JP5912688B2 - 地盤補強材料および人工干潟造成方法 - Google Patents

地盤補強材料および人工干潟造成方法 Download PDF

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  • Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)

Description

本発明は、軟弱地盤用の地盤補強材料およびこの地盤補強材料を用いた人工干潟造成方法に関する。
従来の人工干潟の造成方法として、護岸の沖側に潜堤を築造し、この潜堤と護岸との間の海底に浚渫土を投入して緩やかな傾斜のある平面を造成し、その上を砂で1m程度被覆(覆砂)して、潮汐によって干出を繰り返す潮間帯を造成する方法がある。
この従来の人工干潟造成方法の問題点としては、人工干潟造成後に、場所によっては漂砂等により初期の地盤高が変化し、十分な覆砂厚を維持できないため、浚渫土層の強度が早期に確保できないことがある。このような地盤の状態では、供用時に人の往来の最中に覆砂層を踏み抜く等のように安全性が確保できないおそれがある。このため、早期の供用が困難な場合が生じてしまう。かかる問題を回避するために、従来の人工干潟における地盤強度の増加方法として、施工時における、(1)覆砂厚の増加、(2)ジオテキスタイルの敷設等の方法が考えられている。
特許文献1は、表層部に強度及び透水性に優れた土木用シート又はネット等の平面部材と水平透水層の部分の排水材を組合せた安定補強材を敷設し、それに地盤中に垂直に打設した毛管作用に優れたドレーンを併せて表層部の改良をおこなうとともに軟弱地盤での盛土工事を容易にするようにした排水促進材で表層を改良する安定補強工法を開示する。
特開昭63−11711号公報
上述の従来の人工干潟における地盤強度の増加方法には次の問題点がある。
(1)覆砂厚の増加
資源保護、コストなどの点から実施しにくいことや、波浪の作用によっては必要な覆砂厚が得られないことがある。
(2)ジオテキスタイルの敷設
潮間作業なので工種の追加による工程の長期化、コスト増、地盤中を鉛直方向に移動する生物への配慮の点から採用されにくい。また、敷設する場合も、工事区域全体の敷設が一般的であり、局所的な敷設は行われない。
特許文献1の安定補強工法は、表層部に敷設した安定補強材と、地盤中に垂直に打設したドレーンとを併せて用いるもので、ドレーンの打設と安定補強材の敷設の二つの工程を要し、手間と時間がかかってしまう。
本発明は、上述のような従来技術の問題に鑑み、人工干潟の造成等において、浚渫土層の表層の強度を簡単かつ早期に増加させ、干潟地盤の強度増加を図ることの可能な地盤補強材料および人工干潟造成方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本実施形態による地盤補強材料は、軟弱地盤に埋設可能な地盤補強材料であって、地盤内に埋設されるように長手方向に延びかつ内部に内部空間のある杭部と、地盤表面に載るように構成されかつ前記内部空間の開口があるフランジ部と、を備え、前記杭部が透水性材料からなり、前記杭部から地盤内に埋設されたとき、地盤表面側の前記開口から入り込んだ砂材が前記内部空間内に満たされて排水機能を発揮可能であるとともに、前記地盤表面上の前記砂材に対する載荷時の集中応力を前記地盤表面に位置する前記フランジ部で分散し低減させることを特徴とする。
この地盤補強材料によれば、内部空間を有する透水性の杭部から軟弱地盤内に埋設すると、その後の覆砂工程等で地盤表面側の開口から砂材が内部空間へ入り込み、内部空間内に満たされた砂材が排水機能を発揮し、軟弱地盤内の間隙水の排水を促進するので、人工干潟の造成等において、浚渫土層などの軟弱地盤の表層の強度を簡単かつ早期に増加させることができる。
上記地盤補強材料において、前記フランジ部も透水性材料からなることが好ましい。また、地盤補強材料が地盤内に埋設されたとき地盤側に面する表面を予め不織布で覆うことで、軟弱地盤の粘性土などが杭部の内部空間に入り込むことを防ぐことができる。また、前記杭部は、円筒状またはコーン状に構成されることが好ましい。
