JP2007329902A - 画像処理方法、画像処理装置、プログラム、記録媒体および集積回路 - Google Patents

画像処理方法、画像処理装置、プログラム、記録媒体および集積回路 Download PDF

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Abstract

【課題】簡易にかつ既存デバイスを利用して2D映像の奥行き感向上を実現する色補正を行うことを目的とする。
【解決手段】入力画像データは、色情報算出部11で所定の色情報に変換される。入力された奥行き情報に応じて補正量制御部10が色情報の補正ゲイン値を決定する。色情報補正部12は、対象画素の色情報をその周辺領域の代表色情報との対比による補正量と補正量制御部の補正ゲイン値とに基づいて色情報補正を行う。出力部13は、所定の画像フォーマットへ変換・出力を行う。このように、近景・遠景等の奥行き情報に合わせて対比効果による色情報を補正することで、簡易に2D画像の奥行き感向上をすることができる。さらに、色補正する際に、色対比効果を奥行き情報で制御することで、人間の感じる奥行き感をより簡易に与えることが可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、2次元画像内の近景領域・遠景領域に応じて画像の奥行き感や立体感を強調する画像処理方法、画像処理装置、プログラム、記録媒体および集積回路に関するものである。
大画面FPD(フラット・パネル・ディスプレイ)装置等の画面に表示される映像をより自然な映像として表示させるために、表示映像において「奥行き感」や「立体感」を向上させる技術が、ユーザから強く求められている。これに対して、人間の両眼視差を利用した3次元テレビ等が提案されているが、特殊な専用眼鏡を必要とする場合が多いという課題、画像依存性が大きいという課題、あるいは、特殊なデバイスを必要とするため高コストになるというような課題が指摘されている。現状では、大画面ディスプレイ装置でのセールスポイントとして、大画面ディスプレイ装置の表示画像内での階調特性や色特性を滑らかにすることで、表示画像(映像)の立体感を実現させる技術がアピールされることが多い。
人間は、両眼視差のみならず、色情報、彩度、明暗、(色情報や明るさ情報の)コントラスト、陰影、肌理の勾配、相対的大きさ等の単眼情報を利用して、2次元画像に奥行き感や立体感を知覚することが明らかとなっている。
このような単眼情報を利用した従来技術1として、輪郭成分の強い部分と他の部分との差を明確にすることで物体と周囲の背景との差を視覚的に大きくして、画像に奥行き感を持たせる手法がある(例えば、特許文献1参照)。
図72は、従来技術による立体的表現回路9000の構成を示すブロック図である。図72に示すように、立体的表現回路900は、入力デジタル映像信号の輝度信号からなる入力データについて、着目画素とその近傍画素とから輪郭成分を抽出する輪郭抽出部5002と、この輪郭抽出部5002の出力と、この出力にタイミングを合わせた入力データ(端子5000において入力されているデータ)とを加算して出力データB(図72のB点の信号(データ)に相当。)を演算する加算回路5004とからなる輪郭強調処理部5011を備える。また、立体的表現回路900は、入力データの着目画素とその近傍画素とから平均化データA(図72のA点の信号(データ)に相当。)を演算する平均回路5005と、輪郭抽出部5002の出力である輪郭成分と任意に設定された閾値とを比較する閾値処理部5009と、この閾値処理部5009の出力の大小に応じて平均化回路5005の平均化データAと輪郭強調処理部5011の出力データBとを選択的に出力するセレクタとを備える。
この装置(立体的表現回路900)では、もともと輪郭成分の強い(エッジ量が大きい)部分では、入力データに対して輪郭強調したデータを出力し、もともと輪郭成分の弱い(エッジ量が小さく平坦である)部分では入力データを平均化したデータを出力するので、輪郭成分の強い部分と他の部分との差が明確になり、立体的表現回路900により処理された出力データにより形成される画像は、立体的に見える画像となる。
また、別の従来技術2として、画像信号が形成する画像において、画像信号の1次微分信号、あるいは2次微分信号の信号レベルの大きな領域を画像の近景領域として検出し、当該信号レベルの小さな領域を画像の遠景領域として検出し、検出した領域の属性(遠景領域か近景領域かという属性)に従い、輪郭強調の強度を変えることで遠近感を付加する手法がある(例えば、特許文献2参照)。
図73は、従来技術による遠近感強調回路9100の構成を示すブロック図である。
遠近感強調回路9100は、画像信号(遠近感強調回路9100に入力される画像信号)が輝度信号で、画像信号が形成する画像においてエッジ付加輪郭強調により輪郭強調を行うものであり、入力される画像信号(入力画像信号)に対して1次微分および2次微分を行う微分回路6001と、微分回路6001により算出された1次微分値および2次微分値より、画像の遠近領域の検出を行う遠近検出部6002と、遠近検出部6002の検出結果に応じて2次微分信号に係数値を乗算する係数加重部6003と、タイミングを調整するため遅延部6004により遅延された入力画像信号と係数加重部6003からの出力信号とを加算する加算部6005と、を備える。
遠近検出部6002は、1次微分信号DY1を量子化した信号S3の信号レベルと、2次微分信号DY2を量子化した信号S5の信号レベルとで、対象画素(入力画像信号に対応する画素)が近景領域に属する画素か遠景領域に属する画素かの判定を行う。遠近検出部6002は、S3信号の信号レベルとその画素が輪郭部領域に属するか否かを判定する設定値とを比較し、S3信号の信号レベルがその設定値以上の場合、S4信号を「1」に、それ以外の場合、S4信号を「0」に設定する。遠近検出部6002は、このS4信号が「1」の領域では、輪郭部にある画素に対して、S5信号(2次微分信号DY2の絶対値を量子化して取得された信号)の信号レベルが閾値THを超えるか否かで近景か遠景かの判定を行う。遠近検出部6002は、THの値よりもS5信号の信号レベルが大きい場合には、対象画素が近景領域に属すると判定する。そして、遠近検出部6002は、2次微分信号DY2に乗算する係数KMをデフォルト値KSより大きな値であるK1を指定し、指定した値を係数加重部6003へ出力する。一方、遠近検出部6002は、THがS5よりも小さい場合には、遠景領域に対象画素が属すると判定する。そして、遠近検出部6002は、2次微分信号に乗算する係数KMをデフォルトKSより小さい値であるK2を指定し、指定した値を係数加重部6003へ出力する。
このように、遠近感強調回路9100では、輪郭部に存在すると思われる画素の2次微分信号DY2のしきい値判定により、その画素が近景領域に含まれるか、あるいは遠景領域に含まれるかを判定している。そして、遠近感強調回路9100では、その判定結果に応じて、2次微分信号DY2に係数加重する係数を近景の場合は大きく、遠景の場合は小さくして輪郭部の強調処理を実施することで、輪郭部付近での遠近感を向上させる。
特開平10−126708号公報 特開2004−159148号公報
上記従来例1の画像処理手法では、予め設定された閾値信号Yと、輪郭抽出して得られた輪郭成分の値Xを比較して、輪郭強調したデータを出力するか平均化データを出力するかを決定する。そのため、閾値判定精度の影響を受けやすい。また、この従来例1では、輪郭成分の弱い部分では、平均化データが出力されるため、その部分でのぼかし(ぼける現象)が発生することとなる。元々、画像データが高解像度であった場合、このぼかしによる解像度低下は、画質に大きな影響を与える。特に、HD化が進みつつある大画面テレビの場合、ユーザや放送関係の要望よりノイズを強調しないように輪郭強調を強めに実施することが好まれており、このような状況では、輪郭の弱い平坦部であっても平均化のようなぼかし処理を行うことは受け入れにくい状況である。
さらに、上記従来2の画像処理手法では、ある程度大きな微分値をもつ輪郭部に対してのみ、近景か遠景かの判定が実施されるため、テクスチャパターンのような弱い輪郭部や周囲外光等の撮影条件により適切に抽出できなかった輪郭部に対しては、近景・遠景の判定が行われない。つまり、1次微分信号による輪郭部抽出には、その閾値判定精度の影響を受ける可能性が高い。さらに、輪郭部と思われる画素の2次微分信号に対して、さらに閾値処理を行い、近景か遠景かの判定が行われるため、奥行き情報判定の際にも閾値判定精度の影響を受けやすい。よって、例えば、同じ物体の輪郭部であり同じ距離にある物体であっても、エッジ強調が強くかかる部分と弱くかかる部分が発生する危険性や、輪郭部では強いエッジ強調と弱いエッジ強調しか実施されないことのよる輝度の不連続な部分が発生する危険性がある。
また、輝度の2次微分信号が小さいのは、画像の撮影条件(焦点ずれや動き)によるぼけや低解像度画像を高解像度へ単純変換した際の補間によるものなのか、本当にその画素が遠景領域にあるかどうかの判断まで行うことができない。そのため、例えば、非可逆方式符号化方法で符号化された画像を復号し、その復号画像内の歪みをローパスフィルタ等で除去した場合、2次微分信号の閾値判定値の設定によっては画像全面が遠景と判断されてしまい、本来のエッジ強調処理が適切に行われない危険性も考えられる。
本発明は、従来例1の課題を解決して画像の奥行き感・立体感向上を実現するものであり、従来例1のような輪郭強調データやその平均化データを使い分けることなく、奥行き情報に応じて色補正を行うことで奥行き感向上を実現するものである。特に、人間の視覚特性の1つである色対比効果を、奥行き情報による効果と連動させて補正することで、人間の関心の高い色の奥行き感をより強めることができる画像処理装置、画像処理方法、画像処理装置、プログラム、記録媒体および集積回路を実現することを目的とする。
また、人間の視覚特性の1つである色対比特性や明るさ対比特性を用いることで、たとえ、画像上にぼけ部分があったとしても、周囲より対象部分(処理対象としている画像上での部分)の色や明るさが大きいかどうかを判断することは可能である。さらに、そのような部分(周囲より対象部分の色や明るさが大きい部分)は、人間に注目される傾向が高いことも指摘されており、この人間が注目しやすい部分を近景と見なすことで、画像内の奥行き情報を簡易に推定することができる。
本発明は、また、従来例2の奥行き情報推定に関する課題を解決するもので、従来例2のような微分信号による輪郭抽出を用いることなく、色対比特性や明るさ対比特性に基づき、推定した奥行き情報を使うことで、人間にとって関心の高い色をより強め、人間にとって関心度の低い色を弱めることで、奥行き感を向上された画像を取得する画像処理装置、画像処理方法、画像処理装置、プログラム、記録媒体および集積回路を実現することを目的とする。
第1の発明は、画素からなる画像を形成することができる画像信号から、画像信号の色情報を算出する色情報算出部と、入力された奥行き情報に基づいて画像信号の色情報を補正するための補正ゲインを求める補正量制御部と、補正ゲインに基づいて、色情報を補正する色情報補正部と、色情報補正部により補正された色情報を所定の形式により出力させる出力部と、を備える画像処理装置である。
この画像処理装置では、色情報算出部により、画像信号から、画像信号の色情報が算出され、補正量制御部により、入力された奥行き情報に基づいて画像信号の色情報を補正するための補正ゲインが求められ、色情報補正部により、補正ゲインに基づいて、色情報が補正される。そして、出力部により、色情報補正部で補正された色情報が所定の形式により出力される。
これにより、輪郭強調データやその平均化データを用いることなく、奥行き情報に応じて色補正を行うことで、この画像処理装置により処理される画像において、奥行き感向上を実現させることができる。
ここで、「奥行き情報」とは、画像信号において処理対象とされている画素である注目画素画素(または複数の画素からなる注目ブロック)が近景(または遠景)であることを示す度合いを示す情報をいい、例えば、注目画素が属する2次元画像を取得した撮影点(仮想の撮影点でもよく、必ずしも実際に撮影した点である必要はない。)から注目画素に対応する3次元空間における点までの3次元距離に相関する情報がこれに該当する。
また、「所定の形式」とは、表示装置に表示させるための画像に関する形式のことをいい、例えば、画像(映像)フォーマット形式(例えば、JPEG画像形式、BMP画像形式、MPEG形式、NTSC方式の映像形式)等がこれに該当する。
第2の発明は、第1の発明であって、補正量制御部は、画像信号において処理対象とされている画素である注目画素についての奥行き情報が近景であることを示す度合いが大きいほど、対比効果により、近景感が高まるように補正ゲインを設定し、注目画素についての奥行き情報が遠景であることを示す度合いが大きいほど、対比効果により、遠景感が高まるように補正ゲインを設定する。
これにより、輪郭強調データやその平均化データを用いることなく、奥行き情報に応じて色補正を行うことで、この画像処理装置により処理される画像において、奥行き感向上を実現させることができる。さらに、人間の視覚特性の1つである色対比効果を、奥行き情報による効果と連動させて色補正(色情報補正)を行うことができるので、この画像処理装置により処理された画像において、人間の関心の高い色の奥行き感をより強めることができる。
第3の発明は、第2の発明であって、色情報補正部は、注目画素の色情報および注目画素の周辺画素の色情報に基づいて色対比量を算出する色特性算出部と、補正ゲインおよび色対比量に基づいて、色情報を補正するための対比補正係数を算出する補正量算出部と、対比補正係数に基づいて、色情報を補正する補正部と、を有する。
この画像処理装置では、対比補正係数を変更することで、色情報の補正を行うので、実現させたい特性に応じて、対比補正係数を変更させるだけで、簡単に、所望の色情報補正を実現させることができる。
第4の発明は、第3の発明であって、色特性算出部は、注目画素の色情報Ciおよび周辺画素の色情報の代表値ACiとの比RCi(=Ci/ACi)を色対比量として算出する。補正量制御部は、奥行き情報により、対比補正係数KLiの上限値および下限値を決定し、色対比量RCiが「1」である場合、対比補正係数KLiを「0」に設定し、対比補正係数KLiが色対比量RCiに対して単調となるように、対比補正係数KLiを設定する。補正部は、色情報補正量dCiを、対比補正係数KLiと色情報Ci、定数α1で制御することで求め、注目画素の補正後の補正色情報Ci_newを、Ci_new=(色情報Ci)+(色情報補正量dCi)とすることで、注目画素の色情報を補正する。
この画像処理装置では、補正量制御部により、奥行き情報により、対比補正係数KLiの上限値および下限値が決定されるので、近景に属する画素に対して、近景領域にある画素に適した対比効果を実現させる色情報補正を行うことができ、遠景に属する画素に対して、遠景領域にある画素に適した対比効果を実現させる色情報補正を行うことができる。
なお、「単調」とは、単調増加または単調減少のことをいう。「対比補正係数KLiが色対比量RCiに対して単調となる」とは、対比補正係数KLiが色対比量RCiに対して単調増加または単調減少となることを指しているが、対比補正係数KLiが色対比量RCiに対して、全体として単調となる特性を有していればよく、局所的に単調とならない部分が含まれてもよい。
なお、色対比量としては、注目画素の色情報Ciおよび周辺画素の色情報の代表値ACiとの比RCi(=Ci/ACi)以外であってもよく、例えば、RCi(=Ci−ACi)による値を用いるようにしてもよい。
また、色情報補正量dCiを、例えば、dCi=(対比補正係数KLi)×(色情報Ci)×α1(α1:定数)として求めてもよいし、また、(数式8)および(数式9)により求めてもよいし、また、(数式11)および(数式12)により求めてもよい。
第5の発明は、第4の発明であって、色特性算出部は、注目画素の彩度Siおよび周辺画素の彩度の代表値ASiとの比RSi(=Si/ASi)を色対比量として算出する。
補正量制御部は、注目画素についての奥行き情報が近景であることを示す度合いが最大である場合、対比量が「1」より大きいとき、第1近景用閾値(>0)より小さな正の値に対比補正係数Kiを設定し、対比量が「1」以下のとき、第2近景用閾値(<0)より大きな負の値に対比補正係数Kiを設定し、注目画素についての奥行き情報が遠景であることを示す度合いが最大である場合、対比量が「1」より大きいとき、第1近景用閾値より小さな値である第1遠景用閾値(>0)より小さな正の値に対比補正係数Kiを設定し、対比量が「1」以下のとき、第2近景用閾値より大きな値である第2遠景用閾値(<0)より大きな負の値に対比補正係数Kiを設定する。
補正部は、彩度補正量dSiを、対比補正係数Kiと彩度Si、定数α2で制御することで求め、注目画素の補正後の補正色情報Si_newを、Si_new=(彩度Si)+(彩度補正量dSi)とすることで、注目画素の色情報を補正する。
この画像処理装置では、注目画素についての奥行き情報が遠景であることを示す度合いが最大である場合、つまり、注目画素が最も遠景に属すると判断された場合、例えば、対比補正係数Kiが、−Th1≦Ki≦Th1(Th1>0)の範囲の値をとるように設定しつつ、対比補正係数Kiの色対比量RSiに対する特性曲線が、(RSi,Ki)=(1,0)なる点を通り、対比補正係数Kiが色対比量RSiについて単調増加となるように設定することができる。さらに、この画像処理装置では、注目画素についての奥行き情報が近景であることを示す度合いが最大である場合、つまり、注目画素が最も近景に属すると判断された場合、例えば、対比補正係数Kiが、−Th2≦Ki≦Th2(Th2>0,Th2>Th1)の範囲の値をとるように設定しつつ、対比補正係数Kiの色対比量RSiに対する特性曲線が、(RSi,Ki)=(1,0)なる点を通り、対比補正係数Kiが色対比量RSiについて単調増加となるように設定することができる。
このように、注目画素が遠景領域に含まれる場合よりも、近景領域に含まれる場合の対比補正係数がとる範囲が大きくするように設定できるので、近景領域に属する画素の彩度対比効果を強め、遠景領域に属する画素の彩度対比効果を弱める(近景に比べて彩度対比効果の強める程度を小さくする)ことで、この画像処理装置により処理される画像の遠近感・奥行き感を適切に向上させることができる。
なお、色対比量としては、注目画素の色情報(彩度)Siおよび周辺画素の色情報(彩度)の代表値ASiとの比RSi(=Si/ASi)以外であってもよく、例えば、RSi(=Si−ASi)による値を用いるようにしてもよい。
また、彩度補正量dSiを、dSi=(対比補正係数Ki)×(彩度Si)×α2(α2:定数)として求めてもよいし、また、(数式8)および(数式9)により求めてもよいし、また、(数式11)および(数式12)により求めてもよい。なお、ここで、(数式8)、(数式9)、(数式11)、(数式12)を用いる場合、CiがSiとなることは言うまでもない。
第6の発明は、第4の発明であって、色特性算出部は、注目画素の色相Hiおよび周辺画素の色相の代表値AHiとの比RHi(=Hi/AHi)を色対比量として算出する。
補正量制御部は、注目画素についての奥行き情報が近景であることを示す度合いが最大である場合、対比量が「1」より大きいとき、第3近景用閾値(>0)より小さな正の値に対比補正係数Liを設定し、対比量が「1」以下のとき、第4近景用閾値(<0)より大きな負の値に対比補正係数Liを設定し、注目画素についての奥行き情報が遠景であることを示す度合いが最大である場合、対比量が「1」より大きいとき、第3近景用閾値より大きな値である第3遠景用閾値(>0)より小さな正の値に対比補正係数Liを設定し、対比量が「1」以下のとき、第4近景用閾値より小さな値である第4遠景用閾値(<0)より大きな負の値に対比補正係数Liを設定する。
補正部は、色相補正量dHiを、対比補正係数Liと色相Hi、定数α3で制御することで求め、注目画素の補正後の補正色情報Hi_newを、Hi_new=(色相Hi)+(色相補正量dHi)とすることで、注目画素の色情報を補正する。
この画像処理装置では、注目画素についての奥行き情報が遠景であることを示す度合いが最大である場合、つまり、注目画素が最も遠景に属すると判断された場合、例えば、対比補正係数Liが、−Thh1≦Li≦Thh1(Thh1>0)の範囲の値をとるように設定しつつ、対比補正係数Liの色対比量RSiに対する特性曲線が、(RHi,Li)=(1,0)なる点を通り、対比補正係数Liが色対比量RHiについて単調増加となるように設定することができる。さらに、この画像処理装置では、注目画素についての奥行き情報が近景であることを示す度合いが最大である場合、つまり、注目画素が最も近景に属すると判断された場合、例えば、対比補正係数Liが、−Thh2≦Li≦Thh2(Thh2>0,Thh2<Thh1)の範囲の値をとるように設定しつつ、対比補正係数Liの色対比量RHiに対する特性曲線が、(RHi,Li)=(1,0)なる点を通り、対比補正係数Liが色対比量RHiについて単調増加となるように設定することができる。
このように、、注目画素が近景領域に含まれる場合よりも、遠景領域に含まれる場合の対比補正係数がとる範囲が大きくするように設定できるので、遠景領域に属する画素の色相対比効果(例えば、大気遠近(青み)効果を強調する色相対比効果)を強め、近景領域に属する画素の色相対比効果を弱める(遠景に比べて色相対比効果の強める程度を小さくする)ことで、この画像処理装置により処理される画像の遠近感・奥行き感を適切に向上させることができる。
なお、この画像処理装置では、色相Hiが赤色度を示すものとしているが、例えば、色相Hiが赤以外の色の色度(例えば、青色度)によるものであれば、それに対応させて修正することで、この画像処理装置を適用させることができることは言うまでもない。
なお、色対比量としては、注目画素の色情報(色相)Hiおよび周辺画素の色情報(色相)の代表値AHiとの比RHi(=Hi/AHi)以外であってもよく、例えば、RHi(=Hi−AHi)による値を用いるようにしてもよい。
また、色相補正量dHiを、例えば、dHi=(対比補正係数Li)×(色相Hi)×α3(α3:定数)として求めてもよいし、また、(数式8)および(数式9)により求めてもよいし、また、(数式11)および(数式12)により求めてもよい。なお、ここで、(数式8)、(数式9)、(数式11)、(数式12)を用いる場合、CiがHiとなることは言うまでもない。
第7の発明は、第2の発明であって、色情報補正部は、注目画素の色情報および注目画素の周辺画素の色情報に基づいて色対比量を算出する色特性算出部と、色対比量および色情報に基づいて対比補正係数制御量α4を求める対比補正量制御部と、補正ゲインおよび色対比量に基づいて、色情報を補正するための対比補正係数を算出する補正量算出部と、対比補正係数および対比補正係数制御量に基づいて、色情報を補正する補正部と、を有する。
この画像処理装置では、対比補正量制御部により、色対比量および色情報に基づいて対比補正係数制御量α4が決定されるので、過剰な色補正(色飽和等)や大きな色情報の低下を抑制することができる。特に、この画像処理装置では、対比補正係数制御量α4を変更することで、肌色領域での過剰な補正による印象低下を防止する色補正や、空色領域や緑色領域において印象向上効果を発揮させるために、強めの色補正を、簡単に行うことができる。
第8の発明は、第7の発明であって、色情報補正部は、注目画素の明るさ情報および周辺画素の明るさ情報に基づいて明るさ対比量を算出する明るさ特性算出部をさらに有する。対比補正量制御部は、色対比量および明るさ対比量に基づいて対比補正係数制御量α4を求める。
この画像処理装置では、対比補正量制御部により、色対比量および明るさ対比量に基づいて対比補正係数制御量α4が求められるので、人間の関心が高い画素をより精度良く補正することができる。
第9の発明は、第7の発明であって、色特性算出部は、注目画素の色情報Ciおよび周辺画素の色情報の代表値ACiとの比RCi(=Ci/ACi)を色対比量として算出する。補正量制御部は、奥行き情報により、対比補正係数KLiの上限値および下限値を決定し、色対比量RCiが「1」である場合、対比補正係数KLiを「0」に設定し、対比補正係数KLiが色対比量RCiに対して単調となるように、対比補正係数KLiを設定する。補正部は、色情報補正量dCiを、対比補正係数KLiと色情報Ci、補正係数制御量α4で制御することで求め、注目画素の補正後の補正色情報Ci_newを、Ci_new=(色情報Ci)+(色情報補正量dCi)とすることで、注目画素の色情報を補正する。
なお、色対比量としては、注目画素の色情報Ciおよび周辺画素の色情報の代表値ACiとの比RCi(=Ci/ACi)以外であってもよく、例えば、RCi(=Ci−ACi)による値を用いるようにしてもよい。
また、色情報補正量dCiを、dCi=(対比補正係数KLi)×(色情報Ci)×(補正係数制御量α4)として求めてもよいし、また、(数式8)および(数式9)により求めてもよいし、また、(数式11)および(数式12)により求めてもよい。
第10の発明は、第8の発明であって、色特性算出部は、注目画素の色情報Ciおよび周辺画素の色情報の代表値ACiとの比RCi(=Ci/ACi)を色対比量として算出する。補正量制御部は、奥行き情報により、対比補正係数KLiの上限値および下限値を決定し、色対比量RCiが「1」である場合、対比補正係数KLiを「0」に設定し、対比補正係数KLiが色対比量RCiに対して単調となるように、対比補正係数KLiを設定する。補正部は、色情報補正量dCiを、対比補正係数KLiと色情報Ci、補正係数制御量α4で制御することで求め、注目画素の補正後の補正色情報Ci_newを、Ci_new=(色情報Ci)+(色情報補正量dCi)とすることで、注目画素の色情報を補正する。
なお、色対比量としては、注目画素の色情報Ciおよび周辺画素の色情報の代表値ACiとの比RCi(=Ci/ACi)以外であってもよく、例えば、RCi(=Ci−ACi)による値を用いるようにしてもよい。
色情報補正量dCiを、dCi=(対比補正係数KLi)×(色情報Ci)×(補正係数制御量α4)として求めてもよいし、また、(数式8)および(数式9)により求めてもよいし、また、(数式11)および(数式12)により求めてもよい。
第11の発明は、第9の発明であって、色特性算出部は、注目画素の彩度Siおよび周辺画素の彩度の代表値ASiとの比RSi(=Si/ASi)を色対比量として算出する。補正量制御部は、注目画素についての奥行き情報が近景であることを示す度合いが最大である場合、対比量が「1」より大きいとき、第1近景用閾値(>0)より小さな正の値に対比補正係数Kiを設定し、対比量が「1」以下のとき、第2近景用閾値(<0)より大きな負の値に対比補正係数Kiを設定し、注目画素についての奥行き情報が遠景であることを示す度合いが最大である場合、対比量が「1」より大きいとき、第1近景用閾値より小さな値である第1遠景用閾値(>0)より小さな正の値に対比補正係数Kiを設定し、対比量が「1」以下のとき、第2近景用閾値より大きな値である第2遠景用閾値(<0)より大きな負の値に対比補正係数Kiを設定する。補正部は、彩度補正量dSiを、対比補正係数Kiと彩度Si、補正係数制御量α4で制御することで求め、注目画素の補正後の補正色情報Si_newを、Si_new=(彩度Si)+(彩度補正量dSi)とすることで、注目画素の色情報を補正する。
なお、色対比量としては、注目画素の色情報(彩度)Siおよび周辺画素の色情報(彩度)の代表値ASiとの比RSi(=Si/ASi)以外であってもよく、例えば、RSi(=Si−ASi)による値を用いるようにしてもよい。
また、彩度補正量dSiを、dSi=(対比補正係数Ki)×(彩度Si)×(補正係数制御量α4)として求めてもよいし、また、(数式8)および(数式9)により求めてもよいし、また、(数式11)および(数式12)により求めてもよい。なお、ここで、(数式8)、(数式9)、(数式11)、(数式12)を用いる場合、CiがSiとなることは言うまでもない。
第12の発明は、第10の発明であって、色特性算出部は、注目画素の彩度Siおよび周辺画素の彩度の代表値ASiとの比RSi(=Si/ASi)を色対比量として算出する。補正量制御部は、注目画素についての奥行き情報が近景であることを示す度合いが最大である場合、対比量が「1」より大きいとき、第1近景用閾値(>0)より小さな正の値に対比補正係数Kiを設定し、対比量が「1」以下のとき、第2近景用閾値(<0)より大きな負の値に対比補正係数Kiを設定し、注目画素についての奥行き情報が遠景であることを示す度合いが最大である場合、対比量が「1」より大きいとき、第1近景用閾値より小さな値である第1遠景用閾値(>0)より小さな正の値に対比補正係数Kiを設定し、対比量が「1」以下のとき、第2近景用閾値より大きな値である第2遠景用閾値(<0)より大きな負の値に対比補正係数Kiを設定する。補正部は、彩度補正量dSiを、対比補正係数Kiと彩度Si、補正係数制御量α4で制御することで求め、注目画素の補正後の補正色情報Si_newを、Si_new=(彩度Si)+(彩度補正量dSi)とすることで、注目画素の色情報を補正する。
また、彩度補正量dSiを、dSi=(対比補正係数Ki)×(彩度Si)×(補正係数制御量α4)として求めてもよいし、また、(数式11)および(数式12)により求めてもよい。なお、ここで、(数式8)、(数式9)、(数式11)、(数式12)を用いる場合、CiがSiとなることは言うまでもない。
第13の発明は、第9の発明であって、色特性算出部は、注目画素の色相Hiおよび周辺画素の色相の代表値AHiとの比RHi(=Hi/AHi)を色対比量として算出する。補正量制御部は、注目画素についての奥行き情報が近景であることを示す度合いが最大である場合、対比量が「1」より大きいとき、第3近景用閾値(>0)より小さな正の値に対比補正係数Liを設定し、対比量が「1」以下のとき、第4近景用閾値(<0)より大きな負の値に対比補正係数Liを設定し、注目画素についての奥行き情報が遠景であることを示す度合いが最大である場合、対比量が「1」より大きいとき、第3近景用閾値より大きな値である第3遠景用閾値(>0)より小さな正の値に対比補正係数Liを設定し、対比量が「1」以下のとき、第4近景用閾値より小さな値である第4遠景用閾値(<0)より大きな負の値に対比補正係数Liを設定する。補正部は、色相補正量dHiを、対比補正係数Liと色相Hi、補正係数制御量α4で制御することで求め、注目画素の補正後の補正色情報Hi_newを、Hi_new=(色相Hi)+(色相補正量dHi)とすることで、注目画素の色情報を補正する。
