JP5905348B2 - 防錆処理液の管理方法、金属部材の処理方法、及び複合部材の製造方法 - Google Patents

防錆処理液の管理方法、金属部材の処理方法、及び複合部材の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5905348B2
JP5905348B2 JP2012147351A JP2012147351A JP5905348B2 JP 5905348 B2 JP5905348 B2 JP 5905348B2 JP 2012147351 A JP2012147351 A JP 2012147351A JP 2012147351 A JP2012147351 A JP 2012147351A JP 5905348 B2 JP5905348 B2 JP 5905348B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
concentration
metal member
rust
liquid
amine compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2012147351A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014009382A (ja
Inventor
智也 小田木
智也 小田木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asmo Co Ltd
Original Assignee
Asmo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asmo Co Ltd filed Critical Asmo Co Ltd
Priority to JP2012147351A priority Critical patent/JP5905348B2/ja
Publication of JP2014009382A publication Critical patent/JP2014009382A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5905348B2 publication Critical patent/JP5905348B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Preventing Corrosion Or Incrustation Of Metals (AREA)

Description

本発明は、防錆処理液の管理方法、金属部材の処理方法、及び複合部材の製造方法に関する。
従来より、接着剤を用いて金属部材と他の部材(金属部材や非金属部材)とを接着させて複合部材を製造することが行なわれている。
金属部材に対する接着剤としては、白金触媒を含む付加型シリコーン接着剤が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、金属部材の錆を防止する防錆処理液としては、アミン化合物を含む防錆処理液(水溶性洗浄剤組成物)が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開平6−066072号公報 特開2003−213298公報
ところで、白金触媒を含む付加型シリコーン接着剤によって金属部材と他の部材とを接着させる場合、前記付加型シリコーン接着剤を付与する前の金属部材を、予め、アミン化合物及び水を含む防錆処理液(例えば、防錆処理液と洗浄液との機能を兼ね備えた防錆洗浄液等)によって処理し、金属部材の錆を防止することが行なわれている。この防錆処理液を管理する方法として、一般的には、防錆処理液の電導度を測定し、測定された値が所定の電導度の範囲内に含まれるように管理する方法が用いられる。
しかしながら、白金触媒を含む付加型シリコーン接着剤を付与する前の金属部材を、アミン化合物及び水を含む防錆処理液によって処理する場合には、アミン化合物の濃度をより厳密に管理する必要があることが判明した。
即ち、防錆処理液中のアミン化合物濃度が低すぎると、アミン化合物による防錆性が低下し、金属部材の錆が発生する。一方、防錆処理液中のアミン化合物の濃度が高すぎると、付加型シリコーン接着剤の接着剤成分である白金触媒が、アミン化合物によって硬化阻害を起こし、その結果、接着不良を起こす恐れがある。
これらの問題に対し、電導度の測定により防錆処理液を管理する方法では、上述の防錆性及び硬化阻害に直接的に作用するアミン化合物の濃度を厳密に管理できない場合があり、また、温度や混入物の影響で電導度の測定値が変動し易く、その結果、アミン化合物の濃度を厳密に管理できない場合がある。
従って、本発明の課題は、防錆処理液を、金属部材に対する防錆性に優れ、かつ、金属部材に付与される付加型シリコーン接着剤の接着性を低下させにくい状態に管理することができる防錆処理液の管理方法を提供することである。
また、本発明の課題は、防錆性に優れ、かつ、付加型シリコーン接着剤の接着性の低下を抑制できる金属部材の処理方法、及び、複合部材の製造方法を提供することである。
本発明者は鋭意検討した結果、防錆処理液中のアミン化合物の濃度を中和滴定によって測定し、測定された値が所定の濃度範囲内に含まれるように防錆処理液を管理することにより、上記課題を解決できるとの知見を得、この知見に基づき本発明を完成させた。
即ち、前記課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
<1> 白金触媒を含む付加型シリコーン接着剤が付与される前の金属部材の防錆処理に用いられ、アミン化合物及び水を含む防錆処理液中のアミン化合物の濃度を中和滴定によって測定し、測定された値が予め定めた濃度範囲に含まれるように管理する管理工程を有する防錆処理液の管理方法である。
