JP5921655B1 - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、始動手段を通過した遊技球が無駄球となるのを抑制することができる遊技機を提供することを目的とする。
〔遊技機の基本構成〕
図1は、本実施の形態に係るパチンコ遊技機100の概略正面図である。
図1に示す遊技機の一例としてのパチンコ遊技機100は、遊技者の指示操作により打ち出された遊技球が入賞すると賞球を払い出すように構成されたものである。このパチンコ遊技機100は、遊技球が打ち出される遊技盤110と、遊技盤110を囲む枠部材150とを備えている。遊技盤110は、枠部材150に着脱自在に取り付けられている。
本実施の形態では、遊技者により視認され易い遊技領域111の位置に、演出のための各種の画像を表示する画像表示部114が配設されている。この画像表示部114は、液晶ディスプレイ等による表示画面を備え、遊技者によるゲームの進行に伴い、例えば、図柄抽選結果(図柄変動結果)を遊技者に報知するための装飾図柄を表示したり、キャラクタの登場やアイテムの出現による演出画像や後述の保留表示を用いた演出画像を表示したりする。
また、遊技盤110の前面に、各種の演出に用いられる可動役物115および盤ランプ116を備えている。可動役物115は、遊技盤110上で動作することにより各種の演出を行い、また、盤ランプ116は、発光することで各種の演出を行う。
本実施の形態では、遊技盤110の右下の位置に、抽選結果や保留数に関する表示を行う表示器130が配設されている。
なお、本実施の形態では、皿153を上下皿一体で構成しているが、上皿と下皿とを分離する構成例も考えられる。また、発射装置のハンドル151を所定条件下で発光させる構成例も考えられる。
また、枠部材150は、パチンコ遊技機100の遊技状態や状況を告知したり各種の演出を行ったりするスピーカ156および枠ランプ157を備えている。スピーカ156は、楽曲や音声、効果音による各種の演出を行う。枠ランプ157は、LED等の発光体で構成され、点灯・点滅によるパターンや発光色の違い等で光による各種の演出を行う。なお、枠ランプ157については、光の照射方向を変更する演出を行うことを可能にする構成例が考えられる。
また、枠部材150は、遊技盤110を遊技者と隔てるための透明板(不図示)を備えている。
パチンコ遊技機100の表示器130は、図2(a)に示すように、第1始動口121の入賞に対応して作動する第1特別図柄表示器221と、第2始動口122の入賞に対応して作動する第2特別図柄表示器222と、ゲート124の通過に対応して作動する普通図柄表示器223と、を備えている。第1特別図柄表示器221は、第1始動口121の入賞に基づき、特別図柄を変動表示した後に停止させて抽選結果を表示する。第2特別図柄表示器222は、第2始動口122の入賞に基づき、特別図柄を変動表示した後に停止させて抽選結果を表示する。普通図柄表示器223は、遊技球がゲート124を通過したことに基づき、普通図柄を変動表示した後に停止させて抽選結果を表示する。本実施の形態では、第1特別図柄表示器221、第2特別図柄表示器222は、各々LEDを配列した表示装置で構成され、その点灯態様によって特別図柄抽選の抽選結果が表示される。同様に、普通図柄表示器223も、LEDを配列した表示装置で構成され、その点灯態様によって普通図柄抽選の抽選結果が表示される。
なお、状態表示器224が表示するパチンコ遊技機100の状態は上記の例に限らず、他の状態を表示することができる。例えばパチンコ遊技機100の状態として低確率状態よりも当選確率が高く高確率状態よりは当選確率が低い中確率状態が設定される場合、状態表示器224は、中確率状態となっているか否かを点灯により報知しても良い。
次に、パチンコ遊技機100での動作制御や信号処理を行う制御ユニットについて説明する。
図3は、制御ユニットの内部構成を示すブロック図である。図3に示すように、制御ユニットは、メイン制御手段として、特別図柄の当選の判定等を行う遊技制御部200を備えている。また、サブ制御手段として、演出を統括的に制御する演出制御部300と、画像および音響を用いた演出を制御する画像/音響制御部310と、各種のランプおよび可動役物115を用いた演出を制御するランプ制御部320と、払出球の払い出し制御を行う払出制御部330と、を備えている。
遊技制御部200は、特別図柄の当選の判定等を行う際の演算処理を行うCPU201と、CPU201にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM202と、CPU201の作業用メモリ等として用いられるRAM203と、を備えている。
遊技制御部200は、第1始動口121または第2始動口122に遊技球が入賞すると特別図柄抽選を行い、その抽選結果を演出制御部300に送る。また、高確率状態と低確率状態の変更情報、時短無状態と時短状態の変更情報を演出制御部300に送る。
さらに、遊技制御部200は、普通図柄抽選の当たり当選確率を高確率にする、普通図柄変動時間を短縮する、あるいは進退部材123の退避状態の時間を延長する制御を行う。また、遊技制御部200は、遊技球が連続的に第1始動口121または第2始動口122へ入賞したときの未変動分の限度個数(例えば4個)までの保留や、遊技球が連続的にゲート124を通過したときの未変動分の限度個数(例えば4個)までの保留を設定する。
さらにまた、遊技制御部200は、特別図柄抽選の結果に応じて、特別電動役物である大入賞口125が所定条件(例えば29.5秒経過または遊技球10個の入賞)を満たすまで開状態を維持するラウンドを所定回数だけ繰り返すように制御する。さらには、大入賞口125が開く際の開閉動作間隔を制御する。
払出制御部330が遊技制御部200の指示に従って賞球の払い出しを行った場合には、遊技制御部200は、払い出した賞球の個数に関する情報を払出制御部330から取得する。それにより、払い出した賞球の個数を管理する。
さらに、遊技制御部200には、大入賞口125への遊技球の入賞を検出する大入賞口検出部(大入賞口スイッチ(SW))215と、大入賞口125を閉状態と突出傾斜した開状態とに設定する大入賞口開閉部216と、普通入賞口126への遊技球の入賞を検出する普通入賞口検出部(普通入賞口スイッチ(SW))217と、が接続されている。
さらに、遊技制御部200には、第1始動口121への遊技球の入賞により行われる特別図柄の変動表示および特別図柄抽選の結果を表示する第1特別図柄表示器221と、第2始動口122への遊技球の入賞により行われる特別図柄の変動表示および特別図柄抽選の結果を表示する第2特別図柄表示器222と、普通図柄の変動表示および普通図柄抽選の結果を表示する普通図柄表示器223と、パチンコ遊技機100の状態を表示する状態表示器224と、が接続されている。
演出制御部300は、演出を制御する際の演算処理を行うCPU301と、CPU301にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM302と、CPU301の作業用メモリ等として用いられるRAM303と、日時を計測するリアルタイムクロック(RTC)304と、を備えている。
演出制御部300は、例えば遊技制御部200から送られる特別図柄抽選での当選か否かの判定結果および変動パターンに基づいて、演出内容を設定する。その際、演出ボタン161または演出キー162を用いたユーザからの操作入力を受けて、操作入力に応じた演出内容を設定する場合もある。この場合、例えば演出ボタン161等のコントローラ(不図示)から操作に応じた信号(操作信号)を受け付け、この操作信号により識別される操作内容を演出の設定に反映させる。
また、演出制御部300は、遊技が所定期間中断された場合には、演出の一つとして客待ち用の画面表示の設定を指示する。
さらには、演出制御部300は、遊技制御部200より受信した高確率状態と低確率状態の変更情報、時短無状態と時短状態の変更情報に基づいて演出内容を設定する。
また、演出制御部300は、設定した演出内容の実行を指示するコマンドを画像/音響制御部310およびランプ制御部320に送る。
画像/音響制御部310は、演出内容を表現する画像および音響を制御する際の演算処理を行うCPU311と、CPU311にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM312と、CPU311の作業用メモリ等として用いられるRAM313と、を備えている。
そして、画像/音響制御部310は、演出制御部300から送られたコマンドに基づいて、画像表示部114に表示する画像およびスピーカ156から出力する音響を制御する。
具体的には、画像/音響制御部310のROM312には、画像表示部114において遊技中に表示する図柄画像や背景画像、遊技者に抽選結果を報知するための装飾図柄、遊技者に予告演出を表示するためのキャラクタやアイテム等といった画像データが記憶されている。
ROM312には、さらに、画像データと同期させて、または画像データとは独立にスピーカ156から出力させる楽曲や音声、さらにはジングル等の効果音等といった各種音響データが記憶されている。CPU311は、ROM312に記憶された画像データや音響データの中から、演出制御部300から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。さらには、読み出した画像データを用いて背景画像表示、図柄画像表示、図柄画像変動、およびキャラクタ/アイテム表示等のための画像処理と、読み出した音響データを用いた音声処理とを行う。
