JP5901505B2 - テストケース生成システム - Google Patents

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Description

本発明は、複数の制御装置がネットワークで接続され、システム構成が動的に変化する分散制御システムにおいて、複数のシステム構成におけるテストケースを漏れ無く記述するためのテストケース生成システムに関するものである。
ネットワークを介して複数の制御装置が接続され、システム構成が動的に変化する分散制御システムでは、同一システムの同一機能確認テストにおいて、種々の異なるテスト環境でテストを行う必要がある。
従来のテストケース生成システムでは、テスト対象のソースコードを解析し、モジュールの出力値に関係する代入文や条件分岐文に利用されている数値や変数を抽出し、入力値の取り得る範囲を求めることにより、無駄のないテストケースとしての「入力値」と「期待値(出力値)」を生成するものがあった(例えば、特許文献1参照)。
また、この他にも、テスト環境・条件別に異なるテストデータを、変数として共通テストケースに記述し、予め用意したテストデータリストを参照して、複数のテスト環境・条件に対応するテストケースを生成するシステムがあった(例えば、特許文献2参照)。
特開2009−32133号公報 特開平7−93185号公報
しかしながら、複数の制御装置がネットワークで接続され、テスト環境・条件ごとにシステム構成が変化する分散制御システムのテストにおいては、同一機能のテストを複数のシステム構成で実施する必要があり、テストケースを漏れ無く抽出することが困難である。
このような分散制御システムのソフトウェアは、システム構成のパラメータをテスト対象のモジュールとは別で管理していることが多く、特許文献1に記載されているようにソースコードを解析するシステムでは、同一プログラムであってもシステム構成によって入力データの取得範囲が変化する分散制御システムのテストケースを抽出することは困難であった。
また、特許文献2では、テストケースにおける変動部を変数として記述し、テストデータリストと組み合わせてテスト条件ごとのテストケースを作成することを示しているが、監視制御対象装置の位置だけでなく、数も変動する分散制御システムでは、変動部を単純に変数で表現することは困難である。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、システム構成が動的に変化するような分散制御システムであっても全てのシステム構成に対応するテストケースを漏れ無く作成することのできるテストケース生成システムを得ることを目的とする。
この発明に係るテストケース生成システムは、複数の制御装置が通信接続され、かつ、個々の制御装置が、各々特定の制御対象装置を制御する分散制御システムにおける制御装置の処理に関するテストケースを生成するテストケース生成システムであって、処理と処理の入出力とが記述され、入出力が、どの制御対象装置に対応した入出力であり、かつ、どの制御装置に対応した入出力であるかを示す制御装置の範囲情報とを含んで記述された入出力配線図から処理と入出力の情報を入出力関係情報として抽出する入出力解析部と、個々の制御装置がどの制御対象装置を制御するかを示すと共に、制御装置の範囲情報を示すシステム構成情報と、入出力がどのような値を取るかの値域を示す入出力データ情報と、システム構成情報と入出力関係情報とに基づいて、テストケースを生成する処理に対応した入出力となる制御対象装置と制御装置を特定し、かつ、入出力データの値を入出力データ情報から取得して、制御装置と入出力データの値域に対応したテストケースを生成するテストケース生成部を備えたものである。
この発明のテストケース生成システムは、処理と処理の入出力とが記述され、入出力が、どの制御対象装置に対応した入出力であり、かつ、どの制御装置に対応した入出力であるかを示す制御装置の範囲情報とを含んで記述された入出力配線図と、個々の制御装置がどの制御対象装置を制御するかを示すと共に、制御装置の範囲情報を示すシステム構成情報と、入出力がどのような値を取るかの値域を示す入出力データ情報とに基づいてテストケースを生成するようにしたので、システム構成が動的に変化するような分散制御システムであっても全てのシステム構成に対応するテストケースを漏れ無く作成することができる。
この発明の実施の形態1によるテストケース生成システムのテスト対象とする分散制御システムを示す構成図である。 この発明の実施の形態1によるテストケース生成システムのテスト対象となる分散制御システムの構成例を示す説明図である。 この発明の実施の形態1によるテストケース生成システムを示すブロック図である。 この発明の実施の形態1によるテストケース生成システムの入出力配線図の記述例を示す説明図である。 この発明の実施の形態1によるテストケース生成システムの動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1によるテストケース生成システムの入出力配線図の記入例を示す説明図である。 この発明の実施の形態1によるテストケース生成システムの編成パタンの記述例を示す説明図である。 この発明の実施の形態1によるテストケース生成システムの制御対象装置の配置情報の記述例を示す説明図である。 この発明の実施の形態1によるテストケース生成システムの入出力データ情報の記述例を示す説明図である。 この発明の実施の形態1によるテストケース生成システムで生成されたテストケースの一部を示す説明図である。 この発明の実施の形態2によるテストケース生成システムを示すブロック図である。 この発明の実施の形態3によるテストケース生成システムを示すブロック図である。 この発明の実施の形3によるテストケース生成システムの同一処理判定部の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態4によるテストケース生成システムを示すブロック図である。 この発明の実施の形態4によるテストケース生成システムの他の例を示すブロック図である。
実施の形態1.
図1は本発明で示すテストケース生成システムのテスト対象となる分散制御システムの構成を示したブロック図である。図1において、分散制御システム1は、複数の制御装置10−1〜10−nが制御ネットワーク11で接続され、複数の制御装置10−1〜10−nは制御ネットワーク11を通じて互いに通信する。制御装置10−1〜10−nは、入出力ネットワーク12−1〜12−nを介して、制御対象装置13−1〜13−m,14−1〜14−mを監視・制御する。本発明では、分散制御システム1を構成する制御装置10−1〜10−nのソフトウェアをテストするためのテストケースを生成するものである。
図2は本発明で示すテストケース生成システムのテスト対象となる分散制御システム1のシステム構成例を示したものである。図2中の制御装置21〜27は図1における制御装置10−1〜10−nに相当するものである。本発明では、システム稼働時に切り離されることのないシステム構成の最小単位を「編成」と呼ぶこととする。図2のシステムは、制御装置21〜24により構成される編成1aと、制御装置25〜27により構成される編成1bと、編成1aと編成1bを連結させた構成の編成1cの3通りのパタンで構成される。
このように、本発明は、システム構成の変化のパタンが既知かつ有限である分散制御システム1を対象とする。本実施の形態を適用可能な分散制御システム1として、例えば列車に搭載される様々な機器の監視制御を行う「列車監視制御システム」が挙げられる。列車は、走行路線によって取りうるシステム構成のパタン(例えば6両編成、4両編成等)が予め決まっており、列車監視制御システムにおいても、システム構成のパタンを予め定義し、管理しておくことが可能である。列車は、システム構成のパタンによって、監視制御対象装置(例えば、モータ、ブレーキ、空調などの列車に搭載される機器)の数や位置が異なるため、従来、列車監視制御システムのテストケースを作成する場合、システム構成に応じて漏れ無くテストケースを作成することは困難であった。
図3は本発明の実施の形態1で示すテストケース生成システムの構成を示したブロック図である。図示のように、テストケース生成システムは、入出力配線図31、入出力関係解析部32、入出力関係情報33、テストケース生成部34、システム構成情報35、入出力データ情報36、テストケース37を備えている。入出力配線図31は、処理と処理の入出力とが記述され、入出力が、どの制御対象装置に対応した入出力であり、かつ、どの制御装置に対応した入出力であるかを示す制御装置の範囲情報とを含んで記述されたものである。入出力関係解析部32は、入出力配線図31の構造を解析し、入出力の接続関係や入出力データの名称や範囲を取得し、入出力関係情報33として保存する。テストケース生成部34は、入出力関係情報33と、予め定義されたシステム構成情報35と、同じく予め定義された入出力データ情報36とから、テストケース37を生成する。システム構成情報35は、分散制御システムの設計時に定義されたシステム構成を管理するための情報である。システム構成情報35としては、システムが取りうる編成とその組み合わせのパタン(編成パタンと呼ぶ)、監視制御対象装置の数や位置を示す配置情報などが管理される。入出力データ情報36は、テスト対象となるモジュールの入出力データの名称、データの最小値、最大値や正常範囲、異常範囲などを管理するための情報である。
図4は入出力配線図31の記述例を示したものである。入出力配線図31は、入力41a,41b、処理42、出力43a,43bとから構成される。処理42は本発明で示すテストケース生成システムのテスト対象になるモジュールを示し、入出力配線図31上において、必ず1つだけ記述される。
入力41a,41bは、処理42に対する入力データを示すものであり、1つの入出力配線図31上において、必ず1つ以上記述される。入力41a,41bの箱の中央には、入力データ名称が記述される。入力データ名称には、図3における入出力データ情報36において定義される入出力データ名称を用いる。入力41a,41bの上部には、データの範囲44を記述する。データの範囲44は、監視制御対象装置名称と範囲指定子をコンマで区切って記述する。監視制御対象装置名称には、データの取得元/設定先である監視制御対象装置の名称が記述される。また、範囲指定子には、データの取得/設定する範囲をアルファベットの記号で記述する。
出力43a,43bは、処理42に対する出力データを示すものであり、1つの入出力配線図31上において、必ず1つ以上記述される。出力43a,43bも入力41a,41bと同様に、箱の中央に出力データ名称を、箱の上部にデータの範囲44を記述する。
例えば、列車監視制御システムの場合、複数編成を含む列車全体からデータを取得する場合や列車全体にデータを設定する場合は範囲指定子に「T」を、編成内からデータを取得する場合や編成内にデータを設定する場合は範囲指定子に「F」を、自ノードのみのデータを取得/設定する場合は範囲指定子に「S」を記述する。データの範囲44として、「モータ,T」と記述する場合、列車全体のうち、モータを監視・制御する制御装置に対してのみ、データの入出力が行われることを示す。モータを監視・制御する制御装置の数や位置は、列車の構成により変化するが、入出力配線図31では、列車構成を直接記述しないで、データの範囲を記述するため、同一の機能であれば、全ての列車構成において同一の入出力配線図31を用いることができる。このように、入出力配線図31では、システム構成を抽象的に記述できるので、抽象度の高いテストケース記述方法として用いることができる。
図5はテストケース生成部34の動作を記述したフローチャートである。
まず、ステップS1において、システム構成情報35から、テスト対象システムの取りうる編成パタンのリストを取得する。
ループL1において、ステップS1によって取得した編成パタンのパタン数だけ、L1Eまでの処理を繰り返す。例えば、システム構成リストが4両構成、6両構成の2パタンの場合は、4両、6両のそれぞれのパタンに関してL1〜L1Eまでの処理を実行する。
ステップS2では、入出力関係情報33から入出力データの範囲情報を取得し、システム構成情報35で定義された監視制御対象装置の配置情報を取得する。入出力データの範囲情報(監視制御対象装置名称と範囲指定子)と、監視制御対象装置の配置情報を組み合わせることで、テストケースで用いる入出力データのリストを取得する。
ステップS3では、入出力データ情報36から、ステップS2で取得した入出力データリストの各データの値域を取得する。ここでの値域は、最大値、最小値、正常値の範囲、異常値の範囲を指す。
ループL2では、ステップS2で取得した入出力データリストを用いてテストケースを作成していく。ループL2では、テストケースの全組み合わせを出力できるまでL2〜L2Eの処理を繰り返す。
ステップS4は、ステップS2で取得した入出力データリストのうち、入力データに関するテストケースを生成する。具体的には、ステップS3で取得した値域を元に、正常値または異常値を入力データに代入するテストケースを生成する。テストケース生成の際には、一般的なブラックボックステストに用いられる「同値分割法」と「境界値分析」を用いて代表値を決定する構成を取っても良い。
ステップS5は、ステップS2で取得した入出力データリストのうち、出力データに関するテストケースを生成する。本実施の形態では、出力に対する期待値を自動的に計算する機能は有しないため、期待値の部分を空欄として、出力結果を照合するテストケースを出力する。この時、入出力データ情報36で取得した値域をテストケースのコメントとして出力し、テストケース設計の際の助けとなるようにしても良い。
ステップS4,S5を全ての入力データの組み合わせに対して実施し、さらにステップS2からステップS5までのステップを全編成パタンで繰り返すことで、全ての編成パタンに対応するテストケースを漏れ無く作成することが可能になる。
以降では、本実施の形態を列車監視制御システムに適用した場合の具体例を説明する。例えば、「運転士が列車内の編成内の両端の車両に配置されるドア開スイッチを押した時に、列車内の全ての速度計が5km/h以内であれば列車内のドアを開く」という「ドア開判定」機能についてのテストケースを作成する具体例を説明する。
図6に本具体例における入出力配線図31の記入例を示す。ドア開判定処理63は、入力信号「ドア開スイッチ押下」61と入力信号「速度」62、及び、出力信号「ドア開指令」64を持つ。入力信号「ドア開スイッチ押下」61は、列車内の運転台から取得できる情報であり、運転台にあるドア開スイッチが押下されたかどうかの情報が格納される。入力信号「速度」62は、列車内の速度計から取得できる列車の速度情報である。出力信号「ドア開指令」64は、列車内のドアを開くための指令情報である。
図7に本具体例における編成パタンの記述例を示す。編成パタンは、編成パタン名71ごとの制御装置のシステム構成72を表形式で示すものである。図7の例では、4両編成は制御装置1〜4、3両編成は制御装置5〜7、7両編成は制御装置1〜7で構成される。
図8に本具体例における制御対象装置の配置情報の記述例を示す。配置情報は、制御対象装置名81の制御装置番号82ごとの搭載個数を表形式で示すものである。
図9に本具体例における入出力データ情報の記述例を示す。入出力データ情報は、データ名称91、伝送パケット内のバイトオフセット92、データサイズ93、データの正常範囲94、データの異常範囲95などから構成される。
以下、図5のフローチャートに従って、図6の入出力配線図から図7〜図9の情報を元にテストケースを生成する手順を説明する。
まず、ステップS1で図7に示すシステム構成情報35より編成パタンのリストを取得する。ここでは、4両編成、3両編成、7両編成の3パタンが取得される。
次に、ループL1〜L1Eの処理を、ステップS1で抽出した全ての編成パタンに対して実施する。以下では、4両編成の場合を説明する。
ステップS2では、まず、図6に示す入出力配線図31から抽出された入出力関係情報33から、入力信号として「ドア開スイッチ押下」61、「速度」62、出力信号として「ドア開指令」64が抽出される。図7に示すシステム構成情報35の編成パタンのリスト情報から、4両編成は制御装置1〜4で構成されることが分かるので、図8に示すシステム構成情報35から制御装置ごとの監視制御対象装置の配置情報を得る。例えば、「ドア開スイッチ押下」信号は、入出力配線図31のデータ範囲として「運転台,T」と指定されているので、運転台の監視制御対象装置数が1以上である制御装置1と制御装置4に対して、入力信号「ドア開スイッチ押下」を設定するテストケースを作成すれば良いことが分かる。
ステップS3では、図9に示す入出力データ情報36から、データ名称に対応する値域(正常範囲94と異常範囲95)を取得する。例えば「ドア開スイッチ押下」は、図9より、正常範囲は「ON」、異常範囲は「OFF」である1ビットのデータであることが分かる。
ループL2〜L2Eでは、ステップS2で取得した入力データのリストに関して、ステップS3で取得した値域の全組み合わせに対応するテストケースを作成する。
ステップS4では、ステップS2で取得した入力データのリストに関して、ステップS3で取得した値域のうち、未選択である1つの組み合わせを選択し、テストケースを生成する。例えば、「ドア開スイッチ押下」信号に関しては、(1)制御装置1がON、制御装置4がON、(2)制御装置1がON、制御装置4がOFF、(3)制御装置1がOFF、制御装置4がON、(4)制御装置1がOFF、制御装置4がOFFの4通りのテストケースが生成される。
ステップS5では、出力信号「ドア開指令」に関するテストケースを生成する。本実施の形態では、出力に対する期待値を自動的に計算する機能は有しないため、期待値の部分を空欄とした出力結果を照合するためのテストケースを出力する。期待値に関しては、テスト設計者がテストケース生成後に、手動で入力する。
図10は、本具体例において、出力されたテストケースの一部を示す。今回の例では、速度が5km/h以下でドア開スイッチを押してドアが正常に開くケースと、速度が6km/h以上でドア開スイッチを押してドアが開かないケースの2通りに関するテストケースの一例を記述している。コマンド101には、実際にテストを実施する際の操作を示すコマンドを記述する。入力データに対して値を設定する場合はSETコマンドを記述する。出力データの値を照合する場合はCHECKコマンドを記述する。制御装置番号102は、SETコマンド、CHECKコマンドの対象となる制御装置番号を示し、データ名称103はSETコマンド、CHECKコマンドの対象となる入出力データの名称を示す。値104は、入力データに対する設定値と、出力データの照合値を示す。出力データの期待値は、テスト設計者がテストケース生成後に、手動で入力する。なお、図10中の#で始まる行は、コメント行を示す。
このように、本実施の形態では、テストケース生成部34が、システム構成を抽象的に記述した入出力配線図31と予め管理されたシステム構成情報35とからテストケースを生成するので、同一機能のテストを複数のシステム構成で実施する必要がある分散処理システムにおいて、テストケースを漏れ無く抽出することができる。また、入出力配線図31は、システム構成を抽象的に記述しているため、同一機能を持つ別機種での再利用が可能である。
以上説明したように実施の形態1のテストケース生成システムによれば、複数の制御装置が通信接続され、かつ、個々の制御装置が、各々特定の制御対象装置を制御する分散制御システムにおける制御装置の処理に関するテストケースを生成するテストケース生成システムであって、処理と処理の入出力とが記述され、入出力が、どの制御対象装置に対応した入出力であり、かつ、どの制御装置に対応した入出力であるかを示す制御装置の範囲情報とを含んで記述された入出力配線図から処理と入出力の情報を入出力関係情報として抽出する入出力解析部と、個々の制御装置がどの制御対象装置を制御するかを示すと共に、制御装置の範囲情報を示すシステム構成情報と、入出力がどのような値を取るかの値域を示す入出力データ情報と、システム構成情報と入出力関係情報とに基づいて、テストケースを生成する処理に対応した入出力となる制御対象装置と制御装置を特定し、かつ、入出力データの値を入出力データ情報から取得して、制御装置と入出力データの値域に対応したテストケースを生成するテストケース生成部を備えたので、システム構成が動的に変化するような分散制御システムであっても全てのシステム構成に対応するテストケースを漏れ無く作成することができる。
実施の形態2.
図11は、本発明の実施の形態2におけるテストケース生成システムの構成を示したブロック図である。実施の形態2は、図3に示す実施の形態1の構成に、テストケース抜粋部111と類似度判定部112と代表テストケース113を追加したものである。他の構成は実施の形態1と同様であるため、対応する部分に同一符号を付してその説明を省略する。
類似度判定部112は、システム構成情報35から装置間の類似度を算出する。テストケース抜粋部111は、類似度判定部112が生成する類似度を用いて、テストケース37からテストケースを抜粋し、代表テストケース113として格納するものである。
分散制御システムでは、監視制御対象装置の構成が類似することが多く、そのような場合、装置構成の類似する制御装置では、同一のプログラムが実行されることが多い。例えば、列車監視制御システムにおいては、モータ車、客車など、車種によって監視制御対象装置の構成が類似していることが多い。本実施の形態は、分散制御システムの「監視制御対象装置の構成が類似する制御装置において、同一内容の処理が実行されることが多い」という性質を用いてテストケースを抜粋する。
類似度判定部112において、制御装置間の類似度は、監視制御対象装置の有無と個数により決定する。類似度は、例えば、監視制御対象装置の有無がログ解析対象と一致する場合は1ポイント、個数が一致する場合は2ポイントとし、全監視制御対象装置の合計により算出し、ある一定しきい値を超えた制御装置同士は類似していると判定される。本実施の形態では、類似と判定された制御装置同士は、同一処理が実行されるものとして扱う。
テストケース抜粋部111は、テストケース生成部34により生成されたテストケース37のうち、類似度判定部112によって装置構成が類似すると判定された制御装置に対して同一の操作を行うテストケースのうちの1つを代表テストケース113として抜粋する。また、テストケース抜粋部111は、装置構成が類似と判定された制御装置に対して、同一内容の確認を行うテストケースのうち1つを、代表テストケース113として抜粋する。
実施の形態2における具体例を図6、図8及び図10を用いて説明する。今、図8に示す監視制御対象装置の配置情報から、制御装置1と制御装置7、及び、制御装置2と制御装置6、及び、制御装置4と制御装置5が、装置構成が類似していると判定されたとする。この時、図6における入力「ドア開スイッチ押下」61や出力「ドア開指令」64のように、同一のデータ名称で複数の制御装置に共通に存在するデータに対するテストケースを生成する際に、類似する制御装置に対する操作や確認を行うテストケースのうち1つを代表テストケースとする。例えば、図10におけるテストケースでは、「ドア開スイッチ」指令を1つの制御装置のみONにするテストケースが、運転台が搭載される制御装置1、制御装置4、制御装置5、制御装置7に対して生成されるが、本具体例では、制御装置1と制御装置7、及び、制御装置4と制御装置5の装置構成が類似と判定されているので、制御装置1、及び、制御装置4のテストケースを代表テストケースとして抽出する。これにより、テストケースを50%削減することができる。また、「ドア開」を確認するテストでは、制御装置1〜7の全ての「ドア開」を確認するテストケースが生成されるが、本具体例では、制御装置1と制御装置7、及び、制御装置2と制御装置6、及び、制御装置4と制御装置5の装置構成が類似と判定されているので、制御装置1、及び、制御装置2、及び、制御装置4を代表テストケースとして選択する。これにより、テストケースを従来の7ケースから4ケースに削減することができ、テストケースを43%削減できる。
以上説明したように、実施の形態2のテストケース生成システムによれば、制御装置と制御対象装置との関係を示す制御装置間の制御対象装置構成の類似度を判定する類似度判定部と、制御対象装置構成の類似する制御装置に対して、同一内容の処理に対応したテストケースのうちの1つを代表テストケースとして抜粋するテストケース抜粋部とを備え、代表テストケースをテストケースとして出力するようにしたので、テストのカバレッジを低下することなくテストケース数を削減することができ、テストケース作成を効率化することができる。
実施の形態3.
図12は、本発明の実施の形態3におけるテストケース生成システムの構成を示したブロック図であり、図11に示す実施の形態2の構成に、同一処理判定部114を追加したものである。同一処理判定部114は、類似度判定部112で類似と判定された制御装置同士が、同一の処理が実行されるかどうかを判定する。
同一処理判定部114の詳細処理フローを図13に示す。まず、ステップS11で、テスト対象モジュールの入出力配線図31から、入力、または出力の上部に記述されたデータ範囲情報に記述された制御対象装置名称を取得する。次に、ステップS12で、類似度判定部112により類似と判定された制御装置に対して、ステップS11で取得した制御対象装置の搭載個数をシステム構成情報35から取得する。最後に、ステップS13にて、ステップS12で取得した制御対象装置の個数が一致する場合には、同一処理であると判定し、一致しない場合は、同一処理でないと判断する。
同一処理判定部114で同一と判断された入力に関して、テストケース抜粋部111は、同一の操作を行うテストケースのうちの1つを代表テストケース113として抜粋する。
また、同一処理判定部114で同一と判断された出力に関して、テストケース抜粋部111は、同一内容の確認を行うテストケースのうち1つを、代表テストケース113として抜粋する。
以上説明したように、実施の形態3のテストケース生成システムによれば、類似度判定部にて類似と判定された制御装置に対して、入出力配線図で定義された処理の入出力の関係と、システム構成情報に定義された制御対象装置の配置情報とから、制御装置同士が同一の入出力処理を持つかを判定する同一処理判定部を備え、テストケース抜粋部は、同一処理を持つと判定された制御装置に対して代表テストケースを生成するようにしたので、テストケースを削減する際に、誤って同一でない処理のテストケースを削減するといったことを防止することができ、テストケース作成の効率化が図れると共に、テストケースの絞り込み精度を向上させることができる。
実施の形態4.
図14は、本発明の実施の形態4におけるテストケース生成システムの構成を示したブロック図である。実施の形態4は、図11に示した実施の形態2の構成に、抜粋回数記憶部115と制御装置別抜粋回数116とを追加したものである。抜粋回数記憶部115は、同一の制御装置のみに対する操作や確認にテストケースが偏らないように、代表テストケースとして抜粋された制御装置番号ごとの抜粋回数を、制御装置別抜粋回数116として記憶する。
テストケース抜粋部111は、テストケースを抜粋する際に、抜粋回数記憶部115に抜粋対象の制御装置の抜粋回数を問い合わせて、抜粋された回数の最も少ない制御装置に対するテストケースを選択するような構成を取る。あるいは、この場合、制御装置ごとに抜粋された回数への重み付けを行ってもよい。
本実施の形態は、実施の形態3と組み合わせて図15のような構成を取ることも可能である。すなわち、実施の形態3の構成に抜粋回数記憶部115と制御装置別抜粋回数116とを追加してもよい。なお、この場合の動作は、実施の形態3において上記の動作と同様であるため、ここでの説明は省略する。
以上説明したように、実施の形態4のテストケース生成システムによれば、テストケースとして抜粋された制御装置別の抜粋回数を記憶する抜粋回数記憶部を備え、テストケース抜粋部は、テストケースから代表テストケースを抜粋する際に、抜粋された回数の最も少ない制御装置に対するテストケースを代表テストケースとして抜粋するようにしたので、テストケース数を削減した際にも特定の制御装置にテストケースが集中しない、均一なテストケースを作成することができる。
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
1 分散制御システム、1a,1b,1c 編成、10−1〜10−n、21〜27 制御装置、11 制御ネットワーク、12−1〜12−n 入出力ネットワーク、13−1〜13−m,14−1〜14−m 制御対象装置、31 入出力配線図、32 入出力関係解析部、33 入出力関係情報、34 テストケース生成部、35 システム構成情報、36 入出力データ情報、37 テストケース、41a,41b 入力、42 処理、43a,43b 出力、44 データの範囲、111 テストケース抜粋部、112 類似度判定部、113 代表テストケース、114 同一処理判定部、115 抜粋回数記憶部、116 制御装置別抜粋回数。

Claims (4)

  1. 複数の制御装置が通信接続され、かつ、個々の制御装置が、各々特定の制御対象装置を制御する分散制御システムにおける前記制御装置の処理に関するテストケースを生成するテストケース生成システムであって、
    前記処理と当該処理の入出力とが記述され、当該入出力が、どの制御対象装置に対応した入出力であり、かつ、どの制御装置に対応した入出力であるかを示す制御装置の範囲情報とを含んで記述された入出力配線図から前記処理と入出力の情報を入出力関係情報として抽出する入出力解析部と、
    前記個々の制御装置がどの制御対象装置を制御するかを示すと共に、前記制御装置の範囲情報を示すシステム構成情報と、
    前記入出力がどのような値を取るかの値域を示す入出力データ情報と、
    前記システム構成情報と前記入出力関係情報とに基づいて、テストケースを生成する処理に対応した入出力となる制御対象装置と制御装置を特定し、かつ、入出力データの値を前記入出力データ情報から取得して、前記制御装置と前記入出力データの値域に対応したテストケースを生成するテストケース生成部を備えたテストケース生成システム。
  2. 制御装置と制御対象装置との関係を示す前記制御装置間の制御対象装置構成の類似度を判定する類似度判定部と、
    前記制御対象装置構成の類似する制御装置に対して、同一内容の処理に対応したテストケースのうちの1つを代表テストケースとして抜粋するテストケース抜粋部とを備え、
    前記代表テストケースをテストケースとして出力することを特徴とする請求項1記載のテストケース生成システム。
  3. 類似度判定部にて類似と判定された制御装置に対して、入出力配線図で定義された処理の入出力の関係と、システム構成情報に定義された制御対象装置の配置情報とから、制御装置同士が同一の入出力処理を持つかを判定する同一処理判定部を備え、
    テストケース抜粋部は、同一処理を持つと判定された制御装置に対して代表テストケースを生成することを特徴とする請求項2記載のテストケース生成システム。
  4. テストケースとして抜粋された制御装置別の抜粋回数を記憶する抜粋回数記憶部を備え、
    テストケース抜粋部は、テストケースから代表テストケースを抜粋する際に、抜粋された回数の最も少ない制御装置に対するテストケースを代表テストケースとして抜粋することを特徴とする請求項2または請求項3のテストケース生成システム。
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