY)、当該リールの種別等に基づいて演出データをセットする等、停止コマンド受信時処理を行う(ステップS344)。また、表示役を報知する表示コマンドを受信していたときは(ステップS345のY)、その表示役等の種別に応じて演出データをセットする等、後述する表示コマンド受信時処理を行う(ステップS346)。
ボーナスゲームを開始することを報知するボーナス開始コマンドを受信したときは(ステップS347のY)、そのボーナスゲームの種別(ボーナス開始コマンドにより報知される)に応じて、ボーナスゲーム開始の際に使用するボーナスゲーム開始時用の演出データをセットする(ステップS348)。そして、そのボーナスゲームの種別に応じて、BB作動状態(サブ)又はMB作動状態(サブ)を副制御回路72においてもワークRAM214にセットする(ステップS349)。BB作動状態(サブ)、MB作動状態(サブ)等は副制御回路72においての作動状態等であり、その意味で“サブ”と付記している(以下、同様)。BB作動状態(サブ)はBB1又はBB2が作動していることを示し、MB作動状態(サブ)はMBが作動していることを示す。
ボーナスゲームを終了することを報知するボーナス終了コマンドを受信したときは(ステップS350のY)、ボーナスゲーム終了の際に使用するボーナスゲーム終了時用の演出データをセットする(ステップS351)。そして、ボーナス終了時コマンド受信時処理を行い(ステップS352)、副制御回路72における遊技状態を一般遊技状態(サブ)に変更する(ステップS353)。
BETスイッチ11〜13のいずれかを操作したことを報知するBETコマンドを受信したときは(ステップS354のY)、BET操作の際に使用する演出データをセットする等、BETコマンド受信時処理を行う(ステップS355)。
その他のコマンドを受信したときは(ステップS354のN)、当該コマンドに基づいて演出データをセットする(ステップS356)。
次に、図32を参照して表示コマンド受信時処理(ステップS346)について説明する。
まず、RT1遊技状態(サブ)であって、RT1が作動中であるか否かを判断する(ステップS371)。RT1が作動中であるときは、以下の処理を行う。まず、表示役がMBであるか否かを判断し(ステップS372)、表示役がMBであるときはナビポイントを50加算する(ステップS373)。ナビポイントは、後述のとおり内部当籤役を演出により報知する権利を遊技者に付与するためのポイントである。また、表示役がMBでないときは、表示役がBB1であるか否かを判断し(ステップS374)、表示役がBB1であるときはナビポイントを100加算する(ステップS375)。表示役がBB1でもないときは、表示役がスイカであるか否かを判断し(ステップS376)、表示役がスイカであるときはナビポイントを5加算する(ステップS377)。
表示役がスイカでもないときは、表示役がいずれかのチェリー、すなわち、黒チェリー又は白チェリーであるか否かを判断し(ステップS378)、表示役が黒チェリー又は白チェリーであるときは、チェリー、すなわち、黒チェリー又は白チェリーが内部当籤役として決定されたときに取りこぼさずに連続で3回獲得したか否かを判断し(ステップS379)、取りこぼさずに連続で3回獲得できたときは、ナビポイントを50加算する(ステップS380)。
すなわち、副制御回路72では、RT1中においては、黒チェリー又は白チェリーが内部当籤役として決定され、かつ、当該内部当籤役となった黒チェリー又は白チェリーにかかる図柄の組み合わせが表示役となった回数をカウントする。そして、RT1中に、黒チェリー又は白チェリーが内部当籤役として決定され、かつ、当該内部当籤役となった黒チェリー又は白チェリーにかかる図柄の組み合わせが表示役とならなかったとき、又は、RT1が終了したときは、当該カウントをリセットする。これらの内部当籤役の情報、表示役の情報も表示コマンド、その他のコマンドによりもたらされる。そして、このカウント値が3回に達したときは(ステップS379のY)、ナビポイントを50加算する(ステップS380)。このように、1回のRT1中に所定の各役に入賞したときに獲得した各ナビポイントはすべて加算され、ワークRAM214の所定領域に格納される。
次に、図33を参照して、演出抽籤処理について説明する。
