JP5910775B1 - 塗料組成物 - Google Patents

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秀彦 菅原
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Abstract

【課題】耐候性および耐汚染性を保持しながら、優れた下地追従性を有する塗膜を与え得る塗料組成物を提供すること。【解決手段】(a)Si含量が15質量%以上である式(1)で表されるアルコキシ基含有有機シラン化合物またはその縮合物、(R1は水素原子等を、R2〜R4は、それぞれ独立して水素原子等を表す。)(b)アミノ基含有アクリル系共重合体、(c)硬化触媒、(d)グリシジル基含有オルガノシロキサン、(e)エポキシ当量200〜500、重量平均分子量200以上5,000未満である、Si原子非含有グリシジル基含有化合物を含み、(b)、(c)、(d)、(e)成分が、(a)成分100部に対し、それぞれ、50〜100(固形分)、5〜15、5〜30および5〜30(固形分)部含まれ、(a)および(c)成分が第1液および/または第2液に、(b)成分が第1液に、(d)成分および(e)成分が第2液に存在する塗料組成物。【選択図】 なし

Description

本発明は、塗料組成物に関する。
オルガノポリシロキサン系樹脂を主成分とした塗料は、耐候性や塗膜硬度に優れることから、建築や土木構造物の分野で汎用されている。
このオルガノポリシロキサン系塗料は、上記利点を有している反面、硬化速度が遅く、また得られた塗膜が耐クラック性に劣るという欠点も有している。
これらの欠点を改善すべく、従来、オルガノポリシロキサン系樹脂組成物中に、硬化触媒を添加したり、有機樹脂を加えたりする手法が試みられている(特許文献1,2参照)。
しかし、硬化触媒を添加する手法では、硬化性は向上するものの耐クラック性に劣るという欠点は解消し得ない。
一方、有機樹脂を添加する手法では、硬化性や耐クラック性は改善するものの、オルガノポリシロキサン系樹脂塗膜本来の特徴である、塗膜硬度や耐候性が低下してしまう。
以上のような理由から、得られる塗膜の硬度や耐候性を保持しながら、塗料の硬化性を良好にし得、かつ、塗膜の耐屈曲性および耐クラック性を向上させ得る、オルガノポリシロキサン系塗料の開発が望まれている。
この問題を解決すべく、本出願人は、塗膜の硬度や耐候性を保持した上で、耐屈曲性および耐クラック性に優れた塗膜を与える常温硬化可能な2液硬化型のオルガノポリシロキサン塗料組成物をすでに報告している(特許文献3参照)。
しかし、特許文献3の塗料においても、建築分野においてサイディング材等の継ぎ目部分に施行されるシーリング材上に塗装した場合に、下地追従性が不足するため経時的にクラックが生じる場合があることがわかってきた。
特開2000−63612号公報 特開2003−238895号公報 特許第4906219号公報
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、耐候性および耐汚染性を保持しながら、優れた下地追従性を有する塗膜を与え得る塗料組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、所定の有機シラン化合物、アミノ基含有アクリル系共重合体、グリシジル基含有オルガノシロキサン、所定のエポキシ当量および重量平均分子量を有するSi原子非含有のグリシジル基含有化合物、および硬化触媒を、それぞれ所定割合で含む組成物が、常温で硬化可能であるとともに、当該組成物から得られた塗膜が、耐候性および耐汚染性を保持しながら、優れた下地追従性を有する塗膜を与え得ることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
1. (a)Si含量が15質量%以上である式(1)で表されるアルコキシ基含有有機シラン化合物またはその縮合物、
Figure 0005910775
(式中、R1は、水素原子またはアルキル基を表し、R2〜R4は、それぞれ独立して、水素原子、OR1、アルキル基またはアリール基を表す。)
(b)アミノ基を有するアクリル系共重合体、
(c)硬化触媒、
(d)グリシジル基を有するオルガノシロキサン、および
(e)エポキシ当量200〜500であり、重量平均分子量200以上5,000未満である、Si原子を含有しないグリシジル基含有化合物を含み、
前記(b)成分、(c)成分、(d)成分および(e)成分が、前記(a)成分100質量部に対して、それぞれ、150〜250質量部(固形分)、5〜30質量部、5〜15質量部および30〜60質量部(固形分)含まれ、
前記(a)成分が、第1液および/または第2液に存在し、前記(b)成分が第1液に存在し、前記(c)成分が第1液および/または第2液に存在し、前記(d)成分および(e)成分が第2液に存在することを特徴とする塗料組成物、
2. 有機溶剤を含む1の塗料組成物、
3. 前記有機溶剤が、石油炭化水素系溶剤である2の塗料組成物、
4. 前記有機溶剤が、第1液および/または第2液に存在する2または3の塗料組成物
を提供する。
本発明の塗料組成物は、(a)〜(e)成分という特定の5成分を組み合わせるとともに、(a)〜(e)成分の配合量を特定量としているから、オルガノポリシロキサン系塗料本来の耐候性および耐汚染性を損なうことなく、下地追従性の良好な塗膜を与え得る。
