以下、本発明の実施の形態に係る制御システム10を、図1〜図8を参照して説明する。制御システム10は、図1に示すように、解析装置20と、第1〜第4の通信装置30とを備えている。解析装置20および第1〜第4の通信装置30は、それぞれ、給電装置40が接続された通信線Sigに接続されている。
給電装置40は、2線の通信線Sigに直流電圧を印加する。
解析装置20は、第1〜第4の通信装置30が計測した通信線Sig間の電圧値を第1〜第4の通信装置30から取得し、給電装置40から第1〜第4の通信装置30までの間の電圧降下量を求め、求めた電圧降下量に基づき、給電装置40を起点にした第1〜第4の通信装置30の接続位置を解析し、その解析結果を表示する。
ここで、解析装置20は、通信線Sigに分岐があったとしても、第1〜第4の通信装置30および給電装置40の通信線Sigへの接続位置を図示した接続位置図を生成し表示する。つまり、解析装置20は、分岐のある通信線Sigに第1〜第4の通信装置30が接続されていても、言い換えれば、第1〜第4の通信装置30の接続形態に関わらず、第1〜第4の通信装置30および給電装置40の位置関係を表示する。
これにより、例えば、第1〜第4の通信装置30の接続を変更する工事を行った場合、ユーザは、変更工事後に、位置関係を解析装置20に表示させることで、変更工事が、予定した通りに行われたか否かの検証を行うことができる。
第1〜第4の通信装置30は、例えば、エアコンの室内機や室外機あるいは照明装置に設けられている。第1〜第4の通信装置30は、それぞれ、同一の構成である。第1〜第4の通信装置30は、給電装置40によって通信線Sigに印加された直流電圧を利用して動作する。この第1〜第4の通信装置30のぞれぞれは、通信線Sigを介して、互いにコマンドを送受信する。
上述した解析装置20と、第1〜第4の通信装置30と、を備える制御システム10のブロック図は、図2に示す通りである。
解析装置20は、例えば、パーソナルコンピュータから構成される。解析装置20は、制御部100と、記憶部110と、入力部130と、表示部140と、通信部150と、を備えている。
制御部100は、解析装置20の制御を行う。制御部100は、図示しないCPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read only Memory)と、RAM(Random Access Memory)と、を備えている。
CPUは、ROMに格納されたプログラム(例えば、後述する図6に示す処理を実現するプログラム)を実行する。
また、CPUがROMに格納されたプログラムを実行することにより、制御部100は、通信線長算出部101と、位置算出部102と、計測情報収集部103と、接続位置図生成部104と、の機能を実現する。
通信線長算出部101は、給電装置40から第1〜第4の通信装置30までの通信線Sigの長さL(n)(nは、1〜4の自然数)を、通信装置30毎に算出する。通信線長算出部101は、例えば、給電装置40から第1の通信装置30までの通信線Sigの長さをL(1)として算出し、給電装置40から第3の通信装置30までの通信線Sigの長さをL(3)として算出する。
通信線路長算出部101は、通信線Sigの長さL(n)を、給電装置40から第n(nは1〜4の自然数)の通信装置30までの間の通信装置30毎の電圧降下量に基づき、算出する。
具体的には、通信線路長算出部101は、次の計算に基づき、通信線Sigの長さL(n)を算出する。即ち、前提として、図3(a)に示すように、給電装置40を始点とし、第n(nは1〜4の自然数)の通信装置30を経由して、給電装置40を終点とする通信線Sigの直列抵抗値R(n)(nは1〜4の自然数)は、給電装置40から第nの通信装置30までの通信線Sigの長さL(n)の2倍と、通信線Sigの単位長さ当たりの抵抗値Rtと、を積算した値となる。この関係から、通信線Sigの長さL(n)は、通信線Sigの直列抵抗値R(n)/(2倍×通信線Sigの単位長さ当たりの抵抗値Rt)となる。ここで、オームの法則から、通信線Sigの直列抵抗値R(n)は、(電圧値Voff(n)−電圧値Von(n))/電流I(n)となる。
なお、電流I(n)(nは、1〜4の自然数)は、導通時に一定の電流を通信線Sigから引き込み、遮断時には電流を遮断する定電流負荷回路220(第nの通信装置30に設けられている)が導通しているときに、通信線Sigから定電流負荷回路220(第nの通信装置30に設けられている)へ流れ込む電流である。また、電圧値Von(n)は、第nの通信装置30に設けられた定電流負荷回路220のみが導通しているときに、即ち、第nの通信装置30に設けられた定電流負荷回路220と給電装置40との間で閉回路が形成され、その他の通信装置30の定電流負荷回路220は閉回路を形成しないときに、第nの通信装置30が計測した電圧値である。そして、電圧値Voff(n)は、第1〜第4の通信装置30に設けられた全ての定電流負荷回路220が遮断しているときに、第nの通信装置30が計測した電圧値である。
よって、通信線Sigの長さL(n)は、図3(b)に示すように、(電圧値Voff(n)−電圧値Von(n))/(電流I(n)×2倍×通信線Sigの単位長さ当たりの抵抗値Rt)となる。
ここで、通信線Sigの単位長さ当たりの抵抗値Rtは、例えば、通信線Sigのカタログ等から得ることができる値である。この通信線Sigの単位長さ当たりの抵抗値Rtは、本実施の形態の場合、図3(c)に示すように、0.01(Ω/m)であったとする。また、定電流負荷回路220の導通時に定電流負荷回路220へ通信線Sigから流れ込む電流I(n)は、例えば、定電流負荷回路220をカレントミラー回路により構成することによって、一定の電流にすることができる。定電流負荷回路220の導通時に定電流負荷回路220へ通信線Sigから流れ込む電流I(n)は、電流I(1)〜電流I(4)の全てにおいて、本実施の形態の場合、図3(c)に示すように、2.1(A)であったとする。
上述した図3(b)に示す算出式から通信線Sigの長さL(n)を求める場合、通信線長算出部101は、通信線Sigの単位長さ当たりの抵抗値Rtおよび電流I(n)が決定していれば、電圧値Voff(n)および電圧値Von(n)を取得することで、通信線Sigの長さL(n)を算出することができる。この電圧値Voff(n)および電圧値Von(n)は、第1〜第4の通信装置30が計測し、その後、計測情報収集部103によって収集されて、解析装置20に記憶される。よって、通信線長算出部101は、記憶された電圧値Voff(n)および電圧値Von(n)と、図3(c)に示す各値(これらの値は、解析装置20に記憶されている)とを、図3(b)に示す算出式に代入することで、給電装置40から第nの通信装置30までの通信線Sigの長さL(n)を算出する。
位置算出部102は、第1〜第4の通信装置30および給電装置40の位置関係を示す位置情報を求める。この位置情報は、具体的には、給電装置40が通信線Sigに接続された位置を基準として、第1〜第4の通信装置30が給電装置40からどの程度離れた位置にあるのかや、例えば、第3の通信装置30が、給電装置40と第1の通信装置30とを結ぶ通信線Sigから分岐した通信線Sig上に接続されているとかや、第4の通信装置30が、給電装置40と第1の通信装置30とを結ぶ通信線Sig上に接続されているといった位置関係を示す。位置算出部102は、次のようにして、位置情報を求める。
即ち、図3(d)に示すように、位置算出部102は、位置決定長さL(nk)(nおよびkは、1〜4の自然数)に示す式から位置決定長さを求め、これと、通信線Sigの長さL(n)との長さとの関係から、位置情報を求める。
ここで、位置決定長さL(nk)は、第kの通信装置30に設けられた定電流負荷回路220のみが導通しているときに、即ち、第kの通信装置30の定電流負荷回路220だけに給電装置40との間で閉回路を形成させ、その他の通信装置30の定電流負荷回路220には閉回路を形成させないときに、給電装置40と第nの通信装置30との間のうち電圧降下が発生した通信線Sigの長さである。
