(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係るコジェネレーション装置について図1〜図4を用いて説明する。図1に示すように、コジェネレーション装置100は、商用電源22と電力負荷23との間の商用電力経路88に配設された分電盤21に接続される。コジェネレーション装置100は、給電装置1(連系ユニット)と、自立出力拡張制御装置(自立ユニット)30と、自立専用コンセント40(停電時電力取出部)と、連系/自立切替スイッチ38(外部切替手段)と、熱源機25とを備えている。給電装置1は、発電装置2と、電力変換装置(連系型変換器)3と、ノイズフィルタ19と、漏電ブレーカ20と、メイン制御部17(自己消費運転制御部及び連系/自立運転制御部)及び認識回路18(切替認識手段)を有するシステム制御装置16とを備えている。分電盤21と給電装置1との間には、電力線1mが接続されている。給電装置1には、電力線1mを接続可能とする連系出力部85が設けられている。連系出力部85と発電装置2との間は、連系路1aにより接続されている。連系路1aは、連系出力部85で電力線1mと接続されて、電力線1mとともに連系給電路を構成する。連系路1a上には、発電装置2の側から連系出力部85の側に向かって順に、電力変換装置3、ノイズフィルタ19及び漏電ブレーカ20を配置している。
発電装置2は、ガスエンジン及び発電機である。ガスエンジンの燃料は、都市ガス、PLガスなどの燃料ガスである。発電機は、ガスエンジンにより発生した駆動力でロータが回転されることで、3相交流電力を発生させる。なお、ガスエンジンの起動方法は、電力変換装置3が備えるモータリング機能にて電気で回転させてから点火を行う。
電力変換装置3は、連系型変換器71と、電流センサ7と、拡張接続部(接続部)13と、連系遮断器8と、内部電源回路73と、運転制御部12とを備えている。連系型変換器71と、電流センサ7と、拡張接続部13と、連系遮断器8は、この順で、発電装置2の側から連系出力部85の側に向けて、連系路1aに配置されている。連系型変換器71は、AC/DCコンバータ回路4と、DC/ACインバータ回路5aと、LCフィルタ6とを有する。AC/DCコンバータ回路4と、DC/ACインバータ回路5aと、LCフィルタ6は、連系路1a上に発電装置2の側からこの順で配置されている。
AC/DCコンバータ回路4は、例えば、高速スイッチング素子(IGBTやMOSFETなど)とダイオードを三相分6素子備えていて、発電装置2により発生した230Vの3相交流電圧を360Vの直流電力に昇圧変換する。DC/ACインバータ回路5aは、高速スイッチング素子(IGBTやMOSFETなど)とダイオードにて2相Hブリッジ回路より構成されており、直流電力を200Vの単相交流電力に変換する。連系配線形式として単相3線接続させる。AC/DCコンバータ回路4とDC/ACインバータ回路5aとで、発電装置2により発生した3相交流電力を商用系統電力と同期のとれた単相200V交流電力に変換される。LCフィルタ6は、DC/ACインバータ回路5aで変換された交流電流を正弦波形に整える。
電流センサ7は、LCフィルタ6を経た交流電流の電流値を測定し、電流値信号を運転制御部12に入力させる。拡張接続部13は、例えば、コネクタで構成され、連系路1aに、自立出力拡張制御装置30を接続可能にしている。連系遮断器8は、a接点リレー又はb接点リレーであり、運転制御部12の信号により接点を開閉することで、連系路1aを導通又は遮断させる。
ノイズフィルタ19は、電力変換装置3で発生したノイズを連系路1aから除去する。漏電ブレーカ20は、安全装置であり、連系路1aに漏電電流が流れると自動的に電気を遮断する。
内部電源回路73は、連系路1aの分岐点1aから分岐して電源遮断器9及び整流回路5bを経て第1,第2の内部電源10,11に至る経路1uと、連系路1a上のAC/DCコンバータ回路4とDC/ACインバータ回路5aとの間の直流中間部の分岐点1bから分岐して第1,第2の内部電源10,11に至る経路1dとを有する。電源遮断器9は、連系路1a上の連系遮断器8と背反の関係にある。コジェネレーションシステム起動時には、連系遮断器8が解列され、電源遮断器9が接続されて、発電装置2により発生した電力が経路1d、1uを流れて、第1,第2の内部電源10、11に給電される。システム起動開始後には、連系遮断器8が接続され、電源遮断器9は解列されて、経路1dを経て第、第2の内部電源10,11に給電されながら、連系路1aから連系電力が出力される。
第1の内部電源10は、例えば、他励式絶縁型DC/DCコンバータ回路からなり、運転制御部12、及びシステム制御装置16に設けられたメイン制御部17に電源を供給する。電源遮断器9は、a接点リレー又はb接点リレーであり、運転制御部12の信号により接点を開閉することで、電源路1dを導通又は遮断させる。第2の内部電源11は、例えば、第1の内部電源10と同様、例えば、他励式絶縁型DC/DCコンバータ回路からなり、給電装置1のアクチュエータ類に給電する。
電力変換装置3の運転制御部12は、マイクロプロセッサからなり、商用電源22が通電状態(正常)であるか又は停電状態(異常)であるかを検知するとともに、商用系統電力の通電又は停電の状態に応じて電力変換装置3の各回路や各装置を制御している。運転制御部12は、システム制御装置16のメイン制御部17とともに、自己消費運転制御部及び連系/自立運転制御部を構成している。
システム制御装置16は、メイン制御部17と、認識回路18とを有する。メイン制御部17は、マイクロプロセッサからなり、運転制御部12とマイコン間通信を行い、運転制御部12に自己消費運転の制御、並びに連系運転及び自立運転の制御を行わせる。メイン制御部17は、コジェネレーション装置100内のアクチュエータ類を制御している。
認識回路18は、メイン制御部17と運転制御部12との間のマイコン間通信を成立させている。また、図2に示すように、認識回路18は、フォトカプラ18aを備える信号入力回路であり、後述の自立切替信号線39を通じて外部の切替スイッチ38に接続している。
