JP5919024B2 - 薄膜試料の比表面積測定方法及び装置 - Google Patents

薄膜試料の比表面積測定方法及び装置 Download PDF

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Description

本発明は、基材上に特定元素を含有する薄膜が設けられている薄膜試料の当該薄膜における特定元素の単位質量当たりの表面積を測定する方法及び装置に関する。
粉末の比表面積については従来よりBET法によって測定されている。BET法以外では、例えば、特許文献1に被測定物のX線散乱積分強度から比表面積を測定する方法が記載されている。この方法では、小角X線散乱曲線の始点から終点までの散乱角度についての積分値であるX線散乱積分強度と、被測定物の比表面積とがほぼ比例関係にあることを利用している。その被測定物の形態に関しては、粉末単独だけに限定されず、複合体中に含有される粉末、例えば粉末と樹脂の複合体、粉末と液体の複合体のように、粉末と他のX線透過性の材料とが複合化されたものでもよいとされている。
特開2008−256576号公報
特許文献1に記載された比表面積測定方法は粉末を対象としており、基材に例えば金属が担持されて薄膜状になっている場合、その薄膜における金属の単位質量当たりの表面積を求めることはできない。また、金属や非金属の蒸着膜についても、その蒸着膜における金属や非金属の単位質量当たりの表面積を求める手法も未だ確立されていない。
例えば、自動車の排ガス触媒では貴金属の使用量を減らすために、貴金属をナノ粒子化し、さらに、実際の使用条件下での粒子の凝集を防ぐために、適切な担体を選ぶことが重要である。このような条件下での触媒の性能を議論するためには、貴金属が担体に担持されている状態での貴金属の比表面積に関する情報が重要であるが、これまでそのような比表面積の測定法は存在しない。
このため、触媒や電池の電極材料等の性能評価には、例えば、基材に担持する前の粉末試料について得られた比表面積が用いられることがあるが、粉末状態での表面積と、基材に担持された状態での表面積とは、必ずしも対応しない。さらに、粉末を基材に担持して薄膜にしたときの表面積は、粉末の担持方法によって異なるのが通常である。
そこで、本発明は、基材上で薄膜になった状態の該薄膜が含有する特定元素の単位質量当たりの表面積を精度良く測定することができるようにする。
本発明は、上記課題を解決するために、薄膜にX線を照射した際に該薄膜から放出される電子及び蛍光X線を利用して、その薄膜が含有する特定元素の単位質量当たりの表面積を求めるようにした。
ここに提示する薄膜試料の比表面積測定方法は、基材上に特定元素を含有する薄膜が設けられている薄膜試料の当該薄膜における特定元素の単位質量当たりの表面積である比表面積を測定する方法であって、
上記特定元素の吸収端前後のエネルギーのX線を上記薄膜に照射するX線照射ステップと、
上記X線が照射された試料から放出された電子及び蛍光X線をそれぞれ検出する検出ステップと、
上記電子の放出量に基いてX線照射領域の上記特定元素の表面積Sに比例する電子収量Ic=α×S(αは上記電子の検出に関する装置定数である。)を得る電子収量検出ステップと、
上記蛍光X線の放出量に基いてX線照射領域内の上記特定元素の量Mに比例する蛍光X線収量If=β・M(βは上記蛍光X線の検出に関する装置定数である。)を得る蛍光X線収量検出ステップと、
基材上の薄膜の特定元素量M及び特定元素の表面積Sが既知である標準試料について、上記X線照射ステップ、上記検出ステップ、上記電子収量検出ステップ及び上記蛍光X線収量検出ステップを実行することにより、当該標準試料の電子収量Ic及び蛍光X線収量Ifを求め、該標準試料に係る電子収量Icと表面積Sとに基いて装置定数α=Ic/Sを求め、蛍光X線収量Ifと特定元素量Mとに基いて装置定数β=If/Mを求める装置定数算出ステップと、
上記薄膜試料の上記電子収量Icと上記蛍光X線収量Ifと、上記装置定数算出ステップで得た装置定数α及びβとに基いて、上記薄膜試料の当該薄膜における上記特定元素に係る比表面積SA=(Ic/If)・(β/α)を算出する処理ステップとを備えていることを特徴とする。
すなわち、試料に特定元素の吸収端前後のエネルギーのX線を照射すると、特定元素がX線を吸収することにより、そのX線の吸収量に比例した量の光電子及びオージェ電子を放出するとともに、そのX線の吸収量に比例した量の蛍光X線を放出する。
