JP5919623B2 - アキシャルギャップモータ及びその組立て方法 - Google Patents
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Description
アキシャルギャップモータ1は、ケース2内に、ロータ軸3に沿ってロータ4及び一対のステータ5a,5bが配置されている。
ケース2は、ロータ軸3の軸線方向に離間して配置した一対のシールド側板2a,2bと、これら一対のシールド側板2a,2bの外周縁間に固着したシールド筒状体2cとで構成されており、ロータ軸2は、ベアリング6を介してケース2のシールド側板2a,2bに回転自在に配置されている。ロータ軸2の一端には、ロータ軸2の回転位置を検出するエンコーダ14が装着されている。
一対のステータ5a,5bのうち一方のステータ5aは、円盤形状のステータバックコア10と、ステータバックコアの側面に周方向に等間隔に配置され、コイル12を巻回したステータコア11とを備え、ステータバックコア10がシールド側板2aに固定されている。また、他のステータ5aも、ステータバックコア10及びステータコア11を備え、ステータバックコア10がシールド側板2bに固定されている。
このアキシャルギャップモータ1は、コイル12に流す電流をコントロールすることで一対のステータ5a,5bに回転磁界を発生させ、この回転磁界とロータ4の永久磁石8との相互作用により、ロータ軸3に回転トルクを発生させる。
しかし、アキシャルギャップモータ1を構成する部品によっては数μmの交差を要求する箇所があり、この交差により組立て精度が悪化してしまうので、エアギャップ精度を向上させることが難しい。
そこで、本発明は、エアギャップ精度を向上させて回転トルクを向上させることができるアキシャルギャップモータを提供するとともに、組立て効率を向上させることができるアキシャルギャップモータの組立て方法を提供することを目的としている。
図1は、本発明に係る1実施形態の1ロータ2ステータのアキシャルギャップモータ20を示すものである。
本実施形態のアキシャルギャップモータ20は、ケース21内に、ロータ軸22に固定されたロータ23と、ロータ軸22の軸線方向からロータ23を挟み込むように配置した第1ステータ24及び第2ステータ25とを収納してなるものである。
ケース21は、ロータ軸22の軸線方向に離間して配置されている円盤形状の第1シールド側板21a及び第2シールド側板21bと、これら第1及び第2シールド側板21a,21bの外周に係合するシールド筒状体21cとで構成されている。
ロータ23は、ロータ軸22に固定したロータコア31と、ロータコア31から放射状に延在して周方向に等間隔に離間している複数の永久磁石32と、複数の永久磁石32の外周に配置されているローターリング33とを備えている。
また、ロータ軸22の軸線方向の他方側からロータ23に対向している第2ステータ25は、第1ステータ24の構成部材と同一の構成部材、即ち、円盤形状のステータバックコア37と、ステータバックコア37のロータ23に対向する側面に、周方向に等間隔となるように放射状に配置したコイル(不図示)を巻回した複数のステータコア38とを備えている。そして、図2に示すように、ステータバックコア37の外周面には、左ねじの雄ねじ39が形成されており、シールド筒状体21cの軸線方向他方側の左ねじの雌ねじ27に螺合している。また、シールド筒状体21cの左ねじの雌ねじ29に螺合しているステータバックコア37及び第2シールド側板21bは、ダブルナット方式により互いの回転及びロータ軸22の軸線方向への移動が拘束されている。
そして、ロータ軸22の軸線方向からロータ23を挟み込むように配置した第1及び第2ステータ24,25は、ロータ23との間に所定寸法のエアギャップ40が設けられている。また、第1及び第2ステータ24,25は、ステータバックコア34,37の角度調整用切欠き部41,42の周方向位置を一致させたことで、ロータ23を挟んで互いに対向している複数のステータコア35,38が所定の角度で対向している。
本実施形態のアキシャルギャップモータ20は、第1及び第2ステータ24,25のステータコア38に巻回したコイルに流す電流をコントロールすることで、第1及び第2ステータ24,25に回転磁界を発生させ、この回転磁界とロータ23の永久磁石32との相互作用により、ロータ軸22に回転トルクを発生させる。
本実施形態のアキシャルギャップモータ20は、第1ステータ24のステータバックコア34及び第2ステータ25のステータバックコア37を、シールド筒状体21cとのねじ係合によりロータ23に近接する方向に移動させることで所定寸法のエアギャップ40を設けることができるので、ロータ23、第1及び第2ステータ24,25の部品交差が生じていても、エアギャップ40を高精度に設定することができる。したがって、回転トルクを向上させたアキシャルギャップモータ20を提供することができる。