なお、この画像処理装置では、色相Hiが赤色度を示すものとしているが、例えば、色相Hiが赤以外の色の色度(例えば、青色度)によるものであれば、それに対応させて修正することで、この画像処理装置を適用させることができることは言うまでもない。
なお、色対比量としては、注目画素の色情報(色相)Hiおよび周辺画素の色情報(色相)の代表値AHiとの比RHi(=Hi/AHi)以外であってもよく、例えば、RHi(=Hi−AHi)による値を用いるようにしてもよい。
また、色相補正量dHiを、dHi=(対比補正係数Li)×(色相Hi)×(補正係数制御量α4)として求めてもよいし、また、(数式11)および(数式12)により求めてもよい。なお、ここで、(数式8)、(数式9)、(数式11)、(数式12)を用いる場合、CiがHiとなることは言うまでもない。
第14の発明は、第10の発明であって、色特性算出部は、注目画素の色相Hiおよび周辺画素の色相の代表値AHiとの比RHi(=Hi/AHi)を色対比量として算出する。補正量制御部は、注目画素についての奥行き情報が近景であることを示す度合いが最大である場合、対比量が「1」より大きいとき、第3近景用閾値(>0)より小さな正の値に対比補正係数Liを設定し、対比量が「1」以下のとき、第4近景用閾値(<0)より大きな負の値に対比補正係数Liを設定し、注目画素についての奥行き情報が遠景であることを示す度合いが最大である場合、対比量が「1」より大きいとき、第3近景用閾値より大きな値である第3遠景用閾値(>0)より小さな正の値に対比補正係数Liを設定し、対比量が「1」以下のとき、第4近景用閾値より小さな値である第4遠景用閾値(<0)より大きな負の値に対比補正係数Liを設定する。補正部は、色相補正量dHiを、対比補正係数Liと色相Hi、補正係数制御量α4で制御することで求め、注目画素の補正後の補正色情報Hi_newを、Hi_new=(色相Hi)+(色相補正量dHi)とすることで、注目画素の色情報を補正する。
なお、この画像処理装置では、色相Hiが赤色度を示すものとしているが、例えば、色相Hiが赤以外の色の色度(例えば、青色度)によるものであれば、それに対応させて修正することで、この画像処理装置を適用させることができることは言うまでもない。
なお、色対比量としては、注目画素の色情報(色相)Hiおよび周辺画素の色情報(色相)の代表値AHiとの比RHi(=Hi/AHi)以外であってもよく、例えば、RHi(=Hi−AHi)による値を用いるようにしてもよい。
また、色相補正量dHiを、dHi=(対比補正係数Li)×(色相Hi)×(補正係数制御量α4)として求めてもよいし、また、(数式11)および(数式12)により求めてもよい。なお、ここで、(数式8)、(数式9)、(数式11)、(数式12)を用いる場合、CiがHiとなることは言うまでもない。
第15の発明は、画素からなる画像を形成することができる画像信号から、画像信号の色情報を算出する色情報算出ステップと、入力された奥行き情報に基づいて画像信号の色情報を補正するための補正ゲインを求める補正量制御ステップと、補正ゲインに基づいて、色情報を補正する色情報補正ステップと、を備える画像処理方法である。
これにより、第1の発明と同様の効果を奏する画像処理方法を実現することができる。
第16の発明は、コンピュータを、画素からなる画像を形成することができる画像信号から、画像信号の色情報を算出する色情報算出部、入力された奥行き情報に基づいて画像信号の色情報を補正するための補正ゲインを求める補正量制御部、補正ゲインに基づいて、色情報を補正する色情報補正部、として機能させるためのプログラムである。
これにより、第1の発明と同様の効果を奏するプログラムを実現することができる。
第17の発明は、コンピュータを、画素からなる画像を形成することができる画像信号から、画像信号の色情報を算出する色情報算出部、入力された奥行き情報に基づいて画像信号の色情報を補正するための補正ゲインを求める補正量制御部、補正ゲインに基づいて、色情報を補正する色情報補正部、として機能させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体である。
これにより、第1の発明と同様の効果を奏するプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体を実現することができる。
第18の発明は、画素からなる画像を形成することができる画像信号から、画像信号の色情報を算出する色情報算出部と、入力された奥行き情報に基づいて画像信号の色情報を補正するための補正ゲインを求める補正量制御部と、補正ゲインに基づいて、色情報を補正する色情報補正部と、を備える集積回路である。
これにより、第1の発明と同様の効果を奏する集積回路を実現することができる。
第19の発明は、第1の発明であって、ユーザの指示により処理モードを選択させるユーザモード選択部と、出力部からの出力を画像として表示させる表示部と、をさらに備える。
これにより、この画像処理装置において、ユーザは、処理モードを選択することができる。
第20の発明は、第19の発明であって、ユーザモード選択部は、少なくとも、色情報の補正の強度に関する情報を含む処理モードを選択させる。
これにより、この画像処理装置において、ユーザは、色情報の補正の強度を選択して、この画像処理装置での色情報補正の強度を変えることができる。例えば、この画像処理装置において、色情報の補正の強度を設定させる処理モードとして、「強モード」、「中モード」、および「弱モード」を設け、ユーザがそのいずれかのモードを選択することで、ユーザの所望の色情報補正が実現される。
本発明によれば、輪郭強調データやその平均化データを使い分けることなく、奥行き情報に応じて色補正を行うことで奥行き感向上を実現することができ、特に、人間の視覚特性の1つである色対比効果を、奥行き情報による効果と連動させて補正することで、人間の関心の高い色の奥行き感をより強めることができる画像処理装置、画像処理方法、画像処理装置、プログラム、記録媒体および集積回路を実現することができる。
また、本発明によれば、微分信号による輪郭抽出を用いることなく、色対比特性や明るさ対比特性に基づき、推定した奥行き情報を使うことで、人間にとって関心の高い色をより強め、人間にとって関心度の低い色を弱めることで、奥行き感を向上された画像を取得する画像処理装置、画像処理方法、画像処理装置、プログラム、記録媒体および集積回路を実現することができる。
以下、本発明の最良の形態としての第1〜第17実施形態について説明する。
第1実施形態では、奥行き情報による補正制御パラメータで色対比効果による色補正効果を制御する画像処理装置および画像処理方法について説明する。
第2実施形態では、第1実施形態における色対比効果による補正量を色対比量と色情報で制御する画像処理装置および画像処理方法について説明する。
第3実施形態では、第1実施形態における色対比効果による補正量を色対比量と対象画素の色相で制御する画像処理装置および画像処理方法について説明する。
第4実施形態では、第1〜第3実施形態と比較して、奥行き情報に応じて色情報を補正する際に、明るさ情報も利用した画像処理装置および画像処理方法について説明する。
第5実施形態では、第4実施形態における色対比効果による補正量を色対比量と明るさ対比量で制御する画像処理装置および画像処理方法について説明する。
第6実施形態では、第4実施形態における色対比効果による補正量を色対比量、明るさ、明るさ対比量、色相、補正対象である色情報の複数で制御する画像処理装置および画像処理方法について説明する。
第7実施形態では、色対比量を所定の近似関数に導入して奥行き度を算出し、奥行き感向上のための色補正の補正ゲインとする画像処理装置および画像処理方法について説明する。
第8実施形態では、色対比量より注目度の高い複数画素を選択し近景位置を推定し、その近景位置を中心として奥行き感向上のための色補正の補正ゲインを決定する画像処理装置および画像処理方法について説明する。
第9実施形態では、第8実施形態において画素単位で実施していた近景判定を、分割された各ブロック内の平均色情報をもとに色対比量を求め、所定の条件を満足するブロックを近景候補と判断することとした画像処理装置および画像処理方法について説明する。
第10実施形態では、第9実施形態における各ブロックの近景候補かどうかの判定をの代わりに、各ブロックの色対比量をもとにそのブロックによる対象画素間への補正ゲイン値を求める方式を導入し、全ブロックによる補正ゲイン値を合成することで最終的な補正ゲイン値を求める画像処理装置および画像処理方法について説明する。
第11実施形態では、明るさ対比量と色対比量の2つの特徴量を所定の近似関数に導入して奥行き度を算出し、奥行き感向上のための色補正の補正ゲインを決定する画像処理装置および画像処理方法について説明する。
第12実施形態では、明るさ対比量と色対比量の2つの特徴量により注目度の高い複数画素を選択し近景位置を推定し、その近景位置を中心として奥行き感向上のための色補正の補正ゲインを決定する画像処理装置および画像処理方法について説明する。
第13実施形態では、第12実施形態において画素単位で実施していた近景判定を、分割された各ブロック内の平均色情報や平均明るさ情報をもとに色対比量と明るさ対比量を求め、所定の条件を満足するブロックを近景候補と判断することとした画像処理装置および画像処理方法について説明する。
第14実施形態では、第13実施形態における各ブロックの近景候補かどうかの判定を行う代わりに、各ブロックの色対比量と明るさ対比量をもとにそのブロックによる対象画素への補正ゲイン値を求める方式を導入し、全ブロックによる補正ゲイン値を合成することで最終的な補正ゲイン値を求める画像処理装置および画像処理方法について説明する。
第15実施形態では、ブロック内の平均明るさによる対比量と平均色情報による対比量、そして周波数成分量の3つの特徴量により注目度の高いブロックを近景候補ブロックとして選択し近景位置を推定し、その近景位置を中心として奥行き感向上のための色補正の補正ゲインを決定する画像処理装置および画像処理方法について説明する。
第16実施形態では、ブロック内の平均明るさによる対比量と平均色情報による対比量、そして周波数成分量の3つの特徴量により各ブロックによる対象画素への補正ゲイン値を求め、全ブロックによる補正ゲイン値を合成することで最終的な補正ゲイン値を求める画像処理装置および画像処理方法について説明する。
第17実施形態では、第1から第16実施形態の画像処理装置を画像処理部として、その補正レベル等の処理モードをユーザが選択する画像処理装置と方法について説明する。
[第1実施形態]
図1から図11を用いて、本発明の第1実施形態として、奥行き情報に応じて画素における色情報の補正を行う画像処理方法及び画像処理装置100について説明する。
図1に、第1実施形態に係る画像処理装置100の構成を示す。図5に、色情報補正部12の構成を示す。図2に、この第1実施形態である画像処理方法の処理フローチャートを示す。また、図6に、色情報補正部のフローチャート、および色対比量データ算出のフローチャートを示す。
この発明は、画像データを処理することで、画像内の色情報を補正する装置であり、例えば、デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラのような撮影機器、これらの撮影機器で取得したデジタル画像を編集する画像編集装置、モバイル環境下で使用する携帯電話やカーモバイル機器・PDA等、あるいは、様々な環境下で使用される大型映像表示機器等へ搭載される。
<1.1:画像処理装置の構成>
画像処理装置100は、主に、入力画像信号vIiから色情報vCiを算出する色情報算出部11と、奥行き情報fbiから補正ゲインGiを決定させる補正量制御部10と、補正量制御部10により決定された補正ゲインGiに基づいて色情報算出部11から出力された色情報vCiを補正する色情報補正部12と、色情報補正部12により補正された補正色情報vCi_newを各種画像フォーマットに変換して出力する出力部13とから構成される。
色情報算出部11は、入力画像信号vIiを入力とし、入力画像信号vIiから色情報vCiを算出し、算出した色情報vCiを色情報補正部12に出力する。
補正量制御部10は、奥行き情報fbiを入力とし、奥行き情報fbiから補正ゲインGiを決定させる。そして、補正量制御部10は、決定した補正ゲインGiを色情報補正部12に出力する。
色情報補正部12は、補正量制御部10により決定された補正ゲインGiに基づいて色情報算出部11から出力された色情報vCiを補正した補正色情報vCi_newを取得し、取得した補正色情報vCi_newを出力部13に出力する。
色情報補正部12は、図5に示すように、色特性算出部20と、補正量算出部21と、補正部22と、を有する。
色特性算出部20は、周辺色情報算出部23と色対比量算出部24とを有する。
色特性算出部20は、色情報vCiを入力とし、色情報vCiから色対比量vRCiを求め、求めた色対比量vRCiを補正量算出部21に出力する。
周辺色情報算出部23は、色情報vCiを入力とし、色情報vCiから対象画素Piの周囲の代表色情報ACiを対象画素Piごとに算出し、ACiのベクトルデータ(ACiの集合データ)であるvACiを色対比量算出部24に出力する。ここで、色情報vCi等の変数の頭文字が「v」であるベクトルデータは、対象画素Piについて複数の情報(データ)を有していることを示す。例えば、色情報vCiは、注目画素Piについて、色差データCbおよびCrの2つの情報(データ)を有する情報であってもよく、また、注目画素Piについて、彩度の情報(データ)、明度の情報(データ)および色相の情報(データ)の3つの情報(データ)を有する情報であってもよい。
色対比量算出部24は、色情報vCiおよび代表色情報vACiを入力とし、色情報vCiについての色対比量vRCiを算出し、算出した色対比量vRCiを補正量算出部21に出力する。
補正量算出部21は、色対比量vRCiおよび補正ゲインGiを入力とし、色対比量vRCiおよび補正ゲインGiに基づいて、色情報vCiを補正するための補正量を算出し、算出した補正量を補正部22に出力する。
補正部22は、色情報vCiおよび補正量算出部21で算出された補正量を入力とし、補正量算出部21で算出された補正量に基づき、色情報vCiを補正し、補正した色情報を補正色情報vCi_newとして、出力部13に出力する。具体的には、補正部22は、例えば、色情報として彩度Siを補正する場合、
dSi=Ki(RSi,GSi)×Si×α
Si_new=Si+dSi
なる処理を行うことで、補正色情報Si_newを取得し、
色情報として色相Hiを補正する場合、
dHi=Li(RHi,GHi)×Hi×α
Hi_new=Hi+dHi
なる処理を行うことで、補正色情報Hi_newを取得する。なお、ここで、Ki(RSi,GSi)およびLi(RHi,GHi)は、対比補正係数であり、αは、所定の定数である。
出力部13は、色情報補正部12により補正された補正色情報vCi_newを各種画像フォーマットに変換して出力する。
<1.2:画像処理装置の動作>
図2および図6の処理フローチャートを参照して、画像処理装置100の処理の概要を示す。
画像処理装置100に画素i(処理対象画素のことを指し、以下、「注目画素」ということもある。)における画素値Ii(画素値IiのベクトルデータがvIiである。)をもつ画像データが入力されると、色情報算出部11において、画像データvIiを構成する各画素のデータを所定の色情報vCiへ変換する。ここでは、入力画像データを、色情報を扱いやすい色相H、彩度Sおよび明度Vより構成されるHSV空間データ(や、輝度Y、色差Cb、Crより構成されるYCbCr空間データや、明度L、色a*、b*より構成されるLa*b*空間データ等に変換することとするが、画像入力データをそのまま扱うことも可能である。つまり、入力画像データを、例えば、色相H、彩度Sおよび明度Vの3つのデータにより構成される色情報vCiに変換するようにしてもよい。また、入力画像データを、例えば、色相Hのみのデータにより構成される色情報Ci(この場合、色情報Ciは単独データであり、ベクトルデータとはならない。)に変換するようにしてもよい。
一方、画素iにおける奥行き情報fbiが補正量制御部10へ入力される。画素iにおける奥行き情報fbiの例としては、多くのフォーマットや表現がある。例えば、図3に示すようなものが考えられる。図3(a)に示すように、奥行き感が異なる2台の車の画像があったとする。なお、画素iにおける奥行き情報fbiは「0.0」から「1.0」の値を取り、「1.0」に近いほど近景に属するものとする。
図3(b)は、図3(a)の画像の画素位置における各画素の奥行き情報の値を、対応する画素位置にマッピングさせて表示したものの一例を示している。
例えば、図3(b)に示すように、近景の車に含まれる画素sより手前の三角領域内の画素は、近景に位置するものとしてその奥行き情報fbiは「1.0」と設定される。また、遠景の車に含まれる画素tより上側の三角領域内の画素は、遠景に位置するものとしてその奥行き情報fbiは「0.1」に設定される。また、左右両脇の三角領域内の画素も遠景に位置するものとしてfbi=0.1が設定される。一方、中心の矩形内の画素では奥行き情報が線形的に変化すると仮定して、例えば、画素sと画素tを結ぶ線分の距離LEN、対象画素uと画素sとの間の距離をlとした場合、(数式1)に示すように画素uの奥行き情報fbiが設定される。(数式1)でfbsは画素sにおける奥行き情報を、fbtは画素tにおける奥行き情報を、そして、fbuは画素uにおける奥行き情報を示している。
Figure 2007329902
このように定義された入力画像データvIiに応じて用意された奥行き情報fbiが入力画像とは別に補正量制御部10へ入力される。なお、奥行き情報は、様々な定義が可能である。また、その入力の仕方も多くの方法が考えられる。補正量制御部10では、この奥行き情報fbiにより、画素iの色情報vCi内の補正対象Ciについての補正ゲインGCi(この補正ゲインを単に「Gi」と表記するこもある。)を決定する。そして、補正量算出部21において、この補正ゲインGCiおよび色対比量vRCiにより、色情報vCiに対する補正量が決定される。
例えば、色情報算出部11により、入力画像データvIiがHSV系データ(HSV空間データ)に変換された場合で、色情報補正部12により、彩度Sを、彩度対比量をもとに補正するときは、補正量制御部10により彩度Sに関する対比補正ゲインGSiが算出される。また、色情報補正部12により、色相Hを、色相対比量をもとに補正するときは、補正量制御部10により色相Hに関する対比補正ゲインGHiが算出される。
図4は、対比補正ゲイン値による補正量の決定方法の一例を説明するための模式図である。
図4(b)は、図3で示した奥行き情報fbiを示している。図4(c)は、補正量制御部10で得られた、画素iにおける奥行き情報fbiをもとに、色対比効果で補正される彩度Siや色相Hiの補正量を制御する対比補正ゲイン値GSi、GHiの算出方法を説明するための図である。なお、図4(c)の画素位置は、図4(b)の画素位置と対応している。
図4(c)では、彩度補正の場合、近景になるほど、彩度対比による補正効果を強くすることを示している。また、遠景になるほど、彩度対比による補正効果を弱めることを示している。色相を、色相対比による効果をもとに補正する場合についても同様である。こうすることで、単なる奥行き情報のみで彩度や色相を補正する場合に比べて、色対比効果を奥行き情報に基づいて制御し、彩度や色相等を補正することが可能となる。これにより、この画像処理装置100で処理した画像(映像)において、よりメリハリがつき視覚的に自然な奥行き感・遠近感を向上させることができる。
色特性算出部20では、色情報算出部11で得られた色情報vCiを構成する色情報Ciの中で、補正対象となる色情報Ciに対する色対比量RCiが算出される。例えば、入力画像vIiをHSV系に変換した色情報vCiの場合で、補正対象となる色情報Ciが彩度Sであるときは、彩度Sに関する特性情報が、色特性算出部20により算出される。ここでは、画素Piにおける色情報vCiのうちで補正対象である色情報をCiとする。
色特性算出部20は、図6の右図のフローチャートに示す処理を行う。つまり、周辺色情報算出部23と色対比量算出部24とにより、各画素に対する色対比量RCiが算出される。この色対比量としては、多くのものが考えられるが、より人間の見た目に近いような補正を実現するために、人間の視覚特性に対応した情報を用いることが好ましい。ここでは、人間の視覚特性として、多くのものがあるが、色特性に関する色対比特性を用いることとしたが、これ以外にも明るさ対比や、大きさ(同様の特性を有する複数の画素により形成される領域の大きさ)や画素特性等も用いることができる。
図7は、色対比特性の概念を模式的に示したものである。
この図7では、薄い黄色の背景の中に中心部分が開いた赤と青の2つの円が描かれている。なお、2つの円の中心領域は、背景と同じ薄い黄色であるものとする。人が、これらの円を、図7に示す星印にある視線位置に注目して観察した場合、人は、赤色円の中心をやや青く感じる傾向があり、また、青色円の中心をやや赤く感じる傾向がある。この現象は、視覚心理より明らかとされており、色対比特性により生じる現象である。色対比特性とは、対象物体の周囲を異なる彩度や色相が取り囲む場合に、対象物体の彩度や色相に与える影響のことをいう。そして、以下の(1)および(2)に示す特性が明らかになっている。
(1)対象物体の色相と異なる色相が対象物体を取り囲む場合、対象物体に周囲の色相の補色が加わって感じられる。
(2)対象物体の彩度よりも対象物体の周囲を取り囲む彩度が高い場合、対象物体の彩度は、低く感じられる。逆に、対象物体の彩度よりも対象物体の周囲を取り囲む彩度が低い場合、対象物体の彩度は高く感じられる。
本発明では、この色対比特性を用いて、画素の色情報補正を行うことでより、人間の視覚に近い印象を与える(人間が画像(映像)を見たときに人間の視覚特性上自然と感じる)画像補正を行う。例えば、色情報vCiの中から彩度Siを補正対象Ciとした場合、図8に模式的に示すように、彩度補正を行うことで人間の視覚に近い印象を促進できると考えられる。つまり、図8の左円のように円の中心に対象画素Piがあり、Piの彩度Siが、対象画素Piの周囲の画素(複数の画素)の代表彩度ASi(例えば、周囲の画素の彩度の(重み付き)平均値)よりも低い場合には、対象画素Piの彩度Siを減少させることで、良好な画像補正(色情報補正)が実現される。逆に、右円のように対象画素Piの彩度Siが、対象画素Piの周囲の画素(複数の画素)の代表彩度ASiよりも高い場合には、対象画素Piの彩度Siを上昇させることで、良好な画像補整(色情報補正)が実現される。以上のような処理を行うことで、人間の視覚特性上、好ましい画像(映像)補正(色情報補正)が実現される。対象画素Piの周囲の画素の代表彩度SiRとしては、例えば、人間の視野領域に相当する所定の広さを持つ画素領域Ωi内の重み付き平均彩度を、対象画素Piの周囲の画素の代表彩度ASiとすることが好ましいが、これ以外にも、視野領域内の画素を対象として、当該領域内の画素の彩度についてのヒストグラム(彩度ヒストグラム)を求め、その彩度ヒストグラムにおいて、最も度数の多い彩度値や、視野領域内の統計的分布をもとにしたクラスタリング処理で得られた代表彩度や、視野領域内の平均彩度等を代表彩度SiRとすることも可能である。上記のように、彩度による色情報補正を行う場合、各画素Piにおける彩度以外の色情報を保存する(変更しない)ことで、処理した(色情報補正した)画像のバランスを保つことができ、視覚特性上、自然な色情報補正が実現される。
また、色情報vCiの中から色相Hiを補正対象Ciとした場合、図9に模式的に示すように、色相補正を行うことで人間の視覚に近い印象を促進できると考えられる。つまり、図9の左円のように円の中心に対象画素Piがあり、対象画素Piの色相Hiよりも対象画素Piの周囲の画素(複数の画素)の代表色相AHi(例えば、周囲の画素の色相の(重み付き)平均値)が赤い(色相が赤方向により近い)場合には、対象画素Piの色相Hiを青方向へ動かすことで、良好な画像補正(色情報補正)が実現される。この際、色相以外の色情報は保存される(変更されない)。また、色相に関しても、色相を急激に変化させることで画像上に発生する弊害を抑制するために、色相の移動量(変化量)を抑制することで、画像のバランス(色のバランス)をできるだけ保持することができる。つまり、色相の移動量(変化量)を抑制することで、視覚特性上、画像の色が不自然になることを防止することができる。逆に、右円のように対象画素Piの色相Hiが、対象画素Piの周囲の画素の代表色相AHiよりも青い(色相が青方向により近い)場合には、対象画素Piの色相Hiを赤方向へ動かすことで、良好な画像補正(色情報補正)が実現される。対象画素Piの周囲の画素の代表色相AHiとしては、人間の視野領域に相当する所定の広さを持つ画素領域Ωi内の重み付き平均色相を、対象画素Piの周囲の画素の代表色相HSiとすることが好ましいが、これ以外にも、視野領域内の画素を対象として、当該領域内の画素の色相についてのヒストグラム(色相ヒストグラム)を求め、その色相ヒストグラムにおいて、最も度数の多い色相値や、視野領域内の統計的分布をもとにしたクラスタリング処理で得られた代表色相や、視野領域内の平均色相等を代表色相AHiとすることも可能である。なお、ここでは、色相Hiを所定の方向へ動かすことにより、色情報補正を行う場合について説明したが、YCbCr空間における色差CbとCrとを変化させることでも色相を動かす(変化させる)ことも可能である。この場合、定性的には、色差Cbの成分を大きくすることで青成分が発生し、色差Crの成分を大きくすることで赤成分が発生する。
本発明の画像処理装置100では、図6の左図のフローチャートに示す処理が実行される。画像処理装置100では、色対比による色補正量を奥行き情報fbiより得られた対比補正ゲインGSiやGHiを使って制御することで、人間が、視覚特性上、自然に感じる奥行き感・遠近感を画像に効果的に付加させることが可能となる。
色特性算出部20では、各画素の色対比量データRCiを算出する。
まず、周辺色情報算出部23により、対象画素Piの周囲の画素の代表色情報ACiが算出される。この場合、画像(全画像領域)の1/6から1/3程度の領域を周辺領域(視野領域)として、その中での重み付き平均色情報ACiが求められる。色対比量算出部24により、画素Piの色対比量RCiが求められる。ここでは、対象画素Piの対象色情報Ciの代表色情報ACiに対する比を色対比量RCiと定義し、この定義による色対比量RCiが色対比量算出部24により、算出される。これ以外にも、色対比量(色対比情報データ)RCiを(Ci−ACi)で定義し、この色対比量RCiを用いて、色特性算出部20での処理を実行することも可能である。
色情報補正部12では、奥行き情報fbiによる各画素の対比補正ゲイン値GSi、GHiを使って、図10や図11に示すように、色対比効果に基づいて補正量を制御する。
(1.2.1:彩度補正について)
図10は、彩度補正についての説明図である。図10の左上図に、近景および遠景の位置に、彩度の高い水色の中心円の周囲に、彩度の低い青色円がある図を示す。つまり、図10左上図において、遠景にある領域A、および近景にある領域Bは、ともに、中心円の彩度Siが周辺の代表彩度ASiよりも高い。
この場合、図10の左上図に示すように、人間の視覚特性上、領域Aにおける色対比効果の方が、領域Bにおける色対比効果よりも強くなる傾向にある。つまり、遠景にある領域Bにおいて、人間が中心円の彩度が中心円の実際の彩度よりも高くなったと感じる程度(色対比効果のレベル)よりも、近景Aある領域Aにおいて、人間が中心円の彩度が中心円の実際の彩度よりも高くなったと感じる程度(色対比効果のレベル)の方が大きい。
色情報補正部12では、まず、補正量制御部10で奥行き情報fbiから求められた彩度対比補正ゲイン値GSiに基づいて、色情報vCiを補正し、補正色情報vCi_newを生成する。色情報補正部12では、彩度対比補正ゲインGSiに基づいて、彩度対比量RSiによる彩度補正量dSiを制御するための対比補正係数Ki(RSi、GSi)の最大値Kmax(GSi)および最小値Kmin(GSi)、そして、RSi=1における対比補正係数Ki(RSi、GSi)の微分値KSlop(GSi)を、制御する。図10(a)〜(c)に、これらの制御量と彩度対比補正ゲインGSiとの関係を表すグラフを示す。具体的には、図10(a)に、彩度対比補正ゲインGSiと対比補正係数Ki(RSi、GSi)の最小値Kmin(GSi)との関係を、図10(b)に、彩度対比補正ゲインGSiと対比補正係数Ki(RSi、GSi)の最大値Kmax(GSi)との関係を、図10(c)に、彩度対比補正ゲインGSiとRSi=1における対比補正係数Ki(RSi、GSi)の微分値KSlop(GSi)との関係を、それぞれ、示す。また、図10(d)に、彩度対比量RSiと対比補正係数Ki(RSi,GSi)との関係を示す。
そして、彩度対比補正ゲインGSiに基づいて得られたKmax(GSi)、Kmin(GSi)、およびKSlop(GSi)を用いて、図10(c)に示すように、彩度対比量RSiに対して単調増加する関数により、対比補正係数Ki(RSi、GSi)を求める。
(数式2)および(数式3)は、Kmax(GSi)、Kmin(GSi)、KSlop(GSi)、およびKi(RSi、GSi)の一例を示している。
この値をもとに、彩度補正量dSiは、例えば、(数式4)で定義される。ここで、αは予め設定された値であり、0.0≦α≦1.0を満たす。
また、図10(a)〜(c)における、KminMax、KminMin、KmaxMax、KmaxMin、およびKSMaxも予め設定された値であり、
−1.0<KminMax<0.0、
−1.0<KminMin<0.0、
KminMax>KminMin、

0.0<KmaxMax<1.0、
0.0<KmaxMin<1.0、
KmaxMax>KmaxMin、

0.0<KSMax<γ
を満足する。γ、a、bは所定の正定数である。