この位置決定長さL(nk)は、図3(d)に示す算出式、即ち、(電圧値Voff(n)−電圧値Von2(n,k))/(電流I(n)×2倍×通信線Sigの単位長さ当たりの抵抗値Rt)から求める。この算出式は、通信線Sigの長さL(n)の算出式(図3(b)参照)で使用された電圧値Von(n)を、電圧値Von2(n,k)へ変更したものである。この電圧値Von2(n,k)は、第kの通信装置30に設けられた定電流負荷回路220のみが導通しているときに、第nの通信装置30が計測した電圧値である。また、電圧Voff(n)は、前述の通り、第1〜第4の通信装置30に設けられた全ての定電流負荷回路220が遮断しているときに第nの通信装置30が計測した電圧値である。
よって、位置算出部102は、(電圧値Voff(n)−電圧値Von2(n,k))を算出することで、第kの通信装置30に設けられた定電流負荷回路220のみが導通しているときに、給電装置40から第nの通信装置30までの間で発生した電圧降下量を算出する。そして、この電圧降下量を用いて、位置算出部102は、第kの通信装置30に設けられた定電流負荷回路220のみが導通しているときに、給電装置40と第nの通信装置30との間のうち電圧降下が発生した通信線Sigの長さ(位置決定長さL(nk))を算出する。
位置決定長さL(nk)を求めるのに必要である電圧値Voff(n)および電圧値Von2(n,k)は、第1〜第4の通信装置30が計測し、その後、計測情報収集部103によって収集されて、解析装置20に記憶される。よって、位置算出部102は、記憶された電圧値Voff(n)および電圧値Von(n,k)と、図3(c)に示す各値(これらの値は、解析装置20に記憶されている)とを、図3(d)に示す算出式に代入することで、位置決定長さL(nk)を算出する。位置算出部102は、位置決定長さL(nk)と、通信線長算出部101により算出された通信線Sigの長さL(n)と、の長さとの関係から、位置情報を求める。
具体的には、位置算出部102は、例えば第1〜第3の通信装置30および給電装置40が、図4に示す接続であった場合(図1に示す接続図と同一の接続であった場合)、第1の通信装置30から見た(第1の通信装置30を計測点とした)第2の通信装置30の位置を示す位置情報を求めるために、次の処理を行う。即ち、位置算出部102は、解析装置20に記憶済みの電圧値Von2(n,k)から、第2の通信装置30に設けられた定電流負荷回路220のみが導通しているときに、第1の通信装置30が計測した電圧値Von2(1,2)を取得する。また、位置算出部102は、解析装置20に記憶済みの電圧値Voff(n)から、第1〜第4の通信装置30に設けられた全ての定電流負荷回路220が遮断しているときに第1の通信装置30が計測した電圧値Voff(1)を取得する。また、位置算出部102は、解析装置20に記憶されている情報から、通信線Sigの単位長さ当たりの抵抗値Rtおよび定電流負荷回路220へ通信線Sigから流れ込む電流I(1)を取得する。そして、位置算出部102は、これらの値から、位置決定長さL(12)を算出することで、第2の通信装置30に設けられた定電流負荷回路220のみが導通しているときに、給電装置40と第1の通信装置30との間のうち電圧降下が発生した通信線Sigの長さL(12)を求める。
このとき、第2の通信装置30が、給電装置40の接続位置Tmと第1の通信装置30の接続位置T1とを結ぶ通信線Sigから給電装置40の接続位置Tmを境に分岐した通信線Sig上に接続されていることから、(電圧値Voff(1)−電圧値Von2(1,2))の電圧降下量は、(電圧値Voff(1)−電圧値Von(1))の電圧降下量よりも小さくなる。ここで、(電圧値Voff(1)−電圧値Von(1))の電圧降下量は、第1〜第4の通信装置30に設けられた全ての定電流負荷回路220が遮断しているときに第1の通信装置30が計測した電圧値から、第1の通信装置30に設けられた定電流負荷回路220のみが導通しているときに第1の通信装置30が計測した電圧値を減算した電圧降下である。
そして、(電圧値Voff(1)−電圧値Von2(1,2))の電圧降下量は、給電装置40が直流電圧を出力する端子Pwと給電装置40の接続位置Tmとの間の電圧降下量とほぼ同一の電圧値となる。例えば、(電圧値Voff(1)−電圧値Von2(1,2))の電圧降下量は、給電装置40が直流電圧を出力する端子Pwと給電装置40の接続位置Tmとの間の電圧降下量の±3%の変動範囲内の値になる。
上述した2つの事象から、位置算出部102が算出する位置決定長さL(12)は、例えば0.01m程度となる。
この位置決定長さL(12)の示す情報から、言い換えれば、(電圧値Voff(1)−電圧値Von2(1,2))の電圧降下量が、(電圧値Voff(1)−電圧値Von(1))の電圧降下量よりも小さくなり、且つ、給電装置40が直流電圧を出力する端子Pwと給電装置40の接続位置Tmとの間の電圧降下量とほぼ同一の電圧値となることから、位置算出部102は、次の解析を行う。即ち、位置算出部102は、給電装置40から第1の通信装置30へは電流が流れず、給電装置40の接続位置Tmと第1の通信装置30の接続位置T1との間の通信線Sigには電圧降下が発生していないので、第2の通信装置30が、給電装置40の接続位置Tmと第1の通信装置30の接続位置T1とを結ぶ通信線Sigから給電装置40の接続位置Tmを境に分岐した通信線Sig上に接続されている、と解析し、例えば、「第2の通信装置30は、給電装置40から見たときに、第1の通信装置30側とは別の側となる通信線Sigに接続されている」という内容の位置情報を求める。
そして、位置算出部102は、求めた位置情報に、通信線長算出部101が算出した信号線Sigの長さL(2)、即ち、給電装置から第2の通信装置30までの通信線Sigの長さL(2)を加えて、第1の通信装置30を計測点とした第2の通信装置30の位置情報として、解析装置20に記憶する。
また、位置算出部102は、第1の通信装置30から見た第3の通信装置30の位置を示す位置情報を求めるために、次の処理を行う。即ち、位置算出部102は、解析装置20に記憶済みの電圧値Von2(n,k)から、第3の通信装置30に設けられた定電流負荷回路220のみが導通しているときに、第1の通信装置30が計測した電圧値Von2(1,3)を取得する。また、位置算出部102は、解析装置20に記憶済みの電圧値Voff(n)から、第1〜第4の通信装置30に設けられた全ての定電流負荷回路220が遮断しているときに第1の通信装置30が計測した電圧値Voff(1)を取得する。また、位置算出部102は、解析装置20に記憶されている情報から、通信線Sigの単位長さ当たりの抵抗値Rtおよび定電流負荷回路220へ通信線Sigから流れ込む電流I(3)を取得する。そして、位置算出部102は、これらの値から、位置決定長さL(13)を算出することで、第3の通信装置30に設けられた定電流負荷回路220のみが導通しているときに、給電装置40と第1の通信装置30との間のうち電圧降下が発生した通信線Sigの長さL(13)を求める。
このとき、第3の通信装置30が、給電装置40の接続位置Tmと第1の通信装置30の接続位置T1との間から分岐した通信線Sig上に接続されていることから、(電圧値Voff(1)−電圧値Von2(1,3))の電圧降下量は、(電圧値Voff(1)−電圧値Von(1))の電圧降下量よりも小さくなる。ここで、(電圧値Voff(1)−電圧値Von(1))の電圧降下量は、第1の通信装置30に設けられた定電流負荷回路220のみが導通しているときに、給電装置40から第1の通信装置30までの間で発生した電圧降下である。
