以下、本発明の一実施形態について図面に基づき詳細に説明する。
図1は、本実施形態における画像処理システムの一例である画像処理装置10により実現される機能の一例を示す機能ブロック図である。図1に示すように、本実施形態における画像処理装置10は、機能的には、例えば、画像取得部20、彩度コントラストヒストグラム生成部22、彩度変更部24、RGB−輝度変換部26、輝度コントラストヒストグラム生成部28、輝度変更部30、輝度−RGB変換部32、画像合成部34、画像出力部36、を含んでいる。
本実施形態における画像処理装置10は、例えば、画像処理装置10にインストールされるプログラムに従って動作するCPU等のプログラム制御デバイスである制御部、ROMやRAM等の記憶素子やハードディスクドライブなどである記憶部、利用者が行った操作の内容を制御部に出力する入力部(例えば、マウス、キーボード、マイクなど)、制御部から入力される指示に従って情報を出力する出力部(例えば、ディスプレイ、スピーカなど)、等を備えたコンピュータである。そして、図1に示す各部の機能は、コンピュータである画像処理装置10にインストールされた、図1に示す各部の機能に対応する命令を含むプログラムを、画像処理装置10の制御部で実行することにより実現されている。このプログラムは、例えば、光ディスク、磁気ディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等のコンピュータ可読な情報記憶媒体を介して、あるいは、インターネットなどの通信手段を介して画像処理装置10に供給される。
本実施形態における画像処理装置10では、取得される画像に含まれる少なくとも1つの画素の輝度の分布に応じて、当該画像に含まれる少なくとも1つの画素について色が変更された画像を出力する。以下、取得される画像を変更前画像と呼び、出力される画像を変更後画像と呼ぶこととする。そして、本実施形態における変更前画像及び変更後画像は、1つの画素が複数の成分色(原色)(本実施形態では、例えば、RGB(Red、Green、Blue))毎に設けられた信号値により示される複数の画素により構成されたものとする。本実施形態では、例えば、R信号値、G信号値、B信号値のいずれも、0以上255以下である整数のいずれかで表現される。また、R信号値、G信号値、及び、B信号値のすべての値が255である場合に白が表現され、R信号値が255であり他の信号値が0である場合に赤が表現され、G信号値が255であり他の信号値が0である場合に緑が表現され、B信号値が255であり他の信号値が0である場合に青が表現され、R信号値、G信号値、及び、B信号値のすべてが0である場合に黒が表現されることとする。
ここで、本実施形態における画像処理装置10で行われる処理の流れの一例を、図2に例示するフロー図を参照しながら説明する。
まず、画像取得部20が、変更前画像を取得する(S101)。そして、彩度コントラストヒストグラム生成部22が、変更前画像に基づいて、ヒストグラム(以下、彩度ヒストグラムと呼ぶ。)を生成する(S102)。図3は、彩度ヒストグラムの一例を示す図である。図4は、彩度ヒストグラムの別の一例を示す図である。なお、図3は、生の食材(具体的には、例えば、野菜、魚、生肉などといった生鮮食品など)の画像についての典型的な彩度ヒストグラムの一例を示しており、図4は、調理された食材(例えば、餃子、ステーキ等)の画像についての典型的な彩度ヒストグラムの一例を示している。図3及び図4に例示する彩度ヒストグラムでは、変更前画像に含まれる、予め定められた規則に従って算出される彩度成分値毎の画素数が、彩度ヒストグラムにおける頻度として示されている。本実施形態では、例えば、画素の成分色の信号値(R信号値、G信号値、及び、B信号値)のうちの最大値から、当該画素の成分色の信号値(R信号値、G信号値、及び、B信号値)のうちの最小値を引いた値を、当該画素の彩度成分値とする。より具体的には、例えば、R信号値が255、G信号値が128、B信号値が64である画素については、R信号値、G信号値、B信号値のうちの最大値(ここでは、R信号値)である255から、R信号値、G信号値、B信号値のうちの最小値(ここでは、B信号値)である64を引いた値である191が、当該画素の彩度成分値となる。以下、彩度成分値がcである画素数(彩度成分値cに対応付けられる画素数)を、num(C=c)と表す。また、以下、変更前画像に含まれる画素におけるR信号値の平均値をave(R)、G信号値の平均値をave(G)、B信号値の平均値をave(B)、彩度成分値の平均値をave(C)と表す。
