JP5894469B2 - 熱間プレス用鋼板およびプレス成形品、並びにプレス成形品の製造方法 - Google Patents
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Description
C :0.15〜0.5%(質量%の意味。以下、化学成分組成について同じ。)、
Si:0.2〜3%、
Mn:0.5〜3%、
P :0.05%以下(0%を含まない)、
S :0.05%以下(0%を含まない)、
Al:0.01〜1%、
B :0.0002〜0.01%、
Ti:3.4[N]+0.01%以上、3.4[N]+0.1%以下[但し、[N]はNの含有量(質量%)を示す]、および
N:0.0010〜0.01%、
を夫々含有し、残部が鉄および不可避不純物からなり、
鋼板中に含まれるTi含有析出物のうち、円相当直径が30nm以下のものの平均円相当直径が6nm以下であると共に、鋼中の析出Ti量と全Ti量とが下記(1)式の関係を満足し、且つ、金属組織が、フェライトの分率が30面積%以上であることを特徴とする。尚、「円相当直径」とは、Ti含有析出物(例えばTiC)の大きさ(面積)に着目したときに、同一面積の円に換算したときの直径(「平均円相当直径」はその平均値)である。
析出Ti量(質量%)−3.4[N]<0.5×[全Ti量(質量%)−3.4[N]] …(1)
((1)式中、[N]は鋼中のNの含有量(質量%)を示す)
析出Ti量(質量%)−3.4[N]<0.5×[全Ti量(質量%)−3.4[N]] …(1)
((1)式中、[N]は鋼中のNの含有量(質量%)を示す)
析出Ti量(質量%)−3.4[N]<0.5×[全Ti量(質量%)−3.4[N]] …(1)
((1)式中、[N]は鋼中のNの含有量(質量%)を示す)
Cは、成形品内で均一な特性が要求される場合の高強度と伸びのバランスを高レベルで達成するために、或は単一成形品内に耐衝撃部位とエネルギー吸収部位に相当する領域が要求される場合の、特に低強度・高延性部位において残留オーステナイトを確保する上で重要な元素である。また熱間プレス成形での加熱時に、Cがオーステナイトに濃化することで、焼入れ後に残留オーステナイトを形成させることができる。更に、マルテンサイト量の増加にも寄与し、強度を上昇させる。これらの効果を発揮させるためには、C含有量は0.15%以上とする必要がある。
Siは、金型焼入れの冷却中にマルテンサイトが焼戻されてセメンタイトが形成されたり、未変態のオーステナイトが分解されることを抑制することで、残留オーステナイトを形成させる効果を発揮する。こうした効果を発揮させるためには、Si含有量は0.2%以上とする必要がある。またSi含有量が過剰になって3%を超えると、熱間圧延後の冷却中にフェライト変態が促進されるようになるため、その際に形成されるフェライト中のTiCが粗大に形成されやすくなり、HAZ軟化防止特性が得られなくなる。Si含有量の好ましい下限は0.5%以上(より好ましくは1.0%以上)であり、好ましい上限は2.5%以下(より好ましくは2.0%以下)である。
Mnは、焼入れ性を高め、金型焼入れの冷却中のマルテンサイト、残留オーステナイト以外の組織(フェライト、パーライト、ベイナイト等)の形成を抑制するのに有効な元素である。また、オーステナイトを安定化させる元素であり、残留オーステナイト量の増加に寄与する元素である。こうした効果を発揮させるためには、Mnは0.5%以上含有させる必要がある。特性だけを考慮した場合は、Mn含有量は多い方が好ましいが、合金添加のコストが上昇することから、3%以下とした。Mn含有量の好ましい下限は0.7%以上(より好ましくは1.0%以上)であり、好ましい上限は2.5%以下(より好ましくは2.0%以下)である。
Pは、鋼中に不可避的に含まれる元素であるが、延性を劣化させるので、Pは極力低減することが好ましい。しかしながら、極端な低減は製鋼コストの増大を招き、0%とすることは製造上困難であるので、0.05%以下(0%を含まない)とした。P含有量の好ましい上限は0.045%以下(より好ましくは0.040%以下)である。