また、(電圧値Voff(1)−電圧値Von2(1,3))の電圧降下量は、給電装置40が直流電圧を出力する端子Pwと給電装置40の接続位置Tmとの間の電圧降下量を超える電圧降下を示す。例えば、(電圧値Voff(1)−電圧値Von2(1,3))の電圧降下量は、給電装置40が直流電圧を出力する端子Pwと給電装置40の接続位置Tmとの間の電圧降下量の±3%の変動範囲を超える値となる。
上述した2つの事象から、位置算出部102が算出する位置決定長さL(13)は、例えば40mとなる。
更に、(電圧値Voff(1)−電圧値Von2(1,3))の電圧降下量は、(電圧値Voff(3)−電圧値Von(3))の電圧降下量よりも小さくなるので、位置算出部102が算出する位置決定長さL(13)は、通信線長算出部101が算出した信号線Sigの長さL(3)、即ち、給電装置40から第3の通信装置30までの通信線Sigの長さL(3)よりも、短くなる。なお、(電圧値Voff(3)−電圧値Von(3))の電圧降下量は、第3の通信装置30に設けられた定電流負荷回路220のみが導通しているときに、給電装置40から第3の通信装置30までの間で発生した電圧降下である。
算出した位置決定長さL(13)の示す情報から、言い換えれば、(電圧値Voff(1)−電圧値Von2(1,2))の電圧降下量が、(電圧値Voff(1)−電圧値Von(1))の電圧降下量よりも小さくなり、且つ、給電装置40が直流電圧を出力する端子Pwと給電装置40の接続位置Tmとの間の電圧降下量の±3%変動範囲を超える値であること、更には、位置決定長さL(13)と通信線Sigの長さL(3)との関係から、位置算出部102は、次の解析を行う。即ち、位置算出部102は、給電装置40と第1の通信装置30との間の通信線Sigには電圧降下が発生しており、この電圧降下量は、給電装置40から第1の通信装置30までの間の電圧降下量よりも小さく、変動範囲を超えており、位置決定長さL(13)が信号線Sigの長さL(3)よりも短いので、第3の通信装置30が、給電装置40の接続位置Tmと第1の通信装置30の接続位置T1との間から分岐した通信線Sig上に接続されている、と解析する。また、位置算出部102は、位置決定長さL(13)が、即ち、第3の通信装置30に設けられた定電流負荷回路220のみが導通しているときに、給電装置40と第1の通信装置30との間のうち電圧降下が発生した通信線Sigの長さL(13)が、40mであることから、給電装置40から分岐した位置までは40mである、と解析し、例えば、「第3の通信装置30は、給電装置40から第1の通信装置30を見た方向へ、給電装置40から40m離れた位置で分岐した通信線Sigに接続されている」という内容の位置情報を求める。
そして、位置算出部102は、求めた位置情報に、通信線長算出部101が算出した信号線Sigの長さL(3)、即ち、給電装置40から第3の通信装置30までの通信線Sigの長さL(3)を加えて、第1の通信装置30を計測点とした第3の通信装置30の位置情報として、解析装置20に記憶する。
また、位置算出部102は、第1の通信装置30から見た第4の通信装置30の位置を示す位置情報を求めるために、次の処理を行う。即ち、位置算出部102は、解析装置20に記憶済みの電圧値Von2(n,k)から、第4の通信装置30に設けられた定電流負荷回路220のみが導通しているときに、第1の通信装置30が計測した電圧値Von2(1,4)を取得する。また、位置算出部102は、解析装置20に記憶済みの電圧値Voff(n)から、第1〜第4の通信装置30に設けられた全ての定電流負荷回路220が遮断しているときに第1の通信装置30が計測した電圧値Voff(1)を取得する。また、位置算出部102は、解析装置20に記憶されている情報から、通信線Sigの単位長さ当たりの抵抗値Rtおよび定電流負荷回路220へ通信線Sigから流れ込む電流I(4)を取得する。そして、位置算出部102は、これらの値から、位置決定長さL(14)を算出することで、第4の通信装置30に設けられた定電流負荷回路220のみが導通しているときに、給電装置40と第1の通信装置30との間のうち電圧降下が発生した通信線Sigの長さL(14)を求める。
このとき、第4の通信装置30が、給電装置40の接続位置Tmと第1の通信装置30の接続位置T1とを結ぶ通信線Sig上に接続されていることから、(電圧値Voff(1)−電圧値Von2(1,4))の電圧降下量は、(電圧値Voff(1)−電圧値Von(1))の電圧降下量と同じとみなせる範囲になる。例えば、(電圧値Voff(1)−電圧値Von2(1,4))の電圧降下量は、(電圧値Voff(1)−電圧値Von(1))の電圧降下量の±3%の範囲内の値になる。なお、(電圧値Voff(1)−電圧値Von(1))の電圧降下量は、第1の通信装置30に設けられた定電流負荷回路220のみが導通しているときに、給電装置40から第1の通信装置30までの間で発生した電圧降下である。
よって、位置算出部102が算出する位置決定長さL(14)も、給電装置40から第1の通信装置30までの通信線Sigの長さL(1)と同じとみなせる範囲内の値(例えば、長さL(1)の±3%の範囲内の値)になり、例えば100mとなる。
この場合、位置算出部102は、第4の通信装置30の接続位置を解析するために、通信線長算出部101が算出した給電装置40から第4の通信装置30までの通信線Sigの長さL(4)と給電装置40から第1の通信装置30までの通信線Sigの長さL(1)とはどちらが長いかを判定する。
このとき、第4の通信装置30は、第1の通信装置30よりも給電装置40から離れた位置に接続されていることから、給電装置40から第4の通信装置30までの通信線Sigの長さL(4)が、給電装置40から第1の通信装置30までの通信線Sigの長さL(1)よりも長くなる。よって、位置算出部102は、通信線Sigの長さL(4)が、通信線Sigの長さL(1)よりも長いと判定する。
なお、例えば、給電装置40から第4の通信装置30までの通信線Sigの長さL(4)が、給電装置40から第1の通信装置30までの通信線Sigの長さL(1)の±3%の範囲内である場合、位置算出部102は、第4の通信装置30の接続位置は、第1の通信装置30の接続位置と同じ位置であると判定する。
このように、位置算出部102は、位置決定長さL(14)と通信線Sigの長さL(1)とは同じとみなせる範囲内の値であることから、言い換えれば、(電圧値Voff(1)−電圧値Von2(1,4))の電圧降下量が、(電圧値Voff(1)−電圧値Von(1))の電圧降下量と同じとみなせる範囲内の値であることから、第4の通信装置30が、給電装置40の接続位置Tmと第1の通信装置30の接続位置T1とを結ぶ通信線Sig上に接続されている、と解析する。また、位置算出部102は、給電装置40から第4の通信装置30までの通信線Sigの長さL(4)が、給電装置40から第1の通信装置30までの通信線Sigの長さL(1)よりも長いので、第4の通信装置30が、第1の通信装置30よりも給電装置40から離れた位置に接続されている、と解析する。そして、位置算出部102は、例えば、「第4の通信装置30は、給電装置40から見たときに第1の通信装置30と同一の通信線Sigに、第1の通信装置30よりも給電装置40から遠くの位置に接続されている」という内容の位置情報を求める。
そして、位置算出部102は、求めた位置情報に、通信線長算出部101が算出した信号線Sigの長さL(4)、即ち、給電装置40から第4の通信装置30までの通信線Sigの長さL(4)を加えて、第1の通信装置30を計測点とした第4の通信装置30の位置情報として、解析装置20に記憶する。
なお、位置算出部102は、通信線長算出部101が求めた、給電装置40から第1の通信装置30までの通信線Sigの長さL(1)を、第1の通信装置30を計測点とした第1の通信装置30の位置情報として、解析装置20に記憶する。
前述の通り、位置算出部102は、(電圧値Voff(n)−電圧値Von2(n,k))の電圧降下量(第kの通信装置30に設けられた定電流負荷回路220のみが導通しているときに、給電装置40から第nの通信装置30までの間で発生した電圧降下量)と、(電圧値Voff(n)−電圧値Von(n))の電圧降下量(第nの通信装置30に設けられた定電流負荷回路220のみが導通しているときに、給電装置40から第nの通信装置30までの間で発生した電圧降下量)と、の比較結果から、第1〜第4の通信装置30および給電装置40の位置関係を特定する(求める)。また、位置算出部102は、通信線長算出部101が求めた給電装置40から第nの通信装置30までの通信線Sigの長さL(n)に基づき、第1〜第4の通信装置30と給電装置40との距離を特定する(求める)。
上述のようにして求められた第1の通信装置30を計測点とした各通信装置30の位置情報は、図5(a)に示す内容になる。なお、位置算出部102は、上述した解析によって、第1の通信装置30を計測点とした各通信装置30の位置情報に加え、例えば、図5(b)に示す、第2の通信装置30を計測点とした各通信装置30の位置情報、図5(c)に示す、第3の通信装置30を計測点とした各通信装置30の位置情報、および、図5(d)に示す、第4の通信装置30を計測点とした各通信装置30の位置情報を求めて、解析装置20に記憶する。この図5(a)〜図5(d)の位置情報は、第1〜第4の通信装置30および給電装置40が、図4に示す接続であった場合(図1に示す接続図と同一の接続であった場合)のものである。
ここで、図5(d)に示す通り、位置算出部102は、第4の通信装置30を計測点とした場合、第1の通信装置30が、給電装置40の接続位置Tmと第4の通信装置30の接続位置T4とを結ぶ通信線Sig上に接続されていることから(図4参照)、「第1の通信装置30は、給電装置40から見たときに、第4の通信装置30と同一の通信線Sig上に、第4の通信装置30よりも給電装置40の近くに接続されている」という内容の位置情報を求めている。
この位置情報を位置算出部102が求める方法を説明する。まず、位置算出部102は、(電圧値Voff(4)−電圧値Von2(4,1))の電圧降下量(第1の通信装置30に設けられた定電流負荷回路220のみが導通しているときに、給電装置40から第4の通信装置30までの間で発生した電圧降下量)を、(電圧値Voff(4)−電圧値Von(4))の電圧降下量(第4の通信装置30に設けられた定電流負荷回路220のみが導通しているときに、給電装置40から第4の通信装置30までの間で発生した電圧降下量)と、比較する。そして、位置算出部102は、(電圧値Voff(4)−電圧値Von2(4,1))の電圧降下量は、(電圧値Voff(4)−電圧値Von(4))の電圧降下量よりも小さいと判定する。
また、(電圧値Voff(4)−電圧値Von2(4,1))の電圧降下量は、給電装置40が直流電圧を出力する端子Pwと給電装置40の接続位置Tmとの間の電圧降下量を超える電圧降下を示す。例えば、(電圧値Voff(4)−電圧値Von2(4,1))の電圧降下量は、給電装置40が直流電圧を出力する端子Pwと給電装置40の接続位置Tmとの間の電圧降下量の±3%の変動範囲を超える値になる。
上述した2つの事象から、位置算出部102が算出する位置決定長さL(41)は、例えば100mとなる。
更に、(電圧値Voff(4)−電圧値Von2(4,1))の電圧降下量は、(電圧値Voff(1)−電圧値Von(1))の電圧降下量と同じとみなせる範囲内になり、例えば、(電圧値Voff(1)−電圧値Von(1))の電圧降下量の±3%の範囲内の値になる。よって、位置算出部102が算出する位置決定長さL(41)は、通信線長算出部101が算出した信号線Sigの長さL(1)、即ち、給電装置40から第1の通信装置30までの通信線Sigの長さL(1)と同じとみなせる範囲内になる。なお、(電圧値Voff(1)−電圧値Von(1))の電圧降下量は、第1の通信装置30に設けられた定電流負荷回路220のみが導通しているときに、給電装置40から第1の通信装置30までの間で発生した電圧降下である。
算出した位置決定長さL(41)が示す情報から、言い換えれば、(電圧値Voff(4)−電圧値Von2(4,1))の電圧降下量が、(電圧値Voff(4)−電圧値Von(4))の電圧降下量よりも小さくなり、且つ、給電装置40が直流電圧を出力する端子Pwと給電装置40の接続位置Tmとの間の電圧降下量の±3%変動範囲を超える値であることと、更には、位置決定長さL(41)と通信線Sigの長さL(1)との関係から、位置算出部102は、次の解析を行う。即ち、位置算出部102は、給電装置40と第1の通信装置30との間の通信線Sigには電圧降下が発生しており、この電圧降下量が、給電装置40から第1の通信装置30までの間の電圧降下量よりも小さく、変動範囲を超えており、更には、位置決定長さL(41)が信号線Sigの長さL(1)と同じとみなせることから、第1の通信装置30が、給電装置40の接続位置Tmと第4の通信装置30の接続位置T4とを結ぶ通信線Sig上の第4の通信装置30よりも給電装置30に近い位置に接続されている、と解析する。これにより、位置算出部102は、「第1の通信装置30は、給電装置40から見たときに、第4の通信装置30と同一の通信線Sig上に、第4の通信装置30よりも給電装置40の近くに接続されている」という内容の位置情報を求める。
位置算出部102は、求めた位置情報を、図2に示す位置情報記憶部113に記憶する。
測定情報収集部103は、給電装置40から第1〜第4の通信装置30までの通信線Sigの長さL(n)を求めるのに使用される電圧値Von(n)の計測値を、各通信装置30から収集する。また、測定情報収集部103は、第kの通信装置30に設けられた定電流負荷回路220のみが導通しているときに給電装置40から第nの通信装置30までの間のうち電圧降下が発生した通信線Sigの長さL(nk)を求めるのに使用される電圧値Von2(n,k)の計測値を、各通信装置30から収集する。測定情報収集部103は、収集した電圧値Von(n)および電圧値Von2(n,k)を、電圧情報記憶部111に記憶する。
接続位置図生成部104は、位置算出部102により求められた位置情報から、第1〜第4の通信装置30および給電装置40の通信線Sigへの接続位置を図示した接続位置図を表す画面を生成する。そして、接続位置図生成部104は、生成した画面を表示部140に表示する。
記憶部130は、例えばフラッシュメモリから構成される。記憶部130は、電圧情報記憶部111と、プロパティ記憶部112と、位置情報記憶部113と、を備えている。
電圧情報記憶部111は、測定情報収集部103によって収集された電圧値Von(n)および電圧値Von2(n,k)を、通信装置30毎に記憶する。
プロパティ記憶部112は、通信線Sigの単位長さ当たりの抵抗値Rtおよび定電流負荷回路220へ通信線Sigから流れ込む電流I(n)を記憶する。プロパティ記憶部112に記憶される内容は、例えば、図3(c)に示す内容である。
位置情報記憶部113は、位置算出部102によって求められた位置情報を記憶する。位置情報記憶部113に記憶される内容は、例えば、図5(a)〜図5(d)に示す内容である。
入力部130は、例えばキーボードである。入力部130を操作することで、ユーザは、後述する図6に示す電圧情報収集処理の実行や接続位置図の表示部140への表示を、制御部100へ指示することができる。
表示部140は、例えば、液晶ディスプレイである。表示部140は、接続位置図生成部104により生成された接続位置図の画面を表示する。
通信部150は、通信インターフェイスから構成されている。通信部150は、通信線Sigに接続されている。通信部150は、接続された通信線Sigを介して、第1〜第4の通信装置30の通信部210との通信を行う。
バスラインBLは、制御部100と、記憶部110と、入力部130と、表示部140と、通信部150と、を相互に接続する。
第1〜第4の通信装置30は、それぞれ、制御部200と、通信部210と、定電流負荷回路220と、電圧計測回路230と、受電回路240と、を備えている。