<2> 前記予め定めた濃度範囲が、0.02質量%〜0.50質量%の範囲である<1>に記載の防錆処理液の管理方法である。
<3> 前記予め定めた濃度範囲が、0.02質量%〜0.20質量%の範囲である<1>又は<2>に記載の防錆処理液の管理方法である。
<4> 前記管理工程は、測定された値が前記予め定めた濃度範囲から外れた場合には、水及びアミン化合物の少なくとも一方の添加より、防錆処理液中のアミン化合物の濃度が前記予め定めた濃度範囲に含まれるように調整する<1>〜<3>のいずれか1つに記載の防錆処理液の管理方法である。
<5> アミン化合物の濃度が測定される防錆処理液は、アミン化合物以外のアルカリ性成分及び酸性成分の含有量が、アミン化合物の含有量に対し、70質量%以下である<1>〜<4>のいずれか1つに記載の防錆処理液の管理方法である。
<6> 前記中和滴定は、pH6〜8を境に色が変化する指示薬を用いて行なう<1>〜<5>のいずれか1つに記載の防錆処理液の管理方法である。
<7> <1>〜<6>のいずれか1つに記載の防錆処理液の管理方法によって管理された防錆処理液を用い、白金触媒を含む付加型シリコーン接着剤が付与される前の金属部材を防錆処理する防錆処理工程を有する金属部材の処理方法である。
<8> 更に、防錆処理された金属部材に、前記付加型シリコーン接着剤を付与する付与工程を有する<7>に記載の金属部材の処理方法である。
<9> <8>に記載の金属部材の処理方法によって前記付加型シリコーン接着剤が付与された金属部材と他の部材とを、前記金属部材の前記付加型シリコーン接着剤付与面と他の部材の表面とが対向するように接着させる接着工程を有する複合部材の製造方法である。
本発明によれば、防錆処理液を、金属部材に対する防錆性に優れ、かつ、金属部材に付与される付加型シリコーン接着剤の接着性を低下させにくい状態に管理することができる防錆処理液の管理方法を提供することができる。
また、本発明によれば、防錆性に優れ、かつ、付加型シリコーン接着剤の接着性の低下を抑制できる金属部材の処理方法、及び、複合部材の製造方法を提供することができる。
実験例1における、アミン濃度と酸性液の滴数との関係を示すグラフである。 実験例1における、アミン濃度と電導度との関係を示すグラフである。 実験例2における、切削油濃度と酸性液の滴数との関係を示すグラフである。 実験例2における、切削油濃度と電導度との関係を示すグラフである。 実験例3における、温度(液温)と酸性液の滴数との関係を示すグラフである。 実験例3における、温度(液温)と電導度との関係を示すグラフである。 実験例4における防錆剤検量線である。
<防錆処理液の管理方法>
本発明の防錆処理液の管理方法(以下、「本発明の管理方法」ともいう)は、白金触媒を含む付加型シリコーン接着剤が付与される前の金属部材の防錆処理に用いられ、アミン化合物及び水を含む防錆処理液中のアミン化合物の濃度を中和滴定によって測定し、測定された値が予め定めた濃度範囲に含まれるように管理する管理工程を有し、必要に応じその他の工程を有して構成される。
本発明の管理方法では、防錆処理液の電導度が所定の範囲に含まれるように管理する従来の方法とは異なり、白金触媒の硬化阻害、及び、防錆性に対して直接作用するアミン化合物の濃度が所定の範囲に含まれるように防錆処理液を管理する。
具体的には、アミン化合物の濃度が低すぎると、金属部材に対する防錆性が低下し、金属部材の錆が発生する。一方、アミン化合物の濃度が高すぎると、アミン化合物が白金触媒の硬化阻害を引き起こし、その結果、付加型シリコーン接着剤の接着性が低下する。
従って、本発明の管理方法によれば、防錆処理液を、金属部材に対する防錆性に優れ、かつ、金属部材に付与される付加型シリコーン接着剤の接着性を低下させにくい状態に管理することができる。
更に、本発明の管理方法によれば、防錆処理液の電導度が所定の範囲に含まれるように管理する従来の方法と比較して、測定値に対する温度や混入物の影響が少ないので(例えば、後述の実験例2及び3参照)、防錆処理液中のアミン化合物の濃度をより厳密に管理することができる。
(中和滴定)
本発明では、防錆処理液中のアミン化合物(以下、単に「アミン」ともいう)の濃度を中和滴定によって測定する。
前記中和滴定は、例えば、塩酸、硝酸等の酸の水溶液(酸性液)を用いて行なうことができる。
例えば、塩酸水溶液(以下、単に「塩酸」ともいう)を用いて中和滴定を行なう場合、下記反応式(A)によってアミン塩酸塩が生成する。
R−NH+HCl → R−NH・HCl … 反応式(A)
上記反応式(A)において、Rは、脂肪族基(例えばアルキル基、好ましくは炭素数1〜10のアルキル基、より好ましくは炭素数1〜6のアルキル基)を表す。前記脂肪族基は、ヒドロキシル基等の置換基によって置換されていてもよい。
即ち、上記反応式(A)においてR−NHは1級アミンを表すが、1級アミン以外(例えば2級アミン又は3級アミン)を用いた場合にも、同様の反応式が成立する。
上記反応式(A)の示すように、アミンと塩酸とはモル比1:1の関係で反応する。そして中和滴定において、アルカリ性である防錆処理液中に塩酸を滴下し、防錆処理液中のアミンが全て塩酸と反応すると、アルカリ性であった防錆処理液が中性を示すようになる。更に塩酸を滴下して防錆処理液中の塩酸が過剰となると、防錆処理液は酸性を示すようになる。これにより、防錆処理液が中性を示すようになったとき(中和点)の塩酸の滴下量から、防錆処理液に含まれていたアミンの量及びアミンの濃度を算出することができる。
更に、酸性液の滴下量とアミンの濃度との関係を示す検量線を予め準備し、この検量線を用いることにより、酸性液の滴下量から防錆処理液中の未知のアミン濃度を容易に見積もることができる(例えば、後述の実験例1及び4参照)。