SもPと同様に鋼中に不可避的に含まれる元素であり、延性を劣化させるので、Sは極力低減することが好ましい。しかしながら、極端な低減は製鋼コストの増大を招き、0%とすることは製造上困難であるので、0.05%以下(0%を含まない)とした。S含有量の好ましい上限は0.045%以下(より好ましくは0.040%以下)である。
Alは、脱酸元素として有用であると共に、鋼中に存在する固溶NをAlNとして固定し、延性の向上に有用である。こうした効果を有効に発揮させるためには、Al含有量は0.01%以上とする必要がある。しかしながら、Al含有量が過剰になって1%を超えると、Al2O3が過剰に生成し、延性を劣化させる。尚、Al含有量の好ましい下限は0.02%以上(より好ましくは0.03%以上)であり、好ましい上限は0.8%以下(より好ましくは0.6%以下)である。
Bは、高強度部位側でフェライト変態、パーライト変態およびベイナイト変態を抑制する作用を有するため、(Ac1変態点〜Ac3変態点)の二相域温度に加熱後の冷却中に、フェライト、パーライト、ベイナイトの形成を防止し、残留オーステナイトの確保に寄与する元素である。こうした効果を発揮させるためには、Bは0.0002%以上含有させる必要があるが、0.01%を超えて過剰に含有させても効果が飽和する。B含有量の好ましい下限は0.0003%以上(より好ましくは0.0005%以上)であり、好ましい上限は0.008%以下(更に好ましくは0.005%以下)である。
Tiは、Nを固定し、Bを固溶状態で維持させることで焼入れ性の改善効果を発現させる。こうした効果を発揮させるためには、TiとNの化学量論比[Nの含有量の3.4倍]よりも0.01%以上多く含有させることが重要である。またNに対して過剰に添加されたTiをホットスタンプ成形品内に固溶状態で存在させ、且つ析出した化合物を微細に分散させておくことによって、ホットスタンプ成形品を溶接した際に固溶したTiがTiCとして形成されることによる析出強化や、TiCによる転位の移動防止効果による転位密度の増加遅延等の効果により、HAZにおける強度低下が抑制できる。但し、Ti含有量が過剰になって3.4[N]+0.1%よりも多くなると、形成されるTi含有析出物(例えばTiN)が粗大化され、鋼板の延性が低下する。Ti含有量のより好ましい下限は3.4[N]+0.02%以上(更に好ましくは3.4[N]+0.05%以上)であり、より好ましい上限は3.4[N]+0.09%以下(更に好ましくは3.4[N]+0.08%以下)である。
Nは、不可避的に混入する元素であり、できるだけ低減することが好ましいが、実プロセスの中で低減するには限界があるため、0.001%を下限とした。また、N含有量が過剰になると、形成されるTi含有析出物(例えばTiN)が粗大化され、この析出物が破壊の起点として働き、鋼板の延性を低下させるため、上限を0.01%とした。N含有量のより好ましい上限は0.008%以下(更に好ましくは0.006%以下)である。
V,NbおよびZrは、微細な炭化物を形成し、ピン止め効果により組織を微細にする効果がある。こうした効果を発揮させるためには、合計で0.001%以上含有させることが好ましい。しかしながら、これらの元素の含有量が過剰になると、粗大な炭化物が形成され、破壊の起点になることで逆に延性を劣化させる。こうしたことから、これらの元素は合計で0.1%以下とすることが好ましい。これらの元素の含有量のより好ましい下限は合計で0.005%以上(更に好ましくは0.008%以上)であり、より好ましい上限は合計で0.08%以下(更に好ましくは0.06%以下)である。
Cu,Ni,CrおよびMoは、フェライト変態、パーライト変態およびベイナイト変態を抑制するため、加熱後の冷却中に、フェライト、パーライト、ベイナイトの形成を防止し、残留オーステナイトの確保に有効に作用する。こうした効果を発揮させるためには、合計で0.01%以上含有させることが好ましい。特性だけを考慮すると含有量は多いほうが好ましいが、合金添加のコストが上昇することから、合計で1%以下とすることが好ましい。また、オーステナイトの強度を大幅に高める作用を有するため、熱間圧延の負荷が大きくなり、鋼板の製造が困難になるため、製造性の観点からも1%以下とすることが好ましい。これらの元素含有量のより好ましい下限は合計で0.05%以上(更に好ましくは0.06%以上)であり、より好ましい上限は合計で0.5%以下(更に好ましくは0.3%以下)である。
