JP5914162B2 - 真空ポンプ - Google Patents

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Description

本発明は、駆動機の回転軸に取付けられるロータを有する真空ポンプに関する。
一般に、駆動機に取り付けられるケーシング本体と、このケーシング本体に形成されて当該ケーシング本体の端部に開口を有する中空形状のシリンダ室と、前記シリンダ室内を回転駆動されるロータと、前記シリンダ室の前記開口を塞ぐサイドプレートと、前記サイドプレートを挟んで前記ロータと反対側に配置されて前記ケーシング本体に固定されるポンプカバーとを備える真空ポンプが知られている。この種の真空ポンプは、例えば、自動車のブレーキ倍力装置を作動させるための真空を発生させるために使用され、ケーシングのシリンダ室内でロータを電動モータ等の駆動機で駆動することによって真空を得ることができる(例えば、特許文献1参照)。
米国特許第6491501号明細書
ところで、従来の構成では、サイドプレートとポンプカバーとの間に形成される空間は、大気圧となっているのに対し、このサイドプレートを挟んだロータの軸孔付近は、ロータとサイドプレートとの隙間を通じて、真空ポンプの運転中に発生する負圧の空間と連通することにより、当該軸孔付近が大気圧以下(すなわち負圧)となることがある。
このため、例えば、サイドプレートをカーボン等の剛性の低い材料で形成した場合には、サイドプレートが圧力差によって撓み、真空ポンプの運転中に、ロータとサイドプレートとが接触するため、ロータ及びサイドプレートが摩耗し、真空ポンプの耐久性が低下するといった問題が想定された。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、簡単な構成でロータ及びサイドプレートの摩耗を抑制して真空ポンプの耐久性の低下を防止することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、ケーシング本体の端部に開口を有する中空形状のシリンダ室と、前記シリンダ室内を回転駆動されるロータと、前記シリンダ室の前記開口を塞ぐサイドプレートと、前記サイドプレートを挟んで前記ロータと反対側に配置されて前記ケーシング本体に固定されるポンプカバーとを備える真空ポンプにおいて、前記サイドプレートには、前記ロータの軸孔に対向し、当該サイドプレートと前記ポンプカバーとの間の空間に連通する連通口が設けられていることを特徴とする。
この構成によれば、サイドプレートには、ロータの軸孔に対向して、当該サイドプレートとポンプカバーとの間の空間に連通する連通口が設けられているため、ロータの軸孔付近と上記空間との圧力差を抑制することができる。このため、ロータとサイドプレートとの接触が防止されることにより、当該ロータ及びサイドプレートの摩耗が抑制され、真空ポンプの耐久性を向上させることができる。
この構成において、連通口は、ロータを回転する回転軸の軸径よりも小さく形成されていても良い。この構成によれば、連通口を通流する空気量を抑えることができるため、ロータが回転される際の圧縮率の低下が防止され、真空ポンプの性能の低下を防止できる。
また、前記連通口は、前記ロータの軸孔の軸心上に形成されていても良い。この構成によれば、連通口は、ロータが回転した際の圧縮、膨張に最も影響を及ぼさない位置に設けられるため、ロータが回転される際の圧縮率の低下が防止され、真空ポンプの性能の低下を防止できる。
また、前記ケーシング本体と前記ポンプカバーとの間には、前記シリンダ室の周囲に、当該シリンダ室から外部への排気経路と前記空間とを隔離するシール部材が配置されていても良い。この構成によれば、シール部材により、上記空間内に排気が流入することが防止され、ロータとサイドプレートとの接触を確実に防止することができる。
