JP2014108930A - 抗がん剤 - Google Patents
抗がん剤 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2014108930A JP2014108930A JP2012263317A JP2012263317A JP2014108930A JP 2014108930 A JP2014108930 A JP 2014108930A JP 2012263317 A JP2012263317 A JP 2012263317A JP 2012263317 A JP2012263317 A JP 2012263317A JP 2014108930 A JP2014108930 A JP 2014108930A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- carbon atoms
- linear
- trifluoromethyl
- phenyl
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
Abstract
【解決手段】一般式(I):
で表される化合物、その薬学的に許容され得る塩、またはそれらの溶媒和物もしくは水和物を有効成分として含む抗がん剤。
【選択図】図1A
Description
R1は、水素、ハロゲン、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルコキシ基、またはトリフルオロメチル基であり、
R2は、水素、または炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基であり、
R3およびR4は互いに独立して、水素、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルカノイル基、炭素数2〜6の直鎖状もしくは分岐鎖上の鎖中に酸素原子を有するアルカノイル基、トリフルオロアセチル基、または末端に無置換もしくは置換基を有していてもよいフェニル基を有する炭素数1〜6のアルキル基であり、
mが1〜6の整数、nが1〜3である)
で表される化合物、薬学的に許容され得る塩、またはそれらの溶媒和物もしくは水和物を有効成分として含む抗がん剤に関する。
R1は、水素、ハロゲン、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルコキシ基、またはトリフルオロメチル基であり、
R2は、水素、または炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基であり、
R3およびR4は互いに独立して、水素、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルカノイル基、炭素数2〜6の直鎖状もしくは分岐鎖上の鎖中に酸素原子を有するアルカノイル基、トリフルオロアセチル基、または末端に無置換もしくは置換基を有していてもよいフェニル基を有する炭素数1〜6のアルキル基であり、
mが1〜6の整数、nが1〜3である)
である。
5−メトキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンタン−1−オンO−(2−アミノエチル)オキシム(化合物1:フルボキサミン)、N−(2−(((5−メトキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンチリデン)アミノ)オキシ)エチル)ブチルアミド(化合物3)、N−(2−(((5−メトキシ−1−(4−トリフルオロメチル)フェニル)ペンチリデン)アミノ)エチル)アセトアミド(化合物2)、3−エトキシ−N−(2−(((5−メトキシ−1−(4−トリフルオロメチル)フェニル)ペンチリデン)アミノ)オキシ)エチル)プロパンアミド(化合物4)、5−メトキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンタン−1−オンO−(2−(ジプロピルアミノ)エチル)オキシム(化合物5)、5−メトキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンタン−1−オンO−(2−((4−メトキシベンジル)アミノ)エチル)オキシム(化合物7)、tert−ブチル2−(5−ヒドロキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンチリデンアミノオキシ)エチルカルバメート(化合物14)、5−(ヘキシルオキシ)−1−(4−トリフルオロメチル)フェニル)ペンタン−1−オンO−(2−アミノエチル)オキシム(化合物16)、5−プロポキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンタン−1−オンO−(2−(プロピルアミノ)エチル)オキシム(化合物17)
で表される化合物は、以下の方法により製造することができる(スキーム1)。
で表される化合物とを反応させる(A工程)ことにより製造することができる。
で表される化合物は、以下の方法により製造することができる(スキーム2またはスキーム2’)。
で表される化合物との還元的アミノ化反応(B工程)を行うことにより製造することができる。
R3−NH2 (III')
(式中、R3は炭素数1〜6の直鎖または枝分かれアルキル基)で表される化合物とのアルキル化反応(B’工程)を行うことにより製造することができる。
で表される化合物は、以下の方法により製造することができる(スキーム3またはスキーム3’)。
で表される化合物との還元的アミノ化反応(B工程)を行うことにより製造することができる。
R3−X (VI)
