JP5926027B2 - コンクリートポンプ車 - Google Patents
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Description
複数のビームは隣り合うビーム間に油圧シリンダ(ブーム駆動手段)の両端を連結し、油圧シリンダを伸縮駆動することで基部(車体)側のビームに対して先部(自由端)側のビームを回動ないし伸縮することができる。
コンクリートポンプ車は建設現場で折りたたまれたブーム先端を打設場所まで展開し生コンクリートを圧送することで生コンクリートを所望の場所に届ける。そして、ブーム先端を移動させ、打設場所を変更するようにしている。
このとき、油圧ポンプからの吐出流量が少ないと第3及び第4ブームの両方を作業者が指示する速度でシリンダを伸縮させることができなくなるため、いずれか一方のブームが優先的に動作してしまう。
すると、最悪の場合、建築物Aとブームとの接触事故が起こしてしまうおそれがある。
ブーム装置Bは、車両前後方向に延びるサブフレームSの前部に配置されており、サブフレームSに固定された旋回台11と、この旋回台11上に設けられ、鉛直軸線回りに旋回自在な支柱12と、この支柱12の先端に設けられたブーム13とを有している。ブーム13は、互いに屈曲可能に連結された第1〜第4ビーム131〜134により構成されたいわゆる4段ブームである。
さらに、ブーム13の詳細構造を説明すると、第1ビーム131は支柱12の上部に回動可能に連結されている。そして、第2ビーム132の基部は第1ビーム131の先部に回動可能に連結され、第3ビーム133の基部は第2ビーム132の先部に、第4ビーム134の基部は第3ビーム133の先部に回動可能にそれぞれ連結されている。
ブーム駆動手段14は、旋回駆動手段141と、起伏駆動手段142と、第1〜第3屈折駆動手段143〜145とを備えている。旋回駆動手段141は旋回台11に固定されており、相対配置した2本の旋回シリンダ141L,141Rを一対備え、該相対配置した旋回シリンダ141L,141Rはラック141aとピニオン141bとを介して支柱12と接続されている。起伏駆動手段142は、基部を支柱12に先部を第1ビーム131にそれぞれ回動可能に連結した起伏シリンダ142aを有している。第1屈折駆動手段143は第1屈折シリンダ143aと2本の補助リンク143b,143cとを第1ビーム131及び第2ビーム132に、第2屈折駆動手段144は第2屈折シリンダ144aと2本の補助リンク144b,144cとを第2ビーム132及び第3ビーム133に、第3屈折駆動手段145は第3屈折シリンダ145aと2本の補助リンク145b,145cとを第3ビーム133及び第4ビーム134にそれぞれ回動可能に連結している。
第2屈折シリンダ144aの一端は、第2ビーム132の中間部であって、走行姿勢(図1)において第1ビームと近接する側面にピン144dを介して揺動可能に連結されている。2本の補助リンクのうちブーメランリンク144bは、一端を第2ビーム132の先部にピン144fを介して揺動可能に連結され、他端はピン144gを介して2本の補助リンクのひとつであるストレートリンク144cの一端と連結されている。そして、ストレートリンク144cの他端はピン144hを介して第3ビーム133の基部に揺動可能に連結されている。ブーメランリンク144bは、図示のごとく大きく湾曲した形状に形成され、第2ビーム132の先端132a(第3ビーム133との連結部)の外側を回りこむようにして回避している。
以上の構成により、第2屈折シリンダ144aを伸長状態(1点鎖線の姿勢)から収縮すると、ブーメランリンク144bがピン144fまわりに時計回りに揺動し、ブーメランリンク144bの動きはストレートリンク144cを介して第3ビーム133に伝わり、第3ビーム133を第2ビーム132に対して時計回り(図内矢印B1の方向)に回動させることができる。
なお、第2屈折駆動手段144をはじめとする各ブーム駆動手段14は、補助リンクを介することなく油圧シリンダを直接ビームに連結してもよい。