そして、画像/音響制御部310は、画像処理された画像データにより画像表示部114での画面表示を制御する。また、音声処理された音響データによりスピーカ156から出力される音響を制御する。
ランプ制御部320は、盤ランプ116や枠ランプ157の発光、および可動役物115の動作を制御する際の演算処理を行うCPU321と、CPU321にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM322と、CPU321の作業用メモリ等として用いられるRAM323と、を備えている。
そして、ランプ制御部320は、演出制御部300から送られたコマンドに基づいて、盤ランプ116や枠ランプ157の点灯/点滅や発光色等を制御する。また、可動役物115の動作を制御する。
具体的には、ランプ制御部320のROM322には、演出制御部300にて設定される演出内容に応じた盤ランプ116や枠ランプ157での点灯/点滅パターンデータおよび発光色パターンデータ(発光パターンデータ)が記憶されている。CPU321は、ROM322に記憶された発光パターンデータの中から、演出制御部300から送られたコマンドに対応したものを選択して読み出す。そして、ランプ制御部320は、読み出した発光パターンデータにより盤ランプ116や枠ランプ157の発光を制御する。
また、ランプ制御部320のROM322には、演出制御部300にて設定される演出内容に応じた可動役物115の動作パターンデータが記憶されている。CPU321は、可動役物115に対しては、読み出した動作パターンデータによりその動作を制御する。
払出制御部330は、払出球の払い出しを制御する際の演算処理を行うCPU331と、CPU331にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM332と、CPU331の作業用メモリ等として用いられるRAM333と、を備えている。
そして、払出制御部330は、遊技制御部200から送られたコマンドに基づいて、払出球の払い出しを制御する。
具体的には、払出制御部330は、遊技制御部200から、遊技球が入賞した場所(第1始動口121等)に応じた所定数の賞球を払い出すコマンドを取得する。そして、コマンドに指定された数だけの賞球を払い出すように払出駆動部334を制御する。ここでの払出駆動部334は、遊技球の貯留部から遊技球を送り出す駆動モータで構成される。
さらに、払出制御部330には、ホールに設置されたホストコンピュータに対して各種の情報を送信する枠用外部情報端子基板340が接続されている。そして、払出制御部330は、例えば払出駆動部334に対して払い出すように指示した賞球数に関する情報や払出球検出部335にて検出された実際に払い出された賞球数に関する情報等を枠用外部情報端子基板340を介してホストコンピュータに送信する。また、遊技制御部200に対しても、同様の情報を送信する。
続いて、遊技制御部200の機能構成を説明する。
図4は、遊技制御部200の機能構成を示すブロック図である。図4に示すように、遊技制御部200は、各種抽選処理を実行する機能部として、乱数取得部231と、普通図柄判定部232と、特別図柄変動制御部233と、特別図柄判定部234と、普通図柄変動制御部236と、を備えている。
また、遊技制御部200は、特別図柄変動に伴う処理を実行する機能部として、変動パターン選択部235を備えている。
さらに、遊技制御部200は、各種役物の動作制御や賞球等に関するデータ処理を実行する機能部として、大入賞口動作制御部237と、進退部材動作制御部238と、賞球処理部239と、出力制御部240と、乱数制御部241と、を備えている。
乱数取得部231は、ゲート124を遊技球が通過した場合に、普通図柄に関する乱数の取得を行う。具体的には、所定の範囲の数値の中から一つの数値(乱数値)が選択(取得)されて、普通図柄判定部232による判定に用いられる。
特別図柄変動制御部233は、特別図柄の抽選が行われた場合に、その抽選結果に応じて特別図柄の変動を制御する。
また、「小当たり」は、「はずれ」の一種であり、遊技者に有利となる上記の遊技状態の何れも設定されない。
ここで、「リーチ」とは、後述する装飾図柄において遊技者に大当たりを期待させるための演出である。
普通図柄変動制御部236は、普通図柄の抽選結果に応じて、普通図柄の変動を制御する。
進退部材動作制御部238は、普通図柄の抽選により「当選」と判定された場合には、進退部材123を規定時間および規定回数だけ退避状態とし、第2始動口122に遊技球が入賞容易となる状態を発生させる。また、「はずれ」と判定された場合には、進退部材123のこのような退避状態を発生させない。
賞球処理部239は、入賞や抽選に関する種々の役物への入賞個数の管理および入賞に応じた賞球の払い出しの制御用コマンドをセットする。
出力制御部240は、遊技制御部200から演出制御部300および払出制御部330へ制御用コマンドの出力を制御する。
乱数制御部241は、メイン制御手段による処理で用いられる各種の乱数値の更新を制御する。
次に、パチンコ遊技機100の基本動作を説明する。
パチンコ遊技機100の遊技制御部200は、電源が投入されると、起動時の基本処理として、各種装置の初期化や初期設定を行う。そして、基本処理を行った後、遊技制御部200は、遊技の進行に関する一連の処理である主制御処理を繰り返し実行する。また、電源を遮断する際には、遊技制御部200は、一連の電源遮断時処理を実行する。
遊技制御部200は、パチンコ遊技機100の電源が投入されると、まず、RAM203(図3参照)へのアクセスを許可する(ステップ(以下、ステップを「S」と記載する)101)。そして、遊技制御部200は、RAM203をクリアするためのRAMクリアスイッチがONとなっているか否かを判断する(S102)。
RAMクリアスイッチがOFFである場合(S102でNo)、次に、遊技制御部200は、電源遮断時の動作に関するバックアップフラグがONとなっているか否かを判断する(S103)。
バックアップフラグがONである場合(S103でYes)、次に、遊技制御部200は、電源遮断時に作成されたチェックサムが正常か否かを判断する(S104)。
チェックサムが正常である場合(S104でYes)、次に、遊技制御部200は、復帰処理を実行する(S105)。この復帰処理において、遊技制御部200は、電源が遮断された状態からの復帰に伴う、演出制御部300等のサブ制御手段の設定を行う。具体的には、遊技制御部200は、電源が遮断される際におけるパチンコ遊技機100の内部状態(大当たり遊技中か否か、高確率状態と低確率状態のいずれか、時短状態と時短無状態のいずれか)を反映させるように、サブ制御手段を設定するためのコマンドを演出制御部300へ出力する。また、この復帰処理において、遊技制御部200は、バックアップフラグをOFFにする。
ここで、割り込み許可(S110)および割り込み禁止(S111)は、このループ処理(S110〜S114)の実行中に割り込み処理の実行を可能とするために設けられている。本実施の形態では、この割り込み処理により、遊技制御における主制御処理が実行される。主制御処理の詳細については後述する。
図柄乱数制御処理(S112)において、遊技制御部200は、特別図柄抽選で用いられる変動パターン乱数の更新を行う。
初期値乱数更新処理(S113)において、遊技制御部200は、遊技制御において用いられる各種の乱数値の初期値を更新する。
電源遮断フラグの判断において、電源遮断フラグがOFFである場合(S114でNo)、パチンコ遊技機100の電源は遮断されず、遊技制御部200は、ループ処理(S110〜S114)とともに割り込みによる主制御処理を繰り返し実行する。一方、電源遮断フラグがONである場合(S114でYes)、遊技制御部200は、パチンコ遊技機100の電源を遮断するための処理(電源遮断時処理)を開始する。
電源遮断時処理において、遊技制御部200は、まず、各種の出力を行うための出力ポートの設定をクリアする(S115)。次に、遊技制御部200は、チェックサムを作成し、RAM203に格納する(S116)。次に、遊技制御部200は、バックアップフラグをONにし(S117)、RAM203へのアクセスを禁止して(S118)、無限ループに移行する。
次に、パチンコ遊技機100の主制御処理を説明する。
遊技制御部200は、主制御処理において、パチンコ遊技機100における遊技を制御するとともに、サブ制御手段である演出制御部300に対して演出の制御を指示し、払出制御部330に対して賞球の払い出しの制御を指示する。
主制御処理は、遊技制御における一連の処理からなり、予め設定された一定時間(例えば4ミリ秒)ごとに繰り返し実行される。本実施の形態において、遊技制御部200は、予め設定された一定時間ごとに割り込みを発生させ、図5−1に示すループ処理の中で割り込みが許可(S110参照)されると、割り込み処理として主制御処理を実行する。図7に示すように、主制御処理では、乱数更新処理、スイッチ処理、図柄処理、電動役物処理、賞球処理、出力処理が順次実行される(S501〜S506)。
始動口スイッチ処理では、遊技制御部200は、乱数取得部231の機能(サブルーチン)を呼び出し、図3の第1始動口スイッチ211および第2始動口スイッチ212の状態を監視し、スイッチがONとなった場合に、特別図柄抽選のための処理を実行する。
ゲートスイッチ処理では、遊技制御部200は、普通図柄判定部232の機能(サブルーチン)を呼び出し、図3のゲートスイッチ214の状態を監視し、スイッチがONとなった場合に、普通図柄抽選のための処理を実行する。
これらのスイッチ処理の詳細な内容については後述する。