(式中、R3は水素または炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐鎖状アルキル基、末端に無置換または置換基を有していてもよいフェニル基を有する炭素数1〜6の直鎖状アルキル基、Xはハロゲン)
で表される化合物とを反応させて(D工程)得られる一般式(V):
で表される化合物のtert−ブトキシ基を脱保護する(E工程)ことにより製造することができる。
で表される化合物は、以下の方法により製造することができる(スキーム4)。
R3−X (VI)
(式中、R3は水素または炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐鎖状アルキル基、Xはハロゲン)
で表される化合物とを反応させ(H工程)得られる一般式(IX):
で表される化合物のtert−ブトキシ基を脱保護する(I工程)ことにより製造することができる。
フルボキサミン:5−メトキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンタン−1−オンO−(2−アミノエチル)オキシム(化合物1)
N−(2−(((5−メトキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンチリデン)アミノ)オキシ)エチル)アセトアミド(化合物2)
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ7.75 (d, 2H, J= 8.06 Hz), 7.62 (d, 2H, J= 8.06 Hz), 6.16 (bs, 1H), 4.28 (t, 2H, J= 5.13), 3.61 (q, 2H, J= 5.50, 4.77), 3.41 (t, 2H, J= 6.05), 3.33 (s, 3H), 2.80 (t, 2H, J= 7.33), 1.99 (s, 3H), 1.66- 1.62 (m, 4H)
N−(2−(((5−メトキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンチリデン)アミノ)オキシ)エチル)ブチルアミド(化合物3)
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ7.74 (d, 2H, J= 8.07 Hz),7.62 (d, 2H, J= 8.43 Hz), 6.07 (bs, 1H), 4.29 (t, 2H, J= 4.95 Hz), 3.62 (q, 2H, J= 5.50, 4.77 Hz), 3.41 (t, 2H, J= 6.05 Hz), 3.33 (s, 3H),2.80 (t, 2H, J= 7.33 Hz), 2.61 (t, 2H, J= 7.51 Hz), 1.69- 1.61 (m, 6H), 0.93 (t, 3H, J= 7.33 Hz)
3−エトキシ−N−(2−(((5−メトキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンチリデン)アミノ)オキシ)エチル)プロパンアミド(化合物4)
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ7.75 (d, 2H, J= 8.06 Hz), 7.62 (d, 2H, J= 8.43 Hz), 6.69 (bs, 1H), 4.28 (t, 2H, J= 5.32), 3.69- 3.59 (m, 4H), 3.48 (q, 2H, J= 6.97), 3.39 (t, 2H, J= 5.87 Hz), 3.32 (s, 3H), 2.79 (t, 2H, J= 7.33), 2.47 (t, 2H, J= 5.87 Hz), 1.63-1.60 (m, 2H), 1.16 (t, 3H, J= 7.15 Hz)
5−メトキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンタン−1−オンO−2−(ジプロピルアミノ)エチルオキシム(化合物5)
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ7.74 (d, 2H, J= 8.07 Hz), 7.61 (d, 2H, J= 8.43 Hz), 4.27 (t, 2H, J= 6.23 Hz), 3.37 (t, 2H, J= 6.05 Hz), 3.32 (s, 3H), 2.83- 2.75 (m, 4H), 2.49- 2.44 (m, 4H), 1.67- 1.54 (m, 4H), 1.52- 1.42 (m, 4H), 0.88 (t, 6H, J= 7.33 Hz)
tert−ブチル(2−(((5−メトキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンチリデン)アミノ)オキシ)エチル)カルバメート(化合物6)
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ7.74 (d, 2H, J= 8.06 Hz), 7.61 (d, 2H, J= 8.43 Hz), 5.02 (bs, 1H), 4.26 (t, 2H, J= 5.13 Hz), 3.56- 3.48 (m, 2H), 3.39 (t, 2H, J= 5.87 Hz), 3.33 (s, 3H), 2.79 (t, 2H, J= 7.52 Hz), 1.64- 1.61 (m, 4H), 1.45 (s, 9H)
5−メトキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンタン−1−オンO−2−(4−メトキシベンジルアミノ)エチルオキシム(化合物7)
