図1〜図4に示すように、パチンコ遊技機1には、遊技ホールの島構造に取付けられる外枠(図示略)に開閉枠2(内枠2)が開閉自在に装着され、開閉枠2に開閉扉3が開閉自在に装着されている。開閉扉3に窓3aが形成され、その窓3aに透明板3bが装着されている。
開閉枠2の左端部に開閉扉3の左端部が鉛直軸心回りに回動自在に支持され、開閉扉3の右端部には、開閉扉3を開閉枠2に施錠するキーシリンダ3cが装着されている。開閉枠2に遊技盤4が装着され、遊技盤4とその前側の透明板3bとの間に遊技球が流下可能な遊技領域4aが形成され、この遊技領域4aが開閉扉3により開閉される。
開閉扉3には、窓3aの下側に遊技球を貯留する貯留皿5が設けられ、その貯留皿5に遊技者が操作可能な演出ボタンSW6(「SW」はスイッチを意味する)が装着され、貯留皿5の右下側に発射ハンドル7が装着されている。
発射ハンドル7が回動操作されると、貯留皿5から発射位置に導入された遊技球が発射され、貯留皿5に複数の遊技球が貯留されている場合、複数の遊技球が約0.6 秒間隔で連続発射される。発射された遊技球はガイドレール8で案内され遊技領域4aの上部に導入される。
図2〜図4、図41に示すように、遊技領域4aには、多数の障害釘(図示略)の他、第1始動口10aと第2始動口10bとを有する始動口装置10と、開閉式の第2始動口11aを有する第2始動口装置11と、ゲート12と、開閉式の大入賞口13aを有する大入賞口装置13と、複数の一般入賞口14とが、夫々遊技球が入賞(通過・入球)可能に図示の配置で設けられている。
ゲート12と複数の一般入賞口14とには、入賞した遊技球を検出するゲートSW12aと複数の一般入賞口SW14aとが夫々付設されている。
始動口装置10は、第1始動口10a(第1始動領域10a)と、第2始動口10b(第2始動領域10b)と、第1始動口10aに入賞した遊技球を検出する第1始動口SW10cと、第2始動口10bに入賞した遊技球を検出する第2始動口SW10dと、遊技球を第1,第2始動口10a,10bに振り分け可能な振分装置20とを備えている。
第2始動口装置11は、第2始動口11aと、第2始動口11aを開閉する開閉部材11bと、第2始動口11aに入賞した遊技球を検出する第2始動口SW11cと、開閉部材11bを開閉駆動する第2始動口SOL11dとを有する。第2始動口11aは、開閉部材11bと第2始動口SOL11dとにより、通常は遊技球が入賞し難い(入賞不可能な)閉状態となり、この閉状態と遊技球が入賞し易い開状態とに作動し得る。
大入賞口装置13は、大入賞口13aと、大入賞口13aを開閉する開閉部材13bと、大入賞口13aに入賞した遊技球を検出する大入賞口SW13cと、開閉部材13bを開閉駆動する大入賞口SOL13dとを有する。大入賞口13aは、開閉部材13bと大入賞口SOL13dとにより、通常は遊技球が入賞し難い(入賞不可能な)閉状態となり、この閉状態と遊技球が入賞し易い開状態とに作動し得る。
遊技領域4aに発射された遊技球が入賞口10a,10b,11a,13a,14の何れかに入賞すると、遊技球1個の入賞につき入賞口10a,10b,11a,13a,14毎に設定された数(数個〜10数個)の遊技球が賞球として貯留皿5に払出される。
遊技領域4aに発射された遊技球が入賞口10a,10b,11a,13a,14の何れにも入賞しないと、最終的に下部排出口9から遊技領域4aの外部へ排出される。
遊技球が始動口10a,10b,11aの何れかに入賞すると大当り抽選が行われ、その大当り抽選で当選すると、大入賞口13aが開放する大当り遊技が発生する。遊技球がゲート12を通過すると当り抽選が行われ、その当り抽選で当選すると、第2始動口11aが開放する補助遊技が発生する。
遊技盤4にはセンタ役物15が取付けられ、このセンタ役物15に遊技演出用の画像表示装置16と第1,第2の可動役物装置17,18とが装備されている。センタ役物15は、そのセンタ枠体15aが遊技盤4に形成されたセンタ開口部(図示略)に嵌合装着され、そのセンタ枠体15aの下部には遊技球が転動するステージ15bが形成されている。画像表示装置16は、その画面をパチンコ遊技機1の前側からセンタ枠体15aの内側を通して視認可能に配置され、この画像表示装置16に主に遊技演出が表示される。
遊技盤4の右下部に遊技表示盤19が設けられ、この遊技表示盤19は、第1特図表示器19a、第2特図表示器19b、普図表示器19c、第1特図保留ランプ19d、第2特図保留ランプ19e、普図保留ランプ19fを備えている。
第1特図表示器19aに第1特別図柄が変動可能に表示され、第1特図保留ランプ19dに第1特図保留数が表示され、第1特図保留数は4未満の場合に第1始動口10aに遊技球が入賞する毎に1加算される。第2特図表示器19bに第2特別図柄が変動可能に表示され、第2特図保留ランプ19eに第2特図保留数が表示され、第2特図保留数は4未満の場合に第2始動口10b,11aの何れかに遊技球が入賞する毎に1加算される。
第1,第2特別図柄が変動停止状態で、第1特図保留数が1以上の場合、第2特図保留数が0の場合には、第1特図保留数が1減算されて第1特別図柄が変動開始され、その後の停止図柄で大当り抽選の結果が表示される。第1,第2特別図柄が変動停止状態で、第2特図保留数が1以上の場合、第1特図保留数に関わらず、第2特図保留数が1減算されて第2特別図柄が変動開始され、その後の停止図柄で大当り抽選の結果が表示される。
普図表示器19cに普通図柄が変動可能に表示され、普図保留ランプ19fに普図保留数が表示され、普図保留数は4未満の場合にゲート12に遊技球が入賞する毎に1加算される。普通図柄が変動停止状態で、普図保留数が1以上の場合、普図保留数が1減算されて普通図柄が変動開始され、その後の停止図柄で当り抽選の結果が表示される。
次に、始動口装置10とその振分装置20について、図5〜図11に基づいて説明する。尚、パチンコ遊技機1を正面から視た場合の前後左右方向を前後左右方向として説明する。図5〜図11に示すように、振分装置20のケーシングは、合成樹脂製の板状のベース部材21と、このベース部材21の前面に複数のビスで固定されたケース部材22とで構成され、ベース部材21の後面には位置決め用の4つのピン部21aが一体形成され、これらピン部21aを遊技盤4のピン穴に嵌合させた状態でベース部材21とケース部材22が遊技盤4の前面に固定される。振分装置20は、遊技球を導入する導入口23aを含む導入通路23と、第1,第2誘導通路24,25と、第1,第2排出口24c,24d,25c,25dと、振分手段30とを備えている。
導入口23aは、振分装置20の上端部の中央部に、ベース部材21とケース部材22とで上方に開口する矩形穴に形成されている。導入通路23は導入口23aから下方へ連なる短い鉛直通路であり、導入通路23の下端に臨むように振分手段30が配置されている。第1,第2誘導通路24,25は、導入通路23の下端から左右に分岐して遊技球を第1,第2始動口10a,10bへ夫々誘導するように、ベース部材21とケース部材22で形成されている。第1,第2誘導通路24,25は、図5の中心線Cに対して左右対称に形成されている。第1,第2誘導通路24,25の下端部の後部に第1,第2始動口10a,10bが夫々設けられ、第1,第2始動口10a,10bには、第1,第2始動口SW10c,10dが夫々設けられている。
図5、図6、図10、図11に示すように、第1誘導通路24は、導入通路23から左側へ斜め下方へ延びる第1傾斜通路部24aと、この第1傾斜通路部24aの下端から下方へ直線的に延びてから後方へベース部材21の後側まで水平に延びるL字形の第1屈曲通路部24bと、ベース部材21に形成された縦長長円形の第1通路穴24eとを備えている。第1屈曲通路部24bの下端部は前後方向に延びる断面半円形の半円通路24fに形成されている。この半円通路24fはベース部材21の後側へ所定長さ延びるようにベース部材21に一体形成された延長通路部を備えており、この延長通路部に第1始動口SW10cが配置されている。
第1誘導通路24の下部(つまり、第1屈曲通路部24b)に、落下して来た遊技球を後方へ滑らかに方向変換する第1湾曲案内部26が形成されている。この第1湾曲案内部26は、第1屈曲通路部24bの内壁から突出させた平行な左右1対の第1縦リブ26a,26bで形成されている。1対の第1縦リブ26a,26bは小さな隙間を空けて配置されている。第1縦リブ26a,26bは鉛直部と水平部とでほぼL形に形成されている。第1縦リブ26a,26bの内端には双曲線状の湾曲案内面が形成されている。
左側の第1縦リブ26aの鉛直部は右側の第1縦リブ26bの鉛直部よりも上方まで延びている。第1縦リブ26aの鉛直部がケース部材22の前板22aから後方へ突出する突出幅は、第1縦リブ26bの鉛直部がケース部材22から後方へ突出する突出幅よりも僅かに大きい。第1縦リブ26aの鉛直部の上半部の内端は、その中心線C側縁線がケース部材22の前面板22aの後面に一致するように傾斜している。そのため、第1排出口24cから遊技球が排出しにくくなる。尚、1対の第1縦リブ26a,26bの水平部の後端はベース部材21に対応する位置にあり、1対の第1縦リブ26a,26bの後方には1つの縦リブ26cが設けられている。
第1誘導通路24の下部の左右の側壁部、つまり第1屈曲通路部24bの鉛直部の左右の側壁部には、遊技球を第1誘導通路24の外側へ排出可能な1対の第1排出口24c,24dが形成されている。第1排出口24c,24dは、アーチの頂部を前方へ向けた横向きアーチ形の開口である。
第1排出口24c,24dの上端は第1傾斜通路部24aの下端近傍に位置し、第1排出口24c,24dの下端は第1誘導通路24の下端壁面から遊技球のほぼ直径程度高い位置にある。第1排出口24c,24dの前端は、ケース部材22の前面板22aの後面から僅かに後方に位置し、後端はベース部材21で仕切られている。尚、左側の第1排出口24cの上半部に外側から遊技球通過隙間24hをあけて対向する傾斜庇24gがケース部材22に一体形成されている。遊技球通過隙間24hの前面は前面板22aで塞がれている(図10参照)。
図5、図6、図10、図11に示すように、第2誘導通路25は、導入通路23から右側へ斜め下方へ延びる第2傾斜通路部25aと、この第2傾斜通路部25aの下端から下方へ直線的に延びてから後方へベース部材21の後側まで水平に延びるL字形の第2屈曲通路部25bと、ベース部材21に形成された縦長長円形の第2通路穴25eとを備えている。第2屈曲通路部25bの下端部は前後方向に延びる断面半円形の半円通路25fに形成されている。この半円通路25fはベース部材21の後側へ所定長さ延びるようにベース部材21に一体形成された延長通路部を備えており、この延長通路部に第2始動口SW10dが配置されている。
