JP5905174B1 - 保持装置及びそれを用いた開閉器 - Google Patents

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Abstract

効率よく永久磁石による保持力を減衰させることを目的とし、可動導体(1)の周りに設けられ、固定磁性体(3)に対し接したり離れたりするように配置された可動磁性体(2)と、可動磁性体(2)を固定磁性体(3)に吸着保持する永久磁石(4)とを備え、可動導体(1)に過電流が流れたときに生じる磁束によって永久磁石(4)による吸着力を減衰させる保持装置であって、可動導体(1)を流れる電流の方向に交差するように形成された周方向の可動磁性体(2)の磁束経路部(21)に切欠き部(22)を設け、固定磁性体(3)に可動磁性体(2)が接触したとき、固定磁性体(3)によって切欠き部(22)を短絡して周方向にループ状の磁束経路を形成するようにした。

Description

この発明は、例えば開閉器の接点を閉極保持する場合などに用いられる保持装置及びそれを用いた開閉器に関する。
従来の開閉器に用いられる保持装置として、接したり離れたりすることが可能な一対の永久磁石及び磁性体と、これらの永久磁石と磁性体とが離れる方向に弾性力を作用させる弾性体とを備え、永久磁石と磁性体との接触面に垂直に電流路の一部を形成したものが知られている。(例えば、特許文献1)
特開平4−109535号公報(第2〜4頁、第1、4図)
上述のような保持装置にあっては、電流路に流れる過大電流によって磁束が発生し、永久磁石、磁性体間の磁束を弱めて開閉器の接点間保持力を低下させることになるが、特許文献1に開示された磁気回路においては、図1に示されるように過大電流の方向にかかわらず永久磁石による保持力を一部弱め、一部強めるように作用させている。このため、過大電流の作る磁束が永久磁石の磁束に打勝つために有効に作用する割合としては効率が低いという問題点があった。
この発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、過大電流の作る磁束によって永久磁石の磁束に打勝つときの磁束の作用効率が高く、永久磁石による保持力を単調的に減衰させることができる保持装置及びそれを用いた開閉器を提供することを目的としている。
この発明に係る保持装置は、電流が流れる導体と、この導体の周りに配設された可動磁性体と、この可動磁性体に対向配置され、前記可動磁性体が接したり離れたりする固定磁性体と、前記可動磁性体と前記固定磁性体に跨るように形成されたループ状の磁束経路内に設置され、前記可動磁性体を前記固定磁性体に吸着保持する永久磁石と、を備え、前記導体に過電流が流れたとき、前記永久磁石による磁束とは反対方向の磁束を発生させ、前記永久磁石による吸着力を減衰させるようにした保持装置であって、前記可動磁性体は、前記導体を流れる電流の方向に対して交差する面に沿うように周方向に形成され、その周方向の所定部に少なくとも一つの切欠き部を備えた磁束経路部を有し、前記固定磁性体は、前記可動磁性体が接触したときに前記可動磁性体の前記切欠き部を短絡し、前記可動磁性体と共同して前記磁束経路部を周方向にループ状に繋ぐように形成されたことを特徴とするものである。
また、この発明に係る開閉器は、前記の保持装置と、前記可動磁性体を前記固定磁性体から離すように設けられた開放部材と、固定接点と、前記可動磁性体に結合され、前記固定接点に対して接したり離れたりするように配置された可動接点とを備えたことを特徴とするものである。
この発明の保持装置によれば、接したり離れたりすることが可能に対向配置された可動磁性体と固定磁性体とを、永久磁石による磁束経路が導体に対してその周りを周方向にループ状に繋ぐように形成し、導体に過大電流が流れたときに生じる磁束を、永久磁石による磁束経路と同じ周方向のループ状にすることで、永久磁石の吸引力を強めることなく減衰させることができ、過大電流の作る磁束が永久磁石の磁束に打勝つための作用効率が高くなる。
また、この発明の開閉器によれば、永久磁石の吸引力を強めることなく減衰させることができ、過大電流の作る磁束が永久磁石の磁束に打勝つための作用効率が高くなる。また、構成を簡素にできるため、操作機構部の小型化が可能となる。
この発明の実施の形態1に係る保持装置の要部を概念的に示す斜視図である。 図1における保持装置の可動磁性体と固定磁性体を示す分解斜視図である。 この発明の実施の形態2に係る保持装置の要部を概念的に示す断面図である。 この発明の実施の形態3に係る開閉器の要部を概念的に示す断面図である。 この発明の実施の形態4に係る保持装置の要部を示す斜視図である。 この発明の実施の形態5に係る保持装置の要部を概念的に示す斜視図である。 図6における保持装置の要部を概念的に示す斜視図である。 この発明の実施の形態6に係る保持装置の要部を概念的に示す斜視図である。 図8における保持装置の側面図である。 この発明の実施の形態7に係る保持装置の要部を概念的に示す斜視図である。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る保持装置の要部を概念的に示す斜視図、図2は、図1における保持装置の可動磁性体と固定磁性体を示す分解斜視図である。なお、図2においては、可動導体を省略して示している。
図1において、保持装置は、電流が流れる可動導体1と、この可動導体1の外周に取り付けられ、可動導体1と一体となって可動導体1の長さ方向に移動する板状体からなる可動磁性体2と、可動磁性体2に対して接したり離れたりすることが可能に対向配置された板状体からなる固定磁性体3と、固定磁性体3に取付けられ、可動磁性体2と対向するように固定された永久磁石4とを備えている。また、可動磁性体2は、可動導体1に流れる電流iによって生じる磁束Bの経路が、該電流の流れる方向に直交する面に沿って形成されるように、ここでは板状の磁束経路部21が対称的な2つの扇形の円弧状に形成されており、双方の扇の軸に相当する中心部が可動導体1に固定され、扇形状の一方の磁束経路部21と他方の磁束経路部21との間には2つの切欠き部22が形成されている。
さらに、固定磁性体3には、磁束経路部21と同様に対称的な2つの扇形状の磁束経路部31が形成されており、この磁束経路部31は、永久磁石4を介して可動磁性体2に接触したとき、可動磁性体2の切欠き部22を短絡し、可動磁性体2とともに周方向にループ状の磁束経路を形成するように構成されている。なお、2つの磁束経路部31は、可動磁性体2の切欠き部22を個々に繋ぎ、磁束経路部21が周方向にループ状に形成されるようにする必要上、図2に示すように磁束経路部21の周方向の中央部に対応する位置に切欠き部32を設け、周方向が不連続となるように形成されている。
また、永久磁石4は、固定磁性体3における磁束経路部31の周方向端部に固定され、永久磁石4の磁極面が可動磁性体2の切欠き部22に隣接する周方向端部に対向するように合計4個設置されている。なお、各永久磁石4は、N極とS極の磁極を周方向に交互に変えて配置され、図1に実線矢印で示すように、永久磁石4による磁束が、可動磁性体2、永久磁石4、固定磁性体3、永久磁石4を順次通過して可動導体1の周りを囲むループ状となるように形成されている。
なお、固定磁性体3を所定箇所に保持する基体や可動導体1を移動可能に保持する保持部材などは図示を省略している。
また、図1において、可動磁性体2は、可動導体1に対してリング状の扇の軸部で結合されているが、両者の結合方法や結合箇所は特に限定されたものではなく、例えば、ねじによる締結や溶接による結合でも良い。
また、可動磁性体2は、板状体を用いて磁束経路部21を対称的な2つの扇形状に形成した例を示したが、扇形状や周方向の設置個数は、特に限定されるものではなく、例えば、個々のピースの形状は、固定磁性体3と組み合わせたときに可動導体1を囲む形状であればよく、切欠き部22の対向面を互いに平行にした円弧状、あるいは、中空な四角形の一辺が除かれたU字形状としても良い。また、可動磁性体2の周方向の設置個数は、1個または3個以上としても良く、磁束経路部21の周方向の設置個数と同数とすることになる。
また、固定磁性体3は、ここでは可動磁性体2と同様の板状体によって形成したが、特に板状体に限定されるものではない。また、永久磁石4は、可動磁性体2及び固定磁性体3の端部に位置するように配置しているが、永久磁石4の設置箇所や設置個数は、特に限定されるものではなく、可動磁性体2を固定磁性体3に吸着保持するために十分な磁束を発生することができるものであればよい。
次に、上記のように構成された保持装置の動作について説明する。
まず、永久磁石4によって作られた磁束は、図1に実線矢印で示すように、可動磁性体2、永久磁石4、固定磁性体3を通過し、可動導体1を囲むようなループ状の磁束として形成される。この磁束により、可動磁性体2を永久磁石4に吸引する方向の力を発生させ、可動磁性体2を固定磁性体3に対して吸着保持させることができる。
また、可動導体1に図1に示すような上向きの電流iを流せば、この電流iの作る磁束は、中抜き破線で示す矢印の方向になる。このとき、可動磁性体2と永久磁石4の接触面において、可動導体1を流れる電流が作る磁束(中抜き破線矢印)は、永久磁石4が作る磁束(実線矢印)と逆向きの関係となり、永久磁石4が作る磁束を弱めることになる。
したがって、可動導体1に短絡電流などの過大な電流が流れると、この過大電流が作る磁束により、永久磁石4の作る磁束が大きく弱められ、可動磁性体2に作用していた永久磁石4の方向への保持力が著しく減衰することになる。なお、過大電流は、短絡電流に限定されるものではない。
このように、可動導体1と一体となって動作する可動磁性体2に永久磁石4の作るループ状の磁束で保持力を働かせることにより、可動導体1に過大な電流が流れた際、可動磁性体2に作用する保持力を効果的に減衰させることができる。また、可動導体1に定格値以下の電流が流れている際も、永久磁石4の作る磁束は、弱められるが、保持装置として必要な保持力を下回る電流値より、十分小さな値を定格電流値として定めておけば問題を生ずることがない。
以上のように実施の形態1によれば、電流が流れる可動導体1と、この可動導体1の外周に設けられた可動磁性体2と、この可動磁性体2が接したり離れたりするように対向配置された固定磁性体3と、この固定磁性体3に取付けられ、可動磁性体2を吸着保持する永久磁石4とを備え、永久磁石4による磁束を可動導体1に直交する面の周方向に沿って固定磁性体3と可動磁性体2とに交互に流し、磁束経路をループ状に形成したため、可動導体1に過大電流が流れたときに生じる磁束によって永久磁石4の吸引力を効果的に減衰させることができ、過大電流の作る磁束が永久磁石4の磁束に打勝つための作用効率を高くすることができる。
また、固定磁性体3と可動磁性体2とを、板状体を用い可動導体1を中心とする対称的な扇形状に形成したため、構造が簡素で製作が容易であり小型化することもできる。
なお、可動磁性体2と固定磁性体3は、可動導体1に直交する面に沿うように設置したが、必ずしも完全に直交した姿勢とする必要はなく、過大電流の作る磁束によって永久磁石4の吸引力を減衰させることができる範囲で交差された姿勢であっても差し支えない。
実施の形態2.
図3は、この発明の実施の形態2に係る保持装置の要部を概念的に示す断面図である。
図において、可動導体1または可動磁性体2には、固定磁性体3との接触状態を開放する方向(矢印Fs方向)にばね力が作用するように開放部材である開放ばね5が取付けられている。
なお、保持装置の他の基本的な構成は、実施の形態1と同様であり、可動導体1と可動磁性体2とからなる可動部材の任意の箇所に開放ばね5が取付けられている。また、可動部材と開放ばね5との間には、絶縁ロッド(図示せず)等を挿入してもよい。
上記のような構成において、可動導体1に定常電流が流れているとき、可動導体1を流れる電流が作る磁束は、永久磁石4が作る磁束を一部弱めるが、可動磁性体2、永久磁石4間に働く吸引力Fmと、開放ばね5のばね力Fsとは、Fm>Fsの関係を満足しており、可動磁性体2は、永久磁石4方向に吸引保持される。一方、可動導体1に過大な電流が流れると、この過大電流による磁束が永久磁石4による磁束を大幅に弱め、永久磁石4の保持力を大きく減衰させる。この結果、可動磁性体2、永久磁石4間に働く吸引力Fmと開放ばね5のばね力Fsとは、Fm<Fsの関係となり、可動導体1及び可動磁性体2は、開放ばね5のばね力により固定磁性体3及び永久磁石4から離れる方向に駆動されることになる。
このように構成された実施の形態2によれば、Fs方向にばね力が蓄勢された開放ばね5を直接または図示していない絶縁ロッドを介して可動導体1または可動磁性体2に連結することにより、可動導体1に過大な電流が流れたとき、この過大な電流により、可動導体1と可動磁性体2とを永久磁石4による吸引力Fmと逆方向に駆動させることができる。
なお、可動導体1に過大な電流が流れたとき、可動磁性体2は、固定磁性体3から離れるが、この場合直ちに電流が遮断されないように設定されていることが好ましい。すなわち、可動磁性体2が固定磁性体3から離れた後も一定時間電流が流れ、その後、可動磁性体2と固定磁性体3との間の距離が十分開いた後に電流が遮断されると、そのときには可動磁性体2に働く吸引力Fmと開放ばねのばね力Fsとは、Fm<Fsとなり、直ちに可動磁性体2が固定磁性体3に接触することはない。
さらに、ここでは可動導体1と可動磁性体2からなる可動部材に開放方向のばね力Fsを作用させるため、開放部材としてコイルばねからなる開放ばね5を用いているが、ばねに限定されるものではなく、可動部材に開放方向の力を作用させることが可能な弾性体などであれば、同様に構成することができる。
実施の形態3.
図4は、この発明の実施の形態3に係る開閉器の要部を概念的に示す断面図である。
この実施の形態3においては、実施の形態2における保持装置に接点を組み合わせて開閉器を構成したものである。
すなわち、図4に示すように、可動導体1における開放ばね5接続側の反対側に可動接点6を電気的、かつ、機械的に結合するとともに、この可動接点6に対向して配置された固定接点7を設け、これらの接点6,7により開閉部が構成されている。
なお、図4では図示を省略しているが、上記の保持装置においては、開放ばね5のばね力Fsによって同図左方向へ駆動された可動部を同図右方向へ駆動する投入装置がさらに設けられている。
このような構成のもとで、可動磁性体2が永久磁石4に吸着保持されているとき、可動導体1に結合された開閉部の可動接点6は、固定接点7に接触した状態となり、電気的に接続される。一方、可動導体1に過大な電流が流れると、可動磁性体2及び永久磁石4間に働く吸引力Fmと、開放ばね5のばね力Fsとは、Fm<Fsの関係となり、このばね力により、可動磁性体2、可動導体1及び可動接点6は、一体となってFs方向に駆動され、可動接点6が固定接点7から開放されることになる。
上記のように実施の形態3によれば、可動導体1における開放ばね5接続側の反対側に可動接点6を電気的、かつ、機械的に接続するように構成したことにより、可動接点6及び固定接点7間に過大な電流が流れた際、接点6,7間を開放させることができる。また、可動磁性体2と固定磁性体3とは、板状体を用い、可動導体1を中心とする対称的な扇形状に形成したため、構造が簡素で容易に製作することができ、かつ、小型化することもできる。
実施の形態4.
図5は、この発明の実施の形態4に係る保持装置の要部を示す斜視図であり、固定磁性体と永久磁石を示している。なお、図中、可動導体と可動磁性体を省略しているが、基本的な構成は、実施の形態1と同様である。
図5において、永久磁石4は、図2と同様に固定磁性体3の所定の位置に固定される一方、固定磁性体3には、永久磁石4の周方向の両側部から突出して形成された爪部311が設けられている。この爪部311は、永久磁石4の高さよりも低く形成され、全ての永久磁石4の側端部に突き当たるように配置されており、可動磁性体2と固定磁性体3間の磁気抵抗を低くする役割を果たしている。
このような実施の形態4によれば、可動導体1に過大な電流が流れたとき、この電流により、永久磁石4の磁化方向と逆方向の磁束が作られ、永久磁石4より磁気抵抗の低い爪部311に流れようとする。このため、可動導体1を流れる電流が作る磁束によって永久磁石4の減磁作用を低減することができる。
このように、固定磁性体3に永久磁石4を取り囲むように突出された爪部311を設けることによって、可動導体1を流れる電流が作る磁束によって永久磁石4の減磁リスクを低減することができる。このため、装置の寿命を延ばすことができる。
実施の形態5.
図6は、この発明の実施の形態5に係る保持装置の要部を概念的に示す斜視図であり、可動導体1、固定磁性体3、及び永久磁石4を示し、可動磁性体2を省略している。図7は、図6に示された保持装置の要部を概念的に示す斜視図であり、可動磁性体2、固定磁性体3、及び永久磁石4を示し、可動導体1を省略している。
図6及び図7において、固定磁性体3に固定された永久磁石4の周方向の一側部には、永久磁石4と同一の高さで固定磁性体3の可動磁性体2に対する対向面から盛り上がるように突出したバイパス凸部312が設けられている。
なお、図6に示すように、可動導体1に流れる電流iが矢印方向に流れるとき、永久磁石4の磁極は、極性が互い違いとなるよう配置される。
上記の構成においては、可動導体1を流れる電流方向、永久磁石4の極性配置が図6に示す状態で、固定磁性体3に対して可動磁性体2が図7に示すように接触しているとき、永久磁石4の上面とバイパス凸部312の上面とは、可動磁性体2の磁束経路部21の下面に対して同時に突き当たり、図7に示すように可動導体1を流れる電流が作る磁束は、中抜き破線矢印のようになり、永久磁石4の作る磁束は、実線矢印で示すようになる。なお、図示された矢印の太さや向きは、量や強さ、方向を正確に示すものではなく、概念的に表している。したがって、永久磁石4が作る磁束は、図7に示すように、永久磁石4→可動磁性体2(ないしは固定磁性体3とそのバイパス凸部312)→バイパス凸部312と固定磁性体3(ないしは可動磁性体2)→永久磁石4というループを形成して、可動磁性体2を固定磁性体3に吸着保持する。
一方、可動導体1を流れる電流が作る磁束は、永久磁石4を通過することはなく、可動磁性体2→バイパス凸部312・固定磁性体3・バイパス凸部312→可動磁性体2→バイパス凸部312・固定磁性体3・バイパス凸部312の順に通過するループを形成する。
また、図6、図7に示すような構成では、可動導体1を流れる電流が作る磁束と、永久磁石4の作る磁束とは、可動磁性体2と固定磁性体3のバイパス凸部312との接触面において逆方向となっており、可動磁性体2と固定磁性体3間の磁気的吸引力を減衰させるように作用している。
以上のように、実施の形態5によれば、固定磁性体3における永久磁石4の固定部分に並列的にバイパス凸部312を設けることによって、永久磁石4の作る磁束に対し可動導体1を流れる電流が作る磁束が十分小さい場合には、可動磁性体2は、固定磁性体3に吸着保持され、一方で可動導体1に過大な電流が流れるなどにより可動磁性体2と固定磁性体3のバイパス凸部312との接触面において永久磁石4が作る磁束が大きく弱められた際、可動磁性体2と固定磁性体3間に作用する磁気吸引力を減衰することができる。
さらに、可動導体1を流れる電流が作る磁束による永久磁石4の減磁リスクを低減することができるため、装置の寿命を延ばすことができる。
実施の形態6.
図8は、この発明の実施の形態6に係る保持装置の要部を概念的に示す斜視図、図9は、図8に示された保持装置の側面図であり、可動導体1を省略して示している。
なお、この実施の形態6は、図に示すように、固定磁性体3Aとして、磁束経路を2つのルートに分けた第1分岐経路部313及び第2分岐経路部314としたブロック状の磁束経路部31Aによって形成するとともに、永久磁石4を第1分岐経路部313及び第2分岐経路部314の何れか一方に挿入するように構成したものである。具体的には、図示していない可動導体1が1つに対し、可動磁性体2及び固定磁性体3Aは、それぞれ4個ずつのピースによって構成されている。また、永久磁石4は、第1分岐経路部313に挿入され、永久磁石4のバイパス路となる第2分岐経路部314には磁気抵抗調整部314aが設けられている。なお、板状体からなる可動磁性体2は、他の実施の形態と同様に可動導体1の周りに固定されている。また、図示された矢印の太さや向きは、量や強さ、方向を正確に示すものではなく、概念的に表している。
図8において、可動導体1を流れる電流により形成される磁束が中抜き破線矢印で示す方向に流れるとき、永久磁石4の磁極は、実線矢印に示す方向の極性となるように配置されるものとする。ここで、固定磁性体3Aを図9に示すように、可動磁性体2に接触する側の第1分岐経路部313を含む半分を分路A、その反対側の第2分岐経路部314を有する半分を分路Bとすると、分路Bの第2分岐経路部314は、可動導体1を流れる電流が作る磁束が永久磁石4を避けて通り、永久磁石4を減磁しないように設けられている。なお、固定磁性体3Aには、可動磁性体2における切欠き部22を挟んで隣り合う板状体の一方に対向された第1接触部31aと、この第1接触部31aに対して固定側の磁束経路部31Aを介して形成され、切欠き部22を挟んで隣り合う板状体の他方に対向された第2接触部31bとが設けられている。
上記のように構成された実施の形態6によれば、永久磁石4のN極から出た磁束で、分路A側に向かうものが可動磁性体2と固定磁性体3A間に吸引保持力を与え、可動導体1に過大な電流が流れたとき、これによる磁束が、可動磁性体2と固定磁性体3Aの接触部において永久磁石4が作る磁束を弱め、永久磁石4の吸引保持力を減衰させることができる。また、分路Bの第2分岐経路部314は、磁気抵抗調整部314aの断面積を調整することによって磁気抵抗を永久磁石4より十分低く設計できるとともに、永久磁石4の磁束が第2分岐経路部314に流れる量を調整できるため、可動導体1を流れる電流が作る磁束が永久磁石4を通過する量を制御することができる。
すなわち、永久磁石4が減磁されるリスクを低くすることができる。このため、永久磁石4の減磁リスクが少なく、長寿命の保持装置を実現することができるという更なる効果を得ることができる。
実施の形態7.
図10は、この発明の実施の形態7に係る保持装置の要部を概念的に示す斜視図であり、可動導体1を省略して示している。
この実施の形態7においては、実施の形態6に示した保持装置の固定磁性体3Aを改良し、永久磁石4を第1分岐経路部313に磁極が横向きとなるように、即ち、可動磁性体2及び第2分岐経路部314に平行となるように配置した構成としたものである。なお、その他の構成は、実施の形態6と同様であるので、説明を省略する。
上記のように構成された実施の形態7によれば、実施の形態6において永久磁石4を挟む第1分岐経路部313が磁気飽和し易い問題を抑制することができる。
なお、磁気飽和を防止する目的であれば、実施の形態6における永久磁石4を挟む第1分岐経路部313の磁路を広くする方法もあるが、本構成を用いることにより保持装置を小型化することができる。さらに、加工が簡便となる長所も有している。このように、固定磁性体3Aを永久磁石4の磁極が横向きに配置できるような形状とすることによって、製造が簡便で、小型な保持装置を実現することができる。
なお、以上の実施の形態においては、可動導体1が可動磁性体2に固定され、可動磁性体2と共に一体的に動作するように構成した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、導体を固定したものとし、この導体に対して可動磁性体2を移動可能に支持するように構成しても同様の作用効果を得ることができる。
また、いずれの実施の形態の保持装置も実施の形態3と同様に開閉器に用いることができることは言うまでもない。
なお、この発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態の一部または全部を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
1:可動導体、2:可動磁性体、21:磁束経路部、22:切欠き部、3,3A:固定磁性体、31,31A:磁束経路部、31a:第1接触部、31b:第2接触部、311:爪部、312:バイパス凸部、313:第1分岐経路部、314:第2分岐経路部、314a:磁気抵抗調整部、32:切欠き部、4:永久磁石、5:開放ばね、6:可動接点、7:固定接点。

Claims (10)

  1. 電流が流れる導体と、この導体の周りに配設された可動磁性体と、この可動磁性体に対向配置され、前記可動磁性体が接したり離れたりする固定磁性体と、前記可動磁性体と前記固定磁性体に跨るように形成されたループ状の磁束経路内に設置され、前記可動磁性体を前記固定磁性体に吸着保持する永久磁石と、を備え、前記導体に過電流が流れたとき、前記永久磁石による磁束とは反対方向の磁束を発生させ、前記永久磁石による吸着力を減衰させるようにした保持装置であって、前記可動磁性体は、前記導体を流れる電流の方向に対して交差する面に沿うように周方向に形成され、その周方向の所定部に少なくとも一つの切欠き部を備えた磁束経路部を有し、前記固定磁性体は、前記可動磁性体が接触したときに前記可動磁性体の前記切欠き部を短絡し、前記可動磁性体と共同して前記磁束経路部を周方向にループ状に繋ぐように形成されたことを特徴とする保持装置。
  2. 前記可動磁性体及び前記固定磁性体の磁束経路部は、いずれも扇形状または円弧状に形成された板状体からなることを特徴とする請求項1記載の保持装置。
  3. 前記固定磁性体の磁束経路部における周方向の各端部に前記永久磁石が固定され、前記永久磁石の磁極面が前記可動磁性体の磁束経路部における前記切欠き部の周方向端部に接したり離れたりすることが可能に配置されていることを特徴とする請求項2記載の保持装置。
  4. 前記固定磁性体における前記永久磁石の側部に、前記固定磁性体の磁束経路部の表面から突出された爪部が設けられていることを特徴とする請求項3記載の保持装置。
  5. 前記固定磁性体の周方向端部における前記可動磁性体との対向面に前記永久磁石と同一の高さに形成されたバイパス凸部を設け、前記導体に過電流が流れたときに生じる磁束の一部を前記永久磁石に対してバイパスするようにしたことを特徴とする請求項2記載の保持装置。
  6. 前記可動磁性体の磁束経路部は、円弧状の板状体からなり、前記固定磁性体は、その磁束経路を分けて形成した第1分岐経路部及び第2分岐経路部を備え、前記永久磁石は、前記第1分岐経路部及び第2分岐経路部の一方に挿入されていることを特徴とする請求項1記載の保持装置。
  7. 前記永久磁石は、N極とS極を結ぶ方向が前記第1分岐経路部及び第2分岐経路部の他方の磁束経路の方向に平行となるように設置されていることを特徴とする請求項6記載の保持装置。
  8. 前記可動磁性体は、前記切欠き部が複数設けられ、前記磁束経路部が前記切欠き部と同数の磁性体によって周方向に不連続に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項7の何れか一項に記載の保持装置。
  9. 請求項1から請求項8の何れか1項記載の保持装置と、前記可動磁性体を前記固定磁性体から離すように設けられた開放部材と、固定接点と、前記可動磁性体に結合され、前記固定接点に対して接したり離れたりするように配置された可動接点とを備えたことを特徴とする開閉器。
  10. 前記導体を可動導体とし、この可動導体に前記可動磁性体を固定したことを特徴とする請求項9記載の開閉器。
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