制御部200は、通信装置30の制御を行う。制御部200は、図示しないCPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read only Memory)と、RAM(Random Access Memory)と、を備えている。
CPUは、ROMに格納されたプログラムを実行する。また、CPUは、プログラムの実行に伴って生ずる情報を、一時的にRAMに記憶する。
通信部210は、通信インターフェイスから構成されている。通信部210は、通信線Sigに接続されている。通信部210は、接続された通信線Sigを介して、解析装置20の通信部150との通信を行う。また、通信部210は、接続された通信線Sigを介して、他の通信装置30に設けられた通信部210と、互いにコマンドを送受信する。このコマンドには、通信部210により、AMI(Alternate Mark Inversion)方式、マンチェスター方式、ASK(Amplitude Shift Keying)変調方式、PSK(Phase Shift Keying)変調方式等の変調が施される。
定電流負荷回路220は、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)やバイポーラトランジスタ等を用いた例えばカレントミラー回路により構成される。定電流負荷回路220は、通信線Sigに接続されている。定電流負荷回路220は、制御部200からの制御に応じて、導通と遮断とを切り換える。定電流負荷回路220が導通状態になると、通信線Sigの一方の線から定電流負荷回路220へ電流Iを引き込み、通信線Sigの他方の線から電流Iを出力する状態になる。このときの電流Iは、本実施の形態では、図3(c)に示すように、2.1(A)であったとしている。なお、定電流負荷回路220が遮断状態になると、通信線Sigからの電流の引き込みは、ゼロになる。
電圧計測回路230は、A/D(アナログ/デジタル)コンバータにより構成される。電圧計測回路230は、通信線Sigに接続されている。電圧計測回路230は、通信線Sigに印加されている直流電圧を計測する。
具体的には、電圧計測回路230は、解析装置20の位置算出部102が通信線Sigの長さL(n)、即ち、給電装置40から第1〜第4の通信装置30までの通信線Sigの長さL(n)を求めるのに使用する電圧値Voff(n)および電圧値Von(n)を計測する。また、電圧計測回路230は、解析装置20の位置算出部102が通信線Sigの長さL(nk)、即ち、第kの通信装置30に設けられた定電流負荷回路220のみが導通しているときに、給電装置40と第nの通信装置30との間のうち電圧降下が発生した通信線Sigの長さL(nk)を求めるのに使用する電圧値Von2(n,k)を計測する。
電圧計測回路230は、計測した電圧値をデジタル値に変換してバスラインBLへ出力する。バスラインBLへ出力された電圧値は、制御部200により、RAMに一時的に記憶される。
受電回路240は、通信装置30に電源を供給する。受電回路240は、チョークコイルと電源回路とから構成される。受電回路240は、通信線Sigに接続されている。受電回路240は、チョークコイルによって、通信線Sigから直流成分を抽出する(送受信されるコマンドを除去する)。そして、受電回路240は、抽出した直流成分を電源回路によって電圧変換する。これにより、受電回路240は、通信装置30の各部や各回路に電源を供給する。
バスラインBLは、制御部200と、通信部210と、定電流負荷回路220と、電圧計測回路230と、を相互に接続する。
上述した第1〜第4の通信装置30の電圧計測回路230で電圧値Voff(n)、電圧値Von(n)および電圧値Von2(n,k)を計測させ、計測された電圧値Voff(n)、電圧値Von(n)および電圧値Von2(n,k)を解析装置20で収集する電圧情報収集処理は、図6に示す通りである。
電圧情報収集処理は、解析装置20の電源がオンされ、ユーザによる入力部130の操作により実行が指示された場合に、制御部100により開始される。
電圧情報収集処理では、まず、制御部100(計測情報収集部103)は、全ての通信装置30(第1〜第4の通信装置30)に対し、通信部150を介して、電圧値Voff(n)、電圧値Von(n)および電圧値Von2(n,k)の収集を開始することを示す「収集開始命令」を送信する(ステップS1)。
第1〜第4の通信装置30(制御部200)は、通信部210を介して、通信部150から送信された「収集開始命令」を受信すると、コマンドの送受信を行う等の処理を中断する。これにより、第1〜第4の通信装置30(制御部200)で実行される処理は、電圧値Voff(n)、電圧値Von(n)および電圧値Von2(n,k)の計測に関する処理のみとなる。このように、電圧値Voff(n)、電圧値Von(n)および電圧値Von2(n,k)の計測に先立ち、解析装置20から第1〜第4の通信装置30へ「収集開始命令」を送信することで、第1〜第4の通信装置30の定電流負荷回路220の導通、遮断の切り換えによって発生する電圧降下の変動を正確に計測することができる。
ステップS1の実行後、制御部100(計測情報収集部103)は、全ての通信装置30(第1〜第4の通信装置30)に対し、通信部150を介して、定電流負荷回路220を遮断状態へ切り換える指示を示す「遮断状態への切り換え命令」を送信する(ステップS2)。
第1〜第4の通信装置30(制御部200)は、通信部210を介して、通信部150から送信された「遮断状態への切り換え命令」を受信すると、定電流負荷回路220を遮断状態へ切り換える。なお、既に、定電流負荷回路220が遮断状態であれば、第1〜第4の通信装置30(制御部200)は、その状態を維持する。
なお、定電流負荷回路220は、電圧値Voff(n)、電圧値Von(n)および電圧値Von2(n,k)の計測に関する処理を行っていない通常時には、遮断状態となるのであるが、通信線Sigに重畳したノイズ等により導通状態になっている可能性がある。よって、制御部100(計測情報収集部103)は、電圧値Voff(n)、電圧値Von(n)および電圧値Von2(n,k)の計測に先立ち、「遮断状態への切り換え命令」を送信する。
ステップS2の実行後、制御部100(計測情報収集部103)は、全ての通信装置30(第1〜第4の通信装置30)に対し、通信部150を介して、通信線Sigの直流電圧の計測の指示を示す「直流電圧の計測命令」を送信する(ステップS3)。
第1〜第4の通信装置30(制御部200)は、通信部210を介して、通信部150から送信された「直流電圧の計測命令」を受信すると、電圧計測回路230で計測されてバスラインBLへ出力された通信線Sigの直流電圧を、RAMに記憶する。RAMに記憶された直流電圧は、位置算出部102が、給電装置40から通信装置30までの通信線Sigの長さL(n)を求めるのに使用する電圧値の1つ、即ち、電圧値Voffである。
ステップS4の実行後、制御部100(計測情報収集部103)は、全ての通信装置30(第1〜第4の通信装置30)に対し、通信部150を介して、計測した直流電圧の送信の指示を示す「電圧値の送信命令」を送信する(ステップS4)。
第1〜第4の通信装置30(制御部200)は、通信部210を介して、通信部150から送信された「電圧値の送信命令」を受信すると、RAMに記憶された電圧値Voffを、通信装置30の名称を示す情報と共に、通信部210を介して送信する。
すると、制御部100(計測情報収集部103)は、受信した電圧値Voffを、送信元毎に、即ち、第1〜第4の通信装置30毎に、電圧情報記憶部111に記憶する(ステップS5)。
電圧情報記憶部111に記憶される電圧値Voffは、図7の「電圧値Voff(n)の欄」に示す通りである。
ここで、Voff(1)は、第1〜第4の通信装置30に設けられた全ての定電流負荷回路220が遮断しているときに第1の通信装置30が計測した電圧値である。同様に、Voff(2)は、第1〜第4の通信装置30に設けられた全ての定電流負荷回路220が遮断しているときに第2の通信装置30が計測した電圧値である。
