JP5912929B2 - 表示装置、処理方法及びプログラム - Google Patents
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Description
そこで、本発明は、表示面の指示の仕方によってユーザが受付位置を変更できるようにすることを目的とする。
さらに、前記第1測定手段は、前記表示面に対する前記指示体の傾きの方向を前記物理量として測定し、前記決定手段は、特定された前記指示位置から前記第1測定手段により測定された傾きの方向に前記距離だけ離れた位置を前記受付位置として決定してもよい。
さらに、前記第1測定手段は、特定された前記指示位置の前記表示面の鉛直方向下側の端部からの高さを前記物理量として測定し、前記決定手段は、前記第1測定手段により前記高さが測定された場合、当該高さよりも小さい高さが前記第1測定手段により測定された場合と比べて前記距離を大きくして前記受付位置を決定してもよい。
また、前記処理手段は、前記表示手段を制御して、前記決定手段により決定された前記受付位置に所定の画像を表示させてもよい。
本発明の第1実施形態における表示装置について説明する。
[構成]
図1は、第1実施形態の表示装置10のハードウェア構成を示す図である。表示装置10は、スマートフォンやタブレット端末などの表示面に画像を表示する装置である。表示装置10は、制御装置110と、記憶装置120と、音声入出力装置130と、通信装置140と、タッチスクリーン20とを備えたコンピュータである。制御装置110は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を備えている。CPUは、RAMをワークエリアとして用いてROMや記憶装置120に記憶されたプログラムを実行することによって、表示装置10の各装置の動作を制御する。
図2は、表示装置10が実現する機能を示す図である。表示装置10は、特定部101と、測定部102と、決定部103と、処理部104とを備える。
特定部101は、指示体と表示面との距離(以下「指示体距離」という。)を複数の位置において計測する。ここでいう複数の位置とは、上記の静電センサが配置された位置のことであり、指示体距離が計測される計測位置である。この計測は、タッチセンサ220から供給された値に応じた指示体距離を制御装置110が算出することで行われる。
測定部102は、指示の仕方として、表示面211に対する指示体の傾け方を用いる。測定部102は、この傾け方に応じて変化する物理量として、表示面211に対する指示体の傾きの量及び傾きの方向を測定する。そのため、測定部102は、上述した特定部101と同様に、指示体距離を複数の計測位置において計測し、計測した指示体距離及び計測位置の座標を、上下方向、左右方向及び高さ方向に沿った3軸により定められる三次元直交座標系の座標に変換する。測定部102は、変換したそれらの座標により表される直線の近似式を最小二乗法等のアルゴリズムを用いて算出する。
図8は、表示面211に投影された直線の一例を示すグラフである。図8では、直線D1を表示面211に投影した直線D2が示されている。また、図8では、直線D1との関係を分かりやすくするため、図7に示す測定結果を表示面211に投影したもの(黒丸及び白丸)を、B11からB24までの計測位置にそれぞれ示している。測定部102は、直線D2に沿った方向のうち、直線D1の高さ方向の値が小さくなっていく方向M1(この例では計測位置B24からB11に向かう方向)を、指示体の傾きの方向として測定する。こうして測定された傾きの方向は、表示面211に沿った方向になる。測定部102は、測定した指示体の傾きの方向を、例えば、単位長さのベクトルで表して、測定した指示体の傾きの量を表す角度(この例ではθ1)とともに、前述した指示の仕方に応じて変化する物理量として決定部103に通知する。
決定部103は、記憶装置120に記憶されているテーブルを用いて離間距離を定める。