本実施形態による人工干潟造成方法は、人工干潟造成のための軟弱地盤に上述の地盤補強材料をその杭部から埋設し、次に、前記軟弱地盤の表面に覆砂をしたとき、前記地盤補強材料の前記フランジ部の開口から前記杭部の内部空間に砂材が入り込んで満たされ、前記地盤補強材料が埋設された周囲の地盤から前記杭部の表面および前記内部空間内の砂材を通して排水を促進し前記軟弱地盤表層の強度を増加させるとともに、前記砂材に対する載荷時の集中応力を前記地盤表面に位置する前記フランジ部で分散し低減させることを特徴とする。
この人工干潟造成方法によれば、内部空間を有する透水性の杭部から人工干潟造成のための浚渫土等の軟弱地盤内に埋設すると、その後の覆砂工程で地盤表面側の開口から砂材が内部空間へ入り込み、内部空間内に満たされた砂材が排水機能を発揮し、軟弱地盤内の間隙水の排水を促進するので、人工干潟の造成において、浚渫土層などの軟弱地盤の表層の強度を簡単かつ早期に増加させることができる。
上記人工干潟造成方法において前記地盤補強材料を前記軟弱地盤に所定間隔で多数埋設することが好ましい。
また、前記地盤補強材料の埋設工程と前記覆砂工程との間において、前記地盤補強材料を地盤内に埋設したまま所定期間放置することで、前記地盤補強材料が埋設された周囲の地盤から前記杭部の表面を通して排水を促進するようにしてもよい。
本発明の地盤補強材料および人工干潟造成方法によれば、人工干潟の造成等において、浚渫土層等の軟弱地盤の表層の強度を簡単かつ早期に増加させ、干潟地盤等の強度増加を図ることができる。
本実施形態による地盤補強材料1の平面図(a)および縦方向の断面図(b)である。 本実施形態による地盤補強材料2の平面図(a)および縦方向の断面図(b)である。 本実施形態による地盤補強材料3の平面図(a)および縦方向の断面図(b)である。 本実施形態による地盤補強材料4の平面図(a)および縦方向の断面図(b)である。 本実施形態による人工干潟造成方法の工程を説明するためのフローチャートである。 図5の人工干潟造成方法における図1〜図4の地盤補強材料を用いて浚渫土層の表層の強度を増加させる工程(a)〜(d)を説明するための図である。 図5の人工干潟造成方法において覆砂工を揚土工の直後に実施せず、図1〜図4の地盤補強材料を差し込んだ後、所定期間放置する場合の工程(a)〜(d)を説明するための図である。 本実施形態の人工干潟造成方法で地盤強度が所定の強度に達するまでの所要時間を検討した際に想定した地盤を説明するための図である。 図8の検討の際に人荷重が覆砂表面に作用し、覆砂層底面での鉛直方向の増加応力の計算を説明するための図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。図1〜図4は本実施形態による地盤補強材料1〜4の平面図(a)および縦方向の断面図(b)である。なお、以下では、地盤補強材料1〜4における同様の構成部分には同じ符号を付し、その説明は省略する。
図1(a)(b)の地盤補強材料1は、平面形状が正方形や長方形等の略矩形状でありかつ板状のフランジ部11と、フランジ部11から略垂直方向に延びて内部に空洞である空間12aが形成された円筒状の杭部12と、から一体に構成されている。杭部12の内部空間12aは、フランジ部11の表面11bに略対角中心に形成された円形状の開口11aに連通している。
フランジ部11と杭部12は、透水性材料から構成され、たとえば、圧密ドレーン工法に使用されるプラスチックボードドレーン材と同様に透水性および強度のあるプラスチック材料から構成することができる。すなわち、一般のドレーン材は10-2cm/s以上の透水係数が求められ、本実施形態の地盤補強材料1でも、同様の性能が求められるところ、現在、プラスチックボードドレーン材の透水係数は10-1cm/s以上が確保されており、これと同等品を用いることが望ましい。また、これらの専用のドレーン材だけでなく、ネトロン(登録商標)パイプのような筒状の有孔部材を用いてもよい。
また、地盤補強材料1は、強度的には、軟弱地盤に打設される際に破損しないせん断強度、砂を載荷した際に破損しない曲げ強度、および軟弱地盤からの土圧が作用しても変形しない強度を有することが望ましい。
また、地盤補強材料1の構成材料として、生分解性プラスチックなどの生分解性材料を用いてもよく、かかる材料は、自然環境下で分解されるので、環境に与える影響を低減できる。なお、フランジ部11は、杭部12と同じ透水材料から構成するが、透水材料でなく通常の材料から構成してもよい。
また、地盤補強材料1の杭部12の長さをたとえば1m程度、開口11aの直径を5cm程度にできるが、これらは一例であって、適宜変更可能である。
