JP5922563B2 - 抗がん剤 - Google Patents

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Description

本発明は、フルボキサミンまたはその類似体もしくは誘導体を有効成分とする抗がん剤に関する。より詳細には、フルボキサミンまたはその類似体もしくは誘導体を有効成分とし、悪性腫瘍細胞の浸潤を抑制する分子標的型抗がん剤に関する。本発明はまた、フルボキサミンまたはその類似体もしくは誘導体と、さらに薬学的に許容され得る担体とを含む悪性腫瘍の治療および/または予防用の医薬組成物に関する。
悪性腫瘍、とくにがんに対する分子標的薬は、現在非常に盛んに研究・開発が行われている。分子標的薬は、従来の古典的な抗がん剤と呼ばれる薬剤と異なり、がん特異的に発現している分子に対して作用し、従来の抗がん剤で問題となる様々な副作用が非常に低い薬剤である。しかしながら、その研究には、標的となる分子の同定から種々の低分子薬剤のスクリーニングに至るまで、非常に長期間にわたって、莫大な費用と多くの労力が必要とされる。また、このような分子標的薬は、非常に大きな労力を経て世に出ても、予期せぬ合併症の原因となり、実験上の想定していたような効果をもたらさない場合もある。
脳腫瘍をはじめとする多くの悪性腫瘍細胞(一般的な「がん」細胞)は、正常な臓器の一部に発生するか、もしくは他の部位より移動または転移して生着し、その部位で浸潤増殖する。脳腫瘍においては、脳腫瘍本体は、腫瘍の増殖進展により正常な脳構造物が破壊され、抗がん剤をはじめとする薬剤の到達を抑制している血液脳関門(BBB)が破綻し、薬剤が到達可能な状況となっている。しかし、腫瘍部と正常部との境界線より正常部にかけては、多くの悪性腫瘍細胞が細胞レベルで浸潤しており、この浸潤細胞が再発および治療抵抗性、さらには予後の悪さを決定している。したがって、血液脳関門を超えて正常脳への薬物送達が可能な抗がん剤が必要となる。
現在、悪性脳腫瘍に対して用いられている抗がん剤は、テモゾロミド(商品名:テモダール(登録商標))(シェリング・ブラウ株式会社)と呼ばれるアルキル化剤である。この薬剤は、2006年に悪性脳腫瘍に対して19年ぶりに承認された経口タイプのアルキル化剤である。この抗がん剤は、がん細胞のDNAなどの核酸の一部にアルキル基を強制的に結合させることによって、DNAの合成を阻害してがん細胞を死滅させる(非特許文献1)。しかしながら、このアルキル化剤は、細胞増殖能の高い細胞すべてに対して細胞殺傷効果を有する。つまり、増殖能の高い細胞であれば、正常な血液細胞や毛母細胞など種々の正常細胞に対してもダメージを与えるため、その副作用が問題となっている。
一方、フルボキサミンは、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)として、主にうつ病、不安障害、強迫性障害、摂食障害、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、月経前症候群等の治療薬として使用されている。現在のうつ病や不安障害などに対しての第一選択薬であり、SSRI全体では2009年5月現在、日本国内で100万人以上が使用していると推定されている。従来うつ病などに使用していた三環系抗うつ薬は、肝毒性、心血管副作用や、鎮静作用、口の渇き・便秘などの抗コリン作用が原因と思われる副作用が強かったが、SSRIではそのような副作用が低減している。日本ではSSRIの中で最も早く認可を受けた。フルボキサミンマレイン酸塩錠が「デプロメール(登録商標)」(明治製菓)、「ルボックス(登録商標)」(アボット ジャパン株式会社)として販売されている。このSSRIは、すでに正常脳への薬物送達が確認されているため、血液脳関門を超えて正常脳へ薬物送達することができるものである。
また、脳腫瘍を含む悪性腫瘍の多くにおいては、がん細胞が正常組織へ浸潤、転移するが、その際、アクチンと呼ばれるタンパク質が重合(アクチン重合)し、糸状のマイクロフィラメント(Fアクチン)が形成される。そして浸潤過程において、浸潤細胞は、その先端部でその進行方向にFアクチンによって構成されるラッフル膜を形成することが知られている。さらに、ラッフル膜には、Fアクチンによって形成される糸状突起や葉状突起などの突起が存在し、これが細胞の移動や浸潤の最も重要な構成要素となると考えられている(非特許文献2)。
N Engl J Med. 2005, 352(10):987-96 Biochem Biophys Res Commun. 2009, Dec 25; 390(4):1142-8
正常細胞に対してダメージを与えることなく、がん細胞特異的に作用する抗がん剤を提供することを課題とする。さらに、血液脳関門というバリアーを通過することのできる抗がん剤を提供することを課題とする。
本発明は、すでにSSRIとして臨床で使用され、正常脳への薬物送達が確認されているフルボキサミンについて、脳腫瘍の浸潤を抑制する効果を見出したことにより完成された。また、フルボキサミンの類似体や誘導体についても、フルボキサミンと同様の抗浸潤効果を示すことが確認された。
すなわち、本発明は、一般式(I):
(式中、
1は、水素、ハロゲン、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルコキシ基、またはトリフルオロメチル基であり、
2は、水素、または炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基であり、
3およびR4は互いに独立して、水素、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルカノイル基、炭素数2〜6の直鎖状もしくは分岐鎖上の鎖中に酸素原子を有するアルカノイル基、トリフルオロアセチル基、または末端に無置換もしくは置換基を有していてもよいフェニル基を有する炭素数1〜6のアルキル基であり、
mが1〜6の整数、nが1〜3である)
で表される化合物、薬学的に許容され得る塩、またはそれらの溶媒和物もしくは水和物を有効成分として含む抗がん剤に関する。
本発明においては、一般式(I)において、R1が、水素、ハロゲン、炭素数1〜3の直鎖状もしくは分岐鎖状アルコキシ基、またはトリフルオロメチル基であり、R2が水素または炭素数1〜6の直鎖状アルキル基であり、R3およびR4が互いに独立して、水素、炭素数1〜3の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、炭素数2〜6の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルカノイル基、炭素数3〜6の直鎖状もしくは分岐鎖上の鎖中酸素原子を有するアルカノイル基、トリフルオロアセチル基、または炭素数1〜3のアルコキシ基を有するフェニル基を末端に有する炭素数1〜3のアルキル基であり、mが2〜4の整数、nが1〜3の整数であることが好ましい。
さらに、本発明においては、一般式(I)において、R1が、ハロゲンまたはトリフルオロメチル基であり、R2が、水素、または炭素数1〜3の直鎖状アルキル基であり、R3およびR4が互いに独立して、水素、炭素数1〜3の直鎖状アルキル基または炭素数2〜4の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルカノイル基であるか、またはR3およびR4のいずれか一方が水素または炭素数1〜3の直鎖状アルキル基であり、他方が炭素数3〜5の直鎖状アルコキシアルカノイル基またはメトキシベンジル基であり、mが3または4の整数、nが1または2の整数であることがより好ましい。
一般式(I)で表される化合物の好ましい具体例は、5−メトキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンタン−1−オンO−(2−アミノエチル)オキシム、N−(2−(((5−メトキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンチリデン)アミノ)オキシ)エチル)ブチルアミド、N−(2−(((5−メトキシ−1−(4−トリフルオロメチル)フェニル)ペンチリデン)アミノ)オキシ)エチル)アセトアミド、3−エトキシ−N−(2−(((5−メトキシ−1−(4−トリフルオロメチル)フェニル)ペンチリデン)アミノ)オキシ)エチル)プロパンアミド、5−メトキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンタン−1−オンO−(2−(ジプロピルアミノ)エチル)オキシム、5−メトキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンタン−1−オンO−(2−((4−メトキシベンジル)アミノ)エチル)オキシム、tert−ブチル2−(5−ヒドロキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンチリデンアミノオキシ)エチルカルバメート、5−(ヘキシルオキシ)−1−(4−トリフルオロメチル)フェニル)ペンタン−1−オンO−(2−アミノエチル)オキシム、5−プロポキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンタン−1−オンO−(2−(プロピルアミノ)エチル)オキシムからなる群より選択される化合物である。