本発明によれば、サイドプレートには、ロータの軸孔に対向して、当該サイドプレートとポンプカバーとの間の空間に連通する連通口が設けられているため、ロータの軸孔付近と上記空間との圧力差を抑制することができる。このため、ロータとサイドプレートとの接触が防止されることにより、当該ロータ及びサイドプレートの摩耗が抑制され、真空ポンプの耐久性を向上させることができる。
本実施形態に係る真空ポンプを使用したブレーキ装置の概要図である。 真空ポンプの側部部分断面図である。 真空ポンプをその前側から見た図である。 図2の部分拡大図である。 ロータの軸心とサイドプレートとの関係を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明に係る好適な実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る真空ポンプ1を負圧源として使用したブレーキ装置100の概要図である。ブレーキ装置100は、例えば、自動車等の車両の左右の前輪に取り付けられたフロントブレーキ2A,2B、及び左右の後輪に取り付けられたリアブレーキ3A,3Bを備えている。これらの各ブレーキは、マスターシリンダ4とブレーキ配管9によりそれぞれ接続されており、マスターシリンダ4からブレーキ配管9を介して送られる油圧によって各ブレーキが作動する。
また、ブレーキ装置100は、ブレーキペダル5と連結されたブレーキブースター(ブレーキ倍力装置)6を備え、このブレーキブースター6には、空気配管8を介して、真空タンク7及び真空ポンプ1が直列に接続されている。ブレーキブースター6は、真空タンク7内の負圧を利用してブレーキペダル5の踏力を倍力するものであり、小さな踏力でマスターシリンダ4のピストン(図示せず)を移動させることにより、十分なブレーキ力を引き出せるようになっている。
真空ポンプ1は、車両のエンジンルーム内に配置され、真空タンク7内の空気を車両外部へ排出し、当該真空タンク7内を真空状態とする。なお、自動車等に用いる真空ポンプ1の使用範囲は、例えば、−60kPa〜−80kPaである。
図2は、真空ポンプ1の側部部分断面図であり、図3は、図2の真空ポンプ1をその前側(同図中の右側)から見た図である。ただし、図3は、シリンダ室Sの構成を示すべく、ポンプカバー24、サイドプレート26等の部材を取り外した状態を図示している。なお、以下では、説明の便宜上、図2および図3の上部にそれぞれ矢印で示す方向が、真空ポンプ1の上下前後左右を示すものとして説明する。また、前後方向については軸方向、左右方向については幅方向ともいう。
図2に示すように、真空ポンプ1は電動モータ(駆動機)10と、この電動モータ10を駆動源として作動するポンプ本体20とを備えており、これら電動モータ10及びポンプ本体20が一体に連結された状態で自動車等の車体に固定支持されている。
電動モータ10は、略円筒形状に形成されたケース11の一方の端部(前端)の略中心からポンプ本体20側(前側)に向かって延びる出力軸(回転軸)12を有している。出力軸12は、ポンプ本体20を駆動する駆動軸として機能するものであり、前後方向に延びる回転中心X1を基準として回転する。出力軸12の先端部12Aには、ポンプ本体20のロータ27が一体に回転可能に連結される。
電動モータ10は、電源(図示略)の投入により、出力軸12が、図3中の矢印R方向(反時計回り)に回転し、これによりロータ27を、回転中心X1を中心として同方向(矢印R方向)に回転させるようになっている。
ケース11は、有底円筒形状に形成されたケース本体60と、このケース本体60の開口を塞ぐカバー体61とを備え、ケース本体60は、開口の周縁部60Aが外方に折り曲げて形成されている。カバー体61は、ケース本体60の開口と略同径に形成された円板部61Aと、この円板部61Aの周縁から軸方向に環状に延出し、ケース本体60の内周面に嵌まる円筒部61Bと、この円筒部61Bの周縁を外方に折り曲げて形成した屈曲部61Cとを備えて一体に形成される。円板部61A及び円筒部61Bは、ケース本体60内に進入し、屈曲部61Cがケース本体60の周縁部60Aに当接して固定されている。これにより、電動モータ10には、ケース11の一方の端部(前端)が内側に窪み、ポンプ本体20がインロー嵌合により取り付けられる嵌合穴部63が形成される。