また、THO、TH1は、
TH0=Kmin/KSlop+1、
TH1=Kmax/KSlop+1、
TH1>1.0>TH0>0.0
を満足する。
Figure 2007329902
Figure 2007329902
Figure 2007329902
(数式3)、は、彩度対比補正ゲイン値がGSiであり、彩度対比量がRSiである場合の、彩度補正量dSiの彩度Siに対する比率を示しており、RSiが「1」より大きい値となるほど(対象画素の彩度が周辺の代表彩度よりも高いほど)、対比補正係数Kiの値が大きくなることを意味する。
また、(数式2)は、彩度対比補正ゲイン値GSiが大きいほど、(数式3)における対比により彩度補正量を決定させる対比補正係数Kiが大きく変動することを意味する。これにより、対比補正係数に比例する彩度補正量dSiも大きく変動させることができる。つまり、(数式2)は、彩度対比補正ゲイン値GSiが大きい値であるほど(近景であるほど)、彩度対比による補正効果(彩度を増す方向の補正効果も減らす方向の補正効果も含めて)を強くすることを意味している。
画像処理装置100により、以上による処理を実行させることで、彩度についての適切な色情報補正が実現され、画像処理装置100により処理された画像(映像)に、人間が、視覚特性上、自然に感じる奥行き感・遠近感を効果的に付加させることが可能となる。
(1.2.2:色相補正について)
また、図11は、色相補正についての説明図である。ここで、画素iの色相Hiは赤色度を表すものとして定義し、Hiが大きいほど赤色が強く感じられることとする。この場合、近景と遠景の位置に、オレンジ色の中心円の周囲に、中心円の色相より赤い色相である円が存在する図を、図11の左上図に示す。周辺代表色相AHiの方が中心円の赤よりも強い場合(周辺代表色相AHiの方が中心円の色相よりも赤に近い色相である場合)、色相対比量RHiは「1」より小さい値となり、中心円の赤を弱める色相対比が発生する。この場合、赤の補色であるシアン色(青緑)が逆に強まる(人間の視覚において、シアン色が強調されたように感じる)こととなり、図11における近景Aよりも遠景Bの方で、色相対比効果を強めることで、大気遠近効果を強めることとなり、図11に示すような画像において、奥行き感を向上させることができる。
逆に、近景Aにおける青緑を強調する色相対比効果、つまり色相対比量RHiが「1」より小さい場合に発生する「赤を弱める色相対比効果」を弱めることで、図11に示すような画像において、さらに奥行き感を与える(向上させる)ことも可能となる。
このように、色相対比効果の場合は、色相対比量RHiが「1」より大きい場合に発生する赤を強める(青を弱める)効果の場合、大気遠近効果を満足するように、遠景ではその色相対比による対比補正量(対比補正係数Li(RHi、GHi))を大きくすることで、色相対比効果を強め、「赤を弱める」効果を実現させる。また、近景では、その色相対比による対比補正量(対比補正係数Li(RHi、GHi))を小さくすることで、遠景の場合に比べて色相対比効果を強める程度を低くし、「赤を弱める」効果を、遠景の場合よりも小さくさせる。なお、ここで、色相対比効果を強める程度の限界値(上限値および下限値の少なくとも一方の値)を設定し、色相対比効果を強める程度を所定の範囲内に収めるようにしてもよい。
また、色相対比量RHiが「1」より小さい場合に発生する赤を弱める(青を強める)効果の場合、大気遠近効果を満足するように、遠景では、その色相対比による対比補正量(対比補正係数Li(RHi、GHi))を小さくする(絶対値の大きなマイナスの値とする)ことで、色相対比効果を強め、「赤を強める」効果を実現させる。また、近景では、その色相対比による対比補正量(対比補正係数Li(RHi、GHi))を大きくする(絶対値の小さいマイナスの値とする)ことで、遠景の場合に比べて色相対比効果を強める程度を低くし、「赤を強める」効果を、遠景の場合よりも小さくさせる。なお、ここで、色相対比効果を強める程度の限界値(上限値および下限値の少なくとも一方の値)を設定し、色相対比効果を強める程度を所定の範囲内に収めるようにしてもよい。
この場合、色情報補正部12では、まず、補正量制御部10で奥行き情報fbiから求められた色相対比補正ゲイン値GHiに基づいて、色情報vCiを補正し、補正色情報vCi_newを生成する。色情報補正部12では、色相対比補正ゲインGHiに基づいて、色相対比量RHiによる色相補正量dHiを制御するための対比補正係数Li(RHi、GHi)の最大値Lmax(GHi)および最小値Lmin(GHi)、そして、RHi=1における対比補正係数Li(RHi、GHi)の微分値LSlop(GHi)を、制御する。図11(a)〜(c)に、これらの制御量と色相対比補正ゲインGHiとの関係を表すグラフを示す。具体的には、図11(a)に、色相対比補正ゲインGHiと対比補正係数Li(RHi、GHi)の最小値Kmin(GHi)との関係を、図10(b)に、色相対比補正ゲインGHiと対比補正係数Li(RHi、GHi)の最大値Kmax(GHi)との関係を、図10(c)に、色相対比補正ゲインGHiとRHi=1における対比補正係数Li(RHi、GHi)の微分値LSlop(GHi)との関係を、それぞれ、示す。また、図10(d)に、色相対比量RHiと対比補正係数Li(RHi,GHi)との関係を示す。なお、色相Hiは赤程度を示すものである。
そして、色相対比補正ゲインGHiに基づいて得られたLmax(GHi)、Lmin(GHi)、およびLSlop(GHi)を用いて、図11(c)に示すように、色相対比量RHiに対して単調増加する関数により、対比補正係数Li(RHi、GHi)を求める。
(数式5)および(数式6)は、Lmax(GHi)、Lmin(GHi)、LSlop(GHi)、およびLi(RHi、GHi)の一例を示している。
この値をもとに、色相補正量dHiは、例えば、(数式7)で定義される。ここで、βは予め設定された値であり、0.0≦β≦1.0を満たす。
また、図11(a)〜(c)におけるLminMax、LminMin、LmaxMax、LmaxMin、およびLSMaxも予め設定された値であり、
−1.0<LminMax<0.0、
−1.0<LminMin<0.0、
LminMax>LminMin、

0.0<LmaxMax<1.0、
0.0<LmaxMin<1.0、
LmaxMax>LmaxMin、

0.0<LSMax<η
を満足する。η、c,dは所定の正定数である。
また、TH2、TH3は、
TH2=Lmin/LSlop+1、
TH3=Lmax/LSlop+1、
TH3>1.0>TH2>0.0
を満足する。
Figure 2007329902
Figure 2007329902
Figure 2007329902
(数式6)は、対比補正ゲイン値がGHiであり、色相対比量RHiである場合の、色相補正量dHiの色相Hiに対する比率を示しており、RHiが「1」より大きい値となるほど(対象画素の色相が周辺の代表色相よりも赤いほど(赤方向に近いほど))、対比補正係数Liの値が大きくなり、対象画素の色情報補正において、赤色が強くなるということを意味する。
また、(数式5)は、色相対比補正ゲイン値GHiが大きいほど、(数式6)における対比により色相補正量を決定させる対比補正係数Liが大きく変動することを意味する。これにより、対比補正係数に比例する色相補正量dHiも大きく変動させることができる。つまり、(数式5)は、色相対比補正ゲイン値GHiが大きい値であるほど(近景であるほど)、色相対比による赤への補正効果で、赤を増す方向(青を弱くする方向)をある程度強めるとともに、赤を減らす方向(青を強める方向)を弱くすることを意味している。逆に、GHiが小さい値であるほど(遠景になるほど)、色相対比による赤への補正効果で、赤を増す方向(青を弱くする方向)を弱くするとともに、赤を減らす方向(青を強める方向)をある程度強くすることを意味している。
画像処理装置100により、以上による処理を実行させることで、色相についての適切な色情報補正が実現され、画像処理装置100により処理された画像(映像)に、人間が、視覚特性上、自然に感じる奥行き感・遠近感を効果的に付加させることが可能となる。
なお、色相Hiを赤色度の代わりに青色度で表現することも可能であり、この場合、LminやLmaxを、色相Hiを赤色度とした場合と逆の方向に制御することになる。
最後に、出力部13では、色情報補正部12で得られた各画素Piの対象色情報Ciの補正値とそれ以外の色情報値とをそのまま出力画像データとして出力するようにしてもよい。また、色情報補正部12で得られた各画素Piの対象色情報Ci(例えば、彩度)の補正値とそれ以外の色情報値(例えば、色相と明度)とを、使用機器により扱うことのできる画像フォーマットに変換し、出力画像データとして出力するようにしてもよい。
人間の視覚特性において、色対比効果による強調・抑制効果が確認されているとともに、人間が3次元物体を認知する場合、両眼視差以外に単眼情報を手掛かりとして認知するということがすでに指摘されている。その単眼情報の1つに、彩度等の色情報があり、人間は、彩度が鮮やかな場合や印象深い色の領域を近景と感じる傾向にあり、彩度が薄い場合や印象の少ない色領域を近景と感じない傾向にあることが指摘されている。
本発明は、人間の色対比効果による強調・抑制効果を用いた色補正に、人間の3次元認知における特性を考慮した制御を適用させたものである。本発明では、与えられた奥行き情報(近景に含まれる画素か遠景に含まれる画素かの情報)に応じて、その画素の対象色情報における色対比効果の補正ゲイン値を制御し、その対象色情報の色対比効果による補正量を制御する。これにより、本発明では、人間の単眼情報の手掛かりによる3次元認知特性に加えて、画像に奥行き感・遠近感を効果的に付与することが簡易に実現できる。また、本発明では、従来技術のように、明るさ・輝度の平均化処理を実施することがないので、本発明により処理した画像において解像度低下による画質劣化も発生しない。
なお、本発明において色相補正を行う場合の説明で、特定の色の割合をもとに説明したが、例えば、通常のHSV空間における色味を示す情報を用いることも可能である。
(1.2.3:その他)
また、本発明において、色情報補正部12における色情報Ciの補正(色情報補正)として、対比補正ゲイン値GCiを使って色対比による補正量を制御する場合、上記で説明したもの以外に(数式8)および(数式9)で表現される処理により色情報補正を実現させることも可能である。
(数式8)において、Ciが画素iの補正対象色情報であり、ACiが画素Piの周囲の代表色情報であり、αは正定数であるとする。
また(数式9)において、dTH0、Gmaxは、所定の正定数であり、μは0<μ<1を満たす所定の正定数である。
Figure 2007329902
Figure 2007329902
この(数式8)でCi/ACiが色対比情報データRCiに相当する。GF(x)は、(数式9)に限定されることはなく(数式9)以外に、なめらかで連続かつRCiの変化に応じて単調増加する非線形関数を(数式9)の代わりに用いるようにしてもよい。
なお、色対比による補正量dCiとして、(数式10)による補正量dCiを採用し、(数式10)による補正量dCiにより本発明の処理を実行させることで、補正対象の色情報Ciの急激な変化による飽和現象等を抑制することができる。
Figure 2007329902
さらに、本発明において、色対比情報データRCiを(Ci−ACi)で定義して、その色対比による補正量dCiを(数式11)および(数式12)に示す所定の関数により変換して得られた値を用いることで、対象画素Piの色情報Ciの補正を実行することも可能である。
(数式11)および(数式12)で、
dTH1>0、
dTH2>0、
Fmax>0.0、
Fmin<0.0、
0<α<1.0
を満足する定数であるとする。
本発明において、(数式11)および(数式12)による処理を実行させることで、補正量の上下限を設定することができるとともに、色対比情報RCiを所定の範囲において線形的に変化させることができる。(数式11)および(数式12)に関しても、これらに限定されるものではなく、他の線形関数や非線形関数を用いて、本発明の処理を実行させるようにしてもよい。
Figure 2007329902
Figure 2007329902
ここで、(数式1)から(数式12)で使用する正定数等のパラメータは、テーブルデータとして保持されるものとして、外部入力やユーザ指示により当該パラメータによる制御を本発明において実行させることで、本発明における色の補正程度を変更させることも可能である。
最後に、出力部13では、色情報補正部12で得られた各画素Piの対象色情報Ciの補正値とそれ以外の色情報値とをそのまま出力画像データとして出力するようにしてもよい。また、色情報補正部12で得られた各画素Piの対象色情報Ciの補正値とそれ以外の色情報値とを、使用機器により扱うことのできる画像フォーマットに変換し、出力画像データとして出力するようにしてもよい。
また、上記説明において、対象色情報Ciを1つとした場合(彩度単独の場合と色相単独の場合)の本発明の処理について説明したが、例えば、本発明において、彩度および色相の2つの色情報補正を組み合わせることで、色情報補正を実行させることも可能である。この場合、各々の色情報からの色特性情報データは別々に求められ、色情報補正部12では、対応する色情報に適した補正関数が設定される。
また、上記説明では、奥行き情報fbiによる対比補正ゲインGCiを算出し、算出した対比補正ゲインGCiと色対比量とにより補正量を修正する方式を本発明で実行させる場合について説明したが、これ以外にも、例えば、奥行き情報fbiによる色補正量と色対比による色補正量とを合わせることで色情報補正を実行させる方式により本発明を実現させてもよい。
なお、(数式3)は、(数式13)のように、なめらかに連続な1つの非線形関数を用いてもよい。ここで、gは所定の正定数である。同様に、(数式6)も(数式14)のような1つの非線形関数を用いてもよい。ここで、kは正定数である。
Figure 2007329902
Figure 2007329902
[第2実施形態]
図12から図14を用いて、本発明の第2実施形態として、奥行き情報に応じて画素における色情報の補正を行う画像処理方法及び画像処理装置について説明する。
<2.1:画像処理装置の構成>
第2実施形態に係る画像処理装置は、第1実施形態に係る画像処理装置100と同様の構成をしており、画像処理装置100の色情報補正部12が、本実施形態に係る画像処理装置では色情報補正部2012に置換されている点のみが相違する。本実施形態に係る画像処理装置において、画像処理装置100と同様の部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。なお、本実施形態に係る画像処理装置については、図1において、色情報補正部12を色情報補正部2012に置き換えただけのものであるため、本実施形態に係る画像処理装置の全体構成図についての図示を省略する。
図12に、本発明の第2実施形態に係る画像処理装置の色情報補正部2012の構成を示す。また、図13に、第2実施形態に係る画像処理方法(本実施形態に係る画像処理装置で実行される画像処理方法)の処理フローチャートを示す。
本実施形態に係る画像処理装置は、画像データを処理することで、画像内の色情報を補正する装置である。本実施形態に係る画像処理装置は、例えば、デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラのような撮影機器、これらの撮影機器で取得したデジタル画像を編集する画像編集装置、モバイル環境下で使用する携帯電話やカーモバイル機器・PDA等、あるいは、様々な環境下で使用される大型映像表示機器等へ搭載される。
第2実施形態に係る本実施形態に係る画像処理装置および画像処理方法の特徴は、第1実施形態において、一定数とした、色対比による補正量を決定する補正係数制御量αを、第2実施形態では、補正係数制御量αを定数(一定値)とせず、色対比量RCiと補正対象色情報Ciとで制御する点にある。
色情報補正部2012は、補正量制御部10により決定された補正ゲインGiに基づいて色情報算出部11から出力された色情報vCiを補正した補正色情報vCi_newを取得し、取得した補正色情報vCi_newを出力部13に出力する。
色情報補正部2012は、図12に示すように、色特性算出部20と、対比補正量制御部30と、補正量算出部21と、補正部2022と、を有する。
補正量算出部21は、色対比量vRCiおよび補正ゲインGiを入力とし、色対比量vRCiおよび補正ゲインGiに基づいて、色情報vCiを補正するための補正量を算出し、算出した補正量を補正部2022に出力する。
対比補正量制御部30は、色情報vCiおよび色対比量vRCiを入力とし、色情報vCiおよび色対比量vRCiに基づいて、対比補正係数制御量αiを求め、求めた対比補正係数制御量αiを補正部2022に出力する。
補正部2022は、色情報vCi、補正量算出部21で算出された補正量、および対比補正量制御部30により求められた対比補正係数制御量αiを入力とし、補正量算出部21で算出された補正量および対比補正係数制御量αiに基づき、色情報vCiを補正し、補正した色情報を補正色情報vCi_newとして、出力部13に出力する。
<2.2:画像処理装置の動作>
図13の処理フローチャートをもとに、本実施形態に係る画像処理装置での処理について説明する。
本実施形態に係る画像処理装置に画像データが入力され、各画素のデータを所定の色情報vCiへ変換するまでの処理は、第1実施形態と同様である。また、画素iにおける色対比量RCiの算出処理までも第1実施形態を同様であるので省略する。
色特性算出部では、色情報算出部11で取得された色情報vCiを構成する色情報Ciの中で、補正対象となる色情報Ciが算出される。対比補正量制御部30では、色特性算出部20により取得された色対比量RCiと、補正対象となる色情報Ci(ベクトルデータの場合はvCi)とから、対比補正係数制御量αi(ベクトルデータの場合はvαi)を算出する。
補正量算出部21では、奥行き情報から得られた対比補正ゲイン値GCiおよび色対比量RCiに基づいて、対比補正係数(例えば、彩度の場合Ki(RSi,GSi)、色相の場合Li(RHi,GHi)。)を算出する。
補正部2022では、補正量算出部21で算出された対比補正量と対比補正量制御部30で算出された対比補正係数αiとに基づいて、補正対象となる色情報Ciを補正する。つまり、補正量dCi(=(対比補正係数)×(補正対象色情報Ci)×αi)を制御する補正係数制御量αiの制御を、対比補正量制御部30が実施している。この制御を模式的に示したものが図14である。なお、図14では、彩度Siを補正対象とする場合について、示しているが、これに限定されることはなく、例えば、色相補正のように色対比が利用できる色情報Ciについても同様の考え方を本発明に適用させることができる。
まず、図14において、defαを補正係数制御量αの基準値(デフォルト値)とする。また、色対比量RCiとして補正対象の色情報Ci(対象画素Piの色情報Ci)のその周辺(対象画素Piの周辺画素)を代表する色情報ACiに対する比で定義する。その場合、次の(P1)および(P2)に示す点の考慮が必要である。
(P1)色対比量RCi>1.0で、補正対象である色情報Ciが高い(色情報Ciの値が大きい)場合、色対比による補正量dCi2が過剰に大きくなる傾向がある。結果として、得られた色補正量Ci_newにおいて、飽和現象が発生する恐れがあるため、この場合の補正係数制御量α(対象画素Piにおける補正係数制御量をαiと表記することがあるが、対象画素Piを意識しない場合は、単に補正係数制御量αと表記する。)を抑制する必要がある。(数式15)は、その抑制処理を実行させる補正係数制御量αを算出する式の一例を示している。
(P2)色対比量RCi<1.0で、補正対象である色情報Ciが低い(色情報Ciの値が小さい)場合、色対比による補正量dCi2の低下量が大きくなることで画質劣化が生じる可能性がある。この場合の補正係数制御量αを抑制する必要がある。(数式15)は、その抑制処理を実行させる補正係数制御量αを算出する式の一例を示している。
Figure 2007329902
ここで、dA1は正定数であり、dA1<defαを満足する小さい値である。THCiは色情報Ciに関する閾値である。本発明において、色情報Ciをより細かく分離して補正係数制御量αを制御するようにしてもよい。また、対比量RCiについても「1.0」以外の複数の閾値を設けて分割し、αを細分領域で制御するようにしてもよい。なお、図14および(数式15)では、補正係数制御量αは、分割されたCiとACiとで構成される2次元領域が一定となる(図14の右図において、4つの分割領域が全て平面となる)ように設定されているが、これに限定されることはなく、例えば、補正係数制御量αは、2つの従属変数であるCiとACiとに応じて連続的に変化するように設定されるものであってもよい。また、(数式15)において、図14に示す分割された領域の境界で連続するように色対比による色補正のための補正係数制御量αを変化させて分割領域の境界面をつなげることで、分割領域の境界付近で生じる可能性がある色補正の不具合を改善することも考えられる。
補正部2022では、補正量制御部10により奥行き情報fbiから算出された対比補正ゲイン値GCiと色特性算出部20により算出された色対比量vRCiとを用いて、補正量算出部21で算出された対比補正係数、および、上記のようにして、対比補正量制御部30により算出された補正係数制御量αを用いて、補正量dCiを求め、求めた補正量dCiを補正前の色情報Ciに加算することで補正後の色情報Ci_newを求める。つまり、補正部2022では、
Ci_new=Ci+dCi
なる処理を行う。
出力部13では、色情報補正部12で得られた各画素Piの対象色情報Ciの補正値とそれ以外の色情報値とをそのまま出力画像データとして出力するようにしてもよい。また、色情報補正部12で得られた各画素Piの対象色情報の補正値Ciとそれ以外の色情報値とを、使用機器により扱うことのできる画像フォーマットに変換し、出力画像データとして出力するようにしてもよい。
このように、本実施形態に係る画像処理装置では、色対比により各画素の対象色情報のみを補正する補正量を、色情報Ciと色対比量RCiで制御することで、第1実施形態に係る画像処理装置100で発生する可能性がある過剰補正を改善することができる。さらに、本実施形態に係る画像処理装置では、本実施形態に係る画像処理装置での処理された画像において、人間が、視覚特性上、自然に感じる奥行き感を向上させる色補正(色情報補正)を実現させることができる。
また、上記説明において、対象色情報Ciを1つとした場合の本発明の処理について説明したが、例えば、彩度および色相の2つの色情報補正を組み合わせることで、色情報補正を実行させることも可能である。この場合、各々の色情報からの色特性情報データは別々に求められ、色情報補正部12では、対応する色情報に適した補正関数が設定される。
また、上記説明では、奥行き情報fbiによる補正ゲインGCiを算出し、算出した補正ゲインGCiと色対比量とにより補正量を修正する方式を本発明で実行させる場合について説明したが、これ以外にも、例えば、奥行き情報fbiによる色補正量と色対比による色補正量とを合わせることで色情報補正を実行させる方式により本発明を実現させてもよい。
[第3実施形態]
図15〜図19を用いて、本発明の第3実施形態として、奥行き情報に応じて画素における色情報の補正を行う画像処理方法及び画像処理装置300について説明する。
<3.1:画像処理装置の構成>
図15に、画像処理装置300の構成図を示す。また、図16に、色相対応色情報補正部42の構成図を示す。
画像処理装置300は、主に、入力画像信号vIiから色情報vCiを算出する色情報算出部11と、入力画像信号vIiから色相情報Hiを算出する色相情報算出部40と、奥行き情報fbiから補正ゲインGiを決定させる補正量制御部10と、補正量制御部10により決定された補正ゲインGiおよび色相情報算出部40から出力された色相情報Hiに基づいて、色情報算出部11から出力された色情報vCiを補正する色相対応色情報補正部42と、色相対応色情報補正部42により補正された補正色情報vCi_newを各種画像フォーマットに変換して出力する出力部13とから構成される。
なお、第3実施形態に係る画像処理装置300において、前述の実施形態と同様の部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
色相情報算出部40は、入力画像信号vIiを入力とし、入力画像信号vIiから色相情報Hiを算出し、算出した色相情報Hiを色相対応色情報補正部42に出力する。
色相対応色情報補正部42は、図12に示すように、色特性算出部20と、対比補正量制御部3030と、補正量算出部21と、補正部3022と、を備える。なお、色特性算出部20と、補正量算出部21とは、前述の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
対比補正量制御部3030は、色相情報算出部40により算出された色相情報Hiおよび色特性算出部20により算出された色対比量vRCiを入力とし、色対比量vRCiおよび色相情報Hiに基づいて、対比補正係数制御量αiを求め、求めた対比補正係数制御量αiを補正部3022に出力する。
補正部3022は、色情報vCi、補正量算出部21により算出された対比補正係数および対比補正量制御部3030から出力された対比補正係数制御量αiを入力とし、対比補正係数および対比補正係数制御量αiに基づいて、色情報vCiを補正し、補正した色情報を補正色情報vCi_newとして出力部13に出力する。
<3.2:画像処理装置の動作>
図17に、第3実施形態に係る画像処理方法(画像処理装置300での画像処理方法)の処理フローチャートを示す。画像処理装置300は、画像データを処理することで、画像内の色情報を補正する装置である。画像処理装置300は、例えば、デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラのような撮影機器、これらの撮影機器で取得したデジタル画像を編集する画像編集装置、モバイル環境下で使用する携帯電話やカーモバイル機器・PDA等、あるいは、様々な環境下で使用される大型映像表示機器等へ搭載される。
第3実施形態に係る画像処理装置300および画像処理方法の特徴は、第1実施形態において、一定数とした、色対比による補正量を決定する補正係数制御量αを、色対比量RCiと色相Hiとで制御する点にある。図17の処理フローチャートをもとに、画像処理装置300の処理概要について説明する。
画像処理装置300に画像データが入力され、各画素のデータを所定の色情報vCiへ変換するまでの処理は前述の実施形態と同様である。また、画素iにおける色対比量RCiの算出処理までも前述の実施形態と同様であるので、説明を省略する。本実施形態では、色情報vCiより色相情報Hiが、色相情報算出部40により、求められる。この色相情報Hiは、色の種類(赤、青、緑等)を表す情報であり、この色相情報Hiとして、たとえば、HSV空間変換におけるH成分(色相H成分)を利用することも可能である。また、この色相情報HiをYCbCr空間のCb、Crにより定義することも可能である。ここでは、HSV空間変換における色相Hを色相情報Hiとして用いる場合について、以下、説明する。このHSV空間の場合、画素iの色相は、0度から360度の値を持つ。例えば、純色の赤色が113度付近、純色の緑色が225度付近、純色の青色が353度付近で表現されるが、各色の明確な境界はない。本発明では、色相Hiに関して、色相がHh0度からHh1度の領域を肌色の領域とし、色相がHs1度からHs2度の領域を空色の領域とし、色相がHg1度からHg2度の領域を緑色の領域と定義することとする。肌色、空色、緑色ともに領域は一義で決定できないが、該当する色もしくはそれに近い色が含まれるような領域を設定することとする。
色特性算出部20では、色情報算出部11により取得された色情報vCiを構成する色情報Ciの中で、補正対象となる色情報Ciが算出される。対比補正量制御部3030では、色特性算出部20により取得された色対比量RCiと、色相情報Hiとから対比補正係数制御量αi(ベクトルデータの場合はvαi)を算出する。
補正量算出部21では、奥行き情報から得られた対比補正ゲイン値GCiおよび色対比量RCiに基づいて、対比補正係数(例えば、彩度の場合Ki(RSi,GSi)、色相の場合Li(RHi,GHi)。)を算出する。
補正部3022では、補正量算出部21で算出された対比補正量と対比補正量制御部3030で算出された対比補正係数αiとに基づいて、補正対象となる色情報Ciを補正する。つまり、補正量dCi(=(対比補正係数)×(補正対象色情報Ci)×αi)を制御する補正係数制御量αiの制御を、対比補正量制御部3030が実施している。この制御を模式的に示したものが図18である。なお、図18では、彩度Siを補正する際の例について示しているが、これに限定されることはなく、例えば、色相補正のように色対比が利用できる色情報Ciについても同様の考え方を本発明に適用させることができる。
まず、図18において、defαを補正係数制御量αの基準値(デフォルト値)とする。また、色対比量RCiとして補正対象の色情報Ci(対象画素Piの色情報Ci)のその周辺(対象画素Piの周辺画素)を代表する色情報ACiに対する比で定義する。その場合、次の(Q1)〜(Q3)に示す点の考慮が必要である。
(Q1)色相Hiが肌色の領域に含まれる場合、この肌色領域での補正は、ユーザに大きく影響を与える(視覚特性上、肌色領域での色の変化は、感度が高く、肌色領域の僅かな色の変化をユーザが認識しやすい。)。そのため、この肌色領域での過剰補正を抑えるために、補正係数制御量αを抑制する必要がある。
(Q2)色相Hiが緑色、あるいは空色の領域に含まれる場合、より色をはっきりさせる方向や鮮やかにする方向へ補正することがユーザに望まれる傾向が強い。空色領域や緑色領域の場合、色対比量RCiは「1.0」の付近になるため、(数式5)等で表現される補正処理では、補正量が小さくなる。そこで、色対比量RCiがRCi>1.0の場合、補正係数制御量αを大きくする必要がある。
