JP5893362B2 - マスタ操作入力装置及びマスタスレーブマニピュレータ - Google Patents
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Description
図1は、本発明の一実施形態に係るマスタスレーブマニピュレータの一例の全体構成を示す図である。図1に示すように、本実施形態に係るマスタスレーブマニピュレータは、マスタ操作入力装置10と、制御装置20と、スレーブマニピュレータ30と、を有している。
操作部11は、例えばマスタ操作入力装置10の表示部12に固定されており、操作者1の操作を受けてスレーブマニピュレータ30を操作するための操作信号を出力する。
図2は、本実施形態に係るマスタ操作入力装置10の操作部11の構成を示す図である。また、図3は、図2で示した構成の操作部11の模式図である。ここで、図2は、右手用の操作部の構成を例示している。左手用の操作部の構成は、右手用の操作部に対して左右の関係が逆転するだけで実質的な構成は図2に示すものと同様である。
マスタ制御部21は、マスタ操作入力装置10からの操作信号に従って、スレーブアーム31の手先の位置・姿勢の指令値を例えば運動学計算に従って算出し、この位置・姿勢の指令値をマニピュレータ制御部22に出力する。また、マスタ制御部21は、マスタ操作入力装置10からの遠位端の関節の駆動量を指令するための操作信号及び先端効果器の駆動量を指令するための操作信号をマニピュレータ制御部22に出力する。
スレーブマニピュレータ30は、スレーブアーム31を有している。スレーブアーム31は、マニピュレータ制御部22からの制御信号に従って各関節が駆動される。図5にスレーブアーム31の構造の一例を示す。図5に示すスレーブアーム31は、7個の関節202〜208が連設して配置され、さらに遠位端の関節202に先端効果器201が取り付けられている。ここで、遠位端の関節とは、スレーブアーム31が固定されている側から見て最も遠い位置に配置された関節のことを言う。また、図5で示した先端効果器201は、把持器(グリッパー)の例を示している。この他、先端部にカメラ(電子内視鏡)等を取り付けても良い。
なお、本実施形態における第1ロール関節102は、他の関節とは独立して駆動される。したがって、本実施形態におけるマスタ操作入力装置10は、6自由度以下の冗長な自由度を有しないスレーブマニピュレータ30に対しても適用可能である。
以下、本実施形態の変形例について説明する。まず、図2に示した例では、第1ロール関節102は、把持部101のみで支持されているが、第1ロール関節102は、他の関節と独立してローリング可能に構成されていれば良く、例えば図6で示したように把持部101と第1リンクの延在部101aの2点で第1ロール関節102(図6では先端効果器操作部103)を支持するようにしても良い。図6の構成の模式図を図7に示す。図7に示すように、図6に示した構成の場合には第1ロール関節102と第2ロール関節104とが実質的に隣接して配置されることになる。しかしながら、第1ロール関節102と第2ロール関節104とは回転軸が異なる2重軸構造とすることで、第1ロール関節102のローリングに伴って第2ロール関節104がローリングしないようにする。
さらに、図2に示した操作部11に設けた関節104〜109は、スレーブアーム31の手先の位置・姿勢を指令するためのものであって、スレーブアーム31の手先の位置・姿勢を指令できるのであれば、関節104〜109はなくとも良い。例えば、操作部11に3軸の並進移動を検出するためのセンサ(例えば加速度センサ)を設けるようにすれば、図12に示すようにして、操作部11を構成することもできる。図12の例において、操作者1が操作部11の把持部101を把持し、当該操作部11を3次元空間内で移動させたり、回転させたりすることで、位置の3自由度に対応した操作信号を与えることが可能である。姿勢の3自由度に対応した操作信号については、例えばカメラ13によって得られた画像を解析することによって得る。なお、図12は、操作部11で得られた操作信号を、無線通信部14を経由して無線通信可能とした例を示している。勿論、図12の例において、操作部11で得られた操作信号を有線通信するようにしても良い。また、操作部11の姿勢を、角速度センサを用いて検出するようにしても良い。
実施例1では、等価回転ベクトル(等価回転軸ベクトル等とも呼ばれる)を用いて、いずれの関節を駆動関節とするかの判定を行うため、まず、等価回転ベクトルについて説明する。
まず、操作部11の把持部101の姿勢変化について次のように定義する。例えば、ある時刻tにおいて、図13(c)に示す把持部101の位置が、図13(a)に示す位置Om(t)であるとする。また、時刻tにおける把持部101の姿勢が、マスタロール軸Xm、マスタピッチ軸Ym、マスタヨー軸Zmがそれぞれ、図13(a)および図13(c)に示すXm(t)、Ym(t)、Zm(t)の方向を向くような姿勢であるとする。この状態から、所定時間Δt経過後の時刻t+1において、把持部101の位置が、図13(a)に示す位置Om(t+1)に変化したとする。また、時刻t+1における把持部101の姿勢が、マスタロール軸Xm、マスタピッチ軸Ym、マスタヨー軸Zmがそれぞれ、図13(a)に示すXm(t+1)、Ym(t+1)、Zm(t+1)の方向を向くような姿勢に変化したとする。このときの把持部101の姿勢変化は、マスタロール軸Xm(t)周りの回転と、マスタピッチ軸Ym(t)周りの回転と、マスタヨー軸Zm(t)周りの回転とを合成したものである。さらに、数学的には、このような3つの軸周りの回転を、1つの軸周りの回転に置き換えることが可能である。即ち、図13(b)に示すように、ある回転軸Vr(t)を設定すると、時刻tから時刻t+1の間の把持部101の姿勢変化は、把持部101を回転軸Vr(t)周りにθ(t)だけ回転させたものと等価となる。一般に、このような回転軸Vr(t)を表わすベクトルを、等価回転ベクトルと言う。
当該判定がYesの場合、処理はステップS21に進み、マスタ制御部21は、先端効果器201に近い関節202を駆動関節として選択し、もう一方の関節205を固定関節に設定する。一方、当該判定がNoの場合、処理はステップS22に進み、マスタ制御部21は、先端効果器201から遠い関節205を駆動関節として選択し、もう一方の関節202を固定関節に設定する。
即ち、等価回転ベクトルVr(t)とマスタロール軸Xm(t)とが一致(φ(t)=0)していれば、時刻tから時刻t+1の間の把持部101の姿勢変化は、ローリングによる姿勢変化のみであると考えることができる。この場合には、操作部11により、スレーブアーム31の手先のローリングのみが必要な動作が指令されたと考えることができる。実際には、等価回転ベクトルVr(t)とマスタロール軸Xm(t)とが完全に一致する場合だけでなく、他の動作も入るが主に手先のローリング操作である場合も含まれるように、等価回転ベクトルVr(t)とマスタロール軸Xm(t)とのなす角φ(t)にある規定値を設定し、φ(t)がこの規定値以下の場合には、先端のロール軸関節がもっぱら動作する、針かけ操作等のような「細かい動き」であるとみなすのである。したがって、判定の基準となる規定値は、どの程度の操作を「細かい動き」であると判定するかによって適宜設定することができ、例えば15度とすることができる。
ステップS21またはステップS22において、駆動関節および固定関節が決定されたら、マスタ制御部21は、選択結果を示す関節選択信号を、位置・姿勢の指令値とともにマニピュレータ制御部22に出力する。ステップS21またはステップS22の終了後、処理はステップS30に進む。
ここで、スレーブアーム31は、本来7自由度に対応した関節であるが、冗長関係にある関節202および205の一方が固定関節とされる(すなわち、駆動量がゼロとなる。)ため、7自由度の全ての駆動量が未知の場合よりも逆運動学計算で算出する関節数を低減でき,逆運動学計算が簡略化されてマニピュレータ制御部22に対する演算による負荷が軽減される。
なお、逆運動学計算については、例えば解析的な手法等の従来周知の各種の手法を用いることができる。ここでは、その詳細についての説明は省略する。
さらに、ステップS50において、マニピュレータ制御部22は、ステップS30で算出された関節202の駆動量に、ステップS40で算出された駆動量Mrを加え、関節202の指令値を確定する。これによりスレーブアーム31のすべての関節の指令値が定まる。
実施例2は、駆動関節を選択するための判定基準のみ異なっているため、判定基準を中心に説明し、共通する部分については重複する説明を省略する。
実施例2においては、先端効果器操作部103が閉じられているときは、先端効果器201で何かが把持されている、すなわち前述の「細かい動き」が行われるときであるとの考えに基づき、図15に示す先端効果器操作部103の開き角度θgの値に基づいて、駆動関節を選択する判定を行う。
その後の流れは、実施例1と同様である。
実施例3も、実施例1に対して駆動関節を選択するための判定基準のみ異なっているため、判定基準を中心に説明し、共通する部分については重複する説明を省略する。
実施例3においては、先端効果器操作部103に規定値以上の力が作用しているときは、先端効果器で何かが把持されている、すなわち前述の「細かい動き」が行われるときであるとの考えに基づき、図17に示す先端効果器操作部103に作用する力Fgの値に基づいて、駆動関節を選択する判定を行う。なお、実施例3においては、力Fgを検出できるよう、先端効果器操作部103に公知の力センサ等を取り付け、その検出値がマスタ制御部21に送られるようにしておく。
その後の流れは、実施例1と同様である。
実施例4も、実施例1に対して駆動関節を選択するための判定基準のみ異なっているため、判定基準を中心に説明し、共通する部分については重複する説明を省略する。
実施例4においては、マスタ操作入力装置10の把持部101が比較的高速で移動しているときは、先端効果器201を処置対象部位に向かって移動させている、すなわち前述の「細かい動き」が行われていないときであるとの考えに基づき、把持部101の移動量に基づいて駆動関節を選択する判定を行う。
その後の流れは、実施例1と同様である。
さらに、上記した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の適当な組合せにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、上述したような課題を解決でき、上述したような効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成も発明として抽出され得る。
Claims (8)
- 複数の自由度に対応した関節を有するスレーブマニピュレータを操作するためのマスタ操作入力装置であって、
操作者によって把持された状態で位置及び姿勢を変化自在であって、該位置及び姿勢の変化に応じて、前記スレーブマニピュレータを固定端から見た場合の最も遠い端部である前記スレーブマニピュレータの遠位端の位置及び姿勢の指令値を与えるように構成された把持部と、
前記把持部が把持された状態で前記操作者の指先によって操作可能な位置に設けられ、前記把持部とは独立に操作可能な第1の操作部と、
前記スレーブマニピュレータの遠位端の関節に設けられた効果器を操作可能であり前記第1の操作部に取り付けられた第2の操作部と、
を具備し、
前記第1の操作部は、前記把持部を把持した手の指先による操作によって前記第2の操作部の向きを変化させる関節を含んでいることを特徴とするマスタ操作入力装置。 - 前記第1の操作部が前記把持部に対して、前記スレーブマニピュレータの遠位端の関節と同一の構造を有し、手動操作を受けて前記スレーブマニピュレータの遠位端の関節を駆動するための駆動量の指令値を与えるように構成されたことを特徴とする請求項1に記載のマスタ操作入力装置。
- 前記把持部と、前記第1の操作部と、前記第2の操作部とは、同一直線上に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のマスタ操作入力装置。
- 前記第1の操作部は、前記把持部によって支持されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のマスタ操作入力装置。
- 前記把持部は、該把持部の位置及び姿勢の変化に従って駆動されるアーム部に取り付けられていることを特徴とする請求項4に記載のマスタ操作入力装置。
- 前記第1の操作部は、さらに、前記アーム部によって支持されていることを特徴とする請求項5に記載のマスタ操作入力装置。
- 前記スレーブマニピュレータの遠位端の関節は、複数の自由度に対応した複数の関節を有し、
前記第1の操作部は、前記スレーブマニピュレータの遠位端の関節が有する各関節の駆動量の指令値を各々与えるように構成されていることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載のマスタ操作入力装置。 - 複数の自由度に対応した関節を有するスレーブマニピュレータと、
請求項1乃至7の何れか1項に記載のマスタ操作入力装置と、
前記位置及び姿勢の指令値、並びに前記スレーブマニピュレータの遠位端の関節を駆動するための駆動量の指令値から、前記スレーブマニピュレータの各関節の駆動量を算出し、該駆動量の算出結果に従って前記スレーブマニピュレータの各関節を駆動する制御部と、
を有することを特徴とするマスタスレーブマニピュレータ。
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