JP5895118B2 - 冷蔵庫 - Google Patents

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Description

本発明は、冷蔵庫の内部に、庫内の収納状態を検知する手段を備えた冷蔵庫に関するものである。
近年の家庭用冷蔵庫は、冷気をファンで冷蔵庫内に循環させる間接冷却方式が一般的である。従来の冷蔵庫では、庫内温度の検知結果に応じて温調制御することにより、庫内の温度を適温に保っている。例えば、庫内温度を均一に保つ冷蔵庫として、可動式の冷気吐出装置を設けた冷蔵庫がある(特許文献1参照)。
図11は、特許文献1に記載された従来の冷蔵庫の冷蔵室の正面断面図を示すものである。図11に示すように、冷蔵室101内に設けられた可動式の冷気吐出装置102が左右に冷気を供給し庫内温度の均一化を図っている。
特開平8−247608号公報
しかしながら、前記の特許文献1の構成では、庫内温度の均一化を行うことが可能でも、冷蔵庫が庫内のサーミスタによって温度を推測しているため、収納された食品の量や配置といった収納状態の影響について考慮されず、たとえ節電運転中であっても識別できる手段がなく、近年の使用者の省エネ意識の高まりに対応して、節電運転中であることを認識することにより品質の高さを実感してもらうことができないという課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、冷蔵庫内部の食品の収納状態を収納状態検知手段からの検知情報によって推定し最適な運転をすることで省エネ性を向上することができるとともに、報知手段により節電運転中や収納状態検知中や収納状態結果を報知して、視覚的に高品位を訴求することができる冷蔵庫を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の冷蔵庫は、収納物を収納する収納室と、前記収納室の内部で前記収納物の収納状態を推定する収納状態検知手段とを有し、前記収納状態検知手段は、前記収納室の内部に設置された光源と前記光源から照射させた照射光を検知する検知部である光センサと、前記光センサの受光量によって収納状態を判定する判定手段とで構成され、前記判定手段で判定した収納状態に基づいて運転状態を切り換えるもので、前記判定手段に基づく動作状態を報知する報知手段を備えたもので、前記光源と前記光センサは対向配置せずに前記光源の光は前記光センサに直接入射せず間接光を前記光センサが検知することで収納状態を判定し、前記判定結果に基づく動作状態を報知するものである。
これによって、光が収納室壁面および収納物による反射・減衰を繰り返し、収納室内の明るさの分布が飽和した状態を測定・計算して収納状態を推定して、節電運転へ切換えるとともに、運転状態の報知、収納状態検知中の報知、収納結果をお知らせすることができる。
本発明の冷蔵庫は、収納状態に応じた温度制御を行うことにより、保鮮性を向上させることや、過剰冷却を防止することで消費電力を抑制するといった有用な効果を発揮するこ
とができるとともに、報知手段により節電運転中や収納状態検知中や収納状態結果を報知して、視覚的に高品位を訴求することができる。
本発明の実施の形態1における冷蔵庫の正面図 本発明の実施の形態1における冷蔵庫の表示部の構成図 本発明の実施の形態1における冷蔵庫の制御ブロック図 本発明の実施の形態1における図1のA−A断面図及び正面図 本発明の実施の形態1における冷蔵庫の収納状態検知の制御フローチャート 本発明の実施の形態1における冷蔵庫の天面光源による収納状態検知動作の説明図 本発明の実施の形態1における冷蔵庫の天面光源による収納状態検知特性図 本発明の実施の形態1における冷蔵庫の下方の光源による収納状態検知動作の説明図 本発明の実施の形態1における冷蔵庫の下方の光源による収納状態検知特性図 本発明の実施の形態1における図7と図9の平均の収納状態検知特性図 従来の冷蔵庫の冷蔵室の正面断面図
第1の発明は、収納物を収納する収納室と、前記収納室の内部で前記収納物の収納状態を推定する収納状態検知手段とを有し、前記収納状態検知手段は、前記収納室の内部に設置された光源と前記光源から照射させた照射光を検知する検知部である光センサと、前記光センサの受光量によって収納状態を判定する判定手段とで構成され、前記判定手段で判定した収納状態に基づいて運転状態を切り換えるもので、前記判定手段に基づく動作状態を報知する報知手段を備えたもので、前記光源と前記光センサは対向配置せずに前記光源の光は前記光センサに直接入射せず間接光を前記光センサが検知することで収納状態を判定し、前記判定結果に基づく動作状態を報知することにより、光源からの光の遮蔽だけではなく、光の収納室壁面での反射および収納物による反射・減衰を繰り返し収納室内の明るさの分布が飽和した状態を測定するので、収納室内の全体の収納状態を推定することが可能になる。さらに、報知手段により節電運転中や収納状態検知中や収納状態結果を報知することで、視覚的に高品位な冷蔵庫を訴求することができる。
第2の発明は、特に、第1の発明において、前記報知手段は、節電運転か通常運転かをお知らせする運転状態報知手段としたものであり、収納状態を検知して節電運転が行われていることを容易に知ることができる。
第3の発明は、特に、第1の発明において、前記報知手段は、前記収納状態検知手段による検知中をお知らせする収納検知報知手段としたものであり、収納状態を検知しているタイミングが分かり、使用者は自分の冷蔵庫の使用実態が認識できるので、節電運転の啓蒙につなげることができる。
第4の発明は、特に、第2または3の発明において、前記運転状態報知手段と前記収納検知報知手段とを同一部品で構成し、運転状態と収納状態検知中とを切換えてお知らせするものであり、節電運転中と収納状態検知中を切換えて報知することで、報知手段を設置するスペースが最小限でよく、低コストでコンパクトな構成が実現できる。
第5の発明は、特に、第1の発明において、前記報知手段は、前記判定手段で判定した収納状態をお知らせする収納状態報知手段としたものであり、使用者は収納状態が一目で確認できることになり、食品詰込み過ぎにより節電運転に移行しないことや、収納スペースに余裕があり食品まとめ買いが可能のことが判り、使用者への省エネの啓蒙や、使い勝手を向上させることができる。
第6の発明は、特に、第1から5のいずれかの発明において、前記報知手段を表示する表示部を前記冷蔵庫本体に備えたものであり、使用者が冷蔵庫を設置した場所で表示確認することになり、他の機器の表示と見誤りを確実に無くすことができる。
第7の発明は、特に、第6の発明において、前記表示部に、前記冷蔵庫の操作スイッチあるいは操作表示部をさらに備え、前記報知手段を前記操作スイッチあるいは操作表示部より上方に配置したものであり、使用者が冷却運転設定変更等の操作状態でも報知手段が確実に確認することができる。
第8の発明は、特に、第7の発明において、前記報知手段と前記操作スイッチあるいは操作表示部とを前記表示部の鉛直線上に配置したものであり、使用者はスムーズな目の動きで表示を見ることになり、視認性が非常に良くなるので節電運転を体感的に認識することができる。
以下、本発明の実施の形態をについて、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態における冷蔵庫の正面図、図2は本発明の実施の形態における冷蔵庫の表示部の構成図、図3は同実施の形態における冷蔵庫の制御ブロック図、図4(a)は同実施の形態における図1のA−A断面図、図4(b)は同実施の形態における図1の冷蔵室の扉を開けたときの正面図、図5は同実施の形態における冷蔵庫の収納状態検知の制御フローチャート、図6は同実施の形態における天面光源による冷蔵庫の収納状態検知動作の説明図、図7は同実施の形態における冷蔵庫の天面光源による収納状態検知特性図、図8は同実施の形態における冷蔵庫の下方の光源による収納状態検知動作の説明図、図9は同実施の形態における冷蔵庫の下方の光源による収納状態検知特性図、図10は同実施の形態における図7と図9の平均の収納状態検知特性図である。
図1から図4において、冷蔵庫本体11である断熱箱体は、主に鋼板を用いた外箱と、ABSなどの樹脂で成形された内箱と、外箱と内箱の間に注入した断熱材で構成されている。さらに、断熱箱体は複数の収納室に断熱区画されており、最上部に冷蔵室12、その冷蔵室12の下部に製氷室13もしくは切換室14が横並びに設けられ、その製氷室13と切換室14の下部に冷凍室15、そして最下部に野菜室16が配置され、各収納室の前面には外気と区画するための断熱扉が冷蔵庫本体の前面開口部にそれぞれ構成されている。冷蔵室12の断熱扉である冷蔵室扉12aの中央部付近には、各室の庫内温度設定や製氷および急速冷却などの設定を行うことができ、また収納状態の検知結果や冷蔵庫の運転状況などを表示できる表示部17が配置されている。
表示部17を具体的に説明すると、全体を形成する基板34には、垂直中心軸延長線上に、上から順に冷蔵室12内の食品の収納量等の収納状態を報知する収納状態報知手段39、収納状態検知手段22により収納状態を検知中であることを報知する、収納検知報知手段38、運転モードすなわち節電運転中であることを報知する運転状態報知手段37があり、LED等の発光素子で構成されている。さらに、運転状態報知手段37の下には、使用者が設定した状態を表示する操作表示部36と、設定温度調節や運転モード切換えを行なう複数個の操作スイッチ35とが順に、基板34の一枚の基板上で配置され、表示カバー33により覆われて表示部17を構成している。
冷蔵室12内には、収納物である食品を整理して収納できるように複数の庫内収納棚18が、また冷蔵室扉12aの庫内側の面には扉収納棚19が設けられ、これらはガラスや
透明な樹脂など光の透過率が高い材質で構成されている。庫内収納棚18および扉収納棚19の表面は、一定の透過率を保ちながら光が拡散するように加工を行うことで、冷蔵室12内の明るさの分布を調節することが可能である。このときの透過率は50%以上であることが望ましく、透過率が低いときは光が届き難い場所ができるので収納状態の検知精度が低下する。
冷蔵室12内には、収納室内である庫内を明るく照らすために庫内照明20があり、収納された収納物である食品の視認性を向上させている。庫内照明20は、冷蔵庫内の扉開放側前面から見て、庫内奥行の1/2より扉側に、天面と左側壁面と右側壁面に配置されている。この庫内照明20の光源には天面LED20a、20b、および照明用LED20c、20d、20e、20f、および側面下方LED20g、20hなど複数のLEDを使用し、側壁面においては照明用LED20c〜20gのように縦方向に配列することで、高さ方向に長い冷蔵室12全体を満遍なく照射することができる。
庫内の下方、且つ庫内の奥行方向の1/2より扉側の位置に光センサ21a、21bが設置されている。これらの光センサは、本実施の形態では照度センサを用い、最も高感度となるピーク波長を500〜600nmとしたセンサが一般的である。なお、光センサのピーク感度波長は、他の波長帯でも良く、光源の発光波長などと合わせて決定するものである。
冷蔵室12を左右方向において2区画に区分したときは、天面LED20aと光センサ21bが右区画に配置され、天面LED20bと光センサ21aが左区画に配置される。また、前記収納室を上下方向において2区画に区分したときは、天面LED20a、20bが上区画に配置され、側面下方LED20g、20hと光センサ21a、21bが下区画に配置される。このように、前記複数の区画にLEDと光センサが配置されている。
この光センサ21a、21bは、LED20a、20b、20g、20hの照射光が、収納室壁面での反射および収納物による反射・減衰を繰り返し、収納室内の明るさの分布が飽和した状態を測定・計算して収納状態を推定するものである。この原理に加え、複数の区画にLEDと光センサを配置したことで、収納物の配置によらず精度良く収納状態を検知することができる。
光センサによる物体の検知は、例えばフォトインタラプタのように、遮蔽で光の強さが極端に減衰する現象を利用して一つの物体の存在をデジタル式に検知する方式、または多数のセンサ構成で複数の物体の存在を検知する方式が一般的である。このような構成は、収納室内の限られた場所の収納物の有無を検知することしかできず、収納室全体の収納状態を把握することはできない。しかし、本発明の構成は、少数のLEDとセンサで冷蔵室12という空間内の全体の収納状態をアナログ的に把握することを可能としている。
このシステムにおいては、光センサの直ぐ手前が収納食品によって塞がれると、検知できる光のレベルが極度に低下することに伴い、光の強さの変化率が低下するため、収納状態の検知に複雑な処理が必要になる。しかし、図3(a)に示したように、冷蔵室12内が収納物で満杯になっても、天面LED20a、20b、照明用LED20c〜20f、側面下方LED20g、20h、および光センサ21a、21bの取り付け位置には、庫内収納棚18と扉収納棚19の間に空間αがあるため、光センサが食品で塞がる可能性は低い。
また、この空間αは庫内収納棚18の前方側の端部を含む鉛直面18aよりも前方側で断熱扉である冷蔵室扉12aとの間に光センサ21a、21bが設置されていることによって形成されている。
冷蔵室12内の最上部の後方領域に形成された機械室内には、圧縮機30、水分除去を行うドライヤ等の冷凍サイクルの構成部品が収納されている。
冷凍室15の背面には冷気を生成する冷却室が設けられ、冷却室内には、冷却器、および、冷却器で冷却した冷却手段である冷気を冷蔵室12、切換室14、製氷室13、野菜室16、冷凍室15に送風する冷却ファン31が配置される。さらに冷却ファン31からの風量を調節する風量調節ダンパー32が風路内に設置されている。また、冷却器やその周辺に付着する霜や氷を除霜するためにラジアントヒータ、ドレンパン、ドレンチューブ蒸発皿等が構成されている(図示せず)。
冷蔵室12は冷蔵保存のために凍らない温度を下限に通常1℃〜5℃とし、最下部の野菜室16は冷蔵室12と同等もしくは若干高い温度設定の2℃〜7℃としている。また、冷凍室15は冷凍温度帯に設定されており、冷凍保存のために通常−22℃〜−15℃で設定されているが、冷凍保存状態の向上のために、例えば−30℃や−25℃の低温で設定されることもある。
製氷室13は冷蔵室12内の貯水タンクから送られた水で室内上部に設けられた自動製氷機で氷をつくり、室内下部に配置した貯氷容器に貯蔵する。
切換室14は、1℃〜5℃で設定される冷蔵、2℃〜7℃で設定される野菜、通常−22℃〜−15℃で設定される冷凍の温度帯以外に、冷蔵温度帯から冷凍温度帯の間で予め設定された温度帯に切り換えることができる。切換室14は製氷室13に並設された独立扉を備えた収納室であり、引き出し式の扉を備えることが多い。
なお、本実施の形態では、切換室14を、冷蔵と冷凍の温度帯までを含めた収納室としているが、冷蔵は冷蔵室12と野菜室16、冷凍は冷凍室15に委ねて、冷蔵と冷凍の中間の上記温度帯のみの切り換えに特化した収納室としても構わない。また、特定の温度帯、例えば近年冷凍食品の需要が多くなってきたことに伴い、冷凍に固定された収納室でも構わない。
以上のように構成された冷蔵庫について、以下、その動作、作用を説明する。
本実施の形態では、庫内照明20のうち、天面LED20a、20b、および側面下方LED20g,20hを使用して収納状態を検知する。
また、本実施の形態では、光センサのうち21aを使用して収納状態を検知する。
さらに収納状態の検知精度を高める必要があるときは、照明用LED20c〜fのように使用するLED光源を増加させればよい。また、光センサ21bのように使用する光センサを増加させてもよい。
以下、図5〜図10を用いて、天面LED20a、20b、側面下方LED20g、および光センサ21aによる収納状態検知動作を詳細に説明する。冷蔵室12は高さ方向に長いことが一般的であるため、主に冷蔵室12を上下2区画に区分した考え方で収納状態の検知について説明する。
まず、扉開閉検知センサ3により信号が演算制御部1に入力され、冷蔵室扉12aの開閉が検知されたとき(ステップ101)、収納物の出し入れの可能性があったと判定し、冷蔵室扉12aが閉じられてから所定時間を演算制御部1内のタイマ4で計時した後に(
ステップ102)、収納状態の検知動作を開始する。なお、冷蔵室扉12aの開閉が検知されない場合は、収納状態の検知動作は行なわず、現状の運転状態を継続することになる(ステップ115)。
ここで、ステップ102にて所定時間を計時する理由を記載する。
ひとつには、低温となっている庫内収納棚18および扉収納棚19などが微小ながらも結露し、透過率が変化することで収納状態の検知に影響が出ることを配慮したもので、所定時間後に結露が解消されてから検知することを目的としている。
また、ひとつには、冷蔵室扉12aが開いているときに照明としてLEDが点灯し、その発熱による光度低下で収納状態の検知に影響が出ることを配慮したもので、所定時間後にLEDの温度上昇が解消されてから検知することを目的としている。なお、LEDの光度を安定させる他の手段として、LEDを冷蔵室扉12aが閉じられた後も暫く点灯し、あえて発熱させ、所定時間後にLEDの温度上昇が飽和して一定になった後、検知を開始してもLEDの光度は安定する。
収納状態検知動作を開始すると、演算制御部1から表示部17にある収納検知報知手段38に信号を送り、使用者に検知中が分かるようにLED等の発光素子を、点灯や点滅を開始継続させて視覚的にお知らせする(ステップ103)。
次に、演算制御部1から光量調整手段25に信号を送り、さらに光量調整手段25からの信号により、冷蔵庫の上区画である天面壁面に配置された天面LED20a、20bの光源を点灯する(ステップ104)。この時、例えば図6のように庫内収納棚18上に収納物23aである食品が収納されたとき、天面LED20aから出力された光24aは、収納物23aに反射して減衰し、光24b、24cのように別方向へ拡散する(以下、光の成分を図6に矢印で示し、点線は光度が減衰していることを示す)。光24b、24cはさらに冷蔵室12の壁面や他の食品(図示せず)での反射を繰り返す。
また、扉収納棚19の収納物23bで反射した光24dも減衰し、光24eのように別方向に拡散し、さらに冷蔵室12の壁面や他の食品(図示せず)での反射を繰り返す。このように反射を繰り返した後に、冷蔵室12内の明るさの分布は飽和・安定する。
なお、一般にLEDの照射光は所定の照射角度をもって発光するため、図6内に矢印で示した光は、LEDが放つ光の成分の一部である。以下、光の描写については同様である。
天面LED20a、20bは下方向を向き、光センサ21a、21cは水平方向を向き、それぞれが対向しない配置のため、ほとんどの光の成分はセンサに直接入射せず、壁面や収納物での反射を介するように構成されている。
このときの光センサ21aによる収納状態検知特性の一例が図7であり、収納量の増加とともに照度が低下していくことが分かる。ただし、天面LED20a、20bだけの点灯では、最大値と最小値の間に誤差があり、この誤差の補正方法は後述する。測定した照度情報は検知データAとしてメモリ2に記録する(ステップ105)。
なお、図7のグラフの縦軸を「照度」としているが、収納物なし時を基準とした「相対照度」または「照度減衰率」など相対値とすれば、LEDが初期特性として持つ光度バラツキなどに対応しやすい。以下、「照度」に関する考え方は同様である。
次に、演算制御部1から光量調整手段25に信号を送り、さらに光量調整手段25からの信号により、冷蔵庫の下区画である側面下方の壁面に配置された側面下方LED20gの光源を点灯する(ステップ106)。この時、例えば図8のように庫内収納棚18上に収納物23cが収納されたとき、側面下方LED20gから出力された光24fは、収納物23cである食品に反射して減衰し、光24gのように別方向へ拡散する(以下、光の成分を図8に矢印で示し、点線は光度が減衰していることを示す)。光24gはさらに冷蔵室12の壁面や他の食品(図示せず)での反射を繰り返す。
また、収納物23dで反射した光24hも減衰し、光24i、24jのように別方向に拡散し、さらに冷蔵室12の壁面や他の食品(図示せず)での反射を繰り返す。このように反射を繰り返した後に、冷蔵室12内の明るさの分布は飽和・安定する。
側面下方LED20gを点灯するときは光センサ21aで検知し、それぞれが対向しない組合せで検知するので、ほとんどの光の成分はセンサに直接入射せず、壁面や収納物での反射を介するように構成されている。
このときの光センサ21aによる収納状態検知特性の一例が図9であり、収納量の増加とともに照度が低下していくことが分かる。ただし、側面下方LED20gだけの点灯では、最大値と最小値の間に誤差があり、この誤差の補正方法は後述する。測定した照度情報は検知データBとしてメモリ2に記録する(ステップ107)。
図7および図9から、収納物が上区画に偏ったとき、天面LED20a、20b点灯時は照度減衰が大きく(図7)、側面下方LED20g、20h点灯時は照度減衰が小さい(図9)。一方、収納物が下区画に偏ったとき、天面LED20a、20b点灯時は照度減衰が小さく(図7)、側面下方LED20g、20h点灯時は照度減衰が大きい(図9)。
即ち、上区画にある天面LED20a、20b点灯時は上区画の収納物に対し感度が高く、下区画にある側面下方LED20g、20h点灯時は下区画の収納物に対し感度が高い。
以上から、上区画の天面LED20a、20b、および下区画の側面下方LED20gの順次点灯による測定結果を組み合わせ、例えば検知データA(図7の特性)と検知データB(図9の特性)を平均した値を検知データCとすると(ステップ108)、この収納状態検知特性は図10に示すようになる。図10を図7および図9と比較すると、誤差がほとんど解消され、収納物の上下への配置の偏りに関わらず、精度良く収納状態を検知することができるようになったことが分かる。
なお、ステップ108での補正計算においては、検知データAとBの単純な平均化ではなく、各データの収納状態検知への影響度を考慮し、例えば「(A×γ)+(B×δ)」と任意の係数γ、δを積算するなど、誤差が最小となるようにする。
また、収納物の左右、または奥・手前への配置偏りについては、上述と同様の考え方で冷蔵室12を2区画に区分し、それぞれにLEDまたは光センサを設ければよい。
なお、上述したLEDと光センサとの配置関係を逆にしても、この収納状態検知方式は成立する。
次に、検知データCから収納状態を推定し、一連の収納状態検知動作を終了して(ステップ109)、点灯や点滅させていた収納検知報知手段38を消灯して報知を終了させる
(ステップ110)。さらに、その収納状態の例えば収納量や収納位置等の検知結果を、演算制御部1から収納状態報知手段39に信号を送り、使用者に収納状が分かるようにLED等の発光素子により視覚的にお知らせする(ステップ111)。この時の表示方法としては、収納量によって点灯面積を変化させるインジケータや、収納位置を点灯させるエリア表示などを行なえば、使用者は一目で食品の収納状態を把握することができる。
その後、収納量または収納量の変化または収納位置、庫内の温度変動などに応じて、圧縮機30、冷却ファン31、風量調節ダンパー32などの冷却システムの制御の切換えを、演算制御部1内の判定手段5で判断して(ステップ112)、収納量が増加していたり、冷蔵室12内の温度が上昇している場合には、通常運転で冷却システムを動作させる(ステップ113)。この時、運転状態報知手段37が節電運転中を報知していれば、その報知を終了させる。
逆に、収納量が減少や維持していたり、冷蔵室12内の温度上昇がなかった場合には、節電運転として冷却システムを動作させ、運転状態報知手段37が節電運転中を報知していなければ、例えばエコを強調するようにLED等の発光素子で緑色を光らせて視覚的に使用者の分かるようにお知らせする(ステップ114)。
この様に、使用者に現在の運転状態や収納状態を報知するので勝手が良くなる。さらに、収納検知動作中も報知するので、使用者は自分の冷蔵庫の使用実態が認識でき、節電運転の啓蒙につなげることができる。
この収納検知報知手段38の具体的な報知手段としては、節電運転を報知する運転状態報知手段37と同じLED等の発光素子を点滅させれば、低コストで相違を確認することができる。また、運転状態報知手段37とは別の発光素子を表示部17に設けて、点灯や点滅させることで理解しやすい報知が可能になり、その色調は青色や白色などエコ表示の緑色と違う色調にすれば、更に識別しやすくなる。
また、運転状態報知手段37、収納検知報知手段38、収納状態報知手段39を冷蔵庫本体の操作スイッチ35あるいは操作表示部36より上方に配置しているので、使用者が冷却運転設定変更等の操作状態でも各報知手段を確実に確認することができる。
また、各報知手段と操作スイッチ35あるいは操作表示部36とを表示部17の鉛直線上に配置したことにより、使用者はスムーズな目の動きで表示部17を見ることができ、視認性が非常に良くなるので運転状態あるいは動作状態を体感的に認識することができ、商品訴求力を高めることができる。
以上のように、本発明にかかる冷蔵庫は、家庭用または業務用冷蔵庫に収納量検知機能を設けて、その結果を用いて、節電運転などに運転モードを切換える制御に実施、応用できるものである。
1 演算制御部
2 メモリ
3 扉開閉検知センサ
4 タイマ
5 判定手段
11 冷蔵庫本体
12 冷蔵室
12a 冷蔵室扉
13 製氷室
14 切換室
15 冷凍室
16 野菜室
17 表示部
18 庫内収納棚
19 扉収納棚
20 庫内照明
20a、20b 天面LED
20c〜20f 照明用LED
20g、20h 側面下方LED
21a、21b 光センサ
22 収納状態検知手段
23a〜23d 収納物
24a〜24j 光
25 光量調整手段
30 圧縮機
31 冷却ファン
32 風量調節ダンパー
33 表示カバー
34 基板
35 操作スイッチ
36 操作表示部
37 運転状態報知手段
38 収納検知報知手段
39 収納状態報知手段

Claims (8)

  1. 収納物を収納する収納室と、前記収納室の内部で前記収納物の収納状態を推定する収納状態検知手段とを有し、前記収納状態検知手段は、前記収納室の内部に設置された光源と前記光源から照射させた照射光を検知する検知部である光センサと、前記光センサの受光量によって収納状態を判定する判定手段とで構成され、前記判定手段で判定した収納状態に基づいて運転状態を切り換えるもので、前記判定手段に基づく動作状態を報知する報知手段を備えたもので、前記光源と前記光センサは対向配置せずに前記光源の光は前記光センサに直接入射せず間接光を前記光センサが検知することで収納状態を判定し、前記判定結果に基づく動作状態を報知することを特徴とする冷蔵庫。
  2. 前記報知手段は、節電運転か通常運転かをお知らせする運転状態報知手段としたことを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
  3. 前記報知手段は、前記収納状態検知手段による検知中をお知らせする収納検知報知手段としたことを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
  4. 前記運転状態報知手段と前記収納検知報知手段とを同一部品で構成し、運転状態と収納状態検知中とを切換えてお知らせすることを特徴とする請求項2または3に記載の冷蔵庫。
  5. 前記報知手段は、前記判定手段で判定した収納状態をお知らせする収納状態報知手段としたことを特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
  6. 前記報知手段を表示する表示部を前記冷蔵庫本体に備えたことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の冷蔵庫。
  7. 前記表示部に、前記冷蔵庫の操作スイッチあるいは操作表示部をさらに備え、前記報知手段を前記操作スイッチあるいは操作表示部より上方に配置したことを特徴とする請求項6に記載の冷蔵庫。
  8. 前記報知手段と前記操作スイッチあるいは操作表示部とを前記表示部の鉛直線上に配置し
    たことを特徴とする請求項7に記載の冷蔵庫。
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