第2誘導通路25の下部(つまり、第2屈曲通路部25b)に、落下して来た遊技球を後方へ滑らかに方向変換する第2湾曲案内部27が形成されている。この第2湾曲案内部27は、第2屈曲通路部25bの内壁から突出させた平行な左右1対の第2縦リブ27a,27bで形成されている。1対の第2縦リブ27a,27bは小さな隙間を空けて配置されている。第2縦リブ27a,27bは鉛直部と水平部とでほぼL形に形成されている。第2縦リブ27a,27bの内端には双曲線状の湾曲案内面が形成されている。
右側の第2縦リブ27aの鉛直部は左側の第2縦リブ27bの鉛直部よりも上方まで延びている。第2縦リブ27aの鉛直部がケース部材22の前板22aから後方へ突出する突出幅は、第2縦リブ27bの鉛直部がケース部材22から後方へ突出する突出幅よりも僅かに大きい。第2縦リブ27aの鉛直部の上半部の内端は、その中心線C側縁線がケース部材22の前板22aの後面に一致するように傾斜している。そのため、第2排出口25cから遊技球が排出しにくくなる。尚、1対の第2縦リブ27a,27bの水平部の後端はベース部材21に対応する位置にあり、1対の第2縦リブ27a,27bの後方には1枚の縦リブ27cが設けられている。
第2誘導通路25の下部の左右の側壁部、つまり第2屈曲通路部25bの鉛直部分の左右の側壁部には、遊技球を第2誘導通路25の外側へ排出可能な1対の第2排出口25c,25dが形成されている。第2排出口25c,25dは、アーチの頂部を前方へ向けた横向きアーチ形の開口である。
第2排出口25c,25dの上端は第2傾斜通路部25aの下端近傍に位置し、第2排出口25c,25dの下端は第2誘導通路25の下端壁面から遊技球のほぼ直径程度高い位置にある。第2排出口25c,25dの前端は、ケース部材22の前面板22aの後面から僅かに後方に位置し、後端はベース部材21で仕切られている。尚、右側の第2排出口25cの上半部に外側から遊技球通過隙間25hをあけて対向する傾斜庇25gがケース部材22に一体形成されている。遊技球通過隙間25hの前面は前面板22aで塞がれている(図10参照)。
図10に示すように、第1,第2屈曲通路部24b,25bの間には、内側の第1,第2排出口24d,25dから排出された遊技球を下方ヘ落下させる為の排出通路28が形成されている。この排出通路28の前面はケース部材22の前面板22aで塞がれ、排出通路28は左右幅が下方程大きくなる台形である。1対の第1排出口24c,24dと1対の第2排出口25c,25dは、水平な左右方向向きの直線上に並ぶ状態に形成されている。
前記振分手段30は、導入通路23に導入される複数の遊技球を第1誘導通路24と第2誘導通路25とに交互に振り分けるものであるが、振分手段30については後述する。
この振分装置20においては、第1,第2排出口24c,24d,25c,25dから排出される遊技球の数を極力少なくするため、第1,第2誘導通路24,25に次のような種々の構成も設けられている。
図11に示すように、第1湾曲案内部26の前端が第1排出口24c,24dの前端よりも前方に位置し、第2湾曲案内部27の前端が第2排出口25c,25dの前端よりも前方に位置している。それ故、遊技球が第1,第2誘導通路24,25から第1,第2排出口24c,24d,25c,25dへ夫々排出されにくくなる。尚、前面板22aのうち第1,第2排出口24c,25cの近傍部位に、排出口24c,25cから排出された遊技球が誘導通路24,25内に戻るのを阻止するる突起部(図示略)を設けてもよい。
図11に示すように、第1湾曲案内部26の下端(第1縦リブ26a,26bの水平部の上端、これは双曲線状に後方下り傾斜状に緩傾斜している)が第1排出口24c,24dの下端よりも数mm下方に位置し、第2湾曲案内部27の下端(第2縦リブ27a,27bの水平部の上端、これは双曲線状に後方下り傾斜状に緩傾斜している)が第2排出口25c,25dの下端よりも数mm下方に位置している。それ故、第1,第2誘導通路24,25の下端部から第1,第2排出口24c,24d,25c,25dへ遊技球が夫々排出されにくくなる。
図10、図11に示すように、導入通路23及び第1,第2誘導通路24,25を形成する通路形成部材であるベース部材21とケース部材22に、遊技球に抵抗を与えて遊技球を減速させる減速手段29が設けられている。
前記減速手段29の一部として、導入通路23の第1の通路内壁(後面の内壁)に、遊技球を導入通路23の第2の通路内壁(前面の内壁)に衝突させる方向へ案内する傾斜案内部23bであって下方程前方へ移行するように傾斜した傾斜案内部23bを設けた。この傾斜案内部23bは、その下部の水平な折線部23cにおいて鉛直面に対する傾斜が大きくなる折面状の傾斜面になっている。遊技球が傾斜案内部23bに衝突すると、第2の通路内壁に衝突させる方向へ方向変換されるため、減速されて遊技球が第1,第2排出口24c,24d,25c,25dから排出されにくくなる。
図10に示すように、前記減速手段29の一部として、第1,第2傾斜通路部24a,25aの傾斜上壁部22c,22dに複数の凸部29a,29bを夫々設けてある。但し、1つの凸部29aを設けてもよい。複数の凸部29a,29bは、傾斜上壁部22c,22dから垂直に突出する複数のリブであって突出幅の異なる前後方向向きの複数のリブからなる。これら複数のリブの先端面は不連続状の折れ面を形成している。
それ故、これら複数の凸部29a,29bの先端に遊技球が衝突すると、衝突箇所に応じた方向へ不規則に方向変換されるため、遊技球は減速され、第1,第2排出口24c,24d,25c,25dから排出されにくくなる。尚、凸部29a,29bはリブに限定されるものではなく、突出高さの異なる複数のボス部や突起で形成してもよい。
次に、振分手段30について説明する。
図5〜図11に示すように、振分手段30は、導入通路23の直下に配置された振り分け用の回動部材31と、ベース部材21に固定された第1磁石32aと、回動部材31に装着され且つ第1磁石32aに対して反発する磁力を発生する第2磁石32bとを備えている。
回動部材31は、金属の非磁性体(例えば真鍮)製の水平な前後方向向きの軸部材34を介してベース部材21とケース部材22とに回転自在に枢支されている。この軸部材34の前端部は、ケース部材22の前面板22aの後面に突設されたボス部22bで支持されている。この軸部材34の後端部は、ベース部材21の後面に突設された筒部35で支持されている。
回動部材31は合成樹脂製の一体品であり、この回動部材31は軸部材34が貫通する筒部31aと、ベース部材21の前面に接近した薄い半円板31bと、筒部31aから半径方向へ延びる3枚の羽根31c〜31eとを備えている。3枚の羽根31c〜31eは、中羽根31cと、この中羽根31cから左方へ90°開いた左羽根31dと、中羽根31cから右方へ90°開いた右羽根31eとからなる。中羽根31cと左羽根31dとの間に遊技球を受容する第1受容部31fが形成され、中羽根31cと右羽根31eとの間に遊技球を受容する第2受容部31gが形成されている。
中羽根31cの先端部の後方において半円板31bの後面にボス部31hが突設され、このボス部31hの凹部に短円柱状の第2磁石32bが磁界の方向を前後方向向きにして装着され固定されている。導入通路23に入った遊技球を、第1受容部31fに受容する状態と、第2受容部31gに受容する状態とに切換える為に、回動部材31は軸部材34と筒部31aを回動中心として設定角度(例えば、約60〜70°)左右に回動可能(揺動可能)に形成されている。
そのため、ベース部材21には、第2磁石32bを固定したボス部31hの前記設定角度の揺動を許す円弧溝33が形成され、この円弧溝33を形成する円弧形凸部33aが後方へ突出するようにベース部材21に形成されている。ボス部31hを受け止めて回動部材31の左右の回動限界位置を決める第1ストッパ35a,35bが、円弧溝33の左右の両端部で構成されている。ボス部31hを円弧溝33の右端35bで係止した状態(右回動限界位置)のとき、導入通路23から落下した遊技球が回動部材31の第1受容部31fに入る。ボス部31hを円弧溝33の左端35aで係止した状態(左回動限界位置)のとき、導入通路23から落下した遊技球が回動部材31の第2受容部31gに入る。
回動部材31の左右の回動限界位置を決める第2ストッパ36a,36bが、排出通路28の上端壁28aの両端部で形成されている。右羽根31eを上端壁28aの右端36bで係止した状態(右回動限界位置)のとき、導入通路23から落下した遊技球が回動部材31の第1受容部31fに入る。左羽根31dを上端壁28aの左端36aで係止した状態(左回動限界位置)のとき、導入通路23から落下した遊技球が回動部材31の第2受容部31gに入る。
前記円弧形凸部33aの後面の中央部には後方へ数mm突出した円形凸部37が形成され、この円形凸部37の後端部に形成した円形凹部37aに第2磁石32bと同様の短円柱状の第1磁石32aが磁界の方向を前後方向向きにして装着されている。第1,第2磁石32a,32bの極性は例えばN極同士(又はS極同士)が対向するように設定されている。円形凹部37aを塞ぐ長円形のキャップ部材38が設けられ、このキャップ部材38のキャップ部38aで円形凸部37の後端が閉塞されている。キャップ部材38の下端部に形成された円形嵌合部38bが筒部35に外嵌され、この円形嵌合部38aにビス39を貫通させて、そのビス39を筒部35に螺合することで、キャップ部材38がベース部材21に固定されている。
例えば、第1,第2磁石32a,32bが互いに反発する磁力を発生するため、回動部材31はそのボス部31hが円弧溝33の左端又は右端で係止された左回動限界位置又は右回動限界位置に停止し、第2受容部31g又は第1受容部31fが導入通路23に対向する状態になる。
例えば、回動部材31が右回動限界位置に位置して第1受容部31fに遊技球が入ると、回動部材31が左回転して遊技球を下方へ通過させて第1誘導通路24を介して第1始動口10aへ誘導する。すると、第1,第2磁石32a,32bの磁力の反発により回動部材31が左回動限界位置に停止し、次に導入通路23に入った遊技球は第2受容部31gに入り、回動部材31が右回転して遊技球を下方へ通過させて第2誘導通路25を介して第2始動口10bへ誘導する。その後上記と同様に繰り返すため、導入通路23に入った遊技球は、第1,第2誘導通路24,25へ交互に誘導され、第1,第2始動口10a,10bに交互に入球することになる。