図9は、離間距離を定める際に用いられるテーブルの一例を示す図である。このテーブルでは、指示体角度の範囲と離間距離とが対応付けられている。この例では、「0°以上30°未満」、「30°以上60°未満」及び「60°以上90°以下」という3つの「指示体角度の範囲」に、「5mm」、「10mm」及び「15mm」という3つの「離間距離」がそれぞれ対応付けられている。決定部103は、例えば、指示体角度θ1が35°であった場合、この角度を含む「30°以上60°未満」という範囲に対応付けられている「10mm」を離間距離として定める。このように、決定部103は、測定部102により前述した傾きの量(例えば45度)が測定された場合、測定部102によりこの傾きの量よりも小さい傾きの量(例えば15度)が測定された場合と比べて、離間距離を大きくして受付位置を決定している。
図10は、決定された受付位置の一例を示す図である。図10では、この例における接触領域R2と、その重心である指示位置C2とが示されている。この例では、図8に示す方向M1と同じ方向であるM2が測定部102によって傾きの方向として測定され、離間距離N2が決定部103によって定められている。決定部103は、指示位置C2から指示体の方向M2に離間距離N2だけ離れた位置であるT2を受付位置として決定している。決定部103は、決定した受付位置T2を表す座標を処理部104に通知する。
表示装置10は、以上の構成に基づき、上述した受付位置決定処理を実行する。
図12は、受付位置決定処理における表示装置10の動作の一例を示すフローチャートである。まず、表示装置10は、図4に示す計測可能空間に指示体が存在するか否かを判断する(ステップS11)。表示装置10は、指示体が存在しないと判断した場合(ステップS11:NO)、ステップS11の動作を繰り返し行い、存在すると判断した場合(ステップS11:YES)、その指示体の指示体距離を各計測位置で計測する(ステップS12)。次に、表示装置10は、計測した指示体距離のうちの最小の指示体距離が、閾値Th1未満であるか否かを判断する(ステップS13)。表示装置10は、閾値Th1未満ではないと判断した場合(ステップS13:NO)、ステップS13の動作を繰り返し行い、閾値Th1未満であると判断した場合(ステップS13:YES)、次の動作を行う。ステップS11、S12及びS13は、特定部101及び測定部102がともに行う動作である。
図13は、指示体の傾きの量と隠れ長さとの関係を説明するための図である。図13(a)では、指示体である指30の傾きの量を大きくした場合の隠れ長さV3が示され、図13(b)では、指30の傾きの量を小さくした場合の隠れ長さV4が示されている。また、図13(a)及び(b)には、それぞれの場合において特定される指示位置C3及びC4と、ユーザの目から見た各指示位置までの視線及び各指示位置から隠れ長さだけ離れた位置までの視線とが示されている。
また、本実施形態の表示装置10では、図11に示すように、受付位置に所定の画像(画像U2)が表示される。これにより、ユーザに受付位置を正確に把握させることができる。
本発明の第2実施形態は、表示装置10の姿勢を指示の仕方として用いるところが、上述した第1実施形態と異なる。以下では、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
図14は、本実施形態の表示装置10aのハードウェア構成を示す図である。表示装置10aは、図1に示すハードウェアに加え、加速度センサ150を備える。加速度センサ150は、互いに直交する3方向の加速度をそれぞれ検出する3軸加速度センサである。加速度センサ150は、表示装置10が移動した場合にこれら3方向の加速度をそれぞれ検出し、検出した加速度を示すデータを制御装置110に供給する。
測定部102は、指示の仕方として、上記のとおり表示装置10の姿勢を用いる。測定部102は、この姿勢に応じて変化する物理量として、水平方向に対する表示面211の角度(以下「表示面角度」という。)を測定する。本実施形態における測定部102は、制御装置110、記憶装置120及び加速度センサ150が協働することで実現される機能である。測定部102は、加速度センサ150が検出する3方向の加速度に基づいて、表示面角度を測定する。測定部102は、測定した表示面角度を決定部103に通知する。