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ7.71 (d, 2H, J= 8.06 Hz), 7.60 (d, 2H, J= 8.43 Hz), 7.23 (d, 2H, J= 8.80 Hz), 6.84 (d, 2H, J= 8.80 Hz), 4.33 (t, 2H, J= 5.13 Hz), 3.78 (s, 3H), 3.35 (t, 2H, J= 6.05 Hz), 3.30 (s, 3H), 2.98 (t, 2H, J= 5.32 Hz), 2.77 (t, 2H, J= 7.52 Hz), 2.99 (s, 2H), 1.63- 1.56 (m, 4H)
5−メトキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンタン−1−オンO−2−(ジヘキシルアミノ)エチルオキシム(化合物8)
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ7.74 (d, 2H, J= 8.06 Hz), 7.61 (d, 2H, J= 8.06 Hz), 4.26 (t, 2H, J= 6.23 Hz), 3.37 (t, 2H, J= 6.05 Hz), 3.32 (s, 3H), 2.82- 2.75 (m, 4H), 2.51- 2.46 (m, 4H), 1.65- 1.60 (m, 4H), 1.50- 1.38 (m, 4H), 1.38- 1.21(m, 4H), 0.88 (t, 6H, J= 6.60 Hz)
2,2,2−トリフルオロ−N−(2−(5−メトキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンチリデンアミノオキシ)エチル)アセトアミド(化合物9)
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ7.73 (d, 2H, J= 8.07 Hz), 7.64 (d, 2H, J= 8.42 Hz), 4.35 (t, 2H, J= 5.95 Hz), 3.74 (d, 1H, J= 5.13 Hz), 3.70 (d, 1H, J= 5.13 Hz), 3.41 (t, 2H, J= 5.87 Hz), 3.32 (s, 3H), 2.80 (t, 2H, J= 7.33 Hz), 1.65-1.24 (m, 4H)
2,2,2−トリフルオロ−N−(2−(5−メトキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンチリデンアミノオキシ)エチル)−N−メチルアセトアミド(化合物10)
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ7.76- 7.72 (m, 2H), 7.64- 7.23 (m, 2H), 4.42 (m, 2H), 3.80 (t, 2H, J= 5.13 Hz), 3.37 (t, 2H, J= 5.87 Hz), 3.31 (s, 3H), 3.21- 3.17 (m, 2H), 3.12-3.09 (m, 1H), 2.76 (t, 2H, J= 7.52 Hz), 1.61- 1.59 (m, 4H)
5−メトキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンタン−1−オンO−2−(プロピルアミノ)エチルオキシム(化合物11)
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ7.74 (d, 2H, J= 8.06 Hz), 7.61 (d, 2H, J= 8.43 Hz), 4.33 (t, 2H, J= 5.32 Hz), 3.38 (t, 2H, J= 5.87 Hz), 3.32 (s, 3H), 2.98 (t, 2H, J= 5.32 Hz), 2.79 (t, 2H, J= 7.15 Hz), 2.65 (t, 2H, J= 7.33 Hz), 1.62- 1.60 (m, 4H), 1.58- 1.50 (m, 2H), 0.92 (t, 3H, J= 7.51 Hz)
tert−ブチル2−(5−メトキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンチリデンアミノオキシ)エチル(メチル)カルバメート(化合物12)
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ7.75 (d, 2H, J= 8.43 Hz), 7.61 (d, 2H, J= 8.43 Hz), 4.30- 4.29 (m, 2H), 3.55- 3.53 (m, 2H), 3.37 (t, 2H, J= 5.87 Hz), 3.32 (s, 3H), 2.93 (s, 3H), 2.78 (t, 2H, J= 7.33 Hz), 1.65- 1.58 (m, 4H), 1.46 (s, 9H)
5−メトキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンタン−1−オンO−2−(メチルアミノ)エチルオキシム(化合物13)
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ7.74 (d, 2H, J= 8.07 Hz), 7.61 (d, 2H, J= 8.43 Hz), 4.33 (t, 2H, J= 4.95 Hz), 3.38 (t, 2H, J= 5.32 Hz), 3.32 (s, 3H), 2.95 (t, 2H, J= 4.40 Hz), 2.79 (t, 2H, J= 6.78 Hz), 2.51 (s, 3H), 1.65- 1.58 (m, 4H)