図9に示すように、ベース部材21の前面のうちの第1,第2傾斜通路部22c,22dに対応する部位には、アーチ形状の増厚部21bが形成され、この増厚部21bの下側に回動部材31の半円板31が回動する回動用空間が形成され、増厚部21bの外周側にケース部材22の傾斜上壁部22c,22dの後端部が上方から係合する係合部21c,21dが形成されている。この係合部21c,21dにより、ベース部材21に対してケース部材22を位置決めするのが容易になる。
従来の始動口装置において、遊技球を減速させて排出口から排出される遊技球の数を限りなく少なくする為には、振分装置の第1,第2誘導通路の上下長をある程度長くする必要がある。しかし、振分装置の上下長が長い場合には、振分装置が大型化し、その配置に制約を受け、例えば、センタ役物の下側の遊技領域が小さな遊技機では、その下側遊技領域に振分装置を配置することが困難になる。
次に、振分装置20の作用、効果について説明する。
第1,第2誘導通路24,25の下部に、第1,第2誘導通路24,25を落下してきた遊技球を後方へ方向変換して第1,第2始動口10a,10bに夫々案内する第1,第2湾曲案内部26,27を設けたため、第1,第2誘導通路24,25から第1,第2始動口10a,10bへの遊技球の流れが円滑になるから、第1,第2排出口24c,24d,25c,25dから排出される遊技球の数を極力少なくしながら、第1,第2誘導通路24,25の長さを短縮して振分装置20の上下長を短縮できる。
第1,第2湾曲案内部26,27が夫々1対の縦リブ26a,26b,27a,27bで形成されているため、遊技球に接触する縦リブの接触面も僅少で抵抗が小さくなるうえ、これら縦リブ26a,26b,27a,27bの内端(遊技球に接触する面)が双曲線状に形成されているため、遊技球の流れが非常に円滑になる。しかも、縦リブに埃等が付着しにくいため、長期間に亙って遊技球の流れが円滑になる。
第1,第2湾曲案内部26,27の前端が第1,第2排出口24c,24d,25c,25dの前端よりも前方に夫々位置し、第1,第2湾曲案内部26,27の下端が第1,第2排出口24c,24d,25c,25dの下端よりも下方に夫々位置するため、第1,第2誘導通路24,25から遊技球が第1,第2排出口24c,24d,25c,25dへ排出されにくくなる。
導入通路23及び第1,第2誘導通路24,25を形成する通路形成部材(ベース部材21とケース部材22)に、遊技球に抵抗を与えて遊技球を減速させる減速手段29を設けるため、第1,第2排出口24c,24d,25c,25dよりも上流側において遊技球が減速され、第1,第2排出口24c,24d,25c,25dから排出されにくくなる。
前記減速手段29の一部として、導入通路23の第1の通路内壁に、遊技球を導入通路23の第2の通路内壁に衝突させる方向へ案内する傾斜案内部23bを設けたため、遊技球が傾斜案内部23bで案内されて第2の通路内壁に衝突しやすくなるから、遊技球の減速を図ることができ、第1,第2排出口24c,24d,25c,25dから遊技球が排出されにくくなる。
第1,第2誘導通路24,25は夫々導入通路23から斜め下方へ延びる傾斜通路部24a,25aを有し、前記減速手段29の一部として、傾斜通路部24a,25aの傾斜上壁部22c,22dに、1又は複数の凸部29a,29bを設けたため、遊技球を1又は複数の凸部29a,29bに衝突させることで、遊技球の不規則な方向変換を促進し、遊技球の減速を図り、第1,第2排出口24c,24d,25c,25dから遊技球が排出されにくくなる。
以上のように、遊技球が第1,第2排出口24c,24d,25c,25dから排出されにくくなるように構成したため、第1,第2誘導通路24,25の長さとして必要最少限の長さを確保しながら、振分装置20の小型化を図り、センタ役物15の下側遊技領域に振分装置20を配置することができる。その結果、正面視または後面視において、第1,第2誘導通路24,25の下端壁面の中心に対して、回動部材31を枢支する軸部材34が正三角形(但し,近似的な正三角形を含む)の頂点に位置している。仮に、軸部材34が上記の位置よりも高い位置に配置されると、第1,第2誘導通路24,25の上下長が大きくなり、振分装置20が大型化する。
排出通路28は、左右幅が下方程大きくなる台形であるため、排出通路28の上端の幅を極力小さくして、第1,第2誘導通路24,25の上端間の距離を小さくし、振分装置20の上半部の左右幅を小さくし、振分装置20の小型化を図ることができる。
回動部材31の左右の回動限界位置を決める第1ストッパ35a,35bを設け、この第1ストッパ35a,35bをボス部31hを受け止める円弧溝33の左右の両端部で構成したため、簡単で小型のストッパになる。回動部材31の左右の回動限界位置を決める第2ストッパ36a,36bも設けたため、信頼性の高いストッパを実現できる。
円弧形凸部33aに円形凸部37を形成し、この円形凸部37の後端部の円形凹部37bに第1磁石32aを収容したため、設計段階において円形凸部37の長さを介して第1,第2磁石32a,32b間の距離を調節し、第1,第2磁石32a,32bの相反発する磁力を適正に調節することできる。例えば、円形凸部37を短く(長く)することで磁力を強く(弱く)することができる。
回動部材31を枢支する軸部材34を金属の非磁性体で構成したため、軸部材34が第1,第2磁石32a,32bの磁界に影響を及ぼさないため、回動部材31の回動(作動)が安定化する。
前記振分装置20を部分的に変更する例について説明する。
(1)第1,第2排出口24c,24d,25c,25dは、横向きアーチ形の開口ではなく、矩形状の開口に形成してもよい。
(2)第1,第2通路穴24e,25eは必ずしも縦長長円形に形成する必要はなく、倒立アーチ形の穴に形成してもよい。
(3)前記第1,第2湾曲案内部26,27を夫々1対の縦リブ26a,26b,27a,27bで形成したが、1つの縦リブで構成してもよく、また、縦リブに代えて第1,第2屈曲通路部24b,25bの下部の壁面自体で第1,第2湾曲案内部を形成してもよい。
(4)振分手段30の回動部材31は前記実施例のものに限定されず、例えば回動部材31の半円板31bは省略可能である。但し、その場合、中羽根31cの先端の後端部に第2磁石32bを固定するものとする。
(5)その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更を付加した形態で実施可能である。
次に、第1の可動役物装置17について説明する。
図2〜図4、図12〜図27に示すように、第1の可動役物装置17は、センタ役物15の上部に配置され、可動に設けられた第1可動役物50(第1役物50、主動可動役物50)と、第1可動役物50を駆動し移動させる役物駆動手段51と、可動(第1可動役物50に対して可動)に且つ互いに相対的に移動可能に設けられた中,左,右の3つの第2可動役物52,53,54(第2役物52,53,54)と、役物駆動手段51が第1可動役物50を移動させるのに連動して第2可動役物52,53,54を動作させる役物動作手段55とを備えている。
第1,第2可動役物50,52,53,54は、画像表示装置16の画面前側で動作可能に設けられている。第1の可動役物装置17は、センタ役物15の上部に第1のベース部材56が固定的に設けられ、このベース部材56に、第1の可動役物装置17が搭載されている。
第1可動役物50について説明する。
図12〜図24に示すように、第1可動役物50は、役物本体60と、役物本体60に対して相対的に移動可能に設けられた左,右の2つのサイド役物61、62と、役物本体60及びサイド役物61、62に対して相対的に移動可能に設けられた中,左,右の3つの電飾部材63,64,65とを有する。
役物本体60は、センタ役物15の左上部に配置され、塊状の図示形状に形成され、この役物本体60の前面部に楕円形状の電飾部60aが設けられている。役物本体60は、矢印Xで示す盤面と平行な方向であって垂直方向に対して下方ほど右方へ移行するように30〜40度傾斜した方向(以下、X方向という)へ移動自在に、ガイド機構66によりガイドされている。
ガイド機構66は、X方向に長細い前,後,中の3つのガイド部材66a,66b,66cを有し、前ガイド部材66aが役物本体60の後面部に固定され、後ガイド部材66bがベース部材56の前面部に固定され、中ガイド部材66cが前,後のガイド部材66a,66bに夫々X方向へスライド自在に係合している。
左サイド役物61は羽根状の図示形状に形成され、この左サイド役物61の前面部に、それと略同形状の電飾部61aが設けられている。左サイド役物61の下端部が、役物本体60に前後方向の軸心回りに回動自在に連結され、左サイド役物61の上端部が、役物本体60の左側においてベース部材56に形成されたガイド溝56aにコロ(図示略)を介して係合して、ベース部材56にスライド自在に且つ前後方向の軸心回りに回動自在に支持されている。尚、この電飾部61a、及び後で説明する電飾部は、夫々、LED基板に実装された複数のLEDと、これらLEDの前方に配置された合成樹脂製のレンズカバーとを有するものである。
右サイド役物62は羽根状の図示形状に形成され、この右サイド役物62の前面部に、それと略同形状の電飾部62aが設けられている。右サイド役物61の左端部が、役物本体60に形成された長穴60bにコロ(図示略)を介して係合して、役物本体60にスライド自在に且つ前後方向の軸心回りに回動自在に連結され、右サイド役物61の右端部が、ベース部材56の右部に前後方向の軸心回りに回動自在に支持されている。
電飾部材63,64,65は、役物本体60から出没可能に設けられ、X方向に沿って長細い図示形状に形成されている。電飾部材63,64,65は、矢印Yで示す盤面と平行な方向であってX方向と直交する方向(以下、Y方向という)に間隔を空けて並設され、これら電飾部材63,64,65の前面部に、それらと略同形状の3つの電飾部63a,64a,65aが夫々設けられている。
役物本体60には、電飾部材63,64,65に夫々対応する3つの収納部60c,60d,60eが形成され、電飾部材63,64,65は、役物本体60との相対的なX方向への移動によって、収納部60c,60d,60eに収納された状態と、収納部60c,60d,60eから上側へ伸長した状態とになり得るように出没する。
役物駆動手段51について説明する。
図12〜図17に示すように、役物駆動手段51は、ベース部材56の右部に取付けられた電動モータ51aと、電動モータ51aの駆動力を右サイド役物62に伝達するギヤ機構やカム機構を有する動力伝達機構51bとを有し、右サイド役物62を回動させて、この右サイド役物62に可動に連結された役物本体60を、ガイド機構66によりガイドされたX方向へ移動させる。