図15は、離間距離を定める際に用いられるテーブルの一例を示す図である。このテーブルでは、表示面角度の範囲と離間距離とが対応付けられている。この例では、「0°以上30°未満」、「30°以上60°未満」及び「60°以上90°以下」という3つの「表示面角度の範囲」に、「15mm」、「10mm」及び「5mm」という3つの「離間距離」がそれぞれ対応付けられている。決定部103は、例えば、表示面角度が65°であった場合、この角度を含む「60°以上90°以下」という範囲に対応付けられている「5mm」を離間距離として定める。このように、決定部103は、測定部102により前述した表示面角度(例えば45度)が測定された場合、測定部102によりこの表示面角度よりも大きい表示面角度(例えば75度)が測定された場合と比べて、離間距離を大きくして受付位置を決定している。
図16は、表示面角度と隠れ長さとの関係を説明するための図である。図16(a)及び(b)では、表示面角度がそれぞれθ2及びθ3(θ2<θ3)となっている表示面211の一例がそれぞれ示されている。これらの例では、指示体である指30が水平方向に対してなす角度が同じとなっている。この場合、表示面211に対する指30の傾きの量は、図16(a)に示す例の方が大きくなっている。つまり、図13において説明したのと同じ理由で、図16(a)に示す場合の方が、図16(b)に示す場合に比べて隠れ長さが長くなっている。
なお、本実施形態では、加速度センサを用いて表示面角度を測定したが、これ以外にも、例えば、ジャイロセンサ(角速度センサ)や地磁気センサなどを用いて表示面角度を測定してもよい。
本発明の第3実施形態は、ユーザからの指示体の見え方(具体的には、指示体が長く見える状態で指示しているか、短く見える状態で指示しているか)を指示の仕方として用いるところが、上述した第1及び第2実施形態と異なる。本実施形態の表示装置は、図14に示す表示装置10aとハードウェア構成が共通している。本実施形態の表示装置10aは、このハードウェア構成に基づき、第1及び第2実施形態で説明したものと概ね同じ機能(特定部101、測定部102、決定部103及び処理部104)を実現する。ただし、本実施形態では、これらの機能を実現する方法が第1及び第2実施形態と異なっているものもあるので、以下、実現の方法が異なっている機能について説明する。
図17は、離間距離を定める際に用いられるテーブルの一例を示す図である。このテーブルでは、鉛直方向高さの範囲と離間距離とが対応付けられている。この例では、「鉛直方向上側の3分の1」、「鉛直方向中央の3分の1」及び「鉛直方向下側の3分の1」という3つの「表示面角度の範囲」に、「13mm」、「10mm」及び「7mm」という3つの「離間距離」がそれぞれ対応付けられている。以下、表示面211の上下方向のサイズが10cmであるものとする。決定部103は、例えば、表示面211の上下方向の端部が鉛直方向の端部となっており(いわゆる縦向きの状態)、且つ、測定された鉛直方向高さが5cmであった場合、この鉛直方向高さを含む「鉛直方向中央の3分の1」という範囲に対応付けられている「10mm」を離間距離として定める。なお、決定部103は、表示面211の左右方向の端部が鉛直方向の端部となっている場合(いわゆる横向きの状態)は、表示面211の左右方向のサイズに基づいてこの範囲を判断する。このように、決定部103は、測定部102により前述した鉛直方向高さ(例えば表示面211全体の鉛直方向の高さが60mmである場合に30mm)が測定された場合、測定部102によりこの鉛直方向高さよりも大きい鉛直方向高さ(同じ場合に50mm)が測定された場合と比べて、離間距離を大きくして受付位置を決定している。
図18は、鉛直方向高さと隠れ長さとの関係を説明するための図である。図18(a)及び(b)では、鉛直方向高さがそれぞれH1及びH2(H1>H2)となっている表示面211の一例がそれぞれ示されている。これらの例では、表示面211に対するユーザの目の位置が同じとなっている。図18(a)の例では、ユーザが指30を斜めに見ているため、指30が短く見える状態で指示がされているのに比べて、図18(b)の例では、ユーザが指30の背中側をほぼ正面に見ているため、指30が長く見える状態で指示がされている。つまり、これら2つの例では、ユーザからの指示体の見え方が異なっている。このように、ユーザからの指示体の見え方が変化すると、それに応じて鉛直方向高さという物理量が変化することになる。表示面211に対する指30の傾きの量は、図18(a)に示す例の方が大きくなっている。つまり、図13において説明したのと同じ理由で、図18(a)に示す場合の隠れ長さV5の方が、図18(b)に示す場合の隠れ長さV6に比べて長くなっている。