(Q3)色相Hiが緑色、あるいは空色領域に含まれる場合、より色をはっきりさせる方向や鮮やかにする方向へ補正することがユーザに望まれる傾向が強い。空色領域や緑色領域の場合、色対比量RCiは「1.0」の付近になるため、(数式5)等で表現される補正処理では、補正量が小さくなる。そこで、色対比量RCiがRCi<1.0の場合、補正係数制御量αをやや小さくする方がよい。
図18は、色相情報Hiが肌色領域に含まれる場合の対比補正係数制御量αの制御を示すものである。この対比補正係数制御量αの制御において、肌色と他の色相の境界では、defαになるようにして、そこから肌色領域の中心Hhcに向けてαを減少させるように制御する。(数式16)は、その抑制処理を実行させる補正係数制御量αを算出する式の一例を示している。なお、Hhc=(Hh1+Hh2)/2とする。また、dskinは正定数である。
Figure 2007329902
また、図19は、色相Hiが空色領域に含まれる場合の補正係数制御量αの制御を示すものであり、この2つの領域((数式17)の上式および下の式で表される領域)に含まれる画素で色対比量RCiに応じて補正係数制御量αの値を変化させたものを示している。(数式17)は、緑色領域の場合(Hg1<Hi<Hg2)の補正係数制御量αを算出する式である。
Figure 2007329902
(数式18)は、空色領域の場合(Hs1<Hi<Hs2)の補正係数制御量αを算出する式である。
Figure 2007329902
ここで、dA2、dA3は正定数であり、dA2<defα、dA3<defαを満足する値である。RC1、RC2は、緑色領域、空色領域内における色対比量の低い領域と高い領域をつなぐ中間領域の境界を決定させる値であり、
0.0<RC1<1.0、
1.0<RC2<RCMax
を満足する。ここで、RCMaxは色対比量の最大値とする。
本発明において、肌色領域、空色領域および緑色領域における色相Hiをより細かく分離して補正係数制御量αを制御するようにしてもよい。また、本発明において、肌色領域でも色対比量RCiに応じて、領域を分割して補正係数制御量αを制御することも可能である。また、本発明において、空色領域および緑色領域における色対比量RCiをもっと細分化して補正係数制御量αを制御するようにしてもよい。
なお、図19では、不連続な境界(RCi=RC1である境界面およびRCi=RC2である境界面)が存在するが、色相情報Hiと色対比量RCiに応じて連続的に変化させて滑らかな境界となるように補正係数制御量αの値を制御させることも可能である。また、(数式16)および(数式17)において、RCi=RC1である境界面、およびRCi=RC2である境界面で滑らかに連続するような関数を用いることで、本発明において、これらの境界付近で発生する可能性がある不具合を改善することができる。
このような補正係数制御量αを用いて、奥行き情報fbiによる対比補正ゲイン値GCiで制御した色対比RCiによる補正量dCiを求め、補正前の色情報Ciに加算することで補正後の色情報Ci_newを求める。つまり、補正部2022では、
Ci_new=Ci+dCi
なる処理を行う。
出力部13での処理は、前述の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
このように、、画像処理装置300では、色対比により各画素の対象色情報のみを補正する補正量を、色相情報Hiと色対比量RCiで制御することで、前述の実施形態に係る画像処理装置で発生する可能性がある過剰補正を改善することができる。さらに、画像処理装置300では、画像処理装置300での処理された画像において、人間が、視覚特性上、自然に感じる奥行き感を向上させる色補正(色情報補正)を実現させることができる。また、画像処理装置300では、従来技術のような解像度低下によるぼけ領域は発生せず、解像度低下による大きな画質劣化を抑制することができる。
また、上記説明において、対象色情報Ciを1つとした場合の本発明の処理について説明したが、例えば、彩度および色相の2つの色情報補正を組み合わせることで、色情報補正を実行させることも可能である。この場合、各々の色情報からの色特性情報データは別々に求められ、色相対応色情報補正部42では、対応する色情報に適した補正関数が設定される。また、画像処理装置300において、対象色情報Ciに色相情報Hiを含んだ場合、色相情報算出部40の処理をそのまま実施するようにしてもよいが、色相情報算出部40の処理を実施させないで、色情報算出部11で算出された色相情報Hiを利用するようにしてもよい。
また、上記説明では、奥行き情報fbiによる補正ゲインGCiを算出し、算出した補正ゲインGCiと色対比量とにより補正量を修正する方式を本発明で実行させる場合について説明したが、これ以外にも、例えば、奥行き情報fbiによる色補正量と色対比による色補正量とを合わせることで色情報補正を実行させる方式により本発明を実現させてもよい。
[第4実施形態]
図20〜図23を用いて、本発明の第4実施形態として、奥行き情報に応じて画素における色情報の補正を行う画像処理方法及び画像処理装置400について説明する。
<4.1:画像処理装置の構成>
図20に、本発明の第4実施形態に係る画像処理装置400の構成図を示す。また、図21に、明るさ対応色情報補正部52の構成図を示す。
画像処理装置400は、主に、入力画像信号vIiから色情報vCiを算出する色情報算出部11と、入力画像信号vIiから明るさ情報Yiを算出する明るさ情報算出部50と、奥行き情報fbiから補正ゲインGiを決定させる補正量制御部10と、補正量制御部10により決定された補正ゲインGiおよび明るさ情報算出部50から出力された明るさ情報Yiに基づいて、色情報算出部11から出力された色情報vCiを補正する明るさ対応色情報補正部52と、明るさ対応色情報補正部52により補正された補正色情報vCi_newを各種画像フォーマットに変換して出力する出力部13とから構成される。
なお、第4実施形態に係る画像処理装置400において、前述の実施形態と同様の部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
明るさ情報算出部50は、入力画像信号vIiを入力とし、入力画像信号vIiから明るさ情報Yiを算出し、算出した明るさ情報Yiを明るさ対応色情報補正部52に出力する。
明るさ対応色情報補正部52は、図21に示すように、色特性算出部20と、対比補正量制御部4030と、補正量算出部21と、補正部4022と、を備える。なお、色特性算出部20と、補正量算出部21とは、前述の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
対比補正量制御部4030は、明るさ情報算出部50により算出された明るさ情報Yiおよび色特性算出部20により算出された色対比量vRCiを入力とし、色対比量vRCiおよび明るさ情報Yiに基づいて、対比補正係数制御量αiを求め、求めた対比補正係数制御量αiを補正部4022に出力する。
補正部4022は、色情報vCi、補正量算出部21により算出された対比補正係数および対比補正量制御部4030から出力された対比補正係数制御量αiを入力とし、対比補正係数および対比補正係数制御量αiに基づいて、色情報vCiを補正し、補正した色情報を補正色情報vCi_newとして出力部13に出力する。
<4.2:画像処理装置の動作>
図22に、第4実施形態に係る画像処理方法(画像処理装置400での画像処理方法)の処理フローチャートを示す。画像処理装置400は、画像データを処理することで、画像内の色情報を補正する装置である。画像処理装置400は、例えば、デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラのような撮影機器、これらの撮影機器で取得したデジタル画像を編集する画像編集装置、モバイル環境下で使用する携帯電話やカーモバイル機器・PDA等、あるいは、様々な環境下で使用される大型映像表示機器等へ搭載される。
第4実施形態に係る画像処理装置400および画像処理方法の特徴は、第1実施形態において、一定数とした、色対比による補正量を決定する補正係数制御量αを、色対比量RCiと明るさ情報Yiとで制御する点にある。図22の処理フローチャートをもとに、画像処理装置400の処理概要について説明する。
画像処理装置400に画像データが入力され、各画素のデータを所定の色情報vCiへ変換するまでの処理は前述の実施形態と同様である。また、画素iにおける色対比量RCiの算出処理までも前述の実施形態と同様であるので、説明を省略する。本実施形態では、入力画像データvIiより明るさ情報Yiが、明るさ情報算出部50により求められる。明るさ情報としては、多くの例があり、輝度Y、色差Cb、Crより構成されるYCbCr空間データの輝度Yや、明度L、色a*、b*より構成されるLa*b*空間データの明度L等がその代表例である。ここでは、YCbCr空間データにおける輝度Yを画素iで計算して明るさ情報Yiとする場合について説明する。
対比補正量制御部4030は、この明るさ情報Yiと色対比量RCiとをもとに、補正係数制御量αを算出する。そして、この補正係数制御量αを変化させることで、画像処理装置400において、より望む画像を生成することが可能となる。
図22は、画像処理装置400において、補正係数制御量αを制御することで実現される色情報補正処理の処理フローを示している。ここで、defαは補正係数制御量αの基準値(デフォルト値)とする。また、色対比量RCiとして補正対象の色情報Ci(対象画素Piの色情報Ci)のその周辺(対象画素Piの周辺画素)を代表する色情報ACiに対する比で定義する。その場合、次の(R1)および(R2)に示す点の考慮が必要である。
(R1)対象画素iの明るさ情報Yiの値が高い(大きい)場合、色補正した結果生じる効果が、人間の視覚特性上、過剰な色補正であると感じられる可能性がある。特に、色対比量RCiがRCi>1.0の場合は、補正係数制御量αを抑制することが好ましい。
(R2)対象画素iの明るさ情報Yiの値が低い(小さい)場は、色補正した結果生じる効果があまり感じられない可能性がある。特に、色対比量RCi<1.0の場合、色対比効果により周囲よりも色情報を抑えることによる色情報補正の効果が、明るさ情報が低いため(つまり、対象画素の周辺の領域の明るさが暗いため)に感じられにくい。そのため、明るさ情報Yiの値が低く(小さく)、色対比量RCi<1.0のときは、補正係数制御量αを大きくするのが好ましい。一方、明るさ情報Yiの値が低く(小さく)、色対比量RCi>1.0の場合は、補正係数制御量αは基準値、もしくは、やや大きめの値にするのが好ましい。(数式19)は、上記考え方を考慮して、補正係数制御量αを算出する式の一例である。
Figure 2007329902
ここで、dA3、dA3sは正定数であり、dA3<defα、dA3s<α、dA3s<dA3を満足する小さい値である。また、Yhは、明るさ情報Yiが大きいかどうか判定をおこなう閾値であり、複数のYhで分割するようにしてもよい。同様に、色対比量RCiも「1.0」以外に複数の閾値を設けて分割してもよい。なお、図23および(数式19)では、補正係数制御量αiは、分割されたYiとACiとで構成される2次元領域が一定となるように設定されているが、これに限定されることはなく、例えば、補正係数制御量αは、2つの従属変数であるYiとACiとに応じて連続的に変化するように設定されるものであってもよい。また、(数式19)において、図23に示す分割された領域の境界で連続するように色対比による色補正のための補正係数制御量αを変化させて分割領域の境界面をつなげることで、分割領域の境界付近で生じる可能性がある色補正の不具合を改善することも考えられる。
このように、画像処理装置400では、色対比により各画素の対象色情報のみを補正する補正量を、明るさ情報Yiと色対比量RCiとで制御することで、前述の実施形態に係る画像処理装置で発生する可能性がある過剰補正を改善することができる。さらに、画像処理装置400では、画像処理装置400により処理された画像において、色情報補正の効果の小さい低明るさ領域(暗い領域)でも、色情報補正を適切に行うことができ、かつ、奥行き感を向上させる色補正(色情報補正)を行うことができる。また、画像処理装置400では、従来技術のような解像度低下によるぼけ領域を発生させることはなく、解像度低下による大きな画質劣化を抑制することができる。
また、上記説明において、対象色情報Ciを1つとした場合の本発明の処理について説明したが、例えば、彩度および色相の2つの色情報補正を組み合わせることで、色情報補正を実行させることも可能である。この場合、各々の色情報からの色特性情報データは別々に求められ、明るさ対応色情報補正部52では、対応する色情報に適した補正関数が設定される。
また、上記説明では、奥行き情報fbiによる補正ゲインGCiを算出し、算出した補正ゲインGCiと色対比量とにより補正量を修正する方式を本発明で実行させる場合について説明したが、これ以外にも、例えば、奥行き情報fbiによる色補正量と色対比による色補正量とを合わせることで色情報補正を実行させる方式により本発明を実現させてもよい。
[第5実施形態]
図24〜図28を用いて、本発明の第5実施形態として、奥行き情報に応じて画素における色情報の補正を行う画像処理方法及び画像処理装置について説明する。
<5.1:画像処理装置の構成>
図24に、本発明の第5実施形態に係る本実施形態に係る画像処理装置の明るさ対応色情報補正部5052の構成を示す。なお、第5実施形態に係る本実施形態に係る画像処理装置は、第4実施形態に係る画像処理装置400と同様の構成を有しており、画像処理装置400の明るさ対応色情報補正部52を明るさ対応色情報補正部5052に置換した点のみが異なる。
また、第5実施形態に係る本実施形態に係る画像処理装置において、前述の実施形態と同様の部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
明るさ対応色情報補正部5052は、図24に示すように、色特性算出部20と、明るさ特性算出部60と、対比補正量制御部5030と、補正量算出部21と、補正部5022と、を備える。なお、色特性算出部20と、補正量算出部21とは、前述の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
明るさ特性算出部60は、明るさ情報算出部50からの明るさ情報Yiを入力とし、明るさ情報Yiとその周辺を代表する代表明るさ情報AYiとの比較より明るさ対比量RYiを算出し、算出した明るさ対比量RYiを対比補正量制御部5030に出力する。
対比補正量制御部5030は、明るさ特性算出部60により算出された明るさ対比量RYiおよび色特性算出部20により算出された色対比量vRCiを入力とし、色対比量vRCiおよび明るさ対比量RYiに基づいて、対比補正係数制御量αiを求め、求めた対比補正係数制御量αiを補正部5022に出力する。
補正部5022は、色情報vCi、補正量算出部21により算出された対比補正係数および対比補正量制御部5030から出力された対比補正係数制御量αiを入力とし、対比補正係数および対比補正係数制御量αiに基づいて、色情報vCiを補正し、補正した色情報を補正色情報vCi_newとして出力部13に出力する。
<5.2:画像処理装置の動作>
図26は、第5実施形態に係る画像処理方法(本実施形態に係る画像処理装置での画像処理方法)の処理フローチャートを示す。図27は、本実施形態に係る画像処理装置による処理における明るさ対比量の算出過程を示す処理フローチャートである。本実施形態に係る画像処理装置は、画像データを処理することで、画像内の色情報を補正する装置である。本実施形態に係る画像処理装置は、例えば、デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラのような撮影機器、これらの撮影機器で取得したデジタル画像を編集する画像編集装置、モバイル環境下で使用する携帯電話やカーモバイル機器・PDA等、あるいは、様々な環境下で使用される大型映像表示機器等へ搭載される。
第5実施形態に係る本実施形態に係る画像処理装置および画像処理方法の特徴は、第1実施形態において、一定数とした、色対比による補正量を決定する補正係数制御量αを、色対比量RCiと明るさ対比量RYiとで制御する点にある。図26および図27の処理フローチャートをもとに、本実施形態に係る画像処理装置の処理概要について説明する。
本実施形態に係る画像処理装置に画像データが入力され、各画素のデータを所定の色情報vCiへ変換するまでの処理は前述の実施形態と同様である。また、画素iにおける色対比量RCiの算出処理までも前述の実施形態と同様であるので省略する。本実施形態では、色情報vCiより明るさ情報Yiが、明るさ情報算出部50により求められることも前述の実施形態と同じであるので、説明を省略する。
明るさ特性算出部60により、明るさ情報Yiとその周辺を代表する代表明るさ情報AYiとの比較より明るさ対比量RYiが算出される。図27のフローチャートおよび図25の構成要素図に示すように、各画素に対して、周辺明るさ情報算出部70と明るさ対比量算出部71を経て、明るさ対比量RYiが生成される。この明るさ対比量としては、多くのものが考えられるが、より人間の見た目に近いような補正を実現するために、人間の視覚特性に対応した情報を用いることとした。人間の視覚特性として、多くのものがあり、本実施形態の本実施形態に係る画像処理装置では、明るさ特性に関する明るさ対比特性を考慮し、明るさ対比量を用いることとした。色に対する色対比が明るさ情報についても生じることが知られており、明るさ対比量は、その程度を数値化したものである。例えば、明るさがの低い大きな円中心部分に、その周囲よりも明るさが高い小さな中心円がある例を考える。この場合、大きな円の中心部は、人間には、実際の明るさよりもより明るく感じる傾向があることが視覚心理より明らかとされている。この現象は、明るさ対比特性により生じる現象であり、対象物体の周囲を異なる明るさが取り囲む場合に、物体の明るさが、その周囲の明るさに影響を受けることにより発生する現象である。
つまり、物体自体の明るさよりもその物体の周囲を取り囲む明るさが高い場合、物体の明るさは低く感じられる。逆に、物体自体の明るさよりもその物体の周囲を取り囲む明るさが低い場合、物体の明るさは高く感じられる。
本発明では、この明るさ対比特性を、前述の実施形態で使用した色対比特性と組み合わせることで、前述の実施形態に係る画像処理装置よりも高精度に人間の関心度が高い部分の色補正を行い、さらに、その結果を奥行き情報による色補正と融合させる。これにより本発明では、人間が自然に感じる奥行き感を向上させる画像を生成することができる。
なお、本実施形態に係る画像処理装置では、明るさ対比量RYiを求める際の周辺領域として、色対比の場合と同じように人間の視野に相当する画像の1/6から1/3程度を占める画素範囲(領域)を用いて処理することとした。この際、対象画素Piの周囲の画素の代表明るさAYiとしては、例えば、人間の視野領域に相当する所定の広さを持つ画素領域Ωi内の重み付き平均明るさを、対象画素Piの周囲の画素の代表明るさAYiとすることとが好ましいが、これ以外にも、視野領域内の画素を対象として、当該領域内の画素の明るさ(輝度)についてのヒストグラム(輝度ヒストグラム)を求め、その輝度ヒストグラムにおいて、最も度数の多い輝度値や、視野領域内の統計的分布をもとにしたクラスタリング処理で得られた代表輝度や、視野領域内の平均輝度度等を、代表明るさAYiとすることも可能である。
また、明るさ対比量RYiの定義として、
(1)補正対象の明るさ情報Yiの、その周辺を代表する明るさ情報AYiに対する比、
(2)補正対象の明るさ情報Yiから、その周辺を代表する明るさ情報AYiを減算した値、
等の定義を採用することができる。なお、これ以外にも多くの定義があることは、色対比量RCiの場合と同様である。
対比補正量制御部5030は、この明るさ対比量RYiと色対比量RCiとをもとに、補正係数制御量αを算出する。そして、この補正係数制御量αを変化させることで、本実施形態に係る画像処理装置において、より望む画像を生成することが可能となる。
図28は、補正係数制御量αの制御を模式的に示したものである。ここで、defαは補正係数制御量αの基準値(デフォルト値)とする。また、色対比量RCiを、補正対象の色情報Ciの、その周辺を代表する色情報ACiに対する比で定義する。また、明るさ対比量RYiとして、補正対象の明るさ情報Yiの、その周辺を代表する明るさ情報AYiに対する比で定義する。この場合、次の(S1)〜(S3)に示す点の考慮が必要である。
(S1)対象画素iの明るさ対比量RYiおよび色対比量RCiがともに高い(大きな値である)場合、その画素iは、注目されやい領域に含まれる可能性がある。そこで、より効果を出すために、補正係数制御量αを大きくする方がよい。
(S2)対象画素iの明るさ対比量RYiおよび色対比量RCiがともに低い(小さな値である)場合、その画素iは、あまり注目されない領域に含まれる可能性がある。そこで、効果を抑えるために、補正係数制御量αを抑えた方がよい。
(S3)(S1)と(S2)との間の領域では、両方の領域における中庸に属する補正係数制御量αの値を用いるか、あるいは補正係数制御量αのデフォルト値を用いる。
(数式20)は、上記考え方に基づいて、補正係数制御量αを算出する式の一例である。そして、(数式20)は、上記(S3)で説明した領域では、デフォルト値であるdefαを用いている式である。
Figure 2007329902
ここで、dA4は正定数であり、dA4<defαを満足する小さい値である。色対比量RCiおよび明るさ対比量RYiは、「1.0」で、その取り得る範囲を分割したが、これ以外にも色対比量RCiおよび明るさ対比量RYiが取り得る範囲を分割するための閾値を複数設けて分割してもよい。なお、図28および(数式20)では、補正係数制御量αiは、分割されたRYiとRCiとで構成される2次元領域が一定となるように設定されているが、これに限定されることはなく、例えば、補正係数制御量αは、この2つの従属変数であるRYiとRCiとに応じて連続的に変化するように設定されるものであってもよい。また、(数式20)において、図28に示す分割された領域の境界で連続するように色対比による色補正のための補正係数制御量αを変化させて分割領域の境界面をつなげることで、分割領域の境界付近で生じる可能性がある色補正の不具合を改善することも考えられる。
このように、本実施形態に係る画像処理装置では、色対比により各画素の対象色情報のみを補正する補正量を、明るさ対比量RYiと色対比量RCiとで制御し、より注目度の高い領域での色補正の効果を高め、注目度の低い領域での色補正を抑えることで、奥行き感を向上させる効果をさらに高める。また、本実施形態に係る画像処理装置では、従来技術のような解像度低下によるぼけ領域は発生することはなく、解像度低下による大きな画質劣化を抑制することができる。
また、上記説明において、対象色情報Ciを1つとした場合の本発明の処理について説明したが、例えば、彩度および色相の2つの色情報補正を組み合わせることで、色情報補正を実行させることも可能である。この場合、各々の色情報からの色特性情報データは別々に求められ、明るさ対応色情報補正部5052では、対応する色情報に適した補正関数が設定される。
また、上記説明では、奥行き情報fbiによる補正ゲインGCiを算出し、算出した補正ゲインGCiと色対比量とにより補正量を修正する方式を本発明で実行させる場合について説明したが、これ以外にも、例えば、奥行き情報fbiによる色補正量と色対比による色補正量とを合わせることで色情報補正を実行させる方式により本発明を実現させてもよい。
[第6実施形態]
図29〜図31を用いて、本発明の第6実施形態として、奥行き情報に応じて画素における色情報の補正を行う画像処理方法及び画像処理装置600について説明する。
<6.1:画像処理装置の構成>
図29に、本発明の第7実施形態である画像処理装置600の構成図を示す。また、図30に、拡張色情報補正部80の構成図を示す。
画像処理装置600は、入力画像信号vIiから色情報vCiを算出する色情報算出部11と、入力画像信号vIiから明るさ情報Yiを算出する明るさ情報算出部50と、入力画像信号vIiから色相情報Hiを算出する色相情報算出部40と、奥行き情報fbiから補正ゲインGiを決定させる補正量制御部10と、を備える。また、画像処理装置600は、補正量制御部10により決定された補正ゲインGi、明るさ情報Yiおよび色相情報Hiに基づいて、色情報算出部11から出力された色情報vCiを補正する拡張色情報補正部80と、拡張色情報補正部80により補正された補正色情報vCi_newを各種画像フォーマットに変換して出力する出力部13とから構成される。
なお、第6実施形態に係る画像処理装置600において、前述の実施形態と同様の部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
拡張色情報補正部80は、図30に示すように、色特性算出部20と、明るさ特性算出部60と、対比補正量制御部6030と、補正量算出部21と、補正部6022と、を備える。なお、色特性算出部20と、補正量算出部21、明るさ特性算出部50とは、前述の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
対比補正量制御部6030は、明るさ情報算出部50により算出された明るさ情報Yiと、明るさ特性算出部60により算出された明るさ対比量RYiと、色相情報算出部40により算出された色相情報Hiと、色情報算出部11により算出された色情報vCiと、を入力とし、明るさ情報Yi、明るさ対比量RYiおよび色相情報Hiにに基づいて、対比補正係数制御量αiを求め、求めた対比補正係数制御量αiを補正部6022に出力する。
補正部6022は、色情報vCi、補正量算出部21により算出された対比補正係数および対比補正量制御部6030から出力された対比補正係数制御量αiを入力とし、対比補正係数および対比補正係数制御量αiに基づいて、色情報vCiを補正し、補正した色情報を補正色情報vCi_newとして出力部13に出力する。
<6.2:画像処理装置の動作>
図31に、第7実施形態に係る画像処理方法(画像処理装置600での画像処理方法)の処理フローチャートを示す。画像処理装置600は、画像データを処理することで、画像内の色情報を補正する装置である。画像処理装置600は、例えば、デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラのような撮影機器、これらの撮影機器で取得したデジタル画像を編集する画像編集装置、モバイル環境下で使用する携帯電話やカーモバイル機器・PDA等、あるいは、様々な環境下で使用される大型映像表示機器等へ搭載される。
第6実施形態に係る画像処理装置600および画像処理方法の特徴は、第1実施形態において、一定数とした、色対比による補正量を決定する補正係数制御量αを、色対比量RCi、色相Hi、明るさ情報Yi、明るさ対比量RYi、および補正対象色情報Ciで制御する点にある。つまり、第6実施形態は、第1実施形態に、第2から第5実施形態の特徴を加えたものである。よって、図31に示す処理フローチャートでも明らかのように、画像処理装置600に画像データが入力され、各画素のデータを所定の色情報vCiへ変換される。それとともに、明るさ情報Yiの算出を明るさ情報算出部50が行い、色相情報Hiの算出を色相情報算出部40が行う。
次に、明るさ対比量RYiの算出を明るさ特性算出部60が行い、色対比量RCiの算出を色特性算出部20が行う。これらの結果を受けて、対比補正量制御部6030が、補正係数制御量αの制御を行う。つまり、対比補正量制御部6030は、明るさ情報Yi、明るさ対比量RYi、色相情報Hiに基づいて、補正係数制御量αを算出する。そして、この補正係数制御量αを変化させることで、画像処理装置600において、より望む画像を生成することが可能となる。
出力部13では、拡張色情報補正部80で得られた各画素Piの対象色情報Ciの補正値とそれ以外の色情報値とをそのまま出力画像データとして出力するようにしてもよい。また、拡張色情報補正部80で得られた各画素Piの対象色情報Ci(例えば、彩度)の補正値とそれ以外の色情報値(例えば、色相と明度)とを、使用機器により扱うことのできる画像フォーマットに変換し、出力画像データとして出力するようにしてもよい。
なお、補正係数制御量αは、例えば、第2から第5実施形態での制御を組み合わせることで実施が可能である。また、前述した各パラメータと補正係数制御量αとで構成される空間において、その空間に属する領域を分割して各領域で適正な補正係数制御量αを定義するようにしてもよい。この場合、各領域の境界付近をなめらかになるように、各領域の境界を接続させて境界付近で生じる可能性がある色補正の不具合を改善するようにしてもよい。
さらに、補正係数制御量αを、色対比量RCi、色相Hi、明るさ情報Yi、明るさ対比量RYi、および補正対象色情報Ciの関数とみなして、なめらかに変化する連続関数で定義するようにしてもよい。
このようにすることで、色対比による補正量を、より柔軟かつ詳細に制御することが可能となる。つまり、画像処理装置600により処理を行うことで、奥行き感の向上した画像を、より柔軟に作り出すことが可能となる。また、画像処理装置600では、従来技術において課題となっている解像度低下による大きな画質劣化や印象の低下を発生させることもない。
また、上記説明において、対象色情報Ciを1つとした場合の本発明の処理について説明したが、例えば、彩度および色相の2つの色情報補正を組み合わせることで、色情報補正を実行させることも可能である。この場合、各々の色情報からの色特性情報データは別々に求められ、拡張色情報補正部80では、対応する色情報に適した補正関数が設定される。
また、上記説明では、奥行き情報fbiによる補正ゲインGCiを算出し、算出した補正ゲインGCiと色対比量とにより補正量を修正する方式を本発明で実行させる場合について説明したが、これ以外にも、例えば、奥行き情報fbiによる色補正量と色対比による色補正量とを合わせることで色情報補正を実行させる方式により本発明を実現させてもよい。
[第7実施形態]
図32から図37を用いて、本発明の第7実施形態として、画素における色対比情報をもとに、奥行き情報を推定して、その結果に応じて色情報の補正を行う画像処理方法及び画像処理装置700について説明する。
図32に、本発明の第7実施形態に係る画像処理装置700の構成を示す。また、図33に画像処理装置700の奥行き推定部1006の構成を示す。