自立出力拡張制御装置30は、自立専用コンセント40に交流電力を給電する装置である。自立出力拡張制御装置30は、連系遮断器31(遮断器)と、ノイズフィルタ32と、自立出力遮断器33及び自立出力部36と、熱源機出力遮断器34及び熱源機電力供給部37と、自立制御回路35とを有する。自立出力拡張制御装置30は、電力変換装置3の拡張接続部13に接続されている。
自立出力拡張制御装置30は、迂回路1fを有する。迂回路1fは、連系路1aの途中に介在されることで連系路1aを迂回させる。迂回路1fは、拡張接続部13において連系路1aと接続している。連系路1aの発電装置2の側と、連系路1aの連系出力部85の側とは、拡張接続部13に形成された2端子に接続されており、2端子間には、迂回路1fが接続されている。迂回路1fには、連系遮断器31が配設されている。迂回路1fは、連系遮断器31よりも発電装置2の側で分岐している。迂回路1fから分岐した分岐路は、ノイズフィルタ32を経て分岐点1gにおいて2つの経路に分岐している。この分岐した経路のうち一方の自立出力経路1hは、自立出力部36に繋がり、分岐した経路のうち他方の熱源出力経路1iは、熱源機電力供給部37に繋がる。なお、自立出力拡張制御装置30のノイズフィルタ32は、給電装置1内のノイズフィルタ19と同様にノイズ除去を行う。
分岐点1gと自立出力部36との間の自立出力経路1hには、自立出力遮断器33が配設されている。分岐点1gと熱源機電力供給部37との間の熱源出力経路1iには、熱源機出力遮断器34が配設されている。ノイズフィルタ32の上流(迂回路1f側)には自立制御回路35を構成している。自立制御回路35は、自立出力経路1h及び熱源出力経路1iへの出力電圧の検出回路と共に自立出力拡張制御装置30内の各遮断器(31、33、34)のON/OFFを行う制御回路から構成される。拡張接続部13を介して、電力変換装置3の運転制御部12と自立制御回路35が接続されることで、運転制御部12は、連系型変換器71に自立出力経路1h及び熱源出力経路1iへの出力電圧が所定の電圧になるように調整している。
自立出力部36は接続端子であり、電力線1jに接続可能とされている。自立出力経路1hは、自立出力部36で電力線1jに接続されて、電力線1jとともに停電時給電路を構成する。自立出力部36は、電力線1jを介して自立専用コンセント40に接続される。熱源機電力供給部37は、接続端子であり、電力線1kに接続可能とされている。熱源出力経路1iは、熱源機電力供給部37で電力線1kに接続されて、電力線1kとともに熱源機給電路を構成する。熱源機電力供給部37は、電力線1kを介して熱源機25に接続される。
連系/自立切替スイッチ38は、コジェネレーション装置100の外部の屋内などに配設される。連系/自立切替スイッチ38は、2接点選択スイッチであり、熱源機25への電力供給経路に配設される。一方の接点には商用電源(AC100V)が接続され、もう一方の接点へは熱源機電力供給部37からの電力線1kが接続される。連系運転の時は商用電源側の接点が接続され、自立運転の時は電力線1k側の接点が接続される二者選択の切替を行う。連系/自立切替スイッチ38の切替操作は、使用者が手動で行う。
図2に示すように、連系/自立切替スイッチ38は、スイッチの動きに機械的に連動して開閉する信号スイッチ38aを備えている。信号スイッチ38aは、自立切替信号線39上に配置されている。自立切替信号線39は、システム制御装置16の認識回路18の一部が信号入力回路16aから外部に引き出されて、連系/自立切替スイッチ38に引き回された信号線である。自立切替信号線39には、フォトカプラ18aの発光ダイオード(発光素子)が接続されている。また、フォトカプラ18aのフォトトランジスタ(受光素子)は、メイン制御部17に接続されている。自立切替信号線39には、電圧Vc2が印加されており、フォトトランジスタのコレクタ側には、電圧Vc1が印加されている。この電圧Vc1、Vc2はいずれも内部電源10から導かれた5Vの直流電力である。フォトカプラ18aの発光素子及び受光素子の下流側は、いずれも接地されている。
連系/自立切替スイッチ38の商用電源22側の接点が熱源機25と接続された場合には、信号スイッチ38aが開き、自立切替信号線39には電流は流れず、認識回路18にも電流は流れない。フォトトランジスタのコレクタ側の電位は5vを維持し、これをメイン制御部17は連系信号が入力された状態と判断する。連系/自立切替スイッチ38の電力線1k側の接点が熱源機25と接続された場合には、信号スイッチ38aが閉じて、自立切替信号線39に電流が流れ、認識回路18に電流が流れ、フォトトランジスタのコレクタ側の電位がゼロに下がる。電位の低下をメイン制御部17は感知し、自立信号が入力されたと判断する。このようにして、認識回路18を通じて、連系/自立切替スイッチ38から出力された連系信号又は自立信号がメイン制御部17に認識される。
本実施形態では、認識回路18がフォトカプラ18aを備えている例を示したが,図3に示すように、フォトカプラ18aに代えてトランジスタ18bを備えていても良い。この場合、トランジスタのベース端子に自立切替信号線39を接続し、コレクタ端子にメイン制御部17を接続する。自立切替信号線39の信号スイッチ38aよりも上流側にはレジュレータ回路18cを設置する。
また、連系/自立切替スイッチ38として2接点選択スイッチの代わりに、信号スイッチと機械的に連動した2つコンセントを用いても良い。第1のコンセントは商用電源22に接続され、第2のコンセントは熱源機電力供給部37からの電力線1kに接続されている。停電時に、熱源機25と接続する電力コードを、第1のコンセントに差し込むと、熱源機25は商用電源22からの電力で作動するとともに、信号スイッチ38aは自立切替信号線39の遮断を維持し、内部消費運転のみが実行される。熱源機25と接続する電力コードを、第2のコンセントに差し込むと、熱源機25は、熱源機電力供給部37を通じて、発電装置2で発生した電力で作動するとともに、信号スイッチ38aは自立切替信号線39を接続し、内部消費運転が実行されつつ自立運転が実行される。
