請求項1に記載の発明は、前面に開口部を有する収納室と、前記収納室の天面に設けられた第1の発光部と、前記収納室の側面に設けられた第2の発光部と、前記第1の発光部より照射された光を検知する第1の光検知部と、前記第2の発光部より照射された光を検知する第2の光検知部と、収納物の反射影響を検知するために用いられる補助発光部とを備え、前記第1の光検知部と前記第2の光検知部と前記補助発光部とを、同一の基板上に設けたものであり、低コストで2つの光検知部と補助発光部を設けることができるとともに、それぞれの位置が確実に定まるので、第1の光検知部での照度減衰量に基づく収納物の収納状態の推定精度を高めることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記第1の光検知部もしくは前記第2の光検知部と前記補助発光部との間に、光を遮る遮断壁を設けたものであり、前記第1の光検知部もしくは前記第2の光検知部は補助発光部からの直接光を受光しないので、第1の光検知部での照度減衰量に基づく庫内収納棚上の収納物の収納状態の推定精度を確実に高めることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記第1の光検知部、前記第2の光検知部、前記補助発光部のそれぞれの周囲に、光を遮る遮断壁を設けたものであり、より確実に、前記第1の光検知部、前記第2の光検知部が補助発光部からの直接光を受光することを防止できる。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記補助発光部の周囲に設けられた遮断壁の高さは、前記第1の光検知部もしくは前記第2の光検知部の周囲の遮断壁の高さより高いものであり、より確実に、前記第1の光検知部、前記第2の光検知部が
補助発光部からの直接光を受光することを防止できる。
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記基板の長手方向を前記収納室の水平面に対して傾けて設けたものであり、第1の光検知部での照度減衰量に基づく収納物の収納状態の推定精度を確実に高めるとともに、低コスト化および光センサの信頼性向上が可能である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態を図1から図19に基づいて説明する。
図1は本発明の実施の形態における冷蔵庫の正面図、図2は同実施の形態における冷蔵庫の制御ブロック図、図3(a)は同実施の形態における図1のA−A線断面図、図3(b)は同実施の形態における図1の冷蔵室の扉を開けたときの正面図、図4は同実施の形態における凹部の概略正面図、図5は図4のB−B線断面図、図6は同実施の形態における収納状態検知の制御フローチャート、図7は同実施の形態における天面光源による収納状態検知動作の説明図、図8は同実施の形態における天面光源による収納状態検知特性図、図9は同実施の形態における下方の光源による収納状態検知動作の説明図、図10は同実施の形態における下方の光源による収納状態検知特性図、図11は同実施の形態における図8と図10の平均の収納状態検知特性図、図12は同実施の形態における光センサ近傍の収納例の説明図、図13は同実施の形態における光センサ近傍の収納物による誤差発生例の説明図、図14は同実施の形態における光センサ近傍の収納状態検知特性図、図15は同実施の形態における光センサ近傍の反射物収納例の説明図、図16は同実施の形態における光センサ近傍の反射物による誤差発生例の説明図、図17は同実施の形態における光の波長と反射率との関係図、図18は同実施の形態における光センサ近傍の反射物検知特性図、図19は同実施の形態における補正計算後の収納状態検知特性図である。
図1から図3において、冷蔵庫本体11である断熱箱体は、主に鋼板を用いた外箱と、ABSなどの樹脂で成形された内箱と、外箱と内箱の間に注入した断熱材で構成されている。
冷蔵庫本体11である断熱箱体は、複数の収納室に断熱区画されており、最上部に冷蔵室12、その冷蔵室12の下部に製氷室13もしくは切換室14が横並びに設けられ、その製氷室13と切換室14の下部に冷凍室15、そして最下部に野菜室16が配置され、各収納室の前面には外気と区画するための断熱扉が冷蔵庫本体の前面開口部にそれぞれ構成されている。冷蔵室12の断熱扉である冷蔵室扉12aの中央部付近には、各室の庫内温度設定や製氷および急速冷却などの設定を行うことができ、また収納状態の検知結果や冷蔵庫の運転状況などを表示できる表示部17が配置されている。
冷蔵室12内には、収納物である食品を整理して収納できるように複数の庫内収納棚18が設けられている。また冷蔵室扉12aの庫内側の面には、内部に断熱材を有し庫内側に突出する枠部12bが設けられており、枠部12bには扉収納棚19が設けられている。庫内収納棚18および扉収納棚19はガラスや透明な樹脂など光の透過率が高い材質で構成されている。庫内収納棚18および扉収納棚19の表面は、一定の透過率を保ちながら光が拡散するように加工を行うことで、冷蔵室12内の明るさの分布を調節することが可能である。このときの透過率は50%以上であることが望ましく、透過率が低いときは光が届き難い場所ができるので収納状態の検知精度が低下する。
