JP5918033B2 - 油分含有排水の処理方法及び処理装置 - Google Patents

油分含有排水の処理方法及び処理装置 Download PDF

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Description

本発明は、石油、石炭、天然ガス、シェールガス、コールドベッドメタン(CBM)、オイルサンド、シュールオイルなどの産出或いは生産に伴って発生する油分を含有した排水(「油分含有排水」と称する)や、各種工場から排出される油分含有排水、例えば石油化学工場などから排出される油分含有排水の処理方法及び処理装置に関する。
石油、石炭、天然ガス、シェールガス、コールドベッドメタン(CBM)、オイルサンド、シュールオイルなどの産出或いは生産に伴って発生する油分含有排水や、例えば石油化学工場などから排出される油分含有排水中には、多量の油が含まれているため、このような油分含有排水から油分を選択的且つ効率よく分離する方法が求められている。
油分含有排水から油分を選択的に取り出す方法、すなわち油水分離方法としては、例えば、油分と水分の比重差を利用した方法や、薬品を使用した方法、膜濾過による方法などが知られており、中でも、大量の油分含有排水を処理できる技術として膜濾過による方法が注目されている。
膜濾過による油水分離方法に関しては、例えば特許文献1において、疎水性の多孔質チューブの中空部内に含水油を通液し、中空糸の外壁部から水分を除去した油分を取り出す油水分離方法が開示されている。
特許文献2には、セラミックス非対称膜モジュールを使用し、クロスフロー濾過を行う含油廃水処理方法が開示されている。
特許文献3には、疎水性多孔質中空糸膜を配設した中空糸膜モジュールに含水油を通液して油水分離を行うに際して、含油水を疎水性多孔質中空糸膜外壁面側に通液し、含水油中の油分を選択的に膜面を透過させることを特徴とする油水分離方法を要旨とするものである。含水油の一部を循環返送するクロスフロー濾過により油水分離を行うと、疎水性多孔質中空糸膜外壁面側を流れる含水油により、膜面が洗浄されるため、膜壁面の目詰まりが更に発生しにくく、高い濾過量で油水分離を行うことができる。
特許文献4には、クロスフロー濾過により水中油乳濁液の処理を行うに際し、多孔質中空糸膜を配設した中空糸膜モジュールを用いて、水中油乳濁液を該中空糸膜の外壁面側に通液し、水中油乳濁液中の水分を選択的に中空糸膜の内壁面側へ透過させ、濾過流量低下時には透過水を中空糸膜の内壁面側から外壁面側に逆向きに通液させることを特徴とする水中油乳濁液の処理方法が開示されている。
特開昭52−35368号公報 特開平1−130780号公報 特開平10−296003号公報 特開平11−138163号公報
実際の油分含有排水の処理においては、油分による目詰まりを避けるため、疎水性の膜を用いた膜ろ過が採用されることが多い。しかし、石油や天然ガスなどの産出或いは生産に伴って発生する油分含有排水の場合、油分が多いと言っても主成分は水であるため、疎水性の膜を用いて膜ろ過すると、油分含有排水が膜を透過し難いため、多量の被処理水を効率的に処理することが難しいという課題を抱えていた。
他方、このような油分含有排水を、親水性の膜を用いた膜ろ過によって処理すると、分離回収した油分含有排水には水分が多量に含まれることになり、油分の選択的分離回収という点で課題を抱えていた。
そこで本発明は、石油や天然ガスなどの産出或いは生産に伴って発生する油分含有排水から油分を選択的に分離する方法に関し、油分を選択的に且つ効率良く分離回収することができる、新たな油分含有排水の処理方法及びそのための処理装置を提案せんとするものである。