また、塗料用溶剤として石油炭化水素系溶剤を配合した場合、旧塗膜や基材を侵しにくい塗料となるため、旧塗膜や基材の塗り替えが容易に行えるのみならず、低臭気であるため作業環境を大幅に改善することができる。
以下、本発明についてさらに詳しく説明する。
本発明に係る塗料組成物は、(a)Si含量が15質量%以上である式(1)で表されるアルコキシ基含有有機シラン化合物またはその縮合物、(b)アミノ基を有するアクリル系共重合体、(c)硬化触媒、(d)グリシジル基を有するオルガノシロキサン、および
(e)エポキシ当量200〜500であり、重量平均分子量200以上5,000未満である、Si原子を含有しないグリシジル基含有化合物を含み、(b)成分、(c)成分、(d)成分および(e)成分が、(a)成分100質量部に対して、それぞれ、150〜250質量部(固形分)、5〜30質量部、5〜15質量部および30〜60質量部(固形分)含まれ、(a)成分が、第1液および/または第2液に存在し、(b)成分が第1液に存在し、(c)成分が第1液および/または第2液に存在し、(d)成分および(e)成分が第2液に存在する2液硬化型の塗料組成物である。
Figure 0005910775
以下、本発明の塗料組成物に含まれる各成分について説明する。
(a)成分のアルコキシ基含有有機シラン化合物は、塗膜の耐候性能および耐汚染性能の点から、Si含量の下限が15質量%のものが用いられるが、好ましくは20質量%である。一方、Si含量の上限については特に制限はないが、一般的に50質量%程度であり、好ましくは40質量%、より好ましくは35質量%である。
なお、Si含有量は、例えば、上記特許文献3記載の方法で測定することができる。
(a)成分の有機シラン化合物として、本発明では、上記式(1)で示される有機シラン化合物またはその縮合物が用いられる。なお、縮合物である場合、その縮合度としては2〜100の範囲が一般的であり、相溶性の点からは、縮合度が2〜15である液状のものが好ましい。また、本発明において、(a)成分であるアルコキシ基含有有機シラン化合物は、単独で用いても、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
上記式(1)において、R1は、水素原子またはアルキル基を表し、R2〜R4は、それぞれ独立して、水素原子、OR1、アルキル基またはアリール基を表す。
上記アルキル基の炭素数としては、特に限定されるものではないが、本発明においては、1〜10が好ましく、1〜5がより好ましい。また、その構造は、直鎖、分岐、環状のいずれでもよい。
アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、シクロブチル基、n−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等が挙げられる。
アリール基の炭素数としては、特に限定されるものではないが、本発明においては、6〜20が好ましく、6〜14がより好ましい。
アリール基の具体例としては、フェニル基、α−ナフチル基、β−ナフチル基、o−ビフェニリル基、m−ビフェニリル基、p−ビフェニリル基、1−アントリル基、2−アントリル基、9−アントリル基、1−フェナントリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、4−フェナントリル基、9−フェナントリル基等が挙げられる。
特に(a)成分としては、R1がメチル基であり、R2〜R4がそれぞれ独立にメチル基、フェニル基またはメトキシ基である化合物を用いることがより好ましい。
有機シラン化合物の具体例としては、テトラメチルシリケート(テトラメトキシシラン)、テトラエチルシリケート(テトラエトキシシラン)等のテトラアルキルシリケート;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン等のアルキルトリアルコキシシラン;フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン等のアリールトリアルコキシシラン、およびこれら各有機シラン化合物の縮合物等が挙げられる。
なお、縮合物は、例えば、上記有機シラン化合物の単一物または2種以上の混合物に、水を添加し、(部分)加水分解縮合させて得ることができる。
また、本発明の有機シラン化合物としては、市販品を用いることもでき、その具体例としては、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製のDC3074(Si含量25質量%)およびSR2402(Si含量30質量%)、信越化学工業(株)製のKR−510(Si含量20.5質量%)、KR−213(Si含量17.7質量%)、KR−500(Si含量29.4質量%)、KC−89S(Si含量27.5質量%)、X−40−9225(Si含量31.3質量%)、X−40−9246(Si含量33.6質量%)、X−40−9250(Si含量34.1質量%)、KR−401N(Si含量26.1質量%)、X−40−9227(Si含量27.5質量%)、X−40−9247(Si含量21.5質量%)、KR−9218(Si含量18.7質量%)、X−40−2308(Si含量23.8質量%)およびX−40−9238(Si含量21質量%)などが挙げられる。
(b)成分として用いるアクリル系共重合体は、グリシジル基と反応し得る官能基としてアミノ基を有している必要がある。
アミノ基としては、第一級アミノ基、第二級アミノ基、第三級アミノ基のいずれでもよいが、グリシジル基との反応性の点から、特に、第三級アミノ基が好ましい。