なお、測定部102は、上記のような表示面211に沿った高さではなく、鉛直方向に沿った高さを測定してもよい。その場合、測定部102は、特定した端部の座標と、特定部101が特定した指示位置の座標との鉛直方向に沿った距離を算出して、算出した距離を鉛直方向高さとして測定する。測定部102は、特定した端部の座標と、特定部101が特定した指示位置の座標と、測定した表示面角度とを用いて、この距離を算出する。
本発明の第4実施形態では、ユーザの目の位置を指示の仕方として用いるところが、上述した各実施形態と異なる。
図19は、本実施形態の表示装置10bのハードウェア構成を示す図である。表示装置10bは、図1に示すハードウェアに加えて撮像装置160を備える。撮像装置160は、表示装置10bの表示面211側で図4に示す高さ方向に向けて設けられたレンズを有し、表示面211側に存在する被写体(ユーザの顔など)の画像を撮影する。撮像装置160のレンズは表示面211の上側に設けられている。表示装置10bは、このハードウェア構成に基づき、上記各実施形態で説明したものと同様に、特定部101、測定部102、決定部103及び処理部104という各機能を実現する。以下では、上記各実施形態と実現の方法が異なっている機能を中心に説明する。
図20は、離間距離を定める際に用いられるテーブルの一例を示す図である。このテーブルでは、視線角度の範囲と離間距離とが対応付けられている。この例では、「0°以上50°未満」、「50°以上70°未満」及び「70°以上90°以下」という3つの「表示面角度の範囲」に、「15mm」、「10mm」及び「5mm」という3つの「離間距離」がそれぞれ対応付けられている。決定部103は、例えば、視線角度が75°であった場合、この角度を含む「70°以上90°以下」という範囲に対応付けられている「5mm」を離間距離として定める。このように、決定部103は、測定部102により前述した視線角度(例えば60°)が測定された場合、測定部102によりこの視線角度よりも大きい視線角度(例えば80°)が測定された場合と比べて、離間距離を大きくして受付位置を決定している。
図21は、視線角度と隠れ長さとの関係を説明するための図である。図21(a)及び(b)では、視線角度がそれぞれθ4及びθ5(θ4<θ5)となっている指示の仕方の一例がそれぞれ示されている。これらの例では、表示面211に対する指30の指示位置(図21に示すC7)及び指30の傾きの量とが同じとなっている。図21(a)ではユーザが指30の先端側の部分を指30の手前側から斜めに見ているのに対し、図21(b)ではユーザが指30の先端側の部分を上から見ているため、図21(b)における隠れ長さV8が、図21(a)における隠れ長さV7に比べて小さくなっている。
本発明の第5実施形態では、上述した指示体の傾きの方向に指示位置から離れた位置を受付位置として決定するだけではなく、指示体が指であり、且つ、爪の長さが閾値以上となっている場合には、傾きの方向とは異なる方向に指示位置から離れた位置を受付位置として決定するというところが、上述した各実施形態と異なる。
図22は、本実施形態の表示装置10cのハードウェア構成を示す図である。表示装置10cは、図1に示すハードウェアに加え、赤外線センサ230を備えるタッチスクリーン20cを有する。赤外線センサ230は、タッチセンサ220を覆うようにして設けられた薄型透明のセンサであり、赤外線を発する複数の発光素子と、入射する光を電気信号に変換する複数の受光素子とを有する。これらの発光素子及び受光素子は、タッチセンサ220の静電センサと同様に、各計測位置に格子状に配置されている。受光素子は、発光素子から発せられて指示体に当たって反射してきた赤外線を、その強度が強いほど振幅が大きい電気信号に変換する。つまり、この電気信号の振幅は、指示体との距離を表す。赤外線センサ230は、この電気信号の振幅に基づいて指示体との距離(指示体距離)を計測位置毎に計測し、計測したそれらの指示体距離を示すデータを制御装置110に供給する。