この役物駆動手段51によって、役物本体60が、X方向のうち下側の図示X1方向へ初期位置A0(図12)→第1進出位置A1(図13)→第2進出位置A2(図14)→第3進出位置A3(図15)へと順次移動し、図示X2方向へ第3進出位置A3→第2進出位置A2→第1進出位置A1→初期位置A0へと順次移動し、適宜、初期位置A0と第3進出位置A3との間をX方向へ任意の動作で移動し得る。役物本体60は、初期位置A0から第3進出位置A3へ近づくほど、画像表示装置16の画面前側に大きく張り出し、第3進出位置A3では画像表示装置16の画面中央付近に位置する。役物本体60の原点位置(例えば、初期位置A0)を検出する原点SW51c(図42参照)も設けられている。
役物本体60がX方向へ移動すると、役物本体60に夫々可動に連結されたサイド役物61,62が、役物本体60に対して回動して姿勢を変化させる。役物本体60が初期位置A0にあるとき、左サイド役物61は略鉛直姿勢になり、右サイド役物62は水平に近い姿勢になる。役物本体60が初期位置A0からX1方向へ移動すると、左サイド役物61は反時計回り方向へ回動し、右サイド役物62は時計回り方向へ回動し、役物本体60が第3進出位置A3に位置すると、サイド役物61,62は夫々X方向に対して約45度傾斜して全体で弓状に羽根を広げた姿勢になる。
第2可動役物52,53,54について説明する。
図12〜図17、図19〜図21、図25〜図27に示すように、第2可動役物52,53,54は、少なくとも一部が第1可動役物50の電飾部60a,63a,64a,65aの前方に重なるように位置し得るように設けられ、X方向に沿って長細い爪状の図示形状に形成されている。第2可動役物52,53,54は、Y方向に互いに間隔を空けて並設され、これら第2可動役物52,53,54の前面部に、それらと略同形状の3つの電飾部52a,53a,54a(第2電飾部材に相当する)が夫々設けられている。
役物動作手段55について説明する。
役物動作手段55は、前記のように、役物駆動手段51が第1可動役物50を移動させるのに連動して第2可動役物52,53,54を動作させるが、役物本体60が初期位置A0と第1進出位置A1とに亙って移動する際に機能する第1動作手段55A(図18、図21、図26等参照)と、役物本体60が第1進出位置A1と第2進出位置A2とに亙って移動する際に機能する第2動作手段55B(図22〜図24、図26、図27等参照)と、役物本体60が第2進出位置A2と第3進出位置A3とに亙って移動する際に機能する第3動作手段55C(図22〜図24、図26、図27等参照)とを有する。
役物本体60が初期位置A0→第1進出位置A1→第2進出位置A2→第3進出位置A3へ移動する際、第1,第2,第3動作手段55A,55B,55Cが次のように機能する。
先ず、第1動作手段55Aが、役物本体60が初期位置A0から第1進出位置A1へ移動する際、第2可動役物52,53,54をX1方向へ第1位置B1(図12)から第2位置B2(図13)へ、第2可動役物52,53,54の姿勢及び第2可動役物52,53,54の間の間隔を保持して並行的に、且つ役物本体60及び電飾部材63,64,65と一体的に移動させる。
ここで、役物本体60の前方に第2可動役物52,53,54の下半部が位置して、役物本体60は第2可動役物52,53,54により部分的に覆われた状態で前方へ臨み、また、役物本体60の収納部60c,60d,60eに電飾部材63,64,65が完全に収納されている。
次に、第2動作手段55Bが、第1動作手段55Aにより第2可動役物52,53,54を第2位置B2へ移動させた後、役物本体60が第1進出位置A1から第2進出位置A2へ移動する際、役物本体60との一体的な移動を停止させ、第2可動役物52,53,54のX1方向の移動を停止させた状態で、第2可動役物52,53,54の姿勢を保持して、第2可動役物52,53,54の間の間隔(中,左の第2可動役物52,53の間の間隔、及び、中,右の第2可動役物52,54の間の間隔)がY方向に拡大するように、第2可動役物52,53,54を相対的に移動させる。
ここで、役物本体60が第1進出位置A1から第2進出位置A2へ移動する際、第2可動役物52,43,54が第2位置B2でX1方向の移動を停止することで、電飾部材63,64,65のX1方向の移動も停止すると、電飾部材63,64,65が、第2可動役物52,43,54の後側において、電飾部材63,64,65の大部分を遊技者が直接視認できない状況下で、役物本体60に対してその収納部60c,60d,60eから上側へ伸長していく。
最後に、第3動作手段55Cが、第2動作手段55Bにより第2可動役物52,53,54の間の間隔を拡大させた後、役物本体60が第2進出位置A2から第3進出位置A3へ移動する際、同様に役物本体60との一体的な移動を停止させ、第2可動役物52,53,54のX1方向の移動を停止させた状態で、第2可動役物52,53,54が第1位置B1から第2位置B2へ向かう方向(X1方向)と異なる前方へ、第2可動役物52,53,54を移動させる。
この場合、第3動作手段55Cが、第2可動役物52,53,54の下端(先端)が前方へ移動し、且つそれら下端間の間隔(中,左の第2可動役物52,53の下端間の間隔、及び、中,右の第2可動役物52,54の下端間の間隔)がY方向に拡大するように、第2可動役物52,53,54を前側へ20度〜30度傾動させる。
ここで、第2可動役物52,53,54が、それら下端間の間隔を拡大させるように傾動することにより、電飾部材63,64,65の大部分の前方から退いて、その結果、電飾部材63,64,65の大部分を遊技者が直接視認できるようになる。
一方、役物本体60が第3進出位置A3→第2進出位置A2→第1進出位置A1→第2進出位置A2→初期位置A0へ移動する際、第1,第2,第3動作手段55A,55B,55Cが、第2可動役物52、53、54(電飾部材63,64,65)を前記動作と逆に動作させるように機能する。
尚、第1,第2可動役物50,52、53、54が演出役物に相当し、役物本体60とサイド役物61,62と電飾部材63,64,65と第2可動役物52、53、54が複数の可動部材に相当し、電飾部60a,61a,62a,63a,64a,65aが電飾手段に相当する。役物駆動手段51、役物動作手段55が、複数の可動部材を作動させる可動役物作動手段に相当し、演出役物が所定の収縮状態(図12)から異なる複数方向へ拡張した拡張状態(図14又は図15)に変化可能に、複数の可動部材を作動させる。
第2可動役物52、53、54が特定可動部材に相当し、可動役物作動手段は、演出役物(第1,第2可動役物50,52、53、54)により構成される表現物(尚、表現物とは、第1,第2可動役物50,52、53、54で表現される物体であり、本実施例では、例えば、手を表現した表現物であり、その他、顔等の種々の物体を表示させたものでもよい) の表現状態を、収縮状態と拡張状態とで変更するが、演出役物(第1,第2可動役物50,52、53、54)は、収縮状態と拡張状態とで同一の表現物を表現し、可動役物作動手段は、特定可動部材(第2可動役物52、53、54)の間隔を変化させたり傾動させたりするが、特定可動部材の表現態様を維持するように、特定可動部材を移動させ、役物本体60から電飾部材63,64,65を伸縮させて、第1可動役物50(役物本体60、電飾部材63,64,65)の表現態様を変化させるように、第1可動役物50を移動させる。
また、可動役物作動手段は、電飾手段からの光により第2可動役物52、53、54を(後方から)電飾可能に、且つ遊技者が視認可能な電飾手段の可視発光領域を拡大可能に、第1可動役物50と第2可動役物52,53,54とを相対的に移動させ、その際、第1可動役物50において、電飾部材63,64,65が役物本体60から伸長して可視発光領域を拡大可能に、役物本体60と電飾部材63,64,65とを更に相対的に移動させるように構成している。
次に、図18〜図27に基づいて、第1,第2,第3動作手段55A,55B,55Cについて、また、第1可動役物50,第2可動役物52、53、54等について、適宜具体的に説明する。
先ず、第2可動役物52,53,54には、それらの後側に中,左,右の3つの第2可動役物ベース52b,53b,54bが夫々付設され、これら第2可動役物ベース52b,53b,54bは、役物本体60にX1方向に向けて当接(係合)可能になっている。
ベース部材56には、第2可動役物ベース52b,53b,54bが夫々コロ52c,53c,54cを介してスライド自在に係合する中,左,右の3つのガイド溝52d,53d,54dが形成され、これらガイド溝52d,53d,54dは、夫々X方向へ延びるストレート溝部52d1,53d1,54d1を有する。
ここで、第1動作手段55Aは、役物本体60が初期位置A0と第1進出位置A1とに亙って移動する際、第2可動役物ベース52b,53b,54bのコロ52c,53c,54cをベース部材56のストレート溝部52d1,53d1,54d1に係合させ、第2可動役物ベース52b,53b,54bを、第2可動役物ベース52b,53b,54bの自重により役物本体60に当接させ、役物本体60の収納部60c,60d,60eに電飾部材63,64,65を収納させた状態にする。
つまり、役物本体60が初期位置A0から第1進出位置A1へ移動する際は、第2可動役物52,53,54を、その自重により第1位置B1から第2位置B2へ並行的に移動させ、役物本体60が第1進出位置A1から初期位置A0へ移動する際は、第2可動役物52,53,54を、役物本体60によって持ち上げるように第2位置B2から第1位置B1へ並行的に移動させる。
次に、第1可動役物50において、中電飾部材63はX方向へ延び、左電飾部材64はX方向上側ほど中電飾部材63からY方向左側へ離隔するようにX方向に対し少し傾斜した方向へ延び、右電飾部材65はX方向上側ほど中電飾部材63からY方向右側へ離隔するようにX方向に対し少し傾斜した方向へ延び、電飾部材63,64,65は、それら長さ方向へ夫々役物本体60に対して移動自在にガイド支持されている。
左ガイド溝53dは、その左ストレート溝部53d1のX方向下端からY方向左側へ曲がる左屈曲溝部53d2を有し、右ガイド溝54dは、その右ストレート溝部54d1のX方向下端からY方向右側へ曲がる右屈曲溝部54d2を有する。
第2可動役物52,53,54には、後方へ膨出する中,左,右の3つの取付部52e,53e,54eが夫々設けられ、中取付部52eが中第2可動役物ベース52bにY方向の中支軸52fを介して回動自在に連結され、左取付部53eが左第2可動役物ベース53bにY方向左側ほど後方へ位置するように傾斜した左支軸53fを介して連結され、右取付部54eが右第2可動役物ベース54bにY方向右側ほど後方へ位置するように傾斜した右支軸54fを介して連結されている。
