JP5914283B2 - シザーズ構造を有する磁気抵抗センサの磁気バイアス構造 - Google Patents

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Description

本発明は磁気データ記録に関し、より具体的にはシザーズ型磁気抵抗センサに用いる改良された磁気ハードバイアス構造に関する。
コンピュータの核心は、磁気ディスクドライブと呼ぶアセンブリである。磁気ディスクドライブは、回転磁気ディスク、サスペンションアームにより回転磁気ディスクの表層に隣接して懸架される書込み/読出しヘッド、および回転ディスク上の選択された円形トラック上に読出し/書込みヘッドを配置するようにサスペンションアームをスイングさせるアクチュエータを含む。読出し/書込みヘッドは、エアベアリング面(ABS)を有するスライダ上に直接配置される。サスペンションアームは、ディスクが回転していないとき、スライダを押し付けてディスクの表面に接触させるが、ディスクが回転すると回転ディスクにより空気が渦巻く。スライダがエアベアリングに乗ると、書込み/読出しヘッドを用いて回転ディスクに磁気的刻印を書込み、および回転ディスクから磁気的刻印を読出す。書込み/読出しヘッドは、コンピュータプログラムに従い動作して書込み/読出し機能を実現する処理回路に接続される。
書込ヘッドは、少なくとも1つのコイル、1つの書込みポール、および1つ以上の戻りポールを含む。電流がコイル内を流れたとき、結果的に生じた磁場により書込みポール内を磁束が流れ、その結果書込みポールの先端から書込み磁場が生じる。この磁場は、隣接する磁気ディスクの一部を局所的に磁化させる程度に十分強いため、多少のデータが記録される。書込み磁場は次いで、磁気媒体の磁気的に軟質な下層を通って進み、書込ヘッドの戻りポールに戻る。
巨大磁気抵抗(GMR)センサ、またはトンネル接合磁気抵抗(TMR)センサ等の磁気抵抗センサを用いて磁気媒体から磁気信号を読込むことができる。当該センサは、非磁性導電層(当該センサがGMRセンサである場合)または以下で固定層および自由層と呼ばれる第1および第2の強磁性層に挟まれた薄い非磁性電気絶縁障壁層(センサがTMRセンサである場合)を含む。磁気シールドがセンサスタックの上下に配置されていて、電流が自由層、スペーサ層および固定層の面に垂直に進む(面垂直電流(CPP)動作モード)ように第1および第2の電気的導線としても機能することができる。固定層の磁化方向はエアベアリング面(ABS)に垂直に固定され、自由層の磁化方向はABSと平行に、但し外部磁場に反応して回転自由に配置される。固定層の磁化方向は通常、反強磁性層との交換結合により固定される。
固定および自由層の磁化方向が互いに平行である場合、導電性電子の散乱は最小であり、固定および自由層の磁化方向が逆平行である場合、散乱は最大である。読出しモードにおいて、スピンバルブセンサの抵抗は、回転ディスクからの磁場の大きさに略線形に変化する。センス電流がスピンバルブセンサを通って伝導された場合、抵抗の変化により生じた電位の変化が検出されて再生信号として処理される。
データ密度を高め続けるニーズに伴い、各種の新規なセンサ構造が調べられてきた。データ密度を高める方法の一つは、ビット長を画定するセンサギャップの厚さを減らすことである。標準的なGMRまたはTMRセンサは反強磁性層を用いてセンサの固定層構造を固定する。これらの層は、反強磁性層として機能するために、他のセンサ層に相対的に極めて厚くなければならない。これは無論ギャップ厚が増すため、ビット長が長くなり、従ってデータ密度が低下する。
この難点を克服するために調べられたセンサは、シザーズセンサとして知られるセンサである。そのようなセンサは2つの自由磁気層を有し、互いに相対的に鋏の如く移動するように磁化される。そのようなセンサは、厚い反強磁性層を必要としないため、有望である。しかし、そのようなセンサは、2つの自由層の磁気バイアスに関して難点がある。従って、磁気層の堅牢で、信頼性が高く、且つ有効なバイアスを提供しながら、AFM層を除去することによりギャップ厚を薄くできるセンサに対するニーズが依然としてある。
