JP5900020B2 - 微小電極の製造方法、微小電極及び隔膜型センサ - Google Patents

微小電極の製造方法、微小電極及び隔膜型センサ Download PDF

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Description

本発明は、電気化学測定において用いられる微小電極の製造方法、微小電極及び隔膜型センサに関するものである。
例えば、環境(河川、海水)、水処理、発酵、養殖の分野では試料溶液中の溶存酸素(酸化体)の測定が重要であり、モニタリングやプロセス制御に溶存酸素計が広く使用されている。この溶存酸素計のセンサとしては、酸素透過性の隔膜を使用した隔膜型センサ、即ち、ポーラログラフ式隔膜型センサや、ガルバニ電池式隔膜型センサなどが主に用いられている。又、原子力発電プラントなどでは溶存水素(還元体)の測定が重要であり、計器によるモニタリングが行なわれている。
従来、ガス透過性の隔膜を使用した溶存ガスセンサとしての例えばポーラログラフ式の隔膜型溶存ガスセンサ100は、図33に示すように、例えば中空円筒状のセンサ本体101の先端開口部に測定対象ガスを透過させるガス透過性の隔膜102が固定され、この隔膜102に近接して、センサ本体101の内部に、白金などから成る作用極103が配置されている。この作用極103はセンサ本体101の内部に同軸的に配設された支持管104の先端開口部に取り付けられている。隔膜102で外部と区画されたセンサ本体101の内部の支持管104の周囲の領域(室)105には、電解液Sが収容される。作用極103は隔膜102に対して僅かな間隔をもって対向配置されている。従って、作用極103と隔膜102との間に電解液Sの薄層が存在する。又、支持管104には銀などから成る対極106が取り付けられている。この対極106と作用極103との間に、それらに接続されたリード線106a及び103aを介して、電源107から所定の電解電圧を連続して印加する。そして、電解電流の定常値を電流計(測定回路)108にて測定することによって試料溶液中の溶存ガス濃度を求めることができる。
上述のような従来の溶存酸素センサ100では、酸素の消費が連続して起きているため、作用極103における酸素濃度はゼロである。そして、酸素の拡散層の厚さが電解の開始と共に広がっていき、隔膜102の外側に(試料溶液中に)出るため、流速の影響を受ける。
従って、例えば上述のような従来の隔膜型溶存ガスセンサでは、反応に伴い試料中の測定対象物質(酸化体又は還元体)を消費するため、試料を撹拌してその測定対象物質を補給する必要がある。
尚、図34は、ガルバニ電池式の隔膜型溶存ガスセンサ100の概略構成を示す。ガルバニ電池式の隔膜型溶存ガスセンサ100は、図33に示すポーラログラフ式の隔膜型ガスセンサ100と同様の構成とされ、電源107が設けられていない点が異なる。作用極103を白金などの貴金属で形成し、対極106を鉛などの卑金属で形成し、隔膜を透過してきた測定対象ガス(酸素など)を電池の反応物質として生じる反応電流を測定する。
上述のような試料の流速の影響を受け難くするためには、例えば、電極の検知面の直径が数μm〜数十μmといった大きさの微小電極を用いることが有効である(特許文献1、2)。例えば、隔膜型溶存ガスセンサにおいて微小電極を使用すると、電極の検知面での酸化又は還元反応による測定対象物質の消費を少なくして、隔膜を透過してくる測定対象物質の量よりも少なくすることができる。これにより、測定対象物質の消費に対してその供給量が相対的に上回るために、試料の流速の影響を受け難くなり、試料中の測定対象物質の分圧に応じたセンサの出力が得られるようになる。
特表平7−504499号公報 特開2006−10357号公報
上述のように、電気化学測定において、微小電極は、定常状態の電流を得るのに適した電極であるため、その採用が提案されている。特許文献1は、グリッド状の金属線を用いた微小電極を開示しており、特許文献2はシリコン基板上のダイヤモンド薄膜を微細加工して微小電極を製造することを開示する。
ところが、単極の微小電極を用いたセンサは、その出力が微小な電流となるため、誤差を生じ易い。そのため、実用上、外来のノイズなどの影響を受けずに測定するためには、多極、即ち、それぞれの検知面が測定対象物質に対して露出している単位電極を複数設けて、ミリサイズの電極を用いた場合と同程度のセンサの出力にすることが望まれることがある。
しかしながら、微小電極を用いたセンサの出力を高めるために、例えば上述のように複数の単位電極を設けようとする場合、上述のような従来の製造方法は、実用上十分に簡単とは言い難いものであった。例えば、複数の単位電極間の導通を確保しつつリードアウトしたりするのは非常に難しい。又、所望に応じて微小電極を用いたセンサの出力を変更することも望まれる場合があるが、上述のような従来の製造方法では、設計変更に簡単に対応することは難しい。
従って、本発明の目的は、微小電極を比較的簡単に製造することのできる微小電極の製造方法を提供することである。
又、本発明の他の目的は、微小電極を用いたセンサの出力の変更などの設計変更に比較的簡単に対応できる微小電極の製造方法を提供することである。
又、本発明の他の目的は、作製が容易で、定常電流を得易く、且つ、十分な出力を得ることができる微小電極及び隔膜型センサを提供することである。
上記目的は本発明に係る微小電極の製造方法、微小電極及び隔膜型センサにて達成される。要約すれば、第1の本発明は、端面に環状の電極面が露出した微小電極の製造方法であって、電気絶縁性の材料で形成された支持体の軸線方向に沿って延在する外周面上に金属箔を巻き付ける巻き付け工程と、導線を前記金属箔に接触させて該接触した状態を維持させる接触工程と、少なくとも前記外周面上の前記金属箔を電気絶縁性の材料から成る被覆材で被覆する被覆工程と、を有し、前記支持体は、軸線方向における前記電極面側となる一方の端面である第1の端面と、その反対側の端面である第2の端面と、軸線方向に沿って前記第2の端面から前記第1の端面に向けて延在する押圧穴と、を有し、前記巻きつけ工程では、前記金属箔の少なくとも一部を、前記外周面上から前記第2の端面上を通過させて前記押圧穴の内部まで連続させ、前記接触工程では、前記導線の少なくとも一部を前記押圧穴の内部に配置し、電気絶縁性の材料で形成された押圧部材を前記押圧穴に挿入することで、前記押圧穴の内部で、前記導線と前記金属箔とを、前記押圧穴の内壁と前記押圧部材とで挟持して接触させた状態で保持することを特徴とする微小電極の製造方法である。
本発明の他の態様によると、端面に環状の電極面が露出した微小電極の製造方法であって、電気絶縁性の材料で形成された支持体の軸線方向に沿って延在する外周面上に金属箔を巻き付ける巻き付け工程と、導線を前記金属箔に接触させて該接触した状態を維持させる接触工程と、少なくとも前記外周面上の前記金属箔を電気絶縁性の材料から成る被覆材で被覆する被覆工程と、を有し、前記支持体は、前記外周面、軸線方向における前記電極面側となる一方の端面である第1の端面及びその反対側の端面である第2の端面を備えた主部と、前記主部の前記第2の端面から軸線方向に沿って延在する突出部であって該軸線方向と略直交する方向の寸法が前記主部よりも小さい突出部と、を有し、前記巻き付け工程では、前記金属箔の少なくとも一部を、前記外周面上から前記第2の端面上まで連続させ、前記接触工程では、前記導線の少なくとも一部を前記第2の端面上に配置し、電気絶縁性の材料で形成された環状の押圧部材の係合穴に前記突出部を挿入することで、前記導線と前記金属箔とを、前記第2の端面と前記押圧部材とで挟持して接触させた状態で保持することを特徴とする微小電極の製造方法が提供される。
本発明の他の態様によると、端面に環状の第1の電極面及び該第1の電極面の外側の環状の第2の電極面が露出した微小電極の製造方法であって、電気絶縁性の材料で形成された第1の支持体の軸線方向に沿って延在する外周面上に第1の金属箔を巻き付ける第1の巻き付け工程と、電気絶縁性の材料で形成され、軸線方向に沿って延在する嵌合穴を有する第2の支持体の、軸線方向に沿って延在する外周面上に、第2の金属箔を巻き付ける第2の巻き付け工程と、前記第1の支持体の軸線方向を前記第2の支持体の軸線方向に沿わせるようにして、前記第1の金属箔が巻き付けられた前記第1の支持体を前記第2の支持体の前記嵌合穴に嵌合させる嵌合工程と、少なくとも前記第2の支持体の前記外周面上の前記第2の金属箔を電気絶縁性の材料から成る被覆材で被覆する被覆工程と、を有することを特徴とする微小電極の製造方法が提供される。
本発明の他の態様によると、電気絶縁性の材料から成るボディーの内部に、厚さ方向が前記ボディーの軸線方向と略直交する平面に沿う方向となるように環状に形成された金属箔が埋設されており、前記ボディーの軸線方向の一方の端面から前記金属箔で形成された環状の電極面が露出している微小電極であって、軸線方向における前記電極面側となる一方の端面である第1の端面と、その反対側の端面である第2の端面と、軸線方向に沿って前記第2の端面から前記第1の端面に向けて延在する押圧穴と、を有する電気絶縁性の材料で形成された支持体と、前記押圧穴の内部に少なくともその一部が配置された導線と、電気絶縁性の材料で形成され、前記押圧穴に挿入された押圧部材と、電気絶縁性の材料から成り、前記金属箔の少なくとも一部を被覆している被覆材と、を備え、前記金属箔は、前記支持体の軸線方向に沿って延在する外周面上に巻き付けられ、少なくともその一部が前記外周面上から前記第2の端面上を通過して前記押圧穴の内部まで連続しており、前記押圧穴の内部で前記導線と接触した状態で、前記押圧穴の内壁と前記押圧部材とにより挟持されており、少なくとも前記外周面上の前記金属箔は、前記被覆材で被覆されていることを特徴とする微小電極が提供される。
本発明の他の態様によると、電気絶縁性の材料から成るボディーの内部に、厚さ方向が前記ボディーの軸線方向と略直交する平面に沿う方向となるように環状に形成された金属箔が埋設されており、前記ボディーの軸線方向の一方の端面から前記金属箔で形成された環状の電極面が露出している微小電極であって、軸線方向における前記電極面側となる一方の端面である第1の端面及びその反対側の端面である第2の端面を備えた主部と、前記主部の前記第2の端面から軸線方向に沿って延在する突出部であって該軸線方向と略直交する方向の寸法が前記主部よりも小さい突出部と、を有する電気絶縁性の材料で形成された支持体と、前記第2の端面上に少なくともその一部が配置された導線と、電気絶縁性の材料で形成され、前記突出部に係合する係合穴を有する環状の押圧部材と、電気絶縁性の材料から成り、前記金属箔の少なくとも一部を被覆している被覆材と、を備え、前記金属箔は、前記支持体の軸線方向に沿って延在する外周面上に巻き付けられ、少なくともその一部が前記外周面上から前記第2の端面上まで連続しており、前記導線と接触した状態で、前記第2の端面と前記押圧部材とにより挟持されており、少なくとも前記外周面上の前記金属箔は、前記被覆材で被覆されていることを特徴とする微小電極が提供される。
本発明の他の態様によると、電気絶縁性の材料から成るボディーの内部に、厚さ方向が前記ボディーの軸線方向と略直交する平面に沿う方向となるように同心的に環状に形成された第1、第2の金属箔が埋設されており、前記ボディーの軸線方向の一方の端面から前記第1、第2の金属箔でそれぞれ形成された環状の第1の電極面及び該第1の電極面の外側の環状の第2の電極面が露出している微小電極であって、電気絶縁性の材料で形成された第1の支持体と、軸線方向に沿って延在する嵌合穴を有する第2の支持体と、電気絶縁性の材料から成り、前記第2の金属箔の少なくとも一部を被覆している被覆材と、を備え、前記第1の金属箔は、前記第1の支持体の軸線方向に沿って延在する外周面上に巻き付けられており、前記第1の金属箔が巻き付けられた前記1の支持体は、前記第1の支持体の軸線方向と前記第2の支持体の軸線方向とが沿うようにして前記第2の支持体の前記嵌合穴に嵌合されており、前記第2の金属箔は、前記第2の支持体の軸線方向に沿って延在する外周面上に巻き付けられており、少なくとも前記第2の支持体の前記外周面上の前記第2の金属箔は、前記被覆材で被覆されていることを特徴とする微小電極が提供される。
