JP5908273B2 - 同期モータ駆動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、同期モータ駆動装置に関し、特に、インバータ回路で生成した3相交流電力を同期モータへ供給する同期モータ駆動装置に関する。
同期モータ駆動装置は、商用交流電源から供給される交流電力(以下、交流電圧および交流電流をも意味する。)をコンバータ回路で直流電力(以下、直流電圧および直流電流をも意味する。)に変換し、その直流電力をインバータ回路で交流電力(交流電流)に変換して、同期モータを駆動する。インバータ回路は、コンバータ回路が出力する直流電圧を、IPM(Intelligent Power Module)等でチョッピングすることにより、周波数可変の交流電流を生成する。
冷凍・空調装置は、商用交流電源から供給される入力交流電流が、ブレーカを作動させる電流を超えないように、交流回路部にヒューズを備えている。しかしながら、冷凍・空調装置の連続性および快適性を維持するため、入力交流電流が所定の値以上になると、冷凍・空調装置は、圧縮機の同期モータの回転数を低下させる制御を行っている。この入力交流電流の検出には、一般的に、高価なカレントトランス(以下、CTとも記載する。)等の電流センサが採用されている。
特許第4505932号公報(特許文献1)には、CTを使わずに、インバータ4への出力電流を検出するシャント抵抗12を利用して、3相交流電源2からの入力交流電流を推定する構成が開示されている。特開平8−19263号公報(特許文献2)には、PWMインバータの主回路11の直流側電流を電流センサ12で検出し、各相別の電流に分配する構成が開示されている。
特許第4505932号公報 特開平8−19263号公報
特許文献1では、シャント抵抗12に流れる電流を積分回路19で積分し、その積分値と、予め実験により求めておいた入力交流電流との相関関係に基づき、入力交流電流を推定している。このため、3相交流電源や整流回路(コンバータ回路)の特性に応じて、入力交流電流を精度よく推定することが困難である。さらに、空調装置の入力交流電流は、圧縮機のみではなく、たとえば、ファンモータやその他パワーモジュール部での熱損失等でも消費される。特許文献1の構成では、それらに起因する入力交流電流を検出することが出来ない。
本発明の目的は、簡易な構成で、精度のよい有効電力の計算および入力交流電流の推定が可能な同期モータ駆動装置を提供することである。
本発明は、交流電力を直流電圧に変換して出力するコンバータ回路と、直流電圧をPWM信号に基づき3相交流電流に変換し、同期モータへ出力するインバータ回路と、PWM信号を出力するマイクロコンピュータとを備え、マイクロコンピュータは、PWM信号を生成するPWM信号生成部と、同期モータの回転部が360度のn分の1の機械角度だけ回転する毎に直流電圧とインバータ回路の電源電流に基づき瞬時電力を算出し、算出したn個の瞬時電力を平均して同期モータの有効電力を算出する有効電力計算部と、直流電圧および同期モータの有効電力に対する直流電圧の変化量に基づき交流電力の電圧実効値を算出する電圧実効値計算部と、同期モータの有効電力または回転速度に基づき交流電力の力率を算出する手段と、同期モータの有効電力、電圧実効値および力率に基づき交流電力の電流実効値を推定する入力電流計算部とを有し、nは2以上の整数である、同期モータ駆動装置である。
本発明の同期モータ駆動装置において、マイクロコンピュータは、直流電圧に基づき直流電圧モニタ信号を生成する直流電圧モニタ回路と、直流電圧モニタ信号に基づき直流電圧を検出する直流電圧検出部と、をさらに有することが望ましい。
本発明の同期モータ駆動装置において、マイクロコンピュータは、同期モータの有効電力に対する直流電圧の変化量の関係を格納する手段をさらに有することが望ましい。
本発明の同期モータ駆動装置において、マイクロコンピュータは、直流電圧のリプル周期を検出する手段をさらに有し、電圧実効値計算部は、流電圧のリプル周期および直流電圧の変化量に基づき交流電力の電圧実効値を算出することが望ましい。
本発明の同期モータ駆動装置において、マイクロコンピュータは、同期モータの有効電力に対するマイクロコンピュータの消費電力の比例定数を保持する比例定数格納部をさらに有し、入力電流計算部は、同期モータの有効電力に比例定数を乗算した値を同期モータの有効電力に加算した値を総合有効電力とし、その総合有効電力、電圧実効値および力率に基づき交流電力の電流実効値を推定することが望ましい。
本発明の同期モータ駆動装置において、PWM信号生成部は、入力電流計算部の出力が所定の値を超えた場合、同期モータの回転数を低下させることが望ましい。
本発明は、交流電力を直流電圧に変換して出力するコンバータ回路と、直流電圧を第1のPWM信号に基づき3相交流電流に変換し、第1の同期モータへ出力する第1のインバータ回路と、直流電圧を第2のPWM信号に基づき3相交流電流に変換し、第2の同期モータへ出力する第2のインバータ回路と、第1のPWM信号および第2のPWM信号を出力するマイクロコンピュータとを備え、マイクロコンピュータは、第1のPWM信号を生成する第1のPWM信号生成部と、第2のPWM信号を生成する第2のPWM信号生成部と、第1の同期モータの回転部が360度のn分の1の機械角度だけ回転する毎に直流電圧と第1のインバータ回路の電源電流に基づき瞬時電力を算出し、算出したn個の瞬時電力を平均して第1の同期モータの有効電力を算出する第1の有効電力計算部と、第2の同期モータの回転部が360度のm分の1の機械角度だけ回転する毎に直流電圧と第2のインバータ回路の電源電流に基づき瞬時電力を算出し、算出したm個の瞬時電力を平均して第2の同期モータの有効電力を算出する第2の有効電力計算部と、直流電圧および第1の同期モータの有効電力と第2の同期モータの有効電力とを加算した同期モータの有効電力に対する直流電圧との変化量に基づき交流電力の電圧実効値を算出する電圧実効値計算部と、第1の同期モータおよび第2の同期モータの有効電力または回転速度に基づき、交流電力の力率を算出する手段と、第1の同期モータの有効電力、電圧実効値および力率に基づき交流電力の第1の推定電流実効値を求めるとともに、第2の同期モータの有効電力、電圧実効値および力率に基づき交流電力の第2の推定電流実効値を求め、第1および第2の推定電流実効値を加算して交流電力の電流実効値を求める入力電流計算部とを有し、n,mの各々は2以上の整数である、同期モータ駆動装置である。
本発明によれば、簡易な構成で、精度のよい有効電力の計算および入力交流電流の推定が可能な同期モータ駆動装置を提供することができる。