また、円板部61Aの略中央には、出力軸12が貫通する貫通孔61Dと、この貫通孔61Dの周囲にケース本体60の内側に延びる円環状のベアリング保持部61Eとが形成され、このベアリング保持部61Eの内周面61Fに、上記出力軸12を軸支するベアリング62の外輪が保持される。
ポンプ本体20は、図2に示すように、電動モータ10のケース11の前側に形成された嵌合穴部63に嵌合されるケーシング本体22と、このケーシング本体22内に一体に鋳込まれてシリンダ室Sを形成するシリンダ部23と、当該ケーシング本体22を前側から覆うポンプカバー24とを備えている。本実施形態ではケーシング本体22、シリンダ部23及びポンプカバー24を備えて、真空ポンプ1のケーシング31を構成している。
ケーシング本体22は、例えば、アルミニウム等の熱伝導性の高い金属材料を用いて、図3に示すように、前側から見た形状が上記した回転中心X1を略中心とした上下方向に長い略矩形に形成されている。ケーシング本体22の上部には、このケーシング本体22に設けられたシリンダ室S内に連通する連通孔22Aが形成され、この連通孔22Aには真空吸込ニップル30が圧入されている。この真空吸込ニップル30は、図2に示すように、上向きに延びる直管であり、当該真空吸込ニップル30の一端30Aには、外部機器(例えば、真空タンク7(図1参照))から負圧空気を供給するための管またはチューブが接続される。
ケーシング本体22には、前後方向に延びる軸心X2を基準とした孔部22Bが形成され、この孔部22Bに円筒状に形成されたシリンダ部23が一体に鋳込まれている。具体的には、シリンダ部(シリンダライナ)23を金型にセットした状態で、この金型に注湯することにより当該シリンダ部23を一体に鋳込んだケーシング本体22(ケーシング31)が鋳造される。なお、本実施形態では、シリンダ部23をケーシング本体22に一体に鋳込む構成としているが、これに限るものではなく、シリンダ部23を予め鋳造されたケーシング本体22の孔部22Bに圧入する構成としても良い。
軸心X2は、上述の電動モータ10の出力軸12の回転中心X1に対して平行で、かつ、図2に示すように、回転中心X1に対して左側斜め上方に偏心している。本構成では、回転中心X1を中心とするロータ27の外周面27Bが、軸心X2を基準に形成されているシリンダ部23の内周面23Aに接するように軸心X2が偏心されている。
シリンダ部23は、ロータ27と同一の金属材料(本実施形態では、鉄)で形成されている。この構成では、シリンダ部23とロータ27とは熱膨張係数が同じなので、シリンダ部23及びロータ27の温度変化にかかわらず、ロータ27が回転した際の当該ロータ27の外周面27Bとシリンダ部23の内周面23Aとの接触を防止できる。なお、シリンダ部23及びロータ27は、略同じ程度の熱膨張係数を有する金属材料であれば、異なる材料を用いても構わない。
また、ケーシング本体22に形成された孔部22Bにシリンダ部23を一体に鋳込むことにより、ケーシング本体22の前後方向の長さ範囲内でシリンダ部23を収容することができるため、このシリンダ部23がケーシング本体22から突出することが防止され、ケーシング本体22の小型化を図ることができる。
更に、ケーシング本体22はロータ27よりも熱伝導性の高い材料で形成されている。これによれば、ロータ27及びベーン28が回転駆動した際に発生した熱がケーシング本体22に速やかに伝達できることにより、ケーシング本体22から十分に放熱することができる。
シリンダ部23には、上記したケーシング本体22の連通孔22Aとシリンダ室S内とを繋ぐ開口23Bが形成されており、真空吸込ニップル30を通じた空気は、連通孔22A,開口23Bを通じてシリンダ室S内に供給される。このため、本実施形態では、真空吸込ニップル30、ケーシング本体22の連通孔22A及びシリンダ部23の開口23Bを備えて吸気経路32が形成される。また、ケーシング本体22及びシリンダ部23の下部には、これらケーシング本体22及びシリンダ部23を貫通し、シリンダ室Sで圧縮された空気が吐出される吐出口22C,23Cが設けられている。
