JP5919888B2 - 回転電機に配設される界磁極用磁石体を構成する磁石片を、永久磁石体を割断して製造する割断方法及び割断装置 - Google Patents

回転電機に配設される界磁極用磁石体を構成する磁石片を、永久磁石体を割断して製造する割断方法及び割断装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5919888B2
JP5919888B2 JP2012045207A JP2012045207A JP5919888B2 JP 5919888 B2 JP5919888 B2 JP 5919888B2 JP 2012045207 A JP2012045207 A JP 2012045207A JP 2012045207 A JP2012045207 A JP 2012045207A JP 5919888 B2 JP5919888 B2 JP 5919888B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cleaving
magnet
magnet body
moment
piece
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012045207A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013183518A (ja
Inventor
泰久 小池
泰久 小池
西村 公男
公男 西村
渡辺 英樹
英樹 渡辺
関川 岳
岳 関川
一宏 高市
一宏 高市
晃久 堀
晃久 堀
靖志 松下
靖志 松下
巧 大島
巧 大島
国朋 石黒
国朋 石黒
敏文 白木
敏文 白木
重征 石井
重征 石井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2012045207A priority Critical patent/JP5919888B2/ja
Priority to PCT/JP2013/054500 priority patent/WO2013129248A1/ja
Publication of JP2013183518A publication Critical patent/JP2013183518A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5919888B2 publication Critical patent/JP5919888B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02KDYNAMO-ELECTRIC MACHINES
    • H02K15/00Methods or apparatus specially adapted for manufacturing, assembling, maintaining or repairing of dynamo-electric machines
    • H02K15/02Methods or apparatus specially adapted for manufacturing, assembling, maintaining or repairing of dynamo-electric machines of stator or rotor bodies
    • H02K15/03Methods or apparatus specially adapted for manufacturing, assembling, maintaining or repairing of dynamo-electric machines of stator or rotor bodies having permanent magnets

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Permanent Field Magnets Of Synchronous Machinery (AREA)

Description

本発明は、回転電機に配設される界磁極用磁石体を構成する磁石片を、永久磁石体を割断して製造する割断方法及び割断装置に関するものである。
永久磁石回転電機に配設される界磁極用磁石体として、板状の磁石体(以下、単に「磁石体」と示す)を割断して複数の磁石片とし、この複数の磁石片同士を接着することによって形成した界磁極用磁石体が知られている。このような界磁極用磁石体は、複数の磁石片で形成されるため個々の磁石片の体積を小さくすることができ、ロータの回転による磁界の変動によって磁石片に発生する渦電流を低減させることができる。これにより、渦電流の発生に伴う界磁極用磁石体の発熱を抑制し、不可逆な熱減磁を防止することができる。
特許文献1は、割断予定線に沿って切り欠きを設けた磁石体を、割断予定線と垂直方向の両端部において磁石体を支持するダイに載置し、割断予定線の上部を下方へとパンチによって押し込むことで、磁石体を割断予定線に沿って割断して複数の磁石片を製造することを開示している。
特開2009−142081公報
磁石体は、ダイ上で長手方向に送られ、送り方向の先端部から順に1個ずつパンチによって割断されていく。磁石体は割断予定線の両側をダイによって支持された状態で、割断予定線の上部からパンチを下方向に押し込むことで割断される。つまり、磁石体は3点曲げによって割断される。
曲げ荷重が作用する箇所を挟んで磁石体の送り方向側と、送り方向と反対側とでは、磁石体の長さが異なる。すなわち、送り方向側の磁石体は、割断後の磁石片そのものであるから磁石片1個分の長さであるのに対して、送り方向と反対側の磁石体は、最後の割断時を除いて磁石片2個分以上の長さを有する。
したがって、送り方向と反対側の磁石体には、支持点より後方の磁石体の自重及び慣性によってモーメントが発生する。これにより、磁石体に生じる曲げ応力が割断予定線より送り方向側にずれることになる。
よって、亀裂開始位置である割断予定線の切り欠きから磁石体の送り方向へ向けて斜めに亀裂が進展し、異常割れが発生する可能性がある。
本発明は、このような技術的課題に鑑みてなされたものであり、磁石体の割断時に亀裂開始位置から斜めに亀裂が進展して異常割れとなることを防止できる割断方法及び割断装置を提供することを目的とする。
本発明のある態様によれば、回転電機に配設される界磁極用磁石体を構成する磁石片を、永久磁石体を割断して製造する割断方法が提供される。この割断方法は、磁石体を下方から2つの支点で支持した状態で、両支点間の割断位置の上方から磁石体を下向きに押圧することで、磁石体を割断後磁石体と割断後磁石体より小さい磁石片とに割断する工程と、磁石体の押圧によって磁石体に生じるモーメントとは逆向きであり且つ割断後の磁石体と磁石片の大きさの差が小さくなるに連れて小さく設定したモーメントを、割断時に磁石片に付与する工程と、を含む。
上記態様によれば、両支点間の磁石体に生じる曲げ応力の偏りが抑制されるので、磁石体の割断時に亀裂の開始位置と亀裂の進展位置との横方向のずれが小さくなる。よって、亀裂が斜めに進展する異常割れの発生を抑制することができる。
本実施形態における割断方法及び割断装置によって製造された磁石片から構成される界磁極用磁石体を適用した永久磁石型電動機の主要部の構成を示す概略構成図である。 図1Aの永久磁石型電動機のI−I断面を示す断面図である。 界磁極用磁石体の構成を示す構成図である。 磁石体の溝入れ工程について説明するための図である。 磁石体のバリ取り工程について説明するための図である。 磁石体の割断工程について説明するための図である。 比較例における割断装置の割断工程を示す図である。 比較例における割断装置の割断工程を示す図である。 比較例において磁石体に作用するモーメントについて説明した図である。 第1実施形態における割断装置の割断工程を示した図である。 第1実施形態における割断装置の割断工程を示した図である。 第1実施形態における割断装置の割断工程を示した図である。 第1実施形態における割断装置の割断工程を示した図である。 第1実施形態における割断装置の割断工程を示した図である。 第1実施形態における割断装置の割断工程を示した図である。 第1実施形態において磁石体に作用するモーメントについて説明した図である。 第2実施形態における割断装置の割断工程を示した図である。 第2実施形態における割断装置の割断工程を示した図である。 第2実施形態における割断装置の割断工程を示した図である。 第2実施形態における割断装置の割断工程を示した図である。 第2実施形態における割断装置の割断工程を示した図である。 第2実施形態における割断装置の割断工程を示した図である。 第2実施形態において磁石体に作用するモーメントについて説明した図である。 第3実施形態における割断装置を示した図である。
以下では図面を参照して本発明の実施の形態について詳しく説明する。
第1実施形態について説明する。
図1A及び図1AのI−I断面を示す図1Bは、本実施形態における割断方法及び割断装置によって製造された磁石片から構成される界磁極用磁石体80を適用した永久磁石埋込型回転電機A(以下、単に「回転電機A」という)を示している。
回転電機Aは、ケーシングの一部を構成する円環形のステータ10と、このステータ10と同軸的に配置された円柱形のロータ20とから構成される。
ステータ10は、ステータコア11と、複数のコイル12とから構成され、複数のコイル12はステータコア11に軸心Oを中心とした同一円周上に等角度間隔で形成されるスロット13に収設される。
ロータ20は、ロータコア21と、ロータコア21と一体的に回転する回転軸23と、複数の界磁極用磁石体80とから構成され、複数の界磁極用磁石体80は軸心Oを中心とした同一円周上に等角度間隔で形成されるスロット22に収設される。
ロータ20のスロット22に収設される界磁極用磁石体80は、図2に示すように、複数の磁石片31を一列に整列させた磁石片31の集合体として構成される。磁石片31は、長方形の上下面を有する板状の磁石体30を長方形の短辺方向に沿って割断することにより分割される。界磁極用磁石体80は、分割された複数の磁石片31の割断面同士を樹脂32により接着して構成される。使用される樹脂32は、例えば200℃程度の耐熱性能を備えるものが使用され、隣接する磁石片31同士を電気的に絶縁する。これにより、作用する磁界の変動により磁石片31に発生する渦電流を個々の磁石片31内に留めることで低減させ、渦電流に伴う界磁極用磁石体80の発熱を抑制して、不可逆な熱減磁を防止することができる。
次に、図3A〜図3Cを参照して板状の磁石体30から複数の磁石片31を製造する過程について説明する。
磁石体30を複数の磁石片31に割断するために、磁石体30の割断しようとする部位(割断予定線)に、図3Aに示すように、予め切り欠き溝33等から成る脆弱部を形成することが有効である。設ける切り欠き溝33は、表面からの深さが深いほど、また、切り欠き溝33の先端の尖りが鋭いほど、磁石片31として割断した場合の割断面の平面度が向上する。
切り欠き溝33の形成方法としては、磁石体30の成形型に設けた溝形成用の突条により磁石体30の成形工程で設ける方法、ダイサーやスライサー等の機械加工による方法、レーザビーム照射による方法、ワイヤカット放電加工等がある。
切り欠き溝33が形成される際、切り欠き溝33に沿ってバリ34が発生するので、このバリ34を、図3Bに示すように、バリ取り工程において除去する。
続いて、割断工程において、切り欠き溝33を下にした状態で切り欠き溝33のない側から溝33に対応する位置を後述するパンチによって押圧することで、図3Cに示すように、磁石体30が切り欠き溝33に沿って割断されて複数の磁石片31となる。
図4A及び図4Bは、図3Cに示す割断工程を行う比較例における割断装置40の概略を示している。
割断装置40は、一対のダイ41、42間に磁石体30を架け渡した状態で載置し、架け渡した部分に上部からパンチ43を下降させて、磁石体30を3点曲げにより割断する装置である。割断装置40は、磁石体30を架け渡して載置する下型としての一対のダイ41、42と、磁石体30の架け渡した部分を押し込むことで磁石体30を割断させるパンチ43と、磁石体30を一端部から順にパンチ43の直下に送る磁石搬送装置44と、を備える(図4A)。
パンチ43は、一対のダイ41、42に架け渡された磁石体30の上面を下方へ押圧することで磁石体30を割断させる。パンチ43は、先端が一対のダイ41、42間の中間に位置するように位置決めされており、例えばサーボプレス、機械プレス、油圧プレスなどによって駆動される。
割断装置40は以上のように構成され、切り欠き溝33を設けた磁石体30を一対のダイ41、42の上面に架け渡して載置する。なお、磁石体30は、割断させたい所望の位置、即ち、割断予定線に予め設ける切り欠き溝33が、ダイ41、42側に対面する側に位置するように、一対のダイ41、42上に載置される。