第2可動役物52,53,54は、支軸52f,53f,54fに外装された中,左,右の3つの捩じりバネ52g,53g,54gにより夫々、第2可動役物52,53,54の下端を後側へ移動させる方向へ付勢され、これらバネ52g,53g,54gにより、通常、第2可動役物52,53,54は、盤面と平行な初期姿勢に保持される。
取付部52e,53e,54eには、中,左,右の3つの操作突出部52h,53h,54hが夫々固定的に設けられ、これら操作突出部52h,53h,54hは、夫々、第2可動役物ベース52b,53b,54bよりも後方へ突出している。
電飾部材63,64,65には、それらの後側に中,左,右の3つの電飾連結部材63b,64b,65bが夫々固定的に付設され、これら電飾連結部材63b,64b,65bには、左,中,右の3つの長孔63c,64c,65cが形成され、これら長孔63c,64c,65cに操作突出部52h,53h,54hが夫々挿通している。電飾連結部材63b,64b,65bの長孔63c,64c,65cの上端部には、操作突出部52h,53h,54hに夫々X1方向に向けて係合可能な左,中,右の3つの係合部63d,64d,65dが設けられている。
ここで、第2動作手段55Bは、役物本体60が第1進出位置A1と第2進出位置A2とに亙って移動する際、第2可動役物52,53,54の操作突出部52h,53h,54hを電飾部材63,64,65の係合部63d,64d,65dに夫々係合させて、第2可動役物52,53,54と共に、電飾部材63,64,65のX方向への移動を停止させて、役物本体60に対して電飾部材63,64,65を伸縮させる。
つまり、役物本体60に対して傾斜した電飾部材64,65を伸縮させることにより、電飾部材63,64のX方向上端間のY方向の間隔、及び電飾部材63,65のX方向上端間のY方向の間隔を変化させ、その結果、第2可動役物52,53,54の間のY方向の間隔を変化させる。ここで、第2可動役物ベース52b,54bのコロ53c,54cをベース部材56の屈曲溝部53d2,54d2に係合させる。
また、第3動作手段55Cは、役物本体60が第2進出位置A2と第3進出位置A3とに亙って移動する際、第2可動役物52,53,54の操作突出部52h,53h,54hを電飾部材63,64,65の係合部63d,64d,65dに係合させて、役物本体60に対して最大限伸長させた電飾部材63,64,65を役物本体60と一体的に移動させる。
つまり、電飾部材63,64,65の係合部63d,64d,65dにより、第2可動役物52,53,54の操作突出部52h,53h,54hを操作させて、第2可動役物52,53,54を支軸52f,53f,54f回りに回動させ傾動させる。
尚、役物本体60が初期位置A0から第1進出位置A1へ移動する際に、第2可動役物52,53,54が、その自重により第2位置B2へ移動しない不具合が生じた場合、役物本体60が第2進出位置A2へ移動するまでの間に、役物本体60に対して最大限伸長させた電飾部材63,64,65の係合部63d,64d,65dを、第2可動役物52,53,54の操作突出部52h,53h,54hに係合させて、第2可動役物52,53,54を、強制的に第2進出位置A2へ移動させることができる。
ここで、従来の可動役物装置において、第1,第2可動役物が動作しても、その第1,第2可動役物を含む演出役物が拡張しないものでは、また、第1,第2可動役物が動作すると、その第1,第2可動役物を含む演出役物が拡張するが、その拡張方向が一方向だけであるものでは、演出役物の斬新な動作を実現することができず、例えば、演出役物の動作を立体的に表現することが難しい。
また、従来の可動役物装置において、第1,第2可動役物が動作しても、これら可動役物の位置関係は変化しないものでは、或いは、第1,第2可動役物の位置関係を変化させ得るものでも、これら可動役物の位置関係を電飾に関して考慮せずに単に変化可能にするだけでは、可動役物に電飾機器を装備しても、遊技者が視認可能な電飾機器の可視発光領域が変化するような斬新な電飾を実現することができない。
第1の可動役物装置17の作用・効果について説明する。
役物駆動手段51と役物動作手段55(可動役物作動手段)は、第1,第2可動役物50,52,53,54(演出役物)が図12に示す収縮状態から異なる複数方向へ拡張した図14又は図15に示す拡張状態に変化可能に、役物本体60、サイド役物62,62、電飾部材63,64,65、第2可動役物52、53、54(複数の可動部材)を作動させるので、第1,第2可動役物50,52,53,54が前側へ移動して大きくなったように、第1,第2可動役物50,52,53,54の動作を立体的に表現できる。
しかも、役物動作手段55において、第1動作手段55Aが、第2可動役物52,53,54を第1位置B1から第2位置B2へ並行的に移動させ、その後、第2動作手段55Bが、第2可動役物52,53,54の間の間隔が拡大するように、第2可動役物52,53,54を相対的に移動させ、更に、その後、第3動作手段55Cが、第2可動役物52,53,54を前方へ移動させ、この場合、第2可動役物52,53,54の下端が前方へ移動し且つそれら下端間の間隔が拡大するように、第2可動役物52,53,54を傾動させるので、第2可動役物52,53,54の動作を強調して、第1,第2可動役物50,52,53,54を拡張することができる。
また、役物駆動手段51と役物動作手段55(可動役物作動手段)は、第1,第2可動役物50,52,53,54を拡張すると共に、第1可動役物50の電飾部60a,61a,62a,63a,64a,65aからの光により第2可動役物52、53、54を電飾可能に、且つ遊技者が視認可能な電飾部60a,61a,62a,63a,64a,65aの可視発光領域を拡大可能に、第1,第2可動役物50,52,53,54を相対的に移動させるように構成したので、電飾効果を高めることができる。
しかも、役物駆動手段51と役物動作手段55(可動役物作動手段)は、役物本体60と電飾部材63,64,65とを更に相対的に移動させ、役物本体60から電飾部材63,64,65を伸長出現させて、電飾部60a,61a,62a,63a,64a,65aの可視発光領域を確実に拡大することができる。
以上のように、第1,第2可動役物50,52,53,54を拡張し、その際、電飾部60a,61a,62a,63a,64a,65aからの光により第2可動役物52、53、54を電飾可能に、且つ遊技者が視認可能な電飾部60a,61a,62a,63a,64a,65aの可視発光領域を拡大することができるので、第1,第2可動役物50,52,53,54の斬新な動作並びに電飾を実現し、演出効果を高めることができる。
役物動作手段55は、役物駆動手段51が役物本体60(主動可動役物)を移動させるのに連動して第2可動役物52,53,54を作動させ、更には、サイド役物61,62、電飾部材63,64,65を動作させるので、つまり、役物本体60に、サイド役物61,62、電飾部材63,64,65、第2可動役物52,53,54を従動させて、第1,第2可動役物50,52,53,54の拡張、第2可動役物52,53,54の間の間隔の拡大、第2可動役物52,53,54の傾動、電飾部60a,61a,62a,63a,64a,65aの可視発光領域の拡大を円滑に確実に行わせることができる。
また、役物動作手段55は、役物駆動手段51が役物本体60(主動可動役物)を移動させるのに連動して第2可動役物52,53,54を作動させるので、第2可動役物52,53,54を作動させる為の電動モータや原点SWを別途設ける必要がなく、電動モータや原点SWの配線等を含む構造を簡単化でき、製造コスト的にも有利になる。
次に、第2の可動役物装置18について説明する。
図28〜図40に示すように、第2の可動役物装置18は、センタ役物15の右部に配置され、回動可能に設けられた回動役物70と、回動役物70を駆動し回動させる回動駆動手段71と、回動役物70に反転可能に設けられた反転役物72と、反転役物72を駆動し反転させる反転駆動手段73と、反転役物72に可動に設けられた7つの可動役物74,75,76,77と、可動役物74,75,76,77を作動させる役物作動手段78とを備えている。
尚、可動役物74,75,76,77と役物作動手段78について、対称構造のものには同一符号を付して説明する。回動役物70、反転役物72、可動役物74,75,76,77は、画像表示装置16の画面前側で動作可能に設けられている。第2の可動役物装置18は、センタ役物15の右下部に第2のベース部材79が固定的に設けられ、このベース部材79に、第2の可動役物装置18が搭載されている。
回動役物70、回動駆動手段71について説明する。
図28〜図33に示すように、回動役物70は、回動役物本体70aを有し、この回動役物本体70aが、ベース部材69に前後方向の回動軸心a回りに回動自在に支持され、更に、回動役物本体70aの回動軸心aから離隔した部位が、ベース部材79に形成された回動軸心aを中心とする円弧溝79aにコロ(図示略)を介して回動自在にガイド支持されている。
回動駆動手段71は、ベース部材79に取付けられた電動モータ71aと、電動モータ71aの駆動力を回動役物本体70aに伝達するギヤ機構やリンク機構を含む動力伝達機構71bとを有し、回動役物70を反転役物72及び可動役物74,75,76,77と共に、略鉛直姿勢にする第1回動位置C1(図28)と、略水平姿勢にする第2回動位置C2(図29、図30、図31)とに亙って回動させる。回動役物70の原点位置(例えば、第1回動位置C1)を検出する原点SW71c(図42参照)も設けられている。
反転役物72、反転駆動手段73について説明する。
図28〜図34に示すように、反転役物72は、反転役物本体72aを有し、この反転役物本体72aが、回動役物本体70aに盤面と平行な反転軸心b回りに回動自在に支持され、反転役物本体72aの一側面側にサブ画像表示装置99が搭載され、反転役物本体72aの他側面側(サブ画像表示装置99と反対側)に可動役物74,75,76,77が配置されている。
ここで、回動役物70が第1回動位置C1にある状態で、反転役物72の反転軸心bが略鉛直になり、回動役物70が第2回動位置C2にある状態で、反転役物72の反転軸心bが略水平になる。