グリシジル基と反応し得るアミノの量は、(d)および(e)成分のグリシジル基1当量に対して、0.01〜2当量となるものが好ましく、より好ましくは0.1〜1.2当量である。特に、アミン当量が300〜10,000の範囲にある第三級アミノ基を含有するアクリル系共重合体が好適に用いられる。
本発明で用いるアクリル系共重合体の分子量としては特に限定されるものではないが、重量平均分子量(標準ポリスチレン換算)が3,000〜100,000が好ましく、5,000〜50,000がより好ましい。
また、アクリル系共重合体のTgとしても特に限定されるものではないが、−10〜30℃が好ましい。
上記アクリル系共重合体は、例えば、エチレン性不飽和モノマー(b1)と、このモノマー(b1)と共重合可能な、アミノ基含有エチレン性不飽和モノマー(b2)とを溶剤中においてラジカル重合開始剤を用いて共重合して得られる。
エチレン性不飽和モノマー(b1)の具体例としては、(メタ)アクリル酸;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸のC1〜C24アルキルエステル;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸のC3〜C8のヒドロキシアルキルエステル;ジエチレングリコール(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレングリコール(メタ)アクリレート(アルキレン基の炭素数は2〜4であり、アルキレンオキシドの付加モル数は1〜50である。);スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、N−ビニルピロリドン、ビニルピリジン等の塩基性芳香族不飽和モノマー;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;酢酸ビニル、マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸、カプロラクトン変性ヒドロキシ(メタ)アクリレート(ダイセル化学(株)製、商品名:プラクセルFM、FA)、N−メチロールアクリルアミドなどが挙げられ、これらは、単独で用いても2種以上組み合わせて用いてもよい。
一方、アミノ基含有エチレン性不飽和モノマー(b2)の具体例としては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基含有(メタ)アクリル酸エステル;アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、4−アクリロイルモルホリン、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、ジエチルアミノプロピルアクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類などが挙げられ、これらは、単独で用いても2種以上組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、反応性の点から、ジメチルアミノエチルメタクリレートが好ましい。
モノマー(b1)およびモノマー(b2)の好適な組み合わせとしては、(b1)メチルメタクリレート、n−ブチルアクリレートおよびn−ブチルメタクリレート並びに(b2)ジメチルアミノエチルメタクリレート;(b1)シクロヘキシルメタクリレート、アn−ブチルアクリレートおよびn−ブチルメタクリレート、並びに(b2)ジメチルアミノエチルメタクリレート等が挙げられる。
重合反応用溶媒としては、溶液重合が可能であり、使用するモノマーおよび得られるポリマーの溶解能を有するものであれば特に制限はない。具体的には、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸エチル等のエステル系溶媒;イソプロピルアルコール等のアルコール系溶媒;ミネラルスピリット等の石油炭化水素系溶媒が挙げられ、これらは、単独で用いても2種以上組み合わせて用いてもよい。
なお、石油炭化水素系溶媒を用いる場合、上記モノマー(b1)として、炭素数4〜8のアルキル基を有するビニル系モノマー、特にn−ブチルメタクリレート、i−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートを含むモノマーを用いることが好ましい。
重合開始剤としては、熱または還元性物質などによって分解してラジカル種を発生するものであれば、特に限定はなく、例えば、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーベンゾエート、t−ブチルハイドロパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、クメンハイドロパーオキシド等の過酸化物などが挙げられ、これらは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、得られる重合物の分子量の調節のため、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン等の連鎖移動剤を添加することもできる。
