JP5893064B2 - モータの制御装置 - Google Patents
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Description
この特許文献1は、パワー半導体スイッチング素子が高温となったと判定した場合に、ドライブ回路に印加する電源電圧をアップし、これによりパワー半導体スイッチング素子抵抗が低下し、その抵抗損失(発熱量)が減少し、パワー半導体スイッチング素子の温度上昇を抑制、低下させることができる。
また、スイッチングサージ電圧を抑制することで、パワー半導体スイッチング素子等のインバータの電子部品に印加する電圧が低下し、その寿命も延長する。
さらに、この発明は主に制御手法の変更のため回路規模に大きな変更を与えないので、装置の保守性にも優れる。
以下、この発明の実施の形態1に係るモータの制御装置を図1から図5に基づいて説明する。図1は、この発明のモータの制御装置を示す図であり、好ましい形態の1つを示す概略構成図である。
図1において、制御装置は主に、モータ1およびその制御回路や電圧や電流などを検出する回路に電力を供給するバッテリ2と、バッテリ2から供給される電力を変換してモータを駆動するインバータ3と、このインバータ3をPWM制御してモータ1を駆動制御するコントローラ4で構成されている。
の電圧を検出する電圧検出手段5が設けられ、この電圧検出手段5はモータ駆動時にはモータ1に供給する電力に応じた電圧を監視し、回生時にはモータ1が回収する電力に応じた電圧を監視している。またインバータ3がスイッチング動作している時のスイッチングサージ電圧(後述する)を監視するようにもなっている。監視している電圧はコントローラ4に入力される。
このインバータ3には、インバータのプリント基板の温度を検出するインバータ基板温度検出手段33と、インバータのスイッチング素子31の温度を検出するスイッチング素子温度検出手段34が設けられている。インバータ基板温度検出手段33で検出された基板温度と、スイッチング素子温度検出手段34で検出された素子温度はコントローラ4に入力される。
マイコン41は、電圧検出手段5で検出したバッテリ電圧、相電圧検出手段6で検出した相電圧、相電流検出手段7で検出した相電流、回転数センサ8で検出した回転数、インバータ基板温度検出手段33で検出した基板温度、およびスイッチング素子温度検出手段34で検出した素子温度などに基づき、バッテリ2から供給された電力をモータ1が効率良く駆動できるように、モータ1の駆動に必要な制御、エラー検出・記録、各状態量の制限等の処理を行う。
また、相電流制限手段411は、相電圧検出手段6で検出した相電圧が予め決められた閾値を超えた場合に、モータ1を駆動させる相電流を最小電流制限値に電流制限することにもなっている。
そのため、従来はΔVを小さくするために配線インダクタンスLを小さくしたり、インバータ3の各相にΔVを吸収するスナバ回路を付加したりして対策することが多いものである。この発明では付加的な回路をなくし、相電流の電流制限値を用いて対策するようにしたものである。
図2において、ステップS101で開始した後に、ステップS102はバッテリ電圧検出手段5でバッテリ電圧Vp、相電圧検出手段6で相電圧Vphをそれぞれ検出する。
例えば、バッテリ電圧Vpで判定する場合は、バッテリ電圧Vpが所定の閾値を超えた場合に、スイッチングサージが発生した(Yes)として、スイッチングサージ電圧検出フラグを出力して検出処理はステップS113に移行する。一方、スイッチングサージが発生していない(No)とした場合は、処理をステップS104に移行する。
また、相電圧Vphで判定する場合は、駆動中に相電圧Vphを監視し続け、その平均値と現在値との差が閾値以上の場合、スイッチングサージが発生した(Yes)として、スイッチングサージ電圧検出フラグを出力して検出処理をステップS113に移行する。一方、スイッチングサージが発生していない(No)とした場合は、処理をステップS104に移行する。
なお、スイッチングサージ電圧が発生しているかの判定は、バッテリ電圧Vpと相電圧Vphの両方で行っても良い。
もし、バッテリ電圧Vpが電圧閾値Aから電圧閾値Bの範囲にない場合(No)、ステップS114に移行してバッテリ電圧Vpが電圧閾値Bより高いか否か判定する。
一方、ステップS114において、バッテリ電圧Vpが電圧閾値Bより高くないと判定された場合(No)、相電流制限手段411内で算出された電流制限値をそのまま使用する。そして、ステップS111で電流制限をかけて、ステップS112に処理を移行して終了する。
スイッチングサージ電圧に対する電子部品の耐圧に対して電流制限値を算出する方法としては、たとえば予めマイコン41の相電流制限手段411の内部記憶装置に記録させたバッテリ電圧Vpと電子部品の耐圧(スイッチングサージ電圧に対する)に対して電流制限値の関係マップを用いることとする。この関係マップは図3に示すようなもので、バッテリ電圧Vpが電子部品の耐圧に近づくほど電流制限値は小さくする。
このようにすることにより、スイッチングサージ電圧がインバータ3に入力された場合に各電子部品の耐圧を超え、破損させることを防ぎながら、バッテリ電圧Vpが電子部品の耐圧付近の電圧値でもインバータ3の定格容量を最大限に使用することが可能となる。
まず、ステップS106では、インバータ基板温度検出手段33からインバータ基板温度Tc、スイッチング素子温度検出手段34からスイッチング素子温度Tsを検出する。ステップS107では、ステップS106で検出したインバータ基板温度Tcとスイッチング素子温度Tsがスイッチングサージ電圧に対する各電子部品の耐圧と温度の関係マップにおいて、スイッチング素子31の熱暴走などの理由により耐圧を著しく下げるかどうかを判断するために、インバータ基板温度Tcが温度閾値C以上であるかどうか、またはスイッチング素子温度Tsが温度閾値D以上であるかどうかを判定する。