本発明の他の態様によると、センサ本体の一端に試料中の測定対象ガスを透過させる隔膜で外部と区画された室を有し、前記室内に収容された電解液中に作用極と対極とが配置され、前記隔膜を透過した測定対象ガスの前記作用極面における電気化学反応により前記作用極と前記対極との間に流れる電流が測定回路で測定される隔膜型センサにおいて、前記作用極が上記本発明の微小電極であることを特徴とする隔膜型センサが提供される。
本発明によれば、微小電極を比較的簡単に製造することができる。又、本発明によれば、微小電極を用いたセンサの出力の変更などの設計変更に比較的簡単に対応できる。又、本発明によれば、作製が容易で、定常電流を得易く、且つ、十分な出力を得ることができる微小電極及び隔膜型センサを提供することができる。
本発明に係る微小電極の製造方法の一態様の概略手順を説明するための模式図である。 本発明の一実施例に係る微小電極の製造方法における支持部材、押圧部材を示す斜視図である。 本発明の一実施例に係る微小電極の製造方法において支持部材に金属箔を巻き付ける過程を説明するための斜視図である。 本発明の一実施例に係る微小電極の製造方法において支持部材に金属箔を巻き付ける過程を説明するための断面図である。 本発明の一実施例に係る微小電極の製造方法において導線を金属箔に接触させる過程を説明するための斜視図である。 本発明の一実施例に係る微小電極の製造方法において導線を金属箔に接触させる過程を説明するための断面図である。 本発明の一実施例に係る微小電極の製造方法において導線にリード線を接続する過程及び被覆材を適用する過程を説明するための斜視図である。 本発明の一実施例に係る微小電極の製造方法において電極面を露出させる過程及び得られる電極面を説明するための斜視図及び平面図である。 本発明の他の実施例に係る微小電極の製造方法における支持部材、押圧部材を示す斜視図である。 本発明の他の実施例に係る微小電極の製造方法において支持部材に金属箔を巻き付ける過程を説明するための斜視図である。 本発明の他の実施例に係る微小電極の製造方法において支持部材に金属箔を巻き付ける過程を説明するための断面図である。 本発明の他の実施例に係る微小電極の製造方法において導線を金属箔に接触させる過程を説明するための斜視図である。 本発明の他の実施例に係る微小電極の製造方法において導線を金属箔に接触させる過程を説明するための断面図である。 本発明の他の実施例に係る微小電極の製造方法において導線にリード線を接続する過程及び被覆材を適用する過程を説明するための斜視図である。 本発明の他の実施例に係る微小電極の製造方法において電極面を露出させる過程及び得られる電極面を説明するための斜視図及び平面図である。 本発明に係る微小電極の製造方法の他の態様の概略手順を説明するための模式図である。 本発明の更に他の実施例に係る微小電極の製造方法における支持部材、押圧部材を示す斜視図である。 本発明の更に他の実施例に係る微小電極の製造方法において支持部材に金属箔を巻き付ける過程を説明するための斜視図である。 本発明の更に他の実施例に係る微小電極の製造方法において支持部材に金属箔を巻き付ける過程を説明するための断面図である。 本発明の更に他の実施例に係る微小電極の製造方法において導線を金属箔に接触させる過程を説明するための斜視図である。 本発明の更に他の実施例に係る微小電極の製造方法において導線を金属箔に接触させる過程を説明するための断面図である。 本発明の更に他の実施例に係る微小電極の製造方法において導線にリード線を接続する過程及び被覆材を適用する過程を説明するための斜視図である。 本発明の更に他の実施例に係る微小電極の製造方法において電極面を露出させる過程及び得られる電極面を説明するための斜視図及び平面図である。 本発明の更に他の実施例に係る微小電極の製造方法における支持部材、押圧部材を示す斜視図である。 本発明の更に他の実施例に係る微小電極の製造方法において支持部材に金属箔を巻き付ける過程を説明するための斜視図である。 本発明の更に他の実施例に係る微小電極の製造方法において支持部材に金属箔を巻き付ける過程を説明するための断面図である。 本発明の更に他の実施例に係る微小電極の製造方法において導線を金属箔に接触させる過程を説明するための斜視図である。 本発明の更に他の実施例に係る微小電極の製造方法において導線を金属箔に接触させる過程を説明するための断面図である。 本発明の更に他の実施例に係る微小電極の製造方法において導線にリード線を接続する過程及び被覆材を適用する過程を説明するための斜視図である。 本発明の更に他の実施例に係る微小電極の製造方法において電極面を露出させる過程及び得られる電極面を説明するための斜視図及び平面図である。 導線を金属箔に接触させる他の方法を説明するための斜視図及び断面図である。 本発明の一実施例に係る微小電極の製造方法で作製された微小電極が組み込まれた隔膜型溶存酸素センサの概略断面図である。 ポーラログラフ式の隔膜型溶存ガスセンサの概略構成図である。 ガルバニ電池式の隔膜型溶存ガスセンサの概略構成図である。
以下、本発明に係る微小電極の製造方法、微小電極及び隔膜型センサを図面に則して更に詳しく説明する。
先ず、本発明に係る微小電極の製造方法の第1の態様について説明する。
図1は、本発明に係る微小電極の製造方法の第1の態様を模式的に示している。本発明の一態様によれば、端面に環状の電極面が露出した微小電極の製造方法が提供される。当該製造方法は、次の各工程を有する。
(a)電気絶縁性の材料で形成された支持体の軸線方向に沿って延在する外周面上に金属箔を巻き付ける巻き付け工程
(b)少なくとも上記外周面上の上記金属箔を電気絶縁性の材料から成る被覆材で被覆する被覆工程
又、この場合、微小電極の製造方法は更に、次の工程の両方又はいずれか一方を有していてよい。
(c)上記被覆工程(b)で得られた複合体の一端部を切削又は研磨して、上記金属箔の厚さ方向の断面を露出させて上記電極面を形成する露出工程
(d)上記被覆工程(b)より前に、導線を前記金属箔に接触させて該接触した状態を維持させる接触工程
上記巻き付け工程(a)で用いる支持体を形成する電気絶縁性材料としては、成形のし易さなどの点から、樹脂を好ましく用いることができる。又、支持体を形成する樹脂としては、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂などの熱硬化性樹脂を好ましく用いることができる。中でも、硬化物の機械的強度、耐薬性、電気絶縁性、成形性、接着性に優れていることから、エポキシ樹脂が好ましい。特に、支持体と後述する被覆材との一体化が容易となり、一体化後の物理的強度も得易いことから、支持体を形成する樹脂としては、後述する被覆材として用いる樹脂と同一材料を用いることが好ましく、2段階加熱硬化型のエポキシ樹脂がより好ましい。
又、上記巻き付け工程(a)で用いる支持体としては、円柱又は多角柱などの柱状体を好適に用いることができる。この柱状体は、軸線方向における微小電極の電極面側となる一方の端面である第1の端面と、その反対側の第2の端面とを有する。支持体が円柱である場合、支持体の軸線方向と略直交する方向の断面の外形は円形である。又、支持体が角柱の場合、支持体の軸線方向と略直交する方向の断面の外形は多角形である。角柱としては、例えば、三角柱、四角柱、六角柱などを用いることができ、それぞれ上記断面は三角形、四角形、六角形となる。支持体が角柱の場合、支持体が円柱の場合よりも、金属箔を巻き付ける際の作業性が良い。支持体は、中実であっても、中空(即ち、管状体)であっても用いることができる。
又、上記巻き付け工程(a)で用いる支持体の軸線方向と略直交する方向の断面の外形は、作製される微小電極の端面から露出する電極面の周長(環状の電極面の延長長さ)に応じて設定することができる。本発明者の検討によれば、金属箔として後述のような厚さのものを用いる場合、作製される微小電極を用いたセンサがノイズの影響を受け難い十分な出力を得られるようにするために、作製される微小電極の端面から露出する電極面の周長は、3mm〜32mmであることが好ましく、より好ましくは6mm〜26mm、更に好ましくは12mm〜25mmである。
又、上記巻き付け工程(a)で用いる支持体は、その材料に応じた任意の方法により所望の形状に成形することができる。例えば、支持体の材料として熱硬化性樹脂を用いる場合は、金型を用いた圧縮成形、ゴム型を用いた成形などのモールド成形により好適に成形することができる。例えば、支持体の材料及び後述する被覆材の材料として2段階加熱硬化型のエポキシ樹脂を用いる場合、支持体は1段階目の加熱硬化を終了した状態で提供し、その後被覆材と共に2段階目の加熱硬化を行う。これにより、支持体と被覆材との一体化をより良好に行うことができる。
又、上記巻き付け工程(a)において、支持体に対する金属箔の巻き付け回数は、典型的には1回であるが、巻き付け方向において少なくとも一部が重なってもよい。又、作製される微小電極を用いたセンサに求められる出力などとの関係で必要である場合には、支持体に金属箔を複数回にわたり巻き付けてもよい。支持体に巻き付けた金属箔の終端は、自由端としたままであってよい。但し、その後の作業性などの点で必要であれば、金属箔の終端の一部又は全部を固定手段により支持体又は下層の金属箔に固定してもよい。この場合の固定手段としては、金属箔を折り曲げることによる保持力、接着剤(導電性のものであっても非導電性のものであってもよい)などを用いることができる。又、支持体に巻き付ける際の金属箔の先端は、典型的には支持体上に配置する(添える)だけでよい。但し、金属箔を巻き付ける際の作業性などの点で必要であれば、金属箔の先端の一部又は全部を固定手段により支持体に固定してもよい。この場合の固定手段としても上記終端の場合と同様のものを用いることができる。
又、上記巻き付け工程(a)で用いる金属箔を形成する材料としては、金、白金、銅、ニッケル、或いは金−白金、白金−イリジウム、ステンレスなどの合金を用いることができる。金はやわらかいため薄く加工することが容易であり、又金箔は多く流通している。そのため、取り扱い易さや比較的安価であることなどから、金属箔を形成する材料としては金が好ましい。即ち、金属箔は、好ましくは金箔から成る。又、本発明者の検討によれば、微小電極としての性能を維持し、且つ、その製造を容易とするために、金属箔の厚さは0.1μm〜20μmであることが好ましく、より好ましくは1μm〜10μm、更に好ましくは3μm〜8μmである。例えば、厚さが5μmの金箔は、微小電極の製造過程で切れたりすることなく製造が容易であると共に、グラム単価も比較的安い。
上記被覆工程(b)において、少なくとも支持体の外周面上の金属箔を被覆材で被覆することで、作製される微小電極の端面に現れる金属箔の表裏を、支持体の材料又は被覆材の材料で覆うことができる。従って、微小電極の端面に実質的に金属箔の厚さ方向の断面のみを露出させることが可能となり、この断面を微小電極における電気化学反応が起きる所定の大きさの電極面として規定することができる。但し、好ましくは、金属箔が巻き付けられた支持体の軸線方向における、微小電極の電極面側となる一方の端面である第1の端面を除く外面の全てを、被覆材で被覆する。つまり、上記被覆工程(b)では、好ましくは、少なくとも、電極面が露出させられる側の面を除く金属箔及び支持体の全体、又は、金属箔、支持体及び後述の押圧部材の全体を、被覆材で被覆する。これにより、支持体に巻き付けられた金属箔の形状が安定すると共に、導線と金属箔との接触状態を良好に維持することが容易となる。又、上記露出工程(c)において取り除かれてしまうが、成形の容易さや作業性の点などから望ましい場合などには、金属箔が巻き付けられた支持体の上記第1の端面も、被覆材で被覆してよい。
又、上記被覆工程(b)工程で用いる被覆材を構成する電気絶縁性材料としては、成形のし易さなどの点から、樹脂を好ましく用いることができる。又、被覆材として用いる樹脂としては、上述の支持体を形成する樹脂と同様の樹脂を用いることができる。特に、支持体と被覆材との一体化(又は支持体及び後述の押圧部材と被覆材との一体化)が容易となり、一体化後の物理的強度も得易いことから、被覆材として用いる樹脂としては、支持体(又は支持体及び後述の押圧部材)を形成する樹脂と同一材料とすることが好ましく、2段階加熱硬化型のエポキシ樹脂がより好ましい。