本発明は、第1の磁気層と第2の磁気層、および第1の磁気層と第2の磁気層の間に挟まれた非磁気層を含むセンサスタック、すなわちエアベアリング面に配置された前縁、前縁の反対側に配置された後縁、および各々が前縁から後縁まで延在する第1および第2の横方向に逆向きの側面を有するセンサスタックを含む磁気センサを提供する。当該センサはまた、センサスタックにバイアス磁場を提供するようにセンサスタックの後縁に隣接して配置された磁気バイアス構造を含み、磁気バイアス構造はセンサスタックの近傍に、センサスタックの第1の側面および第2の側面に整列し、且つ張出し部を有する第1の側面および第2の側面を有するネック部を含む。
磁気センサは、磁気シールドを形成し、当該磁気シールド上に一連のセンサ層を堆積させるステップを含む方法により製造することができる。一連のセンサ層の上に第1のマスクが形成されていて、第1のマスクはセンサ構造の前部および後縁を画定するように構成される。第1のイオンミリングを実行して、第1のマスクにより保護されない一連のセンサ層の部分を除去することにより、センサ構造の前部および後縁が画定される。磁気ハードバイアス材料を堆積させて第1のマスクを除去する。次いで第2のマスクを形成し、第2のマスクは、センサ幅を画定するように構成された部分を含み、且つセンサの後縁から延在する磁気ハードバイアス構造の形状を画定するように構成された別の部分を有する。第2のイオンミリングを実行して、第2のマスクにより保護されないセンサ材料および磁気ハードバイアス材料の部分を除去する。
センサスタックの第1および第2の側面に整列したネック部を有し、且つネック部から後方に延在する先細または楔形の部分を有する新規のハードバイアス構造は、センサスタックの磁気層にバイアスをかける強く堅牢なバイアス磁場をもたらす。このバイアス磁場は、エアベアリング面に対して25〜50度の角度をなす側面エッジを有する先細または楔形の部分を形成することにより最適化することができる。
本発明の上記および他の特徴および利点は、同一参照番号で同一要素を指示する図面と合わせて、好適な実施形態の以下の詳細な説明を精査すれば明らかになろう。
本発明の性質および利点、並びに好適な利用形態をより完全に理解されるよう、以下の詳細な説明の精査と合わせて実寸大ではない添付図面を参照されたい。
本発明が実施され得るディスクドライブシステムの模式図である。 上部の磁気ヘッドの位置を示すスライダのABS図である。 本発明の一実施形態による磁気抵抗センサの拡大ABS図である。 図3の磁気抵抗センサの層の分解上面模式図である。 磁気抵抗センサおよび磁気バイアス構造の上面図である。 各種のハードバイアス構造構成のバイアス磁場を示す表である。 本発明の一実施形態による磁気センサおよびハードバイアス構造の製造方法を示す、製造の各種の中間段階における磁気センサの図である。 本発明の一実施形態による磁気センサおよびハードバイアス構造の製造方法を示す、製造の各種の中間段階における磁気センサの図である。 本発明の一実施形態による磁気センサおよびハードバイアス構造の製造方法を示す、製造の各種の中間段階における磁気センサの図である。 本発明の一実施形態による磁気センサおよびハードバイアス構造の製造方法を示す、製造の各種の中間段階における磁気センサの図である。 本発明の一実施形態による磁気センサおよびハードバイアス構造の製造方法を示す、製造の各種の中間段階における磁気センサの図である。 本発明の一実施形態による磁気センサおよびハードバイアス構造の製造方法を示す、製造の各種の中間段階における磁気センサの図である。 本発明の一実施形態による磁気センサおよびハードバイアス構造の製造方法を示す、製造の各種の中間段階における磁気センサの図である。 本発明の一実施形態による磁気センサおよびハードバイアス構造の製造方法を示す、製造の各種の中間段階における磁気センサの図である。 本発明の一実施形態による磁気センサおよびハードバイアス構造の製造方法を示す、製造の各種の中間段階における磁気センサの図である。 本発明の一実施形態による磁気センサおよびハードバイアス構造の製造方法を示す、製造の各種の中間段階における磁気センサの図である。 本発明の一実施形態による磁気センサおよびハードバイアス構造の製造方法を示す、製造の各種の中間段階における磁気センサの図である。 本発明の別の実施形態による磁気抵抗センサの上面図およびハードバイアス構造の上面図である。
