JP5905594B2 - 接続部材 - Google Patents

Description

本発明は、請求項１の前文に規定されるような、無線周波数信号を伝達するための二つのプリント回路基板を接続するように構成される同軸接続部材であって、二つのコンポーネントの導電性接続のためおよび二つのコンポーネントの間で無線周波数信号を伝達するための、中央導体と、外側導体と、中央導体と外側導体との間に配設される絶縁部材とを包含する同軸接続部材に関する。

この種の接続部材の事例では、二つのプリント回路基板の平行度およびその間の距離についての規定の公差範囲内であっても損失が最大限軽減された状態で無線周波数信号が伝達されることを保証する必要がある。このような接続部材により満たされるべき他の要件は、低費用の製造および簡易な組立の分野に存する。また、接続部材の軸方向および径方向寸法は、できる限り小さく抑えられる必要がある。

現在使用されているのは、主に二種類の設計によるこの種の接続部材である。

一方では、プリント回路基板に確実に接続される二つの同軸プラグインコネクタと、二つの同軸プラグインコネクタを接続するアダプタ、いわゆる「ブレット」とにより、二つのプリント回路基板の間に接続が設けられる。このアダプタは、軸方向および径方向の公差が補正されることを可能にするとともに、平行度についての公差が補正されることも可能にする。この目的に使用される一般的な同軸プラグインコネクタは、ＳＭＰコネクタ、Ｍｉｎｉ−ＳＭＰコネクタ、およびＦＭＣコネクタである。

代替的に、単一導体および／または多数導体構成のばね付勢接点ピン、いわゆるポゴピンによっても、二つのプリント回路基板の間に電気接続が設けられうる。この種のばね付勢接点ピンは、スリーブと、スリーブ内で部分的に案内されるヘッドとともに、ヘッドとスリーブとの間に支持されるコイルばねとを包含する。コイルばねが有する必要のある弾性力および密着高さに関する特性は、比較的長さのあるばねを必要とし、これは、ばね付勢接点ピンの軸方向高さ全体に同程度の逆効果を与える。単一導体構成のばね付勢接点ピンの使用は、充分な電気性能が達成されるべき場合に信号および接地ピンとして作用するように特定パターンで配置されなければならないという短所も有する。他方、多数導体は、その複雑な構成ゆえに故障しやすく高価である。

特許文献１から周知であるのは、長手方向に弾性である複数の接触子を有する接触ソケット１０であり、この接触ソケットは例えば、プリント回路基板の試験を行うためのデバイスで使用される。単数または複数の端部（一端部または両端部）を終端とする螺旋溝部を有するとともに、こうして隆起端子、特に端子バンプを把持する複数の弾性突起を形成する管形の接触子が開示されている。

特許文献２から周知であるのは、特許文献１に記載されているような接触ソケットのための接触子である。この接触子は、螺旋スロットが設けられる円筒管を中央に包含する。長手軸の方向における接触子の変形は、接触子の端部の少なくとも一方の回転につながる。これは、接触子と、接触子が接触するプリント回路基板上の端子との間の相対移動を発生させる。この相対移動により端子がクリーニングされる。

特許文献３から周知であるのは、二つのプリント回路基板と接触するための複数の接触アセンブリを有する接触装置である。接触アセンブリの各々は、一方が他方の中で変位可能である二つのプローブを有し、一方のプローブのピン部分は他方のプローブの開口部の中で摺動する。プローブの間に配設されるコイルばねは、プローブがともに推進される場合に圧縮され、こうしてプリント回路基板の上の接触パッドにプローブが押圧される際の圧力を発生させる。

特許文献４から周知であるのは、二つのプリント回路基板と接触するための接続要素である。長手軸の方向に複数の切欠きを備えるとともにこうして弾性部材またはタブを形成する第１接触部材は、第２接触部材の内側に配設される。二つの接触部材がともに押圧されると、弾性部材の自由端部が内向きテーパ形状部分ｂの上を摺動し、弾性部材は径方向内向きに変形される。弾性部材からの径方向復元力は、長手軸の方向の復元力として方向が変えられ、接触部材の雄端子はこうして、ばね付勢を受けてプリント回路基板上のパッドに当接する。

特許文献５から周知であるのは、プリント回路基板を検査するためのアレイデバイスである。アレイは、導電性ソケットが配設されるボアホールを有する基板を包含する。ソケットに挿入されるのは、同軸ケーブルに各々が接続される同軸プラグである。同軸プラグは、係止接続によってソケットに固定される。

特許文献６は、単体の打抜き加工部品の形を取るばねピンを開示している。

米国特許出願公開第２００７／２６９９９９Ａ１号明細書 米国特許第７，４９１，０６９Ｂ１号明細書 米国特許第５，１７４，７６３Ａ号明細書 米国特許第５，１９２，２１３Ａ号明細書 米国特許出願公開第２０１１／０２１０４１Ａ１号明細書 米国特許出願公開第２００５／００２６５１２Ａ１号明細書

上記の先行技術を出発点と考えると、本発明の元となる目的は二つのコンポーネントの電気接続のための改良型接続部材を特定することであった。特に、公差を補正するという特性を有するが、接続部材は、低費用の製造、単純でゆえに誤差の危険のない構成、および／または簡易な組立をその特徴とする。

この目的は、独立請求項１の主題によって達成される。本発明による接続部材の有利な形態は従属請求項の主題を成し、以下から明らかになる。

この目的のため、本発明により、軸方向剛性を低下させる少なくとも一つの開口部を有する管形シェルを有する第１導体を外側導体が包含するような設定が行われ、外側導体は、第１導体とともに、同様に管形である第２導体を包含し、第１導体は第２導体との導電性接触状態にあり、導電性接点はまた、第１導体の一部分に対して軸方向に可動であり、第２導体は一部分で第１導体に確実に接続され、第１導体および第２導体の間の導電性接触は、とりわけ第１導体が有するシェルにおける開口部が形成されている部分で行われる。好ましくは、開口部を有しない管形シェルを第２導体が有するように設定される。

これは、二つのコンポーネントの間の電気接続が、最大限単純な、好ましくは単体の構成を持つ導体により設けられ、接続される二つのコンポーネントの位置についての公差の補正が、構造的設計によるこの導体の変形によりもたらされるという利点を有する。特に、一つまたは複数の開口部を特徴とする導体を通る無線周波数信号について、特に良好な伝達特性が保証される。

導体の軸方向剛性は、この事例では、二つのコンポーネントが装着される時に発生する力が、特にこれらの二つのコンポーネントの位置についての公差により必要とされる軸方向でのシェルの変形を引き起こすほど、低い。

管形シェルの軸方向剛性を低下させることが可能な簡易で低費用かつ有効な方法は、螺旋経路を描く（少なくとも）一つの開口部をそこに取り入れることである。

本発明による「螺旋経路」が意味するのは、シェルの軸方向と周方向との両方に延在する開口部（開口部が開始および終了する点を指す）の描く経路である。

本発明によるこの種の接続部材の特に好適な形態は、シェルの軸方向の中央を挟んだ両側から始まって相互に向かう経路を描く螺旋経路を描く少なくとも二つのこのような開口部が設けられるように設定される。この事例では、螺旋経路を描くこれら少なくとも二つの開口部の各々がシェルの軸方向長さの最大でも半分のみに延在するとともに、これらが相互を通過しないように設定されることが好ましい。

特に好ましいものとして、平行および／または螺旋経路を描くことが好ましい複数の開口部が設けられうる。この事例で設定されるのは、特に、螺旋経路を描く第１グループの開口部と、螺旋経路を描く第２グループの開口部とであり、二つのグループを形成する開口部は、シェルの軸方向の中央を挟んだ両側から始まって相互に向かう経路を描く。この種の形態は、螺旋経路を描く開口部が存在する時に螺旋開口部により分離されるシェルの部分の相対回転を引き起こそうとする導体の軸方向変形が、相互に向かう螺旋経路を描く二つの（グループの）開口部の間に配設されるシェルの領域に限定されるという付加的な利点を有する。こうして、二つのコンポーネントと接触することが想定されるシェルの二つの端部が、軸方向変形により引き起こされるねじり応力をほぼ受けない状態であることが保証される。

さらに好適である本発明による接続部材の形態では、（所与の弾性タブが開始および終了する点を結ぶ線を基準として）シェルの長手軸に対して斜角の経路を描く弾性タブを（少なくとも）一つの端部に有するようにシェルが形成されるように設定される。これらの弾性タブにより、ともに接続されるべきコンポーネントの二つの表面の平行度についての公差の補正が有利に行われうる。少なくとも所定範囲内では、この種の弾性タブは（導体のシェルを基準として）軸方向および径方向における二つのコンポーネントに対する所定の位置補正を可能にする。

さらに好適である形態において、シェルは、シェルの壁部の断面積より大きい支持面を少なくとも一つの端部に有する。この種の拡張支持面は、単数または複数のコンポーネントとの信頼できる接続の実施を単純化する。

この種の拡張支持面を設計することが可能な低費用の方法は、（好ましくは９０度）折り曲げられたシェルの端部の形をこの表面が取るように設定される。

この中央導体は、好ましくはばね付勢接点ピンという周知の形を取り、そのため、スリーブと、スリーブ内で部分的に案内されるプランジャと、プランジャとスリーブとの間に支持されるばね部材とを有する。この種のばね付勢接点ピンは、特に無線周波数信号について良好な伝達特性を有し、またともに接続されるべきコンポーネントの位置についての公差に左右されないことで知られている。二つのコンポーネントの相対距離についての公差は、事実上、スリーブ内でのプランジャの変位が可能であることによって補正される。ばね部材はこの事例では、プランジャを近接のコンポーネントに押圧する充分な力が存在することを保証する。

満足できる操作が可能なユニットを設けるため、前記絶縁部材は好ましくは、中央導体と外側導体の少なくとも一部分とに確実に接続される。この事例では、絶縁部材が外側導体全体に確実に接続されるという可能性も存在するが、ただし、外側導体は比較的低い弾性係数を有し、ゆえに本発明による設定が行われた外側導体の軸方向変形を妨げないか、実質的な程度まで妨げることはない。

図面に示された実施形態を参照して、本発明が以下で詳しく説明される。

本発明による接続部材の、一部断面を含む側面図である。 電気接続されるべき二つのプリント回路基板との組み合わせで、図１に示された接続部材を示す。 電気接続されるべき二つのプリント回路基板との組み合わせで、図１に示された接続部材を示す。

図１乃至３に示された接続部材は、中央導体１と、外側導体２と、中央導体１と外側導体２との間に配設される絶縁部材３とを包含する。中央導体１は従来のばね付勢接点ピンの形である、つまりスリーブ４と、移動可能であるようにスリーブの中で部分的に案内されるとともに、プランジャステム５と球形接触面を有するヘッド６とを有するプランジャとを包含する。スリーブ４の内側に配設されているのは、プランジャとスリーブ４の床部との間に支持されるコイルばね（不図示）である。

外側導体２は、螺旋経路を描く複数の開口部８が形成されている管形シェルを有する第１導体７を包含する。これらの螺旋開口部８は二つのグループに分割され、その一方は、図１の上部に示された端部から始まってシェルの（軸方向）中央の直前の点まで延在する。第２グループは図１の底部に示された端部から始まって、同様に、シェルの（軸方向）中央の直前の点まで延在する。螺旋開口部８は、対角線経路を描く部分と、軸方向経路を描く末端部分とを有する。グループを構成する螺旋開口部８のすべての部分は、相互に平行な経路を描く。

図１の底部に示されたシェルの端部は、９０°折り曲げられることでシェルの壁部の断面積より広い支持面を形成する。図１の上部に示されたシェルの端部は、（９０°）湾曲した経路を描くように形成されて径方向外側を向く複数の弾性タブ９により画定される。弾性タブ９の自由端部分は支持面を形成する。

第１導体７とともに、外側導体２は、同じく管形で絶縁部材３と同じ長さであり、これに確実に接続（接着接合など）された第２導体１０も包含する。第２導体１０のシェルは中実であり、ゆえに開口部を何も有していない。第１導体７と第２導体１０との間の確実な接続は、図１の底部に示された端部と第１導体７のシェルの開口部８の始点との間の部分に設けられる。接続部材のコンポーネントすべてはこうしてともに確実に接続され、それにもかかわらず、図１の上部に示された第１導体７の部分の、第２導体１０に対する相対移動は可能である。

本発明による接続部材によって、無線周波数信号を伝達するための二つのプリント回路基板を接続するには、接続部材は先ず折り曲げられた底端部により第１プリント回路基板１１に確実に接続される（図２参照）。次に第２プリント回路基板１２が装着され、こうして規定の印加圧縮力で接続部材の上端部を押圧する。二つのプリント回路基板１１，１２の位置の公差のため、この印加圧縮力は変化しうる。接続部材に対する第２プリント回路基板１２の押圧は、一方では、コイルばねからの力に抵抗する中央導体１のプランジャの変位を引き起こす。このようにして発生されるばね付勢は、中央導体１のヘッド６がプリント回路基板１２の上の対応の接触点と確かな接触を行うことを保証する。

上方プリント回路基板１２の押下は、弾性撓曲可能な弾性タブ９の少なくとも若干の変形にも関与する。これは単純に、外側導体２の第１導体７の全長が、公差により生じる二つのプリント回路基板１１，１２の間の最大距離を若干超えるような大きさであることの結果である。弾性タブ９によって二つのプリント回路基板の相対距離についての公差が補正されるとしても、その特定目的は、ともに接続されるプリント回路基板１１，１２の接触面の平行度についての公差を補正することである。

本発明による第１導体７のシェルの設計は、二つのプリント回路基板１１，１２の相対距離についての公差を補正することに特に関与している。開口部８がシェルに螺旋経路を描くため、シェルの軸方向剛性は、二つのプリント回路基板１１，１２の間で必要とされるだけ変形されるほど低い。相互に向かう経路を描く二つのグループの螺旋開口部の実際の配置は、この事例では、第１導体７の軸方向変形が二つのグループの開口部８を相互に分離するシェルの中央領域の回転のみにつながるという利点を有する（図３参照）。このようにして達成されるのは、第１導体７が二つのプリント回路基板１１，１２に接続される点が実質的にねじり力を受けない状態を維持することである。

Claims (9)

1. 無線周波数信号を伝達するための二つのプリント回路基板を接続するように構成される同軸接続部材であって、二つのコンポーネントの導電性接続のためおよび前記二つのコンポーネントの間で無線周波数信号を伝達するための、中央導体（１）と、外側導体（２）と、中央導体（１）と外側導体（２）との間に配設される絶縁部材（３）とを包含する同軸接続部材において、前記外側導体（２）が、軸方向剛性を低下させる少なくとも一つの開口部（８）を有する管形シェルを有する第１導体（７）を包含し、前記外側導体（２）が、前記第１導体（７）とともに、同様に管形である第２導体（１０）を包含し、前記第１導体（７）が前記第２導体（１０）との導電性接触状態にあり、導電性接点がまた、前記第１導体の一部分に対して軸方向に可動であり、前記第２導体が一部分で前記第１導体に確実に接続され、前記第１導体および前記第２導体の間の前記導電性接触が、とりわけ前記第１導体が有する前記シェルにおける前記開口部が形成されている部分で行われることを特徴とする、同軸接続部材。
2. 前記開口部（８）が螺旋経路を描くことを特徴とする、請求項１に記載の同軸接続部材。
3. 少なくとも二つの開口部（８）が、前記シェルの軸方向の中央を挟んだ両側から始まって相互に向かう経路を描く螺旋経路を描くことを特徴とする、請求項２に記載の同軸接続部材。
4. 前記シェルの長手軸に対して斜角の経路を描く弾性タブ（９）を少なくとも一つの端部に有するように前記シェルが形成されることを特徴とする、請求項１乃至３のいずれかに記載の同軸接続部材。
5. 前記シェルの壁部の断面積より大きい支持面を前記シェルが少なくとも一つの端部に形成することを特徴とする、請求項１乃至４のいずれかに記載の同軸接続部材。
6. 折り曲げられた前記シェルの端部の形を前記支持面が取ることを特徴とする、請求項５に記載の同軸接続部材。
7. 前記第２導体（１０）が、開口部を有しない管形シェルを有することを特徴とする、請求項１乃至６のいずれかに記載の同軸接続部材。
8. 前記中央導体（１）がばね付勢接点ピンの形を取ることを特徴とする、請求項１乃至７のいずれかに記載の同軸接続部材。
9. 前記絶縁部材（３）が前記中央導体（１）と前記外側導体（２）の一部分とに確実に接続されることを特徴とする、請求項１乃至８のいずれかに記載の同軸接続部材。

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