以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、第1の実施形態に係る音処理システム100の利用環境の一例を示す。音処理システム100は、道路Rの料金所Pにおいて集音された音を処理するシステムである。
音処理システム100は、音処理装置110、車両分離器121、車種判別用踏板122、車高検知器123、オーバハング検知器124、車長検知器125、撮像機126、車種判別装置130、料金自動収受機140、及びスピーカー150を備える。
車両分離器121は、光センサにより車両1台毎を分離して検知する装置である。より具体的に説明すると、車両分離器121は、料金所Pの路側のアイランドに設けられている。そして、車両分離器121は、撮像機126、及び車種判別装置130と電気的に接続されている。そして、車両分離器121は、光センサにより車両を検知すると、その旨を示すデータを、撮像機126、及び車種判別装置130へ出力する。
車種判別用踏板122は、料金所Pに進入してきた車両の車軸数、タイヤ幅、及び輪距を検知する装置である。より具体的に説明すると、車種判別用踏板122は、料金所Pの路面に設けられている。そして、車種判別用踏板122は、車種判別装置130と電気的に接続されている。そして、車種判別用踏板122は、車両の車軸数、タイヤ幅、及び輪距を検知すると、その検知結果を示すデータを、車種判別装置130へ出力する。
車高検知器123は、料金所Pに進入してきた車両の車高を検知する装置である。より具体的に説明すると、車高検知器123は、料金所Pの路側のアイランドに設けられている。そして、車高検知器123は、車種判別装置130と電気的に接続されている。そして、車高検知器123は、車両の車高を検知すると、その検知結果を示すデータを、車種判別装置130へ出力する。
オーバハング検知器124は、料金所Pに進入してきた車両のオーバハングを検知する装置である。より具体的に説明すると、オーバハング検知器124は、料金所Pの路側のアイランドに設けられている。そして、オーバハング検知器124は、車種判別装置130と電気的に接続されている。そして、オーバハング検知器124は、車両のオーバハングを検知すると、その検知結果を示すデータを、車種判別装置130へ出力する。
車長検知器125は、料金所Pに進入してきた車両の車長を検知する装置である。より具体的に説明すると、車長検知器125は、料金所Pの路側のアイランドに設けられている。そして、車長検知器125は、車種判別装置130と電気的に接続されている。そして、車長検知器125は、車両の車長を検知すると、その検知結果を示すデータを、車種判別装置130へ出力する。
撮像機126は、料金所Pに進入してきた車両のナンバープレートを撮像する装置である。より具体的に説明すると、撮像機126は、料金所Pの路側のアイランドに設けられている。そして、撮像機126は、車両分離器121、及び車種判別装置130と電気的に接続されている。そして、撮像機126は、車両分離器121から出力されたデータの入力を受け付けると、車両のナンバープレートを撮像する。そして、撮像機126は、車両のナンバープレートを撮像すると、画像データを、車種判別装置130へ出力する。
車種判別装置130は、料金所Pに進入してきた車両の車種を判別する装置である。より具体的に説明すると、車種判別装置130は、車両分離器121、車種判別用踏板122、車高検知器123、オーバハング検知器124、車長検知器125、及び撮像機126と電気的に接続されている。また、車種判別装置130は、音処理装置110と通信回線Nを介して通信接続される。そして、車種判別装置130は、車両分離器121、車種判別用踏板122、車高検知器123、オーバハング検知器124、車長検知器125、及び撮像機126からそれぞれ出力されたデータの入力を受け付けると、これらのデータに基づいて、車両の車種を判別する。そして、車種判別装置130は、車両の車種を判別すると、その車種を示すデータを、音処理装置110へ送信する。なおまた、通信回線Nは、インターネット等のコンピュータネットワーク、通信事業者のコアネットワーク、及び種々のローカルネットワークを含む。
料金自動収受機140は、料金の収受、及びトラブル時に料金事務室Oの係員と通話するための装置である。より具体的に説明すると、料金自動収受機140は、料金所Pの路側のアイランドに設けられている。そして、料金自動収受機140は、音処理装置110と通信回線Nを介して通信接続される。料金自動収受機140には、道路Rに面して2つの操作パネル141a、b(以下、操作パネル141と総称する。)が設けられている。ここで、操作パネル141aは、操作パネル141bよりも高い位置に設けられており、主として、貨物自動車等の車高の高い車両の搭乗者に用いられる。一方、操作パネル141bは、操作パネル141aよりも低い位置に設けられており、主として、オートバイ等の車高の低い車両の搭乗者に用いられる。操作パネル141aには、硬貨投入口142a等の料金を収受するのに用いられる各種インターフェースの他に、係員呼出ボタン143a、及びマイクロホン144aが設けられている。同様に、操作パネル141bには、硬貨投入口142b等の料金を収受するのに用いられる各種インターフェースの他に、係員呼出ボタン143b、及びマイクロホン144bが設けられている。ここで、係員呼出ボタン143a、b(以下、係員呼出ボタン143と総称する。)は、トラブル時に押下して、料金事務室Oの係員をインターホンによって応対させるべく呼び出すためのボタンである。また、マイクロホン144a、b(以下、マイクロホン144と総称する。)は、車両の搭乗者が料金事務室Oの係員と通話するために用いられるマイクロホンである。また、料金自動収受機140には、マイクロホン145が設けられている。ここで、マイクロホン145は、マイクロホン144よりも低い位置に設けられており、主として、車両の騒音を集音するために用いられる。そして、料金自動収受機140は、係員呼出ボタン143aが押下されると、マイクロホン144aによって集音された音を示すデータと、マイクロホン145によって集音された音を示すデータとを、音処理装置110へ送信する。同様に、料金自動収受機140は、係員呼出ボタン143bが押下されると、マイクロホン144bによって集音された音を示すデータと、マイクロホン145によって集音された音を示すデータを、音処理装置110へ送信する。なおまた、マイクロホン144は、この発明における「第1のマイクロホン」の一例であってよい。また、マイクロホン145は、この発明における「第2のマイクロホン」の一例であってよい。
音処理装置110は、マイクロホン144とマイクロホン145とによってそれぞれ集音された音を処理する装置である。より具体的に説明すると、音処理装置110は、料金事務室Oに設けられている。そして、音処理装置110は、車種判別装置130、及び料金自動収受機140と通信回線Nを介して通信接続される。また、音処理装置110は、スピーカー150と電気的に接続されている。そして、音処理装置110は、車種判別装置130、及び料金自動収受機140から送信されたデータをそれぞれ受信すると、これらのデータに基づいて、車両の騒音源からの距離が近い方のマイクロホンによって集音された音を、車両の車種に応じた遅延量だけ遅延処理する。そして、音処理装置110は、車両の騒音源からの距離が遠い方のマイクロホンによって集音された第1の処理対象音と、遅延処理した後の第2の処理対象音とのうち、マイクロホン144によって集音された音に対応する処理対象音から、マイクロホン145によって集音された音に対応する他方の処理対象音の成分を低減処理する。そして、音処理装置110は、処理した後の音を示す電気信号を、スピーカー150へ出力する。
スピーカー150は、電気信号を物理振動に変えて、音を生み出す機械である。より具体的に説明すると、スピーカー150は、料金事務室Oに設けられている。そして、スピーカー150は、音処理装置110と電気的に接続されている。そして、スピーカー150は、音処理装置110から出力された電気信号の入力を受け付けると、その電気信号を物理振動に変えて、音を生み出す。
なおまた、本実施形態においては、説明が煩雑になることを防ぐことを目的として、音処理システム100が一の音処理装置110、車両分離器121、車種判別用踏板122、車高検知器123、オーバハング検知器124、車長検知器125、撮像機126、車種判別装置130、料金自動収受機140、及びスピーカー150を備える構成について説明する。しかしながら、音処理システム100は、複数の音処理装置110、車両分離器121、車種判別用踏板122、車高検知器123、オーバハング検知器124、車長検知器125、撮像機126、車種判別装置130、料金自動収受機140、及びスピーカー150を備えてよい。
また、本実施形態においては、説明が煩雑になることを防ぐことを目的として、料金自動収受機140が一のマイクロホン145を備える構成について説明する。しかしながら、料金自動収受機140は、複数のマイクロホン145を備えてよい。
図2は、音処理装置110のブロック構成の一例を示す。音処理装置110は、車種データ受信部111、音データ受信部112、遅延処理部113、音成分低減処理部114、及び電気信号出力部115を有する。以下の説明においては、各構成要素の機能、及び動作を詳述する。
車種データ受信部111は、料金所Pに進入してきた車両の車種を示すデータを、車種判別装置130から受信する。
音データ受信部112は、マイクロホン144によって集音された音を示すデータと、マイクロホン145によって集音された音を示すデータとを、料金自動収受機140から受信する。
遅延処理部113は、車両の騒音源からの距離が近い方のマイクロホンによって集音された音を、車両の車種に応じた遅延量だけ遅延処理する。より具体的に説明すると、遅延処理部113は、車両の騒音源からの距離が近い方のマイクロホンによって集音された音を、車種判別装置130によって判別された車両の車種に応じた遅延量だけ遅延処理する。
音成分低減処理部114は、車両の騒音源からの距離が遠い方のマイクロホンによって集音された第1の処理対象音と、遅延処理部113が遅延処理した後の第2の処理対象音とのうち、マイクロホン144によって集音された音に対応する処理対象音から、マイクロホン145によって集音された音に対応する他方の処理対象音の成分を低減処理する。
電気信号出力部115は、音成分低減処理部が処理した後の音を示す電気信号を、スピーカー150へ出力する。
図3は、音処理装置110の動作フローの一例を示す。この動作フローの説明においては、車種判別装置130によって判定された車両の車種の情報に基づいて、マイクロホン144、145によって集音された音を処理するときの音処理装置110の動作について詳述する。なおまた、この動作フローの説明においては、図1、2、4、5を共に参照する。ここで、図4は、料金自動収受機140の正面に貨物自動車Tが停車している状態の一例を示す。また、図5は、料金自動収受機140の正面にオートバイBが停車している状態の一例を示す。