そうして、ブーム駆動手段14を作動することにより、第1〜第4ビーム131〜134を互い違いに屈曲させることで折り畳むことができるし、各関節部分を回動させてブーム13全体を上方に起立させることができる。また、第1〜第4ビーム131〜134を右旋回(図4(a)の矢印BR方向)及び左旋回(図4(a)の矢印BL方向)させることができる。
なお、検知手段Seは傾斜センサを例示したが、シリンダに取り付けたストロークセンサから間接的に各ビーム131〜134の姿勢を把握するようにしてもよく、その他の各種センサを代用してもよい。
一方、第2油圧ポンプPU2はブーム切換弁V4を介してブーム駆動手段14が接続されている。
なお、第1油圧ポンプPU1のポンプ本体41と第2油圧ポンプPU2のポンプ本体42とは駆動軸43により直列接続されており、コンクリートポンプ車VのエンジンEnにて駆動する。
ブーム切換弁V4には6つの切換弁v40〜v45を備え、カウンタバランス弁v51〜v54を介してブーム駆動手段14を図示のように接続している。第2油圧ポンプPU2から送られてきた作動油は、まず電磁弁v40を経て、v41〜v45を介してブーム駆動手段14にそれぞれ接続している。なお、v41〜v45はソレノイドに対する操作入力に応じてその開度を変化させるいわゆる比例制御弁である(以下、単に比例弁v41〜v45と呼ぶ)。
そうして、ソレノイドに対する出力信号を変化させ比例弁v41〜v45の開度を増大することによりブーム駆動手段14へ供給される作動油量を増大(動作速度を速く)することができ、比例弁v41〜v45の開度を縮小することによりブーム駆動手段14へ供給される作動油量を減少(動作速度を遅く)することができる。また、比例弁v41〜v45はブーム駆動手段14の数に合わせて設けられているため、ブーム駆動手段14のそれぞれの速度を比例弁v41〜v45が個別に調整することができる。例えば、起伏シリンダ142aと第1屈折シリンダ143aとを同時にかつ異なる速度で動作させる場合であっても、対応する比例弁v42,v43の開度をそれぞれ変更すればよく、この比例弁の操作は相互に影響を与えない。従って、一方を増速するために供給される作動油量を変更したとしても他方の速度を維持することができ、ブーム13は作業者が想定しない動作をすることがない。
「速」「遅」スイッチ57a,57bの代わりにブーム操作スイッチを複数回押下するいわゆるインチング操作や,ジョイスティック式などにより動作速度を指示するようにしてもよい。
まずブーム装置Bを動作させることでブーム先端135を打設位置まで展開する。そして、生コンクリートを圧送する場合には、まず、S字バルブ33及びポンプピストン21,22を作動させる。すなわち、右側のバルブ駆動シリンダ34bを伸長させてS字バルブ33をバルブケーシング31内で右側に揺動させ、S字バルブ33の吸入口33bを右側のポンプシリンダ21の吐出端22bに接続し、吐出配管35と右側のポンプシリンダ22とを連通させる。
その状態で左側ポンプシリンダ21のポンプピストン21aを後退させるとともに、右側のポンプシリンダ22のポンプピストン22aを前進させて、左側のポンプシリンダ21内にバルブケーシング31内の生コンクリートを吸入する。
この状態で一対のポンプピストン21,22を前記と逆の作動をさせる。つまり、右側ポンプシリンダ22のポンプピストン22aを後退させるとともに、左側のポンプシリンダ21のポンプピストン21aを前進させる。これにより、右側のポンプシリンダ22は、その内部にバルブケーシング31内の生コンクリートを吸い込み、左側のポンプシリンダ23は、その内部に吸入しておいた生コンクリートをS字バルブ33に押し出すとともに吐出配管35内に圧送する。
上記作動を繰り返すことによりバルブケーシング31内の生コンクリートを吐出配管35に連続的に圧送することができる。
図10は制御装置Cにおける処理のうち、ブーム装置Bの動作速度調整に関するフローチャートであり、図11〜図17は図10の一部処理のサブルーチンである。
ステップS2において、制御装置Cはブーム13の現在の姿勢から最適なブーム駆動手段14の動作速度VAを算出する(第1のサブルーチン)。次にステップS3において、ブーム13の現在の姿勢から各ビーム同士や、ビームとビーム駆動手段14との接触の恐れまたは接触を回避する必要があるか否かから最適な動作速度VBを算出する(第2のサブルーチン)。
