JP5902883B2 - 分光蛍光光度計 - Google Patents

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本発明は、試料に励起光を照射したときに生ずる蛍光を測定する分光蛍光光度計に関する。
基底状態の分子に光を照射すると、分子はエネルギーレベルの高い励起状態に遷移する。そして、励起状態の分子は、エネルギーの一部を振動や熱により失った後、光放射による失活により基底状態に戻る。このときに分子が発する光が蛍光である。
そこで、分子が発する蛍光がどのようなものであるかを検討するために、設定励起波長λEXの光を試料に照射し、そのときに試料から放出されるスペクトル(光の波長分布と強度)を測定する分光蛍光光度計が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
図6は、従来の分光蛍光光度計の一例を示す概略構成図である。
分光蛍光光度計101は、設定励起波長λEXの光を出射する照射部100と、試料Sが配置される試料室20と、スペクトルを測定する検出部30と、設定印加電圧値(負高圧)Vを印加する高電圧発生部43と、カウンタ回路44と、デジタル−アナログ(D/A)変換器42と、分光蛍光光度計101全体を制御するコンピュータ150とを備える。
試料室20には、分析したい試料Sが収納された10mmキュベットセル等が配置されるようになっている。
照射部100は、白色光を出射する高輝度のキセノンアークランプやフラッシュキセノンランプ等を光源とする光源部11と、白色光を波長分解するための凹面回折格子12aと励起側スリット13とミラー15とモニター光検出器14とビームスプリッタ16とを有する励起分光器10とを備える。
凹面回折格子12aは、コンピュータ150によって回転されるようなっており、任意の設定励起波長λEXの光を試料Sに対して照射することができるようになっている。
ビームスプリッタ16は、入射した光を、モニター光検出器14と試料Sとに対して分割して出射するようになっている。例えば、入射した光の数%程度を反射光としてモニター光検出器14に対して出射するとともに、残りの透過光を試料Sに対して出射する。
そして、モニター光検出器14は、Si−PD(シリコンフォトダイオード)や光電子増倍管等であり、ビームスプリッタ16からの反射光を検出し、波長分解したそれぞれの光の光強度を示す光源モニター値としてコンピュータ150に出力する。
検出部30は、試料Sから放出される蛍光を波長分解して目的波長λの光を光検出器32に対して出射する凹面回折格子31aと、目的波長λの光強度を検出する光検出器32と、蛍光側スリット34とを備える。
凹面回折格子31aは、コンピュータ150によって回転されるようなっており、任意の目的波長λの光を光検出器32に対して出射することができるようになっている。これにより、凹面回折格子31aは、コンピュータ150によって回転されながら、所定領域の目的波長λの光を光検出器32に対して出射すれば、スペクトルを測定することができるようになっている。
コンピュータ150においては、CPU(制御部)151とメモリ154とを備え、さらにキーボードやマウス等を有する入力装置52と、表示装置53とが連結されている。また、CPU151が処理する機能をブロック化して説明すると、照射部100を制御する光源部制御部151aと、光検出器32からの光強度信号を取得する光検出器制御部151bと、表示装置53にスペクトルを表示する表示制御部151cとを有する。
このような分光蛍光光度計101によれば、分析者が試料Sの分析を実行する際には、試料Sが収納された10mmキュベットセルを試料室20に配置する。そして、分析者は入力装置52を用いて光源部制御部151aを制御することにより、試料Sに対して設定励起波長λEX(例えば、350nm)の光を照射する。光検出器制御部151bは、凹面回折格子31aを回転させながら、光検出器32からの光強度信号を目的波長範囲(例えば、350nm〜450nm)で取得していくことで、試料Sから放出されるスペクトルを取得する。
その後、試料Sの分析が終了すると、表示制御部151cは、表示装置53にスペクトルを表示する(図2参照)。