また、Voff(3)は、第1〜第4の通信装置30に設けられた全ての定電流負荷回路220が遮断しているときに第3の通信装置30が計測した電圧値であり、Voff(4)は、第1〜第4の通信装置30に設けられた全ての定電流負荷回路220が遮断しているときに第4の通信装置30が計測した電圧値である。
上述した電圧情報収集処理のステップS5までで(図6参照)、解析装置20は、位置算出部102が通信線Sigの長さL(n)、即ち、給電装置40から第1〜第4の通信装置30までの通信線Sigの長さL(n)を求めるのに使用する電圧値Voff(n)を、第1〜第4の通信装置30から取得する。
図6のステップS5の実行後、制御部100(計測情報収集部103)は、制御部100に内蔵されたRAM内に設けられたカウンタi(iは1〜4までの自然数)の値を1に設定する(ステップS7)。
その後、制御部100(計測情報収集部103)は、第iの通信装置30に対し、通信部150を介して、定電流負荷回路220を導通状態へ切り換える指示を示す「導通状態への切り換え命令」を送信する(ステップS7)。
第iの通信装置30(制御部200)は、通信部210を介して、通信部150から送信された「導通状態への切り換え命令」を受信すると、定電流負荷回路220を導通状態へ切り換える。この切り換えにより、第iの通信装置30の定電流負荷回路220のみが導通状態になり、第iの通信装置30以外の通信装置30の定電流負荷回路220は遮断状態を維持する。
ステップS7の実行後、制御部100(計測情報収集部103)は、全ての通信装置30(第1〜第4の通信装置30)に対し、通信部150を介して、通信線Sigの直流電圧の計測の指示を示す「直流電圧の計測命令」を送信する(ステップS8)。
第1〜第4の通信装置30(制御部200)は、通信部210を介して、通信部150から送信された「直流電圧の計測命令」を受信すると、電圧計測回路230で計測されてバスラインBLへ出力された通信線Sigの直流電圧を、RAMに記憶する。RAMに記憶された直流電圧は、位置算出部102が、給電装置40から通信装置30までの通信線Sigの長さL(n)を求めるのに使用する電圧値の1つである電圧値Von、および、第kの通信装置30に設けられた定電流負荷回路220のみが導通しているときに給電装置40と第nの通信装置30との間のうち電圧降下が発生した通信線Sigの長さL(nk)を求めるのに使用される電圧値の1つである電圧値Von2である。
ステップS8の実行後、制御部100(計測情報収集部103)は、全ての通信装置30(第1〜第4の通信装置30)に対し、通信部150を介して、計測した直流電圧の送信の指示を示す「電圧値の送信命令」を送信する(ステップS9)。
第1〜第4の通信装置30(制御部200)は、通信部210を介して、通信部150から送信された「電圧値の送信命令」を受信すると、RAMに記憶された電圧値VonおよびVon2を、通信装置30の名称を示す情報と共に、通信部210を介して送信する。
すると、制御部100(計測情報収集部103)は、受信した電圧値Vonおよび電圧値Von2を、送信元毎に、即ち、第1〜第4の通信装置30毎に、電圧情報記憶部111に記憶する(ステップS10)。
その後、制御部100(計測情報収集部103)は、第iの通信装置30に対し、通信部150を介して、定電流負荷回路220を遮断状態へ切り換える指示を示す「遮断状態への切り換え命令」を送信する(ステップS11)。
第iの通信装置30(制御部200)は、通信部210を介して、通信部150から送信された「遮断状態への切り換え命令」を受信すると、定電流負荷回路220を遮断状態へ切り換える。
ステップS11の実行後、制御部100(計測情報収集部103)は、カウンタiが最終値であるか、即ち、カウンタiが4であるか否かを判定する(ステップS12)。カウンタiが4未満であれば(ステップS12:No)、カウンタiを1つカウントアップして(ステップS13)、ステップS7へ戻る。即ち、制御部100(計測情報収集部103)は、カウンタiが4になるまで、ステップS7〜ステップS13を繰り返し実行する。
制御部100(計測情報収集部103)がステップS7〜S13の処理を、カウンタiが4になるまで繰り返した結果、電圧情報記憶部111に記憶される電圧値VonおよびVon2は、図7に示す通りである。
具体的には、図7に記載の「電圧値Von2の欄の2重囲み部分」が電圧Von(n)、即ち、第nの通信装置30に設けられた定電流負荷回路220のみが導通しているときに第nの通信装置30が計測した電圧値を表している。また、図7に記載の「電圧値Von2の欄」が電圧Von2(n,k)、即ち、第kの通信装置30に設けられた定電流負荷回路220のみが導通しているときに第nの通信装置30が計測した電圧値を表している。
ここで、電圧値Von(1)は、第1の通信装置30に設けられた定電流負荷回路220のみが導通しているときに第1の通信装置30が計測した電圧値である。同様に、電圧値Von(2)は、第2の通信装置30に設けられた定電流負荷回路220のみが導通しているときに第2の通信装置30が計測した電圧値である。
また、電圧値Von(3)は、第3の通信装置30に設けられた定電流負荷回路220のみが導通しているときに第3の通信装置30が計測した電圧値であり、電圧値Von(4)は、第4の通信装置30に設けられた定電流負荷回路220のみが導通しているときに第2の通信装置30が計測した電圧値である。
更に、電圧値Von2(2,1)は、第1の通信装置30に設けられた定電流負荷回路220のみが導通している状態において、第2の通信装置30が計測した電圧値である。同様に、電圧値Von2(3,1)および電圧値Von2(4,1)は、それぞれ、第1の通信装置30に設けられた定電流負荷回路220のみが導通している状態において、第3の通信装置30が計測した電圧値および第4の通信装置30が計測した電圧値である。
同様に、電圧値Von2(1,2)、電圧値Von2(3,2)および電圧値Von2(4,2)は、それぞれ、第2の通信装置30に設けられた定電流負荷回路220のみが導通している状態において、第1の通信装置30が計測した電圧値、第3の通信装置30が計測した電圧値および第4の通信装置30が計測した電圧値である。
また、電圧値Von2(1,3)、電圧値Von2(2,3)および電圧値Von2(4,3)は、それぞれ、第3の通信装置30に設けられた定電流負荷回路220のみが導通している状態において、第1の通信装置30が計測した電圧値、第2の通信装置30が計測した電圧値および第4の通信装置30が計測した電圧値である。
そして、電圧値Von2(1,4)、電圧値Von2(2,4)および電圧値Von2(3,4)は、それぞれ、第4の通信装置30に設けられた定電流負荷回路220のみが導通している状態において、第1の通信装置30が計測した電圧値、第2の通信装置30が計測した電圧値および第3の通信装置30が計測した電圧値である。
上述した電圧情報収集処理のステップS7〜ステップS13により(図6参照)、解析装置20は、通信線Sigの長さL(n)、即ち、給電装置40から第1〜第4の通信装置30までの通信線Sigの長さL(n)を求めるのに位置算出部102が使用する電圧値Von(n)、および、電圧降下が発生した通信線Sigの長さL(nk)、即ち、第kの通信装置30に設けられた定電流負荷回路220のみが導通しているときに給電装置40と第nの通信装置30との間のうち電圧降下が発生した通信線Sigの長さL(nk)を求めるのに位置算出部102が使用する電圧値Von2(n,k)を、第1〜第4の通信装置30から取得する。
図6のステップS12の判定で、制御部100(計測情報収集部103)は、カウンタiの値が最終値、即ち、4であると判定すると(ステップS10:Yes)、全ての通信装置30(第1〜第4の通信装置30)に対し、通信部150を介して、電圧値の収集が完了したことを示す「収集完了通知」を送信する(ステップS14)。