先ず、図3に示すように、シールド筒状体21cの右ねじの雌ねじ26に、ステータバックコア34の右ねじの雄ねじ36を螺合することで、シールド筒状体21cの内部に第1ステータ24を配置する。
次いで、図4に示すように、一体に組立てたロータ軸22及びロータ23を、ロータ軸22の軸線Pがステータバックコア34の軸線に一致するように保持部材(不図示)で保持しながら、シールド筒状体21cの内部空間に配置する。
次いで、図6に示すように、第1ステータ24のステータバックコア34の外周面に形成した角度調整用切欠き部41と、第2ステータ25のステータバックコア37の外周面に形成した角度調整用切欠き部42との周方向位置を一致させた後、ステータバックコア34,37の回転が規制され、ロータ軸22の軸線Pへの移動が可能となるように、角度調整用切欠き部41,42に回転規制棒43を係合させる。
次いで、図8に示すように、シールド筒状体21cの右ねじの雌ねじ26に、第1シールド側板21aの右ねじの雄ねじ28を螺合し、シールド筒状体21cの左ねじの雌ねじ27に、第2シールド側板21bの左ねじの雄ねじ29を螺合する。
なお、本発明に係る角度調整手段及び回転規制手段が、角度調整用切欠き部41,42及びこれらに係合する回転規制棒43に対応している。
本実施形態では、シールド筒状体21cの右ねじの雌ねじ26に右ねじの雄ねじ36が螺合しているステータバックコア34と、シールド筒状体21cの左ねじの雌ねじ27に左ねじの雄ねじ36が螺合しているステータバックコア34とがロータ23に向けて移動するように、シールド筒状体21cを回転させていくだけで、第1ステータ24、第2ステータ25とロータ23との間に所定寸法のエアギャップ40を容易に設けることができるので、アキシャルギャップモータ20の組立て効率を向上させることができる。
Claims (4)
- ケース内に、ロータ軸と、このロータ軸に同軸に固定されたロータと、前記ロータ軸の軸線方向に配置されたステータとを収納してなるアキシャルギャップモータにおいて、
前記ケースは、前記ロータの径方向外方を囲むシールド筒状体と、前記ロータ軸の軸線方向に配置され、前記シールド筒状体の内周部に外周部が係合しているシールド側板を備え、
前記シールド筒状体は内周部に雌ねじを夫々備え、
前記シールド側板は、前記シールド筒状体の雌ねじに螺合する雄ねじを外周部に備え、
前記ステータは、前記シールド筒状体の雌ねじに螺合する雄ねじを外周部に備え、
前記ステータは前記シールド側板とのダブルナット方式により互いの回転及びロータ軸の軸線方向への移動が拘束されている
ことを特徴とするアキシャルギャップモータ。 - ケース内に、ロータ軸と、このロータ軸に同軸に固定されたロータと、前記ロータ軸の軸線方向から前記ロータを挟み込む第1ステータ及び第2ステータとを収納し、
前記ケースは、前記ロータの径方向外方を囲むシールド筒状体を有し、
前記第1ステータ及び第2ステータは、前記シールド筒状体の内周部に外周部が係合しているアキシャルギャップモータにおいて、
前記シールド筒状体は、内周部の一端側に右ねじの雌ねじを、他端側に左ねじの雌ねじを備え、
前記第1ステータ及び第2ステータは、前記シールド筒状体の雌ねじに螺合する雄ねじを外周部に備えた
ことを特徴とするアキシャルギャップモータ。 - 前記請求項2に記載のアキシャルギャップモータの組立て方法において、
先ず、前記シールド筒状体の一端側の雌ねじに、前記第1ステータのステータバックコアの雄ねじを螺合し、
次いで、前記ロータを一体化した前記ロータ軸を、前記シールド筒状体の内部に同軸に配置し、
次いで、前記シールド筒状体の他端側の雌ねじに、前記第2ステータのステータバックコアの雄ねじを螺合し、
次いで、角度調整手段により、前記ロータを挟んで互いに対向している前記第1及び第2ステータのステータコア同士を所定の角度で対向させて保持し、
次いで、回転規制手段により前記第1及び第2ステータの回転を規制しつつ、前記シールド筒状体を所定方向に回転させることで、前記第1及び第2ステータを移動させて、
所定寸法のエアギャップと所定の角度とを同時に精度良く調整したことを特徴とするアキシャルギャップモータの組立て方法。 - 前記第1及び第2ステータは、シールド側板とのダブルナット方式により互いの回転及びロータ軸の軸線方向への移動を拘束することを特徴とする請求項3記載のアキシャルギャップモータの組立て方法。
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