JP5910822B2 - トレーラ車両の発進段自動選択装置 - Google Patents

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Description

本発明はトレーラ車両の発進段自動選択装置に係り、詳しくはトラクタ側に設けた検出手段により推定した路面勾配に基づき、登坂路や降坂路で車両を発進させる際に最適な発進段を自動的に選択可能なトレーラ車両の発進段自動選択装置に関する。
従来の車両では、この種の発進段の自動選択機能を備えておらず、例えばトラックやバスなどの大型車両では通常時に2速発進を行っている。そして、登坂路や積載重量が大の場合のように車両の発進に大きな駆動力が要求されるときには、2速発進では円滑な車両発進が望めないことから、運転者の判断により発進段として意図的に第1速を選択している。
しかしながら、必ずしも運転者は、車両の発進に際して路面の勾配や積載重量などを十分に把握しているとは限らない。このため、発進段として第1速を選択すべき状況であっても運転者により選択操作が行われず、通常通り2速発進が行われてしまう場合もある。このような状況では、発進にもたつきが生じる上に、甚だしい場合には発進不能に陥ってしまう。また、不適切な高ギヤ側の第2速による発進は、クラッチの消耗を早めるという弊害も引き起こす。
以上の不具合に着目した対策として、例えば特許文献1の技術が提案されている。当該特許文献1の技術は、ファジー推論により最適な発進段を自動的に選択するものである。発進段としては第1速と第2速が選択可能であり、車両の状況を判断するファジールールとして、路面の勾配によるメンバシップ関数や車両の重量によるメンバシップ関数などを用いて、第1速及び第2速の何れかを選択している。例えば路面勾配は、車両に搭載した加速度センサの検出情報などに基づき車両が停車するまでの走行中に推定している。
特開2005−106164号公報
ところで、車両が停車する登坂路は単一の路面勾配のものばかりでなく、例えば図9に示すように異なる2種の路面勾配にまたがって停車する場合もある。一般的な車両ではこれらの2種の路面勾配を平均化した姿勢で停車することから、例えば上記加速度センサの検出情報から推定した路面勾配に基づきファジー推論により最適な発進段を選択可能であり、何ら問題は生じない。
ところが、トレーラ車両では、牽引側のトラクタAと被牽引側のトレーラBとがピッチング方向、ヨーイング方向及びローリング方向に角度変更可能に連結されている。このため、異なる2種の路面勾配にまたがって車両が停車した場合には、トラクタA側とトレーラB側とがピッチング方向において異なる姿勢とり、相互の路面勾配が相違することになる。そして、この種のトレーラ車両は、輸送依頼されたトレーラBをトラクタAに連結して牽引・走行する稼働形態を採っているため、主体となるトラクタA側に上記加速度センサが装備されている。
このため、トラクタA側のピッチング方向の姿勢に基づきトラクタA側が位置する路面の勾配がトレーラ車両全体の路面勾配として推定され、トレーラB側が位置する路面勾配については一切考慮されない。よって、上記特許文献1の技術では、不適切な路面勾配の推定に起因して発進段を的確に選択できないという問題を引き起こす。
例えば、図9に示すようにトラクタA側を平坦路に位置させた姿勢で停車すると、加速度センサの検出情報から緩やかな路面勾配(ほぼ0)が推定されて第2速が選択される。しかし、トレーラB側は登坂路の勾配の影響を受けているため、トレーラ車両全体が受ける路面勾配は急なものとなり、第2速では円滑な発進が望めず上記のような種々の不具合が発生してしまう。
このように特許文献1の技術では、トレーラ車両の特殊な事情を配慮していないため、適切な路面勾配の推定、ひいては発進段の的確な選択を実現できないという問題があった。
その対策として、トレーラB側にも加速度センサを設けることが考えられる。しかし、トレーラ車両は上記のような稼働形態であるため、トラクタAに連結されるトレーラBを特定できず、また市場の全てのトレーラBに加速度センサを装備することも現実的に不可能である。よって、従来から抜本的な対策が要望されていた。
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、トレーラ側に加速度センサなどの検出手段を設けることなく、トラクタ側に装備した検出手段により推定した路面勾配に基づき、登坂路や降坂路で車両を発進させる際に最適な発進段を自動的に選択することができるトレーラ車両の発進段自動選択装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、走行用動力源を搭載した牽引側のトラクタと荷物を搭載する被牽引側のトレーラとを任意に角度変更し得るように連結してトレーラ車両を構成し、トラクタ側に設けられた検出手段の検出情報に基づき路面勾配推定手段によりトラクタが位置している路面の勾配を推定すると共に、停車中のトレーラ車両を発進させる際に、推定路面勾配に基づき発進段選択手段により発進段を選択するトレーラ車両の発進段自動選択装置において、トレーラ車両の走行中にトレーラ車両の移動距離を計測する計測手段を備え、発進段選択手段が、トレーラ車両の走行中において路面勾配推定手段による推定路面勾配が予め設定された第1の判定値以上になったときに発進段として坂路変速段を選択し、その後に推定路面勾配が第1の判定値未満まで低下してから計測手段の計測に基づきトレーラ車両の移動距離が予め設定された移動判定値に達したと判定したときに、発進段として平路変速段を選択するものである。
