JP5898118B2 - センサ制御装置、センサ制御システムおよびセンサ制御方法 - Google Patents

センサ制御装置、センサ制御システムおよびセンサ制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、センサ制御装置、センサ制御システムおよびセンサ制御方法に関する。
ディーゼルエンジンやガソリンエンジンなどの内燃機関においては、消費燃料の低減を図るためや、排気ガスの浄化を図るために、燃焼室に送り込まれるガスと燃料との割合である混合比を調節する制御が一般的になっている。この混合比を制御するために、吸気ガスに含まれる特定ガス成分(例えば酸素)の割合や、排気ガスに含まれる特定ガス成分の割合を測定するために、ガスセンサが用いられている。
ガスセンサは、測定対象であるガス中に配置されるセンサ素子を備え、このセンサ素子から特定ガス成分の割合である特定ガス成分の濃度(例えば酸素濃度)に関する出力値が出力される。しかしながら、センサ素子から出力される出力値は、測定対象であるガス中の特定ガス成分の濃度だけではなく、ガスの圧力の影響も受けることが知られている。
近年においては、内燃機関に対する制御がきめ細かくなっていることから、特定ガス成分の濃度の値も、正確であることが求められ始めている。そこで、測定対象であるガス中のより正確な特定ガス成分の濃度を求めるために、ガスセンサから出力される出力値から、圧力の影響を除去する種々の方法が提案されている(例えば、特許文献1および2参照。)。
特許文献1および2では、測定対象であるガス中の特定ガス成分の濃度を測定するセンサ素子と、圧力を測定する圧力センサとが設けられた構成が開示されている。そして、特許文献1および2には、センサ素子から出力された特定ガス成分の濃度に関する出力値に対して、圧力センサにより測定された圧力値に基づく係数を乗じて、特定ガス成分の濃度に関するガスセンサの出力値から圧力の影響を除去する方法(補正方法)が提案されている。
特開平6−273381号公報 特開2005−061420号公報
特定ガス成分の濃度に関するガスセンサの出力値の補正を行わない場合と比較して、上述の特許文献1および2に記載された補正方法を用いることにより、特定ガス成分の濃度の値の精度はより正確になる。しかしながら、内燃機関に対する制御は、現在そして将来において更に精緻になると予想される。この場合、特定ガス成分の濃度の値も、さらに精度が高い値が要求されることになる。つまり、上述の特許文献1および2に記載された補正方法では、要求される精度で特定ガス成分の濃度の値を得ることが困難になるという問題があった。
具体的には、測定対象ガスが流れる流路に設置されたバルブの開閉などにより、測定対象ガスの圧力が急激に変動する場合、ガスセンサの出力値に対して適切な補正ができない期間が発生するという問題があった。つまり、圧力変動の早さに特定ガス成分濃度の補正が十分に追従できず、適切な補正ができない期間が発生するおそれがあった。
この場合であっても、所定の時間が経過することにより変動後の圧力に補正が追従し、特定ガス成分濃度に適切な補正を行うことができる。しかしながら、変動後の圧力に補正が追従する前に測定対象ガスの圧力が再び急激に変動すると、適切な補正ができない期間が再び発生するため、要求される精度で特定ガス成分の濃度の値を得ることが更に困難になるという問題があった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、測定対象ガスの圧力が動的に変動した場合であっても補正精度の向上を図ることができるセンサ制御装置、センサ制御システムおよびセンサ制御方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を提供する。
本発明のセンサ制御装置は、内燃機関に設けられた流路内を流れるガスに含まれる特定ガス成分の濃度に応じてガスセンサから出力されるセンサ出力信号、および、前記ガスの圧力を測定する圧力センサから出力される圧力信号が入力され、前記特定ガス成分の濃度である特定成分濃度であって、前記センサ出力信号に含まれる前記ガスの圧力による影響を前記圧力信号に基づいて補正した特定成分濃度を算出する演算部が設けられたセンサ制御装置であって、前記センサ出力信号および前記圧力信号が前記演算部に入力される前に、前記ガスの圧力変化に対する前記センサ出力信号の応答速度を調整する第1応答調整部、および、前記ガスの圧力変化に対する前記圧力信号の応答速度を調整する第2応答調整部を設け、前記第1応答調整部および前記第2応答調整部により、前記センサ出力信号または前記圧力信号のうち、前記応答速度が速い信号を、前記応答速度が遅い信号に近づける調整を行う応答調整部が設けられていることを特徴とする。
