JP6091306B2 - 表面プラズモン共鳴センサチップ固定ホルダ - Google Patents

表面プラズモン共鳴センサチップ固定ホルダ Download PDF

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Description

本発明は、表面プラズモン共鳴を利用した生体分子の検出・分析に用いられる表面プラズモン共鳴センサチップが固定される表面プラズモン共鳴センサチップ固定ホルダに関する。
従来から、表面プラズモン共鳴(SPR:Surface Plasmon Resonance)を利用した生体分子の検出・分析が行われている。表面プラズモン共鳴とは、プリズムまたは回折格子の上に金属膜が形成されたセンサチップに対して所定の入射角で光(励起光)を照射することにより、プリズム表面での全反射または回折格子による光の回折によって発生するエバネッセント波(光波)が、金属膜表面で発生する表面プラズモンと共鳴する現象である。この表面プラズモン共鳴により増強された電場によって、センサチップ上の生体分子を標識する蛍光色素を励起させて蛍光を発生させ、その蛍光を検出することで生体分子の検出・分析を行う表面プラズモン増強蛍光測定法(例えば特許文献1参照)や、表面プラズモン共鳴に起因して減光する反射光の屈折率の変化を測定することでセンサチップ上の分子間の相互作用を調べる表面プラズモン共鳴測定法が知られている。
このような表面プラズモン共鳴を利用した生体分子の検出・分析を行う際に、センサチップ上に液体の試料を滴下する場合、センサチップ上に試料を一時的に保持させる必要がある。そこで、従来では、例えば図11に示すように、センサチップ90の表面のセンサ領域90aを挟んだ位置に、両面テープなどの接着材91を設けて、この接着材91にカバーガラス92を接着する。そして、センサチップ90とカバーガラス92との隙間に、ピペット93を用いて試料を注入してこの隙間に試料を保持させていた。
特開2011−226925号公報
しかしながら、センサチップ90の表面に接着材91によってカバーガラス92を接着する作業は手作業で行われるため作業性が悪い。また、センサチップ90とカバーガラス92との隙間の容積は、接着材91の厚みと、2つの接着材91の離間距離とに依存しているため、接着作業を手作業で行う場合、隙間の容積を一定にすることが難しい。隙間の容積が小さすぎて、試料の量が不十分な場合、精度の高い測定を行うことができない。逆に、隙間の容積が大きすぎると、使用する試料の量が多くなるため、希少サンプルを使用する場合に問題となる。
本発明は、上記の問題を鑑みてなされたものであり、センサチップ上に液体の試料を一時的に保持させるための空間を、作業者によらず均一に且つ容易に形成できる表面プラズモン共鳴センサチップ固定ホルダを提供することを目的とする。
本発明に係る表面プラズモン共鳴センサチップ固定ホルダは、上面が開口された収容部を有したチップ収容部材と、前記収容部に嵌合されるチップ保持部材とを有しており、前記チップ収容部材は、前記収容部の底面に形成され、表面プラズモン共鳴センサチップが嵌合されるチップ嵌合凹部を有し、前記チップ保持部材は、前記チップ嵌合凹部に対応して形成された開口部と、前記チップ嵌合凹部に嵌合された前記表面プラズモン共鳴センサチップの上面の一部に当接するチップ当接部と、前記開口部に隣接して形成され、前記チップ嵌合凹部に嵌合された前記表面プラズモン共鳴センサチップの上面の一部に対して隙間を空けて対向配置されるカバー部とを有することを特徴とする。
上記の構成によれば、チップ収容部材の収容部の底面に形成されたチップ嵌合凹部に表面プラズモン共鳴センサチップを嵌合した後、チップ収容部材の収容部にチップ保持部材を嵌合することにより、チップ保持部材のカバー部が、表面プラズモン共鳴センサチップの上面の一部に対して隙間を空けて対向配置される。そのため、チップ保持部材の開口部に挿入したピペットから上述の隙間に液体の試料を注入することで、毛細管現象により隙間に試料を保持させることができる。