又、上記被覆工程(b)工程では、被覆するだけではなく、支持体に被覆材が被覆された複合体の形状を所望の形状にすることができる。このとき、被覆材は、その材料に応じた任意の方法により所望の形状に成形することができる。例えば、被覆材の材料として熱硬化性樹脂を用いる場合は、金型を用いた圧縮成形、ゴム型を用いた成形などのモールド成形により好適に成形することができる。例えば、被覆材の材料及び支持体(又は支持体及び後述の押圧部材)の材料として2段階加熱硬化型のエポキシ樹脂を用いる場合、1段階目の加熱硬化が終了している支持体(又は支持体及び後述の押圧部材)と共に被覆材の1段階目の加熱硬化を行った後、これら支持体(又は支持体及び後述の押圧部材)と被覆材との両方の2段階目の加熱硬化を行う。これにより、支持体(又は支持体及び後述の押圧部材)と被覆材との一体化をより良好に行うことができる。但し、被覆材は、単に塗布することで適用してもよい。
ここで、上記被覆工程(b)において、支持体の上記第1の端面に被覆材を被覆しない場合、上記被覆工程(b)後の上記複合体における支持体の上記第1の端面に対応する端面には、金属箔の端面が環状に現れている。従って、最も単純には、この環状に現れた金属箔の端面を微小電極の電極面とすることができる。しかし、上記被覆工程(b)で支持体の上記第1の端面も被覆材で被覆した場合は、上記露出工程(c)を行うことが必要である。又、上記被覆工程(b)で支持体の上記第1の端面を積極的には被覆しなかった場合であっても、上記露出工程(c)を行うことが好ましい。これにより、金属箔の端面に付着した被覆材などの付着物や汚れを除去して、電極面を新たに露出させることで、特性の安定した微小電極を作製することができる。
上記露出工程(c)において、切削又は研磨は、金属箔、支持体、被覆材の材料などに応じて、切削機(切削工具)、金属製やすり、研磨布、研磨紙などを用いた利用可能な任意の方法で行うことができる。例えば、金属箔として金箔を用い、支持体及び被覆材の材料としてエポキシ樹脂を用いる場合、研磨紙を用いた研磨を行うことができる。研磨紙としては、研磨のし易さや研磨後の表面性に鑑みて適宜任意の目の粗さのものを用いればよい。
上記接触工程(d)で用いる金属の導線を形成する材料としては、局部電池の発生を防ぐなどの理由から、金属箔を形成する材料と同一の材料を用いることが好ましい。金線は、上記接触工程(d)において圧縮すると変形して広がり、接触抵抗が小さくなるため、リードアウト用として使用するのに適している。又、上述のように金属箔として金箔を用いる場合には、導線として金線を用いることで両者は同一の材料となる。そのため、金属箔に対する良好な接触状態を形成し易いことなどから、導線を形成する材料としては金が好ましい。即ち、導線は、好ましくは金線から成る。又、導線としては、その軸線方向と略直交する方向の断面が略円形の線材を好ましく用いることができるが、これに限定されるものではなく、断面が楕円形(長円形)や矩形の線材、断面がより平坦な帯状部材を用いてもよい。例えば断面が略円形の線材を用いる場合、その断面の直径(線径)は、0.1mm〜1mmであることが好ましく、より好ましくは0.2mm〜0.5mm、更に好ましくは0.3mm〜0.4mmである。例えば、線径0.3mmの金線は、リードアウト用として使用するのに適している。
又、上記接触工程(d)において、導線は、好ましくは、金属箔に圧接させる。この際、支持体に対して固定される電気絶縁性の材料で形成された押圧部材を用い、支持体と押圧部材とで、導線と金属箔とを挟持して接触させた状態で保持する。このように押圧部材を用いて導線を金属箔に圧接させて固定することによって、比較的簡易な構成で、作業性良く、導線と金属箔との電気的接続を確保することができる。押圧部材3としては、円柱又は多角柱などの柱状体を好適に用いることができる。押圧部材を形成する電気絶縁性材料としては、成形のし易さなどの点から、樹脂を好ましく用いることができる。又、押圧部材を形成する樹脂としては、上述の支持体を形成する樹脂と同様の樹脂を用いることができる。特に、押圧部材と被覆材との一体化が容易となり、一体化後の物理的強度も得易いことから、押圧部材を形成する樹脂としては、被覆材として用いる樹脂と同一材料を用いることが好ましく、2段階加熱硬化型のエポキシ樹脂がより好ましい。押圧部材の成形方法は、上述の支持体と同様とすることができる。
尚、上記接触工程(d)では、別法として、金属箔を支持体に巻き付ける際に導線を一緒に巻き付けておくことによって、金属箔と導線とを接触させてもよい。この場合、上記巻き付け工程(a)が終了するときに、ほぼ同時に上記接触工程(d)が終了することとなる。典型的には、支持体に巻き付けた金属箔の終端を余分に長くして、その長くした部分で下層の金属箔と上層(終端近傍)との間に導線を配置することができる。或いは、支持体に巻き付ける際の金属箔の先端近傍と支持体との間に導線を配置することができる。但し、これに限定されるものではなく、支持体に巻き付ける際の先端から終端までの間の任意の位置で、支持体と金属箔との間、或いは下層の金属箔と上層の金属箔との間に配置することができる。
又、上記接触工程(d)、特に、押圧部材を用いて導線を金属箔に圧接させて接触状態を維持させることを、上記被覆工程(b)より前に行うことで、作業性良く、導線と金属箔との電気的接続を確保することができる。しかし、上記被覆工程(b)の後に、支持体に取り付けられた金属箔の一部が露出している場合には、上記被覆工程(b)の後に、導線を金属箔に接触させ、該接触させた状態を維持して、電気的接続を確保するようにしてもよい。
ここで、導線と金属箔とは、これらを接触させるだけで導通させることができる。特に、上述のように押圧部材を用いて導線を金属箔に圧接させる場合には、これによって十分に良好な導通を確保することができる。但し、導電性固定材料として導電性接着剤を用いて固定することで、導線と金属箔との導通を確保してもよい。導電性接着剤としては、市販の任意の導電性接着剤を適宜用いることができる。導電性接着剤は、一般に、導電フィラーとしての金粉、銀粉、銅粉、ニッケル粉、アルミ粉、カーボン粉、グラファイト粉などを、バインダーとしてのエポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、その他の熱硬化性樹脂などに含有させたものであり、一般に、硬化することで導電フィラー同士が電気的に接続されて導電性を示すと共に、被接着部材を固定することができる。例えば、導電性接着材としては、導電性フィラーとして銀粉を用い、バインダーとしてエポキシ樹脂を用いた銀ペーストを好ましく用いることができる。又、導電性固定材料としては、市販の導電性テープを用いても良い。導電性テープは、一般に、基材としての金属泊や導電布上に導電性粘着剤の層が設けられ、その導電性粘着剤を覆うように離型紙が設けられているもので、離型紙を除去して貼着対象に導電性粘着剤の層を介して貼着することで、貼着対象を電気的に導通させると共に固定することができる。更に、溶接によって導線と金属箔との導通を確保してもよい。
又、上記接触工程(d)の後で、導線の金属箔側とは反対側の終端に導電性部材を接続することができる。上述のように、導線は好ましくは金などの貴金属で形成された線材から成るので、微小電極のリードアウトをこの導線のみで行うことは好ましくない場合がある。一方、導電性部材として、導体材料が銅線などである一般的なリード線を、金属箔に直接接触させることは、接触抵抗が高くなったり、局部電池が発生したり、或いは金属箔との接触状態が悪くなったりするので好ましくない。そこで、上述のように導線に導電性部材を接続することで、金属箔から離れた位置で、導電性部材としての銅線などの一般的なリード線を導線に接続でき、微小電極の特性を損なうことなく、より安価な構成とすることができる。このリード線としては、電気化学測定センサ用として利用可能な一般的なリード線を任意に選択して用いることができる。例えば、リード線としては、導体材料としての銅線、銅−ニッケル合金線などが電気絶縁材料で被覆された一般的な電線を用いることができる。そして、上記被覆工程(b)では、少なくとも導線の金属箔側とは反対側の終端又は該終端に接続された導電性部材の一部は、被覆材から露出させるようにする。尚、導線に導電性部材を接続しない場合は、導線の一部を被覆材から露出させるようにする。
次に、本発明に係る微小電極の製造方法の第2の態様について説明する。
図16は、本発明に係る微小電極の製造方法の第2の態様として、端面に複数の環状の電極面を有する微小電極の製造方法を模式的に示している。本発明の他の態様によれば、端面に環状の第1の電極面及び該第1の電極面の外側の環状の第2の電極面が露出した微小電極の製造方法が提供される。当該製造方法は、次の各工程を有する。
(e)電気絶縁性の材料で形成された第1の支持体の軸線方向に沿って延在する外周面上に第1の金属箔を巻き付ける第1の巻き付け工程
(f)電気絶縁性の材料で形成され、軸線方向に沿って延在する嵌合穴を有する第2の支持体の、軸線方向に沿って延在する外周面上に、第2の金属箔を巻き付ける第2の巻き付け工程
(g)上記第1の支持体の軸線方向を前記第2の支持体の軸線方向に沿わせるようにして、上記第1の金属箔が巻き付けられた上記第1の支持体を上記第2の支持体の上記嵌合穴に嵌合させる嵌合工程
(h)少なくとも上記第2の支持体の上記外周面上の上記第2の金属箔を電気絶縁性の材料から成る被覆材で被覆する被覆工程
又、この場合、微小電極の製造方法は更に、次の工程の両方又はいずれか一方を有していてよい。
(i)上記被覆工程(h)で得られた複合体の一端部を切削又は研磨して、上記第1の金属箔の厚さ方向の断面を露出させて上記第1の電極面を形成すると共に、上記第2の金属箔の厚さ方向の断面を露出させて上記第2の電極面を形成する露出工程
(j)上記被覆工程(h)より前に、金属の導線を上記第1の金属箔及び上記第2の金属箔の両方に接触させて該接触した状態を維持させる接触工程
上記第1及び第2の巻き付け工程(e)、(f)でそれぞれ用いる第1及び第2の支持体を形成する電気絶縁性材料は、上記工程(a)に関して説明したものと同じであってよい。
又、上記第1及び第2の巻き付け工程(e)、(f)でそれぞれ用いる第1及び第2の支持体の形状は、上記工程(a)に関して説明したものと同じであってよい。尚、本発明者の検討によれば、金属箔として後述のような厚さのものを用いる場合、作製される微小電極を用いたセンサがノイズの影響を受け難い十分の出力を得られるようにするために、作製される微小電極の端面から露出する第1及び第2の電極面の周長は、それぞれ3mm〜32mmであることが好ましく、より好ましくは6mm〜26mm、更に好ましくは12mm〜25mmである。
又、上記第1及び第2の巻き付け工程(e)、(f)でそれぞれ用いる第1及び第2の支持体の成形方法は、上記工程(a)に関して説明したものと同じであってよい。
又、上記第1及び第2の巻き付け工程(e)、(f)における第1及び第2の支持体に対する第1及び第2の金属箔のそれぞれの巻き付け方法(巻き付け回数、端部の固定方法など)は、上記工程(a)に関して説明したものと同じであってよい。
又、上記第1及び第2の巻き付け工程(e)、(f)でそれぞれ用いる第1及び第2の金属箔を形成する材料、寸法は、上記工程(a)に関して説明したものと同じであってよい。
上記嵌合工程(g)において、第1の支持体の外周面上の第1の金属箔は、好ましくは第2の支持体の嵌合穴の内壁に密着させる。これにより、上記被覆工程(h)の後に、第1の金属箔と第2の金属箔のそれぞれの表裏を、電気絶縁性の材料(第1、第2の支持体又は被覆材)で覆うことができる。但し、上記嵌合工程(g)において、第1の支持体の外周面上の第1の金属箔と第2の支持体の嵌合穴の内壁との間の全部又は一部に間隙があってもよく、この場合は上記被覆工程(h)においてその間隙に被覆材を浸入させるようにする。又、上記嵌合工程(g)では、好ましくは、第1及び第2の支持体のそれぞれの軸線方向における電極面側となる一方の端面である第1の端面が、略同一平面となるようにする。これにより、典型的には、上記被覆工程(h)において、第1及び第2の支持体のそれぞれの上記第1の端面を被覆材で被覆しない場合に、該被覆工程(h)の後に上記露出工程(i)を行わなくても、電極面が端面に露出した微小電極が形成されることになる。但し、上記露出工程(i)を行う場合などには、所望に応じて、第1及び第2の支持体のそれぞれの上記第1の端面は、略同一平面となるようにしなくてもよい。
上記被覆工程(h)において、少なくとも第2の支持体の外周面上の第2の金属箔を被覆材で被覆することで、作製される微小電極の端面に現れる第1の金属箔の表裏は、第1の支持体の材料又は第2の支持体の材料で覆われ、第2の金属箔の表裏は、第2の支持体の材料又は被覆材の材料で覆われることとなる。従って、微小電極の端面に実質的に第1及び第2の金属箔の厚さ方向の断面のみを露出させることが可能となり、この断面を微小電極における電気化学反応が起きる所定の大きさの電極面として規定することができる。ここで、好ましくは、第1の金属箔が巻き付けられた第1の支持体及び第2の金属箔が巻き付けられた第2の支持体の、電極面側となるそれぞれの一方の端面である第1の端面を除く外面の全てを、被覆材で被覆する。つまり、上記被覆工程(h)では、好ましくは、少なくとも、電極面が露出させられる側の面を除く金属箔及び第1、第2の支持体の全体又は金属箔、第1、第2の支持体及び押圧部材の全体を、被覆材で被覆する。これにより、第1及び第2の支持体に巻き付けられた第1及び第2の金属箔の形状が安定すると共に、導線と金属箔との接触状態を良好に維持することが容易となる。尚、上記露出工程(i)において取り除かれてしまうが、成形の容易さや作業性の点などから望ましい場合などには、第1及び第2の金属箔がそれぞれ巻き付けられた第1及び第2の支持体のそれぞれの上記第1の端面も、被覆材で被覆してよい。
又、上記被覆工程(h)工程で用いる被覆材の材料は、上記工程(b)に関して説明したものと同じであってよい。
又、上記被覆工程(h)工程における成形方法は、上記工程(b)に関して説明したものと同じであってよい。
ここで、上記被覆工程(h)において、第1及び第2の支持体のそれぞれの上記第1の端面に被覆材を被覆しない場合、上記被覆工程(h)後に得られる上記複合体における第1及び第2の支持体の上記第1の端面に対応する端面には、第1及び第2の金属箔の端面が環状に現れている。上記工程(b)について説明したように、この環状に現れた第1及び第2の金属箔の端面を微小電極の電極面とすることもできるが、好ましくは上記露出工程(i)を行う。
上記露出工程(i)は、上記工程(c)に関して説明したものと同様であってよい。
上記接触工程(j)で用いる導線を形成する材料、寸法は、上記工程(d)に関して説明したものと同じであってよい。
又、上記接触工程(j)における導線を第1及び第2の金属箔に接触させる方法は、それぞれ上記工程(d)に関して説明して説明したものと同じであってよい。但し、1つの押圧部材を用いて1つの導線を第1及び第2の金属箔に接触させるようにすることで、非常に簡易に第1の金属箔と第2の金属箔とを電気的に接続することができる。
尚、上記接触工程(j)では、上記工程(d)に関して説明したのと同様、押圧部材を用いて導線を第1及び第2の金属箔に圧接させて固定することによって、導線と第1及び第2の金属箔との電気的接続を比較的簡易な構成でより確実に維持することができる。しかし、別法として、第1の金属箔を第1の支持体に巻き付ける際に導線を一緒に巻き付けておくことで第1の金属箔と導線とを接触させ、又第2の金属箔を第2の支持体に巻き付ける際に導線を一緒に巻き付けておくことによって第2の金属箔と導線とを接触させることができる。そして、これらの導線を、接触させたり、導電性接着剤を用いて接着したり、或いは溶接で結合したりして、電気的に接続し、第1の金属箔と第2の金属箔とを電気的に接続することができる。又、上記工程(d)に関して説明したのと同様、導線を固定手段で金属箔に固定してもよいし、又導線に導電性部材を更に接続してもよい。
以下、本発明のより具体的な実施例について説明する。
実施例1
本実施例は、上述の第1の態様に係る微小電極の製造方法のより具体的な一実施例であり、上記工程(a)〜(d)を有する。特に、上記工程(d)では、押圧部材を用いて導線を金属薄膜に押圧させる。
先ず、図2に示すように、エポキシ樹脂により支持体2を成形する。支持体2は、軸線方向における微小電極の電極面側となる一方の端面である第1の端面21と、その反対側の端面である第2の端面22と、軸線方向に沿って第2の端面22から第1の端面21に向けて延在する押圧穴23と、を有する。本実施例では、支持体2は、軸線方向の長さ(高さ)L1が5mm、外径D1が6mmの略円柱形状であり、軸線方向と略直交する方向の断面は略円形である。又、本実施例では、押圧穴23は、軸線方向の長さ(深さ)L2が3mm、内径D2が2.5mmの略円柱形状の凹部であり、該凹部の軸線方向と略直交する方向の断面は略円形である。又、この押圧穴23は、支持体2の中央に同軸的に配置されている。本実施例では、このような支持体2を用いることで、端面に直径が約6mmの略円形の電極面を有する微小電極1を作製することができる。
又、図2に示すように、エポキシ樹脂により、押圧部材3を成形する。押圧部材3は、柱状であり、その一方の端部側の所定範囲が支持体2の押圧穴23に嵌合する。本実施例では、押圧部材3は、軸線方向の長さL3が5mm、外径D3が2.4mmの略円柱形状であり、軸線方向と略直交する方向の断面は略円形である。押圧部材3の外径は、後述するように支持体2の押圧穴23の内部に金属箔4と導線5とが配置されるので、支持体2の押圧穴23の内径よりも若干小さくされている。又、押圧部材3を支持体2の押圧穴23の内部に挿入する際の摘み部を提供して作業性を良好にするなどのために、押圧部材3の長さL3は、支持体2の押圧穴23の深さL2よりも長くされている。
本実施例では、支持体2、押圧部材3を構成するエポキシ樹脂として、2段階加熱硬化型のエポキシ樹脂を用いた。より具体的には、本実施例では、主材がビスフェノールA型液状エポキシ樹脂、硬化剤が変性芳香族アミンのエポキシ樹脂(株式会社スリーボンド製)を用いた。このエポキシ樹脂は、2段階の加熱により硬化させることができる。1段階目の加熱は約80℃で行い、2段階目の加熱は100℃〜170℃で行う。1段階目、2段階目のそれぞれの硬化時間は約4時間、4時間である。又、本実施例では、支持体2、押圧部材3はそれぞれ、ゴム型を用いて成形し、上記エポキシ樹脂の1段階目の加熱硬化を終了した状態で以降の工程に供される。尚、上記の他、例えば、主材がビスフェノールA型液状エポキシ樹脂、硬化剤がポリアミドアミンのエポキシ樹脂(株式会社スリーボンド製)も好適に使用することができた。
次に、図3(a)に示すように、支持体2の軸線方向に沿って延在する外周面24上に、金属箔4を巻き付ける(斜線部が金属箔を示す)。本実施例では、金属箔4として、厚さが5μmの金箔を用いた。金属箔4の巻き付け方向の長さL4は、支持体2の外周面(周長約18.84mm)を1周させるのに十分な長さ(本実施例では20mm)とした。又、支持体2の軸線方向に対応する方向の金属箔4の長さ(幅)L5は、支持体2の高さL1よりも高い9mmとした。そして、この金属箔4を、支持体2の第2の端面22側に余らせるようにして、支持体2の外周面24に巻き付ける。本実施例では、支持体2に金属箔4を巻き付ける際に、その巻き付け方向における金属箔4の先端は支持体2の外周面24上に単に添えるだけとし、終端は同方向においてオーバーラップしている下層の金属箔4上に単に添えるだけとした。
次に、図3(b)に示すように、金属箔4を支持体2の外周面24に略1周巻き付けた後に、支持体2の第2の端面22側に余らされている金属箔4を、支持体2の第2の端面22上に折り曲げ、更に押圧穴23の内部にも折り曲げで侵入させる。図4は、金属箔4が巻き付けられた支持体2の略中央縦断面を示す。このように、金属箔4の余分に残しておいた部分で支持体2を包み込むようにして、第2の端面22上、更には押圧穴23の内部へと折り曲げることで、金属箔4の形状を安定させることができる。又、これによって、金属箔4の少なくとも一部を、支持体2の外周面24上から第2の端面22上を通過させて押圧穴23の内部まで連続させることができる。本実施例では、支持体2の第2の端面22の全面に折り曲げられた金属箔4が配置される。又、本実施例では、支持体2の第2の端面22側の押圧穴23の縁から約2mmの範囲の、押圧穴23の内壁25の全周に、折り曲げられた金属箔4が配置される。
次に、図5(a)に示すように、導線5の一方の端部を、金属箔4が巻き付けられた支持体2の押圧穴23の内部に配置する。本実施例では、導線5として、その軸線方向と略直交する方向の断面が略円形で、線径が0.3mmの金線を用いた。又、本実施例では、導線5は、支持体2の軸線方向に沿って延在する押圧穴23の内壁25上には配置されるが、押圧穴23の底部26上には配置されないようにした。
次に、図5(b)に示すように、押圧部材3を支持体2の押圧穴23に挿入する。このとき、押圧穴23の内部には導線5が配置されているため、押圧部材3は、導線5を変形させながら、押圧穴23内に圧入することになる。押圧部材3が押圧穴23内に圧入されると、導線5は変形して広がり、金属箔4に圧接される。このようにして、押圧穴23の内部で、導線5と金属箔4とを、押圧穴23の内壁と押圧部材3とで挟持して接触させた状態で保持する。図6は、押圧部材3が取り付けられた支持体2の略中央縦断面を示す。本実施例では、柱状の押圧部材3の一方の端面31が支持体2の押圧穴23の底面26に接触するまで挿入する。押圧部材3は、支持体2の押圧穴23の内壁との間での摩擦係合により固定される。この状態で、押圧部材3の他方の端部側の所定範囲が押圧穴23の外に露出する。この露出部は、当該押圧部材3を押圧穴23に挿入する際、或いは後の工程における摘み部として用い得る。
次に、図7(a)に示すように、支持体2の押圧穴23の外に延長されている導線5の端部、即ち、金属箔4側とは反対側の端部である終端51に、リード線6をはんだ付けなどによって接続する。尚、本実施例では、導線5は、支持体2の押圧穴23から外に約3mm延長されている。
次に、図7(b)に示すように、以上のようにして作製した支持体2、金属薄膜4、導線5及び押圧部材3を含む(本実施例では更にリード線6を含む)組立体Uを被覆材7で覆う。このとき、本実施例では、組立体Uを被覆材7で覆い、一体化させると同時に、後述する隔膜型溶存酸素センサの作用極として組み込むのに必要な形状に成形する。本実施例では、成形後の複合体Cの形状に合わせて用意されたゴム型の所定位置に組立体Uを配置し、このゴム型により被覆材7を成形する。これにより、本実施例では、支持体2の外周面24上の金属箔4を被覆材7で被覆するだけではなく、金属箔4が巻き付けられた支持体2の、軸線方向における電極面側となる一方の端面である第1の端面21を除く外面の全て、及び押圧部材3の外面の全てを、被覆材7で被覆する。このとき、リード線6の端部は被覆材7から露出するようにする。尚、所望により、金属箔4が巻き付けられた支持体2の第1の端面21をも被覆材7で被覆してもよい。
上述のように、本実施例では、組立体Uを、金属箔4が巻き付けられた支持体2の第1の端面21を除いて被覆材7内に埋め込むようにして、複合体Cを成形する。尚、図7(b)では、支持体2及び押圧部材3の輪郭をも示しているが、本実施例では、後述するように、支持体2及び押圧部材3は被覆材7と一体化して、支持体2及び押圧部材3と被覆材7との境界は実質的に無くなる。
本実施例では、被覆材7として用いる樹脂としては、支持体2及び押圧部材3を形成する樹脂と同一の2段階加熱硬化型のエポキシ樹脂を用いた。そして、1段階目の加熱硬化が終了している支持体2及び押圧部材3と共に被覆材7の1段階目の加熱硬化を行った後、これら支持体2及び押圧部材3と被覆材3との両方の2段階目の加熱硬化を行う。これにより、支持体2及び押圧部材3と被覆材7とを一体化して、所望の形状の複合体Cを成形することができる。本実施例では、成形後の複合体Cは、軸線方向の長さL6が10mm、外径D4が8mmの略円柱形状であり、軸線方向と略直交する方向の断面は略円形である。
次に、図8(a)に示すように、上述のようにして得られた複合体Cの一端部(微小電極1の検出端部側)を切削又は研磨して、金属箔Cの厚さ方向の断面を露出させて電極面8を形成する。このとき、複合体Cの当該端部のエポキシ樹脂で構成された部分と金属箔4とが共に削られる。本実施例では、研磨紙を用いて研磨した。これにより、微小電極1が完成する。図8(b)は、微小電極1を検出端部側の端面11方向から見た様子を示す。本実施例では、微小電極1の端面11には、略円形の電極面8が露出している。この電極面8は、直径が約6mm、周長が約18.84mmの略円形である。又、この電極面8の延長方向と略直交する方向の幅は金属箔4の厚さと同等の約5μmである。
尚、本実施例では、複合体Cを成形する際に組立体Uの電極面側の端面には被覆材7を積極的には被覆しないので、型から取り出した複合体Cの端面には金属箔4の端面が略円形に露出している。しかし、前述のように、金属箔4の新規な断面を露出させるように、上述のように複合体Cの端面を研磨した。
このように、本発明の一態様によれば、好ましくは上述のような本発明に係る製造方法で製造される微小電極1が提供される。即ち、本発明の一態様によれば、微小電極1は、電気絶縁性の材料から成るボディー(本実施例における複合体Cのエポキシ樹脂で形成された部分に対応)の内部に、厚さ方向が上記ボディーの軸線方向と略直交する平面に沿う方向となるように環状に形成された金属箔4が埋設されている。そして、この微小電極1は、上記ボディーの軸線方向の一方の端面11から金属箔7で形成された環状の電極面8が露出している。そして、より詳細には、この微小電極1は、上記ボディーの内部で金属箔4に導線5が接触しており、導線5又は上記ボディーの内部で導線5に接続された導電性部材(本実施例におけるリード線6)の一部が上記ボディーの外部に導出されている。
上述のように製造された微小電極1は、その後、図32に示すように、隔膜型溶存酸素センサ100に組み込まれる。
本実施例の隔膜型溶存酸素センサ100の基本的な構成は、図33を参照して説明した一般的なポーラログラフ式の隔膜型溶存酸素センサ100のものと同じであるが、本実施例の隔膜型溶存酸素センサ100は、本実施例の製造方法で製造した微小電極1が作用極として組み込まれていることが異なる。
図32は、本実施例の隔膜型溶存酸素センサ100の模式的な断面を示す。本実施例の隔膜型溶存酸素センサ100は、中空円筒状のセンサ本体101の先端開口部に酸素ガスを透過させる隔膜102が固定されている。本実施例では、センサ本体101は、上部管状部101aと、隔膜102が固定された下部隔膜固定部101bとが連結されて形成されている。そして、隔膜102に近接して、作用極として本発明に従って製造された微小電極1が配置されている。本実施例では、この微小電極1は、その固定部としての検出端部とは反対側の端部を、センサ本体101の内部に同軸的に配設された支持管104の先端開口部に嵌合することで、この支持管104に取り付けられる。このとき、本実施例では、微小電極1の固定部と支持管104とを接着剤で接着して固定する。接着剤としては、利用可能なものを適宜用いることができるが、本実施例では、エポキシ樹脂系接着剤を好適に用いることができる。尚、微小電極1の支持管104との固定方法は接着に限定されるものではなく、圧入嵌合、螺合など適宜の方法を用い得る。
隔膜102で外部と区画されたセンサ本体101の内部の支持管104と微小電極1の周囲の領域(室)105には、電解液Sが収容される。微小電極1の電極面8は隔膜102に対して僅かな間隔をもって対向配置されている。従って、電極面8と隔膜102との間に電解液Sの薄層が存在する。又、支持管104の外周には対極106が取り付けられている。この対極106と電極面との間に、それらに接続されたリード線106a及び6を介して、電源107から所定の電解電圧を連続して印加する。そして、電解電流の定常値を電流計(測定回路)108にて測定することによって試料溶液中の溶存酸素濃度を求めることができる。
本実施例では、対極106として、断面が直径0.5mmの銀の線材1mを支持管104に巻き付け、塩化銀メッキをしたものを用いた。又、電解液Sとして、0.5mol/lの塩化カリウム(KCl)水溶液を使用した。隔膜102としてはフッ素樹脂の薄膜を好ましく用いることができる。隔膜102を形成するフッ素樹脂としては、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(パーフルオロアルコキシアルカン)、FEP(パーフルオロエチレンプロペンコポリマー)、ETFE(エチレン−テトラフルオロエチレンコポリマー)が挙げられる。又、隔膜102としては、その厚さ(膜厚)が3μm〜80μmのものが使用される。
このように、本発明の一態様によれば、本発明に係る微小電極を備えた隔膜型センサが提供される。
以上、本発明に従う方法によれば、比較的簡単な方法で、微小電極1を製造することができる。特に、押圧部材3を用いて導線5を金属箔4に圧接させることで、比較的簡易な構成で、作業性良く、導線と金属箔4との導通を確保することができる。又、本発明に係る方法によれば、複数の単位電極を形成してそれらの電気的に接続させるような場合とは異なり、電極面8を構成する電極部材は連続した金属箔で形成されるので、支持体2に巻き付けるといった簡単な作業で、所定の断面積の検出面を得ることができる。又、本発明に従う方法によれば、支持体2の大きさや金属箔4の厚さを変更することで、微小電極1を用いたセンサの出力の変更などの設計変更に比較的簡単に対応できる。更に、本発明に従う方法で製造された微小電極1は、使用に応じて電極面8が汚れた場合に、その検出端部を研磨することで、汚れた電極の表層を除去して電極を再生することが容易である。又、本発明に従う方法で製造された微小電極1は、作製が容易で、定常電流を得易く、且つ、十分な出力を得ることができる。
実施例2
次に、本発明の他の実施例について説明する。実施例1のものと同一又はそれに相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付して詳しい説明は省略する。
本実施例は、実施例1と同様、上述の第1の態様に係る微小電極の製造方法のより具体的な一実施例であり、上記工程(a)〜(d)を有する。特に、上記工程(d)では、押圧部材を用いて導線を金属薄膜に押圧させる。但し、その押圧のしかたが実施例1とは異なる。
先ず、図9に示すように、エポキシ樹脂により支持体2を成形する。支持体2は、金属箔4が巻き付けられる外周面24、軸線方向における微小電極の電極面側となる一方の端面である第1の端面21及びその反対側の端面である第2の端面22を備えた主部27を有する。又、支持体2は、主部27の第2の端面22から軸線方向に沿って延在する柱状の突出部28を有する。突出部28は、支持体2の軸線方向と略直交する方向の寸法が主部27よりも小さい。従って、主部27と突出部28との間に、段状に第2の端面22が形成されている。本実施例では、主部27は、支持体2の軸線方向の長さL7が5mm、対向する側面間の距離D5が5.5mmの略正六角柱形状であり、軸線方向と略直交する方向の断面は略正六角形である。又、本実施例では、突出部28は、軸線方向の長さ(呼び長さ)L8が4mm、外径(呼び径)D6が3mm(M3)の、側部にネジが形成された略円柱形状であり、軸線方向と略直交する方向の断面は略円形である。つまり、本実施例では、支持体2は、六角ボルト形とされている。本実施例では、このような支持体2を用いることで、端面に対向する面間の距離(内接円の直径)が約5.5mmの略正六角形の電極面を有する微小電極1を作製することができる。
又、図9に示すように、エポキシ樹脂により、押圧部材3を成形する。押圧部材3は、環状であり、略中央に内側部にネジが形成された係合穴32が形成されている。本実施例では、押圧部材3は、軸線方向の長さ(高さ)L9が2mm、対向する側面間の距離D7が5.5mmの六角ナット形状であり、軸線方向と略直交する方向の断面は略正六角形である。
本実施例では、支持体2、押圧部材3を構成するエポキシ樹脂として、実施例1と同様の2段階加熱硬化型のエポキシ樹脂を用いた。又、実施例1と同様に、本実施例では、支持体2、押圧部材3はそれぞれ、ゴム型を用いて成形し、上記エポキシ樹脂の1段階目の加熱硬化を終了した状態で以降の工程に供される。
次に、図10(a)に示すように、支持体2の軸線方向に沿って延在する主部27の外周面24上に、金属箔4を巻き付ける(斜線部が金属箔を示す)。本実施例では、金属箔4として、実施例1と同様の金箔を用いた。金属箔4の巻き付け方向の長さL10は、支持体2の主部27の外周面(周長約19.05mm)を1周させるのに十分な長さ(本実施例では20mm)とした。又、支持体2の軸線方向に対応する方向の金属箔4の長さ(幅)L11は、支持体2の主部27の高さL7よりも高い6mmとした。そして、この金属箔4を、実施例1と同様に、支持体2の主部27の第2の端面22側に余らせるようにして、支持体2の主部27の外周面24に巻き付ける。
次に、図10(b)に示すように、金属箔4を支持体2の外周面24に略1周巻き付けた後に、支持体2の主部27の第2の端面22側に余らされている金属箔4を、支持体2の主部27の第2の端面22上に折り曲げる。図11は、金属箔4が巻き付けられた支持体2の略中央縦断面を示す。これにより、金属箔4の形状を安定させることができると共に、金属箔4の少なくとも一部を、支持体2の主部27の外周面24上から第2の端面22上まで連続させることができる。本実施例では、支持体2の主部27の第2の端面22側の縁から突出部28に向かう約1mmの範囲の、第2の端面22の全周に、折り曲げられた金属箔4が配置される。
次に、図12(a)に示すように、導線5の一方の端部を、金属箔4が巻き付けられた支持体2の主部27の第2の端面22上に配置する。本実施例では、導線5として、実施例1と同様の金線を用いた。
次に、図12(b)に示すように、押圧部材3の係合穴32に支持体2の突出部28を挿入する。本実施例では、支持体2の突出部28の側部及び押圧部材3の係合穴32の内部にはそれぞれネジが形成されているので、両者のネジを互いに係合させて、押圧部材3を支持体2の主部27の第2の端面22に向けて締め込むことで、押圧部材3の係合穴32に支持体2の突出部28を挿入していく。このとき、支持体2の主部27の第2の端面22上には導線5が配置されているため、押圧部材3を締め込んでいくことで、押圧部材3の一方の端面31で導線5を変形させながら第2の端面22に向けて押し付ける。これにより、導線5は変形して広がり、支持体2の主部27の第2の端面22上の金属箔4に圧接される。このようにして、導線5と金属箔4とを、支持体2の主部27の第2の端面22と押圧部材3とで挟持して接触させた状態で保持する。図13は、押圧部材3が取り付けられた支持体2の略中央縦断面を示す。本実施例では、押圧部材3で導線5を金属箔4に圧接させた状態で、支持体2の突出部28の端部の所定範囲が押圧部材3の外に露出する。この露出部は、後の工程における摘み部として用い得る。
尚、本実施例では、支持体2の突出部28と押圧部材3の係合穴32とを螺合することによって、突出部28を係合穴32に挿入していったが、ネジを設けずに突出部28を係合穴32に圧入嵌合するようにしてもよい。この場合、押圧部材3は、その係合穴32の内壁と支持体2の突出部28との間での摩擦係合により固定される。
次に、図14(a)に示すように、支持体2と押圧部材3との間から外に延長されている導線5の端部、即ち、金属箔4側とは反対側の端部である終端51に、リード線6をはんだ付けなどによって接続する。尚、本実施例では、導線5は、支持体2と押圧部材3との間から外に約3mm延長されている。
次に、図14(b)に示すように、以上のようにして作製した支持体2、金属薄膜4、導線5及び押圧部材3を含む(本実施例では更にリード線6を含む)組立体Uを被覆材7で覆う。このとき、本実施例では、実施例1と同様にして、組立体Uを、金属箔4が巻き付けられた支持体2の第1の端面21を除いて被覆材7内に埋め込むようにして、複合体Cを成形する。
本実施例では、被覆材7として用いる樹脂としては、実施例1と同様の2段階加熱硬化型のエポキシ樹脂を用いた。そして、1段階目の加熱硬化が終了している支持体2及び押圧部材3と共に被覆材7の1段階目の加熱硬化を行った後、これら支持体2及び押圧部材3と被覆材3との両方の2段階目の加熱硬化を行う。これにより、支持体2と被覆材7とを一体化して、所望の形状の複合体Cを成形することができる。本実施例では、成形後の複合体Cは、実施例1と同様に、軸線方向の長さL6が10mm、外径D4が8mmの略円柱形状であり、軸線方向と略直交する方向の断面は略円形である。
次に、図15(a)に示すように、上述のようにして得られた複合体Cの一端部(微小電極1の検出端部側)を、実施例1と同様にして切削又は研磨して、金属箔Cの厚さ方向の断面を露出させて電極面8を形成する。これにより、微小電極1が完成する。図15(b)は、微小電極1を検出端部側の端面11方向から見た様子を示す。本実施例では、微小電極1の端面11には、略正六角形の電極面8が露出している。この電極面8は、対向する面間の距離が約5.5mm、周長が約19.05mmの略正六角形である。又、この電極面8の延長方向と略直交する方向の幅は金属箔4の厚さと同等の約5μmである。
上述のように製造された微小電極1は、実施例1と同様に、その後、図32に示すように、隔膜型溶存酸素センサ100に組み込まれる。
以上、本実施例によれば、実施例1と同様の効果を得ることができる。又、本実施例によれば、支持体2が多角柱形状であることで、金属箔を巻き付け易いという利点がある。又、本実施例によれば、ナット形の押圧部材3をボルト形の支持体2に螺合するといった非常に簡単且つ作業性の良い方法により、導線を金属箔に圧接させることができる。
実施例3
次に、本発明の他の実施例について説明する。実施例1のものと同一又はそれに相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付して詳しい説明は省略する。
本実施例は、上述の第2の態様に係る微小電極の製造方法のより具体的な一実施例であり、上記工程(e)〜(j)を有する。特に、上記工程(j)では、押圧部材を用いて導線を金属薄膜に押圧させる。
先ず、図17に示すように、エポキシ樹脂により第1の支持体2aを成形する。第1の支持体2aは、軸線方向における微小電極の電極面側となる一方の端面である第1の端面21aと、その反対側の端面である第2の端面22aと、を有する。本実施例では、第1の支持体2aは、軸線方向の長さ(高さ)L12が3mm、外径D8が2.8mmの略円柱形状であり、軸線方向と略直交する方向の断面は略円形である。本実施例では、このような第1の支持体2aを用いることで、端面に直径が約2.8mmの略円形の第1の電極面を有する微小電極1を作製することができる。
又、図17に示すように、エポキシ樹脂により第2の支持体2bを成形する。第2の支持体2bは、軸線方向における微小電極の電極面側となる一方の端面である第1の端面21bと、その反対側の端面である第2の端面22bと、を有する。又、第2の支持体2bは、軸線方向に沿って第2の支持体2bの第2の端面22bから第1の端面21bに向けて延在する押圧穴23bを有する。更に、第2の支持体2bは、第1の金属箔4aが巻き付けられた第1の支持体2aが嵌合される嵌合穴29bを有する。嵌合穴29bは軸線方向に沿って第2の支持体2bの第1の端面21bから第2の端面22bに向けて延在し、嵌合穴29bと押圧穴23bとは連続している。即ち、第2の支持体2bは、押圧穴23bと嵌合穴29bとによって貫通されている。本実施例では、第2の支持体2bは、軸線方向の長さ(高さ)L13が5mm、外径D9が6mmの略円柱形状であり、軸線方向と略直交する方向の断面は略円形である。又、本実施例では、嵌合穴29bは、軸線方向の長さ(深さ)L14が3mm、内径D10が3mmの略円柱形状の凹部であり、該凹部の軸線方向と略直交する方向の断面は略円形である。又、本実施例では、押圧穴23bは、軸線方向の長さ(深さ)L15が2mm、内径D11が2.5mmの略円柱形状の凹部であり、該凹部の軸線方向と略直交する方向の断面は略円形である。又、押圧穴23b、嵌合穴29bは、それぞれ第2の支持体2bの中央に同軸的に配置されている。本実施例では、このような第2の支持体2bを用いることで、端面に直径が約6mmの略円形の第2の電極面を有する微小電極1を作製することができる。
又、図17に示すように、エポキシ樹脂により、押圧部材3を成形する。押圧部材3は、柱状であり、その一方の端部側の所定範囲が第2の支持体2bの押圧穴23bに嵌合する。本実施例では、押圧部材3は、軸線方向の長さL16が5mm、外径D12が2.4mmの略円柱形状であり、軸線方向と略直交する方向の断面は略円形である。
本実施例では、第1及び第2の支持体2a、2b、押圧部材3を構成するエポキシ樹脂として、実施例1と同様の2段階加熱硬化型のエポキシ樹脂を用いた。又、実施例1と同様に、本実施例では、第1、第2の支持体2a、2b、押圧部材3はそれぞれ、ゴム型を用いて成形し、上記エポキシ樹脂の1段階目の加熱硬化を終了した状態で以降の工程に供される。
次に、図18に示すように、第1の支持体2aの軸線方向に沿って延在する外周面24a上に、第1の金属箔4aを巻き付ける(斜線部が金属箔を示す)。本実施例では、第1の金属箔4aとして、実施例1と同様の金箔を用いた。第1の金属箔4aの巻き付け方向の長さは、第1の支持体2aの外周面(周長約8.79mm)を1周させるのに十分な長さ(本実施例では10mm)とした。又、第1の支持体2aの軸線方向に対応する方向の第1の金属箔4aの長さ(幅)は、第1の支持体2aの高さL12よりも高い4.5mmとした。そして、この第1の金属箔4aを、実施例1と同様に、第1の支持体2aの第2の端面22a側に余らせるようにして、第1の支持体2aの外周面24aに巻き付ける。そして、第1の金属箔4aを第1の支持体2aの外周面24aに略1周巻き付けた後に、第1の支持体2aの第2の端面22a側に余らされている第1の金属箔4aを、第1の支持体2aの第2の端面22a上に折り曲げる。図19に、第1の金属箔4aが巻き付けられた第1の支持体2aの略中央縦断面を示す。これにより、第1の金属箔4aの形状を安定させることができると共に、第1の金属箔4aの少なくとも一部を、第1の支持体2aの外周面24a上から第2の端面22a上まで連続させることができる。本実施例では、第1の支持体2aの第2の端面22aの全面に折り曲げられた第1の金属箔4が配置される。
又、図18に示すように、第2の支持体2bの軸線方向に沿って延在する外周面24b上に、第2の金属箔4bを巻き付ける(斜線部が金属箔を示す)。本実施例では、第2の金属箔4bとして、実施例1と同様の金箔を用いた。第2の金属箔4bの巻き付け方向の長さは、第2の支持体2bの外周面(周長約18.84mm)を1周させるのに十分な長さ(本実施例では20mm)とした。又、第2の支持体2bの軸線方向に対応する方向の第2の金属箔4bの長さ(幅)は、第2の支持体2bの高さL13よりも高い9mmとした。そして、この第2の金属箔4bを、第2の支持体2bの第2の端面22b側に余らせるようにして、第2の支持体2bの外周面24bに巻き付ける。そして、第2の金属箔4bを第2の支持体2bの外周面24bに略1周巻き付けた後に、第2の支持体2bの第2の端面22b側に余らされている第2の金属箔4bを、第2の支持体2bの第2の端面22b上に折り曲げ、更に押圧穴23bの内部にも折り曲げで侵入させる。図19に、第2の金属箔4bが巻き付けられた第2の支持体2bの略中央縦断面を示す。これにより、第2の金属箔4bの形状を安定させることができると共に、第2の金属箔4bの少なくとも一部を、第2の支持体2bの外周面24b上から第2の端面22b上を通過させて押圧穴23bの内部まで連続させることができる。本実施例では、第2の支持体2bの第2の端面22bの全面に折り曲げられた第2の金属箔4bが配置される。又、本実施例では、第2の支持体2bの第2の端面22b側の押圧穴23bの縁から約2mmの範囲の、押圧穴23bの内壁の全周に、折り曲げられた第2の金属箔4bが配置される。
次に、図20(a)に示すように、第1の金属箔4aが巻き付けられた第1の支持体2aを第2の支持体2bの嵌合穴29bに嵌合させる。このとき、第1の支持体2aの第2の端面22a側を先頭にして、第2の支持体2bの図中下方に開口した嵌合穴29bに下方から挿入する。本実施例では、第1の金属箔4aが巻き付けられた第1の支持体2aを、第2の支持体2bの嵌合穴29bに圧入嵌合することで、第1の支持体2aの外周面24a上の第1の金属箔4aは、第2の支持体2bの嵌合穴29bの内壁に密着させられる。又、第1の金属箔4aが巻き付けられた第1の支持体2aを嵌合穴29bの終点まで挿入することで、第1の金属箔4aが巻き付けられた第1の支持体2aの第2の端面22aは、第2の支持体2bの押圧穴23bの底面を構成し、又第1の支持体2aの第1の端面21aは第2の支持体2bの第1の端面21bと略同一平面となる。
又、図20(a)に示すように、導線5の一方の端部を、第2の金属箔4bが巻き付けられた第2の支持体2bの押圧穴23bの内部に配置する。このとき、導線5の一方の端部を、押圧穴23bの内部で第1の金属箔4aが巻き付けられた第1の支持体2aの第2の端面22a上に配置する。又、これにより、導線5の一部が、第2の金属箔4bが巻き付けられた第2の支持体2bの押圧穴23bの内壁25b上に配置される。本実施例では、導線5として、実施例1と同様の金線を用いた。
次に、図20(b)に示すように、押圧部材3を第2の支持体2bの押圧穴23bに挿入する。このとき、押圧穴23bの内部には導線5が配置されているため、押圧部材3は、導線5を変形させながら、押圧穴23b内に圧入することになる。押圧部材3が押圧穴23b内に圧入されると、導線5は変形して広がり、第2の金属箔4に圧接される。又、押圧部材3の一方の端面31で、押圧穴23bの底面を構成する第1の金属箔4aが巻き付けられた第1の支持体2aの第2の端面22aを押圧する。これにより、導線5は変形して広がり、第1の金属箔4に圧接される。このようにして、押圧穴23bの内部で、導線5と第1の金属箔4aとを、第1の支持体2aの第2の端面22aと押圧部材3とで挟持して接触させた状態で保持すると共に、導線5と第2の金属箔4bとを、押圧穴23bの内壁と押圧部材3とで挟持して接触させた状態で保持する。図21は、押圧部材3が取り付けられた状態の第1及び第2の支持体2a及び2bの略中央縦断面を示す。本実施例では、押圧部材3の一方の端面31で導線5を第1の金属箔4aに圧させた状態で、押圧部材3の他方の端部側の所定範囲が押圧穴23bの外に露出する。この露出部は、当該押圧部材3を押圧穴23bに挿入する際、或いは後の工程における摘み部として用い得る。
その後、実施例1と同様に、導線5にリード線6を接続し(図22(a))、得られた組立体Uを型に入れて被覆材7によるモールド成型を行い(図22(b))、得られた複合体Cの電極面側の端部を研磨して微小電極1を完成させる(図23(a))。本実施例では、成形後の複合体Cは、実施例1と同様に、軸線方向の長さL6が10mm、外径D4が8mmの略円柱形状であり、軸線方向と略直交する方向の断面は略円形である。図23(b)は、微小電極1を検出端部側の端面11方向から見た様子を示す。本実施例では、微小電極1の端面11には、同心的に2重に配置された略円形の第1の電極面8a及び第2の電極面8bが露出している。第1の電極面8aは、直径が約2.8mm、周長が約8.79mmの略円形であり、第2の電極面8bは、直径が約6mm、周長が約18.84mmの略円形である。又、第1及び第2の電極面8a、8bの延長方向と略直交する方向の幅は、それぞれ第1及び第2の金属箔4a、4bの厚さと同等の約5μmである。
このように、本発明の一態様によれば、好ましくは上述のような本発明に係る製造方法で製造される複数の環状の電極面を有する微小電極1が提供される。即ち、本発明の一態様によれば、微小電極1は、ボディー(本実施例における複合体Cのエポキシ樹脂で形成された部分に対応)の内部に、それぞれが厚さ方向が上記ボディーの軸線方向と略直交する平面に沿う方向となるように環状に形成された金属箔4a、4bであって、同心的に環状に形成された複数の金属箔4a、4bが埋設されている。そして、この微小電極1は、上記ボディーの軸線方向の一方の端面から複数の金属箔4a、4bで形成された複数の環状の電極面8a、8bが露出している。
上述のように製造された微小電極1は、実施例1と同様に、その後、図32に示すように、隔膜型溶存酸素センサ100に組み込まれる。
以上、本実施例によれば、実施例1と同様の効果を得ることができると共に、例えば微小電極を用いたセンサの出力の増大などのために電極面の表面積を増大させたい場合にも、製造方法の簡易性を維持しながら、斯かる設計変更にも比較的容易に対応できる。
実施例4
次に、本発明の他の実施例について説明する。実施例1のものと同一又はそれに相当する機能、構成を有する要素には同一符号を付して詳しい説明は省略する。
本実施例は、実施例3と同様、上述の第2の態様に係る微小電極の製造方法のより具体的な一実施例であり、上記工程(e)〜(j)を有する。特に、上記工程(j)では、押圧部材を用いて導線を金属薄膜に押圧させる。但し、その押圧のしかたが実施例3とは異なる。
先ず、図24に示すように、エポキシ樹脂により第1の支持体2aを成形する。第1の支持体2aは、第1の金属箔4aが巻き付けられる外周面24a、軸線方向における微小電極の電極面側となる一方の端面である第1の端面21a及びその反対側の端面である第2の端面22aを備えた主部27aを有する。又、第1の支持体2aは、主部27aの第2の端面22aから軸線方向に沿って延在する柱状の突出部28aを有する。突出部28aは、第1の支持体2aの軸線方向と略直交する方向の寸法が主部27aよりも小さい。従って、主部27aと突出部28aとの間に、段状に第2の端面22aが形成されている。本実施例では、主部27aは、第1の支持体2aの軸線方向の長さL17が5mm、対向する側面間の距離D13が5mmの略正六角柱形状であり、軸線方向と略直交する方向の断面は略正六角形である。又、本実施例では、突出部28aは、軸線方向の長さ(呼び長さ)L18が4mm、外径(呼び径)D14が3mm(M3)の、側部にネジが形成された略円柱形状であり、軸線方向と略直交する方向の断面は略円形である。つまり、本実施例では、第1の支持体2aは、六角ボルト形とされている。本実施例では、このような第1の支持体2aを用いることで、端面に対向する面間の距離(内接円の直径)が約5mmの略正六角形の第1の電極面を有する微小電極1を作製することができる。
又、図24に示すように、エポキシ樹脂により第2の支持体2bを成形する。第2の支持体2bは、軸線方向における微小電極の電極面側となる一方の端面である第1の端面21bと、その反対側の端面である第2の端面22bと、を有する。又、第2の支持体2bは、第2の支持体2bの軸線方向に沿って第2の支持体2bを貫通する、第1の金属箔4aが巻き付けられた第1の支持体2aが嵌合される嵌合穴29bを有する。本実施例では、第2の支持体2bは、軸線方向の長さ(高さ)L19が5mm、対向する側面間の距離D15が5.5mmの略正六角柱形状であり、軸線方向と略直交する方向の断面は略正六角形である。又、本実施例では、嵌合穴29bは、軸線方向の長さ(深さ)は第2の支持体2bの高さL19と同じで、対向する内壁間の距離D16が5mmの略正六角柱形状の貫通穴であり、該貫通穴の軸線方向と略直交する方向の断面は略正六角形である。又、押圧穴23bは、第2の支持体2bの中央に同軸的に配置されている。尚、本実施例では、第2の支持体2の外形と嵌合穴29bとでは、第2の支持体2bの周方向において各角部の位置が同一位置にあるが、これに限定されるものではない。本実施例では、このような第2の支持体2を用いることで、端面に対向する面間の距離(内接円の直径)が約5.5mmの略正六角形の第2の電極面を有する微小電極1を作製することができる。
又、図24に示すように、エポキシ樹脂により、押圧部材3を成形する。押圧部材3は、環状であり、略中央に内側部にネジが形成された係合穴32が形成されている。本実施例では、押圧部材3は、軸線方向の長さ(高さ)L20が2mm、対向する側面間の距離D17が5.5mmの六角ナット形状であり、軸線方向と略直交する方向の断面は略正六角形である。
本実施例では、第1及び第2の支持体2a、2b、押圧部材3を構成するエポキシ樹脂として、実施例1と同様の2段階加熱硬化型のエポキシ樹脂を用いた。又、実施例1と同様に、本実施例では、第1、第2の支持体2a、2b、押圧部材3はそれぞれ、ゴム型を用いて成形し、上記エポキシ樹脂の1段階目の加熱硬化を終了した状態で以降の工程に供される。
次に、図25に示すように、第1の支持体2aの軸線方向に沿って延在する主部27aの外周面24a上に、第1の金属箔4aを巻き付ける(斜線部が金属箔を示す)。本実施例では、第1の金属箔4aとして、実施例1と同様の金箔を用いた。第1の金属箔4aの巻き付け方向の長さは、第1の支持体2aの主部27aの外周面(周長約17.32mm)を1周させるのに十分な長さ(本実施例では19mm)とした。又、第1の支持体2aの軸線方向に対応する方向の第1の金属箔4aの長さ(幅)は、第1の支持体2aの主部27aの高さL17よりも高い6mmとした。そして、この第1の金属箔4aを、実施例1と同様に、第1の支持体2aの主部27aの第2の端面22a側に余らせるようにして、第1の支持体2aの主部27aの外周面24aに巻き付ける。そして、第1の金属箔4aを第1の支持体2aの主部27aの外周面24aに略1周巻き付けた後に、第1の支持体2aの主部27aの第2の端面22a側に余らされている第1の金属箔4aを、この第2の端面22a上に折り曲げる。図26に、第1の金属箔4aが巻き付けられた第1の支持体2aの略中央縦断面を示す。これにより、第1の金属箔4aの形状を安定させることができると共に、第1の金属箔4aの少なくとも一部を、第1の支持体2aの主部27aの外周面24a上から第2の端面22a上まで連続させることができる。本実施例では、第1の支持体2aの第2の端面22aの全面に折り曲げられた第1の金属箔4aが配置される。本実施例では、第1の支持体2aの主部27aの第2の端面22a側の縁から突出部28aに向かう約1mmの範囲の、第2の端面22aの全周に、折り曲げられた金属箔4が配置される。
又、図25に示すように、第2の支持体2bの軸線方向に沿って延在する外周面24b上に、第2の金属箔4bを巻き付ける(斜線部が金属箔を示す)。本実施例では、第2の金属箔4bとして、実施例1と同様の金箔を用いた。第2の金属箔4bの巻き付け方向の長さは、第2の支持体2bの外周面(周長約19.05mm)を1周させるのに十分な長さ(本実施例では20mm)とした。又、第2の支持体2bの軸線方向に対応する方向の第2の金属箔4bの長さ(幅)は、第2の支持体2bの高さL19よりも高い6mmとした。そして、この第2の金属箔4bを、第2の支持体2bの第2の端面22b側に余らせるようにして、第2の支持体2bの外周面24bに巻き付ける。そして、第2の金属箔4bを第2の支持体2bの外周面24bに略1周巻き付けた後に、第2の支持体2bの第2の端面22b側に余らされている第2の金属箔4bを、この第2の端面22b上に折り曲げる。図26に、第2の金属箔4bが巻き付けられた第2の支持体2bの略中央縦断面を示す。これにより、第2の金属箔4bの形状を安定させることができると共に、第2の金属箔4bの少なくとも一部を、第2の支持体2bの外周面24b上から第2の端面22b上まで連続させることができる。本実施例では、第2の支持体2bの第2の端面22bの全面に折り曲げられた第2の金属箔4bが配置される。尚、第2の金属箔4bの少なくとも一部を更に嵌合穴29bの内部まで連続させるように折り曲げてもよく、この場合第2の金属箔4bの形状をより安定させることができる。
次に、図27(a)に示すように、第1の金属箔4aが巻き付けられた第1の支持体2aを第2の支持体2bの嵌合穴29bに嵌合させる。このとき、第1の支持体2aの第1の端面21a側を先頭にして、第2の支持体2bの図中上方に開口した嵌合穴29bに上方から挿入する。本実施例では、第1の金属箔4aが巻き付けられた第1の支持体2aを、第2の支持体2bの嵌合穴29bに圧入嵌合することで、第1の支持体2aの外周面24a上の第1の金属箔4aは、第2の支持体2bの嵌合穴29bの内壁に密着させられる。又、第1の金属箔4aが巻き付けられた第1の支持体2aは、第1の支持体2aの第1の端面21aが第2の支持体2bの第1の端面21bと略同一平面となるまで挿入する。
又、図27(a)に示すように、導線5の一方の端部を、第1の金属箔4aが巻き付けられた第1の支持体2aの主部27aの第2の端面22a、及び第2の金属箔4bが巻き付けられた第2の支持体2bの第2の端面22b上に配置する。本実施例では、導線5として、実施例1と同様の金線を用いた。
次に、図27(b)に示すように、押圧部材3の係合穴32に第1の支持体2aの突出部28aを挿入する。本実施例では、第1の支持体2aの突出部28aの側部及び押圧部材3の係合穴32の内部にはそれぞれネジが形成されているので、両者のネジを互いに係合させて押圧部材3を第2の支持体2の主部27aの第2の端面22aに向けて締め込むことで、押圧部材3の係合穴32に第1の支持体2aの突出部28aを挿入していく。このとき、第1の支持体2aの主部27aの第2の端面22a及び第2の支持体2bの第2の端面22b上には導線5が配置されているため、押圧部材3を締め込んでいくことで、導線5を変形させながら第1の支持体2aの主部27aの第2の端面22a及び第2の支持体2bの第2の端面22bに向けて押し付ける。これにより、導線5は変形して広がり、第1の支持体2aの主部27aの第2の端面22a上の第1の金属箔4a及び第2の支持体2bの第2の端面22b上の第2の金属箔4bに圧接される。このようにして、導線5と第1の金属箔4aとを、第1の支持体2aの主部27aの第2の端面22aと押圧部材3とで挟持して接触させた状態で保持すると共に、導線5と第2の金属箔4bとを、第2の支持体2bの第2の端面22bと押圧部材3とで挟持して接触させた状態で保持する。図28は、押圧部材3が取り付けられた第1及び第2の支持体2a、2bの略中央縦断面を示す。本実施例では、押圧部材3で導線5を第1及び第2の金属箔4a、4bに圧接させた状態で、第1の支持体2aの突出部28aの端部の所定範囲が押圧部材3の外に露出する。この露出部は、後の工程における摘み部として用い得る。
その後、実施例1と同様に、導線5にリード線6を接続し(図29(a))、得られた組立体Uを型に入れて被覆材7によるモールド成型を行い(図29(b))、得られた複合体Cの電極面側の端部を研磨して微小電極1を完成させる(図30(a))。本実施例では、成形後の複合体Cは、実施例1と同様に、軸線方向の長さL6が10mm、外径D4が8mmの略円柱形状であり、軸線方向と略直交する方向の断面は略円形である。図30(b)は、微小電極1を検出端部側の端面11方向から見た様子を示す。本実施例では、微小電極1の端面11には、同心的に2重に配置された略正六角形の第1の電極面8a及び第2の電極面8bが露出している。第1の電極面8aは、対向する面間の距離(内接円の直径)が約5mm、周長が約17.32mmの略正六角形であり、第2の電極面8bは、対向する面間の距離(内接円の直径)が約5.5mm、周長が約19.05mmの略正六角形である。又、第1及び第2の電極面8a、8bの延長方向と略直交する方向の幅は、それぞれ第1及び第2の金属箔4a、4bの厚さと同等の約5μmである。
上述のように製造された微小電極1は、実施例1と同様に、その後、図32に示すように、隔膜型溶存酸素センサ100に組み込まれる。
以上、本実施例によれば、実施例1、2と同様の効果を得ることができると共に、例えば微小電極を用いたセンサの出力の増大などのために電極面の表面積を増大させたい場合にも、製造方法の簡易性を維持しながら、斯かる設計変更にも比較的容易に対応できる。
その他の実施例
以上、本発明を具体的な実施例に則して説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではない。
例えば、上述の実施例では、押圧部材を用いて導線を金属箔に圧接させたが、前述のように、例えば図31に示すように、金属箔を支持体に巻き付ける際に導線を一緒に巻き付けることで金属箔と導線とを接触させ、該接触させた状態を維持するようにしてもよい。
又、支持体の形状は適宜任意に設定することができ、例えば、実施例1と同様の製造方法において支持体が多角柱形状であってもよいし、実施例2と同様の製造方法において支持体が円柱形状であってもよい。
又、上記実施例3、4では、環状の電極面が複数の場合として2重の場合について説明したが、同様に3重、4重・・・と更に多くの任意の数の電極面を設けることもできる。例えば、実施例4と同様の方法で製造する場合に、上記第2の支持体の外側に環状の第3の支持体、更にその外側に環状の第4の支持体と、入れ子式に順次支持体を増やしていくことで、電極面の数を任意に増やすことができる。
