JP5906468B2 - バックボード付き小便器 - Google Patents

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Description

本発明は、バックボード付き小便器に関するものである。
特許文献1には、陶器製のボウルを覆う外郭にバックボードを一体化したバックボード付き便器用外郭が開示されている。
この特許文献1に示されたバックボード付き便器用外郭は、便器の外観形状を構成するための外郭と、この外郭の背面に設けるバックボードとをFRP等で一体に形成して構成される。
外郭には上方及び背方に開口するボウル内装用の空所が形成され、空所内に外郭とは別体の陶器製のボウルが嵌め込まれて便器が構成される。
実開昭64−024182号公報
しかしながら、従来技術は、外郭内に外郭とは別体のボウルが嵌め込まれて便器が構成されるので、外郭とボウルとの境界の隙間に尿が入り込んで付着し、更に、付着した尿に埃が付着して固化するおそれがある。
この外郭とボウルとの境界の隙間は掃除がし難いので、境界の隙間に付着した尿、埃が除去し難く、長期間の使用によりこの境界部分が変色し、また、臭気の発生源になるおそれがある。
また、外郭及びバックボードの一体物と、ボウルとの材料が異なるため、材質の違いが外観され、外観が損なわれる。
また、外郭にボウルを嵌め込んで施工するので、外郭にボウルを嵌め込んで位置決め固定する作業と、バックボードを固定枠を介して建築物の壁などへの固定作業とが必要で、施工性が劣るという問題がある。
本発明は、上記の点に鑑みて発明したもので、ボウル部と外郭部との境界部分及び外郭部とバックボード部との境界部分の掃除がしやすく、全体の一体感があり、施工性に優れたバックボード付き小便器を提供するにある。
本発明のバックボード付き小便器は、小便器と、この小便器の背面に設けられたバックボードとを備え、複数並べて施工することのできるバックボード付き小便器であって、前記小便器が、外郭部と、この外郭部と一体の前面に開口する小便受け用ボウル部とを備え、前記外郭部と、前記小便受け用ボウル部と、前記バックボードが合成樹脂により一体に形成されており、前記バックボードは、隣り合う他のバックボードの端縁に突き合わせる端縁を有することを特徴とする。
本発明は、小便時に、小便受け用ボウル部から外に尿が飛散して小便受け用ボウル部と外郭部との境界部分や外郭部とバックボードとの境界部分に付着しても、各部位の境界部分に隙間が存在せず、容易に掃除することが可能となる。また、外郭部と小便受け用ボウル部とバックボードが合成樹脂により一体に形成されているので、全体の一体感があり、外観を向上できる。また、外郭部と小便受け用ボウル部とバックボードが一体に形成されているので、バックボード部を建築物の壁などに固定することで、施工を簡単に行うことが可能となる。
本発明のバックボード付き小便器の一実施形態の斜視図である。 同上のバックボード付き小便器を横方向に複数並設した状態を示す斜視図である。
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。
図1には小便器1の背面にバックボード2を設けたバックボード2付き小便器1の一実施形態が示されている。
小便器1は、小便器1の外郭となる外郭部3と、外郭部3に囲まれた部分に形成される小便を受けるための小便受け用ボウル部4とを備える。
外郭部3は、縦長形状をしている。また、図の実施形態では、外郭部3は、側面視で下部が前方に突出する形状をしている。
この外郭部3の前面には、大きく開口した前開口部5が形成され、この前開口部5から奥に向けて小便受け用ボウル部4となる凹部が形成されている。小便受け用ボウル部4となる凹部の底部には、図示を省略しているが排水口が形成される。
外郭部3の背面にはバックボード2が設けられる。このバックボード2は、外形形状が前面側から見て長方形又は正方形状をしている。図1の実施形態では、バックボード2は板状をしていて上下左右端がいずれも外郭部3の後端の上下左右端より上方、下方、左側方、右側方に突出するように形成されている。
外郭部3と、小便受け用ボウル部4と、バックボード2が合成樹脂により一体成形されて、一体に形成されている。
つまり、外郭部3と小便受け用ボウル部4は両者の境界部分(つまり前開口部5の開口周縁部付近が境界部分である)で一体に連続し、外郭部3とバックボード2との境界部分(つまり外郭部3とバックボード2とのなすコーナ部分6)で両者は一体に連続する。
このため、外郭部3と小便受け用ボウル部4の境界部分、外郭部3とバックボード2との境界部分にはいずれも境界の隙間が存在しない。
バックボード2には複数の釘打部7が形成され、この釘打部7には着脱自在な目隠しキャップ8が取付けられる。
なお、バックボード2には必要に応じて灰皿部10や、利用者の小物を吊下げるための小物吊り用突部11等を設けてもよい。灰皿部10や小物吊り用突部11はバックボード2と一体に形成してもよいが、別体の灰皿部10や小物吊り用突部11を固着手段でバックボード2に固着してもよい。
上記の構成のバックボード2付き小便器1は、建築物の壁又は壁下地にバックボード2を当て、釘打部7で釘により固着することで、施工され、目隠しキャップ8を取付けて釘の頭部が隠される。
また、バックボード2付き小便器1を壁又は壁下地に施工する際、小便受け用ボウル部4に設けた排出口に壁内に配置される排出管が接続される。
施工に当って上記のように外郭部3と小便受け用ボウル部4を一体に形成したバックボード2を釘打で壁に固定することで、バックボード2の固定で同時に外郭部3と小便受け用ボウル部4の施工ができ、施工が容易となる。更に、この場合、バックボード2の下端を床に設置するように施工すると、外郭部3の下端部を簡単且つ正確に設計通りの高さにすることができ、施工がいっそう容易となる。
また、個人の住宅に使用する場合は、バックボード2付き小便器1は単体で使用するが、公共施設、ホテル、レストラン、学校のように複数のバックボード2付き小便器1が必要な場所は、図2に示されるようにバックボード2付き小便器1を複数並べて施工する。
この場合、図2に示されるように隣合うバックボード2の側端同士を突き合わせて施工して隣合うバックボード2同士が面一に連続するように施工するのが好ましい。
本実施形態では、外郭部3と、小便受け用ボウル部4と、バックボード2が合成樹脂により一体に形成されているので、各部位の境界部分に隙間が存在せず、容易に掃除することが可能となる。
したがって、従来のように各部位の境界部分の隙間に尿が付着しても掃除がし難く、隙間に付着した尿に埃が固着し、長期間の使用において、境界部分が変色したり、あるいは、臭気の発生源になるといったことがない。
また、外郭部3と、小便受け用ボウル部4と、バックボード2が同じ材質で一体に形成されるので、全体の一体感がよくなる。
1 小便器
2 バックボード
3 外郭部
4 小便受け用ボウル部


Claims (1)

  1. 小便器と、この小便器の背面に設けられたバックボードとを備え、複数並べて施工することのできるバックボード付き小便器であって、前記小便器が、外郭部と、この外郭部と一体の前面に開口する小便受け用ボウル部とを備え、前記外郭部と、前記小便受け用ボウル部と、前記バックボードが合成樹脂により一体に形成されており、前記バックボードは、隣り合う他のバックボードの端縁に突き合わせる端縁を有することを特徴とするバックボード付き小便器。
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