シリンダ部23の後端および前端には、それぞれシリンダ室Sの開口を塞ぐサイドプレート25,26が配設されている。これらサイドプレート25,26は、その直径がシリンダ部23の内周面23Aの内径よりも大きく設定されており、シールリング25A,26Aにより付勢されて、シリンダ部23の前端及び後端にそれぞれ押し付けられている。これにより、シリンダ部23の内側は、真空吸込ニップル30に連なる開口23B及び吐出口23C,22Cを除いて、密閉されたシリンダ室Sが形成される。
シリンダ室Sには、ロータ27が配設されている。ロータ27は、電動モータ10の回転中心X1に沿って延びる円柱形状を有し、ポンプ本体20の駆動軸である出力軸12が挿通される軸孔27Aを有すると共に、この軸孔27Aから径方向に離れた位置に、複数のガイド溝27Cが軸孔27Aを中心とする等角度間隔で周方向に間隔を空けて設けられる。
ロータ27の前後方向の長さは、シリンダ部23のシリンダ室Sの長さ、すなわち、上述の2枚にサイドプレート25,26の相互に対向する内面間の距離と略等しく設定され、ロータ27とサイドプレート25,26との間は略閉塞されている。
また、ロータ27の外径は、図3に示すように、ロータ27の外周面27Bが、シリンダ部23の内周面23Aのうちの右斜め下方に位置する部分と微小なクリアランスを保つように設定されている。これにより、図3に示すように、ロータ27の外周面27Bと、シリンダ部23の内周面23Aとの間には、三日月形状の空間が構成される。
ロータ27には、三日月形状の空間を区画する複数(本例では5枚)のベーン28が設けられている。ベーン28は、板状に形成されていて、その前後方向の長さは、ロータ27と同様、2枚のサイドプレート25,26の相互に対向する内面間の距離と略等しくなるように設定されている。これらベーン28は、ロータ27に設けられたガイド溝27Cから出没自在に配設されている。各ベーン28は、ロータ27の回転に伴い、遠心力によってガイド溝27Cに沿って外側へ突出し、その先端をシリンダ部23の内周面23Aに当接させる。これにより、上述の三日月形状の空間は、相互に隣接する2枚のベーン28,28と、ロータ27の外周面27Bと、シリンダ部23の内周面23Aとによって囲まれる5つの圧縮室Pに区画される。これら圧縮室Pは、出力軸12の回転に伴うロータ27の矢印R方向の回転に伴い、同方向に回転し、その容積が、開口23B近傍で大きく、一方、吐出口23Cで小さくなる。つまり、ロータ27、ベーン28の回転により、開口23Bから1つの圧縮室Pに吸入された空気は、ロータ27の回転に伴って回転しつつ圧縮されて、吐出口23Cから吐出される。
本構成では、シリンダ部23は、図2に示すように、このシリンダ部23の軸心X2が回転中心X1に対して左側斜め上方に偏心してケーシング本体22に形成されている。このため、ケーシング本体22内には、シリンダ部23が偏心したのと反対の方向に大きなスペースを確保することができ、このスペースにはシリンダ部23の周縁部に沿って、吐出口23C、22Cに連通する膨張室33が形成されている。
膨張室33は、シリンダ部23の下方から出力軸12の上方に至るまで、当該シリンダ部23の周縁部に沿った大きな閉空間として形成され、ポンプカバー24に形成された排気口24Aに連通している。この膨張室33に流入した圧縮空気は、当該膨張室33内で膨張、分散して当該膨張室33の隔壁にぶつかって乱反射する。これにより、圧縮空気の音エネルギが減衰されるため、排気する際の騒音及び振動の低減を図ることができる。本実施形態では、ケーシング本体22及びシリンダ部23にそれぞれ形成された吐出口22C,23C、膨張室33及び排気口24Aを備えて排気経路37を構成する。
本実施形態では、シリンダ部23をロータ27の回転中心X1から偏心して配置することにより、ケーシング本体22にはシリンダ部23の上記回転中心X1側の周縁部に大きなスペースを確保することができる。このため、このスペースに大きな膨張室33を形成することにより、ケーシング本体22に膨張室33を一体に形成することができるため、当該膨張室33をケーシング本体22の外部に設ける必要がなく、ケーシング本体22の小型化を図ることができ、ひいては真空ポンプ1の小型化を図ることができる。
ポンプカバー24は、前側のサイドプレート26にシールリング26Aを介して配置され、ケーシング本体22にボルト66で固定されている。ケーシング本体22の前面には、図2に示すように、シリンダ部23や膨張室33を囲んでシール溝22Dが形成され、このシール溝22Dには環状のシール材67が配置されている。ポンプカバー24には、膨張室33に対応する位置に排気口24Aが設けてある。この排気口24Aは、膨張室33に流入した空気を機外(真空ポンプ1の外部)に排出するためのものであり、この排気口24Aは、機外からポンプ内への空気の逆流を防止するためのチェックバルブ29が取り付けられている。
上記したように、真空ポンプ1は、電動モータ10とポンプ本体20とを連結して構成されており、電動モータ10の出力軸12に連結されたロータ27及びベーン28がポンプ本体20のシリンダ部23内で摺動する。このため、ポンプ本体20を電動モータ10の出力軸12の回転中心X1に合わせて組み付けることが重要である。
このため、本実施形態では、電動モータ10は、ケース11の一端側に出力軸12の回転中心X1を中心とした嵌合穴部63が形成されている。一方、ケーシング本体22の背面には、図2に示すように、シリンダ室Sの周囲に後方へ突出した円筒状の嵌合部22Fが一体に形成されている。この嵌合部22Fは、電動モータ10の出力軸12の回転中心X1と同心に形成されており、電動モータ10の嵌合穴部63にインロー嵌合する外径に形成されている。
このため、本構成では、電動モータ10の嵌合穴部63にケーシング本体22の嵌合部22Fを嵌め込むだけで、簡単に中心位置を合わせることができ、電動モータ10とポンプ本体20との組み付け作業を容易に行うことができる。また、ケーシング本体22の背面には、嵌合部22Fの周囲にシール溝22Eが形成され、このシール溝22Eには環状のシール材35が配置されている。
次に、ロータ27と出力軸12との連結構造について説明する。
出力軸12の先端部12Aには雄ねじ(不図示)が形成されており、この雄ねじがロータ27を軸方向に貫通する軸孔27Aの一部に設けられた雌ねじ(不図示)と係合し、出力軸12とロータ27とが一体に回転可能に連結される。さらに、出力軸12の雄ねじには、ロータ27の先端(サイドプレート26)側でナット70が係合されることにより、ロータ27の出力軸12の先端側への移動が規制されている。
出力軸12は、図4に示すように、先端部12Aが基部12Cよりも縮径して形成され、この縮径した先端部12Aの外周面に雄ねじが形成されている。
一方、ロータ27の軸孔27Aは、出力軸12の基部12Cが嵌る軸保持部27Eと、この軸保持部27Eよりも縮径した孔部27Fと、これら孔部27F及び軸保持部27Eよりも拡径した凹部27Hとを備え、上記孔部27Fの内周面に雌ねじが形成されている。軸保持部27Eは、雌ねじが形成された孔部27Fよりも軸方向に長く、具体的には、ロータ27の全長の半分よりも長く形成されている。また、軸保持部27Eは、出力軸12の基部12Cと略同一径に形成されている。これにより、ロータ27は、全長の半分以上に亘って出力軸12の基部12Cと嵌合しているため、このロータ27の傾斜が防止される。
凹部27Hは、ロータ27の前端面27Gに開口しており、この凹部27H内には、出力軸12の雄ねじの先端部が延出し、当該凹部27H内にて当該雄ねじにナット70が螺合される。本実施形態では、凹部27H内に延出する出力軸12の軸端の長さ及びナット70の厚みは、それぞれ凹部27Hの深さと略同一もしくは、わずかに小さく設定されており、ロータ27の前端面27Gから出力軸12やナット70が突出しないようになっている。また、凹部27Hの内径は、この凹部27H内に配置されるナット70を治具(例えばソケットレンチ等)によって締め込み可能な大きさに設定されている。
本構成では、出力軸12の雄ねじにロータ27の雌ねじ及びナット70の雌ねじがそれぞれ螺合することにより、これらロータ27及びナット70が、いわゆるダブルナットの効果を発揮する。このため、ロータ27は、出力軸12に対してラジアル方向及びスラスト方向に移動することが規制されることにより、ロータ27とサイドプレート25,26との接触が簡単な構成で防止され、当該ロータ27及びサイドプレート25,26の摩耗が抑制され、真空ポンプ1の耐久性を向上させることができる。
さらに、本構成では、上記した出力軸12の雄ねじは、左ねじ(逆ねじ)に形成されており、ポンプを前面側から見た際に、ロータ27を出力軸12と同一の方向(反時計回り)に回転させることで、このロータ27が出力軸12に連結されるようになっている。この構成では、真空ポンプ1が停止する度に、ロータ27には、出力軸12にねじ込まれる方向の力が作用するため、真空ポンプ1のように発停を繰り返す機器においても、ロータ27及びナット70の緩みが防止することができる。
ところで、この種の真空ポンプでは、従来、前側のサイドプレート26とポンプカバー24との間に形成される空間80には、ケーシング本体22とポンプカバー24との隙間を通じて排気経路37の空気が侵入することにより、当該空間80は大気圧となる。これに対して、サイドプレート26を挟んだロータ27の軸孔27Aは、ロータ27とサイドプレート26との隙間を通じて、真空ポンプ1の運転中に発生する負圧の空間(吸気経路32)と連通することにより、当該軸孔27A内が大気圧以下(すなわち負圧)となることがある。
本構成では、サイドプレート26をカーボン等の剛性の低い材料で形成しているため、このサイドプレート26が圧力差によって撓み、真空ポンプ1の運転中に、ロータ27とサイドプレート26とが接触するため、サイドプレート26が摩耗し、真空ポンプ1の耐久性が低下するといった問題が生じうる。
このため、本構成では、図4に示すように、ロータ27とポンプカバー24との間に配置されるサイドプレート26には、ロータ27の軸孔27Aに対向し、当該サイドプレート26とポンプカバー24との間の空間80に連通する連通口261が設けられている。この連通口261は、軸孔27Aと上記空間80とを連通し、これら軸孔27Aと上記空間80との間の圧力差を解消できる程度の大きさに形成されていれば良く、本実施形態では、出力軸12の先端部12Aの軸径よりも小さく形成されている。
この構成によれば、ロータ27の軸孔27Aと上記空間80との圧力差を抑制することができるため、例えば、サイドプレート26をカーボン等の剛性の低い材料で形成した場合であっても、このサイドプレート26が圧力差で撓むことを防止できる。このため、ロータ27とサイドプレート26との接触が防止されることにより、当該ロータ27及びサイドプレート26の摩耗が抑制され、真空ポンプ1の耐久性を向上させることができる。
ここで、上記空間80の容積は、シリンダ室Sに比べて非常に小さいため、連通口261の大きさを、出力軸12の先端部12Aの軸径よりも小さく形成した場合であっても、ロータ27の軸孔27Aと空間80との圧力差を早急に解消することができる。一方、連通口261を出力軸12の先端部12Aの軸径よりも大きく形成した場合には、連通口261を通じて、上記空間80からシリンダ室S内に過剰な空気が流入し、圧縮率の低下に伴い真空ポンプ1の性能の低下が想定される。
従って、本実施形態では、連通口261の大きさを、出力軸12の先端部12Aの軸径よりも小さく形成することにより、ロータ27の軸孔27Aと空間80との圧力差を早急に解消するとともに、ロータ27が回転される際の圧縮率の低下が防止され、真空ポンプ1の性能の低下を防止できる。