ところで、検出部30に設置される光検出器32には、検出感度が高い点から光電子増倍管32がしばしば用いられる。光電子増倍管32は、光電面に光が入射すると光電効果によって入射量に応じた電子を発生させ、その電子数を増倍して電流として出力するものである。光電子増倍管32に所定の印加電圧値Vを印加することにより、光電面に入射する光量に比例する大きさの電流が出力され、その出力値によって光電面への入射光量を測定することができる。このとき、光電子増倍管32では、増倍率(印加電圧値V)が高いほど光電面に入射した光量に応じた電子数をより大きく増幅した電流値を出力できるため、高感度の検出が可能となる。
このような光電子増倍管32の陽極から出力される光強度を示す電流値(電荷パルス)を処理する処理方法には、大きく分けると2通りの処理方法がある。
一つの方法は、電荷パルスを多数の集合体とするアナログ電流として扱うアナログ法である。アナログ法は、比較的信号回路の応答性が低速に設計されるために、陽極からの離散的な電荷パルスはそれぞれが重なりあった揺らぎのある電流信号と見なされ、このアナログ信号(電流信号)から蛍光強度を求めるものである。
もう一つの方法は、電荷パルスをあくまで一つの離散パルスとして扱うデジタル法である。デジタル法は、アナログ法に対して、信号回路の応答性がより高速に設計されているため、ある光の強さを超えるレベルまでは陽極からのパルスが全て離散化されるため、一定時間の間に観測される電荷パルス数をカウンタ回路によってカウントすることにより、信号レベルの強弱を含めた高感度な蛍光測定ができる。特に、デジタル法は、フォトンカウンティング法と称され、フォトンカウンティング法は、光電面に入射する光子によって発生する光電子が多段に構成されたダイノードで増幅された後、陽極から出力される電荷パルスを一つ一つカウントする手法である。このようなフォトンカウンティング法によれば、信号レベルに対する雑音度を示すS/N比が非常に優れているとともに、きわめて微弱な光強度信号も正確に測定できる。
近年、このようなフォトンカウンティング法を用いた分光蛍光光度計も多く製造されており、バイオルミネッセンスやケミルミネッセンスを主とするような微弱な光の蛍光観察を行う分野で用いられている。
特開2006−300632号公報
ところで、フォトンカウンティング法を用いた分光蛍光光度計101では、高い検出感度が要求されることに加えて、測定精度の安定性という点も非常に重要な要求項目とされる。例えば、同じ試料Sを異なる日時に分析する場合に、それぞれの日時における分析結果が異ならないようにする必要がある。しかしながら、光電子増倍管32は、それぞれ個々に特有な分光特性を有する上に、印加電圧値Vの大きさによっても感度特性が異なるという特性を示す。
また、光源部11であるキセノンアークランプやフラッシュキセノンランプ等も、高輝度である反面、輝度再現性については低出力の光源(例えば、タングステンランプ等)と比べると非常に劣る面もあり、具体的には使用時間経過に伴う電極部の消耗等による変性により、輝度そのものが使用当初に比べると数段低下する。
そこで、本件発明者は、上記課題を解決するために、測定精度の安定性と高い検出感度とを有する分光蛍光光度計について検討を行った。
まず、検出感度が高い光電子増倍管32を用いて測定精度の安定性を達成するために、光電子増倍管32の陰極に印加する最適な印加電圧値Vについて検討した。光電子増倍管32は、陰極に印加する印加電圧値Vを低圧側から昇圧させていくと、陽極から出力される電荷パルス数を表す計数率が徐々に上がっていくが、ある印加電圧値Vthを超えた時点から一定となり始め、最終的には平衡して安定するプラトー特性を示す。このような平衡して安定する印加電圧値Vである環境下においては、印加電圧値Vの変動が多少発生しても安定した計数率を維持する。しかし、プラトー特性を示す印加電圧値Vは、光電子増倍管32ごとに個体差があり、一意に最適な印加電圧値Vを決め打ちすることは不可能である。
よって、一の分光蛍光光度計101で試料Sを分析する前に、一の分光蛍光光度計101に搭載している光電子増倍管32のプラトー特性を示す印加電圧値Vを求め、一の分光蛍光光度計101で試料Sを分析する際に設定すべき最適な印加電圧値Vとしてプラトー電圧Vを決定することにした。
ここで、一の分光蛍光光度計101において、光電子増倍管32のプラトー特性を示す印加電圧値Vを決定する決定方法の一例について説明する。
プラトー電圧Vを決定するための試料Sとして、10mmキュベットセルに純水を入れたものを用意する。純水は、励起波長λEXごとに決まった蛍光波長λにラマンシグナルを示す。例えば、励起波長λEXを350nmに設定し、スペクトルを測定すると、波長が397nm付近に水のラマンピークが現れる。図2は、得られたスペクトルの一例を示す図である。なお、縦軸は光強度であり、横軸は波長である。
よって、目的波長λを蛍光波長λ(例えば、397nm)に設定し、以降は蛍光波長λをこのまま固定した状態で、初期設定の印加電圧値V(例えば、−500V)に固定したまま、1秒間隔で1分間電荷パルス数をカウントし、1分間での電荷パルス数の時間変化を求める。図3は、得られた電荷パルス数(パルスカウント値)と時間との関係の一例を示す図である。
そして、図3に示すようなパルスカウント値の時間変化から電荷パルス数の平均値と標準偏差とを求め、標準偏差/平均値より変動数(CV値)を計算する。
さらに、このような印加電圧値Vにおける変動係数の計算を、印加電圧値Vを−500V(初期設定)から−10V上げるごとに行って、図4に示すような変動数と印加電圧値Vとの関係を示すグラフを作成する。図4は、得られた変動数(CV値)と印加電圧値Vとの関係の一例を示す図である。
図4に示すようなグラフから変動係数がもっとも小さな点を示す印加電圧値Vをプラトー電圧Vとして決定し、試料Sを分析する際には、決定したプラトー電圧Vに常時自動設定されるようにする。
次に、高輝度である光源部11を用いても測定精度の安定性を達成するために、キセノンアークランプやフラッシュキセノンランプ等の光源部11について検討した。
分光蛍光光度計101の照射部100では、試料Sに照射する直前の設定励起波長λEXの光が光路中に設けたビームスプリッタ16によりその一部が取り出され、この光量をモニター光検出器14によって受光し、光源11のエネルギーのふらつき量として絶えず光源モニター値として記録している。よって、分光蛍光光度計101では、光電子増倍管32から検出された電荷パルスをそのまま蛍光強度として扱わず、電荷パルスを光源モニター値で除算した強度値を最終的な蛍光強度としてスペクトルを表している。これにより、光源部11のエネルギーがふらつく若しくは使用当初からの相対値の低下が生じても、その影響は蛍光強度に現れなくなる。
また、励起分光器10の迷光等の環境変化が引き起こすもの、あるいは、光源モニター値は光束の全体を見ているわけではなく、そのうちの限定された一部分のみをモニターしているだけであるので、モニターしきれない光束の部分のふらつきが蛍光強度の安定性を損ねる。
よって、定期的(例えば、24時間おき)に、決められた標準試料Sを測定して、標準試料Sにより求められた蛍光強度が規定強度値の範囲内になるようにする補正係数αを算出し、試料Sを分析した際に得られた蛍光強度に補正係数αを掛ける補正を行うことにした。これにより、変動を抑えることが可能になる。
すなわち、本発明の分光蛍光光度計は、白色光を出射する光源と、当該白色光を波長分解して設定励起波長の光を試料に対して照射する回折格子を有する励起分光器とを備える照射部と、前記試料が配置される試料室と、前記試料から放出される蛍光を波長分解して目的波長の光を光検出器に対して出射する回折格子と、目的波長の光強度を検出する光検出器とを備える検出部と、前記励起分光器を制御することにより、前記光検出器で目的波長領域の光強度を検出させることで、スペクトルを取得する制御部とを備える分光蛍光光度計であって、前記光検出器は、光電子増倍管であり、前記光電子増倍管の陰極に、設定印加電圧値を印加する電圧発生部と、前記光電子増倍管の陽極から出力される光強度を示す電荷パルス数をカウントするカウンタ回路とを備え、前記制御部は、前記試料を分析する前に、前記電圧発生部を制御することにより、設定印加電圧値を変更し、各設定印加電圧値におけるそれぞれの電荷パルス数の時間変化を測定し、前記電荷パルス数の時間変化から、前記電荷パルス数の平均値と標準偏差とを求め、当該標準偏差を平均値で除算することにより変動係数を計算し、前記変動係数が最小値となる印加電圧値を、前記試料を分析する際に設定する設定印加電圧値となるプラトー電圧として決定するようにしている。
ここで、「設定励起波長」とは、分析者等によって分析前に予め決められた任意の波長であり、例えば、350nm等となる。
また、「目的波長領域」とは、分析者等によって分析前に予め決められた任意の波長領域であり、例えば、200nm〜900nm等となる。
以上のように、本発明の分光蛍光光度計によれば、検出感度が高い光電子増倍管を用いても、設定印加電圧値として、安定した計数率を維持するプラトー電圧に設定するので、測定精度の安定性を有する。
(他の課題を解決するための手段および効果)
また、上記発明において、前記光源は、キセノンアークランプ又はフラッシュキセノンランプであり、前記照射部は、前記設定励起波長の光強度を検出するモニター光検出器と、前記設定励起波長の光をモニター光検出器と試料とに対して分割して出射するビームスプリッタとを備え、前記制御部は、前記試料を分析する際には、前記モニター光検出器から出力される光強度を示す光源モニター値を取得し、前記光検出器で検出された光強度を光源モニター値で除算した強度値を、蛍光強度としてスペクトルを表すようにしてもよい。
以上のように、本発明の分光蛍光光度計によれば、光源のエネルギーがふらつく若しくは使用当初からの相対値の低下が生じても、その影響は蛍光強度に現れなくなる。
さらに、上記発明において、前記制御部は、定期的に、前記試料室に標準試料が配置され、前記標準試料を分析した蛍光強度が予め決められた規定強度値の範囲内になるようにする補正係数を算出し、前記試料を分析する際には、得られた蛍光強度を補正係数を用いて補正するようにしてもよい。
ここで、「規定強度値の範囲」とは、分光蛍光光度計の性能を示す測定値再現性として規定されている数値の範囲内で制限されるものである。
以上のように、本発明の分光蛍光光度計によれば、分光器の迷光等の環境変化が引き起こすもの、あるいは、モニターしきれない光束の部分のふらつきが測定値の安定性を損ねることがなくなる。
実施形態に係る分光蛍光光度計の一例を示す概略構成図である。 得られたスペクトルの一例を示す図である。 得られた電荷パルス数(パルスカウント値)と時間との関係の一例を示す図である。 得られた変動数(CV値)と印加電圧値Vとの関係の一例を示す図である。 分光蛍光光度計を使用する使用方法の一例について説明するためのフローチャートである。 分光蛍光光度計を使用する使用方法の一例について説明するためのフローチャートである。 従来の分光蛍光光度計の一例を示す概略構成図である。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明は、以下に説明するような実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の態様が含まれる。
図1は、実施形態に係る分光蛍光光度計の一例を示す概略構成図である。なお、分光蛍光光度計101と同様のものについては、同じ符号を付している。
分光蛍光光度計1は、設定励起波長λEXの光を出射する照射部100と、試料Sが配置される試料室20と、スペクトルを測定する検出部30と、設定印加電圧値(負高圧)Vを印加する高電圧発生部43と、カウンタ回路44と、デジタル−アナログ(D/A)変換器42と、分光蛍光光度計1全体を制御するコンピュータ50とを備える。
コンピュータ50においては、CPU(制御部)51とメモリ54とを備え、さらにキーボードやマウス等を有する入力装置52と、表示装置53とが連結されている。また、CPU51が処理する機能をブロック化して説明すると、照射部100を制御する光源部制御部51aと、光検出器32からの光強度信号を取得する光検出器制御部51bと、表示装置53にスペクトルを表示する表示制御部51cと、プラトー電圧Vを決定してメモリ54に記憶させるプラトー電圧決定部51dと、補正係数αを算出してメモリ54に記憶させる補正係数算出部51eとを有する。
ここで、分光蛍光光度計1を使用する使用方法の一例について説明する。図5は、分光蛍光光度計1を使用する使用方法の一例について説明するためのフローチャートである。
分光蛍光光度計1の使用方法は、プラトー電圧Vを決定する決定ステップA(ステップS101〜ステップS108)と、補正係数αを算出する補正係数算出ステップB(ステップS109〜ステップS111)と、試料Sを分析する分析ステップC(ステップS112〜ステップS116)とを含む。
(A)決定ステップ(ステップS101〜ステップS108)
まず、ステップS101の処理において、分析者は、プラトー電圧Vを決定するための試料Sとして、10mmキュベットセルに純水を入れたものを用意する。ここで、使用する試料Sは、純水、蛍光性を示す物質が樹脂形状に固められた蛍光ブロック、あるいは、安定した調製が保証できるような試薬でもよい。
次に、ステップS102の処理において、分析者は入力装置52を用いて光源部制御部51aを制御することにより、試料Sに対して設定励起波長λEX(例えば、測定パラメータ:350nm)の光を照射するとともに、モニター光検出器14からの光源モニター値を取得する。光検出器制御部51bは、設定印加電圧値V(例えば、測定パラメータ:−500V)を設定するとともに、凹面回折格子31aを回転させながら、光検出器32からの光強度信号を目的波長範囲(例えば、測定パラメータ:350nm〜450nm)を0.1nm間隔で取得していくことで、試料Sから放出されるスペクトルを取得する(図2参照)。
次に、ステップS103の処理において、図2を観察して水のラマンピークの蛍光波長λ(例えば、397nm)を決定し、目的波長λを蛍光波長λ(例えば、397nm)に設定する。
次に、ステップS104の処理において、分析者は入力装置52を用いて光源部制御部51aを制御することにより、試料Sに対して設定励起波長λEX(例えば、350nm)の光を照射するとともに、モニター光検出器14からの光源モニター値を取得する。光検出器制御部51bは、設定印加電圧値Vn(例えば、−500V)を設定するとともに、凹面回折格子31aを回転させながら、光検出器32から目的波長(例えば、397nm)の光強度信号を取得する。このとき、1秒間隔で1分間電荷パルス数をカウントし、1分間での電荷パルス数の時間変化を求める(図3参照)。そして、図3に示すようなパルスカウント値の時間変化から電荷パルス数の平均値と標準偏差とを求め、標準偏差/平均値より変動係数(CV値)を計算する。
次に、ステップS105の処理において、印加電圧値Vnを変更するか否かを判定する。印加電圧値Vnを変更すると判定したときには、ステップS106の処理において、印加電圧値Vnを−10Vにする。つまり、変動係数と印加電圧値Vnとの関係の示すグラフを作成するために、様々な印加電圧値Vnにおける変動係数を取得することになる。
一方、印加電圧値Vnを変更しないと判定したときには、ステップS107の処理において、変動係数と印加電圧値Vnとの関係を示すグラフを作成する(図4参照)。
次に、ステップS108の処理において、プラトー電圧決定部51dは、図4に示すようなグラフから変動係数がもっとも小さな点を示す印加電圧値Vnをプラトー電圧Vとして決定してメモリ54に記憶させる
(B)補正係数算出ステップ(ステップS109〜ステップS111)
次に、ステップS109の処理において、分析者は、標準試料Sとして10mmキュベットセルに純水を入れたものを用意する。ここで、使用する標準試料Sは、純水、蛍光性を示す物質が樹脂形状に固められた蛍光ブロック、あるいは、安定した調製が保証できるような試薬でもよい。
次に、ステップS110の処理において、分析者は入力装置52を用いて光源部制御部51aを制御することにより、標準試料Sに対して設定励起波長λEX(例えば、350nm)の光を照射するとともに、モニター光検出器14からの光源モニター値を取得する。光検出器制御部51bは、メモリ54に記憶されたプラトー電圧Vに設定するとともに、凹面回折格子31aを回転させながら、光検出器32からの光強度信号の目的波長範囲350nm〜450nmを0.1nm間隔で取得していくことで、標準試料Sから放出されるスペクトルを取得する。
次に、ステップS111の処理において、補正係数算出部51eは、標準試料Sにより求められた蛍光強度が規定強度値の範囲内になるようにする補正係数αを算出してメモリ54に記憶させる。なお、どの目的波長λで測定するかは任意で指定することができるようにしてもよい。
(C)分析ステップ(ステップS112〜ステップS116)
次に、ステップS112の処理において、分析者は、10mmキュベットセルに試料Sを入れたものを用意する。
次に、ステップS113の処理において、分析者は入力装置52を用いて光源部制御部51aを制御することにより、試料Sに対して設定励起波長λEX(例えば、350nm)の光を照射するとともに、モニター光検出器14からの光源モニター値を取得する。光検出器制御部51bは、メモリ54に記憶されたプラトー電圧Vに設定するとともに、凹面回折格子31aを回転させながら、光検出器32からの光強度信号を目的波長範囲300nm〜800nmを0.1nm間隔で取得していくことで、試料Sから放出されるスペクトルを取得する。