具体的な重合方法としては、ラジカル重合開始剤を含む溶媒に、エチレン性不飽和モノマー(b1)、およびアミノ基含有エチレン性不飽和モノマー(b2)の混合物を滴下するモノマー滴下法;溶媒、ラジカル重合開始剤、並びにモノマー(b1)および(b2)からなる混合物のラジカル重合を行う一浴重合法(モノマー等を一括装入して重合する方法)などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
特に、安全性および分子量の制御の点から、モノマー滴下法が好ましい。
(c)成分として用いる硬化触媒としては、オルガノシロキサン系塗料において一般的に用いられるものであれば、特に限定されるものではないが、有機金属化合物であることが好ましい。
その具体例としては、Ti、Al、Zr、Sn等の金属アルコキシド化合物、金属キレート化合物、金属エステル化合物等が挙げられる。
金属アルコキシド化合物の具体例としては、アルミニウムトリメトキシド、アルミニウムトリエトキシド、アルミニウムトリ−n−プロポキシド、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムトリ−n−ブトキシド、アルミニウムトリイソブトキシド、アルミニウムトリ−sec−ブトキシド、アルミニウムトリ−t−ブトキシド等のアルミニウムアルコキシド;テトラメチルチタネート、テトラエチルチタネート、テトラ−n−プロピルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート、テトライソブチルチタネート、テトラ−t−ブチルチタネート、テトラ−n−ヘキシルチタネート、テトライソオクチルチタネート、テトラ−n−ラウリルチタネート等のチタニウムアルコキシド;テトラエチルジルコネート、テトラ−n−プロピルジルコネート、テトライソプロピルジルコネート、テトラ−n−ブチルジルコネート、テトラ−sec−ブチルジルコネート、テトラ−t−ブチルジルコネート、テトラ−n−ペンチルジルコネート、テトラ−t−ペンチルジルコネート、テトラ−t−ヘキシルジルコネート、テトラ−n−ヘプチルジルコネート、テトラ−n−オクチルジルコネート、テトラ−n−ステアリルジルコネート等のジルコニウムアルコキシド;ジブチルスズジブトキシド等が挙げられる。
金属キレート化合物の具体例としては、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(n−プロピルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(イソプロピルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(n−ブチルアセトアセテート)アルミニウム、イソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(アセチルアセトナト)アルミニウム、トリス(プロピオニルアセトナト)アルミニウム、ジイソプロポキシプロピオニルアセトナトアルミニウム、アセチルアセトナト・ビス(プロピオニルアセトナト)アルミニウム、モノエチルアセトアセテート・ビス(アセチルアセトナト)アルミニウム、アセチルアセトナトアルミニウム・ジ−sec−ブチレート、メチルアセトアセテートアルミニウム・ジ−sec−ブチレート、ジ(メチルアセトアセテート)アルミニウム・モノ−t−ブチレート、ジイソプロポキシエチルアセトアセテートアルミニウム、モノアセチルアセトナト・ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウム等のアルミニウムキレート化合物;ジイソプロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタネート、ジイソプロポキシ・ビス(アセチルアセトナト)チタネート、ジ−n−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナト)チタネート等のチタニウムキレート化合物;テトラキス(アセチルアセトナト)ジルコニウム、テトラキス(n−プロピルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム等のジルコニウムキレート化合物;ジブチル錫ビス(アセチルアセトネート)等が挙げられる。
金属エステル化合物の具体例としては、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジ(2−エチルヘキシレート)、ジベンジル錫ジ(2−エチルヘキシレート)、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジイソオクチルマレエート等の錫エステル化合物などが挙げられる。
これら錫エステル化合物としては、市販品を用いることもでき、例えば、ネオスタンU−100、U−130、U−200、U−220H、U−303、U−700、U−810、U−820、U−830(以上、日東化成(株)製)等を好適に用いることができる。
以上で例示した各硬化触媒は単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、硬化触媒によって塗料のポットライフや貯蔵安定性に問題が生じる場合には、ケト・エノール型互変異性化合物を併用してもよい。
ケト・エノール型互変異性化合物としては、アセチルアセトン、アセト酢酸エチルエステル、マロン酸ジエステル、ベンゾイルアセトン、ジベンゾイルメタン、ダイアセトンアルコール、サリチル酸メチル等が挙げられる。