以下の記述は、本発明を実施するために現在考えられる最良の実施形態である。当該記述は、本発明の一般的な原理を例示するためになされるものであり、本明細書で権利請求する発明の概念を限定するものではない。
ここで図1を参照すると、本発明を実施するディスクドライブ100を示す。図1に示すように、少なくとも1つの回転可能な磁気ディスク112がスピンドル114上で支持され、ディスク駆動モーター118により回転される。各ディスク上での磁気記録は、磁気ディスク112上の同心データトラック(図示せず)の環状パターンの形式をなす。
少なくとも1つのスライダ113が磁気ディスク112の近傍に配置されていて、各スライダ113は1つ以上の磁気ヘッドアセンブリ121を懸架している。磁気ディスクが回転するにつれて、スライダ113がディスク表面122の半径方向内側および外側へ移動することにより磁気ヘッドアセンブリ121が、所望のデータが書かれた磁気ディスクの異なるトラックにアクセスすることができる。各スライダ113は、サスペンション115によりアクチュエータアーム119に取り付けられる。サスペンション115は、ディスク表面122にスライダ113を押し付ける僅かなバネ力を提供する。各アクチュエータアーム119はアクチュエータ手段127に取り付けられる。図1に示すようにアクチュエータ手段127は、ボイスコイルモーター(VCM)であってもよい。VCMは、固定磁場内で移動可能なコイルを含み、コイルの移動方向および速度はコントローラ129により供給されるモーター電流信号により制御される。
ディスク記憶システムが動作する間、磁気ディスク112の回転は、スライダ113とディスク表面122と間にエアベアリングを生成し、スライダに上向きの力または浮力が働く。エアベアリングは従って、サスペンション115の僅かなバネ力と平衡して、通常動作の間、狭くほぼ一定の間隔でディスク表面から離れた僅かに上方にスライダ113を支持する。
ディスク記憶システムの各種構成要素は動作中、アクセス制御信号および内部クロック信号等、制御装置129が生成する制御信号により制御される。通常、制御装置129は論理制御回路、記憶手段、およびマイクロプロセッサを含む。制御装置129は、導線123上の駆動モーター制御信号および導線128上のヘッド位置およびシーク制御信号等、各種のシステム動作を制御する制御信号を生成する。導線128上の制御信号は、スライダ113をディスク112上の所望のデータトラックまで最適に移動させて位置付ける所望の電流波形を与える。記録チャネル125を介して書込みヘッド/読出しヘッド121の間で書込み/読出し信号が受け渡される。
図2を参照すると、スライダ113における磁気ヘッド121の向きを更に詳しく見ることができる。図2はスライダ113のABS図であり、同図に見られるように、誘導書込みヘッドおよび読出しセンサを含む磁気ヘッドがスライダの後縁に配置される。典型的な磁気ディスク記憶システムの上の記述および付随する図1の描写は、例示目的に過ぎない。当該ディスク記憶システムが多数のディスクおよびアクチュエータを含んでもよく、各アクチュエータがいくつかのスライダを懸架してもよいことは明らかであろう。
図3に、本発明の一実施形態による磁気センサ300のエアベアリング面(ABS)を示す。センサ300は、センサスタック302にセンス電流を供給する電気導線として機能すると共に磁気シールドとしても機能するように導電磁気材料で形成可能な第1と第2の磁気シールド304、306の間に挟まれたセンサスタック302を含む。
センサスタック302は第1および第2の磁気層308、310を含み、磁気層308、310の間に細い非磁性層312が挟まれる。センサ300は好ましくはトンネル接合センサであり、層312はMgOのような非磁性電気絶縁層である。しかし、センサ300は巨大磁気抵抗センサ(GMRセンサ)であってもよく、その場合、層312はCu、AgまたはAgSn等の非磁性導電層であろう。センサスタック302はまた、上方に形成された層に所望の結晶粒形成を開始するようにセンサスタック300の底部に設けられたシード層314を含んでいてよい。センサスタック300はまた、製造中に、下側にあるセンサ層を保護するためにRu/Ta/RuまたはRu等のキャッピング層316を含んでいてよい。磁気シールド306、304の間における、センサスタック302のいずれかの側への空間は後述のように、アルミナ等の非磁性電気絶縁材料318、320、並びに他の非磁性電気絶縁材料で満たされる。