ここで、音処理装置110は、エンジンを車両の騒音源とみなして処理を行うものとする。その場合、車高の高い車両の搭乗者が料金自動収受機140のマイクロホン144aを利用する場合、マイクロホン144aとマイクロホン145とのうち、車両の騒音源であるエンジンからの距離が近い方のマイクロホンは、マイクロホン145となる。同様に、車高の低い車両の搭乗者が料金自動収受機140のマイクロホン144bを利用する場合、マイクロホン144bとマイクロホン145とのうち、車両の騒音源であるエンジンからの距離が近い方のマイクロホンは、マイクロホン145となる。
車両分離器121は、光センサにより車両を検知すると、その旨を示すデータを、撮像機126、及び車種判別装置130へ出力する。例えば、車両分離器121は、いずれかの光センサが遮光されれば、車両の通過中とみなす。
車種判別用踏板122は、車両の車軸数、タイヤ幅、及び輪距を検知すると、その検知結果を示すデータを、車種判別装置130へ出力する。例えば、車種判別用踏板122は、車両が通過する際に、タイヤの踏んだ位置を検出することによって、車両の車軸数、タイヤ幅、及び輪距を検知する。
車高検知器123は、車両の車高を検知すると、その検知結果を示すデータを、車種判別装置130へ出力する。例えば、車高検知器123は、光学的に車両の車高を検知する。
オーバハング検知器124は、車両のオーバハングを検知すると、その検知結果を示すデータを、車種判別装置130へ出力する。
車長検知器125は、車両の車長を検知すると、その検知結果を示すデータを、車種判別装置130へ出力する。例えば、車長検知器125は、ある一定以上の長さを持つ車両を検知する。
撮像機126は、車両分離器121から出力されたデータの入力を受け付けると、車両のナンバープレートを撮像する。そして、撮像機126は、車両のナンバープレートを撮像すると、画像データを、車種判別装置130へ出力する。例えば、撮像機126は、画像をコンピュータ処理するのに十分な分解能、感度、及びSN(Signal Noise)比を備えている。
車種判別装置130は、車両分離器121、車種判別用踏板122、車高検知器123、オーバハング検知器124、車長検知器125、及び撮像機126からそれぞれ出力されたデータの入力を受け付けると、これらのデータに基づいて、車両の車種を判別する。そして、車種判別装置130は、車両の車種を判別すると、その車種を示すデータを、音処理装置110へ送信する。
音処理装置110の車種データ受信部111は、車種判別装置130から送信されたデータを受信すると(S101)、そのデータを、遅延処理部113へ送る。
一方、料金所Pに進入した車両の搭乗者は、料金自動収受機140にて道路Rの通行料金の支払いを行う。ここで、料金自動収受機140の操作方法が分からない等のトラブルが生じた場合、車両の搭乗者は、料金事務室Oの係員をインターホンによって応対させるべく呼び出すために、係員呼出ボタン143を押下する。その際、車両の搭乗者は、車両の車高に応じて、係員呼出ボタン143a、bのうち、操作し易い方のボタンを押下する。そして、車両の搭乗者は、押下した係員呼出ボタン143と同じ操作パネル141に設けられたマイクロホン144を用いて、料金事務室Oの係員と通話する。
このような場合、マイクロホン144は、車両の搭乗者の発話音声と共に、車両のエンジン音をも集音することになる。一方、マイクロホン145は、車両のエンジン音のみ、又は車両のエンジン音と共に車両の搭乗者の極めて小音量の発話音声を集音することになる。
料金自動収受機140は、係員呼出ボタン143が押下されると、その係員呼出ボタン143と同じ操作パネル141に設けられたマイクロホン144によって集音された音を示すデータと、マイクロホン145によって集音された音を示すデータとを、音処理装置110へ送信する。
音処理装置110の音データ受信部112は、料金自動収受機140から送信されたデータを受信すると(S102)、マイクロホン144によって集音された音を示すデータと、マイクロホン145によって集音されたデータとのうち、車両の騒音源であるエンジンからの距離が近い方のマイクロホン145によって集音された音を示すデータを、遅延処理部113へ送り、車両の騒音源であるエンジンからの距離が遠い方のマイクロホン144によって集音された音を示すデータを、音成分低減処理部114へ送る。
音処理装置110の遅延処理部113は、車種データ受信部111、及び音データ受信部112から送られたデータをそれぞれ受け取ると、音データ受信部112から受け取ったデータによって示されるマイクロホン145によって集音された音を、車種データ受信部111から受け取ったデータによって示される車両の車種に応じた遅延量だけ遅延処理する(S103)。例えば、遅延処理部113は、マイクロホン145によって集音された音を、車両の車種に応じて予め定められた遅延量だけ遅延処理する。
例えば、マイクロホン145によって集音された音を遅延処理すべき遅延量は、次のようにして求められる。図4に示すように、アイランドの高さをH1、料金自動収受機140からアイランドの道路R側の端面までの距離をW1、アイランドの上面からのマイクロホン144aの高さをH3、貨物自動車Tの車幅をW2、路面からの貨物自動車TのエンジンE1の高さをH4、貨物自動車Tからアイランドの道路R側の端面までの距離をW3とすると、貨物自動車Tの騒音源であるエンジンE1からマイクロホン144aまでの距離Lutは、式(1)のようにして求められる。ここで、エンジンE1は、貨物自動車Tの車幅方向の中心に位置しているものとする。
また、アイランドの上面からのマイクロホン145の高さをH2とすると、エンジンE1からマイクロホン145までの距離Lntは、式(2)のようにして求められる。
ここで、音速をcとすると、エンジンE1の音がマイクロホン144aに到達する時間Tutは、式(3)のようにして求められる。
また、エンジンE1の音がマイクロホン145に到達する時間Tntは、式(4)のようにして求められる。
したがって、マイクロホン145によって集音されたエンジンE1の音を遅延処理すべき遅延量ΔTtは、式(5)のようにして求められる。
また、図5に示すように、アイランドの高さをH1、料金自動収受機140からアイランドの道路R側の端面までの距離をW1、アイランドの上面からのマイクロホン144bの高さをH5、オートバイBの車幅をW4、路面からのオートバイBのエンジンE2の高さをH6、オートバイBからアイランドの道路R側の端面までの距離をW5とすると、オートバイBの騒音源であるエンジンE2からマイクロホン144bまでの距離Lubは、式(6)のようにして求められる。ここで、エンジンE2は、オートバイBの車幅方向の中心に位置しているものとする。
また、アイランドの上面からのマイクロホン145の高さをH2とすると、エンジンE2からマイクロホン145までの距離Lnbは、式(7)のようにして求められる。
ここで、音速をcとすると、エンジンE2の音がマイクロホン144bに到達する時間Tubは、式(8)のようにして求められる。
また、エンジンE2の音がマイクロホン145に到達する時間Tnbは、式(9)のようにして求められる。
したがって、マイクロホン145によって集音されたエンジンE2の音を遅延処理すべき遅延量ΔTbは、式(10)のようにして求められる。
このようにして算出された遅延量が定められているとすると、例えば、車種判別装置130によって判別された車両の車種が貨物自動車であった場合、遅延処理部113は、マイクロホン145によって集音された音を、遅延量ΔTtだけ遅延させる。また、例えば、車種判別装置130によって判別された車両の車種がオートバイであった場合、遅延処理部113は、マイクロホン145によって集音された音を、遅延量ΔTbだけ遅延させる。そして、遅延処理部113は、遅延処理した後の音を示すデータを、音成分低減処理部114へ送る。
音処理装置110の音成分低減処理部114は、音データ受信部112、及び遅延処理部113から送られたデータをそれぞれ受け取ると、音データ受信部112から受け取ったデータによって示されるマイクロホン144によって集音された音から、遅延処理部113から受け取ったデータによって示される音の成分を低減処理する。例えば、音成分低減処理部114は、遅延処理部113から受け取ったデータによって示される音の信号の逆位相の信号を、音データ受信部112から受け取ったデータによって示されるマイクロホン144によって集音された音の信号に混合することによって低減処理する。そして、音成分低減処理部114は、低減処理した後の音を示すデータを、電気信号出力部115へ送る。
音処理装置110の電気信号出力部115は、音成分低減処理部114から送られたデータを受け取ると、その音を示す電気信号を、スピーカー150へ出力する(S105)。
このようにして、スピーカー150からは、マイクロホン144によって集音された音から車両のエンジン音が低減処理された音が出力されることになる。
図6は、第2の実施形態に係る音処理システム200の利用環境の一例を示す。音処理システム200は、道路Rの料金所Pにおいて集音された音を処理するシステムである。
音処理システム200は、音処理装置210、路側無線装置220、インターホン230、及びスピーカー150を備える。なおまた、路側無線装置220は、この発明における「受信装置」の一例であってよい。
なおまた、音処理システム100、及び音処理システム200の構成要素のうち、同じ符号を付している同名の構成要素は、同様の機能、及び動作を示す。
路側無線装置220は、車両の車載器と無線通信を行う装置である。より具体的に説明すると、路側無線装置220は、ガントリーGに設けられている。そして、路側無線装置220は、音処理装置210と通信回線Nを介して通信接続される。そして、路側無線装置220は、車両の車載器から送信されたデータを受信すると、そのデータに含まれる車両の車種の情報を示すデータを、音処理装置210へ送信する。
インターホン230は、トラブル時に料金事務室Oの係員と通話するための装置である。より具体的に説明すると、インターホン230は、料金所P2の路側のアイランドに設けられている。そして、インターホン230は、音処理装置210と通信回線Nを介して通信接続される。インターホン230には、道路Rに面して、係員呼出ボタン143、マイクロホン144、及びマイクロホン145が設けられている。ここで、係員呼出ボタン143は、トラブル時に押下して、料金事務室Oの係員をインターホンによって応対させるべく呼び出すためのボタンである。また、マイクロホン144は、車両の搭乗者が料金事務室Oの係員と通話するために用いられるマイクロホンである。また、マイクロホン145は、マイクロホン144よりも低い位置に設けられており、主として、車両の騒音を集音するために用いられる。そして、インターホン230は、係員呼出ボタン143が押下されると、マイクロホン144によって集音された音を示すデータと、マイクロホン145によって集音された音を示すデータとを、音処理装置110へ送信する。なおまた、マイクロホン144は、この発明における「第1のマイクロホン」の一例であってよい。また、マイクロホン145は、この発明における「第2のマイクロホン」の一例であってよい。