中和滴定における中和点の検出方法には特に制限はなく、例えば、リトマス試験紙を用いた検出方法、電位差による検出方法(電気滴定法)、指示薬を用いた検出方法等を用いることができる。
中でも、指示薬を用いた検出方法は、中和点を目視判定できるので、リトマス紙による方法や電気滴定法と比較して、操作が簡便となり、測定装置や該測定装置の校正が不要となる点で好ましい。
前記指示薬としては公知の指示薬を用いることができ、例えば、メチルバイオレット、チモールブルー、メチルイエロー、ブロモフェノールブルー、メチルオレンジ、メチルレッド、リトマス、ブロモチモールブルー、フェノールレッド、フェノールフタレイン、チモールフタレイン、アリザリンイエロー等が挙げられる。これらは、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記指示薬としては、中性付近(例えばpH6〜8)を境に色が変化する指示薬(単一種の指示薬であっても、2種以上の混合物である指示薬であってもよい)が好ましい。これにより、中和点の目視による検出がより容易となる。
更に、指示薬として、中性付近(例えばpH6〜8)を境に、相互に補色の関係にある、赤色から緑色に変化する指示薬を用いると、視認性がより向上し、中和点の目視による検出が更に容易となる。
このような指示薬としては、例えば、紫キャベツの色素抽出液等が挙げられる。
(防錆処理液)
本発明における防錆処理液は、白金触媒を含む付加型シリコーン接着剤が付与される前(即ち、付加型シリコーン接着剤によって接着される前)の金属部材の防錆処理に用いられる液である。
前記防錆処理液は、洗浄液としての機能を兼ね備えた液(防錆洗浄液)であることが好ましい。かかる防錆洗浄液を用いることにより、前記金属部材の接着面(付加型シリコーン接着剤が付与される面)の防錆処理を行なうとともに、当該面を清浄にするための洗浄を行なうことができる。かかる防錆洗浄液は、例えば、公知の洗浄装置の洗浄槽内で用いられる。この形態では、洗浄槽内において、前記防錆洗浄液を用いて金属部材の防錆処理及び洗浄が行なわれる。
本発明における防錆処理液は、アミン化合物及び水を含む。
前記防錆処理液による防錆処理では、前記アミン化合物が金属部材の表面をコーティングすることにより、錆の発生が抑制される。
前記防錆処理液の具体的な形態としては、例えば、水及びアミン化合物(防錆剤)を含む防錆剤組成物を、所望のアミン濃度となるように水で希釈した希釈液の形態が挙げられる。
前記防錆剤組成物としては市販品を用いることもできる。市販品としては、豊田化学工業(株)製の「トヨノック」シリーズ、豊田化学工業(株)製の「トヨゾール」シリーズ、スギムラ化学工業(株)製の「プレトン」シリーズ、等が挙げられる。
前記アミン化合物としては、1級アミン化合物、2級アミン化合物、3級アミン化合物を特に限定なく用いることができる。前記アミン化合物としては、防錆性の観点からは、アルコールアミンが好ましい。
前記1級アミン化合物としては、イソプロパノールアミン、モノエタノールアミン、等が挙げられる。
前記2級アミン化合物としては、ジイソプロパノールアミン、ジエタノールアミン、等が挙げられる。
前記3級アミン化合物としては、トリイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、等が挙げられる。
前記防錆処理液は、アミン化合物を1種のみ含んでいてもよいし、2種以上を含んでいてもよい。
本発明では、前記防錆処理液中のアミン化合物の濃度(以下、「アミン濃度」ともいう)を中和滴定によって測定し、測定された値(アミン濃度)が予め定めた濃度範囲(以下、「管理範囲」ともいう)に含まれるように管理する。
中和滴定によって測定された値が前記管理範囲から外れた場合には、防錆処理液を廃棄してもよいが、アミン化合物(又は前記防錆剤組成物)の使用量削減の観点からは、防錆処理液への水及びアミン化合物の少なくとも一方の添加(例えば、前記防錆剤組成物の添加)により、アミン化合物の濃度が前記管理範囲に含まれるように調整することが好ましい。
中和滴定によって測定された値が前記管理範囲に含まれている場合には、防錆処理液を、アミン化合物の濃度の調整を行なわずにそのまま用いてもよいし、アミン化合物の濃度を前記管理範囲の中心値に近づけるように調整した後に用いてもよい。
なお、本発明では、アミン化合物の濃度を管理するとともに、前記防錆剤組成物を含む防錆処理液中における該防錆剤組成物の濃度(以下、「防錆剤濃度」ともいう)を管理することもできる。
前記予め定めた濃度範囲(管理範囲)は任意に設定される範囲であるが、0.02質量%〜0.50質量%の範囲が好ましく、0.02質量%〜0.40質量%の範囲がより好ましく、0.02質量%〜0.30質量%の範囲が更に好ましく、0.02質量%〜0.20質量%の範囲が更に好ましく、0.04質量%〜0.15質量%の範囲が特に好ましい。
濃度が0.02質量%以上であると、防錆性により優れる。
濃度が0.50質量%以下であると、白金触媒の硬化阻害がより低減され、付加型シリコーン接着剤の接着性がより向上する。
前記防錆処理液は、必要に応じ、その他の成分を含んでいてもよい。
その他の成分としては、例えば洗浄剤が挙げられる。
前記洗浄剤としては、脂肪酸のアルカリ金属塩、界面活性剤、等が挙げられる。
また、本発明において、中和滴定によりアミン化合物の濃度が測定される防錆処理液には混入物が含まれていてもよい。
前記混入物としては、例えば、金属部材の処理により混入した油(例えば、鉱油を主成分とする切削油等)、金属切削屑、金属微粉、等が挙げられる。
前記混入物の含有量は、アミン化合物の濃度をより正確に測定する観点より、該混入物も含めた防錆処理液全量に対し、20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい。
また、中和滴定によりアミン化合物の濃度が測定される防錆処理液は、アミン化合物以外のアルカリ性成分及び酸性成分の含有量が、アミン化合物の含有量に対し、100質量%以下であることが、アミン化合物の濃度をより厳密に測定できる観点からみて好ましい。
前記アミン化合物以外のアルカリ性成分及び酸性成分の含有量は、アミン化合物の含有量に対し、90質量%以下が好ましく、70質量%以下が更に好ましく、50質量%以下が更に好ましく、10質量%以下が更に好ましく、5質量%以下が更に好ましく、1質量%以下が特に好ましい。前記含有量は、最も好ましくは0質量%である。
<金属部材の処理方法>
本発明の金属部材の処理方法は、既述の本発明の防錆処理液の管理方法によって管理された防錆処理液を用い、白金触媒を含む付加型シリコーン接着剤が付与される前の金属部材を防錆処理する防錆処理工程を有する。
本発明の金属部材の処理方法によれば、金属部材に対する優れた防錆性が維持され、かつ、金属部材に付与される付加型シリコーン接着剤の接着性の低下が抑制される。
本発明の金属部材の処理方法において、防錆処理液の詳細や、アミン化合物の好ましい濃度範囲(管理範囲)については前述のとおりである。
また、既述のとおり、前記防錆処理工程は、金属部材の洗浄を兼ねた工程であってもよい。
前記防錆処理は、防錆処理液が収容された処理槽(例えば洗浄槽)内で行なわれる形態が好適である。処理の方式としては、ディップ(浸漬)方式、シャワー方式、パドル方式等の公知の方式を用いることができる。
処理槽を用いた形態では、経時により、また、金属部材の処理が行なわれることにより、アミン化合物の濃度が変化し易いため、防錆処理液中のアミン化合物の濃度を管理する必要性が高い。
(金属部材)
前記金属部材としては、金属を含む部材であれば特に制限はない。
前記金属部材は、金属を主成分として含む部材を用いることが好ましい。ここで、主成分とは、含有量が最も多い成分を指し、具体的には、含有量が80質量%以上(好ましくは90質量%以上)である成分を指す。前記金属部材として、金属含有量が100質量%(但し、不可避的不純物が含まれていてもよい)の部材を用いてもよいことはいうまでもない。
前記金属としては、鉄、アルミニウム、銅等が挙げられる。
前記金属は、単一成分であっても、2種以上の成分であってもよい。2種以上の成分からなる金属としては、炭素鋼、ステンレス鋼等が挙げられ、中でも、炭素鋼が好ましい。
前記金属としては、防錆処理液による防錆効果がより顕著に得られる点で、鉄を含むことが好ましく、鉄を70質量%以上含むことがより好ましく、鉄を80質量%以上含むことが更に好ましく、鉄を90質量%以上含むことが更に好ましく、鉄を95質量%以上含むことが特に好ましい。
前記金属部材の具体例としては、炭素鋼製部材等が挙げられる。
本発明の金属部材の処理方法は、更に、防錆処理された金属部材に、白金触媒を含む付加型シリコーン接着剤を付与(例えば塗布)する付与工程を有することが好ましい。かかる形態では、アミン化合物による白金触媒の硬化阻害が抑制され、付加型シリコーン接着剤の接着性の低下が抑制される。
白金触媒を含む付加型シリコーン接着剤としては、例えば特開平6−066072号公報に記載の付加型シリコーン接着剤等、白金触媒とシリコーン化合物とを含む公知の付加型シリコーン接着剤を特に制限なく用いることができる。
白金触媒の量も公知の範囲とすることができ、例えば、シリコーン化合物の全量に対し、0.1〜500ppm(白金換算)とすることができ、0.1〜100ppm(白金換算)が好ましく、20〜100ppm(白金換算)がより好ましい。
白金触媒を含む付加型シリコーン接着剤としては、市販品を用いることもできる。
<複合部材の製造方法>
本発明の複合部材の製造方法は、既述の金属部材の処理方法によって処理された金属部材と他の部材とを、前記金属部材の前記付加型シリコーン接着剤付与面と他の部材の表面とが対向するように接着させる接着工程を有する。
金属部材と接着される他の部材は、金属部材であってもよいし、非金属部材であってもよい。
他の部材としての金属部材の具体例は、前述した金属部材の具体例と同様である。
前記非金属部材としては、樹脂部材、ゴム部材、セラミック部材等が挙げられる。
上記接着後は、加熱処理により、前記付加型シリコーン接着剤を硬化させることが好ましい。
加熱処理の温度は通常の範囲とすることができるが、130℃〜200℃が好ましく、150℃〜170℃がより好ましい。
加熱処理の時間は通常の範囲とすることができるが、0.2時間〜3時間が好ましく、0.3時間〜1.5時間がより好ましい。
本発明の複合部材の製造方法により製造される複合部材として、具体的には、マグネット・ロータ等の接着複合部材が挙げられる。
以下、本発明を実験例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実験例に限定されるものではない。以下において、「wt%」は、質量%を示す。また、「常温」及び「室温」は20℃を指す。
また、以下の実験例において、「防錆剤」は、下記組成のイソプロパノールアミン(アミン化合物)の濃度が14wt%である防錆剤組成物(豊田化学工業(株)製トヨノックR−747P)を指す。
この防錆剤組成物は、アミン化合物以外のアルカリ性成分及び酸性成分の含有量が、アミン化合物の含有量に対し、64wt%である。
〜防錆剤(防錆剤組成物)の組成〜
・水 … 73wt%
・イソプロパノールアミン(アミン化合物) … 14wt%
・脂肪酸(炭素数4〜30の脂肪族酸及びその酸無水物) … 9wt%
・添加剤(EDTA、トリアジン類、その他) … 4wt%
また、以下の実験例において、「防錆剤濃度」は、上記防錆剤組成物を希釈した防錆剤希釈液中における上記防錆剤組成物の濃度を指す。
また、以下の実験例において、防錆剤濃度とアミン濃度との間には、「アミン濃度(wt%)=防錆剤濃度(wt%)×0.14」の関係が成り立っている。
また、以下の実験例における中和滴定では、pH6以下で赤色を呈し、pH8以上で薄紫色〜緑色を呈する指示薬を用いた。
〔実験例1〕
≪アミン濃度の推定に関する実験1≫
実験例1として、中和滴定によるアミン濃度の推定に関する実験、及び、電導度測定によるアミン濃度の推定に関する実験(比較実験)を行なった。詳細を以下に示す。
<中和滴定によるアミン濃度の推定に関する実験>
上記防錆剤(防錆剤組成物。以下同じ。)を工業用水で希釈し上記指示薬を添加して得られた防錆剤希釈液(防錆処理液)について、酸性液(0.1N塩酸水溶液)を用いた中和滴定を行い、アミン濃度(イソプロパノールアミンの濃度;既知の濃度)と酸性液の滴数との関係を求めた。この中和滴定は、室温の防錆剤希釈液に対して行なった。
次に、イソプロパノールアミン(アミン化合物)を工業用水で希釈し上記指示薬を添加して得られたアミン水溶液について、上記防錆剤希釈液の中和滴定と同様の条件によって中和滴定を行い、アミン濃度(イソプロパノールアミンの濃度;既知の濃度)と酸性液の滴数との関係を求めた。
以上の結果を図1に示す。
図1は、防錆剤希釈液及びアミン水溶液における、アミン濃度と酸性液の滴数との関係を示すグラフである。
図1に示すように、防錆剤希釈液の測定結果とアミン水溶液の測定結果とは同一直線上に位置した。
この結果から、防錆剤希釈液中の未知のアミン濃度を、中和滴定により推定できることがわかった。
本実験例1では、アミン化合物としてイソプロパノールアミンを用いた例を示したが、アミン化合物として他のアミン化合物(例えば、トリエタノールアミン等の3級アミン)を用いた場合にも、上記実験例1と同様に、防錆剤希釈液中の未知のアミン濃度を、中和滴定により推定することができる。
<電導度測定によるアミン濃度の推定に関する実験(比較実験)>
上記防錆剤を工業用水で希釈して得られた防錆剤希釈液(防錆処理液)について電導度を測定し、アミン濃度(イソプロパノールアミンの濃度;既知の濃度)と電導度との関係を求めた。この電導度の測定は、40℃の防錆剤希釈液に対して行なった。
次に、イソプロパノールアミン(アミン化合物)を工業用水で希釈して得られたアミン水溶液について電導度を測定し、アミン濃度(イソプロパノールアミンの濃度;既知の濃度)と電導度との関係を求めた。この電導度の測定は、40℃のアミン水溶液に対して行なった。
以上の結果を図2に示す。
図2は、防錆剤希釈液及びアミン水溶液における、アミン濃度と電導度との関係を示すグラフである。
図2に示すように、防錆剤希釈液の測定結果とアミン水溶液の測定結果とは同一直線上には位置しなかった。即ち、同じ電導度であっても、防錆剤希釈液とアミン水溶液とでは、アミン濃度が異なっていた。
この結果から、防錆剤希釈液中の未知のアミン濃度を、電導度により推定することは困難であることがわかった。
〔実験例2〕
≪混入物の影響に関する実験≫
実験例2として、中和滴定の測定値に対する混入物の影響に関する実験、及び、電導度の測定値に対する混入物の影響に関する実験(比較実験)を行なった。詳細を以下に示す。
<中和滴定の測定値に対する混入物の影響に関する実験>
上記防錆剤を工業用水で希釈し上記指示薬を添加して得られた防錆剤希釈液、及び、この防錆剤希釈液に更に切削油(日興キャスティ(株)製ハングスターファー;主成分は鉱油)を混入させた切削油含有防錆剤希釈液について、実験例1と同様の条件の中和滴定を行い、切削油の濃度と酸性液の滴数との関係を求めた。防錆剤濃度及び切削油濃度は図3に示すとおりである。
測定結果を図3に示す。
図3に示すように、切削油の濃度が変わっても、酸性液の滴数はほとんど変化しなかった。この結果から、中和滴定による管理方法では、防錆剤希釈液に切削油が混入した場合でも、切削油の濃度の影響を受けにくいことがわかった。
<電導度の測定値に対する混入物の影響に関する実験(比較実験)>
上記防錆剤を工業用水で希釈して得られた防錆剤希釈液、及び、この防錆剤希釈液に更に切削油(日興キャスティ(株)製ハングスターファー;主成分は鉱油)を混合した切削油含有防錆剤希釈液について、実験例1と同様にして電導度を測定し、切削油の濃度と電導度との関係を求めた。防錆剤濃度及び切削油濃度は図4に示すとおりである。
測定結果を図4に示す。
図4に示すように、切削油の濃度が変化すると、電導度の値が変動することがわかった。この結果から、電導度による管理方法では、防錆剤希釈液に切削油が混入した場合に、切削油の濃度の影響を受け易いことがわかった。
〔実験例3〕
≪温度の影響に関する実験≫
実験例3として、中和滴定の測定値に対する温度の影響に関する実験、及び、電導度の測定値に対する温度の影響に関する実験(比較実験)を行なった。詳細を以下に示す。
<中和滴定の測定値に対する温度の影響に関する実験>
上記防錆剤を工業用水で希釈し上記指示薬を添加して得られた防錆剤希釈液について、温度(液温)を変化させたこと以外は実験例1と同様にして中和滴定を行い、温度(液温)と酸性液の滴数との関係を求めた。防錆剤濃度及び温度は図5に示すとおりである。
測定結果を図5に示す。
図5に示すように、温度(液温)が変わっても、酸性液の滴数はほとんど変化しなかった。この結果から、中和滴定による管理方法では、温度(液温)の影響を受けにくいことがわかった。
<電導度の測定値に対する温度の影響に関する実験(比較実験)>
上記防錆剤を工業用水で希釈して得られた防錆剤希釈液について、温度(液温)を変化させたこと以外は実験例1と同様にして電導度の測定を行い、温度(液温)と電導度との関係を求めた。防錆剤濃度及び温度は図6に示すとおりである。
測定結果を図6に示す。
図6に示すように、温度(液温)が上昇するに従い、電導度が上昇した。この結果から、電導度による管理方法では、温度(液温)の影響を受け易いことがわかった。
以上、実験例2及び3の結果より、中和滴定による管理方法では、防錆剤濃度が低濃度の0.04wt%から高濃度の5wt%(アミン濃度0.0056wt%から0.7wt%)の範囲に渡り、混入物や温度の影響を受けにくいことが確認された。これらの結果より、分離や前処理を行なうことなく防錆剤希釈液(防錆処理液)中の防錆剤濃度やアミン濃度を把握することが可能であることがわかった。
また、中和滴定は温度(液温)の影響を受けにくいため、測定にあたり温度管理を行なう必要はない。
また、中和滴定による管理方法は、測定値同士を比較することが可能であるため、電導度による管理方法と比較して、防錆剤希釈液(防錆処理液)の日常管理に適している。
〔実験例4〕
≪中和滴定によるアミン濃度の推定に関する実験2≫
実験例4として、付加型シリコーン接着剤が付与される前の金属部材の洗浄を行なうための洗浄液中の未知のアミン濃度を、中和滴定により推定する実験を行なった。詳細を以下に示す。
<防錆剤検量線の作成>
上記防錆剤を工業用水で希釈し上記指示薬を添加して得られた防錆剤希釈液(防錆剤濃度は0.05wt%、0.2wt%、0.4wt%の3種類)について、実験例1と同様の中和滴定により、防錆剤濃度と酸性液の滴数との関係を求め、防錆剤検量線とした。
得られた防錆剤検量線を図7に示す。
<濃度調整前の洗浄液中の防錆剤濃度の測定>
付加型シリコーン接着剤が付与される前の金属部材の洗浄を行なうための洗浄槽中の洗浄液(後述する防錆剤濃度の調整前(濃度調整前)の洗浄液)を用い、この洗浄液に含まれる未知の防錆剤濃度を以下のようにして測定した。
即ち、上記洗浄槽(容量210L)中の洗浄液(液量190L)から採取した洗浄液サンプル(この洗浄液サンプルの体積は、防錆剤検量線の作成に用いた防錆剤希釈液と同体積とした)に、まず上記指示薬を添加し、次いで実験例1と同様の条件で酸性液を滴下し(中和滴定)、上記防錆剤検量線を用いて洗浄液中の防錆剤濃度を測定した。
下記表1に示すように、濃度調整前の洗浄液中の防錆剤濃度は、0.11wt%と求められた。
なお、この洗浄液は、上記防錆剤を工業用水で希釈した得られた防錆剤希釈液であって、下記の金属部材の防錆処理を繰り返し行なった後の液である。
・金属部材 … 接着面を切削加工したロータ(材質:炭素鋼S15C)
<濃度調整>
上記濃度調整前の洗浄液に、上記防錆剤を0.8L追加することにより、洗浄液中の防錆剤濃度の調整を行なった。
<濃度調整後の洗浄液中の防錆剤濃度の計算>
濃度調整後の防錆剤濃度を液容量から計算すると、下記式(1)及び式(2)により、0.53%と求められる。
なお、防錆剤及び洗浄液の比重はいずれも1.0であることから、以下の計算では、wt%=vol%であることを前提としている。
濃度調整前の防錆剤量α(L)=0.11(%)×0.01×190(L)=0.209(L) ・・・ 式(1)
濃度調整後の防錆剤濃度β(%)=((0.209+0.8)/(190+0.8))×100=0.53(%) ・・・ 式(2)
<濃度調整後の洗浄液中の防錆剤濃度の測定>
上記濃度調整後の洗浄液中の防錆剤濃度を、濃度調整前の洗浄液中の防錆剤濃度と同様にして、中和滴定及び防錆剤検量線を用いて測定した。
その結果、下記表1に示すように、濃度調整後の洗浄液中の防錆剤濃度は、0.51wt%と求められた。
表1に示すように、濃度調整後の洗浄液中の防錆剤濃度について、中和滴定によって求めた値と液容量から計算した値はほぼ一致した。また、表1では記載を省略したが、防錆剤中のアミン濃度が14wt%であることより、計算式「アミン濃度(%)=防錆剤濃度(%)×0.14」により、洗浄液中のアミン濃度も容易に算出できる。
このことから、洗浄槽中の洗浄液に含まれる防錆剤濃度及びアミン濃度を、中和滴定によって測定できることが確認された。
〔実験例5〕
<複合部材の作製>
上記防錆剤及び水を種々の比率で混合し、種々のアミン濃度の洗浄液1〜6(表2中の洗浄液No.1〜No.6;防錆処理液)をそれぞれ調製した。得られた各洗浄液について、実験例4と同様の中和滴定によってアミン濃度を測定した。測定されたアミン濃度を下記表2に示す。
次に、上記各洗浄液のいずれか1種を容器に満たし、この洗浄液を用いて、下記条件で2つの下記金属部材の洗浄を行なった。
・金属部材 … 接着面を切削加工し、その後、予め溶剤脱脂洗浄を施したロータ(材質:炭素鋼S15C)
・洗浄条件 … 常温、浸漬(いわゆる「どぶ漬け」)2分間、ブロー乾燥
上記で洗浄された2つの金属部材を、85℃、85%RHの環境下で24時間保管した。
上記保管後の金属部材の一方に、白金触媒を含む付加型シリコーン接着剤(信越化学工業(株)製、商品名AS−2279)をディスペンサで塗布し、次いで、この接着剤塗布面に、上記保管後の他方の金属部材を圧着させることにより、2つの金属部材を接着させて複合部材を得た。
次に、得られた複合部材を加熱炉に入れ、160℃で0.5時間の加熱処理を行い、付加型シリコーン接着剤を硬化させた。
<評価>
上記金属部材及び複合部材を用い、以下の評価を行なった。評価結果を下記表2に示す。
(防錆性)
上記で洗浄された金属部材(85℃、85%RHの環境下での保管前の金属部材)を、35℃、70%RHの環境下で28日間保管し、この保管中に金属部材の表面を目視にて観察し、下記評価基準に従って防錆性を評価した。
下記評価基準において、A、B、及びCであれば実用上の許容範囲内である。
−防錆性の評価基準−
A … 保管開始から14日を超えても錆の発生は認められなかった。
B … 保管開始から7日を越えて14日以内に錆の発生が認められた。
C … 保管開始から1日を越えて7日以内に錆の発生が認められた。
D … 保管開始から1日以内に錆の発生が認められた。
(接着性)
上記加熱処理後の複合部材を用い、2つの金属部材の接着性を以下の方法によって確認し、下記評価基準に従って接着性を評価した。
上記複合部材の接着部位にせん断方向の応力を加え、2つの金属部材が剥離するまでの最大強度(剥離強度)を測定した。
また、対比用のデータとして、上記洗浄液による洗浄を行なう前の金属部材(予め溶剤脱脂洗浄が施された金属部材)2つを上記と同様の条件で接着して対比用複合部材とし、得られた対比用複合部材(以下、「溶剤脱脂洗浄品」とする)について、上記と同様にして、剥離強度を測定した。
−接着性の評価基準−
A … 複合部材の剥離強度が溶剤脱脂洗浄品の剥離強度と同等(100%)であり、非常に高い接着性を示した。
B … 複合部材の剥離強度が溶剤脱脂洗浄品の剥離強度に比べて90%以上100%未満であり、高い接着性を示した。
C … 複合部材の剥離強度が溶剤脱脂洗浄品の剥離強度に比べて70%以上90%未満であり、接着性が実用上の許容範囲内であった。
D … 複合部材の剥離強度が溶剤脱脂洗浄品の剥離強度に比べて50%以上70%未満であり、接着性が実用上の許容範囲内であった。
E … 複合部材の剥離強度が溶剤脱脂洗浄品の剥離強度に比べて50%未満であり、接着性が悪く、実用上の許容範囲を超えていた。
表2に示すように、中和滴定によってアミン濃度を所定の範囲に管理することにより、防錆性と付加型シリコーン接着剤の接着性とが両立されることが確認された。

Claims (9)

  1. 白金触媒を含む付加型シリコーン接着剤が付与される前の金属部材の防錆処理に用いられ、アミン化合物及び水を含む防錆処理液中のアミン化合物の濃度を中和滴定によって測定し、測定された値が予め定めた濃度範囲に含まれるように管理する管理工程を有する防錆処理液の管理方法。
  2. 前記予め定めた濃度範囲が、0.02質量%〜0.50質量%の範囲である請求項1に記載の防錆処理液の管理方法。
  3. 前記予め定めた濃度範囲が、0.02質量%〜0.20質量%の範囲である請求項1又は請求項2に記載の防錆処理液の管理方法。
  4. 前記管理工程は、前記測定された値が前記予め定めた濃度範囲から外れた場合には、水及びアミン化合物の少なくとも一方の添加より、防錆処理液中のアミン化合物の濃度が前記予め定めた濃度範囲に含まれるように調整する請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の防錆処理液の管理方法。
  5. アミン化合物の濃度が測定される防錆処理液は、アミン化合物以外のアルカリ性成分及び酸性成分の含有量が、アミン化合物の含有量に対し、70質量%以下である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の防錆処理液の管理方法。
  6. 前記中和滴定は、pH6〜8を境に色が変化する指示薬を用いて行なう請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の防錆処理液の管理方法。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の防錆処理液の管理方法によって管理された防錆処理液を用い、白金触媒を含む付加型シリコーン接着剤が付与される前の金属部材を防錆処理する防錆処理工程を有する金属部材の処理方法。
  8. 更に、防錆処理された金属部材に、前記付加型シリコーン接着剤を付与する付与工程を有する請求項7に記載の金属部材の処理方法。
  9. 請求項8に記載の金属部材の処理方法によって前記付加型シリコーン接着剤が付与された金属部材と他の部材とを、前記金属部材の前記付加型シリコーン接着剤付与面と他の部材の表面とが対向するように接着させる接着工程を有する複合部材の製造方法。
JP2012147351A 2012-06-29 2012-06-29 防錆処理液の管理方法、金属部材の処理方法、及び複合部材の製造方法 Expired - Fee Related JP5905348B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012147351A JP5905348B2 (ja) 2012-06-29 2012-06-29 防錆処理液の管理方法、金属部材の処理方法、及び複合部材の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012147351A JP5905348B2 (ja) 2012-06-29 2012-06-29 防錆処理液の管理方法、金属部材の処理方法、及び複合部材の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014009382A JP2014009382A (ja) 2014-01-20
JP5905348B2 true JP5905348B2 (ja) 2016-04-20

Family

ID=50106348

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012147351A Expired - Fee Related JP5905348B2 (ja) 2012-06-29 2012-06-29 防錆処理液の管理方法、金属部材の処理方法、及び複合部材の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5905348B2 (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05230438A (ja) * 1992-02-25 1993-09-07 Hitachi Chem Co Ltd 摩擦材の製造法
JP2705480B2 (ja) * 1992-08-17 1998-01-28 信越化学工業株式会社 ドアの製造方法
JP2888086B2 (ja) * 1993-01-14 1999-05-10 信越化学工業株式会社 水切り剤中の活性剤濃度測定キット及び測定方法
JP5309714B2 (ja) * 2007-07-04 2013-10-09 信越化学工業株式会社 帯電防止性能を有するシリコーン粘着剤組成物およびシリコーン粘着テープ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014009382A (ja) 2014-01-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU2014233883B2 (en) Corrosion inhibiting sol-gel compositions
Zhang et al. The synergistic effect of polyamidoamine dendrimers and sodium silicate on the corrosion of carbon steel in soft water
JP2018197352A (ja) パーマンガネート系化成コーティング組成物
JP2019070196A (ja) 腐食抑制組成物および腐食抑制組成物でコーティングされた航空機着陸装置構成要素
JP2007182591A (ja) 錆取り・防錆剤及びこれを用いた錆取り方法
KR20210119586A (ko) 부식 억제제로서의 아졸 화합물
RU2684115C2 (ru) Очищающее средство для бережного удаления чернил и маркера
JP7034090B2 (ja) 材料の腐食除去が低減される金属表面の防食処理のための方法
TW538138B (en) Process for treating and producing the parts made of magnesium and/or magnesium alloy
WO2012093372A2 (en) Aqueous acid cleaning, corrosion and stain inhibiting compositions in the vapor phase comprising a blend of nitric and sulfuric acid
CN103882439A (zh) 一种水溶性金属除油除锈防锈液及其制备方法
JP5905348B2 (ja) 防錆処理液の管理方法、金属部材の処理方法、及び複合部材の製造方法
KR20200020872A (ko) 부식 및 스케일을 억제하기 위한 조성물 및 방법
JPS5845384A (ja) 金属基体の水による腐食を防止するための組成物及び方法
US10415140B2 (en) Two-stage pre-treatment of aluminum comprising pickling and passivation
SG184519A1 (en) Process for preparing and treating a substrate
Al-Rubaiey et al. The effect of adding carboxymethyl cellulose and zinc sulfate on the corrosion characteristics of the drilling fluid
JP5827650B2 (ja) 水溶性洗浄液
AU2012204790B2 (en) Acid cleaning and corrosion inhibiting compositions comprising a blend of nitric and sulfuric acid
JP2011084790A (ja) 水溶性洗浄液
Uma et al. Investigation and inhibition of aluminium corrosion in methane sulphonic acid solution by organic compound
AU2014235194A1 (en) Method to control corrosion of a metal surface using alkyl sulfamic acids or salts thereof
BR112015019215B1 (pt) Uso de um aditivo de silano para evitar microporosidade em superfícies metálicas contendo zinco
EP4177317A1 (en) Use of a corrosion inhibition composition and method for inhibition of corrosion of metals or metal alloys
RU2160324C1 (ru) Состав для защиты от коррозии металлических поверхностей из черных металлов

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150325

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160222

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160308

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160316

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5905348

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees