JP5896432B1 - 検査装置および搬送システム - Google Patents

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Abstract

【課題】コストを増大させることなく、検査にかかるオペレータの時間と手間を省くことが可能な検査装置および当該検査装置を備えた搬送システムを提供する。【解決手段】動力伝達部材23を介してモータMの動力を駆動輪Tに伝達する台車20を検査するための検査装置であって、モータMおよび駆動輪Tの一方を停止させた状態で他方を回転させることにより、停止中の台車20を前方向および後方向の少なくとも一方に移動させる台車移動部102a、102bと、台車移動部102a、102bで移動させる前の台車20までの距離X0および台車移動部102a、102bで移動させた後の台車20までの距離X1、X2を測定する測定部104と、測定部104の測定結果に基づいてメンテナンスが必要な台車か否かの第1判定を行う判定部と、を備えたことを特徴とする。【選択図】図7

Description

本発明は、台車を検査するための検査装置および当該検査装置を備えた搬送システムに関する。
従来から、減速機およびチェーンを介して駆動用モータの動力を駆動輪に伝達する走行駆動系を備えた台車が知られている(例えば、特許文献1参照)。このような台車では、使用期間が長くなるとチェーンが伸びたり、摩耗によりバックラッシが大きくなったりすることがある。このため、オペレータは、定期的に台車の走行駆動系を検査し、走行不能になる故障(エラー)が発生する前に走行駆動系のメンテナンスを行うことが好ましい。
しかしながら、複数(例えば、100台以上)の台車を走行させる搬送システムにおいて、オペレータが台車を1台1台検査するとなると、多大な時間と手間を要する。一方で、オペレータの手間を省くため各台車に走行駆動系の自己診断機能を装備させるとなると、システム全体のコストが増大してしまう。
特許第2764885号公報
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その課題とするところは、コストを増大させることなく、検査にかかるオペレータの時間と手間を省くことが可能な検査装置および当該検査装置を備えた搬送システムを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る第1の検査装置は、
動力伝達部材を介してモータの動力を駆動輪に伝達する走行駆動系を備えた台車を検査するための検査装置であって、
台車を前方向から台車の走行抵抗よりも大きく駆動輪のスリップ力よりも小さな力で押圧する第1プッシャーと、台車を後方向から台車の走行抵抗よりも大きく駆動輪のスリップ力よりも小さな力で押圧する第2プッシャーとを含み、モータが回転しないように所定の停止位置に停止させた台車を第1プッシャーおよび第2プッシャーで押圧して駆動輪を回転させることにより、停止中の台車を走行駆動系の状態に応じて前方向および後方向の少なくとも一方に移動させる台車移動部と、
第1プッシャーで押圧した後の台車までの第1距離および第2プッシャーで押圧した後の台車までの第2距離を測定する第1測定を行う測定部と、
第1距離および第2距離に基づいて、走行駆動系のメンテナンスが必要な台車か否かの第1判定を行う判定部と、を備えたことを特徴とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る第2の検査装置は、
動力伝達部材を介してモータの動力を駆動輪に伝達する走行駆動系を備えた台車を検査するための検査装置であって、
台車の停止位置に設けられた傾斜手段と、台車を台車の走行抵抗よりも大きく駆動輪のスリップ力よりも小さな力で押圧するプッシャーとを含み、駆動輪が傾斜手段の傾斜面上に位置するように停止位置で停止し、かつモータが回転しないようにした台車を、傾斜面の高さの低い方の側からプッシャーで押圧して駆動輪を回転させることにより、停止中の台車を走行駆動系の状態に応じて傾斜面の高さの高い方の側に移動させる台車移動部と、
停止位置で停止した台車までの第1距離およびプッシャーで押圧した後の台車までの第2距離を測定する第2測定を行う測定部と、
第1距離および第2距離に基づいて、走行駆動系のメンテナンスが必要な台車か否かの第1判定を行う判定部と、を備えたことを特徴とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る第3の検査装置は、
動力伝達部材を介してモータの動力を駆動輪に伝達する走行駆動系を備えた台車を検査するための検査装置であって、
台車の停止位置に駆動輪の一部がモータを回転させたときに脱出可能な状態で収まる凹部を形成する凹部形成手段と、モータを正回転および逆回転させるための回転指示手段とを含み、駆動輪の一部が凹部に収まった状態で停止位置に停止した台車のモータを回転指示手段で正回転および逆回転させることにより、駆動輪を凹部から脱出させて台車を前方向および後方向に移動させる台車移動部と、
停止位置で停止した台車までの距離を測定し、回転指示手段によるモータの正回転により距離が変化し始めたときのモータの第1回転量と、回転指示手段によるモータの逆回転により距離が変化し始めたときのモータの第2回転量とを取得する第3測定を行う測定部と、
第1回転量および第2回転量に基づいて、走行駆動系のメンテナンスが必要な台車か否かの第1判定を行う判定部と、を備えたことを特徴とする。
上記検査装置では、判定部は、停止位置で停止した台車までの距離に基づいて、停止精度に関するメンテナンスが必要な台車か否かの第2判定を行うよう構成できる。
上記検査装置では、測定部は、
台車に設けられた上下移動可能なリフターが第1位置にあるときに、リフターの前面または後面に照射した光の反射光によりリフターの前面または後面までの第4距離を測定する第1光学センサと、
第1光学センサの上方に設けられ、リフターが第1位置よりも上方の第2位置にあるときにリフターの前面または後面に照射した光の反射光によりリフターの前面または後面までの第6距離を測定する第2光学センサと、
リフターが第1位置にあるときにリフターの横面に照射した光の反射光によりリフターの横面までの第5距離を測定する第3光学センサと、
第3光学センサの上方に設けられ、リフターが第2位置にあるときにリフターの横面に照射した光の反射光によりリフターの横面までの第7距離を測定する第4光学センサと、を含み、
判定部は、第4距離と第6距離との比較および第5距離と第7距離との比較に基づいて、リフターのメンテナンスが必要な台車か否かの第3判定を行うよう構成できる。
上記検査装置では、測定部は、台車の天面に照射した光の反射光により天面までの距離を測定する第5光学センサを含み、
判定部は、第5光学センサで測定した天面までの距離に基づいて、車高に関するメンテナンスが必要な台車か否かの第4判定を行うよう構成できる。
上記検査装置では、測定部は、台車の前面に設けられた反射型センサの出力光を反射させる反射板を含み、反射板と反射型センサとの距離が予め設定された距離となるように反射板を移動させ、
判定部は、反射型センサが反射板からの反射光を認識したときに出力する信号が、反射板の移動から所定秒以内に入力されたか否かに基づいて、反射型センサのメンテナンスが必要な台車か否かの第5判定を行うよう構成できる。
上記検査装置では、測定部は、
台車の走行ルートに設けられたトロリーの一部をなすとともに、トロリーから分離して配置された測定用トロリーと、
台車に設けられた集電アームが測定用トロリーに接触した状態で、測定用トロリーに流れる電流を測定する電流測定手段と、を含み、
判定部は、電流測定手段で測定した電流値に基づいて、漏れ電流に関するメンテナンスが必要な台車か否かの第6判定を行うよう構成できる。
また、上記課題を解決するために、本発明に係る搬送システムは、
路面に並設されたガイドレールおよびトロリーからなる走行ルートと、
動力伝達部材を介してモータの動力を駆動輪に伝達する走行駆動系を備えた複数の台車と、
上記いずれかの検査装置が設置された検査ステーションと、を含み、
複数の台車は、それぞれが所定の時間間隔で検査ステーション内に停止し、検査装置と相互に通信を行い、