第1〜第4の通信装置30(制御部200)は、通信部210を介して、通信部150から送信された「収集完了通知」を受信すると、電圧値Voff(n)、電圧値Von(n)および電圧値Von2(n,k)の計測に関する処理を完了し、通常時の処理、即ち、コマンドの送受信を行う等の処理を再開する。
電圧情報収集処理が終了すると、制御部100(位置算出部102)は、自動的に、電圧情報記憶部111に記憶された電圧値Voff(n)、電圧値Von(n)および電圧値Von2(n,k)の3つの計測値(図7参照)を用いて、給電装置40から第1〜第4の通信装置30までの通信線Sigの長さL(n)、および第kの通信装置30に設けられた定電流負荷回路220のみが導通しているときに給電装置40と第nの通信装置30との間のうち電圧降下が発生した通信線Sigの長さL(nk)を求める。
具体的には、位置算出部102は、電圧値Voff(n)および電圧値Von(n)を電圧情報記憶部111から取得し、更に、通信線Sigの単位長さ当たりの抵抗値Rtおよび定電流負荷回路220へ通信線Sigから流れ込む電流I(n)をプロパティ記憶部112から取得し、これらの値を、通信線Sigの長さL(n)を求める式(図3(b)参照)に代入して、通信線Sigの長さL(n)を求める。また、位置算出部102は、更に、電圧値Von2(n,k)を電圧情報記憶部111から取得し、この値と、既に取得済みの電圧値Voff(n)、通信線Sigの単位長さ当たりの抵抗値Rtおよび定電流負荷回路220へ通信線Sigから流れ込む電流I(n)とを、通信線Sigの長さL(nk)を求める式(図3(b)参照)に代入して、電圧降下が発生した通信線Sigの長さL(nk)を求める。そして、位置算出部102は、求めた通信線Sigの長さL(n)および電圧降下が発生した通信線Sigの長さL(nk)から、各通信装置30の位置を示す位置情報を求め、求めた位置情報を、位置情報記憶部113に記憶する。
このようにして、位置算出部102が求めた位置情報(位置情報記憶部113に記憶された位置情報は)、前述した通り、図5で示した内容である。
この位置情報から、接続位置図生成部104は、第1〜第4の通信装置30および給電装置40の通信線Sigへの接続位置を図示した接続位置図を表す画面を生成する。そして、接続位置図生成部104は、生成した画面を表示部140に表示する。なお、接続位置図生成部104は、ユーザによる入力部130の操作により接続位置図の表示部140への表示が指示された場合に、接続位置図を示す画面の生成および画面の表示を実行する。
接続位置図生成部104による接続位置図の生成は、例えば、次のような処理となる。即ち、接続位置図生成部104は、まず、第1の通信装置30を計測点とした位置情報(図5(a)参照)から、第1の通信装置30の位置情報を、即ち、第1の通信装置30が給電装置40から100m離れた位置に接続されているという内容の情報を取得する。この情報に基づき、接続位置図生成部104は、図8に示すように、給電装置40から100m離れていることを示す接続位置図内の位置に、第1の通信装置30を配置する。
次に、接続位置図生成部104は、第1の通信装置30を計測点とした位置情報(図5(a)参照)から、第2の通信装置30の位置情報を、即ち、第2の通信装置30は、給電装置40から見たときに、第1の通信装置30側とは別の側となる通信線Sigに接続されているという内容の情報を取得する。この情報に基づき、接続位置図生成部104は、図8に示すように、給電装置40から見たとき、第1の通信装置30側とは別の側となる接続位置図内の位置に、第2の通信装置30を配置する。
次に、接続位置図生成部104は、第1の通信装置30を計測点とした位置情報(図5(a)参照)から、第3の通信装置30の位置情報を、即ち、第3の通信装置30は、給電装置40から第1の通信装置30を見た方向へ40m離れた位置で分岐した通信線Sigに接続されているという内容の情報を取得する。この情報に基づき、接続位置図生成部104は、図8に示すように、給電装置40から第1の通信装置30を見た方向に40mの位置で分岐した接続位置図内の位置に、第3の通信装置30を配置する。
次に、接続位置図生成部104は、第1の通信装置30を計測点とした位置情報(図5(a)参照)から、第4の通信装置30の位置情報を、即ち、第4の通信装置30は、給電装置40から見たときに、第1の通信装置30と同一の通信線Sig上に、第1の通信装置30よりも給電装置40から遠くに接続されているという内容の情報を取得する。この情報に基づき、接続位置図生成部104は、図8に示すように、給電装置40から見たときに、第1の通信装置30と同一の通信線Sig上に、第1の通信装置30よりも給電装置40から遠くの接続位置図内の位置に、第4の通信装置30を配置する。
上述した第1の通信装置30を計測点とした位置情報(図5(a)参照)から、接続位置図生成部104は、給電装置40の位置を基準として、第1〜第4の通信装置30の接続位置図における配置を行う。このとき、接続位置図生成部104が取得した距離に関する情報は、給電装置30から第1の通信装置30までの距離(100m)および給電装置30から第3の通信装置30の分岐点までの距離(40m)である。
ここで、図8から分かるように、接続位置図の完成に必要な情報は、既に取得した情報の他に、給電装置30から第2の通信装置30までの距離、分岐した位置から第3の通信装置30までの距離および給電装置30から第4の通信装置30までの距離である。
そこで、接続位置図生成部104は、給電装置30から第2の通信装置30までの距離を取得するために、第2の通信装置30を計測点とした位置情報(図5(b)参照)から、第2の通信装置30の位置情報を取得する。即ち、接続位置図生成部104は、第2の通信装置30が給電装置40から30m離れた位置に接続されているという内容の情報を取得する。この情報に基づき、接続位置図生成部104は、図8に示すように、給電装置40から30m離れていることを示す接続位置図内の位置に、第2の通信装置30を再配置する。
また、接続位置図生成部104は、分岐した位置から第3の通信装置30までの距離を取得するために、まず、第3の通信装置30を計測点とした位置情報(図5(c)参照)から、第3の通信装置30の位置情報を取得する。即ち、接続位置図生成部104は、第3の通信装置30が給電装置40から80m離れた位置に接続されているという内容の情報を取得する。そして、接続位置図生成部104は、既に取得済みである給電装置40から分岐した位置までの距離である40mを、取得した80mから減算して、分岐した位置から第3の通信装置30までの距離を求める。この結果、接続位置図生成部104は、図8に示すように、減算結果である40mを示す接続位置図内の位置に、第3の通信装置30を再配置する。
また、接続位置図生成部104は、給電装置30から第4の通信装置30までの距離を取得するために、第4の通信装置30を計測点とした位置情報(図5(d)参照)から、第4の通信装置30の位置情報を取得する。即ち、接続位置図生成部104は、第4の通信装置30が給電装置40から120m離れた位置に接続されているという内容の情報を取得する。この情報に基づき、接続位置図生成部104は、図8に示すように、給電装置40から120m離れていることを示す接続位置図内の位置に、第4の通信装置30を再配置する。
上述の例のようにして、接続位置図生成部104は、第1〜第4の通信装置30および給電装置40の通信線Sigへの接続位置を図示した接続位置図を表す画面を生成し、生成した画面を、図8に示すように、表示部140に表示する。
