JP5908718B2 - 結晶成長装置および結晶成長方法 - Google Patents

結晶成長装置および結晶成長方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5908718B2
JP5908718B2 JP2011287045A JP2011287045A JP5908718B2 JP 5908718 B2 JP5908718 B2 JP 5908718B2 JP 2011287045 A JP2011287045 A JP 2011287045A JP 2011287045 A JP2011287045 A JP 2011287045A JP 5908718 B2 JP5908718 B2 JP 5908718B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
crystal growth
growth apparatus
pressure vessel
elastic wave
crystal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2011287045A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013136466A (ja
Inventor
洋幸 佐沢
洋幸 佐沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority to JP2011287045A priority Critical patent/JP5908718B2/ja
Publication of JP2013136466A publication Critical patent/JP2013136466A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5908718B2 publication Critical patent/JP5908718B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
  • Liquid Deposition Of Substances Of Which Semiconductor Devices Are Composed (AREA)

Description

本発明は、結晶成長装置および結晶成長方法に関する。
特許文献1あるいは非特許文献1には、窒化ガリウムのバルク結晶を形成する方法として、アモノサーマル法が記載されている。アモノサーマル法は、オートクレーブ内でアンモニアの超臨界流体を生成し、当該超臨界流体に結晶原料であるGaNを溶解し、種結晶近傍の過飽和度を制御することで当該種結晶上にGaN単結晶をエピタキシャル成長する方法である。結晶原料と種結晶の間にバッフル板を配置することで対流を制御し、種結晶近傍の過飽和度を制御する。原料の溶解度を高めて成長速度を増加させ、所望の方位への選択的な成長を実現するために、鉱化剤が用いられる。アモノサーマル法によれば、欠陥密度の低い良質な窒化ガリウム結晶が得られる。
特許4113836号公報
産学官共同研究の効果的な推進 事後評価 「次世代照明を齎(もたら)す半導体基板結晶製造技術」 代表機関名:東北大学 多元物質科学研究所 研究代表者名:齋藤 文良 研究期間:平成16年度〜平成18年度、URL:「http://scfdb.tokyo.jst.go.jp/pdf/20041330/2006/200413302006rr.pdf」
アモノサーマル法では、過飽和状態からの原料の析出により結晶が成長するので、結晶の成長速度は、過飽和度に影響する温度および圧力によって敏感に変化する。よって、広い面積に渡り均一な厚さに結晶を成長しようとするなら、超臨界流体の温度および圧力が広い範囲に渡って均一になるよう適切に撹拌する必要がある。また、十分高い結晶の成長速度を実現しようとするなら、結晶の成長面に速やかに原料が供給される必要がある。結晶の原料は超臨界流体によって輸送されるから、原料の溶解部から結晶の成長面に向けた超臨界流体の適切な流れが発生している必要がある。