そして、インバータ基板温度Tcが温度閾値C以上になった場合、またはスイッチング素子温度Tsが温度閾値D以上になった場合、ステップS108に移行してステップS105で算出した電流制限値が小さくなるように補正をする。
図4に示した例の場合は、スイッチング素子温度Tsが温度閾値D以上になっている(●印)ので、スイッチング素子温度Tsの温度制限にかかった相電流制限値βと最少電流制限値γを比較して、小さい方の相電流制限値βを算出して補正する。
もし、ステップS109において、回生と判定された場合(Yes)、ステップS110に移行して、ステップS105で算出された相電流の電流制限値を補正する。
例えば、回生の場合、バッテリ供給電圧=―起電力定数×回転数が成立します。このバッテリ供給電圧が実際のバッテリ電圧Vpより大きければ電流がバッテリに流れ、充電する。つまり、回転数が高い場合、電流が多く流れる。それはバッテリ電圧が耐圧の付近でも同様のことが言えるが、破損の恐れがある。従って、回転数が高くなり、電流が増加してきて、電圧が耐圧になったら電流でクリップする制限をかける。
例えば、図5に示すように、ステップS201でスタートしたら、ステップS202は、インバータ3が駆動終了モードであるか否かを判定する。ステップS202において、インバータ3が駆動終了モードでない場合(No)、すなわち駆動モードである場合にステップS203に進む。ステップS203で、モータ1が回転し、且つ電源がオンである場合に、ステップS204で駆動時間のカウントアップを行う。そして、ステップS207で駆動積算時間の算出を開始し、今回のインバータ3の駆動積算時間を記録する。
もし、ステップS202において、インバータ3が駆動終了モードである場合(Yes)、ステップS205は、マイコン41の駆動時間積算手段412内の記録媒体から過去の駆動積算時間を読み出す。そして、ステップS206において、今回のインバータ3の駆動積算時間と過去の駆動積算時間の加算処理を行う。
上記のようにすることで、電子部品の寿命に対して通電時間が抑えられて機器としての経年劣化進行を防ぐことができ、装置としての寿命を延命することができる。
しかしながら、この発明は上記したものに限られるものではなく、相電流制限手段411は、算出した電流制限値を小さくするように補正するトリガとしては、上記した複数の中から少なくとも1つを備えておればよい。
また、相電流制限手段411は、スイッチング素子温度検出手段34が検出したインバータのスイッチング素子温度が所定の閾値を超えた場合に、モータを駆動させる相電流を制限する電流制限値を小さくするように補正することだけを備えたものでもよい。
また、コントローラ4は、モータが力行であるか回生であるかの判定を行い、相電流制限手段411は、力行時と回生時でモータを駆動させる相電流を制限する電流制限値を補正する値を変えることだけを備えたものでもよい。
また、相電流制限手段411は、インバータ駆動積算時間が予め決められた閾値を超えた場合に、モータを駆動させる相電流を制限する電流制限値を小さくするように補正することだけを備えたものでもよい。
5:バッテリ電圧検出手段、 6:相電圧検出手段、 7:相電流検出手段、
8:回転数センサ、 31:スイッチング素子、 32:平滑コンデンサ、
33:インバータ基板温度検出手段、 34:スイッチング素子温度検出手段、
41:マイコン、 42:プリドライバ部、 411:相電流制限手段、
412:駆動時間積算手段。
Claims (3)
- バッテリから供給される電力を変換してモータを駆動するインバータと、このインバータをPWM制御して前記モータを駆動制御するコントローラと、前記バッテリの電圧を検出する電圧検出手段と、前記モータの相電圧を検出する相電圧検出手段と、前記インバータの基板温度を検出するインバータ基板温度検出手段と、前記インバータのスイッチング素子の温度を検出するスイッチング素子温度検出手段を備え、
前記コントローラは、前記電圧検出手段より得られた電圧値が所定の閾値を超えた場合、または前記相電圧検出手段で検出した相電圧が予め決められた閾値を超えた場合に、前記モータを駆動させる相電流を予め設定された最小電流制限値に電流制限する相電流制限手段を有し、前記相電流制限手段は、前記インバータ基板温度検出手段が検出したインバータの基板温度が所定の閾値を超えた場合、または前記スイッチング素子温度検出手段が検出したインバータのスイッチング素子温度が所定の閾値を超えた場合に前記モータを駆動させる相電流を制限する電流制限値を小さくするように補正することを特徴とするモータの制御装置。 - 前記コントローラは、前記モータが力行であるか回生であるかの判定を行い、前記相電流制限手段は、力行時と回生時で前記モータを駆動させる相電流を制限する電流制限値を補正する値を変えることを特徴とする請求項1に記載のモータの制御装置。
- 前記コントローラは、前記インバータの駆動時間を積算する駆動時間積算手段を有し、前記相電流制限手段は、インバータ駆動積算時間が予め決められた閾値を超えた場合に、前記モータを駆動させる相電流を制限する電流制限値を小さくするように補正することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のモータの制御装置。
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