図34に、第7実施形態に係る画像処理方法の処理フローチャートを示し、図35に、第7実施形態に係る画像処理方法内の奥行き推定ステップの処理フローチャートを示す。
第7実施形態に係る画像処理装置700は、主に、色情報算出部1004と、奥行き推定部1006と、奥行き補正部1008と、出力部1010とにより構成される。また、奥行き推定部1006は、色特性算出部1020と、奥行き度算出部1023と、を備える。また、色特性算出部1020は、周辺代表色算出部1021と、色対比量算出部1022と、を有する。
画像処理装置700は、画像データを処理することで、画像内の奥行き情報を推定して奥行き補正する装置である。画像処理装置700は、例えば、デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラのような撮影機器、これらの撮影機器で取得したデジタル画像を編集する画像編集装置、モバイル環境下で使用する携帯電話やカーモバイル機器・PDA等、あるいは、様々な環境下で使用される大型映像表示機器等へ搭載される。
図34、図35に従い、本発明の第7実施形態に係る画像処理方法及び画像処理装置700について説明する。
まず、画像処理装置700に画像データが入力されると、色情報算出部1004において、画像データvIiを構成する各画素のデータを所定の色情報vCiへ変換される。ここでは、画像入力データを、色情報を扱いやすい色相H、彩度S、明度Vより構成されるHSV空間データや、輝度Y、色差Cb、Crより構成されるYCbCr空間データ、明度L、色a*、b*より構成されるLa*b*空間データ等に変換することとするが、画像入力データをそのまま扱うことも可能である。
奥行き推定部1006は、色情報vCiを受けて、画像内の奥行き情報を推定する。その際、まず、色特性算出部1020で、色情報算出部1004で得られた色情報vCiのうちで、補正対象である色情報Ciに対する特性情報が算出される。例えば、HSV系に変換した場合で、彩度Sの補正を行う場合は、彩度Sに関する特性情報が算出される。ここでは、画素Piにおける色情報vCiのうちで補正対象である色情報をCiとする。
色特性算出部1020は、図33に示すように、各画素に対して、周辺代表色算出部1021と色対比量算出部1022とを経て、色特性情報データを生成する。この色特性情報データiとしては、多くのものが考えられるが、より人間の見た目に近い視覚特性を表現するために、人間の視覚特性に対応した色対比量RCiを用いることとする。なお、人間の視覚特性として、多くのものがあり、色対比量以外にも明るさ対比量や、大きさ・画素特性等も用いることができる。
色特性算出部1020では、各画素の色対比量データRCiが算出される。
まず、周辺代表色算出部1021で対象画素Piの周囲の代表色情報ACiが算出される。この場合、画像(全画像領域)の1/6から1/3程度の領域を周辺領域(視野領域)として、その中での重み付き平均色情報ACiが求められる。
色対比量算出部1022では、画素Piの色対比量RCiが求められる。ここでは、対象画素Piの対象色情報Ciの代表色情報ACiに対する比を色対比量RCiと定義する。これ以外にも、色対比情報データRCiとして(Ci−ACi)で定義することが可能である。
次に、奥行き度算出部1023が、この色対比量RCiを用いて、画像内の奥行き情報を推定する。図36に、その考え方を模式的に示す。図36では、色対比として、彩度による対比について説明しているが、他の色相対比等についても定性的には同様に考えることができる。図36の中に2つの花弁がある。2つの花弁の花びらは同じ色情報である彩度を持つ。それに対して、左の花弁の中心は周囲の花びらより彩度が高く、右の花弁の中心は周囲の花びらより彩度が低いと仮定する。この場合、左の花弁中心部内の画素Pcで得られる彩度対比量RSPcと右の花弁中心部内の画素Qcで得られる彩度対比量RSQcとを比較すると、RSPC>RSQcとなる。その結果、この彩度対比の影響により、左の花弁中心部では、視覚特性上、実際の彩度SPcよりも鮮やかに感じられることとなり、右の花弁中心部では実際の彩度SQcよりも薄く感じられることとなる。そのため、左の花弁中心部では、より人間の注目度が高くなることで、近景に含まれる可能性が高いと判断できる。一方、右の花弁中心部では、人間の注目度が落ちることで、近景に含まれる可能性が低いと判断できる。
本発明では、以上のような事実に基づき、対象画素の色対比量RCiが高い画素は、注目度の高い領域に含まれる画素、つまり近景領域に含まれる画素とみなして、その画素の奥行き度fbiに高い値を設定する。なお、奥行き度fbiは、0.0≦fbi≦1.0を満たし、fbi=1.0で近景の可能性が最も高いことを示し、fbi=0.0で近景の可能性が最も低い(遠景)ことを示すものと定義した。図37は、色対比量RCiと奥行き度fbiとの間の関係を示すものである。色対比量RCiがRCi=1.0の画素では近景・遠景の中間距離にあるものとみなして、奥行き度fbiを「0.5」に設定する。色対比量RCiが最大色対比量MaxRCiに向かって増大するにしたがい、近景に属する可能性が大きくなるとして、その奥行き度fbiも「1.0」へ向かって単調増加させる。逆に、色対比量RCiが「0.0」に向かって減少するにしたがい、近景に属する可能性が小さくなるものとして、その奥行き度fbiも「0.0」へ向かって単調減少させる。このようにして、各画素の奥行き度fbiを定義した後、この値を奥行き補正部1008で実施される補正対象色情報Ciの色補正を行う際の補正ゲインとする。なお、この色補正としては、例えば、所定の変動量DefCiをもとに(数式21)のように変化させることで、補正色情報Ci_newを求めるようにしてもよい。
Figure 2007329902
ここで、Ci_newが補正対象色情報の補正後の値になる。βは所定の正定数である。
また、色対比による色補正を行うことも可能であり、その場合、一例として、(数式22)、(数式23)により、補正色情報Ci_newを求めるようにすることも可能である。
Figure 2007329902
Figure 2007329902
TH0、Gmax、βは、所定の正定数であり、μは0<μ<1を満たす所定の正定数である。(数式22)は、色対比による補正量に補正対象Ci項を加えることで((数式22)の2項目にCiを乗算させることで)、補正対象の色情報Ciの急激な変化により発生する処理画像上での飽和現象を抑制するように、補正色情報Ci_newを求める式の一例である。なお、ここで示した奥行き向上のために色補正は一例であり、多くの手法が考えられる。
最後に、出力部1010では、奥行き補正部1008で得られた各画素Piの対象色情報Ciの補正値とそれ以外の色情報値とをそのまま出力画像データとして出力するようにしてもよい。また、奥行き補正部1008で得られた各画素Piの対象色情報Ci(例えば、彩度)の補正値とそれ以外の色情報値(例えば、色相と明度)とを、使用機器により扱うことのできる画像フォーマットに変換し、出力画像データとして出力するようにしてもよい。
画像処理装置700では、このように色対比量を用いて奥行き度を推定することで、テクスチャパターンのような弱い輪郭部や周囲外光等の撮影条件により適切に抽出できなかった輪郭部に対しても、奥行き推定が可能である。さらに、画像処理装置700では、従来技術のように輪郭部と思われる画素の2次微分信号に対して、さらに閾値処理を行う必要がないため、奥行き情報判定の際にも閾値判定精度の影響を受けることはない。
また、従来技術のように2次微分信号を用いる場合に問題であった奥行き感に影響を及ぼさない(奥行き感に関係がない)ぼけ領域があったとしても、周囲より対象部分の色情報が大きいかどうかを示す色対比を求めることは可能であるため、色対比が高い部分を抽出することはできる。このように色対比が高い領域では、人間が注目する傾向が高いことも指摘されており、本発明では、色対比が高い領域を近景とみなすことで、画像内の奥行き情報を簡易に推定することができる。
また、上記説明において、対象色情報Ciを1つとした場合の本発明の処理について説明したが、例えば、本発明において、彩度および色相の2つの色情報補正を組み合わせることで、色情報補正を実行させることも可能である。この場合、各々の色情報(Ci1、Ci2)からの色特性情報データ(色対比量RCi1、RCi2)は別々に求められ、色対比量RCi1に応じた補正ゲインGi1とRCi2とに応じた補正ゲインGi2をもとに1つの補正ゲインGiに変換する変換関数が設定される。
[第8実施形態]
図38から図40を用いて、本発明の第8実施形態として、画素における色対比情報をもとに、奥行き情報を推定して、その結果に応じて色情報の補正を行う画像処理方法及び画像処理装置について説明する。
図38に、本発明の第8実施形態である画像処理装置内の奥行き推定部806の構成を示す。図39に、第8実施形態である画像処理方法の奥行き推定処理のフローチャートを示す。
第8実施形態に係る画像処理装置は、第7実施形態に係る画像処理装置700において、奥行き推定部1006を奥行き推定部806に置換したものである。この点のみが、第8実施形態に係る画像処理装置と、第7実施形態に係る画像処理装置700との差異点であり、他の部分については同様であるので、同様である部分については、説明を省略する。
第8実施形態の画像処理装置内の奥行き推定部806は、主に、色特性算出部1020と、近景画素判定部1030と、近景位置推定部1031と、ゲイン算出部1032とから構成される。前述の実施形態と同様の部分については、同じ符号を付し、説明を省略する。
図32、図38に従い、本発明の第8実施形態である画像処理装置及び画像処理方法について説明する。
本実施形態の画像処理装置に画素iにおける画素値vIiをもつ画像データが入力されると、色情報算出部1004において、画像データvIiを構成する各画素のデータを所定の色情報vCiへ変換される。ここでは、画像入力データを、色情報を扱いやすい色相H、彩度S、明度Vより構成されるHSV空間データや、輝度Y、色差Cb、Crより構成されるYCbCr空間データ、明度L、色a*、b*より構成されるLa*b*空間データ等に変換することとするが、画像入力データをそのまま扱うことも可能である。また、周辺代表色算出部1021では、画素iの周辺領域内の対象色情報Ciの代表色情報ACiを求め、色対比量算出部1022が、色対比量RCiを求めることも前述の実施形態と同様である。
そして、近景画素判定部1030が近景画素候補より構成される画素グループGrを決定する。図40の左図は、この候補選択処理について、模式的に説明するための図である。画素グループGrの決定の方法としては、多くの方法がある。例えば、所定の閾値ThRCを設定して、その値よりも大きなRCiを持つ画素iをGrに含めるという方法を採用してもよい。また、図40の左図に示すように、画像内の色対比量RCiのヒストグラムより閾値ThRCを決定して、その閾値より大きなRCiを持つ画素をGrに含める方法を採用してもよい。さらに、画像内の色対比量RCiの平均値ARCとその標準偏差dRCを求め、
Gr={i|ARC−dRC≦RCi≦ARC+dRC、0≦i≦NNN−1}
として求める方法を採用することも可能である。
ここでは、図40の左図の方法で近景画素候補Grを求めたとする。
次に、近景位置推定部1031が、このGrを使って、近景位置vCen(CenX、CenY)を求める。図40に示すように、Grに属する画素数NGrであった場合、(数式24)のようにして、近景位置vCen(CenX、CenY)を求める。なお、これ以外にも、Grで最大の色対比量をもつ画素位置や、Gr内での色対比量に対するヒストグラムより、近景位置vCen(CenX、CenY)を決める方法を採用することも可能である。(数式24)で、(Xk、Yk)は画素kの(X座標、Y座標)を示す。
Figure 2007329902
この(CenX、CenY)は、近景に含まれる可能性が高いものの平均座標に相当する。近景画素判定処理には、閾値処理が含まれるが、近景画素判定処理において近景に含まれる可能性が高いと判定された複数画素の代表値や平均値を、近景位置vCen(CenX、CenY)とすることで、画像内の変動による近景位置推定誤差をある程度抑えることができる。
ゲイン算出部1032は、図40の右下図に示すように、この近景位置vCen(CenX、CenY)を中心に凸形状をしている関数を画素i(X、Y)に対して当てはめて、画素iにおける補正ゲイン値Giを求める。図40の右下図に示すように、補正ゲインGiを連続関数で近似することで、急激に補正ゲインGiが変化することを回避することができ、補正画像に与える弊害を緩和することができる。また、近景位置vCenは、注目が高い領域とみなせるため、注目が高い領域の周辺は、ある程度近景であると判断できる。その一方で、vCenからの距離が離れるほど、注目度が低くなり、遠景に向かう可能性が高くなる。よって、図40もしくは(数式25)に示すような凸関数により補正ゲインGiを決定させるようにした。なお、この特性にあう関数であれば、補正ゲインGiを決定させる関数は、(数式25)に限定されるものではなく、他の線形関数や非線形関数であってもよいし、上に凸の2次曲面関数であってもよい。
Figure 2007329902
ここで、lenは、画素i(X、Y)と近景位置vCen(CenX、CenY)と間の2乗距離を示し、ThDeltaは所定の正定数をし、この凸関数の広がり程度を示すものである。
このようにして決定された補正ゲインGiを受けて、本発明により、奥行き補正部1008が対象色情報Ciに所定の色補正が行われ、奥行き感向上させた画像が生成される。
最後に、出力部1010において、前述の実施形態と同様の処理がなされる。
本発明では、上記で説明した処理を行うことで、従来例のようにテクスチャパターンのような弱い輪郭部や周囲外光等の撮影条件によりうまく抽出できなかった輪郭部に対して、そして、ぼけ画像領域があっても、奥行き推定が十分可能である。また、近景候補の選択処理には、閾値処理が含まれるが、選択された複数候補の代表座標や平均座標を近景位置とすることで、本発明において、閾値判定精度の影響を抑制することができる。
さらに、本発明では、大きな色対比量を持つ画素が、注目度が高く近景領域に含まれる可能性が高いものとして近景候補画素として選択され、選択された近景候補画素から近景位置を推定することで、第7実施形態の場合に問題となる画像内のノイズ等による変動の影響が色対比量に存在する場合でも、ある程度精度よく近景領域を推定することができる。これにより、本発明では、より人間の関心度に応じた奥行き感推定と、その奥行き感推定による色補正とを適切に実現することができるので、本発明により、奥行き感を向上させた画像を取得することができる。
また、上記説明において、対象色情報Ciを1つとした場合の本発明の処理について説明したが、例えば、本発明において、彩度および色相の2つの色情報補正を組み合わせることで、色情報補正を実行させることも可能である。この場合、各々の色情報(Ci1、Ci2)からの色特性情報データ(色対比量RCi1、RCi2)は別々に求められ、色対比量RCi1に応じた補正ゲインGi1とRCi2とに応じた補正ゲインGi2をもとに1つの補正ゲインGiに変換する変換関数が設定される。
[第9実施形態]
図41から図43を用いて、本発明の第9実施形態として、画素における色対比情報をもとに、奥行き情報を推定して、その結果に応じて色情報の補正を行う画像処理方法及び画像処理装置について説明する。
図41に、本発明の第9実施形態である画像処理装置内の奥行き推定部906の構成を示す。図42に、第9実施形態である画像処理方法の奥行き推定処理のフローチャートを示す。
第9実施形態に係る画像処理装置は、第7実施形態に係る画像処理装置700において、奥行き推定部1006を奥行き推定部906に置換したものである。この点のみが、第9実施形態に係る画像処理装置と、第7実施形態に係る画像処理装置700との差異点であり、他の部分については同様であるので、同様である部分については、説明を省略する。
第9実施形態である処理装置内の奥行き推定部1006は、主に、ブロック分割部1040と、ブロック内色平均部1041と、ブロック色特性算出部1042と、近景ブロック判定部1043と、近景位置推定部1031と、ゲイン算出部1032とから構成される。そして、ブロック色特性算出部1042は、主に、ブロック周辺代表色算出部1044と、ブロック色対比量算出部1045とから構成される。なお、前述の実施形態と同様の部分については、同じ符号を付し、説明を省略する。
本実施形態の画像処理装置に画素iにおける画素値vIiをもつ画像データが入力されると、色情報算出部1004において、画像データvIiを構成する各画素のデータを所定の色情報vCiへ変換される。ここでは、画像入力データを、色情報を扱いやすい色相H、彩度S、明度Vより構成されるHSV空間データや、輝度Y、色差Cb、Crより構成されるYCbCr空間データ、明度L、色a*、b*より構成されるLa*b*空間データ等に変換することとするが、画像入力データをそのまま扱うことも可能である。
ブロック分割部1040は、処理対象としている画像を所定の一定サイズのブロックで分割し、ブロック内色平均部1041は、ブロック分割部1040により各細分されたブロックk内の補正対象である色情報Ciの平均値ACkを求める。
ブロック色特性算出部1042は、第7実施形態における色特性算出部1020が画素単位で色対比量RCiを求めていたのに対して、ブロック単位での色対比量BRCk(kは対象ブロック番号)を求める。そのため、ブロック周辺代表色算出部1044は、対象ブロックkの周囲領域にあるブロックm内の平均色情報ACmの代表値(重み付き平均値でもよいし、ヒストグラムにより算出された値であってもよい)ABCkを求める。
ブロック色対比量算出部1045は、対象ブロックkの平均色情報ACkのABCkに対する比や差分等で定義されるブロック色対比量RBCkを求める。これらの処理は、全てのブロックkについて行われる。
そして、近景ブロック判定部1043は、第8実施形態における近景画素判定部1030が行う近景候補処理をブロック単位で実施する。ここで、選ばれた近景候補ブロック集合をGBrとすると、近景位置推定部1031は、選ばれた近景候補ブロックkの重心座標(XBk、YBk)の平均値より、近景位置vCen(CenX、CenY)を求める。
その後、第8実施形態の場合と同じように、画像内の画素i(X、Y)と近景位置vCen(CenX、CenY)との間の2乗距離lenをもとに、(数式6)を使って画素iの補正ゲイン値Giを求める処理を、ゲイン算出部1032が行う。
この補正ゲインGiを受けて、奥行き補正部1008が対象色情報Ciに所定の色補正を行い、奥行き感向上した画像が生成される。
最後に出力部1010において、前述の実施形態と同様の処理がなされる。
このように、第9実施形態の画像処理装置では、画素単位で実施した奥行き推定を、ブロック単位で行うことが特徴であり、その効果として処理の高速化が挙げられる。また、本実施形態の画像処理装置では、画素の色情報Ciを、その画素が属するブロックk内の平均値ACkに変更することで、色情報Ciに対してローパスフィルタ処理を行うのと同じ効果を実現することができる。これにより、本実施形態の画像処理装置では、照明条件等によるゆらぎや部分的照明による色かぶりを抑えることができ、奥行き推定精度を向上させることができる。
また、上記説明において、対象色情報Ciを1つとした場合の本発明の処理について説明したが、例えば、本発明において、彩度および色相の2つの色情報補正を組み合わせることで、色情報補正を実行させることも可能である。この場合、各々の色情報(Ci1、Ci2)からの色特性情報データ(色対比量RCi1、RCi2)は別々に求められ、色対比量RCi1に応じた補正ゲインGi1とRCi2とに応じた補正ゲインGi2をもとに1つの補正ゲインGiに変換する変換関数が設定される。
さらに、ブロック分割部1040では、各ブロックのサイズを可変にすることも可能である。また、本実施形態の画像処理装置において、ブロック色対比量を求める際の周囲ブロックに関して、第7や第8実施形態で行った画素単位での周囲領域をブロック単位に拡張して対応させるようにしてもよい。また、第7実施形態や第8実施形態において、画素と周辺領域画素サイズとの関係(画素数の関係)(画素:周辺領域画素サイズ=1:N)と一致させるように、本実施形態において、ブロックと周囲ブロックの領域のサイズ(ブロック:周辺領域ブロックサイズ=1:N)との関係を設定するようにしてもよい。
[第10実施形態]
図44から図46を用いて、本発明の第10実施形態として、画素における色対比情報をもとに、奥行き情報を推定して、その結果に応じて色情報の補正を行う画像処理方法及び画像処理装置について説明する。
図44に、本発明の第10実施形態である画像処理装置内の奥行き推定部10006の構成を示す。図45に、第10の実施形態である画像処理方法の奥行き推定処理のフローチャートを示す。
第10実施形態に係る画像処理装置は、第7実施形態に係る画像処理装置700において、奥行き推定部1006を奥行き推定部10006に置換したものである。この点のみが、第10実施形態に係る画像処理装置と、第7実施形態に係る画像処理装置700との差異点であり、他の部分については同様であるので、同様である部分については、説明を省略する。
第10の実施形態の画像処理装置内の奥行き推定部10006は、主に、ブロック分割部1040と、ブロック内色平均部1041と、ブロック色特性算出部1042と、ブロック内ゲイン算出部1050と、合成ゲイン算出部1051とから構成される。なお、前述の実施形態と同様の部分については、同じ符号を付し、説明を省略する。
本実施形態の画像処理装置に画素iにおける画素値vIiをもつ画像データが入力されると、色情報算出部1004において、画像データvIiを構成する各画素のデータを所定の色情報vCiへ変換される。ここでは、画像入力データを、色情報を扱いやすい色相H、彩度S、明度Vより構成されるHSV空間データや、輝度Y、色差Cb、Crより構成されるYCbCr空間データ、明度L、色a*、b*より構成されるLa*b*空間データ等に変換することとするが、画像入力データをそのまま扱うことも可能である。
ブロック分割部1040は、処理対象としている画像を所定の一定サイズのブロックで分割し、ブロック内色平均部1041は、ブロック分割部1040により各細分されたブロックk内の補正対象である色情報Ciの平均値ACkを求める。
ブロック色特性算出部1042は、ブロック単位での色対比量BRCk(kは対象ブロック番号)を求める。ここまでの処理は、前述の実施形態と同様である。
ブロック内ゲイン算出部1050では、次のような処理を行う。
(i)まず、ブロック内ゲイン算出部1050は、ブロックkの色対比量BRCkより得られたMaxRCkをブロックkの重心vCenk(CenXk、CenYk)の補正ゲインとして設定する。ここでMaxRCkは、「0.0」から「1.0」の範囲の値を出力する変換関数MaxRCk=FFunc(BRCk)を用いて計算される。この変換関数MaxRCk=FFunc(BRCk)は、BRCkの取り得る最大値MaxRCでの出力が「1」となり、BRCk=0での出力が「0」となる単調線形増加関数で定義される。なお、この関数は、線形関数に限定されず、非線形関数であってもよい。また、この関数を、所定の最大色対比量MaxRCとの比較を行い、BRCkがMaxRCに対して所定の割合CRate以下の場合は、MaxRCk=BRCkとし、BRCkがMaxRCに対して所定の割合CRateより大きい場合には、MaxRCk=1.0となるように設定することも可能である。
(ii)ブロック内ゲイン算出部1050では、ブロックkの色対比量BRCkによる画素i(X、Y)に対する補正ゲイン値Gk_iが(数式26)のように定義される。つまり、補正ゲイン値Gk_iを求める関数は、vCenk(CenXk、CenYk)で最大値MaxRCkを持ち、vCenkとi間の2乗距離lenkに従い変化する凸関数で定義される。この関数は、色対比量BRCkによる近景の可能性がvCenkを中心に遠景へ向かうことで減少していくことを示している。なお、(数式26)でThDeltaは、この関数の広がりを示すものであり、ここではブロックに関係なく一定とするが、ブロックの大きさやBRCkに応じて変化させてもよい。
Figure 2007329902
ブロック内ゲイン算出部1050が、以上の処理を行う。
(iii)全てのブロックによる画素iについての補正ゲインGk_iの和を求め、この求められた値を「0」から「1」の範囲へ正規化したものを補正ゲインGiとする。
Figure 2007329902
合成ゲイン算出部1051がこの(数式27)に相当する処理を行う。
図46は、以上のことを模式的に示した説明図である。
図46に示すように、本実施形態の画像処理装置では、ブロックkによる色対比量BRCkの場合の画素iの近景の可能性を表す補正ゲインGk_iを、全てのブロックによる影響を考慮して、最終的に画素iの補正ゲインGiを求めることとなる。
第9実施形態の場合において、画像内の色情報Ciの変動やゆらぎによる色対比量RCiの変動が近景位置推定にゆらぎを与える可能性がある。第9実施形態の場合、特に、動画像の場合、連続するフレームであってシーンが変化していなくても、照明条件や符号化等の課題により、同じ画素iの色対比量RCiがゆらぐことがある。この場合、近景画素もしくは近景ブロック候補選択時の閾値ThRCによっては、近景位置vCenのずれが発生する可能性があり、近景位置vCenを中心とした特定の1つの凸関数で近似した関数により処理を行う場合、画像のちらつきが発生する恐れがある。しかし、本実施形態の画像処理装置では、特定の近景位置vCenを求めないで、各ブロック中心にそのブロックの色対比量BRCkをもとにしたサブの補正ゲインGk_iを設定し、全てのブロックによるサブ補正ゲインGk_iを考慮することで、奥行き補正に必要な補正ゲインGiのゆらぎを抑えることができる。
この補正ゲインGiを受けて、奥行き補正部1008が対象色情報Ciに所定の色補正を行い、奥行き感向上した画像が生成される。
最後に出力部1010において、前述の実施形態と同様の処理がなされる。
このように第10実施形態での処理を用いることにより、ブロック単位で行うことで処理の高速化が期待できる。また、本実施形態の画像処理装置では、上記説明した処理により、補正画像のちらつき、特に動画像の連続フレームでありシーン変更のないフレーム画像で、第9実施形態の場合に生じる可能性があった近景位置の微小なゆらぎとそれが原因である補正ゲインのゆらぎとを、より効果的に抑えることができる。
また、上記説明において、対象色情報Ciを1つとした場合の本発明の処理について説明したが、例えば、本発明において、彩度および色相の2つの色情報補正を組み合わせることで、色情報補正を実行させることも可能である。この場合、各々の色情報(Ci1、Ci2)からの色特性情報データ(色対比量RCi1、RCi2)は別々に求められ、色対比量RCi1に応じた補正ゲインGi1とRCi2とに応じた補正ゲインGi2をもとに1つの補正ゲインGiに変換する変換関数が設定される。
さらに、ブロック分割部1040では、各ブロックのサイズを可変にすることも可能である。また、本実施形態の画像処理装置において、ブロック色対比量を求める際の周囲ブロックに関して、第7や第8実施形態で行った画素単位での周囲領域をブロック単位に拡張して対応させるようにしてもよい。また、第7実施形態や第8実施形態において、画素と周辺領域画素サイズとの関係(画素数の関係)(画素:周辺領域画素サイズ=1:N)と一致させるように、本実施形態において、ブロックと周囲ブロックの領域のサイズ(ブロック:周辺領域ブロックサイズ=1:N)との関係を設定するようにしてもよい。
[第11実施形態]
図47から図53を用いて、本発明の第11実施形態として、画素における色対比情報と明るさ対比情報をもとに、奥行き情報を推定して、その結果に応じて色情報の補正を行う画像処理方法及び画像処理装置1100について説明する。
図47に、本発明の第11実施形態に係る画像処理装置1100の構成を示す。
画像処理装置1100は、主に、明るさ情報算出部1101と、色情報算出部1004と、第2奥行き推定部1103と、奥行き補正部1008と、出力部1010とから構成される。
図48に、画像処理装置1100内の第2奥行き推定部1103の構成を示す。
第2奥行き推定部1103は、主に、色特性算出部1020と、明るさ特性算出部1110と、等が押奥行き度算出部1113とから構成される。
明るさ特性算出部1110は、周辺代表明るさ算出部1111と明るさ対比量算出部1112より構成される。
なお、前述の実施形態と同様の部分については、同じ符号を付し、説明を省略する。
第2奥行き推定部1103は、明るさ情報算出部1101で算出された明るさ情報Yiと色情報算出部1004により算出された色情報vCiとを入力とし、明るさ情報Yiおよび色情報vCiに基づいて、補正ゲインGiを算出し、算出した補正ゲインGiを奥行き補正部1008に出力する。
図49に、本発明の全体の処理フローチャートを示す。図50に、奥行き推定ステップの処理フローチャートを示す。さらに、図51に、色特性算出ステップの処理フローと明るさ特性算出ステップの処理フローとを示す。なお、色特性算出ステップの処理および色特性算出部については、第7実施形態から第10実施形態と同様である。
本実施形態の発明の特徴は、第7実施形態において、色特性情報である色特性量RCiにより奥行き度を算出していたのを、視覚特性の1つである明るさ特性(明るさ対比量RYi)をさらに用いて奥行き度を算出するようにし、奥行き推定精度の向上を実現させた点にある。
まず、本実施形態の画像処理装置に画素iにおける画素値vIiをもつ画像データが入力されると、色情報算出部1004において、画像データvIiを構成する各画素のデータを所定の色情報vCiへ変換されることは第7実施形態と同様である。
次に、vIiより明るさ情報Yiが明るさ情報算出部1101により求められる。明るさ情報としては多くの例があり、輝度Y、色差Cb、Crより構成されるYCbCr空間データの輝度Yや、明度L、色a*、b*より構成されるLa*b*空間データの明度L等もその1つである。ここでは、YCbCr空間データにおける輝度Yを画素iで計算して明るさ情報Yiとする。
第2奥行き推定部1103では、色情報vCiと明るさ情報Yiとを受けて処理を開始する。まず、色特性算出部1020がvCiより補正・推定対象とした色情報Ciの色対比量を第7実施形態7と同様にして求める。一方、明るさ情報Yiに対しても、明るさ特性算出部1110が視覚特性に応じた明るさ特性を示す情報を求める。この明るさ特性を示すものとしては、多くのものが考えられるが、より人間の見た目に近いような補正を実現するために、人間の視覚特性に対応した情報を用いることとした。人間の視覚特性として、多くのものがあり、明るさ対比特性を用いることとした。
図52は、明るさ対比特性を説明するための模式図である。
本実施形態の画像処理装置1100では、明るさ特性に関する明るさ対比特性を考慮し、明るさ対比量を用いることとした。色に対する色対比が明るさ情報についても生じることが知られており、明るさ対比量は、その程度を数値化したものである。例えば、明るさがの低い大きな円中心部分に、その周囲よりも明るさが高い小さな中心円がある例を考える。この場合、大きな円の中心部は、人間には、実際の明るさよりもより明るく感じる傾向があることが視覚心理より明らかとされている。この現象は、明るさ対比特性により生じる現象であり、対象物体の周囲を異なる明るさが取り囲む場合に、物体の明るさが、その周囲の明るさに影響を受けることにより発生する現象である。
つまり、物体自体の明るさよりもその物体の周囲を取り囲む明るさが高い場合、物体の明るさは低く感じられる。逆に、物体自体の明るさよりもその物体の周囲を取り囲む明るさが低い場合、物体の明るさは高く感じられる。
本発明では、この明るさ対比量を色対比量と融合して奥行き推定に利用することで、人間が感じるような奥行き感情報をより精度よく求める。なお、明るさ対比量RYiを求める際の周辺領域として、色対比の場合と同じように人間の視野に相当する画像の1/6から1/3程度を占める画素範囲(領域)を用いて処理することとした。この際、対象画素Piの周囲の画素の代表明るさAYiとしては、例えば、人間の視野領域に相当する所定の広さを持つ画素領域Ωi内の重み付き平均明るさを、対象画素Piの周囲の画素の代表明るさAYiとすることが好ましいが、これ以外にも、視野領域内の画素を対象として、当該領域内の画素の明るさ(輝度)についてのヒストグラムを求め、その輝度ヒストグラムにおいて、最も度数の多い輝度値や、視野領域内の統計的分布をもとにしたクラスタリング処理で得られた代表輝度や、視野領域内の平均輝度度等を、代表明るさAYiとすることも可能である。
また、明るさ対比量RYiの定義として、
(1)補正対象の明るさ情報Yiの、その周辺を代表する明るさ情報AYiに対する比、
(2)補正対象の明るさ情報Yiから、その周辺を代表する明るさ情報AYiを減算した値、
等の多くの定義を採用することができる。なおこれ以外にも多くの定義が可能であることは、色対比量RCiの場合と同様である。
周辺代表明るさ算出部1111が、周囲の代表明るさAYiを求め、明るさ対比量算出部1112が、明るさ対比量RYiを求める。
統合奥行き度算出部1113は、色対比量RCiと明るさ対比量RYiを使って、対象画素の奥行き度fbiを求める。その方法の一例についての説明図が、図53である。統合奥行き度算出部1113は、(数式28)や図53に示すように、色対比による奥行き度fb1_iと明るさ対比による奥行き度fb2_iとを求め、この2つの積をとることで画素iの奥行き度fbiを算出する。
Figure 2007329902
ここでの奥行き度fb1_iは、前述の実施形態と同様に、対象画素の色対比量RCiが高い画素は、注目度の高い領域に含まれる画素、つまり近景領域に含まれる画素と見なして、その画素の奥行き度fb_iに高い値を設定する。なお、奥行き度fb1_iは0.0≦fb1_i≦1.0の間の値を取り、fb1_i=1.0で近景の可能性が最も高く、fb1_i=0.0で近景の可能性が最も低い(遠景)と定義する。
また、図53の右下図に示すように、明るさ対比量RYiが高い画素は、注目度の高い領域に含まれる可能性が高く、近景領域に含まれるものとみなして、明るさ対比量RYiによる奥行き度fb2_iを高い値に設定する。色対比RCiによる奥行き度fb1_iと同様に、奥行き度fb2_iは、0.0≦fb2_i≦1.0の間の値を取り、fb2_i=1.0で近景の可能性が最も高く、fb2_i=0.0で近景の可能性が最も低い(遠景)と定義する。明るさ対比量RYiがRYi=1.0の画素では、近景・遠景の中間距離にあるものと見なして、奥行き度fb2_iを「0.5」に設定し、明るさ対比量RYiが最大明るさ対比量MaxRYiに向かって増大するにつれ近景に属する可能性が大きくなるとして、その奥行き度fb2_iも「1.0」へ向かって単調増加させる。逆に、RCiが「0.0」に向かって減少するにつれ近景に属する可能性が小さくなるものとして、その奥行き度fb2_iも「0.0」へ向かって単調減少させる。以上に基づき、各画素の明るさ対比による奥行き度fb2_iが定義される(決定される)。
(数式28)に示すように、奥行き度fbiが算出された後、この算出された奥行き度fbiを補正対象色情報Ciの色補正する際の補正ゲインGiとする。つまり、
(補正ゲインGi)=fb1_i×fb2_i
とする。
なお、画素iの奥行き度fbiつまり補正ゲインGiは、ここでの例に限定されるものではなく、色対比量RCiと明るさ対比量RYiとを変数とする関数により近似された値を用いることも可能である。この場合、RCi、RYiがもっとも高い位置に最大の補正ゲイン「1.0」を設定し、そこを中心になだらかに減衰する関数等(線形関数でも非線形関数でもよい)により補正ゲインGiの値を設定(算出)することが考えられる。また、RCiとRYiとで定義される2次元空間において、その2次元空間内の領域を分割して、各領域内は一定の補正ゲインに設定して、その領域を分割する境界でなめらかに連続となる特性を有する関数を用いて補正ゲインGiの値を設定(算出)するようにしてもよい。
この補正ゲインGiを受けて、奥行き補正部1008が対象色情報Ciに所定の色補正を行い、奥行き感向上した画像が生成される。
最後に出力部1010において、前述の実施形態と同様の処理がなされる。
本発明では、このような処理を行うことで、第7実施形態と同様に色対比が高い部分が近景である可能性が高いと判定させるとともに、さらに、明るさ対比についても考慮して奥行き度を算出するようにしたので、人間がより強く感じる領域を、適切に近景領域と見なすことができ、奥行き推定つまり奥行き補正を行うための補正ゲインGiの算出精度をさらに向上させることができる。
また、上記説明において、対象色情報Ciを1つとした場合の本発明の処理について説明したが、例えば、本発明において、彩度および色相の2つの色情報補正を組み合わせることで、色情報補正を実行させることも可能である。この場合、各々の色情報(Ci1、Ci2)からの色特性情報データ(色対比量RCi1、RCi2)は別々に求められ、色対比量RCi1に応じた補正ゲインGi1とRCi2とに応じた補正ゲインGi2をもとに1つの補正ゲインGiに変換する変換関数が設定される。
[第12実施形態]
図54から図56を用いて、本発明の第12実施形態として、画素における色対比情報と明るさ対比情報をもとに、奥行き情報を推定して、その結果に応じて色情報の補正を行う画像処理方法及び画像処理装置について説明する。
図54に、本発明の第12実施形態に係る画像処理装置内の第2奥行き推定部1203の構成を示す。図55に、第12実施形態に係る画像処理方法の奥行き推定処理のフローチャートを示す。
第12実施形態に係る画像処理装置は、第11実施形態に係る画像処理装置1100において、第2奥行き推定部1103を第2奥行き推定部1203に置換したものである。この点のみが、第12実施形態に係る画像処理装置と、第11実施形態に係る画像処理装置1100との差異点であり、他の部分については同様であるので、同様である部分については、説明を省略する。
第12実施形態の画像処理装置内の第2奥行き推定部1203は、主に、色特性算出部1020と、明るさ特性算出部1110、統合近景画素判定部1130と、近景位置推定部1031と、ゲイン算出部1032とから構成される。前述の実施形態と同様の部分については、同じ符号を付し、説明を省略する。
本実施形態の発明の特徴は、第8実施形態において、画素iの色対比量RCiにより近景画素か否かの判定を行っていた点を、明るさ対比量RYiと色対比量RCiの2つの特徴量を用いて近景画素が否かの判定を行うようにした点である。
本実施形態の画像処理装置において、色情報算出部1004、明るさ情報算出部1101、色特性算出部1020、および明るさ特性算出部1110による処理は、前述の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
統合近景画素判定部1130は、図56に示すように、画素iの色対比量RCiと明るさ対比量RYiを受けて、その画素iが近景画素候補か否かの判断をする。そして、近景画素候補より構成される画素グループGrが決定される。図56の左図は、この候補選択について模式的に説明するための図である。この画素グループGrの決定の方法としては多くの方法がある。例えば、所定の閾値ThRC、ThRYを設定して、その値よりも大きなRCi、RYiを持つ画素iを画素グループGrに含めるという方法を採用してもよい。また、図56の左図に示すように、画像内の色対比量RCiのヒストグラムより閾値ThRCを決定し、画像内の明るさ対比量RYiのヒストグラムおり閾値ThRYを決定して、2つの閾値より大きなRCiと大きなRYiを持つ画素をGrに含める方法を採用してもよい。さらに、画像内の色対比量RCiの平均値ARCとその標準偏差dRCとを求め、さらに、明るさ対比量RYiの平均値ARYとその標準偏差dRYとを求め、
Gr={i|ARC−dRC≦RCi≦ARC+dRC、ARY−dRY≦RYi≦ARY+dRY、0≦i≦NNN−1}
として、画素グループGrを求める方法を採用することも可能である。
ここでは、図56の左図の方法で近景画素候補Grを求めることとする。
次に、近景位置推定部1031が、このGrを使って、近景位置vCen(CenX、CenY)を求める。図56では、Grに属する画素数がNGrであった場合、(数式24)のようにして、近景位置vCen(CenX、CenY)が求められる。なお、これ以外にも、Grで最大の色対比量をもつ画置や、Gr内での色対比量に対するヒストグラムより近景位置vCen(CenX、CenY)を決める方法を採用することも可能である。この近景位置vCen(CenX、CenY)は、近景に含まれる可能性が高いものの平均座標に相当する。
ゲイン算出部1032が、図56の右下図のような関数を用いて、画素iの補正ゲインGiを求める。これは(数式25)で表される関数と同じ凸関数を用いている。なお、図56の右下図と同様の特性を有する関数であれば、(数式25)による関数に限定されることはなく、線形関数や、上に凸の2次曲面関数を用いて、補正ゲインGiを算出し、本発明での処理を行うようにしてもよい。
この補正ゲインGiを受けて、奥行き補正部1008が対象色情報Ciに所定の色補正を行い、奥行き感向上した画像が生成される。
最後に、出力部1010において、前述の実施形態と同様の処理がなされる。
本実施形態の画像処理装置では、このように2つの特徴量により近景候補の選択を行うので、第8実施形態の場合よりも精度よく、かつ、より人間の注目度の高い部分を適切に近景領域候補に選ぶことができる。
また、上記説明において、対象色情報Ciを1つとした場合の本発明の処理について説明したが、例えば、本発明において、彩度および色相の2つの色情報補正を組み合わせることで、色情報補正を実行させることも可能である。この場合、各々の色情報(Ci1、Ci2)からの色特性情報データ(色対比量RCi1、RCi2)は別々に求められ、色対比量RCi1に応じた補正ゲインGi1とRCi2とに応じた補正ゲインGi2をもとに1つの補正ゲインGiに変換する変換関数が設定される。
[第13実施形態]
図57から図59を用いて、本発明の第13実施形態として、画素における色対比情報と明るさ対比情報をもとに、奥行き情報を推定して、その結果に応じて色情報の補正を行う画像処理方法及び画像処理装置について説明する。
図57に、本発明の第13実施形態に係る画像処理装置内の第2奥行き推定部1303の構成を示す。図58に、第13の実施形態である画像処理方法の奥行き推定処理のフローチャートを示す。
第13実施形態に係る画像処理装置は、第11実施形態に係る画像処理装置1100において、第2奥行き推定部1103を第2奥行き推定部1303に置換したものである。この点のみが、第13実施形態に係る画像処理装置と、第11実施形態に係る画像処理装置1100との差異点であり、他の部分については同様であるので、同様である部分については、説明を省略する。
第13実施形態の画像処理装置内の第2奥行き推定部1303は、主に、ブロック分割部1040と、ブロック内色平均部1041と、ブロック内明るさ平均部1160と、ブロック色特性算出部1042と、ブロック明るさ特性算出部1161と、統合近景ブロック判定部1162と、近景位置推定部1031と、ゲイン算出部1032とから構成される。前述の実施形態と同様の部分については、同じ符号を付し、説明を省略する。
本実施形態の発明の特徴は、図59で模式的に示されるように、第9実施形態において、ブロックkで得られた平均色に関するブロック色対比量BRCkにより近景画素か否かの判定を行う点を、同じブロックkで得られた平均明るさに関するブロック対比量BRYkとブロック色対比量BRCkとの2つの特徴量により近景か否かの判定を行うようにした点である。
本発明の第13実施形態の画像処理方法及び画像処理装置について説明する。
まず、本実施形態の画像処理装置に画素iにおける画素値vIiをもつ画像データが入力されると、色情報算出部1004において、画像データvIiを構成する各画素のデータを所定の色情報vCiへの変換処理、明るさ情報Yiへの変換処理が行われる。
次に、第9実施形態と同じように、ブロック分割部1040は、処理対象としている画像を所定の一定サイズのブロックで分割し、ブロック内色平均部1041は、ブロック分割部1040により各細分されたブロックk内の補正対象である色情報Ciの平均値ACkを求める。
ブロック内明るさ平均部1160は、各細分化されたブロックk内の明るさ情報Yiの平均値AYkを求める。
ブロック色特性算出部1042は、ブロック内色平均部1041からブロックkのブロック内色平均値ACkを受けて、その周囲ブロックと対象ブロックkの平均色BCkの比で表されるブロック色対比量BRCkを求める。
また、ブロック明るさ特性算出部1161は、第11および12実施形態における明るさ特性算出部1110において画素単位で実施される処理を、ブロック単位で実施して、ブロックkの明るさ対比量BRYkを求める。
統合近景ブロック判定部1162は、このブロック色対比量BRCkとブロック明るさ対比量BRYkとをもとに、近景ブロック候補の集団GBrを求める。統合近景ブロック判定部1162は、第12実施形態における統合近景画素判定部113において画素単位で実施される処理をブロック単位で実施することにより、上記判定処理を行う。
近景位置推定部1031は、選ばれた近景候補ブロックkの重心座標(XBk、YBk)の平均値より、近景位置vCen(CenX、CenY)を求める。その後、第8実施形態と同じように、画像内の画素i(X、Y)と近景位置vCen(CenX、CenY)と間の2乗距離lenをもとに、(数式6)を用いて、画素iの補正ゲイン値Giを求める処理を、ゲイン算出部1032が行う。
この補正ゲインGiを受けて、奥行き補正部1008が、対象色情報Ciに所定の色補正を行い、奥行き感向上した画像が生成される。
最後に出力部1010において、前述の実施形態と同様の処理がなされる。
このように本実施形態の画像処理装置では、画素単位で実施した奥行き推定を、ブロック単位で行うことが特徴であり、その効果として処理の高速化が挙げられる。
また、本実施形態の画像処理装置では、画素の色情報Ciや明るさ情報Yiを、それが属するブロックk内の平均値ACkやAYkに変更することで、色情報Ciや明るさ情報Yiに対してローパスフィルタ処理を行うのと同じ効果を実現することができる。これにより、本実施形態の画像処理装置では、照明条件等によるゆらぎや部分的照明による色かぶりを抑えることで、奥行き推定精度をさらに向上させることができる。
また、上記説明において、対象色情報Ciを1つとした場合の本発明の処理について説明したが、例えば、本発明において、彩度および色相の2つの色情報補正を組み合わせることで、色情報補正を実行させることも可能である。この場合、各々の色情報(Ci1、Ci2)からの色特性情報データ(色対比量RCi1、RCi2)は別々に求められ、色対比量RCi1に応じた補正ゲインGi1とRCi2とに応じた補正ゲインGi2をもとに1つの補正ゲインGiに変換する変換関数が設定される。
さらに、ブロック分割部1040では、各ブロックのサイズを可変にすることも可能である。また、本実施形態の画像処理装置において、ブロック色対比量を求める際の周囲ブロックに関して、第7や第8実施形態で行った画素単位での周囲領域をブロック単位に拡張して対応させるようにしてもよい。また、第7実施形態や第8実施形態において、画素と周辺領域画素サイズとの関係(画素数の関係)(画素:周辺領域画素サイズ=1:N)と一致させるように、本実施形態において、ブロックと周囲ブロックの領域のサイズ(ブロック:周辺領域ブロックサイズ=1:N)との関係を設定するようにしてもよい。
[第14実施形態]
図60から図62を用いて、本発明の第14実施形態として、画素における色対比情報と明るさ対比情報をもとに、奥行き情報を推定して、その結果に応じて色情報の補正を行う画像処理方法及び画像処理装置について説明する。
図60に、本発明の第14実施形態に係る画像処理装置内の第2奥行き推定部1403の構成を示す。図61に、第14の実施形態である画像処理方法の奥行き推定処理のフローチャートを示す。
第14実施形態に係る画像処理装置は、第11実施形態に係る画像処理装置1100において、第2奥行き推定部1103を第2奥行き推定部1403に置換したものである。この点のみが、第14実施形態に係る画像処理装置と、第11実施形態に係る画像処理装置1100との差異点であり、他の部分については同様であるので、同様である部分については、説明を省略する。
第14実施形態の画像処理装置内の第2奥行き推定部1403は、主に、ブロック分割部1040と、ブロック内色平均部1041と、ブロック内明るさ平均部1160と、ブロック色特性算出部1042と、ブロック明るさ特性算出部1161と、個別ブロック内ゲイン算出部1180と、高度合成ゲイン算出部1181とから構成される。
前述の実施形態と同様の部分については、同じ符号を付し、説明を省略する。
本実施形態の画像処理装置では、ブロックkで得られた平均色に関するブロック色対比量BRCiより得られた値をブロックkの重心位置vCenk(CenXk、CenYk)での補正ゲインGk_iとして、画素iにおけるブロックkの色対比量BRCkによる補正ゲインGk_iを求めて、全ブロックの補正ゲインGk_iの総和を最終的に画素iの補正ゲインGiに設定する、第10実施形態での処理において、図62に示すように、ブロック色対比量BRCkのみならず、ブロック明るさ対比量BRYkでも同じようにして、補正ゲインGiを設定するようにした。この点に本実施形態の特徴がある。
本発明の第14実施形態の画像処理方法及び画像処理装置について説明する。
まず、本実施形態の画像処理装置に画素iにおける画素値vIiをもつ画像データが入力されると、色情報算出部1004において、画像データvIiを構成する各画素のデータを所定の色情報vCiへの変換処理、明るさ情報Yiへの変換処理が行われる。
次に、第9実施形態と同じように、ブロック分割部1040は、処理対象としている画像を所定の一定サイズのブロックで分割し、ブロック内色平均部1041は、ブロック分割部1040により各細分されたブロックk内の補正対象である色情報Ciの平均値ACkを求める。
また、ブロック内明るさ平均部1060は、各細分化されたブロックk内の明るさ情報Yiの平均値AYkを求める。
ブロック色特性算出部1042は、ブロック内色平均部1041からブロックkのブロック内色平均値ACkを受けて、その周囲ブロックと対象ブロックkの平均色BCkの比で表されるブロック色対比量BRCkを求める。
また、ブロック明るさ特性算出部1161は、ブロックkの明るさ対比量BRYkを求める。以上の処理は第13実施形態と同様である。
個別ブロック内ゲイン算出部1180は、第10実施形態におけるブロック内ゲイン算出部1050の拡張版としての処理を行う。まず、個別ブロック内ゲイン算出部1180は、ブロックkのブロック色対比量BRCkに対して、次の処理を行う。
(C−i)個別ブロック内ゲイン算出部1180は、ブロックkの色対比量BRCkより得られたMaxRCkをブロックkの重心vCenk(CenXk、CenYk)の補正ゲインとして設定する。ここで、MaxRCkは、「0.0」から「1.0」の範囲の値を出力する変換関数MaxRCk=FFunc(BRCk)を用いて計算する。この関数MaxRCk=FFunc(BRCk)は、BRCkの取り得る最大値MaxRCでの出力が「1」となり、BRCk=0での出力が「0」となる単調線形増加関数で定義される。なお、この関数を、第10実施形態の(i)で示したようにも定義することは可能である。
(C−ii)個別ブロック内ゲイン算出部1180は、ブロックkの色対比量BRCkによる画素i(X、Y)に対する補正ゲイン値GCk_iを(数式29)のように定義する。つまり、補正ゲイン値GCk_iは、vCenk(CenXk、CenYk)で最大値MaxRCkを持ち、vCenkとi間の2乗距離lenkに従い変化する凸関数で定義される。補正ゲイン値GCk_iを求める関数は、色対比量BRCkによる近景の可能性がvCenkを中心に遠景へ向かうことで減少していくことを示している。なお、(数式29)でThDeltaは、この関数の広がりを示すものであり、ここではブロックに関係なく一定とするが、ブロックの大きさやBRCkに応じて変化させてもよい。また、ブロック色対比量とブロック明るさ対比量とで変えるようにしてもよい。
Figure 2007329902
次に、ブロックkのブロック明るさ対比量BRYkに対して、次の処理を行なわれる。
(Y−i)ブロックkの明るさ対比量BRYkより得られたMaxRYkが、ブロックkの重心vCenk(CenXk、CenYk)の補正ゲインとして設定される。ここでMaxRYkは、MaxRCkの設定と同じように、「0.0」から「1.0」の範囲の値を出力する変換関数MaxRYk=GFunc(BRYk)を用いて算出される。この関数MaxRYk=GFunc(BRYk)は、BRYkの取り得る最大値MaxRCでの出力が「1」となり、BRYk=0での出力が「0」となる単調線形増加関数で定義される。なお、この変換関数は、(C−i)でのFFunc(BRCk)と同じものであっても、異なるものであってもよい。
(Y−ii)ブロックkの明るさ対比量BRYkによる画素i(X、Y)に対する補正ゲイン値GYk_iが(数式30)のように定義される。つまり、この補正ゲイン値GYk_iは、vCenk(CenXk、CenYk)で最大値MaxRYkを持ち、vCenkとi間の2乗距離lenkに従い変化する凸関数で定義される。この補正ゲイン値GYk_iを求める関数は、明るさ対比量BRYkによる近景の可能性がvCenkを中心に遠景へ向かうことで減少していくことを示している。なお、(数式30)でThDeltaは、この関数の広がりを示すものであり、ここではブロックに関係なく一定とするが、ブロックの大きさやBRYkに応じて変化させてもよい。また、ブロック色対比量とブロック明るさ対比量とで変えるようにしてもよい。
Figure 2007329902
最後に、次の処理が行なわれる。
(T−i)ブロックkにおける色対比量BRCkによる画素iへのサブ補正ゲインGCk_iと、明るさ対比量BRYkによる画素iへのサブ補正ゲインGYk_iとを用いて、(数式31)に示すように、ブロックkにおける2つの特徴量による画素iへのサブ補正ゲインGk_iが求められる。
Figure 2007329902
(T−ii)全てのブロックによる画素iへのサブ補正ゲインGk_iの和を求められ、この求められた値を「0」から「1」の範囲へ正規化したものを補正ゲインGiとする。
(C−i)、(C−ii)、(Y−i)、および(Y−ii)の処理を個別ブロック内ゲイン算出部1180が行い、高度合成ゲイン算出部1181が(T−i)、(T−ii)の処理を行う。
図62は、以上の処理を模式的に説明するための図である。図62に示すように、本実施形態の画像処理装置では、ブロックkによる色対比量BRCkの場合の画素iの近景の可能性と明るさ対比量BRYkの場合の画素iの近景の可能性より、そのブロック内の特徴によるサブ補正ゲインGk_iを求め、全てのブロックによる影響を考慮して、最終的に画素iの補正ゲインGiを求める。これにより、本実施形態の画像処理装置では、画像内の色情報Ciの変動やゆらぎによる色対比量RCiや明るさ対比量RYiの変動が近景位置推定にゆらぎを与える影響をより低減させることができる。
また、本実施形態の画像処理装置では、第10実施形態と比べて、ブロック内の特徴量を色対比と明るさ対比に増やすことで、補正ゲインの推定精度向上を実現させるとともに、1つの特徴量ではうまく抽出できないようなパターンについても適切に対応することができる。
また、上記説明において、対象色情報Ciを1つとした場合の本発明の処理について説明したが、例えば、本発明において、彩度および色相の2つの色情報補正を組み合わせることで、色情報補正を実行させることも可能である。この場合、各々の色情報(Ci1、Ci2)からの色特性情報データ(色対比量RCi1、RCi2)は別々に求められ、色対比量RCi1に応じた補正ゲインGi1とRCi2とに応じた補正ゲインGi2をもとに1つの補正ゲインGiに変換する変換関数が設定される。
さらに、ブロック分割部1040では、各ブロックのサイズを可変にすることも可能である。また、本実施形態の画像処理装置において、ブロック色対比量を求める際の周囲ブロックに関して、第7や第8実施形態で行った画素単位での周囲領域をブロック単位に拡張して対応させるようにしてもよい。また、第7実施形態や第8実施形態において、画素と周辺領域画素サイズとの関係(画素数の関係)(画素:周辺領域画素サイズ=1:N)と一致させるように、本実施形態において、ブロックと周囲ブロックの領域のサイズ(ブロック:周辺領域ブロックサイズ=1:N)との関係を設定するようにしてもよい。
[第15実施形態]
図63から図67を用いて、本発明の第15実施形態として、画素における色対比情報と明るさ対比情報、高域周波数成分量をもとに、奥行き情報を推定して、その結果に応じて色情報の補正を行う画像処理方法及び画像処理装置1500について説明する。
図63に、本発明の第15実施形態に係る画像処理装置1500の構成を示す。
画像処理装置1500は、主に、色情報算出部1004と、明るさ情報算出部1101と、周波数成分算出部1201と、拡張奥行き推定部1503と、奥行き補正部1008と、出力部1010とから構成される。
また、拡張奥行き推定部1503は、図64に示すように、主に、ブロック分割部1040と、ブロック内色平均部1041と、ブロック内明るさ平均部1160と、ブロック内周波数情報算出部1300と、ブロック色特性算出部1042と、ブロック明るさ特性算出部1161と、拡張近景ブロック判定部1301と、近景位置推定部1031と、ゲイン算出部1032とから構成される。
なお、前述の実施形態と同様の部分については、同じ符号を付し、説明を省略する
図65に、第15実施形態に係る画像処理方法の処理フローチャートを示す。また、図66に、第15実施形態に係る画像処理方法内の奥行き推定処理のフローチャートを示す。
本実施形態の発明の特徴は、図63に示すように、第13実施形態において、ブロックkで得られた平均色に関するブロック色対比量BRCkと平均明るさに関するブロック対比量BRYkより近景ブロックかどうかの判定を行った点を、ブロックkで得られた平均色に関するブロック色対比量BRCkと平均明るさに関するブロック対比量BRYkにブロックk内の高域周波数成分の和BFkを加えた3つの特徴量を用いた判定に変更した点である。
本発明の第15実施形態の画像処理方法及び画像処理装置について説明する。
まず、画像処理装置1500に画素iにおける画素値vIiをもつ画像データが入力されると、色情報算出部1004において、画像データvIiを構成する各画素のデータを所定の色情報vCiへの変換処理、明るさ情報Yiへの変換処理が行われる。
次に、第9実施形態と同じように、ブロック分割部1040は、処理対象としている画像を所定の一定サイズのブロックで分割し、ブロック内色平均部1041は、各細分されたブロックk内の補正対象である色情報Ciの平均値ACkを求める。また、ブロック内明るさ平均部1160は、各細分化されたブロックk内の明るさ情報Yiの平均値AYkを求める。ブロック色特性算出部1042は、ブロック内色平均部1041からブロックkのブロック内色平均値ACkを受けて、その周囲ブロックと対象ブロックkの平均色BCkの比で表されるブロック色対比量BRCkを求める。また、ブロック明るさ特性算出部1161は、第11および12実施形態における明るさ特性算出部1110で画素単位に対して実施した処理をブロック単位で実施して、ブロックkの明るさ対比量BRYkを求める。
一方で、周波数成分算出部1201は、入力画像vIiの周波数成分を算出する。ここで、周波数成分算出部1201は、2次元DCT変換による周波数空間へのDCT係数算出を行う。通常、2次元DCT変換は、処理時間等の関係で所定のブロックサイズに分割し各ブロックに対して実施される。ここでも、ブロック分割部1040のブロック化に応じて、各ブロックへの2次元DCT変換が行なわれる。なお、ブロックの水平画素数npwおよび垂直画素数nphは、nph=npw=nnnとなり、8の倍数が取られることが多いので、ブロック分割部1040でも、このように分割するものとする。もし分割されたブロックのnpwがnphと同じでない場合は、同じ画素数になるブロック画像へ一度解像度変換した後、2次元DCT変換を実施する。また、各ブロックサイズも固定であることが望ましいので、本実施形態でもそのようにする。もしブロックサイズが可変である場合は、所定のブロックサイズnf×nfになるように各ブロック画像を解像度変換して後、2次元DCT変換を行うこととする。ブロックk内の画素に対するDCT係数をFk(s、t)(0≦s、t≦nnn−1)のように定義する。Fk(0、0)は、直流成分を示し、画像の大まかな特徴を示す。また、Fk(s、t)(s≠0、t≠0)は、交流成分を示す。ここで、s、tが大きいほどその係数は高周波成分を示すこととなり、微小変化(例えば、顔の皺の部分の変化)に相当する。