しかし、アモノサーマル法は、高温高圧環境で実施されるため、成長装置に機械的な撹拌機構を取り付けることは難しい。また超臨界流体の流れについて、従来は、単にバッフル板を配置して対流を制御するのみであり、適切な流れの制御が行われているわけではない。
本発明の目的は、超臨界流体に溶解した物質の析出によるIII族原子窒化物結晶の形成において、広い面積に渡り均一な厚さの結晶が形成でき、あるいは広い面積に渡り適切な結晶原料の供給が実現できる技術を提供することにある。当該技術の中核は、具体的には超臨界流体を適切に撹拌する技術であり、本発明の目的は、超臨界流体の撹拌技術を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様においては、耐圧容器と、前記耐圧容器を昇温する加熱手段と、を有し、前記加熱手段による昇温によって前記耐圧容器内に超臨界流体を生成し、前記超臨界流体に溶解した物質が析出することで結晶が成長する結晶成長装置であって、前記超臨界流体と接する流体接触面に、弾性波を進行波として伝搬させる弾性波伝搬手段、をさらに有する結晶成長装置を提供する。
前記流体接触面として、前記耐圧容器の内面が例示できる。前記弾性波伝搬手段が、前記耐圧容器に接して配置された圧電体を有してもよく、前記圧電体に交番電界を印加することにより、前記流体接触面に前記弾性波を伝搬させることができる。あるいは、前記弾性波伝搬手段が、前記耐圧容器の一部である圧電体を有してもよく、前記圧電体に交番電界を印加することにより、前記流体接触面に前記弾性波を伝搬させることができる。前記圧電体を複数有してもよく、前記複数の圧電体のそれぞれに印加する交番電界の位相を調整することで、前記弾性波を進行波として伝搬させることができる。前記複数の圧電体から選択された2つの圧電体が、距離Lを隔てて位置し、前記2つの圧電体の各々に印加される交番電界の位相が、90度または270度相違する場合、前記弾性波の波長λと前記距離Lとの間に、L=λ(n+1/4)、ただしnは整数、の関係を有することができる。前記耐圧容器が、前記流体接触面を伝搬する弾性波が元の位置に達する周回経路を有してもよく、この場合、前記周回経路を伝搬した弾性波の振幅が増強されるように、前記圧電体に印加される前記交番電界の位相が調整されてもよい。
前記耐圧容器の内部に設置される弾性体、をさらに有してもよく、この場合、前記流体接触面として、前記弾性体の表面が例示できる。前記弾性波伝搬手段が、前記弾性体に接して配置された圧電体を有してもよく、前記圧電体に交番電界を印加することにより、前記流体接触面に前記弾性波を伝搬させることができる。あるいは、前記弾性波伝搬手段が、前記弾性体の一部である圧電体を有してもよく、前記圧電体に交番電界を印加することにより、前記流体接触面に前記弾性波を伝搬させることができる。前記圧電体を複数有してもよく、前記複数の圧電体のそれぞれに印加する交番電界の位相を調整することで、前記弾性波を進行波として伝搬させることができる。前記複数の圧電体から選択された2つの圧電体が、距離Lを隔てて位置し、前記2つの圧電体の各々に印加される交番電界の位相が、90度または270度相違する場合、前記弾性波の波長λと前記距離Lとの間に、L=λ(n+1/4)、ただしnは整数、の関係を有することができる。前記弾性体が、前記流体接触面を伝搬する弾性波が元の位置に達する周回経路を有してもよく、この場合、前記周回経路を伝搬した弾性波の振幅が増強されるように、前記圧電体に印加される前記交番電界の位相が調整されてもよい。
前記弾性波伝搬手段から離れて位置する除振手段をさらに有してもよく、前記除振手段が、前記流体接触面を伝搬して前記除振手段に達した弾性波を吸収する弾性波吸収部材であってもよい。あるいは、前記弾性波伝搬手段から離れて位置する除振手段をさらに有してもよく、前記除振手段が、前記流体接触面を伝搬して前記除振手段に達した弾性波を打ち消す振動を発生する圧電体であってもよい。前記圧電体のキュリー点として500℃以上が挙げられる。前記圧電体として、LaGaSiO14、LiNbO、SiO、AlNおよびAlN/Scからなる群から選択された1以上の材料からなるものが挙げられる。前記流体接触面を構成する部材として、ニッケルおよび白金からなる群から選択された1以上の材料からなるものが挙げられる。