反転駆動手段73は、回動役物本体70aに取付けられた電動モータ73aと、電動モータ73aの駆動力を反転役物本体70aに伝達するギヤ機構を含む動力伝達機構73bとを有し、サブ画像表示装置99が前方へ向いて現れる(つまり、可動役物74,75,76,77が後方へ向いて反転役物本体72aの後側に隠れる)第1反転位置D1(図28、図29)と、可動役物74,75,76,77が前方へ向いて現れる(つまり、サブ画像表示装置99が後方へ向いて反転役物本体72aの後側に隠れる)第2反転位置D2(図30、図31)とに亙って、反転役物72を可動役物74,75,76,77と共に回動させる。反転役物72の原点位置(例えば、第1反転位置D1)を検出する原点SW73c(図42参照)も設けられている。
反転役物72が、第1反転位置D1又は第2反転位置D2にある状態で、反転軸心b方向の長さが、矢印Mで示す盤面と平行な方向であって反転軸心bと直交する方向(以下、M方向という)の長さよりも長い図示形状に形成され、回動役物70が第2回動位置C2にある状態では、画像表示装置16の下部の画面前側に、その下部の画面の大部分を覆うように位置する。
ここで、反転役物72が第1反転位置D1にある状態で、回動駆動手段71が回動役物70を第1回動位置C1と第2回動位置C2とに亙って回動させ、回動役物70が第2回動位置C2にある状態で、反転駆動手段73が反転役物72を第1反転位置D1と第2反転位置D2とに亙って反転させ得るようにしている。
可動役物74,75,76,77、役物作動手段78について説明する。
図30〜図40に示すように、可動役物74,75,76,77は、図31等に示す展開形状を7分割した図示形状に形成され、これら可動役物74,75,76,77の前面部に、それらと同等形状の7つの電飾部74a,75a,76a,77aが夫々設けられている。
可動役物74,75,76,77は、1つの主動可動役物74と、主動可動役物74に従動する6つの従動可動役物75,76,77(2つの第1従動可動役物75、2つの第2従動可動役物76、2つの第3従動可動役物77)とを含み、これら可動役物74,75,76,77において、主動可動役物74が中央に位置し、2つの第1従動可動役物75、2つの第2従動可動役物76、2つの第3従動可動役物77が、夫々、主動可動役物74の略中心を通るM方向の軸線に対して対称に構成されている。
役物作動手段78は、可動役物74,75,76,77を部分的に重ねた状態に折り畳んだ収納位置E1(図30)と、可動役物74,75,76,77(主に電飾部74a,75a,76a,77a)が連続的に繋がる伸長状態(前記の展開形状)に展開した展開位置E2(図31)とに亙って、可動役物74,75,76,77を作動させる。尚、可動役物74,75,76,77が展開位置E2にあるとき、遊技盤4に固定的に設けられた後述の盤ランプ108bの一部を含む電飾部77c(図4参照)にも可動役物77が連続的に繋がって、その電飾部77cも含めて更に拡張した前記の展開形状が形成される。
ここで、電飾部74a,75a,76a,77aを発光させる場合、可動役物74,75,76,77の動作に同期して種々の発光態様とすることができ、その発光態様として、例えば、可動役物74,75,76,77が収納位置E1から展開位置E2へ切り換わる際、最初から明るく発光させる態様、徐々に明るくなるように発光させる態様、或いは、可動役物74,75,76,77が展開位置E2へ切り換わるまでは発光させないで、展開位置E2へ切り換わった後、明るく発光させる態様等を採用可能である。
ここで、回動役物70が第2回動位置C2にあり、反転役物72が第2反転位置D2にある状態で、役物作動手段78が可動役物74,75,76,77を収納位置E1と展開位置E2とに亙って作動させ得るようにしている。尚、可動役物74,75,76,77の原点位置(例えば、収納位置E1)を検出する原点SW78a(図42参照)も設けられている。
役物作動手段78は、主動可動役物74をM方向へ駆動し移動させる役物駆動手段80と、役物駆動手段80が主動可動役物74を移動させる動力により従動可動役物75,76,77を動作させる2つの役物連動手段81とを有する。
2つの役物連動手段81は、主動可動役物74の略中心を通るM方向の軸線に対して対称に構成され、且つ対称に作動して、その一方の役物連動手段81が、それと同側の一方の第1,第2,第3従動可動役物75,76,77(3つの可動役物75,76,77)を動作させ、他方の役物連動手段81が、それと同側の他方の第1,第2,第3従動可動役物75,76,77(3つの可動役物75,76,77)を動作させる。
次に、可動役物74,75,76,77、役物作動手段78について具体的に説明する。尚、対称構造の従動可動役物75,76,77、役物連動手段81については、その一方について説明し、他方については説明を省略する。尚、適宜、回動役物70が第2回動位置C2、反転役物72が第2反転位置D2、可動役物74,75,76,77が展開位置E2にある状態の前後・上下を、前後・上下として説明する。
先ず、主動可動役物74よりも少し前方に第1従動可動役物75が位置し、第1従動可動役物75よりも少し後方に第2従動可動役物76が位置し、第2従動可動役物76よりも少し後方に第3従動可動役物77が位置している。
主動可動役物74は、逆三角形状に形成され、その後面側に固定的に設けられた役物連結板74bを有する。この役物連結板74bは、反転役物本体72aの内部に配設されて、反転役物本体72aにM方向(上下方向)へ移動自在にガイド支持され、そのために、役物連結板74bに形成された2つのM方向に長い長穴74cが、反転役物本体72aに設けられた2つのガイド軸74dにスライド自在に係合している。
役物駆動手段80は、反転役物本体72aに取付けられた電動モータ80aと、電動モータ80aの出力軸に固定された出力ギヤ80bと、反転役物本体72aに装着され出力ギヤ80bに噛合する従動ギヤ80cとを有し、これら電動モータ80aとギヤ80b,80cは反転役物本体72aの内部に配設されている。更に、役物駆動手段80は、従動ギヤ80cに固定的に設けられた係合ピン80dと、役物連結板74bに形成されて係合ピン80dが係合する係合凹部80eとを有し、この係合ピン80dと係合凹部80eにより、従動ギヤ80cの回動を主動可動役物74のM方向への移動に変換する。
第1従動可動役物75は、三日月形状に形成され、その基端側部分(下端側部分)に軸75bが後方突出状に固定的に設けられ、この軸75bを介して主動可動役物74に回動自在に連結されている。
役物連動手段81は、軸75bに一端部が固定された回動部材85を有し、この回動部材85の他端部に後方突出状のピン85aが設けられ、このピン85aが反転役物本体72aに形成された左右方向に長い長孔85bに摺動自在に係合している。
つまり、役物連動手段81は、主動可動役物74がM方向へ移動すると、その主動可動役物74と共に第1従動可動役物75(軸85b)をM方向へ移動させつつ、軸75bに固定された回動部材85と、そのピン85aが係合する長孔85bにより、回動部材85及び軸75bと共に、第1従動可動役物75を軸75b回りに回動させる。
また、役物連動手段81は、第2,第3従動可動役物76,77を動作させる為の補助アーム90を有し、その補助アーム90は、L形ケース状に形成されて、第2従動可動役物76よりも少し後方に位置して、その基端部(下端部)に固定的に設けられた前後方向の軸90aを介して反転役物本体72aに回動自在に支持されている。
第2,第3従動可動役物76,77は、少しだけ下方に反った湾曲形状に形成され、第2従動可動役物76は、その中央部分に固定的に設けられた前後方向の軸76bを介して補助アーム90の一端側部分に回動自在に連結され、第3従動可動役物77は、その一端部に固定的に設けられた前後方向の軸77bを介して補助アーム90の一端部に回動自在に連結されている。
役物連動手段81は、反転役物本体72aの内部に設けられて、補助アーム90を回動させる為の回動機構91及び第1,第2ギヤ部材92,93と、補助アーム90の内部に設けられて、補助アーム90が回動することにより第2,第3従動可動役物76,77を回動させる為の第3,第4ギヤ部材94,95及び腕部材96とを有する。
先ず、第1ギヤ部材92は、その中央部が反転役物本体72aに前後方向の軸92aを介して回動自在に支持されている。回動機構91は、主動可動役物74と一体の役物連結板74bに形成された左右方向に長い長孔91aと、この長孔91aに係合可能に第1ギヤ部材92に設けられたピン91bとを有し、主動可動役物74のM方向への移動を第1ギヤ部材92の回動に変換する。
第2ギヤ部材93は、補助アーム90の軸90aに固定的に設けられ、第1,第2ギヤ部材92,93のギヤ同士が噛合している。つまり、第1ギヤ部材92が回動すると、第2ギヤ部材93と共に補助アーム90が回動する。第3ギヤ部材94は、第2従動可動役物76の軸76bに固定的に設けられ、第4ギヤ部材95は、第3従動可動役物77の軸77bに固定的に設けられ、第3,第4ギヤ部材94,95のギヤ同士が噛合している。
腕部材96は、その一端部(上端部)が第3ギヤ部材94に前後方向の軸心回りに回動自在に連結され、その他端部(下端部)に後方突出状のピン96aが形成され、このピン96aが反転役物本体72aに形成された湾曲溝96bにスライド自在に係合している。補助アーム90が回動すると、腕部材96のピン96aが湾曲溝96bをスライドすることにより、腕部材96がその長さ方向へ補助アーム90に対して移動して、第3ギヤ部材94と共に第2従動可動役物76が回動させ、更に、第4ギヤ部材95と共に第3従動可動役物77を回動させる。
このように、役物連動手段81は、役物駆動手段80が主動可動役物74を移動させる動力により、第1,第2,第3従動可動役物75,76,77を、夫々異なる軸心回りに回動させて、図30に示す収納位置E1と図31等に示す展開位置E2(図31)とに亙って、可動役物74,75,76,77を作動させることができる。
尚、回動役物70が第1回動位置C1にあるときに、反転役物72が第1反転位置D1にあり、可動役物74,75,76,77が収納位置E1(収縮状態)にあるときの、反転役物72(可動役物74,75,76,77)で表現する表現物と、回動役物70が第2回動位置C2にあるときに、反転役物72が第2反転位置D2にあり、可動役物74,75,76,77が展開位置E2(拡張状態)にあるときの、反転役物72と可動役物74,75,76,77)で表現する表現物が異なる。尚、第1の可動役物装置17においても、第1,第2可動役物50,52,53,54が収縮状態にあるときに表現する表現物(例えば、握り拳のような表現物)と、拡張状態にあるときに表現する表現物(例えば、掌のような表現物)とを異ならせてもよい。
ここで、従来の可動役物装置において、2つの可動役物(第1,第2可動役物)しか設けられていないもの、また、第1,第2可動役物が相対的に移動するが、その動作が非常に単純であるものでは、可動役物の斬新な動作を実現することができない。