周波数成分算出部1201は、この計算を行い、ブロック内周波数情報算出部1300は、ブロックk内の周波数成分Fk(s、t)において、s≧ThFreq、t≧ThFreqとなるものの係数の和を求める。Fk(s、t)で、s、tがともに「0」のものは、画像の大域的な輪郭等の情報に相当し、高域にいくにつれ細かい輪郭情報に相当するし、そのブロック内のThFreq以上の周波数成分の和もしくは、平均により、ブロック内画像のぼけ程度を知ることができる。
そこで、本発明では、図67で模式的に示すように、3つ目の特徴量として、対象ブロックk内画像がぼけ領域であるかどうかの判定に、2次元DCT係数における所定のレベル以上のDCT係数の平均値BFkを利用することとした(数式32参照)。
Figure 2007329902
拡張近景ブロック判定部1301は、このブロック色対比量BRCk、ブロック明るさ対比量BRYk、および、ぼけ程度の判定とした周波数成分量BFkをもとに、近景ブロック候補の集団GBrを求める。ここでの判定処理は、第7実施形態における統合近景ブロック判定部1162で実施した条件に、周波数成分量BFkが閾値ThFrqより大きいという条件を加えたもので判定が実施される処理となる。近景位置推定部1031は、選ばれた近景候補ブロックkの重心座標(XBk、YBk)の平均値より、近景位置vCen(CenX、CenY)を求める。その後、第9実施形態と同じように、画像内の画素i(X、Y)と近景位置vCen(CenX、CenY)と間の2乗距離lenをもとに、(数式6)を用いて、画素iの補正ゲイン値Giを求める処理を、ゲイン算出部1032が行う。
この補正ゲインGiを受けて、奥行き補正部1008は、対象色情報Ciに所定の色補正を行い、奥行き感向上した画像が生成される。
最後に出力部1010において、前述の実施形態と同様の処理がなされる。
このように第15実施形態の画像処理装置1500では、第13実施形態の近景ブロック判定条件に、判定精度を増すための条件として、周波数成分量より定義されるぼけ程度を加えた点が特徴である。これにより、画像処理装置1500では、近景ブロック候補選択の精度向上の効果が期待できる。
また、上記説明において、対象色情報Ciを1つとした場合の本発明の処理について説明したが、例えば、本発明において、彩度および色相の2つの色情報補正を組み合わせることで、色情報補正を実行させることも可能である。この場合、各々の色情報(Ci1、Ci2)からの色特性情報データ(色対比量RCi1、RCi2)は別々に求められ、色対比量RCi1に応じた補正ゲインGi1とRCi2とに応じた補正ゲインGi2をもとに1つの補正ゲインGiに変換する変換関数が設定される。
さらに、ブロック分割部1040では、各ブロックのサイズを可変にすることも可能である。また、本実施形態の画像処理装置において、ブロック色対比量を求める際の周囲ブロックに関して、第7や第8実施形態で行った画素単位での周囲領域をブロック単位に拡張して対応させるようにしてもよい。また、第7実施形態や第8実施形態において、画素と周辺領域画素サイズとの関係(画素数の関係)(画素:周辺領域画素サイズ=1:N)と一致させるように、本実施形態において、ブロックと周囲ブロックの領域のサイズ(ブロック:周辺領域ブロックサイズ=1:N)との関係を設定するようにしてもよい。
また、画像処理装置1500では、ブロック内の周波数情報として、ある程度の高周波成分のDCT係数の平均を利用したが、その和を用いることもできるし、直流成分、交流成分を含めたDCT係数の総和やその平均値を用いてもよい。
さらに、画像処理装置1500では、周波数成分算出に2次元DCT変換を用いたが、2次元フーリエ変換(DFT)や2次元ウェーブレット変換のような周波数変換を用いることも可能である。また、それ以外の直交変換を用いて周波数成分を算出してもよい。さらに、ブロックの水平画素数npwと垂直画素数nphは同じでなくてもよい。
[第16実施形態]
図68、図69を用いて、本発明の第16実施形態として、画素における色対比情報、明るさ対比情報、周波数情報をもとに、奥行き情報を推定して、その結果に応じて色情報の補正を行う画像処理方法及び画像処理部について説明する。
図68に、本発明の第16実施形態に係る画像処理装置内の拡張奥行き推定部1603の構成を示す。図69に、第16実施形態に係る画像処理方法の拡張奥行き推定処理のフローチャートを示す。
第16実施形態に係る画像処理装置は、第15実施形態に係る画像処理装置1500において、拡張奥行き推定部1503を拡張奥行き推定部1603に置換したものである。この点のみが、第16実施形態に係る画像処理装置と、第15実施形態に係る画像処理装置1500との差異点であり、他の部分については同様であるので、同様である部分については、説明を省略する。
第16実施形態の画像処理装置内の拡張奥行き推定部1603は、主に、ブロック分割部1040と、ブロック内色平均部1041と、ブロック内明るさ平均部1160と、ブロック色特性算出部1042と、ブロック明るさ特性算出部1161と、ブロック内周波数情報算出部1300と、拡張ブロック内ゲイン算出部1400と、拡張合成ゲイン算出部1401とから構成される。
本実施形態の発明の特徴は、ブロックkで得られた平均色に関するブロック色対比量BRCi、ブロック明るさ対比量BRYiを用いて各ブロックk内の画素iに対するサブ補正ゲインGk_iを求めた後、全ブロックの画素iに対するGk_iの総和を求め、最終的に補正ゲインGiにした、第14実施形態での処理において、各ブロックk内の特徴量としてぼけ程度を表す周波数情報BFkを加えた用いて処理を行うようにした点にある。
本発明の第16実施形態の画像処理方法及び画像処理装置について説明する。
まず、本実施形態の画像処理装置に画素iにおける画素値vIiをもつ画像データが入力されると、色情報算出部1004において、画像データvIiを構成する各画素のデータを所定の色情報vCiへの変換処理、明るさ情報Yiへの変換処理が行われる。
また、第15実施形態と同じように、所定のブロック分割を行い、その中での2次元DCT変換によるDCT係数算出が周波数成分算出部1201により実施される。その後、画像内を所定の一定サイズのブロックで分割し、ブロック内色平均部1041で、各細分されたブロックk内の補正対象である色情報Ciの平均値ACkが求められ、ブロック内明るさ平均部1160では、各細分化されたブロックk内の明るさ情報Yiの平均値AYkが求められる。そして、周波数情報BFkがブロック内周波数情報算出部1300で得られる。なお、ブロック分割部1040におけるブロック分割は、周波数成分算出部1201で使用したブロックサイズにより行ってもよいし、別のサイズで行ってもよい。
ブロック色特性算出部1042は、ブロック内色平均部1041からブロックkのブロック内色平均値ACkを受けて、その周囲ブロックと対象ブロックkの平均色BCkの比で表されるブロック色対比量BRCkを求める。
また、ブロック明るさ特性算出部1161は、第11、12実施形態における明るさ特性算出部1110で画素単位で実施した処理をブロック単位で実施して、ブロックkの明るさ対比量BRYkを求める。
拡張ブロック内ゲイン算出部1400は、第14実施形態における図62に示すブロックk内の特徴による画素iへのサブ補正ゲイン値Gk_iに、周波数情報量BFkによる画素iへのサブ補正ゲインGFk_iを(数式33)を用いて求める。
拡張合成ゲイン算出部1401は、(数式34)を用いて、3つの特徴量によるサブ補正ゲインGCk_i、GYk_i、およびGFk_iの積を求め、全ブロックkによる画素iへのサブ補正ゲイン値Gk_iの総和を求め、最終的な画素iへの補正ゲイン値Giを求める。
Figure 2007329902
ここで、MaxFkは、ブロックk内のぼけ程度を示す周波数情報量BFkより得られる値であり、「0.0」から「1.0」の値をとるものとする。
Figure 2007329902
この補正ゲインGiを受けて、奥行き補正部1008は、対象色情報Ciに所定の色補正を行い、奥行き感向上した画像が生成される。
最後に出力部1010において、前述の実施形態と同様の処理がなされる。
本実施形態の画像処理装置では、第14実施形態の特徴量に、ぼけ程度を表すブロック内周波数情報を加えることで、補正ゲインの推定精度向上になるとともに、色や明るさの特徴量ではうまく抽出できないようなパターンについても対応することができる。
また、上記説明において、対象色情報Ciを1つとした場合の本発明の処理について説明したが、例えば、本発明において、彩度および色相の2つの色情報補正を組み合わせることで、色情報補正を実行させることも可能である。この場合、各々の色情報(Ci1、Ci2)からの色特性情報データ(色対比量RCi1、RCi2)は別々に求められ、色対比量RCi1に応じた補正ゲインGi1とRCi2とに応じた補正ゲインGi2をもとに1つの補正ゲインGiに変換する変換関数が設定される。
さらに、ブロック分割部1040では、各ブロックのサイズを可変にすることも可能である。また、本実施形態の画像処理装置において、ブロック色対比量を求める際の周囲ブロックに関して、第7や第8実施形態で行った画素単位での周囲領域をブロック単位に拡張して対応させるようにしてもよい。また、第7実施形態や第8実施形態において、画素と周辺領域画素サイズとの関係(画素数の関係)(画素:周辺領域画素サイズ=1:N)と一致させるように、本実施形態において、ブロックと周囲ブロックの領域のサイズ(ブロック:周辺領域ブロックサイズ=1:N)との関係を設定するようにしてもよい。
また、本実施形態の画像処理装置では、ブロック内の周波数情報として、ある程度の高周波成分のDCT係数の平均を利用したが、その和を用いることもできるし、直流成分、交流成分を含めたDCT係数の総和やその平均値を用いてもよい。
さらに、本実施形態の画像処理装置では、周波数成分算出に2次元DCT変換を用いたが、2次元フーリエ変換(DFT)や2次元ウェーブレット変換のような周波数変換を用いることも可能である。また、それ以外の直交変換を用いて周波数成分を算出してもよい。さらに、ブロックの水平画素数npwと垂直画素数nphは同じでなくてもよい。
[第17実施形態]
図71に示された第17実施形態の画像処理装置1700について説明する。
この発明は、画像内の特徴より奥行き情報(近景領域・遠景領域)を推定するか入力された奥行き情報に応じて画像内の色情報を補正する装置において、ユーザが処理モードを選択するユーザモード選択部3001を加えたものである。
図71に示すように、この画像処理装置1700は、主に、本発明の第1実施形態から第16実施形態での処理を実現する画像処理部3002と、その処理結果を表示する表示デバイス3000、そしてユーザが処理モードを選択するユーザモード選択部3001より構成される。
この発明では、画像処理部3002で行われた奥行き推定による色補正処理画像または入力された奥行き情報による色補正処理画像を表示デバイス3000に表示する。この画像処理装置は、ユーザが表示デバイス3000での処理画像を視覚的に確認して、処理モードをユーザモード選択部3001により選択することができるようにしたものであり、より個々人の特性に応じた色補正ができるような構成を有している。ここで、表示デバイス3000としては、TVのメイン画面でもサブ画面でもよい。ユーザモード選択部3001として、例えば、補正効果の場合、(1)強モード、(2)中モード、(3)弱モード、(4)デフォルトモードのようなメニュー選択方式を用いるものが好ましい。また、本実施形態の画像処理装置において、第1実施形態1から第6実施形態に示した奥行き情報を入力する場合は、マウス等のポインタで近景領域候補をユーザが指定するようにしてもよい。本実施形態の画像処理装置において、第7実施形態から第16実施形態における奥行き推定を行う場合は、ユーザによって指定された領域を近景領域候補とし、その範囲内で奥行き推定部が近景位置を推定する方式を用いるようにしてもよい。
ユーザは、表示デバイス3000を確認して、ユーザモード選択部3001に用意された補正効果に対するメニュー内の(1)強モード、(2)中モード、(3)弱モード、(4)デフォルトモードより選択する。また、ユーザは、マウスで近景候補領域を予め指定する。
この選択に応じて、ユーザモード選択部3001より、画像処理部3002で適用された奥行き効果のある色補正処理のためのパラメータの制御や、推定される近景位置をより好ましい位置へ移動させる制御が可能となる。これにより、本実施形態の画像処理装置では、人間の視覚特性より注目される可能性が高いとともに、各個人の見た目に応じた奥行き情報(近景位置)の推定が可能となるとともに、その推定結果より得られる色補正のための補正ゲインをより適切に制御することができる。
なお、ここでは、本実施形態の画像処理装置において、補正効果に対してメニュー選択方式を用いる例を示したが、これに限定されることはなく、各補正強度レベルに応じたスイッチやボタンを用いるものであっても良い。また、スライダバーのように連続的に動くインターフェースによる強度選択を用いることも可能であり、そのバーはアナログ的に動くバーでもデジタル的に動くバーであってもよい。また、本実施形態の画像処理装置において、第7実施形態から第16実施形態における奥行き推定が実行される場合も、予め領域をブロック化しておき、その対応する番号を入力・選択する方式を用いることも可能である。さらに、本実施形態の画像処理装置において、奥行き推定時に、第7〜9実施形態、第11〜13実施形態、および第15実施形態で示した処理を行う場合、近景かどうかの判定を行う閾値を変えることで、推定結果も変動する。したがって、本実施形態の画像処理装置において、例えば、推定精度を(A)厳密モード、(B)中間モード、(C)緩和モードに応じて、閾値レベルを緩和するようにしてもよい。また、本実施形態の画像処理装置において、得られた近景位置をもとに設定される補正ゲイン関数のパラメータを上記メニューに応じて変化させるようにすることも可能である。
一方、本実施形態の画像処理装置において、第10、14、16実施形態の処理を行う場合、得られた特徴量をもとに各ブロックによる補正ゲイン関数が設定され、対象画素における各補正ゲイン関数の和や積等で最終的な補正ゲインが決定される。この場合は、各ブロックに設定される補正ゲイン関数のパラメータを上記メニューに連動させることで、ユーザによる奥行き推定結果の制御が可能となる。
[他の実施形態]
第1実施形態から第6実施形態において、奥行き情報fbiは、画像データと別に入力される例について説明したが、画像データ内のタグ情報やファイルフォーマット情報に付加されて、奥行き情報fbiが入力されるものであってもよい。奥行き情報の入力方法も、ROMやRAMのような外部メモリにより入力されてもよいし、予め用意されたテーブル内に保持されていてもよい。また、ユーザによるマウスやポインタでの指摘(近景ポイント・遠景ポイント)による入力であってもよいし、大まかにブロック分割された場合のブロック番号より近景ブロック番号をユーザに入力してもらってもよい。
上記実施形態において説明した本発明の画像処理方法および画像処理装置は色対比特性を利用した処理方法及び処理装置を含む。よって、この特性に効果が大きく影響される。
図70は、色対比現象の特性を示したものであり、薄い黄色の背景にある赤円中心部にある背景と同じ薄い黄色円のサイズに依存して効果が変動することがわかっている。例えば、中心の薄い黄色円の半径が赤円と比較して小さい場合、赤円中心の薄い黄色円が青く感じる色対比現象は強まる。それに対して、中心の薄い黄色円の半径が大きくなり赤円に近づくにつれ、赤円中心の薄い黄色円が青く感じる色対比現象は弱まるのである。また、彩度対比の場合では、薄い水色の背景にある彩度の高い青色中心部にある背景と同じ薄い水色円のサイズに依存して効果が変動することがわかっている。この場合は、中心の彩度の薄い水色円の半径が彩度の高い青色円と比較して小さい場合、彩度の高い青色中心の薄い水色円の彩度がより薄く感じる色対比現象は強まる。それに対して、中心の薄い水円の半径が大きくなり彩度の高い青色円に近づくにつれ、彩度の高い青円中心の薄い水円の彩度がより薄く感じる色対比現象は弱まるのである。このように図70にあるような大きさの異なる単純パターンを提示した場合、色補正効果が変動する特徴を本発明で説明した画像処理方法および画像処理装置は、持っている。
また、対象とする色情報の色対比量データRCiとして、本発明の第1から第16実施形態で示した、(1)周辺の代表色情報に対する対象画素の色情報の比と、(2)対象画素の色情報と周辺の代表色情報の差分量以外にも、これら(1)と(2)を所定の関数により変換して得られる値を用いることも可能である。同様に、明るさ情報の明るさ対比量データRYiとして、本発明の第5から第7実施形態等で示した(1)周辺の代表明るさ情報に対する対象画素の明るさ情報の比と、(2)対象画素の明るさ情報と周辺の代表明るさ情報の差分量以外にも、これら(1)と(2)を所定の関数により変換して得られる値を用いることも可能である。また、画像に対する所定の領域を、代表色情報および代表明るさ情報を求める周辺領域としたが、周辺領域を固定にする必要はなく、例えば、対象画素iの色Ciと周辺領域内の画素kの色情報Ckとの差分や、画素iと画素kの距離lengthに応じて、周辺領域を可変させるようにし、適応的に周辺領域を変えるようにしてもよい。また、代表色情報として周辺領域内の平均を用いる場合、対象画素iの色Ciと周辺領域内の画素kの色情報Ckとの差分や、画素iと画素kの距離lengthに応じて、周辺領域画素kのCkにかかる重み係数を弱めたり、強めたりするようにしてもよい。この周辺領域についての設定の方法は、明るさ対比量の算出の場合にも同様に適用できる。
また、第7実施形態から第16実施形態における奥行き推定部で推定された画素iの補正ゲインGiは「0.0」から「1.0」の範囲内の値をとることを前提とした。しかし、予め設定されたMinGiからMaxGi(0.0≦MinGi≦1.0、0.0≦MaxGi≦1.0、MinGi<MaxGi)に変換してもよい。また、そのMinGiやMaxGiがユーザにより指定入力されるようにすることも可能である。
本発明の第7実施形態から第16実施形態において、奥行き補正部1008は、奥行き推定部1006、第2奥行き推定部1103、拡張奥行き推定部1203で得られた画像iの補正ゲインGiを用いて、入力画像の色情報vCi内の補正対象色情報Ciを補正することとしたが、vCi内の複数の色情報の補正をするようにすることも可能である。この場合、色対比量RCiも当然、複数となるため、vRCiのようなベクトルデータとして処理することとなる。
また、入力画像の色情報vCi内の補正対象色情報Ciを補正することとしたが色情報以外に、補正ゲインGiを使って、輝度等の明るさ情報Yiを補正するようにしてもよい。
また、入力画像の色情報vCiと明るさ情報Yiの両方を同時に補正することも可能である。さらに、従来例(従来技術)のように、画像内のエッジ強調処理における強度を補正ゲインGiで制御することも可能であるし、補正ゲインGiに応じて、陰影付加量の制御をすることも可能である。このように、奥行き推定部1006で得られた補正ゲインGiを、人間の3次元知覚に利用する単眼情報の1つまたはその複数を制御して補正する処理に適用するようにしてもよい。
また、各処理装置内の推定に利用するパラメータは、処理装置内に構成されているが、RAMのような外部メモリや外部からの入力部でこれらのデータを提供するようにすることも可能である。
上記実施形態において説明した本発明の画像処理方法および画像処理装置は、例えば、コンピュータ、テレビ、デジタルカメラ、携帯電話、PDA、カーTVなど、画像を取り扱う機器に内臓、あるいは接続して用いられる装置として実現されるものであり、LSIなどの集積回路としても実現される。
上記各実施形態で説明した各種処理を実現する各機能ブロックの一部または全部は、個別に1チップ化させてもよいし、一部又は全てを含むように1チップ化されても良い。なお、ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路の手法にはLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現することも可能である。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用することも可能である。
さらに、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
また、上記各実施形態の各機能ブロックの処理の一部または全部は、プログラムにより実現されるものであってもよい。そして、上記各実施形態の各機能ブロックの処理の一部または全部は、コンピュータにおいて、中央演算装置(CPU)により行われる。また、それぞれの処理を行うためのプログラムは、ハードディスク、ROMなどの記憶装置に格納されており、ROMにおいて、あるいはRAMに読み出されて実行される。
また、上記実施形態の各処理をハードウェアにより実現してもよいし、ソフトウェアにより実現してもよい。さらに、ソフトウェアおよびハードウェアの混在処理により実現しても良い。
なお、本発明の具体的な構成は、前述の実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更および修正が可能である。
[付記]
本発明は、次のように表現することも可能である。
(付記23)
入力された画像データを補正する画像処理方法において、
入力された画像内に含まれる画素の奥行き情報を推定し、前記推定された奥行き情報に基づき対象画素の色情報を補正する、
画像処理方法。
(付記24)
付記23に記載の奥行き情報推定は、対象画素の色情報を周辺画素の色情報と比較することで得られる色対比量により推定される、
画像処理方法。
(付記25)
付記23に記載の奥行き情報推定は、対象画素の色情報を周辺画素の色情報と比較することで得られる色対比量と、
対象画素の明るさ情報を周辺画素の明るさ情報と比較することで得られる明るさ対比量により推定される、
画像処理方法。
(付記26)
付記23に記載の奥行き情報推定は、対象画素の色情報を周辺画素の色情報と比較することで得られる色対比量と、
対象画素の明るさ情報を周辺画素の明るさ情報と比較することで得られる明るさ対比量と、
対象画素値の周波数成分により推定される、
画像処理方法。
(付記27)
奥行き情報は、対象画素の奥行き情報は近景を表すほど大きい値で定義されており、対象画素の色対比量、明るさ対比量、周波数成分から選択された複数の組合せで定義される値が大きいほど、奥行き情報は大きい値を示すように推定される、
付記24、25、26のいずれかに記載の画像処理方法。
(付記28)
奥行き情報は、対象画素の奥行き情報は遠景を表すほど小さい値で定義されており、対象画素の色対比量、明るさ対比量、周波数成分から選択された複数の組合せで定義される値が小さいほど、奥行き情報は小さい値を示すように推定される、
付記24、25、26のいずれかに記載の画像処理方法。
(付記29)
入力されたカラー画像データを補正するカラー画像処理方法において、
入力された画像信号の色情報を算出する色情報算出ステップと、
前記色情報より奥行き情報を推定する奥行き推定ステップと、
前記奥行き情報により画像内の色情報に対して奥行き補正を行う奥行き補正ステップと、
前記奥行き補正ステップで得られた補正後の色情報を所定の画像データで出力する出力ステップと、
を備える画像処理方法。
(付記30)
奥行き推定ステップは、対象とする画素の色情報を、その周囲の領域内の色情報を代表する周囲色情報と比較して得られる色対比量を求め、
その色対比量をもとに奥行き度の推定を行い、
推定された奥行き度に従い、各画素の補正ゲイン値を算出する、
付記29に記載の画像処理方法。
(付記31)
奥行き推定ステップは、対象とする画素の色情報を、その周囲の領域内の色情報を代表する周囲色情報と比較して得られる色対比量を求め、
その色対比量をもとに近景に含まれる画素の判定を行い、
その判定結果より近景位置の推定を行い、
推定された近景位置に従い、各画素の補正ゲイン値を算出する、
付記29に記載の画像処理方法。
(付記32)
奥行き推定ステップは、画像内のブロック対象分割を行い、
各ブロック内の平均色情報を求め、
対象とするブロックの平均色情報を、その周囲にある複数ブロック内の平均色情報を代表する周囲ブロック平均色情報と比較して得られるブロック色対比量を求め、
そのブロック色対比量をもとに近景に含まれるブロックの判定を行い、
その判定結果より近景位置の推定を行い、
推定された近景位置に従い、各画素の補正ゲイン値を算出する、
付記29に記載の画像処理方法。
(付記33)
奥行き推定ステップは、画像内のブロック対象分割を行い、
各ブロック内の平均色情報を求め、
対象とするブロックの平均色情報を、その周囲にある複数ブロック内の平均色情報を代表する周囲ブロック平均色情報と比較して得られるブロック色対比量を求め、
そのブロック色対比量をもとに各ブロックによる補正ゲイン値を算出し、
対象画素に対する全ブロックからの補正ゲイン値を合成して補正ゲイン値を求めることで各画素の補正ゲイン値を算出する、
付記29に記載の画像処理方法。
(付記34)
入力されたカラー画像データを補正するカラー画像処理方法において、
入力された画像信号の色情報を算出する色情報算出ステップと、
入力された画像信号の明るさ情報を算出する明るさ情報算出ステップと、
前記色情報と明るさ情報より奥行き情報を推定する高度奥行き推定ステップと、
前記奥行き情報により画像内の色情報に対して奥行き補正を行う奥行き補正ステップと、
前記奥行き補正ステップで得られた補正後の色情報を所定の画像データで出力する出力ステップと、
を備える画像処理方法。
(付記35)
高度奥行き推定ステップは、
対象とする画素の色対比量を求める色特性算出ステップと、
対象画素の明るさ対比量を求める明るさ特性算出ステップと、
前記色対比量と前記明るさ対比量より奥行き度を推定する高度奥行き度算出ステップを行う、
付記34に記載の画像処理方法。
(付記36)
高度奥行き推定ステップは、
対象とする画素の色対比量を求める色特性算出ステップと、
対象画素の明るさ対比量を求める明るさ特性算出ステップと、
色対比量と明るさ対比量より近景に含まれる画素の判定を行い、
その判定結果より近景位置の推定を行い、
推定された近景位置に従い、各画素の補正ゲイン値を算出する、
付記34に記載の画像処理方法。
(付記37)
高度奥行き推定ステップは、画像内のブロック対象分割を行い、
各ブロック内の平均色情報、平均明るさ情報を求め、
対象とするブロックの平均色情報についてブロック色対比量を求め、
対象とするブロックの平均明るさ情報についてブロック明るさ対比量を求め、
そのブロック色対比量およびブロック明るさ対比量をもとに近景に含まれるブロックの判定を行い、
その判定結果より近景位置の推定を行い、
推定された近景位置に従い、各画素の補正ゲイン値を算出する、
付記34に記載の画像処理方法。
(付記38)
高度奥行き推定ステップは、画像内のブロック対象分割を行い、
各ブロック内の平均色情報、平均明るさ情報を求め、
対象とするブロックの平均色情報についてブロック色対比量を求め、
対象とするブロックの平均明るさ情報についてブロック明るさ対比量を求め、
そのブロック色対比量とブロック明るさ対比量をもとに各ブロックによる補正ゲイン値を算出し、
対象画素に対する全ブロックからの補正ゲイン値を合成して補正ゲイン値を求めることで各画素の補正ゲイン値を算出する、
付記34に記載の画像処理方法。
(付記39)
入力されたカラー画像データを補正するカラー画像処理方法において、
入力された画像信号の色情報を算出する色情報算出ステップと、
入力された画像信号の明るさ情報を算出する明るさ情報算出ステップと、
入力された画像信号の周波数成分を算出する周波数成分算出ステップと、
前記色情報と明るさ情報、周波数成分より奥行き情報を推定する拡張奥行き推定ステップと、
前記奥行き情報により画像内の色情報に対して奥行き補正を行う奥行き補正ステップと、
前記奥行き補正ステップで得られた補正後の色情報を所定の画像データで出力する出力ステップと、
を備える画像処理方法。
(付記40)
拡張奥行き推定ステップが、画像内のブロック対象分割を行い、
各ブロック内の平均色情報、平均明るさ情報を求め、
各ブロック内の周波数成分情報を求め、
対象とするブロックの平均色情報についてブロック色対比量を求め、
対象とするブロックの平均明るさ情報についてブロック明るさ対比量を求め、
そのブロック色対比量、ブロック明るさ対比量、ブロック内周波数成分をもとに近景に含まれるブロックの判定を行い、
その判定結果より近景位置の推定を行い、
推定された近景位置に従い、各画素の補正ゲイン値を算出する、
付記39に記載の画像処理方法。
(付記41)
拡張奥行き推定ステップが、画像内のブロック対象分割を行い、
各ブロック内の平均色情報、平均明るさ情報を求め、
各ブロック内の周波数成分情報を求め、
対象とするブロックの平均色情報についてブロック色対比量を求め、
対象とするブロックの平均明るさ情報についてブロック明るさ対比量を求め、
そのブロック色対比量、ブロック明るさ対比量とブロック内周波数成分をもとに各ブロックによる補正ゲイン値を算出し、
対象画素に対する全ブロックからの補正ゲイン値を合成して補正ゲイン値を求めることで各画素の補正ゲイン値を算出する、
付記39に記載の画像処理方法。
(付記42)
入力されたカラー画像データを補正するカラー画像処理方法において、
ユーザが所定の方法で提示されたメニューやボタンより処理モードを選択するユーザ処理選択ステップと、
前記ユーザ処理選択ステップで得られた処理モードに応じて、付記29、34、39のいずれかに記載の画像処理方法の処理制御を行うステップと、
前記画像処理方法による結果を所定の表示機器に表示するステップと、
前記表示ステップで得られた処理済み画像が良好である場合、その画像を所定の方法で出力することを指示するユーザ出力指示ステップと、
前記ユーザ出力ステップで出力指示がされた時点で所定の方法で処理済画像を出力する出力ステップと、
をさらに備える、
付記29、34、39のいずれかに記載の画像処理方法。
(付記43)
ユーザ処理選択ステップは、付記29、34、39のいずれかに記載の画像処理方法における処理において色補正を行う際の強度を、強モード、中モード、弱モードのように設定された複数モードより選択する、
付記42に記載の画像処理方法。
(付記44)
付記29、34、39のいずれかに記載の画像処理方法における色補正は、色対比現象の発生する所定のパターンの大きさ変動に応じて効果が増減するように動作する、
付記29、34、39のいずれかに記載の画像処理方法。
(付記45)
入力されたカラー画像データを補正するカラー画像処理装置において、
入力された画像信号の色情報を算出する色情報算部と、
前記色情報より奥行き情報を推定する奥行き推定部と、
前記奥行き情報により画像内の色情報に対して奥行き補正を行う奥行き補正部と、
前記奥行き補正部で得られた補正後の色情報を所定の画像データで出力する出力部と、
を備える画像処理装置。
(付記46)
入力されたカラー画像データを補正するカラー画像処理装置において、
入力された画像信号の色情報を算出する色情報算出部と、
入力された画像信号の明るさ情報を算出する明るさ情報算出部と、
前記色情報と明るさ情報より奥行き情報を推定する高度奥行き推定部と、
前記奥行き情報により画像内の色情報に対して奥行き補正を行う奥行き補正部と、
前記奥行き補正部で得られた補正後の色情報を所定の画像データで出力する出力部と、
を備える画像処理装置。
(付記47)
入力されたカラー画像データを補正するカラー画像処理装置において、
入力された画像信号の色情報を算出する色情報算出部と、
入力された画像信号の明るさ情報を算出する明るさ情報算出部と、
入力された画像信号の周波数成分を算出する周波数成分算出部と、
前記色情報と明るさ情報、周波数成分より奥行き情報を推定する拡張奥行き推定部と、
前記奥行き情報により画像内の色情報に対して奥行き補正を行う奥行き補正部と、
前記奥行き補正部で得られた補正後の色情報を所定の画像データで出力する出力部と、
を備える画像処理装置。
(付記48)
入力されたカラー画像データを補正するカラー画像処理装置において、
ユーザが所定の方法で提示されたメニューやボタンより処理モードを選択するユーザ処理選択部と、
前記ユーザ処理選択部で得られた処理モードに応じて所定の画像処理を実施する、付記23から41のいずれかに記載の画像処理部と、
前記画像処理部による結果を所定の表示機器に表示する表示部と、
を備える画像処理装置。
(付記49)
コンピュータによりカラー画像の補正を行うための画像処理プログラムであって、
前記画像処理プログラムは、
入力された画像信号の色情報を算出する色情報算出ステップと、
前記色情報より奥行き情報を推定する奥行き推定ステップと、
前記奥行き情報により画像内の色情報に対して奥行き補正を行う奥行き補正ステップと、
前記奥行き補正ステップで得られた補正後の色情報を所定の画像データで出力する出力ステップと、
を備える画像処理方法である画像処理プログラム。
(付記50)
コンピュータによりカラー画像の補正を行うための画像処理プログラムであって、
前記画像処理プログラムは、
入力された画像信号の色情報を算出する色情報算出ステップと、
入力された画像信号の明るさ情報を算出する明るさ情報算出ステップと、
前記色情報と明るさ情報より奥行き情報を推定する高度奥行き推定ステップと、
前記奥行き情報により画像内の色情報に対して奥行き補正を行う奥行き補正ステップと、
前記奥行き補正ステップで得られた補正後の色情報を所定の画像データで出力する出力ステップと、
を備える画像処理方法である画像処理プログラム。
(付記51)
コンピュータによりカラー画像の補正を行うための画像処理プログラムであって、
前記画像処理プログラムは、
入力された画像信号の色情報を算出する色情報算出ステップと、
入力された画像信号の明るさ情報を算出する明るさ情報算出ステップと、
入力された画像信号の周波数成分を算出する周波数成分算出ステップと、
前記色情報と明るさ情報、周波数成分より奥行き情報を推定する拡張奥行き推定ステップと、
前記奥行き情報により画像内の色情報に対して奥行き補正を行う奥行き補正ステップと、
前記奥行き補正ステップで得られた補正後の色情報を所定の画像データで出力する出力ステップと、
を備える画像処理方法である画像処理プログラム。
(付記52)
入力された画像信号の色情報を算出する色情報算出部と、
前記色情報より奥行き情報を推定する奥行き推定部と、
前記奥行き情報により画像内の色情報に対して奥行き補正を行う奥行き補正部と、
前記奥行き補正部で得られた補正後の色情報を所定の画像データで出力する出力部と、を備える集積回路。
(付記53)
入力された画像信号の色情報を算出する色情報算出部と、
入力された画像信号の明るさ情報を算出する明るさ情報算出部と、
前記色情報と明るさ情報より奥行き情報を推定する第2奥行き推定部と、
前記奥行き情報により画像内の色情報に対して奥行き補正を行う奥行き補正部と、
前記奥行き補正部で得られた補正後の色情報を所定の画像データで出力する出力部と、
を備える集積回路。
(付記54)
入力された画像信号の色情報を算出する色情報算出部と、
入力された画像信号の明るさ情報を算出する明るさ情報算出部と、
入力された画像信号の周波数成分を算出する周波数成分算出部と、
前記色情報と明るさ情報、周波数成分より奥行き情報を推定する拡張奥行き推定部と、
前記奥行き情報により画像内の色情報に対して奥行き補正を行う奥行き補正部と、
前記奥行き補正部で得られた補正後の色情報を所定の画像データで出力する出力部と、
を備える集積回路。
本発明に係る画像処理装置等は、近景・遠景を示す奥行き情報に応じて色情報(彩度、色相等)を変化させることで、2D画像の奥行き感向上を簡易かつ3D画像表示のように特殊デバイスを必要としないで実現することができるので、映像機器関連産業分野において、有用であり、本発明に係る画像処理装置等は、当該分野において実施することができる。
本発明の第1実施形態に係る画像処理装置の構成を示すブロック図。 本発明の第1実施形態に係る画像処理方法の処理フローチャート図。 奥行き情報例を模式的に示す図。 本発明における奥行き情報に応じた彩度補正を行う制御係数例を示す図。 本発明の第1実施形態に係る画像処理装置における色情報補正部の構成を示すブロック図。 本発明の第1実施形態に係る画像処理方法の色情報補正部の処理のフローチャート図。 本発明における第1実施形態の発明の特徴である色対比の概要を示す図。 彩度対比を利用した彩度補正の概要を模式的に示す図。 色相対比を利用した色相補正の概要を模式的に示す図。 本発明における第1実施形態に係る画像処理方法における、奥行き情報による補正制御パラメータによる彩度対比を利用した彩度補正の制御を模式的に表す図。 本発明における第1実施形態に係る画像処理方法における、奥行き情報による補正制御パラメータによる色相対比を利用した色相補正の制御を模式的に表す図。 本発明における第2実施形態に係る画像処理装置における色情報補正部の構成を示すブロック図。 本発明における第2実施形態に係る画像処理方法の処理フローチャート図。 第2実施形態に係る発明による彩度補正内での対比効果を制御する補正係数の変動を示す図。 本発明における第3実施形態に係る画像処理装置の構成を示すブロック図。 本発明における第3実施形態に係る画像処理装置における色相対応色情報補正部の構成を示すブロック図。 本発明における第3実施形態に係る画像処理方法の処理フローチャート図。 第3実施形態に係る発明による彩度補正内での対比効果を制御する補正係数の変動を示す図(肌色領域対象)。 第3実施形態に係る発明による彩度補正内での対比効果を制御する補正係数の変動を示す図(空、緑領域対象)。 本発明における第4実施形態に係る画像処理装置の構成を示すブロック図。 本発明における第4実施形態に係る画像処理装置内の明るさ対応色情報補正部の構成を示すブロック図。 本発明における第4実施形態に係る発明である画像処理方法の処理フローチャート図。 第4実施形態に係る発明による彩度補正内での対比効果を制御する補正係数の変動を示す図。 本発明における第5実施形態に係る画像処理装置の構成を示すブロック図。 本発明における第5実施形態に係る画像処理装置内の明るさ特性算出部の構成を示すブロック図。 本発明における第5実施形態に係る画像処理方法の処理フローチャート図。 本発明における第5実施形態に係る画像処理方法内の明るさ特性算出ステップの処理フローチャート図。 第5実施形態に係る発明による彩度補正内での対比効果を制御する補正係数の変動を示す図。 本発明における第6実施形態に係る画像処理装置の構成を示すブロック図。 本発明における第6実施形態に係る画像処理装置内の拡張色情報補正部の構成を示すブロック図。 本発明における第6実施形態に係る画像処理方法の処理フローチャート図。 本発明における第7実施形態に係る画像処理装置の構成を示すブロック図。 本発明における第7実施形態に係る画像処理装置の奥行き推定部の構成を示すブロック図。 本発明における第7実施形態に係る画像処理方法の処理フローチャート図。 本発明における第7実施形態に係る画像処理手法内の奥行き情報推定ステップの処理フローチャート図。 本発明における第7実施形態に係る画像処理方法での、奥行き推定アルゴリズムの概要を模式的に表す図。 推定された奥行き情報から得られる補正ゲイン値の制御例を示す関数図。 本発明における第8実施形態に係る画像処理装置の奥行き推定部の構成を示すブロック図。 本発明における第8実施形態に係る画像処理手法内の奥行き情報推定ステップの処理フローチャート図。 本発明における第8実施形態に係る画像処理方法内の奥行き推定ステップで実施される補正ゲインを模式的に示す図。 本発明における第9実施形態に係る画像処理装置の奥行き推定部の構成を示すブロック図。 本発明における第9実施形態に係る画像処理方法内の奥行き推定ステップの処理フローチャート図。 本発明における第9実施形態に係る画像処理方法でのブロック分割による奥行き推定で使用される特徴量(色対比)を模式的に示す図。 本発明における第10実施形態に係る画像処理装置内の奥行き推定部の構成を示すブロック図。 本発明における第10実施形態に係る画像処理方法の奥行き推定ステップの処理フローチャート図。 各ブロック内に設定された補正ゲインを統合して対象画素における補正ゲインを決定する様子を示す模式図。 本発明における第11実施形態に係る画像処理装置の構成を示すブロック図。 本発明における第11実施形態に係る画像処理装置内の高度奥行き推定部の構成を示すブロック図。 本発明における第11実施形態に係る画像処理方法内の奥行き情報推定ステップの処理フローチャート図。 本発明における第11実施形態に係る画像処理方法内の高度奥行き推定ステップの処理フローチャート図。 本発明における第11実施形態に係る画像処理方法内の色対比量算出ステップと明るさ対比量算出ステップの処理フローチャート図。 本発明で使用する明るさ対比の概要を示す図。 推定された奥行き情報から得られる補正ゲイン値の制御例を示す図。 本発明における第12実施形態に係る画像処理装置内の高度奥行き推定部の構成を示すブロック図。 本発明における第12実施形態に係る画像処理手法内の高度奥行き情報推定ステップの処理フローチャート図。 近景位置推定とそこから得られる補正ゲイン関数を模式的に示す図。 本発明における第13実施形態に係る画像処理装置内の高度奥行き推定部の構成を示すブロック図。 本発明における第13実施形態に係る画像処理手法内の高度奥行き情報推定ステップの処理フローチャート図。 各ブロックより奥行き推定に使用される特徴量(色対比と明るさ対比)を模式的に示す図。 本発明における第14実施形態に係る画像処理装置内の高度奥行き情報推定部の構成を示すブロック図。 本発明における第14実施形態に係る画像処理方法の高度奥行き推定ステップの処理フローチャート図。 各ブロック内に設定された補正ゲインを統合して対象画素における補正ゲインを決定する様子を示す模式図。 本発明における第15実施形態に係る画像処理装置の構成を示すブロック図。 本発明における第15実施形態に係る画像処理装置内の拡張奥行き推定部の構成を示すブロック図。 本発明における第15実施形態に係る画像処理手法の処理フローチャート図。 本発明における第15実施形態に係る画像処理手法内の拡張奥行き情報推定ステップの処理フローチャート図。 各ブロックより奥行き推定に使用される特徴量(色対比と明るさ対比、周波数成分)を模式的に示す図。 本発明における第16実施形態に係る画像処理装置内の拡張奥行き推定部の構成を示すブロック図。 本発明における第16実施形態に係る画像処理手法内の拡張奥行き情報推定ステップの処理フローチャート図。 本発明における画像処理方法での色対比効果の変動を示すための図。 本発明の第17実施形態に係る画像処理装置の構成を示す図。 従来例1の画像処理装置の構成を示すブロック図。 従来例2の画像処理装置の構成を示すブロック図。
符号の説明
100、300、400、600、700、1100、1500、1700 画像処理装置
3002 画像処理部
10 補正制御部
11 色情報算出部
12、2012 色情報補正部
13 出力部
20 色特性算出部
21 補正量算出部
22、2022、3022、4022、5022、6022 補正部
23 周辺色情報算出部
24 色対比量算出部
30、3030、5030、6030 対比補正量制御部
40 色相算出部
42 色相対応色情報補正部
50 明るさ情報算出部
52 明るさ対応色情報補正部
60 明るさ特性算出部
70 周辺明るさ情報算出部
71 明るさ対比量算出部
80 拡張色情報補正部
1002 画像処理部
1004 色情報算出部
1006、806、906、10006、 奥行き推定部
1008 奥行き補正部
1010 出力部
1020 色特性算出部
1021 周辺代表色算出部
1022 色対比量算出部
1023 奥行き度算出部
1030 近景画素判定部
1031 近景位置推定部
1032 ゲイン算出部
1040 ブロック分割部
1041 ブロック内平均部
1042 ブロック色特性算出部
1043 近景ブロック判定部
1044 ブロック周辺代表色算出部
1045 ブロック色対比量算出部
1050 ブロック内ゲイン算出部
1051 合成ゲイン算出部
1101 明るさ情報算出部
1103、1203、1303、1403、1503、1603 第2奥行き推定部
1110 明るさ特性算出部
1111 周辺代表明るさ算出部
1112 明るさ対比量算出部
1113 統合奥行き度算出部
1130 統合近景画素判定部
1160 ブロック内明るさ平均部
1161 ブロック色特性算出部
1162 統合近景ブロック判定部
1180 個別ブロック内ゲイン算出部
1181 高度合成ゲイン算出部
1200 第3画像処理部
1201 周波数成分算出部
1202 周波数情報
1203 拡張奥行き推定部
1300 ブロック内周波数情報算出部
1301 拡張近景ブロック判定部
1400 拡張ブロック内ゲイン算出部
1401 拡張合成ゲイン算出部
3000 表示デバイス(表示部)
3001 ユーザモード選択部

Claims (20)

  1. 画素からなる画像を形成することができる画像信号から、前記画像信号の色情報を算出する色情報算出部と、
    入力された奥行き情報に基づいて前記画像信号の前記色情報を補正するための補正ゲインを求める補正量制御部と、
    前記補正ゲインに基づいて、前記色情報を補正する色情報補正部と、
    前記色情報補正部により補正された前記色情報を所定の形式により出力させる出力部と、
    を備える画像処理装置。
  2. 前記補正量制御部は、前記画像信号において処理対象とされている前記画素である注目画素についての前記奥行き情報が近景であることを示す度合いが大きいほど、対比効果により、近景感が高まるように前記補正ゲインを設定し、前記注目画素についての前記奥行き情報が遠景であることを示す度合いが大きいほど、対比効果により、遠景感が高まるように前記補正ゲインを設定する、
    請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記色情報補正部は、
    前記注目画素の前記色情報および前記注目画素の周辺画素の前記色情報に基づいて色対比量を算出する色特性算出部と、
    前記補正ゲインおよび前記色対比量に基づいて、前記色情報を補正するための対比補正係数を算出する補正量算出部と、
    前記対比補正係数に基づいて、前記色情報を補正する補正部と、
    を有する、
    請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記色特性算出部は、前記注目画素の前記色情報Ciおよび前記周辺画素の前記色情報の代表値ACiとの比RCi(=Ci/ACi)を前記色対比量として算出し、
    前記補正量制御部は、前記奥行き情報により、前記対比補正係数KLiの上限値および下限値を決定し、前記色対比量RCiが「1」である場合、前記対比補正係数KLiを「0」に設定し、前記対比補正係数KLiが前記色対比量RCiに対して単調となるように、前記対比補正係数KLiを設定し、
    前記補正部は、色情報補正量dCiを、前記対比補正係数KLiと前記色情報Ci、定数α1で制御することで求め、前記注目画素の補正後の補正色情報Ci_newを、Ci_new=(前記色情報Ci)+(前記色情報補正量dCi)とすることで、前記注目画素の前記色情報を補正する、
    請求項3に記載の画像処理装置。
  5. 前記色特性算出部は、前記注目画素の彩度Siおよび前記周辺画素の彩度の代表値ASiとの比RSi(=Si/ASi)を前記色対比量として算出し、
    前記補正量制御部は、前記注目画素についての前記奥行き情報が近景であることを示す度合いが最大である場合、前記対比量が「1」より大きいとき、第1近景用閾値(>0)より小さな正の値に前記対比補正係数Kiを設定し、前記対比量が「1」以下のとき、第2近景用閾値(<0)より大きな負の値に前記対比補正係数Kiを設定し、
    前記注目画素についての前記奥行き情報が遠景であることを示す度合いが最大である場合、前記対比量が「1」より大きいとき、前記第1近景用閾値より小さな値である第1遠景用閾値(>0)より小さな正の値に前記対比補正係数Kiを設定し、前記対比量が「1」以下のとき、前記第2近景用閾値より大きな値である第2遠景用閾値(<0)より大きな負の値に前記対比補正係数Kiを設定し、
    前記補正部は、彩度補正量dSiを、前記対比補正係数Kiと前記彩度Si、定数α2で制御することで求め、前記注目画素の補正後の補正色情報Si_newを、Si_new=(前記彩度Si)+(前記彩度補正量dSi)とすることで、前記注目画素の前記色情報を補正する、
    請求項4に記載の画像処理装置。
  6. 前記色特性算出部は、前記注目画素の色相Hiおよび前記周辺画素の色相の代表値AHiとの比RHi(=Hi/AHi)を前記色対比量として算出し、
    前記補正量制御部は、前記注目画素についての前記奥行き情報が近景であることを示す度合いが最大である場合、前記対比量が「1」より大きいとき、第3近景用閾値(>0)より小さな正の値に前記対比補正係数Liを設定し、前記対比量が「1」以下のとき、第4近景用閾値(<0)より大きな負の値に前記対比補正係数Liを設定し、
    前記注目画素についての前記奥行き情報が遠景であることを示す度合いが最大である場合、前記対比量が「1」より大きいとき、前記第3近景用閾値より大きな値である第3遠景用閾値(>0)より小さな正の値に前記対比補正係数Liを設定し、前記対比量が「1」以下のとき、前記第4近景用閾値より小さな値である第4遠景用閾値(<0)より大きな負の値に前記対比補正係数Liを設定し、
    前記補正部は、色相補正量dHiを、前記対比補正係数Liと前記色相Hi、定数α3で制御することで求め、前記注目画素の補正後の補正色情報Hi_newを、Hi_new=(前記色相Hi)+(前記色相補正量dHi)とすることで、前記注目画素の前記色情報を補正する、
    請求項4に記載の画像処理装置。
  7. 前記色情報補正部は、
    前記注目画素の前記色情報および前記注目画素の周辺画素の前記色情報に基づいて色対比量を算出する色特性算出部と、
    前記色対比量および前記色情報に基づいて対比補正係数制御量α4を求める対比補正量制御部と、
    前記補正ゲインおよび前記色対比量に基づいて、前記色情報を補正するための対比補正係数を算出する補正量算出部と、
    前記対比補正係数および前記対比補正係数制御量に基づいて、前記色情報を補正する補正部と、
    を有する、
    請求項2に記載の画像処理装置。
  8. 前記色情報補正部は、
    前記注目画素の明るさ情報および前記周辺画素の前記明るさ情報に基づいて明るさ対比量を算出する明るさ特性算出部をさらに有し、
    前記対比補正量制御部は、前記色対比量および前記明るさ対比量に基づいて前記対比補正係数制御量α4を求める、
    請求項7に記載の画像処理装置。
  9. 前記色特性算出部は、前記注目画素の前記色情報Ciおよび前記周辺画素の前記色情報の代表値ACiとの比RCi(=Ci/ACi)を前記色対比量として算出し、
    前記補正量制御部は、前記奥行き情報により、前記対比補正係数KLiの上限値および下限値を決定し、前記色対比量RCiが「1」である場合、前記対比補正係数KLiを「0」に設定し、前記対比補正係数KLiが前記色対比量RCiに対して単調となるように、前記対比補正係数KLiを設定し、
    前記補正部は、色情報補正量dCiを、前記対比補正係数KLiと前記色情報Ci、補正係数制御量α4で制御することで求め、前記注目画素の補正後の補正色情報Ci_newを、Ci_new=(前記色情報Ci)+(前記色情報補正量dCi)とすることで、前記注目画素の前記色情報を補正する、
    請求項7に記載の画像処理装置。
  10. 前記色特性算出部は、前記注目画素の前記色情報Ciおよび前記周辺画素の前記色情報の代表値ACiとの比RCi(=Ci/ACi)を前記色対比量として算出し、
    前記補正量制御部は、前記奥行き情報により、前記対比補正係数KLiの上限値および下限値を決定し、前記色対比量RCiが「1」である場合、前記対比補正係数KLiを「0」に設定し、前記対比補正係数KLiが前記色対比量RCiに対して単調となるように、前記対比補正係数KLiを設定し、
    前記補正部は、色情報補正量dCiを、前記対比補正係数KLiと前記色情報Ci、前記補正係数制御量α4で制御することで求め、前記注目画素の補正後の補正色情報Ci_newを、Ci_new=(前記色情報Ci)+(前記色情報補正量dCi)とすることで、前記注目画素の前記色情報を補正する、
    請求項8に記載の画像処理装置。
  11. 前記色特性算出部は、前記注目画素の彩度Siおよび前記周辺画素の彩度の代表値ASiとの比RSi(=Si/ASi)を前記色対比量として算出し、
    前記補正量制御部は、前記注目画素についての前記奥行き情報が近景であることを示す度合いが最大である場合、前記対比量が「1」より大きいとき、第1近景用閾値(>0)より小さな正の値に前記対比補正係数Kiを設定し、前記対比量が「1」以下のとき、第2近景用閾値(<0)より大きな負の値に前記対比補正係数Kiを設定し、
    前記注目画素についての前記奥行き情報が遠景であることを示す度合いが最大である場合、前記対比量が「1」より大きいとき、前記第1近景用閾値より小さな値である第1遠景用閾値(>0)より小さな正の値に前記対比補正係数Kiを設定し、前記対比量が「1」以下のとき、前記第2近景用閾値より大きな値である第2遠景用閾値(<0)より大きな負の値に前記対比補正係数Kiを設定し、
    前記補正部は、彩度補正量dSiを、前記対比補正係数Kiと前記彩度Si、前記補正係数制御量α4で制御することで求め、前記注目画素の補正後の補正色情報Si_newを、Si_new=(前記彩度Si)+(前記彩度補正量dSi)とすることで、前記注目画素の前記色情報を補正する、
    請求項9に記載の画像処理装置。
  12. 前記色特性算出部は、前記注目画素の彩度Siおよび前記周辺画素の彩度の代表値ASiとの比RSi(=Si/ASi)を前記色対比量として算出し、
    前記補正量制御部は、前記注目画素についての前記奥行き情報が近景であることを示す度合いが最大である場合、前記対比量が「1」より大きいとき、第1近景用閾値(>0)より小さな正の値に前記対比補正係数Kiを設定し、前記対比量が「1」以下のとき、第2近景用閾値(<0)より大きな負の値に前記対比補正係数Kiを設定し、
    前記注目画素についての前記奥行き情報が遠景であることを示す度合いが最大である場合、前記対比量が「1」より大きいとき、前記第1近景用閾値より小さな値である第1遠景用閾値(>0)より小さな正の値に前記対比補正係数Kiを設定し、前記対比量が「1」以下のとき、前記第2近景用閾値より大きな値である第2遠景用閾値(<0)より大きな負の値に前記対比補正係数Kiを設定し、
    前記補正部は、彩度補正量dSiを、前記対比補正係数Kiと前記彩度Si、前記補正係数制御量α4で制御することで求め、前記注目画素の補正後の補正色情報Si_newを、Si_new=(前記彩度Si)+(前記彩度補正量dSi)とすることで、前記注目画素の前記色情報を補正する、
    請求項10に記載の画像処理装置。
  13. 前記色特性算出部は、前記注目画素の色相Hiおよび前記周辺画素の色相の代表値AHiとの比RHi(=Hi/AHi)を前記色対比量として算出し、
    前記補正量制御部は、前記注目画素についての前記奥行き情報が近景であることを示す度合いが最大である場合、前記対比量が「1」より大きいとき、第3近景用閾値(>0)より小さな正の値に前記対比補正係数Liを設定し、前記対比量が「1」以下のとき、第4近景用閾値(<0)より大きな負の値に前記対比補正係数Liを設定し、
    前記注目画素についての前記奥行き情報が遠景であることを示す度合いが最大である場合、前記対比量が「1」より大きいとき、前記第3近景用閾値より大きな値である第3遠景用閾値(>0)より小さな正の値に前記対比補正係数Liを設定し、前記対比量が「1」以下のとき、前記第4近景用閾値より小さな値である第4遠景用閾値(<0)より大きな負の値に前記対比補正係数Liを設定し、
    前記補正部は、色相補正量dHiを、前記対比補正係数Liと前記色相Hi、前記補正係数制御量α4で制御することで求め、前記注目画素の補正後の補正色情報Hi_newを、Hi_new=(前記色相Hi)+(前記色相補正量dHi)とすることで、前記注目画素の前記色情報を補正する、
    請求項9に記載の画像処理装置。
  14. 前記色特性算出部は、前記注目画素の色相Hiおよび前記周辺画素の色相の代表値AHiとの比RHi(=Hi/AHi)を前記色対比量として算出し、
    前記補正量制御部は、前記注目画素についての前記奥行き情報が近景であることを示す度合いが最大である場合、前記対比量が「1」より大きいとき、第3近景用閾値(>0)より小さな正の値に前記対比補正係数Liを設定し、前記対比量が「1」以下のとき、第4近景用閾値(<0)より大きな負の値に前記対比補正係数Liを設定し、
    前記注目画素についての前記奥行き情報が遠景であることを示す度合いが最大である場合、前記対比量が「1」より大きいとき、前記第3近景用閾値より大きな値である第3遠景用閾値(>0)より小さな正の値に前記対比補正係数Liを設定し、前記対比量が「1」以下のとき、前記第4近景用閾値より小さな値である第4遠景用閾値(<0)より大きな負の値に前記対比補正係数Liを設定し、
    前記補正部は、色相補正量dHiを、前記対比補正係数Liと前記色相Hi、前記補正係数制御量α4で制御することで求め、前記注目画素の補正後の補正色情報Hi_newを、Hi_new=(前記色相Hi)+(前記色相補正量dHi)とすることで、前記注目画素の前記色情報を補正する、
    請求項10に記載の画像処理装置。
  15. 画素からなる画像を形成することができる画像信号から、前記画像信号の色情報を算出する色情報算出ステップと、
    入力された奥行き情報に基づいて前記画像信号の前記色情報を補正するための補正ゲインを求める補正量制御ステップと、
    前記補正ゲインに基づいて、前記色情報を補正する色情報補正ステップと、
    を備える画像処理方法。
  16. コンピュータを、
    画素からなる画像を形成することができる画像信号から、前記画像信号の色情報を算出する色情報算出部、
    入力された奥行き情報に基づいて前記画像信号の前記色情報を補正するための補正ゲインを求める補正量制御部、
    前記補正ゲインに基づいて、前記色情報を補正する色情報補正部、
    として機能させるためのプログラム。
  17. コンピュータを、
    画素からなる画像を形成することができる画像信号から、前記画像信号の色情報を算出する色情報算出部、
    入力された奥行き情報に基づいて前記画像信号の前記色情報を補正するための補正ゲインを求める補正量制御部、
    前記補正ゲインに基づいて、前記色情報を補正する色情報補正部、
    として機能させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
  18. 画素からなる画像を形成することができる画像信号から、前記画像信号の色情報を算出する色情報算出部と、
    入力された奥行き情報に基づいて前記画像信号の前記色情報を補正するための補正ゲインを求める補正量制御部と、
    前記補正ゲインに基づいて、前記色情報を補正する色情報補正部と、
    を備える集積回路。
  19. ユーザの指示により処理モードを選択させるユーザモード選択部と、
    前記出力部からの出力を画像として表示させる表示部と、
    をさらに備える、
    請求項1に記載の画像処理装置。
  20. 前記ユーザモード選択部は、少なくとも、前記色情報の補正の強度に関する情報を含む前記処理モードを選択させる、
    請求項19に記載の画像処理装置。
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