光電子及びオージェ電子は、脱出深度が浅いことが知られており、試料表面部の特定元素から放出される。そのため、電子収量Icは、式(1)で表されるように、X線照射領域の特定元素の表面積Sに比例したものになる。一方、蛍光X線は、脱出深度が深いことが知られており、試料表面から内部にわたって存在する特定元素から放出される。そのため、蛍光X線収量Ifは、式(2)で表されるように、X線照射領域内に存在する特定元素量Mに比例したものになる。本発明は、上記電子収量Ic及び蛍光X線収量Ifに式(1),(2)の比例関係を有することに着目し、この電子収量Ic及び蛍光X線収量Ifに基いて特定元素に係る比表面積SAを得るようにしたものである。
Ic=α・S …(1)
Ic;電子収量(X線吸収強度)
α;放出電子の検出に関する装置定数(m−2
S;特定元素の表面積(m
If=β・M …(2)
M=S・ρ・d
If;蛍光X線収量(X線吸収強度)
β;蛍光X線の検出に関する装置定数(g−1
;X線照射面積(m
ρ;特定元素の密度(g・m−3
d;膜厚(m)
上記装置定数α,βは、検出立体角、検出器の感度、測定条件等によって決まる定数である。
比表面積SAは式(3)で表される。すなわち、電子収量Ic及び蛍光X線収量Ifと装置定数α,βとから特定元素の単位質量当たりの表面積が得られる。
SA=S/M=(Ic/If)・(β/α) …(3)
上記装置定数α,βは次の方法で求めることができる。すなわち、基材上の薄膜の特定元素量M及び特定元素の表面積Sが既知である標準試料を準備する。この標準試料について、上記X線照射ステップ、上記検出ステップ、上記電子収量検出ステップ及び上記蛍光X線収量検出ステップにより、電子収量Ic及び蛍光X線収量Ifを得る。上記標準試料に係る電子収量Icと表面積Sとに基いて装置定数α=Ic/Sを求め、蛍光X線収量Ifと特定元素量Mとに基いて装置定数β=If/Mを求める。
ここに、「特定元素を含有する薄膜」は、微視的観察において、膜材が基板表面で連続的に広がった連続膜に限らず、膜材が隙間を存して分散しているものを含む。その薄膜は、金属のような特定元素よりなる膜材で形成されている場合に限らず、合金や化合物のような特定元素を含む膜材で形成されていてもよく、或いは特定元素よりなる膜材と他の元素よりなる膜材との複合膜であってもよい。
また、ここに提示する薄膜試料の比表面積測定装置は、基材上に特定元素を含有する薄膜が設けられている薄膜試料の当該薄膜における特定元素の単位質量当たりの表面積である比表面積を測定する装置であって、
上記特定元素の吸収端前後のエネルギーのX線を上記薄膜に照射するX線照射部と、
上記X線照射部によるX線が照射された試料から放出された電子を検出する電子検出部と、
上記X線照射部によるX線が照射された試料から放出された蛍光X線を検出する蛍光X線検出部と、
上記電子検出部で検出された電子放出量に基いて、X線照射領域の上記特定元素の表面積Sに比例する電子収量Icを得る電子収量検出部と、
上記蛍光X線検出部で検出された蛍光X線放出量に基いて、X線照射領域内の上記特定元素の量Mに比例する蛍光X線収量Ifを得る蛍光X線収量検出部と、
上記電子収量検出部で検出された電子収量Icと、上記蛍光X線収量検出部で検出された蛍光X線収量Ifとに基いて、上記薄膜における上記特定元素に係る比表面積SAを算出する処理部とを備えている。上記電子収量検出部、上記蛍光X線収量検出部及び上記処理部に関する好ましい態様は次のとおりである。
上記電子収量検出部は、上記電子検出部で検出された電子放出量に基いてX線の吸収係数に関するX線吸収スペクトルを得る電子収量スペクトル検出部と、該電子収量スペクトル検出部で検出したX線吸収スペクトルを数値化して、式(1)で表されるX線照射領域の上記特定元素の表面積Sに比例する電子収量Icを得る電子収量スペクトル数値化部とを備える。
上記蛍光X線収量検出部は、上記蛍光X線検出部で検出された蛍光X線放出量に基いてX線の吸収係数に関するX線吸収スペクトルを得る蛍光X線収量スペクトル検出部と、該蛍光X線収量スペクトル検出部で検出したX線吸収スペクトルを数値化して、式(2)で表されるX線照射領域内の特定元素量Mに比例する蛍光X線収量Ifを得る蛍光X線収量スペクトル数値化部とを備える。