特別図柄処理では、遊技制御部200は、特別図柄変動制御部233、特別図柄判定部234、変動パターン選択部235の各機能(サブルーチン)を呼び出し、特別図柄変動およびこの図柄変動に伴う処理を実行する。
普通図柄処理では、遊技制御部200は、普通図柄変動制御部236の機能(サブルーチン)を呼び出し、普通図柄変動およびこの図柄変動に伴う処理を実行する。
これらの図柄処理の詳細な内容については後述する。
大入賞口処理では、遊技制御部200は、大入賞口動作制御部237の機能(サブルーチン)を呼び出し、所定の条件に基づいて大入賞口125の開放動作を制御する。
進退部材処理では、遊技制御部200は、進退部材動作制御部238の機能(サブルーチン)を呼び出し、所定の条件に基づいて進退部材123の進退動作を制御する。
これらの電動役物処理の詳細な内容については後述する。
なお、図5−1乃至図5−3を参照して説明した動作例では、基本処理におけるループ処理の部分で割り込みを許可し、割り込み処理として一連の処理からなる主制御処理を実行した。しかしながら、主制御処理は、一定時間ごとに繰り返し実行されるように構成されていれば良く、具体的な実現手段(実行手順)は、図5−1乃至図5−3に示した例には限定されない。例えば、基本処理の一連の動作の中に主制御処理を組み入れておき、所定のタイミングで経過時間を計測し、一定時間(例えば4ミリ秒)ごとに主制御処理へ戻る構成としても良い。また、基本処理の一連の動作の中に主制御処理を組み入れる一方で、図5−1乃至図5−3を参照して説明した動作と同様に、一定時間ごとに割り込みを発生させ、割り込みが発生したならば基本処理中に組み入れられた主制御処理へ戻る構成としても良い。
図6は、図5−3のS502に示したスイッチ処理のうちの始動口スイッチ処理の内容を示すフローチャートである。
この始動口スイッチ処理は、第1始動口121における入賞に対する処理と、第2始動口122における入賞に対する処理とが順次行われる。図6を参照すると、遊技制御部200は、まず、第1始動口121に遊技球が入賞して第1始動口スイッチ211がONとなったか否かを判断する(S601)。第1始動口スイッチ211がONとなったならば、次に遊技制御部200は、第1始動口121の入賞における未変動分の保留数U1が上限値未満か否かを判断する(S602)。図6に示す例では、上限値を4個としている。保留数U1が上限値に達している場合は(S602でNo)、それ以上未変動分の入賞を保留することができないので、第1始動口121における入賞に対する処理を終了する。
この後、遊技制御部200は、S603による保留数U1の増加を演出制御部300に通知するための保留数増加コマンドをRAM203にセットし(S606)、第1始動口121における入賞に対する処理を終了する。S605の事前判定処理が行われた場合は、保留数増加コマンドには、S605で得られた事前判定の判定結果の情報が含まれる。
この後、遊技制御部200は、S609による保留数U2の増加を演出制御部300に通知するための保留数増加コマンドをRAM203にセットし(S612)、第2始動口122における入賞に対する処理を終了する。S611の事前判定処理が行われた場合は、保留数増加コマンドには、S611で得られた事前判定の判定結果の情報が含まれる。
図7は、ゲート124を遊技球が通過した場合のゲートスイッチ処理の内容を示すフローチャートである。
このゲートスイッチ処理において、遊技制御部200は、まず、ゲート124を遊技球が通過してゲートスイッチ214がONとなったか否かを判断する(S701)。ゲートスイッチ214がONとなったならば、次に遊技制御部200は、未変動分の保留数Gが上限値未満か否かを判断する(S702)。図7に示す例では、上限値を4個としている。保留数Gが上限値に達している場合は(S702でNo)、それ以上未変動分の入賞を保留することができないので、ゲートスイッチ処理を終了する。
図8は、図5−3のS503に示した図柄処理のうちの特別図柄処理の内容を示すフローチャートである。
この特別図柄処理において、遊技制御部200の特別図柄変動制御部233は、まず、RAM203においてセットされるフラグの設定(以下、フラグ設定)において当たり遊技フラグがONになっているか否かを調べる(S801)。ここで、当たり遊技フラグは、特別図柄抽選の結果が大当たりであることを識別するためにセットされるフラグである。当たりの種類に応じて、長当たり遊技フラグ、短当たり遊技フラグの何れかがセットされる。本実施の形態では、これらを総称して当たり遊技フラグと呼ぶ。
図9は、大当たり判定処理(図8のS808)の内容を示すフローチャートである。
この大当たり判定処理において、遊技制御部200の特別図柄判定部234は、まず、今回の特別図柄抽選における大当たり乱数値の判定を行い(S901)、大当たりまたは小当たりしたか否かを判断する(S902、S905)。大当たりまたは小当たりしたか否かは、図6のS604またはS610で取得した大当たり乱数の値が、大当たりの当選値として設定された値または小当たりの当選値として設定された値と一致したか否かを判断することによって決定される(図17(a)参照)。
図10は、変動パターン選択処理(図8のS809)の内容を示すフローチャートである。
この変動パターン選択処理において、遊技制御部200の変動パターン選択部235は、まず、大当たり判定処理(図9)のS902の判断結果を用いて今回の特別図柄抽選で大当たりしたか否かを判断する(S1001)。そして、大当たりだった場合(S1001でYes)、変動パターン選択部235は、大当たり用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(S1002)。
乱数値を用いた判定の結果、リーチ演出を行う場合(S1004でYes)、変動パターン選択部235は、リーチ用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(S1005)。また、リーチ演出を行わない場合(S1004でNo)、変動パターン選択部235は、はずれ用の変動パターンテーブルをROM202から読み出してRAM203にセットする(S1006)。
ここで、変動パターンテーブルとは、予め用意されている複数の変動パターン(変動時間10秒、30秒、60秒、90秒など)と変動パターン乱数の値とを対応付けたテーブルである。
図11は、停止中処理(図8のS815)の内容を示すフローチャートである。
この停止中処理において、遊技制御部200は、まず、RAM203のフラグ設定において時短状態であることを示すフラグ(以下、時短フラグ)がONになっているか否かを調べる(S1101)。時短フラグがONである場合(S1101でYes)、遊技制御部200は、時短状態での抽選回数(変動回数)Jの値を1減算し(S1102)、抽選回数Jが0になったか否かを調べる(S1103)。そして、抽選回数J=0であれば(S1103でYes)、時短フラグをOFFにする(S1104)。なお、時短フラグをONにする操作と、抽選回数Jの初期値の設定は、後述の大入賞口処理(図14)における遊技状態設定処理(図15)で行われる。
一方、小当たりであった場合(S1115でYes)、遊技制御部200は、小当たり遊技を開始する(S1116)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が小当たり遊技状態となる。なお、小当たり遊技では、前述したように、大入賞口125を所定回数開閉し、所定時間経過後に終了する。
この後、遊技制御部200は、演出制御部300において当たり遊技フラグに応じたオープニング動作における演出を行うためのオープニングコマンドをRAM203にセットして(S1118)、停止中処理を終了する。このオープニングコマンドは、図5−3のS506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
図12は、客待ち設定処理(図8のS816)の内容を示すフローチャートである。
この客待ち設定処理において、遊技制御部200は、まず、RAM203のフラグ設定において客待ちフラグがONになっているか否かを調べる(S1201)。ここで、客待ちフラグは、パチンコ遊技機100が客待ち状態であることを識別するためにセットされるフラグである。
図13は、図5−3のS503に示した図柄処理のうちの普通図柄処理の内容を示すフローチャートである。
この普通図柄処理において、遊技制御部200の普通図柄変動制御部236は、まず、RAM203のフラグ設定において補助遊技フラグがONになっているか否かを調べる(S1301)。ここで、補助遊技フラグは、普通図柄抽選で当選した場合にセットされるフラグである。補助遊技フラグが設定されている状態は、進退部材123が後述の進退部材処理(図16)にしたがって作動され、第2始動口122に入賞し易い状態である(補助遊技状態)。
図14は、図5−3のS504に示した電動役物処理のうちの大入賞口処理の内容を示すフローチャートである。
この大入賞口処理において、遊技制御部200の大入賞口動作制御部237は、まず、RAM203のフラグ設定において当たり遊技フラグがONになっているか否かを調べる(S1401)。当たり遊技フラグがOFFである場合、大入賞口125への入賞はないので、大入賞口処理を終了する(S1401でNo)。一方、当たり遊技フラグがONである場合(S1401でYes)、次に大入賞口動作制御部237は、パチンコ遊技機100が停止中処理(図11)で開始された大当たり時の動作制御におけるオープニング動作の最中か否かを判断する(S1402)。