まず、副制御回路72においてRB遊技状態(サブ)であるか否かを判断し(ステップS391)、RB遊技状態(サブ)であればRB遊技状態用演出テーブルを選択する(ステップS398)。RB遊技状態(サブ)でないときは、MB遊技状態(サブ)であるか否かを判断し(ステップS392)、MB遊技状態(サブ)であればMB遊技状態中用演出テーブルを選択する(ステップS397)。MB遊技状態(サブ)でないときは、RT遊技状態(サブ)であるか否かを判断し(ステップS393)、RT遊技状態(サブ)であれば、RT1遊技状態(サブ)であるか否かを判断する(ステップS394)。そして、RT1遊技状態(サブ)であるときは、RT1遊技状態中用演出テーブルを選択する(ステップS395)。RT1遊技状態(サブ)にないとき、すなわち、RT2遊技状態(サブ)にあるときは(ステップS394のN)、RT2遊技状態中用演出テーブル選択処理を行う(ステップS396)。
ここで図34を参照して、このRT2遊技状態用演出テーブル選択処理(ステップS396)について説明する。
まず、表示コマンド受信時処理(図32)で付与されたナビポイントが1以上か否かを判断する(ステップS411)。ナビポイントが0であったときは、RT遊技状態中用演出テーブル決定処理を行う(ステップS416)。かかる処理ではRT遊技状態中用演出テーブルが決定される。
ナビポイントが1以上であったときは、当該ナビポイントから1を減算し(1ゲーム分の減算を意味する)、内部当籤している当籤役がAT役であるか否かを判断する(ステップS413)。ここで、AT役とは、白チェリー及び黒チェリーの小役である。当籤役がAT役であるときは、当籤したAT役に応じた(白チェリーか黒チェリーか)演出内容を決定する(ステップS415)。当籤役がAT役でないときは(白チェリー及び黒チェリー以外の役であるときは)、その当籤した役に応じた演出内容を決定する(ステップS414)。
図33に戻り、RT遊技状態(サブ)でもなかったときは(ステップS393のN)、一般遊技状態中用演出テーブルを選択する(ステップS3979)。
次に、演出内容が決定されているか否かを判断する(ステップS400)。前述のステップS414,S415により演出内容が決定されていないときは、前述のとおり選択された演出テーブル(ステップS395,S397,S398,S399)に基づいて演出の内容を決定する(ステップS401)。そして、前述のとおり決定された演出の内容に応じた演出データ(アニメーションデータ、LEDデータ、サウンドデータ)をセットする(ステップS402)。
次に、具体的な演出の例について説明する。これらの例は、いずれもRT2中に行われる演出の例である。これらの演出はナビポイントが1以上あるときに行われる。
図35は、内部当籤役はハズレであるが、ボーナスゲームの作動にかかる役が持越役として存在するときの演出表示領域23の表示例を示している。ここでは、BB1又はBB2が持越役として存在しているので、BB1又はBB2が表示役となることを避けるように指示する画面表示がなされている(青7にバツを付して表示している)。これにより、RT2中にBB1又はBB2が表示役となることで、図36、図37を参照して後述するように内部当籤役の報知がなされるRT2が終了することを避けることができ、遊技者にとって有利である。これはステップS414で決定された演出内容に基づくものである。
図36、図37は、AT役である黒チェリー又は白チェリーに内部当籤役したときの演出表示領域23の表示例を示している。黒チェリーが内部当籤役のときは黒チェリーの絵(図36)、白チェリーが内部当籤役のときは白チェリーの絵(図37)を表示することにより遊技者に報知している。この場合は、遊技者は当該報知に従って黒チェリー又は白チェリーが揃うように目押しを行って小役に入賞してメダルの払出を受けることができるので、遊技者にとって有利である。これはステップS415で決定された演出内容に基づくものである。
図38は、小役のスイカに内部当籤し、かつ、ボーナスゲームの作動にかかる役が持越役として存在するときの演出表示領域23の表示例を示している。スイカに内部当籤しているので、そのことを報知するためスイカの絵が画面表示されている。また、ここではBB1又はBB2が持越役として存在しているので、BB1又はBB2が表示役となることを避けるように指示する画面表示がなされている(青7にバツを付して表示している)。これにより、RT2中にBB1又はBB2が表示役となることで、内部当籤役の報知がなされるRT2が終了することを避けることができ、遊技者にとって有利である。これはステップS414で決定された演出内容に基づくものである。
図39は、リプレイに内部当籤役したときの演出表示領域23の表示例を示している。「リプレイ‐リプレイ‐リプレイ」を揃えることでリプレイに入賞させることを指示する画面表示がなされている。これはステップS414で決定された演出内容に基づくものである。
なお、図35以下の各例においては、説明の便宜上、演出による報知の手法が直接的で明確であるものの例を示しているが、報知の内容をこれらより間接的、暗示的なものとしてもよい。
以上説明した遊技機1によれば、図40の状態遷移図に示すように、遊技者にとって相対的に有利なRT1は、ボーナスゲームの作動にかかるBB1又はBB2の成立により終了して、遊技者にとって相対的に不利なRT2に移行する(ステップS78のY,S79)。そして、RT2中においては、複数ゲームに亘って黒チェリーの小役と白チェリーの小役のいずれか一方にかかる図柄の組み合わせを有効ライン上に停止制御可能な位置で遊技を行った場合に、メダルの増加期待値は負の値になり、且つ複数ゲームに亘って黒チェリーの小役と白チェリーの小役のうち内部当籤役として決定された役にかかる図柄の組み合わせを有効ライン上に停止制御可能な位置で遊技を行った場合にメダルの増加期待値が正の値となる範囲でリプレイに内部当籤する確率を上昇させる。また、RT1中に所定の役に入賞してナビポイントの付与を受けていれば(図32)、BB2の成立により移行したRT2(ステップS78のY,S79)において内部当籤役を報知してもらえる(ステップS394のY,S396、図34)。
よって、遊技者は、RT2中に内部当籤役を報知してもらえる機会をナビポイントの獲得により得られるRT1中の遊技に興趣をもってのぞめ、また、たとえBB2の成立により遊技者にとって相対的に有利なRT1から相対的に不利なRT2に移行しても内部当籤役を報知してもらえてメダルを増やすことができるので、遊技者に失望感を与えず、遊技の興趣が低下することを防止することができる。
また、RT1においては、ボーナスゲームの作動にかかるBB1、MBに入賞したときはナビポイントを獲得できて(図34)、BB2の成立により移行したRT2において内部当籤役を報知してもらえるので、遊技者はBB1、MBのボーナスゲームにより直接得られる利益のみならず内部当籤役の報知の利益も得ようとしてRT1作動中においてBB1、MBに入賞しようと遊技に集中するので、遊技の興趣を高めることができる。
さらに、RT1中にナビポイントが付与されたときに、内部当籤役の報知がなされるRT2の終了条件となるのはBB1又はBB2の成立である(ステップS78のY,S79)。そこで、BB1又はBB2が持越役として存在している事実を報知することにより(ステップS414、図35、図38)、遊技者は目押しによりBB1又はBB2の入賞を避けることにより、遊技者にとって有利な内部当籤役の報知がなされるRT2を、ナビポイントの付与に基づく報知が行われている間は遊技者の技量により終了させないようにすることができ、遊技の興趣を高めることができる。
そのうえ、RT1において黒チェリー、白チェリーを3回連続して取りこぼすことなく入賞させることを条件にナビポイントが付与され(ステップS379,S380)、RT2において内部当籤役を報知してもらえるので、遊技者は3回連続して黒チェリー、白チェリーに入賞させようと自らの技量を向上させようとし、遊技の興趣を高めることができる。
なお、前述の例ではゲーム数により内部当籤役の報知の回数を全て管理しているが、所定のゲーム数(例えば20ゲーム)を1セットとし、この所定のゲーム数ごとに継続抽籤を行うようにしてもよい。すなわち、20ゲーム消化したら継続抽籤し、当該抽籤に当籤した場合のみ次の20ゲームの間報知を行なう、という処理を繰り返すものである。この場合は、副制御回路72の内部状態等に応じて継続抽籤による継続率を変化させるようにしてもよい。
また、報知のための継続抽籤を黒チェリーや白チェリーなどの小役の成立ごとに行うようにしてもよく、この場合にも副制御回路72の内部状態等に応じて継続抽籤による継続率を変化させるようにしてもよい。
さらに、前述の例では、ナビポイントが付与されている場合のRT2中にメダルの増加期待値を正の値にするには、内部当籤役の報知により黒チェリー、白チェリーのいずれかの役に入賞する必要があるが、このような小役を黒チェリー及び白チェリーの2つから3つ、4つと増やすようにしてもよい。
あるいは、ナビポイントの付与により遊技者に報知されるのはストップボタン7L,7C,7Rの押し順とし、その報知内容のとおりの押し順でストップボタン7L,7C,7Rを操作することにより遊技者に利益を付与するようにしてもよい。