音処理装置210は、マイクロホン144とマイクロホン145とによってそれぞれ集音された音を処理する装置である。より具体的に説明すると、音処理装置210は、料金事務室Oに設けられている。そして、音処理装置210は、路側無線装置220、及びインターホン230と通信回線Nを介して通信接続される。また、音処理装置210は、スピーカー150と電気的に接続されている。そして、音処理装置210は、路側無線装置220、及びインターホン230から送信されたデータをそれぞれ受信すると、これらのデータに基づいて、車両の騒音源からの距離が近い方のマイクロホンによって集音された音を、車両の車種に応じた遅延量だけ遅延処理する。そして、音処理装置210は、車両の騒音源からの距離が遠い方のマイクロホンによって集音された第1の処理対象音と、遅延処理した後の第2の処理対象音とのうち、マイクロホン144によって集音された音に対応する処理対象音から、マイクロホン145によって集音された音に対応する他方の処理対象音の成分を低減処理する。そして、音処理装置210は、処理した後の音を示す電気信号を、スピーカー150へ出力する。
なおまた、本実施形態においては、説明が煩雑になることを防ぐことを目的として、音処理システム200が一の音処理装置210、路側無線装置220、インターホン230、及びスピーカー150を備える構成について説明する。しかしながら、音処理システム200は、複数の音処理装置210、路側無線装置220、インターホン230、及びスピーカー150を備えてよい。
また、本実施形態においては、説明が煩雑になることを防ぐことを目的として、インターホン230が一の係員呼出ボタン143、マイクロホン144、及びマイクロホン145を備える構成について説明する。しかしながら、インターホン230は、複数の係員呼出ボタン143、マイクロホン144、及びマイクロホン145を備えてよい。
図7は、音処理装置210のブロック構成の一例を示す。音処理装置210は、車種データ受信部211、音データ受信部312、遅延処理部213、音成分低減処理部114、及び電気信号出力部115を有する。以下の説明においては、各構成要素の機能、及び動作を詳述する。
なおまた、音処理装置110、及び音処理装置210の構成要素のうち、同じ符号を付している同名の構成要素は、同様の機能、及び動作を示す。
車種データ受信部211は、料金所P2に進入してきた車両の車種の情報を示すデータを、路側無線装置220から受信する。
音データ受信部212は、マイクロホン144によって集音された音を示すデータと、マイクロホン145によって集音された音を示すデータとを、インターホン230から受信する。
遅延処理部213は、車両の騒音源からの距離が近い方のマイクロホンによって集音された音を、車両の車種に応じた遅延量だけ遅延処理する。より具体的に説明すると、遅延処理部213は、車両の騒音源からの距離が近い方のマイクロホンによって集音された音を、路側無線装置220が車両の車載器から受信したデータに含まれる車両の車種の情報に応じた遅延量だけ遅延処理する。
図8は、音処理装置210の動作フローの一例を示す。この動作フローの説明においては、路側無線装置220が車両の車載器から受信したデータに含まれる車両の車種の情報に基づいて、マイクロホン144、145によって集音された音を処理するときの音処理装置210の動作について詳述する。なおまた、この動作フローの説明においては、図1から図7を共に参照する。また、音処理装置110の動作フロー、及び音処理装置210の動作フローのステップのうち、同じ符号を付しているステップは、同様の動作を示す。
ここで、音処理装置210は、エンジンを車両の騒音源とみなして処理を行うものとする。その場合、マイクロホン144とマイクロホン145とのうち、車両の騒音源であるエンジンからの距離が近い方のマイクロホンは、マイクロホン145となる。
路側無線装置220は、車両の車載器から送信されたデータを受信すると、そのデータに含まれる車両の車種の情報を示すデータを、音処理装置210へ送信する。
音処理装置210の車種データ受信部211は、路側無線装置220から送信されたデータを受信すると(S201)、そのデータを、遅延処理部113へ送る。
一方、料金所P2に進入した車両は、ETC(Electronic Toll Collection System)により道路Rの通行料金の支払処理が成功すると、料金所P2から退出することができる。ここで、ETCにより道路Rの通行料金の支払処理の失敗等のトラブルが生じた場合、車両の搭乗者は、料金事務室Oの係員をインターホンによって応対させるべく呼び出すために、係員呼出ボタン143を押下する。そして、車両の搭乗者は、マイクロホン144を用いて、料金事務室Oの係員と通話する。
インターホン230は、係員呼出ボタン143が押下されると、マイクロホン144によって集音された音を示すデータと、マイクロホン145によって集音された音を示すデータとを、音処理装置210へ送信する。
音処理装置210の音データ受信部212は、インターホン230から送信されたデータを受信すると(S202)、マイクロホン144によって集音されたデータと、マイクロホン145によって集音されたデータとのうち、車両の騒音源であるエンジンからの距離が近い方のマイクロホン145によって集音された音を示すデータを、遅延処理部113へ送り、車両の騒音源であるエンジンからの距離が遠い方のマイクロホン144によって集音された音を示すデータを、音成分低減処理部114へ送る。
以下、音処理装置210は、図3の動作フローのステップS103〜S105と同様の処理を行う。
このようにして、スピーカー150からは、マイクロホン144によって集音された音から車両のエンジン音が低減処理された音が出力されることになる。
図9は、第3の実施形態に係る音処理システム300の利用環境の一例を示す。音処理システム300は、道路Rの料金所Pにおいて集音された音を処理するシステムである。
音処理システム300は、音処理装置310、車両分離器121、車種判別用踏板122、車高検知器123、オーバハング検知器124、車長検知器125、撮像機126、車種判別装置130、料金自動収受機340、及びスピーカー150を備える。
なおまた、音処理システム100、及び音処理システム300の構成要素のうち、同じ符号を付している同名の構成要素は、同様の機能、及び動作を示す。
料金自動収受機340は、料金の収受、及びトラブル時に料金事務室Oの係員と通話するための装置である。より具体的に説明すると、料金自動収受機340は、料金所Pの路側のアイランドに設けられている。そして、料金自動収受機340は、音処理装置310と通信回線Nを介して通信接続される。そして、料金自動収受機340には、料金自動収受機140の構成要素に加えて、道路Rに面して距離センサ346が設けられている。ここで、距離センサ346は、料金自動収受機340のマイクロホン144、145が設けられている面から車両までの距離を検知する装置である。そして、料金自動収受機340は、係員呼出ボタン143aが押下されると、マイクロホン144aによって集音された音を示すデータと、マイクロホン145によって集音された音を示すデータと、距離センサ346によって検知された距離を示すデータとを、音処理装置310へ送信する。同様に、料金自動収受機340は、係員呼出ボタン143bが押下されると、マイクロホン144bによって集音された音を示すデータと、マイクロホン145によって集音された音を示すデータと、距離センサ346によって検知された距離を示すデータとを、音処理装置310へ送信する。なおまた、距離センサ346は、この発明における「距離検知装置」の一例であってよい。
音処理装置310は、マイクロホン144とマイクロホン145とによってそれぞれ集音された音を処理する装置である。より具体的に説明すると、音処理装置310は、料金事務室Oに設けられている。そして、音処理装置310は、車種判別装置130、及び料金自動収受機340と通信回線Nを介して通信接続される。また、音処理装置310は、スピーカー150と電気的に接続されている。そして、音処理装置310は、車種判別装置130、及び料金自動収受機340から送信されたデータをそれぞれ受信すると、これらのデータに基づいて、車両の騒音源からの距離が近い方のマイクロホンによって集音された音を、車両の車種と、距離センサ346によって検知された距離とに応じた遅延量だけ遅延処理する。そして、音処理装置310は、車両の騒音源からの距離が遠い方のマイクロホンによって集音された第1の処理対象音と、遅延処理した後の第2の処理対象音とのうち、マイクロホン144によって集音された音に対応する処理対象音から、マイクロホン145によって集音された音に対応する他方の処理対象音の成分を低減処理する。そして、音処理装置310は、処理した後の音を示す電気信号を、スピーカー150へ出力する。
なおまた、本実施形態においては、説明が煩雑になることを防ぐことを目的として、音処理システム300が一の音処理装置310、車両分離器121、車種判別用踏板122、車高検知器123、オーバハング検知器124、車長検知器125、撮像機126、車種判別装置130、料金自動収受機340、及びスピーカー150を備える構成について説明する。しかしながら、音処理システム300は、複数の音処理装置310、車両分離器121、車種判別用踏板122、車高検知器123、オーバハング検知器124、車長検知器125、撮像機126、車種判別装置130、料金自動収受機340、及びスピーカー150を備えてよい。
また、本実施形態においては、説明が煩雑になることを防ぐことを目的として、料金自動収受機340が一のマイクロホン145、及び距離センサ346を備える構成について説明する。しかしながら、料金自動収受機140は、複数のマイクロホン145、及び距離センサ346を備えてよい。
図10は、音処理装置310のブロック構成の一例を示す。音処理装置310は、車種データ受信部111、音データ受信部112、距離データ受信部316、遅延処理部313、音成分低減処理部114、及び電気信号出力部115を有する。以下の説明においては、各構成要素の機能、及び動作を詳述する。
なおまた、音処理装置110、及び音処理装置310の構成要素のうち、同じ符号を付している同名の構成要素は、同様の機能、及び動作を示す。
距離データ受信部316は、距離センサ346によって検知された距離を示すデータを、料金自動収受機340から受信する。
遅延処理部313は、車両の騒音源からの距離が近い方のマイクロホンによって集音された音を、車両の車種に応じた遅延量だけ遅延処理する。より具体的に説明すると、遅延処理部313は、車両の騒音源からの距離が近い方のマイクロホンによって集音された音を、車種判別装置130によって判別された車両の車種に応じた遅延量だけ遅延処理する。更に具体的に説明すると、遅延処理部は、車両の騒音源からの距離が近い方のマイクロホンによって集音された音を、車両の車種と、距離センサ346によって検知された距離とに応じた遅延量だけ遅延処理する。
図11は、音処理装置310の動作フローの一例を示す。この動作フローの説明においては、車種判別装置130によって判定された車両の車種の情報と、距離センサ346によって検知された距離とに基づいて、マイクロホン144、145によって集音された音を処理するときの音処理装置310の動作について詳述する。なおまた、この動作フローの説明においては、図1から図10を共に参照する。また、音処理装置110の動作フロー、及び音処理装置310の動作フローのステップのうち、同じ符号を付しているステップは、同様の動作を示す。