そして、磁石搬送装置44によって、割断予定線としての切り欠き溝33が一対のダイ41、42間の中間に位置するように位置合わせした状態で、パンチ43を下降させる。パンチ43を下降させるとパンチ43が切り欠き溝33の裏側を下方へと押圧し、パンチ43及び一対のダイ41、42の互いに隣接する縁部41a、42aの3点曲げにより磁石体30は切り欠き溝33に沿って割断される(図4B)。
ところで、磁石体30は、一端側から順に磁石片1個分ずつ割断されるので、磁石片31と割断後に残る磁石体30とは大きさが異なる。すなわち、最後の割断が行われる場合以外は常に磁石片31の方が小さい。
これにより、割断時の亀裂35の開始位置である切り欠き溝33から上方へと進展する亀裂35が磁石片31の方へと傾いて斜めに進展し、異常割れとなる場合がある。
この異常割れについて、図5の模式図を参照しながら説明する。
一対のダイ41、42上に載置された磁石体30をパンチ43によって下方へと押圧することは、一対のダイの隣接する縁部41a、42aを2つの支点45、46とし、パンチ43の当接部位47を1点集中荷重とした3点曲げとして考えることができる。
この場合、パンチ43の押圧力を曲げ応力P1とし、図中左側の支点45より他端側(図中左側)の磁石体30の自重及び慣性によるモーメントをM1とすると、図5に示すようになる。割断後に磁石片31となる側の磁石体30は、右側の支点46より右側の部分が小さいので、自重及び慣性によるモーメントはほとんど作用しない。
曲げ応力P1のM図は、図示のように、パンチ43の当接部位47を中心として両支点45、46間の磁石体30を下方に凸形状となるように正のモーメントが作用することから、パンチ43の当接部位47を最大値とする左右対称な三角形状となる。
一方、モーメントM1のM図は、図示のように、左側の支点45を中心として両支点45、46間の磁石体30を上方に凸形状となるように負のモーメントが作用することから、左側の支点45を最低値(絶対値が最大値)とする三角形状となる。
磁石体30の割断時には、上記した曲げ応力P1とモーメントM1とが同時に作用することから、P1のM図とM1のM図とを重ね合わせると、全体の曲げ応力はパンチ43の当接部位47より右側に偏ってしまう。
これにより、亀裂35は粗材の弱い切り欠き溝33から開始するが、右側に偏って上方へと進展し、異常割れが生じる。
そこで、本実施形態では、磁石体30の割断工程を以下のように行っている。
図6A〜図6Fは、本実施形態における割断装置60Aの割断工程を示した図である。本実施形態では、一対のダイ61、62上に載置された磁石体30の送り方向先端側(図中右端側)に磁石押圧シリンダ65を設けた(図6A)。
磁石押圧シリンダ65は、パンチ63と平行でかつ上下方向に駆動可能に配置され、磁石体30の送り方向先端側を下方へと押圧する磁石押さえ66と、磁石押さえ66を下方へと押圧するバネ67と、を備える。磁石押さえ66は、右側のダイ62の縁部62a、つまり、右側の支点より右側において磁石体30を押圧するように配置される。
磁石押圧シリンダ65は、例えばACサーボモータとボールネジとを組み合わせて上下に駆動することが可能である。これにより、バネ67のプリロードを変更して、磁石押さえ66による磁石体30への押圧力P2を任意に変更することができる。
磁石体30におけるモーメントの作用について図7の模式図を参照して説明する。
パンチ63の押圧力による曲げ応力P1と、磁石体30の自重及び慣性によるモーメントM1とは、図5と同様である。本実施形態では、磁石体30の右側の支点72より右側を磁石押圧シリンダ65によって下方へと押圧するので、磁石体30の右端には押圧力P2が作用する。
押圧力P2のM図は、図示のように、右側の支点72を中心として両支点71、72間の磁石体30を上方に凸形状となるように負のモーメントが作用することから、右側の支点72を最低値(絶対値が最大値)とする三角形状となる。
磁石体30の割断時には上記した曲げ応力P1とモーメントM1とに加えて、押圧力P2が同時に作用することから、P1のM図とM1のM図とP2のM図とを重ね合わせると、全体の曲げ応力はパンチ63の当接位置を中心に左右対称な形状となる。
これにより、切り欠き溝33から進展する亀裂35が、左右に偏ることなく上方へと進展し、斜めに傾いて割断することを防止することができる。
上記のようにして、磁石体30の1片目を割断すると(図6B)、磁石押圧シリンダ65を上昇させ、磁石押さえ66を磁石片31から離間させる。さらに、磁石搬送装置64によって磁石体30を送り方向へと磁石片1個分だけ送る(図6C)。