本発明の第2の態様においては、耐圧容器に結晶の原料および溶媒を封入する段階と、前記耐圧容器を昇温することで前記耐圧容器内に前記溶媒の超臨界流体を生成し、当該超臨界流体に前記原料を溶解するとともに前記超臨界流体と接する流体接触面に弾性波を進行波として伝搬させ、前記超臨界流体に溶解した物質を析出することで結晶を成長する段階と、を有する結晶成長方法を提供する。
前記原料が窒化ガリウムであり、前記溶媒がアンモニアであり、前記結晶を成長する段階において、窒化ガリウム単結晶を形成するものであってもよい。前記封入する段階において、ハロゲン化アンモニウムおよびアルカリ金属アミドから選択された1以上の物質を含む鉱化剤を封入してもよい。
結晶成長装置100を上方から見た概略図である。 結晶成長装置100を正面から見た概略断面図である。 結晶成長装置200を正面から見た概略断面図である。 結晶成長装置300を上方から見た概略図である。 結晶成長装置300を正面から見た概略断面図である。 結晶成長装置400を正面から見た概略断面図である。 結晶成長装置500を正面から見た概略断面図である。 結晶成長装置600を上方から見た概略図である。 結晶成長装置600を正面から見た概略断面図である。 結晶成長装置700を上方から見た概略図である。 結晶成長装置700を正面から見た概略断面図である。 結晶成長装置800を上方から見た概略図である。 結晶成長装置800を正面から見た概略断面図である。 結晶成長装置900を正面から見た概略断面図である。
図1は、結晶成長装置100を上方から見た概略図であり、図2は、結晶成長装置100を正面から見た概略断面図である。結晶成長装置100は、耐圧容器110と、圧電体130と、加熱手段140と、保温手段150とを有する。加熱手段140は、耐圧容器110とその内部の物質を加熱する。加熱手段140として、電熱ヒータ、ハロゲンランプヒータ等が例示できる。保温手段150は、加熱手段140を含めて耐圧容器110の全体を保温する。
耐圧容器110は、オートクレーブ(autoclave)112と、オートクレーブ112の内壁に沿って配置されるライナ114を有する。オートクレーブ112は、高温高圧に耐える筒状の部材で構成され、超臨界流体からの腐食に耐える材料で構成されることが好ましい。オートクレーブ112の材料として、たとえば、ハステロイ(商標名)、インコネル(商標名)、ワスパロイ(商標名)などのニッケル基合金が例示できる。ライナ114は、超臨界流体による腐食等の化学反応からオートクレーブ112を保護する。ライナ114の材料として、ニッケルまたは白金が例示できる。
耐圧容器110の内部には、バッフル板116が配置される。バッフル板116により耐圧容器110の内部が上側領域118と下側領域120の2つの領域に区分される。バッフル板116には開口が形成され、上側領域118と下側領域120が開口を介して接続される。開口の大きさあるいはバッフル板116の枚数によって耐圧容器110内の対流が制御される。なお、図2において、前記開口がバッフル板116の中央部に形成されているが、開口の位置は中央部には限定されない。上記した対流の制御ができる限り、開口の位置は任意である。また、バッフル板116が複数枚である場合、それぞれのバッフル板116の開口位置は、上から見て同じであっても(揃っていても)異なっていてもよい。
耐圧容器110の内部には、原料を溶解する溶媒としてアンモニアを封入する。また、鉱化剤として、ハロゲン化アンモニウムのような酸性鉱化剤またはアルカリ金属アミドのようなアルカリ性鉱化剤を封入する。耐圧容器110の上側領域118には種結晶170を設置し、下側領域120には原料160を設置する。原料160には多結晶GaNを用いることができ、種結晶170には高品位のGaN結晶を用いることができる。
加熱手段140による耐圧容器110の昇温により、耐圧容器110内のアンモニアの温度および圧力が数100℃、数1000気圧程度に高まり、アンモニアの温度および圧力が臨界点に達すると、アンモニアの超臨界流体が生成される。アンモニア超臨界流体にはGaNが溶解するので、下側領域120の多結晶GaN(原料160)をアンモニア超臨界流体に溶解し、溶解した原料を対流により上側領域118に輸送し、上側領域118を過飽和状態に制御することで、種結晶170上にGaNを析出させる。過飽和状態の制御は、たとえば上部領域118の温度を制御することにより行うことができる。なお、溶媒を構成する原子が結晶化に伴い結晶に取り込まれてもよい。すなわち、溶媒は結晶の原料になり得る。
なお、鉱化剤として酸性鉱化剤を用いる場合には図2に示すように、上側領域118に種結晶170を、下側領域120に原料160を設置するが、アルカリ性鉱化剤を用いる場合は、高温度であるほどGaNの溶解度が低下するため、上側領域118に原料160を、下側領域120に種結晶170を設置する。
耐圧容器110上部の円筒形状部分に、リング形状の圧電体130が耐圧容器110に接して配置されている。圧電体130は、流体接触面115に弾性波を進行波として伝搬させる弾性波伝搬手段の一例である。圧電体130に交番電界を印加することにより弾性波を発生し、流体接触面115に弾性波が伝搬する。なお、弾性波は、耐圧容器110の壁面を伝搬し、圧電体130に到達することにより、定在波を形成しうるが、交番電圧の印加強度を、弾性波が伝搬過程で減衰し、圧電体130に到達しない程度に抑えることにより、進行波とすることができる。
弾性波は、黒矢印で示す方向(上から下)に向かって進行波として伝搬する。弾性波が進行波として流体接触面115を伝搬することで流体接触面115に接する超臨界流体が進行波の進行方向に輸送される。その結果、超臨界流体に白矢印のような流れが発生し、下側領域120においては原料160の溶解が促進され、上側領域118においては種結晶170の結晶成長面に十分な量の原料が供給される。この結果、結晶の成長速度が高まり、結晶の品質が向上する。なお、バッフル板116の開口部分では、上側領域118の流れと下側領域120の流れが干渉し、超臨界流体の交換が行われる。このような上側領域118と下側領域120の物質交換は対流による物質交換より大きく、下側領域120から上側領域118への効果的な原料の輸送が実現できる。
弾性波伝搬手段である圧電体は、耐圧容器110の一部であってもよい。圧電体130は、そのキュリー点が500℃以上であるものを選択する。たとえば、圧電体130は、LaGaSiO14、LiNbO、SiO、AlNおよびAlN/Scからなる群から選択された1以上の材料からなるものとすることができる。
上記した結晶成長装置100を用いた結晶成長方法は、耐圧容器110に結晶の原料160および溶媒を封入する段階と、耐圧容器110を昇温することで耐圧容器110内に溶媒の超臨界流体を生成し、当該超臨界流体に原料160を溶解するとともに超臨界流体と接する流体接触面115に弾性波を進行波として伝搬させ、超臨界流体に溶解した物質を析出することで結晶を成長する段階と、を有する。進行波を伝搬させながら結晶成長することで、超臨界流体を撹拌しながら結晶成長できる。結晶の成長界面において、原料原子が撹拌により適切に供給される。圧電体130に印加する交番電界は、その電圧(振幅)が大きいほど、また、周波数が高いほど、超臨界流体の輸送速度が向上し、良好な結晶が形成できる。
図3は、結晶成長装置200を正面から見た概略断面図である。結晶成長装置200は、弾性波伝搬手段である圧電体130を複数有する点が結晶成長装置100と相違することを除き、他は結晶成長装置100と同じである。よって、結晶成長装置100と相違する点についてのみ説明する。
結晶成長装置200では、圧電体130を複数とすることで、それぞれの圧電体130に印加する交番電界の位相を調整することができる。交番電界の位相を調整することで、弾性波の指向性(弾性波進行波の進行方向)を圧電体130の並び方向とすることができる。これにより、より大きな弾性波の進行波を生成することができ、より効果的に超臨界流体を流動させることができる。
図4は、結晶成長装置300を上方から見た概略図である。図5は、結晶成長装置300を正面から見た概略断面図である。結晶成長装置300は、結晶成長装置100あるいは結晶成長装置200とは圧電体130の配置が相違する。すなわち、結晶成長装置300における圧電体130は、直線形状を有し、圧電体130の長さ方向が耐圧容器110の上下方向となるよう外側壁面に接して配置されている。また、圧電体130は2本配置されている。圧電体130をこのように配置することで、弾性波は、耐圧容器110の円周方向(図4の黒矢印の方向)に進行し、結晶成長装置100あるいは結晶成長装置200とは、弾性波の進行方向が相違することとなる。この結果、超臨界流体は、白矢印の方向に流動し、結晶の成長面付近(超臨界流体の液面付近)で円を描くような流れを生じる。結晶成長装置100および結晶成長装置200では、超臨界流体が周辺部で下降し中央部で上昇する流れであったが、結晶成長装置300では、耐圧容器110の周に沿って円を描くような流れであり、よりスムーズな層流を形成する。この結果、結晶の品質をより高めることができる。
結晶成長装置300では、圧電体130を前記の通り配置するので、弾性波が耐圧容器110の流体接触面115を周方向に伝搬すると、一周して元の位置に達する周回経路を有することとなる。この場合、圧電体130に印加される交番電界の位相を、周回経路を伝搬した弾性波の振幅が増強されるように調整できる。この結果、弾性波を定在波にすることなく安定的継続的に進行波とすることができる。すなわち、弾性波として投入されたエネルギーは効率的に進行波に変換され、エネルギーの無駄なく超臨界流体の輸送に寄与できる。
また、結晶成長装置300では、複数の圧電体130が配置されており、当該複数の圧電体130のそれぞれに印加する交番電界の位相を調整できる。すなわち、複数の圧電体130から選択された2つの圧電体130が、距離Lを隔てて位置する場合、2つの圧電体130の各々に印加する交番電界の位相を、90度または270度相違させ、弾性波の波長λと距離Lとの間に、L=λ(n+1/4)、ただしnは整数、の関係を有するように、圧電体130に印加する電圧の周波数および位相を調整する。このように調整することで、大きな進行波を生成することができ、より効果的に超臨界流体を流動させることができる。
図6は、結晶成長装置400を正面から見た概略断面図である。結晶成長装置400は、除振手段202を有する点が結晶成長装置200と相違することを除き、他は結晶成長装置200と同様である。よって、相違する点についてのみ説明する。除振手段202は、圧電体130から離れて位置する。除振手段202として、流体接触面115を伝搬して除振手段202に達した弾性波を吸収する弾性波吸収部材204が挙げられる。
除振手段202を有さない場合、圧電体130を発した弾性波は、耐圧容器110の底部で反射し、流体接触面115に定在波を発生する可能性がある。しかし、除振手段202を有することで、定在波の原因となる反射波を発生せず、弾性波エネルギーは効率的に進行波に変換できる。
なお、除振手段202として、図7に示すような他の構成も例示できる。図7は、結晶成長装置500を正面から見た概略断面図である。結晶成長装置500の除振手段202は、流体接触面115を伝搬して除振手段202に達した弾性波を打ち消す振動を発生する圧電体130である。除振手段202としての圧電体130は、弾性波伝搬手段としての圧電体130から離れて配置される。つまり、除振手段202としての圧電体130は、耐圧容器110の底部付近に配置される。除振手段202としての圧電体130には弾性波を打ち消す振動を発生する電圧を印加する。これにより定在波の発生を防止できる。結晶成長装置400の除振手段202がパッシブな除振手段であるなら、結晶成長装置500の除振手段202はアクティブな除振手段と言える。
図8は、結晶成長装置600を上方から見た概略図である。図9は、結晶成長装置600を正面から見た概略断面図である。結晶成長装置600は、超臨界流体の流動に駆動力を与える弾性波の伝搬を耐圧容器110の中央部分にも形成した例である。結晶成長装置600は、耐圧容器110の中央部分に円筒状の凹部を有し、当該凹部内部に圧電体218を有する。
耐圧容器110中央の凹部は、円筒形状を有し、弾性波伝搬手段としての圧電体218と、除振手段202としての圧電体218とが、耐圧容器110の凹部に接して配置されている。