これらの元素は、介在物を微細化するため、延性向上に有効に作用する。こうした効果を発揮させるためには、合計で0.0001%以上含有させることが好ましい。特性だけを考慮すると含有量は多いほうが好ましいが、効果が飽和することから、合計で0.01%以下とすることが好ましい。これらの元素含有量のより好ましい下限は合計で0.0002%以上(更に好ましくは0.0005%以上)であり、より好ましい上限は合計で0.005%以下(更に好ましくは0.003%以下)である。
プレス成形品の組織を適切に調整するためには、加熱温度は所定の範囲に制御する必要がある。この加熱温度を適切に制御することによって、その後の冷却過程で、所定量の残留オーステナイトを確保しつつ、マルテンサイトを主体とする組織に変態させ、最終的な熱間プレス成形品の領域内で所望の組織に作り込むことができる。この領域での鋼板加熱温度がAc3変態点未満であると、加熱時に十分な量のオーステナイトが得られず、最終組織(成形品の組織)で所定量の残留オーステナイトを確保できない。また、鋼板の加熱温度が950℃を超えると、加熱時にオーステナイトの粒径が大きくなり、マルテンサイト変態開始温度(Ms点)およびマルテンサイト変態終了温度(Mf点)が上昇し、焼入れ時に残留オーステナイトを確保できず、良好な成形性が達成されない。鋼板の加熱温度は、好ましくはAc3変態点+50℃以上であり、930℃以下である。
下記表1、2に示した化学成分組成を有する鋼材(鋼No.1〜32)を真空溶製し、実験用スラブとした後、熱間圧延を行って鋼板とし、その後に冷却して巻取りを模擬した処理を施した(板厚:1.6mmm若しくは3.0mm)。巻取り模擬処理方法は、巻取り温度まで冷却後、巻取り温度に加熱した炉に試料を入れ、30分保持した後炉冷した。このときの鋼板製造条件を下記表3、4に示す。尚、表1、2中のAc1変態点、Ac3変態点、Ms点およびBs点は、下記の(2)式〜(5)式を用いて求めたものである(例えば、「レスリー鉄鋼材料学」丸善,(1985)参照)。また、表3の備考欄に示した処理(1)、(2)は、下記に示す各処理(圧延、冷却、合金化)を行ったものである。
Ac3変態点(℃)=910−203×[C]1/2+44.7×[Si]−30×[Mn]+700×[P]+400×[Al]+400×[Ti]+104×[V]−11×[Cr]+31.5×[Mo]−20×[Cu]−15.2×[Ni] …(3)
Ms点(℃)=550−361×[C]−39×[Mn]−10×[Cu]−17×[Ni]−20×[Cr]−5×[Mo]+30×[Al] …(4)
Bs点(℃)=830−270×[C]−90×[Mn]−37×[Ni]−70×[Cr]−83×[Mo] …(5)
但し、[C],[Si],[Mn],[P],[Al],[Ti],[V],[Cr],[Mo],[Cu]および[Ni]は、夫々C,Si,Mn,P,Al,Ti,V,Cr,Mo,CuおよびNiの含有量(質量%)を示す。また、上記(2)式〜(5)式の各項に示された元素が含まれない場合は、その項がないものとして計算する。
処理(2):熱間圧延鋼板を冷間圧延後(板厚:1.6mm)、熱処理シミュレータで連続溶融亜鉛めっきラインを模擬するため860℃に加熱した後、30℃/秒の平均冷却速度で400℃まで冷却し、保持後、めっき浴への浸漬−合金化処理を模擬するために更に500℃×10秒保持後、20℃/秒の平均冷却速度で室温まで冷却した。
その結果を、0.5×[全Ti量(質量%)−3.4[N]]の計算値[0.5×[全Ti量−3.4[N]と表示]と共に下記表5、6に示す。
抽出レプリカサンプルを作製し、透過型電子顕微鏡(TEM)にてTi含有析出物の透過型電子顕微鏡像(倍率:10万倍)を撮影した。このとき、エネルギー分散型X線分光器(EDX)により析出物の組成分析をすることによって、Ti含有析出物(円相当直径で30nm以下のもの)を特定した。少なくとも100個以上のTi含有析出物の面積を画像解析により測定し、そこから円相当直径を求め、その平均値を析出物サイズ(Ti含有析出物の平均円相当直径)とした。また、析出Ti量(質量%)−3.4[N](析出物として存在するTi量)は、メッシュ径:0.1μmのメッシュを用いて抽出残渣分析を行い(抽出処理の際に、析出物が凝集して微細な析出物も測定できる)、析出Ti量(質量%)−3.4[N](表5、6では析出Ti量−3.4[N]と表示)を求めた。尚、Ti含有析出物がVやNbを一部含有している場合は、これらの析出物の含有量についても測定した。
(1)鋼板中のフェライト、ベイニティッフェライト、マルテンサイトの組織については、鋼板をナイタールで腐食し、SEM(倍率:1000倍または2000倍)観察により、フェライト、ベイニティッフェライト、マルテンサイトを区別し、夫々の分率(面積率)を求めた。
(2)鋼板中の残留オーステナイト分率は、鋼板の1/4の厚さまで研削した後、化学研磨してからX線回折法によって測定した(例えば、ISJJ Int.Vol.33.(1933),No.7,P.776)。
JIS5号試験片を用いて引張試験を行い、引張強度(TS)、伸び(EL)を測定した。このとき、引張試験の歪速度:10mm/秒とした。本発明では、引張強度(TS)が980MPa以上で伸び(EL)が16%以上を満足し、強度−伸びバランス(TS×EL)が16000(MPa・%)以上のときに合格と評価した。
(1)鋼板中のフェライト、ベイニティックフェライトの組織については、鋼板をナイタールで腐食し、SEM(倍率:1000倍または2000倍)観察により、フェライト、ベイニティックフェライトを区別し、夫々の分率(面積率)を求めた。
(2)鋼板中の残留オーステナイト分率は、鋼板の1/4の厚さまで研削した後、化学研磨してからX線回折法によって測定した(例えば、ISJJ Int.Vol.33.(1933),No.7,P.776)。
(3)マルテンサイト(焼入れままマルテンサイト)分率については、鋼板をレペラ腐食し、白いコントラストを焼入れままマルテンサイトと残留オーステナイトの混合組織として面積率を測定し、そこからX線回折により求めた残留オーステナイト分率を差し引いて、マルテンサイト分率を計算した。
スポット溶接に準ずる熱履歴として、熱処理シミュレータで平均加熱速度50℃/秒で700℃に加熱後、平均冷却速度50℃/秒で冷却し、元の硬さ(ビッカース硬さ)に対する硬さ低下量(ΔHv)を測定した。硬さ低下量(ΔHv)が50Hv以下のときに、HAZでの軟化防止特性が良好であると判断した。
下記表11に示した化学成分組成を有する鋼材(鋼No.33〜37)を真空溶製し、実験用スラブとした後、熱間圧延を行い、その後に冷却して巻取った(板厚:3.0mm)。このときの鋼板製造条件を下記表12に示す。
2 ダイ
3 ブランクホルダー
4 鋼板(ブランク)
Claims (8)
- C :0.15〜0.5%(質量%の意味。以下、化学成分組成について同じ。)、
Si:0.2〜3%、
Mn:0.5〜3%、
P :0.05%以下(0%を含まない)、
S :0.05%以下(0%を含まない)、
Al:0.01〜1%、
B :0.0002〜0.01%、
Ti:3.4[N]+0.01%以上、3.4[N]+0.1%以下[但し、[N]はNの含有量(質量%)を示す]、および
N:0.001〜0.01%、
を夫々含有し、残部が鉄および不可避不純物からなり、
鋼板中に含まれるTi含有析出物のうち、円相当直径が30nm以下のものの平均円相当直径が6nm以下であると共に、鋼中の析出Ti量と全Ti量とが下記(1)式の関係を満足し、且つ、金属組織が、針状フェライトを含まないフェライトの分率が30面積%以上であることを特徴とする熱間プレス用鋼板。
析出Ti量(質量%)−3.4[N]<0.5×[全Ti量(質量%)−3.4[N]] …(1)
((1)式中、[N]は鋼中のNの含有量(質量%)を示す) - 更に他の元素として、V,NbおよびZrよりなる群から選択される1種以上を合計で0.1%以下(0%を含まない)含有するものである請求項1に記載の熱間プレス用鋼板。
- 更に他の元素として、Cu,Ni,CrおよびMoよりなる群から選択される1種以上を合計で1%以下(0%を含まない)含有するものである請求項1または2に記載の熱間プレス用鋼板。
