以下に、本実施形態の情報処理システムについて説明する。まず、本実施形態において用いる用語の定義を行う。コンフィグデータとは、画像形成装置の動作を切り替えるデータ(動作設定情報)である。例えば、コピージョブの面付けのデフォルト値などが該当する。コピージョブの面付けのデフォルト値が「1 in 1」に設定されていれば、コピーを行った結果、用紙一枚に1ページが印刷される。コピージョブの面付けのデフォルト値が「2 in 1」に設定されていれば、コピーを行った結果、用紙一枚に2ページが印刷される。
機器構成データとは、画像形成装置が備える機器の構成を示すデータである。機器構成データは、例えば、画像形成装置がファクスユニットを装着しているかを示す。機器構成データは、画像形成装置の機種を一意に識別するための機種コード、動作しているファームウェアバージョンなどを含む。
機種別設定値スキーマとは、画像形成装置が特定の機種で保持するコンフィグデータのスキーマを定義するデータである。スキーマとは、コンフィグデータについての規約や位置づけを定義するデータである。機種別設定値スキーマは、例えば、コンフィグデータ各々の設定値識別子、デフォルト値、値域、データが有効になるための条件を含む。本実施形態においては、機種によって保持するコンフィグデータには差分があり、設定値スキーマを機種別に用意する運用であることを前提とする。
仮想デバイスとは、サーバコンピュータ群が保持する実デバイスのデータ群である。具体的には、仮想デバイスは、少なくとも機器構成データ、コンフィグデータを含む。テナントとは、ユーザが画像形成装置の管理を委託する委託者の単位である。つまり、テナントは、ユーザの管理範囲である。テナント識別子とは、テナントを一意に識別するための識別子である。例えば、ある会社が後述する図1に示すユーザ環境100にある画像形成装置101A、101B、101Cの管理を委託した場合を想定する。その場合、ユーザ環境100に対応するテナント識別子が1つ割り当てられ、画像形成装置101A、101B、101Cは、そのテナントに属する画像形成装置であると認識され、管理される。
仮想デバイスに含まれるデータと、実デバイスが保持するデータと、テナント専用のデータとを区別するために、以下のように定義する。仮想デバイスに含まれる機器構成データを仮想機器構成データ、コンフィグデータを仮想コンフィグデータと呼ぶ。実デバイスが保持する機器構成データを実機器構成データ、コンフィグデータを実コンフィグデータと呼ぶ。また、テナント内で共通に利用されるコンフィグデータをテナント用コンフィグデータと呼ぶ。
図1は、本実施形態の全体構成例を示す図である。図1に示す情報処理システムは、ユーザ環境100、サーバコンピュータ群105、サービスマン環境110、画像形成装置のベンダ環境120を備える。ユーザ環境100乃至画像形成装置のベンダ環境120は、インターネット104を介して互いに通信する。インターネット104は、公衆回線上のデジタル通信が可能なネットワークである。
ユーザ環境100は、画像形成装置のユーザが当該画像形成装置の操作を実行する環境である。ユーザ環境100は、画像形成装置101A、101B、101C、端末装置102Aを備える。画像形成装置101A、101B、101Cは、本実施形態の画像形成装置である。ネットワーク106は、ユーザ環境100においてデジタル通信が可能なネットワークである。画像形成装置101A乃至101Cは、ネットワーク106を介してインターネット104にアクセス可能である。端末装置102Aは、ユーザ環境100のユーザが操作可能なコンピュータである。端末装置102Aも、ネットワーク106を介してインターネット104にアクセス可能である。
サービスマン環境110は、サービスマンが端末装置102Bを使って画像形成装置の管理を行う環境である。サービスマン環境110は、端末装置102Bを備える。端末装置102Bは、画像形成装置101A、101B、101Cを管理するサービスマンが操作するコンピュータである。端末装置102Bは、インターネット104にアクセス可能である。
画像形成装置のベンダ環境120は、画像形成装置を生産するベンダの管理担当者が、画像形成装置の管理に必要なデータのメンテナンスを行う環境である。画像形成装置のベンダ環境120は、端末装置102Cを備える。端末装置102Cは、画像形成装置のベンダに所属する管理担当者が操作するコンピュータである。端末装置102Cは、インターネット104にアクセス可能である。
サーバコンピュータ群105は、画像形成装置のコンフィグデータを管理する設定値管理サービス310(図3を参照)を提供するサーバ群である。サーバコンピュータ群105は、複数のテナントに対して、インターネット104を介してサービスを提供する。本実施形態において、サーバコンピュータ群105が提供する設定値管理サービス310は、画像形成装置のコンフィグデータを管理する管理装置として機能する。設定値管理サービス310は、予め設定された管理範囲であるテナントに対応付けて、画像形成装置を管理する。つまり、設定値管理サービス310は、画像形成装置を上記管理範囲毎に管理する。なお、以下の説明では、画像形成装置101A、101B、101Cを画像形成装置101とも記述する。また、端末装置102B、102Cを端末装置102とも記述する。
図2は、本実施形態の情報処理システムのハードウェア構成の一例を示す図である。サーバコンピュータ群105は、サーバコンピュータ210Aとサーバコンピュータ210Bとを備える。サーバコンピュータ210Bは、サーバコンピュータ210Aと同様の構成を備える。サーバコンピュータ210Aとサーバコンピュータ210Bとは、ネットワーク220を通じて通信する。
サーバコンピュータ210Aは、内部バス216に接続されたCPU201C乃至ネットワーク通信装置207Cを備える。また、画像形成装置101は、内部バス211Aに接続されたCPU201A乃至209を備える。また、端末装置102は、内部バス211Bに接続されたCPU201B乃至ネットワーク通信装置207Bを備える。
以下の説明では、CPU201A、201B、201CをCPU201とも記述する。また、不揮発性メモリ202A、202B、202Cを不揮発性メモリ202とも記述する。また、揮発性メモリ203A、203B、203Cを揮発性メモリ203とも記述する。また、補助記憶装置204A、204B、204Cを補助記憶装置204とも記述する。また、ディスプレイ205A、205Bをディスプレイ205とも記述する。また、入力装置206A、206Bを入力装置206とも記述する。また、ネットワーク通信装置207A、207Bをネットワーク通信装置207とも記述する。また、内部バス211A、211Bを内部バス211とも記述する。
CPU(Central Processing Unit )201は、プログラムの実行や、様々な処理の制御を行う。不揮発性メモリ202は、ROM(Read Only Memory)を備える。不揮発性メモリ202には、機器の起動処理において初期段階に必要なプログラムやデータが格納されている。揮発性メモリ203は、RAM(Random Access Memory)を備える。揮発性メモリ203は、プログラム、データの一時的な格納場所として利用される。
補助記憶装置204は、ハードディスクやRAMドライブ等の大容量記憶装置である。補助記憶装置204は、大容量データの保管、プログラムの実行コードの保持を行う。補助記憶装置204は、揮発性メモリ203よりも長時間保持する必要があるデータを記憶する。ディスプレイ205は、情報の表示処理を行って、情報を利用者に通知する。なお、本実施形態において、利用者とは、ユーザとサービスマンである。
入力装置206は、利用者の選択指示を受け付け、内部バス211を介してプログラムに伝達する。ネットワーク通信装置207は、外部装置とネットワークを介して通信する装置である。ファクスユニット208は、画像形成装置101が形成した画像データか、または補助記憶装置204Aに記憶された画像データを、ネットワーク106を介して外部装置に送信するハードウェアユニットである。ファクスユニット208は、オプションであり、画像形成装置101がファクスユニット208を備えていなくてもよい。プリンタエンジン209は、画像形成装置101が形成した画像データか、または補助記憶装置204Aに記憶された画像データを紙媒体に印刷する。
図3は、本実施形態の情報処理システムの機能ブロック図の一例である。図3に示す情報処理システムは、画像形成装置101と、設定値管理サービス310とを備える。画像形成装置101と設定値管理サービス310とは、インターネット104を介して通信する。本実施形態の管理方法は、図3に示す情報処理システムが備える機能によって実現される。また、本実施形態のコンピュータプログラムは、この管理方法をコンピュータに実行させる。
画像形成装置101は、実コンフィグデータ保持部301、実コンフィグデータ更新部302、仮想コンフィグデータ受信部303、実機器構成データ収集部304、テナント識別子保持部305を備える。また、画像形成装置101は、実機器構成データ通知部306、リプレイス実行部340、バージョン管理部341を備える。
実コンフィグデータ保持部301は、画像形成装置のコンフィグデータを保持する。具体的には、実コンフィグデータ保持部301は、補助記憶装置204Aにコンフィグデータを記憶して管理する。画像形成装置は、実コンフィグデータ保持部301が保持する実コンフィグデータに基づいて、動作の振る舞いを切り替える。
実コンフィグデータ更新部302は、実コンフィグデータ保持部301が保持する実コンフィグデータを更新する。具体的には、実コンフィグデータ更新部302は、仮想コンフィグデータ受信部303が取得した仮想コンフィグデータで、実コンフィグデータを更新する。この実コンフィグデータが、画像形成装置101に適用される。すなわち、実コンフィグデータ更新部302は、仮想コンフィグデータ受信部303が取得した仮想コンフィグデータを画像形成装置101に適用する適用手段として機能する。
仮想コンフィグデータ受信部303は、設定値管理サービス310が備える仮想コンフィグデータ取得部320から、仮想コンフィグデータを取得する。仮想コンフィグデータ受信部303は、実コンフィグデータ保持部301が保持する実コンフィグデータに設定されているアドレスを用いて、仮想コンフィグデータ取得部320を呼び出す。