弾性波伝搬手段としての圧電体218に交番電界を印加することにより、耐圧容器110の凹部の表面に弾性波の進行波を生成できる。耐圧容器110の凹部の表面は超臨界流体と接触しており、超臨界流体に流動の駆動力を与える流体接触面115として機能する。なお、耐圧容器110の凹部の一部が圧電体218であってもよい。圧電体218を複数有し、複数の圧電体218のそれぞれに印加する交番電界の位相を調整できる点、は耐圧容器110についての場合と同様である。また除振手段202としての圧電体218を機能させることで耐圧容器110の凹部の表面での定在波の発生を防止できる。
耐圧容器110の内面における弾性波進行波による超臨界流体の駆動に加え、耐圧容器110の凹部の表面における弾性波進行波による駆動により、超臨界流体がより強く駆動され、超臨界流体の流動性が高まり、成長する結晶の大面積化にも対応でき、結晶の均一性を向上することもできる。
図10は、結晶成長装置700を上方から見た概略図である。図11は、結晶成長装置700を正面から見た概略断面図である。結晶成長装置700は、超臨界流体が周方向に円を描くように流動する結晶成長装置300の場合に耐圧容器110の凹部を適用した例である。この場合、耐圧容器110の凹部が、流体接触面115を伝搬する弾性波が元の位置に達する周回経路を有し、周回経路を伝搬した弾性波の振幅が増強されるように、圧電体218に印加される交番電界の位相が調整できる。結晶成長装置700の場合も、耐圧容器110の内面を伝搬する弾性波進行波からの駆動力に加え、耐圧容器110の凹部の表面を伝搬する弾性波進行波の駆動力が加わり、より強く超臨界流体が流動する。この結果、結晶の品質向上、成長速度の増加、収率の向上等を図ることができる。なお、圧電体218を複数有し、複数の圧電体218のそれぞれに印加する交番電界の位相を調整することで、弾性波を進行波として伝搬させる点、複数の圧電体218から選択された2つの圧電体218が、距離Lを隔てて位置し、2つの圧電体218の各々に印加される交番電界の位相が、90度または270度相違し、弾性波の波長λと距離Lとの間に、L=λ(n+1/4)、ただしnは整数、を有して良い点、は耐圧容器110についての場合と同様である。
図12は、結晶成長装置800を上方から見た概略図である。図13は、結晶成長装置800を正面から見た概略断面図である。結晶成長装置800は、耐圧容器110がバレル型の形状を有する。このようなバレル形状を持つ耐圧容器110であっても、圧電体130によって、黒矢印方向の弾性波進行波を生成でき、超臨界流体を白矢印方向に流動できる。この場合も、結晶成長装置100から結晶成長装置700の場合と同様に、原料の溶解性を高め、結晶の均一性を向上し、成長速度の増加、結晶品質の向上、収率の改善等を図ることができる。なお、結晶成長装置800の耐圧容器110は、周回経路を有するものであり、周回経路を伝搬した弾性波の振幅が増強されるように、圧電体130に印加される交番電界の位相が調整できる点、複数の圧電体130のそれぞれに印加する交番電界の位相を調整することで、弾性波を進行波として伝搬させる点、複数の圧電体130から選択された2つの圧電体130が、距離Lを隔てて位置し、2つの圧電体130の各々に印加される交番電界の位相が、90度または270度相違し、弾性波の波長λと距離Lとの間に、L=λ(n+1/4)、ただしnは整数、を有して良い点、は結晶成長装置300あるいは結晶成長装置700の場合と同様である。
図14は、結晶成長装置900を正面から見た概略断面図である。図14に示すように、下側領域120に耐圧容器110中央部の凹部を設け、上側領域118に凹部を設けないものであってもよい。逆に、上側領域118に耐圧容器110中央部の凹部を設け、下側領域120に凹部を設けないものであってもよい。
100 結晶成長装置、110 耐圧容器、112 オートクレーブ、114 ライナ、115 流体接触面、116 バッフル板、118 上側領域、120 下側領域、130 圧電体、140 加熱手段、150 保温手段、160 原料、170 種結晶、200 結晶成長装置、202 除振手段、204 弾性波吸収部材、218 圧電体、300 結晶成長装置、400 結晶成長装置、500 結晶成長装置、600 結晶成長装置、700 結晶成長装置、800 結晶成長装置、900 結晶成長装置。