(d)成分として用いるグリシジル基含有オルガノシロキサンの具体例としては、グリシドキシメチルトリメトキシシラン、グリシドキシメチルトリエトキシシラン、2−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、2−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピル(メチル)ジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピル(ジメチル)メトキシシラン、3−グリシドキシプロピル(エチル)ジメトキシシラン、3−グリシドキシポリシロキサン等が挙げられ、これらは単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、相溶性および反応性の点から、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。
なお、本発明においては、(d)成分として、3−(メタ)アクリロキシプロピルメトキシシランとグリシジル(メタ)アクリレートのようなグリシジル基含有不飽和モノマーと、加水分解性シリル基含有不飽和モノマーとの共重合体を用いることもできる。
(e)成分として用いるSi原子を含有しないグリシジル基含有化合物としては、得られる塗料組成物の耐屈曲性および付着性を高めるという点から、エポキシ当量が200〜500、好ましくは250〜400のものが用いられる。
また、塗料組成物におけるその他の成分(特に、(a)および(b)成分)との相溶性を高めるという点から、グリシジル基含有化合物として、重量平均分子量200以上5,000未満、好ましくは220〜2,000、より好ましくは250〜1,500のものが用いられる。
特に、得られる塗膜にフレキシビリティーを与えるとともに、下地追従性を向上させるという点から、以下の(i)〜(iii)に示すものが好ましい。
(i)ヒドロキシル基含有化合物をグリシジルエーテル化した化合物
ヒドロキシ基含有化合物の具体例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、高級アルコール等の一価アルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール等のアルキレングリコール;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等のポリアルキレングリコール;グリセリン、ソルビトール等の多価アルコール;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロオルソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、トリメット酸等のポリカルボン酸、それらのエステルまたはそれらの酸無水物の1種以上と、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等の低分子ポリオール類の1種以上と、の脱水縮合で得られるポリエステルポリオール;低分子ポリオール、低分子ポリアミン、低分子アミノアルコールを開始剤として、ε−カプロラクトン、γ−バレロラクトン等の環状エステルモノマーの開環重合で得られるラクトン系ポリエステルポリオール;低分子ポリオールと、ジエチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート等と、の脱アルコール反応、脱フェノール反応等で得られるポリカーボネートポリオールなどが挙げられる。
具体的には、下記式で表されるような、末端に2つのグリシジル基を有するエーテル化合物が挙げられる。
Figure 0005910775
(式中、n1は、5〜15の整数を、n2は、7〜19の整数を、n3は、4〜12の整数を表す。)
(ii)グリシジルエステル型、脂肪族不飽和化合物のエポキシ化型、多価カルボン酸エステル型、ビスフェノールA型またはノボラック型の化合物
これらの化合物の具体例としては、下記式で表されるものが挙げられる。
Figure 0005910775
(式中、Rは、CH2、(CH22、(CH23、(CH24、(CH25、(CH26、(CH27またはC64を表し、Rが、CH2、(CH22、(CH23、(CH24、または(CH25のとき、mは、2〜5の整数を表し、Rが、(CH26、(CH27またはC64のとき、mは、1〜4の整数を表す。)
(iii)アクリル系重合体にグリシジル基含有成分をグラフトした化合物
このような化合物の具体例としては、グリシジル基含有不飽和モノマーとその他のエチレン性不飽和モノマーの共重合体が挙げられる。
グリシジル基含有不飽和モノマーとしては、グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中でも反応性の点からグリシジルメタクリレートが好ましい。エチレン性不飽和モノマーとしては、上記と同様のものが挙げられる。
共重合させるモノマーの組み合わせの具体例としては、グリシジルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−ブチルメタクリレートおよびn−ブチルアクリレート等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
なお、得られる塗膜の下地追従性を高めるという点から、グリシジル基含有成分がグラフトされたアクリル系重合体のTgは、−50〜10℃が好ましく、エポキシ当量は、200〜500が好ましい。