請求項2の発明は、請求項1において、上記移動判定値は、上記トレーラ車両のホイールベースとして設定され、該移動判定値に基づき上記発進段選択手段が上記平路変速段の選択を判定するものである。
請求項3の発明は、請求項1または2において、計測手段が、トレーラ車両の移動距離の計測中にトレーラ車両が後退したときに、後退距離を移動距離から減算し、減算後の移動距離に基づき発進段選択手段が平路変速段の選択を判定するものである。
請求項4の発明は、請求項1乃至3において、第1の判定値が、予め急勾配側の値として設定された第1のダウン側判定値、及び緩勾配側の値として設定された第1のアップ側判定値からなり、発進段選択手段が、第1のダウン側判定値に基づき坂路変速段を選択し、第1のアップ側判定値に基づき平路変速段を選択するものである。
請求項5の発明は、請求項1乃至3において、坂路変速段が、予め第1の判定値よりも急勾配側の値に設定された第2の判定値を境界として切り換えられる低ギヤ側の第1坂路変速段と高ギヤ側の第2坂路変速段とからなり、発進段選択手段が、路面勾配推定手段により登坂路側の路面勾配が推定され、推定路面勾配が第2の判定値以上のときには発進段として第1坂路変速段を選択し、推定路面勾配が第2の判定値未満のときには発進段として第2坂路変速段を選択し、その後に推定路面勾配が第1の判定値未満まで低下してから移動距離が移動判定値に達したと判定すると、発進段として平路変速段を選択するものである。
請求項6の発明は、請求項1乃至5において、トレーラ車両のイグニションスイッチがオフ操作されたとき、その時点で発進段選択手段により発進段として選択されている変速段を記憶する記憶手段を備え、発進段選択手段が、イグニションスイッチのオン操作時には記憶手段に記憶されている変速段を発進段として選択するものである。
以上説明したように請求項1の発明のトレーラ車両の発進段自動選択装置によれば、トレーラ車両の走行中において路面勾配推定手段による推定路面勾配が第1の判定値以上になったときに発進段として坂路変速段を選択し、その後に推定路面勾配が第1の判定値未満まで低下してからトレーラ車両の移動距離が移動判定値に達した時点で、発進段として平路変速段を選択するようにした。
推定路面勾配が第1の判定値以上になった時点では、トラクタ側が登坂路や降坂路に侵入して路面勾配の影響を受けている。トレーラ車両の走行によりトラクタ側が登坂路や降坂路から脱して推定路面勾配が第1の判定値未満になっても、トレーラ側は路面勾配の影響を受け続ける。その後にトレーラ車両の移動距離が移動判定値に達した時点で、トレーラ側も登坂路や降坂路から脱して路面勾配の影響を受けなくなる。
従って、トラクタ側が登坂路や降坂路に侵入してからトラクタ側が登坂路や降坂路を脱して移動判定値だけ走行するまでの期間中には、トラクタ側またはトレーラ側の少なくとも一方が登坂路や降坂路の路面勾配の影響を受けており、このとき発進段として坂路変速段が選択される。例えば、登坂路では平路変速段よりも低ギヤ側の坂路変速段が選択され、降坂路では平路変速段よりも高ギヤ側の坂路変速段が選択される。また、上記期間の前後では、トラクタ側及びトレーラ側の何れも路面勾配の影響を受けておらず、このとき発進段として平路変速段が選択される。結果としてトレーラ側に検出手段を設けることなく、トラクタ側の路面勾配に基づき、登坂路や降坂路で車両を発進させる際に最適な発進段を自動的に選択でき、もって常に円滑且つ迅速にトレーラ車両を発進させることができる。
請求項2の発明のトレーラ車両の発進段自動選択装置によれば、請求項1に加えて、移動判定値を、トレーラ車両のホイールベースとして設定するようにした。
トラクタ側が登坂路や降坂路から脱してからホイールベース相当分だけ走行すれば、トラクタに追従してトレーラ側も登坂路や降坂路から脱したものと推測できる。よって、坂路変速段から平路変速段への切換を適切なタイミングで実行することができる。
請求項3の発明のトレーラ車両の発進段自動選択装置によれば、請求項1または2に加えて、トレーラ車両の移動距離の計測中にトレーラ車両が後退したときに、後退距離を移動距離から減算するようにした。
従って、トラクタが登坂路や降坂路を脱した後に一時的に後退した場合であっても適切な移動距離を算出でき、ひいては坂路変速段から平路変速段への切換をより適切なタイミングで実行することができる。
請求項4の発明のトレーラ車両の発進段自動選択装置によれば、請求項1乃至3に加えて、急勾配側の第1のダウン側判定値に基づき坂路変速段を選択し、緩勾配側の第1のアップ側判定値に基づき平路変速段を選択するようにした。
従って、登坂路や降坂路の勾配が不均一で、車両走行に伴って推定路面勾配が頻繁に変動する場合であっても、坂路変速段と平路変速段とが交互に繰り返される事態を防止でき、もって、このような路面状況においても適切な発進段を選択することができる。
請求項5の発明のトレーラ車両の発進段自動選択装置によれば、請求項1乃至3に加えて、第2の判定値を境界として坂路変速段を低ギヤ側の第1の坂路変速段と高ギヤ側の第2の坂路変速段とに分け、登坂路側の値に推定された路面勾配が第2の判定値以上のときには第1坂路変速段を選択し、推定路面勾配が第2の判定値未満のときには第2坂路変速段を選択するようにした。
従って、登坂路の勾配に応じてよりきめ細かく発進段を選択して、円滑且つ迅速に車両を発進させることができる。
請求項6の発明のトレーラ車両の発進段自動選択装置によれば、請求項1乃至5に加えて、イグニションスイッチのオフ操作時に発進段を記憶し、イグニションスイッチのオン操作時には記憶している発進段を選択するようにした。
従って、イグニションスイッチをオン操作した当初から適切な発進段により車両を発進させることができる。
実施形態の発進段自動選択装置が適用されたトレーラ車両の駆動系を示す全体構成図である。 単一の勾配の路面に停止したときのトレーラ車両を示す正面図である。 発進段を選択するための制御マップを示す説明図である。 ECUが実行する発進段選択ルーチンを示すフローチャートである。 ECUが実行する発進段選択ルーチンを示すフローチャートである。 トレーラ車両が平坦路を走行中のときの路面勾配の推定状況を示す説明図である。 トレーラ車両が登坂路に差し掛かったときの路面勾配の推定状況を示す説明図である。 トレーラ車両が完全に登坂路に移行したときの路面勾配の推定状況を示す説明図である。 トレーラ車両が平坦路に差し掛かったときの路面勾配の推定状況を示す説明図である。 トレーラ車両が完全に平坦路に移行したときの路面勾配の推定状況を示す説明図である。
以下、本発明を具体化したトレーラ車両の発進段自動選択装置の一実施形態を説明する。
図1は本実施形態の発進段自動選択装置が適用されたトレーラ車両の駆動系を示す全体構成図、図2はトレーラ車両の外観を示す正面図である。
図2に示すようにトレーラ車両(以下、単に車両ということもある)は、全体として牽引側のトラクタAと被牽引側のトレーラBとをヨーイング方向、ピッチング方向及びローリング方向に任意に角度変更し得るように連結して構成されている。走行用動力源であるディーゼルエンジン(以下、エンジンという)1はトラクタA側に搭載され、以下に説明する駆動系を介してエンジン駆動力をトラクタAの後輪Aaに伝達して回転駆動することにより、トラクタA単体でも走行可能となっている。これに対してトレーラBは積載コンテナを搭載した自走不能な車両であり、このトレーラBの輸送がトラクタAの役割である。このためトレーラ車両は、輸送依頼されたトレーラBをトラクタAに連結して牽引・走行する稼働形態を採っている。
次に、トラクタA側の上記エンジン1を含めた駆動系の構成を説明する。図1に示すように、エンジン1の出力軸1bにはクラッチ装置2を介して自動変速機(以下、単に変速機という)3の入力軸3aが接続され、クラッチ装置2の接続時にエンジン1の回転が変速機3に伝達されるようになっている。当該変速機3は、前進6段及び後退1段を備えた手動式変速機をベースとしたものであり、以下に述べるように、その変速操作及び変速に伴うクラッチ装置2の断接操作を自動化したものである。
クラッチ装置2は、フライホイール4にクラッチ板5をプレッシャスプリング6により圧接させて接続される一方、フライホイール4からクラッチ板5を離間させることにより切断される摩擦式クラッチとして構成されている。クラッチ板5にはアウタレバー7を介してエアシリンダ8が連結され、エアシリンダ8には電磁弁9が介装されたエア通路10を介して圧縮エアを充填したエアタンク11が接続されている。
電磁弁9の開弁時にはエアタンク11からエア通路10を介してエアシリンダ8に圧縮エアが供給され、エアシリンダ8が作動してアウタレバー7を介してクラッチ板5をフライホイール4から離間させ、これによりクラッチ装置2が接続状態から切断状態に切り換えられる。一方、電磁弁9が閉弁すると、圧縮エアの供給中止によりエアシリンダ8が作動しなくなることから、クラッチ板5はプレッシャスプリング6によりフライホイール4に圧接され、これによりクラッチ装置2は切断状態から接続状態に切り換えられる。このように電磁弁9の開閉に応じてエアシリンダ8が作動して、クラッチ装置2を自動的に断接操作可能になっている。
変速機3には変速段を切り換えるためのギヤシフトユニット14が設けられ、図示はしないがギヤシフトユニット14は、変速機3内の各変速段に対応するシフトフォークを作動させる複数のエアシリンダ、及び各エアシリンダを作動させる複数の電磁弁を内蔵している。ギヤシフトユニット14はエア通路12を介して上記したエアタンク11と接続されており、各電磁弁の開閉に応じてエアタンク11からの圧縮エアが対応するエアシリンダに供給され、そのエアシリンダが作動して対応するシフトフォークを切換操作すると、切換操作に応じて変速機3の変速段が切り換えられる。このようにギヤシフトユニット14の電磁弁の開閉に応じてエアシリンダが作動して、変速機3を自動的に変速操作可能になっている。
車室内には、図示しない入出力装置、制御プログラムや制御マップ等の記憶に供される記憶装置(ROM,RAMなど)、中央処理装置(CPU)、タイマカウンタなどを備えたECU(制御ユニット)21が設置されており、エンジン1、クラッチ装置2、変速機3の総合的な制御を行う。