複数の庫内収納棚18のうち最下段に位置する最下段収納棚18bの下方には、収納室40を備えている。この収納室40は引き出し可能な収納ケースにより構成されており、収納ケースの前面には最下段収納棚18bに開閉可能に設けられた扉を備えていてもよい。収納室40は、冷蔵庫内の扉開放側前面から見て右側壁面に寄せて設けられている。収納室40の左側下部には、頻繁に取り出す小物などを収納するための小物入れが設けられている。さらに、小物入れの上部には卵を収納するための卵収納容器が、小物入れの左側には製氷室13に給水するための貯水タンク41が、それぞれ設けられている。
複数の扉収納棚19のうち最下段に位置する最下段扉収納棚19bは、他の扉収納棚19に比べて、冷蔵室12の奥側に突出している。
冷蔵室12内には、収納室内である庫内を明るく照らすために庫内照明20があり、収納された収納物である食品の視認性を向上させている。庫内照明20は、冷蔵庫内の扉開放側前面から見て、天面と左側壁面と右側壁面に配置されている。この庫内照明20の光源には天面LED20a、20b、および照明用LED20c、20d、20e、20f、および側面下方LED20g、20hなど複数のLEDを使用し、側壁面においては照明用LED20c〜20gのように縦方向に配列することで、高さ方向に長い冷蔵室12全体を満遍なく照射することができる。
天面LED20a、20bは本発明のおける第1の発光部であり、側面下方LED20g、20hは本発明における第2の発光部である。天面LED20a、20bは庫内奥行の1/2より扉側、望ましくは、直近の庫内収納棚である最上段収納棚18aの前方側の端部と接する鉛直面より扉側に設けられている。さらに望ましくは、最上段収納棚18aの前方側の端部と接する鉛直面より扉側で、直近の扉収納棚である最上段扉収納棚19aの後方側の端部と接する鉛直面より奥側となる空間αの上方の天面に設けられている。
なお、天面LED20a、20bは、天面に設けられた凹部内に設けられた同一の基板上に配置されている。この凹部は、冷蔵室12の内壁を構成する内箱に、ホットメルトにより固定された支持部(図示せず)により形成されており、支持部に基板を装着後、透明や半透明の樹脂で成形したカバーで覆われている。
庫内の一方の側面の下方には、光センサであるメイン光センサ21a、およびサブ光センサ21bが設置されている。これらの光センサは、本実施の形態では照度センサを用い、最も高感度となるピーク波長を500〜600nmとしたセンサが一般的である。なお、光センサのピーク感度波長は、他の波長帯でも良く、光源の発光波長などと合わせて決定するものである。
メイン光センサ21aは本発明における第1の光検知部であり、サブ光センサ21bは本発明における第2の光検知部である。メイン光センサ21aは庫内奥行の1/2より扉側、望ましくは、直近の庫内収納棚である最下段収納棚18bの前方側の端部と接する鉛直面より扉側に設けられている。さらに望ましくは、最下段収納棚18bの前方側の端部と接する鉛直面より扉側で、天面LED20a、20bを含む鉛直面より奥側となる空間βに面する左側壁面(側面下方LED20gが設けられた面であり、かつ、側面下方LED20hが設けられた面と対向する面)に設けられている。
またメイン光センサ21aは収納室40の上面、本実施の形態では最下段収納棚18bより上方、望ましくは、収納室40の上面と最下段収納棚18bの1つ上の庫内収納棚18との間に設けられている。
サブ光センサ21bは直近の庫内収納棚である最下段収納棚18bの前方側の端部と接
する鉛直面より扉側に設けられている。さらに望ましくは、天面LED20a、20bを含む鉛直面より扉側で、枠部12bの後方側の端部と接する鉛直面より奥側となる空間γに面する左側壁面に設けられている。またサブ光センサ21bはメイン光センサ21aより上方に設けられている。
このメイン光センサ21aは、LED20a、20b、20g、20hの照射光が、収納室壁面での反射および収納物による反射・減衰を繰り返し、収納室内の明るさの分布が飽和した状態を測定・計算して収納状態を推定するものである。この原理に加え、サブ光センサ21bを配置したことで、収納物の配置によらず精度良く収納状態を検知することができる。
光センサによる物体の検知は、例えばフォトインタラプタのように、遮蔽で光の強さが極端に減衰する現象を利用して一つの物体の存在をデジタル式に検知する方式、または多数のセンサ構成で複数の物体の存在を検知する方式が一般的である。このような構成は、収納室内の限られた場所の収納物の有無を検知することしかできず、収納室全体の収納状態を把握することはできない。しかし、本発明の構成は、少数のLEDとセンサで冷蔵室12という空間内の全体の収納状態をアナログ的に把握することを可能としている。
このシステムにおいては、光センサの直ぐ手前が収納食品によって塞がれると、検知できる光のレベルが極度に低下することに伴い、光の強さの変化率が低下するため、収納状態の検知に複雑な処理が必要になる。しかし、図3(a)に示したように、冷蔵室12内が収納物で満杯になっても、天面LED20a、20b、照明用LED20c〜20f、側面下方LED20g、20hの取り付け位置には、庫内収納棚18と扉収納棚19の間に空間αがあるため、光源が食品で塞がる可能性は低い。
次に、本発明における補助発光部である青色LED22aについて説明する。青色LED22aはメイン光センサ21a、サブ光センサ21bが配置された壁面と同じ左側壁面に設けられている。青色LED22aは最下段収納棚18bの前方側の端部と接する鉛直面より扉側で、天面LED20a、20bを含む鉛直面より奥側となる空間βに面する左側壁面に設けられている。