tert−ブチル2−(5−ヒドロキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンチリデンアミノオキシ)エチルカルバメート(化合物14)
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ7.68 (d, 2H, J= 8.43 Hz), 7.54 (d, 2H, J= 8.80 Hz), 5.01 (bs, 1H), 4.19 (t, 2H, J= 5.13 Hz), 3.63- 3.56 (m, 2H), 3.42- 3.41 (m, 2H), 2.73 (t, 2H, J= 7.33 Hz), 1.57- 1.55 (m, 4H), 1.37 (s, 9H)
5−(ヘキシルオキシ)−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンタン−1−オンO−2−(ヘキシルアミノ)エチルオキシム(化合物15)
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ7.75 (d, 2H, J= 8.43 Hz), 7.61 (d, 2H, J= 8.43 Hz), 4.33 (t, 2H, J=5.32 Hz), 3.43- 3.35 (m, 4H), 2.99 (t, 2H, J= 5.32 Hz), 2.79 (t, 2H, J= 7.52 Hz), 2.69 (t, 2H, J= 7.15 Hz), 1.57- 1.49 (m, 4H), 1.30- 1.25 (m, 16H), 0.92- 0.85 (m, 6H)
5−(ヘキシルオキシ)−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンタン−1−オンO−2−アミノエチルオキシム(化合物16)
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ7.76 (d, 2H, J= 8.43 Hz), 7.64 (d, 2H, J= 8.43 Hz), 4.43 (t, 2H, J= 4.95 Hz), 3.75 (t, 2H, J= 5.87 Hz), 3.19 (t, 2H, J= 4.95 Hz), 2.88- 2.78 (m, 4H), 1.68- 1.59 (m, 4H), 1.33- 1.26 (m, 8H), 0.92- 0.87 (m, 3H)
5−プロポキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンタン−1−オンO−2−(プロピルアミノ)エチルオキシム(化合物17)
1H-NMR (300MHz, CDCl3) δ7.74 (d, 2H, J= 8.07 Hz), 7.62 (d, 2H, J= 8.43 Hz), 4.39 (t, 2H, J= 5.13 Hz), 3.68- 3.43 (m, 2H), 3.41- 3.31 (m, 4H), 3.12 (t, 2H, J= 5.32 Hz), 2.83- 2.74 (m, 4H), 1.66- 1.51 (m, 8H), 1.34- 1.12 (m, 2H), 0.98- 0.86 (m, 6H)
ヒト神経膠芽腫(GBM)細胞株:U87−MG(米国カリフォルニア大学サンディエゴ校Webster Cavenee博士より供与)、U87/EGFRvIII(米国カリフォルニア大学サンディエゴ校Webster Cavenee博士より供与)、U251−MG(財団法人ヒューマンサイエンス振興財団より分譲)は、10%ウシ胎児血清(FBS)、100U/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマイシンを添加したダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)で37度、5%CO2条件下で培養した。
各種GBM細胞株を、3.5cm培養皿(Greiner Bio-one社)中のマトリゲル(BDバイオサイエンス社)でコートしたカバーガラスに、10×104細胞個/皿に分け、(1−a)に記載した培地で8割程度のコンフルエンシーになるまで培養した。培養液を0.1%FBSとなるようにした以外は(1−a)に記載したのと同じものに交換し、さらに24時間培養した。培養液にFBSを終濃度10%になるように加え、15分間反応させることにより、GBM細胞株の仮足形成を誘導した。細胞をリン酸緩衝生理食塩水(FBS)で洗浄後、4%パラホルムアルデヒド−リン酸緩衝液で10分間固定した。PBSで細胞を洗浄後、0.1%TRITON(登録商標) X−100で膜浸透化処理を行い、Alexa Fluor 555-conjugated Phalloidin(インビトロジェン(Invitrogen)社)でアクチン線維(F−アクチン)を染色した。カバーガラスを50%グリセロールで封入し、共焦点レーザー顕微鏡(FV300、オリンパス)で細胞を観察した。フルボキサミンの仮足形成阻害作用を検討する際には、10%FBSで細胞を刺激する前に、フルボキサミンを溶解した培養液(終濃度40μM)で細胞を15分間培養した。フルボキサミンは、ジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解させているため、被験物質を含まない対照群(溶媒コントロール)には、同体積のDMSO(終濃度0.1%)を用いた。
(2−a)細胞の培養
実施例1と同様にして、ヒト神経膠芽腫(GBM)細胞株:U87−MG、U251−MG、A172(財団法人ヒューマンサイエンス振興財団より分譲)を培養した。