この後、大入賞口動作制御部237は、演出制御部300において当たり遊技フラグに応じたエンディング動作における演出を行うためのエンディングコマンドをRAM203にセットする(S1413)。このエンディングコマンドは、図5−3のS506に示した出力処理で演出制御部300へ送信される。
なお、前述した小当たり遊技で行われる演出は、短当たり遊技で行われる演出と同様であり、演出から短当たりと小当たりとを区別することはできない。
エンディング時間が経過した場合(S1417でYes)に実行される、遊技制御部200による遊技状態設定処理(S1418)の内容を図15に示す。
遊技状態設定処理が行われる場合、前提として、図14のS1401で当たり遊技フラグがONとなっている。そこで、図15に示すように、遊技制御部200は、まず、その当たりの種類を判断する(S1501、S1502、S1503、S1506)。これらの判断は、例えば大当たり判定処理(図9)でRAM203に設定情報としてセットされた図柄の種類に基づいて判断することができる。なお、これらの判断は大当たり判定処理(図9)のS902、S903、S905と概ね同様であるので、S902、S903、S905の判断結果を用いても良い。
当たりの種類が低確率時短遊技状態の大当たりである場合(S1501でNo、S1502、S1503でYes)、遊技制御部200は、時短フラグをONにする(S1504)。これにより、RAM203の遊技状態の設定が低確率時短遊技状態となる。また、遊技制御部200は、抽選回数Jの初期値を設定し(S1505)、遊技状態設定処理を終了する。抽選回数Jの初期値は、図示の例では100回である。したがって、低確率時短遊技状態における抽選が100回行われたならば、低確率時短遊技状態が終了し、低確率時短無遊技状態となる。
図16は、図5−3のS504に示した電動役物処理のうちの進退部材処理の内容を示すフローチャートである。
進退部材処理において、遊技制御部200の進退部材動作制御部238は、まず、RAM203のフラグ設定において補助遊技フラグがONになっているか否かを調べる(S1601)。補助遊技フラグがOFFである場合、進退部材123は退避状態とならないため、進退部材処理を終了する(S1601でNo)。一方、補助遊技フラグがONである場合(S1601でYes)、次に進退部材動作制御部238は、進退部材123が作動中か否かを判断する(S1602)。
ここで、大当たり判定処理(図9)、変動パターン選択処理(図10)、普通図柄処理(図13)等で行われる、乱数による判定の手法について詳細に説明する。
図17は、本実施の形態において特別図柄抽選および普通図柄抽選で用いられる乱数(判定テーブル)の構成例を示す図である。
図17(a)には特別図柄抽選で用いられる大当たり乱数の構成例、図17(b)には特別図柄抽選で用いられる大当たり図柄乱数の構成例、図17(c)には特別図柄抽選で用いられるリーチ乱数の構成例、図17(d)には普通図柄抽選で用いられる当たり乱数の構成例が、それぞれ示されている。
低確率図柄Bでは、第1始動口121および第2始動口122ともに、当選値として15個の値が割り当てられている。したがって、大当たりに当選した場合に低確率図柄Bでの当選となる確率は、15/250(=3/50)である。
一方、第2始動口122に入賞した場合の当選値として175個の値が割り当てられている。したがって、第2始動口122に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Aでの当選となる確率は、175/250(=7/10)である。
一方、第2始動口122に入賞した場合の当選値として25個の値が割り当てられている。したがって、第2始動口122に入賞したことによって開始された特別図柄抽選において大当たりに当選した場合に高確率図柄Bでの当選となる確率は、25/250(=1/10)である。
一方、第2始動口122には潜確図柄での当選値が割り当てられておらず、第2始動口122に入賞した場合に潜確図柄での当選となることはない。
図17(c)を参照すると、乱数の値の範囲は0〜249の250個であり、リーチ演出を行う抽選結果(リーチ有)に22個の乱数値が割り当てられ、リーチ演出を行わない抽選結果(リーチ無)に228個の乱数値が割り当てられている。すなわち図示の例では、特別図柄抽選で大当たりしなかった場合に、22/250(=11/125)の確率でリーチ演出が行われる。
そして、リーチ有り演出においては、スクロールの開始後、所定時間経過後にスクロールが停止して各図柄を停止表示する際に、まず、いずれか2つの図柄(数列)が先に停止する。このとき、横または斜めにわたる一直線上に同一の数字が停止表示するとともに、最後の一列がスクロール速度を徐々に遅くして、一直線上に同一の数字が3つ揃うのではないかという期待感を遊技者に与える。このようなリーチ有り演出のなかには、最後の1列のスクロールが停止する前に、さまざまなキャラクタが登場したり、ストーリーが展開したりするいわゆるスーパーリーチ演出が含まれている。一方、リーチ無し演出は、リーチ有り演出とは異なり、遊技者に期待感を与えるような演出がなされることなく、横または斜めにわたる一直線上に同一の数字が揃わない状態で図柄が停止表示するものである。
このように、リーチ乱数は、大当たり乱数の判定の結果がハズレであった場合に、画像表示部114においてリーチ有り演出を行うか、リーチ無し演出を行うかを決定するためのもので、所定の確率でリーチ有り演出が出現するようにして、遊技者に対して適度に期待感を与えるようにしている。
付言すると、大当たりに当選した場合には、リーチ有り演出が必ず行われ、最終的に横または斜めにわたる一直線上に、同一の数字が揃った状態で装飾図柄が停止表示する。これに対して、小当たりに当選した場合やハズレの場合のリーチ有り演出は、上記一直線上に、同一の数字が揃わない状態で装飾図柄が停止表示する。
図17(d)を参照すると、乱数の値の範囲は0〜9の10個であり、時短フラグOFFのときの当選値として1個の値が割り当てられ、時短フラグONのときの当選値として9個の値が割り当てられている。したがって、時短無状態のときにゲート124を遊技球が通過して普通図柄抽選(開閉抽選)が行われると、1/10の確率で当選する。これに対し、時短状態のときにゲート124を遊技球が通過して普通図柄抽選(開閉抽選)が行われると、9/10の確率で当選する。
なお、図17の各乱数の構成例に示した乱数の範囲、当選値の割合、当選値の各値は例示に過ぎず、図示の値に限定されるものではない。
次に、図10に示した変動パターン選択処理において用いられる変動パターンの設定例について説明する。
図18は、図10に示した変動パターン選択処理において用いられる変動パターンの設定例を示す図である。
図18に示す例では、特別図柄抽選の判定結果が大当たりであった場合(図10のS1001でYesの場合)の変動パターンとして、3種類の変動パターンA〜Cが設定されている。また、特別図柄抽選の判定結果がはずれ(図10のS1001でNoの場合)であった場合の変動パターンとして、6種類の変動パターンD〜Iが設定されている。変動時間は、変動パターンAが90秒、変動パターンBが60秒、変動パターンCが30秒、変動パターンDが60秒、変動パターンEが30秒、変動パターンFが15秒、変動パターンGが13秒、変動パターンHが7秒、変動パターンIが3秒にそれぞれ設定されている。すなわち、特別図柄の変動パターンは、特別図柄抽選における判定結果および特別図柄の変動時間を定める。
また、図18に示した例では、遊技球が第1始動口121に入賞した場合と第2始動口122に入賞した場合とを区別していないが、第1始動口121と第2始動口122の何れに入賞したかに応じて変動パターンの設定を異ならせることもできる。
ここで、遊技制御部200から演出制御部300へ出力されるコマンド(演出制御用コマンドおよび設定用コマンド)の構成および伝送方式について説明する。
図19−1は、コマンドの構成を示す図である。図19−1(a)はコマンドのデータ構造を示し、図19−1(b)はコマンドのビット列としての構造を示す。
次に、演出制御部300の動作を説明する。
図19−2は、演出制御部300の動作を示すフローチャートである。
演出制御部300の動作は、図19−2(a)に示すメイン処理と、図19−2(b)に示す割り込み処理とからなる。図19−2(a)を参照すると、演出制御部300は、まず起動時に初期設定を行い(S1901)、CTC(Counter/Timer Circuit)の周期設定を行った後(S1902)、設定された周期にしたがって、演出制御において用いられる乱数を更新しながら(S1903)、割り込み処理を受け付ける。
図20は、コマンド受信処理(図19−2(b)のS1911)の内容を示すフローチャートである。
このコマンド受信処理において、演出制御部300は、まず、受信したコマンドが保留数を増加するためのコマンド(保留数増加コマンド)か否かを判断する(S2001)。この保留数増加コマンドは、遊技制御部200において、図6に示した始動口スイッチ処理においてセットされ(S606、S612)、図5−3に示した出力処理(S506)で演出制御部300へ送信される。保留数増加コマンドであった場合(S2001でYes)、演出制御部300は、RAM303に保持されている保留数の値を1加算し(S2002)、加算後の保留数の値を示す保留数コマンドをRAM303にセットする(S2003)。
受信したコマンドが変動開始コマンドであった場合(S2004でYes)、演出制御部300は、演出選択処理を実行する(S2005)。演出選択処理の詳細については後述する。