ここで、音処理装置310は、エンジンを車両の騒音源とみなして処理を行うものとする。その場合、車高の高い車両の搭乗者が料金自動収受機340のマイクロホン144aを利用する場合、マイクロホン144aとマイクロホン145とのうち、車両の騒音源であるエンジンからの距離が近い方のマイクロホンは、マイクロホン145となる。同様に、車高の低い車両の搭乗者が料金自動収受機340のマイクロホン144bを利用する場合、マイクロホン144bとマイクロホン145とのうち、車両の騒音源であるエンジンからの距離が近い方のマイクロホンは、マイクロホン145となる。
音処理装置310の車種データ受信部111は、図3の動作フローのステップS101と同様に、車種判別装置130から送信されたデータを受信すると(S101)、そのデータを、遅延処理部113へ送る。
一方、料金自動収受機340は、係員呼出ボタン143が押下されると、その係員呼出ボタン143と同じ操作パネル141に設けられたマイクロホン144によって集音された音を示すデータと、マイクロホン145によって集音された音を示すデータと、距離センサ346によって検知された距離を示すデータとを、音処理装置310へ送信する。
音処理装置310の音データ受信部312は、料金自動収受機340から送信された音を示すデータを受信すると(S102)、マイクロホン144によって集音された音を示すデータと、マイクロホン145によって集音されたデータとのうち、車両の騒音源であるエンジンからの距離が近い方のマイクロホン145によって集音された音を示すデータを、遅延処理部313へ送り、車両の騒音源であるエンジンからの距離が遠い方のマイクロホン144によって集音された音を示すデータを、音成分低減処理部114へ送る。
音処理装置310の距離データ受信部316は、料金自動収受機340から送信された距離を示すデータを受信すると(S306)、そのデータを、遅延処理部313へ送る。
音処理装置310の遅延処理部313は、車種データ受信部111、音データ受信部112、及び距離データ受信部316から送られたデータをそれぞれ受け取ると、音データ受信部112から受け取ったデータによって示されるマイクロホン145によって集音された音を、車種データ受信部111から受け取ったデータによって示される車両の車種と、距離データ受信部316から受け取ったデータによって示される距離センサ346によって検知された距離に応じた遅延量だけ遅延処理する(S303)。例えば、遅延処理部313は、アイランドの高さ、料金自動収受機340からアイランドの道路R側の端面までの距離、アイランドの上面からのマイクロホン144aの高さ、貨物自動車Tの車幅、路面からの貨物自動車TのエンジンE1の高さ、アイランドの上面からのマイクロホン145の高さ、及び音速を、車両の車種に応じた定数とし、貨物自動車Tから料金自動収受機340までの距離を、距離センサ346によって検知された距離として、マイクロホン145によって集音されたエンジンの音を遅延処理すべき遅延量を算出する。そして、遅延処理部313は、マイクロホン145によって集音された音を、上記のようにして算出した遅延量だけ遅延させる。そして、遅延処理部313は、遅延処理した後の音を示すデータを、音成分低減処理部114へ送る。
以下、音処理装置310は、図3の動作フローのステップS104、S105と同様の処理を行う。
このようにして、スピーカー150からは、マイクロホン144によって集音された音から車両のエンジン音が低減処理された音が出力されることになる。
図12は、第4の実施形態に係る音処理システム400の利用環境の一例を示す。音処理システム400は、道路Rの料金所Pにて集音された音を処理するシステムである。
音処理システム400は、音処理装置410、車両分離器121、車種判別用踏板122、車高検知器123、オーバハング検知器124、車長検知器125、撮像機126、車種判別装置130、料金自動収受機140、スピーカー150、及び入力装置460を備える。
なおまた、音処理システム100、及び音処理システム400の構成要素のうち、同じ符号を付している同名の構成要素は、同様の機能、及び動作を示す。
入力装置460は、音処理装置410に情報や指示等を与えるための装置である。より具体的に説明すると、入力装置460は、料金事務室Oに設けられている。そして、入力装置460は、音処理装置410と電気的に接続されている。そして、入力装置460は、料金事務室Oの係員によって情報や指示等の入力操作が成されると、その情報や指示等を示すデータを、音処理装置410へ出力する。
音処理装置410は、マイクロホン144とマイクロホン145とによってそれぞれ集音された音を処理する装置である。より具体的に説明すると、音処理装置410は、料金事務室Oに設けられている。そして、音処理装置410は、車種判別装置130、及び料金自動収受機140と通信回線Nを介して通信接続される。また、音処理装置410は、スピーカー150、及び入力装置460と電気的に接続されている。そして、音処理装置410は、車種判別装置130、及び料金自動収受機140から送信されたデータをそれぞれ受信して、入力装置460から出力されたデータの入力を受け付けると、入力装置460から入力を受け付けたデータによって車両の騒音源からの距離が近い方のマイクロホンであると特定されているマイクロホンによって集音された音を、車両の車種に応じた遅延量だけ遅延処理する。そして、音処理装置410は、入力装置460から入力を受け付けたデータによって車両の騒音源からの距離が遠い方のマイクロホンであると特定されているマイクロホンによって集音された第1の処理対象音と、遅延処理した後の第2の処理対象音とのうち、マイクロホン144によって集音された音に対応する処理対象音から、マイクロホン145によって集音された音に対応する他方の処理対象音の成分を低減処理する。そして、音処理装置410は、処理した後の音を示す電気信号を、スピーカー150へ出力する。
なおまた、本実施形態においては、説明が煩雑になることを防ぐことを目的として、音処理システム400が一の音処理装置410、車両分離器121、車種判別用踏板122、車高検知器123、オーバハング検知器124、車長検知器125、撮像機126、車種判別装置130、料金自動収受機140、スピーカー150、及び入力装置460を備える構成について説明する。しかしながら、音処理システム400は、複数の音処理装置410、車両分離器121、車種判別用踏板122、車高検知器123、オーバハング検知器124、車長検知器125、撮像機126、車種判別装置130、料金自動収受機140、スピーカー150、及び入力装置460を備えてよい。
また、本実施形態においては、説明が煩雑になることを防ぐことを目的として、料金自動収受機140が一のマイクロホン145を備える構成について説明する。しかしながら、料金自動収受機140は、複数のマイクロホン145を備えてよい。
図13は、音処理装置410のブロック構成の一例を示す。音処理装置410は、車種データ受信部111、データ入力受付部417、音データ受信部112、遅延処理部413、音成分低減処理部414、及び電気信号出力部115を有する。以下の説明においては、各構成要素の機能、及び動作を詳述する。
なおまた、音処理装置110、及び音処理装置410の構成要素のうち、同じ符号を付している同名の構成要素は、同様の機能、及び動作を示す。
データ入力受付部417は、マイクロホン144とマイクロホン145とのうち、車両の騒音源からの距離が近い方のマイクロホンと、遠い方のマイクロホンとをそれぞれ特定する旨のデータの入力を受け付ける。
遅延処理部413は、車両の騒音源からの距離が近い方のマイクロホンによって集音された音を、車両の車種に応じた遅延量だけ遅延処理する。より具体的に説明すると、遅延処理部413は、車両の騒音源からの距離が近い方のマイクロホンによって集音された音を、車種判別装置130によって判別された車両の車種に応じた遅延量だけ遅延処理する。更に具体的に説明すると、遅延処理部413は、データ入力受付部417が入力を受け付けたデータによって車両の騒音源からの距離が近い方のマイクロホンであると特定されているマイクロホンによって集音された音を、車両の車種に応じた遅延量だけ遅延処理する。
音成分低減処理部414は、車両の騒音源からの距離が遠い方のマイクロホンによって集音された第1の処理対象音と、遅延処理部413が遅延処理した後の第2の処理対象音とのうち、マイクロホン144によって集音された音に対応する処理対象音から、マイクロホン145によって集音された音に対応する他方の処理対象音の成分を低減処理する。より具体的に説明すると、音成分低減処理部414は、データ入力受付部417が入力を受け付けたデータによって車両の騒音源からの距離が遠い方のマイクロホンであると特定されているマイクロホンによって集音された第1の処理対象音と、遅延処理部413が遅延処理した後の第2の処理対象音とのうち、マイクロホン144によって集音された音に対応する処理対象音から、マイクロホン145によって集音された音に対応する他方の処理対象音の成分を低減処理する。
図14は、音処理装置410の動作フローの一例を示す。この動作フローの説明においては、車種判別装置130によって判定された車両の車種の情報に基づいて、マイクロホン144、145によって集音された音を処理するときの音処理装置410の動作について詳述する。なおまた、この動作フローの説明においては、図1から図13、15を共に参照する。ここで、図15は、料金自動収受機140の正面に、煙突状のマフラーMを備えた大型の貨物自動車Lが停車している状態の一例を示す。また、音処理装置110の動作フロー、及び音処理装置410の動作フローのステップのうち、同じ符号を付しているステップは、同様の動作を示す。
音処理装置410の車種データ受信部111は、図3の動作フローのステップS101と同様に、車種判別装置130から送信されたデータを受信すると(S401)、そのデータを、遅延処理部413へ送る。
一方、料金事務室Oの係員は、料金所Pの様子を監視モニターにて監視している。そして、料金自動収受機140の係員呼出ボタン143が押下されると、料金事務室Oの係員は、係員呼出ボタン143を押下した搭乗者が搭乗している車両の車種を、監視モニターにて確認する。そして、料金事務室Oの係員は、車両の車種が煙突状のマフラーMを備えた大型の貨物自動車Lであることを確認した場合、煙突状のマフラーMを車両の騒音源とみなして、車両の騒音源から近い方のマイクロホンがマイクロホン144で、車両の騒音源から遠い方のマイクロホンがマイクロホン145であることを特定する旨のデータを、入力装置460を利用して入力する。一方、料金事務室Oの係員は、車両の車種が煙突状のマフラーMを備えた大型の貨物自動車Lではないことを確認した場合、エンジンを車両の騒音源とみなして、車両の騒音源から近い方のマイクロホンがマイクロホン145で、車両の騒音源から遠い方のマイクロホンがマイクロホン144であることを特定する旨のデータを、入力装置460を利用して入力する。このように、料金事務室Oの係員によってデータの入力操作が成されると、入力装置460は、そのデータを、音処理装置410へ出力する。