次に、ステップS114の処理において、表示制御部51cは、表示装置53にスペクトルを表示する。このとき、試料Sを分析した蛍光強度に、メモリ54に現在記憶されている補正係数αを掛ける補正を行う。
次に、ステップS115の処理において、所定の時間(例えば、24時間)が経過したか否かを判定する。所定の時間が経過していないと判定したときには、ステップS112の処理に戻る。
一方、所定の時間が経過したと判定したときには、ステップS116の処理において、分析を行うか否かを判定する。分析を行うと判定したときには、ステップS109の処理に戻る。つまり、所定の時間が経過して、分析を行うのであれば、補正係数αを更新することになる。
一方、分析を行わないと判定したときには、本フローチャートを終了させる。
以上のように、実施形態の分光蛍光光度計1によれば、検出感度が高い光電子増倍管32を用いても、設定印加電圧値Vとして、安定した計数率を維持するプラトー電圧Vに設定するので、測定精度の安定性を有する。また、光電子増倍管32で検出された光強度を光源モニター値で除算した強度値を、蛍光強度としてスペクトルを表すので、光源部11のエネルギーがふらつく若しくは使用当初からの相対値の低下が生じても、その影響は蛍光強度に現れなくなる。さらに、得られた蛍光強度を補正係数αを用いて補正するので、励起分光器12の迷光等の環境変化が引き起こすもの、あるいは、モニターしきれない光束の部分のふらつきが測定値の安定性を損ねることがなくなる。
本発明は、分光蛍光光度計等に好適に利用できる。
10 励起分光器
11 光源部
12a 凹面回折格子
20 試料室
30 検出部
31a 凹面回折格子
32 光電子増倍管(光検出器)
43 高電圧発生部
44 カウンタ回路
51 制御部
100 照射部

Claims (3)

  1. 白色光を出射する光源と、当該白色光を波長分解して設定励起波長の光を試料に対して照射する回折格子を有する励起分光器とを備える照射部と、
    前記試料が配置される試料室と、
    前記試料から放出される蛍光を波長分解して目的波長の光を光検出器に対して出射する回折格子と、目的波長の光強度を検出する光検出器とを備える検出部と、
    前記励起分光器を制御することにより、前記光検出器で目的波長領域の光強度を検出させることで、スペクトルを取得する制御部とを備える分光蛍光光度計であって、
    前記光検出器は、光電子増倍管であり、
    前記光電子増倍管の陰極に、設定印加電圧値を印加する電圧発生部と、
    前記光電子増倍管の陽極から出力される光強度を示す電荷パルス数をカウントするカウンタ回路とを備え、
    前記制御部は、前記試料を分析する前に、前記電圧発生部を制御することにより、設定印加電圧値を変更し、各設定印加電圧値におけるそれぞれの電荷パルス数の時間変化を測定し、前記電荷パルス数の時間変化から、前記電荷パルス数の平均値と標準偏差とを求め、当該標準偏差を平均値で除算することにより変動係数を計算し、
    前記変動係数が最小値となる印加電圧値を、前記試料を分析する際に設定する設定印加電圧値となるプラトー電圧として決定することを特徴とする分光蛍光光度計。
  2. 前記光源は、キセノンアークランプ又はフラッシュキセノンランプであり、
    前記照射部は、前記設定励起波長の光強度を検出するモニター光検出器と、前記設定励起波長の光をモニター光検出器と試料とに対して分割して出射するビームスプリッタとを備え、
    前記制御部は、前記試料を分析する際には、前記モニター光検出器から出力される光強度を示す光源モニター値を取得し、前記光検出器で検出された光強度を光源モニター値で除算した強度値を、蛍光強度としてスペクトルを表すことを特徴とする請求項1に記載の分光蛍光光度計。
  3. 前記制御部は、定期的に、前記試料室に標準試料が配置され、前記標準試料を分析した蛍光強度が予め決められた規定強度値の範囲内になるようにする補正係数を算出し、
    前記試料を分析する際には、得られた蛍光強度を補正係数を用いて補正することを特徴とする請求項2に記載の分光蛍光光度計。
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