本発明のセンサ制御装置によれば、応答調整部を設けることにより、演算部におけるセンサ出力信号および圧力信号の応答速度差が小さくなるため、センサ出力信号に含まれるガス圧力の動的変動による影響を除去しやすくなる。一般にガス圧力の動的変動に対するガスセンサや圧力センサの挙動、例えば圧力変化に対するそれぞれの信号(センサ出力信号、圧力信号)の応答速度は異なることが多い。そのため、ガスセンサや圧力センサから、直接、それぞれの信号が演算部に入力される場合には、圧力変化に応じて値の応答の程度が異なる信号が入力される状況が発生する。すると、演算部において適切な補正が行われず、特定成分濃度への補正精度の向上を図ることができなかった。
その一方で、応答調整部においてセンサ出力信号および圧力信号のうち、応答速度が速い信号を応答速度が遅い信号に近づける調整を行った上で、センサ出力信号および圧力信号を演算部に入力することにより、センサ出力信号および圧力信号の間の応答の程度差が小さくなる。その結果、演算部において適切な補正が行われやすくなり、特定成分濃度への補正精度の向上が図りやすくなる。両信号の応答速度差を小さくなるほど補正精度が向上する。
上記発明においては、前記センサ出力信号および前記圧力信号が前記演算部に入力される前に、前記ガスの圧力変化に対して前記センサ出力信号が反応し始めるまでの時間である遅延時間を調整する第1遅延調整部、および、前記ガスの圧力変化に対して前記圧力信号が応答し始めるまでの時間である遅延時間を調整する第2遅延調整部を設け、前記第1遅延調整部および前記第2遅延調整部により、前記センサ出力信号または前記圧力信号のうち、前記遅延時間が短い信号を、前記遅延時間が長い信号に近づける調整を行う遅延調整部が、更に設けられていることが好ましい。
このように遅延調整部を設けることにより、演算部におけるセンサ出力信号および圧力信号の遅延時間差が小さくなるため、センサ出力信号に含まれるガス圧力の動的変動による影響を除去しやすくなる。一般にガスセンサと圧力センサとでは、圧力変化に対してそれぞれの信号(センサ出力信号、圧力信号)が反応し始めるまでの時間である遅延時間は異なることが多い。そのため、ガスセンサや圧力センサから、直接、それぞれの信号が演算部に入力される場合には、圧力変化に応じて値が変化した信号と、変化していない信号とが入力される状況が発生する。すると、演算部において適切な補正が行われず、特定成分濃度への補正精度の向上を図ることができなかった。
その一方で、遅延調整部においてセンサ出力信号および圧力信号のうち、遅延時間が短い信号を遅延時間が長い信号に近づける調整を行った上で、センサ出力信号および圧力信号を演算部に入力することにより、圧力変化に応じて値が変化した信号と、値が変化していない信号とが入力される期間が短縮される。その結果、演算部において適切な補正が行われやすくなり、特定成分濃度への補正精度の向上が図りやすくなる。両信号の遅延時間差を小さくなるほど補正精度が向上する。
本発明のセンサ制御システムは、内燃機関に設けられた流路内を流れるガスに含まれる特定ガス成分の濃度に応じた出力値を出力するガスセンサと、前記ガスの圧力を測定する圧力センサと、上記本発明のセンサ制御装置と、が設けられていることを特徴とする。
本発明のセンサ制御システムによれば、上記本発明のセンサ制御装置が設けられているため、測定対象であるガスの圧力が動的に変動する場合であっても特定成分濃度に対する補正精度の向上が図りやすい。
本発明のセンサ制御方法は、内燃機関に設けられた流路内を流れるガスに含まれる特定ガス成分の濃度に応じてガスセンサから出力されるセンサ出力信号、および、前記ガスの圧力を測定する圧力センサから出力される圧力信号を取得する取得ステップと、前記センサ出力信号および前記圧力信号における、前記ガスの圧力の変化に対して信号が応答する応答速度を調整するステップであって、前記ガスの圧力変化に対する前記センサ出力信号の応答速度を調整する第1応答調整部、および、前記ガスの圧力変化に対する前記圧力信号の応答速度を調整する第2応答調整部を設け、前記第1応答調整部および前記第2応答調整部により、前記センサ出力信号または前記圧力信号のうち、前記応答速度が速い信号を、前記応答速度が遅い信号に近づける調整を行う応答調整ステップと、調整後の前記センサ出力信号および前記圧力信号に基づいて前記特定ガス成分の濃度である特定成分濃度を算出するステップであって、前記センサ出力信号に含まれる前記ガスの圧力による影響を前記圧力信号に基づいて補正した特定成分濃度を算出する算出ステップと、を有することを特徴とする。
本発明のセンサ制御方法によれば、応答調整ステップにおいて演算ステップにおけるセンサ出力信号および圧力信号の応答速度差を小さく処理を行うことにより、センサ出力信号に含まれるガス圧力の動的変動による影響を除去しやすくなる。
上記発明においては、前記取得ステップおよび前記算出ステップの間に、前記センサ出力信号および前記圧力信号における、前記ガスの圧力の変化に対して信号が反応し始めるまでの時間である遅延時間を調整するステップであって、前記ガスの圧力変化に対して前記センサ出力信号が反応し始めるまでの時間である遅延時間を調整する第1遅延調整部、および、前記ガスの圧力変化に対して前記圧力信号が応答し始めるまでの時間である遅延時間を調整する第2遅延調整部を設け、前記第1遅延調整部および前記第2遅延調整部により、前記センサ出力信号または前記圧力信号のうち、前記遅延時間が短い信号を、前記遅延時間が長い信号に近づける調整を行う遅延調整ステップを更に有することが好ましい。