各種GBM細胞株をマトリゲルコートディッシュに播き、コンフルエントになるまで培養した。培養液を0.1% FBSを含むDMEMに交換し24時間培養した。イエローチップを用いて細胞を一定の間隔でかき取り、フルボキサミン(終濃度25μMおよび50μM)あるいは溶媒のみ(DMSO)を溶解した培養液に交換し、48時間培養した。細胞をメタノールで10分間固定した後、ギムザ染色を行った。洗浄、乾燥後、顕微鏡で観察し画像を取得した。
実施例1と同様にして、ヒト神経膠芽腫(GBM)細胞株:U87−MGを培養した。
BD BioCoatマトリゲルインベージョンチャンバー(ポアサイズ8μm、BDバイオサイエンス社)を用いてフルボキサミンの細胞浸潤阻害効果を検討した。上部インサートに2×105細胞/ウェルのU87−MG細胞を播き、下部のウェルには、10% FBSを含む培地を加えた。インサートおよびウェルにフルボキサミン(終濃度、10μM、20μM、30μM、40μMまたは50μM)および溶媒のみ(DMSO)を溶解し、24時間培養した。綿棒を用いて、インサート上部の非浸潤細胞を除去した後、インサートをメタノールで固定後、ギムザ染色を行った。インサートのメンブレンを切り取りカバーガラスに封入し、顕微鏡で画像を取得した。
(4−a)脳腫瘍モデルの作成
ヌードマウス(BALB/c−nu/nu、8週齢、メス、日本SLC)の右脳半球にU87/EGFRvIII細胞(5×104細胞/3μl DMEM)を定位的(AP:1mm、ML:2.5mm、DV:3mm)に移植し、腫瘍モデルを作成した。
(4−b)浸潤抑制試験
移植から1週間の回復期間の後、薬剤投与を開始した。溶媒対照群には、PBS(10ml/kg)を連日腹腔内投与した。フルボキサミン群では、フルボキサミン20mg/kgを同様に投与した。移植4週後に、マウスを4%パラホルムアルデヒドで灌流固定し、脳を取り出し、ティシュー・テックO.T.C.コンパウンド(サクラファインテックジャパン)を用いて凍結した。クリオスタットを用いて厚さ20μmの凍結切片を作製し、5%ヤギ血清/0.3% TRITON(登録商標)X−100を用いて30分間ブロッキングした。PBSで洗浄後、ウサギ由来抗EGFRモノクローナル抗体(#4267、CST)を4℃で一晩反応させた。洗浄後、Alexa Fluor 555-conjugatedヤギ由来抗ウサギ抗体(インビトロジェン社)を室温で1時間反応させた。細胞核をHoechst 33258(1μg/ml)で10分間染色し、洗浄後、封入、観察を行った。
F−アクチン形成量は、ピレン標識アクチンに由来するピレンの蛍光強度変化を指標として定量した。ピレンは密度が高くなると蛍光強度が増大(励起波長:365nm、蛍光波長:407nm)し、アクチン線維の形成量に比例することが知られている。蛍光強度変化は、蛍光分光光度計を用いてF−アクチン形成量の経時的変化を測定し、F−アクチン形成量は、リポソーム添加後からピレンの蛍光変化が平衡となった2000秒までの蛍光強度の増加量から算出した。被験物質を含まない溶媒(DMSO)のみの場合における増加量を100%とし、標準化した。結果を表1に示す。
Claims (7)
- 一般式(I):
R1は、水素、ハロゲン、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルコキシ基、またはトリフルオロメチル基であり、
R2は、水素、または炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基であり、
R3およびR4は互いに独立して、水素、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルカノイル基、炭素数2〜6の直鎖状もしくは分岐鎖上の鎖中に酸素原子を有するアルカノイル基、トリフルオロアセチル基、または末端に無置換もしくは置換基を有していてもよいフェニル基を有する炭素数1〜6のアルキル基であり、
mが1〜6の整数、nが1〜3である)
で表される化合物、その薬学的に許容され得る塩、またはそれらの溶媒和物もしくは水和物を有効成分として含む抗がん剤。 - 前記一般式(I)において、R1が、水素、ハロゲン、炭素数1〜3の直鎖状もしくは分岐鎖状アルコキシ基、またはトリフルオロメチル基であり、R2が水素または炭素数1〜6の直鎖状アルキル基であり、R3およびR4が互いに独立して、水素、炭素数1〜3の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、炭素数2〜6の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルカノイル基、炭素数3〜6の直鎖状もしくは分岐鎖上の鎖中酸素原子を有するアルカノイル基、トリフルオロアセチル基、または炭素数1〜3のアルコキシ基を有するフェニル基を末端に有する炭素数1〜3のアルキル基であり、mが2〜4の整数、nが1〜3の整数である請求項1記載の抗がん剤。
- 前記一般式(I)において、R1が、ハロゲンまたはフルオロメチル基であり、R2が、水素、または炭素数1〜3の直鎖状アルキル基であり、R3およびR4が互いに独立して、水素、炭素数1〜3の直鎖状アルキル基または炭素数2〜4の直鎖状もしくは分岐鎖状アルカノイル基であるか、またはR3およびR4のいずれか一方が水素または炭素数1〜3の直鎖状アルキル基であり、他方が炭素数3〜5の直鎖状アルコキシアルカノイル基またはメトキシベンジル基であり、mが3または4の整数、nが1または2の整数である請求項1または2記載の抗がん剤。