図25は、本実施形態における受付位置の決め方を説明するための図である。図25(a)では、図24に示した指30cを爪31c側から見たところが示されている。この状態で表示面211に指30cの先端側の部分を接触させると、図25(b)に示す接触領域R9の重心であるC9が指示位置として特定部101により特定され、図中の矢印が示す指示体の傾きの方向M9が測定部102により測定される。ここで、決定部103が、例えば第1実施形態の方法で受付位置を決定すると、指示体の傾きの方向に離間距離N9だけ離れた位置であるT9が受付位置として決定される。この場合、図25(c)に示すように、爪31cによって隠れてしまう位置が受付位置となってしまい、所定の画像としてU9を表示したとしても、この画像も爪31cによって隠れてしまう。そのため、ユーザは、受付位置を把握することができない。
上述した各実施形態は、本発明の実施の一例に過ぎず、以下のように変形させてもよい。また、上述した各実施形態及び以下に示す各変形例は、必要に応じて組み合わせて実施してもよい。
決定部103は、上述した各実施形態では、図9、図15、図17及び図20に示すテーブルのいずれかを用いて離間距離を定めたが、離間距離の定め方はこれには限らない。決定部103は、これらのテーブルではいずれも測定部102による測定結果が3つの範囲のいずれに含まれるかによって離間距離を決定したが、3つの範囲を2つの範囲としてもよいし、4つ以上の範囲としてもよい。また、決定部103は、測定結果を離間距離に変換する予め決められた式を用いて、その式に従って離間距離を定めてもよい。例えば、決定部103は、第1実施形態であれば、15−(指示体の傾きの量)×0.1=離間距離(mm)という式を用いて離間距離を定める。この指示体の傾きの量は角度(単位は度)で表される。これにより、指示体の傾きの量が1度変化すれば、離間距離が0.1mm変化することになり、離間距離のより細かい調整が可能となる。
決定部103は、上述した各実施形態では、測定部102による1つの測定結果に応じて離間距離を定めたが、複数の測定結果に応じて離間距離を定めてもよい。複数の測定結果とは、第1から第4実施形態においてそれぞれ説明した指示体の傾きの量、表示面角度、鉛直方向高さ及び視線角度のうちから2つ以上の測定結果を組み合わせたものである。以下、指示体の傾きの量及び表示面角度に応じて離間距離を定める場合について説明する。この場合、決定部103は、例えば、図26に示すテーブルを用いる。
図27は、離間距離を定める際に用いられるテーブルの一例を示す図である。このテーブルでは、「指示体角度の範囲」及び「最小の指示体距離の範囲」の両方に離間距離が対応付けられている。詳細には、「0°以上30°未満」、「30°以上60°未満」及び「60°以上90°以下」という3通りの「指示体角度の範囲」に対して、最小の指示体距離の範囲が「10mm未満」である場合には、図9に示す離間距離(「5mm」、「10mm」及び「15mm」)が対応付けられている。また、最小の指示体距離の範囲が「30mm未満10mm以上」である場合には、「4mm」、「9mm」及び「14mm」という離間距離が対応付けられ、最小の指示体距離の範囲が「50mm未満30mm以上」である場合には、「3mm」、「8mm」及び「13mm」という離間距離が対応付けられている。決定部103は、このテーブルを用いることで、表示面211と指示体の先端側の部分との距離が遠い(例えば最小の指示体距離が30mm以上である)場合には、その距離が近い(例えば最小の指示体距離が10mm未満である)場合に比べて、同じ指示体角度であっても小さな離間距離を定める。
決定部103は、上述した各実施形態では、測定部102により測定された指示体の傾きの方向に指示位置から離間距離だけ離れた位置を、受付位置として決定したが、他の方向に離れた位置を受付位置として決定してもよい。例えば、決定部103は、指示体の傾きの方向から所定の角度(例えば10°)だけ傾けた方向に離れた位置を受付位置として決定してもよい。この場合、所定の角度を180°としてしまうと、受付位置が指示体によって隠れてしまうことになるので、そのようなことがないように所定の角度を定める(例えば0°から150°まで)とよい。
特定部101は、上述した各実施形態では、接触領域の重心を算出することで指示位置を特定したが、他の方法で指示位置を特定してもよい。特定部101は、例えば、接触領域の上下方向の中心と左右方向の中心とで表される座標を指示位置として特定してもよいし、タッチスクリーンが備えるセンサが抵抗膜方式であれば、最も大きい圧力が加えられた位置を指示位置として特定してもよい。