そして、ステップS5では、スイッチの押下開始からの経過時間に基づく動作速度VDを算出し(第4のサブルーチン)、ステップS6では、各ビーム131〜134間の相対角度から最適な動作速度VEを算出する(第5のサブルーチン)。ブーム13とブーム受け16との位置合わせを容易に行うため格納姿勢であるか否かに応じた旋回速度VFを算出する(ステップS7,第6のサブルーチン)。
なお、ステップS2〜ステップS8において算出した動作速度VA〜VF並びに選択速度Vsはブーム駆動手段14すなわち各油圧シリンダの伸縮速度である。そしてステップS9において各油圧シリンダの選択速度Vsからそれぞれの油圧シリンダに対して必要な作動油量(以下、必要流量Qsと呼ぶ)を既知のシリンダ諸元から算出する。
以上が動作速度を調整する全体的な処理の流れである。
まず、図11にて第1のサブルーチンの処理について説明する。第1のサブルーチンでは、各ビームの姿勢から最も先端に位置するビーム先端の速度が設定した速度以内になるように動作速度VAを算出する。
第1サブルーチン内に処理が移行すると、まず、各ビームの先端位置を座標値として算出する(ステップS101)。この計算は、各ビームの姿勢(傾斜角)と既知のビーム長さとから算出することができる。
そして求めた座標値[xi,yi]をもとにして、ブーム13としての最先端にあたる箇所を求める。ここでは一点鎖線で囲んだような姿勢において起伏駆動手段142を動作する場合について詳細に説明する。第1ビーム131の基部を基準に、第1ビーム131の先部までの距離r11(既知の第1ビーム131の長さと同じ)、第2ビーム132の先部までの距離r12、第3ビーム133の先部までの距離r13、第4ビーム先端までの距離r14を算出する。そして、r11〜r14のうち最大距離(図示の姿勢であればr13)を求める。
第2〜第4ビームの基部を基準にした最大距離も別途算出する。
ステップS102で求めた最大距離から、最先端位置を可能なかぎり速く動かすことができる起伏駆動手段142の最大速度VA2を算出し、その他のビーム駆動手段の最大速度VAiもそれぞれの最大距離rijから算出し、メインルーチンに最大速度VAiとして値を送る。例えば、最先端位置が可能なかぎり速く動かすことができる速度をJIS規定の毎秒1メートルとした場合には、最先端位置が毎秒1メートルとなるような起伏駆動手段142(起伏シリンダ142a)のストローク速度に変換すれば最大速度VA1が求められる。
また、ステップS102において各ビーム131〜134の姿勢からブーム13の最先端を求め、ステップS103において最先端に基づき動作速度を決定したので、ブーム13の展開状況にあわせて実際に一番危険になる箇所である最先端の上限速度を略同じにすることができる。
なお、各ブーム駆動手段について最高速度VAiを求めたが、総てのビーム駆動手段に対して動作速度VAを求める必要性がない場合は、必要な動作に限り値を求めるようにしてもよい。
ブーム13の姿勢によってはビーム駆動手段14とビームとが接触するおそれがある。そのため、ブーム13の姿勢とビーム駆動手段14との姿勢は一対一に対応していることから、ブーム13の姿勢に基づき接触の恐れがあるか否かにより動作速度VBを算出する。具体的には実施例のブーム装置Bでは、基準ビームとしての第2ビーム132は、その一端に第3ビーム133(一方のビーム)を、他端には第1ビーム131(他方のビーム)とが回動可能に連結されている。そして、第2屈折シリンダ144aを収縮すると、補助リンク(ブーメランリンク144b,ストレートリンク144c)を介して第3ビームを展開(第2ビーム132と一直線となる姿勢に向かって回動)する。
第2屈折駆動手段144のうち特に第2屈折シリンダ144aやブーメランリンク144bは、第3ビーム133を展開するにつれ第1ビーム131と近接する(図3参照)。この状態で第2ビーム132を第1ビーム131に対して近接していると第2屈折シリンダ144aやブーメランリンク144と第1ビーム131とが接触し最悪の場合、破損してしまう恐れがある。そこで、第2のサブルーチンは、接触を抑制できるような動作速度VBを算出する。
ここからは、作業者からの操作指示がどのビームをどちらの方向に回動する指示なのかにより処理が変わる。まず、第3ビーム133を展開指示(図2,図3における時計回り方向への回動)か否かを判断する(ステップS202)。第3ビーム133の展開指示であれば(ステップS202のYES)ステップS203に移行する。第3ビーム133を展開する場合には、第2駆動手段144が第1ビーム131に近づくので、相対角度θ12が第二の所定格納角θa以下であるか否かを判断する。θ12がθa以下の場合は近接状態と判断し(ステップS203のYES)、ステップS204において警告を発するとともに、ステップS205において動作速度VBをゼロすなわち停止するようにメインルーチンに対して値を返す。
なお、ステップS204における警告はランプを点灯し視覚的に訴えかけるものや、ブザーのような聴覚的に訴えかけるもののほか、作業者に当該状態であることを知らせるものを任意に採用することができる。
なお、ステップS203において相対角度θ12が第二の所定格納角θa以上の場合は、充分に第2ビーム132が展開された状態であり、第3ビーム133を駆動するため第2駆動手段144と第1ビームは接触する恐れがなく、「A」を経由してステップS209にジャンプする。
ステップS206において第2ビーム132の格納操作以外の操作であった場合(ステップS206のNO,上流のステップS202において第3ビーム133の展開である場合はステップS203に移行しているので第3ビーム展開操作も除かれる)、第2屈折駆動手段144と第1ビームとの接触には関連がないためステップS209にジャンプする。
また、第2屈折駆動手段144の突出量が小さいか(ステップS207のNO)、第1ビーム131と第2ビーム132とが離間している場合(ステップS208のNO)も接触の恐れがなく、ステップS209にジャンプする。
そして、ステップS209では、通常の動作と同じ速度値(本実施例ではVAとした)を動作速度VBの値としてメインルーチンに返す。
そして、第3ビーム133(一方のビーム)を図2における反時計回りに回動することで展開する場合(ステップS202のYES)であって、相対角θ12が所定格納角θaより小さい場合に近接状態と判断したため(ステップS203のYES)、打設準備において第1ビーム131が折損してしまうことを防止することができる。第2ビーム132(基準ビーム)を図2における反時計回りに回動することで格納する場合(ステップS206のYES)には、相対角θ23が所定格納角θb以上であって、相対角θ12が所定格納角θa以下の場合に近接状態と判断したため、走行準備において第1ビーム131が折損してしまうことを防止することができる。なお、ステップS208における判断は第二の所定格納角θaとしたが、異なる値であってもよい。
さらに、ステップS204において近接状態を報知することで作業者に注意喚起をし、ステップS205においてブーム駆動手段14の速度をゼロに設定してビームの動作を停止するようにしたため、効果的にブームの屈折事故を防止することができる。
本実施例においては、第2屈折駆動手段144が第1ビーム131と接触のおそれがあるため上記のように第2のサブルーチンで処理を行うようにしたが、その他のブーム駆動手段が各ビーム131〜134と接触の恐れがある場合があれば、併せて処理を行うようにしてもよい。
まず第3のサブルーチンに移行すると、ステップS301で引抜姿勢か否かを判断する。ここで、引抜姿勢とは、第2屈折シリンダ144aに就いて説明すると、自由端側の第3ビーム133がどの姿勢にあるかにより判断できる。一点鎖線で囲った模式図を参照して詳細に説明する。第2屈折シリンダ144aが伸長することで第3ビームが回動する方向を「正回動」、逆方向の回動を「逆回動」とそれぞれ定義する。(a)のように第2ビーム132の先端に対し第3ビーム133が鉛直上方に向かって延びた姿勢よりも正回動した姿勢、すなわち第3ビーム133の姿勢が+90度よりも大きい場合、または(b)のように第2ビーム132の先端に対し第3ビーム133を鉛直下方に向かって延びた姿勢よりも逆回動した姿勢、すなわち第3ビーム133の姿勢が−90度よりも小さい場合には、第3ビームの自重は第2屈折シリンダ144aを伸長する方向に作用する。この姿勢を引抜姿勢と定義し、このような引抜姿勢である場合には(ステップS301のYES)、ステップS302において警告を発するとともに、ステップS303において動作速度VCをゼロすなわち停止するようにメインルーチンに対して値を返す。