次に、磁石押圧シリンダ65を下方へと駆動して磁石押さえ66によって磁石体30を押圧して、パンチ63を下降させて磁石体30を割断する(図6D)。この時、磁石押圧シリンダ65の下降量、すなわち磁石押さえ66の押圧力P2は、図6Bにおける1片目の割断時より小さく設定する。
これは、1片目の割断時に比べて割断後の磁石体30と磁石片31との間の大きさの差が小さく、割断時の曲げ応力の偏りが1片目の割断時より小さくなるからである。
このようにして磁石片31を順次割断していき、最後の割断を行うため磁石体30を送り方向に送る(図6E)。この時、割断後の磁石体30と磁石片31との間の大きさは同一であるので、磁石押さえ66を磁石体に押圧させない。磁石押さえ66は割断後の磁石片31が落下しない程度に磁石体30に当接させ、最後の割断を行う(図6F)。
以上のように本実施形態では、磁石体30の割断時にパンチ63によって付与される曲げ応力によって磁石体30に生じるモーメントとは逆向きのモーメントを磁石片31に付与するので、割断後の磁石体30の自重及び慣性によるモーメントによって両支点71、72間の磁石体30に生じる曲げ応力の分布の偏りを抑制することができる。よって、亀裂35の開始位置である切り欠き溝33と亀裂35の進展位置とのずれが小さくなるので、亀裂35が斜めに進展して異常割れとなることを防止することができる。
さらに、亀裂35が斜めに進展することを防止できることで切り欠き溝33の深さを深くする必要がなくなるので、溝加工によって失われる磁石量を抑えることができ、界磁極用磁石体80とした場合により大きな磁力を確保することができる。
さらに、亀裂35が斜めに進展することを防止できることで切り欠き溝33の底のRを小さくする必要がなくなるので、切り欠き溝33を加工する工具先端のRを大きくすることができ、工具の摩耗を防ぐことができる。
また、磁石片31に付与する逆向きのモーメントは、磁石片31を支持している支点72より外側(パンチ63の当接部位73と反対側)を磁石押圧シリンダ65によって下向きに押圧することで付与するので、より確実に逆向きのモーメントを付与することができる。
第2実施形態について説明する。
図8A〜図8Fは、本実施形態における割断装置60Bの割断工程を示した図である。本実施形態では、一対のダイ61、62上に載置された磁石体30の送り方向先端側(図中右端側)であって右側ダイ62の縁部62aより左側に磁石押圧シリンダ65を設けた(図8A)。
磁石押圧シリンダ65は、右側ダイ62の左側面に隣接してパンチ63と平行でかつ上下方向に駆動可能に配置され、磁石体30の送り方向先端側であってパンチ63の当接部位と右側ダイ62との間を上方へと押圧する磁石押さえ66と、磁石押さえ66を下方へと押圧するバネ67と、を備える。磁石押さえ66は、右側ダイ62の縁部62a、つまり、右側の支点より左側において磁石体30を押圧するように配置される。
磁石押圧シリンダ65は、例えばACサーボモータとボールネジとを組み合わせて上下に駆動することが可能である。これにより、バネ67のプリロードを変更して、磁石押さえ66による磁石体30への押圧力P3を任意に変更することができる。
磁石体30におけるモーメントの作用について図9の模式図を参照して説明する。
パンチ63の押圧力による曲げ応力P1と、磁石体30の自重及び慣性によるモーメントM1とは、図5と同様である。本実施形態では、磁石体30の右側の支点72より左側を磁石押圧シリンダ65によって上方へと押圧するので、磁石体30の右側の支点72と曲げ応力P1の作用点73との間には押圧力P3が作用する。
押圧力P3のM図は、図示のように、右側の支点72を中心として両支点71、72間の磁石体30を上方に凸形状となるように負のモーメントが作用することから、右側の支点72を最低値(絶対値が最大値)とする三角形状となる。
磁石体30の割断時には上記した曲げ応力P1とモーメントM1とに加えて、押圧力P3が同時に作用することから、P1のM図とM1のM図とP3のM図とを重ね合わせると、全体の曲げ応力はパンチ63の当接部位73を中心に左右対称な形状となる。
これにより、切り欠き溝33から進展する亀裂35が、左右に偏ることなく上方へと進展し、斜めに傾いて割断することを防止することができる。
上記のようにして、磁石体30の1片目を割断すると(図8B)、磁石押圧シリンダ65の押圧力を低下させ、磁石押さえ66を磁石片31から離間させる。さらに、磁石搬送装置64によって磁石体30を送り方向へと磁石片1個分だけ送る(図8C)。