図28は、指示位置の特定の仕方を説明するための図である。図28では、計測位置B19において最小指示体距離L19が計測された状態が示されている。特定部101は、この状態で、指30の傾きの量θ11と、指30の傾きの方向M11とを測定する。特定部101は、最小指示体距離が計測された指示体の先端側の部分であるP19から、方向M11に対して傾きの量θ11をなす方向に延伸する直線D11が表示面211と交わる位置であるC11を、指示位置として特定する。この場合、直線D11に沿った方向、すなわち、指30が延伸している方向に指示体を移動させたときに特定される指示位置と概ね同じ位置が指示位置として特定される。
処理部104は、上述した各実施形態では、指示体が表示面211に接触してから所定の画像を表示させたが、前述した変形例4のように指示体が表示面211に接触する前に指示位置が特定される場合には、この接触がされる前に所定の画像を表示させてもよい。この場合、図12に示すステップS13の動作(最小の指示体距離が閾値未満か否かの判断)を行うことなくステップS14の動作(指示位置を特定)が行われる。そして、ステップS15以降の動作が行われることで、指示体が表示面211に接触する前から所定の画像が表示されることになる。本変形例によれば、ユーザは、指示体の先端部分を表示面211に接触させる前から、受付位置を把握することができる。
処理部104は、上述した各実施形態では、所定の画像として、図11に示す画像U2のようなドーナツの形をした画像を受付位置に表示したが、これ以外の画像を受付位置に表示してもよい。例えば、処理部104は、画像U2よりも大きな画像を表示してもよく、それにより、受付位置をユーザが認識しやすいようにすることができる。また、処理部104は、画像U2よりも小さな画像を表示してもよいし、透過する画像(後ろ側の画像が透けて見えるようにした画像)や点滅する画像を表示させてもよい。これにより、所定の画像を表示しても操作画像が見やすいようにすることができる。
図29は、処理部104が画像のサイズを切り替える際に用いるテーブルの一例を示す図である。このテーブルでは、最小の指示体距離の範囲と所定の画像のサイズとが対応付けられている。ここでいう所定の画像のサイズとは、例えば、図11に示す画像U2のようなドーナツの形をした画像の外径の長さである。この例では、「50mm以下30mm以上」、「30mm未満10mm以上」及び「10mm未満」という3つの「最小の指示体距離の範囲」に、「1mm」、「3mm」及び「5mm」という3つの「所定の画像のサイズ」がそれぞれ対応付けられている。決定部103は、例えば、計測された最小の指示体距離が20mmであった場合、図29に示すテーブルを用いてサイズが3mmの所定の画像を表示する。決定部103により決定された受付位置は、指示体が表示面211に近づくほど、指示体によって隠されてしまいやすくなる。本変形例では、その場合に、サイズが大きな所定の画像を表示させることで、受付位置が指示体に隠されてしまっても、表示した画像を指示体からはみ出させることでユーザから見えやすいようにすることができる。つまり、本変形例によれば、表示装置は、ユーザが受付位置を認識しやすいようにすることができる。
処理部104は、上述した各実施形態では、決定された受付位置に所定の画像を表示させたが、これを表示させなくてもよい。この場合、処理部104(すなわち表示装置)は、図12に示すステップS18の動作(受付位置に所定の画像を表示)を行わない。本発明に係る表示装置では、指示体の先端側の部分の先または周辺が受付位置として決定されるため、ユーザがその大まかな位置を覚えておけば、所定の画像が表示されなくても、所望の位置を指示することができる。また、所定の画像が表示されないことで、処理画像が所定の画像によって隠されることがなくなり、処理画像が表す内容をユーザが把握しやすいようにすることができる。