上記処理部は、上記電子の検出に関する装置定数αに対する上記蛍光X線の検出に関する装置定数βの比を装置定数比β/αとして記憶する記憶部を有し、上記電子収量スペクトル数値化部で数値化された電子収量Icと、上記蛍光X線収量スペクトル数値化部で数値化された蛍光X線収量Ifと、上記記憶部の装置定数比β/αとに基いて、式(3)によって上記特定元素に係る比表面積SAを算出する。
また、上記電子収量検出部が上記電子収量スペクトル検出部及び電子収量スペクトル数値化部を備え、上記蛍光X線収量検出部が上記蛍光X線収量スペクトル検出部及び蛍光X線収量スペクトル数値化部を備えるケースにおいて、上記処理部の別の好ましい態様は次のとおりである。
すなわち、上記処理部は、上記電子の検出に関する装置定数α及び上記蛍光X線の検出に関する装置定数βを記憶する記憶部を有し、上記電子収量スペクトル数値化部で数値化された電子収量Icと上記記憶部の電子の検出に関する装置定数αとに基いてX線照射領域の上記特定元素の表面積Sを算出し、上記蛍光X線収量スペクトル数値化部で数値化された蛍光X線収量Ifと上記記憶部の蛍光X線の検出に関する装置定数βとに基いてX線照射領域内の上記特定元素量Mを算出し、上記特定元素の表面積Sと上記特定元素量Mとに基いて該特定元素に係る比表面積SAを算出する。
本発明によれば、特定元素の吸収端前後のX線を基材上の薄膜に照射することによって、X線照射領域の上記特定元素の表面積Sに比例する電子収量Icと、X線照射領域内の上記特定元素の量Mに比例する蛍光X線収量Ifとを求め、特定元素量M及び特定元素の表面積Sが既知である標準試料を用いて電子の検出に関する装置定数α及び蛍光X線の検出に関する装置定数βを求め、この電子収量Icと蛍光X線収量Ifと標準試料から求めた装置定数α,βとに基いて、或いは上記電子収量Icと蛍光X線収量Ifと記憶部の装置定数比β/αとに基いて、或いは上記電子収量Icと蛍光X線収量Ifと記憶部の装置定数比α,βとに基いて、当該薄膜の上記特定元素に係る比表面積SAを算出するようにしたから、基材上で薄膜になった状態での特定元素の比表面積に関する情報を得ることができ、触媒、電池の電極等の表面における特定元素の化学的、物理的ないしは電気的な性能評価に有利になる。
本発明の実施形態に係る比表面積測定装置の概略構成図である。 被験試料AのSEM(走査型電子顕微鏡)写真である。 被験試料BのSEM(走査型電子顕微鏡)写真である。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
<比表面積測定装置>
薄膜試料の比表面積測定方法に用いる装置について説明する。ここに、薄膜試料は、基材上に特定元素を含有する薄膜が設けられたものである。
図1は、本発明の実施形態に係る薄膜試料の比表面積測定装置1の概略構造を示す。この比表面積測定装置1は、転換電子収量法と蛍光X線収量法とを利用して薄膜試料の比表面積を測定する装置(XAFS分析装置)である。
比表面積測定装置1は試料(薄膜試料)Wを収容するチャンバー2を備えている。チャンバー2には試料ホルダ3が配設されている。試料ホルダ3は、その上部に試料Wを保持するとともに、この保持状態で試料Wの上面を任意の傾斜角度に設定可能に構成されている。試料ホルダ3には、保持した試料Wを100MΩ以上で電気的に絶縁する絶縁構造が設けられている。試料ホルダ3に固定された試料Wには、導線4を介して電子検出部としての微小電流検出器5が接続されている。微小電流検出器5は試料WにX線を照射した際に放出される光電子及びオージェ電子を検出することが可能な高感度のものである。上記絶縁構造により試料Wを電気的に絶縁しておくことで、この微小電流検出器5での検出精度が十分に確保できるようになっている。微小電流検出器5による検出信号はコンピュータ10に入力されるようになっている。
上記チャンバー2の上方には高真空X線導波管11が、X線の出射口を下方へ向けて配設されている。X線導波管11は、X線が透過する分光器12を備えている。分光器12はコンピュータ10の分光器制御部13に接続されており、分光器12により出射口から出射されるX線のエネルギー(波長)が変えられるようになっている。これらX線導波管11及び分光器制御部13によりX線照射部14が構成されている。尚、この明細書では、X線の波長により決定されるフォトン1個が持つエネルギーをX線のエネルギーと呼ぶこととする。分光器制御器13によってX線のエネルギーを制御することにより、エネルギーが約1000eV〜約3000eVの間のX線、いわゆる軟X線をX線導波管11から出射することができる。