本発明においては、一般式(I)で表される化合物の抗がん作用は、好ましくは腫瘍細胞の浸潤抑制または腫瘍血管新生の抑制により得ることができる。
本発明においては、抗がん作用は、好ましくは脳腫瘍に対するものである。
本発明はまた、一般式(I)で表される化合物、薬学的に許容され得る塩、またはそれらの溶媒和物もしくは水和物を有効成分として含む抗がん剤を他の抗がん剤と組み合わせて使用することが好ましい。
本発明によれば、正常細胞にダメージを与えることなく、腫瘍の周囲の正常部へのがん細胞の浸潤および転移を防ぐことができる。
U87−MG細胞に対するフルボキサミンによる仮足形成阻害を示す蛍光顕微鏡写真である。(a)は対照群(DMSO)を示し、(b)はフルボキサミン投与群を示す。 図1Aのスケッチである。ドットが赤く染色されたアクチン線維を表す。 U87/EGFRvIII細胞に対するフルボキサミンによる仮足形成阻害を示す蛍光顕微鏡写真である。(a)は対照群(DMSO)を示し、(b)はフルボキサミン投与群を示す。 図2Aのスケッチである。ドットが赤く染色されたアクチン線維を表す。 U251−MG細胞に対するフルボキサミンによる仮足形成阻害を示す蛍光顕微鏡写真である。(a)は対照群(DMSO)を示し、(b)はフルボキサミン投与群を示す。 図3Aのスケッチである。ドットが赤く染色されたアクチン線維を表す。 細胞遊走アッセイの結果を示す顕微鏡写真である。 細胞浸潤アッセイの結果を示す顕微鏡写真である。 脳腫瘍モデルマウスにおけるフルボキサミンの浸潤抑制作用を示す蛍光顕微鏡写真である。(a)は対照群(DMSO)を、(b)はフルボキサミン投与群を示し、左のパネルはEGFR染色、中央のパネルはヘキスト染色、右のパネルはその重ね合わせを示す。 図6Aの左パネル:EGFR染色のスケッチである。ドットが赤く染色されたEGFRを表す。 図6Aの中央パネル:ヘキスト染色のスケッチである。塗潰し部分が青く染色された核を表す。 図6Bと図6Cのスケッチを重ね合わせたものである。
本発明において、「抗がん」または「抗がん作用」とは、がん細胞の直接的な細胞増殖抑制効果による治療のみならず、がん細胞の浸潤の抑制、腫瘍血管新生の抑制といった広義の意味での抗がん作用を含む。
本発明において、「浸潤抑制作用」とは、がん細胞が周囲の組織に入り込んで増殖する浸潤の過程を抑制する作用を意味する。浸潤がおこると、がん細胞が血液中に入り、血行性に他の臓器や組織に入り込み転移するということになる。たとえば、浸潤の過程には細胞内でのアクチン線維の形成が必須であることから、アクチン線維形成が効率的に抑制できれば、がん細胞は他の組織に入っていくことができず、一ヵ所にとどまることになり、転移を抑制することができる。
本発明において、「腫瘍血管新生の抑制」とは、腫瘍、特に悪性腫瘍の転移や浸潤、または腫瘍の増殖に影響を与える血管の新生を抑制することを意味する。
本発明において、「アクチン線維形成」という用語は、単量体のGアクチンとGアクチンとが重合して線維状のアクチン(F−アクチンとも言う)になることを意味し、アクチン重合、F−アクチン形成などとも同じ意味として使用される。
本発明において有効成分として用いられる、一般式(I)で表される化合物は、
(式中、
1は、水素、ハロゲン、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルコキシ基、またはトリフルオロメチル基であり、
2は、水素、または炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基であり、
3およびR4は互いに独立して、水素、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルカノイル基、炭素数2〜6の直鎖状もしくは分岐鎖上の鎖中に酸素原子を有するアルカノイル基、トリフルオロアセチル基、または末端に無置換もしくは置換基を有していてもよいフェニル基を有する炭素数1〜6のアルキル基であり、
mが1〜6の整数、nが1〜3である)
である。
一般式(I)においてR1で表される置換基は、水素、ハロゲン、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルコキシ基、またはトリフルオロメチル基であり、水素、臭素、フッ素、塩素、ヨウ素などのハロゲン、炭素数1〜3の直鎖状もしくは分岐鎖状アルコキシ基、またはトリフルオロメチル基が好ましく、フッ素、ヨウ素などのハロゲンまたはトリフルオロメチル基がより好ましい。
1における、炭素数1〜6の直鎖状または分岐鎖状アルキル基としては、特に限定されるものではないが、例えば、好ましくは炭素数1〜3のものが挙げられる。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基などが挙げられる。
1における、炭素数1〜6の直鎖状または分岐鎖状アルコキシ基としては、特に限定されるものではないが、例えば、好ましくは炭素数1〜3のものが挙げられる。具体的には、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基などが挙げられる。
一般式(I)においてR2で表される置換基は、水素、または炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基であり、水素または炭素数1〜6の直鎖状アルキル基が好ましく、水素または炭素数1〜3の直鎖状アルキル基がより好ましい。
2における、炭素数1〜6の直鎖状または分岐鎖状アルキル基としては、特に限定されるものではないが、例えば、好ましくは直鎖状のアルキル基、より好ましくは炭素数1〜3の直鎖状のアルキル基が挙げられる。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基などが挙げられ、これらの中でも、メチル基、エチル基、n−ヘキシル基が好ましい。
一般式(I)においてR3およびR4で表される置換基は互いに独立して、水素、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルカノイル基、炭素数2〜6の直鎖状もしくは分岐鎖上の鎖中に酸素原子を有するアルカノイル基、トリフルオロアセチル基、または末端に無置換もしくは置換基を有していてもよいフェニル基を有する炭素数1〜6のアルキル基である。R3およびR4は互いに独立して、水素、炭素数1〜3の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、炭素数2〜6の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルカノイル基、炭素数3〜6の直鎖状もしくは分岐鎖上の鎖中酸素原子を有するアルカノイル基、トリフルオロアセチル基、または末端に無置換もしくは炭素数1〜3のアルコキシ基を有していてもよいフェニル基を有する炭素数1〜3のアルキル基であることが好ましい。さらに、R3およびR4が互いに独立して、水素、炭素数1〜3の直鎖状アルキル基または炭素数2〜4の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルカノイル基であるか、またはR3およびR4のいずれか一方が水素または炭素数1〜3の直鎖状アルキル基であり、他方が炭素数3〜5の直鎖状アルコキシアルカノイル基またはメトキシベンジル基であることがより好ましい。
3およびR4における、炭素数1〜6の直鎖状または分岐鎖状アルキル基としては、特に限定されるものではないが、例えば、好ましくは炭素数1〜3のもの、より好ましくは炭素数1〜3の直鎖状のアルキル基が挙げられる。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基などが挙げられ、これらの中でも、メチル基、エチル基、n−プロピル基が好ましい。
3およびR4における、炭素数1〜6の直鎖状または分岐鎖状アルカノイル基としては、特に限定されるものではないが、例えば、好ましくは炭素数2〜6、より好ましくは炭素数2〜4のもの、最も好ましくは炭素数2〜4の直鎖状のアルカノイル基が挙げられる。具体的には、例えば、メタノイル基、エタノイル基、プロパノイル基、n−ブタノイル基、ヘキサノイル基などが挙げられ、これらの中でも、エタノイル基、n−ブタノイル基が好ましい。
3およびR4における、炭素数2〜6の直鎖状もしくは分岐鎖上の鎖中に酸素原子を有するアルカノイル基としては、特に限定されるものではないが、例えば、好ましくは炭素数3〜5のもの、より好ましくは炭素数3〜5の直鎖状アルコキシアルカノイル基が挙げられる。具体的には、例えば、メトキシカルボニル基、メトキシエタノイル基、メトキシプロパノイル基、2−エトキシプロパノイル基、tert−ブトキシカルボニル基などが挙げられ、これらの中でも、2−エトキシプロパノイル基、tert−ブトキシカルボニル基が好ましい。
3およびR4における、末端に無置換もしくは置換基を有していてもよいフェニル基を有する炭素数1〜6のアルキル基としては、特に限定されるものではないが、例えば、好ましくは炭素数1〜3のアルコキシ基を有するフェニル基を末端に有する炭素数1〜3のアルキル基、より好ましくは炭素数1〜3のアルコキシベンジル基が挙げられる。具体的には、例えば、p−メトキシベンジル基、p−エトキシベンジル基、2−(p−メトキシフェニル)エチル基などが挙げられ、これらの中でもp−メトキシベンジル基が好ましい。