図4は、実コンフィグデータの一例を示す図である。図4(A)は、デバイス識別子が010001である画像形成装置の実コンフィグデータである。図4(B)は、デバイス識別子が010002である画像形成装置の実コンフィグデータである。図4(C)は、デバイス識別子が020001である画像形成装置の実コンフィグデータである。デバイス識別子は、画像形成装置を一意に識別する識別情報である。
実コンフィグデータは、設定値識別子702と値703といったデータ項目を有する。設定値識別子702は、設定項目を一意に識別する識別子である。値703は、設定項目の値である。図4に示す例では、”device_settings.cloud_address”の値(アドレス)として、http://ddd.com/configが設定されている。このアドレスは、画像形成装置101に対してコンフィグデータを配信する設定値管理サービスとして設定された設定値管理サービスのアドレスである。従って、上述した仮想コンフィグデータ受信部303は、このアドレスに対してアクセスする。
なお、仮想コンフィグデータは、図4に示す実コンフィグデータと同様のデータ構成を有する。従って、図4に示す実コンフィグデータを、適宜、仮想コンフィグデータとして説明する。
図3に戻って、実機器構成データ収集部304は、画像形成装置101の機器構成データ(実機器構成データ)を収集する。
図5は、実機器構成データの一例を示す図である。図5(A)、(B)、(C)は、それぞれ異なる画像形成装置の実機器構成データである。実機器構成データは、データ種別602と値603といったデータ項目を有する。データ種別602は、実機器構成データが含むデータの種別である。データ種別602には、機種を識別するための機種コードや、ファームウェアバージョン、デバイスを識別するためのデバイス識別子等が設定される。値603は、当該データの値である。値603には、データ種別に対応する値(例えば、デバイス識別子の値や、ファクスユニットの有無等)が設定される。なお、仮想機器構成データは、実機器構成データと同様のデータ構成を有する。従って、図5に示す実機器構成データを、適宜、仮想機器構成データとして説明する。
図3に戻って、テナント識別子保持部305は、画像形成装置101が属するテナントの識別子であるテナント識別子を保持する。テナント識別子は、画像形成装置101の初期設置時に設定され、電源が切られても失われることがないように補助記憶装置204Aに記憶される。
実機器構成データ通知部306は、実機器構成データ収集部304が収集した実機器構成データと、テナント識別子保持部305が保持するテナント識別子とを、設定値管理サービス310の実機器構成データ受信部318に対して通知する。具体的には、実機器構成データ通知部306は、実機器構成データとテナント識別子とを含むコンフィグデータ生成要求を実機器構成データ受信部318に送信する。コンフィグデータ生成要求は、画像形成装置101に対応する仮想コンフィグデータの生成を求める要求(動作設定生成要求)である。
リプレイス実行部340は、画像形成装置101がリプレイスされた場合に、設定値管理サービス310に対して、インターネット104を介してリプレイス要求を行うリプレイス要求手段として機能する。リプレイス要求は、当該リプレイスされた画像形成装置101に対応する仮想デバイスが有する仮想コンフィグデータの設定を、リプレイス後の設定に更新する(リプレイスする)ことを求める要求である。
また、リプレイス実行部340は、設定値管理サービス310が備える停止機能選択部333からの指示(機能停止要求)に従って、画像形成装置の機能を停止する停止手段として機能する。また、リプレイス実行部340は、設定値管理サービス310が備える停止機能選択部333からの指示(機能停止解除要求)に従って、停止していた画像形成装置の機能を再開する再開手段として機能する。
バージョン管理部341は、画像形成装置101が外部装置から受信した情報の生成元であるコンフィグデータのバージョンに基づいて、当該情報が最新のコンフィグデータに基づいて生成されたかを判断する。本実施形態では、画像形成装置101に対応する仮想コンフィグデータは、当該仮想コンフィグデータのバージョンを示すバージョン情報が対応付けられているものとする。ここで、本実施形態では、リプレイスされる画像形成装置101を第1の画像形成装置とする。画像形成装置101のリプレイスに伴ってコンフィグデータの更新が必要となる画像形成装置を第2の画像形成装置とする。第2の画像形成装置のコンフィグデータを用いて送信情報を生成し、生成した送信情報を第1の画像形成装置に送信する画像形成装置を第3の画像形成装置とする。
第1の画像形成装置が備えるバージョン管理部341は、第3の画像形成装置から上記送信情報を受信する。バージョン管理部341は、設定値管理サービス310が備えるバージョン比較部334に対して、バージョン情報の比較要求を行う比較要求手段として機能する。バージョン情報の比較要求は、バージョン情報の比較処理を求める要求である。この比較処理は、送信情報が含む第2の画像形成装置の仮想コンフィグデータのバージョン情報と、設定値管理サービス310が備える仮想デバイス保持部311が有する当該第2の画像形成装置の仮想コンフィグデータのバージョン情報との比較処理である。バージョン情報の比較要求は、送信情報が含む第2の画像形成装置の仮想コンフィグデータのバージョン情報を含む。
また、バージョン管理部341は、バージョン比較部334から上記比較処理の実行結果を受信する。受信した比較処理の実行結果が、送信情報が含む仮想コンフィグデータのバージョン情報が仮想デバイス保持部311が有するバージョン情報と一致することを示す場合に、バージョン管理部341は、以下の処理を実行する。バージョン管理部341は、送信情報が最新の仮想コンフィグデータに基づいて生成されたと判断する。
設定値管理サービス310は、仮想デバイス保持部311、機種別設定値スキーマ保持部312、機種別設定値スキーマ更新部313、テナント用コンフィグデータ保持部314、テナント用コンフィグデータ更新部315を備える。また、設定値管理サービス310は、仮想コンフィグデータ生成部316、仮想コンフィグデータ更新部317、実機器構成データ受信部318、仮想機器構成データ更新部319を備える。また、設定値管理サービス310は、仮想コンフィグデータ取得部320、仮想コンフィグデータ閲覧部321、仮想コンフィグデータ更新確認部322、リプレイス管理部330を備える。
仮想デバイス保持部311は、仮想デバイスを保持する。仮想デバイスは、少なくとも、仮想機器構成データと、仮想コンフィグデータとを含む。すなわち、仮想デバイス保持部311は、画像形成装置の動作設定情報を保持する保持手段として機能する。仮想デバイス保持部311は、仮想デバイスを補助記憶装置204Cに記憶して管理する。
図6は、仮想デバイスの一例を示す図である。図6に示す仮想デバイスは、デバイス識別子802、テナント識別子803、仮想機器構成データ804、仮想コンフィグデータ805、通知フラグ806を有する。
デバイス識別子802は、仮想デバイスを一意に識別する識別情報である。デバイス識別子802は、当該仮想デバイスに対応する画像形成装置101を一意に識別する識別情報に相当する。デバイス識別子802は、画像形成装置101が設定値管理サービス310に対して通知する機器構成データに含まれている。テナント識別子803は、仮想デバイスに対応する画像形成装置101が属するテナントを一意に識別する識別情報である。
仮想機器構成データ804は、仮想機器構成データを一意に識別する識別情報である。仮想機器構成データは、仮想デバイスに対応する画像形成装置101の機器構成データ(実機器構成データ)に対応する。仮想コンフィグデータ805は、仮想コンフィグデータを一意に識別する識別情報である。仮想コンフィグデータは、仮想デバイスに対応する画像形成装置101のコンフィグデータ(実コンフィグデータ)に対応する。
通知フラグ806は、画像形成装置に対して仮想コンフィグデータ805を通知済み、未通知のいずれであるかを示す。通知フラグ806に設定された「未」は、画像形成装置に対して仮想コンフィグデータ805を未通知であることを示す。通知フラグ806に設定された「済」は、画像形成装置に対して仮想コンフィグデータ805を通知済みであることを示す。
図3に戻って、機種別設定値スキーマ保持部312は、機種別設定値スキーマを保持する。画像形成装置の各機種に対応して1つの機種別設定値スキーマが用意される。
図7は、機種別設定値スキーマの一例を示す図である。図7(A)は、機種コードが0x01の機種に対応する機種別設定値スキーマである。図7(B)は、機種コードが0x02の機種に対応する機種別設定値スキーマである。機種別設定値スキーマは、設定値識別子402、デフォルト値403、値域404、条件405といったデータ項目を有する。
設定値識別子402は、設定項目を一意に識別する識別情報である。例えば、「copy_settings.nup」は、コピー設定の面付けに関する設定項目を示す。設定値識別子402が同じであることは、違う機種であっても設定項目が同じであることを示す。デフォルト値403は、当該機種におけるデフォルト設定値である。値域404は、当該機種において設定し得る範囲の定義である。例えば、「copy_settings.nup」の値域404を参照すると、当該機種において、コピー設定として「1 in 1,2 in 1,4 in 1」の3種類から選択できることを示す。
条件405は、当該機種において設定値を利用するために必要な条件の定義である。「fax_settings.received_print」という設定項目に対応する条件405には、「ファクスユニット」が設定されている。従って、この設定項目の設定値は、ファクスユニットの装着が確認できた場合のみ有効となる。
図3に戻って、機種別設定値スキーマ更新部313は、機種別設定値スキーマ保持部312が保持する機種別設定値スキーマを更新する。例えば、新しい機種を画像形成装置のベンダが発表した場合には、ベンダの管理責任者の指示によって、新しい機種に対応する機種別設定値スキーマが登録される。また、設定項目に変更があった場合に、機種別設定値スキーマ更新部313は、機種別設定値スキーマを更新する。テナント用コンフィグデータ保持部314は、テナントが画像形成装置に対して設定したいコンフィグデータを保持する。