上記チャンバー2の上壁には、ベリリウムで構成されたベリリウム薄膜15がチャンバー2内外を仕切るように配設されている。上記X線導波管11は、その出射口がベリリウム薄膜15の上面に対向するように位置付けられていて、出射口から出射されたX線がベリリウム薄膜15を透過して試料Wの上面に照射されるようになっている。図示しないが、ベリリウム薄膜15とチャンバー2上壁との間にはOリング等のシール材が配設されている。同様に、ベリリウム薄膜15と上記X線導波管11の出射口周縁との間にもシール材が配設されている。
上記チャンバー2には、図外の真空ポンプに接続された真空導入管18と、チャンバー2内にヘリウムガスを導入するガス導入管19とが接続されている。真空導入管18によりチャンバー2内の真空引きを行なった後、ガス導入管19からヘリウムガスを導入することで、チャンバー2内がヘリウムガスで満たされる。このようにチャンバー2内をヘリウムガスで満たすことにより、チャンバー2内の圧力を常圧にしながら、X線の散乱を抑制することが可能となる。また、真空導入管18による真空引きの度合いや、ガス導入管19によるヘリウムガスの導入量等により、チャンバー2内の圧力を調整することが可能である。ガス導入管19からは、ヘリウムガス以外でX線の散乱を抑制するガスを導入するようにしてもよい。
また、上記チャンバー2の側壁には、X線を照射した試料Wから放出される蛍光X線を検出する蛍光X線検出部としての蛍光X線検出器20が配設されている。つまり、比表面積測定装置1は、上記チャンバー2、微小電流検出器5、X線導波管11、真空導入管18、ガス導入管19、蛍光X線検出器20及びコンピュータ10で構成されている。
上記蛍光X線検出器20は、X線を利用した試料分析装置に一般に用いられている周知のものである。蛍光X線検出器20の検出部20aは上記チャンバー2内に臨んでおり、検出部20aが試料Wに対し進退するように構成されている。蛍光X線検出器20には、検出信号を増幅する増幅器21が接続され、増幅器21で増幅された信号は上記コンピュータ10に入力される。
上記蛍光X線検出器20の検出部20aを進退させることで、試料Wから放出された蛍光X線の取り込み角を適切に設定して蛍光X線の数え落としによる検出効率の低下を回避することかできる。また、上記試料ホルダ3により試料W上面の傾斜角度を変えることで、該試料Wから蛍光X線検出器20へ向けて放出される蛍光X線の強度を変化させることができる。この蛍光X線の強度が最大となるように試料W上面の傾斜角度を調整することで、蛍光X線の検出が確実になる。
上記微小電流検出器5は、光電子及びオージェ電子を連続的に検出してその検出信号を上記コンピュータ10に送る。また、蛍光X線検出器20も同様に蛍光X線の検出信号を上記コンピュータ10に送る。コンピュータ10は、微小電流検出器5及び蛍光X線検出器20から送られた連続信号を単位時間で区切って光電子及びオージェ電子の放出量と蛍光X線の放出量とをそれぞれ得るカウンタ23を備えている。
また、分光器制御部13は、試料Wの薄膜を構成する特定元素の吸収端前後のエネルギーのX線を薄膜に照射すべく、X線のエネルギーを予め設定された範囲(吸収端よりも低エネルギー側の所定値から吸収端よりも高エネルギー側の所定値までの範囲)内で掃引するように構成されている。上記カウンタ23は、照射されたX線の各エネルギーにおける光電子及びオージェ電子の放出量と蛍光X線の放出量とを同時に検出する。これら放出量がコンピュータ10に設けられた電子収量検出部及び蛍光X線収量検出部に送られる。
電子収量検出部は、微小電流検出器5によって検出される光電子及びオージェ電子の放出量に基いて、転換電子収量法によって特定元素に係る電子収量(X線吸収強度)Icを得るものであり、電子収量スペクトル検出部25と電子収量スペクトル数値化部27とを備えている。
蛍光X線収量検出部は、蛍光X線検出器20によって検出される蛍光X線の放出量に基いて、蛍光X線収量法によって特定元素に係る蛍光X線収量(X線吸収強度)Ifを得るものであり、蛍光X線収量スペクトル検出部26と蛍光X線収量スペクトル数値化部28とを備えている。
電子収量検出部の電子収量スペクトル検出部25は、光電子及びオージェ電子の放出量と、これら電子の放出量を検出したときのX線のエネルギーとに基づいてX線吸収スペクトルを得る。すなわち、X線が照射された試料Wから放出される光電子及びオージェ電子の量は当該試料WにおけるX線の吸収量に比例する。そこで、上記電子収量スペクトル検出部25では、光電子及びオージェ電子の放出量に所定の演算を行なうことで試料WにおけるX線の吸収係数を得て、この吸収係数を縦軸に取り、上記X線のエネルギーを横軸に取ることで、X線の吸収係数に関するX線吸収スペクトルを得るようになっている。