ECU21の入力側には、エンジン1の回転速度Neを検出するエンジン回転速度センサ22、変速機3の入力軸3aの回転速度(クラッチ回転速度Nc)を検出するクラッチ回転速度センサ23、運転席に設けられたチェンジレバー13の切換位置を検出するレバー位置センサ24、変速機3のギヤ位置を検出するギヤ位置センサ25、アクセルペダル26の操作量θaccを検出するアクセルセンサ27、変速機3の出力軸3bに設けられて出力軸回転速度Vss(車速Vと相関する)を検出する車速センサ28、フットブレーキ29の操作を検出するブレーキスイッチ30、クラッチ装置2のクラッチストロークSTを検出するストロークセンサ31、及びトラクタAに搭載されて前後加速度Gsを検出する加速度センサ33(検出手段)などのセンサ類が接続されている。
また、ECU21の出力側には、上記したクラッチ装置2の電磁弁9、ギヤシフトユニット14の各電磁弁などが接続されると共に、図示はしないが、エンジン1の燃料噴射弁なども接続されている。なお、このように単一のECU21で総合的に制御することなく、例えばECU21とは別にエンジン制御専用のECUを備えるようにしてもよい。
そして、例えばECU21は、エンジン回転速度センサ22により検出されたエンジン回転速度Ne及びアクセルセンサ27により検出されたアクセル操作量θaccに基づき、図示しないマップからエンジン1の各気筒への燃料噴射量を算出すると共に、エンジン回転速度Ne及び燃料噴射量に基づき図示しないマップから燃料噴射時期を算出する。そして、これらの算出値に基づき各気筒の燃料噴射弁を駆動制御しながらエンジン1を運転する。
また、ECU21は、レバー位置センサ24によりチェンジレバー13のDレンジへの切換が検出されているときには自動変速モードを実行し、アクセル操作量θacc及び車速センサ28により検出された車速Vに基づき、図示しないシフトマップから目標変速段を算出する。そして、クラッチ装置2の電磁弁9を開閉してエアシリンダ8によりクラッチ装置2を断接操作させながら、ギヤシフトユニット14の所定の電磁弁を開閉してエアシリンダにより対応するシフトフォークを切換操作して変速段を目標変速段に切り換え、これにより常に適切な変速段をもって車両を走行させる。
一方、ECU21は、後述するようにトレーラ車両の走行中に路面の勾配θを推定する路面勾配推定処理を実行し、推定した路面勾配θを発進段の自動選択制御に利用している。
路面勾配θの推定処理は、例えば特開2003−097945号公報などに開示されている。このため概略説明にとどめるが、当該公報の手法によれば、車速センサ28により検出された車速Vから実際に車両に発生している前後加速度Gvを求め、この前後加速度Gvと加速度センサ33により検出された前後加速度Gsとに基づき路面勾配θを推定している(路面勾配推定手段)。
また、発進段の自動選択制御についても周知であるため、ここでは概略のみを説明する。発進段の自動選択制御は、路面勾配θや車両重量に応じた最適な発進段を選択する機能である。まず現在の車両重量(トラクタA+トレーラBの重量)を推定し、その車両重量と路面勾配θに基づき発進段を選択する(発進段選択手段)。本実施形態では予め変速機の第1〜3速が発進段として設定され、それらの変速段の何れかが選択される。
選択された発進段は、トレーラ車両を停車させた後の発進時に適用される。これにより、もたつき易い登坂路などでも円滑且つ迅速な発進を可能としている。なお、車両重量の推定処理は、例えば特開2002−340165号公報などに開示されているため詳細は説明しないが、例えば車両の駆動トルクと車両加速度から車両重量を推定すればよい。
しかしながら、[発明が解決しようとする課題]で述べたように、トレーラ車両が異なる2種の路面勾配θにまたがって停車した場合、それぞれの路面勾配θを考慮する必要があるにも拘わらず、加速度センサ33を搭載したトラクタA側の路面勾配θがトレーラ車両全体の路面勾配θとして推定されてしまう。結果として不適切な路面勾配θに基づき発進段を的確に選択できないという問題があった。また、その対策としてトレーラB側にも加速度センサ33を設けることも考えられるが、トラクタAには種々のトレーラBが連結されることから、全てのトレーラBに加速度センサ33を装備するのは不可能である。
ところで、トラクタAの牽引によりトレーラBは常にトラクタAの走行軌跡を辿って追従するため、トラクタAが走行した路面を所定時間後(後述する移動判定値L0相当だけ移動した時点)にトレーラBが走行することになる。この点を鑑みて本発明者は、トレーラB側の路面勾配θを具体的に推定しなくても、トラクタA側の路面勾配θに基づきトレーラ車両全体の路面勾配θを反映した的確な発進段の選択が可能であることを見出した。このような知見に基づき、本実施形態ではトラクタA側の路面勾配θに基づき発進段の自動選択制御を実行しており、以下、当該発進段自動選択制御について詳述する。
まず、実際の制御内容の説明に先立ち、路面勾配θから発進段を選択するための制御マップについて述べる。