磁気層308、310は、図示するように、磁気層の磁化方向322、324をエアベアリング面(ABS)と逆平行な方向に整列させる傾向を示す磁気異方性を有する。しかし、磁化方向322、324は、以下に更に詳しく記述する磁気バイアス構造により、ABSと完全に平行にならないように傾けられる。
図4に、磁気層308、310、および磁化方向322、324の上面分解模式図を示す。磁化方向322は、磁気層310の後ろに隠れた層308の磁化方向であることを示すために破線で示す。磁気バイアス構造402がエアベアリング面(ABS)の後ろ側に配置され、磁化方向322、324を、ABSと平行にならないように、且つ互いに完全に逆平行にならないように引き離すバイアス磁場を印加する。磁気媒体等からの外部磁場が存在する場合、磁化方向322、324は屈折して、互いに逆平行または平行である度合が大きくまたは小さくなる。磁気層308、310の相対的な向き322、324のこのような変化により、薄い障壁層312を通過する電子のスピン依存トンネル効果に基づいて、センサスタック302(図3)を通る電気抵抗が変化する。
磁化方向322、324の動作中の相対的な移動が鋏の運動に似ているため、そのようなセンサをシザーズセンサまたはシザーズTMRセンサと呼ぶことがある。そのようなシザーズセンサが効果的且つ確実に動作するために、バイアス層402により生じるバイアス磁場は、外部磁場が存在しない場合、磁化方向322、324を互いに略垂直に保つために磁気層308、310の磁気異方性を克服する程度に十分に強くなければならない。磁化方向322、324を、垂直方向に対してピボット回転するように、上述の向きに保つことにより、センサ等からの処理された信号が信号曲線の線形領域内に存在することが保証される。従って、優れたセンサ性能を提供するために、堅牢なバイアスがかけられるハードバイアス構造402を提供することが必要である。
図5に、本発明の一実施形態によるセンサスタック302およびハードバイアス構造402の拡大図を示す。センサスタック302およびハードバイアス構造の外側領域は、アルミナ等の非磁性電気絶縁材料で満たすことができ、図3に関して上で述べた充填層318、320を含んでいてもよい。また、センサ302は、アルミナ等の材料であって、好適にはハードバイアス層402を通るセンス電流の分路を防止するために底部シールド304を覆う薄い非磁性電気絶縁層505により、ハードバイアス構造402から分離される。
同図に示すように、ハードバイアス構造は、センサスタック302の第1および第2の側面510、512と略平行であって整列している側面506、508を有するネック部504を含む。ハードバイアス構造402はまた、張出し側面510、512を有する張出し部を含む。これらの張出し側面510、512は好適には、エアベアリング面(ABS)に平行な平面に対して25〜50度の角度Θをなす。発明者らは、ネック部504と共に、この角度範囲がシザーズ型センサ用の最適なバイアス磁場をもたらすことを見出した。
上述のハードバイアス構造402の利点について、各種のハードバイアス層の形状に対するハードバイアス磁場を示す図6を参照することで理解を深めることができる。図6の表のために、ハードバイアス磁場(HBF)はセンサ302(図5)の中央で測定された磁場である。図6の表において、センサから真っ直ぐ後向きに延在する基本ハードバイアス構造をカラムIに示し、他のハードバイアス形状の基準として用いる。これが基準形状であるため、カラムIの当該構造のHBFは、他の形状との比較のためゼロと表記される。カラムIIに、センサよりかなり広いが、センサから外側へ真っ直ぐ延在するバイアス構造がカラムIの構造と比較してバイアス磁場が50%増大することを示す。カラムIIIは、センサ(例えばネック部でない)のちょうど後縁で先細が始まる楔形(すなわち、浅い先細前縁)をなすバイアス構造のバイアス磁場において、バイアス磁場を84%増大させることを示す。