以下、実施の形態に係る撮像装置について説明する。なお、同一要素には同一符号を用い、重複する説明は省略する。
図1は、第1実施形態に係る撮像装置のブロック図(図1(A))と、撮像装置を用いた変位センサのブロック図(図1(B))である。
図1(A)に示すように、この撮像装置1は、ラインセンサであって、一次元状に配列された複数の画素P(1)〜P(N)を備えている(Nは2以上の整数)。これらの画素群は二次元状に配列させることも可能である。各画素P(1)〜P(N)からの信号は、スイッチSw9及びアンプAMP3を介して順次読み出される。スイッチSw9の出力は、アンプAMP3を介して、撮像装置1の外部にビデオ信号として出力される。このビデオ信号は、必要に応じてA/D変換される。
各スイッチSw9は、シフトレジスタ1Sからの電荷転送指示信号に同期して、順次ONされる。シフトレジスタ1Sには、クロック信号CLKと、電荷転送開始を指示するスタート信号或いはトリガ信号Trigが入力される。トリガ信号Trigが入力されると、シフトレジスタ1Sは、一次元状に配列された画素ごとの転送スイッチSw9を順次ONして、電荷転送を開始する。シフトレジスタ1Sとしては、MOSシフトレジスタを用いることができる。クロック信号は、シフトレジスタ1Sにおける動作タイミングを決定する。
各画素P(1)〜P(N)における露光時間(電荷蓄積時間)は、露光時間制御回路1Eによって、制御される。露光時間制御回路1Eは、撮像チップとしての撮像装置1内に組み込むことができるが、他の装置、例えば、制御用のコンピュータ内に組み込むことも可能である。露光時間制御装置1Eには、ビデオ信号が入力される。入力されたビデオ信号に応じて、各画素における露光時間を設定する。
露光時間制御回路1Eには、露光時間計測等に用いられるクロック信号CLKと、信号読出時のタイミングを知らせるためのトリガ信号Trigが入力される。露光時間制御回路1Eは、ビデオ信号の強度が、所定の下限値よりも小さい場合には、露光時間(電荷蓄積時間)を長くし、所定の上限値よりも大きい場合には、露光時間(電荷蓄積時間)を短くする。露光時間は、各画素内のスイッチをON/OFFすることで行うことができる。
図1(B)に示されるように、変位センサは、上述の撮像装置1と、投光装置2と、これらを制御する制御装置3とを備えており、被測定対象物OBJまでの距離を計測することができる。対象物OBJ上の照射位置を走査する場合には、距離情報の集合、すなわち表面凹凸を求めることができる。制御装置3からトリガ信号Trigが投光装置2に入力されると、投光装置2は対象物OBJに向けて、光を出射する。この光の波長は、撮像装置1における画素の感度波長領域に応じて選択される。例えば、画素がSiからなる場合には、出射光として赤外線を用いることができる。投光装置2には、クロック信号CLKも入力されており、入力されたクロック信号CLKをカウントすることで、投光時間を決定することができる。クロック信号CLKは、パルス信号なので、投光装置2内の発光素子(レーザダイオード又は発光ダイオード等)に、パルス信号に同期した駆動電流を供給することで、パルス光を出射することができる。
投光装置2へ入力される発光用のトリガ信号と、クロック信号CLKは、撮像装置1にも入力される。投光動作と撮像動作を同期させるためである。投光装置2から光が対象物OBJに照射されると、照射された光は対象物の表面で反射される。反射光は、撮像装置1内の画素群に入射する。この場合、反射光の画素群内の入射位置(スポット)は、三角測距法の原理に基づき、対象物OBJまでの距離(変位)に対応する。すなわち、画素群内に入射光ピークがある場合、その位置は投光装置2から対象物OBJまでの距離に対応する。なお、撮像装置1は反射光を画素群上に集光する集光レンズを備えている。撮像装置1からは、ビデオ信号が出力されているので、このビデオ信号をコンピュータなどの処理回路に入力し、入射位置を求めればよい。したがって、かかるシステムは、変位センサとして利用することもできる。
図2は、第1実施形態に係る露光時間制御回路のブロック図(図2(A))と、入出力と制御出力の関係を示す図表(図2(B))である。
撮像装置1におけるアンプAMP3(図1参照)からは、ビデオ信号(Vout)が出力されるが、露光時間制御回路1Eには、このビデオ信号(Vout)が帰還入力される。露光時間制御回路1Eは、撮像装置1における積分回路ITGの出力(ビデオ信号(Vout))の大きさを判定する判定回路1Eaと、判定回路1Eaの出力に基づき露光時間(電荷蓄積時間)を調整する制御出力を生成する露光時間調整回路1Ebと、制御出力に基づく各種スイッチを制御する方形波を生成する方形波生成回路1Ecとを備えている。なお、ビデオ信号は、積分回路の出力から取り出して帰還入力することもできる。
判定回路1Eaは、2つの比較器COMP1,COMP2を備えている。第1の比較器COMP1においては、その非反転入力端子(+)に上限値である電圧Vhighが入力され、反転入力端子(−)にビデオ信号(Vout)が入力され、出力1を発生する。第2の比較器COMP2においては、その反転入力端子(−)に下限値である電圧Vlowが入力され、非反転入力端子(+)にビデオ信号(Vout)が入力され、出力2を発生する。
図2(B)の上欄に示すように、入力されるビデオ信号(Vout)が、上限値Vhighよりも高い場合、すなわち入力電圧が高過ぎる場合、比較器COMP1,COMP2の出力1,出力2は、それぞれL(低レベル)、H(高レベル)となり、露光時間調整回路1Ebは、露光時間短縮を促す制御出力を発生する。
図2(B)の中欄に示すように、入力されるビデオ信号(Vout)が、上限値Vhighよりも低く、下限値Vlowよりも高い場合、すなわち入力電圧が適正な場合、比較器COMP1,COMP2の出力1,出力2は、それぞれH(高レベル)、H(高レベル)となり、露光時間調整回路1Ebは、露光時間維持を促す制御出力を発生する。
図2(B)の下欄に示すように、入力されるビデオ信号(Vout)が、下限値Vlowよりも低い場合、すなわち入力電圧が低すぎる場合、比較器COMP1,COMP2の出力1,出力2は、それぞれH(高レベル)、L(低レベル)となり、露光時間調整回路1Ebは、露光時間延長を促す制御出力を発生する。
ここで、大きさが判定されるビデオ信号は、時系列に転送される各画素P(1)〜P(N)からの積分出力を含んでいる。それぞれの画素に対応する積分出力を基準として、画素内のスイッチを制御し、各画素内の露光時間を個別に制御することもできるが、ここでは、全体の画素出力の平均値或いは積算値に基づき、全体の画素の露光時間を一斉に制御する。
すなわち、大きさが判定されるビデオ信号は、時系列に転送される各画素P(1)〜P(N)からの積分出力の1フレーム分の積算値とし、全ての画素内のスイッチを同時に制御し、全ての画素内の露光時間を同時に制御する。
露光時間調整回路1Ebは、出力されたビデオ信号を判定回路1Eaにより判定し、露光時間調整回路1Ebは、判定回路1Eaの判定結果に基づいて、画素の露光時間を帰還制御している。ここで、露光時間(積分回路における電荷蓄積時間)は、露光開始時刻(第1タイミング)と、露光終了時刻(第2タイミング)との間の期間で決定される。
露光時間調整回路1Ebは、判定回路1Eaにより、積分回路の出力であるビデオ信号(Vout)が、下限値Vlowよりも小さいと判定された場合は、露光開始時刻を早くし、又は、露光終了時刻を遅くするように、画素のスイッチを制御する制御出力を生成し、これを方形波生成回路1Ecに入力し、生成された方形波は該当するスイッチに入力される。
また、露光時間調整回路1Ebは、判定回路1Eaにより、積分回路の出力であるビデオ信号(Vout)が、上限値Vhighよりも大きいと判定された場合は、露光開始時刻を遅くし、又は、露光終了時刻を早くするように、画素のスイッチを制御する制御出力を生成し、これを方形波生成回路1Ecに入力し、生成された方形波は該当するスイッチに入力される。
また、露光時間調整回路1Ebは、判定回路1Eaにより、積分回路の出力であるビデオ信号(Vout)が、上限値Vhighと下限値Vlowとの間にあると判定された場合には、露光開始時刻及び露光終了時刻を維持するように、画素のスイッチを制御する制御出力を生成し、これを方形波生成回路1Ecに入力し、生成された方形波は該当するスイッチに入力される。
このように、露光時間制御回路1Eは、積分回路の出力に基づいて、各状態間の遷移のタイミングを制御することで、積分回路における電荷蓄積期間を制御している。
次に、露光開始時刻と露光終了時刻の制御について説明する。
図3は、第1実施形態に係る1画素周辺の回路構成を示すブロック図(図3(A))と、第1実施形態に係る各スイッチのON/OFFの状態を示す図表(図3(B))である。
図3(A)に示すように、上述の撮像装置に含まれる各画素Pは、フォトダイオードPDと、アンプAMP1を含む積分回路ITGと、積分回路ITGの入力端子とフォトダイオードPDのカソードとの間を接続するスイッチSw1とを備えている。フォトダイオードPDのアノードは接地されている。この画素Pは、更に積分回路ITGとメモリMとを接続するスイッチSw4と、メモリMと後段アンプAMP2を接続するスイッチSw8を備えている。積分回路ITGは、アンプAMP1の入力端子と出力端子との間に介在するキャパシタC1と、キャパシタC1に対して並列に接続され、同様にアンプAMP1の入力端子と出力端子との間に介在するリセットスイッチSw2とを備えている。
画素Pには、後段アンプAMP2及び出力アンプAMP3が順次接続されている。後段アンプAMP3と出力アンプAMP3との間には、ビデオ信号読出用のスイッチSw9が介在している。なお、フォトダイオードPDには、グランドとの間に並列に寄生キャパシタCpdが接続されている。
ここで、積分回路ITGのキャパシタC1に電荷を蓄積するためには、(1)リセットスイッチSw2が開放(OFF)しており、且つ、(2)接続スイッチSw1が、接続(ON)されていることが必要である(以下、電荷蓄積条件)。これらの2つの条件が満たされた場合に、積分回路ITGのキャパシタC1に電荷が蓄積される。一方、積分回路ITGのキャパシタC1への電荷蓄積動作を停止させるためには、上記2つの条件(1)、(2)のいずれか一方、又は、双方の条件が満たされなければよい。
図3(B)は、各スイッチの時刻t1〜t6までの制御について説明している。また、図4は、第1実施形態に係る各スイッチのタイミングチャートである。
時刻t1〜t2(期間T1)においては、スイッチSw1、Sw2、Sw4、Sw8、Sw9はOFFである。この場合、1つの電荷蓄積条件(上記条件(1))のみが満たされるが、電荷蓄積条件の全てが満たされているわけではないので、電荷は蓄積されない。
時刻t2〜t3A(期間T2)においては、スイッチSw1、Sw2がONし、残りのスイッチSw4、Sw8、Sw9はOFFである。この場合、1つの電荷蓄積条件(上記条件(2))のみが満たされるが、電荷蓄積条件の全てが満たされているわけではないので、電荷は蓄積されない。なお、リセットスイッチSw2がONされることで、キャパシタC1に蓄積された電荷はリセットされ、また、接続スイッチSw1がONされることで、電荷蓄積の準備が整う。
時刻t3A〜時刻t3B(期間T3A)においては、スイッチSw1のみがONし、残りのスイッチSw2、Sw4、Sw8、Sw9はOFFである。この場合、全ての電荷蓄積条件(上記条件(1)、(2))が満たされるので、電荷蓄積が行われる。この時刻t3Aは、露光開始時刻(電荷蓄積開始時刻)である。
時刻t3B〜時刻t4(期間T3B)においては、全てのスイッチSw1、Sw2、Sw4、Sw8、Sw9はOFFである。この場合、1つの電荷蓄積条件(上記条件(1))のみが満たされるが、電荷蓄積条件の全てが満たされているわけではないので、電荷は蓄積されない。この時刻t3Bは、露光終了時刻(電荷蓄積終了時刻)である。図4においては、期間3Aは、電荷蓄積期間(Integ 1, Integ 2,Integ 3)として示されている。
時刻t4〜時刻t5(期間T4)においては、スイッチSw4がONされ、残りのスイッチSw1、Sw2、Sw8、Sw9はOFFである。この場合、キャパシタC1に蓄積された電荷量の値は、スイッチSw4を介して、メモリMに蓄積される。メモリMは、電荷蓄積可能なキャパシタから構成することもできるが、入力電圧を保持することができるサンプルホールド回路から構成することもできる。
時刻t5〜時刻t6(期間T5)においては、スイッチSw8、Sw9がONされ、残りのスイッチSw1、Sw2、Sw4はOFFである。この場合、メモリM内に格納されたデータは、スイッチSw8、Sw9を順次介して、外部にビデオ信号(Video)として読み出され、連続する期間T2が終了するまで継続する。なお、全ての画素のスイッチSw8を同時にONした後、読み出しに必要な画素に対応するスイッチSw9を順次ONさせることで、各画素のデータを時系列に読み出すことができる。すなわち、スイッチSw8は、期間T5内において常にONされているが、スイッチSw9は画素毎に順次ONされる。
画素数が256個であり、これらの256チャンネルの画素が、一次元状に整列している場合、期間T5内において、これらの画素データがスイッチSw9を順次ONさせることで読み出されるが、メモリMが前段側の回路と切断されていれば(スイッチSw4がOFF)、読み出し期間を、期間T5内のみに限定する必要はなく、次の撮像サイクルの初期期間(期間T2)内において、順次Sw9をONさせて、画素データを読み出すことができる。換言すれば、ビデオ信号(Video)は、期間T5及びT2内において読み出される。
なお、スイッチSw9は、画素毎に順次ONされるが、残りのスイッチは、全ての画素において、同一の動作をする(グローバルシャッタ)ことができる。換言すれば、露光時間制御回路1Eは、全ての画素Pの積分回路ITGにおける電荷蓄積状態を、同一の期間内に設定している。この場合には、各画素Pにおける露光時刻が同時になるため、実際の画像と同一の画像を撮像することができる。
また、電荷蓄積或いは露光に必要な時間サイクルを短くすることができ、高速撮像が可能となる。撮像サイクルは、初期の撮像サイクルにおいては期間T1から始まるが、次回の撮像サイクル以降は、期間T2から始まる。
上述の実施形態に係る撮像装置によれば、ビデオ信号の出力に基づき、期間T2の開始時刻t2から期間T4の開始時刻t4までの電荷蓄積時間設定可能期間(t2〜t4)を一定としつつ、この電荷蓄積時間設定可能期間(t2〜t4)の中で、実際の露光時間(電荷蓄積時間(T3A))を適切且つ自由に設定することができる。電荷蓄積時間設定可能期間(t2〜t4)は、一定であるため、この期間を含む全体の撮像サイクル(1フレームの撮像に必要な期間)が、極端に短くなるなどの変動をすることがなく、したがって、後段の回路における処理負荷が変動せず、動作が安定するという利点がある。
図5は、比較例に係る撮像装置の1画素周辺の回路構成を示すブロック図(図5(A))と、比較例に係る各スイッチのON/OFFのタイミングを示す図表(図5(B))である。図6は、比較例に係る各スイッチのタイミングチャートである。同図に示すように、各種のスイッチがON/OFF制御される。
比較例に係る撮像装置では、画素周辺の回路構成は、第1実施形態のものと同一であり、露光時間制御回路の構成が異なる。すなわち、接続スイッチSW1は、全ての期間においてONしたままであり、この場合、リセットスイッチSw2がOFFした期間T3及びT4において、電荷蓄積が行われる。この構成の場合、電荷蓄積開始時刻t3は、Sw2によって制御することができるが、読み出しに寄与する電荷蓄積終了時刻t5は、後段のスイッチSw4をOFFすることによって決定される。
スイッチSw4を介して、キャパシタC1から転送された電荷は、メモリMに蓄積される。メモリMは、サンプルホールド回路であって、入力された信号のアナログ値を短期間、保持することができる。メモリMに入力されたデータが消失しないうちに、後段スイッチSw8及び出力スイッチSw9を順次ONし、入力データの読み出しを行う。すなわち、電荷蓄積終了時刻t5を調整すると、1フレームの撮像に必要な期間が変動し、後段の回路における処理負荷が変動するため、動作が不安定になる可能性がある。また、電荷蓄積期間を自由に設定するのが困難である。
一方、実施形態に係る撮像装置では、上述のように、リセット状態(期間T2)、蓄積状態(期間T3A)、及び、未接続状態(期間T3B)を含む電荷蓄積時間設定可能期間(t2〜t4)を一定としつつ、電荷蓄積期間(期間T3A)を自由に設定することができ、後段の処理回路を安定して動作させることができる。
次に、第2実施形態に係る撮像装置について、説明する。第2実施形態に係る撮像装置は、全体構成は第1実施形態に係る撮像装置と同一であり、画素の構成と露光時間制御回路によるスイッチ制御のみが異なる。
図7は、第2実施形態に係る1画素周辺の回路構成を示すブロック図(図7(A))と、第2実施形態に係る各スイッチのON/OFFのタイミングを示す図表(図7(B))である。また、図8は、第2実施形態に係る各スイッチのタイミングチャートである。なお、第2実施形態の撮像装置においては、同図に示されていない点は、第1実施形態のものと同一であり、また、この撮像装置は変位センサ等にも適用できる。
第2実施形態における画素Pは、第1実施形態において用いたメモリ(信号メモリとする)Mに加えて、ノイズメモリM2を備えた点であり、信号メモリMとノイズメモリM2の信号の差分を、後段の差動アンプAMP2において求めることで、ノイズ除去を行うCDS(相関二重サンプリング)回路の構成を採用したものである。
時刻t1〜t2(期間T1)においては、スイッチSw1、Sw2、Sw3、Sw4、Sw7、Sw8、Sw9はOFFである。この場合、1つの電荷蓄積条件(上記条件(1))のみが満たされるが、電荷蓄積条件の全てが満たされているわけではないので、電荷は蓄積されない。
時刻t2〜t3A(期間T2)においては、スイッチSw1、Sw2がONし、残りのスイッチSw3、Sw4、Sw7、Sw8、Sw9はOFFである。この場合、1つの電荷蓄積条件(上記条件(2))のみが満たされるが、電荷蓄積条件の全てが満たされているわけではないので、電荷は蓄積されない。なお、リセットスイッチSw2がONされることで、キャパシタC1に蓄積された電荷はリセットされ、また、接続スイッチSw1がONされることで、電荷蓄積の準備が整う。
時刻t3A〜時刻t3B(期間T3A)においては、スイッチSw1のみがONし、残りのスイッチSw2、Sw3、Sw4、Sw7、Sw8、Sw9はOFFである。この場合、全ての電荷蓄積条件(上記条件(1)、(2))が満たされるので、信号用の電荷蓄積が行われる。この時刻t3Aは、信号用の露光開始時刻(電荷蓄積開始時刻)である。
時刻t3B〜時刻t4(期間T3B)においては、全てのスイッチSw1、Sw2、Sw3、Sw4、Sw7、Sw8、Sw9はOFFである。この場合、1つの電荷蓄積条件(上記条件(1))のみが満たされるが、電荷蓄積条件の全てが満たされているわけではないので、電荷は蓄積されない。この時刻t3Bは、信号用の露光終了時刻(電荷蓄積終了時刻)である。図8においては、期間3Aは、電荷蓄積期間(Integ 1, Integ 2,Integ 3)として示されている。
時刻t4〜時刻t5(期間T4)においては、スイッチSw4がONされ、残りのスイッチSw1、Sw2、Sw3、Sw7、Sw8、Sw9はOFFである。この場合、キャパシタC1に蓄積された電荷量の値は、スイッチSw4を介して、信号メモリMに蓄積される。信号メモリMは、電荷蓄積可能なキャパシタから構成することもできるが、入力電圧を保持することができるサンプルホールド回路から構成することもできる。
次に、ノイズ成分を蓄積する。後段の差動アンプ(差分回路)AMP2を用いて、信号からノイズ成分を除去するためである。
時刻tN1〜時刻tN2(期間TN1)においては、全てのスイッチSw1、Sw2、Sw3、Sw4、Sw7、Sw8、Sw9はOFFである。この場合、フォトダイオードPDからの積分回路ITGへの入力はないが、入力が無い場合の電圧がキャパシタC1の両端には現れている。
時刻tN2〜時刻t5(期間TN2)においては、リセットスイッチSw2、ノイズメモリへの転送用スイッチSw3がONとなり、残りのスイッチSw1、Sw4、Sw7、Sw8、Sw9はOFFである。この場合、入力の無い状態で、リセットスイッチSw2をOFFからONに切り替える際に、積分回路ITGの出力側に発生しているノイズ成分の値が、転送スイッチSw3を介して、ノイズメモリM2に格納される。
時刻t5〜時刻t6(期間T5)においては、差動アンプAMP2への接続スイッチSw7、Sw8がONされ、差動アンプAMP2における信号とノイズ成分の差分出力が、ONされた出力スイッチSw9を介して、出力アンプAMP3に入力される。リセットスイッチSw2はONしたままにしておき、残りのスイッチSw1、Sw3、Sw4はOFFとする。この場合、信号メモリMとノイズメモリM2内にそれぞれ格納されたノイズ成分を含む信号成分のデータと、ノイズ成分のデータとは、それぞれ差動アンプAMP2に入力され、これらの差分である信号成分が、差動アンプAMP2からは出力される。
差動アンプAMP2の出力は、スイッチSW9を介して、外部にビデオ信号として、画素毎に順次読み出される。すなわち、全ての画素のスイッチSw7,Sw8を同時にONした後、読み出しに必要な画素に対応するスイッチSw9を順次ONさせることで、各画素のデータを時系列に読み出すことができる。すなわち、スイッチSw7,Sw8は、期間T5内において常にONされているが、スイッチSw9は画素毎に順次ONされる。
256チャンネルの画素が、一次元状に整列している場合、期間T5内において、これらの画素データがスイッチSw9を順次ONさせることで読み出されるが、信号メモリM及びノイズメモリM2が、前段側の回路と切断されていれば(スイッチSw3,Sw4がOFF)、読み出し期間を、期間T5内のみに限定する必要はなく、次の撮像サイクルの初期期間(期間T2)内において、順次Sw9をONさせて、画素データを読み出すことができる。換言すれば、ビデオ信号(Video)は、期間T5及びT2内において読み出される。
なお、スイッチSw9は、画素毎に順次ONされるが、残りのスイッチは、全ての画素において、同一の動作をする(グローバルシャッタ)ことができる。
これにより、電荷蓄積及び露光に必要な時間サイクルを短くすることができ、高速撮像が可能となる。撮像サイクルは、初期の撮像サイクルにおいては期間T1から始まるが、次回の撮像サイクル以降は、期間T2から始まる。
上述の実施形態に係る撮像装置によれば、ビデオ信号の出力に基づき、期間T2の開始時刻t2から期間T4の開始時刻t4までの電荷蓄積時間設定可能期間(t2〜t4)を一定としつつ、この電荷蓄積時間設定可能期間(t2〜t4)の中で、実際の露光時間(電荷蓄積時間)を適切且つ自由に設定することができる。電荷蓄積時間設定可能期間(t2〜t4)は、一定であるため、この期間を含む全体の撮像サイクル(1フレームの撮像に必要な期間)が、極端に短くなるなどの変動をすることがなく、したがって、後段の回路における処理負荷が変動せず、動作が安定するという利点がある。
また、CDS回路を用いることにより、ビデオ信号からノイズ成分を除去することができるため、高品質な撮像を行うことができる。
図9は、第3実施形態に係る1画素周辺の回路構成を示すブロック図(図9(A))と、第3実施形態に係る各スイッチのON/OFFのタイミングを示す図表(図9(B))である。
第3実施形態では、上述のメモリを用いないで、各画素のスイッチの開閉動作を時系列に行う(ローリングシャッタ)。すなわち、上述の実施形態では、全画素の積分回路における電荷蓄積を同時に行い(グローバルシャッタ)、その後、個々の画素のデータを時系列に読み出したが、ローリングシャッタでは、個々の画素における電荷蓄積を時系列に行う。
したがって、第3実施形態における1つの画素に着目した場合、この撮像装置では第1実施形態に用いたメモリがなく、メモリ後段のスイッチSw8(図3参照)はない。そして、第3実施形態では、期間T1〜期間T4までの動作は、存在しないスイッチSw8(図3参照)を除いて、第1実施形態の場合と同一である。すなわち、第3実施形態の撮像装置においては、同図に示されていない点は、第1実施形態のものと同一であり、また、この撮像装置は変位センサ等にも適用できる。
第3実施形態における1つの画素内の動作を詳説する。
時刻t1〜t2(期間T1)においては、スイッチSw1、Sw2、Sw4、Sw9はOFFである。この場合、1つの電荷蓄積条件(上記条件(1))のみが満たされるが、電荷蓄積条件の全てが満たされているわけではないので、電荷は蓄積されない。
時刻t2〜t3A(期間T2)においては、スイッチSw1、Sw2がONし、残りのスイッチSw4、Sw9はOFFである。この場合、1つの電荷蓄積条件(上記条件(2))のみが満たされるが、電荷蓄積条件の全てが満たされているわけではないので、電荷は蓄積されない。なお、リセットスイッチSw2がONされることで、キャパシタC1に蓄積された電荷はリセットされ、また、接続スイッチSw1がONされることで、電荷蓄積の準備が整う。
時刻t3A〜時刻t3B(期間T3A)においては、スイッチSw1のみがONし、残りのスイッチSw2、Sw4、Sw9はOFFである。この場合、全ての電荷蓄積条件(上記条件(1)、(2))が満たされるので、電荷蓄積が行われる。この時刻t3Aは、露光開始時刻(電荷蓄積開始時刻)である。
時刻t3B〜時刻t4(期間T3B)においては、全てのスイッチSw1、Sw2、Sw4、Sw9はOFFである。この場合、1つの電荷蓄積条件(上記条件(1))のみが満たされるが、電荷蓄積条件の全てが満たされているわけではないので、電荷は蓄積されない。この時刻t3Bは、露光終了時刻(電荷蓄積終了時刻)である。
時刻t4〜時刻t5(期間T4)においては、スイッチSw4がONされ、残りのスイッチSw1、Sw2、Sw9はOFFである。この場合、キャパシタC1に蓄積された電荷量の値は、スイッチSw4を介して、アンプAMP2に伝達されるが、外部には出力されない。
時刻t5〜時刻t6(期間T5)においては、スイッチSw8、Sw9がONされ、残りのスイッチSw1、Sw2、Sw4はOFFである。この場合、アンプAMP2に伝達されたデータは、スイッチSw9を順次介して、外部にビデオ信号として読み出される。
以上の期間T1〜T5の露光制御が、特定の1つの画素に対して行われ、その画素からのデータを出力すると、次の順番の1つの画素に対して、同一の露光制御が行われ、その画素からのデータを出力すると、更に次の順番の1つの画素に対して、同一の露光制御が行われ、このようにして、この露光制御は、順番の最後の画素になるまで、逐次実行される。256チャンネルの画素が、一次元状に整列している場合、第1番目の画素から順番に露光制御が行われ、256番目の画素まで露光制御が順次行われる。
第3の実施形態に係る撮像装置によれば、ビデオ信号の出力に基づき、それぞれの1つの画素に対して、期間T2の開始時刻t2から期間T4の開始時刻t4までの電荷蓄積時間設定可能期間(t2〜t4)を一定としつつ、この電荷蓄積時間設定可能期間(t2〜t4)の中で、実際の露光時間(電荷蓄積時間)を適切且つ自由に設定することができる。電荷蓄積時間設定可能期間(t2〜t4)は、一定であるため、この期間を含む全体の撮像サイクル(1フレームの撮像に必要な期間)が、極端に短くなるなどの変動をすることがなく、したがって、後段の回路における処理負荷が変動せず、動作が安定するという利点がある。
次に、図1(B)を再び参照して、投光装置との関係について、補足的に説明を行う。
投光装置2に、投光開始用のトリガ信号Trigが入力されると、投光装置2は、上述の時刻t1において、対象物OBJに向けて投光を開始すると同時に、同じくトリガ信号Trigが入力された撮像装置1において、時刻t1から始まる撮像サイクルが開始する。投光期間は、電荷の蓄積期間T3Aを含み、これよりも長く設定される。電荷の蓄積期間T3Aを含む投光期間以外のビデオ信号出力期間等においては、低消費電力の観点から、投光は停止される。投光停止期間は、例えば、電荷蓄積を行っていない期間である期間T4及び期間T5とすることができるが、投光を常時行っていても、装置としては動作する。投光される光は連続光とすることもできるが、入力されるクロック信号CLKに同期したパルス光とすることができる。
なお、上記では、投光の開始をオープンループ制御(トリガ信号Trigの入力に同期して動作する制御)で、撮像装置1が認識する構成となっているが、撮像装置1は、トリガ信号Trigの入力に加えて、対象物からの反射光をモニタ用フォトダイオード又は画素の一部を用いてモニタし、反射光が入射した場合に、トリガ信号の入力を有効値として認識し、撮像サイクルを開始するフィードバック制御を行うこととしてもよい。
なお、蓄積開始時刻t3Aは、投光開始時刻t1から、所定時間が経過した時刻に設定される。所定時間は、投光開始から、光強度が安定するまでの期間に設定される。オープンループ制御の場合は、所定時間は、撮像装置1において予め設定しておくことができるが、フィードバック制御の場合は、モニタされる反射光の強度が所定値を超えた場合に、所定時間が終了すると認識させることができる。