蛍光X線収量検出部の蛍光X線収量スペクトル検出部26は、蛍光X線の放出量と、この蛍光X線の放出量を検出したときのX線のエネルギーとに基づいてX線吸収スペクトルを得る。すなわち、上記光電子及びオージェ電子の場合と同様に、X線が照射された試料Wから放出される蛍光X線の量は試料Wにおいて照射X線の吸収量に比例するので、上記蛍光X線収量スペクトル検出部26では、蛍光X線の放出量に所定の演算を行なうことで試料WにおけるX線の吸収係数を得てこの吸収係数を縦軸に取り、上記X線のエネルギーを横軸に取ることでX線の吸収係数に関するX線吸収スペクトルを得るようになっている。
上記の如く電子収量スペクトル検出部25と蛍光X線収量スペクトル検出部26とで検出されたX線吸収スペクトルは、X線の吸収係数の大きさとX線のエネルギーとの関係を示すものであるため、これらX線吸収スペクトルの振動構造がXAFSとなる。
X線を照射した際に放出される光電子及びオージェ電子の脱出深度は浅い。すなわち、微小電流検出器5で検出された光電子及びオージェ電子は、例えば試料Wの表面から約1nm〜約3nmまでの間という極表面側を構成する特定元素から放出されたものである。従って、これら光電子及びオージェ電子に基づいて得られたX線吸収スペクトルの振動構造は、試料WのX線照射領域の特定元素の表面積Sに対応したものになる。
一方、蛍光X線は光電子よりも脱出深度が深い。すなわち、蛍光X線検出器20で検出された蛍光X線は、例えば試料の表面から約1μm〜約3μmまでの間に存する特定元素から放出されたものである。従って、この蛍光X線に基づいて得られたX線吸収スペクトルの振動構造は、試料WのX線照射領域内の特定元素量Mに対応したものになる。
上記電子収量スペクトル数値化部27は、上記電子収量スペクトル検出部25で得られたX線吸収スペクトルを数値化する。すなわち、電子収量スペクトル数値化部27は、X線吸収スペクトルにおける吸収端、即ちX線のエネルギーがこれ以上低くなると吸収係数が急激に減少するようになる部分を1とする規格化を行なう。これにより、X線吸収スペクトルの吸収端が基準となってX線吸収スペクトルの強度が数値化され、特定元素に係る電子収量(X線吸収強度)Icが得られる。この電子収量Icは、式(1)で表されるように、X線照射領域の上記特定元素の表面積Sに比例する。
Ic=α・S …(1)
上記蛍光X線収量スペクトル数値化部28は、蛍光X線収量スペクトル検出部28で得られたX線吸収スペクトルを数値化する。すなわち、蛍光X線収量スペクトル数値化部28は、上記電子収量スペクトル数値化部27と同様に、X線吸収スペクトルを吸収端で規格化する。これにより、X線吸収スペクトルの吸収端が基準となってX線吸収スペクトルの強度が数値化され、特定元素に係る蛍光X線収量(X線吸収強度)Ifが得られる。この蛍光X線収量Ifは、式(2)で表されるように、X線照射領域内の特定元素量Mに比例する。
If=β・M …(2)
M=S・ρ・d
;X線照射面積(m
ρ;特定元素の密度(g・m−3
d;膜厚(m)
上記コンピュータ10には、上記電子収量スペクトル数値化部27で得られる電子収量Icと、上記蛍光X線収量スペクトル数値化部28で得られる蛍光X線収量Ifとに基いて、試料Wの薄膜における特定元素の単位質量当たりの表面積、すなわち、特定元素に係る比表面積SAを得る処理部29が設けられている。
処理部29は、上記電子の検出に関する装置定数αに対する上記蛍光X線の検出に関する装置定数βの比を装置定数比β/αとして記憶する記憶部30を有し、上記電子収量Icと上記蛍光X線収量Ifと上記装置定数比β/αとに基いて、式(3)によって上記特定元素に係る比表面積SAを算出する。上記装置定数比β/αの求め方については後述する。
SA=S/M
=(Ic/If)・(β/α)
=S/(S・ρ・d) …(3)
<比表面積測定方法>
上記比表面積測定装置1を用いた比表面積測定方法を説明する。まず、基材上に特定元素を含有する薄膜が設けられている薄膜試料Wをチャンバー2の試料ホルダ3に保持する。チャンバー2内の真空引きを行なった後、チャンバー2内が大気圧になるまでヘリウムガスを導入する。X線照射部14によりX線を試料Wの薄膜面に照射する(X線照射ステップ)。このX線の掃引範囲は、特定元素の吸収端を含む所定エネルギー範囲とする。