一方、ステップS301で引抜姿勢ではない時には(ステップS301のNO)、通常の動作と同じ速度値(本実施例ではVAとした)を動作速度VCの値としてメインルーチンに返す。
また、ステップS302において近接状態を報知することで作業者に注意喚起をし、ステップS303においてブーム駆動手段14の速度をゼロに設定してビームの動作を停止するようにしたため、効果的にシリンダの破損を防止することができる。
なお、例えば−80度や+80度を超え、引抜姿勢に近づいた場合に、別途作業者に警告したり、遅い動作速度値をメインルーチンに返したりしてもよい。
第4のサブルーチンでは、タイマの計時時間により動作速度を規定する。まずステップS401にて第一の設定時間taを経過するまでであれば(ステップS401のYES)、動作速度VDを予め設定した低速値とする(ステップS402)。タイマの計時時間が第一の設定時間taを超え、第二の設定時間tbまでの間であれば(ステップS401のNOかつステップS403のYES)、動作速度をタイマの計時時間に伴い徐々に速い速度となるように動作速度VDを規定する。
そして、第二の設定時間tbを経過した場合には(ステップS403のNO)、動作速度VDを予め設定した高速値とする(ステップS405)。
これによると、各ビーム131〜134の動作開始時は速度が低速であるため、ブーム駆動手段14が勢いよく伸縮し各ビーム131〜134が静止状態から高速で動作することによる揺れを防止することができる。
なお、ステップS404における加速は、線形に変化(経過秒数に応じて直線に変化、低速からなめらかに加速かつ高速になめらかに移行するような曲線など)するようにしてもよく、ステップ状に加速するように規定してもよい。ステップS401,S402を省略し、押下開始(速度ゼロ)から加速するようにしてもよい。
第5のサブルーチンに移行すると、まず、動作しようとするビームと該ビームを支持するビームとの間の相対角θijを求める(ステップS501)。そして、求めた相対角θijが第一の所定相対角θdよりも大きい場合には(ステップS502のYES)、接触までまだ余裕がある相対姿勢であるため動作速度VEを予め設定した高速値とする(ステップS503)。相対角θijが第一の所定相対角θdよりも小さく第二の所定相対角θeよりも大きい場合には(ステップS502のNOかつステップS504のYES)、動作速度VEを相対角θijが小さくなるにつれ遅い速度となるように動作速度VEを規定する(ステップS505)。
また、第一の相対角θdから第二の相対角θeの間には、相対角θijが小さくなるにつれ動作速度VEを徐々に減速するようにしたので急激に減速や停止することによる各ビーム131〜134の揺れを防止することができる。
ステップS501からS502に移行する前に動作方向が折りたたみ方向か否かを判断し、折り畳み方向の指示である場合に限り、ステップS502以下を処理するようにしてもよく、この場合、接触することがない展開方向の動作はこの第5のサブルーチンによる速度補正の影響をうけることなく常に速い速度で各ビーム131〜134を動作させることができる。
また、ステップS506に飛ぶ前に相対角θijがゼロ、すなわち2本のビームが当接したと判断した場合には、動作速度VEをゼロに設定、すなわちビームの動作を停止するようにメインルーチンに値を返してもよい。
第6のサブルーチンは、作業者から旋回指示が与えられた場合に限り移行する。そして、ブーム13とブーム受け16との位置合わせを容易に行うため、格納姿勢であるか否かに応じた旋回速度VFを算出する。
また、低速にするにあたり、相対角θ12が大きい場合には打設作業中であるため高速のままにするようにし(ステップS603のNOからステップS602)、旋回角度が所定の旋回範囲内に限って低速に規定した(ステップS604のYES)ため、位置合わせをおこなわない場合に旋回速度が遅くなってしまうことを防ぐことができる。
なお、ステップS603やステップS604を省略し、第1ビーム131の起伏角θ1のみに依存して低速旋回させるようにしてもよい。
また、旋回角度検知手段Srとしてロータリエンコーダを例示したが、その他のセンサ等を用いてもよく、その場合はビーム13とブーム受け16とが接近したことを把握できるようにすればよい。
本実施例のブーム装置Bように複数の関節を持つブームにおいて、複数の関節を同時に操作する時には第2油圧ポンプPU2から供給される作動油量を超える場合がある。この場合、一部の負荷が小さい関節は通常に回動する一方、その他の関節は作動油量不足で動作が緩慢になってしまう。すると、例えば、図2に示したような建築現場の2階床Aに打設する際に、第4ビーム134は起立方向(図2における反時計回り)に回動しつつ、第3ビーム133を倒伏方向(図2における時計回り)に回動させなければならない。この時、第4ビーム134の起立回動よりも第3ビームの倒伏回動の方が優先されてしまった場合、ブーム先端135は2階床Aに接触してしまう。そこで、同時作動時の速度補正を加えるのが第7のサブルーチンの役割である。従って、ひとつの関節に対する動作指示しか与えられていない場合には第7のサブルーチンに移行しないようにしてもよい。
そして、ピックアップしたすべての必要流量を合計し、これから動作するにあたり必要な作動油量(総作動油量Qs)を算出する(ステップS702)。一方、ステップS703において、回転数センサSからのエンジン回転数を基にブーム装置Bを駆動するための作動油を供給する第2油圧ポンプPU2の吐出流量Qpを算出する。吐出流量Qpは、エンジン回転数と押しのけ容量とから単位時間あたりの吐出流量を算出することができる。なお、本実施例においては回転数センサSとステップS703とが吐出流量把握手段を構成している。吐出流量把握手段は他の手段(例えば流量計を油圧回路内に備え、流量計の出力信号を受けるなど)であってもよい。
一方、需要が供給より少ない場合には(ステップS704のNO)、必要流量そのままで動作しても供給される作動油が不足することはないので、動作流量Qmiは必要流量Qiのまま補正を加えない(ステップS706)。
第1及び第2油圧ポンプPU1,PU2としてアキシャルピストンポンプを例に挙げたが、その他の種類の可変容量式の油圧ポンプであってもよく、定容量式の油圧ポンプを使用してもよい。
図9に示す操作装置Rは無線によりコンクリートポンプ車Vに操作信号を送信する送信機を図示しているが、コンクリートポンプ車Vに同じ機能を有する操作スイッチを設けてもよい(図示せず)。
上記実施例ではピストン式コンクリートポンプを例に挙げたが、絞り出し式コンクリートポンプなど、他の機構のコンクリートポンプを搭載したコンクリートポンプ車に適用してもよい。
P コンクリートポンプ
B ブーム装置
13 ブーム
131 第1ビーム(他方のビーム)
132 第2ビーム(基準ビーム)
133 第3ビーム(一方のビーム)
134 第4ビーム
14 ブーム駆動手段
144 第2屈折駆動手段
144a 第2屈折シリンダ
144b 補助リンク
144c 補助リンク
PU1 第1油圧ポンプ
PU2 第2油圧ポンプ
S 回転数センサ(吐出流量把握手段)
Se 検知手段
Sr 旋回角度検知手段
C 制御装置
v41 切換弁(旋回駆動手段用)
v42 切換弁(起伏駆動手段用)
v43 切換弁(第1屈折駆動手段用)
v44 切換弁(第2屈折駆動手段用)
v45 切換弁(第3屈折駆動手段用)
R 操作手段
Claims (1)
- 少なくとも2本またはそれ以上の数のビームを有するブーム装置と、
油圧ポンプと比例制御式の切換弁を介して接続されるとともにビームを駆動するビーム駆動手段と、
操作手段からの操作信号に基づきビーム駆動手段を駆動する制御手段と、を備えたコンクリートポンプ車において、
油圧ポンプの吐出流量を把握する吐出流量把握手段をさらに備え、
前記操作手段は、速度を指示可能なものであり、
前記制御手段は、前記操作手段からの前記2以上のビーム駆動手段を同時に操作する操作信号に基づき前記ビーム駆動手段の必要流量を決定し、吐出流量把握手段で把握した吐出流量を超える場合は、ビーム駆動手段の動作速度を前記操作手段から指示された他のビーム駆動手段に対する速度比率を保ったまま制限することを特徴とするコンクリートポンプ車。
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