地盤補強材料1は、杭部12の先端から軟弱地盤内に差し込まれるようにして埋設されたとき、地盤表面にフランジ部11が載り、その表面11bの開口11aから入り込んだ砂材が杭部12の内部空間12a内に満たされて排水機能を発揮することができる。
図2(a)(b)の地盤補強材料2は、図1(a)(b)の地盤補強材料1と同様の構成であるが、フランジ部を円形状でかつ板状のフランジ部13としたものである。フランジ部13の略中心に形成された開口13aは杭部12の内部空間12aと連通している。
図3(a)(b)の地盤補強材料3は、図1(a)(b)の地盤補強材料1と同様の構成であるが、杭部を先端14bが尖ったコーン状(円錐状)の杭部14としたものである。杭部14の内部空間14aは、フランジ部11の開口11aに連通している。
図4(a)(b)の地盤補強材料4は、図3(a)(b)の地盤補強材料3と同様の構成であるが、フランジ部を円形状でかつ板状のフランジ部13としたものである。フランジ部13の略中心に形成された開口13aは杭部14の内部空間14aと連通している。
図1〜図4の地盤補強材料1〜4によれば、人工干潟造成における浚渫土層の表層に埋設することで、浚渫土層の表面の圧密を促進させることができ、これにより、浚渫土層の表層の強度を増加させ、干潟地盤の強度増加を図ることができる。
また、地盤補強材料1〜4を地盤改良対象区域に所定間隔で埋設することで、所定区域の地盤強度を向上させることができる。また、局所的な配置が容易であるため、予め漂砂についての検討等に基づいて侵食しやすい位置に配置することで、覆砂厚が薄くなるおそれがある場所について地盤強度を確保することができる。
また、地盤補強材料1〜4は、杭部に内部空間を有し、軟弱地盤中に埋設されたとき、浮き上がるおそれがあるが、実際の使用では、杭部の内部空間が砂で満たされるので、かかる浮き上がりのおそれはなく、安定する。すなわち、地盤補強材料1〜4は、杭部の内部空間に砂が入り込み重量が増すことにより、浮力による地盤補強材料の浮き上がりのおそれが、内部空間が空洞であるときに比べて小さく、地中で安定しやすい特徴を有する。
また、地盤補強材料1〜4は、地盤に埋設されたとき地盤側に面する杭部12の表面を図1(b)の破線で示すように不織布15で覆うように構成してもよい。これにより、地盤補強材料1〜4を埋設したとき、不織布15がフィルタの機能を発揮し、軟弱地盤の粘性土などが杭部の内部空間に入り込むことを防ぐことができる。なお、フランジ部11が透水性を有する場合、フランジ部11の表面も同様に不織布で覆うことが好ましい。
次に、本実施形態による人工干潟造成方法において、図1〜図4の地盤補強材料1〜4を用いて、人工干潟造成において浚渫土層の表層の強度を増加させる工程について、図5および図6(a)〜(d)を参照して説明する。
本実施形態による人工干潟造成方法は、図5のように、沖側に潜堤を築堤し(S01)、次に、潜堤と護岸との間の水底に浚渫土等を投入し(揚土工)(S02)てから、浚渫土層を砂で覆う覆砂工(S04)の前に、浚渫土層の表層の強度増加のために、図1〜図4の地盤補強材料1〜4の埋設工程(S03)を実行するものである。
図5の埋設工程(S03)について説明する。図6(a)のように、浚渫土を投入した(揚土工)後、地盤補強材料1を浚渫土層Gにその表面Sから杭部12を鉛直方向下方へ差し込み埋設し、フランジ部11が地盤表面Sに載る。
次に、上述の揚土工から比較的短時間内に、図6(b)のように、浚渫土層Gの表面Sに覆砂を行い(図5の覆砂工S04)、覆砂層SDを形成する。このとき、その砂が、フランジ部11の開口11aから杭部12の内部空間12aに入り込み満たされる。
上述のように、浚渫土層G内に差し込まれた地盤補強材料1の杭部12の内部空間12aに覆砂工の砂が満たされることで、浚渫土層G内に簡易なサンドドレーンが形成されることになる。
すなわち、図6(c)のように、地盤補強材料1が埋設された周囲の浚渫土層Gから、透水性のある杭部12の表面を通して矢印方向aへと排水され、内部空間12a内の砂を通して矢印方向(鉛直方向)bへと排水されることで、浚渫土層Gの表層における間隙水の排水が促進される(図5の排水工程S05)。
上述のようにして、浚渫土層Gの表層の圧密が促進し、図6(d)の浚渫土層Gの表層G1の地盤強度が増加する。これにより、干潟地盤の強度増加を実現できる。
次に、本実施形態による人工干潟造成方法において覆砂工を揚土工の直後に実施せず、地盤補強材料1を埋設した後、所定期間放置する場合の工程について図7を参照して説明する。
図7(a)のように、浚渫土を投入した揚土工の後、地盤補強材料1を浚渫土層Gにその表面Sから杭部12を鉛直方向下方へ差し込み、フランジ部11が表面Sに載る。
次に、直ちに覆砂工を実行せず、地盤補強材料1を地盤内に埋設したまま所定期間放置すると、図7(b)のように、地盤補強材料1が埋設された周囲の浚渫土層Gから、透水性のある杭部12の表面を通して矢印方向aへと排水され、内部空間12aを通して矢印方向(鉛直方向)cへと排水されることで、浚渫土層Gの表層における間隙水の排水が促進される。
次に、図7(c)のように、浚渫土層Gの表面Sに覆砂を行い(覆砂工)、覆砂層SDを形成するが、このとき、その砂が、フランジ部11の開口11aから杭部12の内部空間12aに入り込み満たされ、浚渫土層G内に簡易なサンドドレーンが形成されることで、図6(c)と同様にして、浚渫土層Gの表層における間隙水の排水が促進される。このようにして、浚渫土層Gの表層の圧密が促進し、浚渫土層Gの表層G1の地盤強度が増加し、図7(d)のように、施工後1ヶ月程度で人が歩くことができる程度にまで地盤強度を確保することができる。
以上のように、本実施形態による人工干潟造成方法によれば、揚土工と覆砂工との間に、本実施形態の地盤補強材料を浚渫土層に埋設することで、圧密を促進することができる。杭部の内部空間に砂が満たされることで、浚渫土層に砂柱を設けることと同様のサンドドレーンの効果を発揮し、排水距離を短くして、圧密が促進される。これにより、浚渫土層の表層の強度が増加する。
また、図6(a)、図7(a)のように、地盤補強材料1を浚渫土層Gに埋設すると、フランジ部11が地盤表面に位置し、図6(b)、図7(c)の覆砂工によりフランジ部11に覆砂が載荷することで、覆砂層の表面の荷重(人、重機等)に対し、フランジ部11が引張抗力、摩擦力として作用し、干潟地盤の強度が増加する。このように、人や重機が載荷した時に、土中の集中応力をフランジ部で分散・低減させることができ、トラフィカビリティを確保することができる。
次に、本実施形態の人工干潟造成方法において地盤強度が所定の強度に達するまでの所要時間について検討する。
図8のように、浚渫土を層厚10m投入し、その上に覆砂(層厚0.5m)を施工した人工干潟について、漂砂等により覆砂厚が0.2mに減少した場合を想定し、本実施形態の地盤補強材料を埋設した場合と埋設しない場合とで、浚渫土層の表層での支持力(地盤強度)を算出し、同じ地盤強度に達するまでの時間を比較する。
〈検討条件〉
1.上載荷重
軟弱粘土層表層に作用する荷重は、(1)人荷重、(2)覆砂重量である。
(1)人荷重Wは大人1名(W=0.1t)とする。次の表1に人荷重Wと設置面積Aから求めた接地圧wを示す。
人荷重が覆砂表面に作用するとき、覆砂層底面での鉛直方向の増加応力w’は、図9のように、覆砂表面から底面に向かって30°方向に分散すると仮定すると、w’=0.571t/m2、となる。
(2)覆砂重量
砂の単位体積重量γ=1.8t/m3より、1.8t/m3×0.2m=0.36t/m2
以上から、覆砂層底面における上載荷重による応力は、(1)人荷重と(2)覆砂重量の合計より、Σw=0.931t/m2である。
2.浚渫土層の支持力(地盤強度)
(1)浚渫土(粘土)層の諸元は、次の表2の通りである。
(2)浚渫土(粘土)の粘着力
ある時間における粘土の粘着力Cは、ΔC/ΔP=0.25として、C=C0+0.25×覆砂重量×圧密度で表わした。
(3)浚渫土層の支持力
粘土の支持力はq=5.5Cで表わした。
(4)地盤補強材料の配置
杭部が直径5cm、長さ1.0m程度の地盤補強材料(図1の円筒型)を0.5m間隔で正方形配置したと仮定した。
(5)検討方法
本実施形態の地盤補強材料有りの圧密度の算出にはBarronの式を用い、地盤補強材料無し(自然圧密)の圧密度の算出にはTerzaghiの式を用いた。
〈検討結果〉
2(2)(3)より、
C= 0.1t/m2+0.25×1.8t/m3×0.2m×U
= 0.09×U+0.1 t/m2
Q= 5.5×(0.09×U+0.1)
ここで、上載荷重による応力Σw= 0.931t/m2であることから、
q= 0.931t/ m2= 5.5×(0.09×U+0.1) よりU=77%
圧密度77%(U=77%)に至るまでの時間(圧密時間)は、地盤補強材料有りで約1ヶ月程度、地盤補強材料無し(自然圧密)で約5ヶ月である。地盤補強材料有無による圧密度と圧密所要日数との関係を次の表3に示す。
以上から、本実施形態の地盤補強材料を用いることで、地盤の圧密が促進され、早期に強度増加が期待できることが確認された。
以上のように、本実施形態の人工干潟造成方法によれば、干潟地盤の軟弱粘土層である浚渫土層の強度を早期に確保させることができる。なお、地盤補強材料の打設間隔は、人荷重が浚渫土層表層に作用すると仮定したとき、1ヶ月程度で支持力が確保できるような形状や配置が望ましい。
以上のように本発明を実施するための形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で各種の変形が可能である。例えば、図1〜図4の地盤補強材料の形状は、これらに限定されるものではなく、たとえば、フランジ部の平面形状は、四角形以外の三角形状や多角形状であってもよく、また、杭部の形状は、角筒状や角錐状であってもよい。
また、本発明の地盤補強材料は、人工干潟造成方法における早期の表層の地盤強度確保のための利用のみならず、一般の軟弱地盤の地盤改良に用いることで特に表層の地盤強度を簡単な工程で早期に確保することができる。
また、地盤補強材料の長さは、地盤改良が必要な地盤面からの深さ(地盤改良深さ)によって決まるが、本実施形態では表層部分の地盤の改良のみを対象とし、対象とする荷重は、干潟上で作業する人間や器具など小規模の荷重であり、載荷幅も0.3m〜0.5m程度と小さい。軟弱地盤の支持力の考え方については一義的なものは無く、様々な仮定に基づく計算式が提案されている。そこで、対象地盤の支持力破壊の形状を、載荷幅(約0.5m)を半径とした円筒形状と仮定して考え、それに安全率を見込み、必要な地盤改良深さを決定すると、地盤補強材料の長さは約1.0m程度と設定できる。また、この長さ程度であれば、人力による運搬および打設も可能である。このように、本発明の地盤補強材料の長さは、軟弱地盤の地盤面に加わると予想される荷重に基づいて適宜決定することができる。
1〜4 地盤補強材料
11 フランジ部
11a 開口
12 杭部
12a 内部空間
13 フランジ部
13a 開口
14 杭部
14a 内部空間
15 不織布
G 浚渫土層(軟弱地盤)
G1 表層
SD 覆砂層

Claims (7)

  1. 軟弱地盤に埋設可能な地盤補強材料であって、
    地盤内に埋設されるように長手方向に延びかつ内部に内部空間のある杭部と、
    地盤表面に載るよう構成されかつ前記内部空間の開口があるフランジ部と、を備え、
    前記杭部が透水性材料からなり、
    前記杭部から地盤内に埋設されたとき、地盤表面側の前記開口から入り込んだ砂材が前記内部空間内に満たされて排水機能を発揮可能であるとともに、前記地盤表面上の前記砂材に対する載荷時の集中応力を前記地盤表面に位置する前記フランジ部で分散し低減させることを特徴とする地盤補強材料。
  2. 前記フランジ部が透水性材料からなる請求項1に記載の地盤補強材料。
  3. 地盤内に埋設されたとき地盤側に面する表面を不織布で覆うように構成した請求項1または2に記載の地盤補強材料。
  4. 前記杭部は、円筒状またはコーン状に構成されている請求項1乃至3のいずれか1項に記載の地盤補強材料。
  5. 人工干潟造成のための軟弱地盤に請求項1乃至4のいずれか1項に記載の地盤補強材料をその杭部から埋設し、
    次に、前記軟弱地盤の表面に覆砂をしたとき、前記地盤補強材料の前記フランジ部の開口から前記杭部の内部空間に砂材が入り込んで満たされ、前記地盤補強材料が埋設された周囲の地盤から前記杭部の表面および前記内部空間内の砂材を通して排水を促進し前記軟弱地盤表層の強度を増加させるとともに、前記砂材に対する載荷時の集中応力を前記地盤表面に位置する前記フランジ部で分散し低減させることを特徴とする人工干潟造成方法。
  6. 前記地盤補強材料を前記軟弱地盤に所定間隔で多数埋設する請求項5に記載の人工干潟造成方法。
  7. 前記地盤補強材料の埋設工程と前記覆砂工程との間において、前記地盤補強材料を地盤内に埋設したまま所定期間放置することで、前記地盤補強材料が埋設された周囲の地盤から前記杭部の表面を通して排水を促進する請求項5または6に記載の人工干潟造成方法。
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