本発明は、被処理水としての油分含有排水を親水性膜に透過させて親水性膜ろ過水と油分含有水とに分離し、該油分含有水を疎水性膜に透過させて油分と油分除去水とに分離し、該油分除去水を前記親水性膜に透過させ、前記親水性ろ過水及び油分を回収することを特徴とする油含有排水の処理方法を提案する。この際、前記親水性膜或いは疎水性膜を通過した液を、前記膜ろ過装置の入口に循環させて、クロスフロー方式で親水性膜からは水を、疎水性膜からは油分を回収できるようにするのが好ましい。
本発明はまた、油分含有排水を処理する油分含有排水の処理装置であって、親水性膜及び疎水性膜を備えた膜ろ過装置と、当該親水性膜から水を回収する回収手段と、当該疎水性膜から油分を回収する回収手段と、を備えた油水含有排水の処理装置を提案する。この際、前記親水性膜或いは疎水性膜を通過した液を、前記膜ろ過装置の入口に循環させる循環手段を設けるのが好ましい。
本発明が提案する油含有排水の処理方法及び処理装置によれば、石油や天然ガスなどの産出或いは生産に伴って発生する油分含有排水から油分を選択的に且つ効率良く分離回収することができ、該油分含有排水から油分を除去した処理水を分離回収することができる。
本発明に係る油分含有排水の処理方法及び処理装置の一例を示した図である。 本発明に係る油分含有排水の処理方法及び処理装置の他例を示した図である。 本発明に係る油分含有排水の処理方法及び処理装置の一例を示した図である。 図3に示した油分含有排水の処理装置において、ろ過装置の一例を示した図である。 本発明に係る油分含有排水の処理装置の他例として、ハイドロサイクロンを利用した例を示した図である。 同じく本発明に係る油分含有排水の処理装置の他例として、疎水性膜と親水性膜を複合化してなる膜を利用した例を示した図である。 疎水性膜と親水性膜を複合化してなる複合化膜の構成の一例を示した断面図である。 本発明に係る油分含有排水の処理装置のさらなる他例を示した図である。
次に、実施の形態例に基づいて本発明を説明するが、本発明が次に説明する実施形態に限定されるものではない。
<第1の実施形態>
本発明の実施形態の一例に係る油分含有排水の処理方法(「本処理方法1」と称する)は、図1に示すように、被処理水(原水)としての油を含有する排水(「油分含有排水」と称する)を、親水性膜を用いたクロスフロー式の親水性膜ろ過装置2に供給し、親水性膜ろ過によって親水性膜ろ過水と油分含有水とに分離し、該親水性膜ろ過水を回収する一方、該油分含有水をさらに、疎水性膜を用いたクロスフロー式の疎水性膜ろ過装置3に供給し、クロスフロー式疎水性膜ろ過によって油分と油分除去水とに分離し、該油分を回収する一方、該油分除去水を前記被処理水(原水)に加えて、再度クロスフロー式の親水性膜ろ過装置に供給して循環処理することを特徴とする油分含有排水の処理方法である。
本発明が提案する油分含有排水の処理方法及び処理装置では、被処理水(原水)としての油分含有排水を、クロスフロー式の親水性膜ろ過装置に供給する。被処理水(原水)としての油分含有排水は水分比率が高く、油分が少ないので、クロスフロー式の親水性膜ろ過装置によって、油分が除去された親水性膜ろ過水と油分含有水とに効率良く分離することができる。
次に、当該油分含有水を、クロスフロー式の疎水性膜ろ過装置に供給する。当該油分含有水は、原水に比べて油分濃度が高いので、クロスフロー式疎水性膜ろ過によって、油分を選択的且つ効率的に分離回収することができる。そしてさらに、油分除去水を前記被処理水(原水)に加えて、前記工程を循環させることで、油分が除去された処理水(すなわち親水性膜ろ過水)と、水分の少ない油分とを選択的且つ効率よく回収することができる。