したがって、本発明では、表面プラズモン共鳴センサチップを配置したチップチップ収容部材にチップ保持部材を嵌合するだけで、表面プラズモン共鳴センサチップ上に試料を一時的に保持させるための空間を、作業者によらず均一に且つ容易に形成できる。
また、表面プラズモン共鳴センサチップは、チップ収容部材のチップ嵌合凹部とチップ保持部材のチップ当接部とによって挟まれるため、表面プラズモン共鳴センサチップの位置ずれを防止できる。そのため、表面プラズモン共鳴センサチップとカバー部との隙間の大きさが、表面プラズモン共鳴センサチップの位置ずれによって変化するのを防止できる。
また、本発明の表面プラズモン共鳴センサチップ固定ホルダにおいて、前記チップ当接部は、前記表面プラズモン共鳴センサチップに当接する面に液流れ防止溝を有していてもよい。
上記の構成によれば、表面プラズモン共鳴センサチップとカバー部との隙間に注入された試料が、この隙間から漏れ出て、表面プラズモン共鳴センサチップとチップ当接部との間に侵入した場合に、チップ当接部に形成された液流れ防止溝によって、それ以上試料が移動するのを防止できる。
また、本発明の表面プラズモン共鳴センサチップ固定ホルダは、前記チップ収容部材の前記収容部に前記チップ保持部材が嵌合された状態を維持する固定機構を有していてもよい。
上記の構成によれば、固定機構によってチップ保持部材がチップ収容部材に固定されるため、チップ保持部材の位置ずれを防止できる。そのため、表面プラズモン共鳴センサチップとカバー部との隙間の大きさが、チップ保持部材の位置ずれによって変化するのを防止できる。
また、本発明の表面プラズモン共鳴センサチップ固定ホルダにおいて、前記チップ保持部材は、前記開口部の周囲の一部を凹状に形成し、下方に向かって内側に傾斜させたピペット挿入部を有していてもよい。
上記の構成によれば、ピペットをピペット挿入部で支持させながら、表面プラズモン共鳴センサチップとカバー部との隙間に試料を注入することができるため、作業性が向上する。
なお、開口部の周囲とは、開口部を形成する周面だけでなく、当該周面から延びる面を含む。
また、本発明の表面プラズモン共鳴センサチップ固定ホルダにおいて、前記チップ保持部材は、前記ピペット挿入部の形成位置に対して対向する前記開口部の周囲の一部を凹状に形成し、下方に向かって内側に傾斜させた吸水治具挿入部を有していてもよい。
上記の構成によれば、吸水治具を吸水治具挿入部で支持させながら、表面プラズモン共鳴センサチップとカバー部との隙間から試料を吸水治具に吸い取らせることができるため、作業性が向上する。
また、本発明の表面プラズモン共鳴センサチップ固定ホルダにおいて、前記チップ収容部材は、前記チップ嵌合凹部を複数有しており、前記チップ保持部材は、前記開口部と前記チップ当接部と前記カバー部をそれぞれ複数有していてもよい。
上記の構成によれば、1つの表面プラズモン共鳴センサチップ用固定ホルダに、複数の表面プラズモン共鳴センサチップを並べて配置できるため、液体の試料の注入や抜き取りの作業性が向上する。
本発明では、センサチップ上に液体の試料を一時的に保持させるための空間を、作業者によらず均一に且つ容易に形成することができる。
本実施形態に係る表面プラズモン共鳴センサチップ用固定ホルダの斜視図である。 (a)は表面プラズモン共鳴センサチップ用固定ホルダの平面図であって、(b)は(a)のA-A線断面図である。 図2(a)のB-B線断面図である。 表面プラズモン共鳴センサチップの断面図である。 (a)は図1中のチップ収容部材の平面図であって、(b)は(a)のC-C線断面図であって、(c)は(a)のD-D線断面図である。 図1中のチップ保持部材の平面図である。 図1中のチップ保持部材の底面図である。 図6のE-E線断面図である。 図6のF-F線断面図である。 (a)は表面プラズモン共鳴センサチップ用固定ホルダが使用される装置の平面図であって、(b)はその側面図である。 センサチップ上に試料を保持させるための空間を形成する従来の手順を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1〜図3に示すように、本実施形態の表面プラズモン共鳴センサチップ用固定ホルダ1(以下、単に固定ホルダ1と称する)は、チップ収容部材2とチップ保持部材3で構成され、表面プラズモン増強蛍光測定に用いられる表面プラズモン共鳴センサチップ50(以下、単にセンサチップ50という)を保持するものである。固定ホルダ1は、使い捨てであっても、使い回しで使用してもよい。