検査装置は、検査ステーション内に停止した台車の検査を自動的に行う
ことを特徴とする。
本発明によれば、コストを増大させることなく、検査にかかるオペレータの時間と手間を省くことが可能な検査装置および当該検査装置を備えた搬送システムを提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る搬送システムの構成を示す図である。 第1実施形態における台車の主要部を示す透過平面図である。 第1実施形態における台車と走行ルートとの関係を示す正面図である。 第1実施形態に係る検査装置の平面図である。 (A)第1実施形態に係る検査装置の背面図である。(B)第1実施形態に係る検査装置の正面図である。 第1実施形態における台車と測定用トロリーとの関係を示す平面図である。 第1実施形態に係る検査装置による走行駆動系の測定(第1測定)を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る検査装置の平面図である。 第2実施形態に係る検査装置による走行駆動系の測定(第2測定)を示す図である。 本発明の第3実施形態に係る検査装置の平面図である。 第3実施形態に係る検査装置による走行駆動系の測定(第3測定)を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明に係る検査装置および搬送システムの実施形態について説明する。
[第1実施形態]
(搬送システム)
図1に、本発明の第1実施形態に係る搬送システム1を示す。搬送システム1は、路面に並設されたガイドレール11およびトロリー12からなる走行ルート10と、走行ルート10を走行する複数(例えば、100台以上)の台車20と、走行ルート10に設けられた検査ステーションSTと、を含んでいる。検査ステーションSTには、本発明の第1実施形態に係る検査装置100Aが設置されている。
台車20は、図4に示す管理機200の管理下で、ガイドレール11に沿って自動走行するレール式の無人搬送車である。台車20は、図2に示すように、車体21天面に昇降自在に構成されたリフター22を備えている。
台車20の車体21下部には、ガイドレール11と直交する短手方向の一方側(右側)中央に、駆動用モータMによって回転駆動される駆動輪(ドライブ輪)Tが設けられている。駆動用モータMには減速機Gおよび第1スプロケット(不図示)が同軸上に設けられており、駆動輪Tには第1スプロケットよりも大型の第2スプロケット(不図示)が同軸上に設けられている。第1スプロケットと第2スプロケットとの間には、本発明の「動力伝達部材」に相当するチェーン23が設けられている。これにより、駆動用モータMの動力(回転運動)がチェーン23を介して駆動輪Tに伝達される。また、チェーン23を使用することにより、駆動用モータMおよび減速機Gを車体21中央から離れた位置(本実施形態では、前側)に設けることができるので、車体21中央にリフター22を収納するスペースを確保することができる。
車体21下部における短手方向の他方側(左側)には、前側に第1従動輪(第1キャスター輪)Taが設けられており、後側に第2従動輪(第2キャスター輪)Tbが設けられている。
車体21下部における短手方向の中央には、ガイドレール11に沿った長手方向の一方側(前側)に4つのガイドローラを備えた平面視矩形状の第1ガイドローラユニット24aが設けられており、長手方向の他方側(後側)に4つのガイドローラを備えた平面視矩形状の第2ガイドローラユニット24bが設けられている。
第1ガイドローラユニット24aの4つのガイドローラは、2個ずつのガイドローラでガイドレール11を挟むように、第1ガイドローラユニット24aの四隅に配置されている。第1ガイドローラユニット24aのトロリー12側の側面には、一対の集電アーム25を備えた集電アームユニット26が設けられている。一対の集電アーム25は、前後方向のピッチがガイドローラの前後方向のピッチと同程度(例えば、300mm)になるように配置されている。集電アーム25は、台車20がトロリー12から電力の供給を受けるためのものであり、先端部分がトロリー12に押し付けられるように、言い換えれば、トロリー12接触時に所定の押圧力を発生させるように構成されている。
第2ガイドローラユニット24bの4つのガイドローラは、2個ずつのガイドローラでガイドレール11を挟むように、第2ガイドローラユニット24bの四隅に配置されている。第2ガイドローラユニット24bのトロリー12側の側面には、一対の清掃ブラシ27を備えた清掃ブラシユニット28が設けられている。一対の清掃ブラシ27は、前後方向のピッチがガイドローラの前後方向のピッチと同程度(例えば、300mm)になるように配置されている。清掃ブラシ27は、トロリー12に発生する導体のヒゲを除去するためのものであり、先端部分がトロリー12に押し付けられるように、言い換えれば、トロリー12接触時に所定の押圧力を発生させるように構成されている。
車体21正面には、障害物を検出したり車間距離を測定したりする反射型センサ29が設けられている。反射型センサ29は、発光部と受光部とを有し、発光部から発した光を障害物や前方の台車20で反射させ、その反射光を受光部に認識させることで、障害物を検出したり車間距離を測定したりするよう構成されている。
さらに、台車20には、路面またはガイドレール11等に設けられた速度指示手段(例えば、減速用ドグおよび停止用ドグ)を検出するための検出部と、検査装置100Aに対して相互に通信を行い、駆動用モータMやリフター22を制御する台車制御部と、台車番号等の情報が格納された記憶部と、記憶部に格納された情報、停止完了信号およびエンコーダのパルス値等を地上の検査装置100A(制御盤115)に伝えるための通信装置が設けられている。なお、以下では、特に明示した場合を除き、台車20から出力される情報や信号等は通信装置を介して出力されるものとする。
図3に示すように、ガイドレール11およびトロリー12は、路面に形成された断面矩形状の凹部内に並設されている。より具体的には、凹部の底面および両側面に沿って形成された枠体13の下枠13aにガイドレール11が取り付けられており、枠体13の一方側(図3では、右側)の横枠13bにトロリー12が取り付けられている。枠体13の上枠13cには、ガイドレール11と対向する位置にスリットが形成されており、当該スリットの一部と上枠13cとを覆うように、一対のカバー部材14が取り付けられている。なお、図3では、集電アーム25を含む集電アームユニット26を省略しているが、集電アームユニット26は、枠体13内に収まり、かつ集電アーム25の先端部分がトロリー12と接触するように、第1ガイドローラユニット24aに取り付けられている。
(検査装置)
検査装置100Aは、図4に示すように、検査ステーションSTに設置されている。検査装置100Aは、図4および図5に示すように、ハウジング101と、本発明の「台車移動部」に相当する第1プッシャー102aおよび第2プッシャー102bと、本発明の「測定部」に相当する第1光学センサ104、第2光学センサ105、第3光学センサ106、第4光学センサ107、3つの第5光学センサ108、109、110、台車センサ測定手段(反射板111および反射板移動手段112)、漏れ電流測定手段(測定用トロリー113および電流測定手段114)と、「台車移動部」および「測定部」を制御する制御盤(制御部)115と、本発明の「判定部」に相当する管理機200とを含んでいる。なお、制御部115のうち、「台車移動部」を制御する部分は「台車移動部」に相当し、「測定部」を制御する部分は「測定部」に相当するものとする。
ハウジング101は、検査ステーションSTに停止した台車20を覆うように、台車20の左側面に対向した左側板と、台車20の右側面に対向した右側板と、台車20の天面に対向した天板とから構成されている。ハウジング101の左側板、右側板および天板は、例えば、アクリル板で形成される。
第1プッシャー102aおよび第2プッシャー102bは、図4に示すように、それぞれハウジング101右側板の前部および後部に設けられている。
第1プッシャー102aは、台車20の前面右側に接触する接触部と、当該接触部を台車20の前後方向に移動させるシリンダ部とを含んでいる。第1プッシャー102aは、制御部115の制御下で動作する。第1プッシャー102aは、検査ステーションSTに台車20が停止している場合、接触部が台車20に接触可能な測定可能状態となる。すなわち、第1プッシャー102aは、接触部が路面に対して平行になるように回動する。一方、検査ステーションSTから台車20が移動する場合、第1プッシャー102aは、接触部が台車20に接触しない退避状態となるように上方に回動する(図5(B)参照)。このとき、第1プッシャー102aの接触部は路面に対して垂直になる。
第2プッシャー102bは、台車20の後面右側に接触する接触部と、当該接触部を台車20の前後方向に移動させるシリンダ部とを含んでいる。第2プッシャー102bは、制御部115の制御下で動作する。第2プッシャー102bは、検査ステーションSTに台車20が停止している場合、接触部が台車20に接触可能な測定可能状態となる。すなわち、第2プッシャー102bは、接触部が路面に対して平行になるように回動する。一方、検査ステーションSTから台車20が移動する場合、第2プッシャー102bは、接触部が台車20に接触しない退避状態となるように上方に回動する(図5(A)参照)。このとき、第2プッシャー102bの接触部は路面に対して垂直になる。
ハウジング101左側板の後部には、回動アーム103が設けられている。回動アーム103は、図5(A)に示すように、第1光学センサ104および第2光学センサ105が取り付けられたセンサ取付部103aを含んでいる。回動アーム103は、制御部115の制御下で動作し、検査ステーションSTに台車20が停止している場合、センサ取付部103aが台車20の後面左側に対向した測定可能状態となるように回動する一方、検査ステーションSTから台車20が移動する場合、台車20に接触しない退避状態となるように後方に回動する(図4参照)。このとき、回動アーム103のセンサ取付部103aは、ハウジング101左側板に隣接した状態となる。
第1光学センサ104は、制御部115の制御下で台車20までの距離を測定する。具体的には、第1光学センサ104は、図5(A)に示すように台車20のリフター22が「第1位置」(本実施形態では、下限位置)にあるときに、リフター22の後面に照射した光の反射光によりリフター22の後面までの距離を測定する。第1光学センサ104は、回動アーム103が測定可能状態のとき、下限位置にあるリフター22の後面と対向するように、回動アーム103のセンサ取付部103aに設けられている。第1光学センサ104の測定データは、制御部115に出力され、制御部115から判定部200に出力される。
第2光学センサ105は、制御部115の制御下でリフター22までの距離を測定する。具体的には、第2光学センサ105は、図5(A)に示すようにリフター22が「第1位置」よりも上方の「第2位置」(本実施形態では、上限位置)にあるときに、リフター22の後面に照射した光の反射光によりリフター22の後面までの距離を測定する。第2光学センサ105は、回動アーム103が測定可能状態のとき、上限位置にあるリフター22の後面と対向するように、回動アーム103のセンサ取付部103aに設けられている。第2光学センサ105の測定データは、制御部115に出力され、制御部115から判定部200に出力される。
第3光学センサ106は、制御部115の制御下でリフター22までの距離を測定する。具体的には、第3光学センサ106は、図5(A)に示すようにリフター22が「第1位置」(本実施形態では、下限位置)にあるときに、リフター22の左横面に照射した光の反射光によりリフター22の横面までの距離を測定する。第3光学センサ106は、下限位置にあるリフター22の左横面と対向するように、ハウジング101の左側板に設けられている。第3光学センサ106の測定データは、制御部115に出力され、制御部115から判定部200に出力される。
第4光学センサ107は、制御部115の制御下でリフター22までの距離を測定する。具体的には、第4光学センサ107は、図5(A)に示すようにリフター22が「第2位置」(本実施形態では、上限位置)にあるときに、リフター22の左横面に照射した光の反射光によりリフター22の横面までの距離を測定する。第4光学センサ107は、上限位置にあるリフター22の左横面と対向するように、ハウジング101の左側板に設けられている。第4光学センサ107の測定データは、制御部115に出力され、制御部115から判定部200に出力される。
1つ目の第5光学センサ108は、図4に示すように、ハウジング101右側板の中央で、かつ駆動輪Tと対向する位置の上方に設けられている。第5光学センサ108は、制御部115の制御下で車体21天面までの距離を測定する。具体的には、第5光学センサ108は、図5(B)に示すように、駆動輪Tの上方に位置する車体21天面に光を照射して反射させ、その反射光により駆動輪Tの上方に位置する車体21天面までの距離を測定する。例えば、駆動輪Tが摩耗していると、駆動輪Tの上方に位置する車体21天面が下がるので、第5光学センサ108で測定した距離は大きくなる。第5光学センサ108の測定データは、制御部115に出力され、制御部115から判定部200に出力される。
2つ目の第5光学センサ109は、図4に示すように、ハウジング101左側板の前部で、かつ第1従動輪Taと対向する位置の上方に設けられている。第5光学センサ109は、制御部115の制御下で車体21天面までの距離を測定する。具体的には、第5光学センサ109は、図5(B)に示すように、第1従動輪Taの上方に位置する車体21天面に光を照射して反射させ、その反射光により第1従動輪Taの上方に位置する車体21天面までの距離を測定する。例えば、第1従動輪Taが摩耗していると、第1従動輪Taの上方に位置する車体21天面が下がるので、第5光学センサ109で測定した距離は大きくなる。第5光学センサ109の測定データは、制御部115に出力され、制御部115から判定部200に出力される。
3つ目の第5光学センサ110は、図4に示すように、ハウジング101左側板の後部で、かつ第2従動輪Tbと対向する位置の上方に設けられている。第5光学センサ110は、制御部115の制御下で車体21天面までの距離を測定する。具体的には、第5光学センサ110は、第2従動輪Tbの上方に位置する車体21天面に光を照射して反射させ、その反射光により第2従動輪Tbの上方に位置する車体21天面までの距離を測定する。例えば、第2従動輪Tbが摩耗していると、第2従動輪Tbの上方に位置する車体21天面が下がるので、第5光学センサ110で測定した距離は大きくなる。第5光学センサ110の測定データは、制御部115に出力され、制御部115から判定部200に出力される。
台車センサ測定手段は、台車20の前面に設けられた反射型センサ29の出力光を反射させる反射板111と、反射板111を台車20の前後方向に移動させる反射板移動手段(シリンダ部)112とを含んでいる。台車センサ測定手段は、制御部115の制御下で動作する。台車センサ測定手段は、検査ステーションSTに台車20が停止している場合、反射板111が反射型センサ29に対向した測定可能状態となるように回動する一方、検査ステーションSTから台車20が移動する場合、反射板111が台車20に接触しない退避状態となるように上方に回動する(図5(B)参照)。
漏れ電流測定手段は、図6に示すように、トロリー12の一部をなすとともにトロリー12から分離して配置された測定用トロリー113と、台車20に設けられた一対の集電アーム25が測定用トロリー113に接触した状態で測定用トロリー113に流れる電流を測定する電流測定手段114とを含んでいる。電流測定手段114としては、例えば、クランプメータを用いることができる。測定用トロリー113の前側のトロリー12と測定用トロリー113の後側のトロリー12とは、第1ジャンプ配線L1により電気的に接続されている。第1ジャンプ配線L1と測定用トロリー113は、電流測定手段114が介装された第2ジャンプ配線L2により電気的に接続されている。測定用トロリー113および電流測定手段114を含む漏れ電流測定手段は、図5(B)に示すように、路面に形成された凹部内に設けられている。電流測定手段114、第1ジャンプ配線L1および第2ジャンプ配線L2は、例えば、測定用トロリー113の下方に設けることができる。