また青色LED22aは収納室40の上面と最下段収納棚18bの1つ上の庫内収納棚18との間に設けられており、望ましくは、メイン光センサ21aより上方で、サブ光センサ21bより下方に設けられている。
さらに、メイン光センサ21a、サブ光センサ21b、青色LED22aの取付構造について、図4、図5を用いて説明する。なお、図4では、説明を簡単にするために、カバー53の図示を省略し、本体部53aの輪郭のみを破線で示している。
メイン光センサ21a、サブ光センサ21b、青色LED22aは同一の基板51上に配置され、左側壁面に設けられた凹部内に収納されている。この凹部は、冷蔵室12の内壁を構成する内箱に、ホットメルトにより固定された支持部材50により、外箱と内箱の間に注入した断熱材側に突出するように形成されている。支持部材50は略長方形で、長手方向が冷蔵室12の水平面と平行となるように配置されている。
基板51は長方形の平板で、一面または両面に回路パターン(図示せず)が形成され、熱伝導性の良好なエポキシ樹脂系の基板や絶縁金属基板である。基板51の長手方向の一端にはメイン光センサ21aが、他端にはサブ光センサ21bがそれぞれ配置されている。メイン光センサ21aが配置された側には、青色LED22aが配置されている。また、基板51の下部であって長手方向の中央より上側には、コネクタ接続方向が下から上と
なるように雄コネクタ52aが配設されている。これらの電子部品は、基板51の回路パターンに半田付けされて実装されている。
メイン光センサ21a、サブ光センサ21bの受光範囲の中心軸、および、青色LED22aの光軸はそれぞれ、基板51の平面と垂直となるように実装されている。したがって、メイン光センサ21a、サブ光センサ21bの受光範囲の中心軸、および、青色LED22aの光軸はそれぞれ、冷蔵室12の側壁と垂直となるように構成されている。
基板51はサブ光センサ21bが配置された側が上方となるように、冷蔵室12の水平面および支持部材50に対して傾斜して設置されている。このため、支持部材50と基板51と間には、前方側下方および後方側上方に、基板51が配置されていない空間部が生じる。
基板51の雄コネクタ52aには、接続電線52cを備えた雌コネクタ52bが下方から接続される。さらに、この接続電線52cは、支持部材50の前方側下方の空間部に設けられた接続電線用穴部50aを介して、断熱材から支持部材50内に引き出されている。したがって、万一、支持部材50内に水が浸入したり、支持部材50内が結露した場合にも、接続電線52cを水が伝って、雄コネクタ52a等に水が溜まることがないので、接触不良等の故障の原因となることがない。
カバー53は透明の樹脂で形成された平板状の本体部53aと、本体部53aと一体に成形され断熱材側に突出する複数のスペーサー部53bと爪部53cと、支持部材50に固定するための突起部(図示せず)とを備えている。さらに、本体部53aのメイン光センサ21a、サブ光センサ21b、青色LED22aに対応する位置には貫通孔が設けられており、それらの貫通孔の周囲には、基板51に対して垂直な筒形状となり基板51側に突出するメイン光センサ用遮断壁54a、サブ光センサ用遮断壁54b、青色LED用遮断壁55がそれぞれ設けられている。青色LED用遮断壁55の高さは、メイン光センサ用遮断壁54aもしくはサブ光センサ用遮断壁54bの高さより高くなるように形成されている。
基板51は、カバー53の本体部53aに設けられた複数のスペーサー部53bと爪部53cに保持されている。組み立ての際には、基板51を予めカバー53に取り付けた後、支持部材50に取り付けられる。これにより、基板51を支持部材50に取り付けた後、支持部材50にカバー53を取り付ける場合に比べて、メイン光センサ21a、サブ光センサ21b、青色LED22aそれぞれの周囲に、メイン光センサ用遮断壁54a、サブ光センサ用遮断壁54b、青色LED用遮断壁55それぞれを配置する位置決めが容易となり、ずれが少なく確実に取り付けることができる。
さらに、カバー53の本体部53aの庫内側の表面には、半透明の樹脂性のフィルム56が貼り付けられる。これにより、低コストで、メイン光センサ21a、サブ光センサ21bの検知性能や青色LED22aの照度を低下させることなく、貫通孔を覆うことができ、支持部材50内への水や粉塵などの浸入を防止できる。さらに、カバー53の本体部53aを介して基板51などが見えにくくなるので、意匠性が向上する。
冷蔵室12内の最上部の後方領域に形成された機械室内には、圧縮機30、水分除去を行うドライヤ等の冷凍サイクルの構成部品が収納されている。
冷凍室15の背面には冷気を生成する冷却室が設けられ、冷却室内には、冷却器、および、冷却器で冷却した冷却手段である冷気を冷蔵室12、切換室14、製氷室13、野菜室16、冷凍室15に送風する冷却ファン31が配置される。さらに冷却ファン31から
の風量を調節する風量調節ダンパー32が風路内に設置されている。また、冷却器やその周辺に付着する霜や氷を除霜するためにラジアントヒータ、ドレンパン、ドレンチューブ蒸発皿等が構成されている。
冷蔵室12は冷蔵保存のために凍らない温度を下限に通常1℃〜5℃とし、最下部の野菜室16は冷蔵室12と同等もしくは若干高い温度設定の2℃〜7℃としている。また、冷凍室15は冷凍温度帯に設定されており、冷凍保存のために通常−22℃〜−15℃で設定されているが、冷凍保存状態の向上のために、例えば−30℃や−25℃の低温で設定されることもある。
製氷室13は冷蔵室12内の貯水タンクから送られた水で室内上部に設けられた自動製氷機で氷をつくり、室内下部に配置した貯氷容器に貯蔵する。
切換室14は、1℃〜5℃で設定される冷蔵、2℃〜7℃で設定される野菜、通常−22℃〜−15℃で設定される冷凍の温度帯以外に、冷蔵温度帯から冷凍温度帯の間で予め設定された温度帯に切り換えることができる。切換室14は製氷室13に並設された独立扉を備えた収納室であり、引き出し式の扉を備えることが多い。
収納室40は、冷蔵室12と同等の温度帯や、いわゆるチルド室として−1〜1℃や、いわゆるパーシャル室として−4.5℃〜−1.5℃のいずれかの温度帯に設定されている。
なお、本実施の形態では、切換室14を、冷蔵と冷凍の温度帯までを含めた収納室としているが、冷蔵は冷蔵室12と野菜室16、冷凍は冷凍室15に委ねて、冷蔵と冷凍の中間の上記温度帯のみの切り換えに特化した収納室としても構わない。また、特定の温度帯、例えば近年冷凍食品の需要が多くなってきたことに伴い、冷凍に固定された収納室でも構わない。
以上のように構成された冷蔵庫について、以下、その動作・作用を説明する。
本実施の形態では、庫内照明20のうち、天面LED20a、20b、および側面下方LED20g,20hを使用して収納状態を検知する。
また、本実施の形態では、光センサ21のうち、メイン光センサ21a、およびサブ光センサ21bを使用して収納状態を検知する。
さらに収納状態の検知精度を高める必要があるときは、照明用LED20c〜20fのように使用するLED光源を増加させればよい。また、使用する光センサを増加させてもよい。
以下、図6〜図11を用いて、天面LED20a、20b、側面下方LED20g、およびメイン光センサ21aによる収納状態検知動作を詳細に説明する。冷蔵室12は高さ方向に長いことが一般的であるため、主に冷蔵室12を上下2区画に区分した考え方で収納状態の検知例を記載する。
まず、扉開閉検知センサ3により冷蔵室扉12aの開閉が検知されたとき(ステップ101)、収納物の出し入れの可能性があったと判定し、冷蔵室扉12aが閉じられてから所定時間をタイマ4で計時した後に(ステップ102)、収納状態の検知動作を開始する。
ここで、ステップ102にて所定時間を計時する理由を記載する。
ひとつには、低温となっている庫内収納棚18および扉収納棚19などが微小ながらも結露し、透過率が変化することで収納状態の検知に影響が出ることを配慮したもので、所定時間後に結露が解消されてから検知することを目的としている。
また、ひとつには、冷蔵室扉12aが開いているときに照明としてLEDが点灯し、その発熱による光度低下で収納状態の検知に影響が出ることを配慮したもので、所定時間後にLEDの温度上昇が解消されてから検知することを目的としている。なお、LEDの光度を安定させる他の手段として、LEDを冷蔵室扉12aが閉じられた後も暫く点灯し、あえて発熱させ、所定時間後にLEDの温度上昇が飽和して一定になった後、検知を開始してもLEDの光度は安定する。
収納状態検知動作を開始すると、最初に冷蔵庫の上区画である天面壁面に配置された天面LED20a、20bの光源を点灯する(ステップ103)。例えば図7のように庫内収納棚18上に収納物23aである食品が収納されたとき、天面LED20aから出力された光24a(以下、光の成分を図7に矢印で示す。点線は光度が減衰していることを示す。)は、収納物23aである食品に反射・吸収して減衰し、光24b、24cのように別方向へ拡散する。光24b、24cはさらに冷蔵室12の壁面や他の食品(図示せず)での反射を繰り返す。また、扉収納棚19の収納物23bで反射した光24dも減衰し、光24eのように別方向に拡散し、さらに冷蔵室12の壁面や他の食品(図示せず)での反射を繰り返す。このように反射を繰り返した後に、冷蔵室12内の明るさの分布は飽和・安定する。
なお、一般にLEDの照射光は所定の照射角度をもって発光するため、図7内に矢印で示した光は、LEDが放つ光の成分の一部である。以下、光の描写については同様である。
天面LED20a、20bは下方向を向き、メイン光センサ21aは水平方向を向き、それぞれが対向しない配置のため、ほとんどの光の成分はセンサに直接入射せず、壁面や収納物での反射を介するように構成されている。
このときのメイン光センサ21aによる収納状態検知特性の一例が図8であり、収納量の増加とともに照度が低下していくことが分かる。ただし、天面LED20a、20bだけの点灯では、最大値と最小値の間に誤差があり、この誤差の補正方法は後述する。測定した照度情報は検知データAとしてメモリ2に記録する(ステップ104)。
なお、図8グラフの縦軸を「照度」としているが、収納物なし時を基準とした「相対照度」または「照度減衰率」など相対値とすれば、LEDが初期特性として持つ光度バラツキなどに対応しやすい。また、収納物なし時を基準とした「照度減衰量」としてもよい。以下、「照度」に関する考え方は同様である。
次に、冷蔵庫の下区画である側面下方の左側壁面に配置された側面下方LED20gの光源を点灯する(ステップ105)。例えば図9のように庫内収納棚18上に収納物23cである食品が収納されたとき、側面下方LED20gから出力された光24f(以下、光の成分を図9に矢印で示す。点線は光度が減衰していることを示す。)は、収納物23cである食品に反射して減衰し、光24gのように別方向へ拡散する。光24gはさらに冷蔵室12の壁面や他の食品(図示せず)での反射を繰り返す。また、収納物23dで反射した光24hも減衰し、光24i、24jのように別方向に拡散し、さらに冷蔵室12の壁面や他の食品(図示せず)での反射を繰り返す。このように反射を繰り返した後に、
冷蔵室12内の明るさの分布は飽和・安定する。
側面下方LED20gを点灯するときはメイン光センサ21aで検知し、それぞれが対向しない組合せで検知するので、ほとんどの光の成分はセンサに直接入射せず、壁面や収納物での反射を介するように構成されている。すなわち、収納室内における収納物での反射光を含めた間接的な照射光を検知するものである。
このときのメイン光センサ21aによる収納状態検知特性の一例が図10であり、収納量の増加とともに照度が低下していくことが分かる。ただし、側面下方LED20gだけの点灯では、最大値と最小値の間に誤差があり、この誤差の補正方法は後述する。測定した照度情報はメモリ2に記録する(ステップ106)。
図8および図10から、収納物が上区画に偏ったとき、天面LED20a、20b点灯時は照度減衰が大きく(図8)、側面下方LED20g、20h点灯時は照度減衰が小さい(図10)。一方、収納物が下区画に偏ったとき、天面LED20a、20b点灯時は照度減衰が小さく(図8)、側面下方LED20g、20h点灯時は照度減衰が大きい(図10)。
即ち、上区画にある天面LED20a、20b点灯時は上区画の収納物に対し感度が高く、下区画にある側面下方LED20g、20h点灯時は下区画の収納物に対し感度が高い。
以上から、上区画の天面LED20a、20b、および下区画の側面下方LED20gの順次点灯による測定結果を組み合わせ、例えば検知データA(図8の特性)と検知データB(図10の特性)を平均した値を検知データCとすると(ステップ107)、この収納状態検知特性は図11に示すようになる。図11を図8および図10と比較すると、誤差がほとんど解消され、収納物の上下への配置の偏りに関わらず、精度良く収納状態を検知することができるようになったことが分かる。
なお、収納物の左右、または奥・手前への配置偏りについては、上述と同様の考え方で冷蔵室12を2区画に区分し、それぞれにLEDまたは光センサを設ければよい。
以下、図12〜図14を用いて、メイン光センサ21aへの光の入射経路に障害物があった場合に発生する誤差の補正方法について説明する。
図12において、収納物23e(以下、障害物とも表記)はメイン光センサ21a付近にあるため光の入射経路を狭める障害物となる可能性がある。このように障害物が存在したときのメイン光センサ21aによる収納状態検知特性の一例が図13(検知データC)であり、障害物なし時の最大値(a)は障害物あり時の最大値(b)まで減衰し、障害物の有無によって誤差が発生する。同様に、障害物なし時の最小値(c)は障害物あり時の最小値(d)まで減衰し誤差が発生する。この誤差を補正するために、右側壁面に設けられた側面下方LED20hと、左側壁面に設けられたサブ光センサ21bによって、収納物23eの収納状態を検知する。
図14に示すように、側面下方LED20hを点灯したとき(ステップ108)、サブ光センサ21bの検知データDを取得する(ステップ109)。収納物23eがメイン光センサ21aへの光の入射経路を狭めるレベルの大きさであれば、側面下方LED20hとサブ光センサ21bとを結ぶ光の経路が遮蔽されるため、サブ光センサ21bの検知データDが極端に低下する。この現象を利用し、検知データDと閾値Eと比較することで(ステップ110)、障害物ありと判別したときは図13の障害物なし時の判別特性Fから
収納状態を判別し(ステップ111)、障害物なしと判別したときは図13の障害物あり時の判別特性Gから収納状態を判別する(ステップ112)。
以下、図15〜図18を用いて、メイン光センサ21aの周辺に反射率の高い収納物23f(以下、反射物とも表記)があった場合に発生する誤差の補正方法について説明する。
一般に反射率の高い収納物は、白色あるいは白色に近い色の物体である。また金属の容器のように光の拡散性が低く集光性のある物体も反射物と定義する。
図15において、収納物23fの反射率が高いときは光の減衰が少なく、また光が拡散せずに集光される場合もあり、収納物23fの周辺の照度は高くなる傾向がある。これに伴い、近傍のメイン光センサ21a周辺の照度も高くなり、図16のメイン光センサ21aによる収納状態検知特性の一例(検知データC)に示すように、収納物23fの反射率によって誤差が発生する。例えば、反射物なし時の特性(a)に対し、やや高い反射率の収納物あり時の特性(b)では誤差Jが発生し、また、高反射率の収納物あり時の特性(c)では誤差Hが発生する。
この誤差を補正するために、青色LED22aとメイン光センサ21aによって、収納物23fの反射影響を検知する。一般的に反射率が高いのは白色の物体であるので、特に白色の物体を識別する必要がある。例えば、図17の(a)に示すように、400〜500nmにピークを持つ青色の波長帯の光は、赤色の物体での反射率が低い。また、図17の(b)に示すように、青色の物体での反射率も50%以下と低めである。一方、図17の(c)に示すように、白色の物体は全波長帯の光を強く反射する特性があるので、反射率が高くなる。即ち、青色の波長は、白色以外の物体には反射しにくいため、白色の物体を見分けることに適している。