音処理装置410のデータ入力受付部417は、入力装置460から出力されたデータの入力を受け取ると(S407)、そのデータを、音データ受信部112へ送る。
一方、音処理装置410の音データ受信部112は、データ入力受付部417から送られたデータを受け取る。そして、音データ受信部112は、図3の動作フローのステップ102と同様に、料金自動収受機140から送信されたデータを受信すると(S402)、マイクロホン144によって集音された音を示すデータと、マイクロホン145によって集音されたデータとのうち、データ入力受付部417から受け取ったデータによって示される車両の騒音源からの距離が近い方のマイクロホンによって集音された音を示すデータを、遅延処理部413へ送り、マイクロホン特定部417から受け取ったデータによって示される車両の騒音源からの距離が遠い方のマイクロホンによって集音された音を示すデータを、音成分低減処理部414へ送る。
音処理装置410の遅延処理部413は、車種データ受信部111、及び音データ受信部112から送られたデータをそれぞれ受け取ると、音データ受信部112から受け取ったデータによって示されるマイクロホンによって集音された音を、車種データ受信部111から受け取ったデータによって示される車両の車種に応じた遅延量だけ遅延処理する(S403)。例えば、遅延処理部413は、車両の騒音源からの距離が近い方のマイクロホンによって集音された音を、車両の車種に応じて予め定められた遅延量だけ遅延処理する。
例えば、車両の騒音源からの距離が近い方のマイクロホンがマイクロホン145である場合、マイクロホン145によって集音された音を遅延処理すべき遅延量は、図3の動作フローのステップS103において説明した方法と同様に求められる。
また、例えば、車両の騒音源からの距離が近い方のマイクロホンがマイクロホン144aである場合、マイクロホン144aによって集音された音を遅延処理すべき遅延量は、次のようにして求められる。図15に示すように、アイランドの高さをH1、料金自動収受機140からアイランドの道路R側の端面までの距離をW1、アイランドの上面からのマイクロホン144aの高さをH3、路面からの大型の貨物自動車Lの煙突状のマフラーMの高さをH7、大型の貨物自動車Lからアイランドの道路R側の端面までの距離をW6とすると、大型の貨物自動車Lの騒音源である煙突状のマフラーMからマイクロホン144aまでの距離Lulは、式(11)のようにして求められる。ここで、煙突状のマフラーMは、貨物自動車Tの左右の両端に設けられているものとする。
また、アイランドの上面からのマイクロホン145の高さをH2とすると、煙突状のマフラーMからマイクロホン145までの距離Lnlは、式(12)のようにして求められる。
ここで、音速をcとすると、煙突状のマフラーMの音がマイクロホン144aに到達する時間Tulは、式(13)のようにして求められる。
また、煙突状のマフラーMの音がマイクロホン145に到達する時間Tnlは、式(14)のようにして求められる。
したがって、マイクロホン144aによって集音された煙突状のマフラーMの音を遅延処理すべき遅延量ΔTlは、式(15)のようにして求められる。
このようにして算出された遅延量が定められているとすると、例えば、車種判別装置130によって判別された車両の車種が貨物自動車であった場合、遅延処理部413は、マイクロホン145によって集音された音を、遅延量ΔTtだけ遅延させる。また、例えば、車種判別装置130によって判別された車両の車種がオートバイであった場合、遅延処理部413は、マイクロホン145によって集音された音を、遅延量ΔTbだけ遅延させる。また、例えば、車種判別装置130によって判別された車両の車種が大型の貨物自動車であった場合、遅延処理部413は、マイクロホン144aによって集音された音を、遅延量ΔTlだけ遅延させる。そして、遅延処理部413は、遅延処理した後の音を示すデータを、音成分低減処理部414へ送る。
音処理装置410の音成分低減処理部414は、音データ受信部112、及び遅延処理部413から送られたデータをそれぞれ受け取ると、音データ受信部112から受け取ったデータによって示される第1の処理対象音と、遅延処理部413から受け取ったデータによって示される第2の処理対象音とのうち、マイクロホン144によって集音された音に対応する処理対象音から、マイクロホン145によって集音された音に対応する他方の処理対象音の成分を低減処理する(S404)。例えば、音成分低減処理部414は、マイクロホン145によって集音された音に対応する処理対象音の信号の逆位相の信号を、マイクロホン144によって集音された音に対応する処理対象音の信号に混合することによって低減処理する。そして、音成分低減処理部414は、低減処理した後の音を示すデータを、電気信号出力部115へ送る。
音処理装置110の電気信号出力部115は、音成分低減処理部114から送られたデータを受け取ると、その音を示す電気信号を、スピーカー150へ出力する(S105)。
このようにして、スピーカー150からは、マイクロホン144によって集音された音から車両のエンジン音や、煙突状のマフラーの音が低減処理された音が出力されることになる。
図16は、第5の実施形態に係る音処理システム500の利用環境の一例を示す。音処理システム500は、道路Rの料金所Pにおいて集音された音を処理するシステムである。
音処理システム500は、音処理装置510、車両分離器121、車種判別用踏板122、車高検知器123、オーバハング検知器124、車長検知器125、撮像機126、車種判別装置130、料金自動収受機540、及びスピーカー150を備える。
なおまた、音処理システム100、及び音処理システム500の構成要素のうち、同じ符号を付している同名の構成要素は、同様の機能、及び動作を示す。
料金自動収受機540は、料金の収受、及びトラブル時に料金事務室Oの係員と通話するための装置である。より具体的に説明すると、料金自動収受機540は、料金所Pの路側のアイランドに設けられている。そして、料金自動収受機540は、音処理装置510と通信回線Nを介して通信接続される。そして、料金自動収受機540には、料金自動収受機140の構成要素に加えて、トンネルSに向けてマイクロホン547が設けられている。ここで、マイクロホン547は、トンネルSの騒音を集音するために用いられるマイクロホンである。そして、料金自動収受機540は、係員呼出ボタン143aが押下されると、マイクロホン144aによって集音された音を示すデータと、マイクロホン145によって集音された音を示すデータと、マイクロホン547によって集音された音を示すデータとを、音処理装置510へ送信する。同様に、料金自動収受機340は、係員呼出ボタン143bが押下されると、マイクロホン144bによって集音された音を示すデータと、マイクロホン145によって集音された音を示すデータと、マイクロホン547によって集音された音を示すデータとを、音処理装置510へ送信する。なおまた、マイクロホン547は、この発明における「第3のマイクロホン」の一例であってよい。また、トンネルSの騒音は、この発明における「車両の騒音以外の他の騒音」の一例であってよい。
音処理装置510は、マイクロホン144とマイクロホン145とマイクロホン547とによってそれぞれ集音された音を処理する装置である。より具体的に説明すると、音処理装置510は、料金事務室Oに設けられている。そして、音処理装置510は、車種判別装置130、及び料金自動収受機540と通信回線Nを介して通信接続される。また、音処理装置510は、スピーカー150と電気的に接続されている。そして、音処理装置510は、車種判別装置130、及び料金自動収受機540から送信されたデータをそれぞれ受信すると、これらのデータに基づいて、マイクロホン547によって集音されたトンネルSの騒音の音圧レベルを補正する。そして、音処理装置510は、マイクロホン144、及びマイクロホン145によって集音された音からマイクロホン547によって集音されたトンネルSの騒音の成分をそれぞれ低減処理する。そして、音処理装置510は、車両の騒音源からの距離が近い方のマイクロホンによって集音された音からマイクロホン547によって集音されたトンネルSの騒音の成分を低減処理した後の音を、車両の車種に応じた遅延量だけ遅延処理する。そして、音処理装置510は、車両の騒音源からの距離が遠い方のマイクロホンによって集音された音からマイクロホン547によって集音されたトンネルSの騒音の成分を低減処理した後の第1の処理対象音と、遅延処理した後の第2の処理対象音とのうち、マイクロホン144によって集音された音に対応する処理対象音から、マイクロホン145によって集音された音に対応する他方の処理対象音の成分を低減処理する。そして、音処理装置510は、処理した後の音を示す電気信号を、スピーカー150へ出力する。
なおまた、本実施形態においては、説明が煩雑になることを防ぐことを目的として、音処理システム500が一の音処理装置510、車両分離器121、車種判別用踏板122、車高検知器123、オーバハング検知器124、車長検知器125、撮像機126、車種判別装置130、料金自動収受機540、及びスピーカー150を備える構成について説明する。しかしながら、音処理システム500は、複数の音処理装置510、車両分離器121、車種判別用踏板122、車高検知器123、オーバハング検知器124、車長検知器125、撮像機126、車種判別装置130、料金自動収受機540、及びスピーカー150を備えてよい。
また、本実施形態においては、説明が煩雑になることを防ぐことを目的として、料金自動収受機540が一のマイクロホン145、及びマイクロホン547を備える構成について説明する。しかしながら、料金自動収受機540は、複数のマイクロホン145、及びマイクロホン547を備えてよい。
図17は、音処理装置510のブロック構成の一例を示す。音処理装置510は、車種データ受信部111、音データ受信部112、音圧レベル補正部518、他音成分低減処理部519、遅延処理部513、音成分低減処理部514、及び電気信号出力部115を有する。以下の説明においては、各構成要素の機能、及び動作を詳述する。
なおまた、音処理装置110、及び音処理装置510の構成要素のうち、同じ符号を付している同名の構成要素は、同様の機能、及び動作を示す。
音圧レベル補正部518は、マイクロホン547によって集音されたトンネルSの騒音の音圧レベルを補正する。
他音成分低減処理部519は、マイクロホン144、及びマイクロホン145によって集音された音から、マイクロホン547によって集音されたトンネルSの騒音の成分をそれぞれ低減処理する。より具体的に説明すると、他音成分低減処理部519は、音圧レベル補正部518が音圧レベルを補正した後のトンネルSの騒音の成分を低減処理する。
遅延処理部513は、車両の騒音源からの距離が近い方のマイクロホンによって集音された音を、車両の車種に応じた遅延量だけ遅延処理する。より具体的に説明すると、遅延処理部513は、車両の騒音源からの距離が近い方のマイクロホンによって集音された音を、車種判別装置130によって判別された車両の車種に応じた遅延量だけ遅延処理する。更に具体的に説明すると、遅延処理部513は、他音成分低減処理部519が車両の騒音源からの距離が近い方のマイクロホンによって集音された音からトンネルSの騒音の成分を低減処理した後の音を、車両の車種に応じた遅延量だけ遅延処理する。