本発明の実施の形態1に係る同期モータ駆動装置MD1の構成を示す回路図である。 本発明の実施の形態1に係るマイクロコンピュータA1の構成を示す回路図である。 本発明の各実施の形態に係る同期モータ駆動装置における、インバータ回路が出力する3相交流電流の波形を示す模式図である。 本発明の各実施の形態に係る同期モータ駆動装置における、総合有効電力と力率との関係を示す図である。 本発明の各実施の形態に係る同期モータ駆動装置における、同期モータの単位時間あたりの回転数と力率との対応関係を示す図である。 本発明の実施の形態1の変形例に係る同期モータ駆動装置MD11の構成を示す回路ブロック図である。 本発明の実施の形態1の変形例に係るマイクロコンピュータA21の構成を示す回路図である。 本発明の実施の形態2に係る同期モータ駆動装置MD2の構成を示す回路図である。 本発明の実施の形態2に係るマイクロコンピュータA3の構成を示す回路図である。 本発明の各実施の形態に係る同期モータ駆動装置において、電流検出回路5Aを内部に取り込んだマイクロコンピュータAの構成を示す回路図である。 本発明の各実施形態における同期モータの有効電力と降下直流電圧との関係を示す図である。 本発明の各実施の形態に係る同期モータ駆動装置において、コンバータ回路の具体的構成を示す回路図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。実施の形態の説明において、個数、量などに言及する場合、特に記載ある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。実施の形態の図面において、同一の参照符号や参照番号は、同一部分または相当部分を表わすものとする。また、実施の形態の説明において、同一の参照符号等を付した部分等に対しては、重複する説明は繰り返さない場合がある。
<実施の形態1>
図1を参照して、本発明の実施の形態1に係る同期モータ駆動装置MD1の構成および動作を説明する。
同期モータ駆動装置MD1は、コンバータ回路2、インバータ回路3、電流検出抵抗(シャント抵抗)R1、抵抗Rdc1、抵抗Rdc2、電流検出回路5、およびマイクロコンピュータA1より構成される。
コンバータ回路2は、電圧実効値Vacおよび電流実効値Iacを有する商用交流電源1から供給される交流電力を直流電圧Vdcに変換し、正極直流ラインPL1と負極直流ラインPL2間に出力する。
コンバータ回路2の具体例を図12に示す。図12(a)は、電圧実効値Vacが、例えば、200Vの交流電圧から200Vの直流電圧Vdcを出力するコンバータ回路である。交流電圧はダイオードブリッジDBおよびコンデンサCにより整流・平滑化され、200Vの直流電圧Vdcとして出力される。
図12(b)は、電圧実効値Vacが、例えば、100Vの交流電圧から200Vの直流電圧Vdcを出力するコンバータ回路である。交流電圧は、ダイオードブリッジDB、コンデンサC1およびコンデンサC2で構成される倍電圧回路により、200Vに昇圧された直流電圧Vdcに変換される。同期モータ駆動装置MD1に供給される電圧実効値Vacの値に応じて、必要な構成を有するコンバータ回路が選択される。
インバータ回路3は、正極直流ラインPL1と負極直流ラインPL2間に接続される3相(U相/V相/W相)のインバータ(Qu/Qx、Qv/Qy、Qw/Qz)を有する。3相の各インバータは、直流電圧Vdcを3相の交流電流(U相/V相/W相)に変換して、同期モータ4に供給する。
マイクロコンピュータA1は、PWM(Pulse Width Modulation)信号を生成し、3相の各インバータのスイッチングを制御する。このスイッチング制御により、インバータ回路3は、直流電圧Vdcから3相の交流電流を生成する。
コンバータ回路2の出力側とインバータ回路3の入力側とは、正極直流ラインPL1および負極直流ラインPL2で接続され、両回路間の負極直流ラインPL2上には、電流検出抵抗R1が設けられている。電流検出回路5は、電流検出抵抗R1の両端に発生する電圧に基づき、インバータ回路3を流れる直流電流Idcを検出し、増幅して直流電流モニタ信号Idc_sigとしてマイクロコンピュータA1に出力する。
抵抗Rdc1および抵抗Rdc2は、正極直流ラインPL1と負極直流ラインPL2との間に直列接続され、直流電圧モニタ回路を形成する。抵抗Rdc1および抵抗Rdc2の接続点から、直流電圧Vdcを両抵抗で分圧した直流電圧モニタ信号Vdc_sig1がマイクロコンピュータA1へ出力される。
図2を参照して、本発明の実施の形態1に係るマイクロコンピュータA1の構成および動作を説明する。
(構成)
マイクロコンピュータA1は、PWM信号生成部7と、入力電流推定部6とを有する。PWM信号生成部7は、PWM信号を生成してインバータ回路3へ出力する。入力電流推定部6は、電流検出回路5から出力される直流電流モニタ信号Idc_sig、PWM信号生成部7から出力されるPWM信号および直流電圧モニタ信号Vdc_sig1に基づき、商用交流電源1から同期モータ駆動装置MD1に供給される入力交流電流の推定電流実効値Iac_estを計算し、PWM信号生成部7に出力する。
入力電流推定部6は、瞬時電流分配部61、瞬時電力計算部62、有効電力計算部63、および入力電流計算部64を有する。さらに、同期モータ駆動装置MD1が駆動する同期モータ4の極数を格納する同期モータ極数格納部612、インバータ回路3の直流電流Idcの検出周期を格納する検出周期格納部613、直流電流Idcを検出するモータの電気角度のピッチを設定する検出電気角度設定部611、および直流電流Idcを検出した時刻におけるコンバータ回路2が出力する直流電圧Vdcの値を検出する瞬時直流電圧検出部621を有する。
(瞬時電流Iu(t)/Iv(t)/Iw(t)の検出)
瞬時電流分配部61は、所定の時刻tで検出した直流電流モニタ信号Idc_sigに基づき、時刻tにおいてインバータ回路3に流れる直流電流Idcを、3相(U相/V相/W相)の各インバータに流れる瞬時電流Iu(t)、Iv(t)、およびIw(t)に分配する。インバータ回路3の直流電流Idcは、3相の各インバータから負極直流ラインPL2に流れる電流の合計である。その3相の各インバータに流れる電流は、マイクロコンピュータA1に含まれるPWM信号生成部7が出力するPWM信号で制御される。
瞬時電流分配部61は、3相の各インバータのスイッチング直前と直後のタイミングで、直流電流モニタ信号Idc_sigの変化分を求める。その変化分をPWM信号のスイッチング情報に基づき3相の各インバータに分配することで、インバータ回路3を流れる直流電流Idcを、3相の各インバータに分配する。
瞬時直流電圧検出部621は、入力された直流電圧モニタ信号Vdc_sig1に基づき、設定された時刻におけるコンバータ回路2が出力する直流電圧Vdcの値を検出し、瞬時電力計算部62および電圧実効値計算部641へ出力する。
瞬時直流電圧検出部621は、さらに、直流電圧モニタ信号Vdc_sig1に基づき直流電圧Vdcのリプル周期f_rplを検出して出力する。コンバータ回路2は交流電圧をダイオードブリッジで全波整流し、さらに平滑回路でリプル電圧を低減して直流電圧Vdcを出力する。しかし、直流電圧Vdcには、全波整流の結果として、商用交流電源1の2倍の周期を有するリプル(脈動)が残る。このリプル周期は、直流電圧Vdcを抵抗分圧して生成される直流電圧モニタ信号Vdc_sig1のリプル周期f_rplに反映される。
リプル周期f_rplは、直流電圧モニタ信号Vdc_sig1の値を所定の検出周期で検出し、検出した値を平均化処理して求める。検出周期は、ノイズキャンセルを考慮し、例えば、数マイクロ秒毎に設定する。検出された交流電圧の周期が50Hzおよび60Hzである場合、その2倍の周期を有するリプル周期f_rplは、各々、10ミリ秒および8.33ミリ秒となる。
従って、直流電圧モニタ信号Vdc_sig1から交流電圧(即ち、商用交流電源1)の周期を検出するには、最低でも1ミリ秒程度毎に直流電圧モニタ信号Vdc_sig1の値を検出する必要がある。この検出周期は、マイクロコンピュータA1の処理性能や他の演算処理との関係を考慮し、数マイクロ秒から数百マイクロ秒までの時間に設定することが望ましい。