例えば、青色ではなく、赤色の波長の光を使用すると仮定する。このとき、図17の(a)に示すように、650nm前後にピークを持つ赤色の波長帯の光は赤色の物体での反射率が高く、図17の(c)に示す白色の物体での反射率と同等となる。即ち、赤色の光は反射率の低い同色の物体でも一定レベルで反射するので、白色と赤色の物体の区別が困難であり、反射物の判別は青色の方が容易である。
なお、反射率は物体の色に影響されるため、例えばRGBの波長を利用した色度センサなどを用いればさらに良い。
また、金属の容器のように光の拡散性が低い物体は、特に光の波長に関係なく光を集光するので、その特性を利用して検知できる。
図18に示すように、反射物による誤差と、青色LED22a点灯時のメイン光センサ21aの出力には相関があるため、この誤差分を補正する。
まず、青色LED22aを点灯し(ステップ113)、メイン光センサ21aによる検知データKをメモリ2に記録する(ステップ114)。
次に、図18のように設けられた閾値Lと検知データKを比較し(ステップ115)、検知データKの方が小さければ反射影響は微小であると判定して補正は行わない(ステップ116)。一方、検知データKの方が大きければ反射影響があると判定し、反射物による誤差判別特性Mに基づいて、誤差Jあるいは誤差Hの値を推定し、補正を行う(ステップ117)。
以上より、図6に従い、基本データ取得、障害物補正、反射物補正を演算制御部1で行った後の収納量検知特性(補正後)を図19に示す。補正後の最大値(a)と補正後の最小値(b)との誤差は極めて小さくなり、収納状態を精度良くアナログ的に推定できることが分かる(ステップ118)。
収納状態の推定においては、図19のように閾値P、Q、R、Sを設け、収納量レベルを1〜5の5段階で判別する仕様とした。具体的には、閾値P以上のときはレベル1、閾値P〜Qのときはレベル2、閾値Q〜Rのときはレベル3、閾値R〜Sのときはレベル4、閾値S以下のときはレベル5と判別する。
また、例えば、収納量が増加を判定するときについて、変化前の収納量がレベル3であるとすると、照度変化が「閾値Q−閾値R」の差分以上であったときのみレベル4に移行するように判別し、これ以外の場合はレベル3で保留する。これにより、外部ノイズなどにより数パーセントの検知誤差が発生しても、収納状態の変化の誤検知を防止することができる。収納量の減少を判定するときについても同様の考え方で行う。
また、図19の閾値P〜Tの間隔は、収納量が少ないときは広く、また多いときは狭くしている。これは、収納量検知特性(補正後)が、収納量が少ないときほど傾きが大きく、収納量が多いときほど傾きが小さくなることに配慮したもので、収納レベル1〜5の間隔が均等になるようにしている。
当然ながら、上述のような段階分けをせず、完全にアナログ的な判別をしてもよい。また、メイン光センサ21aの周辺の反射物により発生する誤差の補正方法として、青色LED22aとサブ光センサ21bによって、反射物の反射影響を判定してもよい。
収納状態を推定した後は、収納量または収納量の変化または収納位置などに応じて、圧縮機30、冷却ファン31、風量調節ダンパー32などの冷却システムを制御し、最適な冷却運転に変更する。
また、LEDを順次点灯し、収納状態を検知している間に、表示部17のランプを明滅させるなど、使用者に報知する。さらに、収納状態を検知した後は、検知結果を表示部17に表示し、使用者に報知する。
以上のように、本実施の形態1においては、冷蔵室12の内部に設置された天面LED20a、20bおよび側面下方LED20g、20hと照射光を検知する光センサであるメイン光センサ21aとを有し、メイン光センサ21aでの照度減衰量に基づいて収納物の収納状態を推定することにより、光源であるLEDの初期特性等のバラツキに対応でき、冷蔵室12内の全体の収納状態を、精度を高めて推定することが可能となる。また、光源の照射光は収納室内で反射を繰り返して庫内全体に行渡り、光センサに入光するので、部品数が少なく簡易な構成で収納状態を検知することができる。なお、メイン光センサ21aが設けられた壁面と対向する壁面に、別のメイン光センサを配置としてもよい。これにより、さらに収納状態の推定精度を高めることができる。
また、メイン光センサ21aでの照度減衰量は、収納室内に収納物がない状態での照度に対する収納状態での照度に基づいて収納物の収納状態を推定するものであり、光源であるLEDのバラツキだけでなく冷蔵庫の収納室内の個体バラツキにも対応でき、収納物の収納状態の推定精度をさらに高めることができる。
また、メイン光センサ21aでの照度減衰量は、収納室内における収納物での反射光を
含めた間接的な照射光を検知するものであり、収納物の収納状態を照度減衰量として容易に精度よく推定することができる。
また、メイン光センサ21aは収納室の側面に設けられた凹部内に配置したことにより、メイン光センサ21aは光源である天面LED20a、20bからの直接光を受光しないので、収納物での反射光を含めた間接的な照射光のみを検知し、収納物の収納状態を照度減衰量として容易に精度よく推定することができる。
また、メイン光センサ21aは冷蔵室12の奥行き方向における中心より冷蔵室扉12a側に設けたので、扉開閉による外気流入の影響を受け易い入り口付近の食品の収納状態を確実に検知することができる。