熱源機25は、貯湯装置又は給湯器であり、給電装置1の外部に配設されている。熱源機25と、給電装置1の発電装置2との間には、排熱回収回路24が配設されている。排熱回収回路24は、発電装置2であるガスエンジンの駆動により発生する熱を回収して、熱源機25に移送する。熱源機25は、通常時(連系運転時)には商用電源22に接続されていて、商用電源22から供給される交流電力で作動する。
次に、本例のコジェネレーション装置100の作動について説明する。まず、図略の起動スイッチをONとする。商用電源22が正常(通電状態)である場合に、運転制御部12は、商用電源22が正常であることを検知して連系運転を行う。連系運転は、発電装置2により発生し連系型変換器71により変換された交流電力を連系路1aを通じて商用電力経路に給電する。
連系運転時は、連系遮断器31を閉じて、連系路1aを接続させる。またこの時、自立出力遮断器33及び熱源機出力遮断器34を解列させ電力線1j、1kは遮断状態にある。熱源機25は、連系/自立切替えスイッチ38が商用電源側の接点に接続されることで、商用電源22で動作する。
メイン制御部17は、コジェネレーション装置100内の各種アクチュエータ類を作動させる。メイン制御部17は、発電装置2に起動信号を送信する。発電装置2は、起動信号を受けて、商用電源22からの給電によりガスエンジンの出力軸に構成した発電機のモータリングを行い、ガスエンジンをクランキングさせてガスエンジンを起動させる。
点火が行われガスエンジンによりロータの駆動が開始されると、ロータの回転に対して回生制御を行うと、3相交流電力が発生される。3相交流電力は、連系路1aを経て、AC/DCコンバータ回路4により、直流電力に変換される。続いて、直流電力は、DC/ACインバータ回路5aにより単相200Vの交流電力に変換される。交流電力は、LCフィルタ6により正弦波に整えられて、所定の周波数成分を出力する。正弦波に整えられた交流電力は、電流センサ7により電流量が検知され、更に拡張接続部13及び迂回路1fを経由する。交流電力は、迂回路1f内の連系遮断器31を経て、連系路1aに戻り、連系遮断器8を通過し、ノイズフィルタ19でノイズを除去し、漏電ブレーカ20及び連系/自立切替スイッチ38を経て分電盤21に給電される。分電盤21に給電された交流電力は、分電盤21で、商用電源22から出力された商用系統電力と合流し、電力負荷23に給電される。連系運転中、発電装置2で発生した電力の一部は、コジェネレーションシステム内で自己消費される。
ここで、電流センサ7で検知された交流電力の電流値は、運転制御部12に出力されて、運転制御部12により電流値が所定の出力となるようにシステムが制御される。
また、商用電源22が正常である場合には、コジェネレーション装置100の熱源機25は、商用系統電力により作動する。熱源機25は、発電機2により発生した熱エネルギーを排熱回収回路24を通じて回収利用する。
さて、図4に示すように、ステップS1においてコジェネレーション装置100が連系運転を行っている際に、ステップS2において、商用電源22で停電が生じたとする。この場合、運転制御部12は、商用電源22で停電が生じていることを検知する。ステップS3において、運転制御部12は、自立出力拡張制御装置30の自立制御回路35に、連系遮断器31を解列させる命令を出力する。自立制御回路35を経て、連系遮断器31を解列させて、連系路1aの迂回路1fを遮断する。これにより、発電装置2により発生した電力の商用電源22への出力は停止される。運転制御部12は、合わせて連系遮断器8も解列する。
すると、ステップS4において、図1の経路Aに示すように、発電装置2により発生した交流電力は、AC/DCコンバータ回路4を経て直流電力に変換された後、電源路1dに流れて、第1,第2の内部電源10,11に給電される。第1の内部電源10から運転制御部12及びメイン制御部17に給電され、第2の内部電源11から補機15に給電される。これにより、発電装置2から発生した電力が、コジェネレーション装置の内部で自己消費されて、コジェネレーション装置が自己消費運転を行い、商用電源22への出力を絶った運転状態となる。
ここで、ステップS5において、使用者が連系/自立切替スイッチ38を自立側に(熱源機25の電源接続を商用電源22側から電力線1k側へ)切り替える。これにともない、連系/自立切替スイッチ38から出力された自立信号が自立切替信号線39及び認識回路18を介してシステム制御装置16に入力される。
ステップS6において、システム制御装置16のメイン制御部17は、自立切替信号39を認識する。ステップS7において、システム制御装置16は電力変換装置3へ自立出力を指示する。この自立出力命令により電力変換装置3の運転制御部12は、自立出力拡張制御装置30の自立制御回路35経由にて、自立出力遮断器33及び熱源機出力遮断器34を閉じる(ON)ように制御して、自立出力経路1h及び熱源出力経路1iに供給される電力が例えば単相交流100Vとなるように制御する。
ステップS8において、コジェネレーション装置100は自立運転を行う。図1の経路Bに示されるように、発電装置2により発生した電力が、自立専用コンセント40及び熱源機25に給電される。自立専用コンセント40の使用が可能となり、また熱源機25により熱エネルギーの利用が可能となる。
商用電源22が停電から正常に復帰した場合には、運転制御部12は、商用電源22が正常に復帰したことを認識する。この場合、システムとしては、表示灯又はスピーカにより、商用電源22が正常に復帰したことを使用者に知らせることができる(図示なし)。使用者は、系統が復帰したことを知り、連系/自立切替スイッチ38を自立側から連系側に切り替えることで、システムを連系運転に戻すことができる。この切替え操作で、熱源機25の電源供給は商用電源22に切り替える。