次に、磁石押圧シリンダ65を上方へと駆動して磁石押さえ66によって磁石体30を押圧し、パンチ63を下降させて磁石体30を割断する(図8D)。この時、磁石押圧シリンダ65の上昇量、すなわち磁石押さえ66の押圧力P3は、図8Bにおける1片目の割断時より小さく設定する。
これは、1片目の割断時に比べて割断後の磁石体30と磁石片31との間の大きさの差が小さく、割断時の曲げ応力の偏りが1片目の割断時より小さくなるからである。
このようにして磁石片31を順次割断していき、最後の割断を行うため磁石体30を送り方向に送る(図8E)。この時、割断後の磁石体30と磁石片31との間の大きさは同一であるので、磁石押圧シリンダ65を上昇させない。磁石押さえ66は割断後の磁石片31が落下しない程度に磁石体30に当接させ、最後の割断を行う(図8F)。
以上のように本実施形態では、磁石体30の割断時にパンチ63によって付与される曲げ応力によって磁石体30に生じるモーメントとは逆向きのモーメントを磁石片31に付与するので、割断後の磁石体30の自重及び慣性によるモーメントによって両支点間の磁石体30に生じる曲げ応力の分布の偏りを抑制することができる。よって、亀裂35の開始位置である切り欠き溝33と亀裂35の進展位置とのずれが小さくなるので、亀裂35が斜めに進展して異常割れとなることを防止することができる。
さらに、亀裂35が斜めに進展することを防止できることで切り欠き溝33の深さを深くする必要がなくなるので、溝加工によって失われる磁石量を抑えることができ、界磁極用磁石体80とした場合により大きな磁力を確保することができる。
さらに、亀裂35が斜めに進展することを防止できることで切り欠き溝33の底のRを小さくする必要がなくなるので、切り欠き溝33を加工する工具先端のRを大きくすることができ、工具の摩耗を防ぐことができる。
また、磁石片31に付与する逆向きのモーメントは、磁石片31を支持している支点72より内側(パンチ63の当接部位73側)を磁石押圧シリンダ65によって上向きに押圧することで付与するので、より確実に逆向きのモーメントを付与することができる。
第3実施形態について説明する。
図10は、本実施形態における割断装置60Cを示した図である。本実施形態では、第1実施形態の磁石押圧シリンダ65及び第2実施形態の磁石押圧シリンダ65を両方備える。さらに、パンチ63の駆動方向を中心線として左右対称に上下2つの磁石押圧シリンダ65が配置される。つまり、パンチ63を挟んで両側の磁石体30の上下にそれぞれ一つずつ、合計4つの磁石押圧シリンダ65が設けられる。
各磁石押圧シリンダ65の押圧力は、それぞれ独立に変更することができ、割断後の磁石体30と磁石片31との大きさの違いに応じて磁石体30にモーメントを付与する。
磁石押圧シリンダ65の押圧力は、割断後の磁石体30と磁石片31との大きさの差が大きいほど、左側の上下の磁石押圧シリンダ65よりも、右側の上下の磁石押圧シリンダ65の方が大きくなるように設定される。
これにより、磁石体30の割断時にパンチ63によって付与される曲げ応力によって磁石体30に生じるモーメントとは逆向きのモーメントが磁石片31に付与されるので、両支点間の磁石体30に生じる曲げ応力の分布の偏りを抑制することができる。よって、亀裂35の開始位置である切り欠き溝33と亀裂35の進展位置とのずれが小さくなるので、亀裂35が斜めに進展して異常割れとなることを防止することができる。
さらに、亀裂35が斜めに進展することを防止できることで切り欠き溝33の深さを深くする必要がなくなるので、溝加工によって失われる磁石量を抑えることができ、界磁極用磁石体80とした場合により大きな磁力を確保することができる。
さらに、亀裂35が斜めに進展することを防止できることで切り欠き溝33の底のRを小さくする必要がなくなるので、切り欠き溝33を加工する工具先端のRを大きくすることができ、工具の摩耗を防ぐことができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例を示したものに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
30 磁石体
31 磁石片
61 ダイ(支持部)
62 ダイ(支持部)
63 パンチ(割断手段)
65 磁石押圧シリンダ(モーメント付与手段)
71 支点
72 支点
73 当接部位(割断位置)
80 界磁極用磁石体
A 回転電機

Claims (8)

  1. 回転電機に配設される界磁極用磁石体を構成する磁石片を、永久磁石体を割断して製造する割断方法であって、
    前記磁石体を下方から2つの支点で支持した状態で、両支点間の割断位置の上方から前記磁石体を下向きに押圧することで、前記磁石体を割断後磁石体と前記割断後磁石体より小さい磁石片とに割断する工程と、
    前記磁石体の押圧によって前記磁石体に生じるモーメントとは逆向きであり且つ割断後の磁石体と磁石片の大きさの差が小さくなるに連れて小さく設定したモーメントを、割断時に前記磁石片に付与する工程と、を含むことを特徴とする割断方法。
  2. 請求項1に記載の割断方法であって、
    前記モーメントを付与する工程は、前記磁石片の前記支点より前記割断位置とは反対側を下方へと押圧することを特徴とする割断方法。
  3. 回転電機に配設される界磁極用磁石体を構成する磁石片を、永久磁石体を割断して製造する割断方法であって、
    前記磁石体を下方から2つの支点で支持した状態で、両支点間の割断位置の上方から前記磁石体を下向きに押圧することで、前記磁石体を割断後磁石体と前記割断後磁石体より小さい磁石片とに割断する工程と、
    前記磁石体の押圧によって前記磁石体に生じるモーメントとは逆向きのモーメントを、割断時に前記磁石片に付与する工程と、を備え、
    前記モーメントを付与する工程は、前記磁石片の前記支点より前記割断位置側を上方へと押圧することを特徴とする割断方法。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の割断方法であって、
    前記モーメントを付与する工程は、前記磁石片の前記支点より前記割断位置とは反対側を下方へと押圧し、前記磁石片の前記支点より前記割断位置側を上方へと押圧する、ことを特徴とする割断方法。
  5. 回転電機に配設される界磁極用磁石体を構成する磁石片を、永久磁石体を割断して製造する割断装置であって、
    前記磁石体を2つの支点で下方から支持する支持部と、
    両支点間の割断位置の上方から前記磁石体を下向きに押圧することで、前記磁石体を割断後磁石体と前記割断後磁石体より小さい磁石片とに割断する割断手段と、
    前記磁石体の押圧によって前記磁石体に生じるモーメントとは逆向きであり且つ割断後の磁石体と磁石片の大きさの差が小さくなるに連れて小さく設定したモーメントを、割断時に前記磁石片に付与するモーメント付与手段と、を備えることを特徴とする割断装置。
  6. 請求項5に記載の割断装置であって、
    前記モーメント付与手段は、前記磁石片の前記支点より前記割断位置とは反対側を下方へと押圧することを特徴とする割断装置。
  7. 回転電機に配設される界磁極用磁石体を構成する磁石片を、永久磁石体を割断して製造する割断装置であって、
    前記磁石体を2つの支点で下方から支持する支持部と、
    両支点間の割断位置の上方から前記磁石体を下向きに押圧することで、前記磁石体を割断後磁石体と前記割断後磁石体より小さい磁石片とに割断する割断手段と、
    前記磁石体の押圧によって前記磁石体に生じるモーメントとは逆向きのモーメントを、割断時に前記磁石片に付与するモーメント付与手段と、を備え、
    前記モーメント付与手段は、前記磁石片の前記支点より前記割断位置側を上方へと押圧することを特徴とする割断装置。
  8. 請求項5から請求項7までのいずれか一項に記載の割断装置であって、
    前記モーメント付与手段は、前記磁石片の前記支点より前記割断位置とは反対側を下方へと押圧し、前記磁石片の前記支点より前記割断位置側を上方へと押圧する、ことを特徴とする割断装置。
JP2012045207A 2012-03-01 2012-03-01 回転電機に配設される界磁極用磁石体を構成する磁石片を、永久磁石体を割断して製造する割断方法及び割断装置 Active JP5919888B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012045207A JP5919888B2 (ja) 2012-03-01 2012-03-01 回転電機に配設される界磁極用磁石体を構成する磁石片を、永久磁石体を割断して製造する割断方法及び割断装置
PCT/JP2013/054500 WO2013129248A1 (ja) 2012-03-01 2013-02-22 回転電機に配設される界磁極用磁石体を構成する磁石片を、永久磁石体を割断して製造する割断方法及び割断装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012045207A JP5919888B2 (ja) 2012-03-01 2012-03-01 回転電機に配設される界磁極用磁石体を構成する磁石片を、永久磁石体を割断して製造する割断方法及び割断装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013183518A JP2013183518A (ja) 2013-09-12
JP5919888B2 true JP5919888B2 (ja) 2016-05-18

Family

ID=49082448

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012045207A Active JP5919888B2 (ja) 2012-03-01 2012-03-01 回転電機に配設される界磁極用磁石体を構成する磁石片を、永久磁石体を割断して製造する割断方法及び割断装置

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP5919888B2 (ja)
WO (1) WO2013129248A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015052976A1 (ja) * 2013-10-09 2015-04-16 日産自動車株式会社 回転電機に配設される界磁極用磁石体を構成する磁石片を製造する製造方法及び製造装置

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0784006B2 (ja) * 1986-07-29 1995-09-13 松下電器産業株式会社 基板分割装置
JP2002096321A (ja) * 2000-09-25 2002-04-02 Denso Corp 板状部材の分割方法およびその装置
JP4497198B2 (ja) * 2007-12-06 2010-07-07 トヨタ自動車株式会社 永久磁石とその製造方法、およびロータとipmモータ
JP5777849B2 (ja) * 2009-05-29 2015-09-09 三星ダイヤモンド工業株式会社 ブレイク装置及びブレイク方法
JP5614096B2 (ja) * 2010-05-19 2014-10-29 日産自動車株式会社 回転電機のロータコアに埋込まれる永久磁石およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013183518A (ja) 2013-09-12
WO2013129248A1 (ja) 2013-09-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6393019B2 (ja) 界磁極用磁石体の製造装置およびその製造方法
US8819921B2 (en) Manufacturing method of a permanent magnet dispoded in a rotating electrical machine
JP5761384B2 (ja) 界磁極用磁石体を構成する磁石片の製造方法
US9214846B2 (en) Permanent magnet, motor rotor or stator, rotary electric machine
EP3057207B1 (en) Method and device for manufacturing magnet pieces configuring a field pole magnet to be arranged in a rotary machine
JP6079887B2 (ja) 回転電機に配設される界磁極用磁石体を構成する磁石片を製造する割断方法及び割断装置
JP5849774B2 (ja) 回転電機に配設される界磁極用磁石体を構成する磁石片を、永久磁石体を割断して製造する割断方法及び割断装置
JP5919888B2 (ja) 回転電機に配設される界磁極用磁石体を構成する磁石片を、永久磁石体を割断して製造する割断方法及び割断装置
JP5994280B2 (ja) 界磁極用磁石体を構成する磁石片の製造方法および製造装置
JP5929310B2 (ja) 界磁極用磁石体を構成する磁石片の製造方法
JP5906768B2 (ja) 界磁極用磁石体を構成する磁石片の製造装置及びその製造方法
JP5761383B2 (ja) 界磁極用磁石体の製造方法
JP5994447B2 (ja) 界磁極用磁石体を構成する磁石片の製造装置及びその製造方法
JP3633272B2 (ja) リラクタンスモータの固定子とその成形装置
JP5935257B2 (ja) 界磁極用磁石体の製造装置およびその製造方法
JP5867052B2 (ja) 界磁極用磁石体の製造装置およびその製造方法
WO2013115301A1 (ja) 界磁極用磁石体を構成する磁石片の製造装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150203

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150901

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151028

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160315

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160328

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5919888

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151