入力電流推定部6は、さらに、商用交流電源1の電圧実効値Vacを算出する電圧実効値計算部641、交流電圧および交流電流間の力率を格納する力率テーブル642、および同期モータ駆動装置MD1の熱損失エネルギーを消費電力に換算する比例定数格納部643を有する。
電圧実効値計算部641は、瞬時直流電圧検出部621が出力する直流電圧Vdcおよびリプル周期f_rplと、有効電力計算部63が出力する有効電力Pとに基づき、後述する計算式により電圧実効値Vacを算出する。
(瞬時電力p(t)の計算)
瞬時電力計算部62は、3相の瞬時電流Iu(t)、Iv(t)、およびIw(t)に基づき、所定の時刻tにおける瞬時電力p(t)を計算する。瞬時直流電圧検出部621は、コンバータ回路2が出力する時刻tにおける直流電圧Vdcの値を検出して出力する。瞬時電力p(t)は、瞬時電流Iu(t)、Iv(t)、およびIw(t)と瞬時直流電圧検出部621から出力される直流電圧Vdcに基づき、以下の式で計算される。なお、以降の式で、記号”*”は乗算記号を、記号”/”は除算記号を、各々意味する。
p(t)=pu(t)+pv(t)+pw(t)
ここで、pu(t)、pv(t)およびpw(t)は、各々、U相、V相、およびW相の瞬時電力であり、下記の式により求められる。
pu(t)=Vdc*U相PWMデューティ比*Iu(t)
pv(t)=Vdc*V相PWMデューティ比*Iv(t)
pw(t)=Vdc*W相PWMデューティ比*Iw(t)
PWMデューティ比とは、PWM波形のデューティ比である。
(瞬時電力の検出時刻t1〜tn)
図3を参照して、同期モータ4の機械的1回転の周期Tで設定する瞬時電力p(t)の検出時刻t1〜tnについて説明する。図3は、本発明の実施の形態に係る同期モータ駆動装置MD1において、インバータ回路3が出力する3相交流電流の波形を示す模式図である。横軸は、同期モータ4の機械的1回転、つまり機械角度360°に対応する範囲を示す。縦軸は、インバータ3の相別(U相/V相/W相)の出力電流波形を模式的に示す。
4極3相の構造を有する同期モータの場合、機械的1回転の間に、電気的には2回転する。つまり、機械角度360°は、電気角度720°に対応する。図3では、同期モータの機械的1回転の周期Tにおいて、電気角度30°の時刻をt1とし、以降、電気角度60°毎(電気角度60°のピッチ)に検出時刻を設定する。周期Tにおける最後の検出時刻tnは、電気角度690°に対応する時刻となり、検出回数は総計12回となる。
本実施の形態1では、瞬時電力の検出を電気角度60°を周期と設定して説明した。有効電力の計算精度は、瞬時電力の検出時間(設定する電気角度のピッチ)をより小さく設定することで向上可能となる。実際には、マイクロコンピュータA1の処理性能や他の演算処理との関係を考慮して、瞬時電力p(t)を検出する電気角度のピッチは、1°、10°、30°、または60°の周期から選択することが好ましい。但し、選択する電気角度のピッチが大きすぎると、有効電力計算部が出力する計算結果の精度が低下する。従って、設定する電気角度のピッチは、60°以下とすることが好ましい。
図2に戻り、入力電流推定部6が有する、検出電気角度設定部611、同期モータ極数格納部612、検出周期格納部613、および有効電力計算部63の動作を説明する。
同期モータ極数格納部612は、インバータ回路3が駆動する同期モータ4の極数を格納している。本実施の形態では、4極3相の構造を有する同期モータを一例として説明している。この場合、同期モータ極数格納部612には、同期モータの極数が4極であることを示す情報が格納される。本実施の形態に係る同期モータ駆動装置MD1は、同期モータ極数格納部612に書き込む情報を変更することで、容易に、他の構造を有する同期モータを制御することが可能となる。
検出周期格納部613は、同期モータ4の機械的1回転の周期Tにおいて、瞬時電力p(t)を検出する電気角度のピッチを格納している。本実施の形態に係る同期モータ駆動装置MD1は、電気角度のピッチが変更可能であり、ユーザが必要とする精度で有効電力を計算することが可能となる。
検出電気角度設定部611は、電流検出回路5が出力する直流電流モニタ信号Idc_sigを検出する時刻tを、瞬時電流分配部61に出力する。瞬時電流分配部61は、指定された時刻tにおける、インバータ回路3が有する3相の各インバータに流れる瞬時電流Iu(t)、Iv(t)、およびIw(t)を計算する。
同期モータ極数格納部612および検出周期格納部613から出力される情報に基づき、検出電気角度設定部611は、瞬時電流分配部61に対して、インバータ回路3に流れる直流電流Idcの検出時刻t1〜tnを通知する。
(有効電力Pの計算)
有効電力計算部63は、瞬時電力計算部62から出力される瞬時電力p(t)を所定の周期Tに亘り積算し、その積算結果を周期Tで除算して、有効電力Pを計算する。モータの場合は、まず、モータが機械的に1回転する時間を周期Tとし、この周期Tに亘り複数の時刻t1〜tnを設定する。同期モータ4で消費される有効電力Pは、各時刻における瞬時電力p(t1)〜p(tn)の総和をで除算した以下の式1で求められる。
P=(p(t1)+p(t2)+ … +p(tn))/ … 式1
有効電力計算部63は、式1に記載の通り、各時刻における瞬時電力p(t1)〜p(tn)の総和をで除算して、同期モータ4で消費される有効電力Pを算出し、入力電流計算部64および電圧実効値計算部641へ出力する。以下に、具体的な同期モータ4の極数および検出する電気角度のピッチを例に、有効電力Pの計算式を説明する。
同期モータ4が4極3相構造の場合は、機械的1回転は電気的2回転に対応する。従って、電気角度60°のピッチでインバータ回路3の瞬時電力p(t)を検出した場合、検出回数は12回となる。従って、有効電力Pは、次の通り計算される。
P=(p(t1)+ … +p(t12))/12
4極3相の同期モータの有効電力Pは、上記計算式により求められる。
同期モータ4が6極3相構造の場合は、機械的1回転は電気的3回転に対応する。従って、電気角度60°のピッチでインバータ回路3の瞬時電力p(t)を検出した場合、検出回数は18回となる。その有効電力Pは、次の通り計算される。
P=(p(t1)+ … +p(t18))/18
6極3相の同期モータの有効電力Pは、上記計算式により求められる。
(同期モータ駆動装置の総合有効電力P_md1)
図1において、商用交流電源1から同期モータ駆動装置MD1へ供給される交流電圧および交流電流の実効値は、各々、VacおよびIacである。この交流電圧と交流電流との位相差を”θ”とすると、その有効電力は、Vac*Iac*cos(θ)となる。ここで、同期モータ駆動装置MD1が消費する総合有効電力をP_md1とすると、両者の有効電力の値には、
Vac*Iac*cos(θ)=P_md1
という関係が成立する。
図1に示す同期モータ駆動装置MD1において、商用交流電源1からダイオードブリッジ等で構成されるコンバータ回路2へ供給される有効電力と、コンバータ回路2の出力電力とは、ほぼ等しいと考えられる。このコンバータ回路2の出力電力は、主に、インバータ回路3で駆動される同期モータ4で消費される。この同期モータ4の有効電力は、図2に示す有効電力計算部63が出力する有効電力Pとして求められる。同期モータ4の有効電力Pの計算式は式1に示す通りである。
さらに、コンバータ回路2の出力電力は、同期モータ4の有効電力Pに加えて、インバータ回路3を制御するマイクロコンピュータA1部の熱損失に起因する消費電力が無視できない場合もある。インバータ回路3のチョッピング動作を制御するIPM(マイクロコンピュータA1)の熱損失分の電力をP_ipm1とする。このP_ipm1は、インバータ回路3が駆動する同期モータ4の有効電力Pに比例する。その比例定数をk1とすると、以下の関係が成立する。
P_ipm1=k1*P
なお、比例定数k1は実験等により得られる値であり、マイクロコンピュータA1に格納される。
以上から、同期モータ駆動装置MD1が消費する総合有効電力P_md1は、同期モータ4の有効電力PおよびIPMの熱損失分の電力P_ipm1の和となる。以下に、商用交流電源1からコンバータ回路2へ供給される有効電力と同期モータ駆動装置MD1で消費される総合有効電力P_md1との関係を示す。
Vac*Iac*cos(θ)=P_md1 … 式2
P_md1=P+P_ipm1=(1+k1)*P … 式3
式1、式2および式3から、入力交流電源の電流実効値Iac、同期モータ4の有効電力P、交流電圧の実効値Vac、および力率cos(θ)は、以下の式4の関係を有する。
Iac=(1+k1)*P/(Vac*cos(θ)) … 式4
以下に、交流電圧の実効値Vacと力率cos(θ)の算出方法を説明する。
(交流電圧の実効値Vacの計算)
図1に示す商用交流電源1の電圧実効値Vacの計算方法について説明する。同期モータ4の回転速度が上昇するに従いコンバータ回路2の出力電流が増加するため、コンバータ回路2の直流電圧Vdcは低下する。即ち、コンバータ回路2が有効電力Pを出力していない場合に比べて、同期モータ4へ有効電力Pを供給しているコンバータ回路2の直流電圧Vdcは低下する。この直流電圧Vdcの降下分を降下直流電圧ΔVdcとする。降下直流電圧ΔVdcは負の値を有し、コンバータ回路2が同期モータ4へ有効電力Pを供給していないときの直流電圧Vdcを基準値とする降下電圧値である。
図12(a)に示すコンバータ回路2が有効電力Pを出力している場合、電圧実効値Vac、直流電圧Vdcおよび降下直流電圧ΔVdcとは以下の関係を有する。
Vac=(Vdc−ΔVdc)/√2
=(Vdc+abs(ΔVdc))/√2 … 式5
ここで、√2は2の平方根、abs(ΔVdc)はΔVdcの絶対値である。
コンバータ回路2が図12(b)に示す倍電圧回路の場合、電圧実効値Vac、直流電圧Vdcおよび降下直流電圧ΔVdcとは以下の関係を有する。
Vac=(Vdc−ΔVdc)/2/√2
=(Vdc+abs(ΔVdc))/2/√2 … 式51
コンバータ回路2の回路構成に基づき、いずれか一方の式が選択される。
図11を参照して、降下直流電圧ΔVdcの計算方法を説明する。
図11は、同期モータ4の有効電力P(横軸)に対する降下直流電圧ΔVdc(縦軸)の変化を示す6本のグラフである。6本のグラフは、大別すると、商用交流電圧の周波数が50Hzのグループと60Hzのグループとに分けられる。各グループは、さらに、交流電圧の実効値が90V、100V、および110Vの場合のグラフで構成される。6本のグラフに示される通り、同期モータ4の有効電力Pが増加すると、降下直流電圧ΔVdcは減少(ΔVdcの絶対値は増加)する。即ち、コンバータ回路2が出力する直流電圧Vdcは減少する。
図11に示される通り、有効電力Pと降下直流電圧ΔVdcとは反比例に近い関係を有し、その関係は入力交流電圧の周波数で更に変化することがわかる。従って、商用交流電圧の各周波数別に、有効電力Pと降下直流電圧ΔVdcのデータテーブル(以下、単に、データテーブルとも記載する)をマイクロコンピュータA1に格納しておき、有効電力Pおよび商用交流電圧の周波数を指定することにより、降下直流電圧ΔVdcを求めることが出来る。
図2に示す電圧実効値計算部641は、リプル周期f_rpl、直流電圧Vdc、有効電力P、およびデータテーブル(図示せず)に基づき、電圧実効値Vacを計算する。瞬時直流電圧検出部621が出力するリプル周期f_rplから商用交流電源1の周波数が判別され、データテーブルに格納される2つのデータ群のうち、判別した周波数のデータ群が選択される。以上により、同期モータ4の有効電力Pに対応した降下直流電圧ΔVdcが決定される。さらに、有効電力計算部63が出力する有効電力Pに基づき、データテーブルを参照して降下直流電圧ΔVdcが決定される。
電圧実効値計算部641は、決定した降下直流電圧ΔVdcおよび瞬時直流電圧検出部621が出力する直流電圧Vdcを式5または式51に当てはめ、電圧実効値Vacを計算し、入力電流計算部64へ出力する。
有効電力Pと降下直流電圧ΔVdcとの関係をデータテーブルの形式でマイクロコンピュータA1に格納する代わりに、各交流電圧の周波数別に、両者の関係を近似式に設定して演算処理してもよい。近似式は2次式でもよいし、有効電力Pの範囲を適宜分割し、分割した電力区間を1次式で近似してもよい。
同期モータ4の回転数が変化する頻度に応じて、降下直流電圧ΔVdcを計算してもよい。例えば、同じ回転数でT秒間以上継続して同期モータ4が回転した場合に、降下直流電圧ΔVdcを計算する構成としてもよい。有効電力Pがある程度の期間に亘って変化しない場合、この計算方法により誤差の少ない電圧実効値Vacを推定できる。継続期間として設定する時間Tは、予め、マイクロコンピュータA1に設定しておく。
以上の構成により、商用交流電源1の周波数やコンバータ回路2の回路構成に対応して、同期モータ4の運転期間中における商用交流電源1の電圧実効値Vacが検出可能となる。また、運転期間中に交流電圧に変動があった場合でも、その電圧実効値Vacを検出することができる。
(力率cos(θ)の計算)
図4を参照して、交流電圧と交流電流の力率cos(θ)の計算方法を説明する。図4は、同期モータ駆動装置MD1の総合有効電力P_md1と力率との関係を予め実験等で求めたテーブルの一例であり、マイクロコンピュータA1に格納される。マイクロコンピュータA1で算出した総合有効電力P_md1を図4のテーブルに当てはめ、力率を求める。
同期モータ駆動装置MD1の総合有効電力P_md1と力率cos(θ)との関係をテーブルの形式でマイクロコンピュータA1に格納する代わりに、両者の関係を近似式に設定して演算処理してもよい。
図5を参照して、力率を求める他の方法を説明する。図5は、同期モータ4の単位時間当たりの回転数(rpm)、即ち、回転速度と力率との関係を示すテーブルの一例であり、マイクロコンピュータA1に格納される。マイクロコンピュータA1で算出した総合有効電力P_md1を図5のテーブルに当てはめ、力率を求める。
(推定電流実効値Iac_estの計算)
図2を参照して、入力電流計算部64による推定電流実効値Iac_estの計算方法を説明する。
入力電流計算部64は、有効電力計算部63から出力される同期モータ4の有効電力Pに基づき、商用交流電源1から供給される交流電源の電流実効値Iacを推定し、推定電流実効値Iac_estとして出力する。
この推定電流実効値Iac_estの計算には、電圧実効値計算部641が出力する電圧実効値Vac、力率テーブル642に格納される力率の値、および比例定数格納部643に格納される比例定数k1が各々引用される。推定電流実効値Iac_estの計算式は、以下の通りとなる。
Iac_est=(1+k1)*P/(Vac*cos(θ))
推定電流実効値Iac_estの計算式は、上記の式4に対応する。
PWM信号生成部7は、入力された推定電流実効値Iac_estが所定の値を越えた場合、インバータ回路3へ出力するPWM信号のデューティーを変更し、同期モータ4の回転数を低下させる。この回転数制御により、同期モータ駆動装置MD1は、冷凍・空調装置の連続運転を維持することができる。
以上のように、実施の形態1の同期モータ駆動装置MD1は、IPMとして動作するマイクロコンピュータA1が備える汎用演算処理機能を使用することにより、複雑な構成の回路部品を追加することなく、冷凍サイクルを有する機器の連続運転を維持することができる。また、IPMの熱損失分の電力も同期モータ駆動装置MD1の有効電力に加えることにより、より正確に入力電流実効値を推定することができる。
<実施の形態1の変形例>
図6を参照して、本発明の実施の形態1の変形例に係る同期モータ駆動装置MD11の構成および動作について説明する。
図6に示す同期モータ駆動装置MD11は、電圧実効値Vacおよび電流実効値Iacの商用交流電源1から供給される交流電力を直流電圧Vdcに変換し、正極直流ラインPL1と負極直流ラインPL2間に出力するコンバータ回路2を有する。図1に示す同期モータ駆動装置MD1と異なり、同期モータ駆動装置MD11は、正極直流ラインPL1および負極直流ラインPL2に並列に接続されるインバータ回路31およびインバータ回路32を有する。
コンバータ回路2は、同期モータ駆動装置MD11に供給される交流電源の電圧実効値Vacの値に応じて、図12(a)または図12(b)に示されるものが適宜選択される。
インバータ回路31およびインバータ回路32は、直流電圧Vdcから3相交流電流を生成し、各々、冷凍・空調装置の圧縮機用同期モータ41および室外機のファン用同期モータ42に供給する。マイクロコンピュータA21は、PWM信号1およびPWM信号2を生成し、各々、インバータ回路31およびインバータ回路32のスイッチング動作を制御する。
コンバータ回路2とインバータ回路31間を接続する負極直流ラインPL21上には、電流検出抵抗R11が設けられている。コンバータ回路2とインバータ回路32間を接続する負極直流ラインPL22上には、電流検出抵抗R21が設けられている。電流検出抵抗R11および抵抗R21の両端に発生する電圧に基づき、電流検出回路1(51)および電流検出回路2(52)は、各々、インバータ回路31およびインバータ回路32を流れる直流電流Idc1およびIdc2を検出し、増幅して、直流電流モニタ信号Idc1_sigおよび直流電流モニタ信号Idc2_sigをマイクロコンピュータA21に出力する。
同期モータ駆動装置MD11は、さらに、正極直流ラインPL1と負極直流ラインPL2との間に直列接続される抵抗Rdc1および抵抗Rdc2で構成される直流電圧モニタ回路を有する。抵抗Rdc1および抵抗Rdc2の接続点から、直流電圧Vdcを両抵抗で分圧した直流電圧モニタ信号Vdc_sig11がマイクロコンピュータA21へ出力される。
図7を参照して、マイクロコンピュータA21の構成および動作を説明する。マイクロコンピュータA21は、第1の入力電流推定部6M、第2の入力電流推定部6FM、第1のPWM信号生成部7M、および第2のPWM信号生成部7FMを有する。第1のPWM信号生成部7Mおよび第2のPWM信号生成部7FMは、各々、PWM信号1およびPWM信号2を生成し、インバータ回路31およびインバータ回路32へ出力する。
第1の入力電流推定部6Mは、直流電流モニタ信号Idc1_sigおよび第1のPWM信号生成部7Mから出力されるPWM信号1に基づき、商用交流電源1から圧縮機用同期モータ41に供給される入力交流電流の推定電流実効値Iac1_estを計算し、第1のPWM信号生成部7Mに出力する。第2の入力電流推定部6FMは、直流電流モニタ信号Idc2_sigおよび第2のPWM信号生成部7FMから出力されるPWM信号2に基づき、商用交流電源1からファン用同期モータ42に供給される入力交流電流の推定電流実効値Iac2_estを計算し、第2のPWM信号生成部7FMに出力する。
図7に示す第1の入力電流推定部6Mは、以下の点を除いて、図2に示す実施の形態1に係る入力電流推定部6と同一の構成を有する。図2における瞬時直流電圧検出部621は、直流電圧モニタ信号Vdc_sig1に基づき、設定された時刻におけるコンバータ回路2が出力する直流電圧Vdcの値を検出し、瞬時電力計算部62および電圧実効値計算部641へ出力する。これに対し、図7に示す第1の入力電流推定部6Mが備える瞬時直流電圧検出部621(図示せず)は、直流電圧モニタ信号Vdc_sig11に基づき直流電圧Vdcの値を検出する。
図7に示す第1の入力電流推定部6Mは、圧縮機用同期モータ41のモータ極数を格納する第1の同期モータ極数格納部612M、瞬時電力を検出する電気角度を格納する第1の検出周期格納部613M、および比例定数k1を格納する第1の比例定数格納部643Mを備える。
図7に示す第2の入力電流推定部6FMは、以下の点を除いて、図2に示す実施の形態1の係る入力電流推定部6と同一の構成を有する。図2における瞬時直流電圧検出部621は、直流電圧モニタ信号Vdc_sig1に基づき、直流電圧Vdcのリプル周期f_rplおよび直流電圧Vdcを検出する。
これに対し、第2の入力電流推定部6FMは、図2における瞬時直流電圧検出部621を備えない。瞬時電力計算部62および電圧実効値計算部641は、第1の入力電流推定部6Mの瞬時直流電圧検出部621から出力されるそれらデータに基づき、瞬時電力p(t)および電圧実効値Vacを計算する。即ち、第1の入力電流推定部6Mのみ、直流電圧モニタ信号Vdc_sig11から直流電圧Vdcのリプル周期f_rplおよび直流電圧Vdcを検出する機能を有する。
必要に応じ、第1の入力電流推定部6Mおよび第2の入力電流推定部6FMが、直流電圧モニタ信号Vdc_sig11から直流電圧Vdcのリプル周期f_rplおよび直流電圧Vdcを検出する機能を備えてもよい。また、その検出機能を第2の入力電流推定部6FMが備えてもよい。
第2の入力電流推定部6FMは、ファン用同期モータ42のモータ極数を格納する第2の同期モータ極数格納部612FM、瞬時電力を検出する電気角度を格納する第2の検出周期格納部613FM、および比例定数k2を格納する第2の比例定数格納部643FMを備える。
図6において、商用交流電源1の交流電圧と交流電流との位相差を”θ”とすると、その有効電力は、Vac*Iac*cos(θ)となる。同期モータ駆動装置MD11が消費する総合有効電力をP_md11とすると、両者の有効電力の値には、
Vac*Iac*cos(θ)=P_md11
という関係が成立する。実施の形態1と同じく、VacおよびIacは商用交流電源1の電圧実効値および電流実効値である。
図7において、第1の入力電流推定部6Mで求めた圧縮機用同期モータ41の有効電力をP_compとし、第2の入力電流推定部6FMで求めたファン用同期モータ42の有効電力をP_fanとする。
インバータ回路31およびインバータ回路32のチョッピング動作制御に起因するIPM(マイクロコンピュータA21)の熱損失分の電力P_ipm21の計算式は、
P_ipm21=k1*P_comp+k2*P_fan
となる。
従って、同期モータ駆動装置MD11の総合有効電力P_md11は、
Vac*Iac*cos(θ)=P_md11
P_md11=(1+k1)*P_comp+(1+k2)*P_fan
となる。
商用交流電源1の電圧実効値Vacは、実施の形態1における式5または式51により求める。式5または式51において、直流電圧Vdcおよび降下直流電圧ΔVdcは、実施の形態1と同様に、図7の第1の入力電流推定部6Mが備える瞬時直流電圧検出部621および有効電力計算部63の出力に基づき計算する。降下直流電圧ΔVdcは、図7に示すマイクロコンピュータA21が備えるデータテーブル(図示せず)に基づき求める。
図7の第1入力電流推定部6Mが出力する第1の推定電流実効値Iac1_est、および第2の入力電流推定部6FMが出力する第2の推定電流実効値Iac2_estは、
各々、以下の通りとなる。
Iac1_est=(1+k1)*P_comp/(Vac*cos(θ))
Iac2_est=(1+k2)*P_fan/(Vac*cos(θ))
電圧実効値Vacおよび力率cos(θ)の値は、実施の形態1と同様に求める。
マイクロコンピュータA21は、上記Iac1_estとIac2_estの和が、所定の値を超えた場合、インバータ回路31およびインバータ回路32を適宜制御して、圧縮機用同期モータ41およびfan用同期モータ42の回転数を低下させる。この回転数制御により、同期モータ駆動装置MD1は、冷凍・空調装置の連続運転を維持することができる。
以上のように、実施の形態1の変形例に係る同期モータ駆動装置MD11は、圧縮機用同期モータとファン用同期モータの、IPMの熱損失分の電力も含めた総合有効電力を各々算出することが可能となる。
<実施の形態2>
図8を参照して、本発明の実施の形態2に係る同期モータ駆動装置MD2の構成および動作について説明する。
図8に示す同期モータ駆動装置MD2は、コンバータ回路2、インバータ回路3、シャント抵抗R1、抵抗Rdc1、抵抗Rdc2、電流検出回路53、およびマイクロコンピュータA3より構成される。
コンバータ回路2は、電圧実効値Vacおよび電流実効値Iacを有する商用交流電源1から供給される交流電力を直流電圧Vdcに変換し、正極直流ラインPL1と負極直流ラインPL2間に出力する。コンバータ回路2は、同期モータ駆動装置MD2に供給される交流電源の電圧実効値Vacの値に応じて、図12(a)または図12(b)に示すものが適宜選択される。
インバータ回路3は、正極直流ラインPL1と負極直流ラインPL2間に接続される3相(U相/V相/W相)のインバータ(Qu/Qx、Qv/Qy、Qw/Qz)を有する。3相の各インバータは、直流電圧Vdcを3相の交流電流(U相/V相/W)に変換して、同期モータ4に供給する。
マイクロコンピュータA3は、PWM(Pulse Width Modulation)信号を生成し、3相の各インバータのスイッチングを制御する。このスイッチング制御により、インバータ回路3は、直流電圧Vdcから3相の交流電流を生成する。
コンバータ回路2の出力側とインバータ回路3の入力側とは、正極直流ラインPL1および負極直流ラインPL2で接続され、両回路間の負極直流ラインPL2上には、シャント抵抗R1が設けられている。
抵抗Rdc1および抵抗Rdc2は、正極直流ラインPL1と負極直流ラインPL2との間に直列接続され、直流電圧モニタ回路を形成する。抵抗Rdc1および抵抗Rdc2の接続点から、直流電圧Vdcを両抵抗で分圧した直流電圧モニタ信号Vdc_sig2がマイクロコンピュータA3へ出力される。
図8において、本発明の実施の形態2が、実施の形態1および実施の形態1の変形例と相違する点は、次の通りである。即ち、インバータ回路3を構成する3相(U相/V相/W層)の各インバータと負極直流ラインPL2と間に、各々に、電流検出抵抗Ru,Rv、Rwが配置されている。実施の形態1等では、インバータ回路3の直流電流Idcをシャント抵抗でもある抵抗R1で検出していた。実施の形態2では、抵抗R1は、シャント抵抗として使用し、インバータ回路3の過電流を検出するために使用する。
3相の各インバータと電流検出抵抗Ru、Rv、Rwとの接続点の電位は、電流検出回路53に入力される。電流検出回路53は、各相の電位の値を各インバータに流れる直流電流信号Iru、Irv、およびIrwに変換して、マイクロコンピュータA3に出力する。
図9を参照して、本発明の実施例の形態2に係るマイクロコンピュータA3の構成および動作について説明する。
(構成)
マイクロコンピュータA3は、入力電流推定部6AおよびPWM信号生成部7とを有する。PWM信号生成部7は、PWM信号を生成してインバータ回路3へ出力する。入力電流推定部6Aは、電流検出回路53から出力される直流電流信号Iru/Irv/Irwと、PWM信号生成部7から出力されるPWM信号と、直流電圧モニタ信号Vdc_sig2とに基づき、商用交流電源1から同期モータ駆動装置MD2に供給される入力交流電流の推定電流実効値Iac_estを計算し、PWM信号生成部7に出力する。
入力電流推定部6Aは、瞬時電流検出部61A、瞬時電力計算部62A、有効電力計算部63、および入力電流計算部64を有する。さらに、同期モータ駆動装置MD2が駆動する同期モータ4の極数を格納する同期モータ極数格納部612、インバータ回路3の直流電流Idcの検出周期を格納する検出周期格納部613、直流電流Idcを検出するモータの電気角度のピッチを設定する検出電気角度設定部611、および直流電流Idcを検出した時刻におけるコンバータ回路2が出力する直流電圧Vdcの値を検出する瞬時直流電圧検出部621を有する。
(瞬時電流Iu(t)/Iv(t)/Iw(t)の検出)
瞬時電流検出部61Aは、所定の時刻tで検出した直流電流信号Iru、Irv、Irwに基づき、時刻tにおいて3相の各インバータに流れる瞬時電流Iu(t)、Iv(t)、およびIw(t)を出力する。実施の形態1と異なり、瞬時電流検出部61AへPWM信号を入力して3相の瞬時電流に分配する必要はない。
瞬時直流電圧検出部621は、入力された直流電圧モニタ信号Vdc_sig2に基づき、設定された時刻におけるコンバータ回路2が出力する直流電圧Vdcの値を検出し、瞬時電力計算部62Aおよび電圧実効値計算部641へ出力する。
瞬時直流電圧検出部621は、さらに、直流電圧モニタ信号Vdc_sig2に基づき直流電圧Vdcのリプル周期f_rplを出力する。リプル周期f_rplの検出方法は実施の形態1と同様である。
入力電流推定部6Aは、さらに、商用交流電源1の電圧実効値Vacの値を計算する電圧実効値計算部641、交流電圧および交流電流間の力率を格納する力率テーブル642、および同期モータ駆動装置MD2の熱損失エネルギーを消費電力に換算する比例定数格納部643を有する。
電圧実効値計算部641は、有効電力計算部63が出力する有効電力Pおよび瞬時直流電圧検出部621が出力するリプル周期f_rplに基づき、データテーブルを参照して降下直流電圧ΔVdcを決定する。さらに、電圧実効値計算部641は、決定した降下直流電圧ΔVdcおよび瞬時直流電圧検出部621が出力する直流電圧Vdcに基づき、後述する計算式により電圧実効値Vacを算出する。
(瞬時電力p(t)の計算)
瞬時電力計算部62Aは、3相の瞬時電流Iu(t)、Iv(t)およびIw(t)と、PWM信号生成部7から出力されるPWM信号と、瞬時直流電圧検出部621が出力する直流電圧Vdcとに基づき、所定の時刻tにおける瞬時電力p(t)を計算する。
瞬時電力p(t)は、瞬時電流Iu(t)、Iv(t)、およびIw(t)と瞬時直流電圧検出部621から出力される直流電圧Vdcに基づき、以下の式で計算される。
以下の式で、記号”*”は乗算記号を、記号”/”は除算記号を、各々意味する。
p(t)=pu(t)+pv(t)+pw(t)
ここで、pu(t)、pv(t)およびpw(t)は、各々、U相、V相、およびW相の瞬時電力であり、下記の式により求められる。
pu(t)=Vdc*U相PWMデューティ比*Iu(t)
pv(t)=Vdc*V相PWMデューティ比*Iv(t)
pw(t)=Vdc*W相PWMデューティ比*Iw(t)
PWMデューティ比とは、PWM波形のデューティ比である。
瞬時電力p(t)の検出時刻は、図3に示す実施の形態1における検出時刻と同様に設定される。同期モータ4の機械的1回転(機械角度360°)の周期Tに対応する電気角度に亘り、所定の電気角度の検出ピッチで検出時刻t1〜tnを設定する。この機械的1回転の周期Tに対応する電気角度は同期モータ4の極数に依存する。図9と図2に示す検出周期格納部613は、ともに、瞬時電力p(t)を検出する電気角度のピッチを格納する。図9と図2に示す同期モータ極数格納部612は、ともに、同期モータ4の極数を格納する。
図9に示す検出電気角度設定部611は、同期モータ極数格納部612および検出周期格納部613から出力される情報に基づき、瞬時電流検出部61Aに対して、直流電流信号Iru/Irv/Irwの検出時刻t1〜tnを通知する。
(有効電力Pの計算)
有効電力計算部63は、瞬時電力計算部62Aから出力される瞬時電力p(t)の総和をで除算して有効電力Pを算出する。有効電力Pの計算式は、以下の式1Aとなる。
P=(p(t1)+p(t2)+ … +p(tn))/ … 式1A
ここで、式1Aは、実施の形態1における式1に対応する。
(同期モータ駆動装置の総合有効電力P_md2)
図8において、商用交流電源1から同期モータ駆動装置MD2へ供給される交流電圧および交流電流の実効値は、各々、VacおよびIacである。その交流電圧と交流電流との位相差を”θ”とすると、有効電力は、Vac*Iac*cos(θ)となる。ここで、同期モータ駆動装置MD2が消費する総合有効電力をP_mdとすると、両者の有効電力の値には、
Vac*Iac*cos(θ)=P_md2
という関係が成立する。
図8に示す同期モータ駆動装置MD2において、商用交流電源1からダイオードブリッジ等で構成されるコンバータ回路2へ供給される有効電力と、コンバータ回路2の出力電力とは、ほぼ等しいと考えられる。このコンバータ回路2の出力電力は、主に、インバータ回路3で駆動される同期モータ4で消費される。この同期モータ4の有効電力は、図9に示す有効電力計算部63が出力する有効電力Pとして求められる。同期モータ4の有効電力Pの計算式は、実施の形態1と同様に、式1Aに示す通りである。
さらに、コンバータ回路2の出力電力は、上記同期モータ4の有効電力Pに加えて、インバータ回路3を制御するマイクロコンピュータA3の熱損失に起因する消費電力が無視できない場合もある。インバータ回路3のチョッピング動作を制御するIPM(マイクロコンピュータA3)の熱損失分の電力をP_ipm3とする。このP_ipm3は、インバータ回路3が駆動する同期モータ4の有効電力Pに比例する。その比例定数をk1とすると、以下の関係が成立する。
P_ipm3=k1*P
なお、比例定数k1は実験等により得られる値であり、マイクロコンピュータA3に格納される。
以上から、同期モータ駆動装置MD3が消費する総合有効電力P_md3は、同期モータ4の有効電力PおよびIPMの熱損失分の電力P_ipm3の和となる。以下に、商用交流電源1からコンバータ回路2へ供給される有効電力と同期モータ駆動装置MD3で消費される総合有効電力P_md3との関係を示す。
Vac*Iac*cos(θ)=P_md3 … 式2A
P_md1=P+P_ipm3=(1+k1)*P … 式3A
ここで、式2Aおよび式3Aは、実施の形態1における式2および式3に対応する。
式1A、式2Aおよび式3Aから、交流電流の実効値Iac、同期モータ4の有効電力P、交流電圧の実効値Vac、および力率cos(θ)は、以下の式4Aの関係を有する。
Iac=(1+k1)*P/(Vac*cos(θ)) … 式4A
ここで、式4Aは、実施の形態1における式4に対応する。
(交流電圧の実効値Vacの計算)
以下に、交流電圧の実効値Vacと力率cos(θ)の算出方法を説明する。
図8に示す商用交流電源1の入力電圧実効値Vacの計算方法について説明する。同期モータ4の回転速度が上昇するに従いコンバータ回路2の出力電流が増加するため、コンバータ回路2の直流電圧Vdcは低下する。実施の形態1と同様に、その直流電圧Vdcの降下分を降下直流電圧ΔVdcとする。
図12(a)に示すコンバータ回路2が有効電力Pを出力している場合、電圧実効値Vac、直流電圧Vdcおよび降下直流電圧ΔVdcとは以下の関係を有する。
Vac=(Vdc−ΔVdc)/√2
=(Vdc+abs(ΔVdc))/√2 … 式5A
ここで、√2は2の平方根、abs(ΔVdc)はΔVdcの絶対値である。
コンバータ回路2が図12(b)に示す倍電圧回路の場合、電圧実効値Vac、直流電圧Vdcおよび降下直流電圧ΔVdcとは以下の関係を有する。
Vac=(Vdc−ΔVdc)/2/√2
=(Vdc+abs(ΔVdc))/2/√2 … 式51A
コンバータ回路2の回路構成に基づき、いずれか一方の式が選択される。ここで、式5Aおよび式51Aは、実施の形態1における式5および式51に各々対応する。
実施の形態1と同様に、図11に示す6本のグラフを商用交流電源1の各周波数別に、有効電力Pと降下直流電圧ΔVdcのデータテーブルとしてマイクロコンピュータAに格納しておき、有効電力Pおよび入力交流電圧の周波数を指定することにより、降下直流電圧ΔVdcを求めることが出来る。
以上の構成により、同期モータ4の運転期間中における商用交流電源1の電圧実効値Vacの検出が可能となる。また、運転期間中に交流電圧に変動があった場合でも、その電圧実効値Vacを検出することができる。
実施の形態1と同様に、マイクロコンピュータA3に格納した図4または図5に示すテーブルに基づき、入力交流電圧と入力交流電流の力率cos(θ)を求める。
(推定電流実効値Iac_estの計算)
図9を参照して、入力電流計算部64による推定電流実効値Iac_estの計算方法を説明する。
入力電流計算部64は、有効電力計算部63から出力される同期モータ4の有効電力Pに基づき、商用交流電源1から供給される入力交流電流の実効値Iacを推定し、推定電流実効値Iac_estとして出力する。
この推定電流実効値Iac_estの計算には、電圧実効値計算部641が出力する電圧実効値Vac、力率テーブル642に格納される力率の値、および比例定数格納部643に格納される比例定数k1が各々引用される。推定電流実効値Iac_estの計算式は、以下の通りとなる。
Iac_est=(1+k1)*P/(Vac*cos(θ))
この推定電流実効値Iac_estの計算式は、上記の式4Aに対応する。