このように遅延調整ステップにおいて演算ステップにおけるセンサ出力信号および圧力信号の遅延時間差を小さくする処理を行うことにより、センサ出力信号に含まれるガス圧力の動的変動による影響を除去しやすくなる。
本発明のセンサ制御装置、センサ制御システムおよびセンサ制御方法によれば、応答調整部を設けることにより、演算部におけるセンサ出力信号および圧力信号の応答速度差が小さくなる。そのため、センサ出力信号に含まれるガス圧力の動的変動による影響を除去しやすくなり、測定対象ガスの圧力が動的に変動した場合であっても補正精度の向上を図ることができるという効果を奏する。
本実施形態に係るセンサシステムの概略構成を説明する模式図である。 図1のECUの構成を説明するブロック図である。 第1応答調整部および第2応答調整部の構成を説明する図である。 第1遅延調整部および第2遅延調整部の構成を説明する図である。 吸気ガスの圧力変化を説明するグラフである。 圧力変化に対するポンプ電流信号Ipおよび圧力信号Pの波形を説明するグラフである。 調整後ポンプ電流信号Ipadjおよび調整後圧力信号Padjの波形を説明するグラフである。 MCUにおける演算処理を説明するフローチャートである。 本実施形態における応答調整および遅延調整の効果を説明するグラフである。
この発明の一実施形態に係るセンサ制御システム1について、図1から図9を参照しながら説明する。最初に、本実施形態に係るセンサ制御システム1の概略構成を説明する模式図である図1を参照しながら説明する。
センサ制御システム1は、図1に示すように、内燃機関40に吸入される吸気ガスに含まれる酸素(特定ガス成分)の濃度測定に用いられるものである。センサ制御システム1により測定された酸素濃度(特定成分濃度)は内燃機関40の制御、例えば空燃比の制御に用いられるものである。センサ制御システム1には、酸素センサ(ガスセンサ)10と、圧力センサ20と、センサ制御装置としても機能するエンジンコントロールユニット30(以下「ECU30」と表記する。)と、が主に設けられている。
なお、本実施形態では、本発明のセンサ制御システム1を、内燃機関40に吸入される吸気ガスに含まれる酸素濃度を測定する例に適用して説明するが、内燃機関40から排気される排気ガスに含まれる酸素濃度を測定する例に適用してもよく、測定対象のガスを特に限定するものではない。但し、排気ガスと比較して吸気ガスではガス圧力の変動が大きく、後述する酸素センサ10の出力値とO2濃度との間に誤差が生じやすい。そのため、吸気ガスに対して本発明のセンサ制御システム1を用いると、補正精度の向上を図るという効果がより顕著となる。
酸素センサ10および圧力センサ20は、内燃機関40の吸入配管41であって、排気再循環配管43(以下、「EGR配管43」と表記する。)との合流点よりも内燃機関40側、言い換えると下流側に配置されている。また、吸入配管41における酸素センサ10および圧力センサ20の配置位置よりも上流側には、吸入配管41を流れる空気の流量を調節する吸気弁44が設けられている。
EGR配管43は、排気配管42と吸入配管41とをつなぐ配管であり、排気配管42を流れる排気ガスの一部を吸入配管41に導くもの、言い換えると排気ガスを再循環させるものである。EGR配管43には、排気ガスの再循環量を調節する調節弁45が設けられている。
圧力センサ20は、酸素センサ10に近接した位置に配置されている。近接した位置とは、酸素センサ10により酸素濃度が測定される吸気ガスのガス圧力の変動と比較して、ほぼ同じ傾向でガス圧力が変動する領域内の位置のことである。そのため本実施形態では、酸素センサ10および圧力センサ20の両者がEGR配管43との合流点よりも下流側に配置されている例に適用して説明しているが、酸素センサ10に近接した位置であれば、圧力センサ20のみが上述の合流点の上流側に配置されていてもよい。
さらに、酸素センサ10および圧力センサ20の配置は、酸素センサ10が上流側に配置されていてもよいし、圧力センサ20が上流側に配置されていてもよく、両者の相対的な配置位置を限定するものではない。その他に本実施形態で説明するように、酸素センサ10と、圧力センサ20とが別々の筐体に収められ、それぞれが吸入配管41に取り付けられる構成であってもよいし、酸素センサ10および圧力センサ20が一つの筐体に収められ、あるいは一つの素子上に組み込まれた構成であってもよい。
酸素センサ10は、吸入配管41の内部を流れる吸気ガスに含まれる酸素濃度を測定するセンサであり、酸素濃度に応じたセンサ出力信号の1つであるポンプ電流を出力するものである。ポンプ電流の値は、吸気ガスに含まれる酸素濃度に応じてリニアに変化すると共に、吸入配管41を流れ酸素センサ10の周囲を取り巻く吸気ガスの圧力にも応じて変化する。なお、酸素センサ10としては、上述の特性を有する公知のセンサであればよく、特にその形式等を限定するものではない。
圧力センサ20は、吸入配管41の内部を流れる吸気ガスの圧力を測定するセンサであり、吸気ガスの圧力に応じたセンサ出力信号を出力するものである。なお、圧力センサ20としては、公知の圧力センサを用いることができ、特に限定するものではない。
ECU30は、酸素センサ10のセンサ出力信号および圧力センサ20のセンサ出力信号に基づいて、吸入配管41の内部を流れる吸気ガスの酸素濃度を演算により求めるものであり、少なくとも、求められた酸素濃度に基づいて内燃機関40の運転状態を制御するものである。ECU30には、図2に示すように、酸素センサ制御/検出回路31と、圧力センサ制御/検出回路32と、マイクロコントロールユニット33(以下、「MCU33」と表記する。)と、が主に設けられている。さらに、ECU30には、MCU33により算出された酸素濃度に基づいて内燃機関40を制御する制御部(図示せず)が設けられている。
なお、本実施形態では、酸素センサ制御/検出回路31および圧力センサ制御/検出回路32がECU30に組み込まれている例に適用して説明しているが、酸素センサ制御/検出回路31が酸素センサ10に組み込まれ、圧力センサ制御/検出回路32が圧力センサ20に組み込まれていてもよい。また、酸素センサ制御/検出回路31および圧力センサ制御/検出回路31を収容した筐体を別途に設け、この筐体に酸素センサ10および圧力センサ20を接続すると共に、ECU30とを接続させる形態を採ってもよい。
酸素センサ制御/検出回路31および圧力センサ制御/検出回路32は、それぞれ酸素センサ10および圧力センサ20における酸素濃度の測定、および、圧力の測定を制御するとともに、酸素センサ10および圧力センサ20から出力されるセンサ出力信号を検出するものである。酸素センサ10のセンサ出力信号を検出した酸素センサ制御/検出回路31は、当該センサ出力信号に応じたポンプ電流信号Ipを出力し、圧力センサ20のセンサ出力信号を検出した圧力センサ制御/検出回路32は、当該センサ出力信号に応じた圧力信号Pを出力する。なお、酸素センサ制御/検出回路31および圧力センサ制御/検出回路32は、それぞれ酸素センサ10および圧力センサ20に応じて形式や種類が選択されるものであり、特にその形式や種類を限定するものではない。
MCU33は、酸素センサ制御/検出回路31から出力されるポンプ電流信号Ipと、圧力センサ制御/検出回路32から出力される圧力信号Pと、に基づいて酸素濃度信号を演算により求めるものである。MCU33には、図2に示すように、ポンプ電流信号Ipに対して応答速度の調整を行う第1応答調整部34、および、遅延時間の調整を行う第1遅延調整部35と、圧力信号Pに対して応答速度の調整を行う第2応答調整部36、および、遅延時間の調整を行う第2遅延調整部37と、酸素濃度信号を演算により求める演算部38と、が主に設けられている。
第1応答調整部34および第2応答調整部36は、吸気ガスにおける圧力変化、特に急激な圧力変化に対して(換言すれば、圧力変化に追従して)ポンプ電流信号Ipおよび圧力信号Pの値が応答する応答速度の調整をそれぞれ行うものである。第1応答調整部34および第2応答調整部36がデジタル回路により構成されている場合には、図3(a)に示す構成となる。図3(a)におけるCIIRは、応答調整を行う変数であり所定範囲の数値を選択することができる。例えばCIIR=0とした場合には、入力された信号に対して応答調整が行われない。Z-1は、サンプリングの1周期だけ自身に入力される信号を遅延させる遅延素子を表すものである。
本実施形態では、第1応答調整部34および第2応答調整部36により、圧力センサ20の最大応答周波数を酸素センサ10の最大応答周波数(例えば20Hz)に合わせる例に適用して説明する。圧力センサ20の最大応答周波数は、一般的に100Hz〜10kHzであるため、圧力信号Pに対して第2応答調整部36が応答速度を遅らせる処理を行い、ポンプ電流信号Ipに対して第1応答調整部34は応答速度を遅らせる処理を行わない例に適用して説明する。ここでIIRは、Infinite Impulse Responseの意である。
また、第1応答調整部34および第2応答調整部36がアナログ回路により構成されている場合には、図3(b)に示す構成となる。この場合、第1応答調整部34や第2応答調整部36を構成する抵抗の値を変更することにより応答調整が行われる。抵抗の値を変化させる範囲としては、10kΩ〜1000kΩを例示することができる。また第1応答調整部34や第2応答調整部36を構成するコンデンサの容量は固定されており、例えば100nFを例示することができる。