タッチスクリーンは、上述した各実施形態では、静電容量方式のタッチセンサ220またはそれに加えて赤外線反射方式の赤外線センサ230を備えていたが、それ以外の方式のセンサを備えていてもよい。例えば、タッチスクリーンは、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線遮光方式、電磁誘導方式または画像認識方式等のセンサを備えていてもよい。これらのうち、抵抗膜方式、表面弾性波方式及び赤外線遮光方式のセンサでは、指示体距離を計測することができないため、第1及び第5実施形態のように指示体距離の計測が必要な場合、タッチスクリーンは、これらのセンサとともに指示体距離を計測可能なセンサも合わせて備えておく。
第5実施形態において、決定部103は、他の方法で受付位置を決定してもよい。例えば、決定部103は、測定部102により検出された爪の長さに応じて離間距離を大きくしてもよい。この場合、決定部103は、他の測定結果(例えば指示体の傾きの量)によって定めた離間距離に、検出された爪の長さを加えた長さを離間距離として定める。これにより、爪によって隠されない位置が受付位置として決定されやすくなり、受付位置がユーザの目から見えやすいようになるという上述した第1の効果が得られることになる。
測定部102は、上述した各実施形態では、指示体の傾きの量、指示体の傾きの方向、表示面角度、鉛直方向高さ及び視線角度を上記の物理量として測定したが、他の物理量を測定してもよい。測定部102は、例えば、指示の仕方としてユーザの目の位置を用いた場合に、この目の位置に応じて変化する物理量として、表示面211からユーザの目までの高さ(高さ方向の距離)を測定してもよい。この場合、測定部102は、第4実施形態で述べた方法で視線角度を算出し、また、ユーザの目の大きさを登録して(記憶装置120に記憶させて)おいて、画像に含まれる目の大きさから図19に示す撮像装置160と目との距離を算出する。そして、測定部102は、算出した視線角度及び距離から表示面211からユーザの目までの高さを算出する。
本発明は、上述した表示装置の他にも、その表示装置が実施する処理を実現するための処理方法としても捉えられるものである。ここでいう処理とは、例えば、図12に示す受付位置決定処理である。また、本発明は、表示装置のような表示手段を備えるコンピュータを、図2及び図23に示す各部(各手段)として機能させるためのプログラムとしても捉えられるものである。かかるプログラムは、これを記憶させた光ディスク等の記録媒体の形態で提供されたり、インターネット等のネットワークを介して、コンピュータにダウンロードさせ、これをインストールして利用可能にするなどの形態でも提供されたりするものであってもよい。
Claims (9)
- 表示面を有し、当該表示面に画像を表示する表示手段と、
指示体によって指示される前記表示面上の指示位置を特定する特定手段と、
前記指示体が指である場合に、当該指の爪の長さを検出する検出手段と、
前記指示体による前記表示面の指示の仕方に応じて変化する物理量を測定する第1測定手段と、
前記表示面に対する前記指示体の傾きの方向を測定する第2測定手段と、
前記特定手段により特定された指示位置から、前記第2測定手段により測定された傾きの方向に、前記第1測定手段により測定された物理量に応じた距離だけ離れた前記表示面上の位置を、受付位置として決定し、前記検出手段により検出された長さが閾値以上である場合には、特定された前記指示位置から、測定された前記傾きの方向とは異なる方向に前記距離だけ離れた位置を前記受付位置として決定する決定手段と、
前記決定手段により決定された受付位置に、処理に対応する画像が表示されており、且つ、当該画像を選択する操作が行われた場合に、当該操作を受け付けて当該画像に対応する処理を行う処理手段と
を備えることを特徴とする表示装置。 - 前記第1測定手段は、前記表示面に対する前記指示体の傾きの量を前記物理量として測定し、
前記決定手段は、前記第1測定手段により前記傾きの量が測定された場合、当該傾きの量よりも小さい傾きの量が前記第1測定手段により測定された場合と比べて前記距離を大きくして前記受付位置を決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。 - 前記第1測定手段は、前記表示面に対する前記指示体の傾きの方向を前記物理量として測定し、