受信したコマンドが変動停止コマンドであった場合(S2006でYes)、演出制御部300は、変動演出終了中処理を実行する(S2007)。変動演出終了中処理の詳細については後述する。
受信したコマンドがオープニングコマンドであった場合(S2008でYes)、演出制御部300は、当たり演出選択処理を実行する(S2009)。当たり演出選択処理の詳細については後述する。
受信したコマンドがエンディングコマンドであった場合(S2010でYes)、演出制御部300は、エンディング演出選択処理を実行する(S2011)。エンディング演出選択処理の詳細については後述する。
演出制御部300により演出が行われる場合、設定される演出モードに基づき、種々の演出パターンが選択されて実行される。この演出モードは、RAM303にセットされるモードフラグによって決定される。ここで、モードフラグは、0〜4の値のいずれかが設定されており、それぞれAモードからEモードまでの5種類の演出モードが割り当てられている。なお、モードフラグは、特別図柄抽選の抽選結果または特別図柄抽選の抽選回数に応じて設定される。
高確率図柄Aの大当たりにはモードフラグ1が、低確率図柄Aの大当たりにはモードフラグ2が、高確率図柄Bおよび低確率図柄Bの大当たりにはモードフラグ3が、潜確図柄の大当たりおよび小当たりにはモードフラグ4が、それぞれ割り当てられている。ここで、これらの図柄の種類は、図17(b)に示したものと同様である。何れの当たりにもモードフラグ0は割り当てられていない。なお、モードフラグ1〜4において、特別図柄抽選を所定回数実行することでモードフラグ0が設定される。
さらに、図21に示す例では、変動演出終了中処理で用いられるパラメータM(M値)が、Aモードを除く各モードに対して個別に設定されている。
この演出選択処理において、演出制御部300は、まず受信した変動開始コマンドを解析する(S2201)。また、演出制御部300は、RAM303の設定からパチンコ遊技機100の現在のモードフラグを参照し(S2202)、RAM303に保持されている保留数の値を1減算する(S2203)。そして、演出制御部300は、変動開始コマンドの解析結果から得られる各種の設定情報(大当たりの種類、大当たり遊技後の遊技状態、変動パターン等の情報)およびモードフラグにより決定される演出モードに基づき、その演出モードで画像表示部114に表示する画像による図柄変動の演出パターン(変動演出パターン)を選択する(S2204)。最後に、演出制御部300は、選択した演出パターンによる演出に用いられる画像データや音響データをROM302から読み出し、これらのデータとともに、選択した演出の実行開始を指示する変動演出開始コマンドをRAM303にセットして、演出選択処理を終了する(S2205)。
この変動演出終了中処理において、演出制御部300は、まず受信した変動停止コマンドを解析する(S2301)。また、演出制御部300は、RAM303の設定からパチンコ遊技機100の現在のモードフラグを参照する(S2302)。そして、演出制御部300は、変動停止コマンドの解析の結果から得られる特別図柄変動が停止した際の図柄の種類を示す情報に基づいて特別図柄抽選の抽選結果が当たり(大当たりまたは小当たり)か否かを判断する(S2303)。何らかの当たりである場合は(S2303でYes)、その当たりの種類に応じて、図21に示した設定例に基づきRAM303にセットされているモードフラグを変更する(S2304)。
この当たり演出選択処理において、演出制御部300は、まず受信したオープニングコマンドを解析し(S2401)、モードフラグに基づく演出モードの内容に応じて演出のパターン(当たり演出パターン)を選択する(S2402)。そして、演出制御部300は、選択した演出パターンによる演出に用いられる画像データや音響データをROM302から読み出し、これらのデータとともに、選択した演出を指示する当たり演出開始コマンドをRAM303にセットして、当たり演出選択処理を終了する(S2403)。これにより、大当たり中の演出が決定される。
このエンディング演出選択処理において、演出制御部300は、まず受信したエンディングコマンドを解析し(S2501)、モードフラグに基づく演出モードの内容に応じて演出のパターン(エンディング演出パターン)を選択する(S2502)。そして、演出制御部300は、選択した演出パターンによる演出に用いられる画像データや音響データをROM302から読み出し、これらのデータとともに、選択した演出を指示するエンディング演出開始コマンドをRAM303にセットして、エンディング演出選択処理を終了する(S2503)。
演出制御部300は、客待ち状態に移行するための客待ちコマンドを受信したか否かを判断する(S2601)。客待ちコマンドを受信した場合(S2601でYes)、演出制御部300は、経過時間の計測を開始し(S2602)、RAM303において計測フラグをONにする(S2603)。一方、受信したコマンドが客待ちコマンドでなかった場合(S2601でNo)、演出制御部300は、RAM303に保持されている計測フラグがONになっているか否かを判断する(S2604)。計測フラグがOFFであれば(S2604でNo)、客待ちコマンド受信処理を終了する。
この演出ボタン処理において、演出制御部300は、まず遊技者による演出ボタン161等の操作手段が操作されたか否かを判断する(S2701)。ここで、操作手段の操作とは、演出ボタン161が押下されてONとなること、演出キー162の中央キーや周囲キーが押下されてONとなることを含む。また、タッチパネル等、演出ボタン161および演出キー162以外の操作用デバイスがパチンコ遊技機100に設けられている場合は、そのデバイスの操作を検知したことを含む。演出制御部300は、これらのデバイスのコントローラから操作信号を受け付けて、操作が行われたことを検知する。
次に、本実施の形態による事前判定に基づく予告演出について説明する。
本実施の形態では、図6を参照して説明したように、第1始動口121(図1または図3参照)に遊技球が入賞して第1始動口スイッチ211(図3参照)がONとなった場合、および第2始動口122(図1または図3参照)に遊技球が入賞して第2始動口スイッチ212(図3参照)がONとなった場合に、図柄変動時の抽選による判定(図8のS808、S809参照)に先立って、特別図柄抽選の抽選結果の事前判定(先読み)を行う(図6のS605、S611参照)。
このような事前判定に基づく予告演出を実行するために、本実施の形態における遊技制御部200のRAM203および演出制御部300のRAM303は、以下のような構成を有する。
図28は、本実施の形態に係る遊技制御部200のRAM203(図3参照)の構成例を説明するブロック図である。図28(a)は、記憶領域204の構成を示すブロック図であり、図28(b)は、図28(a)に示す記憶部の各々の構成を示すブロック図である。
図29(a)に示すように、RAM303は、保留球が保留されている状況を記憶する保留状況記憶領域としての第1保留記憶領域305および第2保留記憶領域306を備えている。この第1保留記憶領域305および第2保留記憶領域306は、第1始動口121への入賞に対する保留および第2始動口122への入賞に対する保留にそれぞれ対応しており、各々4つの記憶部を有している。具体的には、第1保留記憶領域305は、第1記憶部305a、第2記憶部305b、第3記憶部305c、第4記憶部305dを有している。また、第2保留記憶領域306は、第1記憶部306a、第2記憶部306b、第3記憶部306c、第4記憶部306dを有している。
次に、事前判定処理(図6のS605、S611参照)について詳細に説明する。
まず、事前判定処理での乱数による判定の手法について説明する。
図30は、本実施の形態における事前判定処理で用いられる乱数の構成例を示す図である。図30(a)には事前判定処理での大当たり乱数の構成例、図30(b)には事前判定処理での大当たり図柄乱数の構成例、図30(c)には事前判定処理でのリーチ乱数の構成例が、それぞれ示されている。
また、特別図柄抽選ではずれのときに行われる小当たりか否かの判定についても、図17(a)に示した乱数と同様の構成となっている。すなわち、小当たりの当選確率は、低確率状態か高確率状態かに関わらず、3/300(=1/100)である。
図31は、本実施の形態に係る事前判定処理(図6のS605、S611)の内容を示すフローチャートである。
図31に示すフローチャートでは、遊技制御部200は、内部状態が高確率状態か否かを判断し(S3101)、高確率状態であると判断すると(S3101でYes)、始動口スイッチ処理(図6参照)において獲得した大当たりの抽選の権利が、現在の高確率状態に移行してから、何回目の大当たりの抽選の権利に相当するものであるのかを判断する。
ここで、例えば、大当たり遊技後の遊技状態が高確率時短遊技状態となる大当たりに当選すると、以後、100回を上限として、大当たり乱数の判定が高確率状態用の当たり判定用テーブルに基づいて行われる場合を考える。この場合、所定回数Xは100と設定されることとなり、演算値Zが100以下であるか否かを判断することとなる。
すなわち、始動口スイッチ処理(図6参照)によって取得した大当たり乱数が、高確率状態用の当たり判定用テーブルに基づいて判定されるのか、それとも、高確率時短遊技状態が終了して低確率状態用の当たり判定用テーブル(図30(a)参照)に基づいて判定されるのかを、ここで判断することとなる。
例えば、電源をONしてから200回目の大当たりの抽選(変動回数N=200)によって高確率図柄Aの大当たり(高確率時短遊技状態となる長当たり)に当選したとする。その後、高確率時短率遊技状態になってから98回の大当たりの抽選が行われ、いまだ大当たりに当選していない状況で、変動回数N=299の保留A、変動回数N=300の保留B、変動回数N=301の保留Cが、RAM203に記憶されたとする。このとき、基準回数M=200と設定されているため、保留Aは演算値Z=99となり、保留Bは演算値Z=100となり、保留Cは演算値Z=101となる。したがって、保留Aおよび保留BはS3103で「YES」と判断され、保留CはS3103で「NO」と判断される。
このように、S3102およびS3103の処理によって、現在の内部状態ではなく、あくまでも特別図柄処理時の内部状態に基づいて、大当たりの判定を行うことが可能となる。したがって、高確率状態から低確率状態へと遊技状態が変化する場合にも、正確な判定結果を導き出すことができる。
したがって、S3104でNoと判断した場合には、高確率状態用の当たり判定用テーブルを選択し(S3106)、S3104でYesと判断した場合には、低確率状態用の当たり判定用テーブルを選択する(S3107)。
したがって、S3105でNoと判断した場合には、低確率状態用の当たり判定用テーブルを選択し(S3107)、Yesと判断した場合には、高確率状態用の当たり判定用テーブルを選択する(S3106)。
パチンコ遊技機100では、特別図柄の変動中にさらに始動口へ遊技球が入賞して保留球が発生した場合に、表示器130(図1、2(a)参照)の第1特別図柄保留表示器218および第2特別図柄保留表示器219により保留数に応じた表示が行われる。また、この表示器130による表示に加えて、演出表示の一部として、画像表示部114に保留球に関する情報(有無、保留数等)を表示する演出(保留表示演出)を行うパチンコ遊技機100がある。さらに、上記のように保留球に関して事前判定を行った場合、判定結果を報知または示唆する予告演出を行うことができる。この予告演出を行うために、演出制御部300により上記の報知コマンドの受け付け処理が行われる。
図32は、演出制御部300による報知コマンドの受け付け処理の内容を示すフローチャートである。
上記の保留数増加コマンドの受信時の処理の後、演出制御部300は、保留数増加コマンドから抽出された報知コマンドがRAM303に記憶されているか否かを判断する(S3201)。報知コマンドが記憶されていると判断すると(S3201でYes)、演出制御部300は、RAM303における今回の保留球に対応する記憶領域(第1〜4記憶部305a〜305dおよび第1〜4記憶部306a〜306dのいずれか)において、保留フラグおよび報知フラグをONにする。保留数増加コマンドから報知コマンドではなく通常コマンドが抽出された場合は、保留フラグのみをONにする(S3202)。なお、報知コマンドが記憶されていない場合(S3201でNo)には、報知コマンド受け付け処理を終了する。
次に、本実施の形態に係る遊技盤110について詳述する。
図33は、本実施の形態に係る遊技盤110の構成を示す図である。
遊技盤110は、板状の遊技板60に、上述したレール部材112および盤ランプ116などが装着されて構成される。この遊技板60の前面には遊技領域111が形成されるとともに遊技釘127および風車128等が配設されている。また、この遊技板60には、遊技領域111に打ち出された遊技球のうち入賞口に入賞しなかったものを遊技領域111の外に排出する排出口117が形成されている。排出口117は、遊技領域111における左右方向の中央部の下部に設けられた中央排出口117aと、遊技領域111における左右方向の右端部に設けられた右側排出口117bとから構成される。
また、遊技盤110は、遊技領域111に、第1始動口121、第2始動口122、ゲート124、大入賞口125および普通入賞口126を有している。
この第1始動口121の左右方向についての中心を境として、遊技領域111は、第1始動口121の中心の左側の領域である左側領域111aと右側の領域である右側領域111bとにより区画される。
ゲート124は、左側領域111aにおける画像表示部114の左側の領域に設けられた左側ゲート124Lと、右側領域111bにおける画像表示部114の右側の領域に設けられた右側ゲート124Rとを有している。
普通入賞口126は、左側領域111aにおける画像表示部114の下側の領域に3つ、右側領域111bにおける画像表示部114の下側の領域に1つ設けられている。
下流側側壁612と案内壁615とには、案内路614を流下して遊技領域111における右下の領域に至る遊技球の勢いを低減させるべく、案内路614側へ突出する凸部が交互に設けられている。
また、設定部材62は、右下側壁621における奥側の端部から遊技板60の板面に平行に中央側へ延びるように形成された奥側平行部623を有する。この奥側平行部623には、内部に、大入賞口125の開閉板125bを収容可能な貫通孔が形成されている。
また、設定部材62は、大入賞口125の下方において、遊技盤110の盤面に略垂直となるように形成されるとともに、遊技球を遊技領域111における右側から中央の方へ案内する中央案内壁625を有する。
図34は、第2始動口122及び右側ゲート124Rの周辺の拡大図である。
本実施の形態に係る遊技盤110においては、図34に示すように、右上案内部材61に形成された案内路614の下方に、右側ゲート124Rが配置されている。案内路614の出口と右側ゲート124Rとの間には、案内路614を通過した遊技球を右側ゲート124Rの方へ案内する案内釘127aと、案内釘127aを通過した遊技球の流下通路を振り分ける案内釘127bが配置されている。案内釘127bは、左側に配置された左側案内釘127bLと、右側に配置された右側案内釘127bRとから構成される。
また、本実施の形態に係る遊技盤110においては、右側ゲート124Rの下方に、第2始動口122が配置されている。第2始動口122は、遊技球が入る入球孔122aと、遊技盤110の盤面に対して直交する方向に動き、盤面よりも前側に突出する突出状態と盤面の前側から退避する退避状態とに遷移する板状の進退部材123とを有する。
第2始動口案内壁550は、右側ゲート124Rにおける遊技球を通す通過孔124aの孔中心線124cよりも左側にある左側側壁551と、右側にある右側側壁552とを有する。左側側壁551及び右側側壁552は、下側側壁560に接続している。左側側壁551の下部、右側側壁552の下部及び下側側壁560で第2始動口122の入球孔122aにおける左側、右側及び下側の周囲を囲んでいる。第2始動口122の入球孔122aの上側には進退部材123が配置されている。
左側側壁551における進退部材123の上側には遊技球を通過させることが可能な大きさの切り欠き555が形成されている。つまり、切り欠き555の上端部556と、切り欠き555の下端部557との間の幅は、遊技球の直径よりも大きい。
第2始動口122は、遊技盤110の盤面の奥側に配置されるとともに進退部材123と連結されたプランジャー135aと進退部材123を付勢するコイルばね135bとを有する進退部材ソレノイド135を備えている。進退部材ソレノイド135は、遊技制御部200からの制御信号を受信することで進退部材123を進退させる。
進退部材123は、遊技制御部200からの制御信号によって進退部材ソレノイド135が通電されてプランジャー135aが後退することにより後退する(図35(b)参照)。一方、進退部材123は、進退部材ソレノイド135が通電されていない場合には、コイルばね135bにより力を受けて前進する(図35(a)参照)。
案内釘127aを通過した遊技球は、図36に二点鎖線の矢印で示すように、左側案内釘127bLと右側案内釘127bRとの間を流下して右側ゲート124Rを通過するルート、左側案内釘127bLの左を通過して遊技領域111の中央の方へ向かうルート、右側案内釘127bRの右を通過して右側排出口117bへ流入するルート、のいずれかのルートで流下する。
そして、右側ゲート124Rを通過した遊技球は、進退部材123が退避状態のときには、遊技球が、下側側壁560などに衝突した後に入球孔122aに入る。他方、進退部材123が突出状態のときには、進退部材123が入球孔122aを閉じているので、遊技球は入球孔122aには入らずに進退部材123の上面に載り、進退部材123の上面に沿って右から左へと転がる。その後、遊技球は、左側側壁551の切り欠き555を通って遊技領域111の中央の方へ向かう。このように、進退部材123は、退避状態のときには入球孔122aに遊技球が入るのを許容し、突出状態のときには入球孔122aに遊技球が入るのを許容せずに、遊技球を左側側壁551の切り欠き555を介して遊技領域111の中央の方へ導く。
本実施の形態に係る遊技盤110は、右側ゲート124Rと、右側ゲート124Rを遊技球が通過したことを条件に行われる普通図柄判定の結果が当選した場合に作動して入球可能な第2始動口122と、の間に、右側ゲート124Rを通過した遊技球を減速させる減速部材500を有している。減速部材500は、第2始動口122の入口の一端である右側案内釘127bRと、第2始動口122の入口の他端である切り欠き555の下端部557における右上端部557aとの間に配置されている。
図37(a)は、減速部材500を斜め上方から見た斜視図である。図37(b)は、減速部材500を、遊技盤110の盤面に平行な面で切断した断面図である。
減速部材500は、直方体状の減速部材本体510の中央部に円錐状の貫通孔520が形成された筒状の部材である。