音成分低減処理部514は、車両の騒音源からの距離が遠い方のマイクロホンによって集音された第1の処理対象音と、遅延処理部513が遅延処理した後の第2の処理対象音とのうち、マイクロホン144によって集音された音に対応する処理対象音から、マイクロホン145によって集音された音に対応する他方の処理対象音の成分を低減処理する。より具体的に説明すると、音成分低減処理部514は、他音成分低減処理部519が車両の騒音源からの距離が遠い方のマイクロホンによって集音された音からトンネルSの騒音の成分を低減処理した後の第1の処理対象音と、遅延処理部513が遅延処理した後の第2の処理対象音とのうち、マイクロホン144によって集音された音に対応する処理対象音から、マイクロホン145によって集音された音に対応する他方の処理対象音の成分を低減処理する。
図18は、音処理装置510の動作フローの一例を示す。この動作フローの説明においては、車種判別装置130によって判定された車両の車種の情報に基づいて、マイクロホン144、145、547によって集音された音を処理するときの音処理装置510の動作について詳述する。なおまた、この動作フローの説明においては、図1から図17を共に参照する。また、音処理装置110の動作フロー、及び音処理装置510の動作フローのステップのうち、同じ符号を付しているステップは、同様の動作を示す。
ここで、音処理装置510は、エンジンを車両の騒音源とみなして処理を行うものとする。その場合、車高の高い車両の搭乗者が料金自動収受機540のマイクロホン144aを利用する場合、マイクロホン144aとマイクロホン145とのうち、車両の騒音源であるエンジンからの距離が近い方のマイクロホンは、マイクロホン145となる。同様に、車高の低い車両の搭乗者が料金自動収受機540のマイクロホン144bを利用する場合、マイクロホン144bとマイクロホン145とのうち、車両の騒音源であるエンジンからの距離が近い方のマイクロホンは、マイクロホン145となる。
音処理装置510の車種データ受信部111は、図3の動作フローのステップS101と同様に、車種判別装置130から送信されたデータを受信すると(S101)、そのデータを、及び遅延処理部513へ送る。
一方、料金所Pに進入した車両の搭乗者は、料金自動収受機140にて道路Rの通行料金の支払いを行う。ここで、料金自動収受機140の操作方法が分からない等のトラブルが生じた場合、車両の搭乗者は、料金事務室Oの係員をインターホンによって応対させるべく呼び出すために、係員呼出ボタン143を押下する。その際、車両の搭乗者は、車両の車高に応じて、係員呼出ボタン143a、bのうち、操作し易い方のボタンを押下する。そして、車両の搭乗者は、押下した係員呼出ボタン143と同じ操作パネル141に設けられたマイクロホン144を用いて、料金事務室Oの係員と通話する。
一方、料金自動収受機540は、係員呼出ボタン143が押下されると、その係員呼出ボタン143と同じ操作パネル141に設けられたマイクロホン144によって集音された音を示すデータと、マイクロホン145によって集音された音を示すデータと、マイクロホン547によって集音された音を示すデータとを、音処理装置510へ送信する。
音処理装置510の音データ受信部112は、図3の動作フローのステップS101と同様に、料金自動収受機540から送信されたデータを受信すると(S502)、マイクロホン547によって集音されたデータを、音圧レベル補正部518へ送り、マイクロホン144によって集音された音を示すデータと、マイクロホン145によって集音された音を示すデータとを、他音成分低減処理部519へ送る。
音処理装置510の音圧レベル補正部518は、音データ受信部112から送られたデータを受け取ると、そのデータによって示されるマイクロホン547によって集音されたトンネルSの騒音の音圧レベルを補正する(S508)。例えば、音圧レベル補正部518は、マイクロホン547によって集音されたトンネルSの騒音の音圧レベルを、予め定められた減衰量だけ減衰させる。この減衰量は、例えば、予め、マイクロホン547によって集音された音の音圧レベルと、マイクロホン144、又はマイクロホン145によって集音された音の音圧レベルとの差に基づいて算出しておく。ここで、この音圧レベルの差は、各マイクロホンの指向性によるものであるため、各マイクロホンの指向性が分かっていれば、推定することが可能である。そして、音圧レベル補正部518は、音圧レベルを補正した後のトンネルSの騒音を示すデータを、他音成分低減処理部519へ送る。
音処理装置510の他音成分低減処理部519は、音データ受信部112、及び音圧レベル補正部518から送られたデータをそれぞれ受け取ると、音データ受信部112から受け取ったデータによって示されるマイクロホン144によって集音された音から、音圧レベル補正部518から受け取ったデータによって示されるトンネルSの騒音の成分を低減処理する(S509)。また、他音成分低減処理部519は、音データ受信部112から受け取ったデータによって示されるマイクロホン145によって集音された音から、音圧レベル補正部518から受け取ったデータによって示されるトンネルSの騒音の成分を低減処理する(S509)。例えば、他音成分低減処理部519は、音圧レベル補正部518から受け取ったデータによって示される音の信号の逆位相の信号を、音データ受信部112から受け取ったデータによって示されるマイクロホン144、及びマイクロホン145によって集音された音の信号にそれぞれ混合することによって低減処理する。そして、他音成分低減処理部519は、車両の騒音源であるエンジンからの距離が近い方のマイクロホン145によって集音された音からトンネルSの騒音を低減処理した音を示すデータを、遅延処理部513へ送り、車両の騒音源であるエンジンからの距離が遠い方のマイクロホン144によって集音された音からトンネルSの騒音を低減処理した音を示すデータを、音成分低減処理部514へ送る。
音処理装置510の遅延処理部513は、車種データ受信部111、及び他音成分低減処理部519から送られたデータをそれぞれ受け取ると、他音成分低減処理部519から受け取ったデータによって示される音を、車種データ受信部111から受け取ったデータによって示される車両の車種に応じた遅延量だけ遅延処理する(S503)。例えば、遅延処理部513は、車両の車種に応じて予め定められた遅延量だけ遅延処理する。この遅延量は、図3の動作フローのステップS103において説明した方法と同様に算出しておく。そして、遅延処理部513は、遅延処理した後の音を示すデータを、音成分低減処理部114へ送る。
音処理装置510の音成分低減処理部514は、他音成分低減処理部519、及び遅延処理部513から送られたデータをそれぞれ受け取ると、他音成分低減処理部519から受け取ったデータによって示される音から、遅延処理部513から受け取ったデータによって示される音の成分を低減処理する(S504)。例えば、音成分低減処理部514は、遅延処理部513から受け取ったデータによって示される音の信号の逆位相の信号を、他音成分低減処理部519から受け取ったデータによって示される音の信号に混合することによって低減処理する。そして、音成分低減処理部514は、低減処理した後の音を示すデータを、電気信号出力部115へ送る。
音処理装置510の電気信号出力部115は、音成分低減処理部514から送られたデータを受け取ると、その音を示す電気信号を、スピーカー150へ出力する(S105)。
このようにして、スピーカー150からは、マイクロホン144によって集音された音から車両のエンジン音と、トンネルSの騒音とが低減処理された音が出力されることになる。
以上、説明したように、音処理システム100、200、300、400、500は、料金所Pに設けられて、車両の搭乗者が料金事務室Oの係員と通話するために用いられるマイクロホン144を備える。また、音処理システム100、200、300、400、500は、料金所Pのマイクロホン144とは異なる位置に設けられて、車両の騒音を集音するために用いられるマイクロホン145を備える。また、音処理システム100、200、300、400、500は、マイクロホン144とマイクロホン145とによってそれぞれ集音された音を処理する音処理装置110、210、310、410、510を備える。そして、音処理装置110、210、310、410、510は、車両の騒音源からの距離が近い方のマイクロホンによって集音された音を、車両の車種に応じた遅延量だけ遅延処理する。そして、音処理装置110、210、310、410、510は、車両の騒音源からの距離が遠い方のマイクロホンによって集音された第1の処理対象音と、遅延処理した後の第2の処理対象音とのうち、マイクロホン144によって集音された音に対応する処理対象音から、マイクロホン145によって集音された音に対応する他方の処理対象音の成分を低減処理する。
このようにして、音処理システム100、200、300、400、500によっては、料金所Pのインターホンの近くに車両が停車していても、料金事務室Oのインターホンのスピーカーから聞こえる利用者の音声を明瞭にすることができる。
また、上述したように、音処理システム100、300、400、500は、車両の車種を判別する車種判別装置130を更に備える。そして、音処理装置110、310、410、510は、車両の騒音源からの距離が近い方のマイクロホンによって集音された音を、車種判別装置130によって判別された車両の車種に応じた遅延量だけ遅延処理する。
このようにして、音処理システム100、300、400、500によっては、車両の車種を判別するために新たな装置を新設することなく、料金自動収受機が設けられている料金所Pに既設の車種判別装置130を利用することができる。
また、上述したように、音処理システム200は、車両の車種の情報を含むデータを、車両の車載器から受信する路側無線装置220を更に備える。そして、音処理装置210は、車両の騒音源からの距離が近い方のマイクロホンによって集音された音を、路側無線装置が車載器から受信したデータに含まれる車両の車種の情報に応じた遅延量だけ遅延処理する。
このようにして、音処理システム200によっては、車両の車種を判別するために新たな装置を新設することなく、ETC方式の料金所Pに既設の路側無線装置220を利用することができる。
また、上述したように、音処理システム300は、マイクロホン144、及びマイクロホン145から車両までの距離を検知する距離センサ346を更に備える。そして、音処理装置310は、車両の騒音源からの距離が近い方のマイクロホンによって集音された音を、車両の車種と、距離センサ346によって検知された距離とに応じた遅延量だけ遅延処理する。
このようにして、音処理システム300によっては、車両までの精確な距離に基づいて、マイクロホン145によって集音された音を遅延させるべき遅延量を算出するため、料金事務室Oのインターホンのスピーカーから聞こえる利用者の音声を、より明瞭にすることができる。