図3は発進段を選択するための制御マップを示す説明図である。横軸は路面勾配θであり、路面勾配θと予め設定された判定値との比較に基づき、路面勾配θが小さく緩勾配のときには発進段として第3速(平路変速段)が選択され、路面勾配θが増加して急勾配になるに従って、発進段が第2速(第2坂路変速段)、第1速(第1坂路変速段)の順に切り換えられるようになっている。なお、図示されていないが、路面勾配θが負の値となる降坂路では発進段として第3速が選択される。
各変速段間の切換にヒステリシスが生じるように、シフトアップ側とシフトダウン側とで別の判定値が適用される。詳しくは、第3速と第2速との間には、急勾配側のダウン側判定値θ32(第1の判定値、第1のダウン側判定値)及び緩勾配側のアップ側判定値θ23(第1の判定値、第1のアップ側判定値)が設定されている。また、第2速と第1速との間には、急勾配側のダウン側判定値θ21(第2の判定値)及び緩勾配側のアップ側判定値θ12(第2の判定値)が設定されている。
例えば、路面勾配θが平坦路に相当する0から増加してダウン側判定値θ32を超えると、発進段が第3速から第2速に切り換えられ、さらに路面勾配θが増加してダウン側判定値θ21を超えると発進段が第2速から第1速に切り換えられる。また、路面勾配θが低下してアップ側判定値θ12を下回ると発進段が第1速から第2速に切り換えられ、さらに路面勾配θが低下してアップ側判定値θ23を下回ると発進段が第2速から第3速に切り換えられる。
図3の制御マップはある車両重量に対応する一例であり、実際には車両重量毎に異なる特性の多数の制御マップが予め設定されている。具体的には、車両重量が大の制御マップほど各判定値θ12,θ23,θ32,θ21が緩勾配側に設定されており、同一の路面勾配θであってもより低ギヤ側の変速段が選択されるようになっている。
そして、上記した車両重量の推定処理による推定結果に対応する制御マップが選択され、その制御マップを用いて路面勾配θから発進段として何れかの変速段(以下、この選択された変速段を単に発進段と称することもある)が選択される。これにより、路面勾配θ及び車両重量を反映した発進段を選択可能としている。
ECU21は車両のイグニションスイッチがオンされているときに、図4,5に示す発進段選択ルーチンを所定の制御インターバルで実行している。ここで、ECU21は発進段の記憶機能を備えており(記憶手段)、前回のイグニションスイッチのオフ操作時に、その時点で発進段として選択している変速段がECU21の記憶装置に記憶されているものとする。
ECU21は図4のルーチンを開始すると、まずステップS2でイグニションスイッチがオン操作された後の初回の制御インターバルであるか否かを判定する。判定がYes(肯定)のときにはステップS4に移行して記憶装置から変速段を読み込み、続くステップS6でその変速段を発進段として選択した後にステップS8に移行する。また、上記ステップS2の判定がNo(否定)のときには直接ステップS8に移行する。
ステップS8では上記車両重量推定処理により推定された車両重量に基づき、当該車両重量と対応する制御マップ(例えば図3のマップ)を選択する。そして、選択した制御マップに基づき、以降の処理では路面勾配θから発進段を適宜選択する。
まず、ステップS10で上記路面勾配推定処理により推定された路面勾配θがダウン側判定値θ21以上であるか否かを判定し、判定がYesのときにはステップS12に移行し、発進段として第1速を選択した後にルーチンを終了する。また、ステップS10の判定がNoのときには、ステップS14で路面勾配θがアップ側判定値θ12未満であるか否かを判定し、判定がNoのときには上記ステップS12に移行する。
上記ステップS14の判定がYesのときにはステップS16で路面勾配θがダウン側判定値θ32以上であるか否かを判定し、判定がYesのときにはステップS18に移行し、発進段として第2速を選択した後にルーチンを終了する。また、ステップS16の判定がNoのときには、ステップS20で路面勾配θがアップ側判定値θ23未満であるか否かを判定し、判定がNoのときには上記ステップS18に移行する。
また、上記ステップS20の判定がYesのときには,ステップS21で発進段を既に第3速と選択しているか否かを判定し,YesのときにはステップS28に移行し、引き続き発進段を第3速に設定する。
一方,ステップS21の判定がNoのときには、ステップS22に移行してトレーラ車両の移動距離Lをリセットする。続くステップS24では次式(1)に従って移動距離Lを更新する。
L=L+V×DT……(1)
ここに、Vはトレーラ車両の車速、DTは発進段選択ルーチンの制御インターバルである。車速Vはトレーラ車両の前進時には正の値として取り扱われ、後退時には負の値として取り扱われる。このためV×DTは、制御インターバル間にトレーラ車両が前進または後退により移動した距離を意味する。
さらにECU21は、ステップS25で再度路面勾配θがアップ側判定値θ23未満であるか否かを判定する。判定がYesのときにはステップS26に移行して、移動距離Lが予め設定された移動判定値L0以上になったか否かを判定する。判定がNoのときには一旦ルーチンを終了する。従って、制御インターバル毎に移動距離Lは、トレーラ車両の前進時にはV×DTに基づき増加方向に更新され、後退時にはV×DTに基づき減少方向に更新されることになる。結果として移動距離Lは、常にステップS20の条件が成立した時点(後述するようにトラクタAが登坂路より平坦路に侵入した時点)からトレーラ車両が移動した距離となるように更新され続ける(計測手段)。