前記決定手段は、特定された前記指示位置から前記第1測定手段により測定された傾きの方向に前記距離だけ離れた位置を前記受付位置として決定する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の表示装置。 - 前記第1測定手段は、水平方向に対する前記表示面の角度を前記物理量として測定し、
前記決定手段は、前記第1測定手段により前記角度が測定された場合、当該角度よりも小さい角度が前記第1測定手段により測定された場合と比べて前記距離を大きくして前記受付位置を決定する
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の表示装置。 - 前記第1測定手段は、特定された前記指示位置の前記表示面の鉛直方向下側の端部からの高さを前記物理量として測定し、
前記決定手段は、前記第1測定手段により前記高さが測定された場合、当該高さよりも小さい高さが前記第1測定手段により測定された場合と比べて前記距離を大きくして前記受付位置を決定する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の表示装置。 - 前記第1測定手段は、前記表示面に対するユーザの視線の角度を前記物理量として測定し、
前記決定手段は、前記第1測定手段により前記視線の角度が測定された場合、当該視線の角度よりも小さい視線の角度が前記第1測定手段により測定された場合と比べて前記距離を大きくして前記受付位置を決定する
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の表示装置。 - 前記処理手段は、前記表示手段を制御して、前記決定手段により決定された前記受付位置に所定の画像を表示させる
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の表示装置。 - 表示面を有し、当該表示面に画像を表示する表示手段を備える表示装置が、指示体によって指示される前記表示面上の指示位置を特定する特定ステップと、
前記表示装置が、前記指示体が指である場合に、当該指の爪の長さを検出する検出ステップと、
前記表示装置が、前記指示体による前記表示面の指示の仕方に応じて変化する物理量を測定する第1測定ステップと、
前記表示装置が、前記表示面に対する前記指示体の傾きの方向を測定する第2測定ステップと、
前記表示装置が、前記特定ステップにおいて特定された指示位置から、前記第2測定ステップにおいて測定された傾きの方向に、前記第1測定ステップにおいて測定された物理量に応じた距離だけ離れた前記表示面上の位置を、受付位置として決定し、前記検出ステップにおいて検出された長さが閾値以上である場合には、特定された前記指示位置から、測定された前記傾きの方向とは異なる方向に前記距離だけ離れた位置を前記受付位置として決定する決定ステップと、
前記表示装置が、前記決定ステップにおいて決定された受付位置に、処理に対応する画像が表示されており、且つ、当該画像を選択する操作が行われた場合に、当該操作を受け付けて当該画像に対応する処理を行う処理ステップと
を備えることを特徴とする処理方法。 - 表示面を有し、当該表示面に画像を表示する表示手段を備えるコンピュータに、
指示体によって指示される前記表示面上の指示位置を特定する特定ステップと、
前記指示体が指である場合に、当該指の爪の長さを検出する検出ステップと、
前記指示体による前記表示面の指示の仕方に応じて変化する物理量を測定する第1測定ステップと、
前記表示面に対する前記指示体の傾きの方向を測定する第2測定ステップと、
前記特定ステップにおいて特定された指示位置から、前記第2測定ステップにおいて測定された傾きの方向に、前記第1測定ステップにおいて測定された物理量に応じた距離だけ離れた前記表示面上の位置を、受付位置として決定し、前記検出ステップにおいて検出された長さが閾値以上である場合には、特定された前記指示位置から、測定された前記傾きの方向とは異なる方向に前記距離だけ離れた位置を前記受付位置として決定する決定ステップと、
前記決定ステップにおいて決定された受付位置に、処理に対応する画像が表示されており、且つ、当該画像を選択する操作が行われた場合に、当該操作を受け付けて当該画像に対応する処理を行う処理ステップと
を実行させるためのプログラム。
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