試料Wから放出される光電子及びオージェ電子を微小電流検出器5で検出するとともに、試料Wから放出される蛍光X線を蛍光X線検出器20で検出する(検出ステップ)。
微小電流検出器5で検出された電子放出量に基いて、X線照射領域の上記特定元素の表面積Sに比例する電子収量Icを得る(電子収量検出ステップ)。すなわち、微小電流検出器5で検出された電子の放出量に基いて、電子収量スペクトル検出部25においてX線の吸収係数に関するX線吸収スペクトルを得る(電子収量スペクトル検出ステップ)。そして、電子収量スペクトル検出部25で検出したX線吸収スペクトルを、電子収量スペクトル数値化部27において数値化して電子収量Icを得る(電子収量スペクトル数値化ステップ)。
一方、蛍光X線検出器20で検出された蛍光X線放出量に基いて、式(2)で表されるX線照射領域内の上記特定元素の量Mに比例する蛍光X線収量Ifを得る(蛍光X線収量検出ステップ)。すなわち、蛍光X線検出器20で検出された蛍光X線放出量に基いて、蛍光X線収量スペクトル検出部26においてX線の吸収係数に関するX線吸収スペクトルを得る(蛍光X線収量スペクトル検出ステップ)。そして、蛍光X線収量スペクトル検出部26で検出したX線吸収スペクトルを、蛍光X線収量スペクトル数値化部28において数値化して蛍光X線収量Ifを得る(蛍光X線収量スペクトル数値化ステップ)。
電子収量スペクトル数値化部27で得られた電子収量Icと、蛍光X線収量スペクトル数値化部28で得られた蛍光X線収量Ifと、記憶部30の装置定数比β/αとに基いて、処理部29において式(3)の演算を行なうことにより、上記薄膜における特定元素に係る比表面積SAを算出する(処理ステップ)。
ここで、装置定数比β/αを求める方法を説明する。すなわち、式(3)によれば、β/α=SA・(If/Ic)である。よって、比表面積SAが既知の標準試料を準備し、その電子収量Ic及び蛍光X線収量Ifを上記比表面積測定装置1によって求めることにより、装置定数比β/αが得られる。
<実施例>
厚さ20μmの銅基板にAg(銀)を膜厚2.2nmとなるように蒸着させた被験試料Aと、厚さ1mmのシリコン基板にAgを膜厚2.1nmとなるように蒸着させた被験試料Bとを作製した。また、厚さ0.6μmの平滑なPP基板にAgを膜厚141nmとなるように蒸着させた標準試料を作成した。図2は被験試料Aの表面のSEM(走査型電子顕微鏡)写真であり、図3は被験試料Bの表面のSEM写真である。
次に、表1に示す条件で各試料のAgのL殻X線吸収を測定し、吸収端前のエネルギーを3.34keV、吸収端後のエネルギーを3.40keVとして、上記比表面積測定装置1により、蛍光X線収量法及び転換電子収量法の各方法でX線吸収強度を求めた。結果を表2に示す。
ここに、標準試料の場合、Ag薄膜は膜厚が141nmの連続膜であって、その表面は平滑に近い状態になっている。このため、X線照射領域の特定元素Agの表面積Sは、X線照射面積(幾何学的表面積)Sに略一致する。すなわち、式(3)のS/Sを1とおくことができるから、標準試料の比表面積はSA=1/(ρ・d)となる。Agの密度ρを10490000g/mとしたときの標準試料の比表面積SAを表3に示す。そして、式(3)に標準試料のSA、電子収量Ic及び蛍光X線収量Ifを代入すると、装置定数比β/α(=SA・(Ic/If))が求まる。その結果を表3に示す。この装置定数比β/αを記憶部30に記憶させる。
そうして、被験試料A,Bの比表面積SAは、処理部29により、式(3)にその電子収量Ic及び蛍光X線収量Ifと表3の装置定数比β/αを代入することで求まる。その結果を表4に示す。被験試料Aの方が被験試料Bよりも比表面積SAが大きい。図2及び図3によれば、被験試料A(図2)の方が被験試料B(図3)よりも、Agの蒸着粒子が小さいから、比表面積測定装置1による測定結果(表4)はSEM観察結果と一致している。
<別の実施形態>
この実施形態では、装置定数α及び装置定数β各々を上記記憶部30に記憶させる。上記処理部29において、記憶部30の装置定数α,βを用いて、特定元素の表面積S及び特定元素量M各々を算出して比表面積SAを求める。
すなわち、基材上の薄膜の特定元素量M及び特定元素の表面積Sが既知である標準試料を準備する。この標準試料について、上記比表面積測定装置1により、上記X線照射ステップ、上記検出ステップ、上記電子収量検出ステップ及び上記蛍光X線収量検出ステップを経て、電子収量Ic及び蛍光X線収量Ifを得る。この標準試料に係る電子収量Icと表面積Sとに基いて装置定数α=Ic/Sを算出し、蛍光X線収量Ifと特定元素量Mとに基いて装置定数β=If/Mを算出する。この装置定数α,βを記憶部30に保存する。
標準試料として、上述の厚さ0.6μmの平滑なPP基板にAgを膜厚141nmとなるように蒸着させた試料を用いる場合、特定元素Agの表面積S=X線照射面積Sとすることができる。よって、この標準試料の電子収量IcとX線照射面積Sとに基いて装置定数α=Ic/Sを得ることができる。また、この標準試料は特定元素量M=S・ρ・dであるから、この標準試料の蛍光X線収量Ifと特定元素量Mとに基いて装置定数β=If/Mを得ることができる。
そうして、被験試料について上記電子収量スペクトル数値化部27で得られた電子収量Icと記憶部30の装置定数αとに基いてX線照射領域の特定元素の表面積Sを算出する。また、被験試料について上記蛍光X線収量スペクトル数値化部で得られた蛍光X線収量Ifと上記記憶部30の装置定数βとに基いてX線照射領域内の特定元素量Mを算出する。この特定元素の表面積Sと特定元素量Mとに基いて該特定元素に係る比表面積SAを算出する。
以上のように、上記比表面積測定装置1によれば、基材上で薄膜になった状態での特定元素の比表面積に関する情報を得ることができ、触媒、電池の電極等の表面における特定元素の化学的、物理的ないしは電気的な性能評価に有利になる。
1 XAFS分析装置
5 微小電流検出器(電子検出部)
14 X線照射部
20 蛍光X線検出器(蛍光X線検出部)
25 電子収量スペクトル検出部
26 蛍光X線収量スペクトル検出部
27 電子収量スペクトル数値化部
28 蛍光X線収量スペクトル数値化部
29 処理部
30 記憶部
W 試料

Claims (3)

  1. 基材上に特定元素を含有する薄膜が設けられている薄膜試料の当該薄膜における特定元素の単位質量当たりの表面積である比表面積を測定する薄膜試料の比表面積測定方法であって、
    上記特定元素の吸収端前後のエネルギーのX線を上記薄膜に照射するX線照射ステップと、
    上記X線が照射された試料から放出された電子及び蛍光X線をそれぞれ検出する検出ステップと、
    上記電子の放出量に基いてX線照射領域の上記特定元素の表面積Sに比例する電子収量Ic=α×S(αは上記電子の検出に関する装置定数である。)を得る電子収量検出ステップと、
    上記蛍光X線の放出量に基いてX線照射領域内の上記特定元素の量Mに比例する蛍光X線収量If=β・M(βは上記蛍光X線の検出に関する装置定数である。)を得る蛍光X線収量検出ステップと、
    基材上の薄膜の特定元素量M及び特定元素の表面積Sが既知である標準試料について、上記X線照射ステップ、上記検出ステップ、上記電子収量検出ステップ及び上記蛍光X線収量検出ステップを実行することにより、当該標準試料の電子収量Ic及び蛍光X線収量Ifを求め、該標準試料に係る電子収量Icと表面積Sとに基いて装置定数α=Ic/Sを求め、蛍光X線収量Ifと特定元素量Mとに基いて装置定数β=If/Mを求める装置定数算出ステップと、
    上記薄膜試料の上記電子収量Icと上記蛍光X線収量Ifと、上記装置定数算出ステップで得た装置定数α及びβとに基いて、上記薄膜試料の当該薄膜における上記特定元素に係る比表面積SA=(Ic/If)・(β/α)を算出する処理ステップとを備えていることを特徴とする薄膜試料の比表面積測定方法。
  2. 基材上に特定元素を含有する薄膜が設けられている薄膜試料の当該薄膜における特定元素の単位質量当たりの表面積である比表面積を測定する薄膜試料の比表面積測定装置であって、
    上記特定元素の吸収端前後のエネルギーのX線を上記薄膜に照射するX線照射部と、
    上記X線照射部によるX線が照射された試料から放出された電子を検出する電子検出部と、
    上記X線照射部によるX線が照射された試料から放出された蛍光X線を検出する蛍光X線検出部と、
    上記電子検出部で検出された電子放出量に基いて、X線照射領域の上記特定元素の表面積Sに比例する電子収量Icを得る電子収量検出部と、
    上記蛍光X線検出部で検出された蛍光X線放出量に基いて、X線照射領域内の上記特定元素の量Mに比例する蛍光X線収量Ifを得る蛍光X線収量検出部と、
    上記電子収量検出部で検出された電子収量Icと、上記蛍光X線収量検出部で検出された蛍光X線収量Ifとに基いて、上記薄膜における上記特定元素に係る比表面積SAを算出する処理部とを備え、