- 前記一般式(I)で表される化合物が、5−メトキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンタン−1−オンO−(2−アミノエチル)オキシム、N−(2−(((5−メトキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンチリデン)アミノ)オキシ)エチル)ブチルアミド、N−(2−(((5−メトキシ−1−(4−トリフルオロメチル)フェニル)ペンチリデン)アミノ)エチル)アセトアミド、3−エトキシ−N−(2−(((5−メトキシ−1−(4−トリフルオロメチル)フェニル)ペンチリデン)アミノ)オキシ)エチル)プロパンアミド、5−メトキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンタン−1−オンO−(2−(ジプロピルアミノ)エチル)オキシム、5−メトキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンタン−1−オンO−(2−((4−メトキシベンジル)アミノ)エチル)オキシム、tert−ブチル2−(5−ヒドロキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンチリデンアミノオキシ)エチルカルバメート、5−(ヘキシルオキシ)−1−(4−トリフルオロメチル)フェニル)ペンタン−1−オンO−(2−アミノエチル)オキシム、5−プロポキシ−1−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)ペンタン−1−オンO−(2−(プロピルアミノ)エチル)オキシムからなる群より選択される化合物である請求項1記載の抗がん剤。
- 前記一般式(I)で表される化合物の抗がん作用が、腫瘍細胞の浸潤抑制または腫瘍血管新生の抑制により得られる請求項1〜4記載の抗がん剤。
- 抗がん作用が脳腫瘍に対するものである請求項1〜5記載の抗がん剤。
- 他の抗がん剤と組み合わせて使用することを特徴とする請求項1〜6記載の抗がん剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012263317A JP5922563B2 (ja) | 2012-11-30 | 2012-11-30 | 抗がん剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012263317A JP5922563B2 (ja) | 2012-11-30 | 2012-11-30 | 抗がん剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014108930A true JP2014108930A (ja) | 2014-06-12 |
JP5922563B2 JP5922563B2 (ja) | 2016-05-24 |
Family
ID=51029771
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012263317A Expired - Fee Related JP5922563B2 (ja) | 2012-11-30 | 2012-11-30 | 抗がん剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5922563B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112274645A (zh) * | 2019-11-29 | 2021-01-29 | 苏州普瑞森基因科技有限公司 | 一种抗结直肠癌的联合用药物组合物及其应用 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7068689B2 (ja) | 2018-01-26 | 2022-05-17 | 学校法人 川崎学園 | 体幹用運動器具 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6927223B1 (en) * | 2000-05-26 | 2005-08-09 | Washington State University Research Foundation | Use of serotonin agents for adjunct therapy in the treatment of cancer |
US20050182002A1 (en) * | 2002-02-01 | 2005-08-18 | John Gordon | Agents which interact with a serotonin transporter for the treatment of cancer |
-
2012
- 2012-11-30 JP JP2012263317A patent/JP5922563B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6927223B1 (en) * | 2000-05-26 | 2005-08-09 | Washington State University Research Foundation | Use of serotonin agents for adjunct therapy in the treatment of cancer |
US20050182002A1 (en) * | 2002-02-01 | 2005-08-18 | John Gordon | Agents which interact with a serotonin transporter for the treatment of cancer |
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
JPN6015036375; BIOCHEMICAL PHARMACOLOGY Vol. 74, 2007, p. 1424-1435 * |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112274645A (zh) * | 2019-11-29 | 2021-01-29 | 苏州普瑞森基因科技有限公司 | 一种抗结直肠癌的联合用药物组合物及其应用 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5922563B2 (ja) | 2016-05-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP7032583B2 (ja) | アルギナーゼ活性を阻害する組成物及び方法 | |
JP6890097B2 (ja) | リンパ腫を処置するためのezh2阻害剤 | |
ES2892954T3 (es) | Derivados fluorados del ácido 3-(2-oxo-3-(3-(5,6,7,8-tetrahidro-1,8-naftiridin-2-il)propil)imidazolidin-1-il)propanoico y usos de los mismos | |
JP6779793B2 (ja) | リンパ腫を治療するためのezh2阻害剤 | |
CN104136442B (zh) | 作为离子通道调节剂的吡喃‑螺环哌啶酰胺类 | |
JP2021510166A (ja) | ケタミンのプロドラッグ、組成物及びそれらの使用 | |
ES2763556T3 (es) | Antagonistas fluorados de integrina | |
CN109415360A (zh) | 用于抑制shp2活性的化合物和组合物 | |
CA3053805A1 (en) | Combination treating prostate cancer, pharmaceutical composition and treatment method | |
JP2019502675A (ja) | ベンゾチオフェン系選択的エストロゲン受容体ダウンレギュレーター | |
JP2019521988A (ja) | 癌を処置するためのezh2阻害剤 | |
JP6847946B2 (ja) | イン・ビボ生着能増強用5−ヒドロキシトリプタミン1b受容体刺激剤 | |
AU2015215335B2 (en) | Pyrrole-substituted indolone derivative, preparation method therefor, composition comprising same and use thereof | |
JPWO2017122722A1 (ja) | 2環性複素環化合物 | |
AU2017258304A1 (en) | 1,5-disubstituted 1,2,3-triazoles are inhibitors of Rac/Cdc42 GTPases | |
EP4003952A1 (en) | Difluorohaloallylamine sulfone derivative inhibitors of lysyl oxidases, methods of preparation, and uses thereof | |
JP5710498B2 (ja) | 疼痛および他の疾患の処置のための化合物および方法 | |
JP2013501808A (ja) | アポトーシスを促進し、かつ転移を阻害する方法 | |
JP5922563B2 (ja) | 抗がん剤 | |
WO2019043706A1 (en) | NOVEL BARBITURIC ACID DERIVATIVES, THE PREPARATION THEREOF AND THEIR USE AS INHIBITORS OF LEUKOCYTE TRANSMIGRATION, THE TREATMENT OF INFLAMMATORY DISEASES, AUTOIMMUNE DISEASES AND CANCER | |
JP2019006680A (ja) | ピラゾロピリジン誘導体およびその使用 | |
TW200804330A (en) | Organic compounds | |
US9018238B2 (en) | Inhibitor of casein kinase 1δ and casein kinase 1ε | |
JP5330377B2 (ja) | 3,4−ジヒドロキナゾリン誘導体 | |
WO2022118966A1 (ja) | 細胞内への核酸分子取り込み促進剤、医薬組成物、及び新規化合物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20141222 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20141222 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150908 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20151106 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20151106 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20160329 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20160414 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5922563 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |