JP5922563B2 - 抗がん剤 - Google Patents
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R1は、水素、ハロゲン、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルコキシ基、またはトリフルオロメチル基であり、
R2は、水素、または炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基であり、
R3およびR4は互いに独立して、水素、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルカノイル基、炭素数2〜6の直鎖状もしくは分岐鎖上の鎖中に酸素原子を有するアルカノイル基、トリフルオロアセチル基、または末端に無置換もしくは置換基を有していてもよいフェニル基を有する炭素数1〜6のアルキル基であり、
mが1〜6の整数、nが1〜3である)
で表される化合物、薬学的に許容され得る塩、またはそれらの溶媒和物もしくは水和物を有効成分として含む抗がん剤に関する。
R1は、水素、ハロゲン、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルコキシ基、またはトリフルオロメチル基であり、
R2は、水素、または炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基であり、
R3およびR4は互いに独立して、水素、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルカノイル基、炭素数2〜6の直鎖状もしくは分岐鎖上の鎖中に酸素原子を有するアルカノイル基、トリフルオロアセチル基、または末端に無置換もしくは置換基を有していてもよいフェニル基を有する炭素数1〜6のアルキル基であり、
mが1〜6の整数、nが1〜3である)
である。
5−メトキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンタン−1−オンO−(2−アミノエチル)オキシム(化合物1:フルボキサミン)、N−(2−(((5−メトキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンチリデン)アミノ)オキシ)エチル)ブチルアミド(化合物3)、N−(2−(((5−メトキシ−1−(4−トリフルオロメチル)フェニル)ペンチリデン)アミノ)オキシ)エチル)アセトアミド(化合物2)、3−エトキシ−N−(2−(((5−メトキシ−1−(4−トリフルオロメチル)フェニル)ペンチリデン)アミノ)オキシ)エチル)プロパンアミド(化合物4)、5−メトキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンタン−1−オンO−(2−(ジプロピルアミノ)エチル)オキシム(化合物5)、5−メトキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンタン−1−オンO−(2−((4−メトキシベンジル)アミノ)エチル)オキシム(化合物7)、tert−ブチル2−(5−ヒドロキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンチリデンアミノオキシ)エチルカルバメート(化合物14)、5−(ヘキシルオキシ)−1−(4−トリフルオロメチル)フェニル)ペンタン−1−オンO−(2−アミノエチル)オキシム(化合物16)、5−プロポキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンタン−1−オンO−(2−(プロピルアミノ)エチル)オキシム(化合物17)
で表される化合物は、以下の方法により製造することができる(スキーム1)。
で表される化合物とを反応させる(A工程)ことにより製造することができる。
で表される化合物は、以下の方法により製造することができる(スキーム2またはスキーム2’)。
で表される化合物との還元的アミノ化反応(B工程)を行うことにより製造することができる。
R3−NH2 (III')
(式中、R3は炭素数1〜6の直鎖または枝分かれアルキル基)で表される化合物とのアルキル化反応(B’工程)を行うことにより製造することができる。
で表される化合物は、以下の方法により製造することができる(スキーム3またはスキーム3’)。
で表される化合物との還元的アミノ化反応(B工程)を行うことにより製造することができる。
R3−X (VI)
(式中、R3は水素または炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐鎖状アルキル基、末端に無置換または置換基を有していてもよいフェニル基を有する炭素数1〜6の直鎖状アルキル基、Xはハロゲン)
で表される化合物とを反応させて(D工程)得られる一般式(V):
で表される化合物のtert−ブトキシ基を脱保護する(E工程)ことにより製造することができる。
で表される化合物は、以下の方法により製造することができる(スキーム4)。
R3−X (VI)
(式中、R3は水素または炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐鎖状アルキル基、Xはハロゲン)