    上記電子収量検出部は、上記電子検出部で検出された電子放出量に基いてX線の吸収係数に関するX線吸収スペクトルを得る電子収量スペクトル検出部と、該電子収量スペクトル検出部で検出したX線吸収スペクトルを数値化して、式(1)で表されるX線照射領域の上記特定元素の表面積Sに比例する電子収量Icを得る電子収量スペクトル数値化部とを備え、
    Ic=α×S …(1)
    (αは上記電子の検出に関する装置定数である。)
    上記蛍光X線収量検出部は、上記蛍光X線検出部で検出された蛍光X線放出量に基いてX線の吸収係数に関するX線吸収スペクトルを得る蛍光X線収量スペクトル検出部と、該蛍光X線収量スペクトル検出部で検出したX線吸収スペクトルを数値化して、式(2)で表されるX線照射領域内の特定元素量Mに比例する蛍光X線収量Ifを得る蛍光X線収量スペクトル数値化部とを備え、
    If=β・M …(2)
    (βは上記蛍光X線の検出に関する装置定数である。)
    上記処理部は、上記電子の検出に関する装置定数αに対する上記蛍光X線の検出に関する装置定数βの比を装置定数比β/αとして記憶する記憶部を有し、上記電子収量スペクトル数値化部で数値化された電子収量Icと、上記蛍光X線収量スペクトル数値化部で数値化された蛍光X線収量Ifと、上記記憶部の装置定数比β/αとに基いて、式(3)による演算によって上記特定元素に係る比表面積SAを得ることを特徴とする薄膜試料の比表面積測定装置。
    SA=S/M=(Ic/If)・(β/α) …(3)
  3. 基材上に特定元素を含有する薄膜が設けられている薄膜試料の当該薄膜における特定元素の単位質量当たりの表面積である比表面積を測定する薄膜試料の比表面積測定装置であって、
    上記特定元素の吸収端前後のエネルギーのX線を上記薄膜に照射するX線照射部と、
    上記X線照射部によるX線が照射された試料から放出された電子を検出する電子検出部と、
    上記X線照射部によるX線が照射された試料から放出された蛍光X線を検出する蛍光X線検出部と、
    上記電子検出部で検出された電子放出量に基いて、X線照射領域の上記特定元素の表面積Sに比例する電子収量Icを得る電子収量検出部と、
    上記蛍光X線検出部で検出された蛍光X線放出量に基いて、X線照射領域内の上記特定元素の量Mに比例する蛍光X線収量Ifを得る蛍光X線収量検出部と、
    上記電子収量検出部で検出された電子収量Icと、上記蛍光X線収量検出部で検出された蛍光X線収量Ifとに基いて、上記薄膜における上記特定元素に係る比表面積SAを算出する処理部とを備え、
    上記電子収量検出部は、上記電子検出部で検出された電子放出量に基いてX線の吸収係数に関するX線吸収スペクトルを得る電子収量スペクトル検出部と、該電子収量スペクトル検出部で検出したX線吸収スペクトルを数値化して、式(1)で表されるX線照射領域の上記特定元素の表面積Sに比例する電子収量Icを得る電子収量スペクトル数値化部とを備え、
    Ic=α×S …(1)
    (αは上記電子の検出に関する装置定数である。)
    上記蛍光X線収量検出部は、上記蛍光X線検出部で検出された蛍光X線放出量に基いてX線の吸収係数に関するX線吸収スペクトルを得る蛍光X線収量スペクトル検出部と、該蛍光X線収量スペクトル検出部で検出したX線吸収スペクトルを数値化して、式(2)で表されるX線照射領域内の特定元素量Mに比例する蛍光X線収量Ifを得る蛍光X線収量スペクトル数値化部とを備え、
    If=β・M …(2)
    (βは上記蛍光X線の検出に関する装置定数である。)
    上記処理部は、上記電子の検出に関する装置定数α及び上記蛍光X線の検出に関する装置定数βを記憶する記憶部を有し、上記電子収量スペクトル数値化部で数値化された電子収量Icと上記記憶部の電子の検出に関する装置定数αとに基いてX線照射領域の上記特定元素の表面積Sを算出し、上記蛍光X線収量スペクトル数値化部で数値化された蛍光X線収量Ifと上記記憶部の蛍光X線の検出に関する装置定数βとに基いてX線照射領域内の上記特定元素量Mを算出し、上記特定元素の表面積Sと上記特定元素量Mとに基いて該特定元素に係る比表面積SAを算出することを特徴とする薄膜試料の比表面積測定装置。
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