貫通孔520は、右側ゲート124R側の開口部であるゲート側開口521と、第2始動口122側の開口部である第2始動口側開口522と、ゲート側開口521と第2始動口側開口522との間に設けられた傾斜面523とを有している。貫通孔520は、遊技盤110の盤面に直交する面で切断した場合の孔形状は円形状である。そして、遊技盤110の盤面に直交する面で切断した場合の孔の直径が、図37(b)に示すように、ゲート側開口521から第2始動口側開口522にかけて徐々に小さくなっている。つまり、図37(b)に示すように、第2始動口側開口522の直径D522は、ゲート側開口521の直径D521よりも小さい。
また、第2始動口側開口522の直径D522は、ゲート124の通過孔124aの孔径よりも小さい。そして、第2始動口側開口522の直径D522は、遊技球の径Dbよりも若干大きい。第2始動口側開口522の直径D522は、例えば、遊技球の製造公差(−0.05mm〜+0.05mm)における最大公差を考慮した直径である11.05mmよりも0.5mm大きい11.55mmであることを例示することができる。
右側ゲート124Rを通過した遊技球は、この遊技球の重心位置と第2始動口側開口522の中心線位置とが合うことにより、第2始動口側開口522を通過する。それゆえ、右側ゲート124Rを通過中の遊技球の重心位置と第2始動口側開口522の中心線位置とが合っていない場合には、右側ゲート124Rを通過した遊技球は、先ず、減速部材500のゲート側開口521の縁や傾斜面523に接触する。その後、遊技球の重心位置と第2始動口側開口522の中心線位置とが合うまで、遊技球は、上下に振動したり傾斜面523に沿って円周方向に回ったりする。その結果、右側ゲート124Rを通過した遊技球が落下する勢いが減速部材500にて弱められ、右側ゲート124Rを通過した遊技球が減速部材500の貫通孔520を通過するまで時間がかかる。
つまり、パチンコ遊技機100は、減速部材500を設けることによって右側ゲート124Rを通過した遊技球が第2始動口122に至るまでの時間を長くすることができるので、右側ゲート124Rと右側ゲート124Rの下方にある第2始動口122との間の距離を短くして省スペース化を図ることができる。このように、パチンコ遊技機100は、遊技領域111に配設されるゲート124及び第2始動口122を配置するスペースを小さくすることができるので、画像表示部114の画像表示領域を拡大させることができる。
また、本実施の形態に係るパチンコ遊技機100は、上述したように第2始動口122の保留球の消化を第1始動口121の保留球の消化よりも優先する。また、本実施の形態に係るパチンコ遊技機100は、第2始動口122への入賞に基づく特別図柄の抽選結果が高確率時短遊技状態となる長当たりとなる確率が、第1始動口121への入賞に基づく特別図柄の抽選結果が確率時短遊技状態となる長当たりとなる確率と比べて高い(図17(b)参照)。それゆえ、本実施の形態に係るパチンコ遊技機100によれば、遊技者は、第2始動口122の入賞に基づく特別図柄抽選に早期に当選するので、高確率時短遊技状態となる長当たりとなる機会をより多く得ることが可能となる。
図38は、減速部材500の変形例を示す図である。
図38に示すように、上述した実施の形態に係るパチンコ遊技機100において、減速部材500の貫通孔520の孔中心線520aは、右側ゲート124Rにおける遊技球を通す通過孔124aの孔中心線124cとずれていてもよい。
右側ゲート124Rを通過した遊技球は、この遊技球の重心位置と第2始動口側開口522の中心線位置とが合うことにより貫通孔520を通過する。これに対して、貫通孔520の孔中心線520aと右側ゲート124Rの通過孔124aの孔中心線124cとがずれていることにより、遊技球の重心位置と第2始動口側開口522の中心線位置とが早期に合い難くなるので、遊技球が減速部材500の貫通孔520を通過するまでの時間が長くなり易い。それゆえ、右側ゲート124Rを通過した遊技球が第2始動口122に至るまでの時間が、右側ゲート124Rと第2始動口122との間に減速部材500が設けられていない場合よりもより長くなる。その結果、右側ゲート124Rを通過した遊技球が、この遊技球の右側ゲート124Rの通過に起因して行われた普通図柄抽選に当選した結果開いた第2始動口122の入球孔122aにより確度高く入り易くなる。
したがって、パチンコ遊技機100は、右側ゲート124Rと第2始動口122との間にこの減速部材500が設られることによって、右側ゲート124Rと第2始動口122との間の距離が短くても、右側ゲート124Rを通過した遊技球が無駄球となることを抑制することができる。つまり、変形例に係る減速部材500を有するパチンコ遊技機100は、右側ゲート124Rを通過した遊技球が無駄球となるのを抑制できるとともに、遊技領域111に配設される右側ゲート124Rや第2始動口122を配置するスペースが小さくて済む。
上述した実施の形態に係るパチンコ遊技機100において、減速部材500は、左右方向には第2始動口案内壁550の左側側壁551と右側側壁552との間において、上下方向には右側ゲート124Rとの間の距離ができる限り長くなる位置にあるとよい。右側ゲート124Rを通過した遊技球が、減速部材500や、減速部材500により減速されて右側ゲート124Rと減速部材500との間に滞っている遊技球に衝突して跳ね返り、再度右側ゲート124Rを通過することを抑制するためである。したがって、減速部材500は、上下方向には、左側側壁551に形成された切り欠き555のやや上であることが望ましい。
本実施の形態は、ゲートを通過した遊技球が無駄球となるのを抑制するために、以下の構成を採用する。
◆すなわち、本実施の形態に係る遊技機は、遊技盤(例えば遊技盤110)を備える遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)において、前記遊技盤(例えば遊技盤110)は、遊技球が通過可能な第1始動手段(例えば右側ゲート124R)と、前記第1始動手段(例えば右側ゲート124R)の下方に配置されて、前記第1始動手段(例えば右側ゲート124R)を遊技球が通過したことを条件に行われる第1図柄判定の結果が当選した場合に作動して入球可能な第2始動手段(例えば第2始動口122)と、前記第1始動手段(例えば右側ゲート124R)を通過した遊技球を、前記第2始動手段(例えば第2始動口122)の上流で減速させる減速手段(例えば減速部材500)と、を備えることを特徴とする遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)である。
ここで、前記減速手段(例えば減速部材500)は、円錐状の孔が形成された筒状の部材であることを特徴とすることができる。
また、前記減速手段(例えば減速部材500)は、前記第1始動手段(例えば右側ゲート124R)における遊技球が通過する孔の中心と中心位置がずれた貫通孔が形成された筒状の部材であることを特徴とすることができる。
また、本実施の形態では、電源復帰時に、遊技制御部200により初期的に実行される基本処理において、設定の初期化を指示するコマンド等を演出制御部300へ出力するために、主制御処理で用いられる出力制御部240の機能(サブルーチン)を呼び出して実行することについて説明した(図5−1参照)。
また、本実施の形態では、遊技制御部200から演出制御部300へ出力されるコマンドを「コード部」と「データ部」とで構成し、各々の先頭ビットに識別用のフラグを設けることについて説明した(図19−1参照)。
また、本実施の形態では、遊技制御部200から演出制御部300へ出力されるコマンドの「コード部」の一部を、データ値を記述するために用いる構成について説明した。
◆上記のように、本実施の形態では、遊技制御手段の動作を制御する制御命令の増加を削
減するため、遊技制御部200により所定の時間間隔で繰り返し実行される主制御処理に
おいて、1サイクルの主制御処理の最後に、その1サイクルの実行で生成されたコマンド
をまとめて、演出制御部300へ出力することとした。すなわち、上記の目的を達成する
遊技機は、遊技の進行に応じて演出を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であ
って、遊技の進行に関する一連の処理である主制御処理を所定の条件にしたがって繰り返
し実行し、当該主制御処理を実行して得られた遊技に関する情報を含むデータを生成する
遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)と、一連の前記主制御処理を1サイクル実行
する度に、当該1サイクルの実行により生成された前記データを、当該1サイクルの実行
における最後のデータの生成が行われた後に出力する出力手段(例えば、出力制御部24
0)と、前記出力手段(例えば、出力制御部240)から出力されたデータを受け付け、
受け付けたデータに基づき演出を行う演出制御手段(例えば、演出制御部300)と、を
備える。
このようにすれば、生成されたデータごとに出力処理を行う必要がないため、出力処理
を行うための制御命令を削減し、プログラムサイズの増大を抑制することができる。また
、データが生成される度に出力処理を行う必要がないため、出力処理全体に要する時間を
短縮することができる。
また、より詳細には、上記の遊技機において、前記主制御処理で生成されたデータを、
データごとに設定された記憶領域(例えば、コマンド格納領域)に記憶する記憶手段(例
えば、RAM203)をさらに備え、前記遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)は
、前記主制御処理において生成した前記データを、生成したデータに対応付けられた前記
記憶領域(例えば、コマンド格納領域)に記憶させ、前記出力手段(例えば、出力制御部
240)は、前記記憶手段(例えば、RAM203)の各記憶領域に対してデータが記憶
されているか否かを調べ、データが記憶されている記憶領域からデータを読み出して出力
する。
このようにすれば、出力処理を行う度に、各記憶領域を確認して、記憶されているデー
タを出力するので、データ出力の漏れを防止することができる。
えば、パチンコ遊技機100)であって、遊技の進行に関する一連の処理である主制御処
理を所定の条件にしたがって繰り返し実行し、当該主制御処理とは異なる条件にしたがっ
て当該主制御処理とは異なる特別処理を実行する遊技制御手段(例えば、遊技制御部20
0)と、前記遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)から出力されたデータを受け付
け、前記データに基づき演出に関わる処理を行う演出制御手段(例えば、演出制御部30
0)と、を備え、前記主制御処理において前記遊技制御手段(例えば、遊技制御部200
)による処理は、遊技の進行に基づく処理を行うと共に、当該処理を実行して得られた情
報を含むデータを生成する1または複数の第1の処理手段(例えば、遊技制御部200)
を呼び出して実行する部分と、前記第1の処理手段(例えば、遊技制御部200)の実行
により生成されたデータを前記演出制御手段(例えば、演出制御部300)へ出力する第
2の処理手段(例えば、出力制御部240)を呼び出して実行する部分と、を含み、前記
特別処理において前記遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)による処理は、遊技機
(例えば、パチンコ遊技機100)の設定を行う設定処理を実行する部分と、前記設定処
理において生成されたデータを、前記主制御処理における前記第2の処理手段(例えば、
出力制御部240)を呼び出して、前記演出制御手段(例えば、演出制御部300)へ出
力する部分と、を含む、構成とすることができる。
このようにすれば、特別処理で生成されたデータの出力処理を行うために個別の制御命
令を用意する必要がないため、出力処理を行うための制御命令を削減し、プログラムサイ
ズの増大を抑制することができる。
また、より詳細には、上記の遊技機において、前記主制御処理で生成されたデータを、
データごとに設定された記憶領域に記憶する記憶手段(例えば、RAM203)をさらに
備え、前記主制御処理における前記第1の処理手段(例えば、遊技制御部200)は、処
理の実行により生成した前記データを、生成したデータに対応付けられた前記記憶領域(
例えば、コマンド格納領域)に順次記憶させ、前記主制御処理における前記第2の処理手
段(例えば、出力制御部240)は、前記記憶手段(例えば、RAM203)の各記憶領
域に対してデータが記憶されているか否かを調べ、データが記憶されている記憶領域から
データを読み出して出力し、前記特別処理における前記設定処理では、前記設定処理にお
いて生成されたデータを、前記記憶手段(例えば、RAM203)における所定の前記記
憶領域に記憶させる。
このようにすれば、出力処理を行う度に、各記憶領域を確認して、記憶されているデー
タを出力するので、データ出力の漏れを防止することができる。
させるため、第1データ部である「コード」の所定のビットと、第2データ部である「デ
ータ」の所定のビットを、「コード」と「データ」とを識別するためのフラグとして用い
た。すなわち、上記の目的を達成する遊技機は、遊技の進行に応じて演出を行う遊技機(
例えば、パチンコ遊技機100)であって、遊技の進行に関する主制御処理を実行し、当
該主制御処理を実行して得られた遊技に関する情報を含むデータを生成して出力する遊技
制御手段(例えば、遊技制御部200)と、前記遊技制御手段(例えば、遊技制御部20
0)から出力されたデータを受け付け、受け付けたデータに基づき演出に関わる処理を行
う演出制御手段(例えば、演出制御部300)と、を備え、前記遊技制御手段(例えば、
遊技制御部200)により生成される前記データは、aビット(aは2以上の整数)のサ
イズで、先頭の1ビットの値が1または0の何れか一方に特定されている第1データ部(
例えば、「コード」)と、n×aビット(nは1以上の整数)のサイズで、先頭の1ビッ
トの値が前記第1データ部(例えば、「コード」)の先頭の1ビットの値とは異なる値に
特定されている第2データ部(例えば、「データ」)と、を含む、構成とすることができ
る。
このようにすれば、先頭の1ビットの値を認識することにより、第1データ部と第2デ
ータ部とを明確に区別することができるため、遊技制御手段から演出制御手段へのデータ
伝送の精度を向上させることができることができる。
また、より好ましくは、上記の遊技機において、前記遊技制御手段(例えば、遊技制御
部200)により生成される前記データの前記第2データ部(例えば、「データ」)は、
先頭からaビットごとに、先頭の1ビットの値と同じ値が設定される。
このようにすれば、第2データ部のサイズが大きい場合でも、特定のサイズごとに切り
分けて、各々が第2データ部であることを識別することが容易となる。
のように、大きなサイズのデータを送る必要がある場合にも、遊技制御手段から演出制御
手段へ送られるデータ全体のサイズの増大を抑制するため、第1データ部である「コード
」の所定のビットをデータ値を記述するために用い、「コード」の一部と第2データ部で
ある「データ」とでデータ値を記述する手法を提案した。すなわち、上記の目的を達成す
る遊技機は、遊技の進行に応じて演出を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)で
あって、遊技の進行に関する主制御処理を実行し、当該主制御処理を実行して得られた遊
技に関する情報を含むデータを生成して出力する遊技制御手段(例えば、遊技制御部20
0)と、前記遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)から出力されたデータを受け付
け、当該データに基づき演出に関わる処理を行う演出制御手段(例えば、演出制御部30
0)と、を備え、前記遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)により生成される前記
データは、aビット(aは3以上の整数)のサイズで、先頭の1ビットの値が1または0
の何れか一方に特定されている第1データ部(例えば、「コード」)と、n×aビット(
nは1以上の整数)のサイズで、先頭の1ビットの値が前記第1データ部(例えば、「コ
ード」)の先頭の1ビットの値とは異なる値に特定されている第2データ部(例えば、「
データ」)と、を含み、前記第1データ部(例えば、「コード」)を構成する所定のビッ
トと、前記第2データ部(例えば、「データ」)を構成するビットとを用いて、所定の種
類のデータが記録され、当該第1データ部(例えば、「コード」)における当該所定のビ
ットを除く残りのビットを用いて、当該所定の種類のデータとは異なる他の種類のデータ
が記録される構成とすることができる。
また、上記の目的を達成する他の本発明による遊技機は、遊技の進行に応じて演出を行
う遊技機(例えば、パチンコ遊技機100)であって、遊技の進行に関する主制御処理を
実行し、当該主制御処理を実行して得られた遊技に関する情報を含むデータを生成して出
力する遊技制御手段(例えば、遊技制御部200)と、前記遊技制御手段(例えば、遊技
制御部200)から出力されたデータを受け付け、当該データに基づき演出に関わる処理
を行う演出制御手段(例えば、演出制御部300)と、を備え、前記遊技制御手段(例え
ば、遊技制御部200)により生成される前記データは、aビット(aは3以上の整数)
のサイズで、先頭の1ビットの値が1または0の何れか一方に特定されている第1データ
部(例えば、「コード」)と、aビットのサイズで、先頭の1ビットの値が前記第1デー
タ部(例えば、「コード」)の先頭の1ビットの値とは異なる値に特定されている第2デ
ータ部(例えば、「データ」)と、を含み、前記第1データ部(例えば、「コード」)を
構成するbビット(bはa−1よりも小さく、1以上の整数)と、前記第2データ部(例
えば、「データ」)を構成するaビットとを用いて、(a+b)ビットのサイズのデータ
が記録される構成とすることができる。
上記のような構成とすれば、第1データ部および第2データ部の合計サイズを変えるこ
となく、第2データ部に記録されるべきデータのサイズを、より大きくすることが可能と
なるため、遊技制御手段から演出制御手段へ大きなサイズのデータを送る場合に、伝送さ
れるデータ全体のサイズの増大を抑制することができる。
110…遊技盤(遊技盤の一例)
122…第2始動口(第2始動手段の一例)
124R…右側ゲート(第1始動手段の一例)
500…減速部材(減速手段の一例)
Claims (1)
- 遊技盤を備える遊技機において、
前記遊技盤は、
遊技球が通過可能な第1始動手段と、
前記第1始動手段の下方に配置されて、前記第1始動手段を遊技球が通過したことを条件に行われる第1図柄判定の結果が当選した場合に作動して入球可能な第2始動手段と、
前記第1始動手段を通過した遊技球を、前記第2始動手段の上流で減速させる減速手段と、
を備え、
前記減速手段は、前記第1始動手段における遊技球が通過する孔の中心と中心位置がずれた円錐状の孔が形成された筒状の部材である
ことを特徴とする遊技機。
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