一般式(I)で示される化合物の具体例としては、特に限定されるものではないが、たとえばつぎの化合物が挙げられる。
5−メトキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンタン−1−オンO−(2−アミノエチル)オキシム(化合物1:フルボキサミン)、N−(2−(((5−メトキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンチリデン)アミノ)オキシ)エチル)ブチルアミド(化合物3)、N−(2−(((5−メトキシ−1−(4−トリフルオロメチル)フェニル)ペンチリデン)アミノ)オキシ)エチル)アセトアミド(化合物2)、3−エトキシ−N−(2−(((5−メトキシ−1−(4−トリフルオロメチル)フェニル)ペンチリデン)アミノ)オキシ)エチル)プロパンアミド(化合物4)、5−メトキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンタン−1−オンO−(2−(ジプロピルアミノ)エチル)オキシム(化合物5)、5−メトキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンタン−1−オンO−(2−((4−メトキシベンジル)アミノ)エチル)オキシム(化合物7)、tert−ブチル2−(5−ヒドロキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンチリデンアミノオキシ)エチルカルバメート(化合物14)、5−(ヘキシルオキシ)−1−(4−トリフルオロメチル)フェニル)ペンタン−1−オンO−(2−アミノエチル)オキシム(化合物16)、5−プロポキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンタン−1−オンO−(2−(プロピルアミノ)エチル)オキシム(化合物17)
本発明の一般式(I)であらわされる化合物の代表例としては、SSRIとして既に使用されているフルボキサミンがあげられ、マレイン酸塩として入手することができる。そのほかの化合物は、フルボキサミンをもとに当該技術分野における一般的な方法を用いて製造することができる。
1つの態様においては、本発明の一般式(I)で表される化合物のうち、R1がトリフルオロメチル基、R2がメチル基、R3が水素、R4が炭素数2〜6の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルカノイル基、または炭素数3〜6の直鎖状もしくは分岐鎖状の鎖中に酸素原子を有するアルカノイル基、mが3、nが1である一般式(Ia):
(式中、R4が炭素数2〜6の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルカノイル基、または炭素数3〜6の直鎖状もしくは分岐鎖状の鎖中に酸素原子を有するアルカノイル基)
で表される化合物は、以下の方法により製造することができる(スキーム1)。
すなわち、一般式(Ia)の化合物は、フルボキサミンと一般式(II):
(式中、R5は炭素数1〜5の直鎖状もしくは分岐鎖状アルキル基、炭素数2〜5の直鎖状もしくは分岐鎖状の鎖中に酸素原子を有するアルキル基)
で表される化合物とを反応させる(A工程)ことにより製造することができる。
A工程の反応は、N,N−ジメチルホルムアミド、ジクロロメタン、テトラヒドロフランやジエチルエーテルなどの溶媒中、脱酸剤としてたとえば、トリエチルアミン、ピリジンなどの塩基の存在下で実施することができる。反応温度は、−20℃〜150℃、好ましくは0℃〜80℃にて実施することができる。反応時間は、通常1〜48時間、好ましくは2〜24時間である。
つぎに、本発明の一般式(I)で表される化合物のうち、R1がトリフルオロメチル基、R2がメチル基、R3およびR4が同一で炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、mが3、nが1である一般式(Ib):
(式中、R3およびR4が同一で炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基)
で表される化合物は、以下の方法により製造することができる(スキーム2またはスキーム2’)。
すなわち、スキーム2においては、一般式(Ib)の化合物は、フルボキサミンと一般式(III):
(式中、R3'は炭素数1〜5の直鎖状もしくは分岐鎖状アルキル基)
で表される化合物との還元的アミノ化反応(B工程)を行うことにより製造することができる。
B工程の反応は、メタノール、エタノール、2−プロパノール、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミドなどの溶媒中、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシヒドロホウ酸ナトリウムなどの還元剤の存在下で実施することができる。反応温度としては、−20℃〜150℃、好ましくは0℃〜80℃にて実施することができる。反応時間は、通常1〜48時間、好ましくは2〜24時間である。
また、スキーム2’においては、一般式(Ib)の化合物は、フルボキサミンと一般式(III'):
3−NH2 (III')
(式中、R3は炭素数1〜6の直鎖または枝分かれアルキル基)で表される化合物とのアルキル化反応(B’工程)を行うことにより製造することができる。
B’工程の反応は、N,N−ジメチルホルムアミド、DMSO、エタノール、トルエンなどの溶媒中、脱酸剤としてたとえばトリエチルアミン、ピリジン、ルチジンなどの有機塩基、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムなどの無機塩基の存在下実施することができる。反応温度としては、0℃〜150℃、好ましくは50℃〜100℃にて実施することができる。反応時間は、通常1〜48時間、好ましくは2〜24時間である。
つぎに、本発明の一般式(I)で表される化合物のうち、R1がトリフルオロメチル基、R2がメチル基、R3が水素または炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、末端に無置換または置換基を有していてもよいフェニル基を有する炭素数1〜6の直鎖状アルキル基、R4が水素、mが3、nが1である一般式(Ic):
(式中、R3が炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、末端に無置換または置換基を有していてもよいフェニル基を有する炭素数1〜6の直鎖状アルキル基)
で表される化合物は、以下の方法により製造することができる(スキーム3またはスキーム3’)。
すなわち、スキーム3においては、一般式(Ic)の化合物は、フルボキサミンと一般式(III):
(式中、R3'は炭素数1〜5の直鎖状もしくは分岐鎖状アルキル基)
で表される化合物との還元的アミノ化反応(B工程)を行うことにより製造することができる。
B工程の反応は、メタノール、エタノール、2−プロパノール、酢酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミドなどの溶媒中、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシヒドロホウ酸ナトリウムなどの還元剤の存在下で実施することができる。反応温度としては、−20℃〜150℃、好ましくは0℃〜80℃にて実施することができる。反応時間は、通常1〜48時間、好ましくは2〜24時間である。
また、スキーム3’においては、一般式(Ic)の化合物は、フルボキサミンと、フルボキサミンにtert−ブチルピロカーボネートを反応させて(C工程)得られる化合物(IV)と、一般式(VI):
3−X (VI)
(式中、R3は水素または炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐鎖状アルキル基、末端に無置換または置換基を有していてもよいフェニル基を有する炭素数1〜6の直鎖状アルキル基、Xはハロゲン)
で表される化合物とを反応させて(D工程)得られる一般式(V):
(式中、R3は水素または炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐鎖状アルキル基、末端に無置換または置換基を有していてもよいフェニル基を有する炭素数1〜6の直鎖状アルキル基)
で表される化合物のtert−ブトキシ基を脱保護する(E工程)ことにより製造することができる。
C工程の反応は、N,N−ジメチルホルムアミド、ジクロロメタン、テトラヒドロフランやジエチルエーテルなどの溶媒中、tert−ブチルピロカーボネートを反応させることにより実施することができる。反応温度としては、−20℃〜150℃、好ましくは0℃〜50℃にて実施することができる。反応時間は、通常1〜48時間、好ましくは2〜24時間である。
D工程の反応は、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、DMSOなどの溶媒中、塩基としてナトリウムアミド、水素化ナトリウム、tert−ブトキシドカリウム、nブチルリチウムを反応させることにより実施することができる。反応温度としては、−80℃〜100℃、好ましくは−40℃〜50℃にて実施することができる。反応時間は、通常1〜48時間、好ましくは2〜24時間である。
E工程の反応は、トリフルオロ酢酸や塩酸などの酸に有機溶剤として、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロエタンの存在下または非存在下反応させることにより実施することができる。反応温度としては、0℃〜150℃、好ましくは2℃〜100℃にて実施することができる。反応時間は、通常1〜48時間、好ましくは2〜24時間である。
また、本発明の一般式(I)で表される化合物のうち、R1がトリフルオロメチル基、R2およびR3が同一で、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、R4が水素、mが3、nが1である一般式(Id):
(式中、R2およびR3が同一で、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基)
で表される化合物は、以下の方法により製造することができる(スキーム4)。
すなわち、一般式(Id)の化合物は、フルボキサミンを脱メチル化(F工程)して得られる化合物(VII)にtert−ブチルピロカーボネートを反応させ(G工程)て得られる化合物(VIII)に、一般式(VI):
3−X (VI)
(式中、R3は水素または炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐鎖状アルキル基、Xはハロゲン)
で表される化合物とを反応させ(H工程)得られる一般式(IX):
(式中、R2およびR3は同一で、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐鎖状アルキル基)
で表される化合物のtert−ブトキシ基を脱保護する(I工程)ことにより製造することができる。
F工程の反応は、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素などの溶媒中、トリメチルシリルアイオダイドを反応させることにより実施することができる。反応温度としては、0℃〜100℃、好ましくは20℃〜80℃にて実施することができる。反応時間は、通常1〜48時間、好ましくは2〜24時間である。
G工程の反応は、N,N−ジメチルホルムアミド、ジクロロメタン、テトラヒドロフランやジエチルエーテルなどの溶媒中、tert−ブチルピロカーボネートを反応させることにより実施することができる。反応温度としては、−20℃〜150℃、好ましくは0℃〜50℃にて実施することができる。反応時間は、通常1〜48時間、好ましくは2〜24時間である。
H工程の反応は、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、DMSOなどの溶媒中、塩基としてナトリウムアミド、水素化ナトリウム、tert−ブトキシドカリウム、nブチルリチウムを反応させることにより実施することができる。反応温度としては、−80℃〜100℃、好ましくは−40℃〜50℃にて実施することができる。反応時間は、通常1〜48時間、好ましくは2〜24時間である。
I工程の反応は、トリフルオロ酢酸や塩酸などの酸に有機溶剤として、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロエタンの存在下または非存在下反応させることにより実施することができる。反応温度としては、0℃〜150℃、好ましくは2℃〜100℃にて実施することができる。反応時間は、通常1〜48時間、好ましくは2〜24時間である。
一般式(I)で表される本発明の化合物には、特段の記載がないかぎり、その互変異性体、幾何異性体(たとえば、E体、Z体など)、鏡像異性体、ジアステレオマーなどの立体異性体も含まれる。すなわち、一般式(I)で表される化合物中に、1個または2個以上の不斉炭素原子が含まれる場合、不斉炭素の立体化学については、それぞれ独立して(R)体または(S)体のいずれかをとることができ、該化合物の鏡像異性体またはジアステレオ異性体などの立体異性体として存在することがある。
本発明の医薬の有効成分としては、純粋な形態の任意の立体異性体、立体異性体の任意の混合物、ラセミ体などを用いることが可能である。
一般式(I)で表される本発明の化合物は、薬学的に許容され得る塩として用いることができる。
薬学的に許容され得る塩としては、特に制限されるものではないが、たとえば、一般式(I)で表される本発明の化合物に酸性基が存在する場合には、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩;アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)ピペラジン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、エタノールアミン、N−メチルグルカミン、L−グルカミンなどのアミンの塩;またはリジン、δ−ヒドロキシリジン、アルギニンなどの塩基性アミノ酸との塩を形成することができる。一般式(I)で表される本発明の化合物に塩基性基が存在する場合には、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの鉱酸の塩;メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、酢酸、プロピオン酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、シュウ酸、コハク酸、クエン酸、安息香酸、マンデル酸、ケイ皮酸、乳酸、グリコール酸、グルクロン酸、アスコルビン酸、ニコチン酸、サリチル酸などの有機酸との塩;またはアスパラギン酸、グルタミン酸などの酸性アミノ酸との塩などをあげることができる。
一般式(I)で表される本発明の化合物またはその薬学的に許容され得る塩は、溶媒和物もしくは水和物の形態で用いることもできる。
本発明の抗がん剤は、有効成分である一般式(I)で表される化合物、その薬学的に許容され得る塩、またはそれらの溶媒和物もしくは水和物自体を投与しても良いが、一般的には、少なくとも1つの薬学的に許容され得る賦形剤との医薬組成物の形態で投与することが好ましい。
また、本発明の抗がん剤は、その他の抗がん剤と組み合わせて使用することができる。その組合せとしては、同時投与、逐次投与、個別投与などいずれの方法を用いてもよい。そのような併用可能な薬剤としては、特に限定されるものではないが、たとえば、がん細胞を殺す効果を有する既知の抗がん剤や、腫瘍の増殖や転移を抑える効果を有する既知の抗がん剤などがあげられる。脳腫瘍については、具体的に現在使用されているテモゾロミドと併用することが考えられる。
本発明の抗がん剤の剤形や投与形態としては、特に限定されるものではないが、たとえば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤、懸濁剤、坐剤、軟膏、クリーム剤、ゲル剤、貼付剤、吸入剤、注射剤などがあげられる。これらの製剤は、常法にしたがって調製することができる。なお、液体製剤にあっては、用時、水またはほかの適当な溶媒に溶解または懸濁する形態であってもよい。また、錠剤、顆粒剤は、周知の方法でコーティングしてもよい。注射剤の場合には、本発明の化合物を水に溶解させて調製されるが、必要に応じて生理食塩水あるいはブドウ糖溶液に溶解させてもよく、また緩衝剤や保存剤を添加してもよい。経口投与用または非経口投与用の任意の製剤形態で提供される。たとえば、顆粒剤、細粒剤、散剤、硬カプセル剤、軟カプセル剤、シロップ剤、乳剤、懸濁剤または液剤等の形態の経口投与用医薬組成物、静脈内投与用、筋肉内投与用、もしくは皮下投与用などの注射剤、点滴剤、経皮吸収剤、経粘膜吸収剤、点鼻剤、吸入剤、坐剤などの形態の非経口投与用医薬組成物として調製することができる。注射剤や点滴剤などは、凍結乾燥形態などの粉末の剤形として調製し、用時に生理食塩水などの適宜の水性媒体に溶解して用いることもできる。また、高分子などで被覆した徐放製剤を脳内に直接投与することも可能である。
医薬組成物の製造に用いられる製剤用添加物の種類、有効成分に対する製剤用添加物の割合、または医薬組成物の製造方法は、組成物の形態に応じて当業者が適宜選択することが可能である。製剤用添加物としては、無機または有機物質、あるいは固体または液体の物質を用いることができ、一般的には、有効成分重量に対して1重量%から90重量%の間で配合することができる。そのような物質の具体例としては、乳糖、ブドウ糖、マンニット、デキストリン、シクロデキストリン、デンプン、蔗糖、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ケイ酸アルミニウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルデンプン、カルボキシメチルセルロースカルシウム、イオン交換樹脂、メチルセルロース、ゼラチン、アラビアゴム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、軽質無水ケイ酸、ステアリン酸マグネシウム、タルク、トラガント、ベントナイト、ビーガム、酸化チタン、ソルビタン脂肪酸エステル、ラウリル硫酸ナトリウム、グリセリン、脂肪酸グリセリンエステル、精製ラノリン、グリセロゼラチン、ポリソルベート、マクロゴール、植物油、ロウ、流動パラフィン、白色ワセリン、フルオロカーボン、非イオン性界面活性剤、プロピレングルコール、水などがあげられる。
経口投与用の固形製剤を製造するには、有効成分と賦形剤成分、たとえば乳糖、澱粉、結晶セルロース、乳酸カルシウム、無水ケイ酸などとを混合して散剤とするか、さらに必要に応じて白糖、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドンなどの結合剤、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウムなどの崩壊剤などを加えて湿式または乾式造粒して顆粒剤とする。錠剤を製造するには、これらの散剤および顆粒剤をそのまま、あるいはステアリン酸マグネシウム、タルクなどの滑沢剤を加えて打錠すればよい。これらの顆粒または錠剤はヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、メタクリル酸−メタクリル酸メチルポリマーなどの腸溶剤基剤で被覆して腸溶剤製剤とすることや、あるいはエチルセルロース、カルナウバロウ、硬化油などで被覆して持続性製剤とすることもできる。また、カプセル剤を製造するには、散剤または顆粒剤を硬カプセルに充填するか、有効成分をそのまま、あるいはグリセリン、ポリエチレングリコール、ゴマ油、オリーブ油などに溶解した後ゼラチン膜で被覆し軟カプセルとすることができる。
注射剤を製造するには、有効成分を必要に応じて塩酸、水酸化ナトリウム、乳糖、乳酸、ナトリウム、リン酸一水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウムなどのpH調整剤、塩化ナトリウム、ブドウ糖などの等張化剤と共に注射用蒸留水に溶解し、無菌濾過してアンプルに充填するか、さらにマンニトール、デキストリン、シクロデキストリン、ゼラチンなどを加えて真空凍結乾燥し、用事溶解型の注射剤としてもよい。また、有効成分にレシチン、ポリソルベート80、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などを加えて水中で乳化せしめ注射剤用乳剤とすることもできる。
本発明の抗がん剤の投与量および投与回数はとくに限定されず、治療対象疾患の悪化・進展の防止および/または治療の目的、疾患の種類、患者の体重や年齢、疾患の重篤度などの条件に応じて、医師の判断により適宜選択することが可能である。一般的には、経口投与における成人一日あたりの投与量は0.01〜1000mg(有効成分重量)程度であり、一日1回または数回に分けて、あるいは数日ごとに投与することができる。注射剤として用いる場合には、成人に対して一日量0.001〜100mg(有効成分重量)を連続投与または間欠投与することが望ましい。
本発明の抗がん剤は、植込錠およびマイクロカプセルに封入された送達システムなどの徐放性製剤として、体内から即時に除去されることを防ぎ得る担体を用いて調製することができる。担体として、たとえば、エチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリ酸無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、およびポリ乳酸などの、生物分解性、生物適合性ポリマーを用いることができる。このような材料は、当業者によって容易に調製することができる。また、リポソームの懸濁液も薬学的に許容可能な担体として使用することができる。有用なリポソームは、限定はしないが、ホスファチジルコリン、コレステロールおよびPEG誘導ホスファチジルエタノール(PEG−PE)を含む脂質組成物として、使用に適するサイズになるように、適当なポアサイズのフィルターを通して調製され、逆相蒸発法によって精製される。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[製造例1]
フルボキサミン:5−メトキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンタン−1−オンO−(2−アミノエチル)オキシム(化合物1)
フルボキサミンマレイン酸塩(2.50g)と1mol/L水酸化ナトリウム水溶液(100mL)を混合した。酢酸エチル抽出(3×30ml)にて抽出し、抽出液は無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮して黄色油状の目的化合物を1.79g得た。
[製造例2]
N−(2−(((5−メトキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンチリデン)アミノ)オキシ)エチル)アセトアミド(化合物2)
フルボキサミン(150mg、0.471mmol)、トリエチルアミン(0.0820mL、0.565mmol)、および脱水THF(20ml)を混合した。つぎに塩化アセチル(0.0370mL、0.471mmol)を加え、反応液を室温にて一晩撹拌した。反応液をろ過し、ろ液を濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し(n−ヘキサン:酢酸エチル=1:5 v/v)、微黄色油状の目的化合物を146mg、収率85.9%で得た。
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ7.75 (d, 2H, J= 8.06 Hz), 7.62 (d, 2H, J= 8.06 Hz), 6.16 (bs, 1H), 4.28 (t, 2H, J= 5.13), 3.61 (q, 2H, J= 5.50, 4.77), 3.41 (t, 2H, J= 6.05), 3.33 (s, 3H), 2.80 (t, 2H, J= 7.33), 1.99 (s, 3H), 1.66- 1.62 (m, 4H)
[製造例3]
N−(2−(((5−メトキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンチリデン)アミノ)オキシ)エチル)ブチルアミド(化合物3)
塩化アセチルの代わりにn−ブタノイルクロリドを使用した以外は製造例2と同様にして目的化合物を得た。
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ7.74 (d, 2H, J= 8.07 Hz),7.62 (d, 2H, J= 8.43 Hz), 6.07 (bs, 1H), 4.29 (t, 2H, J= 4.95 Hz), 3.62 (q, 2H, J= 5.50, 4.77 Hz), 3.41 (t, 2H, J= 6.05 Hz), 3.33 (s, 3H),2.80 (t, 2H, J= 7.33 Hz), 2.61 (t, 2H, J= 7.51 Hz), 1.69- 1.61 (m, 6H), 0.93 (t, 3H, J= 7.33 Hz)
[製造例4]
3−エトキシ−N−(2−(((5−メトキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンチリデン)アミノ)オキシ)エチル)プロパンアミド(化合物4)
塩化アセチルの代わりに3−エトキシ−プロパノイルクロリドを使用した以外は製造例2と同様にして目的化合物を得た。
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ7.75 (d, 2H, J= 8.06 Hz), 7.62 (d, 2H, J= 8.43 Hz), 6.69 (bs, 1H), 4.28 (t, 2H, J= 5.32), 3.69- 3.59 (m, 4H), 3.48 (q, 2H, J= 6.97), 3.39 (t, 2H, J= 5.87 Hz), 3.32 (s, 3H), 2.79 (t, 2H, J= 7.33), 2.47 (t, 2H, J= 5.87 Hz), 1.63-1.60 (m, 2H), 1.16 (t, 3H, J= 7.15 Hz)
[製造例5]
5−メトキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンタン−1−オンO−2−(ジプロピルアミノ)エチルオキシム(化合物5)
フルボキサミン(300mg、0.942mmol)、トリエチルアミン(0.200mL、1.414mmol)、およびエタノール(25mL)を混合した。つぎにヨードプロパン(0.24mL、1.414mmol)を加え、反応液を一晩還流した。反応液をろ過し、ろ液を濃縮して、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し(n−ヘキサン:酢酸エチル=1:5 v/v)、微黄色油状の目的化合物を134mg得た。
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ7.74 (d, 2H, J= 8.07 Hz), 7.61 (d, 2H, J= 8.43 Hz), 4.27 (t, 2H, J= 6.23 Hz), 3.37 (t, 2H, J= 6.05 Hz), 3.32 (s, 3H), 2.83- 2.75 (m, 4H), 2.49- 2.44 (m, 4H), 1.67- 1.54 (m, 4H), 1.52- 1.42 (m, 4H), 0.88 (t, 6H, J= 7.33 Hz)
[製造例6]
tert−ブチル(2−(((5−メトキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンチリデン)アミノ)オキシ)エチル)カルバメート(化合物6)
フルボキサミン(500mg、1.571mmol)、トリエチルアミン(0.270mL、1.885mmol)、およびジクロロメタン(25mL)を混合した。つぎに二炭酸tert−ブチル(411mg、1.885mmol)をジクロロメタン(25mL)に溶かして加え、反応液を一晩室温にて撹拌した。反応液をろ過し、ろ液を濃縮して、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し(n−ヘキサン:酢酸エチル=1:1 v/v)、微黄色油状の目的化合物を647mg得た。
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ7.74 (d, 2H, J= 8.06 Hz), 7.61 (d, 2H, J= 8.43 Hz), 5.02 (bs, 1H), 4.26 (t, 2H, J= 5.13 Hz), 3.56- 3.48 (m, 2H), 3.39 (t, 2H, J= 5.87 Hz), 3.33 (s, 3H), 2.79 (t, 2H, J= 7.52 Hz), 1.64- 1.61 (m, 4H), 1.45 (s, 9H)
[製造例7]
5−メトキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンタン−1−オンO−2−(4−メトキシベンジルアミノ)エチルオキシム(化合物7)
フルボキサミン(200mg、0.628mmol)、4−メトキシベンズアルデヒド(0.076mL、0.628mmol)、およびメタノール(10mL)を混合した。つぎに、水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム(133mg、0.628mmol)をメタノール(10mL)に溶かして加えた後、反応液を一晩室温にて撹拌した。反応液をろ過し、ろ液を濃縮して、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し(n−ヘキサン:酢酸エチル=1:5 v/v)、微黄色油状の目的化合物を225mg得た。
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ7.71 (d, 2H, J= 8.06 Hz), 7.60 (d, 2H, J= 8.43 Hz), 7.23 (d, 2H, J= 8.80 Hz), 6.84 (d, 2H, J= 8.80 Hz), 4.33 (t, 2H, J= 5.13 Hz), 3.78 (s, 3H), 3.35 (t, 2H, J= 6.05 Hz), 3.30 (s, 3H), 2.98 (t, 2H, J= 5.32 Hz), 2.77 (t, 2H, J= 7.52 Hz), 2.99 (s, 2H), 1.63- 1.56 (m, 4H)
[製造例8]
5−メトキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンタン−1−オンO−2−(ジヘキシルアミノ)エチルオキシム(化合物8)
フルボキサミン(150mg、0.471mmol)、ヘキサナール(0.240mL、2.360mmol)、およびメタノール(10mL)を混合した。つぎに、水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム(300mg、1.410mmol)をメタノール(10mL)に溶かして加えた後、反応液を一晩室温にて撹拌した。反応液をろ過し、ろ液を濃縮して、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し(n−ヘキサン:酢酸エチル=1:5 v/v)、微黄色油状の目的化合物を296mg得た。
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ7.74 (d, 2H, J= 8.06 Hz), 7.61 (d, 2H, J= 8.06 Hz), 4.26 (t, 2H, J= 6.23 Hz), 3.37 (t, 2H, J= 6.05 Hz), 3.32 (s, 3H), 2.82- 2.75 (m, 4H), 2.51- 2.46 (m, 4H), 1.65- 1.60 (m, 4H), 1.50- 1.38 (m, 4H), 1.38- 1.21(m, 4H), 0.88 (t, 6H, J= 6.60 Hz)
[製造例9]
2,2,2−トリフルオロ−N−(2−(5−メトキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンチリデンアミノオキシ)エチル)アセトアミド(化合物9)
フルボキサミン(500mg、1.570mmol)、ピリジン(0.160mL、2.040mmol)、およびジクロロメタン(25mL)を混合した。つぎに、トリフルオロ酢酸無水物(0.280mL、2.040mmol)を加えた後、反応液を一晩室温にて撹拌した。反応液をろ過し、ろ液を濃縮して、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し(n−ヘキサン:酢酸エチル=1:1 v/v)、微黄色油状の目的化合物を647mg得た。
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ7.73 (d, 2H, J= 8.07 Hz), 7.64 (d, 2H, J= 8.42 Hz), 4.35 (t, 2H, J= 5.95 Hz), 3.74 (d, 1H, J= 5.13 Hz), 3.70 (d, 1H, J= 5.13 Hz), 3.41 (t, 2H, J= 5.87 Hz), 3.32 (s, 3H), 2.80 (t, 2H, J= 7.33 Hz), 1.65-1.24 (m, 4H)
[製造例10]
2,2,2−トリフルオロ−N−(2−(5−メトキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンチリデンアミノオキシ)エチル)−N−メチルアセトアミド(化合物10)
氷冷下、0℃、アルゴンガス雰囲気下で反応容器中に60%水素化ナトリウム(25mg、0.628mmol)およびDMF(15mL)を仕込んだ。アルゴンガス雰囲気下で製造例9にて製造した化合物(200mg、0.483mmol)を、ジメチルホルムアミド(DMF)(15mL)に溶かして滴下した。反応液を0℃にて30分撹拌した。つぎに、ヨードメタン(0.036mL、0.580mmol)をDMF(15mL)に溶かして加えた後、反応液を一晩室温にて撹拌した。反応液をろ過し、ろ液を濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し(n−ヘキサン:酢酸エチル=2:1 v/v)、微黄色油状の目的化合物を130mg得た。
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ7.76- 7.72 (m, 2H), 7.64- 7.23 (m, 2H), 4.42 (m, 2H), 3.80 (t, 2H, J= 5.13 Hz), 3.37 (t, 2H, J= 5.87 Hz), 3.31 (s, 3H), 3.21- 3.17 (m, 2H), 3.12-3.09 (m, 1H), 2.76 (t, 2H, J= 7.52 Hz), 1.61- 1.59 (m, 4H)
[製造例11]
5−メトキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンタン−1−オンO−2−(プロピルアミノ)エチルオキシム(化合物11)
フルボキサミン(500mg、0.471mmol)、プロピオンアルデヒド(0.140mg、2.360mmol)、およびメタノール(10mL)を混合した。つぎに水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム(300mg、1.410mmol)をメタノール(10mL)に溶かして加えた後、反応液を一晩撹拌した。反応液をろ過し、ろ液を濃縮して、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し(n−ヘキサン:酢酸エチル=10:1→2:1 v/v)、微黄色油状の目的化合物を171mg得た。
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ7.74 (d, 2H, J= 8.06 Hz), 7.61 (d, 2H, J= 8.43 Hz), 4.33 (t, 2H, J= 5.32 Hz), 3.38 (t, 2H, J= 5.87 Hz), 3.32 (s, 3H), 2.98 (t, 2H, J= 5.32 Hz), 2.79 (t, 2H, J= 7.15 Hz), 2.65 (t, 2H, J= 7.33 Hz), 1.62- 1.60 (m, 4H), 1.58- 1.50 (m, 2H), 0.92 (t, 3H, J= 7.51 Hz)
[製造例12]
tert−ブチル2−(5−メトキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンチリデンアミノオキシ)エチル(メチル)カルバメート(化合物12)
氷冷下、0℃、アルゴンガス雰囲気下で反応容器中に60%水素化ナトリウム(37mg、0.932mmol)およびDMF(15mL)を混合した。つぎにアルゴンガス雰囲気下で製造例6にて製造した化合物(300mg、0.717mmol)、DMF(15mL)を混合し、反応液を0℃にて30分撹拌した。つぎにヨードメタン(0.058mL、0.932mmol)をDMF(15mL)に溶かして加えた後、反応液を一晩室温にて撹拌した。反応液をろ過し、ろ液を濃縮して残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し(n−ヘキサン:酢酸エチル=4:1 v/v)、微黄色油状の目的化合物を238mg得た。
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ7.75 (d, 2H, J= 8.43 Hz), 7.61 (d, 2H, J= 8.43 Hz), 4.30- 4.29 (m, 2H), 3.55- 3.53 (m, 2H), 3.37 (t, 2H, J= 5.87 Hz), 3.32 (s, 3H), 2.93 (s, 3H), 2.78 (t, 2H, J= 7.33 Hz), 1.65- 1.58 (m, 4H), 1.46 (s, 9H)
[製造例13]
5−メトキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンタン−1−オンO−2−(メチルアミノ)エチルオキシム(化合物13)
氷冷下、製造例12にて製造した化合物(200mg、0.462mmol)とトリフルオロ酢酸(TFA)(3mL)とを混合し、反応液を一晩室温にて撹拌した。反応液をろ過し、ろ液を濃縮して、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し(n−ヘキサン:エタノール=1:1→1:2 v/v)、微黄色油状の目的化合物を127mg得た。
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ7.74 (d, 2H, J= 8.07 Hz), 7.61 (d, 2H, J= 8.43 Hz), 4.33 (t, 2H, J= 4.95 Hz), 3.38 (t, 2H, J= 5.32 Hz), 3.32 (s, 3H), 2.95 (t, 2H, J= 4.40 Hz), 2.79 (t, 2H, J= 6.78 Hz), 2.51 (s, 3H), 1.65- 1.58 (m, 4H)
[製造例14]
tert−ブチル2−(5−ヒドロキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンチリデンアミノオキシ)エチルカルバメート(化合物14)
フルボキサミン(260mg、0.820mmol)、クロロホルム(5mL)を混合した。つぎに、トリメチルシランヨージド(TMS−I)(0.50mL、3.50mmol)、クロロホルム(5mL)を加えた後、反応液を一晩還流した。反応液をろ過し、ろ液を濃縮して、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し(n−ヘキサン:酢酸エチル=1:2 v/v)、その後、製造例6と同様にして、微黄色油状の目的化合物を250mg得た。
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ7.68 (d, 2H, J= 8.43 Hz), 7.54 (d, 2H, J= 8.80 Hz), 5.01 (bs, 1H), 4.19 (t, 2H, J= 5.13 Hz), 3.63- 3.56 (m, 2H), 3.42- 3.41 (m, 2H), 2.73 (t, 2H, J= 7.33 Hz), 1.57- 1.55 (m, 4H), 1.37 (s, 9H)
[製造例15]
5−(ヘキシルオキシ)−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンタン−1−オンO−2−(ヘキシルアミノ)エチルオキシム(化合物15)
氷冷下、0℃、アルゴンガス雰囲気下で反応容器中に60%水素化ナトリウム(17mg、0.424mmol)、DMF(15ml)を混合した。つぎに製造例14にて製造した化合物(132mg、0.326mmol)をDMF(15mL)に溶かして滴下した。反応液を0℃で30分撹拌した。つぎに、n−ヨードヘキサン(0.063mL、0.424mmol)をDMF(15mL)に溶かして滴下し、反応液を60℃で一晩加熱撹拌した。反応液をろ過し、ろ液を濃縮してその内の27.1mg、0.047mmolとトリフルオロ酢酸(3mL)とを混合し、得られた反応液を一晩室温にて撹拌した。反応液をろ過し、ろ液を濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し(n−ヘキサン:エタノール=2:1 v/v)、微黄色油状の目的化合物を23mg得た。
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ7.75 (d, 2H, J= 8.43 Hz), 7.61 (d, 2H, J= 8.43 Hz), 4.33 (t, 2H, J=5.32 Hz), 3.43- 3.35 (m, 4H), 2.99 (t, 2H, J= 5.32 Hz), 2.79 (t, 2H, J= 7.52 Hz), 2.69 (t, 2H, J= 7.15 Hz), 1.57- 1.49 (m, 4H), 1.30- 1.25 (m, 16H), 0.92- 0.85 (m, 6H)
[製造例16]
5−(ヘキシルオキシ)−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンタン−1−オンO−2−アミノエチルオキシム(化合物16)
製造例15にて合成した化合物の副生成物として、微黄色油状の目的化合物を42mg得た。
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ7.76 (d, 2H, J= 8.43 Hz), 7.64 (d, 2H, J= 8.43 Hz), 4.43 (t, 2H, J= 4.95 Hz), 3.75 (t, 2H, J= 5.87 Hz), 3.19 (t, 2H, J= 4.95 Hz), 2.88- 2.78 (m, 4H), 1.68- 1.59 (m, 4H), 1.33- 1.26 (m, 8H), 0.92- 0.87 (m, 3H)
[製造例17]
5−プロポキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンタン−1−オンO−2−(プロピルアミノ)エチルオキシム(化合物17)
n−ヨードヘキサンの代わりにn−ヨードプロパンを使用した以外は製造例15と同様にして、微黄色油状の目的化合物を得た。
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ7.74 (d, 2H, J= 8.07 Hz), 7.62 (d, 2H, J= 8.43 Hz), 4.39 (t, 2H, J= 5.13 Hz), 3.68- 3.43 (m, 2H), 3.41- 3.31 (m, 4H), 3.12 (t, 2H, J= 5.32 Hz), 2.83- 2.74 (m, 4H), 1.66- 1.51 (m, 8H), 1.34- 1.12 (m, 2H), 0.98- 0.86 (m, 6H)
[実施例1]神経膠芽腫細胞株における仮足形成アッセイ
(1−a)細胞の培養
ヒト神経膠芽腫(GBM)細胞株:U87−MG(米国カリフォルニア大学サンディエゴ校Webster Cavenee博士より供与)、U87/EGFRvIII(米国カリフォルニア大学サンディエゴ校Webster Cavenee博士より供与)、U251−MG(財団法人ヒューマンサイエンス振興財団より分譲)は、10%ウシ胎児血清(FBS)、100U/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマイシンを添加したダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)で37度、5%CO2条件下で培養した。
(1−b)仮足形成アッセイ