図4に示すように、センサチップ50は、表面に回折格子が形成された基板51と、基板51の回折格子側の面に積層された第1接着膜52、金属膜53、第2接着膜54、及び抗体結合膜55とによって構成されている。基板51は、例えばシクロオレフィンポリマー、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネートなどの合成樹脂やガラスなどの透明な材質で形成されている。金属膜53は、表面プラズモンを発生させるためのものであって、例えば銀で形成されている。抗体結合膜55は、例えば酸化亜鉛で形成されている。第1接着膜52および第2接着膜54は例えばクロムで形成されている。なお、センサチップ50の構成は、表面プラズモン共鳴を発生させることができる構成であれば、上記以外の構成であってもよい。
センサチップ50の抗体結合膜55には、試料60が結合された状態で保持される。センサチップ50上に試料60を保持させる手順については後述する。本実施形態の試料60は、抗体結合膜55に結合された抗体61と、抗体61に結合された分析対象となる生体分子62と、生体分子62に結合された抗体63と、抗体63に結合された蛍光色素64とで構成されている。なお、試料60の構成は、生体分子と蛍光物質が含まれていれば、上記以外の構成であってもよい。
本実施形態の表面プラズモン増強蛍光測定では、センサチップ50の裏側(基板51側)から光L1を所定の入射角で照射することにより表面プラズモン共鳴を発生させて、この表面プラズモン共鳴により増強された電場によって蛍光色素64を励起して蛍光L2を発生させる。その蛍光L2をセンサチップ50の表側から測定し、生体分子62を検出・分析する。
本実施形態の固定ホルダ1は、4枚のセンサチップ50を装着可能となっている。チップ収容部材2およびチップ保持部材3は、合成樹脂で構成されており、例えば射出成形によって形成されている。以下、図2に示す前後方向、左右方向、上下方向を用いて固定ホルダ1について説明する。
図5に示すように、チップ収容部材2は、前後方向に長い略矩形板状の部材である。チップ収容部材2には、上面が開口された収容部10が形成されている。
収容部10の左右側面の上端近傍には、それぞれ3つの突起11が前後方向に等間隔に並んで形成されている。また、収容部10の前後側面の上端近傍には、それぞれ突起12が形成されている。突起11、12の上下両面は水平に対して傾斜しており、突起11、12の縦断面は先細り状の台形状となっている。
収容部10の底面には、平面視が収容部10とほぼ相似形の凹部13が形成されており、この凹部13の底面には、4つのチップ嵌合凹部14が前後方向に等間隔に並んで形成されている。上述した突起11は、前後方向に関して、隣接する2つのチップ嵌合凹部14の中間位置に配置されている。
チップ嵌合凹部14は、平面視がセンサチップ50より若干大きい略矩形状に形成されており、センサチップ50を嵌合可能となっている。チップ嵌合凹部14の左右方向断面および前後方向断面は、矩形状に形成されている。チップ嵌合凹部14の深さは、センサチップ50の厚さとほぼ同じである。また、チップ嵌合凹部14の底面の中央部には、センサチップ50に下方から光を照射するための照射用開口部15が形成されている。
チップ保持部材3は、平面視がチップ収容部材2よりも小さい矩形状の部材であって、チップ収容部材2の収容部10に嵌合される。図6および図7に示すように、チップ保持部材3は、チップ保持部材3の上面を構成する天板部20と、前後方向に等間隔に並んだ4つのチップ保持部21とを有する。
図6および図8に示すように、天板部20の左右端面の下端には、それぞれ3つの突起22が前後方向に等間隔に並んで形成されている。また、図6および図9に示すように、天板部20の前後端面の下端には、それぞれ突起23が形成されている。突起22、23の上下両面は水平に対して傾斜しており、突起22、23の縦断面は先細り状の台形状となっている。
突起22、23は、チップ収容部材2の突起11、12と対応する位置に形成されており、チップ保持部材3をチップ収容部材2の収容部10に押し込むことで、チップ保持部材3の突起22、23は、チップ収容部材2の突起11、12を押圧しつつ乗り越える。突起22、23と突起11、12との係合によって、チップ保持部材3はチップ収容部材2の収容部10に嵌合された状態で維持(固定)される。突起22、23と突起11、12が、本発明の固定機構に相当する。
図7に示すように、天板部20の下面には、外縁に沿った矩形枠状の凸部24が形成されている。この凸部24の四隅の内側には、L字状の凸部25が形成されている。
センサチップ50が装着されていない状態のチップ収容部材2にチップ保持部材3を嵌合した場合、凸部24は、収容部10の底面のうち凹部13の外側の部分に当接し、凸部25は、凹部13の底面のうちチップ嵌合凹部14の外側の部分に当接する。センサチップ50が装着されたチップ収容部材2にチップ保持部材3を嵌合した場合、凸部24、25の下面は、チップ収容部材2に当接しない(図3参照)。凸部24、25は、センサチップ50が装着されていない状態のチップ収容部材2にチップ保持部材3を嵌合させたときに、後述するチップ当接部29がチップ嵌合凹部14の底面に接触するのを防止するためのものである。
チップ保持部21は、天板部20に対して下方に凹んだ形状に形成されている。チップ保持部21は、天板部20の上面から延びる内側面として、第1傾斜面26と、2つの鉛直面27と、第2傾斜面28とを有する。
第1傾斜面26は、平面視が左側に曲がり部26aを有するU字形状であって、下方に向かってチップ保持部21の内側に傾斜している。第1傾斜面26の傾斜角度α(図8参照)は、第1傾斜面26の全域にわたって一定である。傾斜角度αは本実施形態では45度であるが、それ以外の角度であってもよい。第1傾斜面26の曲がり部26aは、後述する吸水棒を内側に配置できるように形成されており、吸水治具挿入部26aを構成している。
2つの鉛直面27は、第1傾斜面26の右端に接続されており、前後方向に沿った鉛直面である。
第2傾斜面28は、2つの鉛直面27を接続する面である。第2傾斜面28は、平面視が第1傾斜面26よりも小さいU字状であって、下方に向かってチップ保持部21の内側に傾斜している。第2傾斜面28の傾斜は、前後方向中央部に向かうにつれて緩やかになっている。第2傾斜面28の前後方向中央部における傾斜角度β(図8参照)は本実施形態では約55度であるが、それ以外の角度であってもよい。第2傾斜面28は、ピペットを内側に配置できるように形成されており、ピペット挿入部28を構成している。
チップ保持部21の底部には、チップ当接部29と、カバー部30と、第1開口部31と、第2開口部32とが形成されている。
チップ当接部29は、チップ保持部21の底部の外周部を構成しており、環状に形成されている。チップ当接部29の左側の大部分は、第1傾斜面26の下端に接続されている。チップ当接部29の右側部分は、第2傾斜面28よりも右側に位置しており、第2傾斜面28および鉛直面27を構成する壁部33(図7および図8参照)の下面に接続されている。
また、チップ当接部29の下面には、チップ当接部29を幅方向に横断する4つの液流れ防止溝29aが形成されている。液流れ防止溝29aは、チップ当接部29の前後両側に2つずつ形成されている。チップ当接部29の下面のうち、左右に隣接する2つの液流れ防止溝29aの間の部分は、その他の部分よりも若干下方に突出している(図8参照)。
チップ当接部29の最下端と、突起22、23の上面との上下方向の離間距離は、チップ保持部材3をチップ収容部材2の収容部10に嵌合し、突起11、12の下面と突起22、23の上面が当接したときに、チップ保持部21の左右方向中央部が上側に膨らむように若干変形した状態で(図3では図示省略)、チップ嵌合凹部14に嵌合されたセンサチップ50の上面にチップ当接部29の下面が当接するように設定されている。したがって、チップ当接部29の下面のうち、左右に隣接する2つの液流れ防止溝29aの間の部分は、他の部分よりも強固にセンサチップ50に押し付けられる。
第1開口部31、カバー部30、および第2開口部32は、チップ当接部29の内側に形成されている。第1開口部31は、カバー部30の左側に形成されており、第2開口部32はカバー部30の右側に形成されている。第1開口部31と第2開口部32が、本発明の開口部に相当する。
カバー部30は、チップ当接部29の左右方向中央部より若干右寄りの位置に配置されており、その前後両端部が、チップ当接部29の内側面に接続されている。カバー部30は、4つの液流れ防止溝29aを結んで形成される四角形状の内側に位置している。
カバー部30の下面は、チップ当接部29の下面よりも若干上方に位置している。そのため、チップ保持部材3をチップ収容部材2の収容部10に嵌合固定した状態において、カバー部30は、チップ嵌合凹部14に嵌合されたセンサチップ50の上面と隙間D(図3参照)を空けて対向配置される。隙間Dの大きさは、例えば100μmである。
カバー部30の右端面は、円弧状に膨らんだ形状となっている。また、カバー部30の左端面には、円弧状の窪み部30aが形成されている。この窪み部30aは、第1傾斜面26の曲がり部(吸水治具挿入部)26aの内側に吸水棒を配置したときに、この吸水棒の先端部の右側部分を窪み部30aに沿って配置できるように形成されている。
第1開口部31は、チップ当接部29の内側面とカバー部30の左端面とによって囲まれた開口である。第2開口部32は、チップ当接部29の内側面と壁部の側面とカバー部30の右端面とによって囲まれた開口である。
次に、固定ホルダ1を使用する際の手順について説明する。
まず、図5に示す状態のチップ収容部材2のチップ嵌合凹部14の内側に、試料60が載せられていないセンサチップ50を配置して、その上からチップ保持部材3を押し込んで、図1〜図3に示すように突起11、12と突起22、23とを係合させて、チップ保持部材3をセンサチップ50の収容部10に嵌合固定する。これにより、センサチップ50は、チップ当接部29とチップ嵌合凹部14の底面との間で挟持される。
次に、抗体61を含む液体の試料を吸引したピペット(図示省略)を、第2傾斜面(ピペット挿入部)28に沿うように配置して、ピペットの先端をカバー部30の右端の前後方向中央部とセンサチップ50との間(またはその近傍)に当てて、カバー部30とセンサチップ50との隙間Dに試料を注入する。注入された試料は、毛細管現象により隙間Dに保持される。注入量は、隙間D全域に試料が充填される量とする。そして、隙間Dに試料が保持された状態で、所定時間放置(インキュベーション)する。
その後、液体を吸引可能な材料で形成された吸水棒(図示省略)を、第1傾斜面26の曲がり部(吸水治具挿入部)26aに沿うように配置して、吸水棒の先端をカバー部30の窪み部30aとセンサチップ50との間に当てて、カバー部30とセンサチップ50との隙間Dから試料を吸水棒によって吸い取る。
次に、リンス液(例えばリン酸緩衝液)を上記と同様の手順で隙間Dに注入した後、吸水棒で抜き出す。その後、生体分子62を含む試料、リンス液、蛍光色素64に結合された抗体63を含む試料、リンス液をこの順番で注入・吸引する作業を繰り返す。以上の工程により、センサチップ50上に試料60が保持される。
その後、図10に示すように、固定ホルダ1(およびセンサチップ50)を、表面プラズモン増強蛍光測定を行うための装置40に装着する。この装置40は、固定ホルダ1が嵌合される凹部13が形成されたトレイ42を有している。このトレイ42は、スイッチ操作により装置本体41から出てくるようになっており、出てきたトレイ42を装置本体41側に押すと自動的に装置本体41に収納される。なお、表面プラズモン増強蛍光測定を行うための装置は、図10に示す装置40に限定されるものではない。