一方、図5は、本発明の参考形態のコジェネレーション装置である。本実施形態のコジェネレーション装置100は、図5に示す参考形態としてのコジェネレーション装置の給電装置1を基本構成とし、この基本構成に自立拡張制御装置30を追加搭載したものである。図5に示すコジェネレーション装置100が、図1に示すコジェネレーション装置と相違する点は、自立拡張制御装置30及び連系/自立切替スイッチ38が追加搭載されている点である。図5では、発電変換装置3の拡張接続部13の2端子間を直接接続することで、連系路1aが連結されている。図1では、自立拡張制御装置30に形成された迂回路1fの2つの両端部が、拡張接続部13の2端子にそれぞれ接続されて、連系路1aと迂回路1fとが接続されている。また、図5に示すコジェネレーション装置では、連系路1aが迂回路1fに接続されていない。また、熱源機25の電源経路に連系/自立切替スイッチ38を設けておらず、また、連系/自立切替スイッチ38から出力される自立切替信号39を受信する信号入力回路16a及び認識回路18も設けていない。
図5に示すコジェネレーション装置でも、商用電源22が正常の場合には、発電装置2から発生する電力を、電力変換装置3により交流電力に変換して商用電源に給電することができる。停電が生じた場合には、連系遮断器8を遮断して連系路1aへの電力供給を停止させるため、発電装置2により発生した電力を非常用電力として取り出せない。
本実施形態においては、図1に示すように、発電装置2の作動時に商用系統電力が停電した場合には、連系遮断器8が作動して連系路1aが遮断され、商用電源22への電力供給が停止される。また、自立拡張制御装置30を通じて、商用電源22とは別個の自立専用コンセント40に非常用電力が供給される。このため、停電時に商用電源22とは別個の自立専用コンセント40から電力を取り出すことができる。また、停電時には、発電装置2から発生した電力は、電力変換装置3及び自立拡張制御装置30を通じて熱源機25に給電されるため、熱源機25の利用が可能となる。
また、停電時の自立運転は、稀に行うレアケースである。連系出力運転と一体で自立運転を可能とするコジェネレーション装置は構成が肥大化し、また開発コストの増加にもつながる。本実施形態では、使用者による連系/自立切替スイッチ38の切替により自立運転が開始される。このように、本実施形態のコジェネレーション装置100は、使用者の志向・必要に応じて自立運転に移行させることができ、利便性が高い。
本実施形態のコジェネレーション装置100は、熟考により既に完成している基本構成の連系型変換装置3の設計を変更させずに、新しい自立拡張制御装置30を追加搭載している。このため、コジェネレーション装置100の安定な作動を確保しつつ、稀に生じる停電時の非常用発電にも適用することができる。
また、連系運転中に商用電源22に停電が生じた場合に、連系遮断器31および8により連系路1aを解列させ、コジェネレーション装置内での自己消費運転を行っている。このため、発電装置2及び電力変換装置3の停止・起動を省略してスムーズに自立出力部36への非常用電力の供給が可能となる。
発電装置2は、発電時に発生する熱を廃棄しないと発電を維持することが困難である。本実施形態のコジェネレーション100装置では、発電装置2の作動中で停電が生じた時に、自立専用コンセント40及び熱源機25の双方に電力を供給して、熱源機25との連携運転を行っている。このため、発電装置2で生じた熱が熱源機25により利用され、発電装置2の排熱が可能となり、長時間の自立発電運転が可能である。
本実施形態では、発電装置2として、ガスエンジンと発電機とを備えているが、その代わりに燃料電池を用いても良い。燃料電池には、燃料ガスを改質することで生成した水素を燃料極側に、酸素を空気極側に供給することで電池反応が起こり、電気エネルギーが生じて、50〜120V程度の直流電力が出力される。燃料電池から発生する電力は直流であるため、給電装置1のコンバータ回路4は、DC/DCコンバータ回路とし、直流電流を360Vに昇圧させる。発電装置2が燃料電池である場合にも、電池反応により燃料電池が発熱するため、排熱回収回路24及び熱源機25を必要とする。
本実施形態では、停電時に交流電力を出力可能な停電時出力部が自立専用コンセント40であるが、商用電力経路88であってもよい。例えば、商用電力経路88上の分電盤21に、連系出力部85からの電力線1mと接続する連系専用端子の他に、自立出力拡張制御装置30からの電力線1jと接続する自立専用端子を設けておき、停電時には自立専用端子に商用電力経路88を接続させることで、商用電力経路88を通じて電力負荷23に電力を供給される。
(第2の実施形態)
本実施形態のコジェネレーション装置は、図6に示すように、自立起動ユニット64を備えている。自立起動ユニット64は、蓄電手段50と自立起動制御装置60と充電回路62とを有する。蓄電手段50は、蓄電池である。
自立起動制御装置60は、蓄電手段50からの電力を給電装置1に供給するとともに、蓄電手段50からの電力を発電装置2起動のために昇圧させる。自立起動制御装置60は、自立起動制御出力部59と、信号入力部83と、蓄電入力部84と、電力出力部82と、絶縁電源回路53と、起動制御部54と、昇圧コンバータ回路57とを有する。自立起動制御出力部59は、経路Cを通じて、コジェネレーション装置100のシステム制御装置16と接続されており、システム制御装置16と信号の送受信をしたり、システム制御装置16にCPU電源を給電したりする。信号入力部83は、自立切替信号線39を介して連系/自立切替スイッチ38と接続されていて、連系/自立切替スイッチ38からの自立切替信号が入力される。蓄電入力部84は、充電回路62と接続されていて、充電回路62から出力された蓄電用電力が入力される。電力出力部82は、起動電力路1pを介して蓄電手段50と接続されていて、蓄電手段50からの起動用電力を電力変換装置3に出力する。