また、(e)成分としては、市販品を用いることもでき、そのような市販品の具体例としては、共栄社化学(株)製の、エポライト200E(ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル)、エポライト400E(ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル)、エポライト200P(トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル)、エポライト400P(ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル)、エポライト4000(水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル)、エポライト3002(N)(ビスフェノールAプロピレンオキサイド2mol付加物ジグリシジルエーテル)等が挙げられる。
本発明の塗料組成物には、上記した必須成分である(a)〜(e)成分に加えて、(f)成分として、着色顔料、体質顔料および有機溶剤を適宜含んでいてもよい。
着色顔料としては、酸化チタン、酸化亜鉛、カーボンブラック、酸化第二鉄(ベンガラ)、黄鉛、黄色酸化鉄、オーカー、群青、コバルトグリーン等の無機系顔料;アゾ系、ナフトール系、ピラゾロン系、アントラキノン系、ペリレン系、キナクリドン系、ジスアゾ系、イソインドリノン系、ベンゾイミダゾール系、フタロシアニン系、キノフタロン系等の有機顔料が挙げられる。
体質顔料としては、重質炭酸カルシウム、クレー、カオリン、タルク、沈降性硫酸バリウム、炭酸バリウム、ホワイトカーボン、珪藻土等が挙げられる。
有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルプロピオネート等のエステル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶剤、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素系溶剤、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール系溶剤;ミネラルスピリット等の石油炭化水素系溶剤などが挙げられ、これらは単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、旧塗膜や基材を侵しにくく、また、低臭気であるため作業環境の改善に大きく役立つという点から、ミネラルスピリット等の石油炭化水素系溶剤が好ましい。
なお、本発明の塗料組成物には、本発明の効果を損なわない限りにおいて、可塑剤、防腐剤、防かび剤、防藻剤、消泡剤、レベリング剤、顔料分散剤、沈降防止剤、たれ防止剤、艶消し剤、紫外線吸収剤、増粘剤、光安定剤、触媒等の各種添加剤を組成物中に、0.1〜30質量%配合してもよい。
上述のとおり、本発明の塗料組成物において、(b)成分、(c)成分、(d)成分および(e)成分は、(a)成分100質量部に対して、それぞれ、(b)成分150〜250質量部(固形分)、(c)成分5〜30質量部、(d)成分5〜15質量部および(e)成分30〜60質量部(固形分)含まれる。
ここで、(b)成分の配合量が150質量部未満では、塗膜の下地追従性が不十分となり、250質量部を超えると塗膜の耐候性、耐汚染性が低下する。
(d)成分配合量が5質量部未満では、塗膜の耐候性、耐汚染性が低下し、15質量部を超えると、塗膜の下地追従性が不十分となる。
(e)成分の配合量が30質量部未満では、塗膜の下地追従性が不十分となり、60質量部を超えると、塗膜の耐候性、耐汚染性が低下する。
(c)成分の配合量が、5質量部未満では、硬化触媒としての機能が不十分となる場合があり、30質量部より多く用いても塗膜性能の向上はない。
任意成分である(f)成分の配合量は、塗膜の用途等に応じ、本発明の目的を損なわない範囲で配合すればよい。
例えば、着色顔料や体質顔料の配合量は、(a)成分100質量部に対し、1〜1,000質量部程度であるが、好ましくは、50〜500質量部程度である。
有機溶剤の使用量は、組成物中の総固形分量が10〜70質量%程度となる量が好ましい。
本発明の塗料組成物は、第1液と第2液とからなる2液型の塗料組成物であり、使用の際に、これら2液を混合する。
本発明の塗料組成物では、貯蔵安定性の観点から、(b)成分と、(d)および(e)成分とが別々の液に存在するよう、2液型塗料組成物に含まれる各成分を以下のように調製することが好ましい。
(a)成分:第1液および/または第2液
(b)成分:第1液
(c)成分:第1液および/または第2液
(d)成分:第2液
(e)成分:第2液
なお、任意成分である(f)成分は、第1液および第2液のいずれか一方に存在しても、第1液および第2液の双方に存在していてもよい。
特に、塗料の貯蔵安定性を良好にし、塗料の使用環境や使用用途に柔軟に対応させるという点から、(a)〜(e)成分を以下のように調製することがより好ましい。
(a)成分:第1液および第2液
(b)成分:第1液
(c)成分:第1液
(d)成分:第2液
(e)成分:第2液
この場合、(f)成分として、第1液に着色顔料および有機溶剤を、第2液に有機溶剤を配合することが好ましい。
(a)成分:第2液
(b)成分:第1液
(c)成分:第1液
(d)成分:第2液
(e)成分:第2液
この場合、(f)成分として、(1)第1液に着色顔料および有機溶剤を、第2液に有機溶剤を存在させる、または(2)第1液に有機溶剤を、第2液に着色顔料および有機溶剤を配合することが好ましい。
(a)成分:第1液
(b)成分:第2液
(c)成分:第1液
(d)成分:第1液
(e)成分:第1液
この場合、(f)成分として、第1液に着色顔料および有機溶剤を、第2液に有機溶剤を配合することが好ましい。
特に、本発明の塗料組成物では、(a)〜(e)成分を以下のように調製することが最適である。
(a)成分:第1液
(b)成分:第1液
(c)成分:第1液
(d)成分:第2液
(e)成分:第2液
この場合、(f)成分として、第1液に着色顔料および有機溶剤を、第2液に有機溶剤を配合することが好ましい。
上記第1液および第2液の調製法については特に限定はなく、任意の順序で各液を構成する成分を配合すればよい。
また、本発明の塗料組成物の製造法についても特に限定はなく、使用の際に第1液と第2液とを混合・撹拌すればよい。なお、上述した割合で各成分(固形分)が混合される限り、第1液と第2液の各固形分濃度や第1液と第2液との混合割合についても特に制限はない。
なお、第1液および第2液混合後の塗料としての可使時間は、3〜8時間とすることが好ましい。
以上説明した塗料組成物の使用法としては、例えば、基材表面に直接本発明の組成物(第1液および第2液の混合組成物)を塗布し、これを常温にて乾燥する手法が挙げられる。
この場合、本発明の組成物の塗布法は特に限定されるものではなく、刷毛塗り、ローラ塗り、スプレー塗布などの公知の手法から適宜選択すればよい。また、塗布量、塗膜の厚み、乾燥時間などは、基材の材質や被覆品の用途などに応じて適宜なものとすればよい。
本発明の組成物を適用する基材としては、金属基材、プラスチック基材、ガラス基材等任意であるが、本発明の塗料組成物から得られた塗膜は、耐候性に優れていることから、特に、外壁、窓ガラス、ヘッドランプカバー等の外装材用途に、好適に用いることができる。
より具体的には、機械、船舶、車両、航空機、土木、建築、重防食、インキ、その他一般工業分野において好適に用いられる。特に、本発明の塗料組成物を用いると、下地追従性に優れた塗膜を得ることが可能となるため、フレキシビリティーに富んだ部材が多い建築および土木構造物用の素材に対して好適である。また、本発明の塗料組成物は、長期にわたる塗膜性能の維持が求められている戸建て住宅の窯業系や金属系サイディング材に対しても好適に用いることができる。
以下、合成例、実施例および比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。なお、以下において、「部」は「質量部」を意味し、「%」は「質量%」を意味する。また、使用した装置は以下のとおりである。
(1)粘度
装置:芝浦システム(株)製 ビスメトロン VG−A
(2)重量平均分子量
装置:東ソー(株)製 高速GPC装置 HLC−8120GPC
カラム:東ソー(株)製 TSK−GEL SUPER H2000の2個連結
カラム温度:40℃
検出器:示差屈折計
溶離液:THF
カラム流速:0.6ml/min
[合成例1]アミノ基を有するアクリル系重合体の合成
撹拌装置、温度計、冷却管および窒素ガス導入管、滴下装置を備えた反応器に、トルエン400部を仕込み、撹拌しながら110℃まで昇温した。そこに、メチルメタクリレート200部、n−ブチルアクリレート130部、n−ブチルメタクリレート120部、ジメチルアミノエチルメタクリレート部50部、アゾビスイソブチロニトリル5部およびトルエン10部からなる混合物を3時間かけて滴下した。滴下終了後、同温度で1時間反応させた。さらに、アゾビスイソブチロニトリル2.5部、トルエン90部からなる混合物を1時間かけて滴下した。滴下終了後、同温度で3時間反応させ、不揮発分(固形分)50%、粘度1,000mPa・s(25℃)、重量平均分子量20,000、アミン当量3,100の、透明な第3級アミン含有アクリル樹脂溶液を得た。
[実施例1]
(1)第1液の調製
(a)アルコキシ基含有有機シラン化合物A(信越化学工業(株)製、KR−510、Si含量20.5%)100.0部、(b)合成例1で得られた第3級アミン含有アクリル樹脂溶液400.0部、(f)酸化チタン(石原産業(株)製、TIPAQUE CR−90)160.0部、(f)石油炭化水素系溶剤(シェルケミカルズジャパン(株)製,LAWS)158.3部およびガラスビーズ100部を混合容器に仕込み、ペイントシェーカーで1時間分散を行った。分散終了後、ガラスビーズを除去し、(c)アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート(川研ファインケミカル(株)製、アルミキレートM)15.0部を添加し、撹拌機で3分間撹拌混合し、第1液を調製した。
(2)第2液の調製
(d)3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBM−403)10.0部、(e)グリシジル基含有化合物A(共栄社化学(株)製、エポライト400P、Mw=630、エポキシ当量315)、および石油炭化水素系溶剤(シェルケミカルズジャパン(株)製,LAWS)111.7部を容器に仕込み、撹拌機で3分間撹拌混合し、第2液を調製した。
(3)塗料組成物の調製
第1液および第2液を混合撹拌して塗料組成物を得た。
[実施例2〜11,比較例1〜10]
下記表1および2の組成に変更した以外は、実施例1と同様にして第1液および第2液を調製し、それらを混合して塗料組成物を得た。
なお、アルコキシ基含有有機シラン化合物B,Cおよびグリシジル基含有化合物B,Cは以下のとおりである。
アルコキシ基含有有機シラン化合物B:信越化学工業(株)製、KR−213、Si含量17.7%
アルコキシ基含有有機シラン化合物C:信越化学工業(株)製、KR−217、Si含量11.6%
グリシジル基含有化合物B:共栄社化学(株)製、エポライト400E、Mw=580、エポキシ当量290
グリシジル基含有化合物C:共栄社化学(株)製、エポライト40C、Mw=260、エポキシ当量130
Figure 0005910775
Figure 0005910775
上記各実施例および比較例で調製した塗料組成物について、以下の評価を行った。その結果を表3に併せて示す。
(1)下地追従性
下地追従性は、JIS K5600−7−4(耐湿潤冷熱繰返し性)に準じ、試験片を20℃の水に18時間浸水し、その後−20℃の冷凍庫で3時間、更に50℃で3時間加温した。この繰り返しを30サイクル行い、試験終了後の塗膜の状態を目視にて観察し、塗膜における割れ、膨れの程度を以下の3段階で評価した。
なお、試験片は、300×150×4mmのフレキシブルボードに膜厚が10mmとなるようにシーリング材(サンスター技研(株)製ペンギンシール2550LM)を打設し、23℃,50%RHの条件下で2日間養生後、膜厚が50μmとなるように塗料組成物をスプレーで塗装し、23℃,50%RHの条件下で7日間養生して作製した。
○:塗膜に変化がみられない
△:塗膜の一部に割れ、膨れが認められる
×:塗膜に著しい割れ、膨れが認められる
(2)促進耐候性
促進耐候性試験は、超促進耐候試験機(岩崎電気(株)製アイスーパーUVテスター)を用いて行った。また、試験片は、50×50×4mmのフレキシブルボードに乾燥塗膜厚が50μmになるように塗料組成物をスプレーで塗装し、23℃,50%RHの条件下で7日間乾燥して作製した。試験条件としては、波長295〜450nm、紫外線照射度100mW/cm2、ブラックパネル温度63℃,50%RH、1サイクルを照射4時間、結露4時間とし、125サイクル(1,000時間)試験した。試験終了後、塗膜の初期60度鏡面光沢値に対する光沢保持率を求め、以下の3段階で評価した。
○:光沢保持率70%以上
△:光沢保持率50%以上70%未満
×:光沢保持率50%未満
(3)耐汚染性
150×70×0.8mmのアルミ板に乾燥塗膜厚が50μmになるように塗料組成物をスプレーで塗装し、23℃,50%RHの条件下で14日間乾燥し、試験片を作製した。得られた試験片に、カーボン懸濁水(デグサ社製、カーボンブラック Color Black FW200)5部と脱イオン水95部にガラスビーズを加えペイントシェーカーで2時間分散した分散液)をエアスプレーで、隠ぺいするまで塗布し、直ちに60℃で1時間乾燥させた。乾燥後、室温まで放冷し、試験片の表面を流水下にてガーゼを使用して、汚れ物質が落ちなくなるまで洗浄した。洗浄後、室温で3時間乾燥し、汚れの程度を色差計にて測定して、試験前後における塗膜の明度差(ΔL*)を求め、以下の3段階で評価した。なお、明度差が小さいものほど、耐汚染性に優れた塗料であることを示している。
明度差(ΔL*)=[試験後の塗膜明度(L*1)−試験前の塗膜明度(L*0)]
○:明度差−5以上
△:明度差−10以上−5未満
×:明度差−10未満
Figure 0005910775
表3に示されるように、実施例1〜11で調製した塗料組成物から得られた塗膜は、下地追従性、耐候性および耐汚染性に優れていることがわかる。
これに対し、比較例1〜10で調製した塗料組成物では、(a)〜(e)成分のいずれかが本発明の規定を満たしていないため、下地追従性、耐候性および耐汚染性のすべてを満足するような塗膜が得られていないことがわかる。

Claims (4)

  1. (a)Si含量が15質量%以上である式(1)で表されるアルコキシ基含有有機シラン化合物またはその縮合物、
    Figure 0005910775
    (式中、R1は、水素原子またはアルキル基を表し、R2〜R4は、それぞれ独立して、水素原子、OR1、アルキル基またはアリール基を表す。)
    (b)アミノ基を有するアクリル系共重合体、
    (c)硬化触媒、
    (d)グリシジル基を有するオルガノシロキサン、および
    (e)エポキシ当量200〜500であり、重量平均分子量200以上5,000未満である、Si原子を含有しないグリシジル基含有化合物を含み、
    前記(b)成分、(c)成分、(d)成分および(e)成分が、前記(a)成分100質量部に対して、それぞれ、150〜250質量部(固形分)、5〜30質量部、5〜15質量部および30〜60質量部(固形分)含まれ、
    前記(a)成分が、第1液および/または第2液に存在し、前記(b)成分が第1液に存在し、前記(c)成分が第1液および/または第2液に存在し、前記(d)成分および(e)成分が第2液に存在することを特徴とする塗料組成物。
  2. 有機溶剤を含む請求項1記載の塗料組成物。
  3. 前記有機溶剤が、石油炭化水素系溶剤である請求項2記載の塗料組成物。
  4. 前記有機溶剤が、第1液および/または第2液に存在する請求項2または3記載の塗料組成物。
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