JP5906647B2 - 測定セル及び透過光式品質測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、測定対象物を収容する測定セル及びそれを備えた透過光式品質測定装置に関するものである。
測定対象物の品質測定装置として、光源から測定対象物に照射した光の透過光を回折格子で分光し、必要とする波長の分光をラインセンサにより測定し、ラインセンサにより測定した測定値を信号処理・制御装置により演算処理及び波形分析するとともに検量線を用いて演算処理する透過光式品質測定装置がある(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。
このような透過光式品質測定装置を用いて、粉体若しくは粒体又はペースト状、ゲル状若しくはゾル状等である非定形状の測定対象物(試料)の品質測定を行う際には、前記非定形状の測定対象物を収容する測定セルとして、円形又は四角形の断面形状を有するガラス又はプラスチック製のキュベット(例えば、特許文献3参照。)が広く用いられている。
特開平6−213804号公報 特開平7−229840号公報 特表2001−514755号公報
前記非定形状の測定対象物をキュベットに収容して透過光測定を行う場合、キュベットに収容する測定対象物が流動性の低い物質であると、測定対象物をキュベットに挿入する際に測定対象物の内部に気泡が入ったり、光路内の測定対象物とキュベットとの間に空間ができてしまうことがあり、このような状態では、透過光の測定を正確に行うことができない。
その上、測定対象物が流動性の低い物質である場合には、キュベットの洗浄が非常に困難である。
また、キュベットに収容する測定対象物が粉体又は粒体等であると、そのつまり密度により透過光量が変動することから、透過光の測定を正確に行うことができない。
よって、キュベットに収容した粉体又は粒体等である測定対象物に対して一定の振動を与えることにより前記測定対象物を一定のつまり密度にしてから測定を行う必要があること等、作業性が悪くなる。
そこで、本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、粉体若しくは粒体又はペースト状、ゲル状若しくはゾル状等である非定形状の測定対象物を測定セルに収容して前記測定対象物の内部品質を透過光式品質測定装置により測定する際に、測定精度が高く、測定セルの洗浄を比較的容易に行うことができるとともに、測定の作業性が高い測定セル及び透過光式品質測定装置を提供する点にある。
本発明に係る測定セルは、前記課題解決のために、粉体若しくは粒体又はペースト状、ゲル状若しくはゾル状等である非定形状の測定対象物の内部品質を測定する透過光式品質測定装置に用いられる測定セルであって、前記非定形状の測定対象物を収容する、水平底板及び上面開口を有する本体と、前記上面開口を覆うように前記本体に装着される、水平板部を有する蓋体とを備え、前記測定対象物を前記本体の収容空間に入れて前記本体に前記蓋体を装着すると、前記収容空間が密閉されるとともに、前記蓋体により押圧された前記測定対象物が前記収容空間内を移動し、前記本体の水平底板上面と前記蓋体の水平板部下面との間が所定の光路長となるように、前記本体と前記蓋体とが位置決めされることを特徴とする。
また、前記本体が、水平底板及び上方に行くにしたがって外方に傾斜するテーパ状の側板を有するものであり、前記蓋体が、水平板部及び上方に行くにしたがって外方に傾斜するテーパ状の側板を有するものであるのが好ましい。
このような構成によれば、本体に蓋体を装着すると、本体の水平底板上面と蓋体の水平板部下面との間が所定の光路長となるように位置決めされるため、測定対象物の透過率に応じて最適な透過光強度が得られる光路長となるように本体と蓋体とを組み合わせて使用することにより、測定精度を向上することができる。
その上、本体及び蓋体を上下方向に位置決めして本体の水平底板及び蓋体の水平板部により前記非定形状の測定対象物を挟むようにして、その間を光路長とする構成であり、本体及び蓋体の側板には光が照射されないことから、本体及び蓋体の側板を上方に行くにしたがって外方に傾斜するテーパ状にすることができるため、このような形状にすることにより測定セルの洗浄を比較的容易に行うことができる。
その上さらに、本体及び蓋体の側板を上方に行くにしたがって外方に傾斜するテーパ状にすることにより、抜き勾配を確保することができることから、測定セルを合成樹脂の射出成形等の量産に適した製造方法により製造することができるので、低コスト化を図ることができるため、測定セルの洗浄が困難又は非常に手間が掛かる測定対象物である場合に、測定セルを使い捨てにして作業性を向上することができる。
ここで、前記蓋体に、下方へ突出して下端に水平板部を有する凸部を形成し、前記本体に前記蓋体を装着した状態で前記本体の側板と前記凸部の側板とが水平方向に離間しており、前記凸部の水平板部下面により前記非定形状の測定対象物を押圧するとともに、前記本体の水平底板上面と前記蓋体の凸部の水平板部下面との間が所定の光路長となると好ましい。
このような構成によれば、本体及び蓋体を相対位置決めした状態で蓋体の凸部の水平板部下面により測定対象物が押圧することができることから、測定対象物が流動性の低い物質である場合に、測定対象物の内部に気泡が入ったり、光路内の測定対象物と測定セルとの間に空間ができてしまうことがなくなるため、測定精度が高くなる。
その上、蓋体の凸部の水平板部下面により測定対象物が押圧されることから、測定対象物が粉体又は粒体等である場合に、つまり密度を略一定にすることができるため、測定精度が高くなる。
その上さらに、本体に蓋体を装着することにより粉体又は粒体等である測定対象物のつまり密度を略一定にすることができるため、粉体又は粒体等である測定対象物に対して一定の振動を与えることにより前記測定対象物を一定のつまり密度にしてから測定を行う構成と比較して、作業性を良くすることができる。
また、前記蓋体の光が照射される水平板部の外方下面に凹部を形成し、前記蓋体の水平板部下面により前記非定形状の測定対象物を押圧するとともに、前記本体の水平底板上面と前記蓋体の水平板部下面との間が所定の光路長となると好ましい。
このような構成によれば、蓋体の水平板部下面により測定対象物を押圧して前記水平板部の外方下面の凹部内に一部の測定対象物を逃がし、この状態で本体及び蓋体を相対位置決めすることができることから、蓋体の水平板部下面による測定対象物の押圧により、測定対象物が流動性の低い物質である場合に、測定対象物の内部に気泡が入ったり、光路内の測定対象物と測定セルとの間に空間ができてしまうことがなくなるため、測定精度が高くなる。
その上、蓋体の水平板部下面により測定対象物が押圧されることから、測定対象物が粉体又は粒体等である場合に、つまり密度を略一定にすることができるため、測定精度が高くなる。
その上さらに、本体に蓋体を装着することにより粉体又は粒体等である測定対象物のつまり密度を略一定にすることができるため、粉体又は粒体等である測定対象物に対して一定の振動を与えることにより前記測定対象物を一定のつまり密度にしてから測定を行う構成と比較して、作業性を良くすることができる。
さらに、前記蓋体の光が照射される箇所の周囲内を透明にし、それ以外の部分を、測定波長域の光を遮断する色にしてなると好ましい。
このような構成によれば、蓋体の光が照射される箇所の周囲内からのみ測定対象物に光が照射されることから、測定の再現性をより向上することができるため、さらに測定精度が高くなる。
さらにまた、前記本体及び蓋体の上端部に外方へ水平に延びる鍔部を形成し、前記本体に前記蓋体を装着した状態で、前記本体の鍔部の上面に前記蓋体の鍔部の下面が当接すると好ましい。
このような構成によれば、本体の鍔部の上面に蓋体の鍔部の下面が当接することから、これらの鍔部同士を接着することにより容易に密閉することができるため、測定対象物の漏れを防止することができるとともに、測定対象物の乾燥による水分の変動を抑制することができる。
本発明に係る透過光式品質測定装置は、前記測定セルと、前記測定セルを保持して装置本体内へ収容又は装置本体内から取り出し可能な抽斗状のトレーと、前記トレーにより前記測定セルを前記装置本体内へ収容した状態で、前記測定セルの本体の水平底板上面と前記測定セルの蓋体の水平板部下面との間の前記非定形状の測定対象物に対して上下方向に光を照射する投光手段と、前記測定対象物からの透過光を受光する受光手段と、前記透過光を分光分析する分光分析手段とを備えたものである。
このような構成によれば、前記測定セルと同様の作用効果を奏するとともに、前記測定セルを抽斗状のトレーにより保持して装置本体内へ容易に収容することができ、このように前記測定セルを装置本体内へ収容した状態で、投光手段により測定対象物に対して上下方向に光を照射して受光手段により測定対象物からの透過光を受光し、この透過光を分光分析手段で分光分析することにより、測定対象物の内部品質を測定することができ、測定終了後には抽斗状のトレーを引き出すことにより前記測定セルを容易に取り出すことができるため、作業性を向上することができる。
以上のように、本発明に係る測定セル及び透過光式品質測定装置によれば、(ア)本体に蓋体を装着すると、本体の水平底板上面と蓋体の水平板部の下面との間が所定の光路長となるように位置決めされるため、測定対象物の透過率に応じて最適な透過光強度が得られる光路長となるように本体と蓋体とを組み合わせて使用することにより、測定精度を向上することができること、(イ)本体及び蓋体の側板を上方に行くにしたがって外方に傾斜するテーパ状にすることができるため、このような形状にすることにより測定セルの洗浄を比較的容易に行うことができること、(ウ)本体及び蓋体の側板を上方に行くにしたがって外方に傾斜するテーパ状にすることにより、測定セルを合成樹脂の射出成形等の量産に適した製造方法により製造することができることから、低コスト化を図ることができるため、測定セルの洗浄が困難又は非常に手間が掛かる測定対象物である場合に、測定セルを使い捨てにして作業性を向上することができること、(エ)本体に蓋体を装着することにより蓋体の水平板部下面で測定対象物が押圧されることから、測定対象物が流動性の低い物質である場合に気泡等の発生を抑制することができるため、測定精度が高くなること、(オ)本体に蓋体を装着することにより蓋体の水平板部下面で測定対象物が押圧されることから、測定対象物が粉体又は粒体等である場合につまり密度を略一定にすることができるため、測定精度が高くなるとともに作業性が良くなること、等の顕著な効果を奏する。
本発明の実施の形態に係る透過光式品質測定装置の外観を示す斜視図である。 同じく正面図であり、内部の投光手段及び受光手段を破線で示している。 測定セルを収容するトレーを示しており、(a)は平面図、(b)は縦断正面図、(c)は斜視図である。 測定セルの本体を示しており、(a)は平面図、(b)は(a)の矢視X1−X1断面図、(c)は斜視図である。 測定セルの蓋体を示しており、(a)は平面図、(b)は(a)の矢視X2−X2断面図、(c)は斜視図である。 測定セルの使用方法を示す縦断正面図であり、(a)は本体内に非定形状の測定対象物を収容した状態を、(b)は本体に蓋体を装着した状態を示している。 図6(b)の測定セルをトレーに装着して透過光式品質測定装置にセットした状態を示す縦断正面図である。 蓋体のバリエーションを示す縦断正面図であり、(a)は図6(b)よりも光路長を長くした例を、(b)は(a)よりもさらに光路長を長くした例を、(c)は(b)よりもさらに光路長を長くした例を示している。 図8(c)の蓋体を示しており、(a)は平面図、(b)は(a)の矢視X3−X3断面図、(c)は斜視図である。 蓋体の底板以外の部分を測定波長域の光を遮断する色とした例を示しており、(a)は平面図、(b)は(a)の矢視X4−X4断面図である。 蓋体の上端部に外方へ水平に延びる鍔部を形成し、この鍔部を本体の鍔部の上面に重ねる構成例を示す縦断正面図である。 本体に蓋体を装着する際に、非定形状の測定対象物を擦り切って密閉する構成例を示しており、(a)は縦断側面図、(b)は斜視図である。
次に本発明の実施の形態を添付図面に基づき詳細に説明するが、本発明は、添付図面に示された形態に限定されず特許請求の範囲に記載の要件を満たす実施形態の全てを含むものである。
図1の斜視図及び図2の正面図に示すように、本発明の実施の形態に係る透過光式品質測定装置1は、持ち運びが容易な小形軽量のものであり、測定対象物を収容した後述する測定セルを抽斗状のトレー2により保持して装置本体内へ収容した状態で、操作部7により所要の操作を行い、測定対象物の上方に位置する投光手段9により下方へ光(例えば近赤外光)Lを照射し、測定対象物の下方に位置する受光手段10により透過光を受光し、この透過光を図示しない分光分析手段により分光分析することにより測定対象物の内部品質を測定することができ、測定結果は表示部8に表示される。
ここで、分光分析手段は、例えば、受光手段10により受光した測定対象物からの透過光を分光処理する分光器、必要とする波長の分光を測定するラインセンサ、該測定値を演算処理及び波形分析するとともに検量線を用いて演算処理する信号処理・制御装置等からなる。
図3(a)の平面図、図3(b)の縦断正面図及び図3(c)の斜視図に示すように、トレー2は収容部3及び摘み部4からなる、例えばポリプロピレン、ナイロン又はABS等の不透明合成樹脂製であり、摘み部4を持ちながら、図1の透過光式品質測定装置1の装置本体に対してスライドさせて取り出すことができるとともに、前記装置本体内へ収容することができる抽斗状のものである。
トレー2の収容部3は有底で上面開口を有する箱状のものであり、収容部3の上端部には段部5が、収容部3の底板及び側板にはそれぞれ通孔6A及び通孔6B,6Bが形成される。
図4(a)の平面図、図4(b)の縦断正面図及び図4(c)の斜視図に示すように、測定セル11の本体12は、略矩形状の水平底板及びその外周部から立起する側板により形成され、上面開口を有するカップ状のものであり、側板は上方に行くにしたがって外方に傾斜するテーパ状であり、側板内方の四隅には上面が水平に形成された段部14,14,…が設けられ、側板の上端部は外方に折曲され、水平に延びる鍔部15が形成される。
また、図5(a)の平面図、図5(b)の縦断正面図及び図5(c)の斜視図に示すように、測定セル11の蓋体13は、外周が略矩形状の水平板部及びその外周部から立起する側板により形成された蓋部16と、蓋部16の水平板部に繋がり、下方へ突出する側板及びその下端縁に繋がる水平板部により形成された凸部17とからなり、蓋部16の側板及び凸部17の側板は、上方に行くにしたがって外方に傾斜するテーパ状である。
ここで、本体12及び蓋体13は、例えば透明ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート若しくはポリカーボネート等の透明合成樹脂製又は透明ガラス製である。
次に、測定セルの使用方法について説明する。
先ず、図6(a)の縦断正面図に示すように、測定セル11の有底で上面開口を有する本体12に、食品、農産物、化粧品又は化学薬品等である粉体若しくは粒体又はペースト状、ゲル状若しくはゾル状等である非定形状の測定対象物Aを入れる。
本体12に収容する測定対象物Aの量は、厳密な量にする必要はなく、蓋体13を本体12に装着した際に凸部17の水平板部下面17Aにより押圧される程度の量とする。
このように本体12内に測定対象物Aを入れた後、図6(a)の矢印のように蓋体13を本体12に装着すると、図6(b)の縦断正面図に示すように、本体12の側板の内側面12Bに蓋体13の蓋部16の側板の外側面16Bが当接して水平方向の相対位置決めがされるとともに、本体12の段部14,14,…の上面に蓋部16の水平板部下面16Aが当接して上下方向の相対位置決めがされた状態となり、測定対象物Aは凸部17の水平板部下面17Aにより押圧され、本体12の水平底板上面12Cと蓋体13の凸部17の水平板部下面17Aとの間が所定の光路長H1となる。
このように測定セル11内に測定対象物Aを収容した状態で、図7の縦断面図に示すようにトレー2の収容部3に測定セル11を収容する。この状態では、収容部3の底板に測定セル11の本体12の底板が接触するとともに、収容部3の段部5の上面に本体12の上端部の鍔部15の下面15Aが接触して収容部3の上端部と本体2の上端部とが係合するため、トレー2に対して測定セル11は相対位置決めされる。
したがって、このように測定セル11を保持したトレー2を透過光式品質測定装置1の装置本体に収容した状態として、図2及び図7に示すように投光手段9から光Lを照射して受光手段10により透過光を受光することにより、上述の分光分析により測定対象物Aの内部品質を測定する。
図6(b)のように所定の光路長H1となるように組み合わせて用いられる本体12及び蓋体13に対して、図8(a)〜図8(c)の例に示す光路長H2,H3,H4のように所定の光路長を容易に変えることができる。
すなわち、図8(a)及び図8(b)は、蓋体13の凸部17の突出量を変えることにより所定の光路長H2,H3とした例を、図8(c)は凸部17を無くして所定の光路長H4とした例を示している。
ここで、図8(c)の測定セル11の蓋体13は、図9(a)の平面図、図9(b)の縦断面図及び図9(c)の斜視図にも示すように、蓋体13の光が照射される水平板部の外方下面に凹部18,18が形成されており、図8(c)の測定セル11では、蓋体13の水平板部下面16Aにより測定対象物Aを押圧するとともに凹部18,18内に一部の測定対象物Aを逃がしており、この状態で本体12と蓋体13とが相対位置決めされ、本体12の水平底板上面12Cと蓋体13の水平板部下面16Aとの間が所定の光路長H4となっている。
以上のような構成の測定セル11によれば、本体12に蓋体13を装着すると、本体12の水平底板上面12Cと蓋体13の水平板部下面17A,16Aとの間が所定の光路長(例えば、H1,H2,H3,H4)となるように位置決めされるため、測定対象物Aの透過率に応じて最適な透過光強度が得られる光路長となるように本体12と蓋体13とを組み合わせて使用することにより、測定精度を向上することができる。
また、本体12及び蓋体13を上下方向に位置決めして本体12の水平底板及び蓋体の水平板部により測定対象物Aを挟むようにして、その間を光路長とする構成であり、本体12及び蓋体13の側板には光が照射されないことから、本体12及び蓋体13の側板を上方に行くにしたがって外方に傾斜するテーパ状にすることができるため、このような形状にすることにより測定セル11(本体12及び蓋体13)の洗浄を比較的容易に行うことができる。
さらに、本体12及び蓋体13の側板を上方に行くにしたがって外方に傾斜するテーパ状にすることにより、抜き勾配を確保することができることから、測定セル11を合成樹脂の射出成形等の量産に適した製造方法により製造することができるので、低コスト化を図ることができるため、測定セル11の洗浄が困難又は非常に手間が掛かる測定対象物である場合に、測定セル11を使い捨てにして作業性を向上することができる。
さらにまた、本体12及び蓋体13を相対位置決めした状態で、図6(b)、図8(a)及び(b)のように蓋体13の凸部17の水平板部下面17Aにより、又は、図8(c)のように蓋体13の水平板部下面16Aにより測定対象物Aが押圧することができることから、測定対象物Aが流動性の低い物質である場合に、測定対象物Aの内部に気泡が入ったり、光路内の測定対象物Aと測定セルとの間に空間ができてしまうことがなくなるため、測定精度が高くなる。
また、蓋体13の凸部17の水平板部下面17A又は水平板部下面16Aにより測定対象物Aが押圧されることから、測定対象物Aが粉体又は粒体等である場合に、つまり密度を略一定にすることができるため、測定精度が高くなる。
さらに、本体12に蓋体13を装着することにより粉体又は粒体等である測定対象物Aのつまり密度を略一定にすることができるため、粉体又は粒体等である測定対象物Aに対して一定の振動を与えることにより前記測定対象物Aを一定のつまり密度にしてから測定を行う構成と比較して、作業性を良くすることができる。
さらにまた、図10(a)の平面図及び図10(b)の縦断正面図に示すように、蓋体13の光L(図7参照。)が照射される箇所の周囲内(図10の例では、凸部17の水平板部(底板))を透明にし、それ以外の部分を、塗料の塗布や材質を変えること等により測定波長域の光を遮断する色Bにしてもよい。
このようにすることにより、蓋体13の光が照射される箇所の周囲内からのみ測定対象物Aに光が照射されることから、測定の再現性をより向上することができるため、さらに測定精度が高くなる。
また、図11の縦断正面図に示すように、蓋体13(蓋部16)の上端部に外方へ水平に延びる鍔部19を形成し、本体12に蓋体13を装着した状態で、本体12の鍔部15の上面に蓋体13の鍔部19の下面が当接するように構成してもよい。
このような構成によれば、本体12の鍔部15の上面に蓋体13の鍔部19の下面が当接することから、これらの鍔部15,19同士を接着することにより容易に密閉することができるため、測定対象物Aの漏れを防止することができるとともに、測定対象物Aの乾燥による水分の変動を抑制することができる。
なお、鍔部15,19同士の接着は、本体12及び蓋体13を熱可塑性材料で製作して熱溶着又は超音波溶着等により接着してもよいし、接着剤により接着してもよい。
以上の説明においては、図6(a)のように本体12の上方から蓋体13を装着する構成を示したが、図12(a)の縦断側面図及び図12(b)の斜視図に示すように、カップ状の本体12Aの上端部に段部14Aを形成し、本体12Aの上端部の一側辺から、略矩形状の蓋体13Aの水平板部下面13Bをスライドさせながら装着する構成としてもよい。
このような構成によれば、本体12Aに例えば粉体若しくは粒体である非定形状の測定対象物Aを山盛りにしておき、図12(b)の矢印Cのように蓋体13Aをスライドさせて測定対象物Aを擦り切りながら、本体12Aに蓋体13Aを装着することができ、この例では、本体12Aの水平底板上面12Cと蓋体13Aの水平板部下面13Bとの間が所定の光路長になる。
A 測定対象物
B 測定波長域の光を遮断する色
L 投射光
H1,H2,H3,H4 光路長
1 透過光式品質測定装置
2 トレー
3 収容部
4 摘み部
5 段部
6A,6B 通孔
7 操作部
8 表示部
9 投光手段
10 受光手段
11 測定セル
12,12A 本体
12B 内側面
12C 水平底板上面
13,13A 蓋体
13B 水平板部下面
14,14A 段部
15 鍔部
15A 下面
16 蓋部
16A 水平板部下面
16B 外側面
17 凸部
17A 水平板部下面
18 凹部
19 鍔部

Claims (7)

  1. 粉体若しくは粒体又はペースト状、ゲル状若しくはゾル状等である非定形状の測定対象物の内部品質を測定する透過光式品質測定装置に用いられる測定セルであって、
    前記非定形状の測定対象物を収容する、水平底板及び上面開口を有する本体と、
    前記上面開口を覆うように前記本体に装着される、水平板部を有する蓋体とを備え、
    前記測定対象物を前記本体の収容空間に入れて前記本体に前記蓋体を装着すると、前記収容空間が密閉されるとともに、前記蓋体により押圧された前記測定対象物が前記収容空間内を移動し、前記本体の水平底板上面と前記蓋体の水平板部下面との間が所定の光路長となるように、前記本体と前記蓋体とが位置決めされることを特徴とする測定セル。
  2. 前記本体が、水平底板及び上方に行くにしたがって外方に傾斜するテーパ状の側板を有するものであり、
    前記蓋体が、水平板部及び上方に行くにしたがって外方に傾斜するテーパ状の側板を有するものである請求項1記載の測定セル。
  3. 前記蓋体に、下方へ突出して下端に水平板部を有する凸部を形成し、
    前記本体に前記蓋体を装着した状態で前記本体の側板と前記凸部の側板とが水平方向に離間しており、
    前記凸部の水平板部下面により前記非定形状の測定対象物を押圧するとともに、前記本体の水平底板上面と前記蓋体の凸部の水平板部下面との間が所定の光路長となる請求項記載の測定セル。
  4. 前記蓋体の光が照射される水平板部の外方下面に凹部を形成し、前記蓋体の水平板部下面により前記非定形状の測定対象物を押圧するとともに、前記本体の水平底板上面と前記蓋体の水平板部下面との間が所定の光路長となる請求項1記載の測定セル。
  5. 前記蓋体の光が照射される箇所の周囲内を透明にし、それ以外の部分を、測定波長域の光を遮断する色にしてなる請求項1〜の何れか1項に記載の測定セル。
  6. 前記本体及び蓋体の上端部に外方へ水平に延びる鍔部を形成し、前記本体に前記蓋体を装着した状態で、前記本体の鍔部の上面に前記蓋体の鍔部の下面が当接する請求項1〜の何れか1項に記載の測定セル。
  7. 請求項1〜の何れか1項に記載の測定セルと、
    前記測定セルを保持して装置本体内へ収容又は装置本体内から取り出し可能な抽斗状のトレーと、
    前記トレーにより前記測定セルを前記装置本体内へ収容した状態で、前記測定セルの本体の水平底板上面と前記測定セルの蓋体の水平板部下面との間の前記非定形状の測定対象物に対して上下方向に光を照射する投光手段と、
    前記測定対象物からの透過光を受光する受光手段と、
    前記透過光を分光分析する分光分析手段と、
    を備えた透過光式品質測定装置。
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