そして、彩度変更部24が、S102に例示する処理で生成される彩度ヒストグラムと、画像処理装置10の記憶部に予め記憶されている、彩度対応規則情報とに基づいて、彩度強調係数の傾きを示す値を決定する(S103)。
S103に例示する処理では、彩度変更部24は、彩度ヒストグラムに基づいて、対応付けられる画素数が、画素数についての予め定められた閾値th1以上である彩度成分値cの範囲(例えば、num(C=c)>=th1であるcの範囲)を特定する。図3及び図4に例示する彩度ヒストグラムにおいては、例えば、彩度成分値が、cmin以上cmax以下の範囲が特定される。そして、彩度変更部24は、特定された彩度成分値の範囲の大きさを表す値(例えば、最大値であるcmaxと最小値であるcminとの差)を、彩度成分値の全範囲(例えば、0以上255以下の整数)を表す値(例えば、256)で割った値を彩度コントラスト値cont(C)として特定する。ここでは、例えば、0以上1以下の値が彩度コントラスト値cont(C)として特定される。図3に例示する彩度ヒストグラムに基づいて特定される彩度コントラスト値cont(C)は、図4に例示する彩度ヒストグラムに基づいて特定される彩度コントラスト値cont(C)よりも大きいこととなる。
そして、彩度変更部24は、特定された彩度コントラスト値cont(C)と、彩度対応規則情報と、に基づいて、彩度強調係数の傾きを示す値grad(C)を決定する。なお、彩度強調係数の傾きを示す値grad(C)は正である。彩度対応規則情報は、例えば、彩度コントラスト値と彩度強調係数の傾きとの関係を示す数式や、彩度コントラスト値と彩度強調係数の傾きとを対応付けた表などを表す情報であり、本実施形態では、例えば、彩度コントラスト値が大きくなるほど彩度強調係数の傾きが大きくなるよう彩度対応規則情報は設定されている。
そして、彩度変更部24は、変更前画像に含まれる各画素について、R信号値、G信号値、B信号値のそれぞれを変更することで、第1中間画像を生成する(S104)。ここで、例えば、変更前のR信号値、G信号値、B信号値、彩度成分値をそれぞれ、r1、g1、b1、c1とし、変更後のR信号値、G信号値、B信号値をそれぞれ、r2、g2、b2とする。そして、例えば、grad(C)×(c1−ave(C))の値を、彩度強調係数emp(C)とする。彩度成分値の値が、彩度成分値の平均値ave(C)と一致する画素の彩度強調係数emp(C)の値は0となる。そして、r1、g1、b1のうちの最小値をmin(1)とすると、r2=min(1)+(r1−min(1))×(1+emp(C))、g2=min(1)+(g1−min(1))×(1+emp(C))、b2=min(1)+(b1−min(1))×(1+emp(C))、との数式に従って、変更後のR信号値、G信号値、及び、B信号値が算出される。
本実施形態では、変更前の彩度成分値が異なる画素については彩度強調係数の値は異なることとなる。すなわち、S104に例示する処理では、変更前画像に含まれる少なくとも1つの画素の成分色間の差分の分布に応じた、変更の対象となる画素の成分色間の差分毎に異なる規則に従って、変更後の信号値は算出されることとなる。
図5は、図3に例示する彩度ヒストグラムと対応付けられる、彩度成分値と彩度強調係数emp(C)との関係の一例を示す図である。図3に例示する彩度ヒストグラムに基づいて特定された彩度強調係数の傾きを示す値grad(C)が、図5に例示するグラフの傾きを表すこととなる。また、図6は、図4に例示する彩度ヒストグラムと対応付けられる、彩度成分値と彩度強調係数emp(C)との関係の一例を示す図である。図4に例示する彩度ヒストグラムに基づいて特定された彩度強調係数の傾きを示す値grad(C)が、図6に例示するグラフの傾きを表すこととなる。
本実施形態では、変更前の彩度成分値が、彩度成分値の平均値ave(C)よりも大きい画素は、彩度強調係数の値が正となり、変更後の成分色の信号値間の差分は、変更前の成分色の信号値間の差分よりも大きくなる。また、本実施形態では、変更前の彩度成分値が、彩度成分値の平均値ave(C)よりも小さい画素は、彩度強調係数の値が負となり、変更後の成分色の信号値間の差分は、変更前の成分色の信号値間の差分よりも小さくなる。また、本実施形態では、変更前の彩度成分値が、彩度成分値の平均値ave(C)と同じである場合は、彩度強調係数の値は0となり、変更後の信号値(例えば、r2、g2、b2)は、変更前の信号値(例えば、r1、g1、b1)と同じとなる。また、信号値が、min(1)である成分色については、信号値は変化しない。
一般的に、図3に例示するような、生の食材(具体的には、例えば、野菜、魚、生肉などといった生鮮食品など)の画像についての彩度ヒストグラムは、図4に例示するような、調理された食材(例えば、餃子、ステーキ等)の画像についての彩度ヒストグラムよりも、対応付けられる画素数が、閾値th1以上である彩度成分値の範囲が広い。よって、一般的には、生の食材の画像に基づいて特定される彩度強調係数の傾きを示す値は、調理された食材の画像に基づいて特定される彩度強調係数の傾きを示す値よりも大きいこととなり、生の食材の画像の方が、調理された食材の画像よりも、成分色間の信号値の差分が強調されることとなる。
そして、RGB−輝度変換部26が、変更前画像に含まれる各画素について、その画素のR信号値、G信号値、及び、B信号値の組合せ(RGB信号値)を、輝度信号値(例えば、Yで表現される輝度信号値)及び色差信号値(例えば、Cb及びCr、あるいは、Pb及びPrの組合せで表現される色差信号値)の組合せ(輝度等信号値)に変換する(S105)。なお、RGB信号値は、値Y、値Cb、及び、値Crの組合せや、値Y、値Pb、及び、値Prの組合せである輝度等信号値と1対1で対応付けられる。本実施形態では、例えば、輝度信号値は、0以上255以下である整数のいずれかで表現される。また、輝度信号値が大きい程、明るい色が表現されることとする。
そして、輝度コントラストヒストグラム生成部28が、S105に例示する処理で変換された、変更前画像に基づいて(ここでは、変更前画像に含まれる各画素についての輝度信号値に基づいて)、ヒストグラム(以下、輝度ヒストグラムと呼ぶ。)を生成する(S106)。図7は、輝度ヒストグラムの一例を示す図である。図8は、輝度ヒストグラムの別の一例を示す図である。なお、図7は、生の食材(具体的には、例えば、野菜、魚、生肉などといった生鮮食品など)の画像についての典型的な輝度ヒストグラムの一例を示しており、図8は、調理された食材(例えば、餃子、ステーキ等)の画像についての典型的な輝度ヒストグラムの一例を示している。図7及び図8に例示する輝度ヒストグラムでは、変更前画像に含まれる、輝度信号値毎の画素数が、輝度ヒストグラムにおける頻度として示されている。以下、輝度信号値がyである画素数(輝度信号値yに対応付けられる画素数)を、num(Y=y)と表す。
そして、輝度変更部30が、S106に例示する処理で生成される輝度ヒストグラムと、画像処理装置10の記憶部に予め記憶されている、輝度対応規則情報とに基づいて、輝度強調係数の値を決定する(S107)。
S107に例示する処理では、輝度変更部30は、輝度ヒストグラムに基づいて、対応付けられる画素数が、画素数についての予め定められた閾値th2(当該閾値th2は上述の閾値th1と同じであっても異なっていてもよい。)以上である輝度信号値の範囲(例えば、num(Y=y)>=th2であるyの範囲)を特定する。図7及び図8に例示する輝度ヒストグラムにおいては、例えば、輝度信号値が、ymin以上ymax以下の範囲が特定される。そして、輝度変更部30は、特定された輝度信号値の範囲の大きさを表す値(例えば、最大値であるymaxと最小値であるyminとの差)を、輝度信号値の全範囲(例えば、0以上255以下の整数)を表す値(例えば、256)で割った値を輝度コントラスト値cont(Y)として特定する。ここでは、例えば、0以上1以下の値が輝度コントラスト値cont(Y)として特定される。そして、輝度変更部30は、特定された輝度コントラスト値cont(Y)と、輝度対応規則情報と、に基づいて、輝度強調係数の値emp(Y)を決定する。輝度対応規則情報は、例えば、輝度コントラスト値cont(Y)と輝度強調係数emp(Y)との関係を示す数式や、輝度コントラスト値cont(Y)と輝度強調係数emp(Y)とを対応付けた表などを表す情報であり、本実施形態では、例えば、輝度コントラスト値cont(Y)が大きくなるほど輝度強調係数が小さくなるよう輝度対応規則情報は設定されている。
図9は、輝度対応規則情報が表す、輝度コントラスト値cont(Y)と輝度強調係数emp(Y)との関係の一例を示す図である。図9では、図7に例示する輝度ヒストグラムに基づいて決定される輝度強調係数cont(Y)の値がp1、輝度強調係数の値p1に対応付けられる輝度強調係数emp(Y)の値がq1で表されており、図8に例示する輝度ヒストグラムに基づいて決定される輝度強調係数cont(Y)の値がp2、輝度強調係数の値p2に対応付けられる輝度強調係数emp(Y)の値がq2で表されている。
一般的に、図7に例示するような、生の食材(具体的には、例えば、野菜、魚、生肉などといった生鮮食品など)の画像についての輝度ヒストグラムは、図8に例示するような、調理された食材(例えば、餃子、ステーキ等)の画像についての彩度ヒストグラムよりも、対応付けられる画素数が、閾値th2以上である輝度信号値の範囲が広い。よって、一般的には、生の食材の画像に基づいて特定される輝度強調係数emp(Y)の値は、調理された食材の画像に基づいて特定される輝度強調係数emp(Y)の値よりも小さいこととなる。
そして、輝度変更部30は、変更前画像に含まれる各画素の輝度信号値を変更する(S108)。本実施形態では、輝度変更部30は、例えば、輝度強調係数emp(Y)を用いたフィルタリング処理を各画素に対して実行して、輝度信号値を変更する。例えば、輝度信号値の変更の対象となる画素の変更前の輝度信号値をy1、当該画素の変更後の輝度信号値をy2、当該画素のまわりの8つの画素それぞれの変更前の輝度信号値をy’1、y’2、y’3、y’4、y’5、y’6、y’7、y’8とすると、y2=(1+8×emp(Y)/9)×y1−(y’1+y’2+y’3+y’4+y’5+y’6+y’7+y’8)×emp(Y)/9という数式に従って、輝度信号値の変更の対象となる画素の変更後の輝度信号値は算出される。例えば、輝度強調係数emp(Y)の値が2である場合は、y2=(25/9)×y1−(2/9)×(y’1+y’2+y’3+y’4+y’5+y’6+y’7+y’8)となり、輝度強調係数emp(Y)の値が0である場合は、y2=y1となり、輝度強調係数emp(Y)の値が−1である場合は、y2=(1/9)×(y1+y’1+y’2+y’3+y’4+y’5+y’6+y’7+y’8)となる。このように、輝度強調係数emp(Y)の値が0より大きい場合は、変化前画像に対する輝度についての鮮鋭化が行われ、輝度強調係数emp(Y)の値が0である場合は、変化前画像は変化せず、輝度強調係数emp(Y)の値が0より小さい場合は、変化前画像に対する輝度についての平滑化(特に、輝度強調係数emp(Y)の値が−1である場合は平均化)が行われることとなる。また、S107に例示する処理では、変更前画像に含まれる少なくとも1つの画素の輝度の分布に応じた、変更の対象となるすべての画素に対する共通の規則に従って、変更後の輝度信号値は算出されることとなる。
上述のように、生の食材の画像に基づいて特定される輝度強調係数emp(Y)の値は、調理された食材の画像に基づいて特定される輝度強調係数emp(Y)の値よりも小さい。例えば、生の食材の画像に基づいて特定される輝度強調係数emp(Y)の値が1より小さい場合は、生の食材の画像は輝度についての平滑化が行われ、調理された食材の画像に基づいて特定される輝度強調係数emp(Y)の値が1より大きい場合は、調理された食材の画像は輝度についての鮮鋭化が行われることとなる。また、以上説明したように、本処理例では、画像に含まれるすべての画素に対して共通して適用される規則に従って、輝度についての鮮鋭化や平滑化が行われることとなる。
そして、輝度−RGB変換部32が、変更された各画素について、輝度信号値、及び、変更されていない色差信号値の組合せ(輝度等信号値)を、R信号値、G信号値、及び、B信号値の組合せ(RGB信号値)に変換する(S109)。S109に例示する処理による変換後の各画素のR信号値、G信号値、及び、B信号値の組合せによってあらわされる画像を第2中間画像と呼ぶこととする。このように、S109に例示する処理により第2中間画像が生成される。
そして、画像合成部34が、第1中間画像と第2中間画像とを合成して、変更後画像を生成する(S110)。ここで、例えば、変更前画像に含まれる画素の信号値(R信号値、G信号値、又は、B信号値)に、第1中間画像における当該画素の信号値から変更前画像における当該画素の信号値を引いた値、及び、第2中間画像における当該画素の信号値から変更前画像における当該画素の信号値を引いた値を加えた値を、変更後画像における当該画素の信号値とする。なお、第1中間画像と第2中間画像とを合成する方法は上述の方法に限定されない。例えば、第1中間画像に含まれる画素の信号値と、第2中間画像における当該画素の信号値と、の平均値を変更後画像における当該画素の信号値とするようにしてもよい。
そして、画像出力部36が、S110に例示する処理で生成された変更後画像を、画像処理装置10の記憶部に出力する(S111)。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
例えば、上述の閾値th1の値や、閾値th2の値が、パラメータの値に基づいて決定されるようにしてもよい。具体的には、例えば、彩度ヒストグラムの分散値や、彩度ヒストグラムを正規分布近似した場合の分散値等に基づいて、上述の閾値th1の値が決定される(例えば、分散値が大きい程閾値th1が小さくなるよう決定される、あるいは、分散値が大きい程閾値th1が大きくなるよう決定される)ようにしてもよい。また、例えば、輝度ヒストグラムの分散値や、輝度ヒストグラムを正規分布近似した場合の分散値等に基づいて、上述の閾値th2の値が決定される(例えば、分散値が大きい程閾値th2が小さくなるよう決定される、あるいは、分散値が大きい程閾値th2が大きくなるよう決定される)ようにしてもよい。
また、例えば、変更前画像に含まれる画素の一部についてのみ、変更後画像において色が変更されるようにしても構わない。また、変更前画像に含まれる画素の一部に基づいて、彩度ヒストグラムや輝度ヒストグラムが生成されるようにしてもよい。また、色が変更される画素と、彩度ヒストグラムや輝度ヒストグラムの生成の基礎となる画素と、が異なっていてもよい。
また、図10に例示するように、対応付けられる画素数が、画素数についての予め定められた閾値th1以上である彩度成分値の範囲が複数存在する場合(例えば、変更前画像中に主要被写体が複数ある場合)は、それぞれの範囲に対応する彩度強調係数の傾きを示す値を特定するようにしてもよい。そして、それぞれの範囲に対応付けられる画素について、その範囲についての彩度成分値の平均値と、その範囲に対応する彩度強調係数の傾きを示す値と、に基づいて、当該画素の変更後の信号値(R信号値、G信号値、又は、B信号値)が特定されるようにしてもよい。
図10は、対応付けられる画素数が、画素数についての予め定められた閾値th1以上である彩度成分値の範囲が2つ存在する彩度ヒストグラムの一例を示す図である。図10に例示する彩度ヒストグラムでは、cmin1以上cmax1以下の範囲、及び、cmin2以上cmin2以下の範囲がnum(C=c)>=th1であるcの範囲となっている(ただし、cmax1<cmin2)。ここで、例えば、彩度成分値がcmax1より大きくcmin2より小さな値mid(C)(例えば、(cmax1+cmin2)/2)未満である画素における彩度成分値の平均値をave1(C)、彩度成分値が値mid(C)以上である画素における彩度成分値の平均値をave2(C)とする。
そして、彩度成分値が値mid(C)未満である画素については、cmax1とcmin1との差を、値mid(C)で割った値が、彩度コントラスト値cont1(C)として特定される。そして、特定された彩度コントラスト値cont1(C)と、彩度対応規則情報と、に基づいて、彩度強調係数の傾きを示す値grad1(C)が決定される。
彩度成分値が値mid(C)以上である画素については、cmax2とcmin2との差を、彩度成分値の全範囲を表す値(例えば、256)から値mid(C)を引いた値で割った値が、彩度コントラスト値cont2(C)として特定される。そして、特定された彩度コントラスト値cont2(C)と、彩度対応規則情報と、に基づいて、彩度強調係数の傾きを示す値grad2(C)が決定される。
ここで、変更前のR信号値、G信号値、B信号値、彩度成分値をそれぞれ、r1、g1、b1、c1とし、変更後のR信号値、G信号値、B信号値をそれぞれ、r2、g2、b2とし、grad1(C)×(c1−ave1(C))の値を、彩度強調係数emp1(C)とし、grad2(C)×(c1−ave2(C))の値を、彩度強調係数emp2(C)とする。そして、r1、g1、b1のうちの最小値をmin(1)とすると、彩度成分値が値mid(C)未満である画素については、r2=min(1)+(r1−min(1))×(1+emp1(C))、g2=min(1)+(g1−min(1))×(1+emp1(C))、b2=min(1)+(b1−min(1))×(1+emp1(C))、との数式に従って、変更後のR信号値、G信号値、及び、B信号値が算出され、彩度成分値が値mid(C)以上である画素については、r2=min(1)+(r1−min(1))×(1+emp2(C))、g2=min(1)+(g1−min(1))×(1+emp2(C))、b2=min(1)+(b1−min(1))×(1+emp2(C))、との数式に従って、変更後のR信号値、G信号値、及び、B信号値が算出される。
また、対応付けられる画素数が、画素数についての予め定められた閾値th2以上である輝度信号値の範囲が複数存在する場合(例えば、変更前画像中に主要被写体が複数ある場合)は、それぞれの範囲に対応する輝度強調係数の値emp(Y)が決定されるようにしてもよい。そして、それぞれの範囲に対応付けられる画素について、その画素に対応する輝度強調係数のemp(Y)に基づく上述のフィルタリング処理が実行されるようにしてもよい。
図11は、対応付けられる画素数が、画素数についての予め定められた閾値th2以上である輝度信号値の範囲が2つ存在する輝度ヒストグラムの一例を示す図である。図11に例示する輝度ヒストグラムでは、ymin1以上ymax1以下の範囲、及び、ymin2以上ymax2以下の範囲がnum(Y=y)>=th2であるrの範囲となっている(ただし、ymax1<ymin2)。
輝度信号値がymax1より大きくymin2より小さな値mid(Y)(例えば、(ymax1+ymin2)/2)未満である画素については、ymax1とymin1との差を、値mid(Y)で割った値が、輝度コントラスト値cont1(Y)として特定される。そして、特定された輝度コントラスト値cont1(Y)と、輝度対応規則情報と、に基づいて、輝度強調係数の値emp1(Y)が決定される。
輝度信号値が値mid(Y)以上である画素については、ymax2とymin2との差を、R信号値の全範囲を表す値(例えば、256)から値mid(Y)を引いた値で割った値が、輝度コントラスト値cont2(Y)として特定される。そして、特定された輝度コントラスト値cont2(Y)と、輝度対応規則情報と、に基づいて、輝度強調係数の値emp2(Y)が決定される。
そして、輝度信号値が値mid(Y)未満である画素については、輝度強調係数emp1(Y)を用いたフィルタリング処理が実行され、輝度信号値が値mid(Y)以上である画素については、輝度強調係数emp2(Y)を用いたフィルタリング処理が実行されることで、輝度信号値が変更される。
また、上述のS102〜S109に例示する処理に関して、その処理順は上述の例には限定されない。例えば、上述のS105〜S109に例示する処理が、上述のS102〜S104に例示する処理よりも先に実行されるようにしてもよい。また、例えば、上述のS102〜S104に例示する処理と、上述のS105〜S109に例示する処理と、が並行して実行されるようにしてもよい。
また、例えば、上述のS102〜S104が実行されないようにするなどして、変更前画像に含まれる少なくとも1つの画素の輝度の分布に応じて、変更前画像に含まれる少なくとも1つの画素について輝度が変更された変更後画像が出力されるようにしてもよい。
また、RGB信号値の輝度等信号値への変換や、輝度等信号値からRGB信号値への変換が行われないようにしてもよい。そして、変更前画像に含まれる少なくとも1つの画素の輝度の分布に応じた画素の色の変更が、R信号値、G信号値、及び、B信号値に対して実行されるようにしてもよい。
また、白色の画素については、彩度が下がるように色の変更が行われるようにしてもよい。また、変更前画像から公知の画像処理技術により被写体が複数検出される場合に、それぞれの被写体が含まれる領域毎に対して、上述のS102〜S111に例示する処理が実行されるようにしてもよい。
また、本実施形態における情報処理システムが複数の筐体(複数の画像処理装置10)から構成されていてもよい。また、上記の具体的な文字列や数値、並びに、図面中の具体的な文字列や数値は例示であり、これらの文字列や数値には限定されない。