カラムIVは、カラムIIIと同様であるが、先細がより鋭い構造を示し、当該構造がバイアス磁場を99%増大させることを示す。カラムIIIにおいて、先細角度は、エアベアリング面に平行な平面に対して25〜50度である。カラムVは、浅い先細を有し、且つセンサの後縁でネック部を有するバイアス構造を示す。同図に示すように、当該構造はバイアス磁場を109%増大させる。最後に、カラムVIは、ネックおよび鋭利な先細楔(エアベアリング面に対して25〜50度の角度をなす)の両方を有するバイアス構造からのバイアス磁場を示す。この構造は、カラムIの構造と比較して117%増大したバイアス磁場をもたらす。同図に示すように、カラムVIのこの構造は、図6に示す全ての構造で最も強いバイアス磁場をもたらす。
図18に、本発明の別の実施形態によるハードバイアス構造1800を有する磁気抵抗センサ302の上面図を示す。図5に関して上で述べた実施形態と同様に、ハードバイアス構造1800は、センサ302の後縁から延在し、薄い絶縁層505によりセンサから分離される。ハードバイアス構造は、ネック部504を含む。当該バイアス構造はまた、ABSに対して25〜50度の角度Θをなす前縁部1702(ネック504に最も近い)を有する張出し部を含む。ハードバイアス構造1800はまた、第1の縁部1702よりもネック部504から遠い第2の先細縁部1704を含み、縁1704はABSに対してΘより大きいが90度未満の角度をなしている。
図7〜17に、本発明の一実施形態による磁気バイアス構造を有するシザーズ型磁気センサの製造方法を示す。特に図7を参照すると、アルミナ等の非磁性電気絶縁材料の層であり得る基板702が設けられる。NiFe等の材料で作られた導電磁気シールド704が基板702の上または内部に形成されている。シールド704は好適には、当該シールドが基板702に埋め込まれて、基板702の表面と同一平面である上面を有するように作られている。一連のセンサ層706が磁気シールド704および基板702の上に堆積される。一連のセンサ層は、図3に関して上で述べたセンサスタック302の層を含んでいてよいが、他の各種構造を有するセンサの層も含んでいてよい。一連のセンサ層706は好適には、ダイヤモンド状炭素(DLC)または非晶質炭素等の化学機械研磨への耐性を有する材料(耐CMP材料)の層を最上部に含む。
次いで図8を参照すると、マスク構造802が形成される。当該マスク構造は、各種の層を含んでいてよい。これらの各種のマスク層は例えば、好適には化学機械研磨に耐性を有する材料で作られた底部ハードマスク層804、DURIMIDE(登録商標)等の画像転写層806、任意選択の最上部ハードマスク/底部反射防止コーティング層808、およびフォトレジスト層810を含んでいてよい。フォトレジスト層810は、フォトリソグラフィパターニングおよび現像処理により所望のようにパターニングすることができ、当該画像転写層のパターンは1つ以上の反応性イオンエッチング処理および/またはイオンミリングにより下側の層804、806、808に転写することができる。パターニングされたマスク802は、中央被覆部804(センサ領域および中心部のいずれの端に第1および第2の開口部を画定する)を有する。(ABS)と表記した破線によりエアベアリング面の平面の位置を示す。従って、マスクの開口部は、センサ領域の前側と後側にある。マスク802のパターンは、マスク802およびセンサ層706が露出する開口部の上面図を示す図9を参照することにより理解が深まるであろう。
マスクがこのように形成された状態で、イオンミリング処理を実行してマスク(例:マスク802内の開口部から露出する部分)により保護されないセンサ層706の部分を除去し、図10に示すように構造を残す。次いで、図11に示すように、薄い絶縁層1102に続いて、高い保磁力を有する磁気材料(硬磁性材料)1104の層が堆積される。絶縁層はSiNであってよく、好適にはイオンビーム堆積等のコンフォーマル堆積処理により約30オングストロームの厚さに堆積される。硬磁性材料1104は、CoPtまたはCoPtCr等の材料で作られていてよく、好適にはセンサ層706の高さとほぼ同じ厚さに堆積される。ハードバイアス層1104は好適には絶縁層の厚さの約4倍または約120オングストロームの厚さに堆積される。