起動電力路1pには、蓄電手段50から電力出力部82に向けて順に、電圧検知回路58、起動電力遮断器56、昇圧コンバータ回路57、逆流防止ダイオード81が配設されている。電圧検知回路58は、蓄電手段50の電圧を検知し、検知電圧信号を、自立起動制御出力部59を介してシステム制御装置16に送信する。起動電力遮断器56は、a接点リレーであり、起動制御部54からの信号により開閉が切り替えられる。昇圧コンバータ回路57は、高速スイッチング素子(IGBTまたはMOSFETなど)や絶縁トランスおよびリアクトルを主に備え、ドライブ回路55から高速スイッチング動作指示を行うことで、電圧を昇圧させて流通させる。昇圧コンバータ回路57は、蓄電手段50からの12Vの直流電力を、240Vの直流電力に変換する。
図6、図7に示すように、蓄電手段50と絶縁電源回路53との間には、制御部起動経路1rが介在している。制御部起動経路1rには、蓄電手段50から絶縁電源回路53に向けて順に、第1の制御電源遮断器51、及び第2の制御電源遮断器52が配設されている。第1の制御電源遮断器51はa接点リレーであり、第2の制御電源遮断器52はb接点リレーである。絶縁電源回路53は、蓄電手段50からの12Vの直流電力を、複数種の電圧の直流電力Vca、Vcbに変換する。一方の直流電力Vcaは、起動制御部54に出力され、他方の直流電力Vcbは自立起動制御出力部59を通じてメイン制御部17に出力される。なお、複数電力を出力する絶縁電源回路に代えて、電源レジュレータ回路を用いて、起動制御部54及びメイン制御部17に電源を出力することも可能である。蓄電手段50と蓄電入力部84との間には蓄電路1sが介在している。蓄電路1sには充電遮断器63が配設されている。充電遮断器63はa接点リレー又はb接点リレーである。
図7に示すように、自立起動制御装置60は、第1の実施形態と同様のフォトカプラ18aを有する認識回路180を備えている。フォトカプラ18aの発光ダイオード側は、システム通電状態及び無通電状態でも、自立切替信号線39を通じて蓄電手段50に接続されていて、蓄電手段50からの電圧が常時印加されている。フォトカプラ18aのフォトトランジスタ側も、図略ではあるが、システム通電状態及び無通電状態でも蓄電手段50に接続されていて、蓄電手段50からの電圧Vc1が常時印加されている。システム制御基板16の認識回路18は、自立起動制御装置60の絶縁電源回路53と接続されている。この認識回路18がなく、自立起動制御装置60とメイン制御部17とが直接接続していてもよい。
本実施形態においても、図6,図7に示すように、連系/自立切替スイッチ38の商用電源22側の接点が熱源機25と接続された場合には、信号スイッチ38aが開き、自立切替信号線39には電流は流れず、フォトカプラ18aは導通しない。受光側のフォトトランジスタのコレクタ側の電位は5vを維持し、これを起動制御部54は連系信号が入力された状態と判断する。また、自立切替信号線39には電気が流れないため、第1の制御電源遮断器51も解列した状態を維持する。
連系/自立切替スイッチ38の電力線1k側の接点が熱源機25と接続された場合には、信号スイッチ38aが閉じて、自立切替信号線39に電流が流れ、フォトカプラ18aが導通し、受信側のフォトトランジスタのコレクタ側の電位がゼロに下がる。電位の低下を起動制御部54は感知し、自立信号が入力されたと判断する。
このようにして、認識回路180を通じて、連系/自立切替スイッチ38から出力された連系信号又は自立信号が起動制御部54に認識される。なお、本実施形態では、認識回路180がフォトカプラ18aを備えている例を示したが,図3に示すように、フォトカプラに代えてトランジスタ18bを備えていても良い。この場合、トランジスタ18bのベース端子に自立切替信号線39を接続し、コレクタ端子に起動制御部54を接続する。
図8に示すように、本実施形態のコジェネレーション装置は、例えば、給電装置1と、自立出力拡張制御装置30と自立起動ユニット64とを、それぞれ別個のケースに収容している。給電装置1を本体装置とし、自立出力拡張制御装置30及び自立起動ユニット64は、給電装置1に追加搭載されている。自立出力拡張制御装置30に設けられた自立出力部36及び熱源機電力供給部37、並びに給電装置1に設けられた連系出力部85は、いずれも接続端子である。自立出力部36は電力線1jを接続可能とし、熱源機電力供給部37は電力線1kを接続可能とし、連系出力部85は、分殿盤21で商用電力経路88に繋がる電力線1mを接続可能としている。
本実施形態のコジェネレーション装置の給電装置1、自立出力拡張制御装置30、連系/自立切替スイッチ38、熱源機25の構成は、第1の実施形態と同様である。
本実施形態のコジェネレーション装置100では、商用電源22が正常である場合の連系運転、及び発電装置2が作動中に停電になったときの自立運転の作動は、前記第1の実施形態と同様である。本実施形態のコジェネレーション装置100が、第1の実施形態のコジェネレーション装置と相違するのは、発電装置2が停止しているときに商用電源22で停電が生じた場合に、第1の実施形態では自立起動運転ができないが、本実施形態では自立起動運転ができる点である。以下、発電装置2が停止しているときに商用電源22で停電が生じた場合の本実施形態のコジェネレーション装置の作動について図9〜図10を用いて説明する。
まず、図9に示すように、ステップS10において、コジェネレーション装置100は、停止・待機状態である。ステップS11において、この停止・待機状態で商用電源22で停電が発生したとする。停止・待機中での停電であるため、ステップS12において、システムは無通電状態となる。システム無通電状態とは、商用電源22が停電であり、連系運転を開始し得ない状態をいう。この状態でも、前記のように認識回路180と自立切替信号線39には蓄電手段50により電圧が印加されている。蓄電手段50の電力は消費されていない。
ステップS13において、使用者が連系/自立切替スイッチ38を手動で自立側に切り替える。第1の実施の形態と同様、熱源機25の電源供給経路が商用電源22から電力線1k(熱源機給電路)に切り替える。これに伴い、図7に示すように、連系/自立切替スイッチ38の操作と連動して自立信号が、自立切替信号線39を介して、認識回路180及び、自立起動制御装置60に入力される。