Claims (19)

  1. 耐圧容器と、前記耐圧容器を昇温する加熱手段と、を有し、前記加熱手段による昇温によって前記耐圧容器内に超臨界流体を生成し、前記超臨界流体に溶解した物質が析出することで結晶が成長する結晶成長装置であって、
    複数の圧電体を有し、前記複数の圧電体のそれぞれに印加する交番電界の位相を調整することで、前記超臨界流体と接する流体接触面に、弾性波を進行波として伝搬させる弾性波伝搬手段、
    をさらに有する結晶成長装置。
  2. 前記流体接触面が、前記耐圧容器の内面である
    請求項1に記載の結晶成長装置。
  3. 前記複数の圧電体が、前記耐圧容器に接して配置されている
    請求項2に記載の結晶成長装置。
  4. 前記複数の圧電体が、前記耐圧容器の一部である
    請求項2に記載の結晶成長装置。
  5. 前記複数の圧電体から選択された2つの圧電体が、距離Lを隔てて位置し、
    前記2つの圧電体の各々に印加される交番電界の位相が、90度または270度相違し、
    前記弾性波の波長λと前記距離Lとの間に、
    L=λ(n+1/4)、ただしnは整数、
    の関係を有する請求項1から請求項4の何れか一項に記載の結晶成長装置。
  6. 前記耐圧容器が、前記流体接触面を伝搬する弾性波が元の位置に達する周回経路を有し、
    前記周回経路を伝搬した弾性波の振幅が増強されるように、前記圧電体に印加される前記交番電界の位相が調整される
    請求項3から請求項5の何れか一項に記載の結晶成長装置。
  7. 前記耐圧容器の中央部分に円筒状の凹部を有し、
    前記流体接触面が、前記耐圧容器の前記凹部の表面および前記耐圧容器の内面である
    請求項1から請求項6の何れか一項に記載の結晶成長装置。
  8. 前記複数の圧電体が、前記凹部に接して配置された圧電体および前記耐圧容器に接して配置された圧電体を有する第1の構成、または、前記凹部に接して配置された圧電体および前記耐圧容器の一部である圧電体を有する第2の構成、の何れかの構成を有し、
    前記複数の圧電体に交番電界を印加することにより、前記流体接触面に前記弾性波を伝搬させる
    請求項7に記載の結晶成長装置。
  9. 前記凹部に接して配置された圧電体を複数有し、
    前記複数の前記凹部に接して配置された圧電体のそれぞれに印加する交番電界の位相を調整することで、前記弾性波を進行波として伝搬させる
    請求項8に記載の結晶成長装置。
  10. 前記複数の前記凹部に接して配置された圧電体から選択された2つの圧電体が、距離Lを隔てて位置し、
    当該2つの圧電体の各々に印加される交番電界の位相が、90度または270度相違し、
    前記弾性波の波長λと前記距離Lとの間に、
    L=λ(n+1/4)、ただしnは整数、
    の関係を有する請求項9に記載の結晶成長装置。
  11. 前記耐圧容器の前記凹部が、前記流体接触面を伝搬する弾性波が元の位置に達する周回経路を有し、
    前記周回経路を伝搬した弾性波の振幅が増強されるように、前記凹部に接して配置された圧電体に印加される前記交番電界の位相が調整される
    請求項8から請求項10の何れか一項に記載の結晶成長装置。
  12. 前記弾性波伝搬手段から離れて位置する除震手段をさらに有し、
    前記除震手段が、前記流体接触面を伝搬して前記除震手段に達した弾性波を吸収する弾性波吸収部材である
    請求項1から請求項11の何れか一項に記載の結晶成長装置。
  13. 前記弾性波伝搬手段から離れて位置する除震手段をさらに有し、
    前記除震手段が、前記流体接触面を伝搬して前記除震手段に達した弾性波を打ち消す振動を発生する圧電体である
    請求項1から請求項11の何れか一項に記載の結晶成長装置。
  14. 前記圧電体のキュリー点が500℃以上である
    請求項1から請求項13の何れか一項に記載の結晶成長装置。
  15. 前記圧電体が、LaGaSiO14、LiNbO、SiO、AlNおよびAlN/Scからなる群から選択された1以上の材料からなる
    請求項14に記載の結晶成長装置。
  16. 前記流体接触面を構成する部材が、ニッケルおよび白金からなる群から選択された1以上の材料からなる
    請求項1から請求項15の何れか一項に記載の結晶成長装置。
  17. 耐圧容器に結晶の原料および溶媒を封入する段階と、
    前記耐圧容器を昇温することで前記耐圧容器内に前記溶媒の超臨界流体を生成し、当該超臨界流体に前記原料を溶解するとともに前記超臨界流体と接する流体接触面に弾性波を進行波として伝搬させ、前記超臨界流体に溶解した物質を析出することで結晶を成長する段階と、
    を有し、
    前記結晶を成長する段階において、複数の圧電体のそれぞれに印加する交番電界の位相を調整することで、前記弾性波を進行波として伝搬させる
    結晶成長方法。
  18. 前記原料が窒化ガリウムであり、前記溶媒がアンモニアであり、
    前記結晶を成長する段階において、窒化ガリウム単結晶を形成する
    請求項17に記載の結晶成長方法。
  19. 前記封入する段階において、ハロゲン化アンモニウムおよびアルカリ金属アミドから選択された1以上の物質を含む鉱化剤を封入する
    請求項18に記載の結晶成長方法。
JP2011287045A 2011-12-27 2011-12-27 結晶成長装置および結晶成長方法 Expired - Fee Related JP5908718B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011287045A JP5908718B2 (ja) 2011-12-27 2011-12-27 結晶成長装置および結晶成長方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011287045A JP5908718B2 (ja) 2011-12-27 2011-12-27 結晶成長装置および結晶成長方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013136466A JP2013136466A (ja) 2013-07-11
JP5908718B2 true JP5908718B2 (ja) 2016-04-26