- 更に他の元素として、Mg,CaおよびREMよりなる群から選択される1種以上を合計で0.01%以下(0%を含まない)含有するものである請求項1〜3のいずれかに記載の熱間プレス用鋼板。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の熱間プレス用鋼板を、Ac1変態点+20℃以上、Ac3変態点−20℃以下の温度に加熱した後、前記鋼板のプレス成形を開始し、成形中および成形終了後は金型内で20℃/秒以上の平均冷却速度を確保しつつベイナイト変態開始温度Bsより100℃低い温度以下まで冷却することによって、
金属組織が、残留オーステナイト、針状フェライトを含まないフェライト、ベイニティックフェライトおよびマルテンサイトの合計を100面積%としたとき、残留オーステナイト:3〜20面積%、針状フェライトを含まないフェライト:30〜80面積%、ベイニティックフェライト:30面積%未満(0面積%を含まない)、マルテンサイト:30面積%以下(0面積%を含まない)となるようにすることを特徴とするプレス成形品の製造方法。 - 請求項1〜4のいずれかに記載の化学成分組成を有するプレス成形品であって、プレス成形品中の金属組織が、残留オーステナイト、針状フェライトを含まないフェライト、ベイニティックフェライトおよびマルテンサイトの合計を100面積%としたとき、残留オーステナイト:3〜20面積%、針状フェライトを含まないフェライト:30〜80面積%、ベイニティックフェライト:30面積%未満(0面積%を含まない)、マルテンサイト:30面積%以下(0面積%を含まない)であり、プレス成形品中に含まれるTi含有析出物のうち、円相当直径が30nm以下のものの平均円相当直径が10nm以下であると共に、プレス成形品中の析出Ti量と全Ti量とが下記(1)式の関係を満足することを特徴とするプレス成形品。
析出Ti量(質量%)−3.4[N]<0.5×[全Ti量(質量%)−3.4[N]] …(1)
((1)式中、[N]は鋼中のNの含有量(質量%)を示す) - 請求項1〜4のいずれかに記載の熱間プレス用鋼板を用い、鋼板の加熱領域を少なくとも2つの領域に分け、その一の領域をAc3変態点以上、950℃以下の温度に加熱すると共に、他の一の領域をAc1変態点+20℃以上、Ac3変態点−20℃以下の温度に加熱した後、両方の領域に対してプレス成形を開始し、成形中および成形終了後はいずれの領域でも金型内で20℃/秒以上の平均冷却速度を確保しつつマルテンサイト変態開始温度Ms以下の温度まで冷却することによって、
金属組織が、残留オーステナイト:3〜10面積%、マルテンサイト:90面積%以上である第1の領域と、
金属組織が、残留オーステナイト、針状フェライトを含まないフェライト、ベイニティックフェライトおよびマルテンサイトの合計を100面積%としたとき、残留オーステナイト:3〜20面積%、針状フェライトを含まないフェライト:30〜80面積%、ベイニティックフェライト:30面積%未満(0面積%を含まない)、マルテンサイト:30面積%以下(0面積%を含まない)である第2の領域を有するようにすることを特徴とするプレス成形品の製造方法。 - 請求項1〜4のいずれかに記載の化学成分組成を有するプレス成形品であって、前記プレス成形品は、金属組織が、残留オーステナイト:3〜10面積%、マルテンサイト:90面積%以上である第1の領域と、金属組織が、残留オーステナイト、針状フェライトを含まないフェライト、ベイニティックフェライトおよびマルテンサイトの合計を100面積%としたとき、残留オーステナイト:3〜20面積%、針状フェライトを含まないフェライト:30〜80面積%、ベイニティックフェライト:30面積%未満(0面積%を含まない)、マルテンサイト:30面積%以下(0面積%を含まない)である第2の領域を有しており、この第2の領域の鋼中に含まれるTi含有析出物のうち、円相当直径が30nm以下のものの平均円相当直径が10nm以下であると共に、プレス成形品中の析出Ti量と全Ti量とが下記(1)式の関係を満足することを特徴とするプレス成形品。
析出Ti量(質量%)−3.4[N]<0.5×[全Ti量(質量%)−3.4[N]] …(1)
((1)式中、[N]は鋼中のNの含有量(質量%)を示す)
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