JP5893064B2 - モータの制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、モータを駆動するインバータを有し、このインバータのスイッチングサージ電圧が許容範囲を超えないように制御するようにしたモータの制御装置に関するものである。
たとえば車載三相交流モータの駆動には、合計6個のパワー半導体スイッチング素子を内蔵する三相インバータ回路が用いられている。パワー半導体スイッチング素子としてはパワーMOSトランジスタやIGBTなどが用いられる。これらのパワー半導体スイッチング素子を駆動制御するために、外部から入力される入力パルス信号電圧を増幅してパワー半導体スイッチング素子の制御電極に印加するドライブ回路が用いられている。このドライブ回路としては、たとえば相補型CMOSインバータなどが用いられる。パワー半導体スイッチング素子の主電極端子にはバッテリなどから電源電圧が供給される。
上記のようなパワー半導体スイッチング素子などには種々の動作条件が要求される。動作条件の絶対的な一つはチップ温度が許容範囲内を超えないことである。近年重視される動作条件の他の一つはスイッチングサージ電圧が許容範囲内を超えないことである。その他にも種々の動作条件がある。
このようなパワー半導体スイッチング素子に要求される複数の動作条件を満たすものとして特許文献1が知られている。
この特許文献1は、パワー半導体スイッチング素子が高温となったと判定した場合に、ドライブ回路に印加する電源電圧をアップし、これによりパワー半導体スイッチング素子抵抗が低下し、その抵抗損失(発熱量)が減少し、パワー半導体スイッチング素子の温度上昇を抑制、低下させることができる。
逆に、パワー半導体スイッチング素子が低温となったと判定した場合に、ドライブ回路に印加する電源電圧をダウンする。これにより、特にパワー半導体スイッチング素子をオンにするときに発生するスイッチングサージ電圧を低減することができる。
また、パワー半導体スイッチング素子の温度が低い場合にはドライブ回路へ印加する電源電圧を低減するため、パワー半導体スイッチング素子のオン抵抗が増大してそのオン過渡期間が延長され、パワー半導体スイッチング素子の主電極端子の電圧変化率が緩和され、スイッチングサージ電圧が低下する。それに応じて、パワー半導体スイッチング素子の制御電極に印加する制御電圧の低下によりパワー半導体スイッチング素子の寿命延長も期待できる。
特開2008−178200号公報
従来の装置はドライブ回路に入力するバッテリ電圧を操作する手法で、パワー半導体スイッチング素子の温度上昇やスイッチングサージ電圧を低減する構成であったため、バッテリ電圧が電子部品の耐圧付近でインバータを最大限に使用することが実現できていない恐れがある。
また、上記従来の装置では、ドライブ回路に入力するバッテリ電圧を作り出すために、駆動回路以外に別途、別の回路を追加する必要があり、回路規模の増大やそれによる保守の悪化が発生する恐れがある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、バッテリ電圧、インバータの温度等を監視しながらスイッチングサージ電圧に対する電子部品の耐圧に基づいて、モータの相電流に制限をかけることで、インバータの定格容量を最大限に使用することができるモータの制御装置を提供することを目的とするものである。
この発明に係るモータの制御装置は、バッテリから供給される電力を変換してモータを駆動するインバータと、このインバータをPWM制御してモータを駆動制御するコントローラと、バッテリの電圧を検出する電圧検出手段と、モータの相電圧を検出する相電圧検出手段と、インバータの基板温度を検出するインバータ基板温度検出手段と、インバータのスイッチング素子の温度を検出するスイッチング素子温度検出手段を備え、コントローラは、電圧検出手段より得られた電圧値が所定の閾値を超えた場合、または相電圧検出手段で検出した相電圧が予め決められた閾値を超えた場合に、モータを駆動させる相電流を予め設定された最小電流制限値に電流制限する相電流制限手段を有し、相電流制限手段は、インバータ基板温度検出手段が検出したインバータの基板温度が所定の閾値を超えた場合、またはスイッチング素子温度検出手段が検出したインバータのスイッチング素子温度が所定の閾値を超えた場合にモータを駆動させる相電流を制限する電流制限値を小さくするように補正するものである。