又、本発明に従って作製される微小電極は、図34を参照して説明したガルバニ電池式の隔膜型溶存ガスセンサにも適用することができるものである。
又、本発明に従って作製される微小電極は、隔膜型センサに限らず、広く電気化学測定に用いられるセンサの電極として用いることができるものである。
1 微小電極
2 支持体
2a 第1の支持体
2b 第2の支持体
3 押圧部材
4 金属箔
4a 第1の金属箔
4b 第2の金属箔
5 導線
6 リード線
8 電極面

Claims (13)

  1. 端面に環状の電極面が露出した微小電極の製造方法であって、
    電気絶縁性の材料で形成された支持体の軸線方向に沿って延在する外周面上に金属箔を巻き付ける巻き付け工程と、
    導線を前記金属箔に接触させて該接触した状態を維持させる接触工程と、
    少なくとも前記外周面上の前記金属箔を電気絶縁性の材料から成る被覆材で被覆する被覆工程と、
    を有し、
    前記支持体は、軸線方向における前記電極面側となる一方の端面である第1の端面と、その反対側の端面である第2の端面と、軸線方向に沿って前記第2の端面から前記第1の端面に向けて延在する押圧穴と、を有し、
    前記巻きつけ工程では、前記金属箔の少なくとも一部を、前記外周面上から前記第2の端面上を通過させて前記押圧穴の内部まで連続させ、
    前記接触工程では、前記導線の少なくとも一部を前記押圧穴の内部に配置し、電気絶縁性の材料で形成された押圧部材を前記押圧穴に挿入することで、前記押圧穴の内部で、前記導線と前記金属箔とを、前記押圧穴の内壁と前記押圧部材とで挟持して接触させた状態で保持することを特徴とする微小電極の製造方法。
  2. 端面に環状の電極面が露出した微小電極の製造方法であって、
    電気絶縁性の材料で形成された支持体の軸線方向に沿って延在する外周面上に金属箔を巻き付ける巻き付け工程と、
    導線を前記金属箔に接触させて該接触した状態を維持させる接触工程と、
    少なくとも前記外周面上の前記金属箔を電気絶縁性の材料から成る被覆材で被覆する被覆工程と、
    を有し、
    前記支持体は、前記外周面、軸線方向における前記電極面側となる一方の端面である第1の端面及びその反対側の端面である第2の端面を備えた主部と、前記主部の前記第2の端面から軸線方向に沿って延在する突出部であって該軸線方向と略直交する方向の寸法が前記主部よりも小さい突出部と、を有し、
    前記巻き付け工程では、前記金属箔の少なくとも一部を、前記外周面上から前記第2の端面上まで連続させ、
    前記接触工程では、前記導線の少なくとも一部を前記第2の端面上に配置し、電気絶縁性の材料で形成された環状の押圧部材の係合穴に前記突出部を挿入することで、前記導線と前記金属箔とを、前記第2の端面と前記押圧部材とで挟持して接触させた状態で保持することを特徴とする微小電極の製造方法。
  3. 前記突出部の側部及び前記押圧部材の前記係合穴の内部にはそれぞれネジが形成されており、
    前記接触工程では、前記押圧部材及び前記突出部のそれぞれの前記ネジを互いに係合させて前記押圧部材を前記第2の端面に向けて締め込むことで、前記導線と前記金属箔とを、前記第2の端面と前記押圧部材とで挟持して接触させた状態で保持することを特徴とする請求項に記載の微小電極の製造方法。
  4. 更に、前記被覆工程で得られた複合体の一端部を切削又は研磨して、前記金属箔の厚さ方向の断面を露出させて前記電極面を形成する露出工程を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の微小電極の製造方法。
  5. 端面に環状の第1の電極面及び該第1の電極面の外側の環状の第2の電極面が露出した微小電極の製造方法であって、
    電気絶縁性の材料で形成された第1の支持体の軸線方向に沿って延在する外周面上に第1の金属箔を巻き付ける第1の巻き付け工程と、
    電気絶縁性の材料で形成され、軸線方向に沿って延在する嵌合穴を有する第2の支持体の、軸線方向に沿って延在する外周面上に、第2の金属箔を巻き付ける第2の巻き付け工程と、
    前記第1の支持体の軸線方向を前記第2の支持体の軸線方向に沿わせるようにして、前記第1の金属箔が巻き付けられた前記第1の支持体を前記第2の支持体の前記嵌合穴に嵌合させる嵌合工程と、
    少なくとも前記第2の支持体の前記外周面上の前記第2の金属箔を電気絶縁性の材料から成る被覆材で被覆する被覆工程と、
    を有することを特徴とする微小電極の製造方法。
  6. 更に、前記被覆工程で得られた複合体の一端部を切削又は研磨して、前記第1の金属箔の厚さ方向の断面を露出させて前記第1の電極面を形成すると共に、前記第2の金属箔の厚さ方向の断面を露出させて前記第2の電極面を形成する露出工程を有することを特徴とする請求項に記載の微小電極の製造方法。
  7. 更に、前記被覆工程より前に、金属の導線を前記第1の金属箔及び前記第2の金属箔の両方に接触させて該接触した状態を維持させる接触工程を有することを特徴とする請求項又はに記載の微小電極の製造方法。
  8. 電気絶縁性の材料から成るボディーの内部に、厚さ方向が前記ボディーの軸線方向と略直交する平面に沿う方向となるように環状に形成された金属箔が埋設されており、前記ボディーの軸線方向の一方の端面から前記金属箔で形成された環状の電極面が露出している微小電極であって、
    軸線方向における前記電極面側となる一方の端面である第1の端面と、その反対側の端面である第2の端面と、軸線方向に沿って前記第2の端面から前記第1の端面に向けて延在する押圧穴と、を有する電気絶縁性の材料で形成された支持体と、
    前記押圧穴の内部に少なくともその一部が配置された導線と、
    電気絶縁性の材料で形成され、前記押圧穴に挿入された押圧部材と、
    電気絶縁性の材料から成り、前記金属箔の少なくとも一部を被覆している被覆材と、
    を備え、
    前記金属箔は、前記支持体の軸線方向に沿って延在する外周面上に巻き付けられ、少なくともその一部が前記外周面上から前記第2の端面上を通過して前記押圧穴の内部まで連続しており、前記押圧穴の内部で前記導線と接触した状態で、前記押圧穴の内壁と前記押圧部材とにより挟持されており、少なくとも前記外周面上の前記金属箔は、前記被覆材で被覆されていることを特徴とする微小電極。
  9. 電気絶縁性の材料から成るボディーの内部に、厚さ方向が前記ボディーの軸線方向と略直交する平面に沿う方向となるように環状に形成された金属箔が埋設されており、前記ボディーの軸線方向の一方の端面から前記金属箔で形成された環状の電極面が露出している微小電極であって、
    軸線方向における前記電極面側となる一方の端面である第1の端面及びその反対側の端面である第2の端面を備えた主部と、前記主部の前記第2の端面から軸線方向に沿って延在する突出部であって該軸線方向と略直交する方向の寸法が前記主部よりも小さい突出部と、を有する電気絶縁性の材料で形成された支持体と、
    前記第2の端面上に少なくともその一部が配置された導線と、
    電気絶縁性の材料で形成され、前記突出部に係合する係合穴を有する環状の押圧部材と、
    電気絶縁性の材料から成り、前記金属箔の少なくとも一部を被覆している被覆材と、
    を備え、
    前記金属箔は、前記支持体の軸線方向に沿って延在する外周面上に巻き付けられ、少なくともその一部が前記外周面上から前記第2の端面上まで連続しており、前記導線と接触した状態で、前記第2の端面と前記押圧部材とにより挟持されており、少なくとも前記外周面上の前記金属箔は、前記被覆材で被覆されていることを特徴とする微小電極。
  10. 電気絶縁性の材料から成るボディーの内部に、厚さ方向が前記ボディーの軸線方向と略直交する平面に沿う方向となるように同心的に環状に形成された第1、第2の金属箔が埋設されており、前記ボディーの軸線方向の一方の端面から前記第1、第2の金属箔でそれぞれ形成された環状の第1の電極面及び該第1の電極面の外側の環状の第2の電極面が露出している微小電極であって、
    電気絶縁性の材料で形成された第1の支持体と、
    軸線方向に沿って延在する嵌合穴を有する第2の支持体と、
    電気絶縁性の材料から成り、前記第2の金属箔の少なくとも一部を被覆している被覆材と、
    を備え、
    前記第1の金属箔は、前記第1の支持体の軸線方向に沿って延在する外周面上に巻き付けられており、前記第1の金属箔が巻き付けられた前記1の支持体は、前記第1の支持体の軸線方向と前記第2の支持体の軸線方向とが沿うようにして前記第2の支持体の前記嵌合穴に嵌合されており、前記第2の金属箔は、前記第2の支持体の軸線方向に沿って延在する外周面上に巻き付けられており、少なくとも前記第2の支持体の前記外周面上の前記第2の金属箔は、前記被覆材で被覆されていることを特徴とする微小電極。
  11. 前記第1の支持体は、軸線方向における前記第1の電極面側となる一方の端面である第1の支持体の第1の端面と、その反対側の端面である第1の支持体の第2の端面と、を有し、
    前記第2の支持体は、軸線方向における前記第2の電極面側となる一方の端面である第2の支持体の第1の端面と、その反対側の端面である第2の支持体の第2の端面と、軸線方向に沿って前記第2の支持体の第2の端面から前記第2の支持体の第1の端面に向けて延在する押圧穴と、軸線方向に沿って前記第2の支持体の第1の端面から前記第2の支持体の第2の端面に向けて延在し前記押圧穴と連続している前記嵌合穴と、を有し、
    前記微小電極は更に、電気絶縁性の材料で形成され、前記押圧穴に挿入された押圧部材と、前記押圧穴の内部に少なくともその一部が配置された導線と、を備え、
    前記第1の金属箔は、少なくともその一部が前記第1の支持体の前記外周面上から前記第1の支持体の第2の端面上まで連続しており、前記押圧穴の内部で前記導線と接触した状態で前記第1の支持体の第2の端面と前記押圧部材とにより挟持されており、前記第2の金属箔は、少なくともその一部が前記第2の支持体の前記外周面上から前記第2の支持体の第2の端面上を通過して前記押圧穴の内部まで連続しており、前記押圧穴の内部で前記導線と接触した状態で前記押圧穴の内壁と前記押圧部材とで挟持されていることを特徴とする請求項10に記載の微小電極。
  12. 前記第1の支持体は、軸線方向における前記第1の電極面側となる一方の端面である第1の支持体の第1の端面及びその反対側の第1の支持体の第2の端面を備えた主部と、前記主部の前記第1の支持体の第2の端面から軸線方向に沿って延在する突出部であって該軸線方向と略直交する方向の寸法が前記主部よりも小さい突出部と、を有し、
    前記第2の支持体は、軸線方向における前記第2の電極面側となる一方の端面である第2の支持体の第1の端面と、その反対側の端面である第2の支持体の第2の端面と、軸線方向に沿って前記第2の支持体を貫通している前記嵌合穴と、を有し、
    前記微小電極は更に、電気絶縁性の材料で形成され、前記突出部に係合する係合穴を有する環状の押圧部材と、前記第1の支持体の第2の端面及び前記第2の支持体の第2の端面上に少なくともその一部が配置された導線と、を備え、
    前記第1の金属箔は、少なくともその一部が前記第1の支持体の前記外周面上から前記第1の支持体の第2の端面上まで連続しており、前記導線と接触した状態で前記第1の支持体の第2の端面と前記押圧部材とにより挟持されており、前記第2の金属箔は、少なくともその一部が前記第2の支持体の前記外周面上から前記第2の支持体の第2の端面上まで連続しており、前記導線と接触した状態で前記第2の支持体の第2の端面と前記押圧部材とにより挟持されていることを特徴とする請求項10に記載の微小電極。
  13. センサ本体の一端に試料中の測定対象ガスを透過させる隔膜で外部と区画された室を有し、前記室内に収容された電解液中に作用極と対極とが配置され、前記隔膜を透過した測定対象ガスの前記作用極面における電気化学反応により前記作用極と前記対極との間に流れる電流が測定回路で測定される隔膜型センサにおいて、前記作用極が請求項12のいずれかの項に記載の微小電極であることを特徴とする隔膜型センサ。
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