また、直近の庫内収納棚である最下段収納棚18bの前方側の端部と接する鉛直面より扉側に設けられている。冷蔵室扉12aと最下段収納棚18bの前端との上下の空間は、収納物によって遮られる可能性が低く、光源からの安定した光路を確保しつつ、庫内収納棚18上の収納物の存在による照度減衰量に基づいて収納物の収納状態を精度よく推定することができる。さらに、メイン光センサ21aは天面LED20a、20bを含む鉛直面より奥側に配置されているため、より庫内収納棚18上の収納物を精度よく検知できる。
また、メイン光センサ21aは収納室40の上面、または、最下段収納棚18bより上方に設けられているので、収納室40の収納ケースを引き出したり、最下段収納棚18bより下方に設けられた貯水タンク41を引き出したりする際にも邪魔にならない。さらに、メイン光センサ21aは、最下段収納棚18bの1つ上の庫内収納棚18より下方に設けられているので、庫内収納棚18を取り外す際にも邪魔にならない。また、庫内収納棚18、収納ケース、貯水タンク41の取り外しに支障をきたさない範囲で、天面LED20a、20bから下方向に最も離れた位置に配置されていることとなるため、メイン光センサ21aと天面LED20a、20bとの間のすべての庫内収納棚18上の収納物を検知できる。 また、天面LED20a、20bとメイン光センサ21aとでの照度減衰量を収納状態により補正する補正手段として、メイン光センサ21aと同じ側の壁面に設けられた側面下方LED20gとメイン光センサ21aとで照度減衰量を用いることにより、収納室内における収納物の偏り、特に、上下方向の収納状態の偏りによるバラツキ要因を吸収することができ、収納物の収納状態に起因する収納量の推定精度を高めることができる。
また、本実施の形態1においては、メイン光センサ21aでの照度減衰量を収納状態により補正する補正手段として、メイン光センサ21a近傍の収納物の収納状態、特に、最下段扉収納棚19bの収納物の収納状態を補正する手段であるサブ光センサ21bを備えている。これにより、メイン光センサ21aに対する収納物による影の生成に起因する収納量の推定精度を確実に高めることができる。なお、サブ光センサ21bはメイン光センサ21aと同じ側の側面に配置され、メイン光センサ21aの周囲120cm以内に配置されることが、メイン光センサ21aへの収納物による影の影響を補正する上で望ましい。
また、サブ光センサ21bは収納室の側面に設けられた凹部内に配置したことにより、サブ光センサ21bは光源である側面下方LED20gからの直接光を受光しないので、収納物での反射光を含めた間接的な照射光のみを検知し、収納物の影響を精度よく補正できる。
また、サブ光センサ21bはメイン光センサ21aより上方に配置されているため、天
面LED20a、20bや側面下方LED20gとメイン光センサ21aの間に位置することとなり、メイン光センサ21aに影をおとす収納物の影響を精度よく補正できる。なお、サブ光センサ21bは、最下段扉収納棚19bの底面から130mm〜170mmの高さに配置されることが、最下段扉収納棚19bに収納される可能性が高い、高さ190〜230mm程度のボトル等の収納物による影響を補正する上で望ましい。
また、サブ光センサ21bは直近の庫内収納棚である最下段収納棚18bの前方側の端部と接する鉛直面より扉側に配置されているため、扉収納棚19上の収納物の影響を精度よく補正できる。さらに、天面LED20a、20bを含む鉛直面より前方で、枠部12bの後方側の端部と接する鉛直面より奥側となるに設けられているため、最下段扉収納棚19b上の収納物の影響を精度よく補正できる。
また、本実施の形態1においては、メイン光センサ21aでの照度減衰量を収納状態により補正する補正手段として、収納室内における収納物の反射率を補正する手段である天面LED20a、20bや側面下方LED20gとは異なる色で発光する補助発光部を備えたことにより、収納物の反射率に起因する収納量の推定精度を確実に高めることができる。特に、補助発光部である青色LED22aからの青色の光の収納物による反射光を、メイン光センサ21aで検知することにより、メイン光センサ21a周辺の照度に影響を及ぼす反射率の高い収納物の存在を確実に検知でき、メイン光センサ21aによる収納量の推定精度を確実に高めることができる。
青色LED22aはメイン光センサ21aと同じ側の側面に配置され、メイン光センサ21aの周囲120cm以内に配置されることが、メイン光センサ21a周辺の照度に影響を及ぼす収納物の反射影響を判定する上で望ましい。
また、青色LED22aは収納室の側面に設けられた凹部内に配置したことにより、メイン光センサ21aは光源である青色LED22aからの直接光を受光しないので、収納物での反射光を含めた間接的な照射光のみを検知し、メイン光センサ21a周辺の照度に影響を及ぼす収納物の反射影響を確実に判定できる。
また、青色LED22aの光軸の中心を収納室の側面と垂直とすることにより、メイン光センサ21aは光源である青色LED22aからの直接光を受光しないので、収納物での反射光を含めた間接的な照射光のみを検知し、メイン光センサ21a周辺の照度に影響を及ぼす収納物の反射影響を確実に判定できる。
あるいは、青色LED22aの光軸の中心と、メイン光センサ21aの光検知部の受光範囲の中心軸とが収納室内で交差しないことにより、メイン光センサ21aは光源である青色LED22aからの直接光を受光しないので、収納物での反射光を含めた間接的な照射光のみを検知し、メイン光センサ21a周辺の照度に影響を及ぼす収納物の反射影響を確実に判定できる。