なお応答速度は、例えば、圧力変化に応じてポンプ電流信号Ipや圧力信号Pの値が変化し始めた時点から、ポンプ電流信号Ipや圧力信号Pの値の変化が安定するまでの期間とも表現することができる。ポンプ電流信号Ipや圧力信号Pの値の変化が飽和したか否かの判断は、例えば、単位時間あたりの信号の値の変化率が所定の閾値以下になったか否かにより判断することができる。また、応答速度は、例えば、圧力変化に応じてポンプ電流信号Ipや圧力信号Pの値が変化し始めた時点から、ポンプ電流信号Ipや圧力信号Pの値の変化が安定したときを100%応答としたときの所定の応答率(例えば63%)に到達するまでの期間とも表現することもできる。
第1遅延調整部35および第2遅延調整部37は、吸気ガスにおける圧力変化、特に急激な圧力変化に対してポンプ電流信号Ipおよび圧力信号Pが反応し始めるまでの時間である遅延時間の調整をそれぞれ行うものである。言い換えると、ポンプ電流信号Ipおよび圧力信号Pのうち、遅延時間が短い信号を遅延時間の長い信号に合わせる調整を行うものである。第1遅延調整部35および第2遅延調整部37はデジタル回路により構成されており、図4に示す構成を有している。
例えば、第1遅延調整部35に入力されたポンプ電流信号Ipは、次のサンプリングのタイミングで一番左端のZ-1に格納される。さらに次のサンプリングのタイミングにおいて、一番左端のZ-1に格納されたポンプ電流信号Ipは右隣のZ-1に格納される。その一方で、一番左端のZ-1には1回前のサンプリングで取得されたポンプ電流信号Ipが格納される。新たなサンプリングが行われる都度、上述の処理が繰り返される。selectorは、第1遅延調整部35から出力されるポンプ電流信号Ipを選択するものであり、複数のZ-1から出力するポンプ電流信号Ipが格納されたZ-1を選択するものである。
一般的に上述の遅延時間は、酸素センサ制御/検出回路31や圧力センサ制御/検出回路32における動作クロックの速さや、処理の多さによって変動する。そのため、状況に応じて圧力信号Pよりもポンプ電流信号Ipの遅延時間が長い場合もあり、ポンプ電流信号Ipよりも圧力信号Pの遅延時間が長い場合もある。本実施形態では、圧力信号Pよりもポンプ電流信号Ipの遅延時間が短く、ポンプ電流信号Ipを2サンプル(Z-2)遅延させる例に適用して説明する。
なお、第1応答調整部34および第1遅延調整部35によって応答速度および遅延時間の調整が行われたポンプ電流信号Ipを、調整後ポンプ電流信号Ipadjと表記し、第2応答調整部36および第2遅延調整部37によって応答速度および遅延時間の調整が行われた圧力信号Pを、調整後圧力信号Padjと表記する(図1参照)。
演算部38は、調整後ポンプ電流信号Ipadjに含まれる吸気ガスの圧力による影響を調整後圧力信号Padjに基づいて補正した酸素濃度信号を演算により求めるものである。なお、演算部38における酸素濃度信号の演算方法については後述する。
次に、第1応答調整部34、第1遅延調整部35、第2応答調整部36、および、第2遅延調整部37における特性の一例を図5から図7を参照しながら説明する。ここでは、吸気ガスにおける酸素濃度が16vol%であり、図5に示すように、吸気ガスの圧力が0.10MPaから0.12MPaにステップ状に急変した場合ついて説明する。
この場合、酸素センサ10から出力されるポンプ電流信号Ipは、例えば、図6(a)のグラフで示す波形を示し、圧力センサ20から出力される圧力信号Pは、例えば、図6(b)のグラフで示す波形を示す。なお、これらのグラフにおける横軸は吸気ガスの圧力が急変した時点を0とした時間軸である。
ポンプ電流信号Ipと圧力信号Pとを対比すると、次の二つの点が異なっていることが判る。第1の点は、吸気ガスの変化に対してポンプ電流信号Ipが変化し始める時点が、圧力信号Pが変化し始める時点よりも早い点である。言い換えると、ポンプ電流信号Ipおよび圧力信号Pの遅延時間が異なる点である。第2の点は、圧力信号Pが、変化後の吸気ガス圧力に対応した値になるまでに要する期間が、ポンプ電流信号Ipにおける期間よりも短い点である。言い換えると、ポンプ電流信号Ipおよび圧力信号Pの応答速度が異なる点である。
第1応答調整部34および第1遅延調整部35により応答速度および遅延時間の調整が行われた後の調整後ポンプ電流信号Ipadjは、図7(a)のグラフで示す波形となり、第2応答調整部36および第2遅延調整部37により応答速度および遅延時間の調整が行われた後の調整後圧力信号Padjは、図7(b)のグラフで示す波形となる。
調整後ポンプ電流信号Ipadjは、第1遅延調整部35により遅延時間が圧力信号Pの遅延時間と実質的に同等になるように調整されている。調整後圧力信号Padjは、第2応答調整部36により応答速度がポンプ電流信号Ipの応答速度と実質的に同等になるように調整されている。なお、第1応答調整部34による応答速度の調整や、第2遅延調整部37による遅延時間の調整は行われていない。
つまり、応答速度および遅延時間が異なるポンプ電流信号Ipと圧力信号Pとは、第1応答調整部34、第1遅延調整部35、第2応答調整部36および第2遅延調整部37により、応答速度および遅延時間が実質的に同等な調整後ポンプ電流信号Ipadjと調整後圧力信号Padjとに変換される。
次に、上記の構成からなるセンサ制御システム1における酸素濃度の算出方法について、図8に示すフローチャートなどを参照しながら説明する。ここでは、センサ制御システム1のMCU33がデジタル回路から構成され、酸素センサ10や、圧力センサ20や、MCU33等が所定のサンプリング周波数(例えば1kHz)にしたがって動作する例に適用して説明する。
センサ制御システム1に電力が供給され酸素センサ10や圧力センサ20による測定が開始されると、MCU33は、酸素センサ制御/検出回路31から出力されるポンプ電流信号Ipを取得し、第1応答調整部34に読み込む処理を実行する(S11:取得ステップ)。次いで、読み込んだポンプ電流信号Ipの応答時間および遅延時間を、第1応答調整部34および第1遅延調整部35において調整する処理を実行する(S12:応答調整ステップ、遅延調整ステップ)。S12において行われる調整処理は、下記の式(1)で表すことができる。
Figure 0005898118
またMCU33は、圧力センサ制御/検出回路32から出力される圧力信号Pを取得し、第2応答調整部36に読み込む処理も実行する(S13:取得ステップ)。次いで、読み込んだ圧力信号Pの応答時間および遅延時間を、第2応答調整部36および第2遅延調整部37において調整する処理を実行する(S14:応答調整ステップ、遅延調整ステップ)。S14において行われる調整処理は、下記の式(2)で表すことができる。
Figure 0005898118
応答速度の調整は、式(1)および式(2)における下記の項における係数CIIRの値を選択することにより行われる。値の選択方法としては、0.73、0.83、0.88、0.91、0.93といった複数の値から所望の値を選択する例を挙げることができる。なお、上記調整の精度を高めるために、より多くの値の中から所望の値を選択するようにしてもよいことは言うまでもない。
Figure 0005898118
遅延時間の調整は、式(1)および式(2)におけるZ-nにおける係数nの値を選択することにおり行われる。なおnは自然数であり、Z-nはサンプリングのn回前に自身に入力された信号を遅延させた信号を意味している。
S12により調整後ポンプ電流信号Ipadjが算出され、S14により調整後圧力信号Padjが算出されると、MCU33の演算部38は下記の式(3)に基づいて酸素濃度を求める演算処理を実行する(S15:算出ステップ)。酸素濃度は、フィックの法則から導かれる式(3)に、調整後ポンプ電流信号Ipadjおよび調整後圧力信号Padjを代入して得られる。
Figure 0005898118
ここで、A,Bは酸素濃度の近似値算出に用いられる定数である。Aは下記の式(4)により定まる定数であり、Bは下記の式(5)により定まる定数である。
Figure 0005898118
ここで、Lは酸素センサ10の拡散孔の長さ(m)であり、Rは気体定数(8.314JK-1mol-1)であり、Sは酸素センサ10の拡散孔の断面積(m2)であり、Fはファラデー定数(9.6485×104Cmol-1)であり、Tは酸素センサ10の拡散孔を通過するときのガスの温度(K)である。
なお、上述の係数Aおよび係数Bは、上述の式(4)および式(5)に基づいて求めてもよいし、予め酸素濃度および圧力が判っているガスの酸素濃度を測定し、実験的に求めてもよく、特に求める方法を限定するものではない。
上記の式(3)は、下記のフィックの法則である式(6)から導かれる式(7)に、分子拡散係数Dm(=kT1.75/P)およびクヌーセン拡散係数Dk(=k’T0.5)を合成した拡散係数DABの式(8)を代入して整理して得られる式(9)に基づくものである。
Figure 0005898118
ここで、cAの上にドット(・)が付されたものは、成分Aのモル質量速度(=cAA)であり、wAは、成分Aのモル分率(=cA/c)であり、cの上にドット(・)が付されたものは、モル質量速度(=cv)であり、cはモル濃度(kmol/m3)である。また、PAは、成分Aの分圧(kPa)であり、Pは圧力(kPa)であり、PA/Pは、成分Aの濃度(%)である。
Figure 0005898118
Figure 0005898118
上述のようにS15の演算処理により酸素濃度が求められると、MCU33はECU30における酸素濃度に基づいて内燃機関40を制御する制御部(図示せず)に求められた酸素濃度を出力する処理を行う(S16)。その後、MCU33はS11に戻り、所定のサンプリング周波数に従って上述の処理を繰り返し実行する。
次に、上記の構成からなるセンサ制御システム1における酸素濃度の算出例について図9を参照しながら説明する。ここでは、酸素センサ10や、圧力センサ20や、MCU33等が1kHzのサンプリング周波数に従って動作し、S12において係数CIIR=0.88およびn=0であり、S14において係数CIIR=0およびn=2である例について説明する。
吸気ガスにおける圧力は、図9(a)に示すように0.10MPaと0.12MPaとの間をステップ状に繰り返し急変している。また、吸気ガスにおける酸素濃度は16vol%に調整されている。
吸気ガスが図9(a)に示すような圧力変化をした場合における算出された酸素濃度は、図9(b)のグラフに示す変化を示している。図9(b)におけるグラフAは、圧力補正を行わないで算出された酸素濃度の変化を示し、グラフBは、圧力補正は行い、応答調整および遅延調整を行わないで算出された酸素濃度の変化を示し、グラフCは、圧力補正、応答調整、および、遅延調整を行って算出された酸素濃度の変化(つまり、本実施形態のもとでの酸素濃度の変化)を示している。
図9(b)に示すように、圧力補正を行わないで算出された酸素濃度(グラフA)は、吸気ガスの圧力が0.12MPaに上昇すると、実際の酸素濃度(16vol%)よりも値が上昇する。さらに、吸気ガスの圧力が0.10MPaに戻ると、緩やかに実際の酸素濃度(16vol%)に値が近づくように変化している。
これに対して、圧力補正は行い、応答調整および遅延調整を行わないで算出された酸素濃度(グラフB)は、吸気ガスの圧力が0.12MPaに上昇すると、値の変動はあるものの圧力補正によって実際の酸素濃度(16vol%)に近づくように変化する。さらに、吸気ガスの圧力が0.10MPaに戻ると、圧力補正によって値が変動するものの実際の酸素濃度(16vol%)に近づくように変化する。
さらに本実施形態のように、圧力補正、応答調整、および、遅延調整を行って算出された酸素濃度(グラフC)になると、吸気ガスの圧力変動にかかわらず実際の酸素濃度(16vol%)と概ね同じ値を示していることが判る。言い換えると、吸気ガスの圧力が0.12MPaに上昇した際も、0.10MPaに戻る際にも、グラフAやグラフBと比較して、値の変動が顕著に抑えられていることが判る。
上記の構成のセンサ制御システム1およびECU30によれば、第1応答調整部34および第2応答調整部36を設けることにより、演算部38におけるポンプ電流信号Ipおよび圧力信号Pの応答速度差が小さくなるため、ポンプ電流信号Ipに含まれるガス圧力の動的変動による影響を除去しやすくなる。一般にガス圧力の動的変動に対する酸素センサ10や圧力センサ20の挙動、例えば圧力変化に対してそれぞれの信号が応答する応答速度は異なることが多い。そのため、酸素センサ10や圧力センサ20から、直接、それぞれの信号が演算部38に入力される場合には、圧力変化に応じて値の応答の程度が異なる信号が入力される状況が発生する。すると、演算部38において適切な補正が行われず、酸素濃度への補正精度の向上を図ることができなかった。
これに対して本実施形態では、第1応答調整部34および第2応答調整部36においてポンプ電流信号Ipおよび圧力信号Pのうち、応答速度が速い信号を応答速度が遅い信号に近づける調整を行った上で、調整後ポンプ電流信号Ipadjおよび調整後圧力信号Padjを演算部38に入力している。つまり、ポンプ電流信号Ipおよび圧力信号Pの間の応答の程度差が小さくなる。その結果、演算部38において適切な補正が行われやすくなり、酸素濃度への補正精度の向上が図りやすくなる。
さらに、第1遅延調整部35および第2遅延調整部37を設けることにより、演算部38におけるポンプ電流信号Ipおよび圧力信号Pの遅延時間差が小さくなるため、ポンプ電流信号Ipに含まれるガス圧力の動的変動による影響を除去しやすくなる。一般に酸素センサ10と圧力センサ20とでは、圧力変化に対してそれぞれの信号の値が反応し始めるまでの時間である遅延時間は異なることが多い。そのため、酸素センサ10や圧力センサ20から、直接、それぞれの信号が演算部38に入力される場合には、圧力変化に応じて値が変化した信号と、変化していない信号とが入力される状況が発生する。すると、演算部38において適切な補正が行われず、酸素濃度への補正精度の向上を図ることができなかった。
これに対して本実施形態では、第1遅延調整部35および第2遅延調整部37においてポンプ電流信号Ipおよび圧力信号Pのうち、遅延時間が短い信号を遅延時間が長い信号に近づける調整を行った上で、ポンプ電流信号Ipおよび圧力信号Pを演算部38に入力している。つまり、圧力変化に応じて値が変化した信号と、値が変化していない信号とが入力される期間が短縮されることになる。その結果、演算部38において適切な補正が行われやすくなり、酸素濃度への補正精度の向上が図りやすくなる。
なお、上述の実施形態では、酸素濃度を算出する際に式(3)を用いる例に適用して説明したが、上述の式(3)における指数部分(−A・Ipadj・(B+Padj)/Padj)をテイラー展開した式を用いて酸素濃度を算出してもよく、特に限定するものではない。
また、上述の実施形態では、酸素センサ10の電流値Ipを出力値として用いたが、これに限らず、酸素センサ10の電圧値Vpを出力値として用いても良い。なお、上述の実施形態に適用されるガスセンサは酸素センサ10に限定されず、NOx等の酸素以外の特定成分濃度を検出するガスセンサに適用することができる。
また、上述の実施形態では、まず、それぞれの信号(センサ出力信号Ipおよび圧力信号P)の応答速度を初めに調整し、その後に遅延時間を調整するようにしたが、これに限らず、それぞれの信号の遅延時間を初めに調整し、その後に遅延時間を調整するようにしても良い。さらに、センサ出力信号Ipおよび圧力信号Pの圧力変化に対する挙動のずれは、遅延時間よりも応答速度に大きく現れる傾向があるため、遅延時間については調整せず、それぞれの信号の応答速度のみを調整するだけでも、センサ出力信号Ipに含まれるガスの圧力による影響を圧力信号Pに基づいて効果的に補正することができる。
1…センサ制御システム、10…酸素センサ(ガスセンサ)、20…圧力センサ、30…エンジンコントロールユニット(センサ制御装置)、34…第1応答調整部、35…第1遅延調整部、36…第2応答調整部、37…第2遅延調整部、38…演算部、40…内燃機関、S11,S13…取得ステップ、S12,S14…応答調整ステップ、遅延調整ステップ、S15…算出ステップ、Ip…ポンプ電流信号(センサ出力信号)、P…圧力信号

Claims (5)

  1. 内燃機関に設けられた流路内を流れるガスに含まれる特定ガス成分の濃度に応じてガスセンサから出力されるセンサ出力信号、および、前記ガスの圧力を測定する圧力センサから出力される圧力信号が入力され、前記特定ガス成分の濃度である特定成分濃度であって、前記センサ出力信号に含まれる前記ガスの圧力による影響を前記圧力信号に基づいて補正した特定成分濃度を算出する演算部が設けられたセンサ制御装置であって、
    前記センサ出力信号および前記圧力信号が前記演算部に入力される前に、前記ガスの圧力変化に対する前記センサ出力信号の応答速度を調整する第1応答調整部、および、前記ガスの圧力変化に対する前記圧力信号の応答速度を調整する第2応答調整部を設け、前記第1応答調整部および前記第2応答調整部により、前記センサ出力信号または前記圧力信号のうち、前記応答速度が速い信号を、前記応答速度が遅い信号に近づける調整を行う応答調整部が設けられていることを特徴とするセンサ制御装置。
  2. 前記センサ出力信号および前記圧力信号が前記演算部に入力される前に、前記ガスの圧力変化に対して前記センサ出力信号が反応し始めるまでの時間である遅延時間を調整する第1遅延調整部、および、前記ガスの圧力変化に対して前記圧力信号が応答し始めるまでの時間である遅延時間を調整する第2遅延調整部を設け、前記第1遅延調整部および前記第2遅延調整部により、前記センサ出力信号または前記圧力信号のうち、前記遅延時間が短い信号を、前記遅延時間が長い信号に近づける調整を行う遅延調整部が、更に設けられていることを特徴とする請求項1記載のセンサ制御装置。
  3. 内燃機関に設けられた流路内を流れるガスに含まれる特定ガス成分の濃度に応じた出力値を出力するガスセンサと、
    前記ガスの圧力を測定する圧力センサと、
    請求項1または2に記載のセンサ制御装置と、
    が設けられていることを特徴とするセンサ制御システム。
  4. 内燃機関に設けられた流路内を流れるガスに含まれる特定ガス成分の濃度に応じてガスセンサから出力されるセンサ出力信号、および、前記ガスの圧力を測定する圧力センサから出力される圧力信号を取得する取得ステップと、
    前記センサ出力信号および前記圧力信号における、前記ガスの圧力の変化に対して信号が応答する応答速度を調整するステップであって、前記ガスの圧力変化に対する前記センサ出力信号の応答速度を調整する第1応答調整部、および、前記ガスの圧力変化に対する前記圧力信号の応答速度を調整する第2応答調整部を設け、前記第1応答調整部および前記第2応答調整部により、前記センサ出力信号または前記圧力信号のうち、前記応答速度が速い信号を、前記応答速度が遅い信号に近づける調整を行う応答調整ステップと、
    調整後の前記センサ出力信号および前記圧力信号に基づいて前記特定ガス成分の濃度である特定成分濃度を算出するステップであって、前記センサ出力信号に含まれる前記ガスの圧力による影響を前記圧力信号に基づいて補正した特定成分濃度を算出する算出ステップと、
    を有することを特徴とするセンサ制御方法。
  5. 前記取得ステップおよび前記算出ステップの間に、前記センサ出力信号および前記圧力信号における、前記ガスの圧力の変化に対して信号が反応し始めるまでの時間である遅延時間を調整するステップであって、前記ガスの圧力変化に対して前記センサ出力信号が反応し始めるまでの時間である遅延時間を調整する第1遅延調整部、および、前記ガスの圧力変化に対して前記圧力信号が応答し始めるまでの時間である遅延時間を調整する第2遅延調整部を設け、前記第1遅延調整部および前記第2遅延調整部により、前記センサ出力信号または前記圧力信号のうち、前記遅延時間が短い信号を、前記遅延時間が長い信号に近づける調整を行う遅延調整ステップを更に有することを特徴とする請求項4記載のセンサ制御方法。
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