そして、装置40内において、センサチップ50の中央部(カバー部30で覆われた部分)を光L1が図3中の右下方から左上方に抜けるように、センサチップ50に光L1を照射して、発生した表面プラズモン共鳴により生じた蛍光を測定する。
以上説明した本実施形態の固定ホルダ1によると、チップ収容部材2のチップ嵌合凹部14にセンサチップ50を嵌合した後、チップ収容部材2の収容部10にチップ保持部材3を嵌合することにより、チップ保持部材3のカバー部30が、センサチップ50の上面の一部に対して隙間Dを空けて対向配置される。そのため、チップ保持部材3の開口部31に挿入したピペットから上述の隙間Dに液体の試料を注入することで、毛細管現象により隙間Dに試料を保持させることができる。
したがって、センサチップ50が配置されたチップ収容部材2にチップ保持部材3を嵌合するだけで、センサチップ50上に試料を一時的に保持させるための空間を、作業者によらず均一に且つ容易に形成できる。
また、センサチップ50は、チップ収容部材2のチップ嵌合凹部14とチップ保持部材3のチップ当接部29とによって挟まれるため、センサチップ50の位置ずれを防止できる。そのため、センサチップ50とカバー部30との隙間Dの大きさが、センサチップ50の位置ずれによって変化するのを防止できる。
また、本実施形態では、チップ当接部29の下面に液流れ防止溝29aが形成されているため、センサチップ50とカバー部30との隙間Dに注入された試料が、この隙間Dから漏れ出て、センサチップ50とチップ当接部29との間に侵入した場合に、チップ当接部29に形成された液流れ防止溝29aによって、それ以上試料が移動するのを防止できる。
また、本実施形態では、突起と突起との係合によってチップ保持部材3がチップ収容部材2に固定されるため、チップ保持部材3の位置ずれを防止できる。そのため、センサチップ50とカバー部30との隙間Dの大きさが、チップ保持部材3の位置ずれによって変化するのを防止できる。
また、本実施形態では、ピペットを第2傾斜面(ピペット挿入部)28で支持させながら、センサチップ50とカバー部30との隙間Dに試料を注入することができるため、作業性が向上する。
また、本実施形態では、吸水棒を第1傾斜面26の曲がり部(吸水治具挿入部)26aで支持させながら、センサチップ50とカバー部30との隙間Dから試料を吸水棒に吸い取らせることができるため、作業性が向上する。
また、本実施形態では、1つの固定ホルダ1に、複数のセンサチップ50を並べて配置できるため、試料の注入や抜き取りの作業性が向上する。
また、本実施形態では、突起11、22が、前後方向に関して、隣接する2つのチップ嵌合凹部14(チップ保持部21)の中間位置に配置されているため、照射光L1が突起11、22で反射するのを防止でき、その反射光によって蛍光を検出しにくくなるのを防止できる。
また、本実施形態では、第1開口部31は第2開口部32よりも広く形成されており、照射光L1は、センサチップ50の中央部およびカバー部30を右下方から左下方に抜けるように照射されるため、第1開口部31が狭い場合に比べて、照射光L1が第1傾斜面26で反射するのを抑制でき、その反射光によって蛍光を検出しにくくなるのを防止できる。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能である。
上記実施形態では、固定ホルダ1は4つのセンサチップ50を装着できるように構成されているが、3つ以下または5つ以上のセンサチップ50を装着できるように構成されていてもよい。
上記実施形態では、突起11、12と突起22、23との係合によってチップ保持部材3とチップ収容部材2とを固定しているが、チップ保持部材3とチップ収容部材2とを嵌合した状態で維持(固定)するための機構(固定機構)はこれ以外の構成であってもよい。例えば、ネジ止めや、回転式の止め具による固定機構であってもよい。
