JP5897757B1 - 包装用治具 - Google Patents
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Abstract
Description
このように商品の中身自体の優劣を競うに留まらず、その外観に対する美観を如何に発揮させるかについて日々企業努力が払われている。
このような背景のもと、近年では包装紙を用いて商品の美観を高める工夫がなされており、デザイン選択の自由度が高くコストがさほどかからないことから広く産業界において注目度が増している。
しかしながら現状の製造態様では、作業者が手作業で一枚ずつ包装作業を行っているため、どうしても包装後の商品の外観が画一的にならず、同一の商品でも異なった印象を与えてしまう程度に商品の外観にバラつきが出てくることがあった。
例えば下記特許文献1では、瓶口蓋等の容器上部を覆う掛け紙に安定した折り癖をつけるため、複数の成形羽根と固定型とを用いてこれら機構を機械的に動作させて掛け紙に安定した折り癖を付与する技術が提案されている。
また、下記特許文献2によれば、瓶口頂部の外周に沿って封緘紙を放射状に折込む複数の凸状押板を備える封緘紙押え手段1と、封緘紙を一定な形状に折込んだ後に折られた封緘紙を外側より絞り込む絞り込み手段2を用いて、封緘紙が瓶口外周に一定した外観形状を呈するようにした技術が提案されている。
特に季節性のある商品はその時期に最適な数量を適切に導入することが求められるので、如何に商品の意匠性が向上して競争力が上がるとしても、そのために過剰な時間やコストがかかって販売機会を損ねてしまうことは避けねばならない。
また、上記した(1)又は(2)に記載の包装用治具においては、(3)隣り合う前記第1壁部材と前記第2壁部材の間には間隙が形成されてなることが重要となる。かような間隙が存在しない(又は間隙があっても極めて狭い)と包装紙が適切に折りたためず仕上がり時の美観に悪影響を及ぼすからである。
また、上記した(1)〜(3)の包装用治具においては、(4)前記壁部材を収容する矩形開口を有する枠体をさらに備え、前記矩形開口で規定される包装紙が前記壁部材によりガイドされて前記容器に前記包装紙が包装されることが好ましい。
≪第1実施形態≫
<包装用治具>
図1は、第1実施形態に係る包装用治具1Aを平面側から見た際の斜視図である。
本実施形態の包装用治具1Aは、被包装材Sの少なくとも一部が通過可能な円孔21を備えた底板2と、この円孔21に臨むように底板2上に設置されて底板2からの高さが互いに異なる複数種類の壁部材3を少なくとも含んでなる。
底板2は、包装用治具1Aの土台となる部位であり、例えば木片や樹脂、金属などで形成される。本実施形態では、底板2は矩形(例えば正方形)の板であるが、外形は矩形に限られずに円形状でも楕円形状でもよい。
円孔21は、本実施形態では底板2のほぼ中央に形成されている。この円孔21は、後述する包装処理の際に、被包装材Sの一部(例えばジュレの上面)が通過可能な程度の大きさを備えている。したがって、この円孔21の大きさは、包装される被包装材Sの大きさに依存するが特に制限はない。
また、底板2の厚みについても特に制限はなく、例えば底板2の厚みとして数mm〜数cm程度あれば充分である。
また、本実施形態では、底板2に円孔21が形成される例について説明するが、円孔21は必ずしも円である必要はなく、被包装材Sの外形に応じて楕円の孔や矩形の孔など適宜用いることができる。
図2から明らかなとおり、本実施形態の壁部材3(第1壁部材31と第2壁部材32)は底板2上に設置されるのであるが、円孔21に臨む部位が突出していることにも特徴がある。すなわち、壁部材3は、円孔21の中心側に向けて、円孔21の縁eより突出するように配置されてなる。
上述したとおり、壁部材3は複数の種類から構成されてなり、本実施形態では底板2から第1の高さH1を有する第1壁部材31と、底板2から第1の高さH1と異なる第2の高さH2を有する第2壁部材32とを含んでいる。(この「底板からの高さ」の定義については後述する。)
なお、本実施形態では、第1の高さH1は第2の高さH2よりも高く、すなわちH1>H2の関係が成り立っている。