移動判定値L0は、トラクタAの平坦路への侵入後に、これに追従してトレーラBが平坦路に侵入したか否かを見極めるための判定値である。種々の全長のトレーラBが存在し、トレーラBの全長が長いほど、平坦路へのトラクタAの侵入からトレーラBの侵入までに必要なトレーラ車両の移動距離Lが長くなる。トレーラBの全長に対応してトレーラ車両のホイールベース(図2に示すようにトラクタAの後輪AaからトレーラBの後輪までの距離)は相違し、平坦路へのトラクタAの侵入後にホイールベース相当分だけトレーラ車両が走行した地点で、トレーラB側も登坂路から脱して平坦路に侵入したものと推測できる。
そこで、トレーラ車両のホイールベースを移動判定値L0として設定してステップS18の判定に適用することにより、後述する第1速や第2速から第3速への発進段の切換を適切なタイミングで実行可能としている。
但し、トラクタAに連結されるトレーラBは輸送依頼に応じて変わることから、トレーラ車両のホイールベースを特定できない場合が多い。そこで、このようなときにはトレーラ車両の用途や仕様などに応じて、安全性や操作性を考慮して妥当な値を移動判定値L0として予め設定しておけばよい。
一方、上記のようにステップS25でNoの判定を下すと一旦ルーチンを終了している。この処理は、ステップS24〜26の処理を繰り返している間に路面勾配θがアップ側判定閾値θ23未満の条件を満たさなくなったときの対策であり、この場合には、次の制御インターバルで直ちに発進段として第2速または第1速が選択される。
ステップS25でYesの判定が下され続けてステップS26の判定がYesになると、ECU21はステップS28に移行して発進段として第3速を選択した後にルーチンを終了する。
次に、以上のECU21の処理による路面勾配θに応じた発進段の選択状況を説明する。
今、平坦路においてイグニションスイッチがオン操作されてトレーラ車両が走行を開始し、その後に平坦路から登坂路に移行し、さらに登坂路を走行後に再び平坦路に移行したものとして、それぞれの場合の発進段の選択状況について述べる。平坦路でトレーラ車両を停車させた場合には第3速により円滑に発進可能であり、登坂路でトレーラ車両を停車させた場合には第3速では円滑な発進が望めず、発進段として第2速または第1速を選択する必要があるものとする。
まずイグニションスイッチのオン操作により、ECU21は図4のステップS2からステップS4を経てステップS6に移行する。前回のイグニションスイッチのオフ操作時に平坦路に対応する第3速が記憶装置に記憶されているため、ステップS4,6では記憶装置から第3速を読み出して発進段として選択する。
従って、その後にエンジン1を始動してトレーラ車両は平坦路で発進することになるが、発進段として第3速が用いられる。このため、イグニションスイッチをオン操作した当初から適切な発進段により車両を発進させることができる。
発進後のトレーラ車両は図6に示すように平坦路を走行し、路面勾配推定処理によりほぼ0の路面勾配θが推定され続ける。ECU21は図5のステップS10、14、16、20の順に移行し、ステップS20で路面勾配θがアップ側判定値θ23未満であるとしてYesの判定を下す。
そして、既に発進段として第3速が選択されているため、ステップS21ではYesの判定を下し、ステップS28に移行して発進段として第3速を選択する。結果として車両発進から継続して第3速が選択され続け、平坦路でトレーラ車両が停車した場合には、常に第3速により円滑且つ迅速に発進が行われる。
次いで、図7に示すようにトレーラ車両が登坂路に差し掛かると、トレーラB側は未だ平坦路に位置しているもののトラクタA側が登坂路に侵入して登坂路に倣った姿勢となる。このため、路面勾配推定処理により路面勾配θとしてダウン側判定値θ32以上の値が推定され、特に登坂路が急勾配の場合には路面勾配θとしてダウン側判定値θ21以上の値が推定される。
ECU21は路面勾配θがダウン側判定値θ21以上のときには、図5のステップS10からステップS12に移行して発進段として第1速を選択する。また路面勾配θがアップ側判定値θ12未満であるもののダウン側判定値θ32以上のときには、図5のステップS16からステップS18に移行して発進段として第2速を選択する。
このときのトレーラ車両は、図8に示すようにトラクタA側が登坂路の路面勾配θの影響を受けている。よって、この状態でトレーラ車両が停車すると第3速では円滑な車両の発進が望めなくなるが、路面勾配θに対応する第1速または第2速が選択されることから円滑且つ迅速に発進が行われる。
図8に示すように、トレーラ車両がさらに走行するとトレーラB側も登坂路に倣った姿勢になり、路面勾配推定処理では依然としてダウン側判定値θ32以上の値、或いはダウン側判定値θ21以上の値が推定され続ける。
このためECU21はステップS12での第1速の選択、またはステップS18での第2速の選択を継続する。トラクタA側及びトレーラB側が共に登坂路の路面勾配θの影響を受けているが、車両停車後の発進時には第1速または第2速が選択されて円滑且つ迅速に発進が行われる。
また、このときに推定される路面勾配θがダウン側判定値θ21を若干上回るだけであり、且つ登坂路の勾配θが不均一で車両走行に伴って変動することもある。このような場合、登坂路での走行中に推定される路面勾配θが一時的に低下してダウン側判定値θ21を僅かに下回ることがある。ECU21はステップS10でNoの判定を下すが、続くステップS14で路面勾配θがアップ側判定値θ12以上であるとしてNoの判定を下すため、ステップS12で第1速を選択し続ける。
ステップS14の処理がない場合、路面勾配θがダウン側判定値θ21近傍で増減することにより第1速と第2速とが交互に選択され、車両が停止した時点で選択されている発進段が必ずしも適切でなくなる可能性がある。ステップS14の処理を設けることにより、このような路面状況においても適切な発進段を選択可能となる。
また、ステップS16のダウン側判定値θ32についても同様であり、アップ側判定値θ23に関するステップS20の処理を設けることにより、登坂路の勾配変動で第2速と第3速とが交互に選択される事態を未然に防止することができる。
一方、その後に図9に示すようにトレーラ車両がさらに走行して平坦路に差し掛かると、トレーラB側は未だ登坂路に位置しているもののトラクタA側が登坂路から脱して平坦路に倣った姿勢となる。
このため、路面勾配推定処理により路面勾配θとしてほぼ0の路面勾配θが推定される。ECU21は、図5のステップS20でYesの判定を下すが、移動距離Lが移動判定値L0に達していないとしてステップS26でNoの判定を下すことから、直ちにステップS28に移行することはない。よって、発進段として第3速を選択することなく、第1速或いは第2速を選択し続ける。
このときのトレーラ車両は、図9に示すように未だトレーラB側が登坂路の路面勾配θの影響を受け続けている。この状態でトレーラ車両が停車すると第3速では円滑な車両の発進が望めなくなるが、路面勾配θに対応する第1速または第2速が選択されることから円滑且つ迅速に発進が行われる。
一方、このように平坦路にトラクタA側が侵入した時点で、ECU21は図5のステップS24で移動距離Lの更新を開始する。このため、移動距離LはトラクタA側が平坦路に侵入してからトレーラ車両が移動した距離と見なせ、移動距離Lが移動判定値L0に達した時点では、図10に示すように、トラクタAに追従してトレーラB側も登坂路から脱して平坦路に倣った姿勢となる。ECU21は図5のステップS26でYesの判定を下し、ステップS28で発進段として第3速を選択する。
この時点では既にトレーラ車両全体が平坦路に移行しているため、トレーラ車両が停車しても発進段として第1速や第2速を選択する必要はなく、第3速により円滑且つ迅速に発進が行われる。
以上のように本実施形態のトレーラ車両の発進段自動選択装置によれば、トラクタA側が登坂路に侵入してからトラクタA側が登坂路を脱して移動判定値L0だけ走行するまでの期間中には、トラクタA側またはトレーラB側の少なくとも一方が登坂路の路面勾配θの影響を受けていると見なし、発進段として低ギヤ側の坂路変速段である第1速または第2速を選択している。また、上記期間の前後では、トラクタA側及びトレーラB側の何れも路面勾配θの影響を受けていないため、発進段として高ギヤ側の平路変速段である第3速を選択している。
結果としてトレーラB側に加速度センサ33などの検出手段を設けることなく、トラクタA側に装備した加速度センサ33により推定した路面勾配θに基づき、登坂路で車両を発進させる際に最適な発進段を自動的に選択でき、もって常に円滑且つ迅速に車両を発進させることができる。
しかも、図4,5に基づき説明したように本実施形態では、基本的に路面勾配θの判定(ステップS10,14,16,20)及び移動距離Lの判定(ステップS22〜26)を制御インターバル毎に実行するだけの比較的簡単な処理であるため、ECU21にそれほど高い演算能力やメモリ容量は要求されない。よって、ECU21自体の仕様変更などを要することなく、低コストで実施できるという効果も得られる。
また、ステップS24では、車両の後退時には移動距離Lを減算方向に更新している。このためトラクタAが平坦路に侵入後に一時的に後退した場合であっても適切な移動距離Lを算出でき、ひいては第1速や第2速から第3速への切換をより適切なタイミングで実行することができる。
また、ステップS10,14,16,20では、登坂路の勾配θに応じて坂路変速段として第1速と第2速との何れかを発進段として選択している。結果として単一の坂路変速段を用いる場合に比較し、路面勾配θに対応してよりきめ細かく発進段を選択することから一層円滑且つ迅速に車両を発進させることができる。
ところで、本実施形態では、登坂路を想定して発進段自動選択制御を実行したが、降坂路を想定して同様の制御を実行してもよい。降坂路では平坦路に比較して小さな駆動力でトレーラ車両を発進可能なため、より高ギヤ側の変速段を発進段として選択することが望ましい。
そこで、例えば降坂路では、発進段として平坦路の第3速よりも高ギヤ側の第4速(坂路変速段)を選択するようにしてもよい。この場合でも、本実施形態と同じく、トラクタA側が登坂路に侵入してからトラクタA側が登坂路を脱して移動判定値L0だけ走行するまでの期間中には、トラクタA側またはトレーラB側の少なくとも一方が降坂路の路面勾配θの影響を受けていることから、発進段として第4速を選択する。これにより降坂路でも、適切な発進段により円滑且つ迅速に車両を発進させることができる。