ステップS14において、自立切替信号線39の自立信号入力と連動して、第1の制御電源遮断器51の接点がONとなる。自立切替信号線39は第2の制御電源遮断器52とは接続していない。第2の制御電源遮断器52は、b接点リレーであるため、無通電状態で接点が閉じた(ON)状態を維持している。
ステップS15において、第1,第2の制御電源遮断器51,52の双方がONとされるため、蓄電手段50から制御部起動経路1rを通じて、絶縁電源回路53に12Vの直流電力が入力される。直流電力は、絶縁電源回路53で2種類の直流電力Vca,Vcbに変圧される。
ステップS16において、一方の直流電力Vcaは、起動制御部54に入力されて、起動制御部54が起動される。これとともに、ステップS17において、他方の直流電力Vcbは、自立起動制御出力部59に入力され、更に自立起動制御出力部59とシステム制御装置16とを繋ぐ経路Cを経由して、メイン制御部17を有するシステム制御装置16に給電される。これにより、システム制御装置16が起動される。
そして、ステップS18において、自立起動制御装置60の起動制御部54とシステム制御装置16のメイン制御部17との間でCPU間通信が開始される。
次に、図10に示すように、ステップS19において、起動された起動制御部54は待機状態とされる。ステップS20において、メイン制御部17は、起動制御部54とのCPU間通信により、自立起動制御装置60の自立運転の起動を認識する。ステップS21において、メイン制御部17は、自立起動制御装置60に自立運転の起動を指示する。
ステップS22において、起動制御部54は、メイン制御部17からの自立運転の起動指示を受ける。起動制御部54は、起動電力遮断器56をONとし、接点を閉じ、また、起動制御部54は、昇圧コンバータ回路57用のドライブ回路55を動作させる。
ステップS23において、蓄電手段50からの起動用の直流電源が、起動電力路1pを経て流れ、昇圧コンバータ回路57にて12Vから240Vに昇圧される。起動用の直流電源は、電力出力部81から経路Dを経て、給電装置1の電力変換装置3の自立起動入力回路14に入力される。
ステップS24において、自立起動入力回路14に入力された起動用の直流電源は、連系路1aのコンバータ回路4とインバータ回路5との間の直流中間部に入力される。ステップS25、S26において、直流中間部に入力された直流電源は、それぞれ第1,第2の内部電源10,11を起動させる。ステップS27において、第1の内部電源10は運転制御部12を起動させる。ステップS28において、起動された運転制御部12は、システム制御装置16のメイン制御部17との間でCPU間通信を開始する。
ステップS29において、メイン制御部17は、発電装置2及び電力変換装置3にガスエンジンの起動を指示する。ステップS30において、電力変換装置3では、経路Dより入力される直流電源を元に、AC/DCコンバータ回路4を介して3相交流電力に変換し、モータインバータ動作で発電装置2が起動される。即ち、交流電力で発電機のロータが回転される。ロータに連結されているガスエンジンをクランキングさせる。ステップ31において、メイン制御部17は、発電装置2のガスエンジンに点火を指示する。ガスエンジンの燃焼室内で燃料ガスに点火され、ガスエンジンへ燃焼ガスが導入される。ステップS32において、燃料ガスの燃焼によりガスエンジンが起動される。ガスエンジンで熱エネルギーが発生し、クランクシャフトで回転エネルギーに変換される。
ステップS33において、ガスエンジンの回転に対し電力変換装置3が回生制御を行うことで、給電装置1は発電状態に移行する。給電装置1が発電状態に移行すると、図1に示すように、自立出力遮断器33及び熱源機出力遮断器34は閉じられてONとされる。この時、連系出力部85の連系遮断器8および自立出力拡張制御装置30の連系遮断器31はOFFで連系路1aは遮断状態ある。これにより、コジェネレーション装置100は、自立運転を開始する。連系路1aと接続している自立出力経路1h及び熱源出力経路1iには、発電装置2から発生した電力が流れ、自立出力経路1h及び電力線1jを通じて自立専用コンセント40から非常用電力として自立電力を取り出すことができる。また、熱源出力経路1i及び電力線1kを通じて、熱源機25に電力が供給されて、熱源機25が作動を開始する。
ステップS34において、ガスエンジンの起動により発電装置2が発電状態に移行すると、発電装置2により発生した電力が、図1に示す経路Aを通じて、第1の内部電源10および第2の内部電源11に給電されて電源が確保される。システム制御装置16のメイン制御部17は、蓄電手段50による電力供給を遮断する指示を自立起動装置60に出力する。
ステップS35において、メイン制御部17の指示により、自立起動装置60の自立制御部54は、ドライブ回路55の動作を停止させて昇圧コンバータ回路57の作動を停止させる。また、自立制御部54は、起動電力遮断器56を解列(OFF)させ、起動電力路1pを遮断させる。
また、ステップS36において、メイン制御部17は、自立起動制御出力部59を通じて第2の制御電源遮断器52に遮断信号を直接出力する。第2の制御電源遮断器52が解列(OFF)されて、制御部起動経路1rが遮断される。これにより、蓄電手段50の電力消費が抑制される。
また、本実施形態のコジェネレーション装置は、蓄電手段50に充電をすることもできる。即ち、連系運転時に、自立起動制御装置60内の電圧監視回路58にて、蓄電手段50の端子間電圧を検知する。端子間電圧の状態により、システム制御装置16のメイン制御部17は、自立制御装置60内の充電遮断器63を制御する。商用電源22が正常で連系運転をしている際または余剰の電力が発生したときなどに、充電遮断器63をONとすることで、連系路1a上のノイズフィルタ19に設けられているAC分岐路61から経路Eを通じて、自立起動ユニット64内の充電回路62に交流電流を供給する。充電回路62は、AC/DCコンバータ回路であり、交流電流を直流電流に変換して蓄電手段50により蓄電可能な形式の電流とする。充電回路62から出力された直流電流は、蓄電路1sを経て蓄電手段50に給電される。