で表される化合物とを反応させ(H工程)得られる一般式(IX):
で表される化合物のtert−ブトキシ基を脱保護する(I工程)ことにより製造することができる。
フルボキサミン:5−メトキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンタン−1−オンO−(2−アミノエチル)オキシム(化合物1)
N−(2−(((5−メトキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンチリデン)アミノ)オキシ)エチル)アセトアミド(化合物2)
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ7.75 (d, 2H, J= 8.06 Hz), 7.62 (d, 2H, J= 8.06 Hz), 6.16 (bs, 1H), 4.28 (t, 2H, J= 5.13), 3.61 (q, 2H, J= 5.50, 4.77), 3.41 (t, 2H, J= 6.05), 3.33 (s, 3H), 2.80 (t, 2H, J= 7.33), 1.99 (s, 3H), 1.66- 1.62 (m, 4H)
N−(2−(((5−メトキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンチリデン)アミノ)オキシ)エチル)ブチルアミド(化合物3)
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ7.74 (d, 2H, J= 8.07 Hz),7.62 (d, 2H, J= 8.43 Hz), 6.07 (bs, 1H), 4.29 (t, 2H, J= 4.95 Hz), 3.62 (q, 2H, J= 5.50, 4.77 Hz), 3.41 (t, 2H, J= 6.05 Hz), 3.33 (s, 3H),2.80 (t, 2H, J= 7.33 Hz), 2.61 (t, 2H, J= 7.51 Hz), 1.69- 1.61 (m, 6H), 0.93 (t, 3H, J= 7.33 Hz)
3−エトキシ−N−(2−(((5−メトキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンチリデン)アミノ)オキシ)エチル)プロパンアミド(化合物4)
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ7.75 (d, 2H, J= 8.06 Hz), 7.62 (d, 2H, J= 8.43 Hz), 6.69 (bs, 1H), 4.28 (t, 2H, J= 5.32), 3.69- 3.59 (m, 4H), 3.48 (q, 2H, J= 6.97), 3.39 (t, 2H, J= 5.87 Hz), 3.32 (s, 3H), 2.79 (t, 2H, J= 7.33), 2.47 (t, 2H, J= 5.87 Hz), 1.63-1.60 (m, 2H), 1.16 (t, 3H, J= 7.15 Hz)
5−メトキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンタン−1−オンO−2−(ジプロピルアミノ)エチルオキシム(化合物5)
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ7.74 (d, 2H, J= 8.07 Hz), 7.61 (d, 2H, J= 8.43 Hz), 4.27 (t, 2H, J= 6.23 Hz), 3.37 (t, 2H, J= 6.05 Hz), 3.32 (s, 3H), 2.83- 2.75 (m, 4H), 2.49- 2.44 (m, 4H), 1.67- 1.54 (m, 4H), 1.52- 1.42 (m, 4H), 0.88 (t, 6H, J= 7.33 Hz)
tert−ブチル(2−(((5−メトキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンチリデン)アミノ)オキシ)エチル)カルバメート(化合物6)
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ7.74 (d, 2H, J= 8.06 Hz), 7.61 (d, 2H, J= 8.43 Hz), 5.02 (bs, 1H), 4.26 (t, 2H, J= 5.13 Hz), 3.56- 3.48 (m, 2H), 3.39 (t, 2H, J= 5.87 Hz), 3.33 (s, 3H), 2.79 (t, 2H, J= 7.52 Hz), 1.64- 1.61 (m, 4H), 1.45 (s, 9H)
5−メトキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンタン−1−オンO−2−(4−メトキシベンジルアミノ)エチルオキシム(化合物7)
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ7.71 (d, 2H, J= 8.06 Hz), 7.60 (d, 2H, J= 8.43 Hz), 7.23 (d, 2H, J= 8.80 Hz), 6.84 (d, 2H, J= 8.80 Hz), 4.33 (t, 2H, J= 5.13 Hz), 3.78 (s, 3H), 3.35 (t, 2H, J= 6.05 Hz), 3.30 (s, 3H), 2.98 (t, 2H, J= 5.32 Hz), 2.77 (t, 2H, J= 7.52 Hz), 2.99 (s, 2H), 1.63- 1.56 (m, 4H)