また、上述したように、音処理装置410は、マイクロホン144とマイクロホン145とのうち、車両の騒音源からの距離が近い方のマイクロホンと、遠い方のマイクロホンとをそれぞれ特定する旨のデータの入力を受け付ける。そして、音処理装置410は、入力を受け付けたデータによって車両の騒音源からの距離が近い方のマイクロホンであると特定されているマイクロホンによって集音された音を、車両の車種に応じた遅延量だけ遅延処理する。そして、音処理装置410は、入力を受け付けたデータによって車両の騒音源からの距離が遠い方のマイクロホンであると特定されているマイクロホンによって集音された第1の処理対象音と、遅延処理した後の第2の処理対象音とのうち、マイクロホン144よって集音された音に対応する処理対象音から、マイクロホン145によって集音された音に対応する他方の処理対象音の成分を低減処理する。
このようにして、音処理システム400によっては、マイクロホン144、145の位置関係に依らず、マイクロホン145に騒音源が近い車種の車両だけでなく、マイクロホン144に騒音源が近い車種の車両にも対応することができる。
また、上述したように、音処理システム500は、料金所Pのマイクロホン144、及びマイクロホン145とは異なる位置に設けられて、トンネルSの騒音を集音するために用いられるマイクロホン547を更に備える。そして、音処理装置510は、マイクロホン144、及びマイクロホン145によって集音された音から、マイクロホン547によって集音されたトンネルSの騒音の成分をそれぞれ低減処理する。そして、音処理装置510は、車両の騒音源からの距離が近い方のマイクロホンによって集音された音からトンネルSの騒音の成分を低減処理した後の音を、車両の車種に応じた遅延量だけ遅延処理する。そして、音処理装置510は、車両の騒音源からの距離が遠い方のマイクロホンによって集音された音からトンネルSの騒音の成分を低減処理した後の第1の処理対象音と、遅延処理した後の第2の処理対象音とのうち、マイクロホン144によって集音された音に対応する処理対象音から、マイクロホン145によって集音された音に対応する他方の処理対象音の成分を低減処理する。
このようにして、音処理システム500によっては、料金所Pの近くにトンネルS等の騒音源があっても、料金事務室Oのインターホンのスピーカーから聞こえる利用者の音声を明瞭にすることができる。
また、上述したように、音処理装置510は、マイクロホン547によって集音されたトンネルSの騒音の音圧レベルを補正する。そして、音処理装置510は、音圧レベルを補正した後のトンネルSの騒音の成分を低減処理する。
このようにして、音処理システム500によっては、車両の騒音源とは異なる方向に、トンネルS等の騒音源があるような場合にも、マイクロホン144、145によって集音された音に含まれるトンネルS等の騒音の成分を、適切な音圧レベルにて低減することができる。
なおまた、上述した実施形態においては、車両のエンジンや煙突状のマフラーを、車両の騒音源とみなす例について説明した。しかしながら、車両の騒音源は、これに限られず、例えば、車両のマフラー等の他の部分とするようにしてもよい。
図19は、本実施形態に係る音処理装置110、210、310、410、510を構成するコンピュータ800のハードウェア構成の一例を示す。本実施形態に係るコンピュータ800は、ホストコントローラ801により相互に接続されるCPU(Central Processing Unit)802、RAM(Random Access Memory)803、グラフィックコントローラ804、及びディスプレイ805を有するCPU周辺部と、入出力コントローラ806により相互に接続される通信インターフェース807、ハードディスクドライブ808、及びCD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)ドライブ809を有する入出力部と、入出力コントローラ806に接続されるROM(Read Only Memory)810、フレキシブルディスクドライブ811、及び入出力チップ812を有するレガシー入出力部とを備える。
ホストコントローラ801は、RAM803と、高い転送レートでRAM803をアクセスするCPU802、及びグラフィックコントローラ804とを接続する。CPU802は、ROM810、及びRAM803に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。グラフィックコントローラ804は、CPU802等がRAM803内に設けたフレームバッファ上に生成する画像データを取得し、ディスプレイ805上に表示させる。これに代えて、グラフィックコントローラ804は、CPU802等が生成する画像データを格納するフレームバッファを、内部に含んでもよい。
入出力コントローラ806は、ホストコントローラ801と、比較的高速な入出力装置である通信インターフェース807、ハードディスクドライブ808、及びCD−ROMドライブ809を接続する。ハードディスクドライブ808は、コンピュータ800内のCPU802が使用するプログラム、及びデータを格納する。CD−ROMドライブ809は、CD−ROM892からプログラム、又はデータを読み取り、RAM803を介してハードディスクドライブ808に提供する。
また、入出力コントローラ806には、ROM810と、フレキシブルディスクドライブ811、及び入出力チップ812の比較的低速な入出力装置とが接続される。ROM810は、コンピュータ800が起動時に実行するブートプログラム、及び/又はコンピュータ800のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。フレキシブルディスクドライブ811は、フレキシブルディスク893からプログラム、又はデータを読み取り、RAM803を介してハードディスクドライブ808に提供する。入出力チップ812は、フレキシブルディスクドライブ811を入出力コントローラ806へと接続すると共に、例えばパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して各種の入出力装置を入出力コントローラ806へと接続する。
RAM803を介してハードディスクドライブ808に提供されるプログラムは、フレキシブルディスク893、CD−ROM892、又はIC(Integrated Circuit)カード等の記録媒体に格納されて利用者によって提供される。プログラムは、記録媒体から読み出され、RAM803を介してコンピュータ800内のハードディスクドライブ808にインストールされ、CPU802において実行される。
コンピュータ800にインストールされ、コンピュータ800を音処理装置110として機能させる第1のプログラムは、コンピュータ800を、ステップS103において、車両の騒音源からの距離が近い方のマイクロホンによって集音された音を、車両の車種に応じた遅延量だけ遅延処理する遅延処理部113と、車両の騒音源からの距離が遠い方のマイクロホンによって集音された第1の処理対象音と、遅延処理部113が遅延処理した後の第2の処理対象音とのうち、マイクロホン144によって集音された音に対応する処理対象音から、マイクロホン145によって集音された音に対応する他方の処理対象音の成分を、ステップS104において低減処理する音成分低減処理部と114として機能させる。
更に、当該第1のプログラムは、コンピュータ800を、ステップS103において、車両の騒音源からの距離が近い方のマイクロホンによって集音された音を、車種判別装置130によって判別された車両の車種に応じた遅延量だけ遅延処理する遅延処理部113として機能させてもよい。
これらの第1のプログラムに記述された情報処理は、コンピュータ800に読み込まれることにより、ソフトウェアと上述した各種のハードウェア資源とが協働した具体的手段である車種データ受信部111、音データ受信部112、遅延処理部113、音成分低減処理部114、及び電気信号出力部115として機能する。そして、これらの具体的手段によって、本実施形態におけるコンピュータ800の使用目的に応じた情報の演算、又は加工を実現することにより、使用目的に応じた特有の音処理装置110が構築される。
コンピュータ800にインストールされ、コンピュータ800を音処理装置210として機能させる第2のプログラムは、コンピュータ800を、ステップS103において、車両の騒音源からの距離が近い方のマイクロホンによって集音された音を、車両の車種に応じた遅延量だけ遅延処理する遅延処理部213と、車両の騒音源からの距離が遠い方のマイクロホンによって集音された第1の処理対象音と、遅延処理部213が遅延処理した後の第2の処理対象音とのうち、マイクロホン144によって集音された音に対応する処理対象音から、マイクロホン145によって集音された音に対応する他方の処理対象音の成分を、ステップS104において低減処理する音成分低減処理部と114として機能させる。
更に、当該第2のプログラムは、コンピュータ800を、車両の騒音源からの距離が近い方のマイクロホンによって集音された音を、路側無線装置220が車載器から受信したデータに含まれる車両の車種の情報に応じた遅延量だけ遅延処理する遅延処理部213として機能させてもよい。
これらの第2のプログラムに記述された情報処理は、コンピュータ800に読み込まれることにより、ソフトウェアと上述した各種のハードウェア資源とが協働した具体的手段である車種データ受信部211、音データ受信部212、遅延処理部213、音成分低減処理部114、及び電気信号出力部115として機能する。そして、これらの具体的手段によって、本実施形態におけるコンピュータ800の使用目的に応じた情報の演算、又は加工を実現することにより、使用目的に応じた特有の音処理装置210が構築される。
コンピュータ800にインストールされ、コンピュータ800を音処理装置310として機能させる第3のプログラムは、コンピュータ800を、ステップS303において、車両の騒音源からの距離が近い方のマイクロホンによって集音された音を、車両の車種に応じた遅延量だけ遅延処理する遅延処理部313と、車両の騒音源からの距離が遠い方のマイクロホンによって集音された第1の処理対象音と、遅延処理部313が遅延処理した後の第2の処理対象音とのうち、マイクロホン144によって集音された音に対応する処理対象音から、マイクロホン145によって集音された音に対応する他方の処理対象音の成分を、ステップS104において低減処理する音成分低減処理部と114として機能させる。
更に、当該第3のプログラムは、コンピュータ800を、ステップS303において、車両の騒音源からの距離が近い方のマイクロホンによって集音された音を、車種判別装置130によって判別された車両の車種に応じた遅延量だけ遅延処理する遅延処理部313として機能させてもよい。
更に、当該3のプログラムは、コンピュータ800を、ステップS303において、車両の騒音源からの距離が近い方のマイクロホンによって集音された音を、車両の車種と、距離センサ346によって検知された距離とに応じた遅延量だけ遅延処理する遅延処理部313として機能させてもよい。
これらの第3のプログラムに記述された情報処理は、コンピュータ800に読み込まれることにより、ソフトウェアと上述した各種のハードウェア資源とが協働した具体的手段である車種データ受信部111、音データ受信部112、距離データ受信部316、遅延処理部313、音成分低減処理部114、及び電気信号出力部115として機能する。そして、これらの具体的手段によって、本実施形態におけるコンピュータ800の使用目的に応じた情報の演算、又は加工を実現することにより、使用目的に応じた特有の音処理装置310が構築される。
コンピュータ800にインストールされ、コンピュータ800を音処理装置410として機能させる第4のプログラムは、コンピュータ800を、ステップS403において、車両の騒音源からの距離が近い方のマイクロホンによって集音された音を、車両の車種に応じた遅延量だけ遅延処理する遅延処理部413と、車両の騒音源からの距離が遠い方のマイクロホンによって集音された第1の処理対象音と、遅延処理部413が遅延処理した後の第2の処理対象音とのうち、マイクロホン144によって集音された音に対応する処理対象音から、マイクロホン145によって集音された音に対応する他方の処理対象音の成分を、ステップS404において低減処理する音成分低減処理部と414として機能させる。
更に、当該第4のプログラムは、コンピュータ800を、ステップS403において、車両の騒音源からの距離が近い方のマイクロホンによって集音された音を、車種判別装置130によって判別された車両の車種に応じた遅延量だけ遅延処理する遅延処理部413として機能させてもよい。
更に、当該第4のプログラムは、コンピュータ800を、ステップS407において、マイクロホン144とマイクロホン145とのうち、車両の騒音源からの距離が近い方のマイクロホンと、遠い方のマイクロホンとをそれぞれ特定する旨のデータの入力を受け付けるデータ入力受付部417と、データ入力受付部417が入力を受け付けたデータによって車両の騒音源からの距離が近い方のマイクロホンであると特定されているマイクロホンによって集音された音を、ステップS403において、車両の車種に応じた遅延量だけ遅延処理する遅延処理部413と、データ入力受付部417が入力を受け付けたデータによって車両の騒音源からの距離が遠い方のマイクロホンであると特定されているマイクロホンによって集音された第1の処理対象音と、遅延処理部413が遅延処理した後の第2の処理対象音とのうち、マイクロホン144によって集音された音に対応する処理対象音から、マイクロホン145によって集音された音に対応する他方の処理対象音の成分を低減処理する音成分低減処理部414として機能させてもよい。
これらの第4のプログラムに記述された情報処理は、コンピュータ800に読み込まれることにより、ソフトウェアと上述した各種のハードウェア資源とが協働した具体的手段である車種データ受信部111、データ入力受付部417、音データ受信部112、遅延処理部413、音成分低減処理部414、及び電気信号出力部115として機能する。そして、これらの具体的手段によって、本実施形態におけるコンピュータ800の使用目的に応じた情報の演算、又は加工を実現することにより、使用目的に応じた特有の音処理装置410が構築される。
コンピュータ800にインストールされ、コンピュータ800を音処理装置510として機能させる第5のプログラムは、コンピュータ800を、ステップS503において、車両の騒音源からの距離が近い方のマイクロホンによって集音された音を、車両の車種に応じた遅延量だけ遅延処理する遅延処理部513と、車両の騒音源からの距離が遠い方のマイクロホンによって集音された第1の処理対象音と、遅延処理部513が遅延処理した後の第2の処理対象音とのうち、マイクロホン144によって集音された音に対応する処理対象音から、マイクロホン145によって集音された音に対応する他方の処理対象音の成分を、ステップS504において低減処理する音成分低減処理部と514として機能させる。
更に、当該第5のプログラムは、コンピュータ800を、ステップS503において、車両の騒音源からの距離が近い方のマイクロホンによって集音された音を、車種判別装置130によって判別された車両の車種に応じた遅延量だけ遅延処理する遅延処理部513として機能させてもよい。
更に、当該第5のプログラムは、コンピュータ800を、ステップS509において、マイクロホン144、及びマイクロホン145によって集音された音から、マイクロホン547によって集音されたトンネルSの騒音の成分をそれぞれ低減処理する他音成分低減処理部519と、他音成分低減処理部519が車両の騒音源からの距離が近い方のマイクロホンによって集音された音からトンネルSの騒音の成分を低減処理した後の音を、ステップS503において、車両の車種に応じた遅延量だけ遅延処理する遅延処理部513と、他音成分低減処理部519が車両の騒音源からの距離が遠い方のマイクロホンによって集音された音からトンネルSの騒音の成分を低減処理した後の第1の処理対象音と、遅延処理部513が遅延処理した後の第2の処理対象音とのうち、マイクロホン144によって集音された音に対応する処理対象音から、マイクロホン145によって集音された音に対応する他方の処理対象音の成分を、ステップS504において低減処理する音成分低減処理部514として機能させてもよい。
更に、当該第5のプログラムは、コンピュータ800を、ステップS508において、マイクロホン547によって集音されたトンネルSの騒音の音圧レベルを補正する音圧レベル補正部518と、音圧レベル補正部518が音圧レベルを補正した後のトンネルSの騒音の成分を、ステップS509において低減処理する他音成分低減処理部519として機能させてもよい。
これらの第5のプログラムに記述された情報処理は、コンピュータ800に読み込まれることにより、ソフトウェアと上述した各種のハードウェア資源とが協働した具体的手段である車種データ受信部111、音データ受信部112、音圧レベル補正部518、他音成分低減処理部519、遅延処理部513、音成分低減処理部514、及び電気信号出力部115として機能する。そして、これらの具体的手段によって、本実施形態におけるコンピュータ800の使用目的に応じた情報の演算、又は加工を実現することにより、使用目的に応じた特有の音処理装置510が構築される。
一例として、コンピュータ800と外部の装置等との間で通信を行う場合には、CPU802は、RAM803上にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理内容に基づいて、通信インターフェース807に対して通信処理を指示する。通信インターフェース807は、CPU802の制御を受けて、RAM803、ハードディスクドライブ808、フレキシブルディスク893、又はCD−ROM892等の記憶装置上に設けた送信バッファ領域等に記憶された送信データを読み出してネットワークへと送信し、もしくは、ネットワークから受信した受信データを記憶装置上に設けた受信バッファ領域等へと書き込む。このように、通信インターフェース807は、ダイレクトメモリアクセス方式により記憶装置との間で送受信データを転送してもよく、これに代えて、CPU802が転送元の記憶装置、又は通信インターフェース807からデータを読み出し、転送先の通信インターフェース807、又は記憶装置へとデータを書き込むことにより送受信データを転送してもよい。
また、CPU802は、ハードディスクドライブ808、CD−ROM892、フレキシブルディスク893等の外部記憶装置に格納されたファイル、又はデータベース等の中から、全部、又は必要な部分をダイレクトメモリアクセス転送等によりRAM803へと読み込ませ、RAM803上のデータに対して各種の処理を行う。そして、CPU802は、処理を終えたデータを、ダイレクトメモリアクセス転送等により外部記憶装置へと書き戻す。
このような処理において、RAM803は、外部記憶装置の内容を一時的に保持するものとみなせるから、本実施形態においてはRAM803、及び外部記憶装置等をメモリ、記憶部、又は記憶装置等と総称する。本実施形態における各種のプログラム、データ、テーブル、データベース等の各種の情報は、このような記憶装置上に格納されて、情報処理の対象となる。なおまた、CPU802は、RAM803の一部をキャッシュメモリに保持し、キャッシュメモリ上で読み書きを行うこともできる。このような形態においても、キャッシュメモリはRAM803の機能の一部を担うから、本実施形態においては、区別して示す場合を除き、キャッシュメモリもRAM803、メモリ、及び/又は記憶装置に含まれるものとする。
また、CPU802は、RAM803から読み出したデータに対して、プログラムの命令列により指定された、本実施形態中に記載した各種の演算、情報の加工、条件判断、情報の検索、置換等を含む各種の処理を行い、RAM803へと書き戻す。例えば、CPU802は、条件判断を行う場合においては、本実施形態において示した各種の変数が、他の変数、又は定数と比較して、大きい、小さい、以上、以下、又は等しい等の条件を満たすかどうかを判断し、条件が成立した場合、又は不成立であった場合に、異なる命令列へと分岐し、又はサブルーチンを呼び出す。
また、CPU802は、記憶装置内のファイル、又はデータベース等に格納された情報を検索することができる。例えば、第1属性の属性値に対し第2属性の属性値がそれぞれ対応付けられた複数のエントリが記憶装置に格納されている場合において、CPU802は、記憶装置に格納されている複数のエントリの中から第1属性の属性値が指定された条件と一致するエントリを検索し、そのエントリに格納されている第2属性の属性値を読み出すことにより、所定の条件を満たす第1属性に対応付けられた第2属性の属性値を得ることができる。
以上に示したプログラム、又はモジュールは、外部の記憶媒体に格納されてもよい。記憶媒体としては、フレキシブルディスク893、CD−ROM892の他に、DVD(Digital Versatile Disk)、又はCD(Compact Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto−Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、ICカード等の半導体メモリ等を用いることができる。また、専用通信ネットワーク、又はインターネットに接続されたサーバシステムに設けたハードディスク、又はRAM等の記憶媒体を記録媒体として使用して、ネットワークを介してプログラムをコンピュータ800に提供してもよい。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は、上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更、又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更、又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示したシステム、方法、装置、プログラム、及び記録媒体における動作、手順、ステップ、及び段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現し得ることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。