制御盤(制御部)115は、ハウジング101右側板の外側に取り付けられている。制御部115は、判定部200および検査ステーションSTに停止した台車20と相互に通信を行いつつ、本発明の「台車移動部」および「測定部」の各構成要素を制御する。また、制御部115は、「測定部」の各構成要素から測定データを取得し、当該測定データを台車20の台車番号に関連付けて判定部200に出力する。
判定部200は、制御部115から出力された測定データおよび予め設定された閾値に関するデータを格納する記憶部と、測定データに含まれる測定値や測定データに基づいて生成された台車リスト等を表示する表示部とを備えている。判定部200は、制御部115から出力された測定データおよび記憶部に格納されたデータ(過去の測定データおよび閾値)に基づいて、検査ステーションSTに停止した台車20が、メンテナンスが必要な台車か否かの各種判定を行う。
より詳しくは、判定部200は、
(1)走行駆動系のメンテナンスが必要な台車か否かの判定(第1判定)と、
(2)停止精度に関するメンテナンスが必要な台車か否かの判定(第2判定)と、
(3)リフター22のメンテナンスが必要な台車か否かの判定(第3判定)と、
(4)車高に関するメンテナンスが必要な台車か否かの判定(第4判定)と、
(5)反射型センサ29のメンテナンスが必要な台車か否かの判定(第5判定)と、
(6)漏れ電流に関するメンテナンスが必要な台車か否かの判定(第6判定)と、
を行う。
第1判定は、第1光学センサ104の測定結果に基づいて行われる。
制御部115は、検査ステーションST内に停止した台車20から、走行駆動系の測定(本発明の「第1測定」に相当)を開始する旨の指令が入力されると、回動アーム103を回動させて退避状態から測定可能状態にし、図7(A)に示すように第1光学センサ104で台車20までの距離X0を測定させ、第1光学センサ104の測定データを判定部200に出力する。
第1光学センサ104の測定データが入力された判定部200は、第1判定を開始し、入力された測定データに含まれる距離X0と記憶部に格納された初期データまたは過去の測定データに含まれる距離X0’とを比較する。距離X0と距離X0’とが同じ場合、判定部200は、走行駆動系のメンテナンスが必要な台車ではないと判定して、第1判定を終了する。
一方、距離X0と距離X0’とが異なる場合、チェーン23が伸びていたり、摩耗により第1および第2スプロケットのバックラッシが大きくなったりしている可能性があるので、判定部200は、制御部115に走行駆動系の測定を継続する旨の指令を出力する。
上記指令が入力された制御部115は、図7(B)に示すように、第2プッシャー102bを制御して、台車20の走行抵抗よりも大きく駆動輪Tのスリップ力よりも小さな押圧力(例えば、300[N])で台車20を前方に押す。このとき、例えば、チェーン23の下側が伸びていれば、駆動輪Tが回転して台車20は前方に移動する。また、このとき、駆動用モータMが回転しないように、駆動用モータMには台車制御部の制御下でサーボロックがかかっている。制御部115は、台車20が前方に押されてから所定秒後(台車20が停止した後)に第1光学センサ104で台車20までの距離X1を測定させ、第1光学センサ104の測定データを判定部200に出力する。なお、スリップ力とは、駆動輪Tの回転が止まっているのにもかかわらず、駆動輪Tがスリップして台車20が移動してしまう力のことをいう。
次いで、制御部115は、図7(C)に示すように、第1プッシャー102aを制御して、台車20の走行抵抗よりも大きく駆動輪Tのスリップ力よりも小さな押圧力(例えば、300[N])で台車20を後方に押す。このとき、例えば、チェーン23の上側が伸びていれば、駆動輪Tが回転して台車20は後方に移動する。また、このとき、駆動用モータMが回転しないように、駆動用モータMには台車制御部の制御下でサーボロックがかかっている。制御部115は、台車20が後方に押されてから所定秒後(台車20が停止した後)に第1光学センサ104で台車20までの距離X2を測定させ、第1光学センサ104の測定データを判定部200に出力する。
判定部200は、入力された測定データに基づいて(X1−X2)を算出し、記憶部に格納された所定の閾値T1と比較する。判定部200は、(X1−X2)が閾値T1よりも小さい場合、走行駆動系のメンテナンスが必要な台車ではないと判定して第1判定を終了する一方、(X1−X2)が閾値T1以上の場合、走行駆動系のメンテナンスが必要な台車であると判定し、当該台車20に関する情報(台車番号および測定値等)を表示部に表示させてから、第1判定を終了する。
また、判定部200は、(X1−X2)と閾値T1との比較に代えて、(X1−X2)と記憶部に格納された初期データまたは過去の測定データに基づいて算出した(X1’−X2’)との変化量V1(絶対値)を、記憶部に格納された所定の閾値T2と比較してもよい。この場合、判定部200は、変化量V1が閾値T2よりも小さいときは、走行駆動系のメンテナンスが必要な台車ではないと判定して第1判定を終了する一方、変化量V1が閾値T2以上のときは、走行駆動系のメンテナンスが必要な台車であると判定し、当該台車20に関する情報を表示部に表示させてから第1判定を終了する。
第2判定は、第1光学センサ104の測定結果に基づいて行われる。
制御部115は、検査ステーションST内に停止した台車20から、停止精度測定を開始する旨の指令が入力されると、回動アーム103を回動させて退避状態から測定可能状態にし、第1光学センサ104で台車20までの距離X3を測定させ、第1光学センサ104の測定データを判定部200に出力する。
第1光学センサ104の測定データが入力された判定部200は、第2判定を開始し、入力された測定データに含まれる距離X3と記憶部に格納された初期データまたは過去の測定データに含まれる距離X3’との変化量V2(絶対値)を算出し、当該変化量V2と記憶部に格納された所定の閾値T3とを比較する。
判定部200は、変化量V2が閾値T3よりも小さい場合、停止精度に関するメンテナンスが必要な台車ではないと判定して第2判定を終了する一方、変化量V2が閾値T3以上の場合、停止精度に関するメンテナンスが必要な台車であると判定し、当該台車20に関する情報を表示部に表示させてから、第2判定を終了する。なお、停止精度として±2.5[mm]を保証するのであれば、閾値T3は、その絶対値よりも小さい値、例えば1.5[mm]にすることが好ましい。これにより、オペレータは、走行不能になる故障(エラー)が発生する前に台車20をメンテナンスすることが可能となる。
第3判定は、第1光学センサ104、第2光学センサ105、第3光学センサ106および第4光学センサ107の測定結果に基づいて行われる。
台車20は、検査ステーションST内に停止すると、台車制御部の制御下でリフター22を下限位置に移動させるとともに、リフター22の垂直度測定を開始する旨の指令を出力する。当該指令が入力された制御部115は、回動アーム103を回動させて退避状態から測定可能状態にし、第1光学センサ104でリフター22の後面までの距離X4を測定させると同時に、第3光学センサ106でリフター22の左横面までの距離X5を測定させる。距離X4および距離X5に関する測定データは、判定部200に出力される。
距離X4および距離X5に関する測定データが入力された判定部200は、台車20の台車制御部にリフター22を上限位置に移動させる旨の指令を出力する。当該指令が入力された台車制御部は、リフター22を上限位置に移動させる。制御部115は、所定秒後(リフター22が上限位置に移動後)に第2光学センサ105でリフター22の後面までの距離X6を測定させると同時に、第4光学センサ107でリフター22の左横面までの距離X7を測定させる。距離X6および距離X7に関する測定データは、判定部200に出力される。