5−メトキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンタン−1−オンO−2−(ジヘキシルアミノ)エチルオキシム(化合物8)
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ7.74 (d, 2H, J= 8.06 Hz), 7.61 (d, 2H, J= 8.06 Hz), 4.26 (t, 2H, J= 6.23 Hz), 3.37 (t, 2H, J= 6.05 Hz), 3.32 (s, 3H), 2.82- 2.75 (m, 4H), 2.51- 2.46 (m, 4H), 1.65- 1.60 (m, 4H), 1.50- 1.38 (m, 4H), 1.38- 1.21(m, 4H), 0.88 (t, 6H, J= 6.60 Hz)
2,2,2−トリフルオロ−N−(2−(5−メトキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンチリデンアミノオキシ)エチル)アセトアミド(化合物9)
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ7.73 (d, 2H, J= 8.07 Hz), 7.64 (d, 2H, J= 8.42 Hz), 4.35 (t, 2H, J= 5.95 Hz), 3.74 (d, 1H, J= 5.13 Hz), 3.70 (d, 1H, J= 5.13 Hz), 3.41 (t, 2H, J= 5.87 Hz), 3.32 (s, 3H), 2.80 (t, 2H, J= 7.33 Hz), 1.65-1.24 (m, 4H)
2,2,2−トリフルオロ−N−(2−(5−メトキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンチリデンアミノオキシ)エチル)−N−メチルアセトアミド(化合物10)
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ7.76- 7.72 (m, 2H), 7.64- 7.23 (m, 2H), 4.42 (m, 2H), 3.80 (t, 2H, J= 5.13 Hz), 3.37 (t, 2H, J= 5.87 Hz), 3.31 (s, 3H), 3.21- 3.17 (m, 2H), 3.12-3.09 (m, 1H), 2.76 (t, 2H, J= 7.52 Hz), 1.61- 1.59 (m, 4H)
5−メトキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンタン−1−オンO−2−(プロピルアミノ)エチルオキシム(化合物11)
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ7.74 (d, 2H, J= 8.06 Hz), 7.61 (d, 2H, J= 8.43 Hz), 4.33 (t, 2H, J= 5.32 Hz), 3.38 (t, 2H, J= 5.87 Hz), 3.32 (s, 3H), 2.98 (t, 2H, J= 5.32 Hz), 2.79 (t, 2H, J= 7.15 Hz), 2.65 (t, 2H, J= 7.33 Hz), 1.62- 1.60 (m, 4H), 1.58- 1.50 (m, 2H), 0.92 (t, 3H, J= 7.51 Hz)
tert−ブチル2−(5−メトキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンチリデンアミノオキシ)エチル(メチル)カルバメート(化合物12)
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ7.75 (d, 2H, J= 8.43 Hz), 7.61 (d, 2H, J= 8.43 Hz), 4.30- 4.29 (m, 2H), 3.55- 3.53 (m, 2H), 3.37 (t, 2H, J= 5.87 Hz), 3.32 (s, 3H), 2.93 (s, 3H), 2.78 (t, 2H, J= 7.33 Hz), 1.65- 1.58 (m, 4H), 1.46 (s, 9H)
5−メトキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンタン−1−オンO−2−(メチルアミノ)エチルオキシム(化合物13)
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ7.74 (d, 2H, J= 8.07 Hz), 7.61 (d, 2H, J= 8.43 Hz), 4.33 (t, 2H, J= 4.95 Hz), 3.38 (t, 2H, J= 5.32 Hz), 3.32 (s, 3H), 2.95 (t, 2H, J= 4.40 Hz), 2.79 (t, 2H, J= 6.78 Hz), 2.51 (s, 3H), 1.65- 1.58 (m, 4H)