固定ホルダ1は、チップ収容部材2の収容部10にチップ保持部材3を嵌合できる構成であれば、固定機構チップ保持部材3とチップ収容部材2とを嵌合した状態で維持(固定)するための機構(固定機構)を有していなくてもよい。
チップ保持部材3のセンサチップ50に当接する部分(チップ当接部29)の形状は、上記実施形態の形状に限定されるものではない。例えば、チップ当接部29の下面に、液流れ防止溝29aが形成されていなくてもよい。
チップ保持部材3のチップ保持部21の内側面の形状は、上記実施形態の形状に限定されるものではない。例えば、吸水棒を支持する部分(吸水治具挿入部)およびピペットを支持する部分(ピペット挿入部)の形状が、曲面ではなく平面で構成されていてもよい。また、チップ保持部21の内側面は、吸水棒やピペットを支持できるように吸水棒やピペットに沿った形状に形成されていなくてもよい。
上記実施形態では、表面プラズモン増強蛍光測定のためのセンサチップ50に、本発明の表面プラズモン共鳴センサチップ用固定ホルダを使用する例を挙げて説明したが、本発明の表面プラズモン共鳴センサチップ用固定ホルダは、表面プラズモン増強蛍光測定以外の表面プラズモン共鳴を利用した測定(例えば表面プラズモン共鳴測定)にも適用可能である。
1 固定ホルダ(表面プラズモン共鳴センサチップ用固定ホルダ)
2 チップ収容部材
3 チップ保持部材
10 収容部
14 チップ嵌合凹部
11、12 突起(固定機構)
21 チップ保持部
22、23 突起(固定機構)
26 第1傾斜面
26a 曲がり部(吸水治具挿入部)
28 第2傾斜面(ピペット挿入部)
29 チップ当接部
29a 液流れ防止溝
30 カバー部
31 第1開口部(開口部)
32 第2開口部(開口部)
50 センサチップ(表面プラズモン共鳴センサチップ)

Claims (6)

  1. 上面が開口された収容部を有したチップ収容部材と、
    前記収容部に嵌合されるチップ保持部材とを有しており、
    前記チップ収容部材は、
    前記収容部の底面に形成され、表面プラズモン共鳴センサチップが嵌合されるチップ嵌合凹部を有し、
    前記チップ保持部材は、
    前記チップ嵌合凹部に対応して形成された開口部と、
    前記チップ嵌合凹部に嵌合された前記表面プラズモン共鳴センサチップの上面の一部に当接するチップ当接部と、
    前記開口部に隣接して形成され、前記チップ嵌合凹部に嵌合された前記表面プラズモン共鳴センサチップの上面の一部に対して隙間を空けて対向配置されるカバー部とを有する
    ことを特徴とする表面プラズモン共鳴センサチップ用固定ホルダ。
  2. 前記チップ当接部は、前記表面プラズモン共鳴センサチップに当接する面に液流れ防止溝を有することを特徴とする請求項1に記載の表面プラズモン共鳴センサチップ用固定ホルダ。
  3. 前記チップ収容部材の前記収容部に前記チップ保持部材が嵌合された状態を維持する固定機構を有することを特徴とする請求項1または2に記載の表面プラズモン共鳴センサチップ用固定ホルダ。
  4. 前記チップ保持部材は、
    前記開口部の周囲の一部を凹状に形成し、下方に向かって内側に傾斜させたピペット挿入部を有することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の表面プラズモン共鳴センサチップ用固定ホルダ。
  5. 前記チップ保持部材は、
    前記ピペット挿入部の形成位置に対して対向する前記開口部の周囲の一部を凹状に形成し、下方に向かって内側に傾斜させた吸水治具挿入部を有することを特徴とする請求項4に記載の表面プラズモン共鳴センサチップ用固定ホルダ。
  6. 前記チップ収容部材は、前記チップ嵌合凹部を複数有しており、
    前記チップ保持部材は、前記開口部と前記チップ当接部と前記カバー部をそれぞれ複数有していることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の表面プラズモン共鳴センサチップ用固定ホルダ。
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