PWM信号生成部7は、入力された推定電流実効値Iac_estが所定の値を越えた場合、インバータ回路3へ出力するPWM信号のデューティーを変更し、同期モータ4の回転数を低下させる。この回転数制御により、同期モータ駆動装置MD2は、冷凍・空調装置の連続運転を維持することができる。
以上のように、実施の形態2の同期モータ駆動装置MD2は、IPMとして動作するマイクロコンピュータA3が備える汎用演算処理機能を使用することにより、複雑な構成の回路部品を追加することなく、冷凍サイクルを有する機器の連続運転を維持することができる。また、IPMの熱損失分の電力も同期モータ駆動装置MD2の有効電力に加えることにより、より正確に入力電流実効値を推定することができる。
<実施の形態の変形例>
図10を参照して、本発明の各実施の形態に共通な変形例を説明する。
図10に示すマイクロコンピュータAは、各実施の形態が有する電流検出回路5、51、52、53をマイクロコンピュータAの内部に電流検出回路5Aとして取り込んだ構成を有する。電流検出回路は、電流検出抵抗に流れる電流により発生する電圧を、その電流値に変換する機能を有する。電圧−電流変換回路である電流検出回路5Aを、マイクロコンピュータに内蔵される演算増幅器で構成した。
図10に示すマイクロコンピュータAに含まれる他の回路、即ち、入力電流推定部6およびPWM信号生成部7の構成や動作は、他の実施の形態に係るものと同一であり、説明は省略する。
以上のように、本発明の各実施の形態に共通な変形例の同期モータ駆動装置は、電流検出回路をマイクロコンピュータに内蔵させた。これにより、同期モータ駆動装置を、より一層小型かつ安価に提供することができる。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 商用交流電源、2 コンバータ回路、3,31,32 インバータ回路、4,41,42 同期モータ、5,51,52,53 電流検出回路、R1,R11,R21,Ru,Rv,Rw 電流検出抵抗、Rdc1,Rdc2 抵抗、Vdc_sig1,Vdc_sig11,Vdc_sig2 直流電圧モニタ信号、A1,A21,A3 マイクロコンピュータ、Iac 電流実効値、Vac 電圧実効値、PL1,PL11 正極直流ライン、PL2,PL22 負極直流ライン、MD1,MD11,MD2 同期モータ駆動装置、Idc_sig,Idc1_sig,Idc2_sig 直流電流モニタ信号、6,6M,6FM,6A 入力電流推定部、Iac_est,Iac1_est,Iac2_est 推定電流実効値、L コイル、DB ダイオードブリッジ、C,C1,C2 キャパシタ。

Claims (7)

  1. 交流電力を直流電圧に変換して出力するコンバータ回路と、
    前記直流電圧をPWM信号に基づき3相交流電流に変換し、同期モータへ出力するインバータ回路と、
    前記PWM信号を出力するマイクロコンピュータとを備え、
    前記マイクロコンピュータは、
    前記PWM信号を生成するPWM信号生成部と、
    前記同期モータの回転部が360度のn分の1の機械角度だけ回転する毎に前記直流電圧と前記インバータ回路の電源電流に基づき瞬時電力を算出し、算出したn個の瞬時電力を平均して前記同期モータの有効電力を算出する有効電力計算部と、
    前記直流電圧および前記同期モータの有効電力に対する前記直流電圧の変化量に基づき前記交流電力の電圧実効値を算出する電圧実効値計算部と、
    前記同期モータの有効電力または回転速度に基づき前記交流電力の力率を算出する手段と、
    前記同期モータの有効電力、前記電圧実効値および前記力率に基づき前記交流電力の電流実効値を推定する入力電流計算部とを有し、nは2以上の整数である、同期モータ駆動装置。
  2. 前記マイクロコンピュータは、
    前記直流電圧に基づき直流電圧モニタ信号を生成する直流電圧モニタ回路と、
    前記直流電圧モニタ信号に基づき前記直流電圧を検出する直流電圧検出部と、をさらに有する請求項1記載の同期モータ駆動装置。
  3. 前記マイクロコンピュータは、
    前記同期モータの有効電力に対する前記直流電圧の変化量の関係を格納する手段をさらに有する、請求項1または請求項2記載の同期モータ駆動装置。
  4. 前記マイクロコンピュータは、
    記直流電圧のリプル周期を検出する手段をさらに有し、
    前記電圧実効値計算部は、前記直流電圧のリプル周期および前記直流電圧の変化量に基づき前記交流電力の電圧実効値を算出する、請求項1ないし請求項3いずれか記載の同期モータ駆動装置。
  5. 前記マイクロコンピュータは、
    前記同期モータの有効電力に対する前記マイクロコンピュータの消費電力の比例定数を保持する比例定数格納部をさらに有し、
    前記入力電流計算部は、前記同期モータの有効電力に前記比例定数を乗算した値を前記同期モータの有効電力に加算した値を総合有効電力とし、その総合有効電力、前記電圧実効値および前記力率に基づき前記交流電力の電流実効値を推定する、請求項1ないし請求項4いずれか記載の同期モータ駆動装置。
  6. 前記PWM信号生成部は、前記入力電流計算部の出力が所定の値を超えた場合、前記同期モータの回転数を低下させる、請求項1ないし請求項5いずれか記載の同期モータ駆動装置。
  7. 交流電力を直流電圧に変換して出力するコンバータ回路と、
    前記直流電圧を第1のPWM信号に基づき3相交流電流に変換し、第1の同期モータへ出力する第1のインバータ回路と、
    前記直流電圧を第2のPWM信号に基づき3相交流電流に変換し、第2の同期モータへ出力する第2のインバータ回路と、
    前記第1のPWM信号および前記第2のPWM信号を出力するマイクロコンピュータとを備え、
    前記マイクロコンピュータは、
    前記第1のPWM信号を生成する第1のPWM信号生成部と、
    前記第2のPWM信号を生成する第2のPWM信号生成部と、
    前記第1の同期モータの回転部が360度のn分の1の機械角度だけ回転する毎に前記直流電圧と前記第1のインバータ回路の電源電流に基づき瞬時電力を算出し、算出したn個の瞬時電力を平均して前記第1の同期モータの有効電力を算出する第1の有効電力計算部と、
    前記第2の同期モータの回転部が360度のm分の1の機械角度だけ回転する毎に前記直流電圧と前記第2のインバータ回路の電源電流に基づき瞬時電力を算出し、算出したm個の瞬時電力を平均して前記第2の同期モータの有効電力を算出する第2の有効電力計算部と、
    前記直流電圧および前記第1の同期モータの有効電力と前記第2の同期モータの有効電力を加算した同期モータの有効電力に対する前記直流電圧との変化量とに基づき前記交流電力の電圧実効値を算出する電圧実効値計算部と、
    前記第1の同期モータおよび前記第2の同期モータの有効電力または回転速度に基づき、前記交流電力の力率を算出する手段と、
    前記第1の同期モータの有効電力、前記電圧実効値および前記力率に基づき前記交流電力の第1の推定電流実効値を求めるとともに、前記第2の同期モータの有効電力、前記電圧実効値および前記力率に基づき前記交流電力の第2の推定電流実効値を求め、前記第1および第2の推定電流実効値を加算して前記交流電力の電流実効値を求める入力電流計算部とを有し、n,mの各々は2以上の整数である、同期モータ駆動装置。
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