tert−ブチル2−(5−ヒドロキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンチリデンアミノオキシ)エチルカルバメート(化合物14)
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ7.68 (d, 2H, J= 8.43 Hz), 7.54 (d, 2H, J= 8.80 Hz), 5.01 (bs, 1H), 4.19 (t, 2H, J= 5.13 Hz), 3.63- 3.56 (m, 2H), 3.42- 3.41 (m, 2H), 2.73 (t, 2H, J= 7.33 Hz), 1.57- 1.55 (m, 4H), 1.37 (s, 9H)
5−(ヘキシルオキシ)−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンタン−1−オンO−2−(ヘキシルアミノ)エチルオキシム(化合物15)
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ7.75 (d, 2H, J= 8.43 Hz), 7.61 (d, 2H, J= 8.43 Hz), 4.33 (t, 2H, J=5.32 Hz), 3.43- 3.35 (m, 4H), 2.99 (t, 2H, J= 5.32 Hz), 2.79 (t, 2H, J= 7.52 Hz), 2.69 (t, 2H, J= 7.15 Hz), 1.57- 1.49 (m, 4H), 1.30- 1.25 (m, 16H), 0.92- 0.85 (m, 6H)
5−(ヘキシルオキシ)−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンタン−1−オンO−2−アミノエチルオキシム(化合物16)
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ7.76 (d, 2H, J= 8.43 Hz), 7.64 (d, 2H, J= 8.43 Hz), 4.43 (t, 2H, J= 4.95 Hz), 3.75 (t, 2H, J= 5.87 Hz), 3.19 (t, 2H, J= 4.95 Hz), 2.88- 2.78 (m, 4H), 1.68- 1.59 (m, 4H), 1.33- 1.26 (m, 8H), 0.92- 0.87 (m, 3H)
5−プロポキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンタン−1−オンO−2−(プロピルアミノ)エチルオキシム(化合物17)
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ7.74 (d, 2H, J= 8.07 Hz), 7.62 (d, 2H, J= 8.43 Hz), 4.39 (t, 2H, J= 5.13 Hz), 3.68- 3.43 (m, 2H), 3.41- 3.31 (m, 4H), 3.12 (t, 2H, J= 5.32 Hz), 2.83- 2.74 (m, 4H), 1.66- 1.51 (m, 8H), 1.34- 1.12 (m, 2H), 0.98- 0.86 (m, 6H)
ヒト神経膠芽腫(GBM)細胞株:U87−MG(米国カリフォルニア大学サンディエゴ校Webster Cavenee博士より供与)、U87/EGFRvIII(米国カリフォルニア大学サンディエゴ校Webster Cavenee博士より供与)、U251−MG(財団法人ヒューマンサイエンス振興財団より分譲)は、10%ウシ胎児血清(FBS)、100U/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマイシンを添加したダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)で37度、5%CO2条件下で培養した。
各種GBM細胞株を、3.5cm培養皿(Greiner Bio-one社)中のマトリゲル(BDバイオサイエンス社)でコートしたカバーガラスに、10×104細胞個/皿に分け、(1−a)に記載した培地で8割程度のコンフルエンシーになるまで培養した。培養液を0.1%FBSとなるようにした以外は(1−a)に記載したのと同じものに交換し、さらに24時間培養した。培養液にFBSを終濃度10%になるように加え、15分間反応させることにより、GBM細胞株の仮足形成を誘導した。細胞をリン酸緩衝生理食塩水(FBS)で洗浄後、4%パラホルムアルデヒド−リン酸緩衝液で10分間固定した。PBSで細胞を洗浄後、0.1%TRITON(登録商標) X−100で膜浸透化処理を行い、Alexa Fluor 555-conjugated Phalloidin(インビトロジェン(Invitrogen)社)でアクチン線維(F−アクチン)を染色した。カバーガラスを50%グリセロールで封入し、共焦点レーザー顕微鏡(FV300、オリンパス)で細胞を観察した。フルボキサミンの仮足形成阻害作用を検討する際には、10%FBSで細胞を刺激する前に、フルボキサミンを溶解した培養液(終濃度40μM)で細胞を15分間培養した。フルボキサミンは、ジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解させているため、被験物質を含まない対照群(溶媒コントロール)には、同体積のDMSO(終濃度0.1%)を用いた。
(2−a)細胞の培養
実施例1と同様にして、ヒト神経膠芽腫(GBM)細胞株:U87−MG、U251−MG、A172(財団法人ヒューマンサイエンス振興財団より分譲)を培養した。
各種GBM細胞株をマトリゲルコートディッシュに播き、コンフルエントになるまで培養した。培養液を0.1% FBSを含むDMEMに交換し24時間培養した。イエローチップを用いて細胞を一定の間隔でかき取り、フルボキサミン(終濃度25μMおよび50μM)あるいは溶媒のみ(DMSO)を溶解した培養液に交換し、48時間培養した。細胞をメタノールで10分間固定した後、ギムザ染色を行った。洗浄、乾燥後、顕微鏡で観察し画像を取得した。
実施例1と同様にして、ヒト神経膠芽腫(GBM)細胞株:U87−MGを培養した。
BD BioCoatマトリゲルインベージョンチャンバー(ポアサイズ8μm、BDバイオサイエンス社)を用いてフルボキサミンの細胞浸潤阻害効果を検討した。上部インサートに2×105細胞/ウェルのU87−MG細胞を播き、下部のウェルには、10% FBSを含む培地を加えた。インサートおよびウェルにフルボキサミン(終濃度、10μM、20μM、30μM、40μMまたは50μM)および溶媒のみ(DMSO)を溶解し、24時間培養した。綿棒を用いて、インサート上部の非浸潤細胞を除去した後、インサートをメタノールで固定後、ギムザ染色を行った。インサートのメンブレンを切り取りカバーガラスに封入し、顕微鏡で画像を取得した。
(4−a)脳腫瘍モデルの作成
ヌードマウス(BALB/c−nu/nu、8週齢、メス、日本SLC)の右脳半球にU87/EGFRvIII細胞(5×104細胞/3μl DMEM)を定位的(AP:1mm、ML:2.5mm、DV:3mm)に移植し、腫瘍モデルを作成した。
(4−b)浸潤抑制試験
移植から1週間の回復期間の後、薬剤投与を開始した。溶媒対照群には、PBS(10ml/kg)を連日腹腔内投与した。フルボキサミン群では、フルボキサミン20mg/kgを同様に投与した。移植4週後に、マウスを4%パラホルムアルデヒドで灌流固定し、脳を取り出し、ティシュー・テックO.T.C.コンパウンド(サクラファインテックジャパン)を用いて凍結した。クリオスタットを用いて厚さ20μmの凍結切片を作製し、5%ヤギ血清/0.3% TRITON(登録商標)X−100を用いて30分間ブロッキングした。PBSで洗浄後、ウサギ由来抗EGFRモノクローナル抗体(#4267、CST)を4℃で一晩反応させた。洗浄後、Alexa Fluor 555-conjugatedヤギ由来抗ウサギ抗体(インビトロジェン社)を室温で1時間反応させた。細胞核をHoechst 33258(1μg/ml)で10分間染色し、洗浄後、封入、観察を行った。
F−アクチン形成量は、ピレン標識アクチンに由来するピレンの蛍光強度変化を指標として定量した。ピレンは密度が高くなると蛍光強度が増大(励起波長:365nm、蛍光波長:407nm)し、アクチン線維の形成量に比例することが知られている。蛍光強度変化は、蛍光分光光度計を用いてF−アクチン形成量の経時的変化を測定し、F−アクチン形成量は、リポソーム添加後からピレンの蛍光変化が平衡となった2000秒までの蛍光強度の増加量から算出した。被験物質を含まない溶媒(DMSO)のみの場合における増加量を100%とし、標準化した。結果を表1に示す。
Claims (3)
- 5−メトキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンタン−1−オンO−(2−アミノエチル)オキシム、3−エトキシ−N−(2−(((5−メトキシ−1−(4−トリフルオロメチル)フェニル)ペンチリデン)アミノ)オキシ)エチル)プロパンアミド、5−メトキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンタン−1−オンO−(2−(ジプロピルアミノ)エチル)オキシム、5−メトキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンタン−1−オンO−(2−((4−メトキシベンジル)アミノ)エチル)オキシム、5−(ヘキシルオキシ)−1−(4−トリフルオロメチル)フェニル)ペンタン−1−オンO−(2−アミノエチル)オキシム、5−プロポキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンタン−1−オンO−(2−(プロピルアミノ)エチル)オキシムからなる群より選択される化合物、その薬学的に許容され得る塩、またはそれらの溶媒和物もしくは水和物を有効成分として含む脳腫瘍に対する浸潤抑制剤。
- 化合物が5−メトキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンタン−1−オンO−(2−アミノエチル)オキシムである請求項1記載の脳腫瘍に対する浸潤抑制剤。
- 他の抗がん剤と組み合わせて使用することを特徴とする請求項1または2記載の脳腫瘍に対する浸潤抑制剤。
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