本実施形態では、充電回路62は、給電装置1のノイズフィルタ19と自立起動制御装置60の蓄電入力部84との間にAC/DC変換回路として配置したが、充電回路62は、給電装置1と自立起動装置60の蓄電手段50との間であれば、どこに配置してもよい。充電回路62は、例えば、図11に示すように、自立起動装置60の起動電力路1pの途中にDC/DC変換回路として設けることもできる。充電回路62は、起動電力路1pの電力出力部82と逆流防止ダイオード81との間に配置することがよい。この場合、充電回路62は、DC/DCインバータ回路(降圧変換器)であるとよい。図11に示す位置に充電回路62を配置する場合にも、充電回路62と蓄電手段50との間には、充電遮断器63を配置するとよい。充電遮断器63は、自立起動制御出力部59を通じてメイン制御部17の指示により開閉する。
(第3の実施形態)
本実施形態のコジェネレーション装置は、図12に示すように、自立起動ユニット64に更に太陽光発電装置67が追加搭載されている。自立起動ユニット64は、太陽光発電装置67で生じた電力が入力される太陽光発電入力部65と、2つの昇圧コンバータ回路57a、57bと、ドライブ回路55a、55bとを有する。太陽光発電装置67は、太陽電池モジュールを備えており、200V程度の直流電力を発生させ得る。2つの昇圧コンバータ回路57a、57bは、起動電力路1p上に配置されている。一方の昇圧コンバータ回路57aは蓄電手段50の側に配置され、他方の昇圧コンバータ回路57bは電力出力部82の側に配置されている。昇圧コンバータ回路57aと昇圧コンバータ回路57bとの間には、太陽光発電入力部65から入力される電源を合流させる接続点1qが形成されている。蓄電手段50からの直流電力の電圧が12Vである場合、一方の昇圧コンバータ回路57aは、蓄電手段50の側から流れてくる直流電力を太陽光発電装置67と同レベルの200V程度まで昇圧させる。他方の昇圧コンバータ回路57bは、200Vの直流電力を発電装置2の起動に必要な電圧240〜300V程度まで昇圧させる。ドライブ回路55a、55bは、起動制御部54からの信号を受けて、昇圧コンバータ回路57a、57bを駆動させる。
また、太陽光発電入力部65と接続点1qとの間には、逆流防止ダイオード85が配設されている。ダイオード85は、夜間などで太陽光発電装置67の発電量がゼロに近いときに、起動電力路1pからの電流が太陽光発電装置67に逆流することを防止している。
太陽光発電入力部65から接続点1qへの経路の延長線上に、電源回路66が設けられている。電源回路66は、降圧変換器であり、太陽光発電入力部65で発生した200Vの直流電流を12Vの直流電流に変換する。電源回路66から生成した12Vの直流電流は、起動電力路1p上の蓄電手段50と制御電源遮断器56との間に供給される。その他の構成は、第2の実施形態と同様である。
本実施形態のコジェネレーション装置の自立起動ユニット64以外の構成、即ち、給電装置1、自立出力拡張制御装置30、連系/自立切替スイッチ38、熱源機25の構成は、第2の実施形態と同様である。
実施形態のコジェネレーション装置の作動を説明する。発電装置2が停止している間に商用電源3で停電が生じた場合、第2の実施形態と同様に、電力変換装置3が停止した後に連系/自立切替スイッチ38が自立側に切り替えられたとき(図9のステップS13)、第1,第2の制御電源遮断器51、52がONとされる。これにより、太陽光発電装置67で発生した200Vの直流電力が、電源回路66で12Vに降圧され、制御部起動経路1rに入力される。また、蓄電手段50に電力が蓄積されている場合には、蓄電手段50からも制御起動経路1rに電力が入力される。制御部起動経路1r上に配設されている絶縁電源回路53は、12Vの直流電力を5Vに降圧させる。以後、図9,図10のステップS16〜S21を行う。
次に、起動電力遮断器56をONとするとともに、ドライブ回路55a、55bに昇圧信号を送り、昇圧コンバータ回路57a、57bを作動させる。すると、起動電源路1pに直流電源が流れ、起動電力路1p途中の昇圧コンバータ回路57aで12Vから200V、昇圧コンバータ回路57bで240V〜300Vに昇圧される。ステップS24〜S33において、電力出力部82から経路Dを経て運転制御部12を起動させ、発電装置2を起動させて、給電装置1を発電状態とする。メイン制御部17から自立起動制御装置60に停止指示が出力され、ドライブ回路55a、55bの作動が停止され、起動電力遮断器56が開放(OFF)とされ、制御電源遮断器52が開放(OFF)される。
本実施形態では、自立起動制御装置60が、蓄電手段50を備えているだけでなく、太陽光発電装置67にも接続されている。このため、蓄電手段50に蓄積されている電力がゼロに近いときであっても、太陽光発電装置67により電力が生成される。また、夜間などのように太陽光発電装置67で生成する電力がゼロに近いときであっても、蓄電手段50により発電装置を起動させて発電状態とすることができる。このため、自立起動制御装置60により給電装置1を確実に起動させることができる。
本実施形態においては、商用電源22が正常で給電装置1が連系運転しているときに、ノイズフィルタ19から取り込み充電回路62を通じて蓄電手段50を蓄電している。しかし、給電装置1からの出力電力で蓄電する代わりに、太陽光発電装置67で生成した電力を太陽光発電入力部65及び電源回路66を通じて蓄電手段50に蓄電させることができる。太陽光発電装置67により蓄電手段50に蓄電する場合、充電回路62、蓄電入力部84、充電遮断器63は不要となる。
また、本実施形態では蓄電手段50と太陽光発電装置67とを併用しているが、蓄電手段50は設けていなくてもよい。蓄電手段50を設けていない場合には、充電回路62及び充電遮断器63も不要となる。そして、太陽光発電装置67により生成する電力で、発電装置2を起動させることとなる。