なお、接続位置図生成部104は、接続位置図をより詳細にする観点から、分岐した位置から第1の通信装置30までの距離を求めて、これを、接続位置図を示す画面に表示してもよい。この分岐した位置から第1の通信装置30までの距離は、接続位置図生成部104が、第1の通信装置30を計測点とした位置情報(図5(a)参照)から、第1の通信装置30の位置情報(信号線Sigの長さL(1))および第3の通信装置30の位置情報(信号線Sigの長さL(13))を取得し、信号線Sigの長さL(1)から信号線Sigの長さL(13)を減算することで求めることができる。
同様の観点から、接続位置図生成部104は、第1の通信装置30から第4の通信装置30までの距離を求めて、これを、接続位置図を示す画面に表示してもよい。この第1の通信装置30から第4の通信装置30までの距離は、接続位置図生成部104が、第1の通信装置30を計測点とした位置情報(図5(a)参照)から、第1の通信装置30の位置情報(信号線Sigの長さL(1))を取得することに加え、第4の通信装置30を計測点とした位置情報(図5(d)参照)から、第4の通信装置30の位置情報(信号線Sigの長さL(4))を取得し、信号線Sigの長さL(4)から信号線Sigの長さL(1)を減算することで求めることができる。
上述した通り、本実施の形態の制御システム10によれば、給電装置から第1〜第4の通信装置30までの通信線Sigの長さL(n)、および、第kの通信装置30に設けられた定電流負荷回路220のみが導通しているときに給電装置40と第nの通信装置30との間のうち電圧降下が発生した通信線Sigの長さL(nk)の関係から、第1〜第4の通信装置30および給電装置40の通信線Sigへの接続位置を図示した接続位置図を生成し、表示部140に表示することができる。これにより、制御システム10は、分岐のある通信線Sigに第1〜第4の通信装置30が接続されていても、言い換えれば、第1〜第4の通信装置30の接続形態に関わらず、第1〜第4の通信装置30および給電装置40の位置関係を表示することができる。これにより、例えば、第1〜第4の通信装置30の接続を変更する工事を行った場合、ユーザは、変更工事後に、位置関係を解析装置20に表示させることで、変更工事が、予定した通りに行われたか否かの検証を行うことができる。
その他にも、例えば、第1〜第4の通信装置30に一度設定したIP(Internet Protocol)アドレスを変更する再設定を行った場合、ユーザは、IPアドレスを誤設定したことにより生ずる次のような不具合の解析を制御システム10によって行うことができる。即ち、例えば、第4の通信装置30に設定したつもりのIPアドレスを送信元として、第1の通信装置30へコマンドを送信させたとき、第1の通信装置30でのコマンドの受信が予定した時間よりも遅延している場合、ユーザは、第1〜第4の通信装置30および給電装置40の位置関係を解析装置20に表示させて、第1〜第4の通信装置30と給電装置40との距離を確認することで、IPアドレスを誤って第3の通信装置30に設定しているのではないかといった不具合の解析を行うことができる。これにより、ユーザは、誤設定等により生じる不具合の解消がし易い。
更には、従来の装置、具体的には、通信装置の位置を特定するために、給電装置と通信装置とを直列に接続する特定のラインを設け、この特定のラインの一端に、給電装置からの直流電圧を印加し、また、特定のラインに、通信装置が有する同一抵抗値の抵抗を組み込み、給電装置に近い位置に存在する通信装置ほど特定のライン上の電圧が高くなることを利用して、通信装置の位置関係を特定する装置と比較して、制御システム10は、上述の特定のラインが不要である。よって、制御システム10は、ラインの削除により、従来の装置と比較して、ライン(ケーブル)の敷設が容易である。
以上、本発明の実施形態を説明したが、この発明は上記の実施の形態に限定されず、種々の変形および応用が可能である。
例えば、上述した実施の形態の制御システム10では、位置算出部102は、電圧値Voff(n)、電圧値Von(n)、通信線Sigの単位長さ当たりの抵抗値Rtおよび定電流負荷回路220へ通信線Sigから流れ込む電流I(n)の各値から、通信線Sigの長さL(n)を求めた。また、位置算出部102は、電圧値Voff(n)、電圧値電圧値Von2(n,k)、通信線Sigの単位長さ当たりの抵抗値Rtおよび定電流負荷回路220へ通信線Sigから流れ込む電流I(n)の各値から、電圧降下が発生した通信線Sigの長さL(nk)を求めた。しかし、これに限られるものではない。即ち、電圧値Voff(n)は、給電装置30から通信線Sigに印加される直流電圧と同じとみなすことができる。よって、給電装置30から通信線Sigに印加されている直流電圧を例えば電圧計で予め測定しておき、位置算出部102は、予め測定された電圧値を、第1〜第4の通信装置30が計測した電圧値Voff(n)に代えて使用し、通信線Sigの長さL(n)および電圧降下が発生した通信線Sigの長さL(nk)を求めてもよい。
また、本実施の形態では、解析装置20で接続位置図を生成したが、これに限られるものではない。即ち、解析装置20の制御部100、記憶部110および入力部130を、第1〜第4の通信装置30のいずれか、または、第1〜第4の通信装置30の全てに設け、第1〜第4の通信装置30のいずれか、または、第1〜第4の通信装置30の全てで、接続位置図を生成してもよい。そして、第1〜第4の通信装置30は、生成した接続位置図を示す情報を解析装置20へ送信し、解析装置20は、受信した情報から接続位置図を示す画面を生成し、表示するように構成してもよい。
更には、解析装置20の制御部100、記憶部110および入力部130に加え、表示部140を、第1〜第4の通信装置30のいずれか、または、第1〜第4の通信装置30の全てに設け、第1〜第4の通信装置30のいずれか、または、第1〜第4の通信装置30の全てで、接続位置図を生成して表示するように構成してもよい。この構成の場合、解析装置20は不要となり、制御システム10は、第1〜第4の通信装置30から構成される。
また、本実施の形態では、解析装置20は、第1〜第4の通信装置30から電圧値Voff(n)、電圧値Von(n)および電圧値Von2(n,k)を取得し、通信線長算出部101で、通信線Sigの長さL(n)を算出したが、これに限られるものではない。即ち、解析装置20の通信線長算出部101およびプロパティ記憶部112を第1〜第4の通信装置30に設け、第1〜第4の通信装置30が、通信線Sigの長さLを算出して、算出した通信線Sigの長さLを解析装置20へ送信する構成にすることで、解析装置20では通信線Sigの長さLを算出しない構成としてもよい。
なお、上記実施形態において、制御システム10を制御するプログラムは、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read−Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)、MO(Magneto−Optical Disc)等のコンピュータが読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、そのプログラムを、コンピュータ等にインストールすることにより、図6に示す処理を実行する制御装置を構成することとしてもよい。
また、上述のプログラムをインターネット等の通信ネットワーク上の所定のサーバ装置が有するディスク装置等に格納しておき、例えば、搬送波に重畳させて、ダウンロード等するようにしてもよい。
また、上述の図6に示す処理を、各OS(Operating System)が分担して実現する場合、又は、OSとアプリケーションとの協働により実現する場合等には、OS以外の部分のみを媒体に格納して配布してもよく、また、ダウンロード等してもよい。
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。すなわち、本発明の範囲は、上述した実施形態ではなく、請求の範囲によって示される。そして、請求の範囲内およびそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、本発明の範囲内とみなされる。