図8は、テナント用コンフィグデータの一例を示す図である。テナント用コンフィグデータは、設定値識別子502と値503といったデータ項目を有する。設定値識別子502は、図7に示す機種別設定値スキーマが含む設定値識別子402と同様である。値503は、テナントが所望する共通設定の値である。「copy_settings.nup」には、「2 in 1」が設定されている。これは、テナントが保持する画像形成装置全てに「2 in 1」が設定されることを所望していることを示す。
図3に戻って、テナント用コンフィグデータ更新部315は、テナント用コンフィグデータ保持部314が保持するテナント用コンフィグデータを更新する。テナントが保持する画像形成装置の管理を行うサービスマンの操作に従って、サービスマン環境110にある端末装置102Bが、テナント用コンフィグデータの更新指示を行う。テナント用コンフィグデータ更新部315は、この更新指示に従って、テナント用コンフィグデータを更新する。なお、サービスマンは、端末装置102B内で動作するウェブブラウザに表示される設定画面上で操作する。
仮想コンフィグデータ生成部316は、機種別設定値スキーマと、テナント用コンフィグデータと、仮想機器構成データとに基づいて、仮想コンフィグデータを生成する。まず、仮想コンフィグデータ生成部316は、仮想デバイス保持部311から、図5(A)に示す仮想機器構成データを取得する。
次に、仮想コンフィグデータ生成部316は、取得した仮想機器構成データが含む機種コードを参照し、画像形成装置の機種を特定する。図5(A)に示す仮想機器構成データを例にとると、機種コードに対応する値として0x01が設定されている。従って、仮想コンフィグデータ生成部316は、画像形成装置の機種として、機種コードが0x01の機種を特定する。
次に、仮想コンフィグデータ生成部316は、特定した機種コードに対応する機種別設定値スキーマを、機種別設定値スキーマ保持部312から取得する。仮想コンフィグデータ生成部316は、例えば、機種コードが0x01に合致する、図7(A)に示す機種別設定値スキーマを取得する。
次に、仮想コンフィグデータ生成部316は、取得した機種別設定値スキーマに定義された設定値を、仮想コンフィグデータのベースとする。図7(A)に示す機種別設定値スキーマを例にとると、仮想コンフィグデータ生成部316は、「copy_settings.nup」乃至「box_settings.server_address」の5つの設定項目に対応する設定値をベースとする。
次に、仮想コンフィグデータ生成部316は、テナント用コンフィグデータ保持部314から、図8に示すテナント用コンフィグデータを取得する。仮想コンフィグデータ生成部316は、テナント用コンフィグデータが含む設定値が、機種別設定値スキーマに定義された値域に収まるかを判断する。
図8に示すテナント用コンフィグデータと図7(A)に示す機種別設定値スキーマとを例にとって説明する。テナント用コンフィグデータが含む「copy_settings.nup」という設定項目の値(設定値)は「2 in 1」である。一方、機種別設定値スキーマに定義された、当該設定項目に対応する値域は、「1 in 1,2 in
1,4 in 1」である。従って、テナント用コンフィグデータが含む設定値が、機種別設定値スキーマに定義された値域に収まっている。
テナント用コンフィグデータが含む「device_settings.sleep_time」という設定項目の値(設定値)は「10秒」である。一方、機種別設定値スキーマに定義された、当該設定項目に対応する値域は、「1分、10分、1時間」である。従って、テナント用コンフィグデータが含む設定値が、機種別設定値スキーマに定義された値域に収まらない。テナント用コンフィグデータが含む設定値が、機種別設定値スキーマに定義された値域に収まらない場合、仮想コンフィグデータ生成部316は、機種別設定値スキーマに定義されたデフォルト値を取得する。この例では、「10分」というデフォルト値を取得する。仮想コンフィグデータ生成部316は、取得したデフォルト値を、仮想コンフィグデータにおける、当該設定項目の設定値として用いる。
テナント用コンフィグデータが含む設定値が、機種別設定値スキーマに定義された値域に収まっている場合、仮想コンフィグデータ生成部316は、テナント用コンフィグデータが含む設定値を、仮想コンフィグデータの当該設定項目に対応する設定値とする。
次に、仮想コンフィグデータ生成部316は、仮想機器構成データが、機種別設定値スキーマに定義された条件を満たすかを判断する。図7(A)に示す機種別設定値スキーマを参照すると、「copy_settings.nup」に対応する条件は特にない。従って、図5(A)に示す仮想機器構成データは、「copy_settings.nup」に対応する条件を満たす。
しかし、「fax_settings.received_print」に対応する条件は「ファクスユニット」であるのに対し、仮想機器構成データが含む「ファクスユニット」の値として「なし」が設定されている。従って、仮想機器構成データは、当該設定項目に対応する条件を満たさない。
仮想機器構成データが機種別設定値スキーマに定義された条件を満たさない場合、仮想コンフィグデータ生成部316は、機種別設定値スキーマに定義されたデフォルト値403を取得する。この例では、仮想コンフィグデータ生成部316は、「fax_settings.received_print」に対応するデフォルト値である「OFF」を取得する。仮想コンフィグデータ生成部316は、取得したデフォルト値を、仮想コンフィグデータにおける、当該設定項目の設定値として用いる。
図3に戻って、仮想コンフィグデータ更新部317は、仮想コンフィグデータ生成部316が生成した仮想コンフィグデータで、仮想デバイス保持部311が保持する仮想デバイスが有する仮想コンフィグデータを更新する。
具体的には、仮想コンフィグデータ更新部317は、仮想デバイス保持部311が保持する仮想デバイスの中から、生成した仮想コンフィグデータに対応するデバイス識別子を持つ仮想デバイスを取得する。そして、仮想コンフィグデータ更新部317は、取得した仮想デバイスが有する仮想コンフィグデータを、生成した仮想コンフィグデータで更新する。仮想コンフィグデータを更新した仮想コンフィグデータ更新部317は、仮想デバイスの通知フラグ806が「済」である場合、「未」に設定する。通知フラグ806が「未」に設定されていることは、画像形成装置に対応する仮想コンフィグデータの変更があり、画像形成装置は新しい仮想コンフィグデータを参照する必要があることを意味する。
実機器構成データ受信部318は、画像形成装置101が備える実機器構成データ通知部306から、機器構成データ(図5)と、テナント識別子とを受信する。仮想機器構成データ更新部319は、実機器構成データ受信部318が受信した機器構成データで、仮想デバイス保持部311が保持する仮想デバイスが有する仮想機器構成データを更新する。具体的には、仮想機器構成データ更新部319は、仮想デバイス保持部311が保持する仮想デバイスの中から、実機器構成データ受信部318が受信した機器構成データに設定されたデバイス識別子を持つ仮想デバイスを取得する。そして、仮想機器構成データ更新部319は、取得した仮想デバイスが有する仮想機器構成データを、実機器構成データ受信部318が受信した機器構成データで更新する。
仮想コンフィグデータ取得部320は、インターネット104を介して、画像形成装置101が備える仮想コンフィグデータ受信部303から仮想コンフィグデータの取得要求を受け取り、仮想デバイス保持部311から仮想コンフィグデータを取得する。
仮想コンフィグデータの取得要求は、少なくとも仮想デバイスを特定するデバイス識別子を含んでいる。従って、仮想コンフィグデータ取得部320は、仮想コンフィグデータの取得要求が含むデバイス識別子を持つ仮想デバイスを探索する。仮想コンフィグデータ取得部320は、探索された仮想デバイスが有する仮想コンフィグデータを取得する。そして、仮想コンフィグデータ取得部320は、インターネット104を介して、取得した仮想コンフィグデータを要求元すなわち仮想コンフィグデータ受信部303に渡す。
仮想コンフィグデータ閲覧部321は、インターネット104を介して、外部装置からコンフィグデータの閲覧要求を受ける。コンフィグデータの閲覧要求は、HTTPプロトコル上の要求である。仮想コンフィグデータ閲覧部321は、閲覧要求に対応する仮想コンフィグデータを取得し、取得した仮想コンフィグデータの閲覧用のHTMLページを生成して要求元に返す。
仮想コンフィグデータ更新確認部322は、仮想コンフィグデータが更新されているかを確認する。具体的には、画像形成装置101が備える仮想コンフィグデータ受信部303が、インターネット104を介して、仮想コンフィグデータ更新確認部322に対して該画像形成装置101のデバイス識別子を送信する。仮想コンフィグデータ更新確認部322は、仮想デバイス保持部311が保持する仮想デバイスの中から、受信したデバイス識別子に一致する仮想デバイスを探索する。仮想コンフィグデータ更新確認部322は、探索された仮想デバイスの通知フラグ806を参照する。
通知フラグ806が「未」である場合、仮想コンフィグデータ更新確認部322は、仮想コンフィグデータの更新があったと判断する。通知フラグ806が「済」である場合、仮想コンフィグデータ更新確認部322は、仮想コンフィグデータの更新はないと判断する。仮想コンフィグデータ更新確認部322は、仮想コンフィグデータが更新されているか否かを仮想コンフィグデータ受信部303に返す。そして、仮想コンフィグデータが更新されていることを確認した仮想コンフィグデータ受信部303が、設定値管理サービス310の仮想コンフィグデータ取得部320に対して、コンフィグデータの取得要求を行う。
仮想コンフィグデータ更新確認部322が、仮想コンフィグデータ更新部317によって仮想コンフィグデータが更新されたことを契機として、仮想コンフィグデータが更新されているかを確認するようにしてもよい。そして、仮想コンフィグデータ更新確認部322が仮想コンフィグデータが更新されていることを確認した場合に、仮想コンフィグデータ取得部320が、コンフィグデータを取得し、画像形成装置101の仮想コンフィグデータに送信するようにしてもよい。
実コンフィグデータ更新受信部323は、画像形成装置101の実コンフィグデータ更新通知部308から、インターネット104を介して、画像形成装置101の実コンフィグデータの更新内容を受信する。そして、実コンフィグデータ更新受信部323は、受信した実コンフィグデータの更新内容を仮想コンフィグデータ更新部317に通知する。
リプレイス管理部330は、リプレイスされた画像形成装置101のリプレイス実行部340からのリプレイス要求をインターネット104を介して受け付ける要求受け付け手段として機能する。リプレイス要求は、リプレイスされた画像形成装置101の識別情報と、リプレイスにより変更された当該画像形成装置101に対応する設定値とを含む。そして、リプレイス管理部330は、当該リプレイス要求に応じた処理(リプレイス処理)を実行する。リプレイス処理は、リプレイスされた画像形成装置の仮想コンフィグデータの更新処理と、画像形成装置のリプレイスに伴い仮想コンフィグデータの更新が必要な他の画像形成装置を検索する処理と、検索された画像形成装置の仮想コンフィグデータの更新処理を含む。
リプレイス管理部330は、仮想デバイス検索部331、仮想コンフィグデータ変更部332、停止機能選択部333、バージョン比較部334を備える。仮想デバイス検索部331は、リプレイスされた画像形成装置101のリプレイス実行部340からのリプレイス要求を受け付ける。本実施形態では、リプレイスされた画像形成装置を第1の画像形成装置とも記述する。仮想デバイス検索部331は、受け付けられたリプレイス要求に対応するリプレイスに伴って仮想コンフィグデータを更新することが必要な他の画像形成装置(第2の画像形成装置)を検索する検索手段として機能する。
本実施形態では、例えば、リプレイス要求が、リプレイス後の第1の画像形成装置のMACアドレスを含んでいる。仮想デバイス検索部331は、仮想デバイス保持部311が保持する仮想デバイスが有する仮想コンフィグデータのうち、上記MACアドレスを登録しているMACアドレスフィルタが設定されている仮想コンフィグデータを取得する。そして、仮想デバイス検索部331は、取得した仮想コンフィグデータに対応する画像形成装置を第2の画像形成装置とし、検索結果として出力する。
仮想コンフィグデータ変更部332は、仮想デバイス保持部311が保持する仮想デバイスが含む仮想コンフィグデータのうち、検索された第2の画像形成装置の仮想コンフィグデータの設定値を、リプレイス要求が含む設定値に更新する更新手段として機能する。また、仮想コンフィグデータ変更部332は、リプレイス要求が含む画像形成装置101の識別情報に基づいて、当該画像形成装置101の仮想コンフィグデータを仮想デバイス保持部311が保持する仮想デバイスから取得する。そして、仮想コンフィグデータ変更部332は、取得した仮想コンフィグデータの設定値をリプレイス要求が含む設定値で更新する。
停止機能選択部333は、仮想コンフィグデータ変更部332による第2の画像形成装置の仮想コンフィグデータの設定値の変更が完了するまで第1の画像形成装置に停止させる機能を選択する。すなわち、停止機能選択部333は、第1の画像形成装置が有する機能のうち、第2の画像形成装置の動作設定情報の更新を完了するまで該第1の画像形成装置に停止させる機能を選択する選択手段として機能する。
また、停止機能選択部333は、第1の画像形成装置が備えるリプレイス実行部340に対して、上記選択した機能の停止をインターネット104を介して要求(機能停止要求を送信)する停止指示手段として機能する。また、停止機能選択部333は、以下の処理を実行する再開指示手段として機能する。すなわち、停止機能選択部333は、第2の画像形成装置の仮想コンフィグデータの設定の変更が完了したことを確認すると、機能を停止した第1の画像形成装置が備えるリプレイス実行部340に対し、停止した機能の再開を要求(機能停止解除要求を送信)する。
バージョン比較部334は、リプレイスされた画像形成装置101のバージョン管理部341から、バージョン情報の比較要求を受信する。バージョン情報は、仮想コンフィグデータのバージョンに関する情報である。バージョン比較部334は、受信した比較要求に従って、以下の比較処理を実行する。
まず、バージョン比較部334は、比較要求が含むバージョン情報を第1のバージョン情報として取得する。また、バージョン比較部334は、比較要求に対応する第2の画像形成装置の仮想デバイスを仮想デバイス保持部311から取得する。また、バージョン比較部334は、取得した仮想デバイスが有する仮想コンフィグデータのバージョン情報を第2のバージョン情報として取得する。そして、バージョン比較部334は、取得した第1のバージョン情報と第2のバージョン情報とを比較し、第1のバージョン情報と第2のバージョン情報とが一致するかを判断する。バージョン比較部334は、比較結果を第1の画像形成装置のバージョン管理部341に返す。
図9は、テナント用コンフィグデータの更新処理を説明するフローチャートの一例である。この例では、管理者ユーザが、端末装置102Aを用いて、テナント用コンフィグデータを更新する。フローチャートの各ステップの処理を実現するプログラムは、不揮発性メモリ202C、揮発性メモリ203C、補助記憶装置204Cのいずれかの記憶手段に記憶され、CPU201Cにより実行される。
まず、テナント用コンフィグデータ更新部315が、端末装置102Aから送信された、テナント用コンフィグデータの更新要求を検知する(ステップS901)。次に、テナント用コンフィグデータ更新部315が、テナント用コンフィグデータ保持部314に対して、テナント用コンフィグデータの更新要求に対応するテナント用コンフィグデータが登録済みであるか確認する(ステップS902)。テナント用コンフィグデータの更新要求に対応するテナント用コンフィグデータが登録済みである場合は、ステップS907に進む。テナント用コンフィグデータの更新要求に対応するテナント用コンフィグデータが登録済みでない場合は、ステップS903に進む。
ステップS903において、テナント用コンフィグデータ更新部315が、テナントが保持する仮想デバイスを仮想デバイス保持部311から取得する。テナント用コンフィグデータ更新部315が、取得した仮想デバイスが含む仮想機器構成データを取得する。そして、テナント用コンフィグデータ更新部315が、取得した仮想機器構成データが含む機種コードを取得する(ステップS903)。
次に、テナント用コンフィグデータ更新部315が、取得した機種コードに対応する機種別設定値スキーマを機種別設定値スキーマ保持部312から取得する(ステップS904)。続いて、テナント用コンフィグデータ更新部315が、ステップS904において取得した機種別設定値スキーマの少なくとも1つが持つ設定項目をリストアップする(ステップS905)。そして、テナント用コンフィグデータ更新部315が、ステップS905においてリストアップした設定項目を持つ、空のテナント用コンフィグデータを生成して(ステップS906)、ステップS907に進む。
ステップS907において、テナント用コンフィグデータ更新部315が、テナント用コンフィグデータの具体的な更新指示を検知する(ステップS907)。そして、テナント用コンフィグデータ更新部315が、ステップ907において検知した更新指示に基づいて、テナント用コンフィグデータを更新する(ステップS908)。テナント用コンフィグデータ保持部314は、更新されたテナント用コンフィグデータを記憶する。
次に、仮想コンフィグデータ生成部316が、テナント用コンフィグデータが更新されたことを検知する(ステップS909)。そして、仮想コンフィグデータ生成部316が、仮想デバイス保持部311が保持する仮想デバイスから、更新が検知されたテナント用コンフィグデータのテナント識別子に合致する仮想デバイスを探索する。探索された仮想デバイスに対して順次処理を行うため、仮想コンフィグデータ生成部316は、1つの仮想デバイスを取得する。仮想コンフィグデータ生成部316は、仮想デバイスを取得できたかを判断する(ステップS910)。全ての仮想デバイスに対して順次処理が行われ、次の仮想デバイスを取得できない場合には、処理を終了する。仮想コンフィグデータ生成部316が、次の仮想デバイスを取得できた場合は、ステップS911に進む。
ステップS911において、仮想コンフィグデータ生成部316が、処理対象の仮想デバイスから仮想機器構成データを取得する(ステップS911)。続いて、仮想コンフィグデータ生成部316が、ステップS911において取得された仮想機器構成データから機種コードを取得する。そして、仮想コンフィグデータ生成部316が、取得した機種コードに対応する機種別設定値スキーマを機種別設定値スキーマ保持部312から取得する(ステップS912)。
次に、仮想コンフィグデータ生成部316が、仮想機器構成データと、機種別設定値スキーマと、テナント用コンフィグデータとに基づいて、仮想コンフィグデータを生成する(ステップS913)。そして、仮想コンフィグデータ更新部317が、生成された仮想コンフィグデータを仮想デバイスに登録して(ステップS914)、ステップS910に戻る。ステップS914の処理によって、更新されたテナント用コンフィグデータが仮想デバイスに反映される。
図10は、画像形成装置が仮想コンフィグデータを取得する処理を説明するフローチャートの一例である。図10のステップS1001乃至S1007のステップは、画像形成装置において実行される。これらのステップを実行するためのプログラムは、不揮発性メモリ202A、揮発性メモリ203A、補助記憶装置204Aのいずれかの記憶部に記憶され、CPU201Aにより実行される。また、ステップS1051乃至S1058は、サーバコンピュータ群105において実行される。これらのステップを実行するためのプログラムは、不揮発性メモリ202C、揮発性メモリ203C、補助記憶装置204Cのいずれかの記憶部に記憶され、CPU201Cにより実行される。
まず、画像形成装置101の実機器構成データ通知部306が、画像形成装置101の電源ONを検知する(ステップS1001)。続いて、実機器構成データ収集部304が、機器構成データを収集する(ステップS1002)。
次に、実機器構成データ通知部306が、画像形成装置101が備える機器の構成情報の変更があるかを判断する構成変更判断手段として機能する。具体的には、実機器構成データ通知部306が、ステップ1002で収集した実機器構成データに基づいて、設定値管理サービス310に対して未通知である実機器構成データの変更があるかを判断する(ステップS1003)。
未通知である実機器構成データの変更があった場合は、ステップS1005に進む。未通知である実機器構成データの変更がない場合は、ステップS1004に進む。新規デバイス設置時は、ステップS1005に進むことになる。
ステップ1004において、仮想コンフィグデータ受信部303が、デバイスが最新の仮想コンフィグデータを取得済みか、すなわち、仮想コンフィグデータが更新されているかを判断する(ステップS1004)。具体的には、仮想コンフィグデータ受信部303は、インターネット104を介して、設定値管理サービス310の仮想コンフィグデータ更新確認部322に対して、仮想コンフィグデータが更新されているかを確認する。仮想コンフィグデータ受信部303は、上記確認結果に基づいて、仮想コンフィグデータが更新されているかを判断する。仮想コンフィグデータが更新されていない場合は、処理を終了する。仮想コンフィグデータが更新されている場合は、ステップS1007に進む。
ステップ1005において、実機器構成データ通知部306が、実機器構成データとテナント識別子とを含むコンフィグデータ生成要求を設定値管理サービス310に通知する(ステップS1005)。通知先のアドレスは、実コンフィグデータ保持部301が保持しているアドレスである。
設定値管理サービス310は、ステップ1051において、上記通知を検知して処理を行う。設定値管理サービス310が実行する処理についての詳細は後述する。
次に、仮想コンフィグデータ受信部303が、仮想コンフィグデータの更新が完了するまで処理の実行を待ち合わせる(ステップS1006)。続いて、仮想コンフィグデータ受信部303が、設定値管理サービス310から仮想コンフィグデータを受信する。そして、仮想コンフィグデータ更新部317が、受信された仮想コンフィグデータを実コンフィグデータとして更新する(ステップS1007)。実コンフィグデータは、実コンフィグデータ保持部301によって記憶される。
ステップ1051において、設定値管理サービス310の実機器構成データ受信部318が、画像形成装置101から実機器構成データとテナント識別子とを含むコンフィグデータ生成要求を受け付ける(ステップS1051)。
次に、仮想機器構成データ更新部319が、仮想デバイス保持部311が保持する仮想デバイスの中から、S1051で受信したコンフィグデータ生成要求が含む実機器構成データとテナント識別子とに合致する仮想デバイスを検索する(ステップS1054)。合致する仮想デバイスが検索された場合は、ステップS1054に進む。合致する仮想デバイスが検索されなかった場合は、ステップ1053に進む。新規デバイス設置時など、画像形成装置が初めて設定値管理サービス310と通信を行った時には、仮想デバイスを検索できない場合がある。従って、この場合はステップS1053に進む。
ステップS1053において、仮想機器構成データ更新部319が、空の仮想デバイスを生成して(ステップS1053)、ステップS1054に進む。続いて、仮想機器構成データ更新部319が、S1052において検索された仮想デバイスの仮想機器構成データを、ステップS1051において受信したコンフィグデータ生成要求が含む実機器構成データで更新する(ステップS1054)。また、仮想機器構成データ更新部319は、ステップS1053において生成された仮想デバイスの仮想機器構成データとして、ステップS1051において受信したコンフィグデータ生成要求が含む実機器構成データを設定する。これにより、画像形成装置101に対応する仮想デバイスが更新される。
次に、仮想コンフィグデータ生成部316が、ステップS1056において更新された仮想機器構成データから機種コードを取得する。そして、仮想コンフィグデータ生成部316が、取得した機種コードに該当する機種別設定値スキーマを機種別設定値スキーマ保持部312から取得する(ステップS1055)。
次に、仮想コンフィグデータ生成部316が、テナント用コンフィグデータを取得する(ステップS1056)。具体的には、仮想コンフィグデータ生成部316は、テナント用コンフィグデータ保持部314が保持するテナント用コンフィグデータから、ステップS1051において受信されたテナント識別子に対応するテナント用コンフィグデータを取得する。
次に、仮想コンフィグデータ生成部316が、仮想機器構成データ、機種別設定値スキーマ、テナント用コンフィグデータに基づいて、仮想コンフィグデータを生成する(ステップS1057)。ステップ1057の処理は、図9のステップS913の処理と同様である。すなわち、仮想コンフィグデータ生成部316は、コンフィグデータ生成要求が含む構成情報(機器構成データ)に基づいて画像形成装置101に対応するコンフィグデータを生成する。
次に、仮想コンフィグデータ更新部317が、生成された仮想コンフィグデータを、該当する仮想デバイスに登録、更新する(ステップS1058)。ステップS1058においては、さらに、仮想コンフィグデータ取得部320が、生成された仮想コンフィグデータを画像形成装置101の仮想コンフィグデータ受信部303に対して送信する。
次に、画像形成装置がリプレイスされた場合に、関連する画像形成装置のコンフィグデータの更新処理について説明する。画像形成装置がリプレイスされると、リプレイス前のコンフィグデータの設定値と同じ値が引き継がれる設定項目と、リプレイス前のコンフィグデータの設定値から値が変更される設定項目とがある。
例えば、IPアドレス、デバイス名、URL、設置場所の表示等は、リプレイス前のコンフィグデータの設定値と同じ値がリプレイス後の画像形成装置に引き継がれる場合が多い。また、画像形成装置の固有のデータに関する設定項目、およびリプレイス前の画像形成装置には無かったデータに関する設定項目は、リプレイス前の設定値から値が変更される場合が多い。例えば、MACアドレス、新規に追加された能力情報などは、リプレイス前の設定値から値が変更される場合が多い。
例えば、画像形成装置のリプレイスに伴ってリプレイス前の設定値から値が変更される設定を、ネットワーク上の他の画像形成装置が静的に保持している場合がある。例えば、当該他の画像形成装置が、MACアドレスフィルタ機能を持っているものとする。MACアドレスフィルタ機能は、MACアドレスフィルタに予め通信相手のMACアドレスを登録しておき、このMACアドレスフィルタを参照して、受信したパケットの受信許可/不許可を決定する機能である。
MACアドレスフィルタ機能を運用している画像形成装置は、登録されていたMACアドレスに対応する画像形成装置がリプレイスされると、設定を変更する必要がある。つまり、MACアドレスフィルタ機能を運用している画像形成装置は、リプレイス前のMACアドレスをリプレイス後のMACアドレスに変更しなければならない。
例えば、MACアドレスフィルタで「登録アドレス以外からのパケットの受信を許可」と設定されており、ある画像形成装置のMACアドレスが登録アドレスであるものとする。このMACアドレスフィルタを運用する画像形成装置が、MACアドレスフィルタの設定を変更する前には、リプレイスされた画像形成装置から当該MACアドレスフィルタを運用する画像形成装置宛てにパケットを送信した場合、このパケットが受信されてしまう。
図11は、実施例1における情報処理システムの動作処理の例を説明するシーケンス図ある。図11中、1110、1150、1160はそれぞれ画像形成装置A、B、Cである。1120、1130、1140は、仮想デバイスA、B、Cであり、それぞれ画像形成装置A(1110)、B(1150)、C(1160)に対応する。以下の説明において、仮想デバイスが主体となる各処理は、設定値管理サービス310の当該処理に対応する処理部が実行する。また、仮想デバイスに対する各処理は、設定値管理サービス310の当該処理に対応する処理部に対して実行される。
図11は、画像形成装置Aがリプレイスされ、画像形成装置B、Cのコンフィグデータが変更となる場合の処理を示す。まず、画像形成装置Aが、リプレイス時に、リプレイス要求としてメッセージ1111を仮想デバイスAに送信する。このリプレイス要求は、リプレイス後の画像形成装置AのMACアドレスを含んでいる。仮想デバイスAは、メッセージ1111を受信すると、仮想コンフィグデータの更新が必要な仮想デバイスを検索する。
具体的には、設定値管理サービス310の仮想デバイス検索部331が仮想コンフィグデータのうち、リプレイス要求が含むMACアドレスを登録しているMACアドレスフィルタが設定されている仮想コンフィグデータを有する仮想デバイスを検索する。当該検索結果として仮想デバイスB、Cが得られた場合、仮想デバイスAが、更新メッセージを仮想デバイスB、仮想デバイスCに通知することによって、仮想デバイスB、Cに対応する仮想コンフィグデータを更新する(処理1121、1122)。具体的には、仮想コンフィグデータ変更部332が、仮想デバイスB、Cに対応する仮想コンフィグデータを更新する。MACアドレスフィルタの例では、仮想コンフィグデータ変更部332が、リプレイス前のMACアドレス値からリプレイス後のMACアドレス値に変更する。
次に、仮想コンフィグデータ変更部332が、仮想デバイスAが持つコンフィグデータを更新(処理1123)する。また、停止機能選択部333が、他の画像形成装置の設定が完了するまで停止する機能があれば選択し(処理1124)、他の画像形成装置の設定が完了するまで当該機能を停止することを指示するメッセージ1125を画像生成装置Aへ通知する。このメッセージを通知された画像形成装置Aは該当する機能を停止する。
一方、画像形成装置Bが、仮想デバイスBが保持する更新されたコンフィグデータを取得し、実コンフィグデータを更新する(処理1131)。画像形成装置Cも同様の処理を行う(処理1141)。仮想デバイスB、Cは、対応する実コンフィグデータの更新が終了すると、仮想デバイスAに対して更新終了を通知する(メッセージ1132、1142)。更新終了を通知された仮想デバイスAは、機能停止解除要求を行う。具体的には、停止機能選択部333が、更新すべき実コンフィグデータが全て更新されたと判断した場合、メッセージ1125によって停止した機能の停止解除を指示するメッセージ1126を通知する。
図12は、画像形成装置のリプレイス時における設定値管理サービスの動作処理例を示すフローチャートである。設定値管理サービス310のリプレイス管理部330が、リプレイスされる画像形成装置以外の画像形成装置のコンフィグデータの更新処理を実行する(ステップS1201)。ステップS1201の処理は、図11の処理1121、1122に対応する。