各種GBM細胞株を、3.5cm培養皿(Greiner Bio-one社)中のマトリゲル(BDバイオサイエンス社)でコートしたカバーガラスに、10×104細胞個/皿に分け、(1−a)に記載した培地で8割程度のコンフルエンシーになるまで培養した。培養液を0.1%FBSとなるようにした以外は(1−a)に記載したのと同じものに交換し、さらに24時間培養した。培養液にFBSを終濃度10%になるように加え、15分間反応させることにより、GBM細胞株の仮足形成を誘導した。細胞をリン酸緩衝生理食塩水(FBS)で洗浄後、4%パラホルムアルデヒド−リン酸緩衝液で10分間固定した。PBSで細胞を洗浄後、0.1%TRITON(登録商標) X−100で膜浸透化処理を行い、Alexa Fluor 555-conjugated Phalloidin(インビトロジェン(Invitrogen)社)でアクチン線維(F−アクチン)を染色した。カバーガラスを50%グリセロールで封入し、共焦点レーザー顕微鏡(FV300、オリンパス)で細胞を観察した。フルボキサミンの仮足形成阻害作用を検討する際には、10%FBSで細胞を刺激する前に、フルボキサミンを溶解した培養液(終濃度40μM)で細胞を15分間培養した。フルボキサミンは、ジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解させているため、被験物質を含まない対照群(溶媒コントロール)には、同体積のDMSO(終濃度0.1%)を用いた。
結果を図1A〜図3Bに示す。U87−MG(図1Aおよび図1B)、U87/EGFRvIII(図2Aおよび図2B)、U251−MG(図3Aおよび図3B)のいずれの細胞においても、(a)で示す対照群ではFBS刺激により細胞辺縁部に矢印で示されるようなF−アクチンによる仮足の形成が認められた。これに対して、(b)で示すフルボキサミン投与群では、いずれの細胞においても仮足の形成が阻害されていることが確認された。
この結果から、フルボキサミンには、細胞の仮足形成を阻害し、がん細胞に対する抗浸潤作用があることがわかる。また、図2においては、対照群において細胞の進行方向に非常に大きな仮足(矢印)が形成されている一方、フルボキサミン投与群においては、対照群と同じ倍率であることを考慮すると、細胞自体が縮小し、なおかつその周囲の仮足も非常に乏しく、厚さも薄くなっていることがわかる。
[実施例2]神経膠芽腫細胞株における細胞遊走アッセイ(創傷治癒アッセイ)
(2−a)細胞の培養
実施例1と同様にして、ヒト神経膠芽腫(GBM)細胞株:U87−MG、U251−MG、A172(財団法人ヒューマンサイエンス振興財団より分譲)を培養した。
(2−b)細胞遊走アッセイ
各種GBM細胞株をマトリゲルコートディッシュに播き、コンフルエントになるまで培養した。培養液を0.1% FBSを含むDMEMに交換し24時間培養した。イエローチップを用いて細胞を一定の間隔でかき取り、フルボキサミン(終濃度25μMおよび50μM)あるいは溶媒のみ(DMSO)を溶解した培養液に交換し、48時間培養した。細胞をメタノールで10分間固定した後、ギムザ染色を行った。洗浄、乾燥後、顕微鏡で観察し画像を取得した。
結果を図4に示す。対照群ではいずれの細胞においても、創傷領域に細胞が遊走している様子が観察できるが、フルボキサミン投与群では、濃度依存的に細胞の遊走が抑制されていることがはっきりと確認された。
この結果から、フルボキサミンには、腫瘍細胞の遊走を阻害し、がん細胞に対する抗浸潤作用があることがわかる。
[実施例3]神経膠芽腫細胞株における細胞浸潤アッセイ(マトリゲルインベージョンアッセイ)
(3−a)細胞の培養
実施例1と同様にして、ヒト神経膠芽腫(GBM)細胞株:U87−MGを培養した。
(3−b)細胞浸潤アッセイ
BD BioCoatマトリゲルインベージョンチャンバー(ポアサイズ8μm、BDバイオサイエンス社)を用いてフルボキサミンの細胞浸潤阻害効果を検討した。上部インサートに2×105細胞/ウェルのU87−MG細胞を播き、下部のウェルには、10% FBSを含む培地を加えた。インサートおよびウェルにフルボキサミン(終濃度、10μM、20μM、30μM、40μMまたは50μM)および溶媒のみ(DMSO)を溶解し、24時間培養した。綿棒を用いて、インサート上部の非浸潤細胞を除去した後、インサートをメタノールで固定後、ギムザ染色を行った。インサートのメンブレンを切り取りカバーガラスに封入し、顕微鏡で画像を取得した。
結果を図5に示す。腫瘍細胞の浸潤に対して、フルボキサミンは濃度依存的な阻害を示した。
この結果から、フルボキサミンには、腫瘍細胞の遊走を阻害し、がん細胞に対する抗浸潤作用があることがわかる。
[実施例4]脳腫瘍モデルマウスを用いたフルボキサミンの浸潤抑制作用の検討
(4−a)脳腫瘍モデルの作成
ヌードマウス(BALB/c−nu/nu、8週齢、メス、日本SLC)の右脳半球にU87/EGFRvIII細胞(5×104細胞/3μl DMEM)を定位的(AP:1mm、ML:2.5mm、DV:3mm)に移植し、腫瘍モデルを作成した。
(4−b)浸潤抑制試験
移植から1週間の回復期間の後、薬剤投与を開始した。溶媒対照群には、PBS(10ml/kg)を連日腹腔内投与した。フルボキサミン群では、フルボキサミン20mg/kgを同様に投与した。移植4週後に、マウスを4%パラホルムアルデヒドで灌流固定し、脳を取り出し、ティシュー・テックO.T.C.コンパウンド(サクラファインテックジャパン)を用いて凍結した。クリオスタットを用いて厚さ20μmの凍結切片を作製し、5%ヤギ血清/0.3% TRITON(登録商標)X−100を用いて30分間ブロッキングした。PBSで洗浄後、ウサギ由来抗EGFRモノクローナル抗体(#4267、CST)を4℃で一晩反応させた。洗浄後、Alexa Fluor 555-conjugatedヤギ由来抗ウサギ抗体(インビトロジェン社)を室温で1時間反応させた。細胞核をHoechst 33258(1μg/ml)で10分間染色し、洗浄後、封入、観察を行った。
結果を図6A〜図6Dに示す。(a)が対照群、(b)がフルボキサミン投与群を示す。左パネルが赤色に染色されたEGFRを示し、中央パネルが青色に染色された核を示し、右パネルが左パネルと中央パネルを重ね合わせたものを示す。対照群においては、腫瘍移植部のみならず、正常領域にもEGFRが観察された。これに対して、フルボキサミン投与群では、腫瘍移植部以外には、ほとんどEGFRは観察されなかった。
このことから、対照群においては、明らかに移植した腫瘍領域から正常領域へ腫瘍細胞が浸潤していることがわかり、これに対してフルボキサミン投与群では、移植した腫瘍領域内に腫瘍細胞が留まり、正常領域への腫瘍細胞の浸潤が効果的に抑制されていることがわかる。
[実施例5]アクチン形成阻害アッセイ
製造例1〜17にて製造した化合物1〜17について、既知の方法、たとえばYamadaら、J. Biol. Chem., 2009, Vol.284, pp.34244-34256によるインビトロアクチン線維形成系を用いて阻害アッセイを行った。なお、化合物1〜17は最終濃度が80μMとなるよう使用した。
アクチン線維形成率の評価方法
F−アクチン形成量は、ピレン標識アクチンに由来するピレンの蛍光強度変化を指標として定量した。ピレンは密度が高くなると蛍光強度が増大(励起波長:365nm、蛍光波長:407nm)し、アクチン線維の形成量に比例することが知られている。蛍光強度変化は、蛍光分光光度計を用いてF−アクチン形成量の経時的変化を測定し、F−アクチン形成量は、リポソーム添加後からピレンの蛍光変化が平衡となった2000秒までの蛍光強度の増加量から算出した。被験物質を含まない溶媒(DMSO)のみの場合における増加量を100%とし、標準化した。結果を表1に示す。
表1の結果から、フルボキサミンを含めて本発明の式(I)で表される化合物は、アクチンの形成を阻害し、腫瘍細胞に対して抗浸潤作用を有することがわかる。

Claims (3)

  1. 5−メトキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンタン−1−オンO−(2−アミノエチル)オキシム、3−エトキシ−N−(2−(((5−メトキシ−1−(4−トリフルオロメチル)フェニル)ペンチリデン)アミノ)オキシ)エチル)プロパンアミド、5−メトキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンタン−1−オンO−(2−(ジプロピルアミノ)エチル)オキシム、5−メトキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンタン−1−オンO−(2−((4−メトキシベンジル)アミノ)エチル)オキシム、5−(ヘキシルオキシ)−1−(4−トリフルオロメチル)フェニル)ペンタン−1−オンO−(2−アミノエチル)オキシム、5−プロポキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンタン−1−オンO−(2−(プロピルアミノ)エチル)オキシムからなる群より選択される化合物、その薬学的に許容され得る塩、またはそれらの溶媒和物もしくは水和物を有効成分として含む脳腫瘍に対する浸潤抑制剤。
  2. 化合物が5−メトキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンタン−1−オンO−(2−アミノエチル)オキシムである請求項1記載の脳腫瘍に対する浸潤抑制剤。
  3. 他の抗がん剤と組み合わせて使用することを特徴とする請求項1または2記載の脳腫瘍に対する浸潤抑制剤。
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