なお、制御装置3から投光終了用のトリガ信号Trigが投光装置2に入力されると、投光装置2からの発光は停止するが、投光終了用のトリガ信号Trigの入力後においても過渡現象として僅かな間は発光が継続する。この継続期間は、発光が不安定な期間であるので、投光の終了時刻は、電荷蓄積期間T3Bの経過後(時刻t3Bよりも後)に、設定される。これにより不安定な投光時の撮像を回避することができる。
なお、投光開始と投光終了のトリガ信号Trigは、1つの方形波の立ち上がりと、立下りのタイミングによって、設定することもできるが、この方形波の立ち上がり時刻を生成するパルス波と、立下り時刻を生成するパルス波を、双安定マルチバイブレータ(ラッチ・フリップフロップ)等に入力することにより、トリガ信号Trigは容易に生成することができる。
図10は、方形波生成回路の一例を示す図(図10(A))、方形波生成要素の一例の図(図10(B))である。
回路内動作に必要な他の方形波も、上記と同様に、双安定マルチバイブレータを用いて生成することができ、図2の方形波生成回路1Ecは、制御出力に基づき、入力されるトリガ信号Trigとクロック信号CLKに基づいて、各種スイッチを制御する方形波を生成する複数の方形波生成要素WGを有している。方形波生成要素WGは、入力された制御出力に基づき、上述のON/OFFのタイミングを有する各種スイッチの制御信号を生成する。同図では、第2実施形態に合わせて6つのスイッチ用の制御信号を出力する例が示されているが、制御対象のスイッチ数がこれと異なる場合、第1及び第3実施形態の場合は、方形波生成要素WGの数を、制御対象のスイッチ数とする。
方形波の立ち上り及び立ち下がり時刻は、入力されたクロック信号をカウンタでカウントし、カウント値が所望の値となったときのクロックを採用する構成とし、所望の値になる時刻を、それぞれの時刻とすることができる。すなわち、いずれの方形波であっても、その立ち上り及び立下り時刻は容易に制御することができる。一連の撮像サイクルの開始及び終了時刻は、方形波生成回路1Ecに入力されるトリガ信号Trigによって、決定することができる。すなわち、トリガ信号Trigを入力した場合にのみ方形波生成回路1Ecの動作を開始すればよい。
なお、カウンタとしては、カウント値が所望の値となった場合に出力を発生するプログラマブルカウンタPC(図10(B))を用いることができ、所望の値は、露光時間調整回路からの制御出力により変更することができる。プログラマブルカウンタPCが所望のクロック数をカウントした後、これをラッチ・フリップフロップFFに入力すれば、ラッチ・フリップフロップFFは、入力時に方形波の立ち上り又は立下り部分を生成する。同図では、1つの方形波生成要素WGが1つのプログラマブルカウンタPCを備えているが、これが2以上のプログラマブルカウンタを備えれば、様々な波形生成用のクロックパルスを自由に生成することが可能である。
露光時間制御回路1Eの制御出力が露光時間の延長を促す場合には、電荷蓄積終了時刻を遅らせるか、電荷蓄積開始時刻を早める構成とすればよい。
例えば、ビデオ信号の出力が下限値Vlowよりも低く、したがって、+X時間の電荷蓄積時間の延長を制御出力が示す場合には、電荷蓄積終了時刻を示すスイッチSw1のONからOFFへの切り替わり時刻を、+X時間だけ遅らせる。電荷蓄積終了時刻に対応するプログラマブルカウンタへの入力値を+X時間に対応する値に設定すれば、スイッチSw1の切り替わりのタイミングを遅らせることができる。もちろん、+X時間の電荷蓄積時間の延長を制御出力が示す場合に、電荷蓄積開始時刻を示すスイッチSw2のONからOFFへの切り替わり時刻を、−X時間分だけ早めることもできる。これにより、電荷蓄積開始時刻に対応するプログラマブルカウンタへの入力値を−X時間に対応する値に設定すれば、スイッチSw2の切り替わりのタイミングを早めることができる。
また、露光時間制御回路の制御出力が露光時間の短縮を促す場合には、電荷蓄積終了時刻を早めるか、電荷開始終了時刻を遅くする構成とすればよい。
例えば、ビデオ信号の出力が上限値よりも高く、したがって、−X時間分の電荷蓄積時間の短縮を制御出力が示す場合には、電荷蓄積終了時刻を示すスイッチSw1のONからOFFへの切り替わり時刻を、−X時間分だけ早める。電荷蓄積終了時刻に対応するプログラマブルカウンタへの入力値を−X時間に対応する値に設定すれば、スイッチSw1の切り替わりのタイミングを遅らせることができる。もちろん、−X時間分の電荷蓄積時間の短縮を制御出力が示す場合に、電荷蓄積開始時刻を示すスイッチSw2のONからOFFへの切り替わり時刻を、+X時間分だけ遅くすることもできる。これにより、電荷蓄積開始時刻に対応するプログラマブルカウンタへの入力値を+X時間に対応する値に設定すれば、スイッチSw2の切り替わりのタイミングを早めることができる。
なお、リセットスイッチSw2のOFFからONへの切り替わりのタイミングは、クロック信号CLKに含まれるパルス方形波の中間位置(パルスの立ち上り時刻と立下り時刻の間の時刻)に設定されることが好ましい。すなわち、接続スイッチSw1のON/OFFの制御する方形波信号は、クロック信号CLKから生成しているため、クロックの立ち上り時刻と立下り時刻には接続スイッチSw1への入力信号にノイズが重畳する。このノイズの発生と同時にリセットスイッチSw2をONからOFFに切り替えると、ノイズがキャパシタC1に取り込まれる。したがって、ノイズ成分の蓄積を避けるため、クロック信号のエッジにおいては、リセットスイッチSw2の切り替えを避けることとしている。
変位センサにおいては、撮像装置1がラインセンサである場合、反射光の入射位置が、対象物までの距離に対応する。すなわち、一次元状に並んだ特定の画素における光入射強度が、その周囲の画素における光入射強度と比較して高くなる。すなわち、撮像装置1から出力されるビデオ信号は、1フレームの中で強度ピークを有している。詳説すれば、ビデオ信号における強度ピークが適切なダイナミックレンジの範囲内になるように、判定回路の上限値Vhigh及び下限値Vlowが設定され、これに応じて電荷蓄積時間が設定される。
なお、対象物の反射率が高い場合には、反射光強度が高くなるので、電荷蓄積時間は短くなり、反射率が低い場合には、反射光強度が低くなるので、電荷蓄積時間は短くなる。
以上、説明したように、上述の実施形態に係る撮像装置は、整列した複数の画素を有する撮像装置において、各々の画素Pは、フォトダイオードPDと、アンプ(オペアンプ)AMP1の入出力端子間(反転入力端子/出力端子間)に接続されたキャパシタC1及び当該キャパシタC1を短絡するリセットスイッチSw2を有する積分回路ITGと、フォトダイオードPDと積分回路ITGの入力端子との間を接続する接続スイッチSw1と、キャパシタC1への電荷蓄積期間を制御する露光時間制御回路1Eとを備えている。
また、露光時間制御回路1Eは、接続スイッチSw1がONであり且つリセットスイッチがONのリセット状態(期間T2)、接続スイッチSw1がONであり且つリセットスイッチSw2がOFFの蓄積状態(期間T3A)、及び、接続スイッチSw1がOFFであり且つリセットスイッチSw2がOFFの未接続状態(期間T3B)、を順番に形成し、リセット状態(期間T2)、蓄積状態(期間T3A)、及び、未接続状態(期間T3B)からなる電荷蓄積時間設定可能期間を一定としつつ、積分回路ITGの出力に基づいて、リセット状態(期間T2)から蓄積状態(期間T3A)に変化する第1タイミング(t3A)、及び/又は、蓄積状態(期間T3A)から未接続状態(期間T3B)に変化する第2タイミング(t3B)を制御することで、電荷蓄積期間(期間T3Aを制御している。この装置では、電荷蓄積期間を自由に設定することができ、また、後段の回路を安定して動作させることができる。
また、露光時間制御回路1Eは、積分回路ITGの出力の大きさを判定する判定回路1Eaと、判定回路1Eaにより、積分回路ITGの出力が下限値Vlowよりも小さいと判定された場合は、第1タイミング(t3A)を早くし、又は、第2タイミング(t3BB)を遅くし、積分回路ITGの出力が上限値Vhighよりも大きいと判定された場合は、第1タイミング(t3A)を遅くし、又は、第2タイミング(t3B)を早くする露光時間調整回路1Ebとを備えている。この構成によれば、簡易な構成なので、高速応答処理を実現することが可能である。
なお、露光時間調整回路1Ebは、入力レベルL,Hの組み合わせにより、図2(B)のような制御出力を発生することができる。図2(B)では3つの状態を示しているので、2ビットのデジタル出力で全ての状態を表現できる。露光時間調整回路1Ebは、1つの状態が入力された場合、上述の各種スイッチのON/OFFのタイミングを生成する。この機能は論理回路によって構成することができるが、入力状態に併せて上述のON/OFFのタイミングを発生するプログラムをマイクロコンピュータに組み込んで構成することとしてもよい。
また、露光時間制御回路1Eは、全ての画素Pにおける蓄積状態(期間T3A)を、同一の期間内に設定することが好ましく、この場合には、露光時刻が同時になるため、実際の画像と同一の画像を撮像することができる。
また、第2実施形態の撮像装置1は、前記蓄積状態における積分回路ITGの出力を記憶する信号メモリMと、リセットスイッチSw2が、OFFからONに切り替わる際の積分回路ITGの出力を記憶するノイズメモリM2と、信号メモリM及びノイズメモリM2の出力の差分を出力する差動アンプAMP2とを備えており、出力からノイズ成分を除去することが可能となっている。
なお、上述の実施形態において、スイッチSw4のONする際には、接続スイッチSw1はOFFされている。これにより、フォトダイオードPDの寄生キャパシタCpdの影響を抑え、積分回路ITGにおけるアンプの負荷を小さくすることができる。したがって、スイッチSw4をONする際のデータ転送時間を短縮することが可能となり、高速の撮像が可能となる。