JP5900495B2 - パスロス算出方法、パスロス算出装置、パスロス算出プログラム、無線通信システム、スペクトルマネージャ - Google Patents

パスロス算出方法、パスロス算出装置、パスロス算出プログラム、無線通信システム、スペクトルマネージャ Download PDF

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Description

本発明は、無線局間の伝搬ロスを算出するパスロス算出方法、パスロス算出装置、及びパスロス算出プログラム、並びに、パスロス値を用いて電力制御を行う無線通信システム及びスペクトルマネージャに関する。
周囲の無線環境を認知し、その無線環境に応じて通信パラメータの最適化を行うコグニティブ無線が知られている。コグニティブ無線の例として、例えば、セカンダリシステム(与干渉システム)が、プライマリシステム(被干渉システム)に割り当てられた周波数帯域を共用する場合を挙げることができる。
セカンダリシステムがプライマリシステムと周波数帯域を共用する際、セカンダリシステムは、プライマリシステムが提供する既存サービスに影響を及ぼさないようにする必要がある。そのため、セカンダリシステムの送信局(以下、セカンダリ送信局と記載)では、プライマリシステムの受信局(以下、プライマリ受信局と記載)における所定の受信品質を保つことができるように調整された送信電力(以下、許容送信電力と記載)で通信を行う。ここで、所定の受信品質を保つための基準としては、プライマリ受信局のCIR(Carrier to Interference Ratio)やCINR(Carrier to Interference plus Noise Ratio)を所定値以上に保つことや、プライマリ受信局の被干渉量を所定値以下とすることが考えられる。
非特許文献1では、プライマリシステムであるTV(Television)放送システムの受信局におけるCIRを所定値以上に保つ許容送信電力が示されている。非特許文献1では、セカンダリ送信局から送信された信号(セカンダリ信号)がプライマリ受信局に到達する際のパスロス(伝搬損失)を推定し、セカンダリ信号によって生じるプライマリ受信局の被干渉量を推定することで、この許容送信電力を決定している。ただし、パスロスの推定は、シャドウイングによる誤差や伝搬モデル(奥村・秦式等のパスロス推定式)と実環境との違いによる誤差等を含むため、結果としてCIRの推定誤差が生じる。このため、非特許文献1では、このCIRの誤差の大きさに応じたマージンを加えて許容送信電力を設定している。こうすることで、CIRの推定誤差の大きさに応じて許容送信電力を制限し、所定の確率でCIRを保つことができる。
また、特許文献1には、無線通信システムにおける基地局装置に、他の無線通信システムと共通及び/又は隣接する周波数帯域を共用し、使用する周波数帯域と他の無線通信システムにより使用される周波数帯との離隔周波数幅を求め、基地局装置と他の無線通信システムに含まれる受信装置との離隔距離を求め、離隔周波数と離隔距離に基づいて、優先システムである他の無線通信システムの通信品質を阻害しない最大送信電力を決定することが記載されている。この特許文献1では、離隔距離と推定伝搬損失量の算出については、自由空間伝搬損失式を用いることが記載されている。特許文献1の場合も、非特許文献1の場合と同様に、実環境との違いによる誤差等を含むため、結果としてCIRの推定誤差が生じる。
一方、非特許文献2では、プライマリ受信局の周辺に位置するモニタリング局(文献中では、セカンダリシステムの受信局(セカンダリ受信局)と記載)が、セカンダリ信号や、プライマリシステムの送信局(プライマリ送信局)から送信された信号(プライマリ信号)の受信レベルを測定して、プライマリ受信局でのCIRの推定に利用する与干渉モニタリングを示している。この方法では、モニタリング局が測定したセカンダリ信号やプライマリ信号の受信レベルを用いて、非特許文献1で使用するパスロスの推定値を実測補正する。測定結果を用いたパスロスの推定値の補正により、CIR推定誤差を削減できるため、許容送信電力の抑制に必要なマージンを削減でき、結果として許容送信電力を増加できる。また、モニタリング局を測定に利用することで、優先システムであるプライマリシステムの受信局に変更を加えることなく、プライマリ受信局でのCIRの推定精度を向上できるという利点がある。
特開2009−100452号公報
Electronic Communications Committee (ECC) within the European Conference of Postal and Telecommunications Administrations (CEPT)、"TECHNICAL AND OPERATIONAL REQUIREMENTS FOR THE POSSIBLE OPERATION OF COGNITIVE RADIO SYSTEMS IN THE WHITE SPACES OF THE FREQUENCY BAND 470-790MHz"、ECC Report 159、pp23-35、January、2011. 村岡一志、菅原弘人、有吉正行、"ホワイトスペース二次利用型コグニティブ無線システムの検討(3)−与干渉モニタリングに基づく高度スペクトル制御−"、電子情報通信学会ソサイエティ大会、B−17−2、2010年9月
しかしながら、非特許文献2に記載された技術では、モニタリング局がセカンダリ信号の受信レベルを測定する際に、測定誤差が問題となる場合がある。なぜならば、モニタリング局におけるセカンダリ信号の受信レベルは、同一周波数帯域で送信されているプライマリ信号の受信レベルと比べて相対的に小さくなるよう(所要CIRを確保するような)、許容送信電力が設定され、送信されるためである。この場合、大きな受信レベルのプライマリ信号の存在する周波数帯域においてセカンダリ信号の受信レベルを測定する必要があるため、セカンダリ信号がプライマリ信号の影響を受け、受信レベルを正確に測定することが難しくなる。測定した受信レベルに大きな測定誤差がある場合、測定結果を用いてパスロスの補正を行っても、CIRの推定誤差を削減できない。したがって、許容送信電力の抑制に必要なマージンを削減できない可能性がある。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、セカンダリ信号がプライマリ受信局に到達するまでのパスロスの推定値を精度よく補正できるパスロス算出方法、パスロス算出装置、及びパスロス算出プログラム、並びに、無線通信システム及びスペクトルマネージャを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の第1の形態と、パスロス算出方法であって、自己の無線システムの送信局と他者の無線システムの送信局のサービスエリアに在圏する他者の無線システム受信局との間のパスロス値を第1の周波数で推定する段階と、第1の周波数とは異なる他者の無線システムの送信局の第2の周波数で送信された自己の無線システム送信局の無線信号の受信電力値、又は他者の無線システムの送信局が第1の周波数を使用しない時間において送信された自己の無線システム送信局の無線信号の受信電力値を、サービスエリア及びその周辺のモニタリング局にて測定する段階と、自己の無線システム信号の受信電力の測定値を用いて推定されたパスロス値を補正する段階とを含む
本発明の第2の形態と、パスロス算出装置であって、自己の無線システムの送信局と他者の無線システムの送信局のサービスエリアに在圏する他者の無線システム受信局との間のパスロス値を第1の周波数で推定するパスロス推定部と、第1の周波数とは異なる他者の無線システムの送信局の第2の周波数で送信された自己の無線システム送信局の無線信号の受信電力の測定値、又は他者の無線システムの送信局が第1の周波数を使用しない時間において送信された自己の無線システム送信局の無線信号の受信電力の測定値のいずれかを用いて、推定されたパスロス値を補正するパスロス補正部を備え
本発明の第3の形態と、パスロス算出プログラムであってコンピュータを、自己の無線システムの送信局と他者の無線システムの送信局のサービスエリアに在圏する他者の無線システム受信局との間のパスロス値を第1の周波数で推定するパスロス推定部、サービスエリア及びその周辺のモニタリング局で測定された、第1の周波数とは異なる他者の無線システムの送信局の第2の周波数で送信された自己の無線システム送信局の無線信号の受信電力の測定値、又は他者の無線システムの送信局が第1の周波数を使用しない時間において送信された自己の無線システム送信局の無線信号の受信電力の測定値を用いて推定されたパスロス値を補正するパスロス補正部として機能させる
本発明の第4の形態と、プライマリシステムの送信局の周波数と同一周波数をセカンダリシステムで共用し、セカンダリシステムの送信信号がプライマリシステムに干渉を与えないように、セカンダリシステムの送信信号の許容電力を制御するようにした無線通信システムであって、プライマリシステムは、少なくとも、プライマリシステムの送信局と、プライマリシステムの受信局とを含み、セカンダリシステムは、少なくとも、セカンダリシステムの送信局と、セカンダリシステムの送信局からの送信信号を管理するスペクトルマネージャと、プライマリシステムの送信局のサービスエリア及びその周辺に位置してセカンダリシステムの送信局からの送信信号の受信電力を測定するモニタリング局とを含み、スペクトルマネージャは、セカンダリシステムの送信局とプライマリシステムの受信局との間のパスロス値を第1の周波数で推定し、第1の周波数とは異なるプライマリシステムの送信局の第2の周波数で送信されたセカンダリシステム送信局の無線信号の受信電力値、又はプライマリシステムの送信局が第1の周波数を使用しない時間において送信されたセカンダリシステムの送信局からの送信信号の受信電力値を用いて、推定されたセカンダリシステムの送信局とプライマリシステムの受信局との間のパスロス値を補正し、補正後のパスロス値を用いて、セカンダリシステムの送信局の許容送信電力を算出する。
本発明の第5の形態と、プライマリシステムの送信局の周波数と同一周波数を共用するセカンダリシステムを管理するスペクトルマネージャであって、プライマリシステムの送信局のサービスエリア及びその周辺に位置するモニタリング局が測定した受信電力値を受信する通信部と、セカンダリシステムの送信局とプライマリシステムの受信局との間のパスロス値を第1の周波数で推定するパスロス推定部と、モニタリング局が測定した受信電力値を保持する測定結果記憶と、第1の周波数とは異なるプライマリシステムの送信局の第2の周波数で送信されたセカンダリシステムの送信局の無線信号の受信電力値、又はプライマリシステムの送信局が第1の周波数を使用しない時間において送信されたセカンダリシステムの送信局の無線信号の受信電力値を用いて、推定されたセカンダリシステムの送信局とプライマリシステムの受信局との間のパスロス値を補正するパスロス補正部と、補正後のパスロス値を用いて、セカンダリシステムの送信局の許容送信電力を算出する許容電力設定部とを備え
本発明によれば、保護対象のプライマリ受信局の使用する周波数と対応する第1の周波数においてパスロス値を推定し、第1の周波数とは異なる他の第2の周波数、又は、第1の周波数であっても使用されない時間においてモニタリング局が測定したセカンダリ信号の受信電力をパスロス実測補正に用いている。これにより、プライマリ受信電力が小さい環境でセカンダリ信号の測定が可能になり、測定誤差が軽減できる。セカンダリ送信局からプライマリ受信局への伝搬経路におけるパスロスの推定値を精度よく補正できることから、その結果、プライマリシステムの周波数とセカンダリシステムで同一周波数を共用するような無線システムにおいて、許容送信電力の抑制に必要なマージンを削減でき、許容送信電力を最大限に設定することが可能になる。