なお、枠体4と壁部材3との位置関係は上記に限られず、例えば矩形の枠体4のうち四隅の角に対応して第1壁部材31が円孔21に臨むように配置される一方で、矩形の枠体4のうち四辺の中央に対応して第2壁部材32が円孔21に臨むように配置されていてもよい。
以下、この壁部材3の突出量について図4を用いて説明する。
図4は本発明の第1実施形態に係る包装用治具1Aのうち、円孔21からの壁部材3の突出量を説明するための底面図である。
本実施形態では、第1壁部材31の突出量P1は第2壁部材32の突出量P2と実質的に等しくなっており、P1=P2の関係が成り立っている。
まず図5に包装用治具1Aを上方から見た際の図を示す。
同図から明らかなとおり、隣り合う第1壁部材31と第2壁部材32の間には間隙cが形成されている。そして本実施形態では、隣り合う第1壁部材31と第2壁部材32の間の間隔は一様ではなく、場所により異なる大きさの間隙が形成されている。
なお、隣り合う第1壁部材31と第2壁部材32の間の間隔cは一様であってもよく、その場合には円孔21の周方向に沿って第1間隙c1又は第2間隙c2のいずれかが配置される。
換言すれば、仮に図5に示すとおり円孔21の中心を原点として矩形の枠体4の対角を通る直線を基準にそれぞれX軸とY軸を設定した場合、第1壁部材31と第2壁部材32はこれらX軸またはY軸に関して対称に配置されているとも言える。
この図6のうち(a)は第2壁部材32の仕様を示しており、(b)は第1壁部材31の仕様を示している。
まず図6(a)に基づいて第2壁部材32の詳細な構成について説明する。
本実施形態では、第2壁部材32の臨側面x2を構成する上辺と下辺はそれぞれs2とt2であり、高さはh2である。なお、本実施形態では、臨側面x2を構成するs2とt2の値は互いに等しくなっている。一方で頂面y2を構成する二辺は、それぞれu2とw2である。なお、第2壁部材32の底面は、底板2上にガタつきなく配置可能な程度の水平面となっている。そしてこの頂面y2と臨側面x2の間にはテーパー面tp2が設けられており、上記した水平面に対するテーパー面tp2の角度はα2となっている。また、頂面y2は、底面と平行であってこの底面からの高さがh4となっている。なお、頂面y2は底面によりも面積が小さく、第2壁部材32の底面を構成する二辺はそれぞれu2とv2となっている。したがって図6(a)から明らかなとおり、v2>w2となっている。
本実施形態では、第1壁部材31の臨側面x1を構成する上辺と下辺はそれぞれs1とt1であり、高さはh1である。なお、本実施形態では、臨側面x1を構成するs1とt1の値は互いに等しくなっている。一方で頂面y1を構成する二辺は、それぞれu1とw1である。なお、第1壁部材31の底面も、第2壁部材32と同様に、底板2上にガタつきなく配置可能な程度の水平面となっている。そしてこの頂面y1と臨側面x1の間にはテーパー面tp1が設けられており、上記した水平面に対するテーパー面tp1の角度はα1となっている。また、頂面y1は、底面と平行であってこの底面からの高さがh3となっている。なお、頂面y1は底面によりも面積が小さく、第1壁部材31の底面を構成する二辺はそれぞれu1とv1となっている。したがって図6(b)から明らかなとおり、v1>w1となっている。
本実施形態の包装用治具1Aでは、以下のごとき特徴を有していてもよい。
まずテーパー面tpの角度αについては、第1壁部材31の角度α1と第2壁部材32の角度α2の関係は、α1>α2となっている。なお、代替として、α1とα2とが実質的に等しく(α1=α2)なっていてもよい。
第1壁部材31のs1(もしくはt1)の値は、第2壁部材32のs2(もしくはt2)よりも小さい。
第1壁部材31のh1の値は、第2壁部材32のh2よりも大きい。
第1壁部材31のh3の値は、第2壁部材32のh4よりも大きい。
第1壁部材31のu1の値は、第2壁部材32のu2よりも小さい。
x1<x2 ,y1<y2
第1壁部材31の臨側面x1の面積(s1×h1)は、第2壁部材32の臨側面x2の面積(s2×h2)よりも小さい(すなわちx1の面積<x2の面積となっている)。なお、代替としては、上記x1の面積は、上記x2の面積と実質的に等しくなっていてもよい(すなわちx1の面積=x2の面積となっている)。
第1壁部材31の頂面y1の面積(u1×w1)は、第2壁部材32の頂面y2の面積(u2×w2)よりも小さい(すなわち、y1の面積<y2の面積となっている)。なお、代替としては、上記y1の面積は、上記y2の面積と実質的に等しくなっていてもよい(すなわち、y1の面積=y2の面積となっている)。
次に、図7を用いて本実施形態の包装処理について説明する。
図7から明らかなとおり、被包装材Sを包装紙Wでラッピングする態様は大別して二通り考えられる。
まず図7(a)で示される包装処理の例について説明する。
次いで被包装材Sの降下を継続させることで、壁部材3の臨側面xが包装紙Wをガイドする機能を果たし、まず底板2からの高さが高い第1壁部材31の臨側面x1によって包装紙Wが折り曲げられる。
このように、所定の時間差をもって第1壁部材31と第2壁部材32とで包装紙Wが折り曲げられることで、綺麗に且つ再現性高く被包装材Sに包装紙Wがラッピングされる。また、包装用治具1Aに対して被包装材Sを降下させるだけなので、作業者のスキルに関わらず画一的な包装(包装紙の折り曲げ)処理が実現できる。
この例では、まず作業者は作業台などに被包装材Sを固定載置して準備を行う。その後、作業者は、包装用治具1Aの壁部材3などが下方を向くように(すなわち被包装材Sと対向するように)下向きにして、枠体4の内側に包装紙Wを設置する。なお、このとき包装紙Wが重力などで落下しないように粘着剤などで仮留めしておくことが望ましい。
なお、本実施形態では、一つの被包装材Sに対して一枚の包装紙Wをラッピングする例を説明したが、一つの被包装材Sに対して包装用治具1Aを用いて複数枚の包装紙Wをラッピングしてもよい。
また、上記した2つの例では、被包装材Sと包装用治具1Aのいずれかを固定して包装処理を行ったが、相対的に移動可能であれば双方を動かして包装処理を行ってもよい。
次に本発明の第2実施形態について、図8及び図9を参照して説明する。
第1実施形態においては第1壁部材31と第2壁部材32の対向する側面は円孔21から遠ざかるにつれてリニアに離間していくような形態であったが、本実施形態の壁部材3は隣接する他の壁部材に対して近づく方向に飛び出る曲部を備えている点に主として特徴がある。
よって以下では第1実施形態との相違点について主として説明し、第1実施形態と同じ構成あるいは機能を有する要素については第1実施形態と同一の符号を付してその説明を適宜省略する。
したがって、第1壁部材33の曲部33aと第2壁部材34の曲部34aとは、所定の隙間を隔てて対向して底板2上に配置されている。
すなわち、図8からも明らかなとおり、これらの曲部を備えることで、円孔21の縁e付近の間隙cは、円孔21から遠ざかるにつれて徐々に狭くなっていく構造となっている。
したがって、図10に示すとおり、上記した包装処理時に包装紙Wがこの間隙c内を通過するときは、徐々に狭くなる間隙cによって比較的綺麗な折り目が包装紙Wに形成される。
よって、本実施形態によれば、包装紙Wが壁部材3によりガイドされて折り曲がる際に包装紙Wの一部がこの間隙cで綺麗な折り目となるので、これにより仕上がりがより綺麗な包装処理が実現される。
次に本発明の第3実施形態について、図11及び図12を参照して説明する。
第1実施形態および第2実施形態においては互いに異なる高さの複数種類の壁部材を設置する例について説明したが、本実施形態では底板2からの高さが略等しい壁部材を用いるとともに円孔21からの突出量を異ならせる点に主として特徴がある。
よって以下では上記各実施形態との相違点について主として説明し、上記各実施形態と同じ構成あるいは機能を有する要素については同一の符号を付してその説明を適宜省略する。
上述したとおり、このH3とH4の値は実質的に等しく、本実施形態ではH3=H4の関係が成り立っている。
なお、第1壁部材35の周方向の長さLと第2壁部材36の周方向の長さLとの関係は、上記した第1実施形態と同様であるが、特にこれに限定はされない。
すなわち、本実施形態では、第1壁部材35の突出量P3は、第2壁部材36の突出量P4よりも大きく、P3>P4の関係が成り立っている。
なお、本実施形態では1壁部材35と第2壁部材36の底板2からの高さを略同等としたが、例えばH3>H4とするなど互いに異ならせてもよい
なお、以下の変形例においても、既述の構成と同じ機能・作用を奏するものは同じ参照番号を付し、その説明は適宜省略する。
図13は、上記各実施形態に適用が可能な壁部材3の変形例を示す構成図である。
この変形例に係る壁部材3は、第1壁部材37と第2壁部材38を含んで構成されている。そして以下で特段に説明する点を除き、第1壁部材37と第2壁部材38は上記した第1実施形態の壁部材3と同様な構成となっている。
なお、本変形例では第1壁部材37と第2壁部材38の双方の臨側面xが周曲面となっているが、少なくとも一方の臨側面xが周曲面となっていればよい。よって以下では、第1壁部材37の臨側面xを例にして説明する。
なお、本発明の「周曲面」は上記に限られず、例えば被包装材Sの包装面の曲率(上記したジュレではカップの開口の曲率など)に沿って曲がる面となっていてもよい。
また、図14に示すように、壁部材3の底板2上における位置を調整可能としてもよい。具体的には、まず底板2上の壁部材3が設置される箇所に対応させて、嵌合溝22を底板2上にそれぞれ円孔21の中心に対して放射状に設ける。一方で、壁部材3に対しては、上記嵌合溝22と嵌合する凸部39を壁部材3の底面に設ける。
これにより、底板2上における壁部材3の位置を調整することができるので、円孔21の縁からの突出量Pも何時でも調整可能となる。
より具体的には、例えば図15に示されるように、プラスチック等の樹脂を射出成形することで壁部材3などをシェル状(薄肉)の形状に成形できる。なお、図15のうち(a)は包装用治具1Dを底面側から、(b)は包装用治具1Dを平面側から見た際の斜視図となっている。
より具体的には、例えば図16に示される包装用治具1Eは、平面視が円状の底板2Aと円筒状の枠体4Aを有して構成されている。したがって包装処理時には、この円筒状の枠体4A内に収まるような外形が丸い包装紙Wを被包装材Sに包装することができる。なお、図16のうち(a)は包装用治具1Eを平面側から見た際の平面図を、(b)は包装用治具1Eを平面側から見た際の斜視図を、(c)は包装用治具1Eを底面側から見た平面図となっている。また、図16では円状の底板2Aを例示したが、楕円状の底板および枠体であってもよい。
なお、上記した各実施形態および変形例の要素は、これを適宜組み合わせて包装用治具を構成してもよい。
2、2A 底板
3 壁部材
4、4A 枠体
21 円孔
22 嵌合溝
31、33、35、37 第1壁部材
32、34、36、38 第2壁部材
33a、34a 曲部
39 凸部
S 被包装材
W 包装紙
e 円孔の縁
P 突出量
H 底板からの高さ
L 周方向の長さ
x 臨側面
α テーパー角
c 間隙
Claims (2)
- 被包装材の少なくとも一部が通過可能な孔を備えた底板と、
前記孔に臨むように前記底板上に設置されるとともに、前記底板からの高さが互いに異なる複数種類の壁部材と、
前記壁部材を収容する矩形開口を有する枠体と、を有し、
前記矩形開口で規定される包装紙が前記壁部材によりガイドされた状態で前記被包装材が当該包装紙で包装可能であり、
前記壁部材は、
(A)前記孔の中心側に向けて、前記孔の縁より当該壁部材の一部が突出するよう前記底板の上に配置されてなり、
(B)前記底板から第1の高さを有する第1壁部材と、前記底板から前記第1の高さと異なる第2の高さを有する第2壁部材とを含み、
(C)前記第1壁部材と前記第2壁部材は、前記孔の周囲において交互に並んで配置され、
(D)前記第1壁部材と前記第2壁部材は、互いに接触しないように間隙を隔てて前記底板の上に配置され、当該間隙内に前記包装材の一部が挿入可能とされ、
(E)前記第1壁部材と前記第2壁部材の対向する側面は、前記孔から遠ざかるにつれて離間していくよう配置され、且つ、
(F)前記第1壁部材が前記孔の縁より突出する量と、前記第2壁部材が前記孔の縁より突出する量は、互いに等しいことを特徴とする包装用治具。 - 前記孔の周方向における前記第1壁部材の長さと、前記周方向における前記第2壁部材の長さとが、互いに異なる請求項1に記載の包装用治具。
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