第2の可動役物装置18の作用・効果について説明する。
役物作動手段78は、7つの可動役物74,75,76,77を部分的に重ねた状態に折り畳んだ収納位置E1と、7つの可動役物74,75,76,77が連続的に繋がる伸長状態に展開した展開位置E2とに亙って、7つの可動役物74,75,76,77を作動させるので、7つの可動役物74,75,76,77の斬新な動作を実現して、演出効果を高めることができる。
また、反転役物72が第1反転位置D1にある状態で、7つの可動役物74,75,76,77が、収納位置E1では、反転役物本体72aの後側に隠れるように、コンパクトに邪魔にならないように折り畳むことができ、依って、反転役物72が第1反転位置D1から第2反転位置D2に切り換わり、7つの可動役物74,75,76,77が突如現れることで、更に、その後、7つの可動役物74,75,76,77が、展開位置E2で大きく展開することができるので、また、場合によりサブ画像表示装置99と協働して演出を行わせることで、インパクトのある役物演出を実現することができる。
役物作動手段78において、役物駆動手段80が、主動可動役物74を移動させ、役物連動手段81が、役物駆動手段80が主動可動役物74を移動させる動力により従動可動役物75,76,77を動作させるので、可動役物74,75,76,77を連動させて全体的に円滑に作動させ、また、第2可動役物52,53,54を作動させる為の電動モータや原点SWを別途設ける必要がなく、電動モータや原点SWの配線等を含む構造を簡単化でき、製造コスト的にも有利になる。
次に、パチンコ遊技機1の制御系について説明する。
図41、図42に示すように、制御装置100は、遊技制御基板101、払出制御基板102、演出制御基板103、画像制御基板104、ランプ制御基板105を備え、これら制御基板101〜105に夫々CPUとROMとRAMを含むコンピュータを備えて構成され、演出制御基板103は更にRTC(「RTC」はリアルタイムクロックを意味する)を備えている。
遊技制御基板101のコンピュータは、第1始動口SW10c、第2始動口SW10d,11c、ゲートSW12a、大入賞口SW13c、複数の一般入賞口SW14aからの信号、払出制御基板102からの制御情報を受けて、第2始動口SOL11d、大入賞口SOL13d、図柄表示器19a〜19c、図柄保留ランプ19d〜19fを制御し、払出制御基板102、演出制御基板103に制御情報を出力する。
払出制御基板102のコンピュータは、遊技制御基板101からの制御情報、払出球検出SW106b、球有り検出SW106c、満タン検出SW106dからの信号を受けて、払出モータ106aを制御し、遊技制御基板101に制御情報を出力する。
演出制御基板103のコンピュータは、遊技制御基板101、画像制御基板104、ランプ制御基板105からの制御情報、演出ボタンSW6からの信号を受けて、画像制御基板104、ランプ制御基板105に制御情報を出力する。画像制御基板104のコンピュータは、演出制御基板103からの制御情報を受けて、遊技演出用の画像表示装置16、スピーカ107を制御し、演出制御基板103に制御情報を出力する。
ランプ制御基板105のコンピュータは、演出制御基板103からの制御情報、第1,第2の可動役物装置17,18(原点SW51c,71c,73c,78a)からの信号を受けて、遊技演出用の枠ランプ108a、盤ランプ108b、第1,第2の可動役物装置17,18(電動モータ51a,71a,73a,80a、サブ画像表示装置99)を制御し、演出制御基板103に制御情報を出力する。尚、サブ画像表示器99は、画像制御基板104のコンピュータにより制御されるようにしてもよい。
図43に示すように、遊技制御基板101の主にコンピュータにより、図示の各手段110〜117,120〜127,130が構成されている。特図カウンタ手段110は、大当り判定値、特図判定値を、リーチ判定値、変動パターン判定値を、夫々設定範囲内で微小時間毎に順次更新する。
特図取得手段111は、遊技球が第1始動口10aに入賞したときに第1特図保留数が4未満の場合に特図始動条件が成立して、特図カウンタ手段110により更新された大当り判定値、特図判定値、リーチ判定値、変動パターン判定値を、1組の第1特図判定情報として取得し、遊技球が第2始動口10b,11aの何れかに入賞したときに第2特図保留数が4未満の場合に特図始動条件が成立して、特図カウンタ手段110により更新された大当り判定値、特図判定値、リーチ判定値、変動パターン判定値を、1組の第2特図判定情報として取得する。
特図保留記憶手段112は、特図取得手段111により取得され且つ特図判定手段114(大当り判定手段114a)による判定に供していない第1,第2特図判定情報を夫々4個まで、つまり特図判定情報を合計8個まで記憶(保留)可能である。
特図保留消化手段113は、特図保留記憶手段112に記憶されている特図判定情報を、特別図柄の変動開始毎に順次1ずつ特図判定手段114による判定に供して特図保留記憶手段112から消去(保留消化)する。その際、特図保留記憶手段112に複数の特図判定情報が記憶されている場合、それら複数の特図判定情報を特図保留記憶手段112に記憶された順番(即ち、特図取得手段111により取得された順番)で消化する。
特図判定手段114においては、特図取得手段111により取得された特図判定情報に基づいて、詳しくは、特別図柄が変動表示される際、当該特別図柄の変動表示に係る特図判定情報、つまり特図保留消化手段113により消化された特図判定情報に基づいて、大当り判定手段114aが、遊技者に有利な特別遊技を行うか否かを判定し、特別遊技を行うと判定すると、図柄判定手段114bが、当該特別遊技中の大入賞口13aの開閉パターン、及び当該特別遊技終了後の遊技状態を判定する。
具体的に、先ず、大当り判定手段114aが、特図判定情報の大当り判定値に基づいて、特別遊技である大当り遊技を行うか否かを、また、大当り遊技と部類が異なる特別遊技である小当り遊技を行うか否かを判定する。この場合、図44に示すように、大当り判定テーブルとして低確テーブルと高確テーブルの何れかを用いて判定する。
低確テーブルを用いる場合、大当り判定値が約1/320 の割合で大当り特定値(3,247 ・・・)の何れかと一致すると、大当り遊技を行うと判定し、高確テーブルを用いる場合、大当り判定値が約10/320の割合で大当り特定値(3,7 ・・・)の何れかと一致すると、大当り遊技を行うと判定し、低確テーブルと高確テーブルの何れを用いる場合でも、大当り判定値が約3/320 の割合で小当り特定値(4,44・・・)の何れかと一致すると、小当り遊技を行うと判定する。
大当り遊技を行うと判定すると、図柄判定手段114bが、当該特図判定情報の特図判定値に基づいて、複数の大当り図柄(図45に示す大当り図柄A〜H)の何れか1つを選択する。ここで、その特図判定値が第1特図判定情報である場合は、図45に示す第1図柄選択テーブルにより規定される選択率で図柄選択を行い、第2特図判定情報である場合は、図45に示す第2図柄選択テーブルにより規定される選択率で図柄選択を行う。
特図表示制御手段115は、特図判定手段114による判定結果に基づいて、特図保留消化手段113により第1特図判定情報が消化されたことを契機に、第1特図表示器19aに第1特別図柄を変動表示させた後に当該判定結果を示す判定図柄を停止表示させ、特図保留消化手段113により第2特図判定情報が消化されたことを契機に、第2特図表示器19bに第2特別図柄を変動表示させた後に当該判定結果を示す判定図柄を停止表示させる。
大当り判定手段114aにより大当り遊技を行うと判定されると、図柄判定手段114bにより選択された大当り図柄A〜Hの何れか1つを停止表示させ、小当り遊技を行うと判定されると、小当り図柄を停止表示させ、特別遊技(大当り遊技、小当り遊技)を行わないと判定されると、ハズレ図柄を停止表示させる。
特別遊技実行手段116は、大当り判定手段114aにより特別遊技(大当り遊技、小当り遊技)を行うと判定された場合、特図表示制御手段115により、当該判定結果を示す判定図柄、つまり図柄判定手段114bにより選択された判定図柄(大当り図柄、小当り図柄)が停止表示された後、その判定図柄に応じた開閉パターンで大入賞口13aを開閉させる遊技者に有利な特別遊技(大当り遊技、小当り遊技)を行う。
図46に示すように、大当り遊技中の大入賞口13aの開閉パターンは、大当り図柄の種類に応じて図示のように設定され、小当り遊技中の大入賞口13aの開閉パターンは、大当り図柄D,E,G,Hに対応する開閉パターンと同様に設定される。
具体的に、16R(ラウンド)長期開放では、大入賞口13aが16Rに亙って開閉され、各ラウンドは、大入賞口13aを開放して開始後、大入賞口13aに遊技球が例えば10個入賞する、或いは例えば30秒経過するR終了条件が成立すると、大入賞口13aを閉塞して終了する。8R長期開放では、大入賞口13aが8Rに亙って開閉され、各ラウンドは開始後、16R長期開放と同様のR終了条件が成立すると終了する。8R短期開放では、大入賞口13aが8Rに亙って開閉され、各ラウンドは開始後、大入賞口13aに遊技球が例えば10個入賞する、或いは例えば0.1 秒経過するR終了条件が成立すると終了する。
確率設定手段117は、大当り判定手段114aにより大当り遊技を行うと判定される大当り確率を、図44に示す低確テーブルを用いて第1の確率(約1/320 )又は図44に示す高確テーブルを用いて第1の確率よりも高い第2の確率(約10/320)に設定する。
一方、普図カウンタ手段120は、当り判定値、普図判定値を、夫々微小時間毎に順次更新する。普図取得手段121は、遊技球がゲート12を通過したときに普図保留数が4未満の場合に普図始動条件が成立して、普図カウンタ手段120により更新された当り判定値、普図判定値を、1組の普図判定情報として取得する。普図保留記憶手段122は、普図取得手段121により取得され且つ普図判定手段124による判定に供していない普図判定情報を4個まで記憶(保留)可能である。
普図保留消化手段123は、普図保留記憶手段122に記憶されている普図判定情報を普図表示器19cでの普通図柄の変動開始毎に順次1ずつ普図判定手段124による判定に供して普図保留記憶手段122から消去(保留消化)する。その際、普図保留記憶手段122に複数の普図判定情報が記憶されている場合、それら複数の普図判定情報を普図保留記憶手段122に記憶された順番(即ち、普図取得手段121により取得された順番)で消化する。
普図判定手段124は、普図始動条件の成立により普図取得手段121により取得された普図判定情報に基づいて、詳しくは、普通図柄が変動表示される際、当該普通図柄の変動表示に係る普図判定情報、つまり普図保留消化手段123により消化された普図判定情報に基づいて、補助遊技を行うか否かを判定する。
普図表示制御手段125は、普図判定手段124による判定結果に基づいて、普図保留消化手段123により普図判定情報が消化されたことを契機に、普図表示器19cに普通図柄を変動表示させた後に当該判定結果を示す判定図柄を停止表示させる。普図判定手段124により補助遊技を行うと判定された場合には、当り図柄を停止表示させ、補助遊技を行わないと判定された場合には、ハズレ図柄を停止表示させる。
補助遊技実行手段126は、普図判定手段124により補助遊技を行うと判定された場合、普図表示制御手段125により、その判定結果を示す判定図柄、つまり当り図柄が停止表示された後、第2始動口11aを開閉させる補助遊技を行う。
作動モード設定手段127は、図47に示すように、第2始動口作動モードとして、第2始動口11aを開状態に作動させ難い低作動モード又は開状態に作動させ易い高作動モードを設定する。
具体的に、低作動モードでは、普図判定手段124により補助遊技を行うと判定される当り確率が1/10、普図表示器19cでの普通図柄の普図変動時間が12秒、補助遊技中の第2始動口11aの始動口開閉パターンが0.1 秒×1 回に設定され、高作動モードでは、当り確率が10/10 、普図変動時間が0.5 秒、始動口開閉パターンが2.0 秒×3 回に設定される。
遊技状態制御手段130は、複数の遊技状態(図48示す通常遊技状態、時短遊技状態、潜確遊技状態、確変遊技状態)の何れか1つを択一的に設定し、その遊技状態で遊技を制御する。尚、電源投入時には前回の電源遮断時に設定されていた遊技状態を継続的に設定し、電源投入時に所謂RAMクリアが実行された場合には通常遊技状態を設定する。
図48に示すように、通常遊技状態、時短遊技状態が設定された場合、確率設定手段117により第1の確率(約1/320 )が設定され、潜確遊技状態、確変遊技状態が設定された場合、確率設定手段117により第2の確率(約10/320)が設定される。また、通常遊技状態、潜確遊技状態が設定された場合、作動モード設定手段127により低作動モードが設定され、時短遊技状態、確変遊技状態が設定された場合、作動モード設定手段127により高作動モードが設定される。
遊技状態制御手段130は、特別遊技実行手段116により大当り遊技が行われた場合、その大当り遊技終了後の遊技状態を図46に示すように設定変更する。大当り図柄A〜Cの何れかが停止表示されて、所謂「確変大当り」になった場合、当該大当り遊技終了後に確変遊技状態が設定され、大当り図柄A,Bの停止からは、その後、特図表示器19a,19bでの特別図柄の特図変動回数が10000 回に達すると、通常遊技状態へ移行され、大当り図柄Cの停止からは、その後、特図変動回数が50回に達すると、潜確遊技状態へ移行され、更に、特図変動回数が10000 回に達すると、通常遊技状態へ移行される。
大当り図柄Dが停止表示されて、所謂「突確大当り」になった場合、当該大当り遊技終了後に確変遊技状態が設定され、その後、特図変動回数が10000 回に達すると、通常遊技状態へ移行される。大当り図柄Eが停止表示されて、所謂「潜確大当り」になった場合、当該大当り遊技終了後に潜確遊技状態(又は確変遊技状態)が設定され、その後、特図変動回数が10000 回に達すると、通常遊技状態へ移行される。
大当り図柄Fが停止表示されて、所謂「通常大当り」になった場合、また、大当り図柄Gが停止表示されて、所謂「突時大当り」になった場合、当該大当り遊技終了後に時短遊技状態が設定され、その後、特図変動回数が50回に達すると、通常遊技状態へ移行される。大当り図柄Hが停止表示されて、所謂「突通大当り」になった場合、当該大当り遊技終了後に通常遊技状態が設定される。小当り図柄が停止表示されて、所謂「小当り」になった場合、当該小当り遊技終了後に当該小当り遊技開始前の遊技状態が設定される(即ち、遊技状態は設定変更されない)。
図43に示すように、演出制御基板103、画像制御基板104、ランプ制御基板105のコンピュータ等により、遊技演出を演出手段150(画像表示装置16、第1,第2の可動役物装置17,18、スピーカ107、ランプ108a,108b)に行わせる演出制御手段140が構成され、その演出制御手段140は、図柄変動演出制御手段141、特別遊技演出制御手段142、役物制御手段143を備えている。
図柄変動演出制御手段141は、特図判定手段114による判定結果に基づいて、特図表示制御手段115により特図表示器19a,19bに特別図柄が変動表示されているときに、図49(1)に示す複数の図柄変動演出(図柄変動演出1,2,3・・・n)の中から選択した図柄変動演出を行わせる。各図柄変動演出は、特図判定手段114による判定結果(特別遊技を行うと判定された期待度)を示唆するように行われる。
特別遊技演出制御手段142は、特別遊技実行手段116により特別遊技(大当り遊技、小当り遊技)が行われているときに、図49(2)に示す複数の特別遊技演出(特別遊技演出1,2,3・・・n)の中から選択した特別遊技動演出を行わせ、その特別遊技の最後に、図49(3)に示す複数のエンディング演出(エンディング演出1,2,3・・・n)の中から選択したエンディング演出を行わせる。
役物制御手段143は、図柄変動演出制御手段141により行われている特定の図柄変動演出において、特図判定手段114による判定結果(特別遊技を行うと判定された期待度)を示唆するように、或いは、特別遊技演出制御手段142により行われている特定の特別遊技演出や特定のエンディング演出において、第1,第2の可動役物装置17,18の少なくとも一方を作動させるように制御する。
以上説明したパチンコ遊技機1の全体的な作用・効果は次の通りである。
遊技者は、通常遊技状態又は潜確遊技状態が設定されているときには、発射ハンドル7を操作して遊技球がセンタ役物15の左側を落下するように、遊技球を発射させる所謂左打ちにより遊技を行い、時短遊技状態又は確変遊技状態が設定されているとき、或いは大当り遊技が行われているときには、発射ハンドル7を操作して遊技球がセンタ役物15の右側を落下するように、遊技球を発射させる所謂右打ちにより遊技を行う。
左打ちにより振分装置20、つまり第1,第2始動口10a,10bを狙うことができ、第1特図保留数が4未満のときに、遊技球が第1始動口10aに入賞すると、第1特図判定情報が取得され特図保留記憶手段112に記憶され、第2特図保留数が4未満のときに、遊技球が第2始動口10bに入賞すると、第2特図判定情報が取得され特図保留記憶手段112に記憶される。
右打ちにより第2始動口11a、ゲート12を狙うことができ、第2特図保留数が4未満のときに、遊技球が第2始動口11aに入賞すると、第2特図判定情報が取得され特図保留記憶手段112に記憶され、普図保留数が4未満のときに、遊技球がゲート12を通過すると、普図判定情報が取得され普図保留記憶手段122に記憶される。
普図保留記憶手段122に記憶された普図判定情報は、普通図柄の変動開始毎に順次消化(消去)されて、当り抽選が行われ、その当り抽選で当選した場合、普図表示器19cに当り図柄が変動停止後、第2始動口11aが開放する補助遊技が発生する。
通常遊技状態又は潜確遊技状態が設定されている場合、右打ちを行っても振分装置20から第1,第2始動口10a,10bへの遊技球の入賞を殆ど期待できないうえ、第2始動口作動モードとして低作動モードが設定され、第2始動口11aへの遊技球の入賞も殆ど期待できないため、左打ちにより所有の遊技球の数を減らしながら遊技を行い、時短遊技状態又は確変遊技状態が設定されている場合、第2始動口作動モードとして高作動モードが設定され、右打ちを行って第2始動口11aへの比較的多くの遊技球の入賞を期待できるため、右打ちにより所有の遊技球の数を略維持して遊技を行うことができる。
特図保留記憶手段112に記憶された特図判定情報は、特別図柄の変動開始毎に順次消化(消去)され、その際、特図保留記憶手段112に複数の特図判定情報が記憶されている場合には、それら複数の特図判定情報は取得された順番で消化されて、大当り抽選が行われ、その大当り抽選で当選した場合、特図表示器19a,19bcの何れかに大当り図柄が変動停止後、大入賞口13aが開放する大当り遊技が発生する。
大当り遊技では、変動停止した大当り図柄の種類によって、16R長期開放、8 R長期開放、8 R短期開放の何れかが選択実行され、右打ちにより、16R長期開放では、例えば約2000個の遊技球を獲得でき、8 R長期開放では、例えば約1000個の遊技球を獲得でき、8 R短期開放では、遊技球を実質獲得できない。また、変動停止した大当り図柄の種類によって、当該大当り遊技終了後の遊技状態として、通常遊技状態、時短遊技状態、潜確遊技状態、確変遊技状態の何れかが選択設定される。
大当り遊技、及び大当り遊技終了後の遊技状態について、第2特図判定情報(第2始動口10b,11aへの遊技球の入賞)に基づいて大当り抽選で当選した場合、第1特図判定情報(第1始動口10aへの遊技球の入賞)に基づいて大当り抽選で当選した場合よりも、より遊技者に有利になる割合が高くなる。左打ちにより、振分装置20により複数の遊技球が第1,第2始動口10a,10bに交互に入賞して、第1特図判定情報に基づく大当り抽選と第2特図判定情報に基づく大当り抽選とが交互に行われる一方、時短遊技状態又は確変遊技状態における右打ちにより、複数の遊技球が第2始動口11aに連続的に入賞して、第2特図判定情報に基づく大当り抽選が連続的に行われる。
一方、特別図柄が変動表示されているときには図柄変動演出が、また、特別遊技が行われているときには特別遊技演出とエンディング演出が、夫々、画像表示装置16での表示を主体に行われ、遊技性並びに遊技興趣が高められ、更に、特定の図柄変動演出において、大当り抽選の結果(大当り期待度)を示唆するように、或いは、特定の特別遊技演出や特定のエンディング演出において、第1,第2の可動役物装置17,18の少なくとも一方が作動して、演出効果が高められる。
第1,第2の可動役物装置17,18の各々について、例えば、図柄変動演出において、動作した場合に動作しなかった場合よりも「大当り」と判定された大当り期待度が高くなるように、また、その動作態様によって大当り期待度が異なるようにして、演出効果を一層高めることができる。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を付加して実施が可能であり、種々のパチンコ遊技機等の遊技機に本発明を適用可能である。