Family

ID=48912570

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011287045A Expired - Fee Related JP5908718B2 (ja) 2011-12-27 2011-12-27 結晶成長装置および結晶成長方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5908718B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107012439A (zh) * 2017-04-20 2017-08-04 电子科技大学 一种钪掺杂氮化铝薄膜及其制备方法

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9885121B2 (en) 2006-04-07 2018-02-06 Sixpoint Materials, Inc. High pressure reactor and method of growing group III nitride crystals in supercritical ammonia
JP6474920B2 (ja) * 2015-06-25 2019-02-27 シックスポイント マテリアルズ, インコーポレイテッド 高圧反応器および超臨界アンモニア中のiii族窒化物結晶の成長方法
CN109750356A (zh) * 2019-03-29 2019-05-14 上海玺唐半导体科技有限公司 用于在超临界流体中生长材料的装置和材料的生长方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6036392A (ja) * 1983-08-05 1985-02-25 Toshiba Corp 単結晶引上装置
US7642122B2 (en) * 2006-10-08 2010-01-05 Momentive Performance Materials Inc. Method for forming nitride crystals

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107012439A (zh) * 2017-04-20 2017-08-04 电子科技大学 一种钪掺杂氮化铝薄膜及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013136466A (ja) 2013-07-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5908718B2 (ja) 結晶成長装置および結晶成長方法
US20180171506A1 (en) Seed crystal holder, crystal growing device, and crystal growing method
JP2009155125A (ja) Iii族窒化物半導体結晶の成長方法およびiii族窒化物半導体結晶の成長装置
Zharikov Problems and recent advances in melt crystal growth technology
JP2020196930A (ja) ミスト生成装置、成膜装置、及び成膜装置を用いた成膜方法
US10287706B2 (en) Heating unit comprised of ring heaters with ring support units disposed between the ring heaters and ingot growing device including the same
Hu et al. Hydride vapor phase epitaxy for gallium nitride substrate
JP6644063B2 (ja) シート形成装置、シートの厚さを測定するシステム及び材料の界面の位置を決定する方法
JP2008266115A (ja) 結晶成長装置およびルツボ部材
JP2020092113A (ja) SiC化学気相成長装置及びSiCエピタキシャルウェハの製造方法
Ubbenjans et al. Numerical analysis of the influence of ultrasonic vibration on crystallization processes
JP5852421B2 (ja) 結晶成長装置および結晶成長方法
KR102474145B1 (ko) 실리콘 카바이드 단결정 성장 장치 및 이를 이용한 단결정 성장 방법
JP6663766B2 (ja) Iii族窒化物結晶の製造方法
JP2008266116A (ja) 結晶成長装置、そのルツボ部材、その断熱カバー部材
JP7115688B2 (ja) 成膜装置及び半導体装置の製造方法
JPWO2013161999A1 (ja) 保持体、結晶成長方法および結晶成長装置
KR20110093853A (ko) Ⅲ족 질화물 결정들의 암모노열 성장에서의 사용을 위한 반응기 설계들
JP5949601B2 (ja) 多層型熱反射板およびこれを用いた酸化物単結晶育成装置
JP7174950B2 (ja) 成膜方法
JP4947383B2 (ja) 単結晶の成長方法および成長装置
Kozhemyakin et al. Influence of temperature on ultrasound absorption in waveguides made out of refractory materials
Lan et al. The effects of shower head orientation and substrate position on the uniformity of GaN growth in a HVPE reactor
TW460638B (en) Method to manufacture nitride single crystal
JP2011173750A (ja) 単結晶体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140901

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150520

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150602

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150728

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151215

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160212

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160322

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160324

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5908718

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees