JP5895710B2 - 電子打楽器用のペダル装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子打楽器用のペダル装置に関する。
従来、電子打楽器用のペダル装置が知られている。この種のペダル装置は通常、ベース部(基台)に対してフットボードが操作により相対的に回動し、フットボードの動作をセンサやスイッチ等の検出手段で検出することで、楽音発生のための信号が得られる。例えば、下記特許文献1のペダル装置は、バスドラム用として構成される。
この特許文献1に例示されるように、フットボードは踏み込みによる押圧力を受けると共に、検出手段を駆動する部分も有するのが通常であるので、高い強度を要する。特にバスドラムでは強い力で踏み込まれるため一層の強度が必要である。そのため、従来のペダル装置においては、フットボードの全体は厚みのある金属で構成される。
特開2008−145464号公報
しかしながら、フットボードが金属製であると重量が大きくなるという問題があった。また、フットボードは検出手段を駆動する上で、慣性質量が大きい方が好ましいが、軽量化を検討する際には重心位置も考慮することが望まれる。
本発明は上記従来技術の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、検出手段の良好な感度を維持しつつ軽量化を図ることができる電子打楽器用のペダル装置を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明の請求項1の電子打楽器用のペダル装置は、軸支部(19)を有する基台(10)と、踏み込みされて前記基台の前記軸支部を中心に回動するフットボード(20)と、前記基台の長手方向における前記軸支部から遠い側の端部(10b)寄りの位置に設けられ、前記フットボードの動作を検出するための検出手段(18)とを有し、前記フットボードは、前記軸支部に対して一端部(20a)が軸支された樹脂部(30)と、前記樹脂部の自由端部(20b)寄りの位置に配設された金属プレート(31、32)とを有し、前記金属プレートは、前記フットボードが踏み込まれた状態における前記フットボードの平面視において前記検出手段に重なる位置に配設されることを特徴とする。
好ましくは、前記金属プレートは、前記樹脂部の自由端部寄りの上側の領域に形成された収容凹部(34)に収容される(請求項2)。好ましくは、前記フットボードには、前記収容凹部に収容された前記金属プレートと共に前記樹脂部を上方から覆う金属カバー材(33)が設けられる(請求項3)。好ましくは、前記金属プレートは、同一形状の複数の金属プレートが重なってなる(請求項4)。
なお、上記括弧内の符号は例示である。
本発明の請求項1によれば、検出手段の良好な感度を維持しつつ軽量化を図ることができる。
請求項2によれば、金属プレートの配置位置を簡単に規制することができる。
請求項3によれば、強度を確保することができる。
請求項4によれば、質量の調節が容易である、製造が容易となる。
本発明の一実施の形態に係る電子打楽器用のペダル装置の模式的な側面図(図(a))、同ペダル装置の基台の模式的な平面図(図(b))である。 フットボードの後半部の縦断面図、平面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1(a)は、本発明の一実施の形態に係る電子打楽器用のペダル装置の模式的な側面図であり、一部を断面で示している。図1(b)は、同ペダル装置の基台の模式的な平面図である。
このペダル装置は、例えば、電子打楽器としてのバスドラムに用いられるキックペダルに好適である。このペダル装置は、床面の上に設置されて、フットボード20の踏み込みにより演奏操作がされる。以降、ペダル装置の前後、上下方向は、水平な床面に載置された状態を基準とし、図1(a)の右側、上側が、それぞれ前側、上側とする。
図1(a)、(b)に示すように、ペダル装置はベース部である基台10を有し、基台10上に、板状のフットボード20が配設される。基台10の前部であるヒール10aに、左右方向(図1(a)の奥行き方向)に沿って軸支部である回動軸19が設けられる。回動軸19に、フットボード20の一端部である前端部20aが軸支されている。これにより、フットボード20は、回動軸19を中心に自由端部である後端部20bが上下方向(図1(b)の時計及び反時計方向)に回動自在になっている。以降、回動方向については、後端部20bが図1(a)の反時計方向に回動する方向を「踏み込み方向」、時計方向に回動する方向(踏み込み方向の反対方向)を「踏み上げ方向」と呼称する。
基台10とフットボード20との間にはコイルバネ21が配設される。コイルバネ21は、フットボード20の自重による負荷を受けて圧縮され、フットボード20を踏み上げ方向に付勢して初期位置に維持する。さらに、踏み込み方向に回動したフットボード20を踏み上げ方向に付勢して初期位置に復帰させる。
基台10の長手方向において、基台10上には、回動軸19から遠い側の端部寄り(後端部10b寄り)の位置に配設部12が設けられている。配設部12には、支持部15、16でクッション材17がブリッジ状に支持され、クッション材17の下面に、ピエゾセンサ等でなるセンサ18が配設される。
フットボード20の踏み込み操作により、フットボード20がクッション材17を打撃して、その振動をセンサ18が検出し、信号を出力する。ただし、センサ18は、最低限、フットボード20により押圧されて信号を出力する検出手段であればよく、種類は限定されない。
フットボード20の下面のうち、少なくともクッション材17を押圧する部分は、クッション材17に対して面で当接するように平坦面に形成され、衝撃や圧力が均等に与えられるようになっている。フットボード20の下面のうち、コイルバネ21が配設される部分は上方に窪んだ凹部となっている。
図1(b)に示すように、基台10の例えば後端部10bには、センサ18から出力される信号を外部に送るためのジャック部22が設けられ、センサ18の出力信号は、ジャック部22から外部に送出され、外部装置において打撃演奏トリガ信号や楽音パラメータ制御信号として処理され、打撃演奏データに変換されたり、リアルタイムに音響に変換されたりする。
次に、フットボード20の詳細な構成を説明する。図2(a)、(b)は、フットボード20の後半部の縦断面図、平面図である。図2(b)では、構成要素の一部を破断して示している。
フットボード20は、前後方向略全長に亘って延在する樹脂部30を有し、樹脂部30の上に、樹脂部30の周縁部を除くほぼ全体を覆う金属カバー材33が配設される。金属カバー材33は、足で直接踏まれる部分となる。フットボード20の後端部20b付近には、金属プレート31、32が設けられる。
まず、樹脂部30はほぼ板状に構成されるが、全周に亘る縁部の内側にカバー収容部35が窪んで形成されている(図2(b))。また、樹脂部30の自由端部でもある後端部20b付近の上側の領域には、下方に窪んだ収容凹部34が形成される。収容凹部34はカバー収容部35の一部でもあり、カバー収容部35の前半部より深い凹部として形成される。
そして、収容凹部34に、同一形状の2枚の金属プレート31、32が、収容凹部34の内壁によって配置位置が規制された状態で積層配置されている。収容凹部34に金属プレート31、32が配設された状態では、上側の金属プレート31の上面とカバー収容部35内における樹脂部30の上面30aとが面一となり、この面一部分の上に、金属カバー材33が配設される(図2(a)参照)。
金属カバー材33は、不図示のネジ等の固定具により樹脂部30に固定される。金属プレート31、32は、金属カバー材33によって上方から押さえられるので、独自に固定する必要はない。なお、金属プレート31と金属カバー材33との間に緩衝材を介在させて消音効果を得るようにしてもよい。
ここで、樹脂部30の下面のうち収容凹部34が位置する部分の下面が、踏み込み時にクッション材17に対向するようになっている。従って、金属プレート31、32の配置位置は、フットボード20が踏み込まれた状態におけるフットボード20の平面視においてセンサ18に重なる位置となっている(図1(b)参照)。
ところで、本ペダル装置はキックペダルとして用いるので、フットボード20の動作を検出する検出手段としては、フットボード20から打撃されることによる衝撃ないし振動を検出する種類のものが適している。そのため、センサ18は、変位量が大きいフットボード20の自由端側に対応して、基台10の後端部10b寄りに配置されている。
これに対応して、センサ18が衝撃を感知する際の感度を高めるためには、センサ18に衝撃を与えるフットボード20の部分にフットボード20の質量を集中させるのが好ましい。その一方、フットボード20の全体の重量があまりに大きくなることは好ましくない。そこで本実施の形態では、軽量な樹脂部30で基本形状を定め、樹脂部30に対して比重が大きい金属プレート31、32を、センサ18に対応する樹脂部30の位置(収容凹部34)に配置した。その結果、フットボード20全体の重心位置Mは、踏み込み時に上下方向においてセンサ18と重なるようになった(図1(b)参照)。
本実施の形態によれば、比重の高い金属プレート31、32が、可動ストロークの大きな樹脂部30の後端部20b寄りの位置に配設されたので、金属プレート31、32が回動軸19から遠い位置にある錘として機能し、フットボード20の全体を金属製にすることに比べ、軽量化を図りつつ、回動軸19を中心とした慣性質量を効率的に大きくすることが可能となる。しかも、金属プレート31、32は、踏み込み状態においてセンサ18に重なる位置に配設された。これらにより、センサ18の良好な感度を維持しつつペダル装置の軽量化を図ることができる。
また、金属プレート31、32は、樹脂部30の収容凹部34に収容されるので、配置位置を簡単に規制することができる。さらに、収容凹部34に収容された金属プレート31、32と共に樹脂部30の全体を金属カバー材33で上方から覆うので、樹脂をベースとしつつもフットボード20の強度を確保することができる。
ところで、金属プレート31、32は同一形状で、2枚が重ねられるので、質量の調節が容易であり、製造が容易となる。金属プレートとしては3枚以上の複数積層でもよいが、音鳴り防止のためには2枚が好ましい。
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。
10 基台、 10b 後端部、 19 回動軸(軸支部)、 18 センサ(検出手段)、 20 フットボード、 20a 前端部(一端部)、 20b 後端部(自由端部)、 30 樹脂部、 31、32 金属プレート、 33 金属カバー材、 34 収容凹部

Claims (4)

  1. 軸支部を有する基台と、
    踏み込みされて前記基台の前記軸支部を中心に回動するフットボードと、
    前記基台の長手方向における前記軸支部から遠い側の端部寄りの位置に設けられ、前記フットボードの動作を検出するための検出手段とを有し、
    前記フットボードは、前記軸支部に対して一端部が軸支された樹脂部と、前記樹脂部の自由端部寄りの位置に配設された金属プレートとを有し、
    前記金属プレートは、前記フットボードが踏み込まれた状態における前記フットボードの平面視において前記検出手段に重なる位置に配設されることを特徴とする電子打楽器用のペダル装置。
  2. 前記金属プレートは、前記樹脂部の自由端部寄りの上側の領域に形成された収容凹部に収容されたことを特徴とする請求項1記載の電子打楽器用のペダル装置。
  3. 前記フットボードには、前記収容凹部に収容された前記金属プレートと共に前記樹脂部を上方から覆う金属カバー材が設けられたことを特徴とする請求項2記載の電子打楽器用のペダル装置。
  4. 前記金属プレートは、同一形状の複数の金属プレートが重なってなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子打楽器用のペダル装置。
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