次に、リプレイス管理部330が、リプレイスされる画像形成装置のコンフィグデータの更新処理を実行する(ステップS1202)。ステップS1202の処理は、図11の処理1123に対応する。続いて、リプレイス管理部330が、リプレイスされる画像形成装置に対して、他の画像形成装置の更新が終了するまで停止する機能を選択する処理を実行する(ステップS1203)。ステップS1203の処理は、図11の処理1124に対応する。
次に、リプレイス管理部330が、実デバイスである画像形成装置に対して、リプレイスの処理が完了したことを通知して(ステップS1204)、処理を終了する、ステップS1204の処理は、図11の処理1125に対応する。ステップS1024の処理によって、ステップ1203にて選択された機能が一旦停止される。
図13は、図12のステップS1201における処理の詳細な例を示すフローチャートである。図13(A)は、実施例1におけるコンフィグデータの更新処理を示す。まず、リプレイス管理部330が、リプレイス対象の画像形成装置のMACアドレスを登録しているMACアドレスフィルタを使用している画像形成装置を検索する(ステップS1301)。具体的には、上記MACアドレスフィルタを持つ仮想コンフィグデータを検索し、更新が必要な仮想デバイスを求める。
次に、リプレイス管理部330が、更新が必要な仮想デバイスがあるかを判断する(ステップS1302)。更新が必要な仮想デバイスがない場合は、処理を終了する。更新が必要な仮想デバイスがある場合は、ステップS1303に進む。
次に、リプレイス管理部330が、更新が必要な仮想コンフィグデータのMACアドレスフィルタ設定値を更新する(ステップS1303)。具体的には、リプレイス管理部330が、リプレイス前のMACアドレス値をリプレイス後のMACアドレス値に変更する。続いて、リプレイス管理部330が、更新テーブルのMACアドレスフィルタの行に該当する仮想デバイスを登録し(ステップS1304)、ステップS1302に戻る。
図14は、更新テーブルの一例である。リプレイス管理部330が更新テーブル2500を管理している。更新テーブル2500は、少なくとも更新対象となるコンフィグデータの設定値と、当該更新対象に関連する機能と、当該設定値を更新する必要がある仮想デバイスとの対応情報を含むテーブルである。
更新テーブル2500の行2501は、行2501以降の行に設定されたデータが、仮想デバイスAに対応する画像形成装置がリプレイスされた場合についてのデータであることを示している。同様に、行2502は、行2502以降の行に設定されたデータが、仮想デバイスXに対応する画像形成装置がリプレイスされた場合についてのデータであることを示している。
列2510は、更新対象、列2520は、更新対象に関連する機能、列2530は更新対象に登録された仮想デバイスと、この仮想デバイスからの更新終了通知の受信状況を示す。
列2511は、更新対象がMACアドレスフィルタであることを示す。そして、更新対象であるMACアドレスフィルタに関連する機能は、センド機能(2521)、ScanToBox:ネットワークプレース機能(2522)、ウェブブラウザ機能(2523)である。この例では、MACアドレスフィルタの更新が必要なデバイスとして、仮想デバイスB(2532)と、仮想デバイスC(2535)とが登録されている。また、この例では、仮想デバイスBからの更新終了通知は未受信、仮想デバイスCは受信済である。
更新対象がネットワークアドレス帳である場合については、関連機能がIFAX機能(2524)であり、更新が必要な仮想デバイスとして仮想デバイスB(2533)が登録されている。また、この例では、仮想デバイスBからの更新終了通知は未受信である。
図15は、図12のステップS1203における停止機能選択処理の詳細な例を示すフローチャートである。まず、リプレイス管理部330が、更新テーブルの更新対象について順番に調べていき、未調査の更新対象があるかを判断する(ステップS1501)。未調査の更新対象がない場合は、処理を終了する。未調査の更新対象がある場合は、リプレイス管理部330が、この更新対象を選択して、ステップS1502に進む。
次に、リプレイス管理部330が、更新テーブルにおいて、ステップS1501で選択した更新対象に対応する仮想デバイスが登録されているかを判断する(ステップS1502)。ステップS1501で選択した更新対象に対応する仮想デバイスが登録されていない場合は、ステップS1501に戻る。ステップS1501で選択した更新対象に対応する仮想デバイスが登録されている場合は、ステップS1503に進む。ステップS1503において、リプレイス管理部330が、更新対象に関連する機能を停止すべき機能として選択し(ステップS1503)、ステップS1501に戻る。
図16は、実コンフィグデータの更新処理の例を示すフローチャートである。図16に示す処理は、図11の処理1131、処理1141に対応する。まず、リプレイス管理部330が、実デバイスである画像形成装置に対して仮想コンフィグデータ渡すとともに実コンフィグデータの更新要求を行うことによって、実コンフィグデータを更新する(ステップS1601)。続いて、リプレイス管理部330が、更新テーブルを参照して、更新テーブルに該当する仮想デバイスが登録されているかを判断する(ステップS1602)。
更新テーブルに該当する仮想デバイスが登録されていない場合は、処理を終了する。更新テーブルに該当する仮想デバイスが登録されている場合は、ステップS1603に進む。そして、リプレイス管理部330が、更新終了通知をリプレイスされた仮想デバイスに送信する(ステップS1603)。ステップS1603の処理は、例えば、図11のメッセージ1132、1142の通知に対応する。
図17は、図16のステップS1603における更新終了通知を受信した仮想デバイスの動作処理を説明するフローチャートである。この処理は、実際にはリプレイス管理部330が実行する。まず、リプレイス管理部330が、該当する仮想デバイスから更新終了通知を受信したかを判断する(ステップS1701)。リプレイス管理部330が、更新終了通知を受信していない場合は、ステップS1701に戻る。リプレイス管理部330が、更新終了通知を受信した場合は、ステップS1702に進む。
次に、リプレイス管理部330が、該当する仮想デバイスの受信状況を全て「受信:済」に変更する(ステップS1702)。例えば、リプレイス管理部330が、仮想デバイスCから更新終了通知を受けると、図14に示す更新テーブルのように、仮想デバイスCというデータ項目の欄に、「受信:済」を設定する。
次に、リプレイス管理部330が、更新対象の関連機能に対応する全ての仮想デバイスから更新終了通知を受信したかを判断する(ステップS1703)。例えば、図14に示す更新テーブルに設定されているSend機能に関連する仮想デバイスのうち、仮想デバイスCというデータ項目の欄は、「受信:済」に設定されている。しかし、仮想デバイスBというデータ項目の欄は、「受信:未」のままであるので、コンフィグデータが更新されていない仮想デバイスがあるという状況であることが分かる。
更新テーブルにおいて関連機能2502に登録されている仮想デバイスが全て「受信:済」である場合には、ステップS1704に進む。更新テーブルにおいて関連機能2502に登録されている仮想デバイスのうち、「受信:未」である仮想デバイスが残っている場合は、ステップS1701に戻る。
ステップS1704においては、リプレイス管理部330が、対応する全ての仮想デバイスの更新が完了した関連機能について、停止解除を実デバイスである画像形成装置に通知する。この通知は、図11に示すメッセージ1126の通知に対応する。続いて、リプレイス管理部330が、更新テーブルに「受信:未」である仮想デバイスが残っているかを判断する(ステップS1705)。更新テーブルに「受信:未」である仮想デバイスが残っている場合は、ステップS1701に戻る。更新テーブルに「受信:未」である仮想デバイスが残っていない場合は、処理を終了する。
図18は、画像形成装置の動作処理例を説明するフローチャートである。まず、画像形成装置101が電源ONになると初期化処理が実行される(ステップS1801)。続いて、画像形成装置101(のリプレイス実行部340)が、リプレイス処理を開始するかを判断する(ステップS1802)。画像形成装置101がリプレイス処理を開始すると判断した場合は、画像形成装置101は、リプレイス処理を実行して(ステップS1810)、ステップS1821に進む。画像形成装置101がリプレイス処理を開始しないと判断した場合は、画像形成装置101は、通常処理を実行して(ステップS1820)、ステップS1821に進む。
次に、画像形成装置101が、電源OFF/ONが後処理として必要であるかを判断する(ステップS1821)。画像形成装置101が、電源OFF/ONが後処理として必要でないと判断した場合は、ステップS1820に戻る。画像形成装置101が、電源OFF/ONが後処理として必要であると判断した場合は、画像形成装置101が、終了処理を実行する(ステップS1822)。
図19は、図18のステップS1820における通常処理の詳細例を説明するフローチャートである。まず、画像形成装置101が、外部装置から要求があったかを判断する(ステップS1901)。外部装置から要求がなかった場合は、ステップS1901に戻る。外部装置から要求があった場合は、画像形成装置101は、要求の種類に応じて、以下のステップS1910乃至1940のいずれかの処理を実行する。要求が機能停止要求であった場合、画像形成装置101のリプレイス実行部340が、機能停止要求が指定する機能を停止する(ステップS1910)。これにより、画像形成装置101のリプレイスに伴ってコンフィグデータの更新が必要な他の画像形成装置のコンフィグデータの更新が完了する前に、画像形成装置101が更新されるコンフィグデータに関連する機能処理を実行することを防止することができる。
図20は、画像形成装置の機能を停止した場合に画像形成装置がディスプレイ205A上に表示する画面の例である。図20(A)に示す画面2000は、ユーザが選択・操作する対象となる画像形成装置の各機能を表示するメニュー画面を示す。図20(A)に示すメニュー画面の例では、グレーアウトしている(図中では斜線を施している)ボタン2004および2005に対応する機能が停止している。具体的には、ウェブブラウザ機能と、センド機能とが停止している。
図20(B)は、ユーザがボタン2002を押下げした場合に画像形成装置が表示するScanToSend機能の基本画面を示す。図19(B)に示す例では、ボタン2013がグレーアウトしている。すなわち、画像形成装置のネットワークプレース機能が停止している。MACアドレスフィルタが更新対象となっている場合にネットワークプレース機能が停止される。
図19に戻って、要求が実コンフィグデータの更新要求であった場合、画像形成装置101の実コンフィグデータ更新部302が、実コンフィグデータの更新要求とともに受信した仮想コンフィグデータで実コンフィグデータを更新する(ステップS1920)。
要求が機能停止解除要求であった場合、画像形成装置101のリプレイス実行部340が、機能停止解除要求が指定する機能の停止を解除する。これにより、画像形成装置101のリプレイスに伴ってコンフィグデータの更新が必要な他の画像形成装置のコンフィグデータの更新が完了する前に、画像形成装置101が更新されるコンフィグデータに関連する機能処理を実行することを防止することができる。要求が機能停止解除要求、実コンフィグデータの更新要求、機能停止解除要求のいずれでもない場合、画像形成装置101の所定の処理部が、当該要求に応じた処理を実行する(ステップS1940)。
以上説明した実施例1の情報処理システムが備える設定値管理サービス310は、画像形成装置がリプレイスされた場合に、コンフィグデータの更新が必要となる画像形成装置を、自身が仮想デバイスとして管理する画像形成装置の中から検索する。そして、設定値管理サービス310は、検索した画像形成装置のコンフィグデータを更新する。従って、実施例1の情報処理システムによれば、画像形成装置がリプレイスされた場合に、コンフィグデータの変更が必要となる他の画像形成装置を、過大な処理負荷なしに探索し、探索した画像形成装置のコンフィグデータを自動的に変更することが可能となる。
なお、実施例1では、サーバコンピュータ群105が設定値管理サービス310を実現することを想定しているが、別の構成であっても良い。例えば、1つのサーバコンピュータが設定値管理サービス310を実現するようにしてもよい。また、設定値管理サービス310が、ユーザ環境100、サービスマン環境110、または画像形成装置のベンダ環境120等の中に実現されていてもよい。
また、実施例1では、サービスマンが、サービスマン環境110に配置された端末装置102Bを利用することを想定しているが、別の構成であってもよい。例えば、サービスマンが、ユーザの許可のもとでユーザ環境100に配置された端末装置102Aを利用する構成であってもよい。
また、図2では、サーバコンピュータ210Aと210Bとがネットワーク220を介して通信を行っているが、別の構成であってもよい。例えば、サーバコンピュータ210Aと210Bとが、インターネット104を介して通信を行ってもよい。
また、図3では、実コンフィグデータ保持部301が、補助記憶装置204Aに実コンフィグデータを記憶しているが、別の構成であってもよい。例えば、実コンフィグデータ保持部301が、実コンフィグデータを揮発性メモリ203Aに一時的に記憶する構成であってもよい。この場合、電源をOFFにすると実コンフィグデータが失われるので、デバイスの電源をONにする度に仮想コンフィグデータ受信部303が仮想コンフィグデータを受信する必要がある。具体的な処理の流れで示すと、図10のステップ1004で、仮想コンフィグデータの更新判定処理が省略され、常にステップ1007の処理を実行する構成となる。
図3では、実機器構成データ収集部304は、画像形成装置の電源をONにする度に、実機器構成データの収集を行うが、別の構成であってもよい。例えば、画像形成装置が実機器構成データを補助記憶装置204Aに常に記憶する実機器構成データ保持部(図示を省略)を備えるようにしてもよい。この場合、実機器構成データの変更に応じて、実機器構成データ保持部が保持する実機器構成データを速やかに書き換える構成である必要がある。そのため、実機器構成データ収集部304は、実機器構成データの変更を監視し、変更内容を検知した場合には、実機器構成データ保持部に対して変更内容を通知し、この変更内容を実機器構成データに反映させる。また、実機器構成データ通知部306は、実機器構成データ保持部に対して実機器構成データを要求する。
図3では、テナント識別子保持部305が、補助記憶装置204Aにテナント識別子を記憶するが、別の構成であってもよい。例えば、ユーザが入力装置206Aを用いてテナント識別子を毎回入力する構成であってもよい。入力するタイミングは、画像形成装置の起動時であってもよいし、別のタイミングであってもよい。この場合、テナント識別子は揮発性メモリ203Aに記憶される。
図3では、実機器構成データ通知部306は、画像形成装置が電源ONになったことを検知して処理を行うが、別の構成であってもよい。例えば、ユーザが、入力装置206Aを用いて仮想コンフィグデータの取得を指示する構成であってもよい。この場合、図10のステップ1001において、画像形成装置が仮想コンフィグデータの取得指示を検知することでステップ1002以降の処理が実行される。
図3では、仮想デバイス保持部311は、図8に示すように仮想機器構成データと仮想コンフィグデータを識別するための識別子を保持していたが、別の構成であってもよい。例えば、仮想デバイス保持部311が、識別子ではなくデータの実体を保持する構成であってもよい。
図3では、仮想コンフィグデータ生成部316は、機種別設定値スキーマ、テナント用コンフィグデータ、仮想機器構成データから仮想コンフィグデータを生成するが、別の構成であってもよい。例えば、仮想コンフィグデータ生成部316が、機種別設定値スキーマとテナント用コンフィグデータとに基づいて、機種に応じた仮想コンフィグデータを生成するようにしてもよい。この場合、画像形成装置は、実コンフィグデータを参照する際に機器構成に応じた実コンフィグデータを参照する。また、仮想コンフィグデータ生成部316が、更に、所定のライセンスデータを用いて仮想コンフィグデータを生成する構成であってもよい。その場合、画像形成装置が備えるオプション機能に合わせた仮想コンフィグデータが生成される。
図13(B)は、実施例2における図12の処理1201の詳細例を説明するフローチャートである。以下に、図13(B)を参照して、実施例2の情報処理システムが実行するコンフィグデータの更新処理を説明する。
まず、リプレイス管理部330が、リプレイス対象の画像形成装置の情報を持つネットワークアドレス帳をコンフィグデータとして保有する画像形成装置を検索する(ステップS1401)。具体的には、上記ネットワークアドレス帳を持つ仮想コンフィグデータを検索し、更新が必要な仮想デバイスを求める。
次に、リプレイス管理部330が、更新が必要な仮想デバイスがあるかを判断する(ステップS1402)。更新が必要な仮想デバイスがない場合は、処理を終了する。更新が必要な仮想デバイスがある場合は、ステップS1403に進む。
次に、リプレイス管理部330が、更新が必要な仮想デバイスが有する仮想コンフィグデータのネットワークアドレス帳を更新する(ステップS1403)。具体的には、リプレイス管理部330が、リプレイス前のネットワークアドレス帳が持つリプレイス対象の画像形成装置の情報をリプレイス後の画像形成装置の情報に変更する。続いて、リプレイス管理部330が、更新テーブルのネットワークアドレス帳の行に該当する仮想デバイスを登録し(ステップS1404)、ステップS1402に戻る。
図21は、実施例2における情報処理システムの動作処理例を説明するシーケンス図である。実施例2では、ある画像形成装置がリプレイスされた場合に、他の画像形成装置が持つネットワークアドレス帳を更新する。ネットワークアドレス帳は、画像形成装置が持つアドレス帳をネットワーク経由で他の画像形成装置が参照できるアドレス帳である。例えばIFAX機能を有する画像形成装置は、ネットワークアドレス帳に記載されている、送信先の能力情報(例:解像度など)に基づいて送信設定を行う。従って、当該送信先の画像形成装置がリプレイスされた場合には、このネットワークアドレス帳を更新する必要がある。なお、この例では、ネットワークアドレス帳の更新を例にとって説明するが、ある画像形成装置がリプレイスされた場合に、他の画像形成装置のコンフィグデータの設定のうち、変更が必要な設定は、ネットワークアドレス帳に限定されない。
図21は、第2の実施形態の基本となるシーケンス図である。符号2110、2140、2150は、それぞれ、画像形成装置A、B、Cを示す。符号2120、2130は、仮想デバイスA、Bを示す。仮想デバイスAは、画像形成装置Aに対応する。また、仮想デバイスBは、画像形成装置Bに対応する。
この例では、画像形成装置Aがリプレイスされ、画像形成装置Bのコンフィグデータに設定されているネットワークアドレス帳の変更が必要となるものとする。また、ネットワークアドレス帳には、そのバージョン情報が対応付けられているものとする。まず、画像形成装置Aが、リプレイス時に、リプレイス要求としてメッセージ2111を仮想デバイスAに送信する。仮想デバイスAが、メッセージ2111を受信し、仮想コンフィグデータの更新が必要な仮想デバイスを検索する。具体的には、仮想デバイス検索部331が、仮想コンフィグデータのうち、リプレイス要求の要求元である画像形成装置Aを情報の送信先として登録しているネットワークアドレス帳を含む仮想コンフィグデータを有する仮想デバイスを検索する。
当該検索結果として仮想デバイスBが得られた場合、仮想デバイスAが、更新メッセージを仮想デバイスBに通知することによって、仮想デバイスBに対応する仮想コンフィグデータを更新する(処理2121)。具体的には、仮想コンフィグデータ変更部332が、仮想デバイスBに対応する仮想コンフィグデータに設定されたネットワークアドレス帳が有する、リプレイス前の画像形成装置Aの情報を、リプレイス後の画像形成装置Aの情報に変更する。また、仮想コンフィグデータ変更部332が、このネットワークアドレス帳のバージョン情報を更新する。
次に、仮想コンフィグデータ変更部332が、仮想デバイスAが持つコンフィグデータを更新(処理2122)する。また、停止機能選択部333が、更新テーブルを参照して、他の画像形成装置の設定が完了するまで停止する機能があれば選択する(処理2123)。この例では、停止機能選択部333は、図14に示す更新テーブルにおいてネットワークアドレス帳に関連するIFAX機能を選択する。そして、停止機能選択部333は、他の画像形成装置の設定が完了するまで、選択した機能を停止することを指示するメッセージ2124を画像生成装置Aへ通知する。メッセージ2124を通知された画像形成装置Aは該当する機能を停止する。
画像形成装置Bは、仮想デバイスBに対応する、更新されたコンフィグデータを取得し、実コンフィグデータを更新する(処理2142)。仮想デバイスBは、対応する実コンフィグデータの更新が終了すると、仮想デバイスAに対して更新終了通知を行う(メッセージ2131)。更新終了通知を受信した仮想デバイスAは、機能停止解除要求を行う。具体的には、停止機能選択部333が、更新すべき実コンフィグデータが全て更新されたと判断した場合、メッセージ2124によって停止した機能の停止解除を指示するメッセージ2125を画像形成装置Aに通知する。
ここで、画像形成装置Bに対応するネットワークアドレス帳は、画像形成装置Aのリプレイスが完了したとしても古い状態の期間がある。具体的には、仮想デバイスAがメッセージ2124を送信した後、処理2142が完了するまでの期間は、画像形成装置Bに対応するネットワークアドレス帳のバージョン情報は、更新前のバージョン情報である。
この例では、画像形成装置Cが、画像形成装置Bのネットワークアドレス帳を参照して、画像形成装置AにIFAXを送信する。このとき、画像形成装置Cがメッセージ2141にて参照した、画像形成装置Bのネットワークアドレス帳のバージョン情報は、リプレイス前のバージョン情報である。
画像形成装置Cは、以下のようにして、ネットワークアドレス帳が有する画像形成装置Aの情報を参照してIFAXデータを作成する。画像形成装置Cは、参照したネットワークアドレス帳のバージョン情報(2160)をメッセージ2141から取得する。画像形成装置Cは、取得したバージョン情報をメール(2161)のヘッダに付与して、IFAXデータを生成し、画像形成装置Aに対して送信する(処理2151)。メール2163の例では、X−dddAdrVersionがバージョン情報である。
つまり、画像形成装置Cは、以下の処理を実行する第3の画像形成装置として機能する。画像形成装置Cは、第2の画像形成装置(画像形成装置B)のコンフィグデータを参照する。画像形成装置Cは、該参照したコンフィグデータに応じた情報であって、該コンフィグデータのバージョン情報を含む送信情報を生成し、生成した送信情報をネットワークを介して第1の画像形成装置(画像形成装置A)に対して送信する。この例では、画像形成装置Aは、画像形成装置CからIFAXデータを受信する受信手段を備える。
画像形成装置Aは、IFAX機能を停止させているので、この時点ではIFAXデータをまだ受信していない。ここで、画像形成装置Cが、処理2142の後に、ネットワークアドレス帳を参照(メッセージ2143)して、画像形成装置AにIFAXデータをメッセージ2151と同様に送信(処理2152)したとする。上記参照したネットワークアドレス帳の情報は、リプレイス後の画像形成装置Aの情報に更新されている。
メッセージ2125を受けた画像形成装置AがIFAX機能を開始する。この時点では、画像形成装置Aは、メッセージ2151とメッセージ2152という2つのIFAXを受信することになる(処理2112)。そこで、画像形成装置Aは、IFAX受信の際に、処理2151、処理2152で送信されたIFAXデータに対応するメールのヘッダに記載されているバージョン情報が最新であるかを検証する。
具体的には、画像形成装置Aのバージョン管理部341が、仮想デバイスBに対して、バージョン情報の比較を要求(メッセージ2113)する。すなわちバージョン管理部341は、設定値管理サービス310に対して、以下の処理を実行する比較要求手段として機能する。バージョン管理部341は、受信されたIFAXデータが含む画像形成装置Bのコンフィグデータのバージョン情報と、仮想デバイス保持部311が保持する画像形成装置Bのコンフィグデータのバージョン情報との比較処理の実行を要求する。
仮想デバイスBは、画像形成装置Aから送信されたバージョン情報と、仮想デバイスB自身の持つネットワークアドレス帳のバージョン情報とを比較する(処理2114)。具体的には、設定値管理サービス310のバージョン比較部334が、処理2114を実行する。そして、仮想デバイスBが、バージョン情報の比較処理の実行結果を応答する(メッセージ2115)。
この例では、処理2151で送信されたIFAXデータに対応するメールのヘッダに記載されているバージョン情報と仮想デバイスBが持つネットワークアドレス帳のバージョン情報は一致したものとする。また、処理2152で送信されたIFAXデータに対応するメールのヘッダに記載されているバージョン情報と仮想デバイスBが持つネットワークアドレス帳のバージョン情報は不一致であったものとする。
画像形成装置Aのバージョン管理部341は、以下の処理を実行する判断手段として機能する。バージョン管理部341は、メッセージ2115による応答が示す比較処理の実行結果を受信する。そして、バージョン管理部341は、比較処理の実行結果に基づいて、IFAXデータに対応するメールのヘッダに記載されているバージョン情報と仮想デバイスBが持つネットワークアドレス帳のバージョン情報とが一致するかを判断する。
IFAXデータに対応するメールのヘッダに記載されているバージョン情報と仮想デバイスBが持つネットワークアドレス帳のバージョン情報とが一致する場合、画像形成装置Aのバージョン管理部341は、以下の処理を実行する。バージョン管理部341は、このIFAXデータが最新のコンフィグデータに基づいて生成されたと判断する。そして、バージョン管理部341は、送達確認(OK)を送信する。送達確認(OK)は、このIFAXデータが最新のコンフィグデータに基づいて生成されたことを示すメッセージである。IFAXデータに対応するメールのヘッダに記載されているバージョン情報と仮想デバイスBが持つネットワークアドレス帳のバージョン情報とが不一致である場合、画像形成装置Aは、画像形成装置Cに対して、送達確認(条件付きOK)を送信する。送達確認(条件付きOK)は、IFAXデータが送達されたが、古いバージョン情報のネットワークアドレス帳に基づくIFAXデータであることを確認したことを示すメッセージである。
図22は、画像形成装置が実行するIFAX送信処理の例を説明するフローチャートである。図22では、図21に示す画像形成装置Cが実行するIFAX送信処理を例にとって説明する。まず、画像形成装置Cが、図21に示す画像形成装置Bのネットワークアドレス帳を参照し、このネットワークアドレス帳のバージョンを、図21に示すメールヘッダ(2161)のX−dddAdrVerに設定する(ステップS2201)。
次に、画像形成装置Cが、その他のIFAXデータの作成処理を実行する(ステップS2202)。続いて、画像形成装置Cが、画像形成装置Aに対してIFAXデータを送信し(ステップS2203)、処理を終了する。
なお、画像形成装置Cは、ステップS2201において、メールヘッダに、ネットワークアドレス帳のバージョンに代えて、参照した情報を特定できる任意の情報を設定するようにしてもよい。例えば、ネットワークアドレス帳とともに画像形成装置のコンフィグデータのバージョンが上がるのであれば、画像形成装置Cが、メールヘッダにコンフィグデータのバージョン情報を設定するようにしてもよい。
図23は、画像形成装置が実行するIFAX受信処理の例を説明するフローチャートである。図22では、図21に示す画像形成装置Aが実行するIFAX受信処理を例にとって説明する。まず、画像形成装置Aが、画像形成装置CからIFAXデータを受信する(ステップS2301)。
次に、画像形成装置Aが、受信したIFAXデータを印刷または保存する(ステップS2302)。続いて、画像形成装置Aが、仮想デバイスBに対して、バージョン情報の比較を要求する。そして、画像形成装置Aが、仮想デバイスBから応答として受け取ったバージョン情報の比較結果に基づいて、以下の判断処理を実行する(ステップS2303)。
画像形成装置Aは、上記ステップS2301で受信したIFAXデータに対応するメールヘッダに設定されたバージョンと画像形成装置Bのネットワークアドレス帳のバージョンとが一致するかを判断する。画像形成装置Aが、バージョンが一致すると判断した場合、画像形成装置Aは、画像形成装置Cに対して、送達確認(OK)を送信する。画像形成装置Aが、バージョンが不一致であると判断した場合、画像形成装置Aは、画像形成装置Cに対して、送達確認(条件付きOK)を送信する。
図24は、IFAXデータを送信する画像形成装置の操作パネルの一例である。図24では、画像形成装置Cの操作パネルを例にとって説明する。図24(A)は、画像形成装置Cが表示するIFAX送信履歴画面の例を示す。IFAX送信履歴画面は、画像形成装置Cが送信したIFAXデータの送信履歴を表示する画面である。履歴2411は、送信OK、履歴2412は、条件付きOK、履歴2413は、NGであったことを示す。送信OK、条件付きOKは、受信側からの送達確認(メッセージ2114、2115)に基づいて決定される。
図24(B)は、IFAX送信詳細履歴画面の例を示す。IFAX送信詳細履歴画面は、IFAXデータの送信履歴の詳細情報を表示する画面である。ユーザが、図24(A)中の履歴2411を選択してボタン2418を押下すると、IFAX送信詳細履歴画面上に履歴2411の詳細情報が表示される。図24(B)中のIFAX送信詳細履歴画面には、正常に受信した旨のメッセージが表示されている。
図24(C)は、IFAX送信詳細履歴画面の他の例を示す。ユーザが、図24(A)中の履歴2412を選択してボタン2418を押下すると、IFAX送信詳細履歴画面上に履歴2412の詳細情報が表示される。図24(B)中のIFAX送信詳細履歴画面には、古いアドレス帳を使用した旨を表示し、相手デバイス(画像形成装置A)の能力を正確に把握していない状況で送信した可能性をユーザに通知している。
実施例2の情報処理システムによれば、第3の画像形成装置が、第1の画像形成装置のリプレイスに伴って更新が必要となった第2の画像形成装置のコンフィグデータに基づいて第1の画像形成装置に対する送信情報を生成する場合に、以下の効果を奏する。第1の画像形成装置は、送信情報が含むコンフィグデータのバージョンと設定値管理サービス310が備える第2の画像形成装置のコンフィグデータのバージョンとの比較結果に基づいて、当該送信情報が正しいか否かを判断することができる。
(その他の実施例)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。