(第4の実施形態)
本実施形態のコジェネレーション装置は、図13に示すように、連系/自立切替スイッチ38の構成が第2の実施形態のコジェネレーション装置と相違する。
本実施形態では、連系/自立切替スイッチ38は3点連動スイッチであり、連系給電路を構成する電力線と、停電時給電路を構成する電力線1jと、熱源機給電路を構成する電力線1kのそれぞれの途中に配設されていて、各線を切断、接続する。連系/自立切替スイッチ38により、連系給電路を構成する電力線を接続(ON)、停電時給電路を構成する電力線1jを切断(OFF)、熱源機給電路を構成する電力線1kを切断(OFF)とすると、連系運転が行われる。連系給電路を構成する電力線を切断(OFF)、停電時給電路を構成する電力線1jを接続(ON)、熱源機給電路を構成する電力線1kを接続(ON)とすると、自立運転が行われる。連系/自立切替スイッチ38の切替操作は使用者が手動で行う。連系/自立切替スイッチ38の切替は、第1の実施形態と同様に、信号スイッチ38aの切替に機械的に連動する(図2)。
商用電源22が正常である場合に、連系/自立切替スイッチ38を連系運転モードに切り替えると、熱源機25は商用系統電力により作動される。商用電源22に停電が生じた場合には、第2の実施形態の図9に示すステップS12と同様に、コジェネレーション装置が無通電状態とされる。ステップS13において、連系/自立切替スイッチ38の切替により、自立運転モードに切り替えると、信号スイッチ38aが接続(ON)されて、自立切替信号線39を通じて自立起動制御装置60に送信される。自立起動制御装置60の起動制御部が切替信号を検知すると、これをトリガーとして、ステップS14〜S36において、自立起動制御装置60の起動運転が開始され、発電装置2及び電力変換装置3が起動されて自立運転が開始される。
本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、連系/自立切替スイッチ38により熱源機25と自立出力拡張制御装置30とが接続されたことをトリガーとして、自立起動制御装置60が作動を開始している。このため、発電装置2が起動するときに、熱源機25の作動により発電装置2から発生する熱が回収される。ゆえに、発電装置2が長時間作動することができ、自立専用コンセント40から非常用電力を長期間取り出すことができる。
(第5の実施形態)
本実施形態のコジェネレーション装置は、震度計を備えている。震度計は、図1に示すシステム制御装置16に配設されている。震度計は震度に関する震度情報をメイン制御部17に送信する。メイン制御部17は震度計から送信される震度情報に基づいて、コジェネレーション装置100の作動を停止するか、それとも自己消費運転を行うかを判断する。本実施形態のコジェネレーション装置のその他の構成は、第1の実施形態と同様である。
図14は、本実施形態の地震発生により停電した場合のコジェネレーション装置の作動を示すフローチャートである。図14のステップS1〜S8は、図4に示すフローチャートのステップS1〜S8と同じである。ステップS1において、発電装置2が作動して連系運転を行っているときに、ステップS2において停電が発生したとする。この場合、給電装置1の自立出力拡張制御装置30の連系遮断器31が解列する。迂回路1fが遮断されて、迂回路1fを接続している連系路1aも遮断される。
次に、ステップS41において、震度計が震度を検出し、震度に関する震度情報をメイン制御部17に送信する。メイン制御部17は、停電時運転制御手段を有する。停電時運転制御手段は、震度情報に基づいて、コジェネレーション装置100の自己消費運転を緊急停止させるか否かの判断を行う。震度が所定値以上の場合にはステップS42においてコジェネレーション装置100の自己消費運転を緊急停止させ、所定値未満の場合にはステップS43において自己消費運転に移行する。メイン制御部17が自己消費運転を行うと判断した場合には、それ以後のステップS4〜S8を、図4に示す第1の実施形態のステップS4〜S8と同様に行う。
本実施形態においては、地震により停電が生じた場合、メイン制御部17は、コジェネレーション装置が自己消費運転をすることが可能か、又は緊急停止をさせることが必要かを判断している。このため震度が所定値未満の場合で自己消費運転が可能である場合には、コジェネレーション装置は自己消費運転を行い、自立運転に備える。このため、停電時に不用意な停止を防止できる。また、震度が所定値以上である場合には、メイン制御部17の判断で緊急停止される。このため、震度が大きい場合にコジェネレーション装置の自己消費運転を回避させることができる。
また、本実施形態において、ステップS41において、震度が所定値以上である場合には、コジェネレーション装置100を緊急停止させると判断する。緊急停止した場合の停電時の再起動は、第2の実施形態以降いずれかの起動構成およびステップが必要となる。
また、本実施形態においては地震により緊急停止する必要があるか否かを判断したが、発電装置2への燃料ガスの供給が停止したか否かを判断基準にすることも可能である。この場合、発電装置2への燃料ガスの供給が停止した場合にはコジェレネーション装置を緊急停止させる。
また、コジェネレーション装置の筐体内部に水分計を設けて、水分検知の際にコジェネレーション装置を救急停止させることも可能である。これにより、浸水時などの漏電を防止することができる。
(変形例)
第1〜第5の実施形態では、自立出力拡張制御装置30を給電装置1とは別個に追加搭載している。しかし、自立出力拡張制御装置30は、給電装置1の中に組み入れて、一体構成とすることも可能である。また、第2〜第4の実施形態では、自立起動制御装置60を給電装置1及び自立出力拡張制御装置30とは別個に追加搭載している。しかし、自立起動制御装置60は、給電装置1及び自立出力拡張制御装置30の中に組み入れて一体構成とすることも可能である。