連通口261は、図5に示すように、ロータ27の軸孔27Aの軸心上、すなわち回転中心X1上に形成される。この図5では、説明の便宜上、サイドプレート26を破線で記載している。ロータ27は、出力軸12とともに回転中心X1を基準に回転するため、この回転中心X1上は、ロータ27が回転した際の圧縮、膨張に最も影響を及ぼさない位置である。従って、連通口261をロータ27の軸孔27Aの軸心上に形成することにより、ロータ27の軸孔27Aと空間80との圧力差を解消するという機能を保持したまま、ロータ27が回転される際の圧縮率の低下がより一層防止され、真空ポンプ1の性能の低下を防止できる。なお、本実施形態では、連通口261をロータ27の軸孔27Aの軸心上に形成した構成を説明したが、これに限るものではなく、ロータ27の前端面27G側に凹部27Hに対向する領域内であれば良い。
また、本実施形態では、図4に示すように、ケーシング本体22は、シリンダ室Sの周囲にシール溝22Gが形成され、このシール溝22Gには、シリンダ室Sから機外へ空気を排出する排気経路37と上記空間80とを隔離するシール部材81が配置されている。これによれば、シール部材81により、上記空間80内に排気が流入することが防止され、ロータ27とサイドプレート26との接触を確実に防止することができる。更に、シリンダ室S内に大気圧の空気が逆流することが防止されるため、真空ポンプ1の性能低下を防止できる。
以上、本発明を実施するための最良の実施の形態について述べたが、本発明は既述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想に基づいて各種の変形および変更が可能である。例えば、本実施形態では、出力軸12に先端部12Aに設けられた雄ねじにロータ27の軸孔27Aに形成された雌ねじ及びナット70を係合させて当該ロータ27を固定する構成について説明したが、ロータ27を他の固定手段で固定する構成としても良い。この場合、ロータ27の前端面27Gには、凹部27Hが形成されないことが想定されるが、この構成では、軸孔27Aに対向する領域内に連通口261が形成されていれば良い。
1 真空ポンプ
6 ブレーキブースター(ブレーキ倍力装置)
7 真空タンク
9 ブレーキ配管
10 電動モータ(駆動機)
11 ケース
12 出力軸(回転軸)
12A 先端部
22 ケーシング本体
22G シール溝
23 シリンダ部
25 サイドプレート
26 サイドプレート
27 ロータ
27A 軸孔
27E 軸保持部
27F 孔部
27G 前端面
27H 凹部
28 ベーン
70 ナット
80 空間(サイドプレートとポンプカバーとの間の空間)
81 シール部材
100 ブレーキ装置
261 連通口

Claims (4)

  1. ケーシング本体の端部に開口を有する中空形状のシリンダ室と、前記シリンダ室内を回転駆動されるロータと、前記シリンダ室の前記開口を塞ぐサイドプレートと、前記サイドプレートを挟んで前記ロータと反対側に配置されて前記ケーシング本体に固定されるポンプカバーとを備える真空ポンプにおいて、
    前記サイドプレートには、前記ロータの軸孔に対向し、当該サイドプレートと前記ポンプカバーとの間の空間に連通する連通口が設けられていることを特徴とする真空ポンプ。
  2. 前記連通口は、前記ロータを回転する回転軸の軸径よりも小さく形成されていることを特徴とする請求項1に記載の真空ポンプ。
  3. 前記連通口は、前記ロータの軸孔の軸心上に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の真空ポンプ。
  4. 前記ケーシング本体と前記ポンプカバーとの間には、前記シリンダ室の周囲に、当該シリンダ室から外部への排気経路と前記空間とを隔離するシール部材が配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の真空ポンプ。
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