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態のトレーラ車両は、手動式変速機をベースとした自動変速機3を備えたが、これに限ることはなく手動式変速機を備えてもよいし、トルクコンバータを備えた遊星歯車式の自動変速機、或いはCVT式の自動変速機を備えてもよい。
また上記実施形態では、式(1)に基づき車速V及びECU21の制御インターバルから移動距離Lを算出したが、これに限ることはない。例えばトレーラ車両の積算距離をカウントする既存のオドメータを利用し、オドメータ値から移動距離Lを算出してもよい。
また上記実施形態では、登坂路や降坂路の勾配変動に対処すべく、判定値としてダウン側判定値θ32,θ21及びアップ側判定値θ23,12を適用したが、これに限ることはなく、単一の判定値を適用してもよい。具体的には図5のステップS14,20を省略し、ステップS10のダウン側判定値θ21に基づく判定、及びステップS16のダウン側判定値θ32に基づく判定のみを実行すればよい。
また上記実施形態では、発進段を第1速または第2速から第3速に切り換えるときのみ、移動距離Lを考慮して発進段を切り換えたが、第1速から第2速に切り換えるときにも同様に移動距離Lを考慮して発進段の切換を実行してもよい。さらに、イグニションスイッチのオン操作後の最初の発進時のみ、移動判定値L0=0として車両移動量を考慮せずに平坦路であれば直ちに発進段を第3速として発進可能となるようにしてもよい。
21 ECU(発進段選択手段、路面勾配推定手段、計測手段、記憶手段)
33 加速度センサ(検出手段)
A トラクタ
B トレーラ

Claims (6)

  1. 走行用動力源を搭載した牽引側のトラクタと荷物を搭載する被牽引側のトレーラとを任意に角度変更し得るように連結してトレーラ車両を構成し、上記トラクタ側に設けられた検出手段の検出情報に基づき路面勾配推定手段により該トラクタが位置している路面の勾配を推定すると共に、停車中の上記トレーラ車両を発進させる際に、上記推定路面勾配に基づき発進段選択手段により発進段を選択するトレーラ車両の発進段自動選択装置において、
    上記トレーラ車両の走行中に該トレーラ車両の移動距離を計測する計測手段を備え、
    上記発進段選択手段は、上記トレーラ車両の走行中において上記路面勾配推定手段による推定路面勾配が予め設定された第1の判定値以上になったときに上記発進段として坂路変速段を選択し、その後に上記推定路面勾配が上記第1の判定値未満まで低下してから上記計測手段の計測に基づき上記トレーラ車両の移動距離が予め設定された移動判定値に達したと判定したときに、上記発進段として平路変速段を選択することを特徴とするトレーラ車両の発進段自動選択装置。
  2. 上記移動判定値は、上記トレーラ車両のホイールベースとして設定され、該移動判定値に基づき上記発進段選択手段が上記平路変速段の選択を判定することを特徴とする請求項1記載のトレーラ車両の発進段自動選択装置。
  3. 上記計測手段は、上記トレーラ車両の移動距離の計測中に該トレーラ車両が後退したときに、該後退距離を上記移動距離から減算し、減算後の移動距離に基づき上記発進段選択手段が上記平路変速段の選択を判定することを特徴とする請求項1または2記載のトレーラ車両の発進段自動選択装置。
  4. 上記第1の判定値は、予め急勾配側の値として設定された第1のダウン側判定値、及び緩勾配側の値として設定された第1のアップ側判定値からなり、
    上記発進段選択手段は、上記第1のダウン側判定値に基づき上記坂路変速段を選択し、上記第1のアップ側判定値に基づき上記平路変速段を選択することを特徴とする請求項1乃至3の何れか記載のトレーラ車両の発進段自動選択装置。
  5. 上記坂路変速段は、予め上記第1の判定値よりも急勾配側の値に設定された第2の判定値を境界として切り換えられる低ギヤ側の第1坂路変速段と高ギヤ側の第2坂路変速段とからなり、
    上記発進段選択手段は、上記路面勾配推定手段により登坂路側の路面勾配が推定され、該推定路面勾配が上記第2の判定値以上のときには上記発進段として第1坂路変速段を選択し、上記推定路面勾配が上記第2の判定値未満のときには上記発進段として第2坂路変速段を選択し、その後に上記推定路面勾配が上記第1の判定値未満まで低下してから上記移動距離が移動判定値に達したと判定すると、上記発進段として平路変速段を選択することを特徴とする請求項1乃至3の何れか記載のトレーラ車両の発進段自動選択装置。
  6. 上記トレーラ車両のイグニションスイッチがオフ操作されたとき、その時点で上記発進段選択手段により発進段として選択されている変速段を記憶する記憶手段を備え、
    上記発進段選択手段は、上記イグニションスイッチのオン操作時には上記記憶手段に記憶されている変速段を発進段として選択することを特徴とする請求項1乃至5の何れか記載のトレーラ車両の発進段自動選択装置。
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