また、青色LED22aは最下段収納棚18bと最下段収納棚18bの1つ上の庫内収納棚18との間に設けられているので、メイン光センサ21a周辺の照度に影響を及ぼす最下段収納棚18b上の収納物の反射影響を確実に判定できる。さらに、メイン光センサ21aより上方に設けられているので、最下段収納棚18b上に複数の反射率の高い収納物が積み重ねられた場合にも、確実にそれらの反射影響を確実に判定できる。
また、青色LED22aは天面LED20a、20bを含む鉛直面より後方に配置されているため、メイン光センサ21a周辺の照度に影響を及ぼす可能性の高い庫内収納棚18上の収納物の反射影響を精度よく判定できる。さらに、最下段収納棚18bの前方側の
端部と接する鉛直面より扉側に配置されているため、庫内収納棚18上の収納物のうち、メイン光センサ21a周辺の照度に影響を及ぼす可能性の高い庫内収納棚18上の手前側の収納物の反射影響を精度よく判定できる。
また、メイン光センサ21a、サブ光センサ21bは光源である天面LED20a、20bおよび側面下方LED20gより下方に配置したことにより、光センサは扉開閉での外気の流入による結露の影響を低減でき、光センサでの照度減衰量に基づいて収納物の収納状態を精度よく推定することができる。
また、収納状態検知に使用する光源のうち側面下方LED20gを庫内照明20と兼用したので、新たな光源を設けることなく、簡易な構成で収納状態を検知することができる。
また、本実施の形態1においては、メイン光センサ21aとサブ光センサ21bを同一の基板51上に実装したことにより、メイン光センサ21aとサブ光センサ21bとの距離が、組み立て状態によらずほぼ一定となるので、サブ光センサ21bによる収納物の収納状態の補正が精度よく行える。
あるいは、メイン光センサ21aと青色LED22aを同一の基板51上に実装したことにより、メイン光センサ21aと青色LED22aとの距離が、組み立て状態によらずほぼ一定となるので、青色LED22aによる反射率の高い収納量の反射影響の判定が精度よくできる。
あるいは、メイン光センサ21a、サブ光センサ21b、青色LED22aの少なくとも2つ、または、すべてを同一の基板51上に実装したことにより、低コストで光センサ、補助発光部を設けることができ、また、それぞれの位置が確実に定まる。これにより、メイン光センサ21aでの照度減衰量に基づく収納物の収納状態を補正する精度を高めることができる。また、組み立ての際に、カバー53の貫通孔との位置合わせが容易となる。さらに、青色LED22aはメイン光センサ21aとサブ光センサ21bの間に設けられているため、光センサを両端に配置すれば容易に同一の基板51上にすべてを実装できる。
また、本実施の形態1においては、メイン光センサ21a、サブ光センサ21b、青色LED22aのそれぞれの周囲に遮断壁を設けたので、確実に、青色LED22aの光が支持部材50内で直接、メイン光センサ21aやサブ光センサ21bに入射することを防止できるとともに、より組み立ての際のカバー53の貫通孔との位置合わせが容易となる。なお、メイン光センサ21a、青色LED22aのいずれか一方の周囲に遮断壁を設ければ、青色LED22aの光が支持部材50内で直接、メイン光センサ21aに入射することを防止できる。あるいは、サブ光センサ21b、青色LED22aのいずれか一方の周囲に遮断壁を設ければ、青色LED22aの光が支持部材50内で直接、サブ光センサ21bに入射することを防止できる。
さらに、青色LED用遮断壁55の高さは、メイン光センサ用遮断壁54aもしくはサブ光センサ用遮断壁54bの高さより高くなるように形成されているので、確実に、青色LED22aの光が支持部材50内に漏れるのを防止できる。
さらに、遮断壁は基板51に対して垂直な筒形状であるので、遮蔽壁により光センサの受光範囲を絞る、あるいは、補助発光部の光の拡散範囲を絞ることができるので、光センサの受光感度を向上させたり、特定の範囲の収納物を確実に検知することができる。さらに、カバー53に設ける貫通孔を小さくできるので、意匠性が向上する。
また、本実施の形態1においては、基板51を収納室の水平面に対して傾けて設置したことにより、基板51の面積を縮小することで使用材料の低減による低コスト化ができるとともに、基板51が結露した場合にも、水分を基板51の下端下方に移動させ、すみやかに水を切ることができるので、絶縁不良等の故障の原因となることがない。
(実施の形態2)
以下、本発明の実施の形態2を図20に基づいて説明する。図20は本発明の実施の形態2における遮断壁の要部側面断面図である。
本実施の形態においては、第1の実施の形態と異なる点のみを説明し、同様の構成、動作、作用については、説明を省略する。
図20に示すように、本発明の実施の形態では、本体部53aのメイン光センサ21a、サブ光センサ21b、青色LED22aそれぞれの貫通孔の周囲に設けられたメイン光センサ用遮断壁64a、サブ光センサ用遮断壁64b、青色LED用遮断壁65は、基板51からカバー53に向かうにしたがってテーパ状に広がる円錐台形状となっている。このため、カバー53を設けても、カバー53により光センサの受光範囲を絞る、あるいは、補助発光部の光の拡散範囲を絞ることがないので、広い範囲の収納物を検知することができる。