次いで、ダイヤモンド状炭素(図示せず)のような化学機械研磨への耐性を有する材料(耐CMP材料)の別の層が堆積される。次いでリンクルベイク処理が実行され、これにマスク802を除去する化学的除去処理が続く。これに続いて化学機械研磨処理が実行され、次いで耐CMP材料を除去する反応性イオンエッチングがこれに続く。これらの処理により、ハードバイアス層1104およびセンサ材料706全体にわたり滑らかな平坦面1202を有する、図12に示すような平坦化された構造が得られる。
ここで図13を参照すると、別のマスク構造1302が形成されている。先に形成されたマスク802と同様に、マスク1302は、DLC等の耐CMPハードマスク1304、DURIMIDE(登録商標)等の画像転写層1306、任意選択の最上部ハードマスク/底部反射防止コーティング層1308、およびフォトレジストマスク1310を含んでいてよい。フォトレジストマスク1310はフォトリソグラフィにより所望のマスク形状にパターニングされ、フォトレジストマスク1310の形状を1つ以上の反応性イオンエッチング処理により下側の層1304、1306、1308に転写できる。
マスク1302のパターンは、上面図を示す図14を参照すれば分かり易い。同図に示すように、マスク1302は、ハードバイアス材料1104の2つの部分間にあるセンサ材料層506の一部にわたり延在する、狭く幅が一定のスロート部1402を有する。しかし好適には、スロート部1402もまた、ハードバイアス材料1104に僅かに懸る程度に延在している。このスロート部1402は、センサ302の幅を画定し、且つハードバイアス構造402(図5に関して上で述べた)のネック部分504を画定する幅を有する。マスク1302はまた、ハードバイアス材料1104の上に形成された張出し部1404を有する。この張出し部は、後述するようにハードバイアス層構造の楔形または先細部分を画定する。
第2のマスク1302が所定位置にある状態で、第2のイオンミリングを実行してマスク1302により保護されないセンサ材料706およびハードバイアス材料1104を除去することができる。次いで、図15を参照すると、充填層が堆積される。これは最も好適には、30オングストロームのSiN等の拡散防止層1502を堆積し、これに続いてアルミナ等の非磁性誘電充填層1504、これに続いて約2オングストロームのダイヤモンド状炭素(DLC)等の耐CMP層を堆積させるステップを含む。
次いでこれにマスク1302の全てまたは一部を除去するリンクルベイク処理および化学的除去処理が続き、マスク材が残留していれば除去して当該構造を分極化させる化学機械研磨処理がこれに続いてもよい。次いで反応性イオンエッチングRIEを実行して、耐CMP材料1506、1304が残留していれば全て除去することができる。これにより、マスク1302および耐CMP材料が全て除去され、センサ材料706、ハードバイアス材料1104、および充填層1504の全体にわたり滑らかな平坦面を有する図16に示すような構造が得られる。
次いで、当該構造の上に磁気材料を電気メッキして、上部シールド(図16には示していないが、図3のシールド306として示す)を形成することができる。図17に、図16の構造の上面図を示す。センサおよび他の任意の必要な構造(書込ヘッド等、図示せず)が形成された後で、ダイシングおよびラッピング動作を実行してエアベアリング面を画定することができる。ラッピング動作は矢印1702で示す方向から材料を除去し、エアベアリング面の平面(破線のABS)に達した時に終了する。
各種の実施形態について上で述べたが、これらは例示目的に過ぎず限定的でないことを理解されたい。本発明の範囲に含まれる他の実施形態もまた、当業者には明らかになろう。従って、本発明の幅および範囲は、上述の例示的な実施形態には一切限定されず、以下の請求項およびその等価物のみに従い定義されるものとする。
100 ディスクドライブ
112 磁気ディスク
113 スライダ
114 スピンドル
115 サスペンション
118 ディスク駆動モーター
119 アクチュエータアーム
121 磁気ヘッドアセンブリ