判定部200は、第3判定を開始し、距離X4と距離X6とを比較し、両者が一致している場合にリフター22のメンテナンスが必要な台車ではないと判定する一方、両者が異なる場合にリフター22のメンテナンスが必要な台車であると判定して、当該台車20に関する情報を表示部に表示させる。併せて、判定部200は、距離X5と距離X7とを比較し、両者が一致している場合にリフター22のメンテナンスが必要な台車ではないと判定する一方、両者が異なる場合にリフター22のメンテナンスが必要な台車であると判定し、当該台車20に関する情報を表示部に表示させてから、第3判定を終了する。
また、判定部200は、距離X4と距離X6、距離X5と距離X7が一致しているか否かの判定をする代わりに、距離X4と距離X6との差分D1、距離X5と距離X7との差分D2を、記憶部に格納された所定の閾値T4と比較してもよい。この場合、判定部200は、差分D1および差分D2の双方が閾値T4よりも小さいときは、リフター22のメンテナンスが必要な台車ではないと判定して第3判定を終了する一方、差分D1および差分D2の少なくとも一方が閾値T4以上のときは、リフター22のメンテナンスが必要な台車であると判定し、当該台車20に関する情報を表示部に表示させてから、第3判定を終了する。
第4判定は、3つの第5光学センサ108、109、110の測定結果に基づいて行われる。
制御部115は、検査ステーションST内に停止した台車20から、車高測定を開始する旨の指令が入力されると、所定秒後に第5光学センサ108、109、110で台車20までの距離X8、X9、X10を測定させ、第5光学センサ108、109、110の測定データを判定部200に出力する。
第5光学センサ108、109、110の測定データが入力された判定部200は、第4判定を開始し、入力された測定データに含まれる距離X8、X9、X10と記憶部に格納された所定の閾値T5、T6、T7とを比較する。
判定部200は、距離X8が閾値T5よりも小さい場合、距離X9が閾値T6よりも小さい場合、かつ距離X10が閾値T7よりも小さい場合に、車高に関するメンテナンスが必要な台車ではないと判定する。一方、判定部200は、距離X8が閾値T5以上の場合に、車高に関するメンテナンス(特に、駆動輪Tに関するメンテナンス)が必要な台車であると判定し、距離X9が閾値T6以上の場合に、車高に関するメンテナンス(特に、第1従動輪Taに関するメンテナンス)が必要な台車であると判定し、距離X10が閾値T7以上の場合に、車高に関するメンテナンス(特に、第2従動輪Tbに関するメンテナンス)が必要な台車であると判定し、当該台車20に関する情報を表示部に表示させてから、第4判定を終了する。
また、判定部200は、距離X8、X9、X10と閾値T5、T6、T7との比較に代えて、距離X8、X9、X10と記憶部に格納された初期データまたは過去の測定データに含まれる距離X8’、X9’、X10’との各変化量V3、V4、V5(いずれも絶対値)を算出し、各変化量V3、V4、V5と記憶部に格納された所定の各閾値T8、T9、T10とを比較してもよい。この場合、判定部200は、変化量V3が閾値T8よりも小さいとき、変化量V4が閾値T9よりも小さいとき、かつ変化量V5が閾値T10よりも小さいときは、車高に関するメンテナンスが必要な台車ではないと判定して、第4判定を終了する一方、変化量V3が閾値T8以上のときに、車高に関するメンテナンス(特に、駆動輪Tに関するメンテナンス)が必要な台車であると判定し、変化量V4が閾値T9以上のときに、車高に関するメンテナンス(特に、第1従動輪Taに関するメンテナンス)が必要な台車であると判定し、変化量V5が閾値T10以上のときに、車高に関するメンテナンス(特に、第2従動輪Tbに関するメンテナンス)が必要な台車であると判定し、当該台車20に関する情報を表示部に表示させてから、第4判定を終了する。
第5判定は、台車20の反射型センサ29が反射板111からの反射光を認識するか否か(受光したか否か)に基づいて行われる。
検査ステーションST内に停止した台車20から、反射型センサ29の動作確認を開始する旨の指令が入力されると、制御部115は、反射板111を回動させて退避状態から測定可能状態にし、反射板111と反射型センサ29との距離が予め設定された第1距離となるように反射板111を移動させ、台車制御部からの第1信号(反射型センサ29が反射光を認識した旨の信号)待ち状態となり、判定部200は、第5判定を開始する。台車20の台車制御部は、反射型センサ29を動作させ、反射型センサ29が反射光を認識(受光)すると、制御部115に第1信号を出力する。制御部115は、第1信号が入力されると、当該第1信号が入力されたことを示す第2信号を出力する。
判定部200は、第5判定を開始してから所定秒以内に制御部115から第2信号が入力された場合、反射型センサ29のメンテナンスが必要な台車ではないと判定する一方、第5判定を開始してから所定秒以内に制御部115から第2信号が入力されなかった場合、反射型センサ29のメンテナンスが必要な台車であると判定して、当該台車20に関する情報を表示部に表示させる。
判定部200は、上記の判定が終了したときに第5判定を終了してもよいし、反射板111と反射型センサ29との距離を変更して、再度、上記の判定を行ってもよい。例えば、反射板111と反射型センサ29との距離を、第1距離よりも大きい第2距離に変更することで、反射型センサ29の近点と遠点における動作確認を行うことができる。なお、台車制御部は、制御部115に第1信号を出力するとともに、または第1信号を出力する代わりに、判定部200に第2信号を出力してもよい。
第6判定は、電流測定手段114の測定結果に基づいて行われる。
制御部115は、検査ステーションST内の所定位置(一対の集電アーム25が測定用トロリー113に接触する位置)に停止した台車20から、漏れ電流測定を開始する旨の指令が入力されると、電流測定手段114に測定を開始させて、電流測定手段114から測定データを取得し、電流測定手段114の測定データを判定部200に出力する。
電流測定手段114の測定データが入力された判定部200は、第6判定を開始し、測定データに含まれる電流値A1と記憶部に格納された所定の閾値T11とを比較する。判定部200は、電流値A1が閾値T11よりも小さい場合に、漏れ電流に関するメンテナンスが必要な台車ではないと判定する一方、電流値A1が閾値T11以上の場合に、漏れ電流に関するメンテナンスが必要な台車であると判定して、当該台車20に関する情報を表示部に表示させる。
また、判定部200は、電流値A1と閾値T11との比較に代えて、電流値A1と記憶部に格納された初期データまたは過去の測定データに含まれる電流値A1’との変化量V6(絶対値)を算出し、変化量V6と記憶部に格納された所定の閾値T12とを比較してもよい。この場合、判定部200は、変化量V6が閾値T12よりも小さいときに、漏れ電流に関するメンテナンスが必要な台車ではないと判定する一方、変化量V6が閾値T12以上のときに、漏れ電流に関するメンテナンスが必要な台車であると判定して、当該台車20に関する情報を表示部に表示させる。
上述したように、判定部200は、各種判定においてメンテナンスが必要と判定した台車20に関する情報(台車番号および測定値等)を表示部に表示させる。オペレータは、表示部に表示された情報を確認することで、メンテナンスが必要な台車20を容易に把握することができ、さらに、メンテナンスすべきところも容易に把握することができる。
また、判定部200は、各種判定においてメンテナンスが不要と判定した台車20について、現在の測定値とともに過去の所定期間(例えば、半年間)における測定値を表示部に表示させてもよい。これにより、オペレータは、表示部を確認し、メンテナンス時期を予測して予防措置を行うことができる。さらに、判定部200は、現在の測定値と初期データに含まれる初期値(または過去の測定値)との相対的な比較を行い、各種判定の結果にかかわらず上記比較結果(例えば、現在の測定値と初期値との差分)を表示部に表示させてもよい。これにより、オペレータは、各台車20の経時的変化を確認することができ、各台車20の製作誤差等の個体差を除外して、メンテナンス時期を予測することができる。
(検査方法)
次に、検査装置100Aを用いた台車20の検査方法について、より具体的に説明する。
台車20は、検査ステーションST内のガイドレール11またはその直前のガイドレール11に取り付けられた減速用のドグおよび停止用のドグを読み取ることで、検査ステーションST内に停止する。検査ステーションST内に停止した台車20は、台車制御部の制御下で、リフター22を下限位置に移動させるとともに、自身の台車番号および測定開始指令等を制御部115に出力する。
制御部115は、台車番号および測定開始指令等が入力されると、台車20の検査を開始させ、「測定部」の各構成要素を移動させる。具体的には、制御部115は、回動アーム103、反射板111、第1プッシャー102aおよび第2プッシャー102bを回動させて測定可能状態にする。反射板111は、回動後、制御部115の制御下で反射型センサ29との距離が予め設定された第1距離になるように移動する。
また、制御部115は、測定開始指令が入力されてから所定秒後に、3つの第5光学センサ108、109、110で台車20の車高測定を行う。この車高測定と「測定部」の各構成要素の移動は並行して行われる。なお、測定開始指令が入力されてから所定秒後に車高測定を行うことで、系(例えば、走行駆動系)の振動が抑えられるので、より正確な測定が可能となる。
車高測定において、制御部115は、第5光学センサ108、109、110により台車20までの距離X8、X9、X10を測定させ、これらの測定データを判定部200に出力する。判定部200は、第4判定を開始し、距離X8、X9、X10と記憶部に格納された閾値T5、T6、T7とを比較する。比較の結果、距離X8が閾値T5以上の場合、距離X9が閾値T6以上の場合、または距離X10が閾値T7以上の場合、判定部200は、車高に関するメンテナンスが必要な台車であると判定して、当該台車20に関する情報を表示部に表示させる。
次いで、制御部115は、第1光学センサ104により台車20の停止精度測定を行うとともに、反射型センサ29の動作確認を行う。
停止精度測定において、制御部115は、第1光学センサ104により台車20までの距離X3を測定させ、測定データを判定部200に出力する。判定部200は、第2判定を開始し、距離X3と記憶部に格納された初期データまたは過去の測定データに含まれる距離X3’との変化量V2を算出し、当該変化量V2と記憶部に格納された所定の閾値T3とを比較する。比較の結果、変化量V2が閾値T3以上の場合、判定部200は、停止精度に関するメンテナンスが必要な台車であると判定し、当該台車20に関する情報を表示部に表示させる。
反射型センサ29の動作確認において、台車20の台車制御部は、反射型センサ29を動作させ、制御部115は、台車制御部からの第1信号待ち状態となり、判定部200は、第5判定を開始して制御部115からの第2信号待ち状態となる。判定部200は、第5判定を開始してから所定秒以内に第2信号を受信しなかった場合、反射型センサ29のメンテナンスが必要な台車であると判定して、当該台車20に関する情報を表示部に表示させる。次いで、制御部115は、反射板111と反射型センサ29との距離を変更して、反射型センサ29の動作確認を再度行う。
次いで、制御部115は、第1光学センサ104、第2光学センサ105、第3光学センサ106および第4光学センサ107によりリフター22の垂直度測定を行う。
リフター22の垂直度測定において、制御部115は、第1光学センサ104および第3光学センサ106により下限位置にあるリフター22の後面および左横面までの距離X4、X5を測定させ、リフター22が上限位置に移動した後、第2光学センサ105および第4光学センサ107により上限位置にあるリフター22の後面および左横面までの距離X6、X7を測定させて、これらの測定データを判定部200に出力する。判定部200は、第3判定を開始し、距離X4と距離X6、距離X5と距離X7を比較する。比較の結果、距離X4と距離X6とが異なる場合、または距離X5と距離X7とが異なる場合、判定部200は、リフター22のメンテナンスが必要な台車であると判定して、当該台車20に関する情報を表示部に表示させる。
なお、距離X4は、停止精度測定において測定した距離X3と同じ値となるため、判定部200は、距離X4と距離X6を比較する代わりに、距離X3と距離X6を比較してもよい。この場合、距離X4の測定を省略することができる。
次いで、制御部115は、第1光学センサ104により走行駆動系の測定を行う。
走行駆動系の測定において、制御部115は、第1光学センサ104により台車20までの距離X0を測定させ、測定データを判定部200に出力する。判定部200は、第1判定を開始し、距離X0と記憶部に格納された初期データまたは過去の測定データに含まれる距離X0’とを比較する。比較の結果、距離X0と距離X0’とが同じ場合、判定部200は、走行駆動系のメンテナンスが必要な台車ではないと判定して、第1判定を終了する。この場合、走行駆動系の測定は行われない。なお、距離X0は、停止精度測定において測定した距離X3と同じ値となるため、判定部200は、距離X0と距離X0’を比較する代わりに、距離X3と距離X0’を比較してもよい。この場合、距離X0の測定を省略することができる。
一方、距離X0(X3)と距離X0’とが異なる場合、判定部200は、制御部115に走行駆動系の測定を継続する旨の指令を出力する。当該指令が入力された制御部115は、第2プッシャー102bで台車20を前方に押して、第1光学センサ104により台車20までの距離X1を測定させた後、第1プッシャー102aで台車20を後方に押して、第1光学センサ104により台車20までの距離X2を測定させ、これらの測定データを判定部200に出力する。判定部200は、(X1−X2)と記憶部に格納された閾値T1と比較する。比較の結果、(X1−X2)が閾値T1以上の場合、判定部200は、走行駆動系のメンテナンスが必要な台車であると判定して、当該台車20に関する情報を表示部に表示させる。
また、制御部115は、上述した車高測定、停止精度測定、反射型センサ29の動作確認、リフター22の垂直度測定、走行駆動系の測定の少なくとも1つの測定を行っている間に、台車20の漏れ電流測定を行う。
漏れ電流測定において、制御部115は、電流測定手段114から測定データを取得し、当該測定データを判定部200に出力する。判定部200は、第6判定を開始し、電流値A1と記憶部に格納された閾値T11とを比較する。比較の結果、電流値A1が閾値T11以上の場合、判定部200は、漏れ電流に関するメンテナンスが必要な台車であると判定して、当該台車20に関する情報を表示部に表示させる。
第1〜第6判定が終了すると、制御部115は、回動アーム103、反射板111、第1プッシャー102aおよび第2プッシャー102bを回動させて退避状態にし、台車20の検査を終了させる。検査が終了した台車20は、走行を開始し、検査ステーションSTから出ていく。
検査装置100Aによる台車20の検査は、1台の台車20につき1分程度で完了する。しかも、この検査は自動的に行われるので、検査にかかるオペレータの時間と手間を省くことができる。さらに、1台の検査装置100Aで複数(例えば、100台以上)の台車20を検査することができるので、台車20に自己診断機能を装備させる方法と比較すると、コストを大幅に削減することができ、データ伝送時間も大幅に削減することができる。
[第2実施形態]
図8に、本発明の第2実施形態に係る検査装置100Bを示す。検査装置100Bは、左右一対の傾斜手段116を備えていること、第2プッシャー102bを備えていないこと以外、大部分が第1実施形態に係る検査装置100Aと共通している。
左右一対の傾斜手段116は、検査ステーションSTに停止した台車20の駆動輪Tが傾斜手段116の中央から前端までの間に、好ましくは前端およびその近傍を含む前端部分に位置するように、設けられている。傾斜手段116は、図9に示すように、前後方向の中央部分の高さが最も高くなっており、前後方向の両端に近づくにつれて連続的に高さが低くなっている。また、傾斜手段116は、走行抵抗以上の勾配(例えば、25/1000以上の勾配)を有している。
続いて、検査装置100Bにおける第1判定について説明する。検査装置100Bにおける第1判定は、第1光学センサ104の測定結果に基づいて行われる。
チェーン23が伸びていたり第1および第2スプロケットにバックラッシが発生していたりする場合、図9(A)に示すように、検査ステーションST内の傾斜手段116の前端部分の上に停止した台車20は、チェーン23の伸びやバックラッシの分だけチェーン23の上側がゆるみ、下側が張った状態になる。
制御部115は、傾斜手段116の前端部分の上に停止した台車20から、走行駆動系の測定(本発明の「第2測定」に相当)を開始する旨の指令が入力されると、第1光学センサ104で台車20までの距離X11を測定させ、測定データを判定部200に出力する。そして、制御部115は、第1プッシャー102aを制御して、台車20の走行抵抗よりも大きく駆動輪Tのスリップ力よりも小さな押圧力(例えば、300[N])で台車20を後方に押す。これにより、台車20は、図9(B)に示すように、傾斜手段116に沿って後方に移動する。制御部115は、台車20が後方に移動してから所定秒後(台車20が停止した後)に、第1プッシャー102aにより台車20を後方に押した状態のまま、第1光学センサ104で台車20までの距離X12を測定させ、測定データを判定部200に出力する。
判定部200は、入力された測定データに基づいて(X11−X12)を算出し、記憶部に格納された所定の閾値T13と比較する。判定部200は、(X11−X12)が閾値T13よりも小さい場合、走行駆動系のメンテナンスが必要な台車ではないと判定して、第1判定を終了する一方、(X11−X12)が閾値T13以上の場合、走行駆動系のメンテナンスが必要な台車であると判定して、当該台車20に関する情報を表示部に表示させて、第1判定を終了する。
また、判定部200は、(X11−X12)と閾値T13との比較に代えて、(X11−X12)と記憶部に格納された初期データまたは過去の測定データに基づいて算出した(X11’−X12’)との変化量V7(絶対値)を算出し、変化量V7と記憶部に格納された所定の閾値T14との比較を行ってもよい。判定部200は、変化量V7が閾値T14よりも小さい場合、走行駆動系のメンテナンスが必要な台車ではないと判定して、第1判定を終了する一方、変化量V7が閾値T14以上の場合、走行駆動系のメンテナンスが必要な台車であると判定して、当該台車20に関する情報を表示部に表示させて、第1判定を終了する。
[第3実施形態]
図10に、本発明の第3実施形態に係る検査装置100Cを示す。検査装置100Cは、前後一対の凹部形成手段117を備えていること、第1プッシャー102aおよび第2プッシャー102bを備えていないこと以外、大部分が第1実施形態に係る検査装置100Aと共通している。
前後一対の凹部形成手段117は、図11に示すように、検査ステーションSTに停止した台車20の駆動輪Tを前後から挟むような位置に設けられている。前後一対の凹部形成手段117は、検査ステーションSTに停止した台車20の駆動輪Tに近づくほど高さが高くなり、駆動輪Tから離れるほど高さが低くなっている。
また、台車20には、駆動用モータMの回転量を測定するための回転量測定手段E(例えば、エンコーダ)と、回転量測定手段Eの測定データを制御部115に出力するためのデータ伝送手段30とが設けられている。なお、データ伝送手段30は、台車20に設けられた通信装置に含まれる。
続いて、検査装置100Cにおける第1判定について説明する。検査装置100Cにおける第1判定は、第1光学センサ104の測定結果に基づいて行われる。
台車20は、駆動輪Tが前後一対の凹部形成手段117により形成された凹部に嵌まった状態で、検査ステーションST内に停止する。このとき、駆動用モータMはサーボロックがかかっていない状態となる。
制御部115は、駆動輪Tが凹部形成手段117により形成された凹部に嵌まった状態で停止した台車20から、走行駆動系の測定(本発明の「第3測定」に相当)を開始する旨の指令が入力されると、第1光学センサ104で台車20までの距離X13を測定するとともに、台車制御部に対して駆動用モータMを逆回転させる旨の指令を出力する(制御部115が本発明の「回転指示手段」となる)。当該指令を受けた台車制御部は、駆動用モータMを逆回転させるとともに回転量測定手段Eで駆動用モータMの回転量を測定し、データ伝送手段30により所定の周期(例えば、0.1秒周期)で回転量測定手段Eの測定データを制御部115に出力する。
制御部115は、第1光学センサ104の測定値(距離X13)が変化し始めたときの駆動用モータMの回転量Y1に関する測定データを、判定部200に出力するとともに、駆動用モータMを正回転させる旨の指令を台車制御部に出力する。当該指令が入力された台車制御部は、駆動用モータMを正回転させるとともに回転量測定手段Eで駆動用モータMの回転量を測定し、データ伝送手段30により所定の周期(例えば、0.1秒周期)で回転量測定手段Eの測定データを制御部115に出力する。制御部115は、第1光学センサ104の測定値が距離X13になった後、再び変化し始めたときの駆動用モータMの回転量Y2に関する測定データを、判定部200に出力する。
判定部200は、入力された測定データに基づいて(Y2−Y1)を算出し、記憶部に格納された所定の閾値T15と比較する。判定部200は、(Y2−Y1)が閾値T15よりも小さい場合、走行駆動系のメンテナンスが必要な台車ではないと判定して、第1判定を終了する一方、(Y2−Y1)が閾値T15以上の場合、走行駆動系のメンテナンスが必要な台車であると判定して、当該台車20に関する情報を表示部に表示させて、第1判定を終了する。
また、判定部200は、(Y2−Y1)と閾値T15との比較に代えて、(Y2−Y1)と記憶部に格納された初期データまたは過去の測定データに基づいて算出した(Y2’−Y1’)との変化量V8(絶対値)を、記憶部に格納された所定の閾値T16と比較してもよい。この場合、判定部200は、変化量V8が閾値T16よりも小さいときに、走行駆動系のメンテナンスが必要な台車ではないと判定して、第1判定を終了する一方、変化量V8が閾値T16以上のときに、走行駆動系のメンテナンスが必要な台車であると判定して、当該台車20に関する情報を表示部に表示させて、第1判定を終了する。
以上、本発明に係る検査装置および搬送システムの実施形態について説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されるものではない。
上記各実施形態では、動力伝達部材としてチェーン23を使用しているが、チェーン23以外のもの、例えば、ベルトを使用してもよい。
台車移動部として、上記第1実施形態では、第1プッシャー102aおよび第2プッシャー102bを使用し、上記第2実施形態では、第1プッシャー102aおよび左右一対の傾斜手段116を使用し、上記第3実施形態では、前後一対の凹部形成手段117を使用しているが、駆動用モータMおよび駆動輪Tの一方を停止させた状態で他方を回転させることにより、停止中の台車20を前方向または後方向の少なくとも一方に移動させることができるのであれば、その構成は適宜変更することができる。
本発明の測定部は、少なくとも、台車移動部で移動させる前の台車20までの距離および台車移動部で移動させた後の台車20までの距離を測定するように構成されたものであればよい。上記各実施形態では、そのようなものとして第1光学センサ104が該当するが、第1光学センサ104のようにリフター22の後面までの距離を検出するものでなくてもよい。
本発明の判定部は、少なくとも第1判定を行うことができればよい。上記各実施形態では、管理機200を判定部としているが、判定部は制御盤(制御部)115に設けられていてもよい。また、管理機200は、検査ステーションST外に設けられていてもよい。
さらに、本発明の判定部は、現在の測定値と初期データに含まれる初期値(または過去の測定値)との相対的な比較を行い、上記比較の結果を利用して第1判定を含む各種判定を行ってもよい。例えば、現在の測定値と初期値との差分が所定の閾値を超えているか否かによって、各種判定を行ってもよい。このように、各台車20の経時的変化に基づいて各種判定を行うことで、各台車20の製作誤差等の個体差を除外した正確な判定を行うことができる。
本発明に係る検査装置および搬送システムにおいて、台車20の検査手順は適宜変更することができ、また、検査に含まれる各種測定の少なくとも1つを適宜省略することができる。
1 搬送システム
10 走行ルート
11 ガイドレール
12 トロリー
13 枠体
14 カバー部材
20 台車
21 車体
22 リフター
23 チェーン
24a 第1ガイドローラユニット
24b 第2ガイドローラユニット
25 集電アーム
26 集電アームユニット
27 清掃ブラシ
28 清掃ブラシユニット
29 反射型センサ
30 データ伝送手段
100A、100B、100C 検査装置
101 ハウジング
102a 第1プッシャー
102b 第2プッシャー
103 回動アーム
103a センサ取付部
104 第1光学センサ
105 第2光学センサ
106 第3光学センサ
107 第4光学センサ
108、109、110 第5光学センサ
111 反射板
112 反射板移動手段(シリンダ部)
113 測定用トロリー
114 電流測定手段
115 制御部
116 傾斜手段
117 凹部形成手段

Claims (9)

  1. 動力伝達部材を介してモータの動力を駆動輪に伝達する走行駆動系を備えた台車を検査するための検査装置であって、
    前記台車を前方向から前記台車の走行抵抗よりも大きく前記駆動輪のスリップ力よりも小さな力で押圧する第1プッシャーと、前記台車を後方向から前記台車の走行抵抗よりも大きく前記駆動輪のスリップ力よりも小さな力で押圧する第2プッシャーとを含み、前記モータが回転しないように所定の停止位置に停止させた前記台車を前記第1プッシャーおよび前記第2プッシャーで押圧して前記駆動輪を回転させることにより、停止中の前記台車を前記走行駆動系の状態に応じて前方向および後方向の少なくとも一方に移動させる台車移動部と、
    前記第1プッシャーで押圧した後の前記台車までの第1距離および前記第2プッシャーで押圧した後の前記台車までの第2距離を測定する第1測定を行う測定部と、
    前記第1距離および前記第2距離に基づいて、前記走行駆動系のメンテナンスが必要な台車か否かの第1判定を行う判定部と、を備えた
    ことを特徴とする検査装置。
  2. 動力伝達部材を介してモータの動力を駆動輪に伝達する走行駆動系を備えた台車を検査するための検査装置であって、
    前記台車の停止位置に設けられた傾斜手段と、前記台車を前記台車の走行抵抗よりも大きく前記駆動輪のスリップ力よりも小さな力で押圧するプッシャーとを含み、前記駆動輪が前記傾斜手段の傾斜面上に位置するように前記停止位置で停止し、かつ前記モータが回転しないようにした前記台車を、前記傾斜面の高さの低い方の側から前記プッシャーで押圧して前記駆動輪を回転させることにより、停止中の前記台車を前記走行駆動系の状態に応じて前記傾斜面の高さの高い方の側に移動させる台車移動部と、
    前記停止位置で停止した前記台車までの第1距離および前記プッシャーで押圧した後の前記台車までの第2距離を測定する第2測定を行う測定部と、
    前記第1距離および前記第2距離に基づいて、前記走行駆動系のメンテナンスが必要な台車か否かの第1判定を行う判定部と、を備えた
    ことを特徴とする検査装置。
  3. 動力伝達部材を介してモータの動力を駆動輪に伝達する走行駆動系を備えた台車を検査するための検査装置であって、
    前記台車の停止位置に前記駆動輪の一部が前記モータを回転させたときに脱出可能な状態で収まる凹部を形成する凹部形成手段と、前記モータを正回転および逆回転させるための回転指示手段とを含み、前記駆動輪の一部が前記凹部に収まった状態で前記停止位置に停止した前記台車の前記モータを前記回転指示手段で正回転および逆回転させることにより、前記駆動輪を前記凹部から脱出させて前記台車を前方向および後方向に移動させる台車移動部と、
    前記停止位置で停止した前記台車までの距離を測定し、前記回転指示手段による前記モータの正回転により前記距離が変化し始めたときの前記モータの第1回転量と、前記回転指示手段による前記モータの逆回転により前記距離が変化し始めたときの前記モータの第2回転量とを取得する第3測定を行う測定部と、
    前記第1回転量および前記第2回転量に基づいて、前記走行駆動系のメンテナンスが必要な台車か否かの第1判定を行う判定部と、を備えた
    ことを特徴とする検査装置。
  4. 前記判定部は、前記停止位置で停止した前記台車までの距離に基づいて、停止精度に関するメンテナンスが必要な台車か否かの第2判定を行う
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の検査装置。
  5. 前記測定部は、
    前記台車に設けられた上下移動可能なリフターが第1位置にあるときに、前記リフターの前面または後面に照射した光の反射光により前記リフターの前面または後面までの第4距離を測定する第1光学センサと、
    前記第1光学センサの上方に設けられ、前記リフターが前記第1位置よりも上方の第2位置にあるときに前記リフターの前面または後面に照射した光の反射光により前記リフターの前面または後面までの第6距離を測定する第2光学センサと、
    前記リフターが前記第1位置にあるときに前記リフターの横面に照射した光の反射光により前記リフターの横面までの第5距離を測定する第3光学センサと、
    前記第3光学センサの上方に設けられ、前記リフターが前記第2位置にあるときに前記リフターの横面に照射した光の反射光により前記リフターの横面までの第7距離を測定する第4光学センサと、を含み、
    前記判定部は、前記第4距離と前記第6距離との比較および前記第5距離と前記第7距離との比較に基づいて、前記リフターのメンテナンスが必要な台車か否かの第3判定を行う
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の検査装置。
  6. 前記測定部は、前記台車の天面に照射した光の反射光により前記天面までの距離を測定する第5光学センサを含み、
    前記判定部は、前記第5光学センサで測定した前記天面までの距離に基づいて、車高に関するメンテナンスが必要な台車か否かの第4判定を行う
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の検査装置。
  7. 前記測定部は、前記台車の前面に設けられた反射型センサの出力光を反射させる反射板を含み、前記反射板と前記反射型センサとの距離が予め設定された距離となるように前記反射板を移動させ、
    前記判定部は、前記反射型センサが前記反射板からの反射光を認識したときに出力する信号が、前記反射板の移動から所定秒以内に入力されたか否かに基づいて、前記反射型センサのメンテナンスが必要な台車か否かの第5判定を行う
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の検査装置
  8. 前記測定部は、
    前記台車の走行ルートに設けられたトロリーの一部をなすとともに、前記トロリーから分離して配置された測定用トロリーと、
    前記台車に設けられた集電アームが前記測定用トロリーに接触した状態で、前記測定用トロリーに流れる電流を測定する電流測定手段と、を含み、
    前記判定部は、前記電流測定手段で測定した電流値に基づいて、漏れ電流に関するメンテナンスが必要な台車か否かの第6判定を行う
    ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の検査装置。
  9. 路面に並設されたガイドレールおよびトロリーからなる走行ルートと、
    動力伝達部材を介してモータの動力を駆動輪に伝達する走行駆動系を備えた複数の台車と、
    請求項1〜8のいずれか一項に記載の検査装置が設置された検査ステーションと、を含み、
    前記複数の台車は、それぞれが所定の時間間隔で前記検査ステーション内に停止し、前記検査装置と相互に通信を行い、
    前記検査装置は、前記検査ステーション内に停止した台車の検査を自動的に行う
    ことを特徴とする搬送システム。
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