この発明のモータの制御装置によれば、バッテリ電圧、インバータ温度等を監視しながらスイッチングサージ電圧に対する電子部品の耐圧に基づいてモータの相電流に制限をかけることによって、バッテリ電圧がインバータ電子部品の耐圧付近でも電子部品の破損を防ぎながら、インバータの定格容量を最大限に使用することが可能になる。
また、スイッチングサージ電圧を抑制することで、パワー半導体スイッチング素子等のインバータの電子部品に印加する電圧が低下し、その寿命も延長する。
さらに、この発明は主に制御手法の変更のため回路規模に大きな変更を与えないので、装置の保守性にも優れる。
この発明の実施の形態1におけるモータの制御装置の構成を示す図である。 この発明の実施の形態1におけるモータの制御装置による処理のフローチャートを示す図である。 この発明の実施の形態1のモータ制御装置によって相電流の電流制限値を決める一例を示す図である。 この発明の実施の形態1のモータ制御装置において、温度によって相電流の電流制限値を補正する一例を示す図である。 この発明の実施の形態1のモータ制御装置に使用されるインバータの駆動時間積算手段の処理フローを示す図である。
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1に係るモータの制御装置を図1から図5に基づいて説明する。図1は、この発明のモータの制御装置を示す図であり、好ましい形態の1つを示す概略構成図である。
図1において、制御装置は主に、モータ1およびその制御回路や電圧や電流などを検出する回路に電力を供給するバッテリ2と、バッテリ2から供給される電力を変換してモータを駆動するインバータ3と、このインバータ3をPWM制御してモータ1を駆動制御するコントローラ4で構成されている。
バッテリ2は少なくとも1つ以上備えていれば良く、またDC/DC変換などの電圧変換器を用いて電力を供給しても良い。バッテリ2とインバータ3との間には、バッテリ2
の電圧を検出する電圧検出手段5が設けられ、この電圧検出手段5はモータ駆動時にはモータ1に供給する電力に応じた電圧を監視し、回生時にはモータ1が回収する電力に応じた電圧を監視している。またインバータ3がスイッチング動作している時のスイッチングサージ電圧(後述する)を監視するようにもなっている。監視している電圧はコントローラ4に入力される。
モータ1は多相交流モータやステッピングモータなどで構成され、モータ1とインバータ3を接続する箇所には、モータ1の相電圧を検出する相電圧検出手段6および相電流を検出する相電流検出手段7が設けられている。さらにモータ1にはその回転数を検出する回転数センサ8が設けられている。相電圧検出手段6で検出した相電圧と相電流検出手段7で検出した相電流、および回転数センサ8で検出した回転数はコントローラ4に入力される。
インバータ3は、パワー半導体素子などのスイッチング素子31と平滑コンデンサ32とで構成され、スイッチング素子31はNチャンネルMOSFETやIGBTで構成されている。平滑コンデンサ32はセラミックコンデンサやフィルムコンデンサや電界コンデンサであり、スイッチング素子31のスイッチングによる変動を平滑化する。またスイッチング素子31と平滑コンデンサ32は図示していないプリント基板などに搭載されている。
このインバータ3には、インバータのプリント基板の温度を検出するインバータ基板温度検出手段33と、インバータのスイッチング素子31の温度を検出するスイッチング素子温度検出手段34が設けられている。インバータ基板温度検出手段33で検出された基板温度と、スイッチング素子温度検出手段34で検出された素子温度はコントローラ4に入力される。
コントローラ4は、モータ1の駆動に必要な制御の演算を行うマイコン41と、マイコン41の演算結果に応じてインバータ3のスイッチング素子31に駆動信号を供給するプリドライバ部42で構成されている。
マイコン41は、電圧検出手段5で検出したバッテリ電圧、相電圧検出手段6で検出した相電圧、相電流検出手段7で検出した相電流、回転数センサ8で検出した回転数、インバータ基板温度検出手段33で検出した基板温度、およびスイッチング素子温度検出手段34で検出した素子温度などに基づき、バッテリ2から供給された電力をモータ1が効率良く駆動できるように、モータ1の駆動に必要な制御、エラー検出・記録、各状態量の制限等の処理を行う。
さらに、マイコン41には、電圧検出手段5より得られた電圧値が所定の閾値を超えた場合に、モータ1を駆動させる相電流を予め設定された最小電流制限値に電流制限する相電流制限手段411と、インバータ3の駆動時間を積算する駆動時間積算手段412と、モータ1が力行であるか回生であるかを判定する手段(図示省略)を有している。
また、相電流制限手段411は、相電圧検出手段6で検出した相電圧が予め決められた閾値を超えた場合に、モータ1を駆動させる相電流を最小電流制限値に電流制限することにもなっている。
また、相電流制限手段411は、監視している電圧に基づいてモータ1の相電流を制限する電流制限値を算出すると共に、インバータ基板温度検出手段33が検出したインバータ3の基板温度が所定の閾値を超えた場合、あるいはスイッチング素子温度検出手段34が検出したインバータ3のスイッチング素子温度が所定の閾値を超えた場合、あるいは駆動時間積算手段412が積算したインバータ3の駆動積算時間が予め決められた閾値を超えた場合に、モータ1を駆動させる相電流を制限する電流制限値を小さくするように補正するようにもなっている。
プリドライバ部42は、マイコン41で演算された結果よりインバータ3のスイッチング素子31のスイッチングに必要な駆動信号を生成して、インバータ3に供給する。インバータ3はプリドライバ部42からの駆動信号に応じて、バッテリ2から供給された電力を変換してモータ1の各相の巻線に電力を供給することでモータ1を回転駆動する。
ここで、上記したスイッチングサージ電圧とは、スイッチング素子31のスイッチング時に、配線インダクタンスをL、バッテリ2の正極と負極の間を流れる電流をIとすると、ΔV=L・dI/dtと表される電圧のことである。そして、スイッチングサージ電圧はスイッチング素子31等の耐圧を超えると、スイッチング素子31を破壊する恐れがある。
そのため、従来はΔVを小さくするために配線インダクタンスLを小さくしたり、インバータ3の各相にΔVを吸収するスナバ回路を付加したりして対策することが多いものである。この発明では付加的な回路をなくし、相電流の電流制限値を用いて対策するようにしたものである。
この発明は、バッテリ電圧、相電圧、インバータ基板温度、スイッチング素子温度等を監視しながら、スイッチングサージ電圧に対するインバータ3の電子部品の耐圧に基づいてモータ1の相電流に制限をかけ、スイッチングサージ電圧を含むバッテリ電圧が電子部品の耐圧付近であってもインバータ3の定格容量を最大限に使用できるものである。
次に、この発明のコントローラ4に内蔵されたマイコン41で実行される処理を図2に示すフローチャートに基づいて説明する。以下の処理はマイコン41内でモータ1を駆動させる電流量を算出する前に行う。
図2において、ステップS101で開始した後に、ステップS102はバッテリ電圧検出手段5でバッテリ電圧Vp、相電圧検出手段6で相電圧Vphをそれぞれ検出する。
ステップS103は、ステップS102で検出したバッテリ電圧Vpまたは相電圧Vphによってスイッチングサージ電圧が発生しているか否かの判定を行う。
例えば、バッテリ電圧Vpで判定する場合は、バッテリ電圧Vpが所定の閾値を超えた場合に、スイッチングサージが発生した(Yes)として、スイッチングサージ電圧検出フラグを出力して検出処理はステップS113に移行する。一方、スイッチングサージが発生していない(No)とした場合は、処理をステップS104に移行する。
また、相電圧Vphで判定する場合は、駆動中に相電圧Vphを監視し続け、その平均値と現在値との差が閾値以上の場合、スイッチングサージが発生した(Yes)として、スイッチングサージ電圧検出フラグを出力して検出処理をステップS113に移行する。一方、スイッチングサージが発生していない(No)とした場合は、処理をステップS104に移行する。
なお、スイッチングサージ電圧が発生しているかの判定は、バッテリ電圧Vpと相電圧Vphの両方で行っても良い。
ここで、ステップS113に移行した場合、ステップS113では検出フラグを確認し次第、相電流制限手段411によりモータ1を駆動するために算出された電流に電流制限値を用いて制限をかけてモータ1の相電流を小さくし、スイッチングサージ電圧を抑制する。このときの電流制限値は想定されるサージ電圧に対して最小電流制限値に設定し、処理をステップS111で電流制限をかけて、ステップS112に処理を移行して終了する。最小電流制限値は予めマイコン41の相電流制限手段411の内部記憶装置に記憶させておく。
上記のようにすることで、スイッチングサージ電圧がインバータ3に入力された場合に各電子部品の耐圧を超え、破損させることを速やかに防ぎ、装置としての寿命を延命させることが可能になる。
一方、ステップS104に移行した場合、図3に示すように、バッテリ電圧検出手段5で検出したバッテリ電圧Vpと、予め相電流制限手段411の内部記憶装置に記録させておいたスイッチングサージ電圧に対する各電子部品の内、一番低い耐圧からさらに低い側にマージンをとった電圧閾値Aと高い側にマージンをとった電圧閾値Bを比較して、電圧閾値Aから電圧閾値Bの範囲にバッテリ電圧Vpがあるか否かを判定する。
ステップS104において、バッテリ電圧Vpが電圧閾値Aと電圧閾値Bの範囲にある場合(Yes)、ステップS105へ移行して相電流の電流制限値を算出する。
もし、バッテリ電圧Vpが電圧閾値Aから電圧閾値Bの範囲にない場合(No)、ステップS114に移行してバッテリ電圧Vpが電圧閾値Bより高いか否か判定する。
ステップS114において、バッテリ電圧Vpが電圧閾値Bより高いと判定された場合(Yes)、ステップS115へ移行し、スイッチングサージ電圧が各電子部品の耐圧を超えて破損させることを防ぐため、モータ1の相電流を最小電流制限値に設定し、ステップS111で電流制限をかけて、ステップS112に処理を移行して終了する。
一方、ステップS114において、バッテリ電圧Vpが電圧閾値Bより高くないと判定された場合(No)、相電流制限手段411内で算出された電流制限値をそのまま使用する。そして、ステップS111で電流制限をかけて、ステップS112に処理を移行して終了する。
ステップS104において、バッテリ電圧Vpが電圧閾値Aから電圧閾値Bの範囲にある(Yes)と判定された後、ステップS105で相電流の電流制限値を算出する方法について説明する。
スイッチングサージ電圧に対する電子部品の耐圧に対して電流制限値を算出する方法としては、たとえば予めマイコン41の相電流制限手段411の内部記憶装置に記録させたバッテリ電圧Vpと電子部品の耐圧(スイッチングサージ電圧に対する)に対して電流制限値の関係マップを用いることとする。この関係マップは図3に示すようなもので、バッテリ電圧Vpが電子部品の耐圧に近づくほど電流制限値は小さくする。
上記のように、バッテリ電圧Vpが電子部品の耐圧近くまでならなければ相電流の制限はかけず、バッテリ電圧Vpが電子部品の耐圧に近づいたら相電流の制限をかけ始めて、その制限値を小さくしていく。そしてバッテリ電圧Vpが電子部品の耐圧より少し大きい電圧を超えたら電流制限値が最小値にする。
このようにすることにより、スイッチングサージ電圧がインバータ3に入力された場合に各電子部品の耐圧を超え、破損させることを防ぎながら、バッテリ電圧Vpが電子部品の耐圧付近の電圧値でもインバータ3の定格容量を最大限に使用することが可能となる。
ステップS105で電流制限値を算出した後に、次のステップに進み、スイッチングサージ電圧に対する電流制限値に各部分の温度による補正やモータ1の駆動状態による補正を行う。
まず、ステップS106では、インバータ基板温度検出手段33からインバータ基板温度Tc、スイッチング素子温度検出手段34からスイッチング素子温度Tsを検出する。ステップS107では、ステップS106で検出したインバータ基板温度Tcとスイッチング素子温度Tsがスイッチングサージ電圧に対する各電子部品の耐圧と温度の関係マップにおいて、スイッチング素子31の熱暴走などの理由により耐圧を著しく下げるかどうかを判断するために、インバータ基板温度Tcが温度閾値C以上であるかどうか、またはスイッチング素子温度Tsが温度閾値D以上であるかどうかを判定する。
そして、インバータ基板温度Tcが温度閾値C以上になった場合、またはスイッチング素子温度Tsが温度閾値D以上になった場合、ステップS108に移行してステップS105で算出した電流制限値が小さくなるように補正をする。
例えば、図4(a)(b)に示すように、インバータ基板温度Tcとスイッチング素子温度Tsとで別々にマップを用意し、インバータ基板温度Tcに応じた相電流制限値αを算出、またスイッチング素子温度Tsに応じた相電流制限値βを算出し、これとは別にこれ以上相電流を大きくすると電子部品が破損するという最少電流制限値の相電流制限値γの3つの相電流制限値を算出した後、一番小さいものを相電流制限値として用いる。
図4に示した例の場合は、スイッチング素子温度Tsが温度閾値D以上になっている(●印)ので、スイッチング素子温度Tsの温度制限にかかった相電流制限値βと最少電流制限値γを比較して、小さい方の相電流制限値βを算出して補正する。
ステップS107において、 インバータ基板温度Tcが温度閾値C以上でない場合、またはスイッチング素子温度Tsが温度閾値D以上でない場合は、ステップS111に移行して、マイコン41の相電流制限手段411内でそれまでの処理から算出されている電流制限値を用いて、ステップS111で電流制限をかけて、ステップS112に処理を移行して終了する。
温度に対して補正を行うステップS108では、たとえば予め相電流制限手段411の内部記憶装置に記録した、図4に示すような各温度と電流制限値の補正の関係マップを用いて補正する。この関係マップによって温度が高くなるほど補正により電流制限値は小さくなるようにする。
上記のような補正をかけると、スイッチングサージ電圧に対する各電子部品の耐圧を超えないような電流値でモータ1を駆動することができ、インバータ3の定格容量を最大限に使用することが可能となって、例えばパワー半導体素子であるスイッチング素子31の熱暴走や熱になる損失を抑えることが可能になる。
次に、ステップS109では、電流の向きもしくはトルクの指令からモータ1が力行であるか回生であるかの判定を行う。力行と判定された場合(No)、マイコン41の相電流制限手段411内で算出された電流制限値で、ステップS111で電流制限をかけて、ステップS112に処理を移行して終了する。
もし、ステップS109において、回生と判定された場合(Yes)、ステップS110に移行して、ステップS105で算出された相電流の電流制限値を補正する。
回生と判定された場合の補正は、たとえば予めマイコン41の相電流制限手段411の内部記憶装置に記録した回転数とバッテリ電圧と電流制限値の補正の関係マップを用いて補正する。
例えば、回生の場合、バッテリ供給電圧=―起電力定数×回転数が成立します。このバッテリ供給電圧が実際のバッテリ電圧Vpより大きければ電流がバッテリに流れ、充電する。つまり、回転数が高い場合、電流が多く流れる。それはバッテリ電圧が耐圧の付近でも同様のことが言えるが、破損の恐れがある。従って、回転数が高くなり、電流が増加してきて、電圧が耐圧になったら電流でクリップする制限をかける。
上記のように、力行時と回生時でモータ1を駆動させる相電流を制限する電流制限値を補正する値を変えるようにし、回生ではスイッチングサージ電圧はバッテリ電圧を増加させる方向に働くため、電流制限値を減少する方向に補正することで、スイッチングサージ電圧に対する各電子部品の耐圧を超えないような電流値でモータ1を駆動することができ、インバータの定格容量を最大限に使用することが可能となる。
次に、ステップS116では、マイコン41の駆動時間積算手段412でインバータ3の駆動時間の算出、記録を行う。ここで、インバータ3の駆動時間は、たとえば駆動モードである間にカウントした時間積算値や通電時間の積算値である。
例えば、図5に示すように、ステップS201でスタートしたら、ステップS202は、インバータ3が駆動終了モードであるか否かを判定する。ステップS202において、インバータ3が駆動終了モードでない場合(No)、すなわち駆動モードである場合にステップS203に進む。ステップS203で、モータ1が回転し、且つ電源がオンである場合に、ステップS204で駆動時間のカウントアップを行う。そして、ステップS207で駆動積算時間の算出を開始し、今回のインバータ3の駆動積算時間を記録する。
もし、ステップS202において、インバータ3が駆動終了モードである場合(Yes)、ステップS205は、マイコン41の駆動時間積算手段412内の記録媒体から過去の駆動積算時間を読み出す。そして、ステップS206において、今回のインバータ3の駆動積算時間と過去の駆動積算時間の加算処理を行う。
ステップS117では、インバータ3の今までの駆動積算時間と予めマイコン41の駆動時間積算手段412内に記憶させておいた電子部品に関する寿命から決められた時間閾値Tmaxを比較する。駆動積算時間が時間閾値Tmaxを超えた場合(Yes)は、ステップS118へ移行し、ステップS105で算出された相電流の電流制限値を小さくするように補正し、ステップS111で電流制限をかけて、ステップS112に処理を移行して終了する。
ステップS117において、駆動積算時間が時間閾値Tmaxを超えない場合は、ステップS111に移行して、マイコン41の相電流制限手段411内でそれまでの処理から算出されている電流制限値を用いて、そのままの電流制限をかけてステップS112に処理を移行して終了する。
上記のようにすることで、電子部品の寿命に対して通電時間が抑えられて機器としての経年劣化進行を防ぐことができ、装置としての寿命を延命することができる。
以上では図2のフローチャートにおいて、バッテリ電圧Vpが電圧閾値Aと電圧閾値Bの範囲にある場合、相電流制限手段411は、相電流の電流制限値を算出し、インバータ3の基板温度、インバータ3のスイッチング素子の温度、インバータ3の駆動積算時間が所定の閾値を超えた場合、またはモータ1の回生時に、算出された相電流の電流制限値を小さくすることについて、直列に記載して説明したが、これは相電流の制限を最小のものに随時更新していくことを想定したものである。
即ち、ステップS105で算出した電流制限値を基に、各ステップで求めた電流制限値がそのステップの前までに得られた電流制限値より小さければ更新していくことを考えている。そして、最小電流制限値は算出においてこの値未満が算出されれば、その算出された電流制限値を使用し、この値以上ならば最小電流制限値を利用する関係を考えているためである。
しかしながら、この発明は上記したものに限られるものではなく、相電流制限手段411は、算出した電流制限値を小さくするように補正するトリガとしては、上記した複数の中から少なくとも1つを備えておればよい。
例えば、インバータ基板温度検出手段33が検出したインバータの基板温度が所定の閾値を超えた場合に、モータを駆動させる相電流を制限する電流制限値を小さくするように補正することだけを備えたものでもよい。
また、相電流制限手段411は、スイッチング素子温度検出手段34が検出したインバータのスイッチング素子温度が所定の閾値を超えた場合に、モータを駆動させる相電流を制限する電流制限値を小さくするように補正することだけを備えたものでもよい。
また、コントローラ4は、モータが力行であるか回生であるかの判定を行い、相電流制限手段411は、力行時と回生時でモータを駆動させる相電流を制限する電流制限値を補正する値を変えることだけを備えたものでもよい。
また、相電流制限手段411は、相電圧検出手段6で検出した相電圧が予め決められた閾値を超えた場合に、モータを駆動させる相電流を最小電流制限値に電流制限することだけを備えたものでもよい。
また、相電流制限手段411は、インバータ駆動積算時間が予め決められた閾値を超えた場合に、モータを駆動させる相電流を制限する電流制限値を小さくするように補正することだけを備えたものでもよい。
以上、この発明の実施の形態を記述したが、この発明は実施の形態に限定されるものではなく、種々の設計変更を行うことが可能であり、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
1:モータ、 2:バッテリ、 3:インバータ、 4:コントローラ、
5:バッテリ電圧検出手段、 6:相電圧検出手段、 7:相電流検出手段、
8:回転数センサ、 31:スイッチング素子、 32:平滑コンデンサ、
33:インバータ基板温度検出手段、 34:スイッチング素子温度検出手段、
41:マイコン、 42:プリドライバ部、 411:相電流制限手段、
412:駆動時間積算手段。

Claims (3)

  1. バッテリから供給される電力を変換してモータを駆動するインバータと、このインバータをPWM制御して前記モータを駆動制御するコントローラと、前記バッテリの電圧を検出する電圧検出手段と、前記モータの相電圧を検出する相電圧検出手段と、前記インバータの基板温度を検出するインバータ基板温度検出手段と、前記インバータのスイッチング素子の温度を検出するスイッチング素子温度検出手段を備え、
    前記コントローラは、前記電圧検出手段より得られた電圧値が所定の閾値を超えた場合、または前記相電圧検出手段で検出した相電圧が予め決められた閾値を超えた場合に、前記モータを駆動させる相電流を予め設定された最小電流制限値に電流制限する相電流制限手段を有し、前記相電流制限手段は、前記インバータ基板温度検出手段が検出したインバータの基板温度が所定の閾値を超えた場合、または前記スイッチング素子温度検出手段が検出したインバータのスイッチング素子温度が所定の閾値を超えた場合に前記モータを駆動させる相電流を制限する電流制限値を小さくするように補正することを特徴とするモータの制御装置。
  2. 前記コントローラは、前記モータが力行であるか回生であるかの判定を行い、前記相電流制限手段は、力行時と回生時で前記モータを駆動させる相電流を制限する電流制限値を補正する値を変えることを特徴とする請求項1に記載のモータの制御装置。
  3. 前記コントローラは、前記インバータの駆動時間を積算する駆動時間積算手段を有し、前記相電流制限手段は、インバータ駆動積算時間が予め決められた閾値を超えた場合に、前記モータを駆動させる相電流を制限する電流制限値を小さくするように補正することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のモータの制御装置。
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