本発明の第1の実施形態に係るセカンダリシステムの構成例を示すシステム構成図である。 本発明の第1の実施形態に係るプライマリシステムとセカンダリシステムの関係の一例を示すシステム構成図である。 スペクトルマネージャの構成例を示すブロック図である。 周波数・時間別測定結果記憶部に保持する周波数別の測定結果の一例を示す図である。 周波数別のプライマリ信号の受信電力を示す図である。 周波数・時間別測定結果記憶部に保持する時間別の測定結果の一例を示す図である。 時間別のプライマリ信号の受信電力を示す図である。 モニタリング局の構成例を示すブロック図である。 パイロット信号のスライディング相関を示す概念図である。 スペクトルマネージャの処理例を示すフローチャートである。 モニタリング局の処理例を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態に係る周波数・時間別測定結果記憶部に保持する周波数別の測定結果の一例である。 周波数別のセカンダリ信号の受信電力を示す図である。 周波数別のプライマリ信号の受信電力を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係るコグニティブ無線システムの一例を示すシステム構成図である。コグニティブ無線システムは、セカンダリシステムとしてプライマリシステムと周波数を共用して通信を行う。以下では、プライマリシステムがTV放送システムであり、セカンダリシステムがセルラーシステムである場合を例として想定する。もちろん、この構成は単なる一例であって、プライマリシステム及びセカンダリシステムの組み合わせは、このような構成に限定されない。プライマリシステム及びセカンダリシステムの組み合わせは、例えば、TVシステムとWRAN(Wireless Regional Access Network)システムの組み合わせ、TVシステムと自治体等の地域無線や防災無線との組み合わせとすることができる。その他の例では、プライマリシステムがワイヤレスマイクや特定用途無線(例えば、集合住宅用無線、企業内自営無線、農業用無線等)であってもよいし、セカンダリシステムが無線LAN(Local Area Network)であってもよい。また、本発明の第1の実施形態の構成は、プライマリシステムとセカンダリシステムといった周波数利用時の優先順位が異なる無線システムの組合せのみに必ずしも限定されるわけでなく、優先順位が同列な無線システムにおいて周波数を共用することを想定した構成であってもよい。
図1において、プライマリシステムは、プライマリ送信局20とプライマリ受信局21とから構成される。なお、ここでは、一つのプライマリ受信局21を示しているが、プライマリ受信局21は複数あってもよい。
セカンダリシステムは、セカンダリ送信局10と、スペクトルマネージャ12と、モニタリング局11と、地理データベース13と、コアネットワーク14とから構成される。
なお、セカンダリシステムは、上記以外の構成(例えば、セカンダリ送信局10の通信相手となるセカンダリシステムの受信局)を含む場合があるが、これらの構成は、本発明の実施形態と直接関係しないので、説明を明瞭にするために図1において図示しない。
セカンダリ送信局10は、通信を行うために、プライマリシステムの周波数帯域を二次利用する。この際に、セカンダリ送信局10は、スペクトルマネージャ12に対してコアネットワーク14経由で二次利用要求(二次利用する時間又は周波数を指定することも可能)を行い、その返答としてスペクトルマネージャ12から許容送信電力が指定される。
セカンダリシステムは、プライマリシステムと周波数を共用して通信を行う。ここで、セカンダリ送信局10からの送信電力が大きいと、プライマリシステムに干渉を与え、プライマリ受信局21でプライマリ送信局20からの信号が適正品質で受信できなくなってしまう。そこで、本発明の実施形態では、セカンダリ送信局10は、許容送信電力以下の送信電力で送信を行うことで、セカンダリシステムとプライマリシステムとで周波数を共用しても、プライマリ受信局21が所定の受信品質を保つことができるよう、セカンダリ送信局10の与干渉量を制限している。
以下では、この受信品質をプライマリ受信局21のCIR(Carrier to Interference Ratio)とする。セカンダリ送信局10の許容送信電力は、プライマリ受信局21のCIRが所定値以上となる最大の送信電力に設定するものとする。これにより、セカンダリ送信局10がプライマリ送信局20と同一の周波数を用いて送信を行ったとしても、プライマリ受信局21は、プライマリ送信局20からの信号を所定の受信品質を保持して受信することができる。
また、セカンダリ送信局10の許容送信電力は、後述するように、パスロス推定値を実測補正することで更新される。スペクトルマネージャ12がパスロス推定値の実測補正やモニタリング局11の選択を行うために、セカンダリ送信局10は、送信電力、使用中の周波数をスペクトルマネージャ12に通知する。
モニタリング局11は、プライマリ受信局21の周辺に位置し、セカンダリ送信局10からのセカンダリ信号の受信電力や、プライマリ送信局20からのプライマリ信号の受信電力を測定する。測定した受信電力は、コアネットワーク14経由でスペクトルマネージャ12へ送られる。後述するように、この測定した受信電力は、パスロス推定値を補正するのに用いられる。
ここで、セカンダリ送信局10及びモニタリング局11は、例えば、セルラーシステムにおける基地局、中継局、又は端末局とすることができる。また、モニタリング局11に関しては、モニタリングを専用に行う局(モニタリング用のセンサー)であってもよい。
以下では、セカンダリ送信局10及びモニタリング局11が基地局であって、コアネットワークを利用可能である場合を例に説明をする。また、図1では、モニタリング局11を一つのみ図示したが、セルラーシステムの基地局のように、複数のモニタリング局が面的に配置されているものとする。
スペクトルマネージャ12は、基本的には、セカンダリシステムの周波数利用を管理する機能を有する。
すなわち、スペクトルマネージャ12は、プライマリシステムの周波数帯域を二次利用することを要求するセカンダリ送信局10に対し、使用可能な各周波数で使用できる許容送信電力を通知する。
また、スペクトルマネージャ12は、セカンダリ送信局10から、使用中の周波数に関する情報(又は、使用予定の周波数に関する情報)を受けて、モニタリング局11へ測定依頼を送信する。この際、スペクトルマネージャ12は、複数のモニタリング局11の中から実際に測定を行うモニタリング局11を一つ又は複数選択して、測定依頼を送信する。モニタリング局11の選択方法については、後述する。
また、スペクトルマネージャ12は、セカンダリ送信局10とプライマリ受信局21との間のパスロス推定値や、プライマリ送信局20とプライマリ受信局21との間のパスロス推定値を算出する。また、スペクトルマネージャ12は、モニタリング局11でのプライマリ送信局20からのプライマリ信号の受信電力測定値、及びセカンダリ送信局10からのセカンダリ信号の受信電力測定値をコアネットワーク14経由で受信し、この測定結果を保持する。なお、ここでは、測定結果は、モニタリング局11で測定した受信電力値とするが、受信電力値を量子化した結果や、受信電力と比例関係にある別な値(例えば、パイロット信号と受信信号との相関値)等であってもよい。そして、スペクトルマネージャ12は、保持した測定結果の中で、測定精度情報を基にして、パスロス推定値を補正するのに適した測定結果を選択し、パスロス推定値の実測補正を行う。このとき、本発明の第1の実施形態では、後述するように、保護対象のプライマリ受信局21の使用する周波数に対応する第1の周波数でパスロス推定を行い、第1の周波数とは別な第2の周波数で測定されたセカンダリ信号の受信電力、又は、同一周波数であってもプライマリ受信局の使用する時間とは別な時間で測定されたセカンダリ信号の受信電力値をパスロス実測補正に用いる。これにより、パスロス推定値をより精度よく実測補正できる。
更に、スペクトルマネージャ12は、実測補正されたパスロス推定値を用いて許容送信電力の計算を行い、セカンダリ送信局10へ送信し、セカンダリ送信局10の許容送信電力を設定する。すなわち、スペクトルマネージャ12は、実測補正されたプライマリ送信局20からプライマリ受信局21までのパスロス推定値及びセカンダリ送信局10からプライマリ受信局21までのパスロス推定値を用いて、プライマリ受信局21でのプライマリ信号の受信電力及びセカンダリ信号の受信電力を推定し、CIRが所定値以上となる最大の送信電力に、セカンダリ送信局10の許容送信電力を設定する。
なお、スペクトルマネージャ12は、単独の装置であってもよいし、セカンダリ送信局10やモニタリング局11と同一の装置内に機能として備わっていてもよい。更に、スペクトルマネージャ12の各機能は、セカンダリ送信局10やモニタリング局11のそれぞれの装置に機能として分離して備わっていてもよい。
地理データベース13は、プライマリシステム及びセカンダリシステムに関する所定情報(例えば、無線局の位置、無線局のカバレッジ、送信電力、アンテナの高さ、アンテナの指向性等に関する情報)を格納する。地理データベース13は、これらの情報を、必要に応じて、要求元(例えば、スペクトルマネージャ12やセカンダリ送信局10、モニタリング局11)に提供する。ここで、地理データベース13は、プライマリシステムの情報とセカンダリシステムの情報を別に管理するために、複数のデータベース装置として分離されていてもよい。加えて、この地理データベース13は、スペクトルマネージャ12の機能の一部(例えば、後述する周波数別・時間別測定結果記憶部104)又は全部が統合された装置であってもよい。
コアネットワーク14は、セカンダリ送信局10と、モニタリング局11と、スペクトルマネージャ12と、地理データベース13とが通信を行うネットワークである。このネットワークは、通信事業者に閉じたコアネットワークであっても、複数の通信事業者に跨るネットワークであってもよい。また、このネットワークは、有線ネットワークであっても、無線ネットワークであってもよい。
図2は、プライマリシステムとセカンダリシステムの地理的関係の一例を示すシステム構成図である。
図2では、プライマリ送信局20(20_1〜20_7)、プライマリ受信局21(21_1〜21_7)、プライマリシステムサービスエリア22(22_1〜22_7)、セカンダリ送信局10、モニタリング局11が示されている。プライマリ送信局20(20_1〜20_7)及びプライマリ受信局21(21_1〜21_7)は、プライマリシステムを構成している。セカンダリ送信局10及びモニタリング局11は、セカンダリシステムを構成している。
プライマリ送信局20_1〜20_7は、周波数f1〜f14のどれかを使用する送信局として複数局を示している。図2では、プライマリ送信局20_1はf1、f8、プライマリ送信局20_2はf2、f9、プライマリ送信局20_3はf3、f10、プライマリ送信局20_4はf4、f11、プライマリ送信局20_5はf5、f12、プライマリ送信局20_6はf6、f13、プライマリ送信局20_7はf7、f14を使用するものとして示している。例えば、TV放送システムの各放送局では、この図2と同様に各局で複数の周波数が放送に割り当てられる。周波数の割り当て方はこれに限定されるものではない。
プライマリ受信局21_1〜21_7は、各プライマリシステムサービスエリア22_1〜21_7で一つずつのみ示しているが、実際にはサービスエリア内に複数あるものとする。
プライマリシステムサービスエリア22_1〜22_7は、六角セルで分割したサービスエリアとし、各プライマリ送信局20_1〜20_7で使用する2つの周波数のサービスエリアの大きさが同じであると仮定した。なお、プライマリシステムサービスエリア22_1〜22_7は、地理的に隣接するサービスエリアが重複するようなサービスエリア設計であって、一つの位置が異なる送信局の複数のサービスエリアに含まれるようなサービスエリアであっても構わない。
セカンダリ送信局10は、周波数f1、f8を使用するプライマリシステムサービスエリア22_1の中に位置するものとし、その位置で周波数f6を二次利用することを想定している。
モニタリング局11は、セカンダリ送信局10が周波数f6を使用するときに、干渉の影響が大きい(例えば、セカンダリ送信局10からの距離が近い)位置周辺にあるモニタリング局を想定し、図示している。実際には、複数のモニタリング局11が面的に展開されているものとする。
図2の例でセカンダリ送信局10が周波数f6を使用する場合、干渉の影響が最大となる位置周辺にあるモニタリング局11では、セカンダリ送信局10から送信された信号と、プライマリ送信局20_6から送信されたプライマリ信号の受信電力を測定する。そして、この受信電力測定値がスペクトルマネージャ12に送られる。
スペクトルマネージャ12は、この測定結果を用いて、セカンダリ送信局10とプライマリ受信局21_6との間のパスロス推定値、及び、プライマリ送信局20_6とプライマリ受信局21_6との間のパスロス推定値の補正を行う。そして、スペクトルマネージャ12は、周波数f6のプライマリシステムサービスエリア22_6の中で干渉の影響が最大となる位置において、プライマリシステムの保護が可能となるように、セカンダリ送信局10の許容送信電力を決定する。
図3はスペクトルマネージャ12の構成を示すブロック図である。図3に示すように、スペクトルマネージャ12は、ネットワーク通信部101と、モニタリング局決定部102と、測定精度算出部103と、周波数別・時間別測定結果記憶部104と、パスロス推定部105と、パスロス補正部106と、許容送信電力設定部107とから構成される。
ネットワーク通信部101は、スペクトルマネージャ12の各部がコアネットワーク14を経由して他の装置(セカンダリ送信局10、モニタリング局11、地理データベース13等)と通信を行うための機能を備える。
モニタリング局決定部102は、セカンダリ送信局10が使用中の周波数、又は、使用することを決定した周波数の通知を受けて、その無線信号を測定するモニタリング局11を決定する。モニタリング局決定部102は、決定したモニタリング局11に対して測定依頼を送信し、測定を行う周波数を指示する。また、測定依頼で指定する測定周波数は、セカンダリ信号を測定する周波数と、プライマリ信号を測定する周波数を別々に設定できるようにしてもよい。
測定精度算出部103は、モニタリング局11から受信した測定結果を入力とし、測定精度情報を算出して、測定結果と測定精度情報を周波数別・時間別測定結果記憶部104へ格納する機能を備える。測定精度情報の算出については、後に説明する。
周波数別・時間別測定結果記憶部104は、測定を行った周波数(測定周波数)別、又は、測定を行った時間(測定時間)別に測定結果を記憶する機能を備える。この測定結果は、セカンダリ送信局10とモニタリング局11の組み合わせ毎に保持される。
パスロス推定部105は、セカンダリ送信局10から送られた二次利用要求を受けて、二次利用の候補となる各周波数に対応した伝搬モデルを用いることで、セカンダリ送信局10とプライマリ受信局21との間のパスロス推定値を算出する機能を備える。更に、パスロス推定部105は、プライマリ送信局20とプライマリ受信局21との間のパスロス推定値を算出する機能を備える。
パスロス補正部106は、周波数別・時間別測定結果記憶部104に保持されている測定結果を基に、パスロス推定値の実測補正を行う。本発明の第1の実施形態では、パスロス補正部106は、セカンダリ送信局10とプライマリ受信局21との間のパスロス推定値を補正する際にセカンダリ信号の受信電力測定値を用いた実測補正を行う。パスロス推定部105でのパスロス推定では、保護対象のプライマリ受信局の使用する周波数と対応する周波数(第1の周波数)でパスロス推定を行うのに対して、パスロス補正部106では、そのセカンダリ信号の受信電力測定値としては、保護対象のプライマリ受信局21で使用する周波数とは別な周波数(第2の周波数)で送信され、モニタリング局11によって測定されたセカンダリ信号の受信電力、又は、保護対象のプライマリ受信局21の使用する時間とは別な時間で送信され、モニタリング局11によって測定された受信電力を用いる。また、プライマリ送信局20とプライマリ受信局21との間のパスロス推定値は第3の周波数を用いて推定し、実測補正する際にはプライマリ信号の受信電力測定値を用いる。そのプライマリ信号の受信電力測定値としては、セカンダリ送信局(セカンダリ送信局10、又は、他のセカンダリ送信局)の使用する周波数とは別な周波数(第4の周波数)でプライマリ送信局20から送信され、モニタリング局11によって測定された受信電力、又は、同一周波数であってもセカンダリ送信局10の使用する時間とは別な時間でプライマリ送信局20から送信され、モニタリング局11によって測定された受信電力を用いる。
また、パスロス補正部106は、セカンダリ送信局10とプライマリ受信局21との間のパスロス推定値を補正する際に、保護対象のプライマリ受信局21の使用する周波数を含めて複数の周波数でのセカンダリ信号受信電力測定結果が利用可能な場合、又は、プライマリ受信局21の使用する時間を含めて複数の時間でのセカンダリ信号受信電力測定結果が利用可能な場合、測定精度情報から測定精度が高いと判断される受信電力の測定値を用いる。ここで、セカンダリ信号の受信電力値に対する測定精度情報としては、伝搬モデルを用いて算出したモニタリング局11におけるプライマリ信号の受信電力推定値を用い、プライマリ信号の受信電力推定値が最小であるセカンダリ信号の受信電力測定値を実測補正に用いる。実測補正の方法は、セカンダリ信号の受信電力推定値とセカンダリ信号の受信電力推定値との差分値を補正値として、セカンダリ送信局10からプライマリ受信局21へのパスロス推定値を補正する。
一方、パスロス補正部106において、プライマリ送信局20とプライマリ受信局21との間のパスロス推定値を補正する際に、セカンダリ送信局10の使用する周波数を含めて複数の周波数でのプライマリ受信電力測定値が利用可能な場合、又は、セカンダリ送信局10の使用する時間を含めて複数の時間でのプライマリ受信電力測定値が利用可能な場合、上記と同様に測定精度情報から測定精度が高いと判断される受信電力の測定値を用いる。但し、この場合のプライマリ信号の受信電力値に対する測定精度情報としては、伝搬モデルを用いて算出したモニタリング局11におけるセカンダリ信号の受信電力推定値を用い、セカンダリ信号の受信電力推定値が最小であるプライマリ信号の受信電力測定値を実測補正に用いる。実測補正の方法は、プライマリ信号の受信電力推定値とプライマリ信号の受信電力測定値との差分値を補正値として、プライマリ送信局20とプライマリ受信局21へのパスロス推定値を補正する。
許容送信電力設定部107は、実測補正されたプライマリ送信局20からプライマリ受信局21までのパスロス推定値及びセカンダリ送信局10からプライマリ受信局21までのパスロス推定値を用いて、プライマリ受信局21でのプライマリ信号の受信電力及びセカンダリ信号の受信電力を推定し、CIRが所定値以上となる最大の送信電力に、セカンダリ送信局10の許容送信電力を設定する。
以降では、図3に示すスペクトルマネージャ12の測定精度算出部103、周波数別・時間別測定結果記憶部104、パスロス推定部105、パスロス補正部106、許容送信電力設定部107のそれぞれについて、その処理を詳細に説明する。
上述のように、測定精度算出部103では、モニタリング局11から受信した測定結果を入力とし、測定精度情報を算出して、測定結果と測定精度情報を周波数別・時間別測定結果記憶部104へ格納する処理を行っている。このときの測定精度算出部103での測定精度の算出方法について以下で説明する。
まず、セカンダリ信号の受信電力測定値に対する測定精度の算出について説明する。本発明の第1の実施形態では、セカンダリ信号の受信電力測定値に対する測定精度情報として、伝搬モデルを用いたパスロス推定に基づき算出したモニタリング局11でのプライマリ信号の受信電力推定値を用いるようにしている。
つまり、モニタリング局11でのプライマリ信号の受信電力推定値CMon Estは次式で算出することができる。
Figure 0005900495

ここで、PPriは、モニタリング局11で測定を行った周波数・時間(測定周波数・測定時間)におけるプライマリ送信局20の送信電力、GPri Txは、プライマリ送信局20の送信アンテナ利得、LPri−Monは、伝搬モデルを用いて算出したプライマリ送信局20とモニタリング局11との間のパスロス推定値、GPri−Mon Rxは、モニタリング局11におけるプライマリ送信局20方向の受信アンテナ利得である。伝搬モデルでの周波数(又は波長)は、保護対象のプライマリ受信局の使用する周波数と対応する周波数(又は波長)とする。
なお、各項の単位はdB、又は、dBmとし、以降の説明中の変数でも同様とする。プライマリ送信局20とモニタリング局11との間のパスロス推定値は、プライマリ送信局20とモニタリング局11との距離(各局の位置情報から算出可能)や各局のアンテナ高等をパラメータとした伝搬モデルを用いることで算出できる。また、プライマリ送信局20の送信電力情報、送信アンテナ利得、送信アンテナ高、位置情報、モニタリング局11の受信アンテナ利得や、位置情報等は地理データベース13に保持されており、コアネットワーク14を経由して取得して、使用するものとする。同様にして、以降の説明で受信電力推定値の算出やパスロス推定値の算出を行う場合には、必要な情報は地理データベース13から取得するものとする。
モニタリング局11においてプライマリ信号の受信電力推定値が低い場合、セカンダリ信号以外の他信号の受信電力が小さい環境となるため、測定誤差が軽減され、測定精度が高いと判断できる。一方、モニタリング局11でのプライマリ信号の受信電力推定値が高い場合、セカンダリ信号以外の他信号の受信電力が大きい環境となるため、測定誤差が大きく、測定精度が低いと判断できる。したがって、式(1)に示すようにしてプライマリ信号の受信電力推定値を求めれば、このプライマリ信号の受信電力推定値を、セカンダリ信号の受信電力測定値に対する測定精度情報として利用できる。
以上は、セカンダリ信号の受信電力測定値に対する測定精度を説明したが、プライマリ信号の受信電力測定値に対する測定精度情報としては、伝搬モデルによるパスロス推定に基づいて算出したモニタリング局11におけるセカンダリ信号の受信電力推定値とする。
セカンダリ信号の受信電力推定値についても、式(1)と同様にして、モニタリング局11で測定を行った周波数・時間におけるセカンダリ送信局10の送信電力、セカンダリ送信局10の送信アンテナ利得、セカンダリ送信局10とモニタリング局11との間のパスロス推定値、モニタリング局11におけるセカンダリ送信局10方向の受信アンテナ利得によって算出する。
なお、セカンダリ信号送信電力は、モニタリング局が測定を行った測定周波数・測定時間での送信電力をセカンダリ送信局10から取得する。また、セカンダリ送信局10とモニタリング局11との間のパスロス推定値は、セカンダリ送信局10とモニタリング局11との距離(各局の位置情報から算出可能)や各局のアンテナ高等をパラメータとした伝搬モデルを用いることで算出できる。
このように、測定精度算出部103は、セカンダリ信号の受信電力測定値に対する測定精度情報として、伝搬モデルに基づいて算出したプライマリ信号の受信電力推定値を算出し、プライマリ信号の受信電力測定値に対する測定精度情報として、伝搬モデルに基づいて算出したセカンダリ信号の受信電力推定値を算出している。このようにして算出された測定精度情報が周波数別・時間別測定結果記憶部104に保持される。
図4は、図2に示したようにプライマリシステムとセカンダリシステムが配置された場合の周波数別・時間別測定結果記憶部104に保持された周波数別測定結果の一例である。この例では測定結果として、周波数f4、f5、f6におけるセカンダリ送信局10から送信されたセカンダリ信号の受信電力測定値と、周波数f6、f13におけるプライマリ信号20_6から送信されたプライマリ信号の受信電力測定値とを示している。
図4に示すように、セカンダリ信号の受信電力測定値に対する測定精度情報として、プライマリ信号の受信電力推定値が保持される。プライマリ信号の受信電力推定値が高いほど、セカンダリ信号の測定誤差が大きく、測定精度が低くなる。
図2に示したように、プライマリシステムサービスエリア22_4には、周波数f4のプライマリ送信局20_4が位置し、プライマリシステムサービスエリア22_5には、周波数f5のプライマリ送信局20_5が位置し、プライマリシステムサービスエリア22_6には、周波数f6のプライマリ送信局20_6が位置している。この際のモニタリング局11での周波数f4、f5、f6での受信電力を図5に示す。
プライマリ送信局20_4は、モニタリング局11から離れているので、周波数f4でのプライマリ信号受信の電力推定値は小さくなり、周波数f4でのセカンダリ信号の受信電力測定値の測定精度が高くなる。プライマリ送信局20_5は、プライマリ送信局20_4よりモニタリング局11に近いので、周波数f5でのセカンダリ信号の受信電力測定値の測定精度は、周波数f4のときよりも、低くなる。これに対して、プライマリ送信局20_6は、モニタリング局11に近接しているので、周波数f6でのプライマリ信号の受信電力推定値は大きくなり、周波数f6でのセカンダリ信号の受信電力測定値の測定精度は低くなる。
上述の例では、周波数別に測定した測定結果及び測定精度を周波数別・時間別測定結果記憶部104に保持する例について説明したが、時間別に測定した測定結果及び測定精度を周波数別・時間別測定結果記憶部104に保持するようにしてもよい。
同様にして、プライマリ送信局20_6から送信されたプライマリ信号の受信電力測定値に関しては、セカンダリ信号の受信電力測定値が測定精度情報となり、セカンダリ信号の受信電力推定値が高いほど、プライマリ信号の測定誤差が大きく、測定精度が低くなる。
図6は、周波数別・時間別測定結果記憶部104に保持された時間別測定結果の一例である。図6の例はある測定周波数において測定した結果を時間別に保持している点が図4の例と異なる。
図7は、図6におけるプライマリ信号の受信電力推定値を測定時間別に表示した一例である。例えば、時刻t1が3時、時刻t2が11時、時刻t3が19時といったように、異なる時刻を表す。ここで、時刻t1はプライマリ送信局が送信を行っていない時間(例えば、テレビ放送が停波している時間)に相当することを仮定し、プライマリ信号の受信電力を0としている。この場合、時刻t1でのプライマリ信号の受信電力推定値は小さくなる(0になる)ので、時刻t1でのセカンダリ信号の受信電力測定値の測定精度は高くなる。他の時刻t2、t3でのプライマリ信号の受信電力推定値は大きくなり、時刻t2、t3でのセカンダリ信号の受信電力測定値の測定精度は低くなる。
なお、図4及び図6を組み合わせて、測定周波数毎(f4、f5、f6)に、測定した時間(時刻t1、t2、t3)で分類した測定結果を周波数別・時間別測定結果記憶部104に保持することも可能である。
次に、図3に示したスペクトルマネージャ12におけるパスロス推定部105の処理について説明する。前述したように、パスロス推定部105は、セカンダリ送信局10から送られた二次利用要求を受けて、二次利用の候補となる各周波数に対して、セカンダリ送信局10とプライマリ受信局21との間のパスロス推定値を算出する。更に、パスロス推定部105は、プライマリ送信局20とプライマリ受信局21との間のパスロス推定値を算出することも可能である。
パスロス推定部105が推定するパスロスは、二次利用要求に含まれる周波数や時間等の情報に応じたものとする。例えば、セカンダリ送信局10が現在の時刻で周波数を二次利用するか、将来的に二次利用を行うかによって時間の指定がされる。また、パスロスを推定する周波数(二次利用を行う予定の周波数)をセカンダリ送信局10によって指定することも可能である。また、セカンダリ送信局10の二次利用要求には周波数や時間を指定する情報を含めず、二次利用候補周波数の全てに対してパスロス推定を行ってもよい。
なお、以下の説明では、パスロス推定、パスロス補正及び許容送信電力設定の対象となる二次利用候補の周波数を一つとした例とするが、上記の通り、二次利用候補周波数が複数ある場合には、各周波数について同様の操作を行うこととする。
まず、パスロス推定部105は、セカンダリ送信局10が二次利用候補周波数を使用する際に、与干渉が最大となるプライマリ受信局21の位置を特定する。
例えば図2では、二次利用候補周波数をf6とする。この場合、干渉を与えるのは、プライマリシステムサービスエリア22_1〜22_7の中で、二次利用する周波数と同じ周波数f6を使用するプライマリシステムサービスエリア22_6である。そして、この周波数f6のプライマリシステムサービスエリア22_6の中で、セカンダリ送信局10から最も近いサービスエリア端のプライマリ受信局21_6で与干渉量が最大となると考えられる。この特定された位置にあるプライマリ受信局21_6を保護対象のプライマリ受信局とする。
なお、保護対象のプライマリ受信局の位置は必ずしも一つである必要はなく、与干渉が所定値以上となると推定されるエリアにおいて保護対象のプライマリ受信局21が複数あるものとしてもよい。
次に、パスロス推定部105は、セカンダリ送信局10とプライマリ受信局21_6との間のパスロス推定値を、セカンダリ送信局10とプライマリ受信局21_6との距離(各局の位置情報から算出可能)や各局のアンテナ高等をパラメータとした伝搬モデルを用いることで算出する。また、パスロス推定部105は、プライマリ送信局20_6とプライマリ受信局21_6との間のパスロス推定値を、プライマリ送信局20_6とプライマリ受信局21_6との距離(各局の位置情報から算出可能)や各局のアンテナ高等をパラメータとした伝搬モデルを用いることで算出する。
こうして算出された各パスロス推定値と保護対象のプライマリ受信局21_6の位置情報は、パスロス推定部105から出力され、パスロス補正部106に入力される。
パスロス補正部106は、パスロス推定部105から入力されたセカンダリ送信局10とプライマリ受信局21_6との間のパスロス推定値の実測補正を行う。また、プライマリ送信局20とプライマリ受信局21_6との間のパスロス推定値の実測補正を行うことも可能である。
このパスロス補正部106の処理について更に詳述する。パスロス補正部106は、セカンダリ送信局10とプライマリ受信局21_6との間のパスロス推定値の実測補正を行う場合には、以下の処理を行う。
まず、パスロス補正部106は、入力されたプライマリ受信局21_6の位置情報をモニタリング局11の位置情報と比較することで、付近のモニタリング局11を特定する。
次に、パスロス補正部106は、モニタリング局11によって測定されたセカンダリ送信局10の受信電力の測定結果が周波数別・時間別測定結果記憶部104に保持されているかサーチする。
本発明の第1の実施の形態では、パスロス補正部106は、セカンダリ送信局10と保護対象のプライマリ受信局(図2の例では、プライマリ受信局21_6)との間のパスロス推定値を補正する際にセカンダリ信号の受信電力測定値を用いた実測補正を行う。そのセカンダリ信号の受信電力測定値としては、保護対象のプライマリ受信局21_6で使用する周波数とは別な周波数で送信され、モニタリング局11によって測定されたセカンダリ信号の受信電力、又は、保護対象音プライマリ受信局21_6の使用する時間とは別な時間で送信され、モニタリング局11によって測定された受信電力を用いる。また、プライマリ送信局20とプライマリ受信局21_6との間のパスロス補正を補正する際にはプライマリ信号の受信電力測定値を用いた実測補正を行う。そのプライマリ信号の受信電力測定値としては、セカンダリ送信局10の使用する周波数とは別な周波数でプライマリ送信局20から送信され、モニタリング局11によって測定された受信電力、又は、同一周波数であってもセカンダリ送信局10の使用する時間とは別な時間でプライマリ送信局20から送信され、モニタリング局11によって測定された受信電力を用いる。
例えば、図2の例では、周波数f6をプライマリシステムとセカンダリシステムとで共用する場合には、保護対象の受信局はプライマリ受信局21_6となる。パスロス補正部106においてセカンダリ送信局10とプライマリ受信局21_6との間のパスロス推定値を補正する際には、周波数f6とは別な周波数で送信され、モニタリング局11が測定したセカンダリ信号の受信電力測定値、又は、周波数f6であってもプライマリ信号の送信される時間とは別な時間(すなわち、プライマリ信号の送信されない時間)で送信され、モニタリング局11が測定したセカンダリ信号の受信電力測定値をパスロス補正に用いる。一方、周波数f6においてセカンダリ送信局10が送信している場合に、パスロス補正部106においてプライマリ送信局20_6とプライマリ受信局21_6との間のパスロス推定値を補正する際には、プライマリ送信局20_6の使用する周波数であって、f6とは別な周波数(図2の例ではf13)において送信され、モニタリング局11が測定したプライマリ信号の受信電力測定値、又は、周波数f6であってもセカンダリ信号の送信される時間とは別な時間で送信され、モニタリング局11が測定したセカンダリ信号の受信電力測定値をパスロス補正に用いる。
また、パスロス補正部106は、セカンダリ送信局10とプライマリ受信局21_6との間のパスロス推定値を補正する際に、プライマリ受信局21_6の使用する周波数を含めて複数の周波数でのセカンダリ信号受信電力測定結果が利用可能な場合、又は、プライマリ受信局21の使用する時間を含めて複数の時間でのセカンダリ信号受信電力測定結果が利用可能な場合、測定精度情報から測定精度が高いと判断される受信電力の測定値を用いる。前述のとおり、セカンダリ信号の受信電力値に対する測定精度情報としては、伝搬モデルを用いて算出したモニタリング局11におけるプライマリ信号の受信電力推定値を用い、プライマリ信号の受信電力推定値が最小であるセカンダリ信号の受信電力測定値を実測補正に用いる。実測補正の方法は、セカンダリ信号の受信電力推定値とセカンダリ信号の受信電力推定値との差分値を補正値として、セカンダリ送信局10からプライマリ受信局21_6へのパスロス推定値を補正する。
一方、パスロス補正部106において、プライマリ送信局20とプライマリ受信局21_6との間のパスロス推定値を補正する際に、セカンダリ送信局10の使用する周波数を含めて複数の周波数でのプライマリ受信電力測定結果が利用可能な場合、又は、セカンダリ送信局10の使用する時間を含めて複数の時間でのプライマリ受信電力測定結果が利用可能な場合、上記と同様に測定精度情報から測定精度が高いと判断される受信電力の補正値を用いる。前述のとおり、この場合のプライマリ信号の受信電力値に対する測定精度情報としては、伝搬モデルを用いて算出したモニタリング局11におけるセカンダリ信号の受信電力推定値を用い、セカンダリ信号の受信電力推定値が最小であるプライマリ信号の受信電力測定値を実測補正に用いる。実測補正の方法は、プライマリ信号の受信電力推定値とプライマリ信号の受信電力推定値との差分値を補正値として、プライマリ送信局20とプライマリ受信局21へのパスロス推定値を補正する。
例えば、図2に示したように、保護対象のプライマリ受信局21_6が周波数f6、f13を使用する場合において、セカンダリ送信局10とプライマリ受信局21_6との間のパスロス推定値の補正を考え、図4に示したように、周波数別・時間別測定結果記憶部104は、測定周波数別(f4、f5、f6)に測定結果が記憶されるとする。このとき、図5に示したとおり、この中で周波数f4でのプライマリ信号の受信電力推定値が最小であり、周波数f4でのセカンダリ信号の受信電力測定値の精度が最も高い。このような場合には、周波数f4でのセカンダリ信号の受信電力測定値がパスロス補正に用いられる。
一方、図6及び図7に示したように、測定結果が時間別に周波数別・時間別測定結果記憶部104に保持されている場合には、測定時刻t1で測定されたプライマリ信号の受信電力推定値は約0であり、最も小さい。このような場合には、測定時刻t1でのセカンダリ信号の受信電力測定値の精度が最も高く、時刻t1でのセカンダリ信号の受信電力測定値がパスロス補正に用いられる。
このように、本発明の第1の実施形態では、セカンダリ送信局10とプライマリ受信局21_6との間のパスロス推定値を補正する場合には、測定精度情報として用いられるプライマリ信号の受信電力推定値が最小であるセカンダリ信号の受信電力測定値をパスロス推定値の補正に用いることで、同一帯域に含まれる信号の中でセカンダリ信号の受信電力の割合を大きくできるため、測定誤差を小さくできる。同様にして、プライマリ送信局20とプライマリ受信局21_6との間のパスロス推定値を補正する場合には、測定精度情報として用いられるセカンダリ信号の受信電力推定値が最小であるプライマリ信号の受信電力測定値をパスロス推定値の補正に用いることで、同一帯域に含まれる信号の中でプライマリ信号の受信電力の割合を大きくできるため、測定誤差を小さくできる。
なお、上述の例では、セカンダリ信号の受信電力測定値の測定精度情報として、プライマリ信号の受信電力推定値を用いているが、別な測定精度情報として、モニタリング局11で測定したプライマリ信号の受信電力測定値を用いてもよい。この場合においても、プライマリ信号の受信電力推定値を測定精度情報として用いる場合と同様にして、プライマリ信号の受信電力測定値が最小であるセカンダリ信号の受信電力測定値が実測補正に用いられることで、同一帯域に含まれる信号の中でセカンダリ信号の受信電力の割合を大きくできるため、測定誤差を小さくできる。更に、別な測定精度情報として、モニタリング局11でのセカンダリ信号の受信電力推定値を用いてもよい。この場合においては、セカンダリ信号の受信電力推定値の大きいセカンダリ信号の受信電力測定値は、実際の受信電力も大きいことが予想されるため、この測定値を実測補正に用いることで測定誤差を小さくできる。
同様にして、上述の例では、プライマリ信号の受信電力測定値の測定精度情報として、セカンダリ信号の受信電力推定値を用いているが、別な測定精度情報として、モニタリング局11で測定したセカンダリ信号の受信電力測定値を用いてもよい。この場合においても、セカンダリ信号の受信電力推定値を測定精度情報として用いる場合と同様にして、セカンダリ信号の受信電力測定値が最小であるプライマリ信号の受信電力測定値が実測補正に用いられることで、同一帯域に含まれる信号の中でプライマリ信号の受信電力の割合を大きくできるため、測定誤差を小さくできる。更に、別な測定精度情報として、モニタリング局11でのプライマリ信号の受信電力推定値を用いてもよい。この場合においては、プライマリ信号の受信電力推定値の大きいプライマリ信号の受信電力測定値は、実際の受信電力も大きいことが予想されるため、この測定値を実測補正に用いることで測定誤差を小さくできる。
プライマリ信号の受信電力推定値を用いてもよい。この場合、プライマリ信号の受信電力推定値が最大であるプライマリ信号の受信電力測定値が実測補正に用いられることで、同一帯域に含まれる信号の中でプライマリ信号の受信電力の割合を大きくできるため、測定誤差を小さくできる。
次に、パスロス補正部106は、測定精度が高いと判断した測定結果を用いて、セカンダリ送信局10からプライマリ受信局21_6までのパスロスの推定値、及び、プライマリ送信局20とプライマリ受信局21_6との間のパスロス推定値を実測補正する。以下では、セカンダリ送信局10とプライマリ受信局21_6との間のパスロス推定値を実測補正するときの処理について説明する。
プライマリ信号の受信電力推定値が最小である周波数(又は時間)でのモニタリング局11でのセカンダリ信号の受信電力測定値をIMon Measとする。この測定結果を用いて、セカンダリ送信局10からプライマリ受信局21_6までのパスロスの推定値を実測補正するための補正値Δを算出する。この補正値Δは、次式のように、セカンダリ信号の受信電力測定値とセカンダリ信号の受信電力推定値との差分値として算出される。
Figure 0005900495

ここで、IMon Estは、プライマリ信号の受信電力推定値が最小である周波数(又は時間)でのモニタリング局11でのセカンダリ信号の受信電力推定値である。このパスロス推定の補正値Δは、周波数別・時間別測定結果記憶部104に格納しておくことも可能である。
この補正値Δは、セカンダリ送信局10からプライマリ受信局21_6との間のパスロス推定値の補正に用いる。具体的には次式によって補正が行われる。
Figure 0005900495

ここで、LSec―Priはセカンダリ送信局10からプライマリ受信局21_6への周波数f6におけるパスロス推定値、L’Sec―Priは補正を行ったパスロス推定値であり、wは補正値の重み係数(0≦w≦1)である。
ここで、重み係数wは、例えば、モニタリング局11とセカンダリ送信局10との伝搬環境の相関に応じて決定する。例えば、モニタリング局11とセカンダリ送信局10との間の距離が離れており伝搬環境の相関が低い場合は重みを小さくし、反対に距離が近い場合には重みを大きくして補正値をより反映させる。
また、重み係数wには、補正値の算出に使用した測定結果の周波数(測定周波数)と、補正対象であるパスロス推定値の周波数(二次利用候補周波数)との間の周波数差による伝搬環境の相関を反映してもよい。
例えば、周波数差が大きくなる場合に、伝搬環境の相関が小さくなるため重み係数wを小さくし、周波数差が小さい場合には、伝搬環境の相関が大きくなるため重み係数wを大きくすることができる。更に、重み係数wには、補正値の算出に使用した測定結果の時間(測定時間)と二次利用を実際に行う時間(例えば、現時刻)との間の時間差による伝搬環境の相関を反映してもよい。これは、例えば、昼と夜では電離層による電波反射が異なる等、時刻によってパスロスが変動するので、測定時間と現時間の時間差に応じて重み係数wを決定してもよい。
以上のようにして得られた補正後のパスロス推定値は、パスロス補正部106から許容送信電力設定部107へ出力される。
なお、以上のパスロス推定値の補正は、セカンダリ送信局10から単一のプライマリ受信局21_6へのパスロス推定値のみでなく、複数のプライマリ受信局への各パスロス推定値に対しても適用可能である。
例えば、図2における干渉保護の対象となるプライマリシステムサービスエリア22(22_1〜22_7)を格子状(例えば、100m×100m)に分割し、干渉が大きいことが想定されるエリアの各格子点にプライマリ受信局21があることを想定し、この複数のプライマリ受信局21へのパスロスを推定し、実測補正を行う。この際、各プライマリ受信局21へのパスロス推定値の補正に用いる測定結果は、単一のモニタリング局11で得られた測定結果である必要はなく、各プライマリ受信局21までの距離が近い個々のモニタリング局で測定された測定結果を用いることができる。更に、複数のモニタリング局11で測定された測定結果を用いて、パスロス推定値の実測補正を行うこともできる。
以上の説明は、セカンダリ送信局10とプライマリ受信局21_6との間のパスロス推定値の実測補正を行う場合であるが、同様にして、プライマリ送信局20_6とプライマリ受信局21_6との間のパスロス推定値を実測補正することができる。この場合、測定結果として周波数別・時間別測定結果記憶部104に格納されたプライマリ信号の受信電力測定値を用いる。
ここでのプライマリ信号とは、あくまで保護対象のプライマリ受信局21に対して送信を行っているプライマリ送信局(例えば、図2における20_6)から送信された信号であって、別な位置にある他のプライマリ送信局(例えば、図2における20_1〜20_5、20_7)によって送信されたプライマリ信号ではない。
このようにして、パスロス補正部106で、実測値を用いてパスロス補正が行われる。
補正後の各パスロス推定値(セカンダリ送信局10とプライマリ受信局21_6との間のパスロス推定値、プライマリ送信局20_6とプライマリ受信局21_6との間のパスロス推定値)は、パスロス補正部106から許容送信電力設定部107へ送られる。
なお、初期状態等では、パスロス推定値の補正に使用できる測定が行われておらず、周波数別・時間別測定結果記憶部104に適切な測定結果が格納されていない場合が考えられる。この場合は、実測補正は行わずに、元々のパスロス推定値を許容送信電力設定部107へ入力することで代用する。
次に、図3におけるスペクトルマネージャ12の許容送信電力設定部107での処理について説明する。許容送信電力設定部107では、補正後のセカンダリ送信局10からプライマリ受信局21_6へのパスロス推定値と、補正後のプライマリ送信局20_6からプライマリ受信局21_6へのパスロス推定値とが入力される。許容送信電力設定部107は、これら補正後のパスロス推定値を用いて、以下のようにして、許容送信電力PSec,Maxを設定する。
Figure 0005900495

ここで、PPriは二次利用候補周波数を使用するプライマリ送信局20_6の送信電力、GPri Txはプライマリ送信局20_6の送信アンテナ利得、L’Pri−Priはプライマリ送信局20_6からプライマリ受信局21_6への補正後パスロス推定値、L’Sec−Priはセカンダリ送信局10からプライマリ受信局21_6への補正後パスロス推定値である。
また、GPri−Pri RxとGSec−Pri Rxは、プライマリ受信局21の受信アンテナ利得であって、それぞれ、プライマリ信号の到来方向の利得、セカンダリ信号の到来方向の利得である。各信号の到来方向は、プライマリ受信局21とプライマリ送信局20との位置関係、プライマリ受信局21とセカンダリ送信局10との位置関係によって算出し、アンテナ利得を算出する。
また、CIRreqはプライマリ受信局21_6の保護に要求されるCIRであって、プライマリシステム毎に定まっているものとする。更に、σは補正後のパスロス推定値を使用することを想定した場合のCIRの推定誤差に関する標準偏差であって、qは要求CIRを確保できる確率に応じた係数である。したがって、qσはプライマリ受信局21_6のCIRが要求CIRを所定確率でもって満足できるよう、許容送信電力に設けたマージンに相当する。なお、qの値としては、例えば、CIR推定誤差がガウス分布である場合に、要求CIRを95%で確保することを考えると、1.645となる。
なお、式(4)は二次利用候補周波数を使用する単一のプライマリ受信局21_6において要求CIRを所定確率で確保するための許容送信電力である。同一の二次利用候補周波数において、複数のプライマリ受信局21_6を保護する方法としては、各プライマリ受信局21_6に対して式(4)の許容送信電力を算出し、その中で最小値を最終的な許容送信電力とすることもできる。
こうして得られた許容送信電力は、コアネットワーク14を経由して、セカンダリ送信局10へ送られ、セカンダリ送信局10は許容送信電力以下となる送信電力を設定する。
図8は、モニタリング局11の構成例を示すブロック図である。モニタリング局11は、ネットワーク通信部151、測定周波数設定部152、受信用RF部153、受信電力測定部154で構成される。なお、本発明と直接関係のない構成要素(例えば、モニタリング局11が基地局である場合に、基地局と端末間で無線通信を行う回路等)については、説明を明瞭にするために省略している。
ネットワーク通信部151は、モニタリング局11がコアネットワーク14を経由して他の装置(例えばスペクトルマネージャ12)と通信をするために用いられる。
測定周波数設定部152では、コアネットワーク14を経由して、スペクトルマネージャから測定依頼を受信する。続いて、測定周波数設定部152では、測定依頼を受けた周波数(測定周波数)を受信用RF部153へ出力する。
なお、「測定周波数」は、セカンダリ送信局10やプライマリ送信局20から送信される信号を測定するための周波数であって、モニタリング局11が基地局として帰属する端末へ送信する下り信号の周波数や、端末から受信する上り信号の周波数とは異なる。また、測定依頼で指定される測定周波数は、セカンダリ信号を測定する周波数と、プライマリ信号を測定する周波数を別々に設定できるようにしてもよい。
受信用RF部153は、帯域通過フィルタ、低雑音増幅器、RF(Radio Frequency)帯の信号とベースバンド信号との周波数変換を行う周波数変換部、A/D変換部(Analog to Digital 変換部)等を内部に備える。
受信用RF部153では、測定周波数設定部152によって帯域通過フィルタの周波数(中心周波数、周波数帯域幅)が設定され、アンテナから入力された無線信号の中で測定周波数帯域外の電波の受信を制限する。受信用RF部153では更に、抽出された測定周波数帯域の信号を、デジタルベースバンド信号に変換して受信電力測定部154へ出力する。
なお、受信電力測定部154の測定方法によっては、RF信号やIF(Intermediate Frequency)信号を入力しても構わない。
受信電力測定部154は、受信用RF部153から測定周波数のデジタルベースバンド信号が入力され、測定対象信号の受信電力を算出する。ここで、測定対象信号は、セカンダリ信号、又は、プライマリ信号である。
受信電力の測定方法としては、セカンダリ信号の受信電力又はプライマリ信号の受信電力を測定できる方法であれば、如何なる方法を用いても構わない。
例えば、測定対象の信号(例えば、セカンダリ信号)が送信されている間に、他の信号(例えば、プライマリ信号)が送信されていない場合には、測定周波数の受信電力を直接測定し、周波数帯域内に含まれる雑音電力を減算することで、測定対象信号の受信電力を測定できる。
測定周波数において、セカンダリ信号とプライマリ信号が同時に送信されている場合には、各信号の電力を分離して測定する方法を用いる。このような方法としては、測定対象信号のパイロット信号と受信信号とのスライディング相関により求めた相互相関値を用いた電力の測定方法を利用することができる。具体的には、実際に受信したパイロット信号と既知パイロット信号とをスライディング相関により相関値を計算し、最大相関値を求め、その値からパイロット信号の受信電力を推定する。
ここで、パイロット信号の受信電力の算出は、最大相関値とパイロット信号の受信電力の対応関係を表すテーブルを予め保持し、求めた最大相関値をキーに該テーブルをサーチして求めることができる。パイロット信号の送信電力が総送信電力(パイロット信号やデータ信号の合計送信電力値)の中に占める割合が既知である場合は、モニタリング局11においてパイロット信号の受信電力から測定対象信号の受信電力を推定することもできる。例えば、総送信電力に対するパイロット信号送信電力の割合は、セカンダリ送信局10からモニタリング局11に対してコアネットワーク14経由で通知することで利用できる。一方で、パイロット信号の受信電力をスペクトルマネージャ12に送り、スペクトルマネージャ12はセカンダリ送信局10から総送信電力に対するパイロット信号送信電力の割合を取得し、パイロット信号受信電力から測定対象信号の受信電力を算出し、この値を用いてパスロス推定値の補正値を算出させることもできる。
図9は、スライディング相関を説明するための概念図である。縦軸がサブキャリア(周波数)を示し、横軸がシンボル(時間)を示す。上段が受信信号、下段が時間領域変換後のRS(Reference Signal)を示す。例えば、セカンダリ送信局10の送信信号がLTE(Long Term Evolution)下り信号であってモニタリング局11がこの信号の受信電力を測定する場合、スペクトルマネージャ12は、モニタリングを依頼するモニタリング局に対して、セカンダリ送信局10のセルID(Identification)を通知する。モニタリング局11は、通知されたセルIDと対応したRS(Reference Signal:チャネル推定等に用いられる既知のパイロット信号であって、セルIDに紐付けられている)を生成し、更に、これを時間領域に変換する。モニタリング局11は、この時間領域のRSを用いて、以下の式の通りスライディング相関を行う。
Figure 0005900495

モニタリング局11は、式5に示す計算式により、時間領域変換後のRS信号の複素共役(i*(k))と受信信号(y(n+k))とのスライディング相関から最大相関値Tmaxを算出し、最大相関値をキーに上記テーブルをサーチし、パイロット受信電力を求める。なお、式(5)において、Kは時間領域のRS系列長を示す。
モニタリング局11は、以上のように算出したパイロット信号の受信電力測定値(又は測定対象信号の受信電力)をスペクトルマネージャ12へ送信する。
図10は、スペクトルマネージャ12の動作例を示すフローチャートである。まず、スペクトルマネージャ12のネットワーク通信部101は、セカンダリ送信局10から送られた使用中又は使用予定の周波数に関する情報(送信電力、周波数、時間、セルID等)、又は、モニタリング局11から送られた測定結果(セカンダリ信号の受信電力測定値、プライマリ信号の受信電力測定値)、又は、セカンダリ送信局10から送られた二次利用要求(周波数、時間等の情報も含む)のいずれかを受信する(ステップS10)。
ステップS10で受信したメッセージがセカンダリ送信局10から送られた使用中の周波数に関する情報である場合には、スペクトルマネージャ12のモニタリング局決定部102は、測定を行うモニタリング局11を決定し、決定したモニタリング局11に対して測定依頼を送信する(ステップS11)。
次にモニタリング局11の決定方法について説明する。前述の通り、スペクトルマネージャ12でのパスロス補正は、セカンダリ送信局10の送信時に保護対象となるプライマリ受信局21が使用する周波数(又は、時間)において、モニタリング局11によって測定されたセカンダリ信号の受信電力測定値だけでなく、その隣接周波数等の別周波数(又は、別時間)においてモニタリング局11によって測定されたセカンダリ信号の受信電力測定値を用いる。
そこで、スペクトルマネージャ12は、セカンダリ送信局10の送信が与干渉となるプライマリシステムサービスエリア22にいるモニタリング局11に加えて、別周波数のサービスエリアにいるモニタリング局においても、セカンダリ送信局10の信号の受信電力を測定させる。
例えば、図2では、セカンダリ送信局10は周波数f6を使用するため、プライマリシステムサービスエリア22_6に対して与干渉となるが、このサービスエリアのモニタリング局11に加えて、プライマリシステムサービスエリア22_1〜22_5、22_7のモニタリング局(図2では不図示)においても、周波数f6のセカンダリ信号の受信電力を測定させる。この受信電力の測定は、該当する全てのモニタリング局において行ってもよい。
また、例えば、各周波数のサービスエリアの中で、干渉の影響が大きいエリアに位置するモニタリング局(図2で図示されている各プライマリ受信局の周辺に位置するモニタリング局)のみが行ってもよい。このように、周波数f6で送信されたセカンダリ信号の受信電力を測定することで、セカンダリ送信局10から送信されたセカンダリ信号の受信電力を予め測定でき、更に各サービスエリアのプライマリ送信局(20_1〜20_5、20_7)から送信されたプライマリ信号の受信電力を各周波数(f1〜f5、f7〜f14)で予め測定できる。したがって、セカンダリ送信局10が周波数f1〜f5、f7〜f14を使用する際には、予め周波数f6で測定したセカンダリ信号の受信電力測定値や周波数f1〜f5、f7〜f14で測定したプライマリ信号の受信電力測定値を用いてパスロス推定値の実測補正を行うことができるようになる。
ステップS10で受信したメッセージがモニタリング局11から送られた測定結果(セカンダリ信号の受信電力測定値、プライマリ信号の受信電力測定値)である場合には、まず、スペクトルマネージャ12の測定精度算出部103は、測定結果に対して測定精度情報を算出する(ステップS12)。本発明の実施の形態では、セカンダリ信号の受信電力測定値の測定精度情報はプライマリ信号の受信電力推定値とし、プライマリ信号の受信電力測定値の測定精度情報はセカンダリ信号の受信電力推定値とする。
続いて、測定精度算出部103は、算出した測定結果、測定精度情報、測定周波数、測定時間の情報を周波数別・時間別測定結果記憶部104へ格納する(ステップS13)。
ステップS10で受信したメッセージがセカンダリ送信局10から送られた二次利用要求である場合には、パスロス推定部105は、二次利用候補周波数を使用する際に与干渉の影響が大きい保護対象となるプライマリ受信局21を特定し、伝搬モデルを用いて、送受信局間のパスロス(セカンダリ送信局―プライマリ受信局間のパスロス、又は、プライマリ送信局−プライマリ受信局間のパスロス)を推定する(ステップS14)。
次に、パスロス補正部106は、ステップS14で算出したセカンダリ送信局10とプライマリ受信局21との間のパスロス推定値の実測補正を行う。この際、まず、保護対象のプライマリ受信局21の周辺に位置するモニタリング局11を特定する。次に、モニタリング局11で測定したセカンダリ送信局10の信号の受信電力が周波数別・時間別測定結果記憶部104で保持されているかサーチする。
本発明の第1の実施の形態では、セカンダリ送信局10とプライマリ受信局21との間のパスロスの補正に用いる受信電力は、保護対象のプライマリ受信局21で使用する周波数とは別な周波数において測定されたセカンダリ信号の受信電力、又は、保護対象のプライマリ受信局21の使用する時間とは別な時間で測定された受信電力とする。
例えば、保護対象のプライマリ受信局21で使用する周波数の隣接周波数(隣接チャネル)において測定されたセカンダリ信号の受信電力測定値をパスロス補正に用いる。
更に、プライマリ受信局21で使用する周波数を含めて複数の周波数で測定されたセカンダリ信号の受信電力測定結果が利用可能な場合、又は、プライマリ受信局21で使用する時間を含めて複数の時間で測定されたセカンダリ信号の受信電力測定結果が利用可能な場合には、測定精度情報から測定精度が高いと判断されるセカンダリ信号の受信電力測定値を用いる。パスロス補正部106は、このセカンダリ信号の受信電力測定値と、パスロス推定に基づき算出したモニタリング局11におけるセカンダリ信号の受信電力推定値(セカンダリ送信局10とモニタリング局11との間のパスロス推定値に基づき算出したセカンダリ信号の受信電力推定値)との差分を補正値として、ステップS14で算出したパスロス推定値の補正を行う(ステップS15)。
加えて、ステップS15において、プライマリ送信局20とプライマリ受信局21との間のパスロス推定値の実測補正を行う場合には、パスロス補正部106は、上記で特定されたモニタリング局11で測定したプライマリ送信局20の信号の受信電力測定値が周波数別・時間別測定結果記憶部104で保持されているかサーチする。
本発明の第1の実施の形態では、このパスロスの補正に用いる受信電力は、セカンダリ送信局(セカンダリ送信局10、又は、他のセカンダリ送信局)に使用されている周波数とは別な周波数、又は、セカンダリ送信局に使用されている時間とは別な周波数において測定されたプライマリ信号の受信電力とする。
更に、セカンダリ送信局で使用された周波数を含めて複数の周波数で測定されたプライマリ信号の受信電力が利用可能な場合、又は、セカンダリ送信局で使用された時間を含めて複数の時間で測定されたプライマリ信号の受信電力が利用可能な場合には、パスロス補正部106は、測定精度情報から測定精度が高いと判断されるプライマリ信号の受信電力測定値を用いる。パスロス補正部106は、このプライマリ信号の受信電力測定値と、パスロス推定に基づき算出したプライマリ信号の受信電力推定値(プライマリ送信局20とモニタリング局11との間のパスロス推定値に基づき算出したプライマリ信号の受信電力推定値)との差分を補正値として、ステップS14で算出したパスロス推定値の補正を行う。
続いて、許容送信電力設定部107は、セカンダリ送信局10とプライマリ受信局21との間の補正後パスロス推定値と、プライマリ送信局20とプライマリ受信局21との間の補正後パスロス推定値とを用いて、セカンダリ送信局10の許容送信電力を算出する。
こうして得られた許容送信電力は、コアネットワーク14を経由して、セカンダリ送信局10へ送られ、セカンダリ送信局10では許容送信電力以下となる送信電力を設定する(ステップS16)。
図11は、モニタリング局11の動作例を示すフローチャートである。モニタリング局11のネットワーク通信部151は、スペクトルマネージャ12から測定依頼を受信する(ステップS20)。
次に、モニタリング局11の測定周波数設定部152は、測定依頼で指定された周波数の無線信号を受信するため、受信用RF部153の帯域通過フィルタの通過帯域を当該周波数に設定する(ステップS21)。
続いて、モニタリング局11は、アンテナから無線信号を受信し、受信用RF部153にて測定対象の周波数の無線信号をデジタルベースバンド信号へと変換する(ステップS22)。そして、モニタリング局11の受信電力測定部154は、測定対象のデジタルベースバンド信号を用いて、セカンダリ信号の受信電力、また、プライマリ信号の受信電力を測定し、ネットワーク通信部151、コアネットワーク14を介して、スペクトルマネージャ12に通知する(ステップS23)。
以上説明した第1の実施形態によれば、セカンダリ送信局からプライマリ受信局への伝搬経路におけるパスロス推定値を補正する際に、第1の周波数でパスロス値を推定し、セカンダリ信号と同一周波数帯域内に含まれる他の信号(プライマリ信号)の受信電力が小さくなる他の周波数(第2の周波数)、又は、時間においてモニタリング局が測定したセカンダリ信号の受信電力を、パスロスの実測補正に用いる。これにより、モニタリング局の周辺にあるプライマリシステムサービスエリアで使用される第1の周波数を用いて、セカンダリ信号の受信電力を測定する場合と比べて、他信号の受信電力が小さい環境で測定を行うことができ、セカンダリ信号の受信電力の測定誤差が軽減される。すなわち、セカンダリ送信局からプライマリ受信局への伝搬経路におけるパスロス推定値をより精度よく実測補正することができる。
同様に、プライマリ送信局からプライマリ受信局への伝搬経路におけるパスロス推定値を補正する際には、更に別な第3の周波数でパスロス値を推定し、測定対象以外の信号(セカンダリ信号)の受信電力が小さな他の周波数(第4の周波数)、又は、時間において、モニタリング局がプライマリ信号の受信電力を測定する。これにより、測定対象以外の信号の受信電力が小さい環境で測定を行うことができ、セカンダリ信号の受信電力の測定誤差が軽減される。すなわち、プライマリ送信局からプライマリ受信局への伝搬経路におけるパスロス推定値を、より精度よく実測補正することができる。結果として、CIRの推定誤差を削減でき、セカンダリ送信局の許容送信電力に設定必要なマージンをより小さくすることができるため、許容送信電力の増加が可能になる。
なお、上記の説明では、許容送信電力を設定するための受信品質として、プライマリ受信局のCIRを用いたが、CINRを所定値以上にするよう許容送信電力を設定すること、プライマリ受信局での被干渉量を所定値以下とするよう許容送信電力を設定することも可能である。また、セカンダリ送信局での送信によって生じるプライマリ受信局のCIRやCINRの劣化度を所定値以下に抑えるように許容送信電力を設定することもできる。
また、本発明の第1の実施の形態は、同一チャネル(周波数)間の干渉だけでなく、セカンダリ送信局の送信周波数に隣接する(又は、隣々接する)周波数への帯域外漏洩や、プライマリ受信局の受信フィルタの隣接チャネル選択性(所望周波数に隣接する周波数まで信号を取り込んでしまう受信フィルタの性質)に起因する隣接チャネル間の干渉(プライマリシステムとの隣接チャネルに関する周波数共用)も考慮することができる。
一般的に、隣接チャネル間の干渉を考慮する場合の許容送信電力は、プライマリ受信局の周波数におけるプライマリ信号の受信電力と、プライマリ受信局の周波数と隣接した周波数におけるプライマリ受信局でのセカンダリ信号の受信電力との比を受信品質として、この受信品質を所定値以上に保つよう決定することで、隣接チャネル間干渉を回避する。
このような場合においても、本発明の第1の実施の形態の方法によれば、モニタリング局は、プライマリ受信局で使用される周波数とは別な周波数(例えば、プライマリ受信局で使用される周波数の隣接周波数であって、セカンダリ信号を送信する周波数)において、セカンダリ信号の受信電力の測定を行い、セカンダリ信号を送信する周波数とは別な周波数(例えば、プライマリ受信局で使用される周波数)においてプライマリ信号の受信電力を測定することで、各受信電力の測定誤差を軽減した測定を行うことができ、この測定結果を用いることでパスロス推定値をより精度よく実測補正することができる。
更に、本発明の第1の実施の形態では、保護対象のプライマリ受信局の使用する周波数であって、パスロスを推定する周波数である第1の周波数(時間)とは別な周波数(時間)で測定されたセカンダリ信号の受信電力をパスロス補正に用いるとしたが、次のような他の形態も可能である。例えば、保護対象のプライマリ受信局がサービスエリア内となる周波数に対して、サービスエリアに対応する各周波数とは別な周波数で測定されたセカンダリ信号の受信電力をパスロス補正に用いるとすることもできる。例えば、図2の例では、プライマリ受信局21_6はf6、f13のサービスエリア内に在圏しているため、f6、f13以外のプライマリシステムの周波数において測定することに相当する。ここで、この場合のサービスエリアは、複数のプライマリ送信局のサービスエリアであってよく、単一のプライマリ送信局のサービスエリアのみを対象とする必要はない。また、保護対象のプライマリ受信局とモニタリング局とが別のサービスエリアに入る場合には、モニタリング局がサービスエリア内に含まれる周波数とは別な周波数で測定されたセカンダリ信号の受信電力をパスロス補正に用いてもよい。更に、次のような形態も可能である。例えば、保護対象のプライマリ受信局をサービスエリア内とする単一又は複数のプライマリ送信局に対して、当該プライマリ送信局において使用される各周波数とは別な周波数で測定されたセカンダリ信号の受信電力をパスロス補正に用いるとすることもできる。
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態は、パスロス推定値の補正に用いる測定精度情報が第1の実施形態と異なり、測定対象の受信信号電力推定値と、他の信号の受信電力推定値の比を測定精度情報とする。説明を明瞭にするため、第1の実施形態と異なる点についてのみ説明する。
本発明の第1の実施の形態では、セカンダリ信号の受信電力測定値の測定精度情報は、パスロス推定に基づき算出したセカンダリ信号の受信電力推定値とプライマリ信号の受信電力推定値の比であるICR(Interference to Carrier Ratio)とする。一方、プライマリ信号の受信電力測定値の測定精度情報は、パスロス推定に基づき算出したプライマリ信号の受信電力推定値とセカンダリ信号の受信電力推定値の比であるCIR推定値とする。
図12は、本発明の第2の実施形態に係る周波数別・時間別測定結果記憶部104に保持される周波数別測定結果の例である。この測定結果は、セカンダリ送信局10とモニタリング局11の組み合わせ毎に保持される。
この例では、図4と同様に測定周波数f4、f5、f6、f13の測定結果を示している。ここで、測定結果はセカンダリ信号の受信電力測定値及びプライマリ信号の受信電力測定値である。セカンダリ信号の受信電力測定値の測定精度情報として用いているICR推定値は、第1の実施形態と同様にして、セカンダリ信号の受信電力推定値とプライマリ信号の受信電力推定値を算出し、その比として定義し、受信電力がdBm表示の場合は差として定義する。そして、ICR推定値が高い場合に測定精度が高い受信電力測定値であると判断する。一方、プライマリ信号の受信電力測定値の測定精度情報は、dB表示でのICR推定値の符号を反転させた値であるCIR推定値(真値表示でのICR推定値の逆数であるCIR推定値)としている。この場合には、CIR推定値が高い場合に、測定精度が高い受信電力測定値であると判断する。
図13A及び図13Bは、図12におけるセカンダリ信号の受信電力推定値とプライマリ信号の受信電力推定値の例を測定周波数別に表したものである。図13Aび図13Bは、図2におけるセカンダリ送信局10、モニタリング局11、各プライマリ送信局20(20_4、20_5、20_6)の配置を想定したセカンダリ信号の受信電力推定値とプライマリ信号の受信電力推定値の例である。
プライマリ信号の受信電力推定値は図5と同じであるため説明を省略し、セカンダリ信号の受信電力推定値について説明する。図2のセカンダリ送信局10の位置では、周波数f4とf6のサービスエリア端までの距離と比べて、周波数f5までのサービスエリア端までの距離が遠く、パスロスも大きくなると想定される。したがって、周波数f5を使用した際の許容送信電力が最も大きくなるため、モニタリング局11におけるセカンダリ信号の受信電力推定値も他の周波数(f4とf6)と比べて大きくなる。
ここで、本発明の第2の実施形態におけるセカンダリ信号の受信電力測定値の測定精度情報であるICR推定値を考えると、図13Aび図13Bの例では、周波数f5において最も大きくなるため、周波数f5のセカンダリ信号の受信電力測定値を実測補正に用いる。一方、プライマリ信号の受信電力測定値の測定精度情報であるCIR推定値についても、同様にして周波数f6、f13に対してセカンダリ信号の受信電力推定値とプライマリ信号の受信電力推定値とから算出し、CIR推定値が最も高いプライマリ信号の受信電力測定値を実測補正に用いる。
以上説明した本発明の第2の実施形態によれば、セカンダリ信号の受信電力測定値の測定精度情報としてICR推定値を、プライマリ信号の受信電力測定値の測定精度情報としてCIR推定値を用いる。第1の実施形態で示した測定精度情報である他信号の受信電力推定値(セカンダリ信号の受信電力推定値又はプライマリ信号の受信電力推定値)と比べて、測定対象の信号の受信電力を更に考慮できるため、測定誤差をより軽減することができる。
なお、測定精度情報は、ICR推定値やCIR推定値の代わりに、ICNR(Interference to Carrier Plus Noise Ratio)推定値やCINR推定値とすることもできる。
以上説明した第1〜第2の実施形態によれば、モニタリング局によるセカンダリ送信局の信号の受信電力測定、又は、プライマリ送信局の信号の受信電力測定の精度を向上できる。その結果として、セカンダリ送信局からプライマリ受信局への伝搬経路におけるパスロスの推定値、又は、プライマリ送信局からプライマリ受信局への伝搬経路におけるパスロスの推定値を精度よく補正できるようになり、許容送信電力を増加できる。
また、以上説明した第1〜第2の実施形態において、プライマリシステムとセカンダリシステムとは、異なるRAT(Radio Access Technology)であってもよく、同一のRATであってもよい。異なるRATである場合の例としては、前述したとおり、例えば、TV放送システムとセルラーシステムの組み合わせを挙げることができる。同一のRATである場合の例として、例えば、プライマリシステムがマクロセルであり、セカンダリシステムがその中に設置されるフェムトセルとすることができる。
また、以上説明した第1〜2の実施形態において、スペクトルマネージャとモニタリング局をセカンダリシステムの一部とする構成としたが、これらはセカンダリシステムの外部である別な無線システムにあってもよい。例えば、スペクトルマネージャ、地理データベース、モニタリング局は、パスロス推定とその実測補正に基づく周波数管理を複数のセカンダリシステムに対して提供する第3のシステムであってもよい。
なお、以上説明した第1〜2の実施形態は、所定のハードウェア、例えば、回路として具現化することもできる。
また、以上説明した第1〜2の実施形態は、制御プログラムに基づいて図示しないコンピュータ回路(例えば、CPU(Central Processing Unit))によって制御され、動作するようにすることができる。その場合、これらの制御プログラムは、例えば、装置又はシステム内部の記憶媒体(例えば、ROM(Read Only Memory)やハードディスク等)、あるいは、外部の記憶媒体(例えば、リムーバブルメディアやリムーバブルディスク等)に記憶され、上記コンピュータ回路によって読み出され実行される。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
同一周波数を共用して通信を行うシステムにおいて、パスロス値を精度よく推定することができる。
本願は、2011年6月7日に、日本に出願された特願2011−127739号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
10 セカンダリ送信局
11 モニタリング局
12 スペクトルマネージャ
13 地理データベース
14 コアネットワーク
20 プライマリ送信局
20_1 プライマリ送信局
20_2 プライマリ送信局
20_3 プライマリ送信局
20_4 プライマリ送信局
20_5 プライマリ送信局
20_6 プライマリ送信局
20_7 プライマリ送信局
21 プライマリ受信局
21_1 プライマリ受信局
21_2 プライマリ受信局
21_3 プライマリ受信局
21_4 プライマリ受信局
21_5 プライマリ受信局
21_6 プライマリ受信局
21_7 プライマリ受信局
22_1 プライマリシステムサービスエリア
22_2 プライマリシステムサービスエリア
22_3 プライマリシステムサービスエリア
22_4 プライマリシステムサービスエリア
22_5 プライマリシステムサービスエリア
22_6 プライマリシステムサービスエリア
22_7 プライマリシステムサービスエリア
101 ネットワーク通信部
102 モニタリング局決定部
103 測定精度算出部
104 周波数別・時間別測定結果記憶部
105 パスロス推定部
106 パスロス補正部
107 許容送信電力設定部
151 ネットワーク通信部
152 測定周波数設定部
153 受信用RF部
154 受信電力測定部

Claims (18)

  1. 自己の無線システムの送信局と他者の無線システムの送信局のサービスエリアに在圏する他者の無線システム受信局との間のパスロス値を第1の周波数で推定する段階と
    前記第1の周波数とは異なる他者の無線システムの送信局の第2の周波数で送信された前記自己の無線システム送信局の無線信号の受信電力値、又は前記他者の無線システムの送信局が前記第1の周波数を使用しない時間において送信された前記自己の無線システム送信局の無線信号の受信電力値を、前記サービスエリア及びその周辺のモニタリング局にて測定する段階と
    前記自己の無線システム信号の受信電力の測定値を用いて前記推定されたパスロス値を補正する段階と
    を含むことを特徴とするパスロス算出方法。
  2. 自己の無線システムの送信局と他者の無線システムの送信局のサービスエリアに在圏する他者の無線システム受信局との間のパスロス値を第1の周波数で推定するパスロス推定部と、
    前記第1の周波数とは異なる他者の無線システムの送信局の第2の周波数で送信された前記自己の無線システム送信局の無線信号の受信電力の測定値、又は前記他者の無線システムの送信局が前記第1の周波数を使用しない時間において送信された前記自己の無線システム送信局の無線信号の受信電力の測定値のいずれかを用いて、前記推定されたパスロス値を補正するパスロス補正部
    を備えることを特徴とするパスロス算出装置。
  3. コンピュータを、
    自己の無線システムの送信局と他者の無線システムの送信局のサービスエリアに在圏する他者の無線システム受信局との間のパスロス値を第1の周波数で推定するパスロス推定部
    前記サービスエリア及びその周辺のモニタリング局で測定された、前記第1の周波数とは異なる他者の無線システムの送信局の第2の周波数で送信された前記自己の無線システム送信局の無線信号の受信電力の測定値、又は前記他者の無線システムの送信局が前記第1の周波数を使用しない時間において送信された前記自己の無線システム送信局の無線信号の受信電力の測定値を用いて前記推定されたパスロス値を補正するパスロス補正部
    として機能させることを特徴とするパスロス算出プログラム。
  4. プライマリシステムの送信局の周波数と同一周波数をセカンダリシステムで共用し、前記セカンダリシステムの送信信号が前記プライマリシステムに干渉を与えないように、前記セカンダリシステムの送信信号の許容電力を制御するようにした無線通信システムであって、
    前記プライマリシステムは、少なくとも、プライマリシステムの送信局と、プライマリシステムの受信局とを含み、
    前記セカンダリシステムは、少なくとも、セカンダリシステムの送信局と、前記セカンダリシステムの送信局からの送信信号を管理するスペクトルマネージャと、前記プライマリシステムの送信局のサービスエリア及びその周辺に位置して前記セカンダリシステムの送信局からの送信信号の受信電力を測定するモニタリング局とを含み、
    前記スペクトルマネージャは、前記セカンダリシステムの送信局と前記プライマリシステムの受信局との間のパスロス値を第1の周波数で推定し、前記第1の周波数とは異なるプライマリシステムの送信局の第2の周波数で送信された前記セカンダリシステム送信局の無線信号の受信電力値、又は前記プライマリシステムの送信局が前記第1の周波数を使用しない時間において送信された前記セカンダリシステムの送信局からの送信信号の受信電力値を用いて、前記推定されたセカンダリシステムの送信局とプライマリシステムの受信局との間のパスロス値を補正し、前記補正後のパスロス値を用いて、前記セカンダリシステムの送信局の許容送信電力を算出する
    ことを特徴とする無線通信システム。
  5. 前記モニタリング局は、更に、前記プライマリシステムの送信局からの送信信号の受信電力を測定し、
    前記スペクトルマネージャは、更に、前記プライマリシステムの送信局と前記プライマリシステムの受信局との間のパスロス値を第3の周波数で推定し、前記第3の周波数とは異なる前記セカンダリシステムの送信局の第4の周波数で送信された前記プライマリシステムの送信局の無線信号の受信電力値、又は前記セカンダリシステムの送信局が前記第3の周波数を使用しない時間において送信された前記プライマリシステムの送信局からの送信信号の受信電力値を用いて、前記推定されたプライマリシステムの送信局とプライマリシステムの受信局との間のパスロス値を補正する
    ことを特徴とする請求項4に記載の無線通信システム。
  6. プライマリシステムの送信局の周波数と同一周波数を共用するセカンダリシステムを管理するスペクトルマネージャであって、
    前記プライマリシステムの送信局のサービスエリア及びその周辺に位置するモニタリング局が測定した受信電力値を受信する通信部と、
    前記セカンダリシステムの送信局と前記プライマリシステムの受信局との間のパスロス値を第1の周波数で推定するパスロス推定部と、
    前記モニタリング局が測定した受信電力値を保持する測定結果記憶と、
    前記第1の周波数とは異なるプライマリシステムの送信局の第2の周波数で送信された前記セカンダリシステムの送信局の無線信号の受信電力値、又は前記プライマリシステムの送信局が前記第1の周波数を使用しない時間において送信された前記セカンダリシステムの送信局の無線信号の受信電力値を用いて、前記推定されたセカンダリシステムの送信局とプライマリシステムの受信局との間のパスロス値を補正するパスロス補正部と、
    前記補正後のパスロス値を用いて、前記セカンダリシステムの送信局の許容送信電力を算出する許容電力設定部と
    を備えることを特徴とするスペクトルマネージャ。
  7. 前記測定結果記憶部は、複数の周波数毎に前記セカンダリシステムの送信局の無線信号の受信電力値を測定精度情報と対応付けて保持し、又は複数の時間毎に前記セカンダリシステムの送信局の無線信号の受信電力値を測定精度情報と対応付けて保持し、
    前記パスロス補正部は、前記複数の周波数毎に保持された前記セカンダリシステムの送信局の無線信号の受信電力値、又は前記複数の時間毎に保持された前記セカンダリシステムの送信局の無線信号の受信電力値の中で、前記測定精度情報に基づいて測定精度の高い受信電力値を抽出し、前記測定精度の高い受信電力値を用いて、前記セカンダリシステムの送信局と前記プライマリシステムの受信局との間のパスロス推定値を補正する
    ことを特徴とする請求項6に記載のスペクトルマネージャ。
  8. 前記測定精度情報は、プライマリシステムの送信局から送信された無線信号の前記モニタリング局における受信電力の推定値であり、
    前記パスロス補正部は、前記受信電力の推定値が小さいものに対応付けられたセカンダリシステムの送信局の無線信号の受信電力値をパスロス補正に用いる
    ことを特徴とする請求項7に記載のスペクトルマネージャ。
  9. 前記測定精度情報は、前記モニタリング局が測定した前記プライマリシステムの送信局から送信された無線信号の受信電力の測定値であり、
    前記パスロス補正部は、前記受信電力の測定値が小さいものに対応付けられたセカンダリシステムの送信局の無線信号の受信電力値をパスロス補正に用いる
    ことを特徴とする請求項7に記載のスペクトルマネージャ。
  10. 前記測定精度情報は、前記セカンダリシステムの送信局から送信された無線信号の前記モニタリング局における受信電力の推定値であり、
    前記パスロス補正部は、前記受信電力の推定値が大きいものに対応付けられたセカンダリシステムの送信局の無線信号の受信電力値をパスロス補正に用いる
    ことを特徴とする請求項7に記載のスペクトルマネージャ。
  11. 前記測定精度情報は、前記セカンダリシステムの送信局から送信された無線信号の前記モニタリング局における受信電力の推定値と前記プライマリシステムの送信局から送信された無線信号の前記モニタリング局における受信電力の推定値との電力比であり、
    前記パスロス補正部は、前記電力比が大きいものに対応付けられたセカンダリシステムの送信局の無線信号の受信電力値をパスロス補正に用いる
    ことを特徴とする請求項7に記載のスペクトルマネージャ。
  12. 複数のモニタリング局の中から受信電力を測定させるモニタリング局を決定するモニタリング局決定部
    を更に有し、
    前記モニタリング局決定部は、受信電力を測定させるモニタリング局として、前記プライマリシステムの送信局の周波数のサービスエリア及びその周辺に位置するモニタリング局と、前記プライマリシステムの送信局の周波数とは異なる他の周波数のサービスエリアエリア及びその周辺に位置し、前記セカンダリシステムの送信局が前記他の周波数で送信する際に被干渉となるモニタリング局とを位置情報から特定する
    ことを特徴とする請求項6乃至11の何れかに記載のスペクトルマネージャ。
  13. 前記パスロス推定部は、更に、前記プライマリシステムの送信局と前記プライマリシステムの受信局との間のパスロス値を第3の周波数で推定し、
    前記パスロス補正部は、前記第3の周波数とは異なるセカンダリシステムの送信局の第4の周波数で送信された前記プライマリシステム送信局の無線信号の受信電力値、又は前記セカンダリシステムの送信局が前記第3の周波数を使用しない時間において送信された前記プライマリシステムの送信局の無線信号の受信電力値を用いて、前記推定されたプライマリシステムの送信局とプライマリシステムの受信局との間のパスロス値を補正する
    ことを特徴とする請求項6に記載のスペクトルマネージャ。
  14. 前記測定結果記憶部は、更に、複数の周波数毎に前記プライマリシステムの送信局の無線信号の受信電力値を測定精度情報と対応付けて保持し、又は複数の時間毎に前記プライマリシステムの送信局の無線信号の受信電力値を測定精度情報と対応付けて保持し、
    前記パスロス補正部は、前記複数の周波数毎に保持された前記プライマリシステムの送信局の無線信号の受信電力値、又は前記複数の時間毎に保持された前記プライマリシステムの送信局の無線信号の受信電力値の中で、前記測定精度情報に基づいて測定精度の高い受信電力値を抽出し、前記測定精度の高い受信電力値を用いて、前記プライマリシステムの送信局と前記プライマリシステムの受信局との間のパスロス推定値を補正する
    ことを特徴とする請求項13に記載のスペクトルマネージャ。
  15. 前記測定精度情報は、セカンダリシステムの送信局から送信された無線信号の前記モニタリング局における受信電力の推定値であり、
    前記パスロス補正部は、前記受信電力の推定値が小さいものに対応付けられたプライマリシステムの送信局の無線信号の受信電力値をパスロス補正に用いる
    ことを特徴とする請求項14に記載のスペクトルマネージャ。
  16. 前記測定精度情報は、前記モニタリング局が測定した前記セカンダリシステムの送信局から送信された無線信号の受信電力の測定値であり、
    前記パスロス補正部は、前記受信電力の測定値が小さいものに対応付けられたプライマリシステムの送信局の無線信号の受信電力値をパスロス補正に用いる
    ことを特徴とする請求項14に記載のスペクトルマネージャ。
  17. 前記測定精度情報は、前記プライマリシステムの送信局から送信された無線信号の前記モニタリング局における受信電力の推定値であり、
    前記パスロス補正部は、前記受信電力の推定値が大きいものに対応付けられたプライマリシステムの送信局の無線信号の受信電力値をパスロス補正に用いる
    ことを特徴とする請求項14に記載のスペクトルマネージャ。
  18. 前記測定精度情報は、前記プライマリシステムの送信局から送信された無線信号の前記モニタリング局における受信電力の推定値と前記セカンダリシステムの送信局から送信された無線信号の前記モニタリング局における受信電力の推定値との電力比であり、
    前記パスロス補正部は、前記電力比が大きいものに対応付けられたプライマリシステムの送信局の無線信号の受信電力値をパスロス補正に用いる
    ことを特徴とする請求項14に記載のスペクトルマネージャ。
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