本処理方法1を実施するための装置としては、例えば、図1に示すように、被処理水(原水)としての油を含有する排水(「油分含有排水」と称する)を貯留する被処理水貯留タンク1と、親水性膜を用いたクロスフロー式の親水性膜ろ過装置2と、疎水性膜を用いたクロスフロー式の疎水性膜ろ過装置3と、原水を被処理水貯留タンク1に供給する原水供給管4と、被処理水貯留タンク1内の油分含有排水を親水性膜ろ過装置2に供給する配管5と、配管5の中間部に配設された循環ポンプ6と、親水性膜ろ過装置2で分離された親水性膜ろ過水を循環系外に排出する処理水排出管7と、親水性膜ろ過装置2で分離された油分含有水を疎水性膜ろ過装置3に供給する配管8と、疎水性膜ろ過装置3で分離された油分を循環系外に排出する油分排出管9と、疎水性膜ろ過装置3で分離された油分除去水を被処理水貯留タンク1に供給する返送管10とを備えた、油分含有排水の処理装置を一例として挙げることができる。但し、このような処理装置に限定する趣旨ではない。例えば、被処理水貯留タンク1を省略して、疎水性膜ろ過装置3で分離された油分除去水を親水性膜ろ過装置2に供給するように構成することも、その他の構成とすることもできる。
以下、上記処理装置の構成について詳述する。
(被処理水貯留タンク1)
被処理水貯留タンク1は、被処理水の混合と貯留を行う水槽であり、被処理水貯留タンク1には、その入り口側に原水供給管4及び返送管10が接続され、出口側には配管5が接続されている。
被処理水貯留タンク1は、撹拌手段を備えていてもよい。
(親水性膜ろ過装置2)
親水性膜ろ過装置2は、親水性膜を用いたクロスフロー式の親水性膜ろ過装置であればよい。
親水性膜とは、油の表面張力(約25mN/m)よりも水の表面張力(約70mN/m)寄りである表面張力を備えた膜を意味する。
親水性膜としては、例えばセラミック膜や親水性を示す有機膜などを挙げることができる。
セラミック膜としては、例えば酸化アルミニウム(アルミナ)や酸化ジルコニウムなどからなる膜を挙げることができる。
親水性の有機膜としては、例えばポリビニルアルコール、酢酸セルロース、ポリアミド、ポリアクリロニトリルなどの親水性を示す樹脂からなる膜や、疎水性の有機膜の膜表面を親水性を高めるように改質処理した膜、さらには疎水性膜にスルフォン基やカルボニル基などの親水基を導入した親水化処理膜などを挙げることができる。
中空糸とする場合には、これらの素材を溶融延伸法、湿式法等により製膜した疎水性多孔質中空糸膜が挙げられる。
クロスフロー式とは、全量ろ過式に対抗する意味であり、クロスフロー式の膜ろ過装置とは、膜面に対して被処理水を平行に流す方式の膜ろ過装置である。
クロスフローろ過方式の親水性膜ろ過装置2としては、例えば、親水性膜の外壁面側に沿って平行に油分含有排水(被処理水)を送液し、親水性相互作用により、水分を選択的に親水性膜の外壁面側から内壁面側に透過させ、膜面を透過した水分を、処理水排出管7を通じて親水性膜ろ過水として循環系外に排出する一方、膜面を透過しない成分を、配管8を通じて、油分含有水として疎水性膜ろ過装置3に供給するように構成することができる。
このようにクロスフローろ過方式では、分離膜の一方の膜面(原水供給側分離膜面)に原水を供給し、分離膜を透過した透過水を分離膜の他方の膜面(透過側分離膜面)から回収する際、原水供給側分離膜面に平行に原水を流してろ過を行うため、分離膜表面に付着した油分をその膜表面から剥離させることができ、長期に渡って安定した運転を行うことができる。また、クロスフローろ過方式では、外壁面側を流れる被処理水の膜面流速が速くなるほど、膜表面の目詰まりが少なくなるため、高い濾過流量を長時間保ちながら油水分離を行うことができる。