122 ディスク表面
123 導線
125 記録チャネル
127 アクチュエータ手段
128 導線
129 制御装置
300 磁気センサ
302 センサスタック
304,306 磁気シールド
308,310 磁気層
312 非磁性層
314 シード層
316 キャッピング層
318,320 非磁性電気絶縁材料
322,324 磁化方向
402 ハードバイアス構造
504 ネック部
505 非磁性電気絶縁層
506,508 側面
510,512 張出し側面
702 基板
704 シールド
706 センサ層
802 マスク構造
804 底部ハードマスク層
806 画像転写層
808 最上部ハードマスク/底部反射防止コーティング層
810 フォトレジスト層
1102 絶縁層
1104 ハードバイアス材料
1302 マスク
1304 耐CMP材料
1306 画像転写層
1308 最上部ハードマスク/底部反射防止コーティング層
1310 フォトレジストマスク
1402 スロート部
1404 張出し部
1502 拡散防止層
1504 充填層
1506 耐CMP材料
1702 縁部
1704 先細縁部

Claims (12)

  1. 第1の磁気層と第2の磁気層、および前記第1の磁気層と第2の磁気層の間に挟まれた非磁気層を含むセンサスタックであって、エアベアリング面に配置された前縁、前記前縁の反対側に配置された後縁、および各々が前記前縁から前記後縁まで延在する第1および第2のセンサスタック側面を有するセンサスタックと、
    前記センサスタックにバイアス磁場を提供するための前記センサスタックの前記後縁に隣接して配置された磁気バイアス構造であって、縁を有する張出し部と、第1のネック側面および第2のネック側面を有し、前記張出し部から延びるネック部と、を含み、前記センサスタックの近傍に、前記ネック部が前記センサスタックの前記第1および第2のセンサスタック側面に整列する、磁気バイアス構造と、
    を含む、磁気センサ。
  2. 前記磁気バイアス構造の前記張出し部の縁は、前記エアベアリング面に平行な平面に対して90度より小さく25以上の角度をなす、請求項1に記載の磁気センサ。
  3. 前記磁気バイアス構造の前記張出し部の縁は、前記エアベアリング面に平行な平面に対して25〜50度の角度をなす、請求項1に記載の磁気センサ。
  4. 前記磁気バイアス構造、非磁性電気絶縁層により前記センサスタックから分離される、請求項1に記載の磁気センサ。
  5. 前記センサスタックの前記第1の磁気層および第2の磁気層の各々、外部磁場の存在に反応して移動自由である磁化を各々有する磁化自由層である、請求項1に記載の磁気センサ。
  6. 前記第1の磁気層および第2の磁気層の各々、前記エアベアリング面に平行な方向に向けられた磁気異方性を有し、
    前記第1の磁気層および第2の磁気層、前記第1の磁化方向および第2の磁化方向が互いに逆平行に向く傾向があるように逆平行に結合されていて、
    前記バイアス磁場、前記第1の磁気層および第2の磁気層の磁化方向から、前記エアベアリング面に平行でない方向に偏向する、請求項1に記載の磁気センサ。
  7. 前記磁気バイアス構造からの前記バイアス磁場、外部磁場が存在しない場合、前記第1の磁気層および第2の磁気層の磁化方向を前記エアベアリング面に対して45度に向ける、請求項6に記載の磁気センサ。
  8. 前記磁気バイアス構造からの前記バイアス磁場、外部磁場が存在しない場合、前記第1の磁気層および第2の磁気層の磁化方向を互いに90度に向ける、請求項6に記載の磁気センサ。
  9. 前記磁気バイアス構造材料を含む、請求項1に記載の磁気センサ。
  10. 前記磁気バイアス構造CoPtを含む、請求項1に記載の磁気センサ。
  11. 前記磁気バイアス構造CoPtCrを含む、請求項1に記載の磁気センサ。
  12. 前記張出し部、前記エアベアリング面に対して25〜50度の角度をなす第1の縁部、および前記エアベアリング面に対して前記第1の縁部の角度より大きいが90度より小さい角度をなす第2の縁部を有する、請求項1に記載の磁気センサ。

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