なお、親水性膜ろ過装置2内の具体的な構造は任意である。例えば、U字状の親水性多孔質中空糸膜をハウジング内に固定し、出口で開口するように配設してなる多孔質中空糸膜モジュールを採用することが可能である。但し、このような構造に限定するものではない。
親水性膜ろ過装置2に逆洗手段を設けることも可能である。例えば親水性膜ろ過水の一部を親水性膜ろ過装置2に逆通液することにより、親水性膜の洗浄を行うことができる。
(疎水性膜ろ過装置3)
疎水性膜ろ過装置3は、疎水性膜を用いたクロスフロー式の疎水性膜ろ過装置であればよい。
疎水性膜とは、水の表面張力(約70mN/m)よりも油の表面張力(約25mN/m)寄りである表面張力を備えた膜を意味する。
疎水性膜としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリスルホン、ポリアミド、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等の素材からなる膜を挙げることができる。
中空糸とする場合には、これらの素材を溶融延伸法、湿式法等により製膜した疎水性多孔質中空糸膜が挙げられる。
但し、疎水性膜は、少なくとも膜の接液部分が疎水性を有していればよく、材料の全ての部分が疎水性を有するものである必要はない。例えば、疎水性でない材料で製膜された場合であっても、膜の接液部分が疎水性コーティングされていれば疎水性膜として使用可能である。
疎水性膜ろ過装置3も、上記親水性膜ろ過装置2同様に、クロスフロー式の膜ろ過装置を採用するのが好ましい。
具体的には、疎水性膜の外壁面側に沿って平行に油分含有水(被処理水)を送液し、疎水性相互作用により、油分を選択的に疎水性膜の外壁面側から内壁面側に透過させ、膜面を透過した油分を、油分排出管9を通じて循環系外に排出する一方、膜面を透過しない成分を、油分除去水として返送管10を通じて被処理水貯留タンク1に供給するようにすればよい。
このようにクロスフローろ過方式の疎水性膜ろ過装置3では、分離膜の一方の膜面に油分含有水を供給し、分離膜を透過した油分を分離膜の他方の膜面(透過側分離膜面)から回収する際、油分含有水供給側分離膜面に平行に油分含有水を流して油分の分離を行うため、分離膜表面に付着した油分以外の固形分をその膜表面から剥離させることができ、長期に渡って安定した運転を行うことができる。また、クロスフローろ過方式では、外壁面側を流れる被処理水の膜面流速が速くなるほど、膜表面の目詰まりが少なくなり、高い濾過流量を長時間保ちながら油水分離を行うことができるようになる。
但し、疎水性膜ろ過装置3の具体的な構造は任意である。例えば、U字状の疎水性多孔質中空糸膜をハウジング内に固定し、出口で開口するように配設してなる多孔質中空糸膜モジュールを採用することも可能である。
疎水性膜ろ過装置3に逆洗手段を設けることも可能である。例えば分離した油分の一部を疎水性膜ろ過装置3に逆通液することにより、疎水性膜の洗浄を行うようにすることができる。
(循環ポンプ6)
循環ポンプ6を駆動させることによって、被処理水貯留タンク1内の被処理水としての油分含有排水を配管5を介して親水性膜ろ過装置2に送液させることができる。
ポンプ6としては、必要な流量で送液可能なものであれば特に制限なく用いることができ、例えばトロコイドポンプ、ベーンポンプ等を挙げることができる。
<第2の実施形態>
本発明の実施形態の他の一例に係る油分含有排水の処理方法(「本処理方法2」と称する)は、上記本処理方法1における親水性膜ろ過装置2による親水性膜ろ過と、疎水性膜ろ過装置3による疎水性膜ろ過との順序を逆にした処理方法である。
すなわち、本処理方法2は、図2に示すように、被処理水(原水)としての油分含有排水を、疎水性膜を用いたクロスフロー式の疎水性膜ろ過装置3に供給し、疎水性膜ろ過によって油分と油分除去水とに分離し、該油分を回収する一方、該油分除去水を、親水性膜を用いたクロスフロー式の親水性膜ろ過装置2に供給し、親水性膜ろ過によって親水性膜ろ過水と油分含有水とに分離し、該親水性膜ろ過水を回収する一方、該油分含有水に前記被処理水(原水)を加えて、再度クロスフロー式の疎水性膜ろ過装置3に供給して循環処理することを特徴とする油分含有排水の処理方法である。
本処理方法2を実施するための装置としては、例えば図2に示すように、被処理水(原水)としての油分含有排水を貯留する被処理水貯留タンク1と、疎水性膜を用いたクロスフロー式の疎水性膜ろ過装置3と、親水性膜を用いたクロスフロー式の親水性膜ろ過装置2と、原水を被処理水貯留タンク1に供給する原水供給管4と、被処理水貯留タンク1内の油分含有排水を疎水性膜ろ過装置3に供給する配管21と、配管21の中間部に配設された循環ポンプ6と、疎水性膜ろ過装置3で分離された油分を循環系外に排出する油分排出管9と、疎水性膜ろ過装置3で分離された油分除去水を親水性膜ろ過装置2に供給する配管22と、親水性膜ろ過装置2で分離された親水性膜ろ過水を循環系外に排出する処理水排出管7と、親水性膜ろ過装置2で分離された油分含有水を被処理水貯留タンク1に供給する返送管23とを備えた、油分含有排水の処理装置を一例として挙げることができる。但し、このような処理装置に限定する趣旨ではない。例えば、被処理水貯留タンク1を省略して、親水性膜ろ過装置2で分離された油分含有水を疎水性膜ろ過装置3に供給するように構成することも、その他の構成とすることもできる。
なお、本処理方法1及び2において、原水としての油分含有排水中の油濃度は変動するため、油分の回収量や水(処理水)の回収量を安定させるための制御及び操作を行うのが好ましい。具体的には、例えば親水性膜ろ過装置2及び/或いは疎水性膜ろ過装置3の吸引側にサクションポンプ等を設け、循環ライン及び/或いは貯留タンクの油分濃度に応じてサクションポンプを制御することで、油分の回収量及び水(処理水)の回収量を安定させることができる。
<第3の実施形態>
油分含有排水の処理装置の他例として、前記配管5と、前記循環ポンプ6と、前記親水性膜ろ過装置2と、前記配管8と、当該疎水性膜ろ過装置3と、返送管10とを同一の気密系内に配置してなる構成を備えた油分含有排水の処理装置を挙げることができる。
この際、同一の気密系内に配置するとは、空気が漏れないように連結されていることを意味し、具体的には、前記循環ポンプ6を駆動させることにより、被処理水貯留タンク1内の油分含有排水を、配管5、親水性膜ろ過装置2、配管8、疎水性膜ろ過装置3及び返送管10を通じて被処理水貯留タンク1に戻すことができるように構成されていることを意味する。
例えば、図3及び図4に示すように、被処理水(原水)としての油を含有する排水(「油分含有排水」と称する)を貯留する被処理水貯留タンク1と、親水性膜ろ過室12及び疎水性膜ろ過室13を備えたろ過装置11と、原水を被処理水貯留タンク1に供給する原水供給管4と、被処理水貯留タンク1内の油分含有排水をろ過装置11に供給する配管5と、配管5の中間部に配設された循環ポンプ6と、ろ過装置11で分離された親水性膜ろ過水を循環系外に排出する処理水排出管7と、ろ過装置11で分離された油分を循環系外に排出する油分排出管9と、ろ過装置11で分離された油分除去水を被処理水貯留タンク1に供給する返送管10と、を備えた処理装置を構成することができる。
この際、ろ過装置11は、親水性膜12aを備えた親水性膜ろ過室12と、疎水性膜13aを備えた疎水性膜ろ過室13とを備え、親水性膜ろ過室12と疎水性膜ろ過室13とは配管8で連結され、疎水性膜ろ過室13の親水性膜ろ過水の出口側に処理水排出管7が連結され、疎水性膜ろ過室13の油分の出口側に油分排出管9が連結され、疎水性膜ろ過室13の油分除去水の出口側に返送管10が連結され、ろ過装置11全体が気密に形成された装置を挙げることができる。
親水性膜ろ過室12は、気密室内に複数の親水性膜12aを適宜間隔をおいて配設し、親水性膜12aの膜面と平行に油分含有排水を流通させ、親水性膜12a内を透過した親水性膜ろ過水を処理水排出管7を通じて系外に排出させる一方、親水性膜12aを透過しない油分含有水を配管8を通じて疎水性膜ろ過室13に供給するように構成することができる。
疎水性膜ろ過室13は、気密室内に複数の疎水性膜13aを、適宜間隔をおいて配設し、疎水性膜13aの膜面と平行に前記油分含有水を流通させ、疎水性膜13a内を透過した油分を油分排出管9を通じて系外に排出させる一方、疎水性膜13aを透過しない油分除去水を、返送管10を通じて被処理水貯留タンク1に供給するように構成することができる。
<その他の実施形態>
被処理水(原水)としての油分含有排水を、親水性膜及び疎水性膜を備えた膜ろ過装置に供給し、親水性膜からは水を、疎水性膜からは油分を同時に回収できるようにするには、例えば、親水性膜及び疎水性膜を一体化して備えた膜ろ過装置と、当該親水性膜から水を回収する回収手段と、当該疎水性膜から油分を回収する回収手段と、を備えた油水含有排水の処理装置によって実施することも可能である。
例えば、図5に示すように、ハイドロサイクロン(Hydrocyclone)を利用して、外側に親水性膜を貼り付け、中心軸に疎水性膜を置くことで、遠心力により油分の少ない液は親水性膜側に、油分の多い液は疎水性膜に寄るためコンパクトで効率的な分離が可能である。
このように遠心力を用いることで、ポンプ動力の削減もできる可能性がある。
また、図6に示すように、並行な仕切り板或いは傾斜板として、疎水性膜と親水性膜を複合化してなる多数の平膜状の複合化膜を、一定間隔で並行に配設し、これらの入口において、空気又は不活性ガスの微細気泡を、被処理水と共に供給することで、油分と水の分離を行いながら、水と油の回収を同時に行うこともできる。
この際、上記の疎水性膜と親水性膜を複合化してなる複合化膜は、例えば図7に示すように、仕切り板の上側に親水性膜を貼り付ける一方、仕切り板の下側に疎水性膜を貼り付けてなるものであり、空気又は不活性ガスで曝気して、油分を多く含む水が疎水性膜に接触し、油分が少ない水が親水性膜に接触するように配設するのが好ましい。
さらにまた、図8に示すように、遠心コアレッサー(ポンプ)を前段に置き、その出口の中心軸側液を疎水性膜、外側を親水性膜を通すことで、水と油を同時に回収することもできる。
1 被処理水貯留タンク
2 親水性膜ろ過装置
3 疎水性膜ろ過装置
4 原水供給管
5 配管
6 循環ポンプ
7 処理水排出管
8 配管
9 油分排出管
10 返送管
11 ろ過装置
12 親水性膜ろ過室
12a 親水性膜
13 疎水性膜ろ過室
13a 疎水性膜
21 配管
22 配管
23 返送管

Claims (7)

  1. 被処理水としての石油、石炭、天然ガス、シェールガス、コールドヘッドメタン、オイルサンド、シェールオイルのいずれかの産出或いは生産によって発生する油分含有排水を、親水性膜を用いたクロスフロー式の親水性膜ろ過装置に供給し、親水性膜ろ過によって親水性膜ろ過水と油分含有水とに分離し、該親水性膜ろ過水を回収する一方、該油分含有水をさらに、疎水性膜を用いたクロスフロー式の疎水性膜ろ過装置に供給し、疎水性膜ろ過によって油分と油分除去水とに分離し、該油分を回収する一方、該油分除去水に前記被処理水を加えて、前記クロスフロー式の親水性膜ろ過装置に供給し、循環処理することを特徴とする油分含有排水の処理方法。
  2. 被処理水としての石油、石炭、天然ガス、シェールガス、コールドヘッドメタン、オイルサンド、シェールオイルのいずれかの産出或いは生産によって発生する油分含有排水を、疎水性膜を用いたクロスフロー式の疎水性膜ろ過装置に供給し、疎水性膜ろ過によって油分と油分除去水とに分離し、該油分を回収する一方、該油分除去水を、親水性膜を用いたクロスフロー式の親水性膜ろ過装置に供給し、親水性膜ろ過によって親水性膜ろ過水と油分含有水とに分離し、該親水性膜ろ過水を回収する一方、該油分含有水に前記被処理水を加えて、前記クロスフロー式の疎水性膜ろ過装置に供給し、循環処理することを特徴とする油分含有排水の処理方法。
  3. 被処理水としての石油、石炭、天然ガス、シェールガス、コールドヘッドメタン、オイルサンド、シェールオイルのいずれかの産出或いは生産によって発生する油分含有排水を、親水性膜ろ過水と油分含有水とに分離する親水性膜を用いたクロスフロー式の親水性膜ろ過装置と、
    前記親水性膜ろ過水を回収する一方、前記親水性膜ろ過装置からの油分含有水をさらに、配管の供給により疎水性膜ろ過によって油分と油分除去水とに分離する疎水性膜を用いたクロスフロー式の疎水性膜ろ過装置と、
    前記油分を回収する一方、該油分除去水に前記被処理水を加えて、前記クロスフロー式の親水性膜ろ過装置に供給し、循環処理する返送管と、
    を備えたことを特徴とする油分含有排水の処理装置。
  4. 被処理水としての石油、石炭、天然ガス、シェールガス、コールドヘッドメタン、オイルサンド、シェールオイルのいずれかの産出或いは生産によって発生する油分含有排水を、疎水性膜ろ過によって油分と油分除去水とに分離する疎水性膜を用いたクロスフロー式の疎水性膜ろ過装置と、
    前記油分を回収する一方、前記疎水性膜ろ過装置からの油分除去水を配管の供給により親水性膜ろ過によって親水性膜ろ過水と油分含有水とに分離する親水性膜を用いたクロスフロー式の親水性膜ろ過装置と、
    前記親水性膜ろ過水を回収する一方、該油分含有水に前記被処理水を加えて、前記クロスフロー式の疎水性膜ろ過装置に供給し、循環処理する返送管と、
    を備えたことを特徴とする油分含有排水の処理装置。
  5. 被処理水としての石油、石炭、天然ガス、シェールガス、コールドヘッドメタン、オイルサンド、シェールオイルのいずれかの産出或いは生産によって発生する油分含有排水を、貯留する被処理水貯留タンクと、
    前記被処理水貯留タンクに貯留された油分含有排水を循環させる循環ポンプと、
    親水性膜を有する親水性膜ろ過室と疎水性膜を有する疎水性膜ろ過室とを一体化して備え、前記循環ポンプにより供給された油分含有排水から親水性膜ろ過水と油分とを回収できるろ過装置と、
    前記親水性膜ろ過室からの油分含有水を疎水性膜ろ過室へ供給する配管と、
    前記ろ過装置で分離された油分除去水を、前記被処理水貯留タンクに供給する返送管と、
    を備えたことを特徴とする油分含有排水の処理装置。
  6. 循環ポンプにより、前記被処理水或いは前記油分除去水を前記親水性膜或いは前記疎水性膜に透過させることを特徴とする請求項1又は2に記載の油分含有排水の処理方法。
  7. 前記被処理水と前記油分除去水とを被処理水貯留タンクに